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東京工業大学 大学改革 -日本の東工大から世界の Tokyo Tech へ- 新役員・部局長からの就任の挨拶 □理事・副学長(総務・財務担当)・事務局長 芝田 政之 □監事 三矢 麻理子 □理学院長 岡田 哲男 □工学院長 岩附 信行 □物質理工学院長 和田 雄二 □情報理工学院長 渡辺 □生命理工学院長 三原 久和 □環境・社会理工学院長 岸本 喜久雄 □リベラルアーツ研究教育院長 上田 紀行 □科学技術創成研究院長 一哉 平成 28 年度 東京工業大学入学式 挙行 島尻内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が東工大 を視察 大隅良典栄誉教授が第 45 回ローゼンスティール賞 と第 15 回ワイリー賞を受賞 木賀大介准教授が第 12 回日本学術振興会賞を受賞 1 回「末松賞」授賞式を実施 「より優れた教育の推進に」東工大教育賞授与式 を実施 平成 27 年度「東工大の星」支援 STAR 採択者決定 工大祭が「学園祭グランプリ 2015」の MVP を受賞 東工大フットサル部 FFC カレッジフットサル リーグ 1 部昇格 平成 27 年度手島精一記念研究賞授与式 開催報告“LAUNCH UP!2015 年度後期の附属図書館企画展示 開催報告 1 5 9 11 13 14 15 16 18 20 22 23 26 31 511 May 2016 No.

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東京工業大学 大学改革 -日本の東工大から世界のTokyo Tech へ- 新役員・部局長からの就任の挨拶

□理事・副学長(総務・財務担当)・事務局長 芝田 政之

□監事 三矢 麻理子 □理学院長 岡田 哲男 □工学院長 岩附 信行 □物質理工学院長 和田 雄二 □情報理工学院長 渡辺 治 □生命理工学院長 三原 久和 □環境・社会理工学院長 岸本 喜久雄 □リベラルアーツ研究教育院長 上田 紀行 □科学技術創成研究院長 益 一哉

平成 28年度 東京工業大学入学式 挙行 島尻内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が東工大を視察 大隅良典栄誉教授が第 45回ローゼンスティール賞と第 15回ワイリー賞を受賞 木賀大介准教授が第 12回日本学術振興会賞を受賞 第 1回「末松賞」授賞式を実施 「より優れた教育の推進に」東工大教育賞授与式 を実施 平成 27年度「東工大の星」支援 STAR 採択者決定 工大祭が「学園祭グランプリ 2015」の MVPを受賞 東工大フットサル部 FFC カレッジフットサル リーグ 1部昇格 平成 27年度手島精一記念研究賞授与式 開催報告“LAUNCH UP!” 2015年度後期の附属図書館企画展示 開催報告

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広報センター

東京工業大学は、三島学長の強いリーダーシップの下、2030 年までに「世界トップ 10 に入るリサーチユニ

バーシティ」を目指して 2016 年 4 月から開始した改革についてご紹介します。

1.学生の学びを深めて世界で活躍する力を育てる「教育改革」

①日本初の「学院」 日本の大学では初となる学部と大学院が一体となって教育を行う「学院」を設置しました。学院で教育する

学士課程の教育プログラム(系)と大学院課程の教育プログラム(コース)のカリキュラム・分野をできるだ

け大くくりにしています。 また、学士課程と大学院課程の教育プログラムを連続的に設計しています。これにより、学生は学士課程入

学時から大学院の出口を見通すことができ、自らの興味・関心に基づく多様な選択・挑戦が可能になりました。 ②リベラルアーツ研究教育院の誕生 これまで学部 4 年生までだった教養教育のカリキュラムが博士後期課程まで延長され、「大きな志を育む」

教養教育がスタートしました。学士課程入学直後の東工大立志プロジェクトを皮切りに、小グループでのディ

スカッション、プロジェクト発表などを通じて、仲間と刺激を与え合いながら、高い問題意識のもとに、優れ

たコミュニケーション能力を持って世界へと発信し、実現していく力をこれまで以上に養っていきます。また、

人文科学、社会科学、外国語、ウェルネス等の広範な分野に触れることで、多様性に満ちた現代社会の中での

学生自身の立ち位置を明確化し、学士課程、修士課程及び博士後期課程の専門教育と教養教育とをダイナミッ

クに組み合わせて、将来社会を牽引する、創造性溢れた魅力ある人材の育成を目指します。 ③学生が主体的に学べる国際通用性のあるカリキュラム 国際的に通用性のあるカリキュラムを学生が自主的に学修するように促すため、シラバスの充実と日本語と

英語による公開、科目をナンバリングしてレベルと順序を明示、留学・インターンシップ等を経験しやすいよ

うに科目履修が柔軟にできるクォーター制の導入、アクティブラーニングや英語による授業、副専門学修、教

養科目、キャリア科目の充実などを実施しました。 ④教育革新センター(CITL) 教育革新センターは 2015 年 4 月に設立され、東京工業大学の教育手法の革新、継続的な教育支援及び教育

の質向上に資する活動により教育改革を推進しています。授業設計や評価基準策定を含めた教育の PDCA 確立、

教職員への各種教育研修などに取り組んでいます。また、オンライン教育開発室(OEDO)では、MOOC※1

や SPOC※2コンテンツの開発などを学生と共に行っています。

東京工業大学 大学改革

-日本の東工大から世界の Tokyo Tech へ-

東工大の 3つの改革

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※1 MOOC: Massive Open Online Course の略称。大規模公開オンライン講座

※2 SPOC: Small Private Online Course の略称。象者や提供先などが限られている外部非公開でのオンライン講義

教育改革の詳細については、以下の東工大全学サイトをご覧ください。 ・東工大教育の特徴(教育改革後)http://www.titech.ac.jp/education/features/ ・学院・系及びリベラルアーツ研究教育院 http://educ.titech.ac.jp/ ・東工大教育改革の歩み http://www.titech.ac.jp/education/reform/index.html ・教育改革及び教務・学修関係事項の資料 http://www.eduplan.titech.ac.jp/w/meeting_data/edu_reform/

2.進化する組織でイノベーションを創出する「研究改革」 ①科学技術創成研究院の発足

柔軟な運営体制で革新的科学技術と新規領域・融合領域を創出するため、4 研究所、2 研究センター、10 研

究ユニットを有する科学技術創成研究院が発足しました。 現行の研究に関わる組織を再編成して新たなミッションを担う研究所、研究センターとともに、最先端の研

究を小規模のチームで機動的に推進し、大隅良典栄誉教授ら卓越したリーダーが“尖った”研究を大きく育て

るために、研究ユニットが設置されました。 複雑化する社会の要請、異分野にまたがる研究課題の増大に対応するため、より柔軟な研究体制の構築が求

められています。研究者の配置や連携体制構築をより機動的に行い、異なる専門の研究者もチームを組んで研

究できる仕組みを導入しています。 ②「世界の研究ハブ」を目指す

科学技術創成研究院は、地球生命研究所(ELSI)を始めとする研究拠点組織のノウハウを活用しつつ、WRHIを核として海外の卓越した研究機関や企業とも積極的に連携し、第一線で活躍する研究者の集う「世界のハブ」

を目指して研究を展開し、成果を発信していきます。

教育改革前後の教育体制

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研究改革の詳細については、以下の東工大全学サイトをご覧ください。 ・東工大ニュース「研究力のさらなる強化に向けて「科学技術創成研究院」設置を記者発表」

http://www.titech.ac.jp/news/2016/033784.html ・科学技術創成研究院 http://www.iir.titech.ac.jp/

3.大学改革を進める強力な体制を築く「ガバナンス改革」 ①学長のリーダーシップが最大限に活かせる体制へ

学長のリーダーシップを最大限に活かすために、人事・財務・インフラの各方面での体制を刷新しました。

学長指名による学院長等の決定、全学の人事委員会の承認による教員選考などにより、戦略的な人材の集中的

投入が可能となります。また、学長裁量とする経費・スペースの拡大により、機動的な資源投入を行います。

学長の下に、大学全体が一丸となって対応するための体制に組織を進化させ、大学改革を推進していきます。 ②企画戦略本部を中心とした PDCA サイクル

科学技術創成研究院と学院等との関係

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学内の企画立案組織の改革に合わせて、ガバナンスを担う「企画戦略本部」を 2016 年 4 月に設置しました。

教育・研究・人事・財務等を機動的・戦略的・一元的に統括するものとして、学長の機動的な意思決定を補佐

して大学運営を行うための「学長室」の中に置いています。また、学内外の教育研究等にかかる情報の収集・

分析を行う「情報活用 IR 室」を設置しました。情報提供のほか大学運営にかかる計画策定や意思決定などを

支援し、企画戦略本部を中心とした PDCA の中で戦略的な大学運営の実現に寄与します。

その他、組織等の移行については、以下の東工大全学サイトをご覧ください。

・教育体制の移行 http://www.titech.ac.jp/about/organization/transition_of_the_education_system.html

・2016 年4月に実施した教育研究組織の改革について http://www.titech.ac.jp/about/organization/index.html ※「2015 年度以前の組織等について(PDF)」をご参照ください。

戦略的な大学運営の実現

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就任挨拶 理事・副学長(総務・財務担当)・事務局長 芝田 政之

4 月 1 日付で着任しました。実践は難しいのですが、仕事を進める上で 2

点大切にしたいと思っています。 1 点目は、私心を持たないことです。私利私欲のために仕事をしないのは

国立大学法人の役員として当然のことですが、人の好き嫌いや仕事の好き嫌

いといった広い意味での私心を持たないように努めます。 2 点目は、できるだけ次元を高めて問題の解決を図るということです。具

体的に言えば、例えば A さんは「X が良い」と主張し、B さんは「Y が良い」

と主張し対立したとしましょう。そんな時、次元を上げて Z 軸から問題を眺

めて解を探すように努めます。 今日の国立大学には、イノベーションの創出とグローバル社会に対応できる人材の養成が期待されています。

しかし、そのことは研究者の探求心に基づく地道で長期的にしか成果の出ない研究をおろそかにしていいとい

うことではないと考えます。国立大学は、オープンイノベーションを推進すると同時に、幅広い分野でじっく

り研究に専念できる環境を維持していく必要があります。また、グローバル社会に対応できる人材養成のため

には、専門分野の教育に加えて、外国語を含むコミュニケーション能力、自国文化や異文化理解の能力、広い

視野で課題を発見し解を見つける能力を涵養する教育環境を整備しなければなりません。こうした考え方は、

現在東京工業大学が進めようとしている教育研究改革の理念と合致していると理解しています。私の職掌の立

場からこれらの環境整備に貢献できるように努めます。 最後に事務局長としては、教職協働の実現のために、事務職員が教員の良きパートナーとなれるように人材

養成に努めてまいります。事務職員が自信と誇りをもって積極的に企画立案を行い、必要な時にはコンプライ

アンスのための砦となるくらいの志を持てるような環境の醸成に努めてまいります。 皆様方のご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。

就任挨拶 監事 三矢 麻理子

この度、非常勤の監事に就任致しました三矢です。 私は現在、公認会計士として、財務諸表、税務申告書の作成やコンサルテ

ィング、会計監査や上場会社の監査役の仕事をしております。 東京工業大学は、父と母方の祖父の出身校と聞いておりましたので、その

ような大学の監事のお話を頂いた時、何かご縁のようなものを感じずにはい

られませんでした。 東京工業大学は大きく変わろうとしています。そのような時期に皆様と一

緒に働けることを嬉しく思います。至らないところも多々あるかとは存じま

すが、監事の仕事を通じて本学に貢献したいと思っております。どうぞ宜し

くお願い申し上げます。

新役員・部局長からの就任の挨拶

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学院長、研究教育院長及び研究院長メッセージ

理学院長 岡田 哲男

理学は、自由な発想と知的好奇心に基づき、自然界に潜む法則性を解き明か

す学問です。ガリレイ、ニュートン、キュリー夫人、アインシュタインら先人

達は、自らの好奇心に基づいて自然を理解しようとしました。長年に渡る人類

の知的活動の積み重ねにもかかわらず、我々は自然界のほとんどを理解できて

いないかもしれません。自然界の本質の解明は知的好奇心を満たすだけでなく、

社会の発展にも貢献することを歴史は示しています。このような共通の目標に

向かって、人類の智を継承・発展させる、それが理学です。

工学院長 岩附 信行

工学は、人類を幸せにするための枠組である「文明」に貢献する学問であり、

人の生活を豊かで快適なものとする技術を希求します。工学院では、その基盤

である学理と応用である「ものづくり」までを幅広く学び、最先端の研究活動

や国際交流活動を体験して、創造性豊かな専門家として世界に雄飛します。豊

かな感性と活力あふれる若者とともに未来を開拓できることを期待します。

物質理工学院長 和田 雄二

材料系と応用化学系という 2 つの系から構成される物質理工学院は、物質の

構造・物性の理解に基づいた機能創成を行い、またダイナミックな物質の化学

変化を操る原理・手法を創出する研究者・技術者を育ててゆくことを目指して

います。ここは、世界トップレベルの研究者が相互に交流・協力し、あらゆる

物質を対象とし、環境・エネルギー・資源・安全・健康の課題解決というター

ゲットに向かって若人を育成する揺り籠であり、夢に燃える彼らと共働する道

場です。地球の生き物たちと共生する物質文明を創造する学びと研究に触れて

みませんか。

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情報理工学院長 渡辺 治

いま、情報技術が大きな変革期に来ています。それは単に私たちのまわりに

情報機器が大量に出てきたからだけではありません。高度な数学的手法により

情報の本質がわかりはじめ、それを活用する技術が大幅に進展し始めたからで

す。その最先端を私たちと一緒に開拓していきませんか?情報化社会の可能性

はまだまだ広がっていきます。

生命理工学院長 三原 久和

生命理工学院では、理工学分野の基礎的知識や、ライフサイエンスとテクノ

ロジーに関連する科学的知識と技術を修得し、生命理工学に関連した科学技術

の発展に資する課題解決力と倫理観を養う教育を実施します。理学と工学分野

の研究のみならず、医学、薬学や農学の幅広い分野での最先端研究を展開して

います。生命理工学院の多様で高度な教育研究を通じて、グローバル社会のリ

ーダーとなる理工人の養成を目指しています。

環境・社会理工学院長 岸本 喜久雄

人類と社会の持続的な発展のためには、理工学に加えて人文社会科学の知識

を広く学び、それらを応用・展開するとともに、新たな学術・技術を創生して

いくことが求められています。そのため、環境・社会理工学院は、建築学系、

土木・環境工学系、融合理工学系に加えて、大学院に社会・人間科学系、イノ

ベーション科学系ならびに技術経営専門職学位課程を設置して、文理共創型の

学院としてグローバル化社会への貢献を目指しています。

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リベラルアーツ研究教育院長 上田 紀行

東工大はこれまでも、学部 4 年まで専門教育に並行して文系教養科目を履修

する「くさび形教育」を行うなど、教養教育に重きを置く大学として知られて

きました。その伝統を活かしつつ、2016 年 4 月に格段にパワーアップした画

期的なリベラルアーツ教育を開始しました。 リベラルアーツ教育のカリキュラムは博士後期課程まで延長され、至るとこ

ろに設けられた少人数でのディスカッションやプロジェクトでの仲間との刺

激的な交流の中で、世界を知り、自分自身の可能性を探究しながら、自ら問い

を発し、感じ、考え、発言し、行動する力をこれまで以上にダイナミックに養

っていきます。学士課程入学直後の「東工大立志プロジェクト」を皮切りに、充実した科目群を学修した後、

同じ仲間達が再会して学士課程 3 年目の後期の「教養卒論」にチャレンジします。それらのクラスには修士課

程の「リーダーシップ道場」から「ピアレビュー実践」「リーダーシップアドバンス」へと進んだ学生がアドバ

イザーとして参加し、学年を超えた交流も生まれます。 これまで教養科目は「できるだけ楽をして単位が取れる科目を選ぶ」といった扱いを受けがちでした。しか

しそんな教養しか身についていない人間が世界の真のリーダーとなり、より良き社会を創造していくことがで

きるでしょうか?東工大のリベラルアーツ教育は違います。それはひとりひとりが自分の学びのストーリーを

発見しながら、自らの目標に向かって、そして新しい世界の創造に向かって歩んでいくという、「志」へ向かっ

てのエネルギーに満ちた道程なのです。 東工大のリベラルアーツ教育は「華のある」教養教育を目指します。「華のある」とは、人をひきつける、活

力がある、明るく楽しいといったイメージです。教室でも、カフェテリアでも、芝生の上でも、キャンパスの

至るところで、地球的課題を、人間性の深みを語り合い、自分と社会の新たな可能性に気づくような場を生み

だしていきましょう。自分の将来を切りひらき、大きな社会的貢献を成し遂げるために、ぜひリベラルアーツ

教育の場を活かしてください。 21 世紀社会を牽引する真のリーダー育成を目指して、東工大のリベラルアーツ教育のチャレンジが続きま

す。

科学技術創成研究院長 益 一哉 科学技術創成研究院は、新たな研究領域の創出、人類社会の問題解決、及び

将来の産業基盤の育成を使命として、2016 年度に設立されました。すずかけ

台・大岡山両キャンパスにまたがる複数の研究所、研究センター及び研究ユニ

ットから構成され、全体で 150 名を超える研究者を擁しています。研究所、セ

ンター、ユニット間の有機的連携により、互いに関連する研究課題に全体で取

り組むだけにとどまらず、新たなイノベーションを創成する斬新な研究成果を

目指します。

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4 月 4 日、大岡山キャンパスにて平成 28 年度入学式が執り行われました。今年度の入学者数は、学士課程

1,135 名、大学院課程 1,799 名(修士課程 1,545 名(専門職学位課程を含む)博士後期課程 254 名)の計 2,934名です。

午前の学士課程入学式、午後の大学院入学式の双方とも、

アカデミックガウンを身にまとった学長、来賓の方々、本学

理事・役員、各学院長、リベラルアーツ研究教育院長、科学

技術創成研究院長の教授陣の入場で始まりました。末永隆一

氏の指揮のもと本学管弦楽団が行進曲を演奏する中、厳かな

入場となりました。開式のアナウンス後、本学混声合唱団コ

ールクライネスとともに列席者一同で大学歌を斉唱しました。 東工大は、世界で活躍できる人材育成と世界をリードする

研究を推進するために、今年度から様々な改革を進めていま

す。今後の教育、研究のグローバル化を見据え、学長の式辞

は、英語で行われました。 三島学長は学士課程新入生に向けて、「将来、科学・技術の

力で世界に貢献するため、自ら進んで学び、鍛練する"志"を育

てる教育を行うため教育改革を行いました。皆さんには、将来の自分の姿を描き、その目標のために自分の力

をどこまで伸ばすことができるか、限界を作らず、挑戦する志を持ってほしい」と話しました。

平成 28 年度 東京工業大学入学式 挙行

平成 28年度 東京工業大学入学式

学長式辞(三島良直学長)

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大学院課程新入生へは、「自分の将来を見

据え、積極的に様々な能力を身につけると

いう熱意を持ち、より高い目標へ挑戦し続

けてほしい。国際感覚を身につけることを

常に意識し、社会人になる暁には世界を舞

台に活躍することを期待しています」と語

りました。 その後来賓の方々を代表して、本学同窓

会「一般社団法人蔵前工業会」理事長・東

日本旅客鉄道株式会社監査役の石田義雄氏、

マツダ株式会社 代表取締役会長の金井誠

太氏より祝辞をいただきました。続いて来

賓紹介、本学役員・部局長紹介が行われ、

その後、新入生総代よりこれから始まる東

工大生活での抱負が力強く宣誓されました。 学士課程入学式に続いて、同会場で入学記念

コンサートが開催されました。これは毎年、新

入生の門出を祝う意味をこめて、プロのピアニ

ストにお願いして演奏していただく催しです。

今年のピアニストは田中翔平さんです。田中さ

んは、東京藝術大学音楽学部器楽科を経て、同

大学院修士課程を修了し、修了時に大学院アカ

ンサス音楽賞及び藝大クラヴィーア賞を受賞

されています。

新入生総代答辞(大学院)

新入生総代答辞(学士課程)

入学記念コンサート

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大岡山キャンパスは、満開の桜とともに新入生やそのご家族の晴れやかな笑顔であふれました。 新入生のみなさま、入学おめでとうございます。

(全学サイト東工大ニュース投稿者・掲載日:広報センター 2016年 4月 14日)

4 月 12 日、島尻安伊子内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が、上山隆大総合科学技術・イノベーション会

議有識者議員、中川健朗内閣府大臣官房審議官(科学技術・イノベーション担当)らとともに、東京工業大学

(以下、東工大)を視察しました。 島尻大臣は、今年 4 月から学院としてスタートした東工大の新しい教育組織や、研究組織の改革により発足

した科学技術創成研究院などについて、三島良直学長から説明を受け、その後、大学改革の課題についての意

見交換を行いました。 島尻大臣からは、「東工大は、大学改革に果敢に挑戦して非常に素晴らしい大学と聞いています。また、組織

を変える学長の苦労を垣間見ました。改革の先行例として評価しています」とのコメントと、理工系総合大学

である東工大には大きな期待をしている旨の激励の言葉をいただきました。 引き続き、池上彰特命教授と「Society 5.0」※1について一般の人にわかりやすく説明することの重要性に関

する活発な意見交換が行われました。

島尻内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が東工大を

視察

東工大本館前ウッドデッキ

入学記念コンサート

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最後に、東工大に設置されている WPI※2 である地球生命研究所(ELSI)にて、廣瀬敬所長による研究の概

要説明を受けた後、超高圧実験室を視察し、今回の行程を終えました。 ※1 Society5.0: 今年 1 月に閣議決定された第 5 期科学技術基本計画に基づき、内閣府、及び総合科学技術・イノベーション会議が推進

する未来の産業創造と社会変革に関する取り組みの 1 つ。「超スマート社会」を未来の姿として共有し、その実現に向けた一連の取り組み

を指す。

※2 WPI: 2007 年度に文部科学省が開始した事業「世界トップレベル研究拠点プログラム(World Premier International Research

Center Initiative)」の略称。

(全学サイト東工大ニュース投稿者・掲載日:広報センター 2016年 5月 19日)

廣瀬所長より説明を受ける島尻大臣

意見交換の様子

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フロンティア研究機構(受賞当時。現・科学技術創成研究院) 大隅良典栄誉教授が、医学分野での重要な功績

に対して贈られるローゼンスティール賞とワイリー賞の受賞者に選ばれました。

今回、大隅栄誉教授が第 45 回目の受賞者となるローゼンスティール賞は、米国ブランダイス大学ローゼン

スティール基礎医科学研究センターによって、1971 年より毎年、基礎医学の発展における顕著な功績に対して

授与されています。 一方、ワイリー賞は、2002 年から毎年、米国学術出版社ワイリー社が出資するワイリー財団より、バイオメ

ディカル分野で顕著な業績を上げた研究者に贈られるもので、同教授はその第 15 回目の受賞者に選ばれまし

た。これまでの受賞者のうち 5 名がその後にノーベル賞を受賞しています。 両賞とも、大隅栄誉教授のオートファジーの研究功績を高く評価し授与されるものです。オートファジーと

は細胞が自分自身のタンパク質を分解する仕組みのことで、同教授は、細胞や細胞組織の維持と修復に不可欠

であることを解明し、生物医学分野の発展に大きく寄与しました。

大隅良典栄誉教授コメント この度、ブランダイス大学から第 45 回ローゼンスティール賞を、ワイリー財団から第 15 回ワイリー賞を受

けることになりました。4 月 6 日ボストンで行われるローゼンスティール賞受賞式の後、ニューヨークに移動

し、4 月 8 日のワイリー賞受賞式に出席します。ワイリー賞受賞式の会場となるロックフェラー大学は、私の

ポスドク時代の 3 年間の留学先であり、現在に至るまで研究材料としている酵母の研究を始めた場所なので感

慨深いものがあります。 (全学サイト東工大ニュース投稿者・掲載日:広報センター 2016年 3月 10日)

※現在の所属については広報センターにて追記

大隅良典栄誉教授が第 45 回ローゼンスティール賞と 第 15 回ワイリー賞を受賞

大隅良典栄誉教授

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大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻(受賞当時。現・生命理工学院)の木賀大介准教授(受賞当

時。現・特任教授)が、第 12 回日本学術振興会賞を受賞しました。

日本学術振興会賞とは 同賞は、独立行政法人日本学術振興会が、優れた

研究を進めている若手研究者を見出し、早い段階か

ら顕彰してその研究意欲を高め、独創的、先駆的な

研究を支援することにより、我が国の学術研究の水

準を世界のトップレベルにおいて発展させることを

目的に 2004 年に創設されたものです。

受賞対象者は、人文・社会科学及び自然科学の全

分野において、45 歳未満で博士又は博士と同等以上

の学術研究能力を有する者のうち、論文等の研究業

績により学術上特に優れた成果をあげている研究者

となっています。 受賞者には賞状、賞牌及び副賞と

して研究奨励金 110 万円が贈呈されます。記念受賞

式は 2 月 24 日に日本学士院にて開催されました。

受賞理由 合成生物学による人工生命システムの構築

生命システムは構成単位の組み合わせによって、様々な特性を持ちます。構成単位の組み合わせの場合の数

が非常に大きいことが天然の生物の多様性の根源であり、人類が生物を改良して人工的に活用できることの担

保でもあります。 木賀准教授は、生化学のバックグラウンドをもとに、物理学、情報科学やシステム科学の知見を活用し、試

験管内や細胞内に生体分子を組み合わせた人工生命システムを具現化してきました。また、20 種類のアミノ酸

が鎖状に連なって構成されるタンパク質に対し 19 種類や 21 種類のアミノ酸を使用するタンパク質の合成系や、

試験管内での生体分子による論理演算系、生きた細胞間の相互作用によって多様化を維持する人工遺伝子回路、

などの構築を行いました。 これらの成果は国際的にも高い評価を受けており、木賀准教授は合成生物学という新しい分野において日本

のキーパーソンとして認識され、人工生命や生命の起源に関する研究者の一人として、今後も世界をリードす

る幅広い活躍が期待されています。

木賀大介准教授が第 12 回日本学術振興会賞を受賞

授賞式に出席した木賀准教授(左)とお母様

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木賀准教授のコメント 遺伝子工学の発展版として様々な応用が期待されている合成生物学の本質は、wet と称される生物実験と、

dry と称されるシステム科学・情報科学を適切に融合することにあります。このため、私の研究の根源は生命

の起源に関する理学的な問いから発していますが、研究の実践のためには、様々な科学を融合することが必要

であり、東工大着任前の私一人の力では何も成すことはできませんでした。現在所属する、知能システム科学

専攻(受賞当時。現・情報理工学院)の山村雅幸教授をはじめとする皆様や、融合組織としての情報生命博士

教育院、地球生命研究所、およびこれらで育ってきた学生と共に一連の研究を楽しんでこられたことを光栄に

思い、恩師や共同研究者、各種研究資金の提供元皆様へと合わせ、深く感謝します。今後も、さらなる学際融

合研究・教育に精進します。また、私事にて恐縮ですが、私の基盤を形づくった父、父亡き後私たち兄弟を育

て上げてくれた母、経済面のサポートを下さった学術振興会をはじめとする各種団体や出身高校と大学に、そ

して現在の生活を豊かにしてくれている家族に深く感謝します。 (全学サイト東工大ニュース投稿者・掲載日:大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻 准教授 木賀大介 2016年 3月 3日)

※現在の所属については広報センターにて追記

2 月 4 日、第 1 回末松賞の授賞式が行われました。 末松賞は、末松安晴栄誉教授の「若い研究者たちが様々な分野で未開拓の科学・技術システムの発展を予知

して研究し、隠れた未来の姿を引き寄せて定着させる活動が澎湃(ほうはい)としてわき出て欲しい」との思

いから、本学に対し多額の寄附をいただいたことにより創設され、今回が初めての授賞式となりました。 末松栄誉教授は、光通信工学の分野において、光ファイバーの伝送損失が最小となる波長の光を発し、かつ、

高速に変調しても波長が安定した動的単一モードレーザーを実現しました。現在のインターネット社会を支え

る大容量長距離光ファイバー通信技術の確立に大きく寄与するなどの優れた業績を挙げ、本領域の発展に多大

な貢献をしました。その功績が評価され平成 27 年度の文化勲章を受章しています。 初回となる本年度は、大学院理工

学研究科 物性物理学専攻(受賞当時。

現・理学院) 井上遼太郎助教、大学

院生命理工学研究科 分子生命科学

専攻 (受賞当時。現・生命理工学院) 金森功吏助教の2名が選考されまし

た。 授賞式には末松栄誉教授も出席

し、三島良直学長からの挨拶の後、

賞状の授与が行われました。次いで

末松先生からも挨拶があり、その後、

受賞者2名が受賞に対しての感謝と

今後の意気込みを述べました。 受賞式に続き、記念撮影、懇談会

が行われました。井上助教と金森助

教から現在行っている研究につい

第 1 回「末松賞」授賞式を実施

(後列左から)小野功副学長、三島良直学長、安藤真理事・副学長

(前列左から)金森功吏助教、末松安晴栄誉教授、井上遼太郎助教

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て説明すると、それに対して末松栄誉教授と三島学長から自分たちの若手時代のことを交えて話がされ、大変

盛り上がった懇談会となりました。

(全学サイト東工大ニュース投稿者・掲載日:総務部広報・社会連携課基金室 2016年 3月 7日)

※現在の所属については広報センターにて追記

3 月 9 日に、大岡山キャンパス本館理学系第 2 会議室において、平成 26 年度東工大教育賞の授与式が行わ

れました。

「より優れた教育の推進に」東工大教育賞授与式を実施

懇談会の様子

西森秀稔教授 挨拶 篠﨑和夫教授 挨拶

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この賞は教員の教育方法及び教育技術の向上を図り、より優れた教育を推進することを目的として制定され

たもので、今回で 13 回目となります。 授与式では、最優秀賞に選ばれた西森秀稔教授、篠﨑和夫教授ほか 6 名の出席者に対して三島学長から賞状

及び報奨金(目録)が授与されました。

「平成 26 年度東工大教育賞」受賞者一覧 平成 26 年度における授業科目の教育方法等が優れているとして次の 10 名の教員が選ばれました。

(所属順・敬称略)

(所属・役職は受賞当時)

最優秀賞

受賞者(所属) 対象業績

西森秀稔教授

(大学院理工学研究科 物性物理学専攻) 授業参観等による教育の質の向上のためのシステムの開発と実践

篠﨑和夫教授

(大学院理工学研究科 材料工学専攻)

教員・学務との密接な協力による学生と教員のための教育システム

作り

優秀賞

受賞者(所属) 対象業績

内藤聡教授

(大学院理工学研究科 数学専攻) 学部専門課程における講義と演習授業の有機的な連携

須佐匡裕教授

(大学院理工学研究科 材料工学専攻)

グローバル理工人育成コースによる学部学生への国際化教育

の推進

セリーヌ・ムージュノ准教授

(大学院理工学研究科 機械物理工学専攻) 問題解決型授業による創造的指導力を育てるデザイン教育

齊藤滋規准教授

(大学院理工学研究科 機械宇宙システム専攻) 異分野混成チームでの人間中心設計を実践する新講義の構築

山田明教授

(大学院理工学研究科 電子物理工学専攻) 東工大における創造性育成科目の推進および創造性育成科目

鹿島亮准教授

(大学院情報理工学研究科 数理・計算科学専攻)

コンピュータサイエンス入門の教材開発、授業実践、および

科目運営

真野洋介准教授

(大学院社会理工学研究科 社会工学専攻) 地域創生イニシアチブの形成に貢献する震災復興デザイン教育

伊藤亜紗准教授

(リベラルアーツセンター)

「学生プロジェクト」等を通じたリベラルアーツ教育の推進

と研究

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(全学サイト東工大ニュース投稿者・掲載日:総務部人事課労務室 2016年 4月 26日)

平成 27 年度「東工大の星」支援(英語名称:Support for Tokyotech Advanced Researchers 【STAR】)の

採択者 2 名が決定しました。 「東工大の星」支援【STAR】とは、東工大基金を活用し、将来、国家プロジェクトのテーマとなりうる研

究を推進している若手研究者や、基礎的・基盤的領域で顕著な業績をあげている若手研究者に対し、大型研究

費の支援を行うものです。次世代を担う、本学の輝く「星」を支援しています。

「東工大の星」支援【STAR】の概要 目的 東工大基金を活用し、本学における優秀な若手研究者への大型支援を実施することにより、本学の中期目標

である基礎的・基盤的領域の多様で独創的な研究成果に基づいた新しい価値の創造を促進し、もって、学長の

方針に基づく本学の研究力強化に資することを目的とする。 支援対象者 公募によらず、様々な業績を勘案し、学長及び研究戦略室長の協議により選考する。

観点 将来、国家プロジェクトのテーマとなりうる研究を推進している若手研究者 基礎的・基盤的領域で顕著な業績をあげている若手研究者

役職等 若手研究者は准教授以下(原則 40 歳以下)とする。

平成 27 年度「東工大の星」支援 STAR 採択者決定

集合写真

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平成 27年度受賞者

(前列左から)塚原剛彦准教授、中戸川仁准教授(後列左から)安藤真理事・副学長、三島良直学長

第 3 回目の今回は、2名の「星」が学長及び研究戦略室長の協議により選考されました。

所属部局(平成 27 年度当時) 専攻 職名 氏名

大学院生命理工学研究科 生体システム専攻 准教授 中戸川 仁

原子炉工学研究所 准教授 塚原 剛彦

(全学サイト東工大ニュース投稿者・掲載日:研究推進部研究企画課 2016年 4月 18日)

授与式の様子 学長との懇談の様子

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工大祭 2015 がレッツエンジョイ東京主催の「学園祭グランプリ 2015」において、MVP 賞のほか地域活性

化賞、SNS 実行賞の 3 つの企画賞を受賞しました。 学園祭グランプリは、株式会社ぐるなびと東京地下鉄株式会社が共同運営する「レッツエンジョイ東京」の

主催する首都圏の大学学園祭のナンバーワンを決めるコンテストです。今年度は 100 校以上のエントリーがあ

りました。

正門横に設置された工大祭 2015の看板

この他、学園祭当日の装飾を評価されるデザイン賞で 2 位を受賞。また、アルコールの一気飲みを禁止する

ポスターについて評価される協賛賞「NO IKKI!賞 2015」、ポスター標語デザインコンテストでも入賞しまし

た。工大祭ならではの多様性に富んだ学生企画の数々や、研究室公開企画についても高い評価をいただくこと

ができました。 MVP 賞はこれらのことを総合して、多くの面で高いクオリティであったことが評価されての受賞となりま

した。

受賞した各賞についてのコメント ●地域活性化賞 この賞は、学園祭において地域と連携している優れた取り組みに送られる賞です。工大祭 2015 では大岡山

北商店街と共同で行ったスタンプラリーや、本館前ウッドデッキを使った地域の方によるフリーマーケットを

開催しました。 特に、スタンプラリーについてはより一層力を入れた分だけ、商店街との情報共有などについて難しさがあ

りました。当日は参加賞のテックちゃんグッズが子供たちに好評だったこともあり、昨年度より多くの方に参

加していただくことができました。

工大祭が「学園祭グランプリ 2015」の MVP を受賞

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●SNS 実行賞 この賞は学園祭を紹介する動画を作成し、SNS での反応数(Twitter でのリツイートや Facebook のいいね

等)を競う賞です。 委員会外の東工大の学生から大きなサポートがあり、2 位以下に大きな差をつけての受賞となりました。こ

のことは、工大祭が東工大に関わるたくさんの方々のご協力のもと開催できていること、そして多くの方に応

援していただけていることを改めて実感させてくれました。 また、当委員会で作成した動画は大変好評をいただき、動画自体の質を競う PR 動画賞でも 2 位に入賞する

ことができました。

●MVP 賞 学園祭グランプリ MVP を受賞し、1 年間頑張ってくれた委員の皆とこれまで工大祭の成功に向けてご協力

してくださった多くの方の努力が報われたようで大変うれしく思います。 工大祭はまた今年も行われます。これを機に工大祭により多くの方が参加し、足を運んでいただければこれ

ほど喜ばしいことはございません。 最後に、工大祭の開催に際し、多くのご助力を頂いた東工大の職員の皆様、お忙しい中工大祭に参加くださ

り大いに盛り上げていただいた研究室の皆様、参加団体の皆様、地域の皆様、ご協賛くださりました企業の皆

様、そして工大祭に足を運んでくださいました来場者の皆様に工大祭実行委員会を代表して心より御礼申し上

げます。

工大祭当日の様子

(全学サイト東工大ニュース投稿者・掲載日:工大祭実行委員会前委員長 伊藤大造 2016年 4月 12日)

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フットサル部 Tokyo Tech.が、2015 年度の F-NET 主催 FFCカレッジフットサルリーグの 1部昇格戦で勝利し、

1 部リーグへの昇格を決めました。この結果により、来季から 1部リーグで戦うことになります。

1部昇格を決めたフットサル部のメンバー

FFC カレッジフットサルリーグは、関東地域で行われている日本最大の学生フットサルリーグで、現在 40

大学以上 55 チームが参加しています。1部と 2部に分かれたリーグは、1部 12チームと 2部 4 グループ各およ

そ 10 チームから構成されます。2015年度、2部 D グループに所属した Tokyo Tech.は成績 8 勝 1分 1敗でグル

ープ優勝を果たしました。そして、2月 24日に行われた 2部の各グループ優勝チームが集まる 1 部昇格戦に進

出しました。そこで 2 部 Cグループ優勝の東京都市大学に 5-2で勝利したことで、史上初となる 1 部昇格を決

めました。

1 年間キャプテンを務めた六岡諒介さん(工学部金属工学科 3年生)のコメント

一年間この昇格を目標にして活動してきました。苦しい時期もありましたが、皆の努力が実を結び、達成で

きて本当に嬉しいです。これから 1 部リーグで良い成績を残せるよう頑張っていきます。

(全学サイト東工大ニュース投稿者・掲載日:工学部社会工学科 高橋健. 2016年 3月 11日)

東工大フットサル部 FFC カレッジフットサルリーグ 1 部昇格

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研究推進部研究企画課

2 月 23 日に東工大蔵前会館のくらまえホールにおいて、手島精一記念研究賞の授与式が行われました。授与

式には、本学学内関係者ほか、蔵前工業会理事長、元手島工業教育資金団役員が臨席しました。

手島精一記念研究賞は、理工系大学における研究を奨励するために設けたものであり、特に優れた研究業績

をあげた本学関係者に対して、賞状並びに副賞の授与を行っています。この賞は、東京工業大学の前身である

東京工業学校及び東京高等工業学校の校長であった手島精一先生の功績を記念するため創設された財団法人手

島工業教育資金団の事業の一つとして行われてきました。2009 年 4 月に同財団の解散に伴い、本学に事業が

継承され今日に至っています。 今年度は、24 件・計 55 名の受賞者に対し、学長から賞状と副賞が授与されました。授与式に引き続いて、

ロイアルブルーホールにおいて、受賞者を囲んで祝賀会が行われ、出席者全員和やかな雰囲気のうちに閉会し

ました。 (所属・役職は受賞当時)

平成 27 年度受賞者 研究論文賞(2 件) ●持田啓佑(大学院生命理工学研究科・生体システム専攻・大学院生) ●及川優(フロンティア研究機構・博士研究員) ●木村弥生(横浜市立大学・先端医科学研究センター・准教授)

平成 27 年度手島精一記念研究賞授与式

記念写真

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●桐浴裕巳(大学院生命理工学研究科・生体システム専攻・研究補佐員) ●平野久(横浜市立大学・先端医科学研究センター・特任教授) ●大隅良典(フロンティア研究機構・特任教授) ●中戸川仁(大学院生命理工学研究科・生体システム専攻・准教授) “Receptor-mediated selective autophagy degrades the endoplasmic reticulum and the nucleus” ●早川哲(大学院生命理工学研究科・生体システム専攻・博士研究員) ●水野-山崎英美(大学院生命理工学研究科・生体システム専攻・博士研究員) ●川口紘平(大学院生命理工学研究科・生体システム専攻・大学院生) ●佐伯泰(東京都医学総合研究所・生体分子先端研究分野・副参事研究員) ●田中啓二(東京都医学総合研究所・所長) ●駒田雅之(大学院生命理工学研究科・生体システム専攻・教授) 外 14 名 “Mutations in the deubiquitinase gene USP8 cause Cushing's disease” 博士論文賞(14 名) 数学関係部門 ●田神慶士(大学院情報理工学研究科・数理・計算科学専攻・日本学術振興会・特別研究員 PD) “Khovanov type link invariant and homotopy quantum field theory” 物理学関係部門 ●中村一平(理化学研究所・創発物性科学研究センター 統合物性科学プログラム量子多体ダイナミクス 研究ユニット・特別研究員)

“Spectroscopy of a single rare-earth ion in a crystal at cryogenic temperature” ●野辺拓也(東京大学 ICEPP・学振特別研究員 PD) “Search for scalar top quarks and higgsino-like neutralinos in pp collisions at a center-of- mass energy

of 8 TeV with the ATLAS detector” 地球科学関係部門 ●今田沙織(高輝度光科学研究センター・研究員) “Sound velocity and density of liquid Fe-Ni-S alloy at high pressure” ●國友正信(名古屋大学大学院・理学研究科・研究員) “Evolution of Pre-Main Sequence Stars and Its Environmental Impact on Their Circumstellar Disks” 材料工学関係部門 ●角屋智史(兵庫県立大学・物質理学研究科・助教) “Chemical Doping and Charge Injection in Organic Field-Effect Transistors” ●篠原百合(精密工学研究所・助教) 「Ti-4Au-5Cr-8Zr 超弾性合金の開発とその変態挙動に関する研究」 電気・電子工学関係部門 ●小野峻佑(像情報工学研究所・助教) “A Study of Priors and Algorithms for Signal Recovery by Convex Optimization Techniques”

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●林寧生(精密工学研究所・博士研究員) “A Study on Brillouin Scattering Properties in Plastic Optical Fibers for Sensing Applications” 情報学関係部門 ●Amer Abdelhalim(Argonne National Laboratory・Postdoctoral Appointee) “Parallelism, Data Movement, and Synchronization in Threading Models on Massively Parallel

Systems” ●紋野雄介(大学院理工学研究科・機械制御システム専攻・産学官連携研究員) “A Practical One-Shot Multispectral Imaging System Using a Single Image Sensor” 建設関係部門 ●毎田悠承(千葉大学大学院・工学研究科・建築・都市科学専攻建築学コース・助教) 「鉄筋コンクリート骨組における座屈拘束筋違の接合部挙動および制振効果に関する研究」 エネルギー関係部門 ●白石貴久(東北大学・産学官連携研究員) 「水熱合成法による(KxNa1-x)NbO3 膜の低温合成とその圧電特性評価に関する研究」 その他境界領域的な関係部門 ●鈴木脩司(株式会社富士通研究所・研究員) “Faster Protein Sequence Homology Searches for Large-scale Metagenomic Data” 留学生研究賞(4 名) ●Siriburanon Teerachot(大学院理工学研究科・電子物理工学専攻) “Low-Power Low-Jitter Frequency Synthesizers for High-speed Wireless communications” ●Zamengo Massimiliano(大学院理工学研究科・有機・高分子物質専攻・助教) “Development of heat-transfer enhanced composite for chemical heat storage/pump and numerical

analysis of practical system for waste heat recovery in a steel making process” ●Karma Wangchuk(大学院理工学研究科・国際開発工学専攻) “Cooperative Relaying Channel and Outage Performance in Narrowband Wireless Body Area Network” ●Wu Rui(大学院理工学研究科・電子物理工学専攻) “Reliability-Enhanced Low-Power High-Data-Rate 60-GHz Transceivers in CMOS Technologies” ●発明賞(2 件) ●細田秀樹(精密工学研究所・教授) ●稲邑朋也(精密工学研究所・准教授) ●堤聡(JFE スチール株式会社・研究員) ●金高弘恭(東北大学・准教授) 「Pt 系形状記憶合金」

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●林﨑規託(原子炉工学研究所・准教授) ●服部俊幸(名誉教授) ●石橋拓弥(高エネルギー加速器研究機構・助教) ●山内英明(タイム株式会社・代表取締役) 「四重極型加速器および四重極型加速器の製造方法」 中村健二郎賞(1 件) ●顧暁冬(精密工学研究所・特別研究員) 「超高解像光ビーム掃引とその波長選択光スイッチへの応用」 藤野志郎賞(1 件) ●北野政明(元素戦略研究センター・准教授) 「12CaO・7Al2O3 エレクトライド担持 Ru 触媒によるアンモニア合成」

(全学サイト東工大ニュース掲載日:2016年 3月 10日)

博物館 特任講師 遠藤康一

特任講師 阿児雄之

2015 年 12 月 21 日、22 日の 2 日間にわたり、去る 10 月にリニューアルオープンした百年記念館 1 階のラ

ーニング&インフォメーション・コモンズにて、このスペースの活用促進の PR を兼ねた、学びの空間の可能

性と新しい学びのカタチを模索するイベント“LAUNCH UP!”を開催しました。

開催報告“LAUNCH UP!”

盛況な会場

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期間中は、会場内にて、実装された様々な機器や設備の紹介、それに関連する教育・ICT ソリューションの

企業展示・デモンストレーション、また学内のラーニングスペースの紹介展示、各種のイベントやセミナーを

設けるなど、「学修や活動をサポートするインフラとしての設備」と「学修空間の活用における多様性」という

2 つの視点から多種の実践的な試みを行いました。2 日間それも午後のみという限られた時間ではありました

が、約 300人の来場者がこれらの企画に参加し、イベントの内容やこのスペースの活用方法の可能性について、

数多くの貴重なご意見を残してくださいました。 この 2 日間の経験を経て、百年記念館 1 階は、東工大の教育改革のコンセプト「自ら進んで学び、鍛錬する

“志”を育てる」ための空間として、機能整備の段階から、その積極的活用により充実した学びを育む段階へ

と LAUNCH を果たしたことになります。 今後は、ここが学生・教職員他の様々な活動を受け止め、キャンパスの中でも常に活発で賑やかな場所とな

るよう、そのための活用支援等も行っていく予定ですので、まずはお気軽にお立ち寄りください。そしてご利

用にあたって様々なご意見をお寄せいただくと共に、大学全体としてこの場所をさらに育てていっていただき

たいと思います。 “LAUNCH UP! Learning & Information Commons“ 日程:2015 年 12 月 21 日(月)~22 日(火) 会場:東京工業大学博物館・百年記念館1階 主催:東京工業大学博物館/広報センター

協賛:パナソニックシステムネットワークス株式会社/パナソニック株式会社/株式会社ウチダシステム ズ/株式会社内田洋行/株式会社デジタル・アド・サービス

協力:東京工業大学社会理工学研究科/教育革新センター

【展示内容】 ①協賛企業展示: 普段の学修から授業、研究まで大

学における様々な教育・学修シーンとの関連が深い

ICT ソリューション技術展示(パナソニックシステム

ネットワークス株式会社)、グループディスカッショ

ンやワークショップなど、授業内外のアクティブラー

ニングをサポートする支援ツールの紹介展示とデモ

ンストレーション(株式会社ウチダシステムズ)。 ②東工大のラーニングスペース紹介:学内にあって学

生や教職員が自由に利用できるラーニングスペース

の存在はあまり共有されていません。現在進みつつあ

る講義室を中心とした学修環境整備の取り組みとと

もに、学生同士のコミュニケーションや自修、セミナ

ー、サークル活動など様々に活用可能なスペース情報

をパネルにて紹介しました。 ③ネーミングコンテスト「百年1階愛称募集!」: 学

生・教職員の学びと活動のための開かれたスペースで

あり、学内外の方々への情報発信拠点でもある百年記

念館 1 階の愛称募集を行いました。会場内の電子黒板

と博物館 Web サイトで応募を呼びかけ、審査の結果

「T-POT」に決定しました。「Tokyo tech, People, Opportunity, Technology」という意味が込められてお

り、また、人が集まりお茶を飲みながら議論を楽しむ

パナソニックシステムネットワークス株式会社による展示

株式会社ウチダシステムズによる展示

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あたたかい場所(器=POT)のイメージと呼びやすさが高い評価を得ました。 http://www.cent.titech.ac.jp/SpecialExhibitions_event/PastExhibition_event/naming.html

【イベント・セミナー】

ラーニングコモンズとなった百年記念館 1 階のスペースは、これまでも談話や休憩、食事のためのラウンジ

として、博物館や他部局が主催する展示やイベントスペースとして様々に利用されてきました。ここに、学修

や情報発信としての積極的な機能が備わったこと、利用主体としての学生の位置付けが明確になったことと関

連して、空間の新たな活用方法と連動した学びのあり方の開発と実践を試みる、学修の“実験場”としての役

割が加わりました。 この度の“LAUNCH UP!”では、この実験の第一弾として、様々な空間活用法と学びの実践を取り入れた

催しを行いましたので、以下にその概要を記載します。 ①オープニングイベント: 大谷清博物館長(理事・副学長、当時)と丸山俊夫理事・副学長から、生まれ変

わった百年記念館1階スペースが大学での新たな学びの場として活用されることを期待する旨の挨拶がありま

した。あわせて、教育改革によって多様化する学びに対応できる、新たに実装された設備機能が紹介されまし

た。 ②公開授業「対話を育む実践ファシリテーション論」第 10 回 「教える」より「学び合う」場を創ろう!大

教室でのアクティブラーニング: 中野民夫教授(リベラルアーツ研究教育院 2016 年 4 月~)が開講してい

る、教員の話を聞くだけではなく、学生同士が主体的に話し合って学び合う授業を公開しました。見学ではな

く、来場の方々も授業に参加し、学生含め約 100 人が議論を交わす熱気に満ちた講義がおこなわれました。こ

のような大人数でのグループワークを実施できる講義室は学内に少なく、百年記念館1階は新しい学びに対応

した“教室”としての活用も望まれています。

東工大のラーニングスペース紹介 ネーミングコンテスト「百年1階愛称募集!」

丸山俊夫 理事・副学長 大谷清 博物館長(理事・副学長、当時)

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③Art Extension コンサート: 学生企画のひとつとして、開放的な空間を活かした室内楽コンサートが 2 回

開催されました。1 日目は夕方開催のため授業を終えた学生達が足を運び、2 日目昼は食事をとりながら教職

員や親子連れが演奏を楽しみました。百年記念館全体に響き渡るヴァイオリンやフルートの音色に耳を傾けた

ひとときでした。

④ワークショップ「キャンパスツアーをデザインしよう」: 東工大へ見学に来る高校生を日々案内している学

生キャンパスガイドが、キャンパスツアーをデザインするワークショップを企画。参加者は、大岡山キャンパ

スの地図をベースに、キャンパスガイドから学内の魅力的なスポットの説明を受けつつ、独自のキャンパスツ

アーをデザインに取り組みました。

公開授業

弦楽四重奏 フルート、弦楽三重奏

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⑤トークセミナー1 MOOC 紹介イベント「MOOC をも

っと知りたい件」: インターネット上で大学などの講

義を受けることができる MOOC(ムーク)。東工大で

も 2 つの講義を提供しており、東工大オンライン教育

開発室の森秀樹准教授による本セミナーでは、コンテ

ンツの制作に関わった TA(ティーチング アシスタン

ト)学生よりオンライン講義の説明やコンテンツ制作

過程が紹介されると共に、将来の学びの姿を模索する

レゴを用いたワークショップが行われました。MOOCのコンテンツ制作は、学生が動画撮影・編集をおこな

っているのが特徴であり、制作に携わった学生からの

苦労話や体験ブースによる説明など、オンラインでは

知ることができない興味深い案内がありました。 ⑥トークセミナー2 「アクティブラーニングと空間について」「博物館のアクティブラーニングとは」「アクテ

ィブラーニングと ICT 環境整備」: 数多くの大学など教育機関でアクティブラーニング環境をデザイン・構

築されてきた 3 人に、具体的活用事例を通じ、百年記念館 1 階スペースの可能性についてお話しいただきまし

た。吹き抜けがあり天井の高い開放的空間であること、大学の成果が集約している博物館の中にあること、学

修の場であるとともに情報発信の場であることなど、1 階スペースは他のアクティブラーニングスペースに比

べて大きな魅力を有していることが語られました。

【プログラム外企画】 ●BONENKAI 12 月 21 日(月)19:45~21:45 : 国際開発工学専攻の学生を中心に、様々な学部や専攻、

多様な国籍の学生間交流の活性化を目的に、また百年記念館 1 階の今までにない活用の試みとして、Electronic Dance Music(EDM)音楽イベントが開催されました。準備・運営は全て学生がおこない、100 人以上が参加し

た大イベントとなりました。学術的な交流に加え、授業終了後の新たな形の学生交流の場としても活用出来る

可能性がみられました。

【寄せられた声(アンケート結果より抜粋)】 1.イベント全般についての満足度

非常に満足~満足 89% / やや不満~不満 7% / 回答なし 3% 2.スペースの活用アイデアについてのコメント

ワークショップ「キャンパスツアーをデザインしよう」

トークセミナー2 トークセミナー1

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・学生と外部のつながりの場として最適 ・教員、学生、OB の取り組みを発表するなどの交流の場 ・壁面のホワイトボード全体を使ったトークセッション、コンサートや交流会など定期的な学生企画イベ ントの開催 ・体験型イベントや学生によるレクチャーイベントの開催 ・館内風景を学内にリアルタイム配信

3.展示やイベントについての感想 ・学内ラーニングスペース紹介を見て、多くの講義室がアクティブラーニングに対応した改修を行ってい ることに驚いた ・愛着のある身近なスペースの愛称をつけられるネーミングコンテストの試みが良い ・トークセミナー2 について、アクティブラーニングに関わる様々な分野の専門家の話が聴けて良かった ・学生企画イベントが良かった ・音楽イベントはこのスペースを盛り上げるのにふさわしいと思う ・音が響きすぎるため、スピーカー設備は改良の余地があるのではないか ・公開授業について、社会では対話やコミュニケーション発表、意味出しを日常的に行うため、学生時代 にこのような主体性が磨かれる環境があることはとても良いことだと思う ・建物の形に興味があり来訪したが、中に入り、イベントを楽しむことができて良かった

(全学サイト東工大ニュースにも一部編集の上掲載:2016年 3月 4日)

研究推進部 情報図書館課

東工大附属図書館では、所蔵資料の利用促進のため、1 年を通じて企画展示を行っています。テーマは 2~3

ヶ月毎に変更します。基本的に図書館サポーター※の学生が本を選び、ポスターや配布用のリストとコメン

トを書いたポップの作成を行っています。2015年度後期に実施した展示を紹介します。

※図書館サポーター:カウンター対応の補助、書架の整理、資料の整備、広報活動、展示等の企画など図書館内でさまざまな仕事を補

助してくれている学生たちです。

Fly across a border! 語学・留学の本

展示期間:10 月 7日~11月 30 日

本学の留学生センター(2016 年 3 月廃止)の先

生の協力のもと、「語学・留学に役立つ本」とい

うテーマで選んだ本を大岡山本館とすずかけ台

分館で展示しました。

期間中は、展示本だけでなく、大岡山本館地下 2

階にある「語学・留学用資料」コーナー、すずか

け台分館 2階にある「語学・留学用資料」および

2015 年度後期の附属図書館企画展示 開催報告

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「留学生用資料」コーナーに置いてある図書も多く借りられました。皆さんにこれらのコーナーを知ってい

ただく良い機会にもなり、附属図書館としてもうれしいかぎりでした。

紹介されている本とその推薦文は、以下のリストをご覧ください。

Fly across a border! | 推薦本リスト

http://www.libra.titech.ac.jp/news/pdf/201510recolist.pdf

図書館サポーター推薦:はたらくミライを考えよう!

展示期間:1 月 4日~2 月 29 日

仕事や就職をテーマに選んだ本を展示しました。

今回の展示本の半分以上が、社会科学分野のものでした。いつも図

書館で多く借りられる理工学分野の本とは系統が異なりましたが、

期末試験の時期にも関わらず、展示された本はすぐに借りられ、返

却されるとすぐに、他の人に借りられていました。また、学生だけ

でなく、教職員も展示場所で足を止めていた姿が多く見られました。

配布用の図書リストを持ち帰る方も多かったです。

なお、本の展示と同時に、図書館職員からは「会社四季報」や「週

刊エコノミスト」を収録しているデータベースである、ジャパンナ

レッジ Lib(JapanKnowledge Lib)をおすすめしました。また、大

岡山とすずかけ台のキャンパスにある就職資料室についても案内し

ました。

紹介されている本とその推薦文は、以下のリストをご覧ください。

はたらくミライを考えよう! | 推薦本リスト

http://www.libra.titech.ac.jp/news/pdf/201601recolist.pdf (全学サイト東工大ニュース掲載日:2016年 4月 28日)

No.511 2016年5月31日 東京工業大学広報センター発行

©東工大クロニクル企画チーム

編集長 千葉 明(工学院 教授)

陣内 修(理学院 准教授)

住所:〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1-E3-13

TEL:03-5734-2976 FAX:03-5734-3661

E-mail:[email protected]

最新号・過去号:

http://www.titech.ac.jp/about/overview/publications.html#h3-7

東工大クロニクル執筆要項:

http://www.titech.ac.jp/staff/relations/chronicle/chronicle.html

ISSN 1349-9300