アセトアニリド類の’3c nmrスペクトル1)

6
欝イヒ, 1974, N◎、3 ノk田・石田・田中:アセトアニリド類のlec NMRスペクトル 395 (日本化学会誌,1974,(3),p.395~400) アセトアニリド類の’3C NMRスペクトル1) (1973年8月30日受理) 永田親潮*・石田和久*・田中誠之** アセトアニリド誘導体11種について,韮3C NMRスペクトルを測定し,さらにCNDO/2法による 全電子密度の計筑を行なって環炭棄およびカルポニル炭素の1℃化学シフトと電子密度との関係につい て検討した。その結果,メタおよびパラ置換体については比較的よい対応がみられた。パラ置換体にお いて置換基に対してパラ位炭素について,それぞれ全電子密度およびπ七子密度と化学シフトとの関係 を調べたところ,全電子密度との方がよい直線関係があることがわかった。置換基によるカルポニル炭 紫の化学シフトの変化は非常に小さく,これは電子密度の計算結果とも対応している。 メタおよびパラ麗換体においては,置換基の結合している環炭素の化学シフトは置換基の原子の電気 陰性度と直線関係があることがわかった。 1 アニリド類は,ペプチド結合をもち生物活牲を示すことや,ア ミド基と環とのなす二面体角が置換基の種類やその結合位置で変 化したり2),アミド基の炭素・窒素結合が部分的に二重結合性を もち,トランスおよびシス型の異性体が存在することなどのため 構造化学的興味がもたれている。このような理由から,いままで に赤外吸収スペクトル法鯛をはじめとしてプPtトン核磁気共鳴 (以下プロトンNMRと略配する)スペクトル法のによる研究が 数多くなされてきた。しかし,より適確な構造化学的知見を与え るigC NMR法による研究が必要と考えられるが,まだ,これら の分子について系統的な研究は行なわれていない。 この意味から,著者らは一醗換アセトアAリド誘導体について ISC NMRスペクトルを測定し,置換基の種類および結合位置に よる化学シフトの変化について調べた。また,13C NMR化学シ フトと躍子密度との関係は,現在までは主として平面構造をもつ 芳香族分子についてなされており6),アニリドのように二面体を イiする分子に関する研究はないeそこで,CNDO/2法による電子 密度の計算を行なって,18C化学シブトと電子密度との関係につ いて検射した。 1) この報文を“アニリド類のNMRスペクトル(第1報)”と する. 芝浦ユニ業大学工業化学教室,108 策京都港区芝浦 ** @策京大学工学部工樂化学教室,113 策京都文京区本郷 2) B#F.Pedersen, B. Pedersen, Tgtrahedron Lett・, 1965, 2995, 3) Xi Suzuki, M. Tsubei, T, Shimanouchi, S. Mizushima, SPectroehim. Aeta, 16, 471(1960)・ 4) L・ K. Dyall, J. E, Kemp, ibid,, 2Z 483(1966)・ 5) たとえば,R. E. Carter, Aeta Chem, Scand、,21,75 (1967> な:ど。 6) たとえば,G.LNels◎n, G. C Levy, J. D. Cargioli,1・ Ame「・Chem・Soc・,94,3089(1972>など, 2 2.1測定駄料 測定したアセトアニリド誘導体(11種)のうち,アセトアニリ ド,e一ヒF’ Ptキシアセトア;リド,郷一ヒドロキシアセトアニリド, かヒF’ peキシアセトアニリド,かアミノアセトア晶リドおよび m・一・ニトPtアセトアニリドについては市販特級品を使用したっこ の他の。一ニトPtアセトアニリド,かニトロアセトアニリド, e一 メチルアセトアニリド,m・一一メチルアセトアニリドおよびP一メチ ルアセトアニリドは,それぞれ対応するアニリン誘導体と無水酢 酸から常法により合成し再結晶法で精製した◎ 測定した試料の化合物名,略称および構造式を表1に示した。 2。2 1SC NMRの測定 18C NMRスペクトルは,日本電子株式会社製PS-100型スベ クトロメーターに同社製RH-C IOO型RFユニット, IS400 :NMRコントPt・一ル装置およびSD-HCヘテPtデカップラー付属 装麗を使用し,プPtトソデカップリング条件下で25.1MHz, CW 法で測定しtee磁場のPtヅクはH20シグナルにより外部Pック 方式で行なった。 試料はすべて10 mol%ジメチルスルホキシド(以下DMSO と略配する)溶液とし,内径8mmの試料管を用い,外部基準 としてペソゼンおよびメタノールを使用し,室温(24℃)で測定 した。スペクトルのSIN比を大きくするために,付属のSB-2 型SINブースターtを使用して4回積算を行なうた。 iSC NMR化学シフトはCSaを基準としてペソゼン65, O ppm メタノール145・ O ppmの殖を用いて, CS2基準に換算麦示した。 2. 3 分子の座標計算 アセトアaリド類の座標計算に必翼なデータは、Suttonの喪7} に配載されているアセトアニリドの数値(図1)を使用した◎な お,記載されていない原子問距離はつぎの値を使用したeすなお 7) L.E. Sutten, lntroduction to the Tables Distance and Configuration in Melecu The Chemical Seciety, LendoR (1958).

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Page 1: アセトアニリド類の’3C NMRスペクトル1)

欝イヒ, 1974, N◎、3 ノk田・石田・田中:アセトアニリド類のlec NMRスペクトル 395

(日本化学会誌,1974,(3),p.395~400)

アセトアニリド類の’3C NMRスペクトル1)

(1973年8月30日受理)

永田親潮*・石田和久*・田中誠之**

 アセトアニリド誘導体11種について,韮3C NMRスペクトルを測定し,さらにCNDO/2法による

全電子密度の計筑を行なって環炭棄およびカルポニル炭素の1℃化学シフトと電子密度との関係につい

て検討した。その結果,メタおよびパラ置換体については比較的よい対応がみられた。パラ置換体にお

いて置換基に対してパラ位炭素について,それぞれ全電子密度およびπ七子密度と化学シフトとの関係

を調べたところ,全電子密度との方がよい直線関係があることがわかった。置換基によるカルポニル炭

紫の化学シフトの変化は非常に小さく,これは電子密度の計算結果とも対応している。

 メタおよびパラ麗換体においては,置換基の結合している環炭素の化学シフトは置換基の原子の電気

陰性度と直線関係があることがわかった。

1 緒 鴛

 アニリド類は,ペプチド結合をもち生物活牲を示すことや,ア

ミド基と環とのなす二面体角が置換基の種類やその結合位置で変

化したり2),アミド基の炭素・窒素結合が部分的に二重結合性を

もち,トランスおよびシス型の異性体が存在することなどのため

構造化学的興味がもたれている。このような理由から,いままで

に赤外吸収スペクトル法鯛をはじめとしてプPtトン核磁気共鳴

(以下プロトンNMRと略配する)スペクトル法のによる研究が

数多くなされてきた。しかし,より適確な構造化学的知見を与え

るigC NMR法による研究が必要と考えられるが,まだ,これら

の分子について系統的な研究は行なわれていない。

 この意味から,著者らは一醗換アセトアAリド誘導体について

ISC NMRスペクトルを測定し,置換基の種類および結合位置に

よる化学シフトの変化について調べた。また,13C NMR化学シ

フトと躍子密度との関係は,現在までは主として平面構造をもつ

芳香族分子についてなされており6),アニリドのように二面体を

イiする分子に関する研究はないeそこで,CNDO/2法による電子

密度の計算を行なって,18C化学シブトと電子密度との関係につ

いて検射した。

1) この報文を“アニリド類のNMRスペクトル(第1報)”と

  する.

* 芝浦ユニ業大学工業化学教室,108 策京都港区芝浦** @策京大学工学部工樂化学教室,113 策京都文京区本郷2) B#F.Pedersen, B. Pedersen, Tgtrahedron Lett・, 1965,

  2995,

3) Xi Suzuki, M. Tsubei, T, Shimanouchi, S. Mizushima,

  SPectroehim. Aeta, 16, 471(1960)・

4) L・ K. Dyall, J. E, Kemp, ibid,, 2Z 483(1966)・

5) たとえば,R. E. Carter, Aeta Chem, Scand、,21,75

  (1967> な:ど。

6) たとえば,G.LNels◎n, G. C Levy, J. D. Cargioli,1・

  Ame「・Chem・Soc・,94,3089(1972>など,

2 実 験

 2.1測定駄料 測定したアセトアニリド誘導体(11種)のうち,アセトアニリ

ド,e一ヒF’ Ptキシアセトア;リド,郷一ヒドロキシアセトアニリド,

かヒF’ peキシアセトアニリド,かアミノアセトア晶リドおよび

m・一・ニトPtアセトアニリドについては市販特級品を使用したっこ

の他の。一ニトPtアセトアニリド,かニトロアセトアニリド, e一

メチルアセトアニリド,m・一一メチルアセトアニリドおよびP一メチ

ルアセトアニリドは,それぞれ対応するアニリン誘導体と無水酢

酸から常法により合成し再結晶法で精製した◎

 測定した試料の化合物名,略称および構造式を表1に示した。

 2。2 1SC NMRの測定

 18C NMRスペクトルは,日本電子株式会社製PS-100型スベ

クトロメーターに同社製RH-C IOO型RFユニット, IS400型

:NMRコントPt・一ル装置およびSD-HCヘテPtデカップラー付属

装麗を使用し,プPtトソデカップリング条件下で25.1MHz, CW

法で測定しtee磁場のPtヅクはH20シグナルにより外部Pック

方式で行なった。

 試料はすべて10 mol%ジメチルスルホキシド(以下DMSO

と略配する)溶液とし,内径8mmの試料管を用い,外部基準

としてペソゼンおよびメタノールを使用し,室温(24℃)で測定

した。スペクトルのSIN比を大きくするために,付属のSB-2

型SINブースターtを使用して4回積算を行なうた。

 iSC NMR化学シフトはCSaを基準としてペソゼン65, O ppm,

メタノール145・ O ppmの殖を用いて, CS2基準に換算麦示した。

 2. 3 分子の座標計算

 アセトアaリド類の座標計算に必翼なデータは、Suttonの喪7}

に配載されているアセトアニリドの数値(図1)を使用した◎な

お,記載されていない原子問距離はつぎの値を使用したeすなお

 7) L.E. Sutten, lntroduction to the Tables ef Interatemic

   Distance and Configuration in Melecular$ aAd leas.

   The Chemical Seciety, LendoR (1958).

Page 2: アセトアニリド類の’3C NMRスペクトル1)

396 日本化学会酷 1974 Nα3

 Table 1 Acetanilide compounds used in this study

structurai fermula Name Ab魔bart?ofon

.39

NHCOCH,

NHCOCH,

 N 02

NHCOCH, O,

N@NHCOCH,

NHCOCH,

   CHs

    NHC OC H,

”1“3@NHCOCH,

NHcocH,

   OH

・NHC・眺

 O・H

 O @N HCOC H,

仲HC・C H・

cetanilide

-Nitr6acetanilide

-Nitroacetanilide

A

一一NAA

-NAA

 120。工σ   119’1プ.49

119聾41’     ユ2rlゴ

・37   1蕊9拳sざ

   119奪33掌

  0

 12ゴ,38

22伽44ず

            115軸39「

           i,37                H        裏、41

ig. 1 Atomic distance$ and bend angles for acetanilide7>

able 2 iSC NMR chemica1 shiftsct) fer some monosub-

   stituted benzenes in 10 mol% dimethylsulfoxide

   solution

              Positionsubstituents

。乙,

-Nitroacetanilide -NAA rtho eta ara

-Methylacetanilide

 1

-Methylacetanilide

-Methylacetanilide

-MAA

pi 一一MAA

-MAA

-Hydrexyacetanilide e-HAA

-Hydrexyacetanilide m一一HAA

-Hydroxyacetanilide P一一HAA

一一Aminoacetanilide 一・AAA

       り                                                 む

,φ一H:1。084A(ベソゼソ), N-H:1・020 A(アセトアミド)・

     ゆ-H:1.091A(メタン)である。

アセトアニリドのアミド基とペソゼン環とのなす二面体角は,

線の測定結果では38eとなっており9),一方,原子の座標によ

計算からは18。であるとする報告9)もあるが,本研究では380

使用レて計算した。ただし,o一一 Aトロアセトアニリド:oo, o一

チルアセトアニリドおよび。一一ヒドβキシアセトアニリドは90。

した。

         3 結果および考察

3。1スペクトルの帰属環炭素の帰属はSavitsky則を適用して行なった。すでに多く

一一置換ペソゼソのi8C NMR化学シフトの測定値は表i⑥〉にまと

られているが,それぞれの使用溶媒が異なるため,溶媒効果に

る誤差が考えられる。そこで,必要とする一置換ベンゼンにつ

てはすべて10mol%DMSO溶液中で測定した(表2)・加成

の計算において,DMSO溶液中での測定値を使用すると・文

8) C.J. Broun, D. E. C. Corbridge, Acta CPtyst・・ 7,711

  (1954).9) C.J. Br◎un, ibid・, 21,442(1966)・

10) 田中誠之,永田親清,他,分析化学,21,1004(1972)、

NHCOC}ls 一12.2 ・一F8.6

NO2 一20.9 十4,3CHs 一9.8 一〇.40H 一31.0 十11.2NH2 一21,9 十13.7ppm from benzene・

Ll 十4,62.4 一7.91,1 十2.62.2 十8.6L5 十11.9

値を使用した場合よりもアニリド類の実測値との差が最大2,5

pm小さくなった。

3.2 アミド構造

アニリド類は,アミド基のペプチド結合が〔i)および〔2〕の

鳴構造をとりうるので,炭素・窒素間が二重結合性をもつこと

知られている。このために,炭素・窒素間の自由回転が束縛さ

,トランス型〔3〕およびシス型〔4〕の異性体が存在しうる

とになる◎窮実,プPtトソNMRスペクトルから,ホルムアニ

    粛 粛

      [i) [2)ドについては両異性体がほぼ同等な割合で存在(5mO1%、クロ

ホルムーd溶液中)していることが確認されている11)。アセト

ニリドにおいては,1V一アルキル置換アセトアニリドを除いて・

常の溶媒中ではトランス型〔3〕が支配的であると報告されて

る12>◎

    oxx      C-RSi i>一一N/.

      H

   [3)

  トランス型

    Rx      c=o[S:iii >b N/.,

   具型

1$CNMRの測定においては一一種の異性体によるスペクトルの

が観測された鄭このこととプロトンNMRの測定結果とをあわ

考えるとトランス型が支配的であると結論できる。

1>A」.R.B◎u叫D. G、 Gillies, E・W・Randall, Tetrahe”o韓,

 20,1811(1964);T,H. Sidda11,皿, W. E Stewart・1・

 Meg, Spect,, 24, 290(1967)・

2)W.E. Stewart, T, H. Sidda11,皿, C厭R⑳・,70・517

 〈1970>,

Page 3: アセトアニリド類の’3C NMRスペクトル1)

日化,1974,N◎。3 永田・石田・田中;アセトアニリド類のigC NMRスペクトル 30r

 3。3 1SC NMR化学シフトと物理定数との関係

 3.3.118C NMR化学シフトと全躍子密度

 (1):測定しプヒ11種のアセトアニリド誘導体の18C化学シフ

トを表3に,また,CNDO/2法による電子密度の計算結果を図2

に示した◎

 分子の座標計算において,アミド基と環とのなす二面体角を

38eとした場合と18。として計算したときとで電子密度にどの程

度の差異を与えるかを調べるためにアセトアニリドについて計算

を行なった◎その結果,カルボニル炭素で+O・ OO1,環炭素では

土0.010以下であり,電子1個あたりの化学シフトへの寄与を

160PPmとした場合,0.16 PPm以下でこれは無視しうる程度で

あることがわかった◎

 (2);o一,m一およびか置換アセトアニリド類の5〆炭素のISC

化学シフトと電子密度との関係をそれぞれ図3~5に示した。

 図からわかるように化学シフトと電子密度との対応はメタおよ

びパラ置換体では比較的よいが,オルト置換体ではかなりのバラ

ツキがみられる。これは,アセトアミド基と隣接する置換基との

相互作用,たとえばメチル置換体ではメチル基との立体反発によ

ると思われる◎このことは,メチル基炭素の化学シフトがメタお

よびパラ置換体にくらべて約3ppm高磁場シフトしていること

   Table 3 iSC NMR chemical shifts fer acetanilides in 10 mel% dimethylsulfoxide solution”>

Compound C-1 C一一2 CB C-4 C一一5 C-6 C-7 C-8 C-9AAe-NAA

m-NAAかNAAo-MAA獅一MAA

かMAAo-HAA携一HAA

かHAAかAAA

52. 8

61, 1

51. 8

46, 5

55, 3

52. 7

55, 3

66, 0

51. 8

61. 4

63, 7

73, 6

49, 7

79. 8

74, 2

60. 2

72. 9

73, 6

43, 7

86. 6

71. 4

71. 2

63. 9

67, 5

44. 0

67, 9

61. 8

54, 3

63. 4

76. 4

34. 0

77. 6

78. 5

の Chemical shifts in ppm fr◎m CS2.

69. 6

67. 3

75. 3

50. 2

66. 2

68. 9

60. 5

67, 6

82. 9

38. 4

47. 1

 3 2

4

63. 9

58. 3

62, 6

67v 9

66. 2

64. 0

63. 4

73. 4

63. 0

77. 6

78. 5

曾NH乙.9 H3

 9

73. 6

67. 8

67. 8

74, 2

67. 0

76. 3

73. 6

69, 9

82. 6

71. 4

71. 2

22. 8

22. 5

22. 0

21. 9

22. 5

22. 8

23. 1

21. 7

22. 6

23. 2

23. 2

169, 3

170. 3

169, 3

169, 6

170. 5

169. 9

169. 8

170. 1

169. 7

170. 2

170. 0

176. 0

172. 9

173. 4

    4甲9

s.lgo

譜黷?堰盾狽№R003

:灘:(簾

   (綴〉

    響9     1  鉱聰費/c響

      6、3醜24.q158 13. sesgCx. A(e.gg43>

  島蟹の(纒)

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     (1,0s74)

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(L。7ユ3) i1:1縞(1:識1

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4A17eX N4,e(X6(1.e278)1 1(1,e137)

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  欄ノ。\σ       6、憩37    3,鱒磁     o,98?3》4,0284

(L癖332)    (ユ餌97》.

40◎15      &9襲翼α・0147)    (鶏014》

     ゆミ   δ“99⑱

   4.0183

    璽79

     1蹴

4、oユ27

α鵬8)

4調33(1.0688)

5.17??^C×o

52617

4.e440〈1.gse2)

3seee(e.sces>

tOS82

c

aso4e assee

G25a8

0

4.eog6(Leeee>

  4豊74

糟!さ警

  3gQS3 Ess92  a(me>   4縄!1&s71e   (LOIゆ9>(asoss)

(ま雛)

{f=瀦)

Fig, 2 Tetal electron densities in acetanilide cempcuRds (by CNDO/2 MO methed)

       The figures in parenthesis denete rr-electreR densities.

Page 4: アセトアニリド類の’3C NMRスペクトル1)

398 日本化学会誌 1974 No. 3

曾⑳oaxゴU¢ e

も詣

暢鴨2αo

噸毒

婁_4αo

v 噌

.e

A

    霊。

     ム。 日 ChDO▲ ▲

 欝   ム

A

 3.600        3.700        3.800        3.900        4.◎◎0       4.10◎

        T◎tal electron densities

Fig.3 Plot of 13C che憩.ical shifts vs. total electr◎n

   densities(CNDo/2)at⑫3 carbons for o-substitu-   ted acetani1三des     、

  ●:Carbonyl, ○=1,△:2,[]:3, ①:4,

  ■:5and▲:6caゴbons, respectively.

          お           働HCOC出

   2e.o 曾 &

一x 膏 ぴ  ◎

 b 軽  一一 2e.o 甥

 態 聾碁

 名一⑩o

 v e

e

e

e

o   o

e

).

e

e

鷺覆のu

譜亀

    ム ム ▲o

。 会

 ▲o

 3.6(}O 3.700   .    3.8eO 3.9eO 4DOO 4.loo

        Total electren densities

Fig. 5 Plot ef i3C chemical shifts vs. total electren

   densities(CNDO/2)at Sp2 carbons fo:r l)一substitu.一

  ted acetanilides

  e:Carbonyl, O:1, A:2, M:3, e:4,

  一:5 and A:6 carbons, respectively.

曾⑳o&

×.一

ve o{!N’;i

も当

務幽2αo

g(S 一4ae

o

eOo

 .  3.600 3.700 3.800 3.9QO 4.000 4.IOO         Total electron densitiesf

 Fig. 4 Plot of iSC chemical shifts vs. total electron

    densities (CNDO/2) at sP2 carbons for m-sub-

    stituted acetanilides

   ●二Carbo捻y1, 0;1,△:2,[:コ:3,①;4,

   一:5 and A:6 carbens, respectively.

からもうなずける(表3参照)。ニトロ置換体におUては分子内水

素結合形成のためと思われる。また,いずれの置換体においても

置換基に対して,オルトおよびパラ位炭素の化学シフトは大きく

変化しており,電子密度の計算値に対してほぼ直線関係がある・

このことは,これらの炭素位では置換基との共鳴による電子的効

果が支配的であることを示している。

 カルポニル炭素の化学シフトはいずれの置換体においても,置

換基の変化による影響をほとんど受けず,したがってシフト差が

非常に小さい。これは,アミド基とペソゼソ環とが同一平面上に

ないため両者の間に共役が起こり難いこと,およびカルポニル炭

素と環との間に窒素原子が介在しているため置換基の影響が弱め

られるためと考えられる。

 か置換アセトアニリドにおいて,置換基を変えた場合・置換基

に対してパラ位(1一位)炭素の化学シフトと電子密度との関係を

曾ft 一s.e

xEreF

ミ》一・1e・O

’§_ユ5.o

v

    一20.e

       3.80e 3.85e f.9eO        Total electren densities

Fig. 6 The relationship between i3C chemical shifts at

  para carbons with respect to substituted greups

   and total electron densities (CNDO/2) in P-sub-

  stituted acetanilides

図6に示した。1一位炭素の化学シフトは,アミド基の窒素原子に

よる誘起効果のため,全体的にペソゼソよりも低磁場側にあるが

置換基の電子供与,電子吸引の効果を明確に反映している◇また

電子密度の計算値とも非常によい直線関係が成立する。

 o一,m一およびか置換アセトアニリドの置換基の結合している

(それぞれ,2一,3一,4一位)炭素の化学シフトと電子密度との関係

を図7に示した。いずれの置換体においても環炭素と直接結合し

ている置換基の原子がC,N,0の順にしたがって低磁場シフト

しており電気陰性度と関連している。電子密度との相関性がみら

れないことから置換基の結合した炭素においては隣接原子による

影響,すなわち誘起効果が化学シフトに関与していることを示す

ものと思われる。このことは,置換基の結合している環炭素のσ

電子密度(全電子密度からπ電子密度を差し引いた値)からも裏

Page 5: アセトアニリド類の’3C NMRスペクトル1)

臼イヒ, 1974, No.3 永田・右田・田中:アセトプニリド類のiSC NMRスペクトル 300

 建α

A)念屯

9むζヨの

聴、2

ε

o

e

一 le.e

一20.0

一 3ae

em

8

g 8

         3.35e 3.90e 3950 4.Ooo           Total electroR deftsities

Fig. 7 Plot of i3C chemical shifts at point of attach-

    ment of groups vs. total electron densities

    (CNDO/2)in o一, m一 and P-substituted acetanilides

  O:NO2, O:CH3, e:OH groups, respectively

  p:P一, m:m一, o:o-Substituents

Table 4 d-Electron densities (CNDO/2) at carben of

      attachment ef substituted greups for acetani-

      lide derivatives

                     Positions

Substituents .一一一一 “            orthe meta para

 ξ≡

αα

x念ぴ

もζヨの

罵、9

ε

o』o

IOP

一一一撃?Ce

一 20.e

一一@30.G

          2.0, 2.5 3.0 3.5              ElectroRegativity

Fig. 8 Plet ef iSC chemical shifts at peint ef attach-

    ment ef groups vs. electrenegativities in e一, m-

    and’ P-substituted acetanilides

      O:o一, e:m一, e:p-Substituents

      A : Moncsubstituted benzenes

HC H,

NH,

NO2

0H

付けられる(表4)。

 3. 4

2. 9913

2. 9900

2. 8869

2. 8777

2. 9984

2. 9925

2. 8996

2. 8684

2. 9865

2. 9825

2; 9114

2. 8800

2. 8723

     13C化学シフトと電気陰性度

 0一, m一一およびP一置換アセトアニリドについて,置換基の結合

している炭素の化学シフトと環炭素に直接結合している置換基の

原子の電気陰性度との関係を図8に示した◎

 メタおよびパラ置換体についてみると,両者の間によい直線関

係がみられ,一置換ベンゼンのそれとくらべて勾配もほとんど同

じである。しかるに,オルト置換体では直線関係は成立しない。

これは隣接するアミド基との立体反発や水素結合形成による影響

のためであると考えられる◎

 笈3C化学シフトと置換基そのものの電気陰性度との関係につい

ては,ベンジル誘導体のメチレン炭素の化学シフトとメチレン基

に直接結合している置換基の電気陰性度との間に直線関係がある

ことが見いだされているIS)。しかしながら,アセトアニリドなど

ベンゼン誘導体の環炭素においては置換基自体の電気陰性度と化

学シフトとの間には直線関係は成立しないことがわかった。

 終りに,本研究を行な:うにあたりCNDO12法のプPtグラムを

提供され,いろいろ御教示いただいた国立がんセンター研究所,

今村 詮博士に感謝します。CNDO/2法による計算は東京大学大

型計算機センターHITAC 5020 Eを使用した◎

     (1973年4月,日本化学会第28春季年会発表)

13) L.Zetta, G. Gatti, Org. Mgg. Resexance, 4, 585(1972).

iSC Nuclear Magnetic Resonance of Some Acetanilidest

    Chikakiyo NAGATA*, Kazuhisa lsHiDA* and Shigeyuki TANAKA**

*D{?Pαγtment《;ゾlndμS〃毎Z C加甥言s〃ツ, Shibaura institute qプTeごhnology;

.ルE伽ato-ku, To leyo 108 /aPan

** Department of lndustrial Chemistry, Faculty of Engineering, University of Tekye;

Bun海yo-kku, To海yo  113  ノ⑫ax

igC NMR spectra were measured for elevendimethylsulfoxide solution and the electron densitie$ for th

means of CNDO/2 MO method. The ’3C chemi¢al shifts for

compounds are in parallel with the electron densitie$ qt the positions (Figs. 4 and s)

other hand, for the o-substituted compounds, the

sidered to be due to the effect of steric ¢ompression

between the amide and the substituents・

 Changes in chemical shifts for the carbonyl ¢arbons due to the alternation of substitueRt in

benzene ring are extremely small (belew 1・5ppm)} and this result is in good agreement with

mono-substituted acetanilides in 10 mol 9“5e

      ese compounds were calculated by

       sp2 carbons in m一 and p-substituted

                          . On the

correlation’ is not so good and it is con・・

 ion or intramolecular hydrogen bonding

Page 6: アセトアニリド類の’3C NMRスペクトル1)

400 日 本 化 学 会 誌 1974 No. 3

the total electron den.sities obtained by CNDO/2 calculati◎n.

  Inメ》一substituted acetanilides, the linear relationship between the chemical shifts of lsC at                                                                            じthe para position with respect to substituted group and the total electron denslties are observed

(Fig.6)。 While the chemical shifts and theπ一electron densities as not correlate td→each other.

  ユ3C chemical shifts at the carbon to which the substituent attaches in m-a玲d一かsubstituted

acetanilides, are correlated well with Pauling’s electr◎negativity◎f the atom bonded directly

to the ri:ng carbon, and it is in agreement with the behavi◎r in mono-substituted benze捻es

(Fig.8).

t Nuclear Magnetic Resonance of Anilides. 1.

“v“v’vdivvv’v“’vsv’v”