Ⅳ.イノベーションの実現を支える計測技術の開発、評価基 …...43...

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43 Ⅳ.イノベーションの実現を支える計測技術の開発、評価基盤の整備 ・材料計測、解析、評価技術 ・生産現場で発生する計測に かかわる技術の開発 ・ものづくり、地質情報等 の各種データベースの 構築、整備 ・試験技術の開発、実証及び 標準化と、それに伴う認定技術 の民間移転 知的基盤としての データベース 基準認証 陽電子による材料空孔評価装置 '材料ナノ空孔評価(

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43

Ⅳ.イノベーションの実現を支える計測技術の開発、評価基盤の整備

技術革新、生産性向上及び

産業の安全基盤の確立のための

計測基盤技術

・材料計測、解析、評価技術

・生産現場で発生する計測に

かかわる技術の開発

・ものづくり、地質情報等

の各種データベースの

構築、整備

知的基盤としてのデータベースの

構築と活用

・試験技術の開発、実証及び

標準化と、それに伴う認定技術

の民間移転

基準認証技術の開発と標準化

知的基盤としてのデータベース 基準認証

陽電子による材料空孔評価装置'材料ナノ空孔評価(

Page 2: Ⅳ.イノベーションの実現を支える計測技術の開発、評価基 …...43 Ⅳ.イノベーションの実現を支える計測技術の開発、評価基盤の整備

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生産現場計測技術の開発

【中期計画における目標と期待される成果】

エレクトロニクス産業等の生産現場で求められている

製品の各種欠陥や異常等の検出、発生防止、及び生

産の高効率化を目指した、実用的なソリュ-ションを

開発し提供する。10件以上の生産現場の課題解決

に取り組み、3件以上のソリューションを提供する。

【平成22年度計画】

超LSI製造プロセスにおける化学的機械的研磨処理直

後に生じるシリコン・ウェハ表層のマイクロクラックの検

出について、産総研で試作した原理機をベースとして、

クリーンルーム対応オフライン検査装置を企業と共同で

開発し、生産現場へ導入、その有用性を検証する。

【今後の展開】

シリコンウエハ検査装置については、企業と共同して生産現場'クリーンルーム(での詳細な評価と実用機としての総合的な調整を実施し、本格的な実用化を目指す。また地場の中小企業等から要望されている半導体外観検査の実用化については、企業等との共同開発プロジェクト等を通じた検査装置開発に取り組む。

1-'3(-①

【平成22年度実績

目的とするシリコンウエハ表層のマイクロクラック

の検出について、国内LSI量産メーカと共同研究を

実施し、クリーンルーム対応オフライン検査装置試

作機を開発した。光学系'検出精度、安定性など(

及び搬送系を中心に、産総研原理機をクリーン

ルーム仕様に改善、改良した。さらに、この試作機

を実際の生産現場'クリーンルーム内(に導入し、

その有用性の実証に着手した。

産総研原理機'上図(を用いたCMP製品ウエハのクラック検出'赤点(とAFM'エッチング後(を用いた検証の例

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45

ものづくりを支えるデータベースの整備

技術移転&統計データ交換

Spain

China

Korea

Mexico

Belgium

日本人 人体DB

AIST Web整備産業界へのデータ提供

2-'3(-③

【中期計画における目標と期待される成果】

・材料特性、人体特性等、産業技術開発力を支える基盤的な情報を整備し、社会に提供する。人体寸法、形状データベースには独自データを500以上拡充するとともに海外の企業、研究機関等からもデータを求め'欧米3ヶ国以上、新興産業国3ヶ国以上(、広範な地域の人体寸法にアクセスできる情報ハブを構築する。

【平成22年度計画】

・人体寸法/形状データベースに100人以上の独自データを追加する。また、インド、台湾、フランスの研究機関から人体寸法・形状データを集める。これらのデータを公開するWebサイトを構築する。

【平成22年度実績】

・人体寸法/形状データベースに足形状、全身形状など合わせて110人の独自データを追加した。インド、台湾、フランスの研究機関から人体寸法/形状データを取得し、データを記載したPDF書類と公開するWeb

サイトを構築した。

【今後の展開】

・人体寸法/形状データベースに新たに100人以

上の独自データを追加する。メキシコの研究機関

から足部の寸法/形状データを取得し、データを

電子的に記載した書類'PDFかWeb(を整備する。

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物質の分析・評価技術の開発と標準化

【中期計画における目標と期待される成果】

物質の分析及び特性評価を超高温環境下等、実際の

測定環境に適用するため、必要となる光温度計による

計測技術等を開発し、その標準化を行う。得られた技術

の普及を図るために4件のJIS化を目指す。

【平成22年度計画】

1)カーボン系材料の特性評価を超高温環境下など実際

の応用環境に適用するための計測装置及び計測技術

を開発し、その標準化を行う。

2)「ジルコニア中イットリアの化学分析手法」に関しては

JISまたはISO素案、「マグネシウム地金・合金中酸素の

分析手法」に関してはISO素案を作成する。また「窒化ケ

イ素の転動疲労特性評価手法」についてはWD'作業原

案(としての合意を目指す。

【今後の展開】

1) レーザー非接触法による熱膨張計測装置を開発し、高

温の熱膨張計測の高精度化を行うとともに、参照データの

取得を進め、その結果を用いて、JIS規格原案を作成する。

2) 新規ISO成立に向けて国際標準化活動を進める。

【平成22年度実績】

1)標準化に向けて2000℃超の高温カーボン材料の熱膨

張を接触法で計測する装置を開発した。

2)ジルコニア中イットリア及びマグネシウム地金、合金中

酸素の分析のISO素案を作成し、転動疲労特性評価の

WDが合意された。

参照試料と黒鉛電極の熱膨張係数の温度依存性

0.E+00

2.E-06

4.E-06

6.E-06

8.E-06

0 500 1000 1500 2000 2500

Temperature / ℃

CTE (/K

)

グラファイト参照試料

黒鉛電極

熱電対 放射温度計

ヒーター

前面ドア

変位計

検出棒熱電対

放射温度計

支持管

超高温熱膨張計測装置

3-'1(-①

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47

別表2 地質の調査(地質情報の整備による産業技術基盤、社会安全基盤の確保)

地質災害の将来予測と

評価技術の開発

国土及び周辺域の

地質基盤情報の整備と

利用拡大

・地質基盤情報を体系的

に調査、整備

・国土と周辺域における

地質の調査

・放射性廃棄物地層処分の

安全規制等のための、地圏

システムの評価、解明に

必要となる技術の開発

地圏の環境と資源に係る

評価技術の開発

・地震及び火山活動のメカニズム解明を目指した調査、研究等

地質情報の提供、普及

・地震、火山噴火等の自然災害発生時やその予兆発生時における、緊急調査の実施、地質情報の発信等

国際研究協力の

強化、推進

・アジア太平洋地域及びアフリカを中心とした地質に関する各種研究協力の推進等

地質情報の整備と利用と拡大

地圏の環境と資源に係る評価技術

地質災害の将来予測と評価技術

緊急調査の実施 国際研究協力の強化、推進

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48

地質図幅

報告書

陸域の地質調査と地質情報の整備

【平成22年度計画】

・5万分の1地質図幅5区画を完成。

・5万分の1および20万分の1地質図幅の調査を実施。

【中期計画における目標と期待される成果】

・国土の基本情報としての地質の実態を体系的に解明。

・防災面などの観点から重要な地域を中心に5万分の

1地質図幅20区画を作成。

・全国完備を達成した20万分の1地質図幅については、

更新の必要性の高いものについて3区画を改訂。

・地層及び岩体区分の構造化と階層化を行った次世代

の20万分の1日本シームレス地質図を作成。

【平成22年度実績】

・5万分の1地質図幅5区画を完成。

・次世代20万分の1日本シームレス地質図の凡例原稿を作成。

・現行20万分の1日本シームレス地質図のデータ更新。

【今後の展開】

・5万分の1地質図幅5区画を完成。

・5万分の1地質図幅及び20万分の1地質図幅改訂の整備

計画に従って調査を実施。

・次世代20万分の1日本シームレス地質図凡例に基づき南

西諸島及び九州地域の地質図編集を実施。

・現行20万分の1日本シームレス地質図のデータ更新。

1-'1(-①

シームレス地質図

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49

土壌汚染評価技術の開発 2-'1(-①

複合的な土壌・地下水汚染を対象とした詳細なリスク評価

【中期計画における目標と期待される成果】

・物理探査技術による土壌汚染調査の有効性を検証し、原位置計測や試料物性計測技術との併用による土壌汚染調査法を構築。

・生活環境における様々なリスクを適切に評価するための技術体系を確立。

・鉱物、植物、微生物及び再生可能エネルギーを活用した環境共生型の原位置浄化、修復技術を開発。

【平成22年度計画】

・地圏環境におけるマルチプルリスク評価手法構築、

産業のリスクガバナンスを可能とするための研究を実

施。

【平成22年度実績】

・土壌汚染等に起因する健康及び経済リスクの統合化評価の統一指標を提案し、生活環境リスク評価の方法論を確立。

・地圏環境リスク評価システムGERAS-3廃棄物版を開発。

・特定地域において土壌地質環境基本調査を行い、表層土壌データデータベースを作成。

・物理探査技術としてオンサイト計測が可能なNMRシステムを整備し、コア試料内の油汚染部位の非破壊検出に成功。

・土壌中の重金属や揮発性有機化合物について、環境共生型浄化手法の有効性を確認。

【今後の展開】

・土壌汚染等に起因する経済リスクの統合化評価モデルを作成。

・土壌中生物及び微生物に関わる生態系リスクを評価。

・特定地域における表層土壌リスクマップを作成。

・X線CT法による非破壊イメージングの重金属汚染土壌コアへの適用可能性を検証。

・自治体や企業と共同で土壌及び地下水汚染現場の調査を行い、工場や事業場等におけるリスク管理の向上に貢献。

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50

鉱物及び燃料資源のポテンシャル評価 2-'2(-①

「自然の延長をたどって大陸棚縁辺部の外縁」を決定するために、採取した岩石の分析を行い、申請書の素案作成に貢献した。

メタンハイドレート

トアレイク鉱床の鉱石赤茶色の鉱物'ゼノタイム(に、希土類元素が多く含まれる。'産総研Today Vol.9 No.10より(

'図は海上保安庁海洋情報部HPより(

大陸棚延伸への貢献

【平成22年度計画】

・南アフリカ、アジア等で鉱床の資源ポテンシャル評価を実施。

・大陸棚画定に係る国連審査をによりフォローアップ。

・メタンハイドレート等の未利用燃料資源のポテンシャルを評価。

【中期計画における目標と期待される成果】

・大陸棚画定への貢献等による鉱物資源の安定供給体制

の確立。

・各種資源ポテンシャルを燃料資源図として整備。

【平成22年度実績】

・人工的に合成した非金属鉱物材料'高機能吸着材(であ

るハスクレイについて、その脱着性能の評価研究を実施。

・工業的生産に向けた大量合成のための技術開発を行うと

ともに、実際の産業利用に向けての実証実験を開始。

・地圏流体の性状に関する研究として、炭化水素ガスの吸

着挙動及び相平衡、非メタン炭化水素の挙動等に関する

研究。

【今後の展開】

・非金属鉱物資源及び地圏流体等の地質学的、地球

化学的及び鉱物化学的解析を通して、地殻流体や炭

化水素ガス及び二酸化炭素等の物理化学性状を解明。

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地下水及び地熱資源のポテンシャル評価 2-'2(-②

水文環境図

地下水循環モデルの概要 タイに設置された地中熱利用ヒートポンプシステム

熱水系資源の分布

【平成22年度計画】

・地熱資源ポテンシャルを地理情報システムによって高

精度で評価し、全国の開発候補地を系統的に抽出。

・温泉発電のためのスケール抑制技術等の研究と地熱

貯留層管理システムの研究を実施。

【中期計画における目標と期待される成果】

・水文環境図を2図と全国の地下水資源ポテンシャル図を整備。

・地熱資源のポテンシャルを地理情報システムによって評価。

・温泉との共生を可能にする発電技術や地熱技術を開発。

・平野部等の地下温度構造及び地下水流動モデルを構築。

【平成22年度実績】

・高精度の地熱資源ポテンシャル評価の地理情報システ

ムの構築に着手し、「全国地熱ポテンシャルマップ」にお

いて改良すべき点を抽出。

・温泉発電システムの研究及び温泉共生型地熱貯留層

管理システム開発を開始。

・次世代型地熱エネルギー技術の国際共同研究を開始。

【今後の展開】

・地理情報システムを用いた高精度の地熱資源ポテン

シャル評価の改良。

・地熱開発促進にむけた地熱利用と温泉保全の両立の

研究を継続し、モニタリングデータ収集と解析、モデル改

良、スケール抑制技術の研究等を実施。

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活断層評価及び災害予測手法の高度化 3-'1(-①

高山・大原断層帯、牧ヶ洞断層のトレンチ調査'岐阜県高山市( 新潟県中越地域の地下構造モデル

【平成22年度計画】

・将来の活動確率や地震規模が明らかにされていない陸域

及び沿岸海域の活断層'5断層帯程度(において調査を実施。

・国内外のモデルフィールドにおいて、断層変位の多様性、

変位量の分布等の実証的データを得るための調査を実施。

・地表で認定しにくい活断層の認定及び評価手法を開発す

るため、航空レーザー測量による地形データを解析。

【中期計画における目標と期待される成果】

・陸域及び沿岸海域の活断層について古地震調査を実施し、調査結果をデータベース化。

・活断層の物理モデルの原型を提示。

・活断層運動による地盤変形を予測するための調査手法とシミュレーション手法の提案および地盤変形評価図の作成。

→地震の規模と発生時期の予測、地震発生時の災害予測の高度化。

【平成22年度実績】

・陸域および沿岸海域の計6地域の断層帯の詳細な調査を

実施。

・トルコの北アナトリア断層系において、過去7~8回の古地

震イベントを新たに識別。

・岩手・宮城内陸地震の地表で認定しにくい活断層につい

て、航空レーザー測量による微細な断層変位地形を検出。

【今後の展開】

・トルコ北アナトリア断層系の調査結果から連動性評価

手法を提案。

・東北日本脊梁山地東縁の変動様式を地形と地質デー

タから推定し、重力異常及び地震活動との関係を比較

検討。

・新潟県中越地域の詳細な地盤構造の解明。

・岩手・宮城内陸地震の

地表変位が見えにくい

活断層の評価手法を検討。

・活断層が短く見積もられ

ている原因を既存文献と

地形データに基づいて整理。

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53

東南海・南海地震を対象とした地下水観測、深部地下空間利用のための地下水流動解析

【中期計画における目標と期待される成果】

・地下水等総合観測施設を整備し、東海・東南海・南海地震の短期予測システムを構築。

・日本列島の複雑な地質現象・深層地質に対応できる地下水調査手法を提示。

2-'1(-③2-'3(-①2-'3(-②3-'1(-②

地下水観測施設の概念図

深層地下水概念図

【平成22年度計画】

・東南海・南海地震を対象とした地下水等総合観測施

設を整備し、既存の観測データと統合して解析。

・深層地下水の流動解析、水質形成・年代解析手法の

開発。

【平成22年度実績】

・2010年に紀伊半島~東海のプレート境界において発生した深部

低周波微動活動について、短期的SSEの断層モデルを提出。

・産総研の歪等観測データと防災科研の傾斜等観測データを共有

して解析するシステムを完成。

・紀伊半島の飯高赤桶観測点周辺に40点の高感度地震計を設置。

・関東平野の地下水は複数の地下水塊が混合していることを解明。

【今後の展開】

・短期的SSEの検出精度を向上。

・須崎における海水位観測結果等を基に、 1946年南海地震前

の地殻の上下変動曲線の時間精度を向上。

・地下水流動系の概念モデルの確立。

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54

別表3 計量の標準(計量標準の設定・供給による産業技術基盤、社会安全基盤の確保)

法定計量業務の実施と

関連する工業標準化の

推進

新たな国家計量標準

の整備

・新たに必要となる国家

計量標準を迅速に開発、

整備、供給

・国家計量標準の維持、供

給のために必要な国際比較

への参加、品質システムの

構築

国家計量標準の高度化

・法定計量業務について、品質管理の下に適正な試験検査、承認業務を実施等

国際計量標準への貢献

・計量標準、法定計量に関連する国際活動に主導的に参画等

計量の教習と人材の育成

・国内の法定計量技術者の技術力向上を図るための教習の実施等

蓄電池・電力貯蔵キャパシタ標準

計量トレーサビリティ体系の高度化・合理化

産業の国際展開を支える計量標準 計量の教習と人材育成

適正な試験検査

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55

計量標準の整備計画 標準整備計画

0

50

100

150

200

250

300

2000

まで20

0120

0220

0320

0420

0520

0620

0720

0820

0920

1020

1120

1220

1320

1420

15

整備計画に基づく物理標準・標準物質の各250種類の標準供給

的確な既存標準供給の継続と高度化、新しい戦略的な標準の開発

新たな戦略的

計量標準

基本的計量標準の高度化

基本的計量標準

産総研との連携により民間が供給

国家

計量

標準

の数

【中期計画における目標と期待される成果】

国家計量標準を維持管理し、JCSS'計量法に基づ

く校正事業者登録制度(や依頼試験に基づく校正

サービス、標準物質等の供給を行う。また、

ISO/IEC17025等校正業務の管理に関する国際規格

に適合する品質システムを構築、運用し、品質システ

ムに則した標準供給を行う。国際相互承認に係る技

術能力'Calibration and Measurement Capability:

CMC(の登録の維持、追加申請'国際基準への適合

性確保(に必要となるピアレビューを実施し、国際比

較'基幹比較、補完比較、多国間比較、二国間比較

等(へ参加する。

【平成22年度計画】

・ISO/IEC 17025に適合する品質管理システムのもと、

国家計量標準を維持し、校正サービスを実施する。ま

た、ISO/IEC 17025およびISO Guide 34に適合した標

準物質の供給を行う。また、校正サービス、標準物質

のうち、主要な品目に関して、国際相互承認に係る技

術能力'Calibration and Measurement Capability:

CMC(の登録を維持するとともに、必要な追加申請を

行う。国際相互承認登録のため、ピアレビューおよび

品質管理システムに関する認定審査を受けるとともに、

必要な国際比較に参加する。

【平成22年度実績】

・ISO/IEC 17025に適合する品質管理システム

のもと、国家計量標準を維持し、校正サービス

を実施するとともに、ISO/IEC 17025およびISO

Guide 34に適合した標準物質の供給を行った。

既存の国際相互承認に係る技術能力

'Calibration and Measurement Capability:

CMC(登録に加え、追加申請を行うため、電気

分野、温度分野、力学量分野、時間周波数分野

においてピアレビューおよび品質管理システム

に関する認定審査を受けた。また、新たに27件

の必要な国際比較に参加した。

国家計量標準整備に関する実績と戦略

高度化:12種類

新規開発:4件実績 戦略

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56

量子化ホール抵抗

キャパシタンス標準

新エネルギー源の利用に資する計量標準

【中期計画における目標と期待される成果】

・水素エネルギー、燃料電池及び電力貯蔵キャパシタ

の利用に必要な気体流量標準、気体圧力標準、電気

標準、燃料分析用標準液等について、新たに4種類の

標準を開発、整備し、供給を開始する。

【平成22年度計画】

・燃料電池及び電力貯蔵キャパシタの評価用標準とし

て蓄電池、キャパシタ標準を開発する。今年度は、既

存標準を基準に大容量へ拡張するブリッジ回路を設計、

試作する。

【平成22年度実績】

・蓄電池、キャパシタ標準の開発において、既存キャ

パシタンス標準を基準に、大容量へ拡張可能な装置

として、誘導分圧器と電流比較器を組み合わせたブ

リッジ回路の設計、試作を行った。

リチウムイオン電池と内部回路モデル

1-'1(-①

100 mF

1000 pF

電極間容量

誘電損失

等価直列インダクタンス

負極

正極

金属Li析出

性能务化

評価診断

1 mF等価直列インダクタンス

0.04 ppm

0.7 ppm

19 ppm

【今後の展開】

・大容量積層セラミックコンデンサの電気特性試験。

・標準の供給:キャパシタの損失係数'100μ F、

1000μ F(。

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57

バイオマス資源の利用技術に資する計量標準 1-'1(-③

バイオ燃料

分析

品質管理精度管理

校正

組成型標準物質

純物質系標準物質

試料

エンジントラブル等の防止硫黄標準液

NMIJ CRM 4215-aバイオディーゼル燃料

入手試料

【中期計画における目標と期待される成果】

・バイオガソリン、バイオディーゼル等、バイオマ

ス資源の品質管理、成分分析、安定性評価等利

用技術に必要となる標準物質について、新たに

5種類開発、整備し、供給を開始する。

【平成22年度計画】

・バイオ燃料の開発・普及に必要となる物性計測

ニーズの調査を行うとともに、基本的な密度及び

粘度の測定・評価システムの整備に着手する。

密度に関してはバイオエタノールの評価を目的と

した密度・組成測定システムを構築し、粘度に関

してはバイオディーゼルの実用化に必要な高圧

データのニーズを調査する。

【平成22年度実績】

・酸化による物性変化を起こしやすいバイオ燃料の密度を評

価するために、脱酸素雰囲気中で試料を操作することができ

るドラフターを整備し、その中で振動式密度計による密度測

定を行うことが可能な計測システムを整備した。バイオ燃料

とその標準物質の供給を既に開始しているブラジルの計量

標準研究所'INMETRO(を訪問して、バイオ燃料の密度と粘

度の計測評価方法を調査した。不純物の多いバイオディー

ゼル燃料は高圧で固化しやすいため、高圧での流動性評価

の必要性について調査した。

【今後の展開】

・バイオ燃料のための密度・粘度標準を整備し、国家標準に

トレーサブルな広範囲の温度・圧力下における標準データを

提供する。

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58

医療の信頼性確保に資する計量標準 1-'2(-①

標準物質・試料 校正・値付け 操作法

SI

純度測定、不純物測定純物質標準物質

製造業者社内標準測定操作法製品校正物質'試薬キッ

ト(日常測定操作法'イムノアッ

セイ(日常試料

測定結果

血清標準物質同位体希釈質量分析法など

NMIJ 認証標準物質など

いつでもどこでも比較可能なデータ

技術開発課題産総研

試薬メーカ

検査室

産総研 or

試薬メーカ

プロインシュリン

→C-ペプチド

→インシュリン

プロゲステロン

臨床検査における計量学的トレーサビリティNMIJ認証標準物質

【中期計画における目標と期待される成果】

・医療の信頼性確保のため、超音波診断装置、放射線治療機器等の先進医療機器の開発、利用に必要な超音波標

準、放射線標準等について、新たに4種類の標準を開発、整備し、供給を開始する。また、医療現場における医療診

断、臨床検査に不可欠な標準物質について、新たに4種類開発、整備し、供給を開始する。

【平成22年度計画】

・医療現場における医療診断、臨

床検査に不可欠な標準物質につ

いて、新たに 4 種類の開発に取

り組む。平成22年度はこのうち2

種類について3物質以上の標準

物質を開発する。

【平成22年度実績】

・医療現場における医療診断、臨床検査に不可

欠な標準物質について、アミノ酸標準物質のア

ラニン、ロイシン、アルギニン、リシン、臨床検査

用タンパク質、ペプチド標準のCペプチド、核酸

標準物質のDNA、臨床検査用低分子化合物標

準のプロゲステロンを開発した。

【今後の展開】

・アミノ酸標準物質の整備

によるアミノ酸測定の信

頼性の確保。

・トレーサビリティの確保

された血清標準の開発。

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59

食品の安全性確保に資する標準物質 1-'2(-②

食品分析の信頼性確保の要求

分析値の信頼性向上と国際整合化

国民生活の安全・安心の確保

国際単位系'SI(

標準物質

食品規制の国際動向

高精度分析技術開発認証標準物質開発

【中期計画における目標と期待される成果】

・食品の安全性確保及び食品に係る各種法規制、国際規格'食品衛生法、薬事法、米国FDA規制、国際食品規格

'コーデックス規格(等(に対応するため、基準検査項目の分析に必要となる標準物質について、新たに4種類開発、

整備し、供給を開始する。

【平成22年度計画】

・第3期中には、食品の安全性確保及び食品に係る

各種法規制・国際規格に対応するため、基準検査

項目の分析に必要となる標準物質について4種類12

物質を開発する予定であり、平成22年度にはこのう

ち2種類4物質の開発、および品質システムの技術

部分を構築し、供給を開始する。また、既存認証標

準物質の安定性を評価し、適切な維持・管理と供給

を行う。

【平成22年度実績】

・食品の安全性確保及び食品に係る各種法規制、

国際規格に対応した、基準検査項目の分析に必要

となる標準物質について、2種類4物質'微量元素分

析用の茶葉標準物質と河川水標準物質第2ロット、

および残留農薬分析用のネギ標準物質とキャベツ

標準物質(を開発するとともに品質システムの技術

部分を構築した。また、既存認証標準物質の安定性

を評価し、適切な維持、管理と供給を行った。

【今後の展開】

・中期計画中の標準物質の開発を進め、食品中の

残留農薬・重金属の分析値に関する信頼性と国際

整合性の確保に資する。

Page 18: Ⅳ.イノベーションの実現を支える計測技術の開発、評価基 …...43 Ⅳ.イノベーションの実現を支える計測技術の開発、評価基盤の整備

60

ナノデバイス、ナノ材料の開発と利用に資する計量標準

・校正された三次元立体データから校正値を保証

・ナノ線幅の標準として供給

精密な不確かさ解析により、ピッチ'周期(の校正能力は精度0.2 nm以下'世界トップレベル(

超微細デバイスを寸法管理

25

nm

原子間力プローブプローブ傾斜走査技術'新規(

力の検出方向

従来技術を超える三次元プローブ走査・力検出技術により、線幅の三次元形状を精密に校正

測長型原子間力顕微鏡校正システム'第2期で開発(

【中期計画における目標と期待される成果】

・ナノデバイス、ナノ材料の技術開発と利用に資する計量標

準として、ナノスケールの半導体デバイス製造に不可欠な

線幅標準、ナノ粒子の機能及び特性評価やナノ粒子生産現

場の環境モニタリングのための粒径標準、ナノ機能材料の

分析、評価に必要な標準物質等について、新たに10種類

の標準を開発、整備し、供給を開始する。

【平成22年度計画】

・矩形断面を有する線幅試料の正確な三次元プ

ロファイルを得るために、垂直側壁に沿ったプ

ローブ走査を行う技術を開発する。また、ナノメー

トル粗さの精度に深い関連のある、プローブ先端

形状の評価法の検討を行う。

【平成22年度実績】

・原子間力プローブを傾斜し、プローブ先端を垂直

側壁に接触させたまま縦横に走査する技術を開発

し、側壁の原子間力顕微鏡像の取得に成功した。ま

た、針状試料を用いたプローブ先端評価を行い、プ

ローブ先端の摩耗状態が評価できることを確認した。

【今後の展開】

・標準の供給範囲の拡大において

AFM方式粗さ測定:平均粗さ0.5~60 nm

粒子・粉体:粒径分布幅20~300nm、

粒径10~30nm等を実現する。

1-'3(-②

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61

産業現場計測器の信頼性確保に資する計量標準 2-'2(-②

平面黒体炉標準【 SI トレーサブル】

金型表面温度分布

電子基板素子温度

熱放射特性に優れた産総研スーパーグロースCNTコーティング

物づくり現場における非接触温度分布モニタ 一例

非接触温度分布モニタ用赤外熱画像装置

熱画像装置校正用機器

【中期計画における目標と期待される成果】

・産業現場計測器の信頼性を確保するため、品質管理、

認証、認定等に必要となる計量標準として、50種類の

標準について供給範囲の拡張、技術移転等を行う。

【平成22年度計画】

・温度分野では、中期計画期間中に7種類の標準につい

て供給範囲の拡張等を行う。平成22年度は、放射温度

の供給範囲をWC-C包晶点(2749 ℃(に拡張する。また、

極低温温度計の校正対象拡大など高度化のための技

術を開発する。

【平成22年度実績】

・温度湿度分野では、国際温度目盛に基づく、国家

標準を2800℃まで範囲拡大し、WC-C包晶点

'2749℃(について新規標準供給に必要な温度値校

正及び、不確かさ評価を完了した。また、極低温温

度計の校正対象に拡大予定の白金コバルト抵抗温

度計の特性試験などを行った。

【今後の展開】

・温度標準の供給範囲の拡大と不確かさの低減を

進める。

Page 20: Ⅳ.イノベーションの実現を支える計測技術の開発、評価基 …...43 Ⅳ.イノベーションの実現を支える計測技術の開発、評価基盤の整備

62

計量トレーサビリティ体系の高度化、合理化 2-'5(-①

目盛付け

値付け

目盛付け

値付け

目盛付け

値付け

国家標準物質A 国家標準物質B 国家標準物質C

標準物質A 標準物質B 標準物質C

従来の校正技術

目盛付け

標準物質A 標準物質B 標準物質C

NMRによる校正技術'水素の例(

1H信号の基準物質

値付け

NMR 水素

mol

サイエンスプレーン

SI単位

計測ニーズプレーン

加えてSIに繋がっていない

新たな標準供給システム

mol

サイエンスプレーン

SI単位

計測ニーズプレーン

SIに繋がっていない

食品、環境、臨床検査'メーカ標準品、キットなど多くのトレーサビリティ未確立標準(

移行

SIトレーサブル標準物質

【中期計画における目標と期待される成果】

・産業現場やサービス産業への計量トレーサビリティの普及を図るため、校正のコスト低減や効率性向上に必要

な技術を自ら開発又は業界との連携の下で開発を行うとともに、開発した技術を適用した校正等を実施する。新

たな供給方法として、産業現場で直接校正可能な技術等の開発を行い、トレーサビリティ体系の合理化を図る。

【平成22年度計画】

・外部機関がNMIJにトレーサブルな標準物質供給を行う

ために、研究委託に基づき50物質以上の分析結果報告

書を発行する。校正手法を確立した物質は産総研の依頼

試験による標準供給に移行する。これに必要な品質文書

を整備し、ISO/IEC 17025認定取得準備を整える。

核磁気共鳴法による有機化合物の校正技術は、国際的

な認知を得ると共に標準物質生産者が活用できる標準操

作手順書を発行する。さらに、ふっ素含有化合物への適

用拡大を図る。

【平成22年度実績】

・NMIJにトレーサブルな標準物質の供給に関しては、50物

質の研究委託に基づく分析結果報告書を発行し、産総研

依頼試験への移行に備えて必要な品質文書を整備した。

核磁気共鳴法による有機化合物の校正技術に関しては、

純度評価の国際比較に本技術を活用し良好な結果を得た。

また、食品添加物公定書に本技術による定量試験法を提

案し、採用された。さらに、フッ素含有化合物の定量を試み、

水素と同水準'1 %程度(の定量精度があることを確認した。

【今後の展開】・定量NMRにおけるより簡単な手法・手順書の整備と適用範囲の拡大を行う。

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63

同位体濃縮シリコン球の直径をサブナノメートルの精度で測るレーザ干渉計

次世代計量標準の開発'1/2( 4-'1(-①

シリコン28同位体を99.99 %まで濃縮して作成した5 kgの単結晶

国際キログラム原器

'現在の定義(

【中期計画における目標と期待される成果】

国際計量標準の構築において我が国の優位性を発揮するため、秒の定義やキログラムの定義等を改定する革新的

な計量標準の開発を世界に先駆けて行う。その成果を国際度量衡委員会(CIPM)、同諮問委員会、作業部会等を通して

国際計量標準に反映させる。また、環境、医療、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、エネルギー関連等の先端産業

技術を支援する戦略的な計量標準に関しては、先進国の計量標準研究所との競争と協調の下に効率的に開発を進め

る。【平成22年度計画】

・シリコン球体密度測定高精度化の為に、球体体

積測定用光波干渉計を高精度化する。キログラ

ムの定義の改定を目的とする国際共同プロジェク

トで製作したシリコン28同位体濃縮結晶の密度、

格子定数、モル質量などの値からアボガドロ定数

を2~3 x 10-8の相対不確かさで決定し、国際度

量衡委員会に報告する。

【平成22年度実績】

・シリコン28同位体濃縮結晶からアボガドロ定数を測定する国際共

同プロジェクトにおいて球体体積測定用光波干渉計を改良し、体積

測定の相対標準不確かさを3x10-8まで向上させた。球体の質量、

密度分布、表面酸化膜の厚さ、シリコン28同位体濃縮結晶の格子

分布などを測定し、海外の共同研究機関で得られた格子定数とモ

ル質量の測定結果などと合わせして、アボガドロ定数を3x10-8の相

対標準不確かさで測定し、その詳細を国際度量衡委員会に報告し

た。

【今後の展開】

・国際度量衡委員会の動向を注視し、対応していく。

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64

次世代計量標準の開発'2/2(

Yb光格子時計の超高真空装置

磁気光学トラップ中のSr原子

Yb光格子時計魔法波長の決定

Yb光格子時計の絶対周波数の決定

Yb光格子時計 Sr光格子時計相互比較

新しい秒の定義へ貢献

【中期計画における目標と期待される成果】

・国際計量標準の構築において我が国の優

位性を発揮するため、秒の定義やキログラム

の定義等を改定する革新的な計量標準の開

発を世界に先駆けて行う。その成果を国際度

量衡委員会(CIPM)、同諮問委員会、作業部

会等を通して国際計量標準に反映させる。ま

た、先端産業技術を支援する戦略的な計量

標準に関しては、先進国の計量標準研究所と

の競争と協調の下に効率的に開発を進める。

【平成22年度計画】

・Yb光格子時計のシステム改良を行い、時計遷移の信号対雑音

比を向上させる。また、時計遷移レーザの周波数安定化を行い、

格子時計の絶対周波数計測を行う。さらに、長期運転可能な時計

遷移観測用狭線幅光周波数コムの開発を行う。光時計同士の比

較のために、Sr光格子時計の開発を進める。

【平成22年度実績】

・Yb光格子時計のシステム改良を行い、時計遷移の信号対雑音

比を10倍向上させるとともに時計遷移レーザの周波数安定化を

行い、絶対周波数計測を開始した。また、3日以上長期運転可能

な時計遷移観測用狭線幅光周波数コムの開発を行った。さらに、

セシウム原子時計の不確かさを超える比較のために、Sr光格子

時計の開発を進め、第1段階冷却に成功した。

【今後の展開】

・約10年後に予想される「秒の定義変更」を想定して、Sr光格

子時計との周波数比'目標18桁(と行い優位性の実証を行う。

4-'1(-①