26. スイッチング電源の設計(2)...電源の設計の手順の一例 3 1....
Post on 23-Jan-2020
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1. 電源用インダクタ2. 磁気回路と電磁気学3. 巻数Nの導出4. エアギャップのメリットとデメリット
26. スイッチング電源の設計(2)26. Design of the Switch-Mode Power Supply (SMPS) ( 2 )
講義内容
DC-DCコンバータの設計 2
安定動作 すること1
2 高 効率(=低 損失)
3出力 リプル (脈動)電圧が小さいこと(低 リプルノイズ )
4負荷過渡 応答特性が良い( 負荷変動 に強い)
①:回路設計( パワーステージ ・ 制御 回路・保護 回路・スナバ 回路 )②:素子・ 冷却体( ヒートシンク )選定・ 動作/スイッチング モード選択③:素子選定・回路の レイアウト( 配置 ・ 配線パターン )設計④:制御系 設計( 制御 回路(アナログ)・ アルゴリズム(ディジタル))
これらを考慮した上で設計 ※入力の急激な変動は無いものとする
電源の設計の手順の一例 3
1. 回路の動作条件の設定(入力電圧,出力電力,負荷の種類等)2. 回路の要求の比重選択(高効率 vs 小型化 vs コスト vs etc…)3. 回路動作の種類の選択(連続導通モード,不連続導通モード等)4. パワーステージの設計➢ インダクタ の設計➢ 冷却体(ヒートシンク)の設計➢ 半導体デバイスの選定及びゲート駆動回路周りの設計
➢ キャパシタの選定5. コントロールステージ(制御部)の設計6. 保護回路及びフィルタの設計7. 回路のレイアウトの構成(配置・配線パターン)
今回はインダクタの設計について講義を行う
(あくまで講義レベル)
空隙のある電源用インダクタ 4
空隙 lg
( エアギャップ )
巻数 N
断面積 Se
コア部の 磁路長 le
電流 i
鉄心( コア )透磁率 μ
インダクタは磁気回路 を用いて等価回路 表現する
※トランスも同様
磁束
電気回路と磁気回路 5
構成要素• 磁気回路を構成する 鉄心( コア )• 鉄心に巻かれた複数の コイル
vi
瞬時値 表記
起磁力 fm
が発生巻数Nのコイル
電気 回路 磁気 回路
磁気抵抗Rm
磁束 が流れる
インダクタで復習
自己インダクタンス L 6
Nif =m
mm Rf =
N=
N
LiR
NRRNif mmmm ====
磁束 磁束鎖交数 φ
自己インダクタンス L:磁束鎖交数 φ と電流 i の 比例係数
Li=
自己インダクタンスの式になるように式を変形
12 −= mRNL 磁気抵抗は?
fm=Rm :ホプキンソン の法則(磁気回路における オーム の法則)
John Hopkinson
(1849~1898)
自己インダクタンス Lと磁気抵抗Rm(コイル) 7
N巻コイル
実効断面積Se
透磁率 μ の鉄心( コア ) μ = μ0 μr
磁気抵抗( リラクタンス ) e
em
S
lR
=
e
e21
m
2
l
SNRNL ==
−自己インダクタンス
磁気抵抗の逆数( パーミアンス ) e
e
m
1
l
S
RP ==
i
v
実効磁路長le
磁気回路表現(電気回路と磁気回路の対応) 8
コア部の磁気抵抗 Rm
空隙の磁気抵抗 Rg
巻線 N を貫く 磁束
起磁力fm
mf
mR
gR
起電力E
起磁力fm
電流i
磁束
電気抵抗R
磁気抵抗Rm
電気回路 磁気回路
オームの法則
ホプキンソンの法則
巻数Nの導出 9
N=
Li= i
NL
=1
2
mf
mR
gRgm
m
RR
f
+=
3
er0
e
e
em
S
l
S
lR
=
=
ホプキンソンの法則
磁気抵抗値(空隙あり)
e0
g
gS
lR
=
空気中の 比透磁率 はμr = 1 であるため
μ = μ0 μr
※抵抗値の導出 S
l
S
lR =
=
mNif =m
巻数Nの導出 10
1 2 3 より,
e0
g
er0
e
2
gm
m 1
S
l
S
lN
RR
f
i
N
i
NL
+
=+
==
よって,
+
=
+
= g
r
e
e0e0
g
er0
e ll
S
L
S
l
S
lLN
磁気回路からインダクタの巻数を導出することが出来た!(※あくまで 近似 )
インダクタンス係数(AL-Value)
=パーミアンス
m
2
1
RN
L=
計算例 11
汎用フェライトコア:PC40EC90×90×30(TDK社)
http://ja.hz-careful-tr.com/transformer-core/ec-ferrite-core.html
実効断面積:Se (Ae) = 626[mm2]
実効磁路長:le = 221[mm]
使用するコアの比透磁率:2300
PC40:フェライトの材料EC:フェライトコアの形状
※EE,EI,EER等
計算例 12
インダクタンスを L=116[μH] ,エアギャップを lg = 2[mm] とすると,
+
=
+
= −
−
−−
−3
3
67
6
g
r
e
e0
1022300
10221
10626104
10116
l
l
S
LN
真空中 の透磁率μ0 = 4π×10-7 [H/m]
]Turn[58.17=
]Turn[18=N巻数は実数で表す。その場合,四捨五入をせずに整数値を一つ上昇させる
エアギャップの必要性 13
er0
em
S
lR
=
e0
g
gS
lR
=
le >> lg を考慮しても,強磁性体の比透磁率の影響により,Rg > Rm となる
前述の計算例で比較すると,
]H/1[10122 3
er0
em
=
S
lR
]H/1[10254 4
e0
g
g
=S
lR
磁気抵抗が約20倍ほど大きくなる
エアギャップの必要性 14
磁化の強さ(起磁力) NI = fm
磁束
最大磁束(密度)
エアギャップ無し
エアギャップ有り
蓄えられるエネルギの増加
磁気抵抗の増加により,最大磁束に到達するのに必要な電流値が大きくなる
2
L2
1LIW = より,
蓄えられるエネルギが増大!
※最大磁束密度を超えると磁気飽和 が生じて電流が
急激に増大してしまう(不安定)
エアギャップの必要性 15
( ) 2
gmm
2
L2
1
2
1
2
1
2
1 +==== RRfiNLIW
電気回路における電力 P = VI
2
g
2
m2
1
2
1 += RR
コア部のエネルギ 空隙部のエネルギ
磁気抵抗の大きさが,そのまま蓄えられるエネルギの大きさに繋がる
e
g
r
er0
e
e0
g
m
g
l
l
S
l
S
l
R
R=
==
½ も考慮すると三角形 の面積 となる!
フリンジング効果 16
理想状態
実際の状態エアギャップでは,磁気抵抗を減らすべく磁束の通過する断面積をコアの断面積よりも大きく しようとして磁束が膨らむ
フリンジング効果
e0
g
gS
lR
=
エアギャップ中の断面積が計算と実測で差が出てしまう
漏れ磁束 の要因となる
( ノイズ にもなる)
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