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3. 1次系の時間応答 ¦ 制御系CAD
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3. 1次系の時間応答
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3.1 準備●1次自由系を表す微分方程式
の解は
と表されます。これが解であることは元の微分方程式に代入すればすぐに確かめられ、また次のようにして導くことができます。
●元の微分方程式を
と書いて、左から積分因数と呼ばれる をかけると
投稿日時: 2015/10/14 ← 前へ
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すなわち
したがって、 を定数として
ここで、 とおくと は初期値 に等しいので
と表されます。
●それでは、1次系の状態方程式
の解を求めてみます。上と同様にして
までは問題ないと思います。これを から まで積分して
すなわち
したがって
ここで、 を に、 を と置き換えれば
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が得られます。
3.2 1次系の漸近安定性●1次系の状態方程式
を考えます。いま、平衡状態( )にある場合は入力は零である( )ことに注意してください。そうしますと
だけが残り、この解は
となります。これから
を得ます。1次系は のとき漸近安定、 のとき不安定と言います。
●実際、時刻 において平衡状態( )が乱され になったとし、について を求めてみると次のグラフが得られます。
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3.2 1次系の時間応答●次の1入力1出力1次系の状態空間表現を考えます。
これから、1次系の時間応答の表現式
を得ます。ここで、インパルス応答
を定義しますと、上式は
すなわち、1次系の時間応答は、零入力応答(第1項)と零状態応答(第2項)の和でとなります。
●実際、 について を求めてみると次のグラフが得られます。
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●以下では、特別な3種類の入力(ステップ入力、インパルス入力、正弦波入力)に対する零状態応答(ステップ応答、インパルス応答、正弦波応答)を考え、これらの相互関係を調べます。
まず、零状態応答は次のように書けることに注意してください。
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これからステップ応答は とおいて、次式のようにインパルス応答を積分して得られます。
逆に、ステップ応答を微分するとインパルス応答が得られます。
●次の図を見てください。
左図において としたものがステップ入力です。すなわち
右図は を表していますが、 としたものがインパルス入力です。
1次系の状態方程式を微分すると
を得ます。これは、1次系に入力 を与えた場合の応答は であることを示しています。すなわちステップ応答を微分するとインパルス応答が得られることがわかります。
●一般に、「システムを知る」ということは「どんな入力を与えられても出力を推測できる」ことを
意味します。したがって、平衡状態( )にある場合、インパルス応答さえ分かれば、畳み込み積分を行って出力(零状態応答)が計算できます。この意味で、インパルス応答は重要なので
す。また、インパルス応答自体の計算は、 としたときの零入力応答を求めて行います。ステップ応答が分かれば、これを微分してインパルス応答が分かります。また、インパルス応答をラプラス変換したものが、正弦波応答と密接に関係しています。このことはあとで詳しく述べます。
3.3 1次系の時定数●漸近安定な1次自由系を次のようにパラメータライズします。
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この解は
ですから、 のときは
となります。また、 での接線は
ですから、 となります。この は時定数と呼ばれ、平衡状態に復帰する時間は大体 であることを表します。これは初期値の36.7%まで復帰する時間、または初期速度で復帰した場合の時間(初期時刻における接線が0と交わる時刻)として特徴付けられます。
●実際、時刻 において平衡状態 が乱され になったとし、 について を求めてみると次のグラフが得られます。
●次のようにパラメータライズされた漸近安定な1次系を考えます。
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この解は次式で与えられます。
この1次系が表す制御対象は平衡状態( )にあるとして、初期時刻において単位入力()を与えたとします。このときの解 をステップ応答と言います。
すなわちステップ応答は次式で表されます。
ここで、 のときは
となります。また、 での接線は
ですから、 となります。この時定数 は最終値 に到達する時間は大体 であることを表します。これは、最終値 の63.2%まで到達する時間、または初期速度で到達した場合の時間(初期時刻における接線が と交わる時刻)として特徴付けられます。
●実際、 について、ステップ応答 を求めてみると次のグラフが得られます。
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3.4 周波数応答●1次系の状態方程式
と正弦波入力
を考えます。このとき、公式
を用いて、周波数応答が次のように得られます。
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●次のようにパラメータライズされた漸近安定な1次系を考えます。
このとき周波数応答は
ここで、 とすると
これは、入力が正弦波のときは、時間が十分立てば、出力も正弦波となることを示しています。その
振幅と位相はそれぞれ の絶対値と偏角となっています。
●いま、1次系の状態方程式をラプラス変換すると
この を伝達関数、 をゲイン、 を位相と呼びます。このゲイン線図と位相線図をペアにして片対数グラフにプロットしたものをボード線図と呼びます。ゲインはdb値(
)、位相はdeg値( )です。
●実際、 について、ボード線図を描いてみると次のグラフが得られます
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●ちなみに
を満足する は
となり、帯域幅と呼びます。実際、上図で-3dBの水平線との交点が であることが確かめされます。
A3-1 ラプラス変換
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A3-2 db値
カテゴリー: 制御入門, 授業レジュメ 作成者: admin パーマリンク