一つの惑星としての地球像

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一つの惑星としての地球像. 1960 年代以前の惑星科学 惑星探査の時代 惑星としての地球 惑星形成論の展開 惑星初期進化 系外惑星. 1960 年代以前の 惑星科学. 天文学の一部としての惑星科学. 望遠鏡による発見. 天王星 1781 年 3 月 13 日  W. Harshell 海王星 1846 年 9 月 23 日  J. G. Galle 小惑星セレス: 1800 年 12 月 31 日 G. Piazzi 発見 1801 年 12 月 31 日 F. X. von Zach 再発見 - PowerPoint PPT Presentation

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一つの惑星としての地球像1960 年代以前の惑星科学

惑星探査の時代惑星としての地球惑星形成論の展開

惑星初期進化系外惑星

Page 2: 一つの惑星としての地球像

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1. 1960 年代以前の惑星科学

天文学の一部としての惑星科学

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望遠鏡による発見

天王星 1781 年 3 月 13 日  W. Harshell 海王星 1846 年 9 月 23 日  J. G. Galle小惑星セレス:

1800 年 12 月 31 日 G. Piazzi 発見1801 年 12 月 31 日 F. X. von Zach 再発見

  1802 年 3 月 28 日 H. W. M. Olbers パラス発見

冥王星 1930 年 1 月 23 日 29 日  C. W. Tombough  1992 年 D. Jewitt & J. Liu 1992QB1 発見

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冥王星問題:惑星の定義

(1) A planet is a celestial body (a) is in orbit around the Sun, (b) has sufficient mass for its self-gravity to

overcome rigid body forces so that it assumes a hydrostatic equilibrium (nearly round) shape, and

(c) has cleared the neighborhood around its orbit.

The International Astronomical Union2006.Aug.24 in Plag

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(2) A dwarf planet is a celestial body that(a) is in orbit around the Sun, (b) has sufficient mass for its self-gravity to overcome rigid body forces so that it assumes a hydrostatic equilibrium (nearly round) shape, (c) has not cleared the neighborhood around its orbit, and (d) is not a satellite.

(3) All other objects orbiting the Sun shall be referred to collectively as “Small Solar System Bodies”.

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1930 年代以降の低迷

1920 年代に書かれた教科書は 1960 年頃でも通用した

1960 年頃金星には海があり、火星には植物が生え、クレーターは火山である

というのが常識的な考えであった

地上からの眼視観測でできることの限界

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2. 1960 年代からの惑星科学

惑星探査の時代

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冷戦と惑星科学

米ソの冷戦構造→宇宙での覇権争いの一環

特に 1960 年代の米国では月に人類を送り込むために非常に多くの資源が投入された

ほぼ毎月のロケット打ち上げが行われて、急速な技術開発が行われた

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探査段階

水星 金星 月 火星 木星 土星 天王星 海王星 冥王星 小惑星 彗星

フライバイ

‘74

‘62

‘59

‘64

‘74

‘79

‘86

‘89

‘91

‘86

周回‘67

‘66

‘71

‘95

着陸/衝突

‘67

‘59/’66

‘71/’73

‘95

‘05

‘05

サンプル回収

‘69

‘06

有人探査

‘69

1989 年までの約 30 年間に冥王星を除く全ての惑星には一度は探査機が訪れた→ 太陽系惑星の概要はほぼ探査された

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地上観測の有用性

可視光以外の波長の利用大気圏外からの観測

・金星の地表温度=レーダー・木星磁気圏=レーダー・金星・水星の自転周期=レーダー・天王星の輪=航空機からの観測

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探査機による観測

惑星探査技術地球観測技術 重力場・地形 電磁気 表面の写真・分光観測

惑星本体の研究地球物理学的な手法による研究→ 地球物理学の対象の拡大

しかし単なる拡大以上の意味

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惑星探査の意義

唯一の地球「偶然の産物であって、通常の意味での科学の対象ではない」

→ 地球を丸ごと対象とする科学が育ち得ない  気象現象、地震など、部分的に繰り返す現象の科学  あるいは工学的な興味  惑星の一つとして地球をとらえる地球を相対化できる→ 地球を丸ごと科学の対象にできる

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3.  比較惑星学惑星としての地球

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C. Sagan

1963 年 ‘ planets are places’ 一連の講演会

地球を惑星の一つと考え、惑星を比較する視点

地球の相対化 =惑星としての地球の特殊性の認識

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地球型惑星

質量 半径 密度 0 気圧密度

水星 0.055 0.382 5.43 5.4

金星 0.815 0.949 5.24 3.9-4.7

地球 1 1 5.52 4.0-4.7

月 0.012 0.272 3.34 3.3

火星 0.107 0.532 3.93 3.7-3.8

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木星型惑星

質量 半径 密度

木星 317.83 11.194 1.33

土星 95.16 9.407 0.7

天王星 14.5 3.982 1.3

海王星 17.22 3.81 1.76

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天体衝突現象の認識

火成作用や水成作用は認識されていた

しかし、一般的な現象としての天体衝突は認識されていなかった

全ての固体表面に衝突痕= Crater

=普遍的な現象としての衝突の認識 1970年代に確立

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Crater の成因論争

1970 年頃まで:月の crater が火山か隕石孔か論争があった crater が円形であること crater が壁を共有して並ぶ場合がある→ 衝突ではない?

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クレーター分布

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地球型惑星の表面

小さいほどクレーターが多い

大きいほど火山性平原が増える

火山体は火星以上

褶曲山脈は金星以上

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白亜期末の大絶滅を天体衝突に結びつける考え:1980年→ 地質現象の原因を地球外に求める

衝突現象の普遍性

全ての固体表面に衝突痕= Crater

=普遍的な現象としての衝突の認識 1970年代に確立

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天体衝突現象

単に crater を作るだけの過程ではない* 惑星形成論における微惑星説* 大気の形成* 大気の吹き飛ばし* 気候への影響 放出物* 岩石の融解とコアの形成* 月の形成頻度は高くないが、必ず起こるしかも、非常に大きなエネルギーが解放される* 瞬間的には地球の中心の圧力以上に達する衝突現象の理解はまだ不十分

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惑星大気:組成Planetary Atmospheres: Composition

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惑星大気:組成Planetary Atmospheres: Composition

Terrestrial planets

CO2

Icy satellites

N2

Jovian planets

H2+He太陽組成の気体の捕獲Captured solar gas

地球について海と石灰岩を考慮するOcean & carbonates are taken into account for the Earth

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地球の特徴

海洋があること大陸があることプレートテクトニクス生命がいること

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惑星形成論・進化論

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太陽系の構造基本的には平面内

外側に行くほど軌道間隔が広がる質量 99.8% は太陽

角運動量 99.5% は惑星

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太陽系の元素組成

太陽と惑星は同じものからできている

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星間分子雲低温

水素+塵

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円盤になる理由

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固体成分の沈降

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沈降の理由

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固体成分の沈降

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微惑星形成

微惑星(〜 1015kg)

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微惑星からの惑星形成

1969 Safronov1972 Goldreich & Ward1972  林

重力不安定による微惑星の形成

(+ 小天体衝突の普遍性)

=> 微惑星の衝突合体による惑星形成   惑星集積

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微惑星の集積

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微惑星の集積

Kokubo & Ida, 1997

N 体計算の発達  1990 年代

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火星( 6x1023kg= 地球の 1/10)位100万年くらい太陽系には太陽組成=水素とヘリウム主体の気体が充満

原始惑星形成

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外側の原始惑星は成長を続ける内側は停止

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木星土星はガス捕獲

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円盤ガス散逸天王星海王星はガス捕獲できない

地球型惑星領域では原始惑星の衝突成長

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円盤ガス散逸天王星海王星はガス捕獲できない

地球型惑星領域では原始惑星の衝突成長

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円盤ガス散逸天王星海王星はガス捕獲できない

地球型惑星領域では原始惑星の衝突成長

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円盤ガス散逸天王星海王星はガス捕獲できない

地球型惑星領域では原始惑星の衝突成長

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未解決問題

大枠はできたが、分からないことは多い

原始惑星系円盤の形成微惑星の形成天王星・海王星の形成時間

地球型惑星の材料物質

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系外惑星

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他の太陽系における惑星の発見 1995 年 (51 Peg)

予想外の惑星:中心星の周りを4日で公転する木星

太陽系のような惑星系は普通ではない?

→ 宇宙的スケールでの地球の特殊性・普遍性  生物が生存可能な惑星の条件

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系外惑星の発見法

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太陽系外の惑星太陽系外の惑星158 系  194個 ( 2006.6.26)  158 系  194個 ( 2006.6.26)  

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系外惑星の検出

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軌道の例

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多様な惑星系

Hot Jupiter中心星のすぐ近くの巨大惑星← どうやってつくるか?

Eccentric Planet離心率が大きい惑星系

太陽系のような惑星系

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生命が存在できる惑星-Habitable Planet-

の普遍性

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Habitable Condition: ある一瞬に惑星上で生命が生きられる条件「人間にとって適当」とする定義もあるContinuously Habitable Condition: ある程度長期間にわたって惑星上に生命が生きられる条件(期間は 10億年とか 45億年とか勝手に与える)

Habitable Condition vs Continuously Habitable

Condition

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本当の条件ははっきりしない液体の水が地球型生命の生存・繁殖にとって必須 → 液体の水の存在を条件とする 代表的論文: Kasting, J.F., D. P. Whitmire, and R. T. Reynolds: Habitable zones around main sequence stars, Icarus, 101,108-128, 1993.

Habitable Condition

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水惑星形成の3条件

1. H2O が惑星に供給される H2O または水素と酸素が供給される2. H2O が惑星表面に存在する 惑星内部に閉じこめられたり、 宇宙空間に散逸しない3. H2O が液体になる 凍りついたり、全て蒸発したりしない

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温度は惑星表面の熱収支で決まる圧力は大気量・水の量で決まる

水の3態

温度 >摂氏 0.1 度 <摂氏 374.11 度圧力 >与えられた温度の飽和蒸気圧

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H2O が液体になる条件

液体になれば海ができる

H2O はどんな条件が満足されると液体になるのか

地球型惑星大気の主成分である CO2 と H2Oがある状況下で考える

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海洋が存在できる条件

暴走温室効果水蒸気自身の温室効果のために高温になり、いくら大量に H2O があっても海が作れない

全球凍結太陽放射が小さく温室効果も弱いので全体が氷に覆わ

れる

二酸化炭素自身が液化する

超臨界流体液体と気体の区別が付

かない

惑星が太陽から受ける正味の放射W/m2 Abe,1993

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原始地球・金星・火星の比較

現在の地球30%反射

45億年前の火星・地球・金星

 原始火星海を作るのは難しい

原始金星には海があったかもしれない

惑星が太陽から受ける正味の放射W/m2

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惑星環境の安定性

1.太陽放射の増大45億年間に30%明るくなった

2.大気中の二酸化炭素量の減少海に二酸化炭素が溶解し、石灰岩として固定される

3.水蒸気の散逸水蒸気は大気上層で分解されて水素として散逸

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水蒸気の散逸

大気の温度が高い→上層に大量の H2O→紫外線による分解→散逸

現在の地球では上層大気の水蒸気量は少ない:大気構造のため  Cold Trap

上層大気の H2O 量は暴走限界近くで急増地球太陽放射の 110% 程度では 45 億年間でほぼ海洋質量が失われ得る (Kasting et al 1993)

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太陽放射の増大の効果図上で惑星は右に動いていく

 金星:暴走温室効果で

海が消滅

惑星が太陽から受ける正味の放射W/m2

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二酸化炭素量固定の効果

図中で惑星は下に動いていく

地球も火星も凍結する可能性!!

惑星が太陽から受ける正味の放射W/m2

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プレート運動による地球環境の安定化

 気温が上がると化学風化が進み、二酸化炭素固定が強まり、火山ガス供給を上まり、大気中の二酸化炭素が減る。温室

効果が弱まって気温が下がる

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安定化にはプレート運動が重要

地球内部から出てくる二酸化炭素量と海で石灰岩として固定される二酸化炭素量が等しくなるような温度が維持される

活発なプレート運動で二酸化炭素が出てくることで、地球は凍結を免れている

大陸の存在も重要

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月の影響月がないと、地球の自転軸傾斜は大きく変わる→ 気候は極端に変化する

23.5 度の傾斜の時 45 度の傾斜の時中緯度で夏は 50 度冬は零下 50 度にもなる

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惑星環境の決定要因

大気散逸惑星のサイズ磁場も影響←磁場の有無を決める要因?

プレートテクトニクスによる環境の安定化 ←プレートテクトニクスの原因?

軌道変動 離心率や自転軸傾斜は何が決める? 月の影響?惑星の材料物質

非常に多様な要素が関係している

複数の要素が絡んだ結果として表れる惑星像の解明