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Microsoft Azure 自習書シリーズ AI BI を使ったアプリケーション開発 この自習書では、 Microsoft が提供するパブリッククラウドサービスである Microsoft Azure を利用 し、AI (Artificial Intelligence) BI(Business Intelligence) を利用したアプリケーションの作成から操作 までの一連の流れをハンズオン形式で学習体験します。 発行日 : 2018 5 28

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Microsoft Azure自習書シリーズ

AI と BI を使ったアプリケーション開発

この自習書では、Microsoft が提供するパブリッククラウドサービスであるMicrosoft Azureを利用

し、AI (Artificial Intelligence) と BI(Business Intelligence) を利用したアプリケーションの作成から操作

までの一連の流れをハンズオン形式で学習体験します。

発行日 : 2018年 5月 28日

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Microsoft Azure自習書シリーズ AI と BI を使ったアプリケーション開発

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更新履歴

版数 発行日 更新履歴

第 1版 2017年 8月 18日 初版発行

第 1.1版 2017年 10月 30日 Logic App – Azureポータル変更

に伴い更新

第 1.2版 2017年 11月 29日 Logic App – Azureポータル変更

に伴い更新

第 1.3版 2017年 12月 26日 Storage Account v2 一般提供開

始に伴い更新

第 1.4版 2018年 1月 26日 Azure 無料評価版-価格変更に伴

い更新

第 1.5版 2018年 2月 26日 Cognitive Services – 利用条件変

更に伴い更新

第 1.6版 2018年 3月 26日 Visual Studio 2017 更新 (15.6)

に伴い画像を差し替え

第 1.7版 2018年 5月 28日 Translator Text API v3 リリース

に伴い更新

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目次

1. はじめに ................................................................................................................................................................................... 4

2. Microsoft Azureの概要 ....................................................................................................................................................... 6

3. 実習環境の準備 ..................................................................................................................................................................... 9

4. (参考)Microsoft Azure 無料評価版のサインアップ ....................................................................................... 14

5. Cognitive Services を理解する ...................................................................................................................................... 17

6. Computer Vision API を利用する ................................................................................................................................. 20

7. Translator API を利用する ............................................................................................................................................... 37

8. ストレージアカウントの作成 ....................................................................................................................................... 49

9. Cosmos DBの利用 .............................................................................................................................................................. 54

10. Logic App の利用 ............................................................................................................................................................. 59

11. Power BI の利用 ................................................................................................................................................................ 94

12. リソースグループの削除 ........................................................................................................................................... 127

13. Microsoft Azureに関する情報の入手元 ............................................................................................................... 129

14. Microsoft Azureのお問合せ ...................................................................................................................................... 130

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1. はじめに

本自習書をご利用いただきありがとうございます。この自習書では、Microsoftが提供するパブリック

クラウドサービスであるMicrosoft Azureを利用し、Azure環境で動作するカスタマーサービスアプリケ

ーションの作成から操作までの一連の流れをハンズオン形式で体験学習します。

自習書において、あなたは Adventure Works Cycles社(AW社)に勤めている IT管理者です。AW社

は、架空の大規模な多国籍製造企業です。この企業は、北米、ヨーロッパ、およびアジアのマーケット

を対象に、金属製自転車やカーボン製自転車の製造および販売を行っています。従業員 290 人の米国

ワシントン州ボセルの拠点に加え、自社のマーケット基盤全体にわたって複数の地域販売チームを配置

しています。

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あなたは、Microsoft Azureの Cognitive Services, Power BI等を利用し、カスタマー向けのメンテナン

スサービスをテスト運用するため、そのインフラを構築しなければなりません。このWebシステムは、

Azure Web App と Cognitive Services , Logic Appsから構成されます。また、利用状況の可視化のため

に Power BIを使用します。

このシステムでは、以下の機能をWebアプリケーションに実装します。

・画像アップロードとともに入力されたテキストを認識・翻訳し、サマリーデータとして Cosmos DB

に格納します。

・画像アップロード時に合わせてサムネイルを作成し、格納されたサマリーデータを Power BI で表

示します。

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2. Microsoft Azure の概要

まず、基礎知識として、Microsoft Azureと Cognitive Servicesの概要を学習します。

Microsoft Azure は、Microsoft が提供するオープンで柔軟なエンタープライズレベルのクラウドコ

ンピューティングプラットフォームです。Microsoft Azureでは、Webから、モバイル、コンピューティ

ング、データベース、分析に至るまで、様々なクラウドサービスを提供しています。企業は、Microsoft

Azureを利用することで、より早く、より多くのビジネス目標を達成でき、より経費を節約できます。

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Microsoft Azureの特徴は、次のとおりです。

●高い生産性を提供

開発者や IT 管理者は、Microsoft Azure の統合された管理ツール、テンプレートによる展開、管理

されたサービスを利用することで、より高い成果を生むことができます。

●オープンで柔軟

Microsoft Azureでは、OS、プログラム言語、フレームワーク、ツール、データベース、デバイスに

おいて、オープンで幅広い選択肢を用意しています。App Services では PaaS (Platform as a Service)環

境として、Web アプリケーションのホスティング環境を提供していますが、.NET アプリケーションだ

けでなく、Java, node.js, python など、幅広い実行環境を提供しています。

●最高水準のデータ保護

Microsoft Azureは、データの保護とプライバシーに関する業界最高水準のコミットメントを受けて

います。Microsoftは、クラウド プライバシーに関する新たな国際標準である ISO 27018を採用した最

初のメジャークラウドプロバイダーです。

●どこでも

Microsoft Azureは、世界 42の場所でデータセンターを稼働させています。また、今後もデータセ

ンターの数は増える予定です。日本においては、東日本(埼玉)と西日本(大阪)の 2つのデータセン

ターが稼働中であり、日本国内からの利用時に、高いパフォーマンスが確保されます。

●あらゆるビジネスに使用可能

Microsoft Azureは、予算に合わせて利用することができます。例えば、小規模なテスト環境から大

規模なオンラインゲーム環境の提供まで幅広く利用可能です。

●経済的かつスケーラブル

Microsoft Azureは従量課金です。そのため、支払いは使用した分だけとなります。例えば、仮想マ

シンの実行は、分単位で課金されるため、負荷に合わせて、適切なスケールアップやスケールダウンを

おこなえば、パフォーマンスを低下することなく、経費を節約できます。

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Cognitive Services はMicrosoft Azureで提供されるインテリジェンスサービスです。トレーニング済

みの AIシステムを APIまたは SDKの形で利用することが可能です。これにより、機械学習に関する専

門知識を要することなく、精度の高い画像認識、翻訳などの機能を利用することが可能になります。

Power BIは無料で利用することが出来るデータの分析・可視化を提供する BI (Business Intelligence)ツ

ールです。様々なデータソースに接続し、分析のためのレポートを容易に作成、共有することが出来ま

す。

作成したレポートは PCだけではなく、スマートフォンやタブレット(iOS, Android)端末からも参照す

ることが出来ます。レポートの作成には、コーディングは不要です。

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3. 実習環境の準備

この自習書の手順は、次の実習環境を準備することで、実際に試すことができ、理解を深めることが

できます。

●自習用 PC

Windows 10などの自由に操作可能なWindowsコンピューター(物理コンピューター)が 1台必要

です。また、Webブラウザとして Internet Explorer または Edge Browserを使用します。スピーカーま

たはイヤフォンのご用意を推奨いたします。

●Visual Studio

Windowsコンピューターには、展開するアプリケーションを作成するために、Visual Studioをイン

ストールしておきます。本自習書では、Visual Studio 2017を前提として解説いたします。Editionは問

いません。Visual Studioをお持ちでない方は https://www.visualstudio.com/ja/downloads/ よりダウン

ロード可能です。

Community Edition でも実習は可能ですが、ワークロードとして[ASP.NETとWeb開発]と[Azureの開

発]を追加しておいてください。

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●インターネット接続

Windowsコンピューターは、インターネットに接続されている必要があります。企業内で実習をおこ

なう場合は特に注意が必要です。多くの企業のインターネット接続では、ファイアウォールが介在しま

す。その場合は実習で必要な HTTP/S 接続のプロトコルがブロックされていないことを確認しておく必

要があります。

●Microsoft Azure サブスクリプション

Microsoft Azure サブスクリプションは、Microsoft Azure を使用するための権利です。すでに

Microsoft Azureサブスクリプションをお持ちの場合は、そのサブスクリプションを利用することができ

ます。まだ、 Microsoft Azure サブスクリプションをお持ちでない場合は、実習用に

https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/free-trial/ より、1 か月間の無料評価版をサインアップし、使

用することができます。

ワンポイント

Microsoft Azureの 1か月間の無料評価版のサインアップには、本人確認のため、電話番号(固定

電話または携帯電話)およびクレジットカードの情報が必要です。なお、無料評価版の利用は 1 回

までとなっており、過去すでに利用された方は無料評価版にサインアップいただけません。有償のサ

ブスクリプションに切り替えていただきますようお願いいたします。

●Microsoft アカウント

Microsoft アカウントは、マイクロソフトが提供するクラウドサービスを利用するための ID です。

この自習書では、Microsoft Azureサブスクリプションの利用権をMicrosoftアカウントに割り当てます。

Microsoft アカウントは http://www.microsoft.com/ja-jp/msaccount/default.aspx より、無償で登録でき

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ます。

ワンポイント

新しく、Microsoft Azure の 1 か月間の無料評価版のサブスクリプションをサインアップする場

合、同時にMicrosoftアカウントを登録することもできます。

●Power BI

Power BIの利用には無料のサインアップが必要です。

Power BIには無料版と有償版があります。機能の相違については、以下のページに詳しく記載され

ています。本自習書の内容は、無料版を前提として記述しています。

Power BI の料金

https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/pricing/

Power BI の無料版のサインアップにおいては、個人用のメールアドレスは使用できませんのでご注意

ください。具体的には、Gmail, outlook.com 等のメールアドレスは使用できませんので、予め他のメー

ルアドレスをご用意ください。

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上図のように outlook.com を使用してサインアップしようとすると下図のようにエラーとなります。

また、Power BI のレポートを作成・編集するために、Power BI Desktop を使用します。Power BI

Desktopは無料で利用できるレポート作成ツールです。Power BI Desktopは以下のページからダウンロ

ードすることが可能です。

Power BI Desktop

https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/desktop/

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ダウンロードボタンをクリックするとインストーラーがダウンロードされます。ダウンロード後、イ

ンストーラーに従って、Power BI Desktop をインストールしてください。

※ダウンロードボタンをクリックすると以下のダイアログが表示されます。

お名前、メールアドレス等の入力が求められますが、右上の[×]をクリックして閉じても構いません。

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4. (参考)Microsoft Azure 無料評価版のサインアップ

この手順はオプションです。Microsoft Azureサブスクリプションをお持ちでない場合、次の手順を実

行し、Microsoft Azureの 1ヶ月間の無料評価版のサブスクリプションを取得してください。

1. Webブラウザを起動し、https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/free-trial/ にアクセスします。

2. [無料の Azure アカウントを今すぐ作成しましょう]が表示されます。[無料で始める]をクリッ

クします。

3. [サインイン]が表示されます。Microsoft アカウントのメールアドレスとパスワードを入力し、

[サインイン]をクリックします。まだ、Microsoft アカウントをお持ちでない場合は、[新規登録]

をクリックします。

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4. [新規登録]をクリックした場合、[アカウントを作成する]が表示されます。自分のメールアドレ

ス(自分が日常的に使用しているメールアドレス)と任意のパスワードを指定し、[アカウントの作

成]をクリックします。なお、利用できるメールアドレスを持ちでない場合、[その他のオプション]

をクリックし、新しい Outlookメール(~@outlook.jp)を作成することもできます。

ワンポイント

ここで登録したMicrosoft アカウントが、Microsoft Azureサブスクリプションの管理者(サブス

クリプション所有者)になります。

5. [サインアップ]が表示されます。サインアップに必要な情報を指定します。なお、サインアップ

には、ショートメッセージ(SMS)またはコールバックを利用した電話による確認とクレジットカ

ードの登録による確認が必要です。確認が完了したら、[サインアップ]をクリックします。

ワンポイント

登録したクレジットカードが勝手に使用されることはありません。

6. [Microsoft Azureへようこそ]の[準備が完了するまでしばらくお待ちください]が表示されます。

しばらく待つと、[サブスクリプションの準備が整いました]が表示されます。[サービスの管理を

開始する]をクリックします。

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ワンポイント

Microsoft Azure の 1 か月間の無料評価版では、22,500 円相当のクレジットが利用可能です。な

お、無料評価版の使用制限に達した場合には、利用している仮想マシンとクラウドサービスの開放が

おこなわれます。もし制限にかかった場合には、翌請求月になるまでは利用が制限されます。ストレ

ージサービスについては、読み取り専用としてアクセスが可能です。

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5. Cognitive Services を理解する

Cognitive Services は APIとして様々な AI機能を提供します。提供されているサービスは以下の通り

です(2017年 8月 28日現在)。

カテゴリ 名称 出来ること

言語 Language Understanding Intelligent

Service (LUIS)

ユーザー入力コマンドをアプリケーションが理

解できるようにする

言語 Text Analytics テキストの感情・トピックス分析

言語 Web Language Model API (WebML) 自然言語処理 - N-gram

言語 Bing Spell Check API スペルチェック

言語 Translator Text API 翻訳

言語 Linguistic Analysis API 文書構造の解析

音声 Bing Speech API テキストの読み上げ

音声 Speaker Recognition API 話者解析

音声 Translator Speech API 音声認識 + 翻訳

音声 Custom Speech Service Translator Speech の トレーニング

視覚 Face API 顔認識

視覚 Emotion API 表情からの感情分析

視覚 Computer Vision API 画像解析

視覚 Content Moderator 不適切なテキスト・画像・動画チェックをする仕

組み

視覚 Video API 動画の補正、モーション検出、サムネイル等

視覚 Custom Vision Service 画像のカスタム分類

視覚 Video Indexer 動画の内容解析

検索 Bing Web Search API Bing Search

検索 Bing Autosuggest API Auto suggestion

検索 Bing News Search API ニュース検索

検索 Bing Video Search API 動画検索

検索 Bing Image Search API 画像検索

検索 Bing カスタム検索 カスタマイズ可能な検索サービス

検索 Bing Entity Search API 人、場所、物などの検索

知識 Recommendation API Recommendation (お勧め) システム

知識 Academic Knowledge API 学術向けの検索

知識 Entity Linking Intelligence Service 文章中の Entity (固有名詞、動詞など)の認識

知識 Knowledge Exploration Service ナレッジベース

知識 QnA Maker QA作成

知識 Custom Decision Service 意思決定 API

参照 URL:https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/cognitive-services/

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これらのサービスは、利用に当たってトレーニングが必要なものとそうでないものが存在します。例

えば、Computer Vision API, Translator APIはトレーニング不要でそのまま利用することが出来ます。こ

れに対して、Recommendation API, Language Understanding Intelligent Service (LUIS) ,QnA Maker等は

トレーニング等が必要です。

各サービスは Azure上で提供されているため、Cognitive Servicesを利用するアプリケーションからは

サービスエンドポイントに対しての HTTPSアクセスのみが必要となります。

いずれの場合にも、利用に当たっては Azure 上でサービスのサブスクライブを行う必要があります。

サブスクライブは各サービス、API毎に必要となります。価格レベルも同様に、API毎に異なります

各 API の解説ページより、ドキュメント・API リファレンスなどを参照することができます。実際の

利用にあたっては、各ドキュメント・API リファレンスを参照した上で進めることが必要です。ドキュ

メントには、利用条件、認証等の情報が含まれます。例えば次章で取り上げます Computer Vision API

では、サポートされる画像形式、最大ファイルサイズ、最小画像サイズが説明されています。下図は

Computer Vision API のドキュメントページの例です。

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API リファレンスページは下図のようになります(Computer Vision API の例)。このリファレンスペ

ージより、各機能への具体的なアクセス方法を知ることが可能です。

また、”API definition”ボタンより、Swagger または WADL をダウンロードすることができますので、

必要に応じてダウンロード/インポートして利用してください。

本自習書で取り上げます Computer Vision API, Translator API は、HTTPSの APIを提供していますの

で、プログラムより HTTP Client を通じたアクセスにより利用することが可能です。

そのほかにも Logic Appからコーディングをすることなくアクセスすることも可能です。本自習書で

は、双方の手順を解説していきます。

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6. Computer Vision API を利用する

Computer Vision API は画像の分析機能を提供します。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/cognitive-services/computer-vision/

この Computer Vision API を利用して、画像から以下のような情報を取得することが可能です。

・画像の分析-どのような画像なのか?何が含まれる画像なのか?

・顔認識-年齢、性別、画像中の顔の位置

・OCR-文字認識

・サムネイルの生成

・アダルトコンテンツの識別

また、同様に画像分析を行う APIである Face API、Emotion APIを使用して、さらなる分析を行うこ

ともできます。

・Face API-顔の識別、似た顔の検索、顔のグループ化

・Emotion API-画像中の顔から感情を検出(動画も可能)

ここでは、画像中の文字を読み取る OCR 機能を使用して、アップロードされた画像から読み取った

内容を表示するWebアプリケーションを作成します。

※本自習書では、Web開発に慣れていない方でも作成できるよう、ASP.NET Web フォームを使用し

ています。ASP.NET MVCに慣れた方でしたら、画像をアップロードして結果を表示する ASP.NET MVC

アプリケーションを製作されてもよいかと思います。

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また、Visual Studio をお持ちでない、C#でのアプリケーション作成に不慣れなどの方は、本章のステ

ップ 1,2のみ実施いただいても構いません。本章で作成した Computer Vision API のアカウントは、こ

の後にも使用します。

Computer Vision API を作成し、認証キーとエンドポイントを取得します。

ブラウザより、Azure ポータルにアクセスしてください。

[Azure管理ポータル]の画面左の[新規]→ [AI + Machine Learning] →[Computer Vision API]をク

リックします。

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[作成] ブレードが表示されます。以下のように設定し[作成]をクリックしてください。

パラメーター 値

アカウント名 (任意のわかりやすい名前)

サブスクリプション お使いのサブスクリプションを選択してください

場所 任意のリージョン

価格レベル F0 (選択できない場合には S1)

リソースグループ 新規追加:AW-RG

ダッシュボードにピン留めする チェック

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※Tips : 名前は使用しているサービスがわかるような名前にすることをお勧めします。Azure ポー

タルからリソースグループを表示すると以下のように表示されますので、例えば Computer Vision

API と Translator APIで同じ名前で作成するとどちらがどちらかわからなくなります。下図は悪い

例です。

作成した Computer Vision API のエンドポイントとキーを取得します。

キーは作成した Computer Vision API の”概要”表示されます。

“エンドポイント”に表示されている URLが、このサービスのエンドポイントになります。この内容

をメモ帳などに張り付けておきます。

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同様にしてキーを取得します。” エンドポイント” の下にある” キーの管理” の” Show access keys

…” のリンクをクリックします。

Key 1 または Key 2 の内容をメモ帳などに張り付けておきます。Key 1 と Key 2 に機能の差異は

ありません。

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Visual Studioを起動し、新しいWebアプリケーションを作成します。Visual Studio 起動後、「新し

いプロジェクトの作成…」より新しいプロジェクトを作成します。

パラメーター 説明 値

選択するテンプレート 作成するプロジェクトの種類 “Visual C#”-“Web”から「ASP.NET Webア

プリケーション(.NET Framework)」

名前 プロジェクト名 (任意の名称)

場所 ソリューションを作成するフ

ォルダー (任意の場所)

ソリューション名 ソリューション名 <規定値>

フレームワーク 使用する.NET Frameworkの

バージョン .NET Framework 4.6.1

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「新しい ASP.NET Webアプリケーション」のダイアログが表示されます。ここでは「Webフォー

ム」を選択し、[OK]をクリックします。

ソリューションエクスプローラーより、Default.aspx を開きます。

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コードウィンドウに下図のように表示されます。

このようになっていない場合には、左下にデザイン表示・コード表示の切り替えがありますので、

「ソース」を選択してください。

ページ内の <asp:Content ID=”BodyContent”…>

から </asp:Content> で囲まれた区間を全て削除します。削除後は下図のように表示されます。

削除後、ツールボックスから FileUpload 、Button と Labelの 3つのコントロールを <asp:Content

ID=”BodyContent” … の次の行にドロップします。もしくはダブルクリックでも可能です。追加後、

Label の前に改行( <br/>)を挿入してください。ツールボックスが表示されない場合、メニューの

[表示(V)]→[ツールボックス(X)] で表示させることができます。

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上記作業後の Default.aspx ファイルは以下のようになります。

<%@ Page Title="Home Page" Language="C#"

MasterPageFile="~/Site.Master"

AutoEventWireup="true"

CodeBehind="Default.aspx.cs" Inherits="ClientApp._Default" %>

<asp:Content ID="BodyContent" ContentPlaceHolderID="MainContent" runat="server">

<asp:FileUpload ID="FileUpload1" runat="server" />

<asp:Button ID="Button1" runat="server" Text="Button" />

<br/>

<asp:Label ID="Label1" runat="server" Text="Label"></asp:Label>

</asp:Content>

※紙面の都合上一部折り返しています。

コードエディタ画面をデザインモードに切り替えます。切り替え後、下図のように表示されます。

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「Button」をダブルクリックしてください。これによりボタンのクリックイベントのイベントハン

ドラーが生成されます。コードエディタ画面が表示され、空の Button1_Click メソッドが作成され

ます。

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- 30 -

Visual Studio に戻ります。先ほど作成した Web アプリケーションにおいて、ボタンが押された際

に画像を Computer Vision API に送信し、結果を Textarea に表示するように実装します。

まず、HTTP通信を行うために、プロジェクトに System.Net.Http への参照を追加します。

ソリューションエクスプローラーより「参照」を右クリックします。表示されたメニューより、「参

照の追加」をクリックします。

参照マネージャーが表示されますので、System.Net.Http の左側のチェックボックスにチェックを

入れ、[OK]をクリックします。

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ASP.NET Webフォームアプリケーションで非同期メソッドを扱う際には、@Page ディレクティブ

に “async”属性を追加する必要があります。default.aspx のソースコードを開きます。

1行目に Async=”true” を追加します。追加後の一行目の内容は以下のようになります。

<%@ Page Title="Home Page"

Language="C#"

MasterPageFile="~/Site.Master"

AutoEventWireup="true"

CodeBehind="Default.aspx.cs"

Inherits="ClientApp._Default"

Async="true"

%>

※紙面の都合上一部折り返しています。

Default.aspx.cs ファイルを開きます。見つからない場合には、ソリューションエクスプローラーよ

り “Default.asp”を展開して表示してから開いてください。

コードの先頭に以下の usingを追加します。

using System.Net.Http;

using System.Threading.Tasks;

using System.Net.Http.Headers;

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- 32 -

_Default クラス内に Computer Vision APIを呼び出すメソッドを追加します。

クラス内の任意の位置に、以下のメソッドを記述します。

※下記コード中の[エンドポイント]、[キー] は、先ほど Azure ポータルから取得した Computer

Vision APIのエンドポイント、キーに置き換えてください。

※エンドポイントは最後が”/” (スラッシュ)で終わるように補ってください。

public async Task<string> ExecOCR(byte [] byteData)

{

string requestURI = "ocr";

string requestParam = "language=ja";

Uri baseURL = new Uri("[エンドポイント]");

string key = "[キー]";

try

{

using (var client = new HttpClient())

using (var content = new ByteArrayContent(byteData))

{

client.BaseAddress = baseURL;

client.DefaultRequestHeaders.Add(

"Ocp-Apim-Subscription-Key", key);

content.Headers.ContentType = new

MediaTypeHeaderValue("application/octet-stream");

HttpResponseMessage response = await client.PostAsync(

$"{requestURI}?{requestParam}", content);

response.EnsureSuccessStatusCode();

return await response.Content.ReadAsStringAsync();

}

}

catch (Exception ex)

{

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- 33 -

return ex.Message;

}

}

ご参考までに、Default.aspx.cs の全体のソースコードは以下のようになります。

using System;

using System.Collections.Generic;

using System.Linq;

using System.Web;

using System.Web.UI;

using System.Web.UI.WebControls;

using System.Net.Http;

using System.Threading.Tasks;

using System.Net.Http.Headers;

namespace WebApplication4

{

public partial class _Default : Page

{

protected void Page_Load(object sender, EventArgs e)

{

}

protected async void Button1_Click(object sender, EventArgs e)

{

if (this.FileUpload1.HasFile == false) { return; }

var file = FileUpload1.FileContent;

byte[] readBuffer = new byte[file.Length];

file.Read(readBuffer, 0, (int)file.Length);

string result = await ExecOCR(readBuffer);

this.Label1.Text = result;

}

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public async Task<string> ExecOCR(byte[] byteData)

{

string requestURI = "ocr";

string requestParam = "language=ja";

//west us のエンドポイントの場合です

Uri baseURL =

new Uri("https://westus.api.cognitive.microsoft.com/vision/v1.0/");

string key = "[取得したキー]";

try

{

using (var client = new HttpClient())

using (var content = new ByteArrayContent(byteData))

{

client.BaseAddress = baseURL;

client.DefaultRequestHeaders.Add(

"Ocp-Apim-Subscription-Key", key);

content.Headers.ContentType = new

MediaTypeHeaderValue("application/octet-stream");

HttpResponseMessage response = await client.PostAsync(

$"{requestURI}?{requestParam}", content);

response.EnsureSuccessStatusCode();

return await response.Content.ReadAsStringAsync();

}

}

catch (Exception ex)

{

return ex.Message;

}

}

}

}

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ボタンのクリックイベントである Button1_Click メソッドが作成されています。この Button_Click

イベントを非同期メソッドとする必要がありますので、メソッド定義を以下のように変更してくだ

さい。

protected async void Button1_Click (object sender, EventArgs e)

※ “protected void” となっていたものを、”protected async void”と変更します。

この Button1_Clickメソッド内に、アップロードされた画像の読み込みと、先ほど追加した ExecOCR

メソッドの呼び出しを追加します。以下のように記述してください。

protected async void Button1_Click (object sender, EventArgs e)

{

if (this.FileUpload1.HasFile == false) { return; }

var file = FileUpload1.FileContent;

byte [] readBuffer = new byte[file.Length];

file.Read(readBuffer, 0, (int)file.Length);

string result = await ExecOCR(readBuffer);

this.Label1.Text = result;

}

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- 36 -

キーボードから[F5]キーを押してデバッグ実行を行います。下図のようにブラウザ上にアプリケー

ションが表示されます。

参照ボタンを押して、任意の画像ファイルを選択後、[Button]をクリックしてください。

Computer Vision APIからの返却結果が Textarea に表示されます。以下は実行例です。

※Computer Vision APIのサポートする画像形式・サイズに注意してください。画像形式・サイズがサ

ポート外の場合、400 Bad Request が返却されます。

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7. Translator API を利用する

Translator API は言語の翻訳機能を提供します。合わせて、文字から音声への変換、音声から文字への

変換も提供します。

文字の翻訳は Translator Text API、音声の翻訳は Translator Speech API で提供されています。

・ Translator Text API

https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/cognitive-services/translator-text-api/

・ Translator Speech API

https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/cognitive-services/translator-speech-api/

Translator Speech API は翻訳だけではなく、いわゆる「書き起こし」にも使用することができます。

この Translator API を利用して、以下のことをすることが可能です。

・入力されたテキストを翻訳する

・入力されたテキストの言語を識別する

・音声データを認識し、テキストに変換する

・音声データを認識し、翻訳結果を音声に変換する

先ほどの Computer Vision APIと組み合わせて、画像の内容を自動的に翻訳して表示する・発声する

ことも可能となります。

※重要なお知らせ:従来まで使用されていました Translator Text API v2 に代わり、新たに v3 がリリ

ースされました。これに伴い、従来の v2 は 2019 年 4 月 30 日で廃止されます。また、従来 Translator

Text APIで提供されていた Speechメソッドは廃止され、v3では Cognitive Services Speech API 等を使

用することになります。詳しくは、以下 URLを参照してください。

Microsoft Translator Text API V2 to V3 Migration

https://docs.microsoft.com/en-us/azure/cognitive-services/translator/migrate-to-v3

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Visual Studio をお持ちでない、C#でのアプリケーション作成に不慣れなどの方は、本章のステップ

1,2のみ実施いただいても構いません。本章で作成した Translator Text API のアカウントは、この後にも

使用します。

Translator Text API を作成し、認証キーとエンドポイントを取得します。

ブラウザより、Azure ポータルにアクセスしてください。

[Azure 管理ポータル]の画面左の[新規](+)をクリックします。表示された新規追加(New)のブ

レードより、検索ボックスに”Translator Text API”と入力します。

エンターキーを押すと、検索結果が表示されます。表示された中から、Translator Text API を選択

します。

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確認画面が表示されますので、[作成]をクリックします。

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[作成]ブレードが表示されますので、以下のように入力し、[作成]をクリックしてください。

パラメーター 値

アカウント名 (任意のわかりやすい名前)

サブスクリプション お使いのサブスクリプションを選択してください

価格レベル F0 (選択できない場合には S1)

リソースグループ 「既存のものを使用」を選択し、AW-RGを選択して

ください。

ダッシュボードにピン留めする チェック

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先ほどの Computer Vision API と同様、キーを取得します。

先ほどと同様、キーをメモ帳などに張り付けておいてください。

※Translator Text APIは、グローバルで単一のエンドポイントとなります。

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Visual Studio を起動し、新しいWebアプリケーションを作成します。Visual Studio 起動後、「新し

いプロジェクトの作成…」より新しいプロジェクトを作成します。

パラメーター 説明 値

選択するテンプレート 作成するプロジェクトの種類

“Visual C#”-“Windowsクラシックデスクト

ップ”から「コンソールアプリ(.NET

Framework)」

名前 プロジェクト名 (任意の名称)

場所 ソリューションを作成するフ

ォルダー (任意の場所)

ソリューション名 ソリューション名 <規定値>

フレームワーク 使用する.NET Frameworkの

バージョン .NET Framework 4.6.1

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JSONを扱うために、Newtonsoft.Jsonをプロジェクトにインストールします。ソリューションエク

スプローラーより作成されたプロジェクトを右クリックし、[NuGet パッケージの管理]を選択しま

す。

表示された NuGet パッケージマネージャーより、 [参照 ]を選択します。表示された中より

[Newtonsoft.Json]を選択し、[インストール]をクリックします。

※表示されるバージョン番号は異なる場合があります。

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コンソールアプリケーションのMainメソッド内で非同期処理を扱いたいので、C#のコンパイラー

バージョンを変更します。

ソリューションエクスプローラーよりプロジェクトを右クリックし、プロジェクトのプロパティを

表示します。表示された中より、[ビルド]を選択します。

[ビルド]の「構成」より「すべての構成」を選択し、右下の[詳細設定(D)]をクリックします。

[ビルドの詳細設定]が表示されます。言語バージョンを「C#の最新のマイナーバージョン(最新)」

に変更し、[OK]をクリックしてください。

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- 45 -

Program.csを開きます。

まず以下 usingを追加します。

using Newtonsoft.Json;

using System.Net.Http;

Translator から返却された JSONを格納するクラスを作成します。

Program.cs 内の namespace 内に以下のクラスを作成します。

public class Translation

{

public string text { get; set; }

public string to { get; set; }

}

public class RootObject

{

public List<Translation> translations { get; set; }

}

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次に、サービスにアクセスするためのパラメーターを表す定数を Programクラス内に作成します。。

Program クラスにを記述して下さい。

private const string KEY_HEADER = "Ocp-Apim-Subscription-Key";

private const string ENDPOINT =

"https://api.cognitive.microsofttranslator.com/translate?api-version=3.0";

private const string KEY = "[先ほど取得したキー]";

※紙面の都合上改行しております。

※キーを設定する際には”[“, “]” (角カッコ)は不要です。

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Main メソッを以下のように記述してください。

※static void Main が static async Task Main に変更されている点に注意してください。C#コンパイラ

ーのバージョンが変更されていない場合にはコンパイルエラーとなります。

static async Task Main(string[] args)

{

string translateTarget = Console.ReadLine();

try

{

using(var client = new HttpClient())

using (var request = new HttpRequestMessage())

{

request.Method = HttpMethod.Post;

request.RequestUri = new Uri(ENDPOINT + $"&from=ja&to=en");

request.Headers.Add(KEY_HEADER, KEY);

var body = JsonConvert.SerializeObject(

new object[] { new { Text = translateTarget } });

request.Content =

new StringContent(

body,

Encoding.UTF8,

"application/json");

var response = await client.SendAsync(request);

var responseBody =

await response.Content.ReadAsStringAsync();

var result =

JsonConvert.DeserializeObject<List<RootObject>>(responseBody);

Console.WriteLine(

result.First().translations.First().text);

Console.ReadKey();

}

}

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catch (Exception ex)

{

Console.WriteLine(ex.Message);

throw;

}

}

※紙面の都合上改行しております。

キーボードから[F5]キーを押してデバッグ実行を行います。

コンソールから翻訳したい任意の文字列を入力すると、翻訳結果がコンソール上に表示されます。

※APIから返却された内容を JSON ビジュアライザーなどで確認してみてください。

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8. ストレージアカウントの作成

ここまで見てきました Cognitive Servicesを利用して Adventure Works向けのWebアプリケーション

を作成していきます。

全体像としては以下のようなシステムとなります。

Web AppWeb App Storage blobStorage blob Logic AppLogic AppDocument DB

document

Document DB

document

・Web アプリケーションから画像とコメントを登録します。

・登録された内容は、BLOBストレージ上に格納されます。

・格納された内容を Logic App を利用して、画像解析と翻訳を行い、Cosmos DBに格納します。

・Cosmos DB に格納された内容を Power BI で表示します。

以下、この内容を作成していきますが、本自習書では Blob ストレージの作成以降を取り上げます。

以下の手順では、ストレージを作成した後、Visual Studio または Storage Explorer を使用して、Webア

プリケーションの動きをエミュレートします。この演習では Web アプリケーションの作成は行いませ

ん。(Webアプリケーションの作成については、「アプリケーション開発 - PaaS基礎編」を参考にして

ください。)

ここでは、Webアプリケーションから以下のような形式でデータが登録されるものとします。

・/imageコンテナー内に、任意の blob名で画像ファイルがアップロードされます。

・/imageコンテナー内に上記画像ファイル名でフォルダーを作成し、”data”として入力された内容を

JSONで登録します。

例)/image/hoge に画像が登録され、/image/hoge/data に JSONが登録されます。

・登録される JSONのサンプルは以下の通りとします。

{

"OriginalComment": "(入力されたコメント)",

"OriginalLangCode": null,

"TranslatedComment": null,

"PhotoURL": "(画像ファイルblobのURL)",

"OCRdata": null

}

上記 JSON の OriginalLangCode 、TranslatedComment, OCRdata を Logic App 内で作成して JSON

データを完成させ、Cosmos DBに登録します。

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この JSON はこの後の Logic App でも使用しますので、Visual Studio、あるいはお好みのエディター

などであらかじめご用意ください。

まず、Storage アカウントを作成します。

ストレージアカウントの作成を行います。[Azure管理ポータル]の画面左の[新規]→[Storage]

→[ストレージアカウント– Blob、File、Table、Queue]をクリックします。

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[ストレージアカウントの作成]ブレードが表示されます。以下のように設定し[作成]をクリックして

ください。

パラメーター 値

名前 (任意のわかりやすい名前)

デプロイモデル Resource Manager

アカウントの種類 Storage V2 (汎用 v2)

パフォーマンス Standard

レプリケーション ローカル冗長ストレージ(LRS)

アクセスレベル ホット

安全な転送が必須 有効

サブスクリプション お使いのサブスクリプションを選択してください

リソースグループ 既存のものを使用:AW-RG

場所 作成したWeb Appsと同じ場所

仮想ネットワーク 無効

ダッシュボードにピン留めする チェック

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ストレージアカウントが作成されます。画面右上の[通知]アイコンをクリックし、一覧に[デプ

ロイメントが成功しました]が表示されれば、作成は終了です。

次に、blob コンテナーを作成します。Azure管理ポータル上で、作成したストレージアカウントを

表示してください。

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次に、blobコンテナーを作成します。表示された内容から [BLOB SERVICE]の[コンテナー] または、

[サービス]の[BLOB]をクリックしてください。(どちらも同じブレードが表示されます。)

[+コンテナー]をクリックして、blobコンテナーを作成します。

パラメーター 値

名前 image

アクセスの種類 プライベート

入力後、[OK]をクリックしてください。また、作成した blobコンテナー名は後で使用しますので控え

ておいてください。

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9. Cosmos DB の利用

Cosmos DB を使用してデータを蓄積します。ここでは Cosmos DBを使用して、アップロードされた

画像から読み取ったデータと入力されたコメントを格納していきます。

[Azure管理ポータル]の画面左の[新規]→[Databases]→[Azure Cosmos DB]をクリックし

ます。

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新規アカウント作成のブレードが表示されます。

以下のように入力します。

パラメーター 値

ID (任意のわかりやすい名前)

API SQL

サブスクリプション お使いのサブスクリプションを選択してください。

リソースグループ 既存のものを使用:AW-RG

場所 西日本 または 東日本

Geo冗長の有効化 チェックしない

ダッシュボードにピン留めする チェック

この時、APIの選択を間違えないように注意してください。作成後には変更できません。

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入力後[作成]ボタンをクリックして下さい。Cosmos DBが作成されます。下図のように表示されな

い場合には、”Azure Cosmos DB アカウント”の[概要]をクリックしてください。デプロイの完了ま

で 2~3分程度かかる場合があります。

(クイックスタートが表示される場合があります。)

作成した Cosmos DB にコレクションを作成します。[コレクションの追加]をクリックして下さい。

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[コレクションの追加]をクリックすると、パラメーターの入力ブレードが表示されます。

パラメーター 値

Database id Adventureworks

Collection Id feedbacks

Storage capacity Fixed(10GB)

Throughput 400

入力後[OK]をクリックしてください。

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作成が終わると、[概要]に以下のようにコレクションが表示されます。

※このあとの演習でデータベース名、コレクション名は頻繁に使用します。忘れないようにメモ等

に控えておくことをお勧めします。

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10. Logic App の利用

Logic App は App Serviceの一つとして提供されていますが、Web App, Function App等とは大きく

異なり、コードを記述することなく、ワークフローを作成するように処理を記述していきます。ストレ

ージ、Cosmos DBだけではなく、HTTP, Office 365, Twitter, Dropbox などとも連携して動作することが

可能です。

また、先ほど C#のアプリケーションからアクセスした Cognitive Servicesとも、コードを記述するこ

となく連携することができます。

ここでは「ストレージにデータが投入されたことをトリガーとして、画像を OCR解析し、コメントを

翻訳し、その結果を Cosmos DBに投入する」Logic App を作成していきます。

Azure管理ポータルより、Logic Appを新規で作成します。[Azure管理ポータル]の画面左の[新

規]→[Web+モバイル]→[Logic App]をクリックします。

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「ロジックアプリの作成」ブレードが表示されます。

以下のようにパラメーターを入力します。

項目 設定する値

名前 (任意のわかりやすい名前)

サブスクリプション (お使いのサブスクリプション)

リソースグループ 「既存のものを使用」AW-RG

場所 西日本 or 東日本

Log Analytics Off

ダッシュボードにピン留めする チェック

入力後、[作成]ボタンをクリックしてください。

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デプロイ完了後、Azure管理ポータルで、作成した Logic Appを開いてください。下図のように表示

されます。

表示されているテンプレートから「空のロジックアプリ」を選択します。

(上図の状態からは下スクロールすると表示されます。)

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選択後、下図のように、Logic Apps デザイナーブレードが表示されます。

この画面で Logic App を作成します。

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作成する Logic Appの完成形は以下のようになります。

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まずトリガーを定義します。ここでは、ストレージの Blobをトリガーとして選択します。表示され

ているトリガーから[Azure Blob Storage - 1つ以上の BLOBが追加または変更されたとき(メタデ

ータのみ)]をクリックしてください。

接続名とストレージアカウントの選択が求められます。

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項目 設定する値

名前 (任意のわかりやすい名前)

ストレージアカウント 先ほど作成したストレージアカウント

選択後、[作成]をクリックしてください。

対象のコンテナーと確認頻度の入力が求められます。

項目 設定する値

コンテナー 先ほど作成したコンテナー

頻度 分

間隔 3

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※コンテナーはフォルダーアイコンをクリックするとコンテナー一覧が表示され、選択できるよう

になります。

Tips:右上の「…」をクリックするとメニューが表示されます。名前、コメントの追加、削除など

はここのメニューから行うことができます。ただし、トリガー/アクションの内容を他のアクション

から参照している場合には削除はできません。

Tips: 作成中でも「保存」ボタンは押せますが、内容にエラーがある場合には保存は失敗します。

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変更された blob の内容を読み取るアクションを作成します。作成したトリガーの下に表示されて

いる[+新しいステップ]をクリックしてください。

追加する内容の選択が求められます。ここでは「アクションの追加」をクリックしてください。

クリックするとコネクタとアクションの一覧が表示されます。ここではコネクタの[Azure Blob

Storage]をクリックしてください。

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Azure Blob Storageに関するアクションの一覧が表示されます。ここでは[Azure Blob Storage –BLOB

コンテンツの取得]をクリックしてください。

取得する blobの選択が要求されます。ここではトリガーで取得した blobの内容を取得します。

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[BLOB を指定する]と記述されている個所をクリックすると、「動的なコンテンツ」と「式」の選択

が表示されます。([動的なコンテンツの追加]をクリックしても同じ結果となります。)

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なお、ブラウザの表示幅によっては、下図のように表示されることがあります。

表示されている中から「Path」を選択してください。選択後は以下のように表示されます。

これにより、トリガーされた blobのコンテンツを読み込むところまでを定義しました。

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次に、Computer Vision API の OCR機能の呼び出しを定義します。先ほどと同様に「新しいステッ

プ」から「アクションの追加」をクリックしてください。

ここで[Computer Vision API]から[Computer Vision API – Optical Character Recognition (OCR) to

Text]を選択します。

接続パラメーターの入力が求められます。

ここで先の工程で保存しておいたキーとエンドポイントを設定します。

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項目 設定する値

接続名 (任意のわかりやすい名前)

Account Key Computer Vison API の認証キー

Site URL Computer Vision API のエンドポイント

※接続名で下図のような「API 接続」のリソースがリソースグループ内に作成され、再利用できる

容易になります。従いまして、使用しているリソースが推測可能な名前にしておくのがお勧めです。

入力後[作成]ボタンをクリックしてください。イメージソースの選択が求められます。

ここでは、前のステップで読み取った blobの内容を渡します。” Image Source” をクリックすると

下図のように表示されます。

コンテンツまたは URLの選択になります。ここでは”Image Content”を選択します。

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続いて“Image Content”を設定します。先ほどの「Blob コンテンツの取得」と同じようにクリック

します。

先ほどの「Blob コンテンツの取得」と同様に「動的なコンテンツ」「式」と表示されていますが、

「Blobコンテンツの取得」より項目が増えていることに注意してください。

ここから、このステップより前のステップの内容を選択できることがわかります。

ここでは「Blobコンテンツの取得」の「ファイルコンテンツ」を選択します。

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次に、サブフォルダ内にある JSONを取得します。先ほどと同様にアクションを追加します。追加

するアクションは”Azure Blob Storage – パスによる BLOBコンテンツの取得”です。

JSONファイルは [画像 blob名]/data で格納されているので、文字列連結を行った結果のパスでコ

ンテンツを取得します。先ほどまでと同様に、”BLOBパス”をクリックします。

文字列連結を行うための処理は「式」に格納されていますので、「式」をクリックします。

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ここで表示されている”concat”を選択します。クリックすると以下のように表示されます。

ここでは、何と何を結合するのかを入力する必要があります。先ほど取得したBLOBのパスと “/data”

という固定文字列を結合します。

カーソルをカッコ内に合わせて、「動的なコンテンツ」から「1つ以上の BLOBが追加または変更さ

れたとき(メタデータのみ)」の[Path]を選択します。

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選択後、以下のように表示されます。

カッコ内に続けて、以下のように入力します。カンマとシングルクォーテーションに注意してくだ

さい。

,’/data’

入力後は下図のようになります。

この状態で[OK]をクリックします。

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読み込んだ blob の内容を JSON として解釈させます。先ほどまでと同様に、新しいアクションを

追加します。追加するアクションは「データ操作 –JSONの解析」です。

追加すると、下図のようにコンテンツとスキーマの入力が求められます。

コンテンツは先ほどの「Get blob content using path」で取得した内容ですが、そのままでは渡すこ

とができません(実行時にエラーとなります)。「Expression」を使用して、取得した内容を JSONに

変換する必要があります。

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「式」の「変換関数」内に「json」関数がありますので、それを使用します。json() の引数に「Get

blob content using json」の「File Content」を指定し、[OK]をクリックします。

指定した状態は下図のようになります。

次にスキーマ情報を設定します。ここでは「サンプルのペイロードを使用してスキーマを作成する」

を使用します。先ほど「ストレージアカウントの作成」で用意したサンプルの JSONファイルをサ

ンプルとして使用します。

「サンプルのペイロードを使用してスキーマを生成する」をクリックします。下図のようなダイア

ログが表示されますので、用意しておいた JSONファイルの内容を貼り付けます。

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貼り付け後[Done]をクリックすると、内容からスキーマ情報が作成されます。

読み込まれた JSON の”OriginalComment”を翻訳します。先ほどまでと同様に新しいアクションを

追加します。追加する内容は、”Microsoft Translator – テキストの翻訳”です。

選択すると自動的にコネクタが作成されます。

作成後、「テキスト」と「対象言語」の入力が求められます。

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項目 設定する値

テキスト JSONの解析– OriginalComment

対象言語 English (プルダウンから選択)

同様にして、「言語の検出」を次のステップに追加します。

「Text」に設定する項目は先ほどの「テキストの翻訳」と同じです。

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ここまでで、Cosmos DB に登録する内容を作成するための情報が収集されました。これより登録

する JSONファイルを作成します。データを作成するには「データ操作 – 作成」を使用します。

「データ操作- 作成」を選択すると、以下のようにアクションが追加されます。

この「入力」内で編集を行います。

この「入力」欄に、先ほど使用したサンプルの JSONファイルの内容を貼り付けます。貼り付け後

は以下のように表示されます。

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この入力欄を下図のように編集します。

※文字が小さく見づらい場合には、ブラウザの表示を拡大してもよいでしょう。また、読みやすさ

のために適宜改行を挿入してもよいでしょう。

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設定する内容は以下の通りです。

項目 設定する値

OriginalComment JSONの解析 – OriginalComment

OriginalLangCode 言語の検出 – 言語コード

TranslatedComment テキストの翻訳 - 翻訳されたテキスト

PhotoURL JSONの解析 – PhotoURL

OCRdata Optical Character Recgnition (OCR) to Text –

Detected Text

id Name

※id 項目を追加している点に注意してください。id 項目が無い場合、実行時に Cosmos DBへの登

録時にエラーとなります。

カッコ、引用符、カンマなどに注意してください。JSON として正しくない場合には、後の工程を

作成後にエラーが表示されます。

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作成した JSON を Cosmos DB に登録します。新しいアクションを追加します。追加するアクショ

ンは[Azure Cosmos DB – ドキュメントを作成または更新する]です。

選択すると、以下のようなアクションが追加されます。

接続名にはわかりやすい任意の名称を設定してください。表示されている DocumentDB アカウン

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トを選択し、[作成]をクリックします。

設定する内容は以下の通りです。

項目 設定する値

データベース ID adventureworks (プルダウンから選択)

コレクション ID feedbacks (プルダウンから選択)

ドキュメント Compose – Output

IsUpsert はい(プルダウンから選択)

設定後は以下のように表示されます。

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ここまでできたところで、「保存」をクリックします。

保存後、Visual Studio 、Storage Explorerなどから、JSONファイルと画像ファイルをアップロード

します。

まず以下のものをご用意ください。

・任意の画像ファイル(文字が含まれているものが望ましいです)

ファイルに関する制限は以下の通りです。

jpeg, png, gif, bmp 形式

4MBまで

50x50px 以上

・JSONファイル – JSONの形式は以下の通りです。

ファイル名は”data”としてきます。これは先ほど作成した Logic Appで JSONファイルは[画像

blob名]/data で格納されているとしたためです。

{

"OriginalComment": "(入力されたコメント)",

"OriginalLangCode": null,

"TranslatedComment": null,

"PhotoURL": "(画像ファイルblobのURL)",

"OCRdata": null

}

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Blobストレージには以下の手順でアップロードします。ここでは Visual Studioを使用します。Visual

Studioから”Cloud Explorer”を開きます。サブスクリプションが表示されていない場合には、下図の

「アカウント管理」からサインインしてください。

“Storage Accounts”から作成した Logic Appでストレージアカウントを展開し、Blob コンテナーを

ダブルクリックします。

ダブルクリックすることで Blobの内容が表示されます。

メニュー部分の上矢印をクリックすることでアップロードを行うことができます。(下図の↑部分

です。)

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まず、JSONファイルをアップロードします。作成した Logic Appで JSONファイルは“[画像 blob

名]/data”で格納することにしていました。

項目 設定する値

ファイル名 用意した JSONファイル(ファイル名”data”)

フォルダー 画像ファイル名

入力後、[OK]をクリックすることで Blobにアップロードされます。

次に、同様に画像ファイルをアップロードします。

項目 設定する値

ファイル名 用意した画像ファイル

フォルダー (空白)

入力後、[OK]をクリックすることで Blobにアップロードされます。

画像ファイルのアップロードをトリガーとして Logic Appが起動します(ただし、リアルタイムで

はありません。)

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Azureポータル上の作成したロジックアプリの「概要」に、実行履歴が表示されます。

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「実行の履歴」の各行をクリックすると実行の詳細が確認できます。失敗の場合には失敗したステ

ップを確認することができます。例えば下図は Cosmos DBへの登録に失敗した例です。

各ステップをクリックすると入出力を確認できますので、失敗の詳細情報をここで確認できます。

また、上部の「再送信」は同一トリガーでの再実行を行いますので、デバッグ時には便利です。(こ

のケースの場合、もう一度 blobにアップする必要がないので手間が省けます。)

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注)Logic App であれこれ試している場合などに、コネクタが多量に作成されている場合がありま

す。例えば「このコネクタなんだろう?」と色々と試しているような場合です。コネクタはリソー

スグループ内に作成されるので、使用しないコネクタは適宜削除するようにしておいた方が良いで

しょう。下図は悪い見本です。

ここではストレージをトリガーとした Logic App を作成しました。Logic App としては、HTTP

Request をトリガーとして動作し、結果を HTTP Response として返却することも可能です。した

がって、例えば Translator Text APIのラッパーとして Logic Appを使用するのもよいでしょう。

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11. Power BI の利用

Power BI を使用して、格納されたデータのレポートを作成します。あらかじめ Power BI へのサイン

アップと、Power BI Desktop のダウンロードとインストールを済ませておいてください。

ここでは以下のようなレポートを作成します。

Cosmos DB に登録されている情報と、Blobストレージ内に保存されている画像を使用します。

事前に必要となる接続情報の収集と設定を行います。必要となる接続情報は以下の通りです。

・Cosmos DBのエンドポイント

・Cosmos DBの接続キー

・Blobストレージのエンドポイントとアクセスキー

・Blobストレージのアクセス権設定

いずれの情報も Azure ポータルから取得します。

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まず Cosmos DBの接続情報を取得します。Azure管理ポータルから、使用している Cosmos DBに

アクセスします。メニューの[キー]からエンドポイント情報とキー情報を取得可能です。

[キー]をクリックすると下図のように表示されます。

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ここで表示されている[読み取り/書き込みキー]を使用してもよいですが、Power BI からは読み取り

操作しか行いません。したがって、[読み取り/書き込みキー]を使用するメリットはありませんので、

[読み取り専用キー]を使用します。[読み取り専用キー]をクリックしてください。

ここで表示されている[URI]と[読み取り専用キー]を、それぞれメモ帳などに張り付けておきます。

また、データベース名、コレクション名も必要となりますので、合わせて控えておいてください。

※プライマリ読み取り専用キー、セカンダリ読み取り専用キーのどちらでも構いません。機能に差

異はありません。

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次に、ストレージアカウントの情報を取得します。Azure 管理ポータル内で、使用している Azure

Storage アカウントにアクセスしてください。

表示されたストレージアカウントのメニューから、[BLOB SERVICE]の[コンテナー]をクリックして

ください。

以下のように表示されますので、[Blob Service エンドポイント]の内容をメモ帳などに張り付けて

おきます。

同様にして、[設定]→[アクセスキー]から、アクセスキーを取得してください。

※接続文字列ではなく、「アクセスキー」です。Key 1 、Key 2 のどちらでも構いません。

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次にアクセス権の設定を行います。画像が格納されているコンテナーに対して匿名アクセスを許可

するように変更します。Power BI のレポートから直接 Blobにアクセスし、画像を表示させるため

に必要となります。

[BLOB SERVICE]-[コンテナー]をクリックし、コンテナー一覧を表示します。

一覧の右端に「…」と表示されているので、これをクリックしてください。

クリックすると以下のように表示されます。[アクセス ポリシー]をクリックしてください。

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[アクセス ポリシー]ブレードが表示されます。[パブリック アクセス レベル]を[BLOB(BLOB 専用

の匿名読み取りアクセス)]に変更し、[保存]をクリックしてください。

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コンテナー一覧で[アクセスの種類]が[BLOB]と表示されれば、この工程は終了です。表示されない

場合には、[更新]をクリックしてください。

ここまでで、事前に必要な情報が集まりました。

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ここから Power BI Desktop を使用してレポートを作成していきます。Power BI Desktop を起動して

ください。起動すると以下のように表示されます。

ここで[サインイン]をクリックします。

ここで事前に作成しておいたアカウントでサインインします。アカウントをまだ作成していない場

合には、サインインボタン下のリンクから作成することができます。

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サインイン後、下図のように表示されます。右上にお名前が出ていることを確認してください。

※お名前の部分をクリックするとアカウント設定、アカウント切り替えなどのメニューが表示され

ます。

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レポートで使用するデータソースの設定を行います。[ホーム]→[データを取得]→[さらに表示…]を

クリックします。

データの取得元一覧が表示されます。ここでは[Azure]を選択して絞り込みます。

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[Azure]をクリック後、以下のように表示されます。今回使用するのは、[Azure Blob Storage]と[Azure

Cosmos DB]です。まず、Azure Cosmos DBの設定から行います。

[Azure Cosmos DB]を選択し、[接続]をクリックしてください。

Azure Cosmos DBへの接続は「ベータ」と表記されている通り、現在プレビューの状態です。プレ

ビューである旨のダイアログが表示されますので、[続行]ボタンをクリックしてください。

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[続行]ボタンをクリックすると、接続情報の入力が求められます。

ここで接続情報を設定します。設定する内容は以下の通りです。

項目 設定する値

URL 先ほど控えておいたエンドポイント

データベース Adventureworks

コレクション feedbacks

設定後、[OK]ボタンをクリックしてください。

接続に必要なアカウントキーの入力が求められます。ここで先ほど控えておいた[読み取り専用キ

ー]を設定して、[接続]をクリックしてください。

※接続情報は記録されます。同じデータソースを再度使用する際には再度キーを入力する必要はあ

りません。

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読み込んだ情報が下図のように表示されます。

表示されている行が全て”Record”となっている点に注意してください。格納されているのは JSON

形式なので、レポートで使用するためにフラット化する必要があります。

※この自習書では非常に単純な JSONドキュメントを使用していますが、現実的には入れ子になっ

た JSON形式もあり得ますため、この工程が必要です。

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ここで[編集]をクリックしてください。別ウィンドウで「クエリ エディター」が表示されます。

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表示されている[Document]の右側に「展開コントロール」が表示されています(「↰↱」と表示され

ているアイコンです)。これをクリックするとフィールドの一覧が表示されます。ここで必要なフ

ィールドを選択して[OK]をクリックします。

レポートで必要なフィールドは、”OriginalComment”から”id”までです。

これによりデータが読み込まれ、クエリ エディター上に表示されます。

※必要に応じて、不要な行などをフィルターで除外してください。

※列名を右クリックするとコンテキストメニューが表示されます。不要な列などはここで削除でき

ます。また、列名の変更もここで行うことができます。

設定後、[ホーム]→[閉じて適用]をクリックします。

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右側「フィールド」にクエリ エディターで指定した各列が表示されていることを確認してくださ

い。

ここではデフォルトのまま「クエリ1」としました。名前の変更・更新・削除は、クエリ名の部分

を右クリックすると表示されるコンテキストメニューから行うことができます。

続いて、Blob Storage への接続を設定します。先ほどと同様に、[データを取得]から[Azure]を選択

し、[Azure Blob Storage]を選択します。

アカウント名または URL の入力が求められます。先ほど控えておいた、blob のエンドポイントを

設定してください。

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アクセス方法の設定が求められます。先ほど控えておいたアクセスキーを設定し、[接続]をクリッ

クしてください。

以下のようにコンテナー一覧が表示されます。使用するコンテナーをチェックし、「読み込み」をク

リックします。

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下図のように、「フィールド」に”image”が追加されます。

読み込まれた二つのデータソースのリレーションシップを定義します。これにより二つのデータセ

ットを連携して、一つの表に表示することができるようになります。

左側のメニューから「リレーションシップ」をクリックしてください。

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二つのデータセットが表示されますので、リレーションシップを作成する二つのプロパティをマウ

スで連結します。ここでは、Cosmos DB (クエリ1)の Document.id と Blob Storage (image) の

Name を紐づけます。

※データソースの表示はドラッグ&ドロップで広げられます。使いやすい大きさに広げてください。

「クエリ 1」の Document.id をクリックし、「image」の Name 上にドロップしてください。ドロ

ップ直前の状態が下図になります。

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ドロップすると下図のように表示されます。

設定後、左側メニューから「レポート」に戻ります。

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※つないでいる線をダブルクリックすると[リレーションシップの編集]が表示されます。これを利

用して、1対多、多対多などの設定を行うことができます。ここでは1対1なので、デフォルトの

まま進めます。

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レポートの表を作成しますが、列名が”Document.TranslatedComment”のままではよくありません

ので、列名を設定します。

フィールドから列名を右クリックすると表示されるコンテキストメニューに「名前の変更」があり

ますので、これを使用して適切な名前に変更します。

各フィールドを以下のように変更します。(記述の無いフィールドはそのままで構いません。)

変更前 変更後

Image

Date modified 最終更新日

クエリ1

Document.id ID

Document.OCRdata 読み込まれたデータ

Document.OriginalComment 原文コメント

Document.OriginalLangCode 原文言語

Document.PhotoURL 画像

Document.TranslatedComment 翻訳後コメント

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変更後は下図のようになります。

次に、表に表示するカラムを選択します。先ほど名前を選択したカラムの左にあるチェックボック

スをチェックしてください。

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下図のように表が表示されます。

※表示される表は、適宜左右を広げてください。

※実際に表示されるデータは、これまでの工程で Blob ストレージ、Cosmos DBに登録した内容に

よって変わります。上図とは異なりますのでご注意下さい。

画像 URLが表示されている個所を、画像が直接表示されるようにします。

「フィールド」から「画像」をクリックします。

メニューから[モデリング]→[書式設定]の「データ型」を確認します。「テキスト」になっていない

ようでしたら、「テキスト」に変更してください。

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次に、右の[プロパティ]にある「データカテゴリ」を選択し、「イメージの URL」に変更します。

これにより、URLが表示されていた箇所が画像に変換されます。

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次に、「原文言語」の棒グラフを追加します。「視覚化 フィルター」を開きます。

ここでは縦棒グラフとします。表示された「視覚化」の中から、以下の縦棒グラフをクリックして

ください。

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下図のようにグラフが追加されます。位置は適宜調整してください。

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「視覚化」と「フィールド」の内容が以下のようになります。ここで表示する項目を選択します。

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ここでは「原文言語」のグラフを出しますので、「原文言語」をチェックしてください。チェックす

ることで「軸」欄に「原文言語」が表示されます。そののち、「値」の欄に「原文言語」をドラッグ

&ドロップで入れてください。「値」の欄に「原文言語のカウント」と表示されます。

この時点で、下図のようにグラフが表示されます。

※実際に表示されるデータは、これまでの工程で Blob ストレージ、Cosmos DBに登録した内容に

よって変わります。上図とは異なりますのでご注意下さい。

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ここまでできたところで、Power BI に発行してみます。メニューの[ホーム]から「発行」をクリッ

クしてください。

これまで保存していない場合には、保存確認のダイアログが表示されます。[保存]をクリックして、

作成したレポートを保存しておきます。

ファイル保存ダイアログが開きますので、適切なフォルダー・ファイル名で保存してください。

保存後、自動的に Power BI に発行されます。

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発行が完了すると、ダイアログは下図のように変化します。

「Power BI で (保存したファイル名)を開く」のリンクをクリックしてください。

ブラウザが表示され、Power BI のサインインが求められます。ご自身のアカウントでサインインし

てください。

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サインインするとワークスペースが表示されます。

「レポート」をクリックすると、発行されているレポートの一覧が表示されます。

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表示されている行をクリックすると、レポートの内容が表示されます。

以上で、アップロードされた画像とコメントを解析して格納し、レポートを作成するまでの手順が

完了しました。

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12. リソースグループの削除

最後の手順では、リソースグループを削除します。単純にWeb Appを削除すると、Webアプリケー

ションだけが削除され、関連するストレージアカウント、Application Insightsなどのリソースが残存し

ますが、リソースグループを削除すると、そのリソースグループ内のすべてのリソースが削除されます。

次の手順では今回作成したリソースグループ「AW-RG」を削除し、その中にある 2台の仮想マシンの

リソースをすべて削除します。なお、この手順を実行すると、実習で構築したシステムが削除されるた

め、まだ、検証を続けたい場合は、検証の完了後におこなってください。

1. Azure管理ポータルの[スタート画面]より[AW-RG]のタイルをクリックします。

2. [AW-RG]と[設定]が表示されます。コマンドの[削除]をクリックします。

3. [”AW-RG”を削除しますか?]が表示されます。[リソースグループ名を入力してください]に「AW-

RG」と入力し、[削除]をクリックします。

4. リソースグループとその中のすべてのリソースが削除されます。画面右上の[通知]をクリックし、

リソースグループが削除するまで待機します。リソースグループが削除されるまで約 10 分、時間

が掛かります。

5. Azure管理ポータルの画面左のジャンプバーより[リソースグループ]をクリックします。

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6. [リソースグループ]が表示されます。一覧にリソースグループ「AW-RG」がないことを確認しま

す。

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13. Microsoft Azure に関する情報の入手元

Microsoft Azure に関する最新の情報は、次のWebサイトから入手できます。

●Azure の公式ページ(各国共通)

製品情報、価格、技術情報など、Azureに関するすべての情報への入口です。Azureをお使いのお客様

は、右上の「ポータル」をクリックすると Azureのポータルにログインすることができます。ポータル

では、Azure上で構築したアプリケーションの管理、課金状況の確認などができます。

http://azure.microsoft.com/ja-jp/

●Azure サイトの歩き方

Microsoft Azure について知りたいことがあるのに、ページがすぐに見つからない、という方はこち

らへ。目的に合わせたコンテンツへご案内します。

http://aka.ms/jp/azure

●サポートエンジニアによるブログ サイト

よくお問い合わせをいただく技術・課金・サポートに関する内容をまとめたものです。サポートに問

い合わせる前に、まずはここをご参照ください。

http://blogs.msdn.com/b/dsazurejp/

http://blogs.msdn.com/b/jpsql/ (SQL データベース / SQL Server)

●MSDN フォーラムの Azure フォーラム

Azure に関する技術的な質問に対して、これまでの投稿から情報を入手するのみならず、自分の質問

を投稿し、他のユーザーやMVP (Most Valuable Professional) からの回答を得られることが期待できま

す。開発者(DEVELOPER)サポート / 標準(STANDARD)サポート契約ではカバーしていない “How

To” や “仕様” に関する質問も、このフォーラムをご活用ください。

https://social.msdn.microsoft.com/Forums/ja-JP/home?category=azure

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14. Microsoft Azure のお問合せ

Microsoft Azureでは、お問い合わせ内容に応じて窓口を用意しております。お問い合わせの内容に応

じて各窓口をご利用ください。なお、Premierのお客様は、Premier窓口をご利用いただけます。

お問合せ内容 料金 窓口名 連絡方法 お問い合わせ方法

製品や機能の概要、価

格、ライセンスなどの情

報の収集や購入前相談

無償 Cloud Direct 電話 「Cloud Direct」で検

索してください。

課金、サブスクリプショ

ンに関するお問い合わ

せ、請求書払いへの変

更、クォータ増加の依頼

無償 Microsoft Azure 新ポータ

ル Azure 新 ポ

ータル※1 ※3

技術的なお問い合わせ 有償 Microsoft Azure 新ポータ

ル※2

※1 : 電話窓口はありません。

※2 : 有償のサポートプランが必要です。

※3 : お問い合わせ方法につきましては、次の Blogをご参照ください。

サポートにお問い合わせする方法について

http://blogs.msdn.com/b/dsazurejp/archive/2013/10/31/10462044.aspx

なお、ポータルサイトにアクセスできない場合は、次のどちらかの方法でお問い合わせください。

窓口名 / 連絡方法 お問い合わせ方法

カスタマー インフォメーションセンター

電話番号:0120-41-6755

営業時間:平日 9:00 – 17:30

窓口担当者に、「Azure について問い合わせが

したい」 とお伝えください。Azure 担当者より

折り返しご連絡いたします。