2d 化 学...2d 化 学 (解答番号 1 〜 35 )...

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2D 化 学 解答番号 1 35 原子量および定数は、次の通りとする。また、同一の問中で解答に複数回同じ選択肢が必要なときには、 同じ選択肢を何回選んでも良い。 H = 1. 0 C = 12 N = 14 O = 16 Na = 23 Mg = 24 Al = 27 S = 32 Cl = 36 K = 39 Ca = 40 Cu = 64 Zn = 65 アボガドロ定数 NA = 6. 0 × 10 23 /mol、気体定数 R = 8. 3 × 10 3 Pa・L/ (K・mol)、 ファラデー定数 F = 9. 65 × 10 4 C/mol 次の問1 問2 に答えよ。 問1 次の文中の 1 10 にあてはまるものとして、もっとも適当なものをそれぞれの選択肢の うちから一つ選べ。 プラスチックは安価であり成型や加工が容易であるため、私たちの生活を支える多くの製品に利用さ れている。例えば、ペットボトルでは、キャップが 1 で、本体が 2 である。このほか、プ ラスチックには、チューインガムや木工用ボンドに用いられる 3 、コンパクトディスクの素材と して知られる 4 、原料に熱を加えて成形し、固まった後に加熱しても軟らかくならない 5 などがある。プラスチックは繊維としても利用され、 6 から 7 繊維がつくられる。また、 合成繊維として、耐摩耗性に優れ、天然繊維より軽く木綿に似た触感をもつ 8 、柔軟で軽く、羊 毛に似た肌触りをもち、保湿性に優れる 9 や、石炭から得られるヘキサメチレンジアミンとアジ ピン酸から合成される 10 などが開発されている。 1 6 の選択肢] ポリ酢酸ビニル  ② メラミン樹脂  ③ ポリプロピレン  ④ ポリカーボネート ポリスチレン ポリエチレンテレフタラート 7 10 の選択肢] ビニロン ポリエステル  ③ ナイロン アクリル レーヨン アセテート (2D ― 1) 2月7日

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2D 化 学

(解答番号 1 〜 35 )

 原子量および定数は、次の通りとする。また、同一の問中で解答に複数回同じ選択肢が必要なときには、

同じ選択肢を何回選んでも良い。

H= 1. 0 C = 12 N = 14 O = 16 Na = 23 Mg = 24 Al = 27 S = 32

Cl = 36 K = 39 Ca = 40 Cu = 64 Zn = 65

アボガドロ定数NA= 6. 0 × 1023/mol、気体定数R= 8. 3 × 103Pa・L/(K・mol)、

ファラデー定数F= 9. 65 × 104C/mol

Ⅰ 次の問 1〜問 2に答えよ。

問 1 次の文中の 1 〜 10 にあてはまるものとして、もっとも適当なものをそれぞれの選択肢の

うちから一つ選べ。

 プラスチックは安価であり成型や加工が容易であるため、私たちの生活を支える多くの製品に利用さ

れている。例えば、ペットボトルでは、キャップが 1 で、本体が 2 である。このほか、プ

ラスチックには、チューインガムや木工用ボンドに用いられる 3 、コンパクトディスクの素材と

して知られる 4 、原料に熱を加えて成形し、固まった後に加熱しても軟らかくならない 5

などがある。プラスチックは繊維としても利用され、 6 から 7 繊維がつくられる。また、

合成繊維として、耐摩耗性に優れ、天然繊維より軽く木綿に似た触感をもつ 8 、柔軟で軽く、羊

毛に似た肌触りをもち、保湿性に優れる 9 や、石炭から得られるヘキサメチレンジアミンとアジ

ピン酸から合成される 10 などが開発されている。

[ 1 〜 6 の選択肢]

① ポリ酢酸ビニル  ② メラミン樹脂  ③ ポリプロピレン  ④ ポリカーボネート

⑤ ポリスチレン ⑥ ポリエチレンテレフタラート

[ 7 〜 10 の選択肢]

① ビニロン ② ポリエステル  ③ ナイロン ④ アクリル

⑤ レーヨン ⑥ アセテート

(2D―1)

2 月 7 日

問 2 プラスチックに関する次の記述(a)〜(c)についての正誤の組み合わせとして、もっとも適当なもの

を次の①〜⑧のうちから一つ選べ。 11

(a)ポリエチレンは、エチレン分子が縮合重合することによって生じる。

(b)生分解性プラスチックの原料として、植物のデンプンに由来するポリ乳酸を用いることができる。

(c)ケミカルリサイクルはプラスチックを融かして、もう一度成型して用いる手法である。

① (a):正 (b):正 (c):正  ② (a):正 (b):正 (c):誤

③ (a):正 (b):誤 (c):正  ④ (a):正 (b):誤 (c):誤

⑤ (a):誤 (b):正 (c):正  ⑥ (a):誤 (b):正 (c):誤

⑦ (a):誤 (b):誤 (c):正  ⑧ (a):誤 (b):誤 (c):誤

(2D―2)

(次の頁にも設問があります)

― 18 ―

Ⅱ 次の文を読み、問 1〜問 7に答えよ。

 一般に原子核は 12 と 13 からできており、元素の種類は 12 の数によって一義的に決まる。

一方、同じ元素の中には 13 の数が異なるものが存在し、これらを互いに同位体と呼ぶ。同位体の中で、

原子核が不安定なため、その組成がひとりでに変化し、他の原子に変わるものを放射性同位体と呼び、この

ような原子核の変化を壊変と呼ぶ。壊変にはその変化の仕方によっていくつかの種類があり、それに伴って

異なる放射線が放出される。

 我々の身近に比較的多く存在する放射性同位体であるウラン 23892U はα壊変と呼ばれる様式で壊変し、そ

れによって原子番号が 2、質量数が 4小さいトリウム 23490Th へと変化する。続いて 234

90Th はβ壊変と呼ばれ

る様式で壊変し、それによって原子番号が 1大きくなり、質量数は変わらないプロトアクチニウム 23491Pa へ

と変化する。23892U はα壊変を 14 回とβ壊変を 15 回経ることで、最終的にもうそれ以上壊変をし

ない鉛 20682Pb となる。

23892U を出発点とするこの流れの途中で生じる放射性同位体にラジウム 226

88Ra がある。22688Ra は原子番号 88、

元素の周期表において(ア)

2 族に属する元素であり、同じ族には元素aなどが含まれる。22688Ra がα壊変し

て生じる元素は、元素の周期表の(イ)

16 族に属する元素であり、同じ族には元素bなどが含まれる。

問 1 文中の 12 、 13 にあてはまる粒子の名称として、もっとも適当なものを次の ①〜③ のう

ちからそれぞれ一つ選べ。

① 陽子  ② 電子  ③ 中性子

問 2 文中の 14 、 15 にあてはまる数として、もっとも適当なものを次の ①〜⑩ のうちからそ

れぞれ一つ選べ。

①  1  ②  2  ③  3  ④  4  ⑤  5

⑥  6  ⑦  7  ⑧  8  ⑨  9  ⑩  0

問 3 文中の 16 にあてはまる数として、もっとも適当なものを次の ①〜⑩ のうちから一つ選べ。

①  1  ②  2  ③  8  ④ 11  ⑤ 13

⑥ 14  ⑦ 15  ⑧ 16  ⑨ 17  ⑩ 18

問 4 文中の元素a、元素bにあてはまる元素として、もっとも適当なものを次の ①〜⑩ のうちからそれ

ぞれ一つ選べ。

元素a: 17   元素b: 18

① Na  ② Cu  ③ Ca  ④ C  ⑤ N

⑥ Ar  ⑦ Cl  ⑧ O  ⑨ B  ⑩ Fe

(2D― 3)

Ⅱ 次の文を読み、問 1〜問 7に答えよ。

 一般に原子核は 12 と 13 からできており、元素の種類は 12 の数によって一義的に決まる。

一方、同じ元素の中には 13 の数が異なるものが存在し、これらを互いに同位体と呼ぶ。同位体の中で、

原子核が不安定なため、その組成がひとりでに変化し、他の原子に変わるものを放射性同位体と呼び、この

ような原子核の変化を壊変と呼ぶ。壊変にはその変化の仕方によっていくつかの種類があり、それに伴って

異なる放射線が放出される。

 我々の身近に比較的多く存在する放射性同位体であるウラン23892Uはα壊変と呼ばれる様式で壊変し、そ

れによって原子番号が 2、質量数が 4小さいトリウム23490Thへと変化する。続いて23490Thはβ壊変と呼ばれ

る様式で壊変し、それによって原子番号が 1大きくなり、質量数は変わらないプロトアクチニウム23491Paへ

と変化する。23892Uはα壊変を 14 回とβ壊変を 15 回経ることで、最終的にもうそれ以上壊変をし

ない鉛20682Pbとなる。

 23892Uを出発点とするこの流れの途中で生じる放射性同位体にラジウム22688Raがある。226

88Raは原子番号88、

元素の周期表において(ア)

2 族に属する元素であり、同じ族には元素aなどが含まれる。22688Raがα壊変し

て生じる元素は、元素の周期表の(イ)

16 族に属する元素であり、同じ族には元素bなどが含まれる。

問 1 文中の 12 、 13 にあてはまる粒子の名称として、もっとも適当なものを次の①〜③のう

ちからそれぞれ一つ選べ。

① 陽子  ② 電子  ③ 中性子

問 2 文中の 14 、 15 にあてはまる数として、もっとも適当なものを次の①〜⑩のうちからそ

れぞれ一つ選べ。

① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5

⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⑩ 0

問 3 文中の 16 にあてはまる数として、もっとも適当なものを次の①〜⑩のうちから一つ選べ。

① 1 ② 2 ③ 8 ④ 11  ⑤ 13

⑥ 14  ⑦ 15  ⑧ 16  ⑨ 17  ⑩ 18

問 4 文中の元素a、元素bにあてはまる元素として、もっとも適当なものを次の①〜⑩のうちからそれ

ぞれ一つ選べ。

元素a: 17   元素b: 18

① Na  ② Cu  ③ Ca  ④ C  ⑤ N

⑥ Ar  ⑦ Cl ⑧ O ⑨ B  ⑩ Fe

(2D―3)

問 5 下線部(ア)の中で第 4〜第 7周期に入る元素の呼称として、もっとも適当なものを次の①〜⑧のう

ちから一つ選べ。 19

① アルカリ金属元素 ② アルカリ土類金属元素  ③ ハロゲン元素

④ 希ガス(貴ガス)元素  ⑤ 典型元素 ⑥ 遷移元素

⑦ 金属元素 ⑧ 非金属元素

問 6 下線部(イ)の元素の呼称として、もっとも適当なものを次の①〜⑧のうちから一つ選べ 20

① アルカリ金属元素 ② アルカリ土類金属元素  ③ ハロゲン元素

④ 希ガス(貴ガス)元素  ⑤ 典型元素 ⑥ 遷移元素

⑦ 金属元素 ⑧ 非金属元素

問 7 下線部(イ)の元素の一般的な特徴に関する次の記述(a)〜(h)についての正しい組み合わせとして、

もっとも適当なものを次の①〜⑩のうちから一つ選べ。 21

(a) 他の原子と結合しにくく、単原子分子として存在する。

(b) 常温で液体として存在する。

(c) 単体は主に二原子分子として存在する。

(d) 常温で気体として存在する。

(e) 塩酸に入れると、水素を発生する。

(f) 二価の陽イオンになりやすい。

(g) 密度が水よりも小さい金属を含む。

(h) 水素との化合物は水によく溶け、強い酸性を示す。

① (a)と(b)  ② (a)と(d)  ③ (b)と(c)  ④ (c)と(d)

⑤ (d)と(h)  ⑥ (e)と(f)  ⑦ (f)と(g)  ⑧ (c)と(h)

⑨ (e)と(g)  ⑩ (g)と(h)

(2D―4)

(次の頁にも設問があります)

― 20 ―

Ⅲ 次の文を読み、問 1〜問 6に答えよ。

 下図のように槽Ⅰ、ⅡおよびⅢを電極A〜FおよびスイッチSを介して直列に接続し、1. 013 × 105 Pa、

27℃で[実験 1]および[実験 2]を実施した。各電極の材質は、A(炭素)、B(白金)、C(白金)、D(白

金)、E(炭素・リチウム化合物)およびF(コバルト酸リチウム)である。

A B

ヨウ化カリウム水溶液

槽Ⅰ

硫酸銅(Ⅱ)水溶液

槽Ⅱ

E F

リチウム塩・エチレンカーボネート溶媒

槽Ⅲ

[実験 1]

 スイッチSを ON にして回路を閉じたところ、しばらくして電極A付近の水溶液が黄褐色に変色した。

その後、実験開始から 30 分が経過した時点で、スイッチSを OFF にした。

[実験 2]

 電極CおよびDを銅板電極に交換し、[実験 1]と同様の実験を改めて実施した。

問 1 [実験 1]において電極Dの質量が実験開始時よりも 0. 96 g 増加していた。この回路に流れた電気量

はおよそ何Cか。もっとも適当なものを次の ①〜⑦ のうちから一つ選べ。 22

① 960 C   ② 1900 C  ③ 2900 C  ④ 3960 C

⑤ 4800 C  ⑥ 5800 C  ⑦ 6800 C

問 2 [実験 1]においてこの回路に流れた電流はおよそ何Aか。もっとも適当なものを次の ①〜⑦ のう

ちから一つ選べ。 23

① 0. 50 A  ② 1. 1 A  ③ 1. 6 A  ④ 2. 1 A  ⑤ 2. 7 A  ⑥ 3. 2 A  ⑦ 3. 8 A

問 3 [実験 1]で酸素の発生が認められた電極として、もっとも適当なものを次の ①〜⑥ のうちから一

つ選べ。 24

① 電極A  ② 電極B  ③ 電極C  ④ 電極D  ⑤ 電極E  ⑥ 電極F

(2D― 5)

Ⅲ 次の文を読み、問 1〜問 6に答えよ。

 下図のように槽Ⅰ、ⅡおよびⅢを電極A〜FおよびスイッチSを介して直列に接続し、1. 013 × 105Pa、

27℃で[実験 1]および[実験 2]を実施した。各電極の材質は、A(炭素)、B(白金)、C(白金)、D(白

金)、E(炭素・リチウム化合物)およびF(コバルト酸リチウム)である。

A B

ヨウ化カリウム水溶液

槽Ⅰ

硫酸銅(Ⅱ)水溶液

槽Ⅱ

E F

リチウム塩・エチレンカーボネート溶媒

槽Ⅲ

[実験 1]

スイッチSをONにして回路を閉じたところ、しばらくして電極A付近の水溶液が黄褐色に変色した。

その後、実験開始から30分が経過した時点で、スイッチSをOFFにした。

[実験 2]

 電極CおよびDを銅板電極に交換し、[実験 1]と同様の実験を改めて実施した。

問 1 [実験 1]において電極Dの質量が実験開始時よりも0. 96g増加していた。この回路に流れた電気量

はおよそ何Cか。もっとも適当なものを次の①〜⑦のうちから一つ選べ。 22

① 960C ② 1900C  ③ 2900C  ④ 3960C

⑤ 4800C  ⑥ 5800C  ⑦ 6800C

問 2 [実験 1]においてこの回路に流れた電流はおよそ何Aか。もっとも適当なものを次の①〜⑦のう

ちから一つ選べ。 23

① 0. 50A  ② 1. 1A  ③ 1. 6A  ④ 2. 1A  ⑤ 2. 7A  ⑥ 3. 2A  ⑦ 3. 8A

問 3 [実験 1]で酸素の発生が認められた電極として、もっとも適当なものを次の①〜⑥のうちから一

つ選べ。 24

① 電極A  ② 電極B  ③ 電極C  ④ 電極D  ⑤ 電極E  ⑥ 電極F

(2D―5)

問 4 問 3における酸素発生量は文中の条件でおよそ何Lか。もっとも適当なものを次の①〜⑩のうちか

ら一つ選べ。 25

① 0. 04L  ② 0. 06L  ③ 0. 08L  ④ 0. 10L  ⑤ 0. 12L

⑥ 0. 14L  ⑦ 0. 16L  ⑧ 0. 18L  ⑨ 0. 20L  ⑩ 0. 22L

問 5 [実験 1]で水素の発生が認められる電極として、もっとも適当なものを次の①〜⑦のうちから一

つ選べ。ただし、水素が発生する電極がない場合は⑦を選べ。 26

① 電極A  ② 電極B  ③ 電極C  ④ 電極D

⑤ 電極E  ⑥ 電極F  ⑦ なし

問 6 [実験 2]における電極Cおよび電極Dの付近の状態の説明として、もっとも適当なものを次の①〜⑤

のうちからそれぞれ一つ選べ。

電極C: 27   電極D: 28

① 水素が発生  ② 酸素が発生  ③ 銅板電極が溶解  ④ 銅が析出

⑤ 電子の移動のみで見掛け上の変化なし

(2D―6)

(次の頁にも設問があります)

― 22 ―

Ⅳ 次の問 1〜問 4に答えよ。

問 1 次の化合物A〜Fを沸点の高い順に並べたとき、 3 番目となる化合物はどれか。もっとも適当なもの

を次の ①〜⑥ のうちから一つ選べ。 29

A CH3CH2CH2CH3 B CH3CH2CH2CH2CH3 C CH3CH2CH2CH2OH

CH3

HO C CH3

CH3

E CH3CH2OCH2CH3 F CH3CH2COOH

① 化合物A  ② 化合物B  ③ 化合物C  ④ 化合物D

⑤ 化合物E  ⑥ 化合物F

問 2 問 1の化合物A〜Fに関する次の記述(a)〜(f)について、内容の正しいものはいくつあるか。もっ

とも適当なものを次の ①〜⑦ のうちから一つ選べ。ただし、正しいものがない場合は ⑦ を選べ。

30

(a)化合物Aは、構造異性体をもちうる分子量が最小の飽和鎖式炭化水素である。

(b)化合物Bの構造異性体の中には光学異性体をもつものがある。

(c)化合物Cは、アルキル基部分が比較的短いため水と任意の割合で混和できる。

(d)化合物Dは炭素数が最小の第三級アルコールである。

(e)化合物Eは、エタノールを濃硫酸存在下、160℃で加熱して主に得られる化合物である。

(f)化合物Fはヨードホルム反応を示さない。

①  1  ②  2  ③  3  ④  4  ⑤  5  ⑥  6  ⑦  0

問 3 バニラの香り成分であるバニリンは、ベンゼン環を持つ分子量152の化合物である。また、ベンゼン

環上には 3つの置換基があり、置換基同士の場所を入れ替えることで 6つの異性体(バニリンを含む)

を考えることができる。バニリンにおいては、各置換基の大きさを、そこに含まれる原子の原子量の総

和であらわしたとき、最大の置換基の一番近くには最小の置換基が存在している。またバニリンはエー

テル結合を持つとともに銀鏡反応を示す化合物で、植物内では糖とグリコシド結合を形成して存在して

いる。バニリン構造中のベンゼン環と置換場所を下図のようにあらわし、最大の置換基が 1の位置に結

合しているとすると、 2 番目の大きさの置換基はどの位置に結合しているか。また、その置換基に含ま

れる原子の原子量の総和はいくつか。もっとも適当なものをそれぞれの選択肢のう

ちから一つ選べ。ただし、置換基はその位置を示す 3つの数字の和が最小となるよ

うに配置するものとする。

[置換位置 31 の選択肢]

①  2  ②  3  ③  4  ④  5  ⑤  6

[原子量の和 32 の選択肢]

① 15  ② 16  ③ 17  ④ 27  ⑤ 29  ⑥ 31

(2D― 7)

1

4

2

3

6

5

Ⅳ 次の問 1〜問 4に答えよ。

問 1 次の化合物A〜Fを沸点の高い順に並べたとき、 3 番目となる化合物はどれか。もっとも適当なもの

を次の①〜⑥のうちから一つ選べ。 29

A CH3CH2CH2CH3  B CH3CH2CH2CH2CH3  C CH3CH2CH2CH2OH

D 

CH3

HO C CH3

CH3

  E CH3CH2OCH2CH3   F CH3CH2COOH

① 化合物A  ② 化合物B  ③ 化合物C  ④ 化合物D

⑤ 化合物E  ⑥ 化合物F

問 2 問 1の化合物A〜Fに関する次の記述(a)〜(f)について、内容の正しいものはいくつあるか。もっ

とも適当なものを次の①〜⑦のうちから一つ選べ。ただし、正しいものがない場合は⑦を選べ。

30

(a)化合物Aは、構造異性体をもちうる分子量が最小の飽和鎖式炭化水素である。

(b)化合物Bの構造異性体の中には光学異性体をもつものがある。

(c)化合物Cは、アルキル基部分が比較的短いため水と任意の割合で混和できる。

(d)化合物Dは炭素数が最小の第三級アルコールである。

(e)化合物Eは、エタノールを濃硫酸存在下、160℃で加熱して主に得られる化合物である。

(f)化合物Fはヨードホルム反応を示さない。

① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6 ⑦ 0

問 3 バニラの香り成分であるバニリンは、ベンゼン環を持つ分子量152の化合物である。また、ベンゼン

環上には 3つの置換基があり、置換基同士の場所を入れ替えることで 6つの異性体(バニリンを含む)

を考えることができる。バニリンにおいては、各置換基の大きさを、そこに含まれる原子の原子量の総

和であらわしたとき、最大の置換基の一番近くには最小の置換基が存在している。またバニリンはエー

テル結合を持つとともに銀鏡反応を示す化合物で、植物内では糖とグリコシド結合を形成して存在して

いる。バニリン構造中のベンゼン環と置換場所を下図のようにあらわし、最大の置換基が 1の位置に結

合しているとすると、 2 番目の大きさの置換基はどの位置に結合しているか。また、その置換基に含ま

れる原子の原子量の総和はいくつか。もっとも適当なものをそれぞれの選択肢のう

ちから一つ選べ。ただし、置換基はその位置を示す 3つの数字の和が最小となるよ

うに配置するものとする。

[置換位置 31 の選択肢]

① 2 ② 3 ③ 4 ④ 5 ⑤ 6

[原子量の和 32 の選択肢]

① 15  ② 16  ③ 17  ④ 27  ⑤ 29  ⑥ 31

(2D―7)

1

4

2

3

6

5

問 4 次の文中の 33 〜 35 にあてはまる数値として、もっとも適当なものを次の①〜⑩のうち

からそれぞれ一つ選べ。

 香水の成分などに使われるテルピネロールには、次に示すような 5つの構造異性体(a)〜(e)が知ら

れており、いずれも210〜220℃程度の沸点を持つ。これらの中で立体異性体を持つものは 33 個

あり、構造異性体(a)〜(e)にはそれ自体も含めて全部で 34 個の立体異性体が存在することにな

る。また、構造異性体(a)〜(e)でそれぞれ分子内脱水反応を行うと、主要生成物として同じ構造のも

のが 35 個得られる。

(a) CH3

C CH3H3C

OH

(b) OHH3C

C CH2H3C

(c) OHH3C

C CH3H3C

(d) CH2

C CH3H3C

OH

(e) CH3

CH

OHH3C

CH3

① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5

⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⑩ 10

(2D―8) ― 18 ―

3D 化 学

(解答番号 1 〜 31 )

 原子量および定数は、次の通りとする。また、同一の問中で解答に複数回同じ選択肢が必要なときには、

同じ選択肢を何回選んでも良い。

H= 1. 0 C = 12 N = 14 O = 16 Na = 23 Mg = 24 Al = 27 S = 32

Cl = 36 K = 39 Ca = 40 Cu = 64 Zn = 65

アボガドロ定数 NA= 6. 0 × 1023/mol、気体定数 R= 8. 3 × 103 Pa・L/(K・mol)、

ファラデー定数 F= 9. 65 × 104 C/mol

Ⅰ 実験室で次の実験 1〜 7を行い気体A〜Gを得た。問 1〜問 5に答えよ。ただし、気体A〜Gは常温・常

圧の条件下で気体であり、発生した気体中に含まれる水蒸気は無視するものとする。

実験 1:塩化ナトリウムに濃硫酸を加え、加熱して気体Aを得た。

実験 2:亜硝酸アンモニウム水溶液を加熱して気体Bを得た。

実験 3:炭酸カルシウムに希塩酸を加えて気体Cを得た。

実験 4:塩化アンモニウムに水酸化カルシウムを混合して加熱し、発生した気体をソーダ石灰に通して気体

Dを得た。

実験 5:硫化鉄(Ⅱ)に希硫酸を加えて気体Eを得た。

実験 6:酸化マンガン(Ⅳ)に濃塩酸を加え加熱し、発生した気体を水に通じ、さらに濃硫酸に通じて気体F

を得た。

実験 7:亜鉛に希硫酸を加えて気体Gを得た。

問 1 発生した気体A〜Gを捕集する方法として、下方置換、上方置換または水上置換の捕集方法が用いら

れる。それぞれの気体で適切な捕集方法を 1つ選択した。それぞれの捕集方法に適した気体は何種類あ

るか。もっとも適当なものを次の ①〜⑦ のうちからそれぞれ一つ選べ。ただし、適している気体がな

い場合は ⑦ を選べ。

下方置換: 1   上方置換: 2   水上置換: 3

①  1種類  ②  2種類  ③  3種類  ④  4種類  

⑤  5種類  ⑥  6種類  ⑦ なし

(3D― 1)