厳しい将来に備えを─勉強を重視する親たち - nhk2013/02/01  ·...

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2 FEBRUARY 2013 はじめに NHKは2012年夏,中高生とその親を対象 に,5 回目となる「中学生・高校 生の生活と意 識調査」を実施した 1) 。調査の結果は本誌で 3 回に分けて報告する。1月号の初回では,中 高生の学校生活や友人関係を中心に考察した が,第 2 回にあたる本稿は中高生の勉強への 取り組みと親の勉強への関わりについて報告 する。 今回,調査対象となった中高生は,バブル 経済が崩壊し日本経済が低迷し始めた1994 年から2000年に生まれている。'02年には, いわゆる「ゆとり」重視の学習指導要領が実施 されたが,OECD が 15 歳を対象に 3 年ごとに 行っている学習到達度調査(PISA)で, '03 年, '06年と日本の順位が後退し 2) ,ゆとり教育に よる学力低下を心配する議論が活発になった。 そして,10 年ぶりに改訂された '12 年度の指導 要領は,授業時間が増えるなど「脱ゆとり」を 打ち出した内容となっている。 父母については,有効回答が得られた人の 平均年齢が,父親 48 歳(1964 年生まれ),母 親 45 歳(1967 年生まれ) 3) で,受験競争が激し さを増した 1970 年代後半から'80 年代前半に多 くが中高生だった。 本稿では,こうした状況をふまえながら,勉 強に対する親子の意識について分析する 4) 調査の概要やサンプル構成比,父母調査の 単純集計結果は文末に,また生徒調査の単純 集計結果は 1月号に掲載している。 厳しい将来に備えを─勉強を重視する親たち ~「中学生・高校生の生活と意識調査 2012」から②~ 世論調査部 村田ひろ子 NHK が 2012 年夏に実施した「中学生・高校生の生活と意識調査」の2回目となる今回の報告では,中高生の勉 強への取り組みとそれをめぐる親の思いについて分析する。 中高生の学校外の勉強時間は前回調査の 2002 年までは減少傾向にあったが,今回は下げ止まっている。また, 中高生に対して「一生懸命勉強すれば,将来よい暮らしができるようになる」と思うかたずねたところ,「そう思う」 と答えたのは中高とも 8 割近くに上った。10 年前と比べると「そう思う」は大きく増えていて,勉強が将来の暮らし に役立つと考える中高生の増加が目立つ。 一方,親の多数が子どもの学力や将来の就職難を心配し,父母ともに 7 割が「子どもにかける教育費は惜しまな い」と答えている。 さらに親の学歴や生活程度によって,教育費の負担についての考え方に違いがある。生活程度を低いと認識して いる親では「教育費は,家計の負担になっている」という人が多い。こうした人々の子どもは,塾に通っている割合 が低く,勉強時間も短い。ただ,生活程度の認識が低い人でも6割程度が教育費は惜しまないとしている。

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2  FEBRUARY 2013

はじめに

NHKは2012年夏,中高生とその親を対象に,5回目となる「中学生・高校生の生活と意識調査」を実施した 1)。調査の結果は本誌で3回に分けて報告する。1月号の初回では,中高生の学校生活や友人関係を中心に考察したが,第2回にあたる本稿は中高生の勉強への取り組みと親の勉強への関わりについて報告する。

今回,調査対象となった中高生は,バブル経済が崩壊し日本経済が低迷し始めた1994年から2000 年に生まれている。'02年には,いわゆる「ゆとり」重視の学習指導要領が実施されたが,OECDが15歳を対象に3 年ごとに行っている学習到達度調査(PISA)で,'03 年,

'06 年と日本の順位が後退し 2),ゆとり教育による学力低下を心配する議論が活発になった。そして,10 年ぶりに改訂された'12年度の指導要領は,授業時間が増えるなど「脱ゆとり」を打ち出した内容となっている。

父母については,有効回答が得られた人の平均年齢が,父親48歳(1964年生まれ),母親45歳(1967年生まれ)3)で,受験競争が激しさを増した1970年代後半から'80年代前半に多くが中高生だった。

本稿では,こうした状況をふまえながら,勉強に対する親子の意識について分析する 4)。

調査の概要やサンプル構成比,父母調査の単純集計結果は文末に,また生徒調査の単純集計結果は1月号に掲載している。

厳しい将来に備えを─勉強を重視する親たち~「中学生・高校生の生活と意識調査 2012」から②~

世論調査部 村田ひろ子

NHKが2012年夏に実施した「中学生・高校生の生活と意識調査」の2回目となる今回の報告では,中高生の勉強への取り組みとそれをめぐる親の思いについて分析する。

中高生の学校外の勉強時間は前回調査の2002年までは減少傾向にあったが,今回は下げ止まっている。また,中高生に対して「一生懸命勉強すれば,将来よい暮らしができるようになる」と思うかたずねたところ,「そう思う」と答えたのは中高とも8割近くに上った。10年前と比べると「そう思う」は大きく増えていて,勉強が将来の暮らしに役立つと考える中高生の増加が目立つ。

一方,親の多数が子どもの学力や将来の就職難を心配し,父母ともに7割が「子どもにかける教育費は惜しまない」と答えている。

さらに親の学歴や生活程度によって,教育費の負担についての考え方に違いがある。生活程度を低いと認識している親では「教育費は,家計の負担になっている」という人が多い。こうした人々の子どもは,塾に通っている割合が低く,勉強時間も短い。ただ,生活程度の認識が低い人でも6割程度が教育費は惜しまないとしている。

3

1. 中高生の勉強に対する態度

大学・大学院まで進学したい中高生が          過去 30 年で最多に

進学の最終目標について中高生にたずねたところ,「大学まで」が55%と最も多い。「大学院まで」とあわせると6割近くに上り,これまでで最多となっている。図1には過去30年の推移を男女別に示した。

男子では「大学・大学院まで」進学したい人は'02年まで6割に満たなかったが,今回は64%に増えている。一方,女子では「大学・大学院まで」が23%から53%へと著しく増加した。ただし男子とは依然として10%以上の差がある。

学校外の勉強時間は中高ともに下げ止まり

「夏休み以外のふだんの日,家や学習塾など,学校以外のところで,1日平均何時間くらい勉強しているか」たずねた。中高別にみると「ほとんど勉強しない」のが,高校生では中学生の2倍の30%に上る(図2)。

「ほとんど勉強しない」を0 分,「30 分ぐらい」を30 分,「1時間ぐらい」を1時間とし,さらに

「5時間以上」を5時間として,勉強時間の平均を中高別に算出したところ,中学生は1時間17分,高校生では1時間6分となった。これを学年別にみた結果を図3に示した。受験を控えている人が多い3年生で,中高ともに平均勉強

図1 進学の最終目標<男女別>

図 2 学校外の勉強時間<中高別>

図 3 学校外の平均勉強時間<学年別>

わからない、無回答

まだ決めていない

その他

大学院まで

大学まで

短大、高専まで

専門学校、各種学校まで

高校まで(中学含む)‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年

‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年 6441228% 47

24 10 3 55

25 10 2 56

2 4 2

321

23 9 3 53 5 51

21  8 3 59 5 31

大学・大学院まで

わからない,無回答

まだ決めていない

大学院まで

大学まで

短大,高専まで

専門学校,各種学校まで

高校まで(中学含む)

〈男子〉

〈女子〉

54221630% 23

23211527 31

121

1

1

0

201821 37

110 52019 42 3

6 32216 511

※「その他」は,すべて 0%※‘82 年調査では,「大学まで,大学院まで」は,1つの選択肢だった。※分母=‘82 年:男子 1,558 人 / 女子 1,498 人,‘87 年:男子 777 人 / 女子 749 人,    ‘92 年:男子 734 人 / 女子 693 人,‘02 年:男子 671 人 / 女子 650 人,    ‘12 年:男子 578 人 / 女子 549 人

5時間以上

4時間ぐらい

3時間ぐらい

2時間ぐらい

1時間ぐらい

30分ぐらい

ほとんど勉強しない

高校生

中学生

15%30

2018

98

3

1

3

2

2518

2823

1 時間10 分

1時間10 分

1時間33 分 1時間

31 分

59 分

49 分

0

1

2(時間)

高3高2高1中3中2中1

FEBRUARY 2013

4  FEBRUARY 2013

時間が長く,1時間半を超えている。なお男女別では差がない。

平均勉強時間の過去30 年の推移をみると,'02年まで中高ともに減少傾向にあったが,今回は下げ止まっている(図4)。学校での「脱ゆとり」教育が始まったことで,学校外での勉強時間が下げ止まったのかどうかは,この調査の結果だけでは言えない。ただ,前回調査から10 年の間に,ゆとり教育による学力低下を心配する論議が活発になったことで,学校外の勉強時間の減少に一定の歯止めがかかった可能性はある。

男子中学生で多い塾通い

勉強時間が下げ止まっているが,塾に通っている中高生が増えているわけではない。学習塾や予備校に通っているかどうかたずねたところ,

「通っている」と回答したのは,中学生は48%と半数近くであるのに対し,高校生では20%にとどまった(図5)。

この30年間では,中学生で'92年まで増加を続け,その後減少している。一方,高校生は'87年から'92年にかけて増えたが,その後は横ばいで推移している。

男女中高別にみると,塾に通っている人の割合は,男子中学生で高く,52%と半数を超

える(図6)。学年別にみると,中学生では学年が上がる

につれ塾に通っている人の割合が高くなるのに対し,高校生は学年間で差がない(図7)。図8は,塾に通っている人と通っていない人

図 4 学校外の平均勉強時間<中高別>

図 5 塾に通っている人の割合<中高別>

図 6 塾に通っている人の割合<男女中高別>

図 7 塾に通っている人の割合<学年別>

1時間39分

1時間53分 1時間

40分

1時間21分 1時間

19分

1時間45分

1時間13分

55分

1時間17分

1時間6分

(時間)

0

1

2

高校生中学生

‘12年‘02年‘92年‘87年‘82年

0

20

40

60

80

100(%)

60歳以上50歳代40歳代30歳代20歳代

オージャハケグチ*サケグセゼイビキトギジルスイミンブソクニワヅクリ*(ガーデニング)カバライ*ニンシキブソク*エヅケ*カエリザクオクブカイタニゾコ*ニワヅクリ*(庭師)フーギリ*カセンジキカブソクイモジョーチュー*カンゼンジアイ*トリコシグロー*コゴエジヌ*ツミヅクリアトグサレ

39

4953

1820

48

16

56

109

0

20

40

60

‘12年‘02年‘92年‘87年‘82年

(%)

高校生中学生

1 時間10 分

1時間10 分

1時間33 分 1時間

31 分

59 分

49 分

0

1

2(%)

高3高2高1中3中2中1

0

20

40

60

女子高校生

男子高校生

女子中学生

男子中学生

52%

42

2218

0

20

40

60

80

高3高2高1中3中2中1

34%

49

61

19 20 20

(%)

5

の勉強時間を比較したものである。中高とも,塾に「通っている」生徒は,やはり「ほとんど勉強しない」が少なく,「3時間以上」勉強している人が多い。

「授業で教えられる中身が多すぎる」と          思わないが過半数

前述のとおり,いわゆる「脱ゆとり」を掲げた新学習指導要領が'12年度から中学校で全面実施され,授業時間が増えている。また,高校でも一部で実施されているが,学校の授業で教えられる中身が多すぎると思うかをたずねたところ,中高ともに「どちらかといえば」を含めて『多すぎるとは思わない』という人が半数を超え,『多すぎると思う』を上回った(図9)。

ただし,時系列の推移をみると,中学生では「そう思う」が18%と,'02年より多くなっている。この変化の背景には,中学校で授業時間が増えたことがあるかもしれない。

勉強は将来役立つと考える中高生が増加

ここからは,中高生の勉強に対する考え方を取り上げる。「一生懸命勉強すれば,将来よい暮らしができるようになる」という意見についてどう思うかたずねた結果,「そう思う」が中高ともに79%に上っている(図10)。

'02年と比べると,中高ともに「そう思う」が大きく増加し,勉強は将来の暮らしに役立つと考える人が増えている。

図 8 学校外の勉強時間<塾に通っているかどうか別>

図 9 授業の評価<中高別>A.授業で教えられる中身が多すぎる

図10 勉強に対する考え方・生徒<中高別>A.一生懸命勉強すれば,

将来よい暮らしができるようになる

〈中学生〉 〈高校生〉

3時間以上

2時間ぐらい

1時間ぐらい

ほとんど勉強しない

3時間以上

2時間ぐらい

1時間ぐらい

ほとんど勉強しない

「通っている」中学生 271 人/高校生 110 人『通っていない』(「以前は通ったことがある」+「一度も通ったことがない」)中学生 298 人/高校生 446 人

9% 9

21 35

38 30

56 43

30 32

20 14

23 29

3 8

わからない、無回答

まだ決めていない

その他

大学院まで

大学まで

短大、高専まで

専門学校、各種学校まで

高校まで(中学含む)‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年

‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年 640

0

0

41228% 47

24 10 3 55

25 10 2 56

2 4 2

3210

23 9 3 53 5 510

21  8 3 59 5 310

大学・大学院まで

わからない,無回答

まだ決めていない

その他

大学院まで

大学まで

短大,高専まで

専門学校,各種学校まで

高校まで(中学含む)

〈男子〉

〈女子〉

540

0221630% 23

2310

211527 31

1210

10

201821 37

110 52019 42 3

0 06 32216 51 1

※82 年調査では,「大学まで,大学院まで」は,1つの選択肢だった。※分母=82 年:男子 1,558 人 / 女子 1,498 人,87 年:男子 777 人 / 女子 749 人,    92 年:男子 734 人 / 女子 693 人,02 年:男子 671 人 / 女子 650 人,    12 年:男子 578 人 / 女子 549 人

わからない,無回答

そうは思わない

どちらかといえば,そうは思わない

どちらかといえば,そう思う

そう思う

‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年

‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年 29 311

2612%

28 30 2

2

2614

28 291

2814

28 29 2814

27 271

2718

33 261

2516

29 261

2817

29 251

2917

28 241

2918

27 301

2318

『多すぎると思う』 『多すぎるとは思わない』

そう思う

どちらかといえば,そうは思わない

どちらかといえば,そう思う

そうは思わない

〈中学生〉

〈高校生〉

わからない,無回答

どちらともいえない、わからない、無回答

そうは思わない

そう思う

‘12年

‘02年

‘12年

‘02年

どちらともいえない,わからない,無回答

そう思う そうは思わない〈中学生〉

〈高校生〉

28

14 7

1261%

43 8

79

49

15 679

FEBRUARY 2013

6  FEBRUARY 2013

親に対しても「一生懸命勉強すれば,将来よい暮らしができるようになる」と思うかどうかたずねたところ,父母ともに「そうは思わない」が約6割と「そう思う」を上回っている(図11)。

調査方法が異なるため単純な比較はできないが,父母の結果は子どもとは異なり,「そうは思わない」つまり一生懸命勉強してもよい暮らしができるとは限らないと考える人が多い。

ただ,この質問を設けた'02年と比べると,父母ともに「一生懸命勉強すれば,将来よい暮らしができるようになる」という回答が増えている。

受験勉強を否定的にとらえる親が減少

「受験勉強は,よい学校に行くためだけで,本当の勉強とはいえない」と思うかどうかについては,「そうは思わない」が中学生で60%,高校生で57%と,ともに過半数である(図12)。

中学生ではこの30年で変化がみられないが,高校生で「そう思う」つまり「受験勉強は,本当の勉強とはいえない」と考える人が減っている。

親にも同じ質問をしたところ,父親では,「そう思う」つまり受験勉強を否定的にとらえている人が6割だった(図13)。中高生では「そう思う」が3割前後なので,傾向が異なっている。

図11 勉強に対する考え方・父母<全体>A.一生懸命勉強すれば,

将来よい暮らしができるようになる

図12 勉強に対する考え方・生徒<中高別>B.受験勉強は,よい学校に行くためだけで,

本当の勉強とはいえない

図13 勉強に対する考え方・父母<全体>B.受験勉強は,よい学校に行くためだけで,

本当の勉強とはいえない

どちらともいえない,わからない,無回答

そうは思わない

そう思う

‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年

‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年 55 1629%

55 15

15

30

55 1431

5531

60 1327

44 1443

46 1341

43 948

42 11

10

47

5733

そう思う そうは思わない〈中学生〉

〈高校生〉

どちらともいえない、わからない、無回答

そうは思わない

そう思う

‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年

‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年 41 852%

33 6

1

1

61

31 464

3268

3960

44 650

35 660

34 4

1

0

63

4258

5148

そう思う そうは思わない〈父親〉

〈母親〉

無回答

どちらともいえない、わからない、無回答

そうは思わない

そう思う

‘12年

‘02年

‘12年

‘02年

無回答そう思う そうは思わない〈父親〉

〈母親〉

70

62

1

1

30%

700

37

29

591

40

7

母親では,「そう思う」と「そうは思わない」が拮抗している。

過去30年の推移をみると,父親は'02年まで「そう思う」が増えていたが,'12年は減っている。母親では,'92年を境に「そう思う」が減っている。今回の調査結果をみる限り,受験勉強を否定的にとらえる人の割合は,父母ともに減少している。

2.勉強をめぐる親の思い(1)親にとっての気がかり父母の 9 割が将来の就職難を心配

前回調査からの10年間で,日本社会には格差が広がり貧困層が拡大しつつあるとされる。'08年にリーマンショック,'11年には東日本大震災が発生し,貧困率が過去最悪を記録 5)。経済情勢は厳しさを増し,若者の失業率も高い状態が続いている 6)。

こうしたなか,子どもが「社会に出るころ,若者が就職することは今より難しくなる」と思うかどうかをたずねたところ,父母ともに「そう思う」と答えた人が最も多く,父親で58%,母親で52%である(図14)。「どちらかといえば」をあわせると,9割が将来若者の就職が今より『難しくなる』と考えている。

子どもの学力について,どの程度心配しているかたずねた結果,「とても」と「ある程度」をあわせた『心配している』という人は,父親で65%,母親では73%となっていて,「あまり」と

「まったく」をあわせた『心配していない』より多い(図15)。

子どもと意見が合わないことは   「勉強のしかたや勉強時間」が最多

就職や学力を心配する親が,ふだんの生活のなかで子どもと意見が合わないのは,どういったことなのだろうか。図16の選択肢を示して複数回答で挙げてもらったところ,「勉強のしかたや勉強時間」を挙げた人が,父母ともに他を引き離し

2.勉強をめぐる親の思い 2.勉強をめぐる親の思い

図14 子どもの将来の就職難の心配<全体>

図15 子どもの学力への心配<全体>

図16 子どもと意見が合わないこと(複数回答・父親で回答の多い順)<全体>

母親

父親

先生の好き嫌い

友だちの選び方

服装

髪型

家へ帰る時間

進学する学校のこと

テレビの番組の選び方

言葉づかい

電話や携帯電話の使い方

勉強のしかたや勉強時間

母親

父親

30%40

1820

16

15

7

7

6

4

2

2

18

8

8

8

8

9

3

4

無回答そうは思わないどちらかといえば、そうは思わないどちらかといえば、そう思うそう思う

母親

父親 32 7

1

3

1083852

58%

そう思う

どちらかといえば,そうは思わない

どちらかといえば,そう思う

そうは思わない

無回答

『難しくなる』

無回答まったく心配していないあまり心配していないある程度心配しているとても心配している

母親(1,209人)

父親(958人)

47 27 08

1225123 4

18%

とても心配している

あまり心配していないある程度心配している

まったく心配していない

無回答

『心配している』 『心配していない』

FEBRUARY 2013

8  FEBRUARY 2013

て最も多く,父親で30%,母親では40%である。30 年前と比べると,「言葉づかい」「テレビ

の番組の選び方」「髪型」「服装」など多くの項目で,意見が合わないという割合が父母ともに減っている(図17)。'02年調査でも指摘したとおり7),親子間の意見の対立が目立たなくなっているが,「勉強のしかたや勉強時間」と

「進学する学校のこと」は,父母ともに変化がない。全体的に意見の対立は少なくなっても,勉強については相変わらず子どもと意見が合わないという人が多い。

では,「子どもの勉強や成績について,うるさく言う」のだろうか。この質問に対し「そうは思わない」と答えた人は,父親で80%,母親で62%と多数になっている。ただし,母親については「そう思う」つまり「勉強や成績について,うるさく言う」という人が過去30年で最も多くなっている(図18)。

子の勉強時間や成績と,しつけの自己評価

子どもの「しつけ」について,親自身はどのように評価しているのだろうか。父母に対して,しつけがうまくいっていると思うかどうかたずねたところ,父母ともに「うまくいっている」が最も多く,父親で52%,母親で53%と半数を超えていた(図19)。父母ともに「あまりうまくいっていない」は43%で,「まったくうまくいっていない」は少数である。

しつけの自己評価と子の勉強時間の関連をみてみると,しつけが「うまくいっている」と答えたのは,ほとんど勉強していない子の母親では48%なのに対し,3時間以上勉強している場合は60%と多い(図20)。父親では関連がみられない。

さらに子の成績との関係を図21に示した。子の成績について,「よいほう」と「ややよいほう」を『よいほう』,「ややよくないほう」と「よくないほう」を『よくないほう』としてまとめて分析したところ,父母ともに,子の成績が『よいほ

図17 子どもと意見が合わないこと(複数回答・'12 年の父親で回答の多い順)<全体>

図18 子どもとの関係・母親<全体>C.わたしは,子どもの勉強や成績について,

うるさく言うほうだ

図19 しつけの自己評価<全体>

‘12年

‘82年

先生の好き嫌い(-)

友だちの選び方(-)

服装(-)

髪型(-)

家へ帰る時間(-)父親のみ

進学する学校のこと

テレビの番組の選び方(-)

言葉づかい(-)

電話や携帯電話の使い方(+)

勉強のしかたや勉強時間

‘12年

‘82年

先生の好き嫌い(-)

友だちの選び方(-)

服装(-)

髪型(-)

家へ帰る時間(-)

進学する学校のこと

テレビの番組の選び方(-)

言葉づかい(-)

電話や携帯電話の使い方(+)

勉強のしかたや勉強時間

‘12年

‘82年

3740

31%30

12

9

10

132018

87

82

82

107

186

134

2816

3715

2818

308

8

10

21

8

8

169

83

4

※ 図中 ( ) 内の±は,‘82年と‘12年を比較した検定結果(信頼度 95%)であり, ‘12 年のほうが高ければ「+」,低ければ「-」で示した。※‘12年の母親の「勉強のしかたや勉強時間」は,親子ともに有効な場合に限ると 42%となり,‘82年の37%より多くなる。

※‘82年は、「電話のかけ方」「テレビの番組や選び方」「髪のかっこう」という選択肢だった。

〈父親〉 〈母親〉

無回答

まったくうまくいっていない

あまりうまくいっていないうまくいっている

母親

父親 43

1

4

14353 3

52%

うまくいっている あまりうまくいっていない

無回答

無回答そうは思わないそう思う

‘12年

‘02年

‘92年

‘87年

‘82年

無回答そう思う そうは思わない

64 333%

66 331

66 2

0

1

32

7029

6237

9

「子どもにかける教育費は惜しまない」と思うかどうかについては,「どちらかといえば」をあわせた『惜しまない』が,父親で70%,母親で74%に上る(図23)。多くの親が教育費を負担に感じているものの,実際の出費は惜しまないと考えている。

先に紹介した「一生懸命勉強すれば,将来よい暮らしができるようになる」という質問に対して,「そうは思わない」と考えている親でも,父親で67%,母親で71%が教育費は『惜しまない』と答えている(表1)。勉強しても必ずしもよい暮らしが保障されているわけではないが,子どもの可能性を広げてやりたいという親ごころのあらわれと考えられる。また,厳しい社会情勢のもと,子どもが社会に出る前に少しでも有利な条件を整えておかなければ,という危機感ともとらえられるのではないだろうか。

う』という人では,しつけが「うまくいっている」が6割で,成績が『よくないほう』という父母の4割より多い。

子どもの勉強時間が長く,成績がよいほど,親のしつけの自己評価が高い。

(2)教育費にみる親ごころ「教育費は負担だが,惜しまない」父母が多数

OECDの統計では,日本の場合,子どもにかかる教育費のうち家庭が負担する割合が3割超で,データがある30か国のなかで3番目に高い 8)。

今回の調査では,学校の授業料や学習塾,習い事の費用などの教育費が,家計の負担になっていると思うかどうかたずねた。その結果,

「どちらかといえば」を含めて『負担になっている』と答えた人が父母ともに6割を超えた(図22)。

図 20 しつけの自己評価・母親<子の勉強時間別> 図 22 教育費の負担<全体>B.教育費は,家計の負担になっている

図 23 教育費の負担<全体>A.子どもにかける教育費は惜しまない

図 21 しつけの自己評価<子の成績別>

無回答まったくうまくいっていない

まったくうまくいっていない

あまりうまくいっていないうまくいっている

3時間以上(137人)

ほとんど勉強しない(235人)

49

1

3

03960 2

48%

うまくいっている あまりうまくいっていない

無回答

無回答そうは思わないどちらかといえば、そうは思わないどちらかといえば、そう思うそう思う

母親(1,209人)

父親(958人) 33 24

1

14

1233531 11

29%

そう思う

どちらかといえば,そうは思わない

どちらかといえば,そう思う

そうは思わない

無回答

『負担になっている』

無回答そうは思わないどちらかといえば、そうは思わないどちらかといえば、そう思うそう思う

母親

父親

51 22

1

8

1206014 5

19%

そう思う

どちらかといえば,そうは思わない

どちらかといえば,そう思う

そうは思わない

無回答

『惜しまない』

母親(1,209人)

父親(958人)

無回答

まったくうまくいっていない

あまりうまくいっていない

うまくいっている

『よくないほう』(262人)

「ふつう」(427人)

『よいほう』(335人)

『よくないほう』(213人)

「ふつう」(357人)

『よいほう』(255人)

まったくうまくいっていない

うまくいっている あまりうまくいっていない

無回答

351

12

362%

4354

39 951 2

63 234

56 242

39 556

2

1

0

〈父親〉

〈母親〉

FEBRUARY 2013

10  FEBRUARY 2013

3.親の学歴や生活程度で       異なる勉強の環境

親の学歴や生活程度と子の勉強への取り組み

父母の学歴や生活程度によって,教育費の負担についてのとらえ方や子どもの勉強への取り組みに違いはあるのだろうか。

親の学歴や所得によって子どもの教育環境が異なる,いわゆる「教育格差」については苅谷(2012)9)や尾木(2006)10)など,さまざまな研究報告があるが,今回の調査結果からもこうした傾向が読み取れる。表2は,父母の学歴や生活程度の認識と,

子どもの進学目標や勉強時間等の関係を示した

ものである。生活程度については,父母調査で「上」から「下」まで5段階でたずねているが,このうち「上」と「中の上」を『上』,

「中の中」を『中』,「中の下」と「下」を『下』としてまとめ,分析を行った。親の学歴や生活程度が高い子どもは高学歴志向で,塾に通っ

ている人の割合が高く,勉強時間も長い。なお,父母ともに学歴と生活程度には関連がみられ,高学歴な人ほど生活程度の認識も高い。

生活程度の認識が低い人に多い         「教育費は家計の負担」

次に父母の生活程度の認識別に,教育費の負担感についてみていく(図24)。父親では,生活程度に対する認識が『下』の人で『負担になっている』が76%と,『上』の52%や『中』の58%を上回っている。母親でも同じ傾向で,父母ともに生活程度の認識が低い人で,教育費が家計の負担になっていると考える人が多い。

また,父母ともに生活程度が高いと思う人ほど,教育費は『惜しまない』という人が多い(図25)。ただ,生活程度が『下』の父母でも,6割程度が『惜しまない』と答えている。図26は「子どもにかける教

育費は惜しまない」という人を学歴別に示したものである。母親では,大学・大学院卒で

『惜しまない』人が87%と,高校卒の69%を上回る。父親では学歴による差はない。

親の学歴や生活程度が高い

表1 教育費の負担<勉強に対する考え方別>A.子どもにかける教育費は惜しまない 

表 2 進学の最終目標・塾に通っている人の割合・学校外の勉強時間<父母の学歴・生活程度別>

(%)

一生懸命勉強すれば,将来よい暮らしができるようになる父 親 母 親

そう思う(353 人)

そうは思わない(593 人)

そう思う(490 人)

そうは思わない(705 人)

子どもにかける教育費

『惜しまない』(「どちらかといえば」を含む) 76 67 78 71

『惜しまないとは思わない』(「どちらかといえば」を含む) 24 33 21 28

勉強に関する項目(%)

父  親 母  親

高校卒(388 人)

大学・大学院卒

(298 人)高校卒

(533 人)大学・

大学院卒(130 人)

進学の最終目標 「大学・大学院まで」 46 < 81 51 < 87 塾に通っているかどうか 「通っている」 29 < 43 30 < 47

学校外の勉強時間「ほとんど勉強しない」 24 > 13 25 > 12

「3 時間以上」 9 < 17 10 < 24 ※ 表中の不等号は,学歴別の数字を比較した検定結果(信頼度 95%)であり,左側(高校卒)が高ければ「>」,低ければ「<」で示した。

勉強に関する項目(%)父  親 母  親

『下』(224 人)

『上』(146 人)

『下』(314 人)

『上』(154 人)

進学の最終目標 「大学・大学院まで」 51 < 80 50 < 81 塾に通っているかどうか 「通っている」 22 < 45 28 < 51

学校外の勉強時間「ほとんど勉強しない」 25 > 15 31 > 15

「3 時間以上」 7 < 20 8 < 16 ※ 表中の不等号は,生活程度別の数字を比較した検定結果(信頼度 95%)であり,左側(『下』)が高ければ「>」,低ければ「<」で示した。

3.親の学歴や生活程度で       異なる勉強の環境 3.親の学歴や生活程度で 3.親の学歴や生活程度で       異なる勉強の環境

11

という家庭では,塾に通っている割合が高く,勉強時間も長い。一方,生活程度が低いという人では,教育費が負担になっているという回答が多く,親の学歴や生活程度によって,子の勉強の環境が異なると言えるのではないだろうか。公立高等学校の授業料の無償化など,いわゆる教育格差をなくすための国の施策がさまざまに講じられてはいるが,今後も格差是正の議論をさらに深めていく必要があるだろう。

おわりに

今回の調査では,「一生懸命勉強すれば,将来よい暮らしができるようになる」という回答が10年前の前回に比べて大きく増えるなど,勉強に前向きな中高生の姿が浮き彫りになった。親についても,「子どもの勉強や成績について,うるさく言う」母親が過去30年で最多になり,

「教育費は惜しまない」という父母が多数に上るなど,勉強を重視する人が目立つ。

この背景には,高学歴の親が増えたことがあるかもしれない。30年前の調査と比べると,大学・大学院卒が父親で15%から35%へ,母親で3%から12%へと増えている。ただ,前回調査からは変化がなく,学歴だけでは勉強を重視する親の増加を説明できない。

門脇(2007)11)が指摘するように,親の多くが「受験競争が激しくなる中で学校生活を送り,偏差値によって自分自身を評価し他人を評価し仕分けることを当たり前のこととして育った」世代ということも考えられる。つまり,今回の調査対象となった親の世代では,学力を重視する気持ちが他の世代より強いのかもしれない。

中高生やその親を取り巻く状況の変化が,勉

図 24 教育費の負担<生活程度の認識別>B.教育費は,家計の負担になっている

図 25 教育費の負担<生活程度の認識別>A.子どもにかける教育費は惜しまない

図 26 教育費の負担<学歴別>A.子どもにかける教育費は惜しまない

無回答

そうは思わない

どちらかといえば、そうは思わない

どちらかといえば、そう思う

そう思う

『下』(357人 )

『中』(668人 )

『上』(178人 )

『下』(252人 )

『中』(526人 )

『上』(168人 ) 29 241

114

23% 23

34 2724

43 733 170

15 163732

28 122436

45 534 15

1

1

1

〈父親〉

〈母親〉

そう思う

どちらかといえば,そうは思わない

どちらかといえば,そう思う そうは思わない

無回答

『負担になっている』

無回答

そうは思わない

どちらかといえば、そうは思わない

どちらかといえば、そう思う

そう思う

『下』(357人)

『中』(668人)

『上』(178人)

『下』(252人)

『中』(526人)

『上』(168人) 52 131

16

233%

53 2317

11 1448 261

26 667

14 51961

9 953 28 2

1

10

〈父親〉

〈母親〉

そう思うどちらかといえば,そうは思わない

どちらかといえば,そう思う

そうは思わない

無回答

『惜しまない』

無回答

そうは思わない

どちらかといえば、そうは思わない

どちらかといえば、そう思う

そう思う

大学・大学院卒(148人)

高校卒(613人)

大学・大学院卒(334人)

高校卒(442人) 53

55 18

1

1

22 817%

24 259 6

21 5

10

63 70

24 5

〈父親〉

〈母親〉

そう思う どちらかといえば,そうは思わない

どちらかといえば,そう思う

そうは思わない無回答

『惜しまない』

おわりに おわりに おわりに

FEBRUARY 2013

12  FEBRUARY 2013

強に対する意識に影響を及ぼしていることも考えられる。例えば,学力低下を心配する論議と学校教育における脱ゆとりへのシフトが,「勉強しなければ」あるいは「勉強させなければ」という姿勢を後押ししている可能性はある。

厳しさを増す社会環境も無視できないだろう。父母の9割が子どもの就職難を心配するなか,勉強してもよい暮らしが保障されているわけではないが,勉強だけでもさせておかないと将来が不安だという危機意識が,父母の調査結果にあらわれているのかもしれない。子の多くが,そんな親の期待や不安を敏感に感じとって,勉強に前向きに取り組んでいるのではないだろうか。

次号では,中高生が思い描く将来や価値観,社会観について取り上げる。 (むらた ひろこ)

注:1)これまで実施した各調査の概要は次のとおり。

なお,各調査の結果の詳細は,NHK 放送文化研究所編『NHK 中学生・高校生の生活と意識調査 楽しい今と不確かな未来』,NHK 出版,2003 を参照。

2)PISA での日本の順位は,数学的活用能力が2000 年に 1 位だったが,'03 年に 6 位,'06 年には 10 位になった。また読解力についても,2000 年の 8 位から '03 年に 14 位,'06 年には15 位へと後退した。

3)父母の年齢の標準偏差は,父親 5.7,母親 4.8 である。

4)分析にあたり,回答結果を足し上げる場合には,実数で足して%を計算しているので,%を足し上げたものと一致しないことがある。また,生徒調査の有効回答数 1,142 人のうち,15 人は専門学校生や在学していない子どもで,中高生として示した結果には含んでいない。父母調査の調査相手については,'92 年までは生徒調査で有効になった中高生の父母に限定していたが,'02 年からは調査相手となった子どもの父母全員としている。なお,親子ともに有効な場合と生徒調査で子どもが不能だった場合とでは,回答傾向に違いがないため,本稿では後者も含めて分析対象としている。

5)2011 年 7 月 厚生労働省発表。所得から税金などを差し引いた可処分所得の中央値の半分に満たない世帯員の割合を指す。

6)2012 年 6 月 内閣府発表7)荒牧央「“ぶつからない”親子関係~『中学生・

高校生の生活と意識』調査から②~」『放送研究と調査』1 月号,2003

8)2012 年 9 月 OECD 発表9)苅谷剛彦『学力と階層』,朝日新聞出版,2012

10)尾木直樹『新・学歴社会がはじまる-分断される子どもたち』,青灯社,2006

11)門脇厚司「クレーム社会を加速する若い親たちの特性」『児童心理』6 月号,2007

調査時期

‘82 年 ‘87 年 ‘92 年 ‘02 年

生徒 8 月 28 日(土)29 日(日)

8 月 28 日(金)~ 31 日(月)

8 月 22 日(土)~ 31 日(月) 8 月 23 日(金)

~ 9 月 1 日(日)父母 8 月下旬~ 9 月中旬 8 月 22 日(土)

~ 9 月 21 日(月)

調査方法

生徒 個人面接法

父母 直接配付郵送回収法 配付回収法

調査対象

生徒 全国の 12 ~ 18 歳の男女

父母 全国の 12 ~ 18 歳の男女の父母

調査相手

生徒住民基本台帳から層化無作為 2 段抽出

3,600 人(12人×300地点) 1,800 人(12 人 ×150 地点)

父母

生徒調査有効分のうち中高生の

父母

生徒調査有効分のうち中高生の

父母

生徒調査有効分のうち中高生の

父母(父母がいない

場合も含む)

生徒調査の調査相手の父母

(父母がいない場合も含む)

父親 3,034 人 父親 1,456 人 父親 1,459 人 父親 1,800 人母親 3,092 人 母親 1,531 人 母親 1,459 人 母親 1,800 人

調査有効数(率)

生徒 3,165 人(87.9%) 1,556 人(86.4%) 1,459 人(81.1%) 1,341 人(74.5%)

中学生 1,764 人 827人 729 人 650 人

高校生 1,350 人 729 人 730 人 671 人

父親 2,629 人(86.7%) 1,284 人(88.2%) 1,136 人(77.9%) 1,209 人(67.2%)

母親 2,804 人(90.7%) 1,379 人(90.1%) 1,227人(84.1%) 1,366 人(75.9%)

※‘87 年と‘92 年の生徒調査では,中高生以外を有効サンプルから除外した。

13

【調査の概要】1 調査目的 中学生・高校生の意識や実態を,本人およ

び親の調査結果から明らかにするとともに,既調査との比較から時系列の変化を調べる。

2 調査時期 2012 年 8 月 24 日(金)~ 9 月 2 日(日)3 調査方法 「生徒」個人面接法,「父母」配付回収法4 調査対象 「生徒」全国の 12 ~ 18 歳の男女 (1994 年 4月2日~2000 年 4月1日生まれ) 「父母」全国の 12 ~ 18 歳の男女の父母5 調査相手 「生徒」住民基本台帳から層化無作為 2 段抽出 1,800 人(12 人×150 地点) 「父母」生徒調査の調査相手 1,800 人 の父母*6 調査有効数(率) 「生徒」1,142 人(63.4%) うち中学生 570 人 高校生 557人 「父母」父親 969 人(53.8%) 母親 1,230 人(68.3%)

単純集計結果〔父母調査〕

*父母がいない場合も含む

*「生徒調査」の単純集計結果は,1 月号に掲載。

(%)

1. 2. 3. 4.そう思う

そうは思わない

よく知らない

無回答

A. 授業で教えられる中身が多すぎる

父親 4.2 46.9 47.6 1.4

母親 8.1 59.2 32.2 0.5

B. 授業の進み方がはやすぎる

父親 5.0 42.4 51.3 1.4

母親 10.8 54.9 33.9 0.4

C. 教え方がわかりにくい先生が多い

父親 9.8 26.0 62.5 1.7

母親 19.9 39.0 40.1 1.0

D. 教育者として熱心な先生が多い

父親 19.6 23.8 54.9 1.7

母親 35.8 30.7 32.4 1.1

E. 受験のための勉強に力を入れている

父親 23.4 33.1 41.6 1.9

母親 36.0 41.0 21.8 1.2

F. クラブ活動や学校行事が盛んである

父親 55.1 19.8 23.5 1.6

母親 67.5 22.4 9.4 0.7

G. 生活指導がきちんと行われている

父親 45.2 19.5 33.6 1.7

母親 67.2 19.2 13.2 0.4

FEBRUARY 2013

14  FEBRUARY 2013

(%)

1. 2. 3. 4. 5.そう思う

そう思う

どちらかといえば,

そうは思わない

どちらかといえば,

そうは思わない

無回答

A. 子どもにかける教育費は惜しまない

父親 18.5 51.4 21.7 7.5 0.9

母親 14.2 59.5 19.7 5.3 1.3

B. 教育費は,家計の負担になっている

父親 28.9 32.5 24.0 13.8 0.8

母親 30.8 34.8 22.8 10.6 1.0

15

(%)

1. 2. 3.そう思う

そうは思わない

無回答

A. 一生懸命勉強すれば,将来よい暮らしができるようになる

父親 36.8 61.9 1.2

母親 40.1 58.6 1.3

B. 受験勉強は,よい学校に行くためだけで,本当の勉強とはいえない

父親 60.2 38.6 1.2

母親 47.8 50.8 1.4

FEBRUARY 2013

16  FEBRUARY 2013

(%)

1. 2. 3. 4. 5. 6.よくある

ときどきある

たまにある

まったくない

知らない

無回答

A. 夜,眠れない父親 3.6 5.7 16.3 61.6 12.2 0.6

母親 4.1 9.4 21.9 60.7 3.2 0.7

B. 疲れやすい父親 5.9 13.4 42.0 27.3 10.6 0.7

母親 9.8 19.2 49.8 18.9 1.8 0.5

C. 朝,食欲がない父親 6.8 11.7 26.3 44.7 9.7 0.8

母親 12.0 15.3 31.5 39.8 0.7 0.7

D. 肩がこる父親 4.9 5.2 12.2 54.2 23.1 0.5

母親 7.8 10.4 18.7 52.8 9.4 0.9

E. 立ちくらみやめまいがする

父親 1.8 3.5 11.6 59.3 23.4 0.4

母親 3.4 7.8 23.7 57.3 7.1 0.7

17

(%)

1. 2. 3. 4. 5.そう思う

そう思う

どちらかといえば,

そうは思わない

どちらかといえば,

そうは思わない

無回答

A. 親ならば,子どもの部屋に無断で入ってもよい

父親 21.9 27.9 31.6 18.3 0.4

母親 32.2 37.9 22.8 6.7 0.4

B. 親ならば,子どものメールを無断で見てもよい

父親 3.6 6.8 34.0 55.1 0.5

母親 2.8 11.9 36.8 47.6 0.8

(%)

1. 2. 3.そう思う

そうは思わない

無回答

A. わたしは,子どもに対してきびしいほうだ

父親 29.5 70.0 0.5

母親 33.7 65.9 0.4

B. わたしは,子どものことをよくわかっている

父親 29.5 70.0 0.5

母親 55.1 44.4 0.5

C. わたしは,子どもの勉強や成績について,うるさく言うほうだ

父親 19.0 80.4 0.6

母親 37.4 61.9 0.7

D. わたしは,子どもといろいろなことを話すほうだ

父親 49.4 50.2 0.4

母親 81.7 17.7 0.6

E. わたしは,子どもに対して,やさしくあたたかいほうだ

父親 62.6 36.4 0.9

母親 62.4 36.4 1.1

FEBRUARY 2013

18  FEBRUARY 2013

19

(%)

1. 2. 3.そう思う

そうは思わない

無回答

A. 今の日本はよい社会だ父親 23.3 75.3 1.3

母親 21.4 78.0 0.7

B. 日本の将来は明るい父親 8.8 89.9 1.3

母親 8.6 90.7 0.7

<生徒>

全 体性 中高 学年

男子 女子 中学生 高校生 その他 中 1 中 2 中 3 高 1 高 2 高 3 わからない,無回答 その他

1,142 人 585 557 570 557 15 189 202 177 200 178 179 2 15100.0% 51.2 48.8 49.9 48.8 1.3 16.5 17.7 15.5 17.5 15.6 15.7 0.2 1.3

全 体 男子学年 女子学年 わからない,無回答 その他中 1 中 2 中 3 高 1 高 2 高 3 中 1 中 2 中 3 高 1 高 2 高 3

1,142 人 99 99 99 95 94 90 90 103 78 105 84 89 2 15100.0% 8.7 8.7 8.7 8.3 8.2 7.9 7.9 9.0 6.8 9.2 7.4 7.8 0.2 1.3

<父親>

全 体子どもの性 子どもの中高 年層

男子 女子 不能 中学生 高校生 その他・不能

30 ~39 歳

40 ~44 歳

45 ~49 歳

50 歳以上 無回答

969 人 435 415 119 421 424 124 67 227 326 338 11 100.0% 44.9 42.8 12.3 43.4 43.8 12.8 6.9 23.4 33.6 34.9 1.1

<母親>

全 体子どもの性 子どもの中高 年層

男子 女子 不能 中学生 高校生 その他・不能

30 ~39 歳

40 ~44 歳

45 ~49 歳

50 歳以上 無回答

1,230 人 541 523 166 533 519 178 164 398 455 203 10 100.0% 44.0 42.5 13.5 43.3 42.2 14.5 13.3 32.4 37.0 16.5 0.8

サンプル構成

FEBRUARY 2013