リンクリゾルバの仕組み

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リンクリゾルバの使い方と仕組み

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Page 1: リンクリゾルバの仕組み

リンクリゾルバの仕組み雑誌情報係 小野 亘

Page 2: リンクリゾルバの仕組み

HERMES-Link と SFX とリンクリゾルバ• リンクリゾルバは一般名詞• SFX はリンクリゾルバの一つの商品名– SFX:   E x Libris 社– 360 Link: Serials Solution 社– LinkSource :  EBSCO 社  などほか多数

• HERMES-Link はリンクリゾルバにつけた一橋の愛称2

Page 3: リンクリゾルバの仕組み

リンクリゾルバ• 「これを契約して設定を行うことで,データベースの検索結果や OPAC の検索結果から,利用可能な電子ジャーナルや電子ブックなどの他のリソースへのリンク(ナビゲート)を提供できるツール。多くの機能があるので,大学ごとに利用方法はさまざまである。」 『必携』  p.124• 「リンクリゾルバ (Link Resolver) とは、利用者にとって最適な情報資源への入手方法、経路を示してくれる仕組みのことである。」   http://www.lifo-club.org/index.php? ML まとめ / リンクリゾルバまとめ

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Page 4: リンクリゾルバの仕組み

リンクリゾルバ(2)• リンクリゾルバは、ナレッジベースで管理されている電子リソースのアクセス情報をもとに、 OpenURL という技術を使ってリンク元(ソース)から受け渡されたメタデータと照合し、アクセス可能なリソース(ターゲット)へのリンクを生成するツールである。– 渡邉英理子 , 香川朋子 , 「図書館におけるナレッジベース活用の拡がりと KBART の役割」

http://current.ndl.go.jp/ca1784

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Page 5: リンクリゾルバの仕組み

いろいろなソースとバージョンナレッジベース

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Page 6: リンクリゾルバの仕組み

リンク元ソースとリンクリゾルバ

林賢紀 , 阪口 哲男 , 「文献データベースと電子ジャーナルの利用行動に対するリンクリゾルバの影響の分析」 (2012) 『情報知識学会誌』 22(3), pp.238-2526

Page 7: リンクリゾルバの仕組み

歴史• 1998~2000年頃、適切コピー問題( Appropriate Copy Problems )を解決することを目標として、ベルギーのゲント大学の図書館員 Herbert Van de Sompel らによって、 OpenURL というフレームワークを使ったリンクリゾルバというモデルが提案され、 SFX というリンクリゾルバのシステムが開発された。

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Page 8: リンクリゾルバの仕組み

要素技術• 文献のリンキング• OpenURL• Knowledge Base

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Page 9: リンクリゾルバの仕組み

適切コピー問題• 論文等の電子化が進んだ結果、アクセス可能な情報源が増え、同じ論文でもどれにアクセスしたらよいか、どれにアクセスできるか (どれが適切なコピーか)が分からなくなった。  cf. ILL を申し込んだのに EJ があった。  cf. E 社と W 社と J 社で論文があるが、自分の大学ではどれなら見られるのか? 9

Page 10: リンクリゾルバの仕組み

文献のリンキング・モデル• 同じ文献のいろいろなバージョンをリンクする。–二次データベース– OPAC– PDF– HTML– E 社版– W社版...など

• Herbert Van de Sompel, Patrick Hochstenbach, “Reference Linking in a Hybrid Library Environment”(1999) , “D-Lib Magazine, 5(4) http://dlib.org/dlib/april99/van_de_sompel/04van_de_sompel-pt1.html

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Page 11: リンクリゾルバの仕組み

コンテンツとキャリアの分離

昔はコンテンツは紙にしか載せられなかった。電子化でコンテンツは(紙も含めて)いろんなキャリアに載せることができるようになった。

コンテンツとキャリアは分離不可能バージョンは Variant (異版)程度で極めて限定的 いろいろなバージョンが電子の雲の中に浮いている

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Page 12: リンクリゾルバの仕組み

OpenURL

• 論文などのコンテンツを URL(Uniform Resource Locator) のフォーマットで表したもの。– メタデータを URL で表現できる。

• http://resolver.example.edu/cgi?url_ver=Z39.88-2004&rft_val_fmt=info:ofi/fmt:kev:mtx:book&rft.isbn=0836218310&rft.btitle=The+Far+Side+Gallery+3– BeseURL :   http://resolver.example.edu/cgi?– バージョン:  url_ver=Z39.88-2004– メタデータの種類:  &rft_val_fmt=info:ofi/fmt:kev:mtx:book– メタデータ:  &rft.isbn=0836218310&rft.btitle=The+Far+Side+Gallery+3

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Page 13: リンクリゾルバの仕組み

OpenURL• OpenURL に対応したデータベースの間では、メタデータを表す部分が共通

– Base URL を差し替えるだけで、いろいろなデータベースを検索できる。① http://sfx4.usaco.co.jp/hit?url_ver=Z39.88-

2004&rft_val_fmt=info:ofi/fmt:kev:mtx:journal&ctx_enc=info:ofi/enc:UTF-8&ctx_ver=Z39.88-2004&rfr_id=info:sid/opac.lib.hit-u.ac.jp:hermes&sfx.ignore_date_threshold=1&rft.issn=18814956&rft.title= 一橋社会科学 &rft.pub= 一橋大学大学院社会学研究科

② http://ci.nii.ac.jp/openurl/query?url_ver=Z39.88-2004&rft_val_fmt=info:ofi/fmt:kev:mtx:journal&ctx_enc=info:ofi/enc:UTF-8&ctx_ver=Z39.88-2004&rfr_id=info:sid/opac.lib.hit-u.ac.jp:hermes&sfx.ignore_date_threshold=1&rft.issn=18814956&rft.title= 一橋社会科学 &rft.pub= 一橋大学大学院社会学研究科

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Page 14: リンクリゾルバの仕組み

Knowledge Base ( KB)

• 電子資料の情報を集めた DB– ジャーナル名– ISSN– 提供先の URL–パッケージにどのタイトルが含まれているか–そのパッケージのそのタイトルに含まれる巻号※狭義の KB にはローカルの契約状況等は含みません。『必携』 p.81  「 Q :電子資料のナレッジベースって何?」

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Page 15: リンクリゾルバの仕組み

KB がないと?• KB がなくても OpenURL とリンクリゾルバがあればいろいろなデータベースへ問い合わせリンク(クエリ)を作ることは可能– クリックしてみないとあるかないか分からない– KB があれば、あらかじめ Full Text があるかないかなどが分かる

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Page 16: リンクリゾルバの仕組み

商用 Knowledge Base ( KB)

• ソース(リンク元の情報)• ターゲット(リンク先の情報: URL など)–オブジェクト(個々の EJ の情報: ISSN 、収録範囲、 embargo など)–狭義の KB

• ローカル情報–オブジェクトのその大学での閲覧可能な範囲(カバレッジ)など)

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Page 17: リンクリゾルバの仕組み

KB には何が登録されているか?• 個々のジャーナル– がどのパッケージに含まれているか?• 電子ジャーナル、電子ブックのコレクション

– Elsevier の ScienceDirect のフリーダムコレクション– CiNii のフリーアクセスのもの– CiNii で定額アクセスのもの– Wiley Online Library の BUSINESS_MANAGEMENT_BACKFILE– DOAJ_DIRECTORY_OPEN_ACCESS_JOURNALS_FREE

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Page 18: リンクリゾルバの仕組み

KB のメンテナンス( SFX の場合)• 基本的な部分は、 E x Libris 社が集中的に新規登録、更新を行っている– 新しい JUSTICE 提案のコレクションができた– カレントのパッケージにタイトル・トランスファーがあったとか

• 日本語のコンテンツは代理店(ユサコ社)がメンテナンスしている部分もある• 上記は、週一で自動的に更新されている。• ローカルコンテンツは本学でも行える。

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Page 19: リンクリゾルバの仕組み

SFX リクエストの流れ

ソース

URL

Context Object

SFX KB

サービス 1サービス 2

SFX メニューターゲット・パーサー

キー :1234-5678

スレッショル

ドがチェック

される

OpenURL

メタデータの“入れ物 "…

ExLibris 社資料より 19

Page 20: リンクリゾルバの仕組み

リンクリゾルバの利用の流れHERMES ( OPAC )からの場合

Page 21: リンクリゾルバの仕組み

HERMES詳細画面

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Page 22: リンクリゾルバの仕組み

HERMES詳細画面

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Page 23: リンクリゾルバの仕組み

HERMES詳細画面について• この書誌は、電子ジャーナル用の簡易書誌– リンクリゾルバ( SFX )から出力した簡易データ(ターゲットのリスト)を加工したもの–原則として、年に 1 度( 4月)の更新(新規導入電子リソースは随時)なので、情報が古いことがある

• Title transfer したもの– The Economist

• 閲覧可能な巻号(カバレッジ)が変わってしまったものなどが OPAC には残っていることがある。23

Page 24: リンクリゾルバの仕組み

HERMES詳細画面について• 冊子体を所蔵していれば(所蔵している冊子体と ISSN が一致すれば)、「冊子体」へのリンクを表示• URL欄の HERMES-Link アイコンから SFX の Object ID で中間窓にリンク

– 同じ EJ ( ISSN )から複数のターゲット( EJ )があれば、ターゲットの数だけ複数の「配架場所」が表示される。– しかし、中間窓へのリンクなので、複数のアイコンがあっても、同じ中間窓につながっている

• ちなみに、– 右の「他の検索サイト」欄の HERMES-Link アイコンは、表示されている書誌情報(メタデータ)からその都度 OpenURL を組み立てている。

• なので EJ簡易書誌以外のすべての詳細表示にある。24

Page 25: リンクリゾルバの仕組み

電子ジャーナル(ブック)を探す• 詳細画面を表示する都度、 SFX の API に問い合わせて、直接ターゲットの URL にリンクしている。– 3件まで表示– 4件目以降は、「 More 」か HERMES-Link アイコンから

• SFX の検索は次の順番① ISSN があれば ISSN② なければ ISBN③ それもなければタイトル

• EJ簡易書誌以外の通常の詳細表示(図書・雑誌)からも、表示。25

Page 26: リンクリゾルバの仕組み

電子ジャーナル(ブック)を探す

詳細表示① ISSN② ISBN③ タイトル

結果なし結果ありターゲット名と URL が返ってくる

API 経由でその都度問い合わせ

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Page 27: リンクリゾルバの仕組み

HERMES ( OPAC )からの場合• そのジャーナルのタイトルのトップページに飛びます。

– 年・巻・号は不要– 年・巻・号に入力して「 GO 」をクリックすれば、当該巻号に飛びます。

• 複数の「フルテキスト」(ターゲット)がある場合、閲覧可能な巻号(カバレッジ)が異なるので、確認して「 GO 」をクリック27

Page 28: リンクリゾルバの仕組み

利用可能範囲• 1996 年以降のものが使えます• ただし、 embargo が

2 年です。

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Page 29: リンクリゾルバの仕組み

冊子と EJ が両方ある場合冊子の詳細表示 EJの詳細表示交互に行き来ができます。

※図書と電子ブックはできません。 29

Page 30: リンクリゾルバの仕組み

リンクリゾルバの利用の流れ二次データベースからの場合

Page 31: リンクリゾルバの仕組み

CiNii Articles 、 Google Scholar から

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Page 32: リンクリゾルバの仕組み

二次データベースからの場合• 二次データベースからリンクリゾルバに来た場合、年・巻・号、開始頁に論文の情報が自動的に埋め込まれます。※AIRway は各大学の機関リポジトリに直接リンクするプロジェクトのシステム

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Page 33: リンクリゾルバの仕組み

フルテキストがない場合• 本学に所蔵があれば表示

– ただし、タイトル単位なので、所蔵巻号は要確認• CiNii で近隣の所蔵館を確認

– 「+」をクリックで簡単に確認可能• 冊子の所蔵がなければ、 MyLibraryから ILL依頼

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Page 34: リンクリゾルバの仕組み

学外からのアクセス• 学外から EJ な DB を使う場合、 EZProxy を使ってアクセスできる(ものがある)。– MyLibrary のサブジェクトゲートウェイ

• SFX に学外からアクセスした場合、直接 EJ へのリンクではなく、 EZProxy 経由のリンクを提供する設定となっている。– 中間窓の見た目は変わらない。– MyLibrary のサブジェクトゲートウェイにログインしていない場合、 MyLibrary のログインページを表示

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Page 35: リンクリゾルバの仕組み

リンクリゾルバの進んだ使い方• ディスカバリ・ツール、次世代 OPAC などとリンクリゾルバの連携で、 OPAC の検索から直接「本文」へのリンクや本文自体を表示させたりすることが一般的になりつつある。– いちいち中間窓を開かなくて良い。

• リンクリゾルバの利用動向を元に、おすすめ論文を提示する機能などもある。35

Page 36: リンクリゾルバの仕組み

ナレッジベース関連の最近の話題• 日本国内のナレッジ - ベースを NII と大学の共同で構築しようとしている( ERDBプロジェクト)。• コミュニティーベースで維持管理するグローバルでオープンなナレッジベースのプロジェクト– GoKB  (アメリカ)– KB+   (イギリス) ※ GoKB と KB+ は連携している。※ERDB も連携したい。

• 電子リソースのメタデータ交換に関する推奨指針:KBART– ナレッジベースの品質向上のために– ERDB もこれに準拠したい

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Page 37: リンクリゾルバの仕組み

全体の流れ(まとめ)Ex

Libr

is社

図書館

データベ

ース

中間窓 タイトルリスト(AtoZ)

二次データベース 電子ジャーナル・ブック 論文

ユーザー

論文タイトルルート雑誌タイトルート

※このルートでは、どの論文がどの雑誌に入っているかも、どの雑誌がどのデータベースに入っているか分からない

※二次データベースから論文に直接リンクがある場合もあります。

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