a look at the existing concept of houseing (earthship in japanese)

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住居に関する既存概念のまとめ 何世紀もの長きにわたり住居の概念にはあまり変化がありません。人間は自然の脅威か ら身を守るために住居生活を開始しました。ほどなく、光、火、水、そしてある程度の 快適さを住居内での生活に求めるようになります 。そのために、まずは手作業でエネル ギーや水などを住居内に持ち込みましたが、次第にそれはシステム化されていきます。 暖炉に使う薪を運搬していた時代は、今や、原子力発電所からの膨大な電力をそこかし こに張り巡らせた電線で世界中の住宅へ供給するまでになりました。しかし、システム が根本的に発展しても、私達が住むのはやはり家なのです。 これらのライフライン供給システムは一元管理されるようになり、住居システムにおい ては家そのものよりも重要な要素となりました。現代では我々はこのシステムに依存し、 またそれなしでは生活できません。台風や竜巻、地震などの災害によりライフラインシ ステムが崩壊した場合には、緊急対応として公共施設や体育館などに集まることになり ます。つまり、既存の住居とはそのシステムなしには機能しないものなのです。 あらゆる種類の住居は木造、コンクリート、スチール、ガラスで建造されています。ト レーラーハウスのように車両に住居を置くこともありますが、それでも、ライフライン を詰め込んだ住居であることに変わりはありません。病院で生命維持装置に繋がれた状 態がどんなに制限され、依存し、また脆弱であるかは簡単に想像がつくでしょう。残り の人生を生命維持装置に繋がれたままで生きなければならないとわかったらどうします か?死んだほうがマシだと思う方もいるかもしれません。しかし、我々はそういう風に 生きているのです! そして、そういう風に死んでいくのです。このシステムは生活の原動力となる一方で、 有害でもあります。酸性雨や放射能、クモの巣のような送電線、汚染された河川や海、 消え行く野生生物などは全て、既存の住居機能に必要なライフライン維持の対価です。 病院で生命維持装置を付けている人達は、その機械の側から常に離れることはできず、 文字通り「繋がれた」状態にいなければなりません。つまり、これが住居の既存概念な のです。このように繋がれていなければならないのでは、ダイナミックで美しい何千エ ーカーもの土地を活用することはできません。地球上で最も美しい場所でも、この住居 システムが足かせとなって、生活圏とはなりえないまま無益に放置されていることがあ ります。既存住居システムの制限、依存状態、脆弱性そして有害性、これらは現状に対 して疑問を投げかけるきっかけでもあります。「これは我々が将来わたって共にすべき ものだろうか?」と。 A LOOK AT THE EXISTING CONCEPT OF HOUSEING 住居に関する既存コンセプトのまとめ The concept of housing really has not changed much in centuries. 何世紀もの長きにわたり住居の概念にはあまり変化がありません。 We started with compartments to shelter us from the elements. 人間は自然の脅威から身を守るために住居生活を開始しました。

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The is a quick look at the concept of housing in English and in Japanese. This is a translation from an Earthship book.

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Page 1: A Look at the Existing Concept of Houseing (Earthship in Japanese)

住居に関する既存概念のまとめ 何世紀もの長きにわたり住居の概念にはあまり変化がありません。人間は自然の脅威か

ら身を守るために住居生活を開始しました。ほどなく、光、火、水、そしてある程度の

快適さを住居内での生活に求めるようになります 。そのために、まずは手作業でエネルギーや水などを住居内に持ち込みましたが、次第にそれはシステム化されていきます。

暖炉に使う薪を運搬していた時代は、今や、原子力発電所からの膨大な電力をそこかし

こに張り巡らせた電線で世界中の住宅へ供給するまでになりました。しかし、システム

が根本的に発展しても、私達が住むのはやはり家なのです。 これらのライフライン供給システムは一元管理されるようになり、住居システムにおい

ては家そのものよりも重要な要素となりました。現代では我々はこのシステムに依存し、

またそれなしでは生活できません。台風や竜巻、地震などの災害によりライフラインシ

ステムが崩壊した場合には、緊急対応として公共施設や体育館などに集まることになり

ます。つまり、既存の住居とはそのシステムなしには機能しないものなのです。

あらゆる種類の住居は木造、コンクリート、スチール、ガラスで建造されています。ト

レーラーハウスのように車両に住居を置くこともありますが、それでも、ライフライン

を詰め込んだ住居であることに変わりはありません。病院で生命維持装置に繋がれた状

態がどんなに制限され、依存し、また脆弱であるかは簡単に想像がつくでしょう。残り

の人生を生命維持装置に繋がれたままで生きなければならないとわかったらどうします

か?死んだほうがマシだと思う方もいるかもしれません。しかし、我々はそういう風に

生きているのです! そして、そういう風に死んでいくのです。このシステムは生活の原動力となる一方で、

有害でもあります。酸性雨や放射能、クモの巣のような送電線、汚染された河川や海、

消え行く野生生物などは全て、既存の住居機能に必要なライフライン維持の対価です。 病院で生命維持装置を付けている人達は、その機械の側から常に離れることはできず、

文字通り「繋がれた」状態にいなければなりません。つまり、これが住居の既存概念な

のです。このように繋がれていなければならないのでは、ダイナミックで美しい何千エ

ーカーもの土地を活用することはできません。地球上で最も美しい場所でも、この住居

システムが足かせとなって、生活圏とはなりえないまま無益に放置されていることがあ

ります。既存住居システムの制限、依存状態、脆弱性そして有害性、これらは現状に対

して疑問を投げかけるきっかけでもあります。「これは我々が将来わたって共にすべき

ものだろうか?」と。 A LOOK AT THE EXISTING CONCEPT OF HOUSEING 住居に関する既存コンセプトのまとめ The concept of housing really has not changed much in centuries. 何世紀もの長きにわたり住居の概念にはあまり変化がありません。 We started with compartments to shelter us from the elements. 人間は自然の脅威から身を守るために住居生活を開始しました。

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Soon, we began to do things in these compartments that required light, fire and water and a reasonable level of comfort. ほどなく、光、火、水、そしてある程度の快適さを住居内での生活に求めるようになり

ます 。 To achieve this we began to bring energy and water to the compartments first by hand, and later by systems. そのために、まずは手作業でエネルギーや水などを住居内に持ち込みましたが、次第に

それはシステム化されていきます。 The systems have evolved from carrying wood for a fire pit to nuclear power plants making huge quantities of power that is fed through wires to various compartments all over the planet. 暖炉に使う薪を運搬していた時代は、今や、原子力発電所からの膨大な電力をそこかし

こに張り巡らせた電線で世界中の住宅へ供給するまでになりました。 The systems have radically evolved; the compartment is still a compartment. しかし、システムが根本的に発展しても、私達が住むのはやはり家なのです。 The systems, which are now centralized, have grown to be more important aspects of housing than the compartment itself. これらのライフライン供給システムは一元管理されるようになり、住居システムにおい

ては家そのものよりも重要な要素となりました。 We are now dependent upon and vulnerable without these systems. 現代では我々はこのシステムに依存し、またそれなしでは生活できません。 When the systems fail due to some catastrophe, such as a hurricane, tornado or earthquake, people gather together in community facilities such as gymnasiums, with emergency systems. 台風や竜巻、地震などの災害によりライフラインシステムが崩壊した場合には、緊急対

応として、公共施設や体育館などに集まることになります。 Existing housing is nonfunctional without systems. つまり、既存の住居とはそのシステムなしには機能しないものなのです。 We build all kinds of compartments out of wood, concrete, steel, and glass. あらゆる種類の住居は木造、コンクリート、スチール、ガラスで建造されています。 We even put them on wheels, but they are still just compartments that we pump life support into. トレーラーハウスのように車両に住居を置くこともありますが、それでも、ライフライ

ンを詰め込んだ住居であることに変わりはありません。 One can easily imagine the limitations, dependency, and vulnerability of being on a life support system in a hospital. 病院で生命維持装置に繋がれた状態がどんなに制限され、依存し、また脆弱であるかは

簡単に想像がつくでしょう。 What if you found that you had to stay on a life support system for the rest of your life?

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残りの人生を生命維持装置に繋がれたままで生きなければならないとわかったらどうし

ますか? People would rather die than live this way. 死んだほうがマシだと思う方もいるかもしれません。 We are living this way! しかし、我々はそういう風に生きているのです! We are also dying this way. そして、そういう風に死んでいくのです。 The systems give us power in one hand and poison in the other. このシステムは住居の原動力となる一方で、有害でもあります。 Acid rain, radioactive waste, spider webs of power lines, polluted rivers and oceans, vanishing wildlife are all part of the “price” for the life support systems necessary to make the current concept of housing functional. 酸性雨や放射能、クモの巣のような送電線、汚染された河川に海、消え行く野生生物な

どは全て、既存の住居を機能させるのに必要なライフラインシステム維持の対価です。 A person on a life support system in a hospital has to be always within reach and “plugged in” to the various systems that keep him/her alive. 病院で生命維持装置を付けている人達は、その機械の側から常に離れることはできず、

文字通り「繋がれた」状態にいなければなりません。 So it is with our current concept of housing. つまり、これが既存の住居の概念なのです。 This need to be plugged in keeps us from using thousands of acres of dynamic and beautiful land. このように繋がれていなければならない状況では、ダイナミックで美しい何千エーカー

もの土地を活用することはできません。 Some of the most beautiful places on the planet are rendered useless for human habitation because the systems that support housing do not go there. 地球上で最も美しい場所でも、この住居システムが足かせとなって、生活圏とはなりえ

ないまま無益に放置されていることがあります。 The limitations, the dependency, the vulnerability, and the poison gives us many reasons to question the existing concept of housing and ask ourselves, “ is this something that we want to attempt to go into the future with?” 既存住居システムの制限、依存状態、脆弱性そして有害性、これらは現状に対して疑問

を投げかけるきっかけでもあります。「これは我々が将来わたって共にすべきものだろ

うか?」と。