2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[cl …2.7.6.16.1 試験方法の概略...

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2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL-0074](添付資料 5.3.3.4-62.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941 薬物動態試験 ASP1941 とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと きの薬物相互作用の検討- 治験実施医療機関:日本 1 施設 公表文献:なし 治験期間: 治験開始日:2011 6 治験終了日:2011 8 開発のフェーズ:I 目的: (1) 主要目的 ASP1941(以下,本剤)100 mg を単回投与したときの本剤の未変化体の薬物動態に及ぼすミチ グリニド 10 mg 1 3 回投与の影響を検討する。 ・ミチグリニド 10 mg を単回投与したときのミチグリニド未変化体の薬物動態に及ぼす本剤 100 mg 1 1 回投与の影響を検討する。 (2) 副次目的 ・本剤とミチグリニドを併用投与したときの安全性について検討する。 ・本剤 100 mg を単回投与したときの本剤の代謝物(M1M4M6)の薬物動態に及ぼすミチグ リニド 10 mg 1 3 回投与の影響を検討する。 治験デザイン・治験方法: 本試験は,非高齢健康成人男性を対象とした単一施設,非盲検,無作為化,クロスオーバー試験 として実施した。 本試験は,本剤の未変化体及び代謝物の薬物動態に及ぼすミチグリニドの影響を検討するパート 1 と,ミチグリニド未変化体の薬物動態に及ぼす本剤の影響を検討するパート 2 から構成された。 更にパート 1 は,本剤単回投与/ミチグリニド反復投与群及びミチグリニド反復投与/本剤単回 投与群,パート 2 はミチグリニド単回投与/本剤反復投与群及び本剤反復投与/ミチグリニド単 回投与群からなる。各群には,それぞれ異なる被験者を組み入れ,非盲検クロスオーバー上乗せ 試験として実施した。パート 1,パート 2 ともに被験者を無作為に割り付けた。 目標被験者数:60 例(各群 15 例) 【設定根拠】 これまで実施した本剤の試験の結果より,本剤の C max の個体内変動を CV 値で 25%程度と想定し, 本剤単独投与時に対する本剤とミチグリニド併用投与時の本剤の幾何平均比を 0.95 と仮定して, 幾何平均比の 90%信頼区間が 80%の検出力で 0.81.25 の範囲内に入るための必要最小総被験者 数を算出した結果,28 例と算出された。この例数に脱落・中止例の生じる可能性を考慮して,本 剤(未変化体及び代謝物)の薬物動態に及ぼすミチグリニドの影響の検討(パート 1)における 目標被験者数を 30 例と設定した。ミチグリニド未変化体の薬物動態に及ぼす本剤の影響の検討 (パート 2)では,ミチグリニド未変化体の薬物動態の個体内変動の情報が未知であるため,本 剤と同様の個体内変動と幾何平均比を仮定して,本剤の薬物動態に及ぼすミチグリニドの影響の 検討(パート 1)と同様に目標被験者数を 30 例に設定した。 診断及び選択・除外基準: 1.選択基準(以下の基準をすべて満たす者を対象とした) (1) 性別:男性 (2) 年齢(同意取得時):20 歳以上 45 歳未満 (3) 体重(スクリーニング検査時):50.0 kg 以上 80.0 kg 未満 375

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Page 1: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL-0074](添付資料 5.3.3.4-6)

2.7.6.16.1 試験方法の概略

治験課題名:ASP1941 薬物動態試験 -ASP1941 とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

きの薬物相互作用の検討-

治験実施医療機関:日本 1 施設

公表文献:なし

治験期間:

治験開始日:2011 年 6 月

治験終了日:2011 年 8 月

開発のフェーズ:第 I 相

目的: (1) 主要目的 ・ASP1941(以下,本剤)100 mg を単回投与したときの本剤の未変化体の薬物動態に及ぼすミチ

グリニド 10 mg 1 日 3 回投与の影響を検討する。 ・ミチグリニド 10 mg を単回投与したときのミチグリニド未変化体の薬物動態に及ぼす本剤

100 mg 1 日 1 回投与の影響を検討する。 (2) 副次目的 ・本剤とミチグリニドを併用投与したときの安全性について検討する。 ・本剤 100 mg を単回投与したときの本剤の代謝物(M1~M4,M6)の薬物動態に及ぼすミチグ

リニド 10 mg 1 日 3 回投与の影響を検討する。

治験デザイン・治験方法:

本試験は,非高齢健康成人男性を対象とした単一施設,非盲検,無作為化,クロスオーバー試験

として実施した。 本試験は,本剤の未変化体及び代謝物の薬物動態に及ぼすミチグリニドの影響を検討するパート

1 と,ミチグリニド未変化体の薬物動態に及ぼす本剤の影響を検討するパート 2 から構成された。

更にパート 1 は,本剤単回投与/ミチグリニド反復投与群及びミチグリニド反復投与/本剤単回

投与群,パート 2 はミチグリニド単回投与/本剤反復投与群及び本剤反復投与/ミチグリニド単

回投与群からなる。各群には,それぞれ異なる被験者を組み入れ,非盲検クロスオーバー上乗せ

試験として実施した。パート 1,パート 2 ともに被験者を無作為に割り付けた。

目標被験者数:60 例(各群 15 例)

【設定根拠】

これまで実施した本剤の試験の結果より,本剤の Cmaxの個体内変動を CV 値で 25%程度と想定し,

本剤単独投与時に対する本剤とミチグリニド併用投与時の本剤の幾何平均比を 0.95 と仮定して,

幾何平均比の 90%信頼区間が 80%の検出力で 0.8~1.25 の範囲内に入るための必要最小総被験者

数を算出した結果,28 例と算出された。この例数に脱落・中止例の生じる可能性を考慮して,本

剤(未変化体及び代謝物)の薬物動態に及ぼすミチグリニドの影響の検討(パート 1)における

目標被験者数を 30 例と設定した。ミチグリニド未変化体の薬物動態に及ぼす本剤の影響の検討

(パート 2)では,ミチグリニド未変化体の薬物動態の個体内変動の情報が未知であるため,本

剤と同様の個体内変動と幾何平均比を仮定して,本剤の薬物動態に及ぼすミチグリニドの影響の

検討(パート 1)と同様に目標被験者数を 30 例に設定した。 診断及び選択・除外基準:

1.選択基準(以下の基準をすべて満たす者を対象とした)

(1) 性別:男性 (2) 年齢(同意取得時):20 歳以上 45 歳未満 (3) 体重(スクリーニング検査時):50.0 kg 以上 80.0 kg 未満

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2.7.6 個々の試験のまとめ

(4) BMI(スクリーニング検査時):17.6 kg/m2 以上 26.4 kg/m2 未満 (5) 治験担当医師が,スクリーニング検査から投与直前までに得られた診察(自覚症状,他覚所

見),すべての検査結果から健康であると判断した者 (6) 被験者本人から文書による同意が得られている者 2.除外基準(以下の基準のいずれかに該当する者は対象から除外した)

(1) スクリーニング検査前 120 日以内に,他の治験又は製造販売後臨床試験において投薬を受け

た者 (2) スクリーニング検査前 90 日以内に 400 mL の全血採血,30 日以内に 200 mL の全血採血又は

14 日以内に成分採血を実施した者 (3) 入院日前 7 日以内に薬剤投与を受けた者又は薬剤投与の予定がある者 (4) スクリーニング検査時及び入院時(Day −1)の血圧,脈拍数,体温,12 誘導心電図において

以下の基準を逸脱する者 項目 基準範囲

臥位血圧 収縮期血圧:90 mmHg 以上,140 mmHg 以下 拡張期血圧:40 mmHg 以上,90 mmHg 以下

臥位脈拍数 40 回/分以上,99 回/分以下 腋窩体温 35.0°C 以上,37.0°C 以下

12 誘導心電図 正常あるいは臨床的に重要でない異常 (例えば,洞性不整脈,非特異的 ST 上昇等)

(5) スクリーニング検査時及び入院時(Day −1)の臨床検査において以下の基準に抵触する者 なお,各種検査の基準範囲は実施医療機関・臨床検査施設の基準範囲とする。 1)血液学的検査: ・基準範囲の上下限の±20%を逸脱する者 ただし,白血球数が基準範囲内であれば分画の個々の値は問わない。 2)血液生化学検査: ・AST,ALT,Cre,Na,K,Cl 及び(空腹時)血糖は,基準範囲を逸脱する者 ・上記以外の項目は,基準範囲の上下限の±20%を逸脱する者 ただし,下限値の逸脱が臨床的に問題はないと考えられるもの(AST,ALT,γ-GTP,T-Bil,ALP,LDH,CK,T-Cho,BUN,Cre,UA)は,下限を設定しない。 3)尿検査: ・尿中蛋白が(±)以上を認めた者 ・尿中グルコース,尿中ウロビリノーゲンが(+)以上を認めた者 4)尿中薬物検査: ・ベンゾジアゼピン類,コカイン系麻薬,覚せい剤,大麻,バルビツール酸類,モルヒネ系

麻薬,フェンシクリジン類,三環系抗うつ剤のいずれかに陽性を認めた者 5)免疫学的検査: ・HBs 抗原,HCV 抗体,HIV 抗原・抗体,梅毒のいずれかにおいて陽性を認めた者

(6) 薬物アレルギーの合併又は既往を有する者 (7) 入院前 7 日以内に上部消化器症状(悪心,嘔吐,胃痛等)を発現した者 (8) 肝疾患(ウイルス性肝炎,薬物性肝障害等)の合併又は既往を有する者 (9) 心疾患(うっ血性心不全,狭心症,治療を要する不整脈等)の合併又は既往を有する者 (10) 呼吸器疾患(重篤な気管支喘息,慢性気管支炎等)の合併又は既往を有する者(小児期の非

重篤な喘息の既往は除く) (11) 消化器系疾患(重篤な消化性潰瘍,逆流性食道炎等)の合併又は既往を有する者(虫垂炎の

既往は除く) (12) 腎疾患(急性腎不全,糸球体腎炎,間質性腎炎等)の合併又は既往を有する者(結石の既往

は除く)

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2.7.6 個々の試験のまとめ

(13) 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の合併又は既往を有する者 (14) 脳血管障害(脳梗塞等)の合併又は既往を有する者 (15) 悪性腫瘍の合併又は既往を有する者 (16) 日常的な飲酒量,喫煙量が過度である者

過度の目安;飲酒:アルコール量として平均 45 g/日以上(ビール大ビン 1 本で 25 g,日本酒

1 合で 22 g のアルコールを含有),喫煙:平均 20 本/日以上 (17) 本剤又はミチグリニドの投与歴のある者 (18) 治験依頼者,本試験に関係する CRO 又は実施医療機関に雇用されている者 (19) その他,治験担当医師により不適当と判断された者 治験薬,投与量及び投与方法:

1.被験薬及びロット番号 ASP1941 錠 50 mg:1 錠中に ASP1941 として 50 mg を含有するフィルムコート錠 ロット番号:10068H

2.併用薬及びロット番号 ミチグリニドカルシウム水和物錠 10 mg:1 錠中にミチグリニドカルシウム水和物を 10 mg 含有す

る素錠割線入り ロット番号:CDF0401,CCZ0707

3.投与量及び投与方法 本剤 100 mg 及びミチグリニド 10 mg を単独及び併用で経口投与した。 パート 1:ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例 ・本剤単回投与/ミチグリニド反復投与群:非高齢健康成人男性 15 例を対象とし,Day 1 に本剤

100 mg を単独で朝食 5 分前に単回投与した。Day 5~8 にミチグリニド 10 mg を 1 日 3 回毎食 5分前に反復投与し,Day 6 のみ本剤 100 mg を朝食 5 分前に併用投与した。

・ミチグリニド反復投与/本剤単回投与群:非高齢健康成人男性 15 例を対象とし,Day 1~4 に

ミチグリニド 10 mg を 1 日 3 回毎食 5 分前に反復投与し,Day 2 のみ本剤 100 mg を朝食 5 分前

に併用投与した。Day 7 に本剤 100 mg を単独で朝食 5 分前に単回投与した。 パート 2:本剤反復投与+ミチグリニド単回投与例 ・ミチグリニド単回投与/本剤反復投与群:非高齢健康成人男性 15 例を対象とし,Day 1 にミチ

グリニド 10 mg を単独で朝食 5 分前に単回投与した。Day 3~5 に本剤 100 mg を 1 日 1 回朝食 5分前に反復投与し,Day 5 のみミチグリニド 10 mg を朝食 5 分前に併用投与した。

・本剤反復投与/ミチグリニド単回投与群:非高齢健康成人男性 15 例を対象とし,Day 1~3 に

本剤 100 mg を 1 日 1 回朝食 5 分前に反復投与し,Day 3 のみミチグリニド 10 mg を朝食 5 分前

に併用投与した。Day 8 にミチグリニド 10 mg を単独で朝食 5 分前に単回投与した。 治験薬投与前日の夕食以降(10 時間以上)絶食し,治験薬投与当日も朝食を摂らずに,投与日 8時(1 例目の投与は 8 時を目安とし,2 例目以降順次投与した)に水 150 mL とともに各被験者

に治験薬を経口投与した。治験薬投与 5 分後より朝食を摂り始め,20 分以内に摂り終えた。 【設定根拠】

本剤の未変化体及び代謝物の薬物動態に及ぼすミチグリニドの影響を検討するパート 1 では,本

剤とミチグリニドを併用した場合と本剤単独で投与した場合の薬物動態を比較する目的のため,

健康成人男性を対象とした非盲検クロスオーバー上乗せデザインとした。 また,ミチグリニド未変化体の薬物動態に及ぼす本剤の影響を検討するパート 2 では,本剤とミ

チグリニドを併用した場合とミチグリニド単独で投与した場合のミチグリニド未変化体の薬物動

態を比較する目的のため,健康成人男性を対象とした非盲検クロスオーバー上乗せデザインとし

た。 第 II 相用量設定試験[CL-0103]において,主要評価項目である HbA1c 値の変化量の結果から本

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2.7.6 個々の試験のまとめ

剤 50 mg/日が臨床推奨用量になると考えられた。更に,本剤 50 mg/日と 100 mg/日の副次評価項

目で比較した際に,空腹時血糖値の低下量及び HbA1c 値の目標達成率(6.5%未満の達成率及び

7.0%未満の達成率)において,100 mg 群が 50 mg 群を上回ったことから,50 mg/日を投与しても

効果不十分な患者では,100 mg/日への増量は有用であると考えられた。以上の結果から,現在実

施中の第 III 相試験([CL-0105],[CL-0106],[CL-0107],[CL-0108],[CL-0109],[CL-0110],[CL-0111],[CL-0121],[CL-0072])では本剤の臨床用量と考えられる 50 mg/日及び 100 mg/日を設定した。 ミチグリニドでは,次のとおり用法・用量が承認されている。「通常,成人にはミチグリニドカル

シウム水和物として 1 回 10 mg を 1 日 3 回毎食直前に経口投与する。なお,症状により適宜増減

する。」なお,健康成人に対しては,1 回 10 mg までの安全性が確認されている。 以上から,臨床にて併用される可能性がある用量にて薬物動態に関する相互作用を検討すること

とし,用量を本剤で 100 mg/日,ミチグリニドで 10 mg/回を設定した。

評価期間:

治験薬投与期間:5 日間(ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例),4 日間(本剤反復投与+ミ

チグリニド単回投与例)

併用治療(薬剤及び療法):

治験薬投与から後観察(又は中止時)まで,有害事象に対する治療を除き,併用治療(治験薬以

外の薬剤の使用及び療法)を禁止とした。併用治療が行われた被験者の試験の継続に関しては治

験担当医師が判断することとした。また,前治療が行われた被験者の組み入れは治験担当医師が

判断することとした。

評価項目,評価スケジュール及び評価基準:

1.薬物動態:

「3.評価スケジュール」に示した時期に採血を行い,本剤及びその代謝物,並びにミチグリニド

の血漿中濃度を測定した。測定した本剤の代謝物は以下のとおり。 M1(ベンゾチオフェン環の 6-水酸化及びグルコース環の 2’-O-β-グルクロン酸抱合体) M2(グルコース環の 2’-O-β-グルクロン酸抱合体) M3(グルコース環の 6’-O-β-グルクロン酸抱合体) M4(グルコース環の 3’-O-β-グルクロン酸抱合体) M6(ベンゾチオフェン環の 6-O-硫酸抱合体)

各被験者の本剤,本剤代謝物及びミチグリニドの血漿中濃度から,ノンコンパートメント法を用

いて以下の薬物動態パラメータを算出した。 パート 1:ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例 ・本剤未変化体

最高血漿中濃度(Cmax),最高血漿中濃度到達時間(tmax),時間 0 から定量可能最終時点までの

血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUClast),時間 0 から無限時間まで外挿した血漿中濃度‐時間曲

線下面積(AUCinf),消失半減期(t1/2),経口クリアランス(CL/F),みかけの分布容積(Vz/F),消失速度定数(kel),無限時間まで外挿した平均滞留時間(MRTinf),未変化体と代謝物の合計

AUC に対する未変化体(又は代謝物)の AUC の割合(MTR),代謝物/未変化体の分子量比

で調整した MTR(MTRadj) ・本剤代謝物

Cmax,tmax,AUClast,AUCinf,t1/2,代謝物/未変化体の分子量比で調整した Cmax(Cmaxadj),代謝

物/未変化体の分子量比で調整した AUCinf(AUCinfadj),代謝物/未変化体比(MPR),MPRadj,

MTR,MTRadj ・ミチグリニド未変化体

トラフ濃度(Ctrough),Cmax,tmax,AUC6h,t1/2,CL/F,Vz/F

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2.7.6 個々の試験のまとめ

パート 2:本剤反復投与+ミチグリニド単回投与例 ・本剤の未変化体

Ctrough,Cmax,tmax,AUC24h,CL/F ・ミチグリニド未変化体

Cmax,tmax,AUClast,AUCinf,t1/2,CL/F,Vz/F,kel,MRTinf

2.安全性:

有害事象,臨床検査(血液学的検査,血液生化学検査,尿検査,血糖値),バイタルサイン(腋窩

体温,臥位血圧,臥位脈拍数),12 誘導心電図 有害事象として,治験薬初回投与時以降,後観察までに発現した事象を収集した。 有害事象と治験薬との関連性は以下の基準により判定し,「関連あるかもしれない」又は「多分(お

そらく)関連あり」のいずれかに該当したものを,「治験薬との関連性が否定できない有害事象(副

作用)」と定義した。 治験薬との関連性 関連性判定基準 否定できる 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的関係から因果関係がありそうにないと思われる

場合や,他の薬剤や合併症・基礎疾患等により説明ができる場合 関連あるかもしれ

ない 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係があるが,以下の項目のいずれ

かに該当する場合 ・要因として合併症・基礎疾患や他の薬剤による説明もできる場合 ・投与中止に関する情報が不明確な場合

多分(おそらく)

関連あり 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係がある場合や,以下の項目に該

当する場合 ・再投与により再発又は投与中止により消失又は軽快をしめす場合 ・合併症・基礎疾患や他の薬剤では説明ができない,又はそれらによる可能性が考えにく

い場合 有害事象の程度は,平成 4 年 6 月 29 日薬安第 80 号添付「医薬品等の副作用の重篤度分類基準に

ついて」のグレードを参考に以下の 3 段階で判定した。この基準に規定されていない項目につい

ては,以下に従って判定した。 ・軽度:日常の活動に支障がないもの ・中等度:日常の活動に支障があるもの ・重度:日常の活動が不可能になるもの

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2.7.6 個々の試験のまとめ

3.評価スケジュール:

本剤単回投与/ミチグリニド反復投与群

a:本剤投与は 8:00,ミチグリニド投与は 8:00,14:00,20:00 とした。 b:体重のみ測定。 c:試験期間中に被験者は自覚症状を発現した時点で各自「自覚症状」を治験担当医師又は治験協力者に申し出ることとした。 d:以下の日については,以下のポイントにおいて実施した。

Day 1 及び Day 6:[8:00 投与]投与前,投与後 3,6,24 時間 Day 5:[8:00 投与]投与前,投与後 3,6 時間

e:以下のポイントにおいて実施した。 Day 1:投与前,投与後 15,30 分,1,1.5,2,3,4,6,8,10,12,14,24,36,48,72,96 時間 Day 6:投与前,投与後 15,30 分,1,1.5,2,3,4,6,8,10,12,14,24,36,48,72 時間

f:以下のポイントにおいて実施した。 8:00 投与:投与前,投与後 15,30 分,1,1.5,2,3,4,6 時間 14:00 投与:投与後 2,4,6 時間 20:00 投与:投与後 2 時間

g:以下のポイントにおいて実施した。 Day 1:投与後 15,30 分,1,2,4 時間 Day 6:[8:00 投与]投与後 15,30 分,1,2,4 時間,[14:00 投与]投与後 30 分,[20:00 投与]投与後 30 分 Day 5,Day 7 及び Day 8:[8:00 投与]投与後 30 分,[14:00 投与]投与後 30 分,[20:00 投与]投与後 30 分

h:空腹時に実施した。 i:治験薬投与前,被験者の入れ替えが生じた場合は再割り付けを実施することとした。 j:尿中蛋白及び尿中ウロビリノーゲンのみ実施した。 k:退院は午後とした。

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2.7.6 個々の試験のまとめ

ミチグリニド反復投与/本剤単回投与群

a:本剤投与は 8:00,ミチグリニド投与は 8:00,14:00,20:00 とした。 b:体重のみ測定。 c:試験期間中に被験者は自覚症状を発現した時点で各自「自覚症状」を治験担当医師又は治験協力者に申し出ることとした。 d:以下の日については,以下のポイントにおいて実施した。

Day 1:[8:00 投与]投与前,投与後 3,6 時間 Day 2 及び Day 7:[8:00 投与]投与前,投与後 3,6,24 時間

e:以下のポイントにおいて実施した。 Day 2 及び Day 7:投与前,投与後 15,30 分,1,1.5,2,3,4,6,8,10,12,14,24,36,48,72 時間

f:以下のポイントにおいて実施した。 Day 2:[8:00 投与]投与前,投与後 15,30 分,1,1.5,2,3,4,6 時間,[14:00 投与]投与後 2,4,6 時間,[20:00 投与]

投与後 2 時間 Day 4:[20:00 投与]投与後 60 時間

g:以下のポイントにおいて実施した。 Day 2:[8:00 投与]投与後 15,30 分,1,2,4 時間,[14:00 投与]投与後 30 分,[20:00 投与]投与後 30 分 Day 1,Day 3 及び Day 4:[8:00 投与]投与後 30 分,[14:00 投与]投与後 30 分,[20:00 投与]投与後 30 分 Day 7:投与後 15,30 分,1,2,4 時間

h:空腹時に実施した。 i:治験薬投与前,被験者の入れ替えが生じた場合は再割り付けを実施することとした。 j:尿中蛋白及び尿中ウロビリノーゲンのみ実施した。

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2.7.6 個々の試験のまとめ

ミチグリニド単回投与/本剤反復投与群

a:本剤投与及びミチグリニド投与は 8:00 とした。 b:体重のみ測定。 c:試験期間中に被験者は自覚症状を発現した時点で各自「自覚症状」を治験担当医師又は治験協力者に申し出ることとした。 d:Day 1,Day 3 及び Day 5 についてはそれぞれ投与前,投与後 3,6,24 時間に実施した。 e:以下のポイントにおいて実施した。Day 5:投与前,投与後 15,30 分,1,1.5,2,3,4,6,8,10,12,14,24 時間 f:以下のポイントにおいて実施した。

Day 1:投与前,投与後 5,15,30 分,1,1.5,2,3,4,6,8,10,12,14,24,48 時間 Day 5:投与前,投与後 5,15,30 分,1,1.5,2,3,4,6,8,10,12,14,24 時間

g:以下のポイントにおいて実施した。 Day 1:投与後 15,30 分,1,2,4 時間 Day 3 及び Day 4:投与後 2 時間 Day 5:投与後 15,30 分,1,2,4 時間

h:空腹時に実施した。 i:治験薬投与前,被験者の入れ替えが生じた場合は再割り付けを実施することとした。 j:尿中蛋白及び尿中ウロビリノーゲンのみ実施した。

382

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2.7.6 個々の試験のまとめ

本剤反復投与/ミチグリニド単回投与群

a:本剤投与及びミチグリニド投与は 8:00 とした。 b:体重のみ測定。 c:試験期間中に被験者は自覚症状を発現した時点で各自「自覚症状」を治験担当医師又は治験協力者に申し出ることとした。 d:Day 1,Day 3 及び Day 8 についてはそれぞれ投与前,投与後 3,6,24 時間に実施した。 e:以下のポイントにおいて実施した。Day 3:投与前,投与後 15,30 分,1,1.5,2,3,4,6,8,10,12,14,24,120 時間 f:以下のポイントにおいて実施した。Day 3 及び Day 8:投与前,投与後 5,15,30 分,1,1.5,2,3,4,6,8,10,12,14,

24 時間 g:以下のポイントにおいて実施した。

Day 1 及び Day 2:投与後 2 時間 Day 3:投与後 15,30 分,1,2,4 時間 Day 8:投与後 15,30 分,1,2,4 時間

h:空腹時に実施した。 i:治験薬投与前,被験者の入れ替えが生じた場合は再割り付けを実施することとした。 j:尿中蛋白及び尿中ウロビリノーゲンのみ実施した。

383

Page 10: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

統計解析: 1.解析対象集団: (1) 安全性解析対象集団(SAF) 治験薬を投与された全被験者を対象例とした。 (2) 薬物動態解析対象集団(PKAS) 治験薬投与例で,かつ薬物濃度測定用の試料が 1 時点以上で採取されている症例を対象例とした。 2.被験者背景及びその他の基準値: SAF 及び PKAS を対象にパートごと,群ごとに,計数値項目では度数集計を行い,計量値項目で

は要約統計量を算出した。 3.薬物動態: PKAS を対象に,血漿中薬物濃度測定値を用いて薬物動態パラメータの算出並びに要約統計量の

集計を行った。血漿中薬物濃度データ並びに薬物動態パラメータについて,要約統計量を投与条

件別に算出した。また,次の薬物動態に及ぼす相互作用を検討した。 (1) 本剤の薬物動態に及ぼすミチグリニドの影響(パート 1) Cmax及び AUCinfについて,本剤単独投与時に対する本剤とミチグリニド併用時の本剤未変化体及

び代謝物の幾何平均比並びに 90%信頼区間をそれぞれ算出した。本剤未変化体の Cmax,AUCinfの

幾何平均比の 90%信頼区間が 0.80~1.25 の範囲内であることを目安として,本剤単独投与時に対

する本剤とミチグリニド併用時の本剤の薬物動態に及ぼす相互作用を検討した。 (2) ミチグリニド未変化体の薬物動態に及ぼす本剤の影響(パート 2) Cmax及び AUCinfについて,ミチグリニド単独投与時に対する本剤とミチグリニド併用時のミチグ

リニド未変化体の幾何平均比並びに 90%信頼区間をそれぞれ算出した。ミチグリニド未変化体の

Cmax,AUCinfの幾何平均比の 90%信頼区間が 0.80~1.25 の範囲内であることを目安として,ミチ

グリニド単独投与時に対する本剤とミチグリニド併用時のミチグリニド未変化体の薬物動態に及

ぼす相互作用を検討した。 4.安全性: SAF を対象に,(1)~(3)では群ごとに,(4)ではパートかつ投与期(本剤単回投与期,ミチグ

リニド単回投与期,本剤反復投与期,ミチグリニド反復投与期,本剤+ミチグリニド併用投与期,

本剤+ミチグリニド併用投与期)ごとに,以下の解析を行った。 (1) バイタルサイン(腋窩体温,臥位血圧,臥位脈拍数) ・各項目について,測定時点ごとに実測値の要約統計量を算出した。 (2) 12 誘導心電図 ・12 誘導心電図について,測定時点ごとに度数集計を行った。 (3) 臨床検査値 ・計数値項目について,測定時点ごとに度数集計を行った。 ・計量値項目について,測定時点ごとに実測値の要約統計量を算出した。 (4) 有害事象 ・有害事象の有無及び治験薬との関連性が否定できない有害事象の有無について例数,割合を示

した。 ・各症状について,器官別大分類別(MedDRA:SOC コード),基本語別(MedDRA:PT コード)

に度数集計を行った。 報告書の日付: 年 月 日

384

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.16.2 被験者の内訳及び解析対象集団

被験者の内訳を図 2.7.6.16-1 及び図 2.7.6.16-2 に示した。

パート 1(ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例)では,計 59 例が登録され,29 例が無作為

化前に脱落し,30 例が本剤単回投与/ミチグリニド反復投与群又はミチグリニド反復投与/本剤

単回投与群に無作為に割り付けられた。無作為化された 30 例全例が試験を完了した。治験薬が投

与された全 30 例を SAF 及び PKAS の解析対象とした。

パート 2(本剤反復投与+ミチグリニド単回投与例)では,計 57 例が登録され,27 例が無作為

化前に脱落し,30 例がミチグリニド単回投与/本剤反復投与群又は本剤反復投与/ミチグリニド

単回投与群に無作為に割り付けられた。無作為化された 30 例全例が試験を完了した。治験薬が投

与された全 30 例を SAF 及び PKAS の解析対象とした。

図 2.7.6.16-1 被験者の内訳:パート 1(ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例) 同意取得例 59 例

無作為化前脱落例 29 例

主な脱落理由

選択基準を満たさなかった

又は除外基準に抵触した 8 例(27.6%)

その他 21 例(72.4%)

無作為化例 30 例

本剤単回投与/ミチグリニド反復投与群

(15 例) ミチグリニド反復投与/本剤単回投与群

(15 例)

ASP1941 単回投与 15 例

ミチグリニド反復投与 15 例

ミチグリニド反復投与 15 例 ASP1941 単回投与 15 例 ASP1941 単回投与 +ミチグリニド反復投与 15 例 ミチグリニド反復投与

+ASP1941 単回投与 15 例

完了例 30 例 (100%) Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 12.1.1.1.1,12.1.1.2.1,12.1.1.3.1 及び 12.1.1.4.1

385

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2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.16-2 被験者の内訳:パート 2(本剤反復投与+ミチグリニド単回投与例) 同意取得例 57 例

無作為化前脱落例 27 例

主な脱落理由

選択基準を満たさなかった

又は除外基準に抵触した 11 例(40.7%)

その他 16 例(59.3%)

無作為化例 30 例

ミチグリニド単回投与/本剤反復投与群

(15 例) 本剤反復投与/ミチグリニド単回投与群

(15 例)

ミチグリニド単回投与 15 例

ASP1941 反復投与 15 例

ASP1941 反復投与 15 例 ミチグリニド単回投与 15 例 ミチグリニド単回投与 +ASP1941 反復投与

15 例 ASP1941 反復投与 +ミチグリニド単回投与

15 例

完了例 30 例 (100%) Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 12.1.1.1.2,12.1.1.2.2,12.1.1.3.2 及び 12.1.1.4.2

2.7.6.16.3 人口統計学的及び他の基準値の特性

SAF の被験者背景を表 2.7.6.16-1 及び表 2.7.6.16-2 に示した。

パート 1(ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例)の年齢は 21 から 43 歳,BMI は 18.4~25.6

kg/m2 であった。パート 2(本剤反復投与+ミチグリニド単回投与例)の年齢は 20 から 42 歳,BMI

は 17.8~26.0 kg/m2 であった。いずれのパートにおいても,既往症及び合併症を有していた被験者

はいなかった。

386

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.16-1 被験者背景:パート 1(ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例)(SAF)

計 (N=30)

本剤単回投与/ ミチグリニド反復

投与群 (N=15)

ミチグリニド反復

投与/ 本剤単回投与群

(N=15) 年齢[同意取得時] 平均値 29.5 29.3 29.7 (歳) 標準偏差 6.46 6.42 6.72 最小値 21 22 21 最大値 43 43 41 中央値 28.5 28.0 30.0 身長(cm) 平均値 172.77 173.11 172.43 標準偏差 5.286 6.211 4.365 最小値 163.5 164.0 163.5 最大値 186.0 186.0 178.8 中央値 172.60 172.00 173.20 体重[スクリーニング時] 平均値 63.67 63.13 64.21 (kg) 標準偏差 6.295 5.563 7.107 最小値 52.0 52.0 53.3 最大値 77.9 70.8 77.9 中央値 63.75 64.90 62.90 BMI[スクリーニング時] 平均値 21.35 21.08 21.61 (kg/m2) 標準偏差 2.008 1.765 2.255 最小値 18.4 18.5 18.4 最大値 25.6 24.1 25.6 中央値 21.35 20.30 21.70 既往症 n (%) なし 30 (100%) 15 (100%) 15 (100%) あり 0 0 0 合併症 n (%) なし 30 (100%) 15 (100%) 15 (100%) あり 0 0 0 喫煙歴 n (%) なし 13 (43.3%) 3 (20.0%) 10 (66.7%) 過去にあり 5 (16.7%) 3 (20.0%) 2 (13.3%) 現在あり 12 (40.0%) 9 (60.0%) 3 (20.0%) 飲酒歴 n (%) なし 17 (56.7%) 9 (60.0%) 8 (53.3%) 過去にあり 0 0 0 現在あり 13 (43.3%) 6 (40.0%) 7 (46.7%) Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 12.1.2.1.1.1,12.1.2.2.1.1.1 及び 12.1.2.2.2.1.1

387

Page 14: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.16-2 被験者背景:パート 2(本剤反復投与+ミチグリニド単回投与例)(SAF)

計 (N=30)

ミチグリニド単回

投与/ 本剤反復投与群

(N=15)

本剤反復投与/ ミチグリニド単回

投与群 (N=15)

年齢[同意取得時] 平均値 29.3 27.7 30.9 (歳) 標準偏差 7.04 6.06 7.79 最小値 20 20 21 最大値 42 40 42 中央値 28.0 26.0 31.0 身長(cm) 平均値 172.60 172.63 172.57 標準偏差 3.909 4.102 3.850 最小値 164.0 164.0 165.0 最大値 181.0 181.0 177.9 中央値 173.00 172.70 173.20 体重[スクリーニング時] 平均値 63.47 63.21 63.72 (kg) 標準偏差 5.596 5.624 5.754 最小値 55.1 55.3 55.1 最大値 77.0 77.0 76.5 中央値 62.25 61.40 64.20 BMI[スクリーニング時] 平均値 21.33 21.23 21.42 (kg/m2) 標準偏差 1.920 1.917 1.985 最小値 17.8 18.1 17.8 最大値 26.0 26.0 25.6 中央値 21.70 20.50 21.70 既往症 n (%) なし 30 (100%) 15 (100%) 15 (100%) あり 0 0 0 合併症 n (%) なし 30 (100%) 15 (100%) 15 (100%) あり 0 0 0 喫煙歴 n (%) なし 15 (50.0%) 9 (60.0%) 6 (40.0%) 過去にあり 7 (23.3%) 2 (13.3%) 5 (33.3%) 現在あり 8 (26.7%) 4 (26.7%) 4 (26.7%) 飲酒歴 n (%) なし 11 (36.7%) 7 (46.7%) 4 (26.7%) 過去にあり 0 0 0 現在あり 19 (63.3%) 8 (53.3%) 11 (73.3%) Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 12.1.2.1.2.1,12.1.2.2.1.2.1 及び 12.1.2.2.2.2.1

2.7.6.16.4 治験薬の曝露

全被験者 60 例が,治験実施計画書の規定に従って治験薬を服用し,試験を完了した。

388

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.16.5 薬物動態

2.7.6.16.5.1 本剤に及ぼすミチグリニドの影響(パート 1)

本剤単独投与時及び本剤とミチグリニド併用投与時の本剤の血漿中未変化体濃度の平均値(標

準偏差)の推移を図 2.7.6.16-3 に,血漿中未変化体の薬物動態パラメータを表 2.7.6.16-3 に示した。

本剤の AUCinf及び Cmaxの平均値は,本剤単独投与時では 8553.08 ng·h/mL 及び 2380.91 ng/mL,

本剤とミチグリニド併用投与時では 8575.20 ng·h/mL 及び 2255.67 ng/mL であった。tmaxの中央値

は,本剤単独投与時及び本剤とミチグリニド併用投与時のいずれの場合でも 0.50 時間であった。

本剤単独投与時と本剤とミチグリニド併用投与時で,t1/2,CL/F 及び Vz/F の平均値は同程度であっ

た。

図 2.7.6.16-3 ASP1941 単独投与時及び ASP1941 とミチグリニド併用投与時の ASP1941 の血漿中未変化体濃度の平均値(標準偏差)の推移(PKAS) [ミチグリニド反復投与+ASP1941 単回投与例]

Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Figure 7

389

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.16-3 ASP1941 単独投与時及び ASP1941 とミチグリニド併用投与時の ASP1941 の血漿中未変化体の薬物動態パラメータ(PKAS) [ミチグリニド反復投与+ASP1941 単回投与例]

ASP1941 単独投与

N 平均値 標準偏差 最小値 最大値 中央値 幾何 平均値

変動係数(%)

Cmax (ng/mL) 30 2380.91 521.26 1123.81 3379.28 2425.08 2319.64 21.89 tmax (h) 30 0.72 0.49 0.50 3.00 0.50 0.64 67.77 AUClast (ng·h/mL) 30 8433.08 1396.03 5557.62 11359.04 8385.42 8319.03 16.55 kel (1/h) 30 0.0635 0.0197 0.0201 0.0983 0.0615 0.0600 31.04 AUCinf (ng·h/mL) 30 8553.08 1415.00 5634.98 11539.91 8499.68 8437.43 16.54

t1/2 (h) 30 12.44 5.80 7.05 34.54 11.28 11.55 46.66 CL/F (L/h) 30 12.02 2.11 8.67 17.75 11.77 11.85 17.56 Vz/F (L) 30 213.11 103.35 129.25 583.61 177.96 197.45 48.50 MRTinf (h) 30 10.08 2.76 6.84 20.23 10.11 9.78 27.34 MTR 30 0.474 0.055 0.364 0.593 0.476 0.471 11.61 MTRadj 30 0.559 0.055 0.444 0.671 0.561 0.556 9.79

ASP1941+ミチグリニド併用投与

N 平均値 標準偏差 最小値 最大値 中央値 幾何 平均値

変動係数(%)

Cmax (ng/mL) 30 2255.67 512.62 1224.26 3451.36 2319.10 2194.08 22.73 tmax (h) 30 0.78 0.36 0.50 2.00 0.50 0.72 46.46 AUClast (ng·h/mL) 30 8451.33 1350.36 5409.44 11327.06 8540.10 8343.27 15.98 kel (1/h) 30 0.0624 0.0251 0.0296 0.1038 0.0544 0.0576 40.30 AUCinf (ng·h/mL) 30 8575.20 1353.38 5499.66 11491.69 8650.03 8468.19 15.78 t1/2 (h) 30 13.04 5.21 6.68 23.40 12.76 12.04 40.00 CL/F (L/h) 30 11.97 2.05 8.70 18.18 11.56 11.81 17.15 Vz/F (L) 30 225.64 105.45 91.48 492.55 198.80 205.06 46.73 MRTinf (h) 30 10.21 2.52 6.41 15.12 10.19 9.91 24.65 MTR 30 0.475 0.053 0.373 0.572 0.480 0.472 11.11 MTRadj 30 0.560 0.053 0.457 0.653 0.566 0.558 9.40 Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 11

ミチグリニドが本剤の薬物動態に及ぼす影響を表 2.7.6.16-4 に,本剤代謝物の薬物動態に及ぼす

影響を表 2.7.6.16-5 に示した。

本剤単独投与に対する本剤とミチグリニド併用投与のCmax及びAUCinfの幾何平均比の 90%信頼

区間は,0.80~1.25 の範囲に含まれていた。その他のパラメータでも,本剤単独投与時と本剤と

ミチグリニド併用投与時で同等であった。また,本剤の代謝物(M1~M4,M6)についても,Cmax,

AUCinf及び AUClast は本剤単独投与時と本剤とミチグリニド併用投与時で同等であった。

390

Page 17: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.16-4 ミチグリニドが ASP1941 の薬物動態パラメータに及ぼす影響(PKAS) [ミチグリニド反復投与+ASP1941 単回投与例]

幾何平均比 幾何平均比の 90%信頼区間 (併用投与/単独投与) (下限,上限)

AUCinf (ng·h/mL) 1.004 (0.982, 1.026) Cmax (ng/mL) 0.946 (0.896, 0.999) AUClast (ng·h/mL) 1.003 (0.980, 1.026) t1/2 (h) 1.042 (0.930, 1.168) CL/F (L/h) 0.996 (0.975, 1.019) 最小二乗平均の変化率 変化率の 90%信頼区間 [(併用投与-単独投与)/単独投与] (下限,上限) tmax (h) 0.093 (−0.065, 0.251)

Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 12 及び 13

表 2.7.6.16-5 ミチグリニドが ASP1941 代謝物の薬物動態パラメータに及ぼす影響(PKAS)[ミチグリニド反復投与+ASP1941 単回投与例]

ASP1941代謝物

幾何平均比 幾何平均比の 90%信頼区間 (併用投与/単独投与) (下限,上限)

M1 Cmax (ng/mL) 1.033 0.980, 1.088 AUCinf (ng·h/mL) 1.037 0.988, 1.088 AUClast (ng·h/mL) 1.037 0.987, 1.089

M2 Cmax (ng/mL) 0.987 0.949, 1.027 AUCinf (ng·h/mL) 0.992 0.972, 1.014 AUClast (ng·h/mL) 0.990 0.969, 1.011

M3 Cmax (ng/mL) 0.995 0.950, 1.043 AUCinf (ng·h/mL) 1.002 0.968, 1.037 AUClast (ng·h/mL) 1.006 0.973, 1.041

M4 Cmax (ng/mL) 1.015 0.973, 1.058 AUCinf (ng·h/mL) 1.014 0.991, 1.038 AUClast (ng·h/mL) 1.018 0.992, 1.045

M6 Cmax (ng/mL) 0.944 0.898, 0.993 AUCinf (ng·h/mL) 0.988 0.935, 1.044 AUClast (ng·h/mL) 0.973 0.922, 1.028

Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 19

2.7.6.16.5.2 ミチグリニドに及ぼす本剤の影響(パート 2)

ミチグリニド単独投与時及びミチグリニドと本剤併用投与時の血漿中ミチグリニド濃度の平均

値(標準偏差)の推移を図 2.7.6.16-4 に,血漿中ミチグリニドの薬物動態パラメータを表 2.7.6.16-6

に示した。

ミチグリニドの AUCinf及び Cmaxの平均値は,ミチグリニド単独投与時では 1100.91 ng·h/mL 及

び 894.76 ng/mL,ミチグリニドと本剤併用投与時では 1112.16 ng·h/mL及び 812.40 ng/mLであった。

tmaxの中央値は,ミチグリニド単独投与時及び本剤とミチグリニド併用投与時のいずれの場合でも

0.50 時間であった。ミチグリニド単独投与時と本剤とミチグリニド併用投与時で,t1/2,CL/F 及び

Vz/F の平均値は同程度であった。

391

Page 18: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.16-4 ミチグリニド単独投与時及びミチグリニドと ASP1941 併用投与時の 血漿中ミチグリニド濃度の平均値(標準偏差)の推移(PKAS) [ASP1941 反復投与+ミチグリニド単回投与例]

Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Figure 14

392

Page 19: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.16-6 ミチグリニド単独投与時及びミチグリニドと ASP1941 併用投与時の 血漿中ミチグリニドの薬物動態パラメータ(PKAS) [ASP1941 反復投与+ミチグリニド単回投与例]

ミチグリニド単独投与

N 平均値 標準偏差 最小値 最大値 中央値 幾何 平均値

変動係数(%)

Cmax (ng/mL) 30 894.76 189.21 480.08 1276.48 870.25 874.37 21.15 tmax (h) 30 0.40 0.12 0.25 0.50 0.50 0.38 31.14 AUClast (ng·h/mL) 30 1094.51 122.61 859.59 1321.45 1068.65 1087.87 11.20 kel (1/h) 30 0.2261 0.0898 0.0897 0.4227 0.2155 0.2088 39.74 AUCinf (ng·h/mL) 30 1100.91 123.51 861.36 1327.34 1078.67 1094.20 11.22 t1/2 (h) 30 3.61 1.56 1.64 7.73 3.22 3.32 43.08 CL/F (L/h) 30 8.20 0.93 6.72 10.36 8.27 8.15 11.32 Vz/F (L) 30 42.60 18.74 18.17 92.00 38.36 39.05 44.00 MRTinf (h) 30 1.91 0.27 1.37 2.57 1.85 1.90 13.90

ミチグリニド+ ASP1941 併用投与

N 平均値 標準偏差 最小値 最大値 中央値 幾何 平均値

変動係数(%)

Cmax (ng/mL) 30 812.40 272.21 283.76 1379.78 830.92 761.50 33.51 tmax (h) 30 0.41 0.12 0.25 0.50 0.50 0.39 30.01 AUClast (ng·h/mL) 30 1107.03 117.11 960.90 1395.19 1073.54 1101.41 10.58 kel (1/h) 30 0.2095 0.0999 0.1005 0.4554 0.1637 0.1902 47.68 AUCinf (ng·h/mL) 30 1112.16 117.93 964.58 1398.90 1080.78 1106.48 10.60 t1/2 (h) 30 3.96 1.50 1.52 6.90 4.25 3.64 38.01 CL/F (L/h) 30 8.10 0.79 6.38 9.25 8.25 8.06 9.70 Vz/F (L) 30 46.36 18.64 17.17 84.68 45.04 42.38 40.22 MRTinf (h) 30 2.13 0.54 1.38 3.37 1.96 2.07 25.33

Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 21

本剤がミチグリニドの薬物動態に及ぼす影響を表 2.7.6.16-7 に示した。

ミチグリニド単独投与時と比較して,ミチグリニドと本剤併用時のミチグリニドの Cmaxは約

13%低下した。ミチグリニド単独投与に対するミチグリニドと本剤併用投与の Cmaxの幾何平均比

の90%信頼区間は0.80~1.25の範囲をわずかに外れたが,AUCinfの幾何平均比の90%信頼区間は,

0.80~1.25 の範囲に含まれていた。その他のパラメータでは,ミチグリニド単独投与時とミチグ

リニドと本剤併用投与時で同程度であった。

393

Page 20: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.16-7 ASP1941 がミチグリニドの薬物動態パラメータに及ぼす影響(PKAS)[ASP1941 反復投与+ミチグリニド単回投与例]

幾何平均比 幾何平均比の 90%信頼区間 (併用投与/単独投与) (下限,上限)

AUCinf (ng·h/mL) 1.011 (0.994, 1.029) Cmax (ng/mL) 0.871 (0.769, 0.986) AUClast (ng·h/mL) 1.012 (0.995, 1.031) t1/2 (h) 1.097 (0.962, 1.252) CL/F (L/h) 0.989 (0.972, 1.007) 最小二乗平均の変化率 変化率の 90%信頼区間 [(併用投与-単独投与)/単独投与] (下限,上限) tmax (h) 0.021 (−0.100, 0.142)

Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 22 及び 23

2.7.6.16.6 安全性

2.7.6.16.6.1 有害事象

本試験で認められた有害事象の要約を表 2.7.6.16-8 に示した。

パート 1 では,30 例中 2 例に計 3 件の有害事象が認められ,このうち 2 件は治験担当医師によ

り治験薬との関連性が否定されなかった。パート 2 では,30 例中 2 例に計 2 件の有害事象が認め

られ,このうち 1 件は治験担当医師により治験薬との因果関係が否定されなかった。本試験中に,

重篤な有害事象及び治験薬投与中止に至った有害事象は認められなかった。

394

Page 21: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.16-8 有害事象の要約(SAF) パート 1(ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例) ASP1941

単回投与 (N=30)

ミチグリニド 反復投与 (N =30)

ASP1941+ミチグリ

ニド併用投与 (N =30)

有害事象発現例数(発現率) 2 (6.7%) 0 0 有害事象発現件数 3 0 0 副作用発現例数(発現率) 1 (3.3%) 0 0 副作用発現件数 2 0 0 重篤な有害事象発現例数(発現率) 0 0 0 中止に至った有害事象発現例数(発現率) 0 0 0 低血糖関連の有害事象発現例数(発現率) 0 0 0 パート 2(本剤反復投与+ミチグリニド単回投与例)

ASP1941 反復投与 (N =30)

ミチグリニド 単回投与 (N =30)

ミチグリニド+

ASP1941 併用投与 (N =30)

有害事象発現例数(発現率) 0 2 (6.7%) 0 有害事象発現件数 0 2 0 副作用発現例数(発現率) 0 1 (3.3%) 0 副作用発現件数 0 1 0 重篤な有害事象発現例数(発現率) 0 0 0 中止に至った有害事象発現例数(発現率) 0 0 0 低血糖関連の有害事象発現例数(発現率) 0 0 0

Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 12.2.1.1.1.1,12.2.1.1.1.2,12.2.1.1.2.1,12.2.1.1.2.2,12.2.1.2.1,12.2.1.2.2,12.2.1.3.1.1,12.2.1.3.1.2 及び Appendix 13.2.7

有害事象の内訳を表 2.7.6.16-9 及び表 2.7.6.16-10 に示した。

パート 1(ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例)では,本剤単回投与期に計 3 件の有害事

象が認められた。嘔吐及び頭痛は本剤単回投与/ミチグリニド反復投与群の同一の被験者に Day 1

に認められ,治験担当医師により治験薬との関連性は否定できないと判断された。血中クレアチ

ンホスホキナーゼ増加はミチグリニド反復投与/本剤単回投与群の被験者に認められ,治験薬と

の関連性は否定された。

パート 2(本剤反復投与+ミチグリニド単回投与例)では,ミチグリニド単回投与期に計 2 件

の有害事象が認められた。ミチグリニド単回投与/本剤反復投与群でみられた好酸球数増加は治

験薬との関連性が否定できないと判断され,本剤反復投与/ミチグリニド単回投与群でみられた

血中ビリルビン増加は治験薬との関連性が否定された。

すべての有害事象の程度は軽度であり,試験期間中又は試験終了後に回復が確認された。

395

Page 22: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.16-9 有害事象の内訳(例数)(SAF)

MedDRA/J version 12.1 器官別大分類

基本語

パート 1(ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例) ASP1941 単回投与

(N=30)

ミチグリニド 反復投与

(N=30)

ASP1941+ ミチグリニド併用

(N=30) すべての有害事象 2 (6.7%) 0 0 胃腸障害 1 (3.3%) 0 0 嘔吐 1 (3.3%) 0 0

臨床検査 1 (3.3%) 0 0 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1 (3.3%) a 0 0

神経系障害 1 (3.3%) 0 0 頭痛 1 (3.3%) 0 0

MedDRA/J version 12.1 器官別大分類

基本語

パート 2(本剤反復投与+ミチグリニド単回投与例) ASP1941 反復投与

(N=30)

ミチグリニド 単回投与

(N=30)

ミチグリニド+ ASP1941 併用

(N=30) すべての有害事象 0 2 (6.7%) 0 臨床検査 0 2 (6.7%) 0 血中ビリルビン増加 0 1 (3.3%) a 0 好酸球数増加 0 1 (3.3%) 0

a:治験担当医師により治験薬との関連性が否定された事象 Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 12.2.1.1.1.1,12.2.1.1.1.2,12.2.1.4.1.1.1,12.2.1.4.1.2.2,12.2.1.4.2.1.1及び 12.2.1.4.2.2.2

表 2.7.6.16-10 有害事象の内訳(件数)(SAF)

MedDRA/J version 12.1 器官別大分類

基本語

パート 1(ミチグリニド反復投与+本剤単回投与例) ASP1941 単回投与

(N=30)

ミチグリニド 反復投与

(N=30)

ASP1941+ ミチグリニド併用

(N=30) すべての有害事象 3 0 0 胃腸障害 1 0 0 嘔吐 1 0 0

臨床検査 1 0 0 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1a 0 0

神経系障害 1 0 0 頭痛 1 0 0

MedDRA/J version 12.1 器官別大分類

基本語

パート 2(本剤反復投与+ミチグリニド単回投与例) ASP1941 反復投与

(N=30)

ミチグリニド 単回投与

(N=30)

ミチグリニド+ ASP1941 併用

(N=30) すべての有害事象 0 2 0 臨床検査 0 2 0 血中ビリルビン増加 0 1 a 0 好酸球数増加 0 1 0

a:治験担当医師により治験薬との関連性が否定された事象 Source: CL-0074 総括報告書(5.3.3.4-6)Table 12.2.1.2.1,12.2.1.2.2,12.2.1.5.1.1.1,12.2.1.5.1.2.2,12.2.1.5.2.1.1 及び 12.2.1.5.2.2.2

396

Page 23: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.16.6.2 死亡,その他の重篤な有害事象

本試験で,死亡及びその他の重篤な有害事象は認められなかった。

2.7.6.16.6.3 中止に至った有害事象

本試験で,治験薬投与中止に至った有害事象は認められなかった。

2.7.6.16.6.4 臨床検査値

臨床検査値異常の有害事象が 3 例に計 3 件報告された。

血中クレアチンホスホキナーゼ増加は,ミチグリニド反復投与+本剤単回投与群の 1 例で,Day

14(本剤の最終投与 7 日後)に認められた。好酸球数増加は,ミチグリニド単回投与+本剤反復

投与群の 1 例で,Day 3(ミチグリニド単回投与 2 日後)に認められ,Day 8 まで継続した。血中

ビリルビン増加は,本剤反復投与+ミチグリニド単回投与群の 1 例で,Day 13(ミチグリニドの

最終投与 5 日後)に認められた。

2.7.6.16.6.5 バイタルサイン

収縮期血圧,拡張期血圧及び脈拍数にベースラインからの明らかな変動は認められなかった。

試験期間中に有害事象として報告されたバイタルサインの異常はなかった。

2.7.6.16.6.6 心電図

臨床的に重要な異常と判定された心電図所見は認められなかった。

2.7.6.16.7 結論

本剤単独投与に対する本剤とミチグリニド併用投与の本剤未変化体のAUCinf及びCmaxの幾何

平均比の 90%信頼区間は 0.80~1.25 の範囲に含まれており,ミチグリニドの併用投与は本剤

の薬物動態に影響を及ぼさないと考えられた。

本剤単独投与時と本剤とミチグリニド併用投与時の本剤代謝物の AUCinf,AUClast 及び Cmax

は同等であったことから,ミチグリニドの併用投与は本剤の代謝物の薬物動態に影響を及ぼ

さないと考えられた。

ミチグリニドと本剤の併用投与により,ミチグリニドの Cmaxは 13%減少した。ミチグリニド

単独投与に対するミチグリニドと本剤併用投与の Cmaxの幾何平均比の 90%信頼区間は 0.80~

1.25 の範囲をわずかに外れたが,AUCinfの幾何平均比の 90%信頼区間は,0.80~1.25 の範囲

に含まれた。

本剤及びミチグリニドの単独及び併用投与時の非高齢健康成人における安全性に問題はみら

れなかった。

397

Page 24: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.17 薬物相互作用試験(フロセミド)[CL-0054](添付資料 5.3.3.4-7)

2.7.6.17.1 試験方法の概略

治験課題名:健康成人を対象に ASP1941 及びフロセミドの薬力学的及び薬物動態学的相互作用を

検討する臨床薬理試験

治験実施医療機関:英国 1 施設

公表文献:なし

治験期間:

治験開始日:2011 年 7 月

治験終了日:2011 年 10 月

開発のフェーズ:第 I 相

目的:

(1) 主要目的 健康成人を対象にフロセミドを単独で反復投与したときの Na の尿中排泄を,ASP1941(以下,本

剤)を併用投与したときと比較して検討する。 (2) 副次目的 ・健康成人を対象に本剤を単独で反復投与したときの Na の尿中排泄を,フロセミドを併用投与

したときと比較して検討する。 ・健康成人を対象に本剤単独投与時,フロセミド単独投与時,及び本剤とフロセミド併用投与時

の,その他の薬力学パラメータ(血中及び尿中の Ca,Cl,K,P,Mg)を評価する。 ・本剤とフロセミド併用投与時の本剤の薬物動態を,本剤単独投与時と比較して検討する。 ・本剤とフロセミド併用投与時のフロセミドの薬物動態を,フロセミド単独投与時と比較して検

討する。 ・健康成人を対象に本剤単独投与時,フロセミド単独投与時,及び本剤とフロセミド併用投与時

の,本剤及びフロセミドの安全性及び忍容性を検討する。

治験デザイン・治験方法:

本試験は,健康成人を対象とした単一施設,無作為化,非盲検,3 期クロスオーバー,反復投与

試験として実施した。 被験者を 6 群に均等数になるよう無作為に割り付け,各群異なる計 6 通りの投与順序で,以下の

3 種類の投与条件を第 1~3 期に検討した。 ・本剤単独投与:本剤 150 mg 1 日 1 回 5 日間 ・フロセミド単独投与:フロセミド 40 mg 1 日 1 回 5 日間 ・本剤とフロセミド併用投与:本剤 150 mg 1 日 1 回 5 日間 + フロセミド 40 mg 1 日 1 回 7 日間 被験者は,各期ともに治験薬投与開始 5 日前(Day −5)から 13 日間入院した。電解質含有量を調

整した食事(飲水も含む)の摂取を Day −5から開始し,Day 5 まで継続した。治験薬は各期の

Day 1~5 に投与した。本剤とフロセミド併用投与では,フロセミドのみ Day 7 まで投与した。治

験薬投与期間中に薬力学及び薬物動態評価用の採血及び蓄尿を行った。各期の間に 7 日間以上の

休薬期間を設けた。第 3 期の退院又は中止から 7~14 日後に後観察を行った。 目標被験者数:24 例(男女各 8 例以上)

【設定根拠】

2 期クロスオーバー試験では,フロセミド 40 mg を投与したとき,Na の 24 時間の尿中排泄量

(Ae24h)の変動係数は約 26%であった。本試験は 3 期クロスオーバーデザインであり,被験者

が Na 調整食(飲水を含む)を提供されることを勘案すると,Na の Ae24h の変動係数は 15%と推

定された。この推定に基づくと,健康成人被験者 24 例で,本剤とフロセミド併用投与時及びフロ

セミド単独投与時の Ae24h の相対的な差を正確に推測可能と考えられた。

398

Page 25: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

診断及び選択・除外基準:

1.選択基準(以下の基準をすべて満たす者を対象とした)

(1) 年齢が 18 歳以上 55 歳以下の健康な者 (2) a. 妊娠の可能性がない女性(閉経後,卵管結紮及び両側卵管切除等の不妊手術済み又は子宮

摘出の既往を有する)又はホルモン避妊薬以外の適切な(二重障壁)避妊法を使用する女

性。ホルモン避妊薬以外の避妊法は以下のいずれかとした: ・治験薬投与開始 4 週間前から退院 3 カ月後までの禁欲(ライフスタイルとして選択する

場合であり,治験参加を目的とした禁欲は除く) ・パートナーが不妊手術を受けている(スクリーニング時から遡って 3 カ月以上前) ・スクリーニング時から退院 3 カ月後までのパートナーのコンドーム使用と他の適切な避

妊法(子宮内避妊器具,不妊手術,ペッサリー又は子宮頸管キャップ)の併用 b. 不妊の男性(不妊手術済み)又は適切な避妊法を使用する男性。適切な避妊法は以下のい

ずれかとした: ・治験薬投与開始 4 週間前から退院 3 カ月後までの禁欲(ライフスタイルとして選択する

場合であり,治験参加を目的とした禁欲は除く) ・治験薬投与開始日から退院 3 カ月後まで他の避妊法(経口又は注射ホルモン避妊薬,避

妊パッチ,子宮内避妊器具,卵管結紮,膣内ホルモンリング,ペッサリー又は子宮頸管

キャップ)を使用する場合のコンドームの併用 ・パートナーに妊娠の可能性がない(閉経後,不妊手術済み又は子宮摘出の既往を有する)

(3) BMI が 18.5 kg/m2 以上 30.0 kg/m2 以下の者 (4) 被験者本人から文書による同意が得られている者

2.除外基準(以下の基準のいずれかに該当する者は対象から除外した)

(1) スクリーニング時から遡って 6 カ月以内に妊娠していた女性,又はスクリーニング時から遡

って 3 カ月以内に授乳していた女性 (2) 本剤,フロセミド又はこれらの製剤の構成成分に対して過敏症の既往を有する者,又は過敏

症が疑われる者 (3) 基準値上限を超える肝機能検査値が認められる者(1 回の再検査を許容した) (4) 臨床的に重要な喘息,湿疹,アレルギー又は重度の薬物過敏症の既往を有する者(症状の出

ていない花粉症は除く) (5) 治験担当医師により臨床的に重要と判断された消化器系,心血管系,呼吸器系,腎機能,肝

機能,神経系,皮膚,精神又は代謝系の疾患又は障害の既往を有する者 (6) 本試験前の身体所見,心電図検査及び臨床検査の結果,治験担当医師により臨床的に重要な

異常があると判断された者 (7) MDRD 式に基づく eGFR が 60 mL/min/1.73 m2 未満の者 (8) 本試験前来院時に,脈拍数又は血圧に下記の異常が認められた者:

平均脈拍数<40 bpm 若しくは>90 bpm,平均収縮期血圧>140 mmHg,平均拡張期血圧>90 mmHg(血圧は臥位にて 5 分間安静後に 3 回測定する。脈拍数は自動測定とする)

(9) 430 msec(男性)又は 450 msec(女性)を超える QTc 延長が 2 回の測定で繰り返し認められ

た者,原因不明の失神,心停止,原因不明の不整脈若しくは Torsade de pointes,又は器質性

心疾患の既往を有する者,又は QT 延長症候群の家族歴を有する者 (10) 入院前 2 週間以内に処方薬又は一般用医薬品(ビタミン剤,経口避妊薬,ホルモン補充療法,

セイヨウオトギリソウ等の生薬又はハーブ製剤を含む)を使用した者(3 g/日以下のアセトア

ミノフェンの頓用を除く) (11) 入院前 3 カ月以内に肝代謝酵素誘導作用を有する薬剤(バルビツール酸類,リファンピシン

等)を常用した者 (12) 入院 1 週間前から後観察までにグレープフルーツ(3 回 × 200 mL を超える)又はマーマレー

399

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2.7.6 個々の試験のまとめ

ド(3 回を超える)を摂取した者(被験者の報告に基づく) (13) 入院前 3 カ月以内に薬物乱用歴を有する者 (14) 入院前 3 カ月以内に 1 日 10 本を超える巻きタバコ(又は当量の刻みタバコ)を使用した者 (15) 入院前 3 カ月以内のアルコール摂取量が 1 週間あたり 21 単位(男性)又は 14 単位(女性)

[1 単位=アルコール 10 g=ビール(5%)250 mL,蒸留酒(35%)35 mL,ワイン(12%)100 mL]を超える者

(16) 入院前 3 カ月以内に献血(全血又は成分献血)を行った者 (17) HBs 抗原,HAV IgM 抗体,HCV 抗体又は HIV 抗体 1 及び 2 が陽性の者 (18) 何らかの理由のため本試験を完了できない可能性があると治験担当医師により判断された者 (19) 本試験登録予定日から遡って 3 カ月以内に他の治験に参加した者,又は 12 カ月以内に 4 件以

上の治験に参加した者,又は半減期の長い生物製剤を使用する治験に参加した者 (20) 治験担当医師により,本試験を安全に完了できない疾患を有すると判断された者 (21) アステラス製薬グループ又は本試験に関係する CRO に雇用されている者

治験薬,投与量及び投与方法:

1.被験薬及びロット番号

ASP1941 錠 50 mg:1 錠中に ASP1941 として 50 mg を含有するフィルムコート錠 ロット番号:BX1003955,10010A

2.併用薬及びロット番号 フロセミド錠 40 mg:1 錠中にフロセミドとして 40 mg を含有する錠剤 ロット番号:FD908

3.投与量及び投与方法

本剤 50 mg 3 錠単独,フロセミド 40 mg 1 錠単独又は本剤 50 mg 3 錠とフロセミド 40 mg 1 錠併用

のいずれかを,朝食 2 時間前に水 240 mL とともに経口投与した。 本試験では,各被験者に,電解質(Na,K,Ca)の摂取量が成人男女の標準的な 1 日摂取量とな

るように調整した食事を Day −5 から Day 5 まで提供した。また,飲料の摂取は 7 時から 23 時ま

で 2 時間ごとに水 240 mL とした。朝食は治験薬投与予定時刻の 2 時間後,昼食は朝食 4 時間後,

夕食は昼食 4 時間後とし,すべての食事及び飲水は,治験薬投与の有無にかかわらず全被験者で

同時刻となるようにした。

【設定根拠】

薬物動態/薬力学モデルによると,本剤 150 mg は,尿中グルコース排泄に対する最大作用の約

90%を示す用量であると推測された。本剤は,健康被験者を対象とした 600 mg までの単回及び反

復投与で良好な忍容性を示した。 フロセミドの用量は,承認済みの臨床用量であり,安全性上のリスクをもたらすことなく本剤と

の相互作用を評価できると考えられた。 評価期間:

治験薬投与期間:各期 5 日間(本剤とフロセミド併用投与でのフロセミド投与は 7 日間)

併用治療(薬剤及び療法):

入院 2 週間前から試験終了まで,処方薬又は一般用医薬品(ビタミン剤,経口避妊薬,ホルモン

補充療法,セイヨウオトギリソウ等の生薬又はハーブ製剤を含む)の使用は禁止した(3 g/日以下

のアセトアミノフェンの頓用を除く)。

400

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2.7.6 個々の試験のまとめ

評価項目,評価スケジュール及び評価基準:

1.評価スケジュール:

スクリー

ニング 治験薬投与期(第 1 期,第 2 期,第 3 期) 後観察 a

Day −22~−6 −5 −4 −3 −2 −1 1 2 3 4 5 6 7 8 入院 X X X X X X X X X X X X X 退院 X 試験前スクリーニング b X 同意取得 X 身体所見 X X X 薬物乱用及びアルコール

摂取の調査 X X X

妊娠検査 c X X X 適格性調査 d X 無作為化 d X バイオバンキング用採血 e X 臨床検査 X X X X X バイタルサイン (血圧,脈拍数)

X X X X X X Xg Xf Xf Xf Xg X X X X 12 誘導心電図 X X X X X X Xf Xf Xf Xf Xf X X X X 治験薬投与 X X X X X Xh Xh 食事 X X X X X X X X X X X X X 本剤の未変化体及び代謝

物 M2 の薬物動態解析用

採血 i X X X

フロセミドの薬物動態解

析用採血 j X X X

薬力学解析用採血(電解質

及びクレアチニン)k X X X

蓄尿 l X 併用薬/有害事象調査 X X X X X X X X X X X X X X X

a:退院(第 3 期)又は中止後 7~14 日とした。

b:試験前スクリーニングには選択・除外基準確認,被験者背景,飲酒及び喫煙歴,既往歴,薬歴の調査,血清学的検査を含む。

c:スクリーニング及び後観察では血清妊娠検査,Day −5では尿妊娠検査を実施した。

d:第 1 期のみ実施した。

e:本剤の代謝又は薬物動態に関連する遺伝子多型のレトロスペクティブ分析用(本剤の薬物動態に有意な被験者間変動が示さ

れた場合に実施)として,第 1 期の治験薬投与前に各被験者から 1 検体採取した。

f:治験薬投与前に実施した。

g:治験薬投与前及び投与後 1 時間に実施した。

h:Day 6 及び Day 7 は,本剤とフロセミド併用投与時のフロセミド投与のみ。

i:本剤単独投与時及び本剤とフロセミド併用投与時に実施した。採血時期:Day 3 及び Day 4 の治験薬投与前,Day 5 の治験薬

投与前,投与後 0.5,1,1.5,2,3,4,8,12,16,24,36,48,72 時間。

j:フロセミド単独投与時及び本剤とフロセミド併用投与時に実施した。採血時期:Day 3 及び Day 4 の治験薬投与前,Day 5 の

治験薬投与前,投与後 0.5,1,1.5,2,3,4,6,8,12,24 時間。

k:採血時期:Day −1(Day 1 の採血予定時期と同時期),並びに Day 1 及び Day 5 の治験薬投与前,投与後 1,2,4,8,16,24時間。

l:詳細は以下の別表(蓄尿スケジュール)を参照。

401

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2.7.6 個々の試験のまとめ

蓄尿スケジュール(その 1)

t=0 治験薬投与 治験薬投与

Day(24 h) −1 1 2 3 蓄尿回 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 蓄尿時間 2 h 2 h 4 h 4 h 4 h 8 h 2 h 2 h 4 h 4 h 4 h 8 h 2 h 2 h 4 h 4 h 4 h 8 h

評価項目

電解質及びクレアチニン 電解質及びクレアチニン ―

尿中グルコース排泄量 尿中グルコース排泄量 尿中グルコース排泄量

― 本剤及び M2 の薬物動態パラメータ ―

蓄尿時間は,Day 1~5 の治験薬投与開始予定時刻を基点とした。

蓄尿スケジュール(その 2)

治験薬投与 治験薬投与 治験薬投与 Day(24 h) 3 4 5 6 蓄尿回 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 蓄尿時間 2 h 2 h 4 h 4 h 4 h 8 h 2 h 2 h 4 h 4 h 4 h 8 h 2 h 2 h 4 h 4 h 4 h 8 h

評価項目

― 電解質及びクレアチニン

尿中グルコース排泄量 尿中グルコース排泄量 尿中グルコース排泄量

― 本剤及び M2 の薬物動態パラメータ

蓄尿時間は,Day 1~5 の治験薬投与開始予定時刻を基点とした。

2.薬力学|薬物動態:

(1) 主要評価項目 [薬力学]

・本剤とフロセミド併用投与時及びフロセミド単独投与時の Day 5 の Na の尿中排泄量(Ae24h) (2) 副次評価項目

[薬力学]

尿中

・各期での Day −1(ベースライン),Day 1 及び Day 5 の Na の尿中排泄量(Ae24h)

・各期での Day −1,Day 1 及び Day 5 の電解質(Ca,Cl,K,P,Mg)の尿中排泄量(Ae24h)

・各期での Day −1,Day 1 及び Day 5 の尿量 ・各期での Day −1,Day 1 及び Day 5 のクレアチニンの尿中排泄量[Ae24h及びクレアチニンク

リアランス(CLcr)] ・各期での Day −1~5 の 24 時間の尿中グルコース排泄量(UGE24h) 血中 ・各期での Day −1,Day 1 及び Day 5 の血中(血清中又は血漿中)電解質(Ca,Cl,K,P,Mg)

濃度[24 時間の血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUC24h)] ・各期での Day −1,Day 1 及び Day 5 の血中(血清中又は血漿中)クレアチニン濃度(AUC24h)

[薬物動態] 血漿中 本剤: ・Day 5:投与間隔ごとの血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUCtau),最高血漿中濃度(Cmax),

消失半減期(t1/2),最高血漿中濃度到達時間(tmax),経口クリアランス(CL/F),みかけの

分布容積(Vz/F),ピーク/トラフ比(PTR) ・Day 3,Day 4,Day 5 及び Day 6:トラフ濃度(Ctrough)

代謝物 M2:

・Day 5:AUCtau,Cmax,t1/2,tmax,PTR,AUCtau(M2)/AUCtau(未変化体) ・Day 3,Day 4,Day 5 及び Day 6:Ctrough

フロセミド:

402

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2.7.6 個々の試験のまとめ

・Day 5:AUCtau,Cmax,t1/2,tmax,CL/F,Vz/F,PTR ・Day 3,Day 4,Day 5 及び Day 6:Ctrough

尿中 尿中の本剤及び代謝物 M2 の薬物動態は,血漿中の薬物動態の結果により尿中排泄の可能性が

示された場合に評価することとした。 本剤: ・Day 5:投与間隔ごとの尿中排泄量(Aetau),投与間隔ごとの尿中排泄率(Aetau%),CLcr

代謝物 M2: ・Day 5:Aetau,Aetau%,CLcr

3.安全性: 有害事象,臨床検査(血液学的検査,血液生化学検査,尿検査),バイタルサイン(拡張期血圧,

収縮期血圧及び脈拍数),身体所見及び 12 誘導心電図,低血糖の徴候及び症状[発汗,空腹感,

頻脈(動悸),顔面蒼白] 有害事象は,各被験者の同意取得時から最終評価時までに発現した事象を収集し,治験薬投与開

始後から投与終了後 7 日までに認められた有害事象(以下,有害事象)を解析対象として集計し

た。 有害事象と治験薬との関連性は以下の基準により判定し,「関連あるかもしれない」又は「多分(お

そらく)関連あり」のいずれかに該当したものを,「治験薬との関連性が否定できない有害事象(副

作用)」と定義した。 治験薬との関連性 関連性判定基準 否定できる 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的関係から関連性がありそうにないと思われる場

合や,他の薬剤や合併症・基礎疾患等により説明ができる場合 関連あるかもしれ

ない 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係があるが,要因として合併症・

基礎疾患や他の薬剤による説明もできる場合。投与中止に関する情報が不明確な場合 多分(おそらく)

関連あり 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係がある場合,合併症・基礎疾患

や他の薬剤では説明ができない,又はそれらによる可能性が考えにくい場合,再投与によ

り再発又は投与中止により消失又は軽快を示す場合

有害事象の程度は,以下に従って判定した。 ・軽度:日常の活動に支障がないもの ・中等度:日常の活動に支障があるもの ・重度:日常の活動が不可能になるもの

統計解析:

1.解析対象集団:

(1) 安全性解析対象集団(SAF) 治験薬を 1 回以上服用した被験者の集団を SAF とした。 (2) 薬物動態解析対象集団(PKAS) SAF に含まれる被験者のうち,1 つ以上の薬物動態パラメータの算出に適切な濃度データが得ら

れた被験者の集団を PKAS とした。 (3) 薬力学解析対象集団(PDAS) SAF に含まれる被験者のうち,薬力学パラメータの算出に適切な検体が得られた被験者の集団を

PDAS とした。 2.被験者背景及びその他の基準値:

SAF を対象に,計数値項目では度数集計を行い,計量値項目では要約統計量を算出した。 3.薬力学|薬物動態:

(1) 薬力学

403

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2.7.6 個々の試験のまとめ

薬力学の解析では,PDAS を解析対象とした。 薬力学パラメータの要約統計量を投与条件ごとに算出した。 薬力学パラメータに変動係数を示し,Cmax及び AUC では幾何平均値を算出した。 Na の尿中排泄量を検討するため,Day 5 の Na の Ae24hの対数変換値について,Day −1 の薬力学パ

ラメータの対数変換値を共変量,投与条件,投与期及び投与順序を固定効果,被験者を変量効果

とする混合効果モデルを用いて解析した。Na の尿中排泄量のフロセミド単独投与に対する本剤と

フロセミド併用投与の幾何平均比及び 90%信頼区間を算出した。本剤単独投与に対する本剤とフ

ロセミド併用投与との比較についても,同様に解析した。 副次解析として,Day 1 の Na の Ae24hの対数変換値についても,同様の解析を行った。 また,Day 1 の Na の Ae24hの Day −1 からの変化量,並びに Day 5 の Na の Ae24hの Day −1 及び Day 1 からの変化量を,Day −1 の値を共変量,投与条件,投与期及び投与順序を固定効果,被験者を

変量効果とする混合効果モデルにより解析した。 電解質及びグルコースの尿中排泄量,並びに血中のクレアチニン及び電解質濃度に関しても,Naの尿中排泄量と同様の解析を行った。 Day 1 の尿量の Day −1 からの変化量,並びに Day 5 の尿量の Day −1 及び Day 1 からの変化量につ

いて,Day −1 の値を共変量,投与条件,投与期及び投与順序を固定効果,被験者を変量効果とす

る共分散分析を用いて解析した。 (2) 薬物動態 薬物動態の解析では,PKAS を解析対象とした。 薬物動態パラメータに変動係数を示し,Cmax及び AUC では幾何平均値を算出した。 薬物動態パラメータの要約統計量を投与条件ごとに算出した。 本剤の薬物動態に及ぼすフロセミドの影響について検討するため,本剤の AUCtau及び Cmaxの対数

変換値について,投与条件,投与期及び投与順序を固定効果,被験者を変量効果とする混合効果

モデルにより解析し,本剤単独投与に対する本剤とフロセミド併用投与の幾何平均比及び 90%信

頼区間を算出した。M2 についても,同様の解析を行った。 フロセミドの薬物動態に及ぼす本剤の影響についても,同様の解析を行った。 4.安全性:

安全性の解析では,SAF を解析対象とした。 有害事象:有害事象及び副作用の発現率を投与条件別に算出した。 臨床検査値及びバイタルサイン:計量値項目では評価時点ごとに実測値の要約統計量を算出し,

計数値項目ではベースライン(治験薬投与開始前)と各評価時点の測定値のクロス表を作成した。 12 誘導心電図:心電図所見の臨床的に重要な異常及び臨床的に重要でない異常の発現率を評価時

点ごとに算出した。

報告書の日付: 年 月 日

404

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.17.2 被験者の内訳及び解析対象集団

2.7.6.17.2.1 被験者の内訳

被験者の内訳を表 2.7.6.17-1 に示した。

計 24 例を 6 群(各群 4 例)に無作為に割り付けた。24 例全例がすべての投与条件(本剤単独,

フロセミド単独,本剤とフロセミド併用)で治験薬を服用し,試験を完了した。

表 2.7.6.17-1 被験者の内訳 計 無作為化例 24 治験薬投与例 本剤単独投与例 24 フロセミド単独投与例 24 本剤 + フロセミド併用投与例 24

完了例 24

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.1.1.1,12.1.1.2,12.1.1.3

2.7.6.17.2.2 解析対象集団

解析対象集団から除外した被験者はなく,24 例全例を SAF,PKAS 及び PDAS とした。

2.7.6.17.3 人口統計学的及び他の基準値の特性

被験者背景を表 2.7.6.17-2 に示した。

全被験者のうち男性が 15 例,女性が 9 例であった。平均年齢は 35.1 歳であった。全 24 例中 3

例が喫煙者,21 例が飲酒者であった。

405

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.17-2 被験者背景(SAF)

計 (N=24)

性別 n(%) 男性 15(62.5%) 女性 9(37.5%)

人種 n(%)

白人 21(87.5%) 黒人 1(4.2%) アジア人 2(8.3%) その他 0

年齢(歳) 平均値(標準偏差) 35.1(10.40) 最小値 – 最大値 21 – 55 中央値 33.0

身長(cm) 平均値(標準偏差) 174.0(8.75) 最小値 – 最大値 157 – 191 中央値 174.0

体重(kg) 平均値(標準偏差) 74.32(10.884) 最小値 – 最大値 56.2 – 94.4 中央値 73.25

BMI(kg/m2) 平均値(標準偏差) 24.483(2.6937) 最小値 – 最大値 19.95 – 29.63 中央値 24.185

喫煙歴 n(%) なし 16(66.7%) 過去にあり 5(20.8%) 現在あり 3(12.5%)

飲酒歴 n(%) なし 2(8.3%) 過去にあり 1(4.2%) 現在あり 21(87.5%)

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.1.2.1,12.1.2.2

2.7.6.17.4 治験薬の曝露

24 例全例がすべての投与条件(本剤単独,フロセミド単独,本剤とフロセミド併用)で治験薬

を服用し,試験を完了した。

2.7.6.17.5 薬物動態|薬力学

2.7.6.17.5.1 薬物動態

(1) 本剤の薬物動態に及ぼすフロセミドの影響

本剤単独投与時及び本剤とフロセミド併用投与時の本剤の血漿中未変化体濃度の平均値の推移

を図 2.7.6.17-1 に,血漿中 M2 濃度の平均値の推移を図 2.7.6.17-2 に示し,本剤単独投与時及び本

剤とフロセミド併用投与時の本剤の血漿中未変化体及び M2 の薬物動態パラメータを表 2.7.6.17-3

に示した。また,本剤単独投与時及び本剤とフロセミド併用投与時の本剤の血漿中未変化体の薬

物動態パラメータ(AUCtau及び Cmax)の比較を表 2.7.6.17-4 に,血漿中 M2 の薬物動態パラメータ

(AUCtau及び Cmax)の比較を表 2.7.6.17-5 に示した。

406

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2.7.6 個々の試験のまとめ

未変化体のトラフ濃度推移から,未変化体は Day 3 に定常状態に達したことが示された。未変

化体のトラフ濃度は,本剤単独投与時には Day 3~6 で 146.613~166.770 ng/mL の範囲,本剤とフ

ロセミド併用投与時には Day 3~6 で 162.191~179.200 ng/mL の範囲であった。

本剤とフロセミド併用投与時に,未変化体の tmax の中央値に変化はみられなかった。未変化体

の t1/2 の平均値は,本剤単独投与時で 15.76521 時間,本剤とフロセミド併用投与時で 16.62417 時

間であり,フロセミド併用投与による影響はみられなかった。CL/F の平均値は,本剤単独投与時

で 12.27867 L/h,本剤とフロセミド併用投与時で 11.50704 L/h であり,Vz/F の平均値にフロセミド

併用投与による変化はみられなかった。本剤単独投与時と比較して,本剤とフロセミド併用投与

時の本剤の未変化体の AUCtauは 1.068 倍(90%信頼区間:1.034,1.103),Cmaxは 1.134 倍(90%信

頼区間:1.045,1.229)であった。

Day 3 以降,M2 のトラフ濃度は一定していた。M2 のトラフ濃度は,本剤単独投与時には Day 3

~6 で 72.604~83.453 ng/mL の範囲,本剤とフロセミド併用投与時には Day 3~6 で 86.122~

96.098 ng/mL の範囲であった。

本剤とフロセミド併用投与時に,M2 の tmaxの中央値に変化はみられなかった。M2 の t1/2 の平均

値は本剤単独投与時で 15.54571 時間,本剤とフロセミド併用投与時で 16.76111 時間であり,フロ

セミド併用投与による影響はみられなかった。AUCtau(M2)/AUCtau(未変化体) の比の平均値(標

準偏差)は,本剤単独投与時で 0.40639(0.097713)(分子量補正後)及び 0.58337(0.140282)(分

子量未補正)であり,これらは本剤とフロセミド併用投与時と同程度であった。本剤単独投与時

と比較して,本剤とフロセミド併用投与時のM2のAUCtauは1.124倍(90%信頼区間:1.101,1.147),

Cmaxは 1.135 倍(90%信頼区間:1.059,1.216)であった。

407

Page 34: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.17-1 ASP1941 単独投与時及び ASP1941 とフロセミド併用投与時の ASP1941 の血

漿中未変化体濃度の平均値の推移(線形スケール及び片対数スケール)(PKAS)

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Figure 12.4.1.1.1,12.4.1.1.2

408

Page 35: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.17-2 ASP1941 単独投与時及び ASP1941 とフロセミド併用投与時の血漿中 M2 濃度

の平均値の推移(線形スケール及び片対数スケール)(PKAS)

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Figure 12.4.1.2.1,12.4.1.2.2

409

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.17-3 ASP1941 単独投与時及び ASP1941 とフロセミド併用投与時の ASP1941 の血

漿中未変化体及び M2 の薬物動態パラメータ(PKAS) 血漿中未変化体の薬物動態パラメータ

ASP1941 単独投与 (N=24)

tmax (h)

Cmax (ng/mL)

AUCtau (ng•h/mL)

t1/2 (h)

CL/F (L/h)

Vz/F (L) PTR

N 24 24 23 24 24 24 24 平均値 1.814 1997.218 12527.49027 15.76521 12.27867 274.32807 14.23252 標準偏差 0.6389 374.0052 2292.014843 5.392676 2.303875 88.179862 5.280368 変動係数(%) − 18.7 18.3 34.2 18.8 32.1 37.1 中央値 1.515 2015.070 12239.16150 14.46315 11.97790 248.05955 13.50120 最小値 1.00 1350.84 7753.4424 9.3309 7.6798 165.9941 6.8316 最大値 3.00 2660.72 19531.8715 33.1074 19.3462 504.5484 29.4462 幾何平均値 − 1963.076 12332.64193 − − − −

ASP1941 + フロセミド併用投与 (N=24)

tmax (h)

Cmax (ng/mL)

AUCtau (ng•h/mL)

t1/2 (h)

CL/F (L/h)

Vz/F (L) PTR

N 24 24 24 23 24 23 24 平均値 1.669 2297.406 13434.71844 16.62417 11.50704 275.03726 14.62353 標準偏差 0.8569 561.6651 2409.154767 5.788166 2.046102 97.847965 5.559134 変動係数(%) − 24.4 17.9 34.8 17.8 35.6 38.0 中央値 1.500 2294.720 12929.99950 14.76540 11.60135 264.08310 14.98335 最小値 0.50 1131.74 8857.4287 9.8040 7.8622 143.3949 4.6175 最大値 4.02 3548.13 19078.6007 34.3992 16.9349 489.1313 24.9945 幾何平均値 − 2225.296 13232.98690 − − − −

血漿中 M2 の薬物動態パラメータ ASP1941 単独投与 (N=24)

tmax (h)

Cmax (ng/mL)

AUCtau (ng•h/mL)

t1/2 (h)

CL/F (L/h)

Vz/F (L) PTR

N 24 24 23 24 − − 24 平均値 2.085 1193.875 7211.68263 15.54571 − − 16.16715 標準偏差 0.5437 301.0122 1560.643626 4.453484 − − 5.575101 変動係数(%) − 25.2 21.6 28.6 − − 34.5 中央値 2.000 1207.995 7447.14160 15.00150 − − 16.37725 最小値 1.00 546.19 4044.7877 9.2124 − − 7.5964 最大値 3.00 1653.33 10002.6390 24.2942 − − 29.1654 幾何平均値 − 1152.902 7037.87565 − − − −

ASP1941 + フロセミド併用投与 (N=24)

tmax (h)

Cmax (ng/mL)

AUCtau (ng•h/mL)

t1/2 (h)

CL/F (L/h)

Vz/F (L) PTR

N 24 24 24 23 − − 24 平均値 2.046 1362.804 8062.98728 16.76111 − − 15.23155 標準偏差 0.7082 383.1790 1749.803784 6.188710 − − 5.517799 変動係数(%) − 28.1 21.7 36.9 − − 36.2 中央値 2.000 1396.695 8411.96620 15.75310 − − 15.03190 最小値 1.00 743.63 4798.8352 9.9831 − − 5.1559 最大値 4.02 2093.16 11426.3818 35.4314 − − 30.2006 幾何平均値 − 1308.356 7869.10446 − − − −

−:該当なし Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.4.4.1.1,12.4.4.2

410

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.17-4 フロセミドが ASP1941 の血漿中未変化体の薬物動態に及ぼす影響(PKAS) ASP1941 ASP1941

単独投与 (N=24)

ASP1941 + フロセミド併用投与

(N=24) 幾何平均比

(併用投与/単独投与) 幾何平均比の 90%信頼区間

幾何平均 幾何平均 AUCtau(ng•h/mL) 12388.429 13232.987 1.068 (1.034, 1.103) Cmax(ng/mL) 1963.076 2225.296 1.134 (1.045, 1.229)

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.4.6.1

表 2.7.6.17-5 フロセミドが血漿中 M2 の薬物動態に及ぼす影響(PKAS)

M2 ASP1941 単独投与

(N=24)

ASP1941 + フロセミド併用投与

(N=24) 幾何平均比

(併用投与/単独投与) 幾何平均比の 90%信頼区間

幾何平均 幾何平均 AUCtau(ng•h/mL) 7002.055 7869.104 1.124 1.101, 1.147 Cmax(ng/mL) 1152.902 1308.356 1.135 1.059, 1.216

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.4.6.2

(2) フロセミドの薬物動態に及ぼす本剤の影響

フロセミド単独投与時及び本剤とフロセミド併用投与時の血漿中フロセミド濃度の平均値の推

移を図 2.7.6.17-3 に示し,フロセミド単独投与時及び本剤とフロセミド併用投与時の血漿中フロセ

ミドの薬物動態パラメータを表 2.7.6.17-6 に示した。また,フロセミド単独投与時及び本剤とフロ

セミド併用投与時のフロセミドの薬物動態パラメータ(AUCtau及び Cmax)の比較を表 2.7.6.17-7

に示した。

フロセミドのトラフ濃度は,フロセミド単独投与時には Day 3~6 で 11.582~13.828 ng/mL の範

囲,本剤とフロセミド併用投与時には Day 3~6 で 12.863~14.984 ng/mL の範囲であった。多くの

被験者で,フロセミドのトラフ濃度は定量下限値未満であった。

本剤とフロセミド併用投与時に,フロセミドの tmaxの中央値に変化はみられなかった。t1/2の中

央値はフロセミド単独投与時で 3.06820時間,本剤とフロセミド併用投与時で 3.23150時間であり,

本剤併用による影響はみられなかった。CL/F 及び Vz/F の平均値に本剤併用投与による変化はみ

られなかった。

フロセミド単独投与時と比較して,本剤とフロセミド併用投与時のフロセミドのAUCtauは 1.062

倍(90%信頼区間:0.950,1.187),Cmaxは 1.071 倍(90%信頼区間:0.884,1.296)であった。

411

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2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.17-3 フロセミド単独投与時及び ASP1941 とフロセミド併用投与時の血漿中フロセ

ミド濃度の平均値の推移(線形スケール及び片対数スケール)(PKAS)

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Figure 12.4.1.3.1,12.4.1.3.2

412

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.17-6 フロセミド単独投与時及び ASP1941 とフロセミド併用投与時の血漿中フロセ

ミドの薬物動態パラメータ(PKAS) フロセミド単独投与 (N=24)

tmax (h)

Cmax (ng/mL)

AUCtau (ng•h/mL)

t1/2 (h)

CL/F (L/h)

Vz/F (L) PTR

N 24 24 20 15 20 15 11 平均値 1.605 1088.876 2641.26371 3.82361 16.91433 99.68193 105.87330 標準偏差 0.6096 469.8481 683.134527 2.257733 7.414743 64.223397 26.877886 変動係数(%) − 43.1 25.9 59.0 43.8 64.4 25.4 中央値 1.500 1082.315 2883.66615 3.06820 13.87570 64.56180 104.67920 最小値 0.50 230.77 1088.1183 1.7953 12.0304 36.5822 58.2294 最大値 3.02 2146.82 3324.8990 9.3019 36.7607 218.6097 140.5603 幾何平均値 − 958.006 2523.81256 − − − −

ASP1941 + フロセミド併用投与 (N=24) tmax

(h) Cmax

(ng/mL) AUCtau

(ng•h/mL) t1/2 (h)

CL/F (L/h)

Vz/F (L) PTR

N 24 24 17 17 17 17 10 平均値 1.417 1127.802 2664.34558 4.56187 16.26368 109.33055 71.74950 標準偏差 0.8454 429.5888 672.469209 2.896862 5.565725 75.836586 41.138017 変動係数(%) − 38.1 25.2 63.5 34.2 69.4 57.3 中央値 1.500 1137.660 2641.92300 3.23150 15.14050 72.31070 65.09795 最小値 0.50 238.06 1300.7822 1.4928 10.3921 31.1637 15.1824 最大値 4.02 1892.83 3849.0623 10.9386 30.7507 247.5788 168.2790 幾何平均値 − 1025.648 2570.39330 − − − − −:該当なし Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.4.4.3

表 2.7.6.17-7 ASP1941 がフロセミドの薬物動態に及ぼす影響(PKAS) フロセミド フロセミド

単独投与 (N=24)

ASP1941 + フロセミド併用投与

(N=24) 幾何平均比

(併用投与/単独投与) 幾何平均比の 90%信頼区間

幾何平均 幾何平均 AUCtau(ng•h/mL) 2450.687 2602.404 1.062 (0.950, 1.187) Cmax(ng/mL) 958.006 1025.648 1.071 (0.884, 1.296)

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.4.6.3

413

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.17.5.2 薬力学

投与条件(本剤単独投与,フロセミド単独投与,本剤とフロセミド併用投与)ごとの Day −1,

Day 1 及び Day 5 の尿中 Na 排泄量の平均値の推移を図 2.7.6.17-4 に,電解質の尿中排泄量の平均

値(標準偏差)の推移を表 2.7.6.17-8 に,本剤が電解質の尿中排泄量に及ぼす影響を表 2.7.6.17-9

に示した。

(1) 尿中 Na 排泄量

尿中 Na 排泄量は,フロセミド単独投与,本剤とフロセミド併用投与ともに,Day 1 投与直後か

ら投与後 4 時間まで増加した。Day 1 の 24 時間尿中 Na 排泄量は,Day −1 に比べ顕著に増加した。

本剤とフロセミド併用投与時の Day 1 の 24 時間尿中 Na 排泄量は,フロセミド単独投与時の 1.137

倍であった。Day 5 の 24 時間尿中 Na 排泄量は,フロセミド単独投与,本剤とフロセミド併用投

与ともにベースライン値に戻り,単独投与と本剤併用投与で差はみられなかった。

本剤単独投与では,尿中 Na 排泄量は,Day 1,Day 5 ともに Day −1 から変化がみられなかった。

(2) その他の電解質の尿中排泄量

尿中 Cl 排泄量及び尿中 K 排泄量は,Day 1 にはフロセミド単独投与,本剤とフロセミド併用投

与ともに増加した。本剤とフロセミド併用投与時の Day 1 の尿中 Cl 排泄量及び尿中 K 排泄量は,

フロセミド単独投与時のそれぞれ 1.113 倍及び 1.084 倍であり,単独投与と本剤併用投与で差はみ

られなかった。Day 5 の尿中 Cl 排泄量及び尿中 K 排泄量はベースライン値に戻った。

尿中 Ca 排泄量は,フロセミド単独投与,本剤とフロセミド併用投与ともに Day 1 及び Day 5 に

は増加し,単独投与と本剤併用投与で差はみられなかった。

尿中 Mg 排泄量及び尿中 P 排泄量は,フロセミド単独投与では変化はみられなかったが,本剤

とフロセミド併用投与では Day 1 に減少した。本剤とフロセミド併用投与時の Day 1 の尿中 Mg

排泄量及び尿中 P 排泄量は,フロセミド単独投与時のそれぞれ 0.825 倍及び 0.859 倍であった。本

剤とフロセミド併用投与時の Day 5 の尿中 Mg 排泄量及び尿中 P 排泄量はベースライン値に戻っ

た。

本剤単独投与では,尿中 Cl,尿中 K 及び尿中 Ca 排泄量は,いずれも Day −1 から変化がみられ

なかった。尿中 Mg 排泄量及び尿中 P 排泄量は,Day 1 には Day −1 に比べ減少したが,Day 5 に

はベースライン値に戻った。

414

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2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.17-4 ASP1941 単独投与,フロセミド単独投与,ASP1941 とフロセミド併用投与の

Day −1,Day 1 及び Day 5 の尿中 Na 排泄量の平均値の推移(PDAS) Day −1

Day 1

415

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2.7.6 個々の試験のまとめ

Day 5

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Figure 12.5.4.1

表 2.7.6.17-8 ASP1941 単独投与,フロセミド単独投与,ASP1941 とフロセミド併用投与の

電解質の尿中排泄量(Ae24h)の平均値(標準偏差)の推移(PDAS)

ASP1941 単独投与 (N=24)

フロセミド単独投与 (N=24)

ASP1941 + フロセミド併用投与

(N=24)

Na (mmol)

Day −1 平均値(標準偏差)

164.236(25.1670) 148.822(23.4226) 150.888(21.3800) Day 1 173.041(22.5566) 214.738(25.0904) 245.022(33.9358) Day 5 158.757(25.3545) 136.735(26.1195) 135.718(24.0693)

Ca (mmol)

Day −1 平均値(標準偏差)

4.374(1.8359) 4.123(1.9151) 4.129(2.0969) Day 1 4.432(1.9948) 4.856(1.7392) 4.733(1.7125) Day 5 4.518(2.1005) 4.846(1.7223) 4.762(1.6905)

Cl (mmol)

Day −1 平均値(標準偏差)

155.220(22.9259) 141.332(20.4961) 144.703(19.1929) Day 1 161.239(17.5951) 225.914(25.7717) 251.732(31.3809) Day 5 153.867(37.9008) 159.901(69.3962) 153.108(53.6597)

K (mmol)

Day −1 平均値(標準偏差)

69.581(10.5045) 65.512(9.7933) 67.680(8.4305) Day 1 72.496(8.6448) 73.197(9.4968) 80.867(9.5602) Day 5 70.590(9.2586) 68.749(10.1643) 72.358(10.9247)

P (mmol)

Day −1 平均値(標準偏差)

28.329(5.1338) 26.443(4.9154) 27.074(5.6196) Day 1 25.038(4.1605) 29.475(4.8906) 25.576(4.2669) Day 5 29.939(5.2260) 29.446(4.7337) 31.131(6.1868)

Mg (mmol)

Day −1 平均値(標準偏差)

5.312(1.0043) 5.161(1.2310) 5.230(1.1006) Day 1 4.459(1.0756) 5.105(1.1585) 4.257(0.9223) Day 5 5.103(0.8827) 5.341(1.2124) 5.424(1.0787)

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.5.3.2.1

416

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.17-9 ASP1941 が電解質の尿中排泄量(Ae24h)に及ぼす影響(PDAS)

フロセミド 単独投与

(N=24)

ASP1941 + フロセミド併用投与

(N=24) 幾何平均比

(併用投与/単独投与) 幾何平均比の 90%信頼区間

幾何平均 幾何平均

Na (mmol)

Day 1 213.414 242.672 1.137 1.091, 1.185 Day 5 134.349 133.412 0.993 0.926, 1.065

Ca (mmol)

Day 1 4.528 4.477 0.989 0.947, 1.033 Day 5 4.531 4.537 1.001 0.943, 1.063

Cl (mmol)

Day 1 224.515 249.822 1.113 1.071, 1.156 Day 5 148.126 145.608 0.983 0.866, 1.115

K (mmol)

Day 1 73.339 79.521 1.084 1.039, 1.131 Day 5 68.506 70.957 1.036 0.990, 1.083

P (mmol)

Day 1 29.223 25.091 0.859 0.813, 0.906 Day 5 29.211 30.349 1.039 0.983, 1.099

Mg (mmol)

Day 1 4.997 4.122 0.825 0.792, 0.859 Day 5 5.207 5.268 1.012 0.953, 1.074

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.5.4.1.2.1

(3) 尿量

本剤単独投与時,フロセミド単独投与時及び本剤とフロセミド併用投与時の 1 日尿量の平均値

は,Day −1 ではそれぞれ 2603.958 mL,2470.375 mL 及び 2471.083 mL,Day 1 ではそれぞれ

2659.417 mL,2789.292 mL 及び 3100.167 mL,Day 5 ではそれぞれ 2618.250 mL,2419.750 mL 及び

2484.542 mLであり,フロセミド単独投与時及び本剤とフロセミド併用投与時でDay 1にはDay −1

に比べ増加し,Day 5 にはいずれもベースライン値に戻った[CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)

Table 12.5.3.3]。

本剤がフロセミド投与時の 1 日尿量に及ぼす影響を表 2.7.6.17-10 に示した。本剤とフロセミド

併用投与時の Day 1 の 1 日尿量は,フロセミド単独投与時に比べ明らかに増加した。

表 2.7.6.17-10 ASP1941 が 1 日尿量に及ぼす影響(PDAS)

フロセミド 単独投与

(N=24)

ASP1941 + フロセミド併用投与

(N=24) 最小二乗平均値の差

(併用投与 − 単独投与) 最小二乗平均値の

差の 90%信頼区間 最小二乗平均値 最小二乗平均値

1 日尿量 (mL)

Day 1 2789.493 3099.966 310.473 194.267, 426.679 Day 5 2419.975 2484.316 64.341 −18.312, 146.994

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.5.4.1.3

417

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2.7.6 個々の試験のまとめ

(4) 尿中クレアチニン排泄量

本剤がフロセミド投与時の尿中クレアチニン排泄量及びクレアチニンクリアランスに及ぼす影

響を表 2.7.6.17-11 に示した。Day 1 及び Day 5 のいずれでも,尿中クレアチニン排泄量(Ae24h)

及びクレアチニンクリアランスに,本剤併用投与による変化はみられなかった。

表 2.7.6.17-11 ASP1941 が尿中クレアチニン排泄量及びクレアチニンクリアランスに及ぼす

影響(PDAS)

フロセミド 単独投与

(N=24)

ASP1941 + フロセミド併用投与

(N=24) 幾何平均比

(併用投与/単独投与) 幾何平均比の 90%信頼区間

幾何平均 幾何平均

Ae24h (mmol)

Day 1 13.595 13.365 0.983 0.958, 1.009 Day 5 13.403 13.510 1.008 0.970, 1.048

CLcr (mL/min)

Day 1 122.656 113.104 0.922 0.887, 0.959 Day 5 122.857 119.496 0.973 0.924, 1.024

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.5.4.1.2.2

(5) 尿中グルコース排泄量

本剤単独投与時,フロセミド単独投与時及び本剤とフロセミド併用投与時の尿中グルコース排

泄量(UGE24h)の平均値は,Day −1 ではそれぞれ 0.462 mmol,0.440 mmol 及び 0.431 mmol,Day

1 ではそれぞれ 321.594 mmol,0.539 mmol 及び 285.587 mmol,Day 5 ではそれぞれ 300.340 mmol,

0.460 mmol 及び 262.506 mmol であった。Day 1 及び Day 5 の尿中グルコース排泄量は,本剤投与

により顕著に増加し,本剤単独投与時と本剤とフロセミド併用投与時で同程度の増加がみられた。

フロセミド単独投与では,尿中グルコース排泄量に変化はみられなかった。

本剤がフロセミド投与時の尿中グルコース排泄量に及ぼす影響を表 2.7.6.17-12 に示した。Day 1

及び Day 5 の尿中グルコース排泄量では,フロセミド単独投与時と比較して,本剤とフロセミド

併用投与時に顕著な増加がみられた。

表 2.7.6.17-12 ASP1941 が尿中グルコース排泄量に及ぼす影響(PDAS)

フロセミド 単独投与

(N=24)

ASP1941 + フロセミド併用投与

(N=24) 幾何平均比

(併用投与/単独投与) 幾何平均比の 90%信頼区間

幾何平均 幾何平均

UGE24h (mmol)

Day 1 0.516 280.864 544.034 493.435, 599.822 Day 5 0.449 252.172 561.635 491.779, 641.414

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.5.4.1.2.3

418

Page 45: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

(6) 血清電解質及び血清クレアチニン

本剤がフロセミド投与時の血清電解質パラメータ(AUC24h)に及ぼす影響を表 2.7.6.17-13 に,

血清クレアチニンパラメータ(AUC24h)に及ぼす影響を表 2.7.6.17-14 に示した。

血清 Na,血清 Ca,血清 Cl 及び血清 K に本剤併用の有無による影響はみられなかった。血清 P

では,本剤とフロセミド併用投与時の Day 1 の血清 P は,フロセミド単独投与時の 1.091 倍(90%

信頼区間:1.063,1.119)であった。Day 5 の血清 P はベースライン値に戻った。血清 Mg では,

本剤とフロセミド併用投与時の Day 1 の血清 Mg は,フロセミド単独投与時よりわずかに高かっ

た。この増加は Day 5 まで持続したが,正常範囲内の変動であった。本剤単独投与では,Day 1

及び Day 5 の血清 P 及び血清 Mg にわずかな増加がみられたが,血清 Na,血清 Ca,血清 Cl 及び

血清 K に影響はみられなかった。

血清クレアチニンは,いずれの投与条件でも Day 1 及び Day 5 でわずかな増加がみられたが,

フロセミド単独投与時と本剤併用投与時で明らかな差はなかった。 表 2.7.6.17-13 ASP1941 が血清電解質パラメータ(AUC24h)に及ぼす影響(PDAS)

フロセミド 単独投与

(N=24)

ASP1941 + フロセミド併用投与

(N=24) 幾何平均比

(併用投与/単独投与) 幾何平均比の 90%信頼区間

幾何平均 幾何平均

Na (mmol•h/L)

Day 1 3357.174 3383.052 1.008 0.997, 1.018 Day 5 3372.542 3344.185 0.992 0.989, 0.995

Ca (mmol•h/L)

Day 1 56.910 57.545 1.011 0.998, 1.025 Day 5 55.896 55.467 0.992 0.982, 1.003

Cl (mmol•h/L)

Day 1 2444.132 2463.702 1.008 0.998, 1.019 Day 5 2445.719 2425.609 0.992 0.986, 0.998

K (mmol•h/L)

Day 1 103.211 103.419 1.002 0.986, 1.019 Day 5 98.233 97.478 0.992 0.971, 1.014

P (mmol•h/L)

Day 1 34.953 38.118 1.091 1.063, 1.119 Day 5 32.651 33.414 1.023 1.002, 1.045

Mg (mmol•h/L)

Day 1 19.933 20.977 1.052 1.037, 1.068 Day 5 20.496 21.781 1.063 1.049, 1.077

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.5.4.1.1.1

表 2.7.6.17-14 ASP1941 が血清クレアチニンパラメータ(AUC24h)に及ぼす影響(PDAS)

フロセミド 単独投与

(N=24)

ASP1941 + フロセミド併用投与

(N=24) 幾何平均比

(併用投与/単独投与) 幾何平均比の

90%信頼区間 幾何平均 幾何平均

クレアチニン (μmol•h/L)

Day 1 1847.017 1969.743 1.066 1.034, 1.100 Day 5 1815.526 1887.095 1.039 1.010, 1.070

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.5.4.1.1.2

419

Page 46: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.17.6 安全性

2.7.6.17.6.1 有害事象

本試験で認められた有害事象の要約を表 2.7.6.17-15 に示した。

有害事象は,本剤単独投与時に 24 例中 18 例(75.0%),フロセミド単独投与時に 24 例中 19 例

(79.2%),本剤とフロセミド併用投与時に 24 例中 19 例(79.2%)に認められた。有害事象の発現

率は,すべての投与条件で同程度であった。死亡,その他の重篤な有害事象及び治験薬投与中止

に至った有害事象は認められなかった。

表 2.7.6.17-15 有害事象の要約(SAF)

ASP1941 単独投与

フロセミド 単独投与

ASP1941 + フロセミド 併用投与

(N=24) (N=24) (N=24) (N=24) 有害事象発現例数(発現率) 18(75.0%) 19(79.2%) 19(79.2%) 23(95.8%) 有害事象発現件数 65 65 134 264 副作用発現例数(発現率) 17(70.8%) 17(70.8%) 19(79.2%) 22(91.7%) 副作用発現件数 54 59 120 233 重篤な有害事象発現例数(発現率) 0 0 0 0 重篤な副作用発現例数(発現率) 0 0 0 0 中止に至った有害事象発現例数(発現率) 0 0 0 0 中止に至った副作用発現例数(発現率) 0 0 0 0

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.6.1.1

有害事象の内訳を表 2.7.6.17-16 及び表 2.7.6.17-17 に示した。

有害事象の器官別大分類で最も多く認められたものは,胃腸障害,全身障害および投与局所様

態及び神経系障害であった。全体で認められた主な有害事象は,悪心(45.8%),口渇(54.2%),

頭痛(54.2%),浮動性めまい(45.8%)であった。これらの事象及び疲労,傾眠,脱水の発現率は,

本剤単独投与時及びフロセミド単独投与時と比較して,本剤とフロセミド併用投与時で高かった。

これらの有害事象のいずれも治験薬との関連性は否定されなかった。その他の有害事象は,いず

れの投与条件でも同程度に認められ,発現率及び発現件数に明らかな傾向はみられなかった。軽

度の有害事象が,本剤単独投与時及びフロセミド単独投与時でそれぞれ 15 例に,本剤とフロセミ

ド併用投与時で 9 例に認められた。中等度の有害事象が,本剤単独投与時で 3 例,フロセミド単

独投与時で 4 例,本剤とフロセミド併用投与時で 10 例に認められた。いずれの投与条件でも重度

の有害事象は認められなかった。Day 60 及び Day 62(いずれも第 3 期)に 1 例に認められ,転帰

不明とされた口腔ヘルペス及び紅色汗疹を除き,他のすべての有害事象は回復又は軽快が確認さ

れた。

420

Page 47: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.17-16 有害事象の内訳(例数)(SAF) MedDRA version 12.1 器官別大分類

基本語

ASP1941 単独投与

フロセミド 単独投与

ASP1941 + フロセミド 併用投与

(N=24) (N=24) (N=24) (N=24) すべての有害事象 18(75.0%) 19(79.2%) 19(79.2%) 23(95.8%) 胃腸障害 10(41.7%) 5(20.8%) 13(54.2%) 16(66.7%) 悪心 5(20.8%) 3(12.5%) 9(37.5%) 11(45.8%) 口内乾燥 2(8.3%) 1(4.2%) 3(12.5%) 5(20.8%) 下痢 2(8.3%) 1(4.2%) 1(4.2%) 4(16.7%) 消化不良 2(8.3%) 1(4.2%) 1(4.2%) 4(16.7%) 腹痛 2(8.3%) 0 1(4.2%) 3(12.5%) 上腹部痛 0 2(8.3%) 1(4.2%) 3(12.5%) 腹部膨満 1(4.2%) 0 1(4.2%) 2(8.3%) 便秘 0 1(4.2%) 1(4.2%) 2(8.3%) 下腹部痛 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 異常便 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 便習慣変化 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) 口唇炎 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 鼓腸 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) 消化管運動過剰 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 口腔内潰瘍形成 1(4.2%) 0 0 1(4.2%)

全身障害および投与局所様態 9(37.5%) 6(25.0%) 13(54.2%) 16(66.7%) 口渇 2(8.3%) 5(20.8%) 10(41.7%) 13(54.2%) 疲労 4(16.7%) 1(4.2%) 6(25.0%) 8(33.3%) 無力症 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) カテーテル留置部位紅斑 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 胸部不快感 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 胸痛 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 異常感 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 熱感 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 空腹 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) インフルエンザ様疾患 0 0 1(4.2%) 1(4.2%)

神経系障害 6(25.0%) 10(41.7%) 15(62.5%) 16(66.7%) 頭痛 5(20.8%) 6(25.0%) 10(41.7%) 13(54.2%) 浮動性めまい 2(8.3%) 5(20.8%) 9(37.5%) 11(45.8%) 傾眠 0 2(8.3%) 5(20.8%) 5(20.8%) 嗜眠 2(8.3%) 1(4.2%) 1(4.2%) 3(12.5%) 体位性めまい 0 1(4.2%) 1(4.2%) 1(4.2%)

代謝および栄養障害 6(25.0%) 0 6(25.0%) 10(41.7%) 食欲減退 6(25.0%) 0 5(20.8%) 9(37.5%) 脱水 0 0 2(8.3%) 2(8.3%)

感染症および寄生虫症 3(12.5%) 2(8.3%) 3(12.5%) 7(29.2%) 鼻咽頭炎 1(4.2%) 1(4.2%) 0 2(8.3%) 口腔ヘルペス 1(4.2%) 0 2(8.3%) 2(8.3%) 毛包炎 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 麦粒腫 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 上気道感染 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

腎および尿路障害 1(4.2%) 6(25.0%) 4(16.7%) 7(29.2%) 頻尿 0 5(20.8%) 3(12.5%) 5(20.8%) 多尿 1(4.2%) 1(4.2%) 1(4.2%) 2(8.3%)

421

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2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1 器官別大分類

基本語

ASP1941 単独投与

フロセミド 単独投与

ASP1941 + フロセミド 併用投与

(N=24) (N=24) (N=24) (N=24) 呼吸器,胸郭および縦隔障害 2(8.3%) 2(8.3%) 0 4(16.7%) 口腔咽頭痛 1(4.2%) 1(4.2%) 0 2(8.3%) 鼻出血 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) しゃっくり 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 鼻閉 1(4.2%) 0 0 1(4.2%)

皮膚および皮下組織障害 2(8.3%) 0 3(12.5%) 4(16.7%) ざ瘡 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 皮膚乾燥 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 紅色汗疹 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 全身性そう痒症 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 発疹 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 丘疹 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) そう痒性皮疹 0 0 1(4.2%) 1(4.2%)

傷害,中毒および処置合併症 1(4.2%) 2(8.3%) 0 3(12.5%) 挫傷 1(4.2%) 1(4.2%) 0 2(8.3%) 皮膚裂傷 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

筋骨格系および結合組織障害 0 2(8.3%) 1(4.2%) 3(12.5%) 背部痛 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 筋痙縮 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) 筋肉痛 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) 四肢痛 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

精神障害 1(4.2%) 0 3(12.5%) 3(12.5%) 不安 1(4.2%) 0 2(8.3%) 2(8.3%) 抑うつ気分 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 失見当識 1(4.2%) 0 0 1(4.2%)

生殖系および乳房障害 1(4.2%) 3(12.5%) 2(8.3%) 3(12.5%) 不規則月経 1(4.2%) 3(12.5%) 2(8.3%) 3(12.5%) 月経困難症 0 0 1(4.2%) 1(4.2%)

耳および迷路障害 0 1(4.2%) 1(4.2%) 2(8.3%) 耳不快感 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 耳痛 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

心臓障害 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 動悸 0 0 1(4.2%) 1(4.2%)

眼障害 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 眼痛 1(4.2%) 0 0 1(4.2%)

臨床検査 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) 尿量減少 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

血管障害 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) ほてり 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

発現例数(発現率) Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.6.1.2.1

422

Page 49: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.17-17 有害事象の内訳(件数)(SAF) MedDRA version 12.1 器官別大分類

基本語

ASP1941 単独投与

フロセミド 単独投与

ASP1941 + フロセミド 併用投与

(N=24) (N=24) (N=24) (N=24) すべての有害事象 65 65 134 264 胃腸障害 20 12 29 61 悪心 6 3 14 23 口内乾燥 2 1 6 9 下痢 2 1 1 4 消化不良 3 1 2 6 腹痛 2 0 1 3 上腹部痛 0 2 1 3 腹部膨満 1 0 2 3 便秘 0 1 1 2 下腹部痛 1 0 0 1 異常便 1 0 0 1 便習慣変化 0 2 0 2 口唇炎 0 0 1 1 鼓腸 0 1 0 1 消化管運動過剰 1 0 0 1 口腔内潰瘍形成 1 0 0 1

全身障害および投与局所様態 11 10 31 52 口渇 2 9 20 31 疲労 5 1 7 13 無力症 0 0 1 1 カテーテル留置部位紅斑 0 0 1 1 胸部不快感 0 0 1 1 胸痛 1 0 0 1 異常感 1 0 0 1 熱感 1 0 0 1 空腹 1 0 0 1 インフルエンザ様疾患 0 0 1 1

神経系障害 13 21 42 76 頭痛 9 9 18 36 浮動性めまい 2 8 14 24 傾眠 0 2 7 9 嗜眠 2 1 1 4 体位性めまい 0 1 2 3

代謝および栄養障害 7 0 9 16 食欲減退 7 0 5 12 脱水 0 0 4 4

感染症および寄生虫症 3 2 3 8 鼻咽頭炎 1 1 0 2 口腔ヘルペス 1 0 2 3 毛包炎 0 0 1 1 麦粒腫 1 0 0 1 上気道感染 0 1 0 1

腎および尿路障害 1 6 4 11 頻尿 0 5 3 8 多尿 1 1 1 3

423

Page 50: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1 器官別大分類

基本語

ASP1941 単独投与

フロセミド 単独投与

ASP1941 + フロセミド 併用投与

(N=24) (N=24) (N=24) (N=24) 呼吸器,胸郭および縦隔障害 3 2 0 5 口腔咽頭痛 1 1 0 2 鼻出血 0 1 0 1 しゃっくり 1 0 0 1 鼻閉 1 0 0 1

皮膚および皮下組織障害 2 0 6 8 ざ瘡 1 0 0 1 皮膚乾燥 0 0 1 1 紅色汗疹 0 0 1 1 全身性そう痒症 0 0 1 1 発疹 0 0 1 1 丘疹 1 0 0 1 そう痒性皮疹 0 0 2 2

傷害,中毒および処置合併症 1 2 0 3 挫傷 1 1 0 2 皮膚裂傷 0 1 0 1

筋骨格系および結合組織障害 0 4 1 5 背部痛 0 0 1 1 筋痙縮 0 2 0 2 筋肉痛 0 1 0 1 四肢痛 0 1 0 1

精神障害 2 0 3 5 不安 1 0 2 3 抑うつ気分 0 0 1 1 失見当識 1 0 0 1

生殖系および乳房障害 1 3 4 8 不規則月経 1 3 2 6 月経困難症 0 0 2 2

耳および迷路障害 0 1 1 2 耳不快感 0 0 1 1 耳痛 0 1 0 1

心臓障害 0 0 1 1 動悸 0 0 1 1

眼障害 1 0 0 1 眼痛 1 0 0 1

臨床検査 0 1 0 1 尿量減少 0 1 0 1

血管障害 0 1 0 1 ほてり 0 1 0 1

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.6.1.4

副作用の内訳を表 2.7.6.17-18 及び表 2.7.6.17-19 に示した。副作用の発現率は,いずれの投与条

件でも同程度であった。ほとんどの副作用は利尿作用の亢進に関連していると考えられた。これ

らの副作用を発現している被験者では,水分摂取量を増量した。本剤とフロセミドの併用投与時

に最も水分摂取量の増量が必要であった。

424

Page 51: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.17-18 副作用の内訳(例数)(SAF) MedDRA version 12.1 器官別大分類

基本語

ASP1941 単独投与

フロセミド 単独投与

ASP1941 + フロセミド 併用投与

(N=24) (N=24) (N=24) (N=24) すべての副作用 17(70.8%) 17(70.8%) 19(79.2%) 22(91.7%) 胃腸障害 10(41.7%) 5(20.8%) 13(54.2%) 16(66.7%) 悪心 4(16.7%) 3(12.5%) 9(37.5%) 10(41.7%) 口内乾燥 2(8.3%) 1(4.2%) 3(12.5%) 5(20.8%) 下痢 2(8.3%) 1(4.2%) 1(4.2%) 4(16.7%) 消化不良 2(8.3%) 1(4.2%) 1(4.2%) 4(16.7%) 上腹部痛 0 2(8.3%) 1(4.2%) 3(12.5%) 腹部膨満 1(4.2%) 0 1(4.2%) 2(8.3%) 腹痛 2(8.3%) 0 0 2(8.3%) 便秘 0 1(4.2%) 1(4.2%) 2(8.3%) 下腹部痛 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 便習慣変化 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) 鼓腸 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) 消化管運動過剰 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 口腔内潰瘍形成 1(4.2%) 0 0 1(4.2%)

全身障害および投与局所様態 8(33.3%) 6(25.0%) 13(54.2%) 16(66.7%) 口渇 2(8.3%) 5(20.8%) 10(41.7%) 13(54.2%) 疲労 4(16.7%) 1(4.2%) 6(25.0%) 8(33.3%) 無力症 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 異常感 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 熱感 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) インフルエンザ様疾患 0 0 1(4.2%) 1(4.2%)

神経系障害 6(25.0%) 10(41.7%) 15(62.5%) 16(66.7%) 頭痛 5(20.8%) 6(25.0%) 10(41.7%) 13(54.2%) 浮動性めまい 2(8.3%) 5(20.8%) 9(37.5%) 11(45.8%) 傾眠 0 2(8.3%) 5(20.8%) 5(20.8%) 嗜眠 2(8.3%) 1(4.2%) 1(4.2%) 3(12.5%) 体位性めまい 0 1(4.2%) 1(4.2%) 1(4.2%)

代謝および栄養障害 6(25.0%) 0 6(25.0%) 10(41.7%) 食欲減退 6(25.0%) 0 5(20.8%) 9(37.5%) 脱水 0 0 2(8.3%) 2(8.3%)

腎および尿路障害 1(4.2%) 6(25.0%) 4(16.7%) 7(29.2%) 頻尿 0 5(20.8%) 3(12.5%) 5(20.8%) 多尿 1(4.2%) 1(4.2%) 1(4.2%) 2(8.3%)

精神障害 1(4.2%) 0 3(12.5%) 3(12.5%) 不安 1(4.2%) 0 2(8.3%) 2(8.3%) 抑うつ気分 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 失見当識 1(4.2%) 0 0 1(4.2%)

生殖系および乳房障害 1(4.2%) 3(12.5%) 2(8.3%) 3(12.5%) 不規則月経 1(4.2%) 3(12.5%) 2(8.3%) 3(12.5%)

皮膚および皮下組織障害 2(8.3%) 0 2(8.3%) 3(12.5%) ざ瘡 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 皮膚乾燥 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 全身性そう痒症 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 発疹 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 丘疹 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) そう痒性皮疹 0 0 1(4.2%) 1(4.2%)

425

Page 52: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1 器官別大分類

基本語

ASP1941 単独投与

フロセミド 単独投与

ASP1941 + フロセミド 併用投与

(N=24) (N=24) (N=24) (N=24) 耳および迷路障害 0 1(4.2%) 1(4.2%) 2(8.3%) 耳不快感 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 耳痛 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

呼吸器,胸郭および縦隔障害 1(4.2%) 1(4.2%) 0 2(8.3%) 鼻出血 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) しゃっくり 1(4.2%) 0 0 1(4.2%)

心臓障害 0 0 1(4.2%) 1(4.2%) 動悸 0 0 1(4.2%) 1(4.2%)

眼障害 1(4.2%) 0 0 1(4.2%) 眼痛 1(4.2%) 0 0 1(4.2%)

感染症および寄生虫症 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) 上気道感染 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

臨床検査 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) 尿量減少 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

筋骨格系および結合組織障害 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) 筋痙縮 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

血管障害 0 1(4.2%) 0 1(4.2%) ほてり 0 1(4.2%) 0 1(4.2%)

発現例数(発現率) Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.6.1.3

表 2.7.6.17-19 副作用の内訳(件数)(SAF)

MedDRA version 12.1 器官別大分類

基本語

ASP1941 単独投与

フロセミド 単独投与

ASP1941 + フロセミド 併用投与

(N=24) (N=24) (N=24) (N=24) すべての副作用 54 59 120 233 胃腸障害 17 12 27 56 悪心 5 3 14 22 口内乾燥 2 1 6 9 下痢 2 1 1 4 消化不良 2 1 2 5 上腹部痛 0 2 1 3 腹部膨満 1 0 2 3 腹痛 2 0 0 2 便秘 0 1 1 2 下腹部痛 1 0 0 1 便習慣変化 0 2 0 2 鼓腸 0 1 0 1 消化管運動過剰 1 0 0 1 口腔内潰瘍形成 1 0 0 1

全身障害および投与局所様態 9 10 29 48 口渇 2 9 20 31 疲労 5 1 7 13 無力症 0 0 1 1 異常感 1 0 0 1 熱感 1 0 0 1

426

Page 53: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1 器官別大分類

基本語

ASP1941 単独投与

フロセミド 単独投与

ASP1941 + フロセミド 併用投与

(N=24) (N=24) (N=24) (N=24) インフルエンザ様疾患 0 0 1 1

神経系障害 13 21 39 73 頭痛 9 9 16 34 浮動性めまい 2 8 13 23 傾眠 0 2 7 9 嗜眠 2 1 1 4 体位性めまい 0 1 2 3

代謝および栄養障害 7 0 9 16 食欲減退 7 0 5 12 脱水 0 0 4 4

腎および尿路障害 1 6 4 11 頻尿 0 5 3 8 多尿 1 1 1 3

精神障害 2 0 3 5 不安 1 0 2 3 抑うつ気分 0 0 1 1 失見当識 1 0 0 1

生殖系および乳房障害 1 3 2 6 不規則月経 1 3 2 6

皮膚および皮下組織障害 2 0 5 7 ざ瘡 1 0 0 1 皮膚乾燥 0 0 1 1 全身性そう痒症 0 0 1 1 発疹 0 0 1 1 丘疹 1 0 0 1 そう痒性皮疹 0 0 2 2

耳および迷路障害 0 1 1 2 耳不快感 0 0 1 1 耳痛 0 1 0 1

呼吸器,胸郭および縦隔障害 1 1 0 2 鼻出血 0 1 0 1 しゃっくり 1 0 0 1

心臓障害 0 0 1 1 動悸 0 0 1 1

眼障害 1 0 0 1 眼痛 1 0 0 1

感染症および寄生虫症 0 1 0 1 上気道感染 0 1 0 1

臨床検査 0 1 0 1 尿量減少 0 1 0 1

筋骨格系および結合組織障害 0 2 0 2 筋痙縮 0 2 0 2

血管障害 0 1 0 1 ほてり 0 1 0 1

Source:CL-0054 総括報告書(5.3.3.4-7)Table 12.6.1.5

427

Page 54: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.17.6.2 死亡,その他の重篤な有害事象

本試験では,死亡及びその他の重篤な有害事象は報告されなかった。

2.7.6.17.6.3 中止に至った有害事象

本試験では,治験薬投与中止に至った有害事象は認められなかった。

2.7.6.17.6.4 臨床検査値

本剤単独投与時及び本剤とフロセミド併用投与時で,治験薬投与後に尿酸の平均値に低下がみ

られ,本剤単独投与時では Day −5 で 283.6 μmol/L,Day 2 で 224.9 μmol/L,Day 5 で 188.2 μmol/L,

本剤とフロセミド併用投与時では Day −5 で 278.6 μmol/L,Day 2 で 240.0 μmol/L,Day 5 で

220.2 μmol/L であった。本剤単独投与時では Day 2 で 4 例,Day 5 で 12 例が,本剤とフロセミド

併用投与時では Day 2 で 1 例,Day 5 で 4 例が,正常範囲未満となった。フロセミド単独投与時で

は正常範囲外となった被験者は認められなかった。

他の検査項目に、明らかな変動は認められなかった。

2.7.6.17.6.5 バイタルサイン

収縮期血圧,拡張期血圧及び脈拍数に,ベースラインからの明らかな変動は認められなかった。

2.7.6.17.6.6 心電図

すべての被験者の本剤単独投与開始 5 日前(Day −5)の心電図所見は正常であった。いずれの

投与条件でも,治験担当医師により臨床的に重要な異常と判定された心電図所見は認められなか

った。

2.7.6.17.7 結論

● 本剤とフロセミド併用投与時の本剤の未変化体の AUCtauは,本剤単独投与時の 1.068 倍(90%

信頼区間:1.034,1.103),Cmaxは 1.134 倍(90%信頼区間:1.045,1.229)であった。また,

本剤とフロセミド併用投与時の M2 の AUCtauは,本剤単独投与時の 1.124 倍(90%信頼区間:

1.101,1.147),Cmaxは 1.135 倍(90%信頼区間:1.059,1.216)であった。

● 本剤とフロセミド併用投与時のフロセミドの AUCtauは,フロセミド単独投与時の 1.062 倍

(90%信頼区間:0.950,1.187),Cmaxは 1.071 倍(90%信頼区間:0.884,1.296)であった。

● 尿中 Na 排泄量は,フロセミド単独投与,本剤とフロセミド併用投与ともに,Day 1 投与直後

から投与後 4 時間まで増加した。Day 1 の 24 時間尿中 Na 排泄量は,Day −1に比べ顕著に増

加した。本剤とフロセミド併用投与時の Day 1 の 24 時間尿中 Na 排泄量は,フロセミド単独

投与時の 1.137 倍であった。Day 5 の 24 時間尿中 Na 排泄量は,フロセミド単独投与,本剤と

428

Page 55: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

フロセミド併用投与ともにベースライン値に戻り,単独投与と本剤併用投与で差はみられな

かった。本剤単独投与では,尿中 Na 排泄量は,Day 1,Day 5 ともに Day −1から変化がみら

れなかった。

● 本剤とフロセミド併用投与時の Day 1 の尿中 Cl 排泄量及び尿中 K 排泄量は,フロセミド単独

投与時のそれぞれ 1.113 倍及び 1.084 倍であり,単独投与と本剤併用投与で差はみられなかっ

た。尿中 Ca 排泄量は,単独投与と本剤併用投与で差はみられなかった。本剤とフロセミド併

用投与時の Day 1 の尿中 Mg 排泄量及び尿中 P 排泄量は,フロセミド単独投与時のそれぞれ

0.825 倍及び 0.859 倍であった。

● 本剤単独投与では,尿中 Cl,尿中 K 及び尿中 Ca 排泄量は,いずれも Day −1から変化がみら

れなかった。尿中 Mg 排泄量及び尿中 P 排泄量は,Day 1 には Day −1に比べ減少したが,Day

5 にはベースライン値に戻った。

● 本剤とフロセミド併用投与時の Day 1 の 1 日尿量は,フロセミド単独投与時に比べ明らかに

増加した。

● 尿中クレアチニン排泄量及びクレアチニンクリアランスに,本剤併用投与による変化はみら

れなかった。

● 尿中グルコース排泄量は,本剤投与により顕著に増加し,本剤単独投与時と本剤とフロセミ

ド併用投与時で同程度の増加がみられた。フロセミド単独投与では,尿中グルコース排泄量

に変化はみられなかった。

● 血清 Na,血清 Ca,血清 Cl 及び血清 K に本剤併用の有無による影響はみられなかった。血清

P では,本剤とフロセミド併用投与時の Day 1 の血清 P は,フロセミド単独投与時の 1.091 倍

(90%信頼区間:1.063,1.119)であった。Day 5 の血清 P はベースライン値に戻った。血清

Mg では,本剤とフロセミド併用投与時の Day 1 の血清 Mg は,フロセミド単独投与時よりわ

ずかに高かった。この増加は Day 5 まで持続したが,正常範囲内の変動であった。本剤単独

投与では,Day 1 及び Day 5 の血清 P 及び血清 Mg にわずかな増加がみられたが,血清 Na,

血清 Ca,血清 Cl 及び血清 K に影響はみられなかった。

● 血清クレアチニンは,いずれの投与条件でも Day 1 及び Day 5 でわずかな増加がみられたが,

フロセミド単独投与時と本剤併用投与時で明らかな差はなかった。

● 有害事象は,本剤単独投与時に 24 例中 18 例(75.0%),フロセミド単独投与時に 24 例中 19

例(79.2%),本剤とフロセミド併用投与時に 24 例中 19 例(79.2%)に認められた。副作用が

認められた被験者の割合は,いずれの投与条件でも同程度であった。

● 全体で認められた主な有害事象は,悪心(45.8%),口渇(54.2%),頭痛(54.2%),浮動性め

まい(45.8%)であった。これらの事象の発現率は,本剤単独投与時及びフロセミド単独投与

時と比較して,本剤とフロセミド併用投与時で高かった。すべての有害事象の程度は軽度又

は中等度であり,1 例に認められたが転帰不明とされた口腔ヘルペス及び紅色汗疹を除き,

他の有害事象はいずれも回復又は軽快が確認された。

429

Page 56: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.18 QT/QTc 評価試験[CL-0058](添付資料 5.3.4.1-1)

2.7.6.18.1 試験方法の概略

治験課題名:健康成人男女を対象に ASP1941 を反復経口投与したときの心室再分極に及ぼす影響

を検討する第 I 相無作為化二重盲検プラセボ及びモキシフロキサシン対照クロスオーバー試験

治験実施医療機関:米国 1 施設

公表文献:なし

治験期間:

治験開始日:2010 年 9 月

治験終了日:2011 年 2 月

開発のフェーズ:第 I 相

目的:

(1) 主要目的

・ 健康成人に ASP1941(以下,本剤)100 及び 600 mg/日を反復経口投与したときの QTcF

(Fridericia 法を用いて心拍数で補正した QT 間隔)に及ぼす影響をプラセボと比較する。

(2) 副次目的

・ 健康成人に本剤 100 及び 600 mg/日を反復経口投与したときの QTcI(各被験者の心拍数で補

正した QT 間隔)及び QTcB(Bazett 法を用いて心拍数で補正した QT 間隔)に及ぼす影響を

プラセボと比較する。

・ 健康成人を対象に本剤の薬物動態を検討する。

・ 本剤の安全性及び忍容性を検討する。

(3) 探索的目的

・ 本剤が QTcF,QTcI 及び QTcB に及ぼす影響の性差を探索的に検討する。

・ 健康成人を対象に本剤の代謝物の薬物動態を検討する。

治験デザイン・治験方法:

本試験は,健康成人を対象とした無作為化,二重盲検,プラセボ及びモキシフロキサシン対照,4

群 4 期クロスオーバー試験として実施した。

被験者を投与順序の異なる 4 群のいずれかに無作為に割り付け,第 1~4 期の各投与期間に本剤

100 mg/日,本剤 600 mg/日,モキシフロキサシン 400 mg 及びプラセボのいずれかを投与した。各

期の間には 7 日間以上の休薬期間を設けた。

被験者は第 1 期の投与開始 2 日前(Day −2)及び各期の投与開始前日(Day −1)から投与終了翌

日(Day 8)まで入院した。

目標被験者数:88 例(各群 22 例,うち男性 10 例,女性 12 例)

【設定根拠】

ベースライン値で調整した QTcF の平均値で本剤とプラセボの差の最大値を 5 msec,標準偏差を

8.4 msec と仮定した際に,時間を一致させた QTcF の平均値で本剤とプラセボの差の最大値の片側

95%信頼上限が 10 msec 未満であることを 90%以上の検出力で示すためには,計 72 例の完了例が

必要であった。当初は男女同数で計 80 例を登録する計画であったが,女性の脱落率が高かったた

め,女性 8 例(各群 2 例)を追加し,計 88 例を登録することとした。

診断及び選択・除外基準:

1.選択基準(以下の基準をすべて満たす者を対象とした)

(1) 本試験に関連する行為(併用禁止薬の中止を含む)を開始する前に,治験審査委員会/独立

倫理委員会が承認した同意説明文書及び各国のプライバシー規則(米国の HIPAA 法等)に

則って,本人又はその代諾者から同意が得られた者

(2) 年齢が 18 歳以上 50 歳以下で,スクリーニング時の体重が 45 kg 以上かつ BMI が 18 kg/m2以

430

Page 57: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

上 32 kg/m2 以下の健康な男性又は女性

(3) スクリーニング時の 12 誘導心電図所見が正常,又は異常であっても治験担当医師により臨床

的に重要でないと判断された者

(4) 妊娠中又は授乳中でなく,かつ,閉経後 2 年以上経過している,不妊手術を受けている,又

は治験担当医師が有効と判断した避妊法を実施している女性

(5) 治験薬最終投与後 30 日まで有効な避妊法を実施することに同意する男性又は女性

(6) 治験実施計画書の記載事項を遵守し試験を完了できる者

2.除外基準(以下の基準のいずれかに該当する者は対象から除外した)

(1) スクリーニング時及び第 1 期の Day −2 に以下の心電図異常が認められた者

・ QTc が 430 msec(男性)又は 450 msec(女性)を超える

・ PR 間隔が 240 msec を超える又は 110 msec 未満

・ 2 度又は 3 度の房室ブロックの徴候

・ 完全左脚ブロック,右脚ブロック,又は不完全左脚ブロックを示す心電図

・ 心室内伝導遅延(QRS 間隔が 120 msec を超える)

・ 心拍数が 45 bpm 未満又は 90 bpm を超える

・ 異常 Q 波(幅が 40 msec を超える又は深さが 0.4~0.5 mV を超える)

・ 心室早期興奮の徴候

(2) 原因不明の失神,心停止,原因不明の不整脈若しくは Torsade de pointes,又は器質性心疾患

の既往を有する者,又は QT 延長症候群の家族歴(若年の近親者の心臓に起因した突然死)

を有する者

(3) カリウム,カルシウム又はマグネシウムが臨床検査施設の基準値下限未満の者

(4) 各期のDay 1の投与 48時間前から退院までアルコール及びカフェインの摂取を控えることが

できない,又は各期の Day 1 の投与 72 時間前から退院までグレープフルーツ及びグレープフ

ルーツジュースの摂取を控えることができないと考えられる者

(5) スクリーニング時から遡って 6 カ月以内にタバコ又はニコチン含有製品を使用した者

(6) 治験実施計画書に規定された時間(心電図測定時等)に音楽,テレビ,映画,ゲーム及びそ

の他の興奮,緊張又は性的興奮を伴う活動を控える等,安静を保つことができない者

(7) 治験実施計画書に規定された時間(心電図測定前等)に排尿する,安静にする,覚醒する,

感情を安定させる,規定された時間に臥位をとり動かない,激しい運動を避ける等,本試験

の規定に同意しない者

(8) 治験実施計画書に規定された食事内容に従うことができない者

(9) スクリーニング時の ALT 又は AST が基準値上限の 2 倍を超えるか,ビリルビン又はクレア

チニンが基準値上限の 1.5 倍を超える者

(10) スクリーニング時又は入院時の臨床検査値が,基準値から逸脱し,かつ治験担当医師により

臨床的に重要と判断された者

(11) 治験担当医師により臨床的に重要と判断された心血管系,内分泌系,血液,肝機能,免疫系,

代謝系,泌尿器系,肺,神経系,皮膚,精神,腎機能の疾患若しくは他の重大な疾患,悪性

腫瘍(非黒色腫性皮膚癌を除く),又はこれらの既往を有する者

(12) 臨床的に重要なアレルギー(薬物アレルギーを含むが,治験薬投与時に症状がなく治療を要

しない季節性アレルギーは除く)又はアナフィラキシーショックの既往を有する者

(13) 薬物の吸収に影響がある状態(胃切除等)と考えられる者

(14) スクリーニング時から遡って 6 カ月以内のアルコール摂取量が 1 週間あたり 14 単位(1 単位

=ビール 12 オンス,ワイン 4 オンス,蒸留酒/リカー1 オンス)を超える者,スクリーニン

グ時から遡って 2 年以内にアルコール依存歴若しくは薬物乱用歴を有する者,又はスクリー

ニング時若しくは入院時のアルコール検査若しくは薬物検査(アンフェタミン類,バルビツー

ル酸類,ベンゾジアゼピン類,カンナビノイド類,コカイン,オピエート類)が陽性の者

431

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2.7.6個々の試験のまとめ

(15) 各期の入院前 1 週間以内に,熱性疾患,症候性感染,ウイルス感染,細菌感染(上気道感染

を含む)又は真菌感染(非皮膚性)を発現した者

(16) スクリーニング時又は入院時に,臥位の収縮期血圧<90 mmHg 又は>140 mmHg 及び拡張期血

圧<50 mmHg 又は>90 mmHg の者(臥位で 5 分以上安静後に 3 回測定した平均値)

(17) HIV 抗体陽性が確認されている者

(18) HCV 抗体又は HBs 抗原が陽性の者

(19) 処方薬若しくは一般用医薬品を第 1 期の Day −2 から遡って 14 日以内若しくはその薬剤の半

減期の 5 倍のいずれか長い方の期間内に使用した者,又は補完代替医療を第 1 期の Day −2 か

ら遡って 28 日以内に使用した者[経口避妊薬,ホルモン補充療法(HRT),アセトアミノフェ

ンを除く]

(20) 治験薬投与前 30 日若しくはその治験薬の半減期の 10 倍のいずれか長い方の期間内に他の治

験薬を投与された者

(21) 他の治験に参加している者,又は本試験に参加したことのある者

(22) 入院前 60 日以内に臨床的に重要な出血がみられた者,1 単位(450 mL)以上の献血をした者,

若しくは血液か血液製剤の輸血を受けた者,又は入院前 7 日以内に成分献血を行った者

(23) その他,治験担当医師により不適当と判断された者

治験薬,投与量及び投与方法:

1.被験薬及びロット番号

・ ASP1941 錠 50 mg:1 錠中に ASP1941 として 50 mg を含有するフィルムコート錠

ロット番号:30015.1,30015.3 及び 30015.5

2.対照薬及びロット番号

・ ASP1941 錠 50 mg プラセボ:1 錠中に ASP1941 を含有しないフィルムコート錠

ロット番号:30015.2,30015.4 及び 30015.6

・ モキシフロキサシン 400 mg カプセル:1 カプセル中にモキシフロキサシン 400 mg 錠 1 錠を

充填したカプセル

ロット番号:CLR-46601-002,CLR-46601-005,CLR-40186-001 及び CLR-40186-002

・ モキシフロキサシンプラセボカプセル:1 カプセル中にモキシフロキサシンを含有しないカ

プセル

ロット番号:CLR-46601-001,CLR-46601-003 及び CLR-46601-004

3.投与量及び投与方法

下表に従い,第 1~4 期に 4 通りの投与順序で投与した。各期の間には 7 日間以上の休薬期間を設

けた。

・ 用法 A(プラセボ)

Day 1~7 に本剤のプラセボを投与,Day 7 にモキシフロキサシンのプラセボを投与

・ 用法 B(本剤 100 mg/日)

Day 1~7 に本剤 100 mg/日を投与,Day 7 にモキシフロキサシンのプラセボを投与

・ 用法 C(本剤 600 mg/日)

Day 1~7 に本剤 600 mg/日を投与,Day 7 にモキシフロキサシンのプラセボを投与

・ 用法 D(モキシフロキサシン)

Day 1~7 に本剤のプラセボを投与,Day 7 にモキシフロキサシン 400 mg を投与

第 1 期 第 2 期 第 3 期 第 4 期

第 1 群 用法 A 用法 D 用法 B 用法 C

第 2 群 用法 B 用法 A 用法 C 用法 D

第 3 群 用法 C 用法 B 用法 D 用法 A

第 4 群 用法 D 用法 C 用法 A 用法 B

投与前及び臨床検査用の採血前に,一晩(8 時間以上),水以外の飲食物の摂取を禁止した。Day 1

432

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2.7.6個々の試験のまとめ

~6 では,投与後 1 時間は絶食を続けた。第 1 期の Day −1 及び各期の Day 7 では,投与後 4 時間

は絶食を続け,投与後 2 時間は水分の摂取を禁止した。食事は一定の時刻に標準食を摂取し,1

日あたりの摂取カロリーが男性で 2500 kcal,女性で 2100 kcal を超えないこととした。

【設定根拠】

本試験の計画時に,本剤 100 mg/日を 2 型糖尿病患者への臨床用量として想定した臨床試験を実施

中であった。本剤 600 mg/日は,健康成人を対象とした反復投与試験でこれまでに評価された最大

の投与量であり,臨床用量を超えた用量として設定した。本剤は Day 7 までに定常状態に達する

ことから,Day 7 の心電図により臨床現場での反復投与時に予想される状態を反映した評価が可

能と考えられた。

モキシフロキサシン 400 mg は,QTc の変化に対する本試験の分析感度を確立するための positive

control として設定した。モキシフロキサシン投与により QTc が平均 6 msec 延長することが知られ

ている。

評価期間:

治験薬投与期間:各期 7 日間

併用治療(薬剤及び療法):

本試験期間中,ホルモン避妊薬,HRT 及び 2000 mg/日までのアセトアミノフェン(頓用)以外の

薬剤の併用を禁止した。

評価項目,評価スケジュール及び評価基準:

1. 評価スケジュール:

第 1 期スクリー

ニング前観察 治験薬投与期 退院時

Day −21~−3 −2 −1 1 2 3 4 5 6 7 8a 中止時

同意取得 X

既往歴 X X

被験者背景 X

入院 X

退院 Xa X

無作為化 X

身体所見 b及び体重 X X X

身長及び BMI X

バイタルサイン c X X X X X X

臨床検査 d X X X

血糖値測定 e X X X X X X X

薬物・アルコール検査 X X

HBs 抗原及び HCV 抗体 X

妊娠検査 f X X X

12 誘導心電図(安全性)g X X X X

12 誘導心電図(連続測定)h X X X

有害事象調査 X X X X X X X X X

前治療・併用薬調査 X X X X X X X X X X X X

治験薬投与 X X X X X X X

薬物動態用採血 i X X X X

血漿蛋白結合(本剤)j X

a:各期の Day 8 に治験担当医師による安全性の評価を行った後,退院した。

b:スクリーニング時の身体所見が入院前 72 時間以内に得られた場合,第 1 期の身体所見は省略可とした。

c:Day 1 及び Day 7 では投与前,投与後約 2.5 及び 12.5 時間の一定の時刻に実施した。

d:すべての臨床検査は 8 時間以上絶食後に実施した。

433

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2.7.6個々の試験のまとめ

e:投与後 2 時間に血糖測定器で血糖値を測定した。

f:女性に対し血清妊娠検査をスクリーニング時,第 1 期の Day −2,第 2~4 期の Day −1 及び試験終了時(第 4

期の Day 8 又は中止時)に実施した。スクリーニング時の妊娠検査が Day −1 から遡って 72 時間以内に実施さ

れた場合,第 1 期の Day −2 の妊娠検査は尿検査でも可とした。

g:第 1 期の Day −2 及び第 2~4 期の Day −1 では各 3 回,スクリーニング時及び各期の Day 8 では各 1 回の測定

を実施した。いずれの測定も採血前に行った。

h:第 1 期の Day −1,各期の Day 1 及び Day 7 の測定開始前に 1 回,第 1 期の Day −1 及び各期の Day 7 の測定中

に 3 回,測定器のチェックを実施し,実施時刻及び結果を記録した。心電図の連続測定は,第 1 期の Day −1

の投与前 1 時間に相当する時間から計約 24 時間,各期の Day 1 の投与前の 1 時間,及び各期の Day 7 の投与

前 1 時間から投与後 14 時間まで実施した。

i: Day 1,Day 5,Day 6 の投与前(0 時間)及び Day 7 の投与前(0 時間),投与後 1,1.5,2,3,4,6,8,12,

16,24 時間に実施した。

j: Day 7 の投与後 1.5 時間に実施した。

第 2~4 期前観察 治験薬投与期 退院時 後観察

Day −1 1 2 3 4 5 6 7 8a 第 4 期の Day 8

/中止時

第 4 期の Day 8

の 7~10 日後

既往歴 X

入院 X

退院 Xa X

身体所見及び体重 X X

バイタルサイン b X X X X X

臨床検査 c X

血糖値測定 d X X X X X X X

薬物・アルコール検査 X

妊娠検査 e X X

12 誘導心電図(安全性)f X X X

12 誘導心電図(連続測定)g X X

有害事象調査 X X X X X X X X X X X

前治療・併用薬調査 X X X X X X X X X X X

治験薬投与 X X X X X X X

薬物動態用採血 h X X X X

血漿蛋白結合(本剤)i X

電話連絡 X

a:各期の Day 8 に治験担当医師による安全性の評価を行った後,退院した。

b:Day 1 及び Day 7 では投与前,投与後約 2.5 及び 12.5 時間の一定の時刻に実施した。

c:すべての臨床検査は 8 時間以上絶食後に実施した。

d:投与後 2 時間に血糖測定器で血糖値を測定した。

e:女性に対し血清妊娠検査をスクリーニング時,第 1 期の Day −2,第 2~4 期の Day −1 及び試験終了時(第 4

期の Day 8 又は中止時)に実施した。スクリーニング時の妊娠検査が Day −1 から遡って 72 時間以内に実施さ

れた場合,第 1 期の Day −2 の妊娠検査は尿検査でも可とした。

f:第 1 期の Day −2 及び第 2~4 期の Day −1 では各 3 回,スクリーニング時及び各期の Day 8 では各 1 回の測定

を実施した。いずれの測定も採血前に行った。

g:各期の Day 1 及び Day 7 の測定開始前に 1 回,各期の Day 7 の測定中に 3 回,測定器のチェックを実施し,実

施時刻及び結果を記録した。心電図の連続測定は,各期の Day 1 の投与前の 1 時間,及び各期の Day 7 の投与

前 1 時間から投与後 14 時間まで実施した。

h:Day 1,Day 5,Day 6 の投与前(0 時間)及び Day 7 の投与前(0 時間),投与後 1,1.5,2,3,4,6,8,12,

16,24 時間に実施した。

i: Day 7 の投与後 1.5 時間に実施した。

434

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2.7.6個々の試験のまとめ

2. 薬物動態|薬力学:

(1) 薬物動態

「1.評価スケジュール」に示した時期に採血を行い,本剤未変化体,本剤の代謝物及びモキシフ

ロキサシンの血漿中濃度を測定した。Day 7 の本剤未変化体,本剤の代謝物及びモキシフロキサ

シンの血漿中濃度から,ノンコンパートメント法を用いて以下の薬物動態パラメータを算出した。

・ 本剤未変化体及び本剤の代謝物:

最高血漿中濃度(Cmax),トラフ濃度(Ctrough),最高血漿中濃度到達時間(tmax)及び投与間

隔ごとの血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUCtau),経口クリアランス(CL/F)(本剤のみ),未

変化体に対する代謝物の比率(MPR)(M2 のみ)及び分子量で補正(MWC)した MPR(M2

のみ)

・ 本剤非結合型:

非結合型の投与間隔ごとの血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUCtau,u),非結合型の最高血漿中

濃度(Cmax,u),非結合型の経口クリアランス(CLu/F)(本剤のみ)及び非結合型分率(fu)

・ モキシフロキサシン:

Cmax,tmax及び時間 0 から治験薬投与後 24 時間までの血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUC24h)

(2) 薬力学

[主要評価項目]QTcF

[副次評価項目]

QTcB,QTcI,QRS 間隔,PR 間隔,RR 間隔,QT 間隔及び心拍数

連続測定した心電図は,以下の時期に 1 分以上の間隔で各 3 回記録した。

・ 第 1 期の Day −1:投与前約 30 分,投与後約 1,1.5,2,3,4,5,6,8,10,12,14,16,

20 時間に相当する時間及びベースラインの QTcI の測定に必要な場合

・ Day 1:投与前約 45,30,15 分

・ Day 7:投与前約 30 分,投与後約 1,1.5,2,3,4,5,6,8,10,12,14 時間

3. 安全性:

有害事象,臨床検査,12 誘導心電図,バイタルサイン及び身体所見

有害事象は,第 1 期の Day 1 の治験薬初回投与時から試験終了までに発現した事象を収集した。

有害事象と治験薬との関連性は以下の基準により判定し,「関連あるかもしれない」又は「多分(お

そらく)関連あり」のいずれかに該当したものを,「治験薬との関連性が否定できない有害事象(副

作用)」と定義した。治験薬との関連性 関連性判定基準

否定できる 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的関係から因果関係がありそうにないと思われる

場合や,他の薬剤や合併症・基礎疾患等により説明ができる場合

関連あるかもしれ

ない

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係があるが,要因として合併症・

基礎疾患や他の薬剤による説明もできる場合。投与中止に関する情報が不明確な場合。

多分(おそらく)

関連あり

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係がある場合,合併症・基礎疾患

や他の薬剤では説明ができない,又はそれらによる可能性が考えにくい場合,再投与によ

り再発又は投与中止により消失又は軽快を示す場合

有害事象の程度は,以下に従って判定した。

・ 軽度:日常の活動に支障がないもの

・ 中等度:日常の活動に支障があるもの

・ 重度:日常の活動が不可能になるもの

435

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2.7.6個々の試験のまとめ

統計解析:

1.解析対象集団:

(1) 安全性解析対象集団(SAF)

治験薬を 1 回以上服用した被験者の集団を SAF とした。

(2) QT 解析対象集団(QTAS)

SAF に含まれる被験者のうち,特定期間の QT データ及び服薬遵守が確認され,血漿中濃度が得

られた被験者の集団を QTAS とした。

(3) 薬物動態解析対象集団(PKAS)

SAF に含まれる被験者のうち,主要な薬物動態パラメータを算出するために必要な薬物動態デー

タが得られた被験者の集団を PKAS とした。

(4) 完了例解析対象集団(CPAS)

SAF に含まれる被験者のうち,1~4 期の治験薬投与期間をすべて完了した被験者の集団を CPAS

とした。

2.被験者背景及びその他の基準値:

SAF 及び PKAS を対象に,要約統計量を算出した。

3.薬物動態|薬力学:

(1) 薬物動態

PKAS を対象に,各パラメータの要約統計量を算出した。本剤が QTc に影響を及ぼすと判断され

た場合,薬物動態/薬力学モデルによる追加解析を行った。

(2) 薬力学

QTAS を主要解析の対象に,QTcF について,投与順序,投与期,用法及び用法と測定時期の交互

作用を固定効果,被験者を変量効果,ベースライン値を共変量として共分散分析を行い,本剤と

プラセボの QTcF の最小二乗平均の差とその 90%信頼区間を測定時期ごとに算出した。本剤とプ

ラセボの QTcF の最小二乗平均の差の最大値の 90%信頼区間の上限が 10 msec 未満である場合,

本剤が QTcF に及ぼす影響はないと判断することとした。QTcI 及び QTcB についても同様の解析

を行った。

モキシフロキサシンの tmaxに最も近い測定時期で,モキシフロキサシンとプラセボのベースライ

ン値で調整した QTcF の平均値の差の両側 90%信頼区間の下限が 5 msec を超える場合,本試験の

分析感度は確立されたと判断することとした。

性別ごとに同様の解析を行った。

線形混合効果モデルを用いて,本剤及びその代謝物の血漿中濃度と本剤群とプラセボ群の時間を

一致させた QTc の差(ベースライン値による調整後)(ddQTc)との関係を求めた。

5.安全性:

計数値項目では度数集計を行い,計量値項目では要約統計量を算出した。

報告書の日付: 年 月 日

2.7.6.18.2 被験者の内訳及び解析対象集団

被験者の内訳を表 2.7.6.18-1 に示した。

88 例の被験者が登録され,4 群に各 22 例が無作為に割り付けられた。8 例が試験を中止し[有

害事象 5 例(第 1 群 2 例,第 2 群 2 例,第 4 群 1 例),同意撤回 1 例(第 3 群),その他の理由 2

436

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2.7.6個々の試験のまとめ

例(第 3 群 2 例)],80 例が試験を完了した。88 例全例を SAF 及び QTAS,86 例を PKAS,80 例

を CPAS とした。

表 2.7.6.18-1 被験者の内訳

第 1 群

(ADBC)

第 2 群

(BACD)

第 3 群

(CBDA)

第 4 群

(DCAB)

登録例 22 22 22 22 88

治験薬投与例 22 22 22 22 88

完了例 20 20 19 21 80

中止例 2 2 3 1 8

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.1.1,12.1.2

2.7.6.18.3 人口統計学的及び他の基準値の特性

SAF の被験者背景を表 2.7.6.18-2 に示した。

男女の例数は,いずれの群も男性 10 例,女性 12 例であった。平均年齢は 32.49 歳,体重及び

BMI の平均値はそれぞれ 73.63 kg,25.81 kg/m2 であった。被験者背景はいずれの群も同様であっ

た。

表 2.7.6.18-2 被験者背景(SAF)

(N=88)

性別 n(%) 男性 40(45.5)

女性 48(54.5)

人種 n(%) 白人 51(58.0)

黒人又はアフリカ系アメリカ人 34(38.6)

アジア人 2(2.3)

その他(アフリカ系アメリカ人及び白人) 1(1.1)

民族 n(%) 非ヒスパニック系及び非ラテン系 73(83.0)

ヒスパニック系又はラテン系 15(17.0)

年齢(歳) 平均値 32.49

標準偏差 8.439

最小値 – 最大値 18.0 – 50.0

中央値 31.50

体重(kg) 平均値 73.63

標準偏差 12.828

最小値 – 最大値 45.0 – 106.4

中央値 73.55

身長(cm) 平均値 168.08

標準偏差 9.243

最小値 – 最大値 152.0 – 188.0

中央値 168.00

BMI(kg/m2) 平均値 25.81

標準偏差 3.139

最小値 – 最大値 18.7 – 31.9

中央値 26.25

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.1.3.1

437

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2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.18.4 治験薬の曝露

治験薬の服薬状況を表 2.7.6.18-3 に示した。

ほとんどの被験者はすべての治験薬投与期を完了した。

表 2.7.6.18-3 治験薬の服薬状況(SAF)

プラセボ ASP1941100 mg

ASP1941600 mg

モキシフロキサシン

投与期間(日)N 87 85 84 83

平均値 21.2 6.9 6.9 1.0

標準偏差 3.17 0.63 0.56 0.00

最小値 – 最大値 3 – 22 2 – 7 2 – 7 1 – 1

中央値 22.0 7.0 7.0 1.0

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.2.1.1

2.7.6.18.5 薬物動態|薬力学

2.7.6.18.5.1 薬物動態

(1) 本剤未変化体及び代謝物 M2 の薬物動態

Day 7 における本剤の血漿中未変化体濃度及び血漿中 M2 濃度の平均値(標準偏差)の推移をそ

れぞれ図 2.7.6.18-1 及び図 2.7.6.18-2 に示した。また,Day 7 における本剤の血漿中未変化体及び

血漿中 M2 の薬物動態パラメータをそれぞれ表 2.7.6.18-4 及び表 2.7.6.18-5 に示した。

本剤の血漿中未変化体濃度及び血漿中 M2 濃度は用量依存的に上昇し,本剤 600 mg 群は 100 mg

群と比較して Cmaxの平均値は約 5 倍,AUCtauの平均値は約 6 倍であった。

本剤の血漿中未変化体濃度は,本剤 100 mg 群で約 1.9 時間後,600 mg 群で約 1.8 時間後に Cmax

に達した。

血漿中 M2 濃度は,本剤 100 mg 群で約 2.4 時間後,600 mg 群で約 2.6 時間後に Cmax に達した。

438

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2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.18-1 血漿中未変化体濃度の平均値(標準偏差)の推移 Day 7(PKAS)

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Figure 12.4.1.1,12.4.1.2

時間(h)

血漿中未変化体濃度(

ng/m

L)

時間(h)

血漿中未変化

体濃

度(

ng/m

L)

439

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2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.18-2 血漿中 M2 濃度の平均値(標準偏差)の推移 Day 7(PKAS)

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Figure 12.4.1.3,12.4.1.4

時間(h)

血漿中

M2濃度(

ng/m

L)

血漿中

M2濃度

(ng/m

L)

時間(h)

440

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.18-4 血漿中未変化体の薬物動態パラメータ Day 7(PKAS)

ASP1941 100 mgCmax Ctrough tmax AUCtau CL/F

(ng/mL) (ng/mL) (h) (ng•h/mL) (L/h)Na 83 83 83 83 83

平均値 1709.690 129.717 1.944 9781.108 10.6811

標準偏差 524.4540 41.7743 0.9372 1996.9847 2.36695

変動係数(%) 30.7 32.2 48.2 20.4 22.16

中央値 1577.420 131.840 1.580 9488.286 10.5393

最小値 875.78 47.50 1.08 5094.67 6.639

最大値 4200.54 252.55 4.08 15062.88 19.628

幾何平均値 1643.055 122.833 1.746 9575.064 10.4438

ASP1941 600 mgCmax Ctrough tmax AUCtau CL/F

(ng/mL) (ng/mL) (h) (ng•h/mL) (L/h)Na 82 82 82 82 82

平均値 8626.509 924.620 1.801 61230.718 10.2282

標準偏差 1883.3081 283.7050 0.9038 12568.2815 2.19712

変動係数(%) 21.8 30.7 50.2 20.5 21.48

中央値 8484.595 887.245 1.580 60335.216 9.9454

最小値 4196.85 301.31 1.08 36871.10 6.349

最大値 15523.58 1537.31 4.08 94497.47 16.273

幾何平均値 8427.360 878.449 1.625 59951.676 10.0081

a:PKAS のうち Day 7 のデータが得られた被験者数

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.4.3.1,12.4.3.2

表 2.7.6.18-5 血漿中 M2 の薬物動態パラメータ Day 7(PKAS)

ASP1941 100 mgCmax Ctrough tmax AUCtau MPR MPR(MWC)

(ng/mL) (ng/mL) (h) (ng•h/mL)Na 83 83 83 83 83 83

平均値 980.736 63.787 2.448 5746.051 0.6057 0.4220

標準偏差 477.8887 17.1841 0.9375 1317.4044 0.16418 0.11437

変動係数(%) 48.7 26.9 38.3 22.9 27.10 27.10

中央値 901.640 62.960 2.080 5450.862 0.5716 0.3982

最小値 447.71 30.62 1.08 3403.64 0.301 0.210

最大値 4622.38 124.40 4.08 10268.47 1.239 0.863

幾何平均値 921.639 61.599 2.286 5608.145 0.5857 0.4080

ASP1941 600 mgCmax Ctrough tmax AUCtau MPR MPR(MWC)

(ng/mL) (ng/mL) (h) (ng•h/mL)Na 82 82 82 82 82 82

平均値 4645.197 466.079 2.572 35339.858 0.5946 0.4142

標準偏差 1010.3083 128.0204 0.8608 7217.1686 0.15033 0.10472

変動係数(%) 21.7 27.5 33.5 20.4 25.28 25.28

中央値 4463.945 467.045 2.080 34833.466 0.5788 0.4032

最小値 2761.71 208.60 1.58 21987.26 0.308 0.215

最大値 7258.79 874.95 4.08 62352.33 1.209 0.842

幾何平均値 4538.183 448.836 2.437 34632.913 0.5777 0.4024

a:PKAS のうち Day 7 のデータが得られた被験者数

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.4.3.3,12.4.3.4

441

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2.7.6個々の試験のまとめ

(2) 本剤非結合型の薬物動態

Day 7 における本剤非結合型の薬物動態パラメータを表 2.7.6.18-6 に示した。

本剤非結合型の血漿中濃度は用量依存的に上昇し,本剤 600 mg 群は 100 mg 群と比較して Cmax,u

の平均値は約 5 倍,AUCtau,uの平均値は約 6 倍であった。

fuの平均値は,本剤 100 mg 群で 0.034,600 mg 群で 0.035 であった。

表 2.7.6.18-6 ASP1941 非結合型の薬物動態パラメータ Day 7(PKAS)

ASP1941 100 mgCmax,u AUCtau,u CLu/F fu

(ng/mL) (ng•h/mL) (L/h)Na 83 83 83 83

平均値 58.595 336.440 311.497 0.034

標準偏差 17.6771 70.7930 70.9247 0.0031

変動係数(%) 30.2 21.0 22.8 9.1

中央値 54.470 327.579 305.270 0.034

最小値 29.06 198.09 201.37 0.03

最大値 144.76 496.61 504.82 0.04

幾何平均値 56.429 328.847 304.093 0.034

ASP1941 600 mgCmax,u AUCtau,u CLu/F fu

(ng/mL) (ng•h/mL) (L/h)Na 81 81 81 81

平均値 302.214 2148.545 292.664 0.035

標準偏差 66.8586 443.4327 67.9202 0.0030

変動係数(%) 22.1 20.6 23.2 8.7

中央値 306.004 2138.196 280.610 0.035

最小値 132.93 1226.87 192.04 0.03

最大値 454.74 3124.37 489.05 0.04

幾何平均値 294.484 2100.685 285.621 0.035

a:PKAS のうち Day 7 のデータが得られた被験者数

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.4.3.6,12.4.3.7

(3) モキシフロキサシンの薬物動態

Day 7 における血漿中モキシフロキサシン濃度の平均値(標準偏差)の推移を図 2.7.6.18-3 に示

し,Day 7 における血漿中モキシフロキサシンの薬物動態パラメータを表 2.7.6.18-7 に示した。

モキシフロキサシンは投与後速やかに吸収され,約 2.5 時間後に Cmaxに達した。

442

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2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.18-3 血漿中モキシフロキサシン濃度の平均値(標準偏差)の推移 Day 7(PKAS)

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Figure 12.4.1.5

表 2.7.6.18-7 血漿中モキシフロキサシンの薬物動態パラメータ Day 7(PKAS)

Cmax tmax AUC24h

(ng/mL) (h) (ng•h/mL)Na 82 82 82

平均値 3154.097 2.516 35610.723

標準偏差 661.7124 0.9998 6448.9365

変動係数(%) 21.0 39.7 18.1

中央値 3087.565 2.080 34444.111

最小値 1836.53 1.08 23544.29

最大値 4769.82 4.08 54276.36

幾何平均値 3086.577 2.312 35054.165

a:PKAS のうち Day 7 のデータが得られた被験者数

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.4.3.5

2.7.6.18.5.2 薬力学

(1) 本剤が QTcF に及ぼす影響

Day 7 における本剤又はプラセボ投与後の QTcF の要約を表 2.7.6.18-8 に示した。

QTcF について,本剤とプラセボとの最小二乗平均の差の最大値とその 90%信頼区間の上限は,

本剤 100 mg 群で投与後 2 時間にそれぞれ 1.77 msec 及び 3.39 msec,600 mg 群で投与後 10 時間に

血漿

中モキシフロキサシン濃度(

ng/m

L)

時間(h)

モキシフロキサシン

443

Page 70: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

それぞれ2.81 msec及び4.44 msecであった。本剤とプラセボとの最小二乗平均の差の最大値の90%

信頼区間の上限は 10 msec 未満であり,本剤が QTcF に及ぼす影響はないと考えられた。

また,本剤が QTcF に及ぼす影響の性差による違いは認められなかった。

表 2.7.6.18-8 ASP1941 投与後の QTcF の要約 Day 7(QTAS)

プラセボ ASP1941100 mg

ASP1941600 mg

ベースライン 最小二乗平均値 405.49 406.39 405.71

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.89 0.22

90%信頼区間 − −0.73, 2.52 −1.41, 1.85

投与前 最小二乗平均値 405.53 405.93 408.16

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.40 2.63

90%信頼区間 − −1.23, 2.03 1.00, 4.26

投与後 1時間 最小二乗平均値 404.13 405.15 406.66

プラセボとの最小二乗平均の差 − 1.02 2.52

90%信頼区間 − −0.62, 2.65 0.89, 4.16

1.5 時間 最小二乗平均値 404.54 406.26 406.32

プラセボとの最小二乗平均の差 − 1.72 1.79

90%信頼区間 − 0.10, 3.35 0.16, 3.41

2 時間 最小二乗平均値 404.15 405.92 405.70

プラセボとの最小二乗平均の差 − 1.77 1.54

90%信頼区間 − 0.15, 3.39 −0.08, 3.17

3 時間 最小二乗平均値 404.80 405.46 406.21

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.66 1.41

90%信頼区間 − −0.96, 2.29 −0.22, 3.04

4 時間 最小二乗平均値 405.32 405.76 407.05

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.44 1.73

90%信頼区間 − −1.18, 2.06 0.10, 3.36

5 時間 最小二乗平均値 404.64 405.11 405.42

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.47 0.78

90%信頼区間 − −1.16, 2.09 −0.85, 2.41

6 時間 最小二乗平均値 402.46 402.07 402.64

プラセボとの最小二乗平均の差 − −0.39 0.18

90%信頼区間 − −2.01, 1.23 −1.45, 1.81

8 時間 最小二乗平均値 398.26 399.42 400.01

プラセボとの最小二乗平均の差 − 1.16 1.75

90%信頼区間 − −0.47, 2.78 0.12, 3.38

10 時間 最小二乗平均値 403.01 404.26 405.82

プラセボとの最小二乗平均の差 − 1.26 2.81

90%信頼区間 − −0.37, 2.88 1.19, 4.44

12 時間 最小二乗平均値 399.52 398.46 400.09

プラセボとの最小二乗平均の差 − −1.06 0.57

90%信頼区間 − −2.68, 0.57 −1.06, 2.19

14 時間 最小二乗平均値 399.89 398.87 400.85

プラセボとの最小二乗平均の差 − −1.02 0.97

90%信頼区間 − −2.64, 0.61 −0.66, 2.60

最小二乗平均値,プラセボとの最小二乗平均の差とその 90%信頼区間について,共分散分析[投与順序,投与期,

用法及び用法と測定時期の交互作用を固定効果,被験者を変量効果,ベースライン値を共変量とする]を用いて

算出した。

−:該当なし

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.4.5.1.1

444

Page 71: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

(2) 本剤が QTcB 及び QTcI に及ぼす影響

Day 7における本剤又はプラセボ投与後のQTcB及びQTcIの要約をそれぞれ表 2.7.6.18-9及び表

2.7.6.18-10 に示した。

QTcB について,本剤とプラセボとの最小二乗平均の差の最大値とその 90%信頼区間の上限は,

本剤 100 mg 群で投与後 2 時間にそれぞれ 2.90 msec 及び 5.04 msec,600 mg 群で投与後 10 時間に

それぞれ 2.05 msec 及び 4.19 msec であった。

QTcI について,本剤とプラセボとの最小二乗平均の差の最大値とその 90%信頼区間の上限は,

本剤 100 mg 群で投与後 10 時間にそれぞれ 1.42 msec 及び 2.99 msec,600 mg 群で投与後 10 時間に

それぞれ 2.90 msec 及び 4.47 msec であった。

QTcB 及び QTcI について,本剤とプラセボとの最小二乗平均の差の最大値の 90%信頼区間の上

限はそれぞれ 10 msec 未満であり,本剤が QTcB 及び QTcI に及ぼす影響はないと考えられた。

また,本剤が QTcB 及び QTcI に及ぼす影響の性差による違いは認められなかった。

表 2.7.6.18-9 ASP1941 投与後の QTcB の要約 Day 7(SAF)

プラセボ ASP1941100 mg

ASP1941600 mg

ベースライン 最小二乗平均値 406.94 407.78 407.26

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.84 0.31

90 %信頼区間 − −1.30, 2.97 −1.83, 2.46

投与前 最小二乗平均値 408.56 408.63 409.57

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.07 1.01

90 %信頼区間 − −2.07, 2.21 −1.14, 3.16

投与後 1時間 最小二乗平均値 407.06 407.94 408.58

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.88 1.52

90 %信頼区間 − −1.27, 3.03 −0.63, 3.67

1.5 時間 最小二乗平均値 407.25 409.74 409.20

プラセボとの最小二乗平均の差 − 2.49 1.95

90 %信頼区間 − 0.36, 4.63 −0.19, 4.10

2 時間 最小二乗平均値 407.53 410.43 408.28

プラセボとの最小二乗平均の差 − 2.90 0.76

90 %信頼区間 − 0.76, 5.04 −1.39, 2.90

3 時間 最小二乗平均値 408.27 408.36 408.95

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.08 0.67

90 %信頼区間 − −2.05, 2.22 −1.47, 2.82

4 時間 最小二乗平均値 409.28 409.53 410.19

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.24 0.90

90 %信頼区間 − −1.89, 2.38 −1.24, 3.05

5 時間 最小二乗平均値 416.92 417.35 417.30

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.43 0.38

90 %信頼区間 − −1.71, 2.57 −1.77, 2.52

6 時間 最小二乗平均値 414.04 414.00 413.41

プラセボとの最小二乗平均の差 − −0.04 −0.63

90 %信頼区間 − −2.17, 2.10 −2.77, 1.51

8 時間 最小二乗平均値 405.56 406.42 406.32

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.86 0.76

90 %信頼区間 − −1.28, 3.00 −1.38, 2.91

445

Page 72: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

プラセボ ASP1941100 mg

ASP1941600 mg

10 時間 最小二乗平均値 409.10 409.71 411.15

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.61 2.05

90 %信頼区間 − −1.53, 2.74 −0.09, 4.19

12 時間 最小二乗平均値 410.57 409.10 409.44

プラセボとの最小二乗平均の差 − −1.47 −1.13

90 %信頼区間 − −3.61, 0.67 −3.27, 1.02

14 時間 最小二乗平均値 407.02 405.60 406.26

プラセボとの最小二乗平均の差 − −1.42 −0.76

90 %信頼区間 − −3.56, 0.72 −2.91, 1.38

最小二乗平均値,プラセボとの最小二乗平均の差とその 90%信頼区間について,共分散分析[投与順序,投与期,

用法及び用法と測定時期の交互作用を固定効果,被験者を変量効果,ベースライン値を共変量とする]を用いて

算出した。

−:該当なし

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.4.5.3.1

446

Page 73: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.18-10 ASP1941 投与後の QTcI の要約 Day 7(SAF)

プラセボ ASP1941100 mg

ASP1941600 mg

ベースライン 最小二乗平均値 405.63 406.45 405.69

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.82 0.06

90%信頼区間 − −0.75, 2.39 −1.52, 1.63

投与前 最小二乗平均値 405.60 405.94 408.38

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.34 2.78

90%信頼区間 − −1.23, 1.92 1.20, 4.37

投与後 1時間 最小二乗平均値 404.18 404.69 406.42

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.51 2.24

90%信頼区間 − −1.07, 2.10 0.66, 3.83

1.5 時間 最小二乗平均値 404.43 405.78 405.64

プラセボとの最小二乗平均の差 − 1.34 1.20

90%信頼区間 − −0.23, 2.92 −0.37, 2.78

2 時間 最小二乗平均値 404.05 405.40 405.22

プラセボとの最小二乗平均の差 − 1.36 1.17

90%信頼区間 − −0.21, 2.93 −0.40, 2.75

3 時間 最小二乗平均値 404.60 405.32 405.88

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.72 1.28

90%信頼区間 − −0.86, 2.29 −0.30, 2.86

4 時間 最小二乗平均値 405.08 405.57 406.93

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.49 1.85

90%信頼区間 − −1.08, 2.07 0.27, 3.43

5 時間 最小二乗平均値 402.31 403.17 403.79

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.86 1.48

90%信頼区間 − −0.72, 2.43 −0.10, 3.06

6 時間 最小二乗平均値 400.74 399.98 401.03

プラセボとの最小二乗平均の差 − −0.77 0.29

90%信頼区間 − −2.34, 0.81 −1.29, 1.87

8 時間 最小二乗平均値 397.20 398.59 399.16

プラセボとの最小二乗平均の差 − 1.39 1.96

90%信頼区間 − −0.18, 2.97 0.39, 3.54

10 時間 最小二乗平均値 402.40 403.82 405.30

プラセボとの最小二乗平均の差 − 1.42 2.90

90%信頼区間 − −0.15, 2.99 1.32, 4.47

12 時間 最小二乗平均値 398.07 396.71 398.54

プラセボとの最小二乗平均の差 − −1.36 0.47

90%信頼区間 − −2.93, 0.21 −1.11, 2.04

14 時間 最小二乗平均値 399.10 397.76 400.22

プラセボとの最小二乗平均の差 − −1.34 1.12

90%信頼区間 − −2.92, 0.23 −0.46, 2.70

最小二乗平均値,プラセボとの最小二乗平均の差とその 90%信頼区間について,共分散分析[投与順序,投与期,

用法及び用法と測定時期の交互作用を固定効果,被験者を変量効果,ベースライン値を共変量とする]を用いて

算出した。

−:該当なし

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.4.5.2.1

(3) モキシフロキサシン投与後の QTcF

Day 7 におけるモキシフロキサシン又はプラセボ投与後のQTcFの要約を表 2.7.6.18-11 に示した。

447

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2.7.6個々の試験のまとめ

QTcF について,モキシフロキサシンとプラセボとの最小二乗平均の差の最大値とその 90%信頼

区間の下限は,投与後 3 時間にそれぞれ 13.35 msec 及び 11.72 msec であった。モキシフロキサシ

ンの tmaxの平均値は 2.516 時間であり(表 2.7.6.18-7),投与後 3 時間はモキシフロキサシンの tmax

に最も近い測定時期であった。プラセボとの最小二乗平均の差の最大値の 90%信頼区間の下限が

5 msec を超えたため,本試験の分析感度は確立されたと考えられた。

表 2.7.6.18-11 モキシフロキサシン投与後の QTcF の要約 Day 7(QTAS)

プラセボ モキシフロキサシン

ベースライン 最小二乗平均値 405.49 406.26

プラセボとの最小二乗平均の差 − 0.77

90%信頼区間 − −0.86, 2.39

投与前 最小二乗平均値 405.53 404.69

プラセボとの最小二乗平均の差 − −0.84

90%信頼区間 − −2.49, 0.80

投与後 1時間 最小二乗平均値 404.13 412.99

プラセボとの最小二乗平均の差 − 8.86

90%信頼区間 − 7.23, 10.50

1.5 時間 最小二乗平均値 404.54 414.30

プラセボとの最小二乗平均の差 − 9.77

90%信頼区間 − 8.14, 11.40

2 時間 最小二乗平均値 404.15 414.89

プラセボとの最小二乗平均の差 − 10.74

90%信頼区間 − 9.11, 12.37

3 時間 最小二乗平均値 404.80 418.15

プラセボとの最小二乗平均の差 − 13.35

90%信頼区間 − 11.72, 14.99

4 時間 最小二乗平均値 405.32 416.92

プラセボとの最小二乗平均の差 − 11.60

90%信頼区間 − 9.96, 13.23

5 時間 最小二乗平均値 404.64 413.77

プラセボとの最小二乗平均の差 − 9.13

90%信頼区間 − 7.49, 10.76

6 時間 最小二乗平均値 402.46 411.26

プラセボとの最小二乗平均の差 − 8.80

90%信頼区間 − 7.16, 10.43

8 時間 最小二乗平均値 398.26 408.92

プラセボとの最小二乗平均の差 − 10.66

90%信頼区間 − 9.03, 12.29

10 時間 最小二乗平均値 403.01 413.12

プラセボとの最小二乗平均の差 − 10.11

90%信頼区間 − 8.48, 11.74

12 時間 最小二乗平均値 399.52 407.67

プラセボとの最小二乗平均の差 − 8.15

90%信頼区間 − 6.52, 9.78

14 時間 最小二乗平均値 399.89 405.88

プラセボとの最小二乗平均の差 − 6.00

90%信頼区間 − 4.37, 7.62

最小二乗平均値,プラセボとの最小二乗平均の差とその 90%信頼区間について,共分散分析[投与順序,投与期,

用法及び用法と測定時期の交互作用を固定効果,被験者を変量効果,ベースライン値を共変量とする]を用いて

算出した。

448

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2.7.6個々の試験のまとめ

−:該当なし

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.4.5.1.1

(4) 本剤の血漿中濃度と ddQTcF の関係

本剤の血漿中濃度の平均値と ddQTcF の平均値に関係性は認められなかった。

(5) 外れ値の解析

治験薬投与後に QTcF が上限を超えた被験者の割合を表 2.7.6.18-12 に示した。

いずれの群においても,治験薬投与後に QTcF が 480 msec を超えた又は QTcF のベースライン

からの変化量が 60 msec を超えた被験者は認められなかった。潜在的に臨床的に重要な外れ値を

示した被験者の割合は,プラセボ群と本剤群で同程度であった。

表 2.7.6.18-12 治験薬投与後に QTcF が上限を超えた被験者の割合(SAF)

プラセボ ASP1941100 mg

ASP1941600 mg

モキシフロキ

サシン

QTcF (N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)> 450 msec 6(7.1) 3(3.5) 2(2.4) 7(8.4) 8(9.1)> 480 msec 0 0 0 0 0> 500 msec 0 0 0 0 030 msecを超える減少 10(11.9) 9(10.6) 7(8.3) 3(3.6) 22(25.0)

30 msecを超える増加 2(2.4) 1(1.2) 4(4.8) 16(19.3) 20(22.7)

60 msecを超える減少 0 0 0 0 0

60 msec を超える増加 0 0 0 0 0

例数(%)

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.6.4.1

2.7.6.18.6 安全性

2.7.6.18.6.1 有害事象

本試験で認められた有害事象の要約を表 2.7.6.18-13 に示した。

本試験では,プラセボ群 84 例中 27 例(32.1%),本剤 100 mg 群 85 例中 32 例(37.6%),600 mg

群 84 例中 26 例(31.0%),モキシフロキサシン群 83 例中 29 例(34.9%)に有害事象が認められた。

治験薬との関連性が否定できない有害事象(副作用)は,プラセボ群 22 例(26.2%),本剤 100 mg

群 25 例(29.4%),600 mg 群 22 例(26.2%),モキシフロキサシン群 21 例(25.3%)に認められ

た。治験薬投与中止に至った有害事象は,プラセボ群 3 例(3.6%),本剤 100 mg 群 1 例(1.2%),

600 mg 群 1 例(1.2%)であり,いずれも治験薬との関連性は否定されなかった。死亡,その他の

重篤な有害事象は認められなかった。

449

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.18-13 有害事象の要約(SAF)

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

有害事象発現例数(発現率) 27(32.1%) 32(37.6%) 26(31.0%) 29(34.9%) 56(63.6%)

有害事象発現件数 66 59 53 63 241

副作用発現例数(発現率) 22(26.2%) 25(29.4%) 22(26.2%) 21(25.3%) 48(54.5%)

副作用発現件数 52 43 39 45 179

重篤な有害事象発現例数(発現率) 0 0 0 0 0

重篤な副作用発現例数(発現率) 0 0 0 0 0

中止に至った有害事象発現例数(発現率) 3(3.6%) 1(1.2%) 1(1.2%) 0 5(5.7%)

中止に至った副作用発現例数(発現率) 3(3.6%) 1(1.2%) 1(1.2%) 0 5(5.7%)

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Table 12.6.1.1

有害事象の内訳を表 2.7.6.18-14 及び表 2.7.6.18-15 に示し,副作用の内訳を表 2.7.6.18-16 及び表

2.7.6.18-17 に示した。

有害事象の器官別大分類で認められた主なものは,胃腸障害[33 例(37.5%)]及び神経系障害

[28 例(31.8%)]であった。事象別では,頭痛[24 例(27.3%)]及び悪心[24 例(27.3%)]の

発現頻度が高く,これらの事象は各群で発現頻度が 3%以上であり,いずれも治験薬との関連性は

否定されなかった。また,心電図電極部位に関連した医療機器使用部位反応は各群での発現頻度

が 3%以上であった。

表 2.7.6.18-14 有害事象の内訳(例数)(SAF)

MedDRA version 12.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

すべての有害事象 27(32.1%) 32(37.6%) 26(31.0%) 29(34.9%) 56(63.6%)

胃腸障害 10(11.9%) 13(15.3%) 14(16.7%) 15(18.1%) 33(37.5%)

悪心 6(7.1%) 9(10.6%) 12(14.3%) 9(10.8%) 24(27.3%)

下痢 2(2.4%) 1(1.2%) 4(4.8%) 7(8.4%) 10(11.4%)

嘔吐 2(2.4%) 4(4.7%) 2(2.4%) 3(3.6%) 9(10.2%)

腹痛 2(2.4%) 1(1.2%) 1(1.2%) 2(2.4%) 6(6.8%)

上腹部痛 1(1.2%) 1(1.2%) 0 2(2.4%) 4(4.5%)

便秘 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

口内乾燥 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

消化不良 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

神経系障害 12(14.3%) 8(9.4%) 7(8.3%) 11(13.3%) 28(31.8%)

頭痛 10(11.9%) 6(7.1%) 5(6.0%) 8(9.6%) 24(27.3%)

浮動性めまい 2(2.4%) 3(3.5%) 2(2.4%) 3(3.6%) 10(11.4%)

錯感覚 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

失神 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

振戦 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

皮膚および皮下組織障害 4(4.8%) 4(4.7%) 5(6.0%) 2(2.4%) 14(15.9%)

そう痒症 1(1.2%) 3(3.5%) 0 1(1.2%) 5(5.7%)

発疹 0 2(2.4%) 3(3.6%) 0 5(5.7%)

ざ瘡 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

脱毛症 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

接触性皮膚炎 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

皮膚乾燥 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

450

Page 77: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

斑状出血 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

毛髪変色 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

多汗症 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

丘疹 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

全身障害および投与局所様態 3(3.6%) 5(5.9%) 4(4.8%) 2(2.4%) 13(14.8%)

疲労 0 1(1.2%) 2(2.4%) 0 3(3.4%)

胸部不快感 0 0 0 2(2.4%) 2(2.3%)

インフルエンザ様疾患 1(1.2%) 0 1(1.2%) 0 2(2.3%)

血管穿刺部位血腫 1(1.2%) 1(1.2%) 0 0 2(2.3%)

胸痛 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

悪寒 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

易刺激性 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

非心臓性胸痛 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

血管穿刺部位疼痛 1(1.2%) 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

傷害、中毒および処置合併症 3(3.6%) 4(4.7%) 3(3.6%) 3(3.6%) 11(12.5%)

医療機器使用部位反応 3(3.6%) 4(4.7%) 3(3.6%) 3(3.6%) 11(12.5%)

筋骨格系および結合組織障害 4(4.8%) 3(3.5%) 3(3.6%) 1(1.2%) 10(11.4%)

関節痛 2(2.4%) 0 1(1.2%) 0 3(3.4%)

背部痛 0 0 1(1.2%) 1(1.2%) 2(2.3%)

筋肉痛 1(1.2%) 1(1.2%) 0 0 2(2.3%)

筋痙縮 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

筋力低下 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

筋骨格系胸痛 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

筋骨格痛 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

四肢痛 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

生殖系および乳房障害 2(2.4%) 3(3.5%) 1(1.2%) 4(4.8%) 10(11.4%)

月経困難症 1(1.2%) 0 0 3(3.6%) 4(4.5%)

外陰腟そう痒症 1(1.2%) 0 1(1.2%) 1(1.2%) 3(3.4%)

腟分泌物 0 1(1.2%) 0 1(1.2%) 2(2.3%)

乳房痛 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

月経過多 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

腟出血 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

感染症および寄生虫症 3(3.6%) 2(2.4%) 2(2.4%) 1(1.2%) 8(9.1%)

腟感染 1(1.2%) 2(2.4%) 0 0 3(3.4%)

尿路感染 2(2.4%) 0 0 0 2(2.3%)

ヘルペスウイルス感染 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

皮下組織膿瘍 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

上気道感染 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

呼吸器、胸郭および縦隔障害 2(2.4%) 1(1.2%) 1(1.2%) 3(3.6%) 6(6.8%)

口腔咽頭痛 1(1.2%) 0 1(1.2%) 1(1.2%) 3(3.4%)

咳嗽 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

労作性呼吸困難 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

過換気 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

鼻閉 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

呼吸障害 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

副鼻腔うっ血 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

眼障害 1(1.2%) 2(2.4%) 0 2(2.4%) 5(5.7%)

眼充血 0 2(2.4%) 0 0 2(2.3%)

眼の異常感 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

結膜充血 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

飛蚊症 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

451

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2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

霧視 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

腎および尿路障害 2(2.4%) 3(3.5%) 0 0 5(5.7%)

排尿困難 1(1.2%) 1(1.2%) 0 0 2(2.3%)

遺尿 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

尿意切迫 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

頻尿 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

尿失禁 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

心臓障害 2(2.4%) 0 0 1(1.2%) 3(3.4%)

頻脈 1(1.2%) 0 0 1(1.2%) 2(2.3%)

動悸 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

耳および迷路障害 1(1.2%) 0 1(1.2%) 1(1.2%) 3(3.4%)

耳不快感 1(1.2%) 0 1(1.2%) 0 2(2.3%)

耳管閉塞 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

代謝および栄養障害 0 2(2.4%) 0 1(1.2%) 3(3.4%)

食欲減退 0 2(2.4%) 0 1(1.2%) 3(3.4%)

精神障害 1(1.2%) 0 1(1.2%) 1(1.2%) 3(3.4%)

不眠症 0 0 1(1.2%) 1(1.2%) 2(2.3%)

多幸気分 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

免疫系障害 0 1(1.2%) 1(1.2%) 0 2(2.3%)

薬物過敏症 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

過敏症 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

血管障害 0 0 0 2(2.4%) 2(2.3%)

ほてり 0 0 0 2(2.4%) 2(2.3%)

臨床検査 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

心雑音 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

発現例数(発現率)

Source:CTD 解析(5.3.5.3-9)1941-CL-0058 Table 12.6.1.6

表 2.7.6.18-15 有害事象の内訳(件数)(SAF)

MedDRA version 12.1

器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

すべての有害事象 66 59 53 63 241

胃腸障害 15 16 21 24 76

悪心 6 9 13 9 37

下痢 3 1 4 7 15

嘔吐 2 4 2 3 11

腹痛 2 1 1 2 6

上腹部痛 1 1 0 2 4

便秘 1 0 0 0 1

口内乾燥 0 0 1 0 1

消化不良 0 0 0 1 1

神経系障害 17 9 8 13 47

頭痛 13 6 5 10 34

浮動性めまい 2 3 2 3 10

錯感覚 1 0 0 0 1

失神 0 0 1 0 1

振戦 1 0 0 0 1

皮膚および皮下組織障害 5 6 6 2 19

そう痒症 1 3 0 1 5

452

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2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

発疹 0 2 3 0 5

ざ瘡 0 1 0 0 1

脱毛症 1 0 0 0 1

接触性皮膚炎 0 0 2 0 2

皮膚乾燥 0 0 0 1 1

斑状出血 1 0 0 0 1

毛髪変色 0 0 1 0 1

多汗症 1 0 0 0 1

丘疹 1 0 0 0 1

全身障害および投与局所様態 4 5 4 2 15

疲労 0 1 2 0 3

胸部不快感 0 0 0 2 2

インフルエンザ様疾患 1 0 1 0 2

血管穿刺部位血腫 1 1 0 0 2

胸痛 0 0 1 0 1

悪寒 1 0 0 0 1

易刺激性 0 1 0 0 1

非心臓性胸痛 0 1 0 0 1

血管穿刺部位疼痛 1 1 0 0 2

傷害、中毒および処置合併症 3 5 3 3 14

医療機器使用部位反応 3 5 3 3 14

筋骨格系および結合組織障害 5 3 3 1 12

関節痛 2 0 1 0 3

背部痛 0 0 1 1 2

筋肉痛 1 1 0 0 2

筋痙縮 1 0 0 0 1

筋力低下 0 0 1 0 1

筋骨格系胸痛 1 0 0 0 1

筋骨格痛 0 1 0 0 1

四肢痛 0 1 0 0 1

生殖系および乳房障害 3 3 1 5 12

月経困難症 1 0 0 3 4

外陰腟そう痒症 1 0 1 1 3

腟分泌物 0 1 0 1 2

乳房痛 0 1 0 0 1

月経過多 0 1 0 0 1

腟出血 1 0 0 0 1

感染症および寄生虫症 3 2 2 1 8

腟感染 1 2 0 0 3

尿路感染 2 0 0 0 2

ヘルペスウイルス感染 0 0 0 1 1

皮下組織膿瘍 0 0 1 0 1

上気道感染 0 0 1 0 1

呼吸器、胸郭および縦隔障害 2 1 2 4 9

口腔咽頭痛 1 0 1 1 3

咳嗽 0 0 0 1 1

労作性呼吸困難 0 0 0 1 1

過換気 0 1 0 0 1

鼻閉 0 0 0 1 1

呼吸障害 1 0 0 0 1

副鼻腔うっ血 0 0 1 0 1

453

Page 80: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

眼障害 2 2 0 2 6

眼充血 0 2 0 0 2

眼の異常感 1 0 0 0 1

結膜充血 0 0 0 1 1

飛蚊症 1 0 0 0 1

霧視 0 0 0 1 1

腎および尿路障害 2 4 0 0 6

排尿困難 1 1 0 0 2

遺尿 1 0 0 0 1

尿意切迫 0 1 0 0 1

頻尿 0 1 0 0 1

尿失禁 0 1 0 0 1

心臓障害 2 0 0 1 3

頻脈 1 0 0 1 2

動悸 1 0 0 0 1

耳および迷路障害 1 0 1 1 3

耳不快感 1 0 1 0 2

耳管閉塞 0 0 0 1 1

代謝および栄養障害 0 2 0 1 3

食欲減退 0 2 0 1 3

精神障害 1 0 1 1 3

不眠症 0 0 1 1 2

多幸気分 1 0 0 0 1

免疫系障害 0 1 1 0 2

薬物過敏症 0 0 1 0 1

過敏症 0 1 0 0 1

血管障害 0 0 0 2 2

ほてり 0 0 0 2 2

臨床検査 1 0 0 0 1

心雑音 1 0 0 0 1

Source:CTD 解析(5.3.5.3-9)1941-CL-0058 Table 12.6.1.6

表 2.7.6.18-16 副作用の内訳(例数)(SAF)

MedDRA version 12.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

すべての有害事象 22(26.2%) 25(29.4%) 22(26.2%) 21(25.3%) 48(54.5%)

胃腸障害 10(11.9%) 13(15.3%) 14(16.7%) 15(18.1%) 33(37.5%)

悪心 6(7.1%) 9(10.6%) 12(14.3%) 9(10.8%) 24(27.3%)

下痢 2(2.4%) 1(1.2%) 4(4.8%) 7(8.4%) 10(11.4%)

嘔吐 2(2.4%) 4(4.7%) 2(2.4%) 3(3.6%) 9(10.2%)

腹痛 2(2.4%) 1(1.2%) 1(1.2%) 2(2.4%) 6(6.8%)

上腹部痛 1(1.2%) 1(1.2%) 0 2(2.4%) 4(4.5%)

便秘 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

口内乾燥 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

消化不良 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

神経系障害 12(14.3%) 8(9.4%) 7(8.3%) 10(12.0%) 27(30.7%)

頭痛 10(11.9%) 6(7.1%) 5(6.0%) 8(9.6%) 24(27.3%)

浮動性めまい 2(2.4%) 3(3.5%) 2(2.4%) 2(2.4%) 9(10.2%)

錯感覚 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

454

Page 81: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

失神 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

振戦 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

全身障害および投与局所様態 1(1.2%) 3(3.5%) 3(3.6%) 2(2.4%) 9(10.2%)

疲労 0 1(1.2%) 2(2.4%) 0 3(3.4%)

胸部不快感 0 0 0 2(2.4%) 2(2.3%)

胸痛 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

悪寒 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

易刺激性 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

非心臓性胸痛 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

皮膚および皮下組織障害 3(3.6%) 1(1.2%) 3(3.6%) 0 7(8.0%)

発疹 0 1(1.2%) 3(3.6%) 0 4(4.5%)

脱毛症 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

多汗症 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

そう痒症 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

丘疹 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

感染症および寄生虫症 3(3.6%) 2(2.4%) 0 0 5(5.7%)

腟感染 1(1.2%) 2(2.4%) 0 0 3(3.4%)

尿路感染 2(2.4%) 0 0 0 2(2.3%)

筋骨格系および結合組織障害 2(2.4%) 1(1.2%) 2(2.4%) 0 5(5.7%)

筋肉痛 1(1.2%) 1(1.2%) 0 0 2(2.3%)

関節痛 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

背部痛 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

筋力低下 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

筋骨格系胸痛 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

腎および尿路障害 2(2.4%) 3(3.5%) 0 0 5(5.7%)

排尿困難 1(1.2%) 1(1.2%) 0 0 2(2.3%)

遺尿 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

尿意切迫 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

頻尿 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

尿失禁 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

生殖系および乳房障害 1(1.2%) 2(2.4%) 1(1.2%) 1(1.2%) 5(5.7%)

外陰腟そう痒症 1(1.2%) 0 1(1.2%) 1(1.2%) 3(3.4%)

乳房痛 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

腟分泌物 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

心臓障害 2(2.4%) 0 0 1(1.2%) 3(3.4%)

頻脈 1(1.2%) 0 0 1(1.2%) 2(2.3%)

動悸 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

眼障害 1(1.2%) 0 0 2(2.4%) 3(3.4%)

眼の異常感 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

結膜充血 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

霧視 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

代謝および栄養障害 0 2(2.4%) 0 1(1.2%) 3(3.4%)

食欲減退 0 2(2.4%) 0 1(1.2%) 3(3.4%)

呼吸器、胸郭および縦隔障害 1(1.2%) 1(1.2%) 0 1(1.2%) 3(3.4%)

労作性呼吸困難 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

過換気 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

口腔咽頭痛 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

耳および迷路障害 1(1.2%) 0 0 1(1.2%) 2(2.3%)

耳不快感 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

耳管閉塞 0 0 0 1(1.2%) 1(1.1%)

455

Page 82: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

免疫系障害 0 1(1.2%) 1(1.2%) 0 2(2.3%)

薬物過敏症 0 0 1(1.2%) 0 1(1.1%)

過敏症 0 1(1.2%) 0 0 1(1.1%)

臨床検査 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

心雑音 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

精神障害 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

多幸気分 1(1.2%) 0 0 0 1(1.1%)

発現例数(発現率)

Source:CTD 解析(5.3.5.3-9)1941-CL-0058 Table 12.6.1.7

表 2.7.6.18-17 副作用の内訳(件数)(SAF)

MedDRA version 12.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

すべての有害事象 52 43 39 45 179

胃腸障害 15 16 21 24 76

悪心 6 9 13 9 37

下痢 3 1 4 7 15

嘔吐 2 4 2 3 11

腹痛 2 1 1 2 6

上腹部痛 1 1 0 2 4

便秘 1 0 0 0 1

口内乾燥 0 0 1 0 1

消化不良 0 0 0 1 1

神経系障害 17 9 8 12 46

頭痛 13 6 5 10 34

浮動性めまい 2 3 2 2 9

錯感覚 1 0 0 0 1

失神 0 0 1 0 1

振戦 1 0 0 0 1

全身障害および投与局所様態 1 3 3 2 9

疲労 0 1 2 0 3

胸部不快感 0 0 0 2 2

胸痛 0 0 1 0 1

悪寒 1 0 0 0 1

易刺激性 0 1 0 0 1

非心臓性胸痛 0 1 0 0 1

皮膚および皮下組織障害 3 2 3 0 8

発疹 0 1 3 0 4

脱毛症 1 0 0 0 1

多汗症 1 0 0 0 1

そう痒症 0 1 0 0 1

丘疹 1 0 0 0 1

感染症および寄生虫症 3 2 0 0 5

腟感染 1 2 0 0 3

尿路感染 2 0 0 0 2

筋骨格系および結合組織障害 3 1 2 0 6

筋肉痛 1 1 0 0 2

関節痛 1 0 0 0 1

背部痛 0 0 1 0 1

456

Page 83: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA version 12.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP1941 100 mg

ASP1941 600 mg

モキシフロキ

サシン

(N=84) (N=85) (N=84) (N=83) (N=88)

筋力低下 0 0 1 0 1

筋骨格系胸痛 1 0 0 0 1

腎および尿路障害 2 4 0 0 6

排尿困難 1 1 0 0 2

遺尿 1 0 0 0 1

尿意切迫 0 1 0 0 1

頻尿 0 1 0 0 1

尿失禁 0 1 0 0 1

生殖系および乳房障害 1 2 1 1 5

外陰腟そう痒症 1 0 1 1 3

乳房痛 0 1 0 0 1

腟分泌物 0 1 0 0 1

心臓障害 2 0 0 1 3

頻脈 1 0 0 1 2

動悸 1 0 0 0 1

眼障害 1 0 0 2 3

眼の異常感 1 0 0 0 1

結膜充血 0 0 0 1 1

霧視 0 0 0 1 1

代謝および栄養障害 0 2 0 1 3

食欲減退 0 2 0 1 3

呼吸器、胸郭および縦隔障害 1 1 0 1 3

労作性呼吸困難 0 0 0 1 1

過換気 0 1 0 0 1

口腔咽頭痛 1 0 0 0 1

耳および迷路障害 1 0 0 1 2

耳不快感 1 0 0 0 1

耳管閉塞 0 0 0 1 1

免疫系障害 0 1 1 0 2

薬物過敏症 0 0 1 0 1

過敏症 0 1 0 0 1

臨床検査 1 0 0 0 1

心雑音 1 0 0 0 1

精神障害 1 0 0 0 1

多幸気分 1 0 0 0 1

Source:CTD 解析(5.3.5.3-9)1941-CL-0058 Table 12.6.1.7

2.7.6.18.6.2 死亡,その他の重篤な有害事象

死亡及びその他の重篤な有害事象は認められなかった。

2.7.6.18.6.3 中止に至った有害事象

治験薬投与中止に至った有害事象の一覧を表 2.7.6.18-18 に示した。

治験薬投与中止に至った有害事象は 5 例に認められた。内訳は,プラセボ群が 3 例(頻脈 1 例,

尿路感染 2 例),本剤 100 mg 群が1例(腟感染),600 mg 群が1例(薬物過敏症)であった。い

ずれの事象も治験薬との関連性は否定されなかった。

457

Page 84: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.18-18 治験薬投与中止に至った有害事象の一覧

症例番号

性別

年齢

人種

MedDRA基本語 a

程度 発現日 b

終了日 b

最終服薬日 b 転帰 治験薬と

の関連性

処置

プラセボ群

U00025281101女性43黒人又はアフリカ系

アメリカ人

頻脈 軽度 Day 16Day 34

第 2 期 3 日目Day 19

回復 関連ある

かもしれ

ない

なし

U00025281019

男性21黒人又はアフリカ系

アメリカ人

尿路感染 軽度 Day 22Day 34

第 2 期 7 日目Day 22

回復 関連ある

かもしれ

ない

なし

U00025281115女性38黒人又はアフリカ系

アメリカ人

尿路感染 軽度 Day 22Day 31

第 2 期 7 日目Day 22

回復 関連ある

かもしれ

ない

なし

100 mg 群U00025281127

女性39黒人又はアフリカ系

アメリカ人

腟感染 中等度 Day 34Day 45

第 3 期 4 日目Day 36

回復 多分(お

そらく)

関連あり

薬剤治療

600 mg 群U00025281119女性23黒人又はアフリカ系

アメリカ人

薬物過敏症 軽度 Day 17Day 41

第 2 期 2 日目Day 17

回復 多分(お

そらく)

関連あり

薬剤治療

a:MedDRA version 12.1

b:第 1 期の治験薬初回処方日を Day 1 とした。

Source:CL-0058 総括報告書(5.3.4.1-1)Appendix 13.2.5.1,13.2.7.1

2.7.6.18.6.4 臨床検査値

臨床的に重要なベースラインからの変動は認められなかった。有害事象として報告された臨床

検査値異常及び臨床検査値異常により治験薬投与中止に至った被験者は認められなかった。

2.7.6.18.6.5 バイタルサイン

臨床的に重要なベースラインからの変動はほとんど認められなかった。

2.7.6.18.6.6 心電図

臨床的に重要な異常所見は認められなかった。

458

Page 85: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.18.7 結論

● 本剤未変化体,M2 及び本剤非結合型の血漿中濃度は用量依存的に上昇した。

● 本剤が QTcF に及ぼす影響について,本剤とプラセボとの最小二乗平均の差の最大値の 90%

信頼区間の上限は 10 msec 未満(本剤 100 mg 群 3.39 msec,600 mg 群 4.44 msec)であり,本

剤が QTcF に及ぼす影響はないと考えられた。

● 本剤が QTcB 及び QTcI に及ぼす影響について,本剤とプラセボとの最小二乗平均の差の最大

値の 90%信頼区間の上限はそれぞれ 10 msec 未満(QTcB:本剤 100 mg 群 5.04 msec,600 mg

群 4.19 msec QTcI:本剤 100 mg 群 2.99 msec,600 mg 群 4.47 msec)であり,本剤が QTcB 及

び QTcI に及ぼす影響はないと考えられた。

● モキシフロキサシン投与後の QTcF について,モキシフロキサシンとプラセボとの最小二乗

平均の差の最大値の 90%信頼区間の下限が 5 msec を超えた(11.72 msec)ため,本試験の分

析感度は確立されたと考えられた。

● 本剤 100 mg/日及び 600 mg/日の投与は,健康成人の QTcF に臨床的に重要な影響を及ぼさな

かった。

● 健康成人において本剤の臨床用量及び臨床用量を超える用量での忍容性は良好であった。

459

Page 86: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.19 薬理作用機序検討試験[CL-0050](添付資料 5.3.4.1-2)

2.7.6.19.1 試験方法の概略

治験課題名:健康被験者及び 2 型糖尿病患者を対象に ASP1941 がグルコースホメオスタシス及び

尿中グルコース排泄に及ぼす影響を検討する探索的試験

治験実施医療機関:ドイツ 1 施設

公表文献:なし

治験期間:

治験開始日:2011 年 10 月 治験終了日:2012 年 2 月

開発のフェーズ:第 I 相

目的: Part A (1) 主要目的(グルコースホメオスタシスに関連する目的) • 健康被験者及び 2 型糖尿病患者を対象として,ASP1941(以下,本剤)100 mg 反復投与が,

空腹時及び糖負荷後のグルコースホメオスタシスに及ぼす影響を探索する。 • 本剤 100 mg 反復投与が,糖負荷後の末梢でのグルコース消費に及ぼす影響を評価する。 • 本剤 100 mg 反復投与が,糖負荷後の臓器でのグルコースの取込みに及ぼす影響を評価す

る。 • 本剤 100 mg 反復投与が,空腹時及び糖負荷後の平均血糖値に及ぼす影響を評価する。

(2) 副次目的 • 本剤 100 mg 反復投与が,定常状態の尿中 Na 排泄に及ぼす影響(Na 排泄増加)を評価する。 • 本剤がエネルギー産生及びエネルギー消費に及ぼす影響を探索する。 • 本剤 100 mg 反復投与が,尿中グルコース排泄に及ぼす影響を評価する。 • 本剤 100 mg 反復投与の安全性及び忍容性を評価する。

Part B (1) 主要目的 • 2 型糖尿病患者を対象として,本剤 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の,本剤の血漿中濃度

‐時間曲線下面積(AUC)と尿中グルコース排泄及び血糖値の関係を評価する。 (2) 副次目的 • 2 型糖尿病患者を対象として,本剤 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の安全性及び忍容性を

評価する。

治験デザイン・治験方法:

本試験は,Part A 及び Part B の 2 部構成で実施した。 Part A では,グルコースホメオスタシスに本剤が及ぼす影響を検討し,Part B では,本剤の曝露量

が尿中グルコース排泄及び血糖値に及ぼす影響を検討した。 なお,本試験では,HbA1c 値の表記として National Glycohemoglobin Standardization Program(NGSP)値を用いた。 Part A 健康被験者及び 2 型糖尿病患者を対象とした単一施設,無作為化,二重盲検,プラセボ対照,2期 2 剤クロスオーバー試験として実施した。 スクリーニング検査を行い,選択・除外基準に基づき,被験者の適格性を確認した。Part A では,

2 型糖尿病患者で血糖降下薬を服用している場合,メトホルミンを使用している被験者のみ組入

れ可とした。メトホルミンを服用中の 2 型糖尿病患者は,メトホルミンの服用を中止し,治験薬

投与開始前に 3 週間以上休薬したのち,第 1 期の投与期間に移行した。健康被験者及び血糖降下

薬を服用していない 2 型糖尿病患者は,休薬期間なしで治験薬投与期間に移行した。

460

Page 87: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

第 1 期の Day 1 に,健康被験者(12 例)及び 2 型糖尿病患者(12 例)が均等になるよう,下表の

A 又は B に無作為に割り当てた。被験者は割り当てに従い,下表に示した順に治験薬を服用した。

第 2 期の治験薬は,第 1 期の最終投与後,2 週間以上の休薬期間を置いて投与を開始した。

第 1 期 第 2 期 A 本剤 100 mg 1 日 1 回 6 日間 プラセボ 1 日 1 回 6 日間 B プラセボ 1 日 1 回 6 日間 本剤 100 mg 1 日 1 回 6 日間

間接熱量測定を Day −7 及び Day 4 に行った(Day −7 は外来にて実施,第 1 期のみ)。Day −7 の結

果に基づき,入院中の食事内容(エネルギー量,蛋白質含有量,脂質含有量,水分摂取量)を決

定した。内因性グルコース産生量(EGP)を各期の Day −1 及び Day 6 に測定した。尿中 Na 排泄

量を Day 5 に測定した。尿中グルコース排泄量を Day −1~7 に測定した。 被験者は各期に治験薬投与 2 日前(Day −2)から入院し,Day 7 の朝の最終評価終了後に退院し

た。第 2 期の退院又は中止から 7~14 日後に後観察を行った。 Part B 2 型糖尿病患者を対象とした単一施設,無作為化,非盲検,2 期 2 剤クロスオーバー試験として実

施した。 入院前にスクリーニング検査を行い,選択・除外基準に基づき,被験者の適格性を確認した。Part B では,スクリーニング時の HbA1c 値が 6.0%~6.9%の被験者 5 例,7.0%~7.9%の被験者 5 例,

8.0%~8.9%の被験者 5 例,9.0%~9.9%の被験者 5 例(計 20 例)を組み入れた。 第 1 期の Day 1 に,被験者 20 例を下表の A 又は B に無作為に割り当てた。被験者は割り当てに

従い,下表に示した順に治験薬を服用した。第 2 期の治験薬は,第 1 期の最終投与後,5 日以上

の休薬期間を置いて投与を開始した。

第 1 期 第 2 期 A 本剤 100 mg 1 日 1 回 5 日間 本剤 12.5 mg 1 日 1 回 5 日間 B 本剤 12.5 mg 1 日 1 回 5 日間 本剤 100 mg 1 日 1 回 5 日間

血糖値及び尿中グルコース排泄量を,Day −1 及び Day 5 に測定した。 被験者は各期に治験薬投与 2 日前(Day −2)から入院し,Day 6 の朝の最終評価終了後に退院し

た。第 2 期の退院又は中止から 7~14 日後に後観察を行った。

目標被験者数: Part A 健康被験者 12 例,2 型糖尿病患者 12 例 Part B 2 型糖尿病患者 20 例 【設定根拠】

統計学的な目標被験者数の算出は行わなかった。文献に報告されている類似の試験のデザインを

参照し,実施可能性の観点から判断した。

診断及び選択・除外基準: Part A 1.選択基準(以下の基準をすべて満たす者を対象とした)

すべての被験者

(1) スクリーニング開始以前に本人から文書による同意が得られている者 (2) 35 歳以上 65 歳以下の者 (3) 女性の場合,妊娠の可能性がない(閉経後,卵管結紮等の不妊手術の手術歴,子宮摘出の既

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Page 88: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

往を有する),又はホルモン避妊薬以外の適切な(二重障壁)避妊法を使用する者。ホルモン

避妊薬以外の適切な避妊法は,以下とした: a. 治験薬投与前 4 週間から退院後 3 カ月までの禁欲 b. スクリーニング時から遡って 3 カ月以上前のパートナーの不妊手術 c. 本試験中及び最終投与後 3 カ月間は被験者のパートナーがコンドームを使用し,

かつ被験者がその他の許容可能な方法(子宮内避妊器具,不妊手術,ペッサリー

又は子宮頸管キャップ)を用いる 男性の場合,生殖能力がない(不妊手術の手術歴がある),又は有効な避妊法を使用する者。

有効な避妊法は,以下とした: d. 治験薬投与開始日から退院後 3 カ月までの禁欲 e. 本試験中及び最終投与後 3 カ月間は被験者がコンドームを使用し,かつ被験者の

パートナーがその他の許容可能な方法[ホルモン避妊薬(経口剤又は注射剤),避

妊パッチ,子宮内避妊器具,ホルモン剤入り子宮内リング,不妊手術,ペッサリー

又は子宮頸管キャップ]を用いる f. 被験者のパートナーが妊娠の可能性がない(閉経後,卵管結紮等の不妊手術の手

術歴,子宮摘出の既往を有する) (4) 血清クレアチニンが基準値内である者 健康被験者のみ (5) 糖尿病を有さない者 (6) スクリーニング時の空腹時血糖値が 5.6 mmol/L 未満である者 (7) BMI が 18.5 kg/m2 以上 28.0 kg/m2 未満の者 2 型糖尿病患者のみ (8) 2 型糖尿病と診断されてから 6 カ月以上経過している患者 (9) スクリーニング時の BMI が 20.0 kg/m2 以上 35.0 kg/m2 未満の患者 (10) スクリーニング時の HbA1c 値が 7.0%を超え,かつ 9.0%未満である患者 (11) 空腹時血糖値が 10.0 mmol/L 未満である患者 (12) 血糖降下薬を服用していない患者,若しくはメトホルミンを服用している患者で,治験薬投

与開始日から遡って 3 週間以上前に服用中のメトホルミンを休薬することが可能である患者

2.除外基準(以下の基準のいずれかに該当する者は対象から除外した)

すべての被験者 (1) スクリーニング前 6 カ月以内に妊娠していた,又はスクリーニング前 3 カ月以内に授乳中で

あった者 (2) 本剤又は製剤の構成成分に対して過敏症を有する又は過敏症が疑われる者 (3) 本剤の投与歴のある者 (4) 喘息,湿疹等のアレルギー疾患又は何らかの薬剤に対する重度の過敏症の既往といった臨床

的に重要な既往(症状の出ていない花粉症を除く)を有する者 (5) 治験実施医療機関入院前 3 カ月以内に薬物乱用歴を有する者 (6) 治験実施医療機関入院前 3カ月以内に 1日 10本を超える巻きタバコ(又は当量の刻みタバコ)

を使用した者 (7) 治験実施医療機関入院前 3 カ月以内に 1 週間あたり 21 単位を超える飲酒をした男性,又は

14 単位を超える飲酒をした女性[1 単位=アルコール 10 g =ビール(アルコール 5%)250 mL,蒸留酒(アルコール 35%)35 mL,ワイン(アルコール 12%)100 mL]

(8) 治験実施医療機関入院前 3 カ月以内に献血(全血又は成分献血)を行った者 (9) 血清学的検査でHBs 抗原,HAV IgM 抗体,HCV 抗体又はHIV 抗体 1 及び 2 が陽性であった者

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Page 89: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

(10) Day −2 の eGFR(MDRD 式により算出)が 60 mL/min/1.73 m2 未満であった者 (11) 何らかの理由のため本試験を完了できない可能性があると治験担当医師が判断した者 (12) 本試験登録予定日から遡って 3 カ月以内に他の臨床試験に参加した者,又は 12 カ月以内に 4 件以

上の臨床試験に参加した者,又は半減期の長い生物製剤を使用する臨床試験に参加した者 (13) 治験担当医師により,本試験を安全に完了できない疾患を有すると判断された者 (14) アステラス製薬グループ又は本試験に関係する CRO に雇用されている者 (15) 治験実施医療機関入院前 3 カ月以内に肝代謝酵素誘導作用を有する薬剤(バルビツール酸類,

リファンピシン等)を常用した者 健康被験者のみ (16) 肝機能検査値が基準値上限を超える者。該当した被験者では,検体を再度採取し,その測定

値が基準値内にある場合には組入れ可とした。 (17) 心電図検査を 2 回行い,いずれも QTc 間隔が 430 msec(男性)又は 450 msec(女性)を超え

る者,若しくは原因不明の失神,心停止,原因不明の重要な不整脈,Torsades de pointes 又は

器質的心疾患の既往を有する,又は QT 延長症候群の家族歴を有する者 (18) 治験担当医師により臨床的に重要と判断された消化器系,心血管系,呼吸器系,腎機能,肝

機能,神経系,皮膚,精神又は代謝系の疾患又は障害の既往を有する者 (19) スクリーニング時の身体所見,心電図検査及び臨床検査の結果,治験担当医師が臨床的に重

要な異常があると判断した者 (20) スクリーニング時に脈拍数又は血圧に下記の異常が認められた者:

脈拍数が 50 bpm 未満又は 90 bpm を超える,平均収縮期血圧が 140 mmHg を超える,平均拡

張期血圧が 90 mmHg を超える(血圧は臥位にて 5 分間安静にした後 3 回測定した) (21) 治験実施医療機関入院前 2 週間以内に処方薬又は一般用医薬品(ビタミン剤,セイヨウオト

ギリソウ等の生薬又はハーブ製剤を含む),経口避妊薬又はホルモン補充療法を使用した者

(3 g/日以下のアセトアミノフェンの頓用を除く) 2 型糖尿病患者のみ (22) 治験担当医師が本試験参加に支障があると判断した病期が進行した 2 型糖尿病の合併症を有

する患者 (23) 1 型糖尿病の患者 (24) 心電図検査を 2 回行い,いずれも QTc 間隔が 450 msec(男性)又は 470 msec(女性)を超え

る患者,若しくは原因不明の失神,心停止,原因不明の重要な不整脈,Torsades de pointes 又は器質的心疾患の既往を有する,又は QT 延長症候群の家族歴を有する患者

(25) インスリン療法を行っている患者又はスクリーニング前 3 カ月以内にインスリンを使用した

患者(スクリーニング前の急性症状に対する 7 日間未満の投与は可) (26) スクリーニング時の血清クレアチニンが基準値上限を超える患者 (27) スクリーニング時の尿中のミクロアルブミン/クレアチニン比が 300 mg/g 以上である患者 (28) スクリーニング時の ALT 若しくは AST が基準値上限の 3 倍を超える,又は総ビリルビンが

基準値上限の 2 倍を超える患者 (29) スクリーニング時に症候性の尿路感染症又は症候性の尿路性器感染症を有する患者 (30) 持続性でコントロール不良の重度の高血圧を有しており,平均収縮期血圧が 160 mmHg を超

える,又は平均拡張期血圧が 100 mmHg を超える患者(血圧は臥位にて 5 分間安静にした後

3 回測定した) (31) 重大な心血管系疾患を有する患者。例えば,スクリーニング前 3 カ月以内に心筋梗塞又は心

血管インターベンション(例;血管形成術,ステント留置)の既往を有する患者,心不全(NYHA Class III-IV)の既往を有する患者

(32) 不安定な内科的疾患又は精神疾患を有する患者

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Page 90: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

(33) 血液透析が必要である,又は腎移植の既往を有する患者 (34) 乳酸アシドーシスの既往を有する患者 (35) 身体所見,心電図及び臨床検査の結果,治験担当医師が臨床的に重要な異常があると判断し

た患者 (36) メトホルミン以外の血糖降下薬の使用,利尿薬の使用又は副腎皮質ステロイドの全身投与を

行っている患者 (37) 合併症の治療目的で使用している薬剤の用法・用量を治験薬投与前 30 日又はその薬剤の半減

期の 5 倍のいずれか長い方の期間内に変更した患者 (38) 治験実施医療機関入院前 2 週間以内に一般用医薬品(ビタミン剤,セイヨウオトギリソウ等

の生薬又はハーブ製剤を含む),経口避妊薬又はホルモン補充療法を使用した患者(3 g/日以

下のアセトアミノフェンの頓用を除く) (39) 5 年以内に悪性腫瘍(適切に治療された皮膚の基底細胞癌又は扁平上皮癌,子宮頸部上皮内

癌を除く)の既往を有する患者 Part B 1.選択基準(以下の基準をすべて満たす者を対象とした) (1) スクリーニング開始以前に本人から文書による同意が得られている患者 (2) 35 歳以上 65 歳以下の患者 (3) スクリーニング時の BMI が 20.0 kg/m2 以上 35.0 kg/m2 未満の患者 (4) 女性の場合,妊娠の可能性がない(閉経後,卵管結紮等の不妊手術の手術歴,子宮摘出の既

往を有する),又はホルモン避妊薬以外の適切な(二重障壁)避妊法を使用する患者。ホルモ

ン避妊薬以外の適切な避妊法は,以下とした: a. 治験薬投与前 4 週間から退院後 3 カ月までの禁欲 b. スクリーニング時から遡って 3 カ月以上前のパートナーの不妊手術 c. 本試験中及び最終投与後 3 カ月間は被験者のパートナーがコンドームを使用し,か

つ被験者がその他の許容可能な方法(子宮内避妊器具,不妊手術,ペッサリー又は

子宮頸管キャップ)を用いる 男性の場合,生殖能力がない(不妊手術の手術歴がある),又は有効な避妊法を使用する患者。

有効な避妊法は,以下とした: d. 治験薬投与開始日から退院後 3 カ月までの禁欲 e. 本試験中及び最終投与後 3 カ月間は被験者がコンドームを使用し,かつ被験者の

パートナーがその他の許容可能な方法[ホルモン避妊薬(経口剤又は注射剤),避妊

パッチ,子宮内避妊器具,ホルモン剤入り子宮内リング,不妊手術,ペッサリー又

は子宮頸管キャップ]を用いる f. 被験者のパートナーが妊娠の可能性がない(閉経後,卵管結紮等の不妊手術の手術

歴,子宮摘出の既往を有する) (5) 2 型糖尿病と診断されてから 6 カ月以上経過している患者 (6) スクリーニング時の HbA1c 値が 6.0%以上 10%未満である患者 (7) 空腹時血糖値が 10.0 mmol/L 未満である患者 (8) 血糖降下薬を服用していない,又は一定用量で血糖降下薬(メトホルミン,チアゾリジン薬,

DPP-4 阻害薬又はスルホニルウレア剤(SU 剤)を使用している患者 2.除外基準(以下の基準のいずれかに該当する者は対象から除外した) (1) スクリーニング前 6 カ月以内に妊娠していた,又はスクリーニング前 3 カ月以内に授乳中で

あった患者 (2) 本剤又は製剤の構成成分に対して過敏症を有する又は過敏症が疑われる患者 (3) 本剤の投与歴のある患者

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Page 91: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

(4) 喘息,湿疹等のアレルギー疾患又は何らかの薬剤に対する重度の過敏症の既往といった臨床

的に重要な既往(症状の出ていない花粉症を除く)を有する患者 (5) 心電図検査を 2 回行い,QTc 間隔がいずれも 450 msec(男性)又は 470 msec(女性)を超え

る患者,若しくは原因不明の失神,心停止,原因不明の不整脈,Torsades de pointes 又は器質

的心疾患の既往を有する,又は QT 延長症候群の家族歴を有する患者 (6) 治験実施医療機関入院前 3 カ月以内に薬物乱用歴を有する患者 (7) 治験実施医療機関入院前 3カ月以内に 1日 10本を超える巻きタバコ(又は当量の刻みタバコ)

を使用した患者 (8) 治験実施医療機関入院前 3 カ月以内に 1 週間あたり 21 単位を超える飲酒をした男性患者,又

は 14 単位を超える飲酒をした女性患者[1 単位=アルコール 10 g =ビール(アルコール 5%)

250 mL,蒸留酒(アルコール 35%)35 mL,ワイン(アルコール 12%)100 mL] (9) 治験実施医療機関入院前 3 カ月以内に献血(全血又は成分献血)を行った患者 (10) 血清学的検査でHBs 抗原,HAV IgM 抗体,HCV 抗体又はHIV 抗体 1 及び 2 が陽性であった患者 (11) Day −2 に eGFR(MDRD 式により算出)が 60 mL/min/1.73 m2 未満であった患者 (12) 何らかの理由のため本試験を完了できない可能性があると治験担当医師が判断した患者 (13) 本試験登録予定日から遡って 3 カ月以内に他の臨床試験に参加した患者,又は 12 カ月以内に

4 件以上の臨床試験に参加した患者,又は半減期の長い生物製剤を使用する臨床試験に参加

した患者 (14) 治験担当医師により,本試験を安全に完了できない疾患を有すると判断された患者 (15) アステラス製薬グループ又は本試験に関係する CRO に雇用されている患者 (16) 治験実施医療機関入院前 3 カ月以内に肝代謝酵素誘導作用を有する薬剤(バルビツール酸類,

リファンピシン等)を常用した患者 (17) 治験担当医師が本試験参加に支障があると判断した晩期の 2 型糖尿病の合併症を有する患者 (18) 1 型糖尿病の患者 (19) インスリン療法が必要である患者,スクリーニング前 3 カ月以内にインスリンを使用した患

者(スクリーニング前の急性症状に対する 7 日間未満の投与は可) (20) スクリーニング時の血清クレアチニンが基準値上限を超える患者 (21) スクリーニング時の尿中のミクロアルブミン/クレアチニン比が 300 mg/g 以上である患者 (22) スクリーニング時の ALT 若しくは AST が基準値上限の 3 倍を超える,又は総ビリルビンが

基準値上限の 2 倍を超える患者 (23) スクリーニング時に症候性の尿路感染症又は症候性の尿路性器感染症を有する患者 (24) 持続性でコントロール不良の重度の高血圧を有しており,平均収縮期血圧が 160 mmHg を超

える,又は平均拡張期血圧が 100 mmHg を超える患者(血圧は臥位にて 5 分間安静にした後

3 回測定した) (25) 重大な心血管系疾患を有する患者。例えば,スクリーニング前 3 カ月以内に心筋梗塞又は心

血管インターベンション(例;血管形成術,ステント留置)の既往を有する患者,心不全(NYHA Class III-IV)の既往を有する患者

(26) 不安定な内科的疾患又は精神疾患を有する患者 (27) 血液透析が必要である,又は腎移植の既往を有する患者 (28) 乳酸アシドーシスの既往を有する患者 (29) 身体所見,心電図及び臨床検査の結果,治験担当医師が臨床的に重要な異常があると判断し

た患者 (30) メトホルミン,チアゾリジン薬,DPP-4 阻害薬,SU 剤以外の血糖降下薬の使用,ループ利尿

薬の使用又は副腎皮質ステロイドの全身投与を行っている患者 (31) 治験実施医療機関入院前 2 週間以内に一般用医薬品(ビタミン剤,セイヨウオトギリソウ等

の生薬又はハーブ製剤を含む),経口避妊薬又はホルモン補充療法を使用した患者(3 g/日以

下のアセトアミノフェンの頓用を除く)

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Page 92: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

(32) 合併症の治療目的で使用している薬剤の用法・用量を治験薬投与前 30 日又はその薬剤の半減

期の 5 倍のいずれか長い方の期間内に変更した患者

治験薬,投与量及び投与方法: Part A 1.治験薬及びロット番号 (1) 被験薬 ASP1941 錠 50 mg:1 錠中に ASP1941 として 50 mg を含有するフィルムコート錠 ロット番号:BX1004248 (2) 対照薬 ASP1941 錠 50 mg プラセボ:1 錠中に ASP1941 を含有しないフィルムコート錠 ロット番号:BX1004250

2.投与量及び投与方法 割り当てられた順番で,各期に本剤 100 mg 又はプラセボを,水 240 mL とともに 1 日 1 回 6 日間

経口投与した。Day 1~5 には朝食後 5 分以内に,経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)実施日である

Day 6 には空腹時に投与した。 【設定根拠】

これまでの臨床試験で得られたデータに基づきモデリング及びシミュレーションした結果,

100 mg は本剤の尿中グルコース排泄に対する最大の作用の 86%(ED86)がみられる用量と予測

された。 Part B 1.治験薬及びロット番号 (1) 被験薬 ASP1941 錠 50 mg:1 錠中に ASP1941 として 50 mg を含有するフィルムコート錠 ロット番号:BX1004248 ASP1941 錠 12.5 mg:1 錠中に ASP1941 として 12.5 mg を含有するフィルムコート錠 ロット番号:BX1004249 2.投与量及び投与方法 割り当てられた順番で,各期に本剤 100 mg 又は 12.5 mg を,水 240 mL とともに 1 日 1 回 5 日間

経口投与した。 Day 1~5 に朝食後 5 分以内に投与した。 【設定根拠】

12.5 mg は,治療量以下の用量であると予測されるが,低用量及び高用量(100 mg)での本剤の

AUC,尿中グルコース排泄量及び血糖値の関係を適切に評価するため選択した。いずれの用量

も安全であり,忍容性は良好であると考えられた。投与期間は,定常状態が得られる 5 日間と

した。

評価期間: Part A 治験薬投与期間:各期 6 日間 Part B 治験薬投与期間:各期 5 日間

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Page 93: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

併用治療(薬剤及び療法): Part A 健康被験者

治験実施医療機関入院前 2 週間以内は,処方薬又は一般用医薬品(ビタミン剤,セイヨウオトギ

リソウ等の生薬又はハーブ製剤を含む),経口避妊薬又はホルモン補充療法の使用を禁止した(3 g/日以下のアセトアミノフェンの頓用を除く)。

2 型糖尿病患者 (1) 併用禁止薬 ・ 血糖降下薬,利尿薬及び副腎皮質ステロイドの全身投与を禁止した。 ・ 治験実施医療機関入院前 2 週間以内及び本試験期間中は,一般用医薬品(ビタミン剤,セイヨウオ

トギリソウ等の生薬又はハーブ製剤を含む),経口避妊薬又はホルモン補充療法の使用を禁止した。 (2) 条件付併用可能薬 ・ 治験薬初回投与前に 30 日間以上一定用量で使用している場合,合併症治療目的での薬剤の使

用は可としたが,本試験期間中にその用量を変更しないこととした。 ・ スクリーニング時から治験薬投与開始前の休薬時までメトホルミンの使用は可とした。また,

第 2 期退院後にその投与を再開できることとした。 ・ アセトアミノフェンの頓用(3 g/日以下) Part B (1) 併用禁止薬 ・ 血糖降下薬(メトホルミン,チアゾリジン薬,DPP-4 阻害薬及び SU 剤を除く),ループ利尿

薬及び副腎皮質ステロイドの全身投与を禁止した。 ・ 治験実施医療機関入院前 2 週間以内及び本試験期間中は,一般用医薬品(ビタミン剤,セイヨウオ

トギリソウ等の生薬又はハーブ製剤を含む),経口避妊薬又はホルモン補充療法の使用を禁止した。 (2) 条件付併用可能薬 ・ 治験薬初回投与前に 30 日間以上一定用量で使用している場合,合併症治療目的での薬剤の使

用は可としたが,本試験期間中にその用量を変更しないこととした。 ・ アセトアミノフェンの頓用(3 g/日以下)

評価項目,評価スケジュール及び評価基準:

1.評価スケジュール:

評価スケジュールを表 2.7.6.19-1 に示した。

2.薬物動態|薬力学:

(1) 薬物動態 評価スケジュール(表 2.7.6.19-1)に示した時期に採血を行い,本剤未変化体及び代謝物(M2)の血漿中濃度を測定した。各被験者の未変化体及び M2 の血漿中濃度から,以下の薬物動態パラ

メータを算出した。治験薬投与前の採血時刻を薬物動態パラメータ算出のための 0 時間とした。 Part A [血漿中未変化体] Day 6:投与間隔ごとの血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUCtau),最高血漿中濃度(Cmax),最高血

漿中濃度到達時間(tmax),経口クリアランス(CL/F),ピーク/トラフ比(PTR) Day 4,5,6 及び Day 7:トラフ濃度(Ctrough) [血漿中 M2] Day 6:AUCtau,Cmax,tmax,PTR Day 4,5,6 及び Day 7:Ctrough

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Page 94: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

Part B 主要評価項目: [血漿中未変化体及び M2] Day 5:AUCtau 副次評価項目: [血漿中未変化体] Day 5:Cmax,tmax,CL/F,PTR Day 3,4,5 及び Day 6:Ctrough [血漿中 M2] Day 5:Cmax,tmax,PTR Day 3,4,5 及び Day 6:Ctrough (2) 薬力学 Part A 評価スケジュール(表 2.7.6.19-1)に示した時期に採血,蓄尿,間接熱量測定及びダブルトレーサー

法を用いた OGTT を行った。 OGTT では,治験薬投与予定時刻の 2 時間前から治験薬投与(Day −1 では投与予定時刻)後 8 時間

まで 6,6 2H2-glucose を注入した。治験薬投与(Day −1 では投与予定時刻)から 2 時間後に 13C-glucose 75 g を含有するブドウ糖液 150 mL を 5 分間かけて飲用した。評価スケジュール(表 2.7.6.19-1)に

従ってブドウ糖液飲用後 6 時間まで採血を行い,6,6 2H2-glucose 及び 13C-glucose を測定した。 なお,Part A では,OGTT 開始時刻を薬力学パラメータ算出のための 0 時間とした。 主要評価項目: グルコースホメオスタシス関連項目 • Day −1 及び Day 6 の内因性グルコース産生量(EGP)の基礎値(空腹時の EGP):OGTT

開始前 1 時間の EGP(EGPbasal),OGTT 開始前 1 時間のグルコース血中消失率(Rd)(Rd basal),

尿中グルコース排泄量で調整した Rd basal(Rd basal (corrected)) • Day −1 及び Day 6 のグルコースホメオスタシス:OGTT 後の EGP(EGPOGTT),OGTT 後の

Rd(Rd OGTT),OGTT 後のグルコース血中出現率(Ra)(Ra OGTT),及び尿中グルコース排泄

量で調整した Rd OGTT(Rd OGTT (corrected)),Ra OGTTと EGPOGTTの和(Ra(total)):OGTT 後 1 時間

(AUC1h),2 時間(AUC2h),4 時間(AUC4h),6 時間(AUC6h) • OGTT 後 6 時間の EGPOGTTと EGPbasalの差(ΔEGP0-6h) • グルコースのバイオアベイラビリティ(グルコースの臓器での取込みのマーカー)=[総

Ra OGTT]/[OGTT で摂取した総グルコース量]× 100% • 血糖値(空腹時及び糖負荷後):Day −1 及び Day 6 の AUC−2h,AUC1h,AUC2h,AUC3h,

AUC4h,AUC6h,Cmax,tmax • インスリン:Day −1 及び Day 6 の AUC1h,AUC2h,AUC3h,AUC4h,Cmax,tmax

• グルカゴン:Day −1 及び Day 6 の AUC1h,AUC2h,AUC4h,Cmax,tmax

• グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)(活性型):Day −1 及び Day 6 の AUC1h,AUC2h,AUC4h,

Cmax,tmax • ペプチド YY 3-36(PYY 3-36):Day −1 及び Day 6 の AUC1h,AUC2h,AUC4h,Cmax,tmax

• グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP):Day −1 及び Day 6 の AUC1h,

AUC2h,AUC4h,Cmax,tmax 副次評価項目: • Day −7 及び Day 4 のエネルギー産生及びエネルギー消費:

468

Page 95: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

安静時代謝率(RMR),酸素消費量(VO2),二酸化炭素産生量(VCO2),呼吸交換比(RER),炭水化物酸化率(CHO),脂質酸化率(FAT)

• Day −1,1,2,3,4,5 及び Day 6 の尿中グルコース排泄量(UGE24h) • Day −1,1,2,3,4,5 及び Day 6 の各蓄尿時期の尿量 • 尿中グルコース排泄量:Ae0-2h,Ae2-6h,Ae0-6h • Day 5 のクレアチニン及び Na の治験薬投与後 24 時間の尿中排泄量(Ae24h) • Day 5 の血中 Na 及びクレアチニン • Day 5 のクレアチニンクリアランス(CLcr)(血中クレアチニン及び Ae24hから算出) • スクリーニング時,Day −2,−1 及び Day 5 の eGFR(MDRD 式により算出) • Day −2 及び Day 5 のシスタチン C

Part B 評価スケジュール(表 2.7.6.19-1)に示した時期に蓄尿及び採血を行った。尿中グルコース濃度及

び血糖値を測定し,以下の薬力学パラメータを算出した。 なお,Part B では,治験薬投与前の採血時刻を薬力学パラメータ算出のための 0 時間とした。 主要評価項目: • Day −1,1,2,3,4 及び Day 5 の UGE24h • 血糖値:Day −1 及び Day 5 の Caverage(Caverage=AUC24h/24 時間)

副次評価項目: • 血糖値:Day −1 及び Day 5 の AUC24h

3.安全性: • 有害事象 • 身体所見 • バイタルサイン(臥位脈拍数,臥位血圧) • 臨床検査(血液学的検査,血液生化学検査,尿検査) • 12 誘導心電図 • 体重 • 低血糖の徴候及び症状[発汗,空腹感,頻脈(動悸),顔面蒼白]

有害事象は,各被験者の同意取得時から第 2 期の後観察終了までに発現した事象を収集し,第 1期治験薬投与後から治験薬最終投与後 29 日までに発現した有害事象を評価対象とした。 有害事象と治験薬との関連性は以下の基準により判定し,「関連あるかもしれない」又は「多分(お

そらく)関連あり」のいずれかに該当したものを,「治験薬との関連性が否定できない有害事象(副

作用)」と定義した。 治験薬との関連性 関連性判定基準 否定できる 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的関係から関連性がありそうにないと思われる場

合や,他の薬剤や合併症・基礎疾患等により説明ができる場合 関連あるかもしれ

ない 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係があるが,要因として合併症・

基礎疾患や他の薬剤による説明もできる場合。投与中止に関する情報が不明確な場合 多分(おそらく)

関連あり 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係がある場合,合併症・基礎疾患

や他の薬剤では説明ができない,又はそれらによる可能性が考えにくい場合,再投与によ

り再発又は投与中止により消失又は軽快を示す場合 有害事象の程度は,以下に従って判定した。 ・軽度:日常の活動に支障がないもの

469

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2.7.6 個々の試験のまとめ

・中等度:日常の活動に支障があるもの ・重度:日常の活動が不可能になるもの

統計解析:

1.解析対象集団:

(1) 安全性解析対象集団(SAF) 治験薬を 1 回以上服用した被験者の集団を SAF とした。 (2) 薬物動態解析対象集団(PKAS) SAF に含まれる被験者のうち,評価可能な薬物濃度データが得られた被験者の集団を PKAS とし

た。 (3) 薬力学解析対象集団(PDAS) SAF に含まれる被験者のうち,評価可能な治験薬投与後の血糖値及びインスリンデータが得られ

た被験者の集団を PDAS とした。

2.被験者背景及びその他の基準値:

SAF,PKAS 及び PDAS を対象に,計数値項目では度数集計を行い,計量値項目では要約統計量

を算出した。

3.薬物動態|薬力学:

(1) 薬物動態 Part A PKAS を対象に,薬物動態パラメータの要約統計量を算出した。 Part B PKAS を対象に,薬物動態パラメータの要約統計量を算出した。 (2) 薬力学 Part A PDAS を対象に,薬力学パラメータの要約統計量を算出した。 また,以下の解析を行った。 [内因性グルコース産生量の基礎値]

・ 治験薬反復投与後の EGPbasalのベースライン(Day −1)からの変化を,ベースライン値(Day −1)で調整し,プラセボ投与時と本剤投与時で比較した。

・ 治験薬反復投与後の EGPbasalのベースラインからの変化について,本剤投与時とプラセボ投

与時の差をベースライン値で調整し,健康被験者と 2 型糖尿病患者間で比較した。 [OGTT 後の内因性グルコース産生量]

・ 治験薬反復投与後の EGPOGTTのベースライン(Day −1)からの変化を,ベースライン値(Day −1)で調整し,プラセボ投与時と本剤投与時で比較した。

・ 治験薬反復投与後の EGPOGTTのベースラインからの変化について,本剤投与時とプラセボ

投与時の差をベースライン値で調整し,健康被験者と 2 型糖尿病患者間で比較した。 [OGTT 後の薬力学パラメータ]

・ 治験薬反復投与後の経口糖負荷後の血糖値,Rd OGTT,Rd OGTT (corrected),Ra OGTT,インスリン,

グルカゴン,GLP-1(活性型),PYY 3-36 及び GIP の AUC のベースライン(Day −1)から

の変化をベースライン値(Day −1)で調整し,プラセボ投与時と本剤投与時で比較した。 ・ 治験薬反復投与後の経口糖負荷後の血糖値,Rd OGTT,Rd OGTT(corrected),Ra OGTT,インスリン,

グルカゴン,GLP-1(活性型),PYY 3-36 及び GIP の AUC のベースラインからの変化につ

470

Page 97: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

いて,本剤投与時とプラセボ投与時の差をベースライン値で調整し,健康被験者と 2 型糖

尿病患者間で比較した。 [尿中グルコース排泄量]

・ 治験薬反復投与後の尿中グルコース排泄量のベースライン(Day −1)からの変化を,プラ

セボ投与時と本剤投与時で比較した。 ・ 治験薬反復投与後の尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化について,本剤投与

時とプラセボ投与時の差を,健康被験者と 2 型糖尿病患者間で比較した。 [尿量]

・ 治験薬反復投与後の尿量のベースライン(Day −1)からの変化を,プラセボ投与時と本剤

投与時で比較した。 ・ 治験薬反復投与後の尿量のベースラインからの変化について,本剤投与時とプラセボ投与

時の差を,健康被験者と 2 型糖尿病患者間で比較した。 [尿中 Na 排泄量]

・ 治験薬反復投与後(Day 5)の尿中 Na 排泄量のベースライン(Day −1)からの変化を,プ

ラセボ投与時と本剤投与時で比較した。 ・ 治験薬反復投与後(Day 5)の尿中 Na 排泄量のベースラインからの変化について,本剤投

与時とプラセボ投与時の差を,健康被験者と 2 型糖尿病患者間で比較した。 [エネルギー産生]

・ 治験薬反復投与後の間接熱量測定結果から算出されたパラメータのベースライン(Day −7)からの変化をベースライン値(Day −7)で調整し,プラセボ投与時と本剤投与時で比較し

た。 ・ 治験薬反復投与後の治験薬反復投与後の間接熱量測定結果から算出されたパラメータの

ベースラインからの変化についてベースライン値で調整し,本剤投与時とプラセボ投与時

の差を健康被験者と 2 型糖尿病患者間で比較した。 正規分布又は対数正規分布した薬力学パラメータは,線形混合効果モデルを用いて解析した。対

数正規分布したパラメータは,対数変換した後,解析を行った(該当なし)。 ベースラインからの変化のプラセボ投与時と本剤投与時の比較では,治験薬反復投与後のベース

ラインからの差(実測値又は対数変換値)を従属変数,投与薬剤,投与期,投与順序及び被験者

群(健康被験者又は 2 型糖尿病患者)を固定効果,ベースライン値(実測値又は対数変換値)を

共変量,被験者を変量効果,投与薬剤と被験者群を交互作用とした線形混合効果モデルを用いて

解析を行った。 各モデルでは,最小二乗平均を投与条件別に算出し,正規分布したデータの場合,最小二乗平均

の差(本剤投与時 − プラセボ投与時)を P 値及び 95%信頼区間とともに示した。 ベースラインからの変化の本剤投与時とプラセボ投与時の差の健康被験者と 2 型糖尿病患者間で

の比較では,治験薬反復投与後の本剤投与時とプラセボ投与時の差 − ベースライン時の本剤投与

時とプラセボ投与時の差を従属変数,被験者群(健康被験者又は 2 型糖尿病患者)及び投与順序

を固定効果,ベースライン時の差を共変量とした線形混合効果モデルを用いて解析を行った。 本モデルでは,最小二乗平均を被験者群別に算出し,正規分布したデータの場合,最小二乗平均

の差(2 型糖尿病患者 − 健康被験者)を P 値及び 95%信頼区間とともに示した。 データが正規分布しない又は対数変換できない場合,ノンパラメトリック法である Wilcoxon の符

号付順位和検定により解析を行った。Hodges-Lehmann 推定値とその 95%信頼区間を差の中央値及

び P 値とともに示した。

471

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2.7.6 個々の試験のまとめ

Part B PDAS を対象に,薬力学パラメータの要約統計量を算出した。 4.安全性:

安全性の解析では,SAF を解析対象とした。 有害事象:有害事象及び副作用の発現率を投与条件別に算出した。 臨床検査値:評価時点ごとに実測値の要約統計量を算出した。 バイタルサイン:評価時点ごとに実測値の要約統計量を算出した。 12 誘導心電図:心電図所見の臨床的に重要な異常及び臨床的に重要でない異常の発現率を評価時

点ごとに算出した。

報告書の日付: 年 月 日

472

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-1 評価スケジュール Part A

スク

リー ニング

休薬 第 1 期及び第 2 期 後観

察 b

Day −41~ −22j

−21 (3 週間)

−2 −1 1 2 3 4 5 6 7

適格性確認 a X 同意取得 X 入院 X X X X X X X X 身体所見 X X X 薬物・アルコール検査 X X 妊娠検査(女性のみ) X X X 食事 Xk X X X X X 1 日水分摂取量 Xl X X X X X 1 日カロリー摂取量 X X X X X X バイオバンキング用検体 Xn 無作為化 c X 治験薬投与 X X X X X X(0 時間) 薬物動態評価用採血 投与前 投与前 投与前,0.5,1,1.5,2,3,

4,6,12,16,24 時間

標識したグルコース(6,6 2H2-glucose)の注入開始 −2 時間 d −2 時間 d 標識したグルコース(6,6 2H2-glucose)の注入終了 8 時間 8 時間 OGTT(13C6-glucose) 2 時間 2 時間 指穿刺による血糖値測定 m X X X X X X X X X X X 空腹時血糖値 X 投与前 投与前 投与前 投与前 投与前 薬力学評価用採血[ダブルトレーサー法を用いた

OGTT(ブドウ糖,6,6 2H2-glucose,13C6-glucose)] Xf Xf

薬力学評価用採血(インスリン,グルカゴン, GLP-1,PYY 3-36,GIP)

Xg Xg

血中 Na 及びクレアチニン −2 時間 10 分 投与前 投与前 投与前 投与前 投与前 −2 時間 10 分 eGFR(MDRD 式) X X X X 蓄尿[グルコース,尿量,Na(Day 5), クレアチニン(Day 5)]

Xe

シスタチン C Xh 投与前 間接熱量測定 X(Day

−7 のみ) 投与前

臨床検査 X X X X HbA1c 値 X X バイタルサイン(血圧,脈拍数,体重) X X OGTT 前 投与前 投与前 投与前 投与前 投与前 投与前 X X 12 誘導心電図 Xi X OGTT 前 投与前 投与前 投与前 投与前 投与前 投与前 X X 併用薬・有害事象調査 X X X X X X X X X X X X

473

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2.7.6 個々の試験のまとめ

OGTT:経口ブドウ糖負荷試験 治験薬投与前の採血時刻(Day −1 及び Day 7 は治験薬投与時刻と同じ時刻)を 0 時間とした。 a:適格性は,選択・除外基準,被験者背景,既往歴,喫煙習慣,飲酒習慣,薬歴,血清学的検査結果を確認し,判断した。 b:後観察は退院後 7~14 日とした。 c:第 1 期のみ d:治験薬投与予定時刻の 2 時間前に注入を開始した。 e:以下の蓄尿スケジュールに従って蓄尿を行った。 f:採血時期:−2 時間 10 分,−2 時間 5 分,0 時間[投与前(ブドウ糖のみ測定)],1 時間,1 時間 15 分,1 時間 30 分,1 時間 45 分,2 時間(OGTT 前),2 時間

10 分,2 時間 20 分,2 時間 30 分,2 時間 45 分,3 時間,3 時間 15 分,3 時間 30 分,4 時間,4 時間 30 分,5 時間,5 時間 30 分,6 時間,6 時間 30 分,7 時

間,8 時間 g:採血時期:1 時間 55 分(インスリンのみ測定),2 時間(OGTT 前),2 時間 30 分,3 時間,4 時間,5 時間(インスリンのみ測定),6 時間 h:Day 1~6 の治験薬投与予定時刻の前に実施した。 i:3 回実施した。 j:血糖降下薬を服薬していない 2 型糖尿病患者及び健康被験者では Day −41~−8 k:被験者ごとに用意した食事を OGTT 終了後に摂取した。OGTT での摂取カロリーは 1 日カロリー摂取量に含まれた。 l:0 時間に水 240 mL を摂取した。 m:2 型糖尿病患者のみ n:バイオバンキング用検体は,後観察又は中止時に採取した。

蓄尿スケジュール

Day −1 1 2 3 4 5 6 7 蓄尿時間(時間) 2 2 4 4 4 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 2 2 4 4 4 8 評価項目 Cr + Na 評価項目 UGE UGE UGE UGE UGE UGE UGE

UGE:尿中グルコース排泄量,Cr:クレアチニン

治療薬初回 投与前 24 時間

OGTT 治験薬投与

OGTT 治験薬投与 治験薬投与 治験薬投与 治験薬投与 治験薬投与

474

Page 101: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

Part B スクリー

ニング 第 1 期及び第 2 期 後観

察 b Day −21~−3 −2 −1 1 2 3 4 5 6

適格性確認 a X 同意取得 X 入院 X X X X X X X X 身体所見 X X X 薬物・アルコール検査 X X 妊娠検査(女性のみ) X X X 食事 X −15分 g,4,10,12時間 c X X X X −15分 g,4,10,12時間 c X 1 日水分摂取量 X X X X X X 1 日カロリー摂取量 X X X X X X バイオバンキング用検体 Xh 無作為化 d X 治験薬投与 X X X X X 薬物動態評価用採血 投与前 投与前 投与前,0.5,1,1.5,2,3,4,

6,12,16,24 時間

薬力学評価用採血(血糖値) Xf Xf eGFR(MDRD 式) X X X 尿中グルコース排泄量測定用蓄尿 0~4,4~8,8~12,12~16,16~24,24~32,32~40,40~48,48~56,56~64,64~72,72~80,80~

88,88~96,96~104,104~112,112~120,120~124,124~128,128~132,132~136,136~144 時間

HbA1c 値 X X X 臨床検査 X X 投与前 X X バイタルサイン(血圧,脈拍数,体重) X X X 投与前 投与前 投与前 投与前 投与前 X X 12 誘導心電図 Xe X X 投与前 投与前 投与前 投与前 投与前 X X 併用薬・有害事象調査 X X X X X X X X X X

治験薬投与前の採血時刻(Day −1 は治験薬投与時刻と同じ時刻)を 0 時間とした。 a:適格性は,選択・除外基準,被験者背景,既往歴,喫煙習慣,飲酒習慣,薬歴,血清学的検査結果を確認し,判断した。 b:後観察は退院後 7~14 日とした。 c:−15 分=朝食,4 時間=昼食,10 時間=夕食,12 時間=夜食 d:第 1 期のみ e:3 回実施した。 f:採血時期:投与前(朝食後),10 分,20 分,30 分,40 分,50 分,1 時間,1.5 時間,2 時間,3 時間,4 時間(昼食前),4 時間 10 分,4 時間 20 分,4 時間 30分,4 時間 40 分,4 時間 50 分,5 時間,6 時間,7 時間,8 時間,9 時間,10 時間(夕食前),10 時間 10 分,10 時間 20 分,10 時間 30 分,10 時間 40 分,10 時

間 50 分,11 時間,12 時間(夜食前),12 時間 10 分,12 時間 20 分,12 時間 30 分,12 時間 40 分,12 時間 50 分,13 時間,14 時間,15 時間,16 時間,23 時間,

24 時間(朝食及び投与前) g:投与前 0~5 分に朝食を終了することとした。 h:バイオバンキング用検体は,後観察又は中止時に採取した。

475

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.19.2 被験者の内訳及び解析対象集団

被験者の内訳を表 2.7.6.19-2 に示した。

Part A では 24 例(健康被験者 12 例,2 型糖尿病患者 12 例)が登録された。24 例全例が本剤 100 mg

及びプラセボを規定された順序で服用し,試験を完了した。24 例全例を SAF,PKAS,PDAS と

した。

Part B では 20 例(HbA1c 値 6.0%~6.9% 5 例,7.0%~7.9% 5 例,8.0%~8.9% 5 例,9.0%~9.9%

5 例)が登録された。20 例全例が本剤 100 mg 及び 12.5 mg を規定された順序で服用し,試験を完

了した。20 例全例を SAF,PKAS,PDAS とした。

表 2.7.6.19-2 被験者の内訳 Part A Part B

健康被験者 2型糖尿病患者 計 2 型糖尿病患者の HbA1c 値(%)

計 6.0~6.9 7.0~7.9 8.0~8.9 9.0~9.9 登録例 12 12 24 5 5 5 5 20 治験薬投与例 12 12 24 5 5 5 5 20 完了例 12 12 24 5 5 5 5 20 中止例 0 0 0 0 0 0 0 0

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Tables 12.1.1.1.A,12.1.1.1.B,12.1.1.2.A,12.1.1.2.B,12.1.1.3.A,12.1.1.3.B

2.7.6.19.3 人口統計学的及び他の基準値の特性

SAF の被験者背景を表 2.7.6.19-3 に示した。

Part A では,男女の割合は,健康被験者で男性 50.0%,女性 50.0%,2 型糖尿病患者で男性 58.3%,

女性 41.7%であった。平均年齢は,健康被験者で 46.1 歳,2 型糖尿病患者で 59.0 歳であった。

Part B では,男女の割合は,男性 70.0%,女性 30.0%であった。平均年齢は,56.6 歳であった。

476

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-3 被験者背景(SAF) Part A Part B

(N=20)

健康被験者 (N=12)

2 型糖尿病患者 (N=12)

性別 n(%) 男性 6(50.0) 7(58.3) 14(70.0) 女性 6(50.0) 5(41.7) 6(30.0)

人種 n(%) 白人 12(100.0) 12(100.0) 20(100.0)

民族 n(%) 非ヒスパニック系及びラテン系 12(100.0) 12(100.0) 20(100.0)

年齢(歳) 平均値 46.1 59.0 56.6 標準偏差 8.69 6.16 5.59 最小値 – 最大値 36 – 63 43 – 64 43 – 65 中央値 46.0 61.5 58.0

体重(kg) 平均値 73.78 84.53 88.08 標準偏差 13.472 10.340 13.339 最小値 – 最大値 56.3 – 101.0 70.7 – 102.5 61.5 – 109.0 中央値 71.40 85.75 88.10

身長(cm) 平均値 172.6 168.7 174.3 標準偏差 11.07 8.81 9.91 最小値 – 最大値 160 – 190 159 – 186 149 – 193 中央値 169.5 167.0 175.0

BMI(kg/m2) 平均値 24.55 29.75 29.03 標準偏差 1.669 3.374 3.900 最小値 – 最大値 21.8 – 28.0 24.4 – 34.8 20.5 – 34.8 中央値 24.55 29.55 29.15

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Tables 12.1.2.1.A,12.1.2.1.B

2.7.6.19.4 治験薬の曝露

Part A 及び Part B の治験薬の服薬状況をそれぞれ表 2.7.6.19-4 及び表 2.7.6.19-5 に示した。

Part A 24 例及び Part B 20 例の全例に治験実施計画書の規定に従って治験薬が投与された。

表 2.7.6.19-4 治験薬の服薬状況 Part A(SAF) 健康被験者 2 型糖尿病患者

プラセボ (N=12)

ASP1941 100 mg (N=12)

プラセボ (N=12)

ASP1941 100 mg (N=12)

投与期間(日) 平均値 6 6 6 6 標準偏差 0 0 0 0 最小値 – 最大値 6 – 6 6 – 6 6 – 6 6 – 6 中央値 6 6 6 6

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.2.1.1.A

477

Page 104: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-5 治験薬の服薬状況 Part B(SAF) ASP1941 12.5 mg

(N=20) ASP1941 100 mg

(N=20) 投与期間(日) 平均値 5 5 標準偏差 0 0 最小値 – 最大値 5 – 5 5 – 5 中央値 5 5

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.2.1.B

2.7.6.19.5 薬物動態|薬力学

2.7.6.19.5.1 薬物動態

(1) Part A 本剤 100 mg反復投与時の健康被験者及び 2型糖尿病患者における本剤の血漿中未変化体濃度の

平均値の推移を図 2.7.6.19-1 に示し,本剤の血漿中未変化体の薬物動態パラメータを表 2.7.6.19-6

に示した。

Day 6 における本剤の血漿中未変化体について,AUCtauの平均値は健康被験者と 2 型糖尿病患

者で同様であり,それぞれ 8067.461 ng∙h/mL 及び 8151.884 ng∙h/mL であった。Cmaxの平均値は健

康被験者と比較して2型糖尿病患者で高く,それぞれ1502.426 ng/mL及び1711.133 ng/mLであり,

tmaxの中央値は,それぞれ 1.500時間及び 1.000時間であった。CL/Fの平均値は,それぞれ 12.968 L/h

及び 12.810 L/h であった。PTR の平均値は健康被験者で 18.204,2 型糖尿病患者で 19.918 であっ

た。Day 4,5,6 及び Day 7 のトラフ値の平均値に明らかな変化はみられなかったが,健康被験者

と比較して 2 型糖尿病患者のトラフ値の平均値は,各日でわずかに高かった。

478

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2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.19-1 ASP1941 100 mg 反復投与時の血漿中未変化体濃度の平均値の推移 Day 6(PKAS)

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Figures 12.4.1.4.A

表 2.7.6.19-6 ASP1941 100 mg 反復投与時の血漿中未変化体の薬物動態パラメータ Day 6

(PKAS) 健康被験者

AUCtau (ng∙h/mL)

Cmax (ng/mL)

tmax (h)

CL/F (L/h)

PTR

Ctrough Day 4

(ng/mL)

Ctrough Day 5

(ng/mL)

Ctrough Day 6

(ng/mL)

Ctrough Day 7

(ng/mL) N 12 12 12 12 12 12 12 12 12 平均値 8067.461 1502.426 1.571 12.968 18.204 84.478 88.279 86.950 91.438 標準偏差 1781.073 276.5702 0.5875 2.8866 7.6543 25.9546 27.8101 23.7135 32.2631 変動係数(%) 22.1 18.4 − 22.3 42.0 30.7 31.5 27.3 35.3 中央値 7760.827 1527.780 1.500 12.901 16.397 84.420 82.645 84.335 84.755 最小値 5511.90 896.84 1.00 9.22 11.72 41.48 47.82 47.06 41.49 最大値 10851.09 2042.36 3.00 18.14 40.38 127.64 129 50 118.94 139.57 幾何平均値 7887.747 1476.880 − − − − − − −

2 型糖尿病患者

AUCtau (ng∙h/mL)

Cmax (ng/mL)

tmax (h)

CL/F (L/h)

PTR

Ctrough Day 4

(ng/mL)

Ctrough Day 5

(ng/mL)

Ctrough Day 6

(ng/mL)

Ctrough Day 7

(ng/mL) N 12 12 12 12 12 12 12 12 12 平均値 8151.884 1711.133 1.119 12.810 19.918 94.345 99.688 95.143 94.162 標準偏差 1832.601 456.3107 0.3631 2.8028 6.9361 34.6953 38.2174 41.9425 38.6332 変動係数(%) 22.5 26.7 − 21.9 34.8 36.8 38.3 44.1 41.0 中央値 7764.028 1835.655 1.000 12.892 18.868 96.065 95.535 92.075 88.695 最小値 5082.62 1117.14 0.50 7.91 12.36 36.45 40.97 30.64 34.26 最大値 12637.19 2392.02 1.93 19.67 32.61 173.49 181.07 174.22 193.59 幾何平均値 7975.759 1653.396 − − − − − − −

−:該当なし Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.4.1.2.A

被験者群 2型糖尿病患者 健康被験者

血漿中未変化体濃度(

ng/m

L)

時間(h)

479

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2.7.6 個々の試験のまとめ

本剤 100 mg 反復投与時の健康被験者及び 2 型糖尿病患者における血漿中 M2 濃度の平均値の推

移を図 2.7.6.19-2 に示し,血漿中 M2 の薬物動態パラメータを表 2.7.6.19-7 に示した。

Day 6 における血漿中 M2 について,AUCtauの平均値は健康被験者と比較して 2 型糖尿病患者で

高く,それぞれ 5427.269 ng∙h/mL 及び 7117.445 ng∙h/mL であった。同様に,Cmaxの平均値も健康

被験者と比較して 2 型糖尿病患者で高く,それぞれ 958.658 ng/mL 及び 1228.204 ng/mL であった。

tmaxの中央値は,それぞれ 1.942時間及び 1.933時間であった。PTRの平均値は,健康被験者で 18.357,

2 型糖尿病患者で 17.080 であった。Day 4,5,6 及び Day 7 のトラフ値の平均値に明らかな変化は

みられなかったが,健康被験者と比較して 2 型糖尿病患者のトラフ値の平均値は,各日で高かっ

た。

図 2.7.6.19-2 ASP1941 100 mg 反復投与時の血漿中 M2 濃度の平均値の推移 Day 6(PKAS)

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Figures 12.4.2.4.A

被験者群 健康被験者 2型糖尿病患者

血漿

中M

2濃度

(ng

/mL)

時間(h)

480

Page 107: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-7 ASP1941 100 mg反復投与時の血漿中M2の薬物動態パラメータDay 6(PKAS) 健康被験者

AUCtau (ng∙h/mL)

Cmax (ng/mL)

tmax (h)

PTR

Ctrough Day 4

(ng/mL)

Ctrough Day 5

(ng/mL)

Ctrough Day 6

(ng/mL)

Ctrough Day 7

(ng/mL) N 12 12 12 12 12 12 12 12 平均値 5427.269 958.658 2.054 18.357 52.285 52.293 55.576 59.938 標準偏差 1232.186 219.6752 0.7377 9.0477 16.1996 19.4820 17.0039 22.5558 変動係数(%) 22.7 22.9 − 49.3 31.0 37.3 30.6 37.6 中央値 5225.641 921.090 1.942 16.147 49.060 51.520 57.940 61.630 最小値 3254.09 622.75 1.50 8.88 30.23 20.08 27.83 26.62 最大値 7857.90 1348.40 4.00 43.45 75.12 88.33 79.82 96.13 幾何平均値 5296.727 936.264 − − − − − −

2 型糖尿病患者

AUCtau (ng∙h/mL)

Cmax (ng/mL)

tmax (h)

PTR

Ctrough Day 4

(ng/mL)

Ctrough Day 5

(ng/mL)

Ctrough Day 6

(ng/mL)

Ctrough Day 7

(ng/mL) N 12 12 12 12 12 12 12 12 平均値 7117.445 1228.204 1.706 17.080 79.708 85.593 76.824 77.001 標準偏差 2299.769 383.1437 0.3687 5.6186 38.7704 40.9788 41.3275 33.5751 変動係数(%) 32.3 31.2 − 32.9 48.6 47.9 53.8 43.6 中央値 6017.830 1127.825 1.933 14.907 68.875 69.210 68.510 66.515 最小値 4872.58 797.27 1.00 12.49 36.66 43.32 27.73 39.85 最大値 12477.20 2152.00 1.95 28.76 176.98 183.95 173.31 169.29 幾何平均値 6826.803 1180.746 − − − − − −

−:該当なし Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.4.2.2.A

(2) Part B 本剤 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の 2 型糖尿病患者における本剤の血漿中未変化体濃度の平

均値の推移をそれぞれ図 2.7.6.19-3 及び図 2.7.6.19-4 に示し,本剤の血漿中未変化体の薬物動態パ

ラメータを表 2.7.6.19-8 に示した。

Day 5 における本剤の血漿中未変化体について,AUCtauの平均値は本剤 12.5 mg 投与時と比較し

て 100 mg 投与時で高く,それぞれ 883.047 ng∙h/mL 及び 6904.304 ng∙h/mL であった。同様に,Cmax

の平均値も本剤 12.5 mg 投与時と比較して 100 mg 投与時で高く,それぞれ 191.574 ng/mL 及び

1263.139 ng/mL であった。tmaxの中央値及び CL/F の平均値は本剤 12.5 mg 投与時と 100 mg 投与時

で同様であり,tmaxの中央値はともに 2.000 時間,CL/F の平均値はそれぞれ 15.254 L/h 及び

15.209 L/h であった。PTR の平均値は,本剤 12.5 mg 投与時で 18.986,100 mg 投与時で 16.155 で

あった。トラフ値の平均値は,本剤 12.5 mg 投与時及び 100 mg 投与時ともに Day 3 から Day 4 で

わずかに上昇し,その後 Day 4~Day 6 は一定であった。トラフ値の平均値は本剤 12.5 mg 投与時

と比較して 100 mg 投与時で高かった。

481

Page 108: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.19-3 ASP1941 12.5 mg 反復投与時の血漿中未変化体濃度の平均値の推移 Day 5(PKAS)

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Figures 12.4.1.4.1.B

図 2.7.6.19-4 ASP1941 100 mg 反復投与時の血漿中未変化体濃度の平均値の推移 Day 5

(PKAS)

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Figure 12.4.1.4.2.B

血漿

中未変

化体濃

度(

ng/m

L)

時間(h)

血漿中未変化体濃度(

ng/m

L)

時間(h)

482

Page 109: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-8 ASP1941 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の血漿中未変化体の薬物動態パラ

メータ Day 5(PKAS) ASP1941 12.5 mg

AUCtau (ng∙h/mL)

Cmax (ng/mL)

tmax (h)

CL/F (L/h)

PTR

Ctrough Day 3

(ng/mL)

Ctrough Day 4

(ng/mL)

Ctrough Day 5

(ng/mL)

Ctrough Day 6

(ng/mL) N 20 20 20 20 20 20 20 20 20 平均値 883.047 191.574 2.047 15.254 18.986 9.393 10.344 10.748 10.559 標準偏差 271.7273 123.6134 0.8942 4.2063 10.4267 3.3184 3.3794 3.8843 3.4298 変動係数(%) 30.8 64.5 − 27.6 54.9 35.3 32.7 36.1 32.5 中央値 785.521 161.610 2.000 15.914 15.770 8.955 9.655 9.615 10.370 最小値 454.75 91.26 1.00 7.12 9.22 3.29 3.23 4.16 3.86 最大値 1754.99 679.24 3.97 27.49 55.63 16.66 16.75 19.47 16.36 幾何平均値 849.458 171.642 − − − − − − −

ASP1941 100 mg

AUCtau (ng∙h/mL)

Cmax (ng/mL)

tmax (h)

CL/F (L/h)

PTR

Ctrough Day 3

(ng/mL)

Ctrough Day 4

(ng/mL)

Ctrough Day 5

(ng/mL)

Ctrough Day 6

(ng/mL) N 20 20 20 20 20 20 20 20 20 平均値 6904.304 1263.139 2.098 15.209 16.155 84.047 91.994 93.466 90.860 標準偏差 1646.428 334.3571 0.8167 3.3471 7.8968 33.2414 32.5238 43.2291 39.6466 変動係数(%) 23.8 26.5 − 22.0 48.9 39.6 35.4 46.3 43.6 中央値 6661.061 1218.310 2.000 15.013 15.028 76.500 86.795 87.040 83.560 最小値 4335.45 794.71 1.00 9.28 5.53 36.02 40.32 36.64 40.97 最大値 10779.24 1953.91 3.97 23.07 35.80 175.81 190.43 239.24 216.42 幾何平均値 6733.080 1221.641 − − − − − − −

−:該当なし Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.4.1.2.B

本剤 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の 2 型糖尿病患者における血漿中 M2 濃度の平均値の推移

をそれぞれ図 2.7.6.19-5 及び図 2.7.6.19-6 に示し,血漿中 M2 の薬物動態パラメータを表 2.7.6.19-9

に示した。

Day 5 における血漿中 M2 について, AUCtauの平均値は本剤 12.5 mg 投与時と比較して 100 mg

投与時で高く,それぞれ 652.693 ng∙h/mL 及び 5086.589 ng∙h/mL であった。Cmaxの平均値も本剤

12.5 mg投与時と比較して100 mg投与時で高く,それぞれ126.973 ng/mL及び789.885 ng/mLであっ

たが,tmaxの中央値は 12.5 mg 投与時と 100 mg 投与時で同様であり,ともに 3.000 時間であった。

PTR の平均値は,本剤 12.5 mg 投与時で 15.424,100 mg 投与時で 12.913 であった。トラフ値の平

均値は,本剤 12.5 mg 投与時及び 100 mg 投与時ともに Day 3 から Day 6 でわずかに上昇した。ト

ラフ値の平均値は 12.5 mg 投与時と比較して 100 mg 投与時で高かった。

483

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2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.19-5 ASP1941 12.5 mg 反復投与時の血漿中 M2 濃度の平均値の推移 Day 5(PKAS)

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Figure 12.4.2.4.1.B

図 2.7.6.19-6 ASP1941 100 mg 反復投与時の血漿中 M2 濃度の平均値の推移 Day 5(PKAS)

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Figure 12.4.2.4.2.B

血漿中

M2濃度(

ng/m

L)

時間(h)

血漿

中M

2濃度

(ng

/mL)

時間(h)

484

Page 111: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-9 ASP1941 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の血漿中 M2 の薬物動態パラメータ

Day 5(PKAS) ASP1941 12.5 mg

AUCtau (ng∙h/mL)

Cmax (ng/mL)

tmax (h)

PTR

Ctrough Day 3

(ng/mL)

Ctrough Day 4

(ng/mL)

Ctrough Day 5

(ng/mL)

Ctrough Day 6

(ng/mL) N 20 20 20 20 20 20 20 20 平均値 652.693 126.973 2.913 15.424 6.659 6.944 7.124 7.891 標準偏差 354.7001 142.6187 0.9073 7.7231 2.6120 2.5938 2.6202 3.3259 変動係数(%) 54.3 112.3 − 50.1 39.2 37.4 36.8 42.2 中央値 571.939 94.400 3.000 13.999 5.550 6.240 6.325 7.180 最小値 383.68 67.79 1.50 7.52 3.17 3.09 3.30 3.41 最大値 2021.41 725.49 3.97 41.43 11.48 11.08 13.10 17.51 幾何平均値 599.681 103.195 − − − − − −

ASP1941 100 mg

AUCtau (ng∙h/mL)

Cmax (ng/mL)

tmax (h)

PTR

Ctrough Day 3

(ng/mL)

Ctrough Day 4

(ng/mL)

Ctrough Day 5

(ng/mL)

Ctrough Day 6

(ng/mL) N 20 20 20 20 20 20 20 20 平均値 5086.589 789.885 2.962 12.913 58.611 64.671 64.171 70.496 標準偏差 1850.000 314.5252 0.9786 5.5449 23.9120 28.2141 29.9313 37.4570 変動係数(%) 36.4 39.8 − 42.9 40.8 43.6 46.6 53.1 中央値 4732.100 703.500 3.000 11.818 51.590 57.505 54.680 56.870 最小値 3325.76 506.88 1.50 4.71 31.41 31.52 30.23 28.30 最大値 11451.08 1880.15 3.97 25.59 108.04 128.91 134.70 150.73 幾何平均値 4847.636 748.989 − − − − − −

−:該当なし Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.4.2.2.B

2.7.6.19.5.2 薬力学

2.7.6.19.5.2.1 Part A

(1) グルコースホメオスタシス関連項目

本剤 100 mg又はプラセボ反復投与時の健康被験者及び 2型糖尿病患者におけるグルコースホメ

オスタシス関連項目及び尿中グルコース排泄量の要約を表 2.7.6.19-10 に示した。

平均 EGPbasal及び平均 Rd basalについて,健康被験者及び 2 型糖尿病患者ともに,ベースライン

(Day −1)から Day 6 までの変化は,プラセボと比較して本剤 100 mg 反復投与時に上昇した。

EGPOGTTは,健康被験者及び 2 型糖尿病患者ともに,EGPbasalと比較して低下したが,プラセボ

と比較して本剤 100 mg 反復投与時での低下は少なかった。

0~6 時間の平均 Rd OGTT(corrected)について,健康被験者及び 2 型糖尿病患者ともに,ベースライ

ン(Day −1)から Day 6 までの変化は,プラセボと比較して本剤 100 mg 反復投与時で低下した。

485

Page 112: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-10 ASP1941 100 mg 又はプラセボ反復投与時のグルコースホメオスタシス関連項

目及び尿中グルコース排泄量の要約 Day −1及び Day 6(PDAS) 健康被験者(N=12) 2 型糖尿病患者(N=12)

n 平均値 標準偏差 n 平均値 標準偏差 Ra OGTT AUC6h (μmol/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 11a 6427.109 1216.343 12 5887.069 700.6158 Day 6 12 6276.899 997.1691 11a 5882.363 864.0986 変化量 11a −4.966 504.7091 11a −29.916 456.7820

プラセボ Day −1 12 6494.044 1017.029 12 5843.847 725.1058 Day 6 12 6533.847 960.3428 12 5898.796 652.0230 変化量 12 39.803 652.4594 12 54.949 448.1403

EGPOGTT AUC6h (μmol/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 11a 2085.238 570.9848 12 1210.148 272.1861 Day 6 12 2151.931 420.0772 12 1490.766 187.6572 変化量 11a 63.818 502.0456 12 280.618 281.1152

プラセボ Day −1 12 2013.615 596.2034 12 1247.416 365.5317 Day 6 12 1805.823 365.9411 12 1105.926 164.9460 変化量 12 −207.792 499.0990 12 −141.491 237.6684

Ra (total) AUC6h (μmol/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 11a 8512.347 1375.897 12 7097.217 772.1044 Day 6 12 8428.830 1052.870 11a 7386.312 871.7544 変化量 11a 58.853 837.4770 11a 235.183 486.5145

プラセボ Day −1 12 8507.659 1295.156 12 7091.263 884.1396 Day 6 12 8339.670 1130.483 12 7004.721 749.6777 変化量 12 −167.989 795.3462 12 −86.542 449.9986

Rd OGTT AUC6h (μmol/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 12 8265.869 1468.352 12 7107.838 771.4942 Day 6 12 8296.661 1152.463 12 7384.981 816.2420 変化量 12 30.792 916.7462 12 277.142 596.1158

プラセボ Day −1 11a 8204.596 1244.860 12 7050.609 1035.330 Day 6 12 8125.773 1019.402 12 6906.839 828.1916 変化量 11a −119.360 863.5281 12 −143.770 490.6035

平均 EGPbasal (μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 11a 11.915 1.4675 12 12.561 1.3735 Day 6 12 12.552 1.3619 12 13.470 1.1908 変化量 11a 0.677 1.5475 12 0.909 1.4035

プラセボ Day −1 12 11.217 0.9840 12 12.658 1.6271 Day 6 12 11.069 1.0341 12 12.461 1.6687 変化量 12 −0.148 0.6088 12 −0.198 1.4164

平均 Rd basal (μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 12 12.099 1.4918 12 12.894 1.3735 Day 6 12 12.885 1.3619 12 13.803 1.1908 変化量 12 0.786 1.5231 12 0.909 1.4036

プラセボ Day −1 11a 11.468 0.9884 12 12.991 1.6271 Day 6 12 11.402 1.0341 12 12.794 1.6687 変化量 11a −0.082 0.5923 12 −0.198 1.4164

−2~0 時間の 平均 Rd basal (corrected)

(μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 12 12.093 1.4928 12 12.862 1.3747 Day 6 12 11.004 1.1010 12 10.009 1.2461 変化量 12 −1.090 1.0244 12 −2.853 1.5297

プラセボ Day −1 12 11.546 0.9831 12 12.869 1.4545 Day 6 12 11.395 1.0369 12 12.670 1.5599 変化量 12 −0.150 0.6132 12 −0.199 1.4168

−2~0 時間の 平均 UGE (μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 12 0.006 0.0038 12 0.032 0.0736 Day 6 12 1.870 0.7844 12 3.716 1.2387 変化量 − − − − − −

プラセボ Day −1 12 0.005 0.0031 12 0.120 0.3606 Day 6 12 0.007 0.0061 12 0.119 0.3589 変化量 − − − − − −

486

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2.7.6 個々の試験のまとめ

健康被験者(N=12) 2 型糖尿病患者(N=12) n 平均値 標準偏差 n 平均値 標準偏差

0~6 時間の 平均 Ra OGTT (μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 11a 17.853 3.3787 12 16.353 1.9462 Day 6 12 17.436 2.7699 11a 16.340 2.4003 変化量 11a −0.014 1.4020 11a −0.083 1.2688

プラセボ Day −1 12 18.039 2.8251 12 16.233 2.0142 Day 6 12 18.150 2.6676 12 16.386 1.8112 変化量 12 0.111 1.8124 12 0.153 1.2448

0~6 時間の 平均 EGPOGTT (μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 11a 5.792 1.5861 12 3.362 0.7561 Day 6 12 5.978 1.1669 12 4.141 0.5213 変化量 11a 0.177 1.3946 12 0.779 0.7809

プラセボ Day −1 12 5.593 1.6561 12 3.465 1.0154 Day 6 12 5.016 1.0165 12 3.072 0.4582 変化量 12 −0.577 1.3864 12 −0.393 0.6602

ΔEGP0-6h (μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 11a −6.123 1.2584 12 −9.199 1.5638 Day 6 12 −6.574 1.2253 12 −9.329 1.1145 変化量 11a −0.500 1.1092 12 −0.130 1.3450

プラセボ Day −1 12 −5.624 1.4130 12 −9.193 1.3375 Day 6 12 −6.053 1.1327 12 −9.389 1.6179 変化量 12 −0.430 1.3978 12 −0.195 1.2675

0~6 時間の 平均 Ra (total)

(μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 11a 23.645 3.8219 12 19.714 2.1447 Day 6 12 23.413 2.9246 11a 20.518 2.4215 変化量 11a 0.163 2.3263 11a 0.653 1.3514

プラセボ Day −1 12 23.632 3.5977 12 19.698 2.4559 Day 6 12 23.166 3.1402 12 19.458 2.0824 変化量 12 −0.467 2.2093 12 −0.240 1.2500

0~6 時間の 平均 Rd OGTT (μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 12 22.961 4.0788 12 19.744 2.1430 Day 6 12 23.046 3.2013 12 20.514 2.2673 変化量 12 0.086 2.5465 12 0.770 1.6559

プラセボ Day −1 11a 22.791 3.4579 12 19.585 2.8759 Day 6 12 22.572 2.8317 12 19.186 2.3005 変化量 11a −0.332 2.3987 12 −0.399 1.3628

0~6 時間の平均 Rd

OGTT(corrected) (μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 12 22.935 4.0851 12 18.143 2.1405 Day 6 12 19.747 3.5039 12 14.469 2.9091 変化量 12 −3.189 2.5543 12 −3.674 1.6956

プラセボ Day −1 11 22.771 3.4663 12 17.915 2.6139 Day 6 12 22.535 2.8439 12 17.543 2.3006 変化量 11 −0.352 2.3920 12 −0.372 1.1542

0~6 時間の 平均 UGE (μmol/min/kg)

ASP1941 100 mg

Day −1 12 0.025 0.0618 12 1.601 1.1375 Day 6 12 3.299 0.9480 12 6.045 1.5923 変化量 − − − − − −

プラセボ Day −1 12 0.018 0.0347 12 1.670 1.5586 Day 6 12 0.037 0.0872 12 1.642 1.4768 変化量 − − − − − −

487

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2.7.6 個々の試験のまとめ

健康被験者(N=12) 2 型糖尿病患者(N=12) n 平均値 標準偏差 n 平均値 標準偏差

グルコースのバイオ

アベイラビリティ (%)

ASP1941 100 mg

Day −1 11 102.764 7.3062 12 105.833 6.4148 Day 6 12 100.350 5.8429 12 105.592 9.3590 変化量 11 −2.755 9.9081 12 −0.242 10.4553

プラセボ Day −1 12 105.167 6.0623 12 103.825 5.2295 Day 6 12 103.517 6.9489 12 105.792 4.9665 変化量 12 −1.650 9.2319 12 1.967 6.7395

−:該当なし 変化量 = ベースライン(Day −1)からの変化量[(Day 6)−(Day −1)] バイオアベイラビリティ =[総 Ra OGTT]/[OGTT で摂取した総グルコース量]× 100% a: 1 例が外れ値のため除外された。 Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Tables 12.5.1.2.A,12.5.1.6.A,12.5.1.10.A,12.5.2.2.A,12.5.2.6.A,12.5.2.11.A,

12.5.2.14.A,12.5.2.19.A,12.5.2.22.1.A,12.5.2.22.2.A,12.5.2.22.3.A,12.5.2.22.4.A,12.5.2.22.5.A,12.5.2.23.A,12.5.3.1.A,12.5.5.3.A

(2) 血糖値及びホルモン関連パラメータ

本剤 100 mg又はプラセボ反復投与時の健康被験者及び 2型糖尿病患者における血糖値及びホル

モン関連パラメータの要約を表 2.7.6.19-11 に示した。

OGTT 後血糖値の AUC について,健康被験者では,プラセボと比較して本剤 100 mg 反復投与

時の変化はみられなかったが,2 型糖尿病患者では Day 6 の血糖値の AUC の値は小さかった。こ

れにより,健康被験者と比較して 2 型糖尿病患者における本剤 100 mg 反復投与時の血糖降下作用

が大きいことが示唆された。

OGTT 後のグルカゴンの AUC について,健康被験者では,プラセボと比較して本剤 100 mg 反

復投与時の変化はみられなかった。本剤 100 mg 反復投与時の 2 型糖尿病患者では Day 6 のグルカ

ゴンの AUC の値はプラセボと比較して大きかった。

インスリン,GLP-1,PYY 3-36 及び GIP については,本剤による影響は認められなかった。

表 2.7.6.19-11 ASP1941 100 mg 又はプラセボ反復投与時の血糖値及びホルモン関連パラメー

タの要約 Day −1及び Day 6(PDAS) 健康被験者(N=12) 2 型糖尿病患者(N=12)

平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 血糖値 AUC6h (mmol∙h/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 34.658 2.7799 85.743 14.2583 Day 6 35.609 2.7893 66.615 9.8200 変化量 0.951 2.7858 −19.128 10.4942

プラセボ Day −1 33.963 2.6508 83.265 16.3285 Day 6 37.272 1.9950 87.091 18.1539 変化量 3.309 1.7074 3.826 6.2645

血糖値 AUC4h (mmol∙h/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 25.864 2.8487 65.948 9.5103 Day 6 26.672 2.3873 53.093 7.1067 変化量 0.809 2.2856 −12.855 7.3019

プラセボ Day −1 25.141 2.6876 63.782 10.4024 Day 6 28.266 2.3103 66.643 12.0900 変化量 3.125 1.6458 2.861 4.4414

488

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2.7.6 個々の試験のまとめ

血糖値 Cmax (mmol/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 9.631 1.6302 21.455 2.8944 Day 6 9.774 1.1335 18.147 2.1906 変化量 0.143 1.4820 −3.307 2.4796

プラセボ Day −1 9.034 0.9768 20.335 2.8005 Day 6 10.690 1.7167 21.103 3.5756 変化量 1.656 1.3920 0.768 1.9281

インスリン AUC4h (mU∙h/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 126.769 56.6162 127.979 66.9951 Day 6 117.738 39.7512 109.879 63.4342 変化量 −9.031 28.5714 −18.100 21.7353

プラセボ Day −1 129.147 62.5538 134.598 81.2950 Day 6 124.919 45.7213 121.383 72.3668 変化量 −4.228 46.7304 −13.215 28.3605

インスリン Cmax (mU/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 66.875 42.2109 48.775 24.6892 Day 6 60.658 25.5050 42.142 25.9362 変化量 −6.217 21.9510 −6.633 11.4250

プラセボ Day −1 72.600 35.8814 53.300 39.6044 Day 6 61.342 22.6948 42.000 23.7037 変化量 −11.258 27.3500 −11.300 27.4411

グルカゴン AUC4h (pmol∙h/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 205.102 31.5391 225.023 27.1675 Day 6 200.452 30.0126 237.400 39.1368 変化量 −4.650 12.0150 12.377 20.7262

プラセボ Day −1 202.682 26.3793 219.292 29.6830 Day 6 190.960 28.4125 212.800 29.9124 変化量 −11.722 11.9368 −6.491 15.0659

グルカゴン Cmax (pmol/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 62.175 18.3971 67.442 15.3506 Day 6 62.758 17.0584 73.442 18.5190 変化量 0.583 6.0806 6.000 7.4072

プラセボ Day −1 62.733 18.3957 62.908 10.7839 Day 6 57.133 12.0555 63.475 13.0902 変化量 −5.600 10.0287 0.567 6.2948

GLP-1 AUC4h (pmol∙h/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 28.479 11.4327 34.581 35.3792 Day 6 23.527 11.1704 31.094 32.3134 変化量 −4.952 9.8061 −3.488 11.2242

プラセボ Day −1 28.507 11.7935 37.300 39.0855 Day 6 24.521 12.1594 33.078 37.9447 変化量 −3.987 9.6216 −4.222 14.3698

489

Page 116: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

健康被験者(N=12) 2 型糖尿病患者(N=12) 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差

GLP-1 Cmax (pmol/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 13.717 10.6293 16.183 13.0130 Day 6 9.533 4.9950 14.358 11.3711 変化量 −4.183 9.8850 −1.825 9.0350

プラセボ Day −1 16.967 12.4939 15.583 12.8485 Day 6 9.725 6.6650 14.525 14.9032 変化量 −7.242 13.1245 −1.058 13.8529

PYY 3-36a AUC4h (ng∙h/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 185.254 80.1862 171.715 86.6434 Day 6 191.057 63.6872 193.099 62.6379 変化量 5.803 36.8272 21.384 55.2939

プラセボ Day −1 195.299 64.5505 185.499 81.3908 Day 6 181.492 65.4164 184.455 92.7086 変化量 −13.808 45.2499 −1.044 66.2406

PYY 3-36a Cmax (ng/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 53.221 23.8167 55.433 26.7707 Day 6 56.254 19.2981 65.367 12.2023 変化量 3.033 13.3186 9.933 24.4018

プラセボ Day −1 63.388 22.8619 62.467 26.0972 Day 6 56.171 21.8066 57.738 23.0385 変化量 −7.217 15.7032 −4.729 22.8861

GIPb AUC4h (ng∙h/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 530.246 164.6796 616.121 160.0223 Day 6 621.781 160.8757 672.869 178.5828 変化量 91.535 84.8803 56.748 129.9610

プラセボ Day −1 551.654 117.1374 599.615 146.5592 Day 6 576.048 123.1420 615.126 175.6780 変化量 24.393 82.6858 15.511 110.1004

GIPb Cmax (ng/L)

ASP1941 100 mg

Day −1 196.658 72.0317 245.833 58.4275 Day 6 240.758 63.2769 277.917 78.4513 変化量 44.100 41.3706 32.083 66.1185

プラセボ Day −1 215.867 53.3187 239.775 62.4716 Day 6 217.608 55.0746 254.975 64.1961 変化量 1.742 39.8802 15.200 75.0064

変化量 = ベースライン(Day −1)からの変化量[(Day 6)−(Day −1)] a:定量下限値未満(< 32.50 ng/L)の値は定量下限値/2(16.25 ng/L)として算出した。 b:定量下限値未満(< 10.00 ng/L)の値は定量下限値/2(5.00 ng/L)として算出した。 Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Tables 12.5.4.2.A,12.5.4.8.A,12.5.4.12.A,12.5.4.16.A,12.5.4.20.A,12.5.4.24.A

(3) 尿中グルコース排泄量

本剤 100 mg 又はプラセボ反復投与時の健康被験者及び 2 型糖尿病患者における 24 時間尿中グ

ルコース排泄量の要約を表2.7.6.19-12に示した。Day 6の24時間尿中グルコース排泄量について,

健康被験者及び 2 型糖尿病患者ともに,プラセボと比較して本剤 100 mg 投与反復時の増加がみら

れ,排泄量の増加量は健康被験者と比較して 2 型糖尿病患者で大きかった。

490

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-12 ASP1941 100 mg 又はプラセボ反復投与時の 24 時間尿中グルコース排泄量の

要約(PDAS) 健康被験者 2 型糖尿病患者

n 平均値(mmol) 標準偏差 n 平均値(mmol) 標準偏差 ASP1941 100 mg

Day −1 12 1.029 1.6063 10 70.775 87.0800 Day 1 12 262.025 72.2990 12 618.759 184.0004 変化量 12 260.996 72.0943 10 520.769 96.9719 Day 2 12 267.594 91.5376 12 711.152 184.1724 変化量 12 266.566 91.6268 10 599.831 101.4508 Day 3 12 265.990 86.8240 12 675.510 182.7445 変化量 12 264.961 86.7017 10 575.105 98.0030 Day 4 12 254.300 96.0261 12 665.755 214.9493 変化量 12 253.272 96.0518 10 540.503 118.0048 Day 5 12 258.110 90.3337 12 637.667 151.8265 変化量 12 257.082 90.1737 10 536.952 93.9649 Day 6 12 251.152 103.4660 12 518.118 129.9966 変化量 12 250.124 103.1367 10 433.971 97.7839

プラセボ Day −1 12 0.808 0.8758 11 98.096 181.7362 Day 1 12 0.579 0.4835 12 117.119 207.5052 変化量 12 −0.230 0.8798 11 14.580 43.8921 Day 2 12 0.478 0.2025 12 133.733 186.3634 変化量 12 −0.330 0.8676 11 30.224 56.0181 Day 3 12 0.502 0.2418 11 142.767 193.8812 変化量 12 −0.306 0.8792 11 44.672 60.2231 Day 4 12 0.478 0.1464 12 155.790 190.5340 変化量 12 −0.330 0.8412 11 45.112 79.9571 Day 5 12 0.526 0.2261 12 144.695 183.4398 変化量 12 −0.283 0.7867 11 38.897 59.9087 Day 6 12 1.854 3.8723 12 96.422 104.4480 変化量 12 1.046 3.0152 11 −2.168 93.4595

尿中グルコース排泄量(mmol)= 尿量(L)× 尿中グルコース濃度(mmol/L) 尿量(L)= 尿重量(kg)/比重 定量下限値未満のグルコース値は定量下限値/2 として算出した。 変化量 = ベースライン(Day −1)からの変化量[(各測定日)−(Day −1)] 2 型糖尿病患者 3 例の検体は紛失のため欠測値とされた。 Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.5.5.1.1.A

(4) 24 時間尿量

本剤 100 mg 又はプラセボ反復投与時の健康被験者及び 2 型糖尿病患者における 24 時間尿量を

表 2.7.6.19-13 に示した。

Day 6 の 24 時間尿量について,健康被験者及び 2 型糖尿病患者ともに,プラセボと比較して本

剤 100 mg 反復投与時に変化はみられなかった。

491

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-13 ASP1941 100 mg 又はプラセボ反復投与時の 24 時間尿量 Day −1及び Day 6(PDAS)

健康被験者 2 型糖尿病患者 n 平均値(L) 標準偏差 n 平均値(L) 標準偏差

ASP1941 100 mg

Day −1 12 2.599 0.7210 10 2.598 0.4715 Day 6 12 2.869 0.6865 12 2.820 0.9305 変化量 12 0.270 0.4398 10 0.220 0.6868

プラセボ Day −1 12 2.847 0.7242 11 2.704 0.5591 Day 6 12 2.767 1.0172 12 2.488 0.5682 変化量 12 -0.080 1.0902 11 −0.162 0.5325

尿量(L)= 尿重量(kg)/比重 変化量 = ベースライン(Day −1)からの変化量[(Day 6)−(Day −1)] Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.5.6.1.A

(5) 尿中グルコース,Na 及びクレアチニンの排泄量,血清 Na 及びクレアチニン濃度並びに腎

機能パラメータ

本剤 100 mg又はプラセボ反復投与時の健康被験者及び 2型糖尿病患者における尿中グルコース,

Na 及びクレアチニンの排泄量,血清 Na 及びクレアチニン濃度並びに腎機能パラメータの要約を

表 2.7.6.19-14 に示した。

Day 6 の OGTT 後 0~2 時間,2~6 時間,0~6 時間の尿中グルコース排泄量は,健康被験者及

び 2 型糖尿病患者ともに,プラセボと比較して本剤 100 mg 反復投与時の増加がみられた。

Day 5 の尿中 Na 排泄量は,健康被験者及び 2 型糖尿病患者ともに本剤 100 mg 反復投与時とプ

ラセボ反復投与時の差はみられなかった。

Day 5 の尿中クレアチニン排泄量は,健康被験者においてプラセボ反復投与時で 12.175 mmol,

本剤 100 mg 反復投与時で 12.900 mmol であった。また,2 型糖尿病患者においてプラセボとの明

確な差はみられなかった。

Day 5の血清Na濃度は,健康被験者においてプラセボ反復投与時で 141.667 mmol/L,本剤 100 mg

反復投与時で 139.727 mmol/L であった。また,2 型糖尿病患者においてプラセボとの明確な差は

みられなかった。健康被験者の血清 Na の低下に関して,血清 Na 濃度は平均値及び中央値ともに

正常範囲内であり,臨床的に重要な結果とは判断されなかった。

Day 5 の血清クレアチニン濃度は,健康被験者においてプラセボ反復投与時で 75.225 μmol/L,

本剤 100 mg 反復投与時で 80.583 μmol/L であった。また,2 型糖尿病患者においては,それぞれ

75.067 μmol/L 及び 78.533 μmol/L であった。血清クレアチニン濃度は,平均値及び中央値ともに

正常値範囲内であり,臨床的に重要な結果とは判断されなかった。

腎機能パラメータ(血清中の CLCr,eGFR 及びシスタチン C)から,本剤 100 mg 投与は健康被

験者及び 2 型糖尿病患者の腎機能に大きな影響は及ぼさないことが示唆された。

492

Page 119: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-14 ASP1941 100 mg 又はプラセボ反復投与時の尿中グルコース,Na 及びクレア

チニンの排泄量,血清 Na 及びクレアチニン濃度並びに腎機能パラメータの要

約(PDAS) 健康被験者(N=12) 2 型糖尿病患者(N=12)

平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 Ae0-2h(Glu) (mmol)

ASP1941 100 mg Day −1 0.543 1.5294 18.037 12.0728 Day 6 43.573 14.0553 69.254 16.5536 変化量 43.030 13.3329 51.217 19.5281

プラセボ Day −1 0.307 0.7100 16.624 11.9235 Day 6 0.523 1.3700 15.077 10.8993 変化量 0.216 0.6637 −1.546 6.0541

Ae2-6h(Glu) (mmol)

ASP1941 100 mg Day −1 0.111 0.0764 29.307 20.6154 Day 6 44.195 17.2036 113.549 39.0879 変化量 44.084 17.1763 84.242 27.1166

プラセボ Day −1 0.164 0.1797 31.707 30.2561 Day 6 0.411 0.8667 32.848 28.5282 変化量 0.247 0.6938 1.142 7.7996

Ae0-6h(Glu) (mmol)

ASP1941 100 mg Day −1 0.654 1.5884 47.344 30.1094 Day 6 87.768 28.4023 182.803 45.2937 変化量 87.114 27.7968 135.459 34.2149

プラセボ Day −1 0.471 0.8867 48.331 39.6726 Day 6 0.934 2.2348 47.926 37.4306 変化量 0.463 1.3547 −0.405 9.6909

Ae0-24h(Na) (mmol)

ASP1941 100 mg Day 5 192.502 29.1083 184.543 35.7975 プラセボ Day 5 186.830 25.0458 170.725 40.6460

Ae0-24h(Cr) (mmol)

ASP1941 100 mg Day 5 12.900 4.0103 11.415 3.1416 プラセボ Day 5 12.175 3.8234 11.320 3.1168

血清 Na (mmol/L)

ASP1941 100 mg Day 5 139.727 2.6867 139.917 0.9962 プラセボ Day 5 141.667 1.7753 139.000 1.7581

血清クレアチニン (μmol/L)

ASP1941 100 mg Day 5 80.583 16.8341 78.533 16.0223 プラセボ Day 5 75.225 15.5684 75.067 13.2160

CLCr (L/h)

ASP1941 100 mg Day 5 6.596 1.2268 6.084 1.4006 プラセボ Day 5 6.714 1.5491 6.296 1.5837

eGFR (mL/min/1.73 m²)

ASP1941 100 mg Day 5 84.858 12.0671 85.267 13.3634 プラセボ Day 5 91.600 11.0498 88.992 11.7478

シスタチン C (mg/L)

ASP1941 100 mg Day 5 0.780 0.0870 0.889 0.1371 プラセボ Day 5 0.778 0.0779 0.817 0.1136

変化量(尿中グルコース排泄量のみ)= ベースライン(Day −1)からの変化量[(Day 6)−(Day −1)] Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.5.8.1.A,12.5.9.1.A,12.5.10.1.A,12.5.11.1.A,12.5.12.1.A,12.5.13.1.A,

12.5.14.1.A,12.5.15.1.A

(6) エネルギー産生及びエネルギー消費

本剤 100 mg又はプラセボ反復投与時の健康被験者及び 2型糖尿病患者におけるエネルギー産生

及びエネルギー消費に関するパラメータの要約を表 2.7.6.19-15 に示した。

エネルギー産生及びエネルギー消費に関するパラメータについて,健康被験者及び 2 型糖尿病

患者ともに,ベースラインからの変化に明確な差はみられず,エネルギー産生及びエネルギー消

費に本剤の影響は認められなかった。

493

Page 120: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-15 ASP1941 100 mg 又はプラセボ反復投与時のエネルギー産生及びエネルギー消

費に関するパラメータの要約(PDAS) 健康被験者(N=12) 2 型糖尿病患者(N=12)

平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 RMR (kcal/day)

− Day −7 1601.250 281.4108 1715.417 247.1093 ASP1941 100 mg

Day 4 1555.583 422.2168 1630.750 251.8940 変化量 −45.667 185.5245 −84.667 145.7615

プラセボ Day 4 1582.000 311.3087 1679.333 256.7876 変化量 −19.250 180.1248 −36.083 127.0200

VO2 (mL/min)

− Day −7 232.167 39.9996 251.750 36.4146 ASP1941 100 mg

Day 4 224.083 59.9825 239.000 37.5621 変化量 −8.083 27.6256 −12.750 21.4778

プラセボ Day 4 229.083 45.9079 244.000 36.9939 変化量 −3.083 26.7903 −7.750 17.8638

VCO2 (mL/min)

− Day −7 188.083 37.6647 192.000 28.5593 ASP1941 100 mg

Day 4 187.083 54.9437 184.167 28.0967 変化量 −1.000 21.9379 −7.833 19.1066

プラセボ Day 4 186.833 35.2906 195.500 31.6213 変化量 −1.250 22.2593 3.500 19.6260

RER − Day −7 0.804 0.0635 0.758 0.0416 ASP1941 100 mg

Day 4 0.823 0.0509 0.768 0.0447 変化量 0.019 0.0474 0.010 0.0441

プラセボ Day 4 0.811 0.0432 0.797 0.0370 変化量 0.007 0.0548 0.039 0.0472

CHO (g/min)

− Day −7 0.096 0.0613 0.057 0.0378 ASP1941 100 mg

Day 4 0.114 0.0656 0.062 0.0431 変化量 0.018 0.0421 0.005 0.0432

プラセボ Day 4 0.101 0.0381 0.094 0.0407 変化量 0.004 0.0518 0.037 0.0482

FAT (g/min)

− Day −7 0.075 0.0243 0.101 0.0229 ASP1941 100 mg

Day 4 0.064 0.0232 0.093 0.0265 変化量 −0.011 0.0226 −0.009 0.0208

プラセボ Day 4 0.072 0.0257 0.082 0.0197 変化量 −0.003 0.0261 −0.019 0.0192

−:該当なし 変化量 = ベースライン(Day −7)からの変化量[(Day 4)−(Day −7)] Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.5.7.1.A

2.7.6.19.5.2.2 Part B

(1) 24 時間尿中グルコース排泄量

本剤 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の 2 型糖尿病患者における治験薬投与後 24 時間の尿中グ

ルコース排泄量の要約を表 2.7.6.19-16 に示した。

治験薬投与後 24 時間の平均尿中グルコース排泄量は,治験薬初回投与後から増加し,その増加

量は反復投与した 5 日間維持された。グルコース排泄量には用量依存性がみられた。

494

Page 121: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-16 ASP1941 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の治験薬投与後 24 時間の尿中グル

コース排泄量(mmol)の要約(PDAS)

ASP1941 12.5 mg ASP1941 100 mg

n 平均値 標準偏差 n 平均値 標準偏差 Day −1 19 25.344 34.6627 20 40.335 50.0674 Day 1 20 245.862 123.9182 19 514.217 226.7345 変化量 19 206.808 94.6341 19 473.035 192.4505 Day 2 20 266.050 123.2882 20 572.650 226.3732 変化量 19 229.193 94.3377 20 532.316 193.1155 Day 3 20 283.810 138.5913 20 577.219 232.9780 変化量 19 249.127 113.8627 20 536.884 199.4494 Day 4 20 268.200 132.6189 20 580.955 246.1725 変化量 19 232.787 108.8201 20 540.620 220.7079 Day 5 19 250.021 124.2887 20 526.802 220.6452 変化量 18 213.689 98.4742 20 486.468 193.6146

尿中グルコース排泄量(mmol)= 尿量(L)× 尿中グルコース濃度(mmol/L) 尿量(L)= 尿重量(kg)/比重 変化量 = ベースライン(Day −1)からの変化量[(各測定日)−(Day −1)] Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.5.1.1.B

(2) 血糖値

本剤 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の 2 型糖尿病患者における血糖値の Caverage 及び AUC24hを

表 2.7.6.19-17 に示した。

2 型糖尿病患者において,本剤 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の Caverage 及び AUC24hから,血

糖降下作用が示唆された。血糖降下作用は,本剤 12.5 mg と比較して 100 mg で顕著であった。

表 2.7.6.19-17 ASP1941 12.5 mg 又は 100 mg 反復投与時の血糖値の要約(PDAS)

ASP1941 12.5 mg ASP1941 100 mg

n 平均値 標準偏差 n 平均値 標準偏差

Caverage (mmol/L)

Day −1 20 9.729 1.8452 20 9.928 2.1143 Day 5 20 9.097 1.6528 20 8.176 1.2255 変化量 20 −0.632 0.9995 20 −1.751 1.2417

AUC24h (mmol∙h/L)

Day −1 20 233.486 44.2843 20 238.268 50.7434 Day 5 20 218.320 39.6675 20 196.232 29.4117 変化量 20 −15.166 23.9869 20 −42.036 29.8012

変化量 = ベースライン(Day −1)からの変化量[(Day 5)−(Day −1)] Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.5.2.1.B,12.5.2.2.B

2.7.6.19.6 安全性

2.7.6.19.6.1 有害事象

(1) Part A 本試験の Part A で認められた有害事象の要約を表 2.7.6.19-18 に示した。

Part A では,健康被験者のプラセボ投与時 12 例中 12 例(100%),本剤 100 mg 投与時 12 例中

11 例(91.7%),2 型糖尿病患者のプラセボ投与時 12 例中 4 例(33.3%),本剤 100 mg 投与時 12

例中 3 例(25.0%)に有害事象が認められた。治験薬との関連性が否定できない有害事象(副作用)

495

Page 122: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

は,健康被験者のプラセボ投与時 10 例(83.3%),本剤 100 mg 投与時 9 例(75.0%),2 型糖尿病

患者のプラセボ投与時 2 例(16.7%),本剤 100 mg 投与時 1 例(8.3%)に認められた。治験薬投

与中止に至った有害事象,死亡,その他の重篤な有害事象は認められなかった。

表 2.7.6.19-18 有害事象の要約 Part A(SAF) 健康被験者 2 型糖尿病患者

プラセボ ASP1941 100 mg プラセボ ASP1941

100 mg (N=12) (N=12) (N=12) (N=12) 有害事象発現例数(発現率) 12(100%) 11(91.7%) 4(33.3%) 3(25.0%) 有害事象発現件数 26 22 5 3 副作用発現例数(発現率) 10(83.3%) 9(75.0%) 2(16.7%) 1(8.3%) 副作用発現件数 16 13 3 1 重篤な有害事象発現例数(発現率) 0 0 0 0 重篤な副作用発現例数(発現率) 0 0 0 0 中止に至った有害事象発現例数(発現率) 0 0 0 0 中止に至った副作用発現例数(発現率) 0 0 0 0

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.6.1.1.A,12.6.1.9.A

Part A で認められた有害事象の内訳を表 2.7.6.19-19 に示し,副作用の内訳を表 2.7.6.19-20 に示

した。

有害事象の多くは健康被験者に発現した。投与群間で比較した際,プラセボと本剤 100 mg 投与

時での発現率は同程度であった。

有害事象のほとんどが軽度であり,中等度と判定された有害事象は 4 件のみであった。いずれ

もプラセボ投与時の 2 型糖尿病患者に発現し,背部痛及び筋肉痛が 1 例,背部痛が 1 例,消化不

良が 1 例であった。重度と判定された有害事象はなかった。

すべての有害事象のうち 33 件が副作用と判定され,内訳は,健康被験者で 29 件(プラセボ投

与時 16 件,本剤 100 mg 投与時 13 件),2 型糖尿病患者で 4 件(プラセボ投与時 3 件,本剤 100 mg

投与時 1 件)であった。

低血糖関連の有害事象は健康被験者にのみ認められ,本剤 100 mg 投与時に発現した低血糖症 1

件を除き,無自覚性低血糖であり,プラセボ投与時と本剤 100 mg 投与時での発現件数は同程度で

あった。本剤 100 mg 投与時に発現した軽度の低血糖症は,Day 6 の治験薬投与後 6 時間(OGTT

のグルコース注入から 4 時間後)に発現し 2.43 時間持続した。本事象は無治療にて回復した。

496

Page 123: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-19 有害事象の内訳 Part A(SAF) MedDRA Version 12.1 器官別大分類

基本語

健康被験者 2 型糖尿病患者 プラセボ

(N=12) ASP1941 100 mg

(N=12) プラセボ

(N=12) ASP1941 100 mg

(N=12)

発現例数 (発現率)

発現

件数 発現例数

(発現率) 発現

件数 発現例数 (発現率)

発現

件数 発現例数

(発現率) 発現

件数 すべての有害事象 12(100.0%) 26 11(91.7%) 22 4(33.3%) 5 3(25.0%) 3 代謝および栄養障害 11(91.7%) 17 9(75.0%) 16 0 0 0 0

無自覚性低血糖 11(91.7%) 17 9(75.0%) 15 0 0 0 0 低血糖症 0 0 1(8.3%) 1 0 0 0 0

神経系障害 3(25.0%) 3 3(25.0%) 3 1(8.3%) 1 0 0 頭痛 3(25.0%) 3 3(25.0%) 3 1(8.3%) 1 0 0

筋骨格系および結合組織障害 2(16.7%) 2 1(8.3%) 1 2(16.7%) 3 1(8.3%) 1 背部痛 1(8.3%) 1 1(8.3%) 1 2(16.7%) 2 1(8.3%) 1 筋肉痛 1(8.3%) 1 0 0 1(8.3%) 1 0 0

感染症および寄生虫症 0 0 0 0 0 0 1(8.3%) 1 鼻咽頭炎 0 0 0 0 0 0 1(8.3%) 1

傷害、中毒および処置合併症 0 0 1(8.3%) 1 0 0 0 0 挫傷 0 0 1(8.3%) 1 0 0 0 0

皮膚および皮下組織障害 0 0 0 0 0 0 1(8.3%) 1 発疹 0 0 0 0 0 0 1(8.3%) 1

血管障害 1(8.3%) 1 1(8.3%) 1 0 0 0 0 起立性低血圧 0 0 1(8.3%) 1 0 0 0 0 ほてり 1(8.3%) 1 0 0 0 0 0 0

胃腸障害 3(25.0%) 3 0 0 1(8.3%) 1 0 0 上腹部痛 1(8.3%) 1 0 0 0 0 0 0 下痢 1(8.3%) 1 0 0 0 0 0 0 消化不良 0 0 0 0 1(8.3%) 1 0 0 鼓腸 1(8.3%) 1 0 0 0 0 0 0

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.6.1.2.1.A

497

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.19-20 副作用の内訳 Part A(SAF) MedDRA Version 12.1 器官別大分類

基本語

健康被験者 2 型糖尿病患者 プラセボ

(N=12) ASP1941 100 mg

(N=12) プラセボ

(N=12) ASP1941 100 mg

(N=12)

発現例数 (発現率)

発現

件数 発現例数

(発現率) 発現

件数 発現例数 (発現率)

発現

件数 発現例数

(発現率) 発現

件数 すべての有害事象 10(83.3%) 16 9(75.0%) 13 2(16.7%) 3 1(8.3%) 1 代謝および栄養障害 8(66.7%) 9 9(75.0%) 12 0 0 0 0

無自覚性低血糖 8(66.7%) 9 9(75.0%) 11 0 0 0 0 低血糖症 0 0 1(8.3%) 1 0 0 0 0

神経系障害 2(16.7%) 2 1(8.3%) 1 0 0 0 0 頭痛 2(16.7%) 2 1(8.3%) 1 0 0 0 0

筋骨格系および結合組織障害 2(16.7%) 2 0 0 1(8.3%) 2 0 0 背部痛 1(8.3%) 1 0 0 1(8.3%) 1 0 0 筋肉痛 1(8.3%) 1 0 0 1(8.3%) 1 0 0

皮膚および皮下組織障害 0 0 0 0 0 0 1(8.3%) 1 発疹 0 0 0 0 0 0 1(8.3%) 1

血管障害 1(8.3%) 1 0 0 0 0 0 0 ほてり 1(8.3%) 1 0 0 0 0 0 0

胃腸障害 2(16.7%) 2 0 0 1(8.3%) 1 0 0 下痢 1(8.3%) 1 0 0 0 0 0 0 消化不良 0 0 0 0 1(8.3%) 1 0 0 鼓腸 1(8.3%) 1 0 0 0 0 0 0

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.6.1.3.A

(2) Part B 本試験の Part B で認められた有害事象の要約を表 2.7.6.19-21 に示した。

Part B では,本剤 12.5 mg 投与時 20 例中 3 例(15%),100 mg 投与時 20 例中 6 例(30%)に有

害事象が認められた。治験薬との関連性が否定できない有害事象(副作用)は,本剤 12.5 mg 投

与時 2 例(10%),100 mg 投与時 3 例(15%)に認められた。治験薬投与中止に至った有害事象,

死亡,その他の重篤な有害事象は認められなかった。

表 2.7.6.19-21 有害事象の要約 Part B(SAF)

ASP1941 12.5 mg (N=20)

ASP1941 100 mg (N=20)

有害事象発現例数(発現率) 3(15%) 6(30%) 有害事象発現件数 4 9 副作用発現例数(発現率) 2(10%) 3(15%) 副作用発現件数 3 3 重篤な有害事象発現例数(発現率) 0 0 重篤な副作用発現例数(発現率) 0 0 中止に至った有害事象発現例数(発現率) 0 0 中止に至った副作用発現例数(発現率) 0 0

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.6.1.1.B,12.6.1.9.B

Part B で認められた有害事象の内訳を表 2.7.6.19-22 に示し,副作用の内訳を表 2.7.6.19-23 に示

した。

498

Page 125: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

有害事象のうち,胃腸障害(器官別大分類)を除き,いずれの有害事象も本剤 100 mg 投与時に

おいてのみ認められた。本剤 12.5 mg 投与時と比較して 100 mg 投与時の発現件数は 2 倍以上

(12.5 mg 投与時 4 件,100 mg 投与時 9 件)であったが,副作用の発現件数はいずれの投与時も 3

件であり,有害事象の発現率の用量依存性は認められなかった。

有害事象のほとんどは軽度であり,中等度と判定された有害事象は 1 件(尿路感染,本剤 100 mg

投与時)のみであった。重度の有害事象は認められなかった。

軽度の低血糖症が 1件,Day 4の本剤 100 mg投与から約 7時間後に発現し 0.56時間持続したが,

ブドウ糖の経口投与により回復した。

表 2.7.6.19-22 有害事象の内訳 Part B(SAF) MedDRA Version 12.1 器官別大分類

基本語

ASP1941 12.5 mg (N=20)

ASP1941 100 mg (N=20)

発現例数(発現率) 発現件数 発現例数(発現率) 発現件数 すべての有害事象 3(15%) 4 6(30%) 9 胃腸障害 3(15%) 4 2(10%) 2

下痢 1(5%) 2 1(5%) 1 鼓腸 1(5%) 1 1(5%) 1 嘔吐 1(5%) 1 0 0

感染症および寄生虫症 0 0 2(10%) 2 鼻咽頭炎 0 0 1(5%) 1 尿路感染 0 0 1(5%) 1

代謝および栄養障害 0 0 1(5%) 1 低血糖症 0 0 1(5%) 1

筋骨格系および結合組織障害 0 0 1(5%) 1 筋痙縮 0 0 1(5%) 1

神経系障害 0 0 1(5%) 2 頭痛 0 0 1(5%) 2

腎および尿路障害 0 0 1(5%) 1 乏尿 0 0 1(5%) 1

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.6.1.2.1.B

表 2.7.6.19-23 副作用の内訳 Part B(SAF)

MedDRA Version 12.1 器官別大分類

基本語

ASP1941 12.5 mg (N=20)

ASP1941 100 mg (N=20)

発現例数(発現率) 発現件数 発現例数(発現率) 発現件数 すべての有害事象 2(10%) 3 3(15%) 3

胃腸障害 2(10%) 3 1(5%) 1 下痢 1(5%) 2 0 0 鼓腸 1(5%) 1 1(5%) 1

代謝および栄養障害 0 0 1(5%) 1 低血糖症 0 0 1(5%) 1

筋骨格系および結合組織障害 0 0 1(5%) 1 筋痙縮 0 0 1(5%) 1

Source:CL-0050 総括報告書(5.3.4.1-2)Table 12.6.1.3.B

499

Page 126: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.19.6.2 死亡,その他の重篤な有害事象

Part A,Part B ともに,死亡及びその他の重篤な有害事象は認められなかった。

2.7.6.19.6.3 中止に至った有害事象

Part A,Part B ともに,治験薬投与中止に至った有害事象は認められなかった。

2.7.6.19.6.4 臨床検査値

Part A,Part B ともに,血液学的検査,血液生化学検査及び尿検査パラメータに臨床的に重要な

ベースラインからの変動は認められなかった。

2.7.6.19.6.5 バイタルサイン

Part A,Part B ともに,収縮期血圧,拡張期血圧及び脈拍数に臨床的に重要なベースラインから

の変動は認められなかった。

2.7.6.19.6.6 心電図

Part A,Part B ともに,臨床的に重要な異常所見は認められなかった。

2.7.6.19.7 結論

● 健康被験者及び 2 型糖尿病患者において,本剤 100 mg 反復投与の薬物動態の特性は同様で

あった。

● 2 型糖尿病患者において,本剤の未変化体及び M2 の AUC は用量比例性を示した。

● 本剤 12.5 mg 及び 100 mg 反復投与時の tmax及び CL/F に違いはみられなかった。

● 本剤の血漿中濃度は投与後 4 日で定常状態に達した。

● 本剤 100 mg 反復投与により健康被験者及び 2 型糖尿病患者ともに,EGPbasal及び Rd basalが上

昇した。

● 本剤 100 mg 反復投与により健康被験者及び 2 型糖尿病患者ともに,EGPOGTT低下が抑制された。

● 本剤 100 mg 反復投与により健康被験者及び 2 型糖尿病患者ともに,Rd OGTT(corrected)が低下した。

● 本剤 100 mg 反復投与により 2 型糖尿病患者において,OGTT後の血糖降下作用が示唆された。

● 本剤 100 mg 反復投与により 2 型糖尿病患者において,OGTT 後のグルカゴンを上昇させるこ

とが示唆された。

● 上記以外のグルコースホメオスタシス関連パラメータ(インスリン,GLP-1,PYY 3-36 及び

GIP)に,本剤 100 mg 反復投与による影響はみられなかった。

● エネルギー産生及びエネルギー消費に関するパラメータ(RMR,VO2,VCO2,FAT,RER 及び

CHO)に,本剤 100 mg 反復投与による影響はみられなかった。

500

Page 127: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

● 本剤 100 mg 反復投与により,健康被験者及び 2 型糖尿病患者ともに,尿中グルコース排泄量

が増加した。

● 本剤 12.5 mg 及び 100 mg 反復投与により,2 型糖尿病患者のグルコース排泄量が用量依存的

に増加した。

● 尿量,定常状態の尿中 Na 排泄量及び腎機能に,本剤 100 mg 反復投与の影響はみられなかった。

● 本剤 12.5 mg 及び 100 mg 反復投与の忍容性は良好であり,安全性に問題はなかった。

501

Page 128: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.20 血糖日内変動試験[CL-0070](添付資料 5.3.4.2-1)

2.7.6.20.1 試験方法の概略

治験課題名:ASP1941 第 I 相試験‐2 型糖尿病患者を対象とした臨床薬理試験(血糖日内変動及

び尿中グルコース排泄量の検討)‐

治験実施医療機関:日本 2 施設

公表文献:なし

治験期間:

治験開始日:2009 年 11 月

治験終了日:2010 年 3 月

開発のフェーズ:第 I 相

目的:

2 型糖尿病患者を対象に ASP1941(以下,本剤)50 及び 100 mg 又はプラセボを 1 日 1 回 2 週間投

与したときの,薬力学(血糖日内変動,尿中グルコース排泄量),薬物動態及び安全性を検討する。

治験デザイン・治験方法:

本試験は,多施設共同,プラセボ対照,二重盲検試験として実施した。

患者本人から文書同意を取得した後,スクリーニング検査にて適格性が確認された被験者を,評価

期用治験薬の投与前までに登録した。被験者を本剤 50 mg 群,100 mg 群又はプラセボ群のいずれか

に無作為に割り付けた。

評価期用治験薬投与開始日(Day 1)の 2 日前から Day 1 まで入院下(2 泊 3 日)にて前観察期(ベー

スライン)の検査・観察を実施した。Day 1 前日(Day −1)に単盲検下にて前観察期用治験薬(プ

ラセボ)を投与し,Day 1 の朝に前観察期の検査・観察を行い,治験担当医師が評価期用治験薬の

投与を開始することに問題ないと判断した被験者に二重盲検下にて割り付けられた評価期用治験

薬の投与を開始した。その後,1 日 1 回朝食前に 2 週間評価期用治験薬を投与した。治験薬投与終

了前日より治験薬投与終了翌日まで入院下(2 泊 3 日)にて評価期の検査・観察を実施した。治験

薬投与終了後,1 週間以上 3 週間以内の後観察期を設けた。

なお,本試験では,HbA1c 値の表記として Japan Diabetes Society(JDS)値を用いた。

目標被験者数:

24 例(各群 8 例)

【設定根拠】

本剤投与時の薬力学評価が可能と思われる例数として,実施可能性も考慮して被験者数を設定し

た。

診断及び選択・除外基準:

1.選択基準(以下の基準をすべて満たす者を対象とした)

(1) 同意取得時の年齢が 20 歳以上 75 歳未満の外来患者で,性別は問わない

(2) スクリーニング開始以前に本人から文書による同意が得られている患者

(3) 同意取得時点で 2 型糖尿病と診断されてから 12 週(84 日)以上経過している患者

(4) スクリーニング時の HbA1c 値([1])が 7.0%以上 10.0%以下。かつ,[1]とスクリーニング開始

日を起点に 4 週(28 日)から 8 週(56 日)前に測定した HbA1c 値([2])の変動幅が実測値と

して 1.0%以内の患者*[2]について同意取得前に測定された値がある場合には利用可能とした。また,該当する測定値が複数ある

場合は最もスクリーニング時に近い日の値で判定した。

*[1]と[2]は同一機関での測定値とした。

(5) スクリーニング時の空腹時血糖値が 126 mg/dL 以上 240 mg/dL 未満の患者

(6) スクリーニング時の空腹時血中 C-peptide の値が 0.6 ng/mL を超える患者

(7) 食事・運動療法のみで治療されている患者。若しくは単剤の経口血糖降下薬を服用している患

者で,試験期間(スクリーニング開始日 2 週間前から評価期終了まで,合わせて 5~7 週間)

502

Page 129: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

に当該薬剤の服用を安全に中止することが可能であると治験担当医師によって判断され,かつ

これに同意した患者

(8) 治験担当医師が,スクリーニング開始から評価期終了まで合併症に対する治療内容(食事療法

を含む)を変更しないことが可能と判断した患者(感冒等の一過性の疾患に対する治療は除く)

(9) スクリーニング時の BMI が 20.0 kg/m2 以上 45.0 kg/m2 以下の患者

2.除外基準(以下の基準のいずれかに該当する者は対象から除外した)

(1) 病期の進んだ糖尿病性合併症†(細小血管障害として腎症,網膜症,神経障害,及び大血管障害)

を有する患者

(2) 1 型糖尿病の患者

(3) スクリーニング開始日から遡って 12 週(84 日)以内にインスリンの投与を受けた患者

(4) ケトーシス,糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者。若しくはスクリーニング時の尿検査でケトン体

が 1+以上の患者

(5) 副腎皮質ステロイド製剤,免疫抑制剤等の継続的投与(内服,注射,吸入)が必要とされる慢

性疾患を有する患者

(6) スクリーニング開始から評価期終了までに利尿薬の使用が必要な患者

(7) 手術前後,重症感染症又は重篤な外傷のある患者

(8) スクリーニング時の血清クレアチニン値が基準値上限を超える患者

(9) スクリーニング時の尿中のアルブミン/クレアチニン比が 300 mg/g クレアチニンを超える患

(10) 腎血管閉塞性疾患,腎摘出,腎移植等,医学的に重要な腎疾患の既往歴がある患者

(11) スクリーニング時の AST 値及び ALT 値が基準値上限の 3 倍を超える患者。又は重篤な肝疾患

の既往歴がある患者

(12) 神経因性膀胱や前立腺肥大症等により,明らかな排尿障害を合併している患者

(13) 尿路感染症を繰り返し発現している患者,及び尿路感染症を有する患者

(14) スクリーニング開始日から遡って 24 週(168 日)以内に,不安定狭心症,心筋梗塞,血管形成

術,重篤な心疾患(NYHA Class II–IV)の既往歴がある患者,又は本剤の安全性の評価に影響

を与えると治験担当医師が判断するような心疾患を合併している患者

(15) 血圧のコントロールが不良の患者(スクリーニング時の 5 分間安静後の臥位の収縮期血圧が

170 mmHg を超える,又は拡張期血圧が 95 mmHg を超える患者)

(16) 重篤な消化管障害を合併している患者,又は重篤な消化管障害の手術歴を有する患者

(17) 悪性腫瘍を合併している患者

(18) 不安定な精神医学的疾患を有する患者

(19) 妊娠を希望している女性,試験期間中に適切な避妊方法を施行できない閉経前の女性,妊娠し

ている女性,又は授乳中の女性

(20) 薬物中毒,又はアルコール依存症の患者

(21) 薬物アレルギーの既往を有する患者

(22) 過去に本剤の投与(プラセボを除く)を受けた患者

(23) 文書同意取得日から遡って 12 週(84 日)以内に,他の医療用医薬品・医療機器の治験又は製

造販売後臨床試験に参加した患者,又は現在参加している患者

(24) 本試験で規定した来院や服薬ルール等,被験者が遵守すべき事項をひとつでも遵守できない患

者,又はこれに同意しない患者

(25) スクリーニング検査前 90 日以内に 400 mL 以上の全血採血,30 日以内に 200 mL 以上の全血採

血又は 14 日以内に成分献血を実施した患者

(26) その他,治験担当医師が,治験対象として不適当と判断した患者

503

Page 130: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

† 本試験では,「病期の進んだ糖尿病性合併症を有する患者」を以下のように定義した。

(1) 糖尿病性神経障害:糖尿病性多発神経障害の簡易診断基準(糖尿病性神経障害を考える会,2002 年 1 月 18 日改

訂)にて糖尿病性多発神経障害と診断された患者のうち,明らかな自覚症状(強度のしびれ・異常感覚,疼痛等

の症状,又は投薬や神経ブロック等対症療法を必要とする症状)がある患者,又は糖尿病性自律神経障害(起立

性低血圧や胃不全麻痺)を有する患者

(2) 糖尿病性網膜症:増殖性網膜症,又は治療が必要か試験期間中に治療を予定している黄斑浮腫を合併している患

(3) 糖尿病性腎症:血清クレアチニンが 2.0 mg/dL 以上,又は尿中のアルブミン/クレアチニン比が 500 mg/g クレア

チニン以上の患者[ただし,本試験では,血清クレアチニンについては基準値上限を超える患者(除外基準の 8),

尿中のアルブミン/クレアチニン比については 300 mg/g クレアチニンを超える患者(除外基準の 9)は除外され

る]

(4) 糖尿病性大血管障害:スクリーニング開始時から遡って 24 週(168 日)以内に,不安定狭心症,心筋梗塞,血

管形成術の既往歴を有する患者

治験薬,投与量及び投与方法:

1.治験薬及びロット番号

(1) 被験薬

ASP1941 錠 50 mg:1 錠中に ASP1941 として 50 mg を含有するフィルムコート錠

ロット番号:1941-CL-0070

(2) 対照薬

ASP1941 錠 50 mg プラセボ:1 錠中に ASP1941 を含有しないフィルムコート錠

ロット番号:1941-CL-0070

(3) 前観察期用治験薬

前観察期用 ASP1941 錠 50 mg プラセボ:1 錠中に ASP1941 を含有しないフィルムコート錠

ロット番号:08128E

2.投与量及び投与方法

(1) 前観察期(単盲検)

評価期用治験薬投与開始前日の朝食前に前観察期用 ASP1941 錠 50 mg プラセボ 2 錠を投与した。

(2) 評価期(二重盲検)

本剤(50 又は 100 mg)あるいはプラセボを 1 日 1 回朝食前に 14 日間経口投与した。

【設定根拠】

(1) 投与量の設定根拠

第 I 相試験[CL-0101]で,日本人健康成人男性に本剤を 7 日間反復投与したときの尿中グルコー

ス排泄作用に本剤 50 mg 群と 100 mg 群で大きな差は認められなかった。また,第 II 相用量設定試

験[CL-0103]で,日本人 2 型糖尿病患者に本剤を 100 mg まで 12 週間投与したときの安全性に大

きな問題はなく,主要評価項目である HbA1c 値の変化量は 50 mg 群と 100 mg 群でほぼ同等であっ

た。よって,50 mg/日が臨床推奨用量になると考えられた。更に,50 mg/日と 100 mg/日の副次評価

項目で比較した際に,空腹時血糖値の低下量及び HbA1c 値の目標達成率(6.5%未満の達成率及び

7.0%未満の達成率)において 100 mg 群が 50 mg 群を上回ったことから,50 mg/日を投与しても効

果不十分な患者では,100 mg/日への増量は有用であると考えられた。以上のことから,臨床用量と

考えられる 50 及び 100 mg を本試験の投与量として設定した。

(2) 投与方法の設定根拠

第 I 相試験[CL-0101]で,日本人健康成人男性に本剤 50 及び 100 mg を 1 日 1 回 7 日間反復投与

したときの血漿中未変化体濃度及び尿中グルコース排泄作用を検討したところ,1 日 1 回投与によ

り尿中グルコース排泄量の増加が認められたため,1 日 1 回投与が妥当であると判断した。また,

同試験で食事の影響を検討したところ,空腹時投与時及び食後投与時の血漿中未変化体濃度の結果

から,本剤の薬物動態に食事の影響はみられず,食前後の投与方法の設定が可能であった。しかし,

504

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2.7.6個々の試験のまとめ

投与時期(朝食前又は朝食後)の被験者間のばらつきを最小限に留めるため,朝食前投与とした。

(3) 投与期間の設定根拠

日本人健康成人男性を対象とした第 I 相試験[CL-0101]では,血漿中未変化体薬物濃度は 7 日間

反復投与にて定常状態に達すると考えられた。また,日本人 2 型糖尿病患者を対象とした第 II 相用

量設定試験[CL-0103]では,投与 2 週後で空腹時血糖値の低下が確認された。よって,本薬の薬

理作用を評価するために十分な期間として投与期間を 2 週間と設定した。

評価期間:

評価期:2 週間

併用治療(薬剤及び療法):

(1) 併用禁止薬

スクリーニング開始 2 週(13 日)前から評価期終了まで経口血糖降下薬の使用を禁止した。

スクリーニング開始 12 週(83 日)前から評価期終了までインスリンの使用を禁止した。

スクリーニング開始から評価期終了まで利尿薬の使用を禁止した。

(2) 条件付併用可能薬

スクリーニング開始から評価期終了まで,副腎皮質ステロイド製剤及び免疫抑制剤の継続的投与

(内服,注射,吸入)を禁止した。ただし,塗布等の局所使用の場合や,一時的な場合は使用を可

とした。

スクリーニング開始から評価期終了まで,血糖に直接影響を与えると考えられるブドウ糖及びグル

カゴンの継続的投与(内服,点滴)を禁止した。ただし,一時的な場合は使用を可とした。

スクリーニング開始から評価期終了まで,感冒等の一過性の疾患を除く合併症に対する薬剤治療の

変更を原則禁止した。

(3) 併用禁止療法

スクリーニング開始から評価期終了まで,食事療法の内容変更及び血糖管理を目的とした新たな入

院療法を禁止した。

505

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2.7.6個々の試験のまとめ

評価項目,評価スケジュール及び評価基準:

1. 評価スケジュール

スクリー

ニング前観察期 評価期

後観

察期

中止

時 x

Week −1 0 2 3~5 -

Day - −2 −1 1 13 14 15 後観察 -

許容範囲(Day)a −14~−7 −2 −1 1 u 11~17v

w

Day 14 又は

中止時

+7~+21

同意取得 b X

選択・除外基準確認

被験者背景調査X

登録・割り付け X

入院 Xr X Xt Xr X Xt

外来 c X X X

前観察期用治験薬処方 X

評価期用治験薬処方 X X

前観察期用治験薬の投与 X

評価期用治験薬の投与

服薬状況の確認 X

食事内容の確認 X X X X X X

併用薬調査

体重・身長 d

バイタルサイン

(血圧・脈拍数)e

X X Xs X X X X

自覚症状・他覚所見 X X X X X X X X X

12 誘導心電図 X Xs X X X

妊娠検査 f X X Xy

血液学的検査 g

血液生化学検査 h

尿検査(スポット尿 1)i

X Xs X X X

尿検査(スポット尿 2)j X X X

HbA1c 値 Xq Xq X

空腹時 C-ペプチド X

空腹時血糖値 k X Xs X X X

空腹時インスリン k Xs X X

グリコアルブミン,

インタクトプロインスリンXs X X

日内変動(血糖値,

インスリン)l

尿中グルコース排泄量・

排泄速度,排尿量,飲水量 m

尿中グルコース濃度 n

血漿中・

尿中未変化体濃度 o

尿検査・CLcrp(24 時間蓄尿)

有害事象調査

a: 評価期用治験薬投与開始日を Day 1 とし,その前日を Day −1 とした。

b: スクリーニング開始以前までに同意取得した。

c: 朝食を摂らずに午前中に来院した。

d: 身長はスクリーニング時のみ測定した。

e: バイタルサインは臥位にて測定した。

Xs

Xs

Xs

X

X

X

X

XsX

506

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2.7.6個々の試験のまとめ

f: 閉経前の女性のみ実施した。

g: 白血球数,赤血球数,ヘモグロビン,ヘマトクリット,血小板数,白血球分画(好中球,好酸球,好塩基球,

単球,リンパ球)

h: 総蛋白,アルブミン,乳酸脱水素酵素,AST,ALT,アルカリホスファターゼ,γ-グルタミルトランスペプチ

ターゼ,総ビリルビン,直接ビリルビン,血中尿素窒素,クレアチニン,尿酸,総コレステロール,LDL コレ

ステロール,HDL コレステロール,中性脂肪,クレアチンキナーゼ,ナトリウム,カリウム,クロール,カ

ルシウム,無機リン,マグネシウム,遊離脂肪酸,ケトン体分画(総ケトン体,アセト酢酸,3-ヒドロキシ酪

酸)

i: 定性(pH,潜血,蛋白,ケトン体,ウロビリノーゲン,比重,細菌),沈渣,浸透圧

j: クレアチニン,β-N-アセチルDグルコサミニダーゼ,β2ミクログロブリン,α1ミクログロブリン,アルブミン

,尿酸,ナトリウム,カリウム,クロール,カルシウム,無機リン,マグネシウム

k: Day 1 及び Day 15 はそれぞれ日内変動用の Day −1 の朝食後 24 時間[Day 1 朝食前(投与前)]及び Day 14 の

朝食後 24 時間(Day 15 朝食前)のデータを兼ねる

l: 前観察期:Day −1 朝食前(投与前),朝食後 0.5 時間,1 時間,1.5 時間,2 時間,3 時間,4 時間(昼食前),

5 時間,6 時間,7 時間,10 時間(夕食前),11 時間,12 時間,13 時間,24 時間[Day 1 朝食前(投与前)]

評価期:Day 14 朝食前(投与前),朝食後 0.5 時間,1 時間,1.5 時間,2 時間,3 時間,4 時間(昼食前),5

時間,6 時間,7 時間,10 時間(夕食前),11 時間,12 時間,13 時間,24 時間(Day 15 朝食前)

m: 前観察期:Day −1 投与後 0~4 時間(昼食前),4~10 時間(夕食前),10~24 時間(Day 1 投与前)

評価期:Day 14 投与後 0~4 時間(昼食前),4~10 時間(夕食前),10~24 時間(Day 15 朝食前)

n: 前観察期:Day −1 投与前,投与後 4 時間(昼食前),10 時間(夕食前),24 時間(Day 1 投与前)

評価期:Day 14 投与前,投与後 4 時間(昼食前),10 時間(夕食前),24 時間(Day 15 朝食前)

o: 血漿中未変化体濃度:Day 14 投与前,投与後 0.5 時間,1 時間,1.5 時間,2 時間,3 時間,4 時間,6 時間,7

時間,10 時間,12 時間,24 時間(Day 15 朝食前)

尿中未変化体濃度:Day 14 投与後 0~4 時間,4~10 時間,10~24 時間(Day 15 朝食前)

p: 尿検査(24 時間蓄尿)項目:クレアチニン,β-N-アセチル D グルコサミニダーゼ,β2 ミクログロブリン,α1

ミクログロブリン,アルブミン,尿酸,ナトリウム,カリウム,クロール,カルシウム,無機リン,マグネシ

ウム

CLcr(実測クレアチニンクリアランス):24 時間蓄尿データ及び蓄尿終了時(24 時間後)の血清クレアチニン

を利用した。

q: スクリーニング時の HbA1c 値とその 4~8 週間前に測定されている HbA1c 値は同一機関で測定することとした

(後者は同意取得前に測定された値がある場合には利用可能とした)。

r: 午後入院することとした。

s: ベースラインとした。また,評価期用治験薬投与前までに検査を実施した。

t: 午前退院することとした。

u: Day 14 の前日

v: 投与終了日

w: Day 14 の翌日

x: 治験薬投与開始後に中止した場合のみ実施することとした。また,可能な限り中止後 7~21 日目に後観察期の

検査を実施することとした。

y: 後観察期の来院を設定できない場合のみ実施することとした。

2.薬物動態|薬力学:

(1) 薬物動態

薬物動態の評価項目:

・血漿中未変化体濃度

・尿中未変化体濃度

507

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2.7.6個々の試験のまとめ

「1. 評価スケジュール」に示した時期に採血及び蓄尿を行い,血漿中及び尿中の未変化体濃度を測

定した。血漿中及び尿中の未変化体濃度から,以下の薬物動態パラメータを算出した。

・最高血漿中未変化体濃度(Cmax)

・最高血漿中未変化体濃度到達時間(tmax)

・時間 0 から治験薬投与後 24 時間までの血漿中未変化体濃度‐時間曲線下面積(AUC24h)

・時間 0 から血漿中未変化体濃度定量可能最終時点までの血漿中未変化体濃度‐時間曲線下面積

(AUClast)

・消失半減期(t1/2)

・経口クリアランス(CL/F)

・尿中未変化体排泄量(Ae)

・尿中未変化体排泄率(Ae%)

・腎クリアランス(CLr)

(2) 薬力学

「1. 評価スケジュール」に示した時期に採血及び蓄尿を行い,以下の薬力学パラメータを算出した。

血糖値及びインスリンについて日内変動を評価した。また,Day −1 及び Day 14 の測定値から,血

糖値 AUC24h,血糖値 AUC3h,インスリン AUC24h及びインスリン AUC3hを算出した。

・血糖値(日内変動,血糖値 AUC24h,血糖値 AUC3h)

・空腹時血糖値

・インスリン(日内変動,インスリン AUC24h,インスリン AUC3h)

・空腹時インスリン

・尿中グルコース排泄量

・尿中グルコース排泄速度

・排尿量

・尿中グルコース濃度

・体重

3.安全性:

安全性の評価項目:

・有害事象

・臨床検査(血液学的検査,血液生化学検査,尿検査)

・バイタルサイン(臥位血圧,臥位脈拍数)

・12 誘導心電図

有害事象は,評価期用治験薬投与開始後に認められた事象とした。

有害事象と治験薬との関連性は以下の基準により判定し,「関連あるかもしれない」又は「多分(お

そらく)関連あり」のいずれかに該当したものを,「治験薬との関連性が否定できない有害事象(副

作用)」と定義した。治験薬との関連性 関連性判定基準

否定できる 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的関係から因果関係がありそうにないと思われる

場合や,他の薬剤や合併症・基礎疾患等により説明ができる場合

関連あるかもしれ

ない

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係があるが,以下の項目のいずれ

かに該当する場合

・要因として合併症・基礎疾患や他の薬剤による説明もできる場合

・投与中止に関する情報が不明確な場合

多分(おそらく)

関連あり

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係がある場合や,以下の項目に該

当する場合

・再投与により再発又は投与中止により消失又は軽快を示す場合

508

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2.7.6個々の試験のまとめ

・合併症・基礎疾患や他の薬剤では説明ができない,又はそれらによる可能性が考えにく

い場合

有害事象の程度は,平成 4 年 6 月 29 日薬安第 80 号添付「医薬品等の副作用の重篤度分類基準につ

いて」のグレードを参考に判定した。この基準に規定されていない項目については,以下に従って

判定した。

・軽度:日常の活動に支障がないもの

・中等度:日常の活動に支障があるもの

・重度:日常の活動が不可能になるもの

4.その他:

「1. 評価スケジュール」に示した時期に測定を行い,以下の項目を評価した。

・グリコアルブミン

・インタクトプロインスリン/インスリン比

インタクトプロインスリンを測定し,同時期に測定した空腹時インスリンを用いて算出した。

・CLcr(24 時間蓄尿)

下記計算式にて実測 CLcr を算出した。

実測 CLcr = 尿中クレアチニン(mg/dL)× 排尿量(mL)/血清クレアチニン(mg/dL)

体表面積による補正(実測 CLcr × 1.73/体表面積(m2))も行った。

・飲水量

統計解析:

1.解析対象集団:

(1) 安全性解析対象集団(SAF)

評価期用治験薬を 1 回以上服用している被験者の集団を SAF とした。

(2) 薬物動態解析対象集団(PKAS)

本剤が投与され,血漿中未変化体濃度が 1 時点以上測定された被験者の集団を PKAS とした。

(3) 薬力学解析対象集団(PDAS)

評価期用治験薬を 1 回以上服用し,評価期用治験薬服用後の血糖日内変動又は尿中グルコース排泄

量が評価可能な被験者の集団を PDAS とした。

2.被験者背景及びその他の基準値:

SAF,PKAS 及び PDAS を対象に,計数値項目は度数集計を行い,計量値項目は要約統計量を算出

した。

3.薬物動態|薬力学:

(1) 薬物動態

薬物動態の解析では,PKAS を解析対象とした。

薬物動態パラメータの要約統計量を投与群ごとに算出した。

(2) 薬力学

薬力学の解析では,PDAS を解析対象とした。

各薬力学評価項目の要約統計量を投与群ごと,時期ごとに算出した。またベースラインからの変化

量についても要約統計量を算出した。

血糖値 AUC3h,血糖値 AUC24h,空腹時血糖値及び空腹時インスリンは,ベースラインからの変化

量を,ベースライン値を共変量とした共分散分析モデルにより解析した。本剤各群とプラセボ群の

差の調整済み平均値とその 95%信頼区間を算出した。

509

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2.7.6個々の試験のまとめ

4.安全性:

安全性の解析では,SAF を解析対象とした。

(1) 有害事象

有害事象及び副作用の発現例数及び発現率を投与群ごとに算出した。

(2) 臨床検査値

計量値項目は,各時期の実測値の要約統計量を投与群ごとに算出した。計数値項目は,ベースライ

ンと各時期のクロス表を投与群ごとに作成した。

(3) バイタルサイン

各時期の実測値の要約統計量を投与群ごとに算出した。

(4) 12 誘導心電図

ベースラインと各時期のクロス表を投与群ごとに作成した。

5.その他の評価項目:

各評価項目の要約統計量を投与群ごと,時期ごとに算出した。また,ベースラインからの変化量に

ついても要約統計量を算出した。

報告書の日付: 年 月 日

2.7.6.20.2 被験者の内訳及び解析対象集団

2.7.6.20.2.1 被験者の内訳

被験者の内訳を表 2.7.6.20-1 に示した。

計 30 例が本剤各群又はプラセボ群に無作為に割り付けられた。無作為化された 30 例のうち,

28 例が試験を完了し,2 例(50 mg 群,100 mg 群各 1 例)が有害事象のため治験薬の投与を中止

した。

表 2.7.6.20-1 被験者の内訳

プラセボ群 50 mg 群 100 mg 群 計

前観察期用治験薬投与例 - - - 30

無作為化例 10 10 10 30

評価期用治験薬投与例 10 10 10 30

完了例 10 9 9 28

中止例 0 1a 1a 2

a: 有害事象のため

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.1.1.1,Table 12.1.1.3,Table 12.1.1.5,Table 12.1.1.6 及び Table 12.1.1.8

2.7.6.20.2.2 解析対象集団

評価期用治験薬を 1 回以上服用した 30 例全例を SAF とした。評価期用治験薬服用例 30 例のう

ち,血漿中未変化体濃度を 1 時点も測定しなかった 2 例を除く,28 例を PKAS とした。評価期用

治験薬服用例 30 例のうち,血糖値又は尿中グルコース排泄量の十分な測定値が得られなかった 2

例を除く,28 例を PDAS とした。

510

Page 137: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.20.3 人口統計学的及び他の基準値の特性

被験者背景を表 2.7.6.20-2 に示した。

各群の平均年齢は 57.0~60.0 歳,BMI の平均値は 25.07~26.84 kg/m2 であった。性別では,100 mg

群で男性の割合がその他の投与群より高かった。2 型糖尿病の罹病期間は,その他の投与群と比

較してプラセボ群で短かった。Day 1 の HbA1c 値の平均値は,その他の投与群と比較して 50 mg

群で高く,Day 1 の空腹時血糖値は各群で同程度であった。

表 2.7.6.20-2 被験者背景(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

年齢[同意取得時]

(歳)

平均値(標準偏差) 60.0 (7.72) 59.3 (9.64) 57.0 (13.19)

最小値 – 最大値 49 – 74 42 – 74 34 – 73

65 歳未満 n(%) 7 (70.0) 7 (77.8) 6 (66.7)

65 歳以上 n(%) 3 (30.0) 2 (22.2) 3 (33.3)

性別 男性 n(%) 5 (50.0) 6 (66.7) 8 (88.9)

女性 n(%) 5 (50.0) 3 (33.3) 1 (11.1)

身長[スクリーニング時](cm)

平均値(標準偏差) 159.54 (6.573) 164.60 (9.576) 166.70 (8.734)

最小値 – 最大値 150.1 – 169.8 144.9 – 172.8 151.1 – 177.3

体重[スクリーニング時](kg)

平均値(標準偏差) 66.72 (7.722) 68.44 (13.577) 75.07 (13.892)

最小値 – 最大値 56.2 – 76.5 49.7 – 89.4 52.7 – 100.8

BMI[スクリーニング時](kg/m2)

平均値(標準偏差) 26.23 (2.831) 25.07 (3.105) 26.84 (3.457)

最小値 – 最大値 21.8 – 30.8 20.3 – 30.2 23.1 – 33.9

合併症 n(%) なし 0 3 (33.3) 2 (22.2)

あり 10 (100.0) 6 (66.7) 7 (77.8)

飲酒歴 n(%) なし 4 (40.0) 5 (55.6) 2 (22.2)

過去にあり 0 0 0

現在あり 6 (60.0) 4 (44.4) 7 (77.8)

飲酒量 an(%) なし 4 (40.0) 5 (55.6) 2 (22.2)

LEVEL1 6 (60.0) 3 (33.3) 5 (55.6)LEVEL2 0 1 (11.1) 2 (22.2)LEVEL3 0 0 0

罹病期間[同意取得時]

(月)

平均値(標準偏差) 53.6 (53.35) 71.1 (45.61) 71.3 (57.67)

最小値 – 最大値 5 – 167 16 – 131 15 – 191

HbA1c 値[Day 1](%)

平均値(標準偏差) 7.98 (0.887) 8.50 (0.776) 7.74 (1.014)

最小値 – 最大値 7.0 – 10.0 7.2 – 9.4 6.8 – 10.2

空腹時血糖値[Day 1](mg/dL)

平均値(標準偏差) 177.5 (33.80) 172.9 (25.47) 165.3 (35.09)

最小値 – 最大値 127 – 247 134 – 215 136 – 242

a:飲酒量は以下の 3 レベルに分類した。

LEVEL 1:ビール中ビン 1 本未満/清酒 1 合未満/ウイスキー・ブランデー60 mL 未満/焼酎(35 度)90 mL 未

満/ワイン 240 mL 未満

LEVEL 2:ビール中ビン 1 本以上 3 本未満/清酒 1 合以上 3 合未満/ウイスキー・ブランデー60 mL 以上 180 mL

未満/焼酎(35 度)90 mL 以上 270 mL 未満/ワイン 240 mL 以上 720 mL 未満

LEVEL 3:ビール中ビン 3 本以上/清酒 3 合以上/ウイスキー・ブランデー180 mL 以上/焼酎(35 度)270 mL

以上/ワイン:720 mL 以上

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.1.2.1-3,Table 12.1.2.2-3 及び Table 12.1.2.3-1-3

511

Page 138: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.20.4 治験薬の曝露

治験薬の服薬状況を表 2.7.6.20-3 に示した。

PDAS 28 例全例で投与期間は 14 日間であった。評価期用治験薬の平均服薬率はいずれの群でも

98%以上であり,すべての群で服薬コンプライアンスは良好であった。

表 2.7.6.20-3 治験薬の服薬状況(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

評価期用治験薬投与期間

(日)

平均値(標準偏差) 14.0 (0.00) 14.0 (0.00) 14.0 (0.00)

最小値 – 最大値 14 – 14 14 – 14 14 – 14

評価期用治験薬服薬率(%)

平均値(標準偏差) 98.57 (3.012) 100.00 (0.000) 99.21 (2.381)

最小値 – 最大値 92.9 – 100.0 100.0 – 100.0 92.9 – 100.0

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.1.4-3

2.7.6.20.5 薬物動態|薬力学

2.7.6.20.5.1 薬物動態の結果

Day 14 の未変化体の薬物動態パラメータの要約統計量を表 2.7.6.20-4 に示した。

本剤 50 mg 群に対して 100 mg 群では,Cmaxの平均値は 1.7 倍,AUC24hの平均値は 1.9 倍に上昇

した。tmax,t1/2 及び CL/F は 50 mg 群と 100 mg 群で同程度であった。未変化体の尿中排泄率は,

50 mg 群,100 mg 群ともに小さかった(Ae%の平均値:約 1%)。

表 2.7.6.20-4 未変化体の薬物動態パラメータの要約統計量(PKAS)

用量

(mg)

N 平均値 標準

偏差

最小値 最大値 中央値 幾何

平均値

Na変動計数

(%)

Cmax

(ng/mL)50 9 1225.35 255.05 985.99 1765.34 1134.76 1204.30 9 20.81

100 9 2030.44 654.37 1408.63 3347.74 1673.86 1946.32 9 32.23AUC24h

(ng•h/mL)50 9 4808.22 1463.03 2902.94 6986.62 4316.36 4618.86 9 30.43

100 9 9212.79 3938.69 6163.54 18781.60 8161.73 8652.55 9 42.75AUClast

(ng•h/mL)50 9 4806.00 1460.75 2902.94 6986.62 4316.36 4617.13 9 30.39

100 9 9210.37 3939.28 6158.05 18781.60 8155.67 8649.96 9 42.77tmax

(h)50 9 0.7 0.3 0.5 1.0 0.5 0.7 9 36.49

100 9 0.9 0.3 0.5 1.5 1.0 0.8 9 37.50t1/2

(h)50 9 11.3 3.3 8.1 16.9 9.6 10.9 9 29.70

100 9 10.5 2.6 6.9 14.6 10.0 10.2 9 24.83CL/F(L/h)

50 9 11.26 3.29 7.16 17.22 11.58 10.83 9 29.19100 9 12.14 3.64 5.32 16.22 12.25 11.56 9 29.94

Ae(μg)

50 9 618.49 105.82 491.24 789.35 589.29 610.68 9 17.11100 9 1215.83 516.47 749.50 2300.47 1105.52 1133.76 9 42.48

Ae%(% dose)

50 9 1.24 0.21 0.98 1.58 1.18 1.22 9 17.11100 9 1.22 0.52 0.75 2.30 1.11 1.13 9 42.48

CLr

(L/h)50 9 0.14 0.04 0.08 0.18 0.14 0.13 9 26.53

100 9 0.13 0.02 0.11 0.18 0.13 0.13 9 16.91

a:幾何平均値を算出した被験者数

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.2.2-1,Table 12.2.2-2,Table 12.2.3-1 及び Table 12.2.3-2

512

Page 139: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.20.5.2 薬力学の結果

(1) 血糖値(日内変動,血糖値 AUC24h,血糖値 AUC3h)

Day −1 及び Day 14 の血糖値の経時推移(日内変動)を図 2.7.6.20-1 に示した。

本剤群では,いずれの評価時点でも Day 14(投与開始後 2 週間)の血糖値の平均値は Day −1(ベー

スライン)と比較して低かった。一方,プラセボ群では Day 14 の血糖値は Day −1 と同程度の値

で推移した。

513

Page 140: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.20-1 血糖値の経時推移(日内変動)(PDAS)(その 1)

プラセボ群

50 mg 群

時間

血糖値

h

時間

血糖値

h

514

Page 141: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.20-1 血糖値の経時推移(日内変動)(PDAS)(その 2)

100 mg 群

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Figure 12.3.1.4

血糖値の AUC の平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-5 に示した。

本剤群では,Day 14 の血糖値 AUC3hはベースライン(Day −1)と比較して低下した。変化量は

50 mg 群と 100 mg 群で同程度であった。一方,プラセボ群では,Day 14 の血糖値 AUC3hはベース

ラインから変化がみられなかった。

本剤群では,Day 14 の血糖値 AUC24hはベースラインと比較して低下した。変化量は,50 mg 群

と 100 mg 群で同程度であった。一方,プラセボ群では,Day 14 の血糖値 AUC24hはベースライン

と比較してわずかに上昇した。

表 2.7.6.20-5 血糖値の AUC の平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

血糖値 AUC3h

(h•mg/dL)Day −1(ベースライン) 877.84 (162.053) 838.03 (132.522) 781.86 (155.051)

Day 14 880.17 (209.809) 665.40 (86.884) 607.28 (99.349)

血糖値 AUC24h

(h•mg/dL)Day −1(ベースライン) 5787.42 (1594.371) 5532.06 (834.910) 5180.82 (1290.698)

Day 14 5851.23 (1878.629) 4428.38 (593.919) 4260.91 (693.549)

平均値(標準偏差)

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.3.1.1.2

時間

血糖値

h

515

Page 142: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

Day 14 の血糖値 AUC3h及び血糖値 AUC24hのベースラインからの変化量をベースライン値を共

変量とした共分散分析モデルを用いて解析した(表 2.7.6.20-6)。

血糖値 AUC3h及び血糖値 AUC24hは,本剤両群ともにプラセボ群との差の 95%信頼区間の上限

は 0 h•mg/dL を下回った。

表 2.7.6.20-6 ASP1941 各群とプラセボ群の Day 14 の血糖値の AUC(h•mg/dL)のベースラ

インからの変化量の差[ベースライン値を共変量とした共分散分析による調整

済み平均値](PDAS)

投与群 調整済み平均値

の差

標準誤差 95%信頼区間

下限 上限

血糖値 AUC3h

(h•mg/dL)50 mg 群 − プラセボ群 −184.80 43.572 −274.733 −94.877

100 mg 群 − プラセボ群 −200.64 44.916 −293.340 −107.936

血糖値 AUC24h

(h•mg/dL)50 mg 群 − プラセボ群 −1214.14 305.361 −1844.372 −583.905

100 mg 群 − プラセボ群 −1094.54 310.519 −1735.416 −453.656

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.3.1.3.1.1 及び Table 12.3.1.3.1.2

(2) 空腹時血糖値

空腹時血糖値の平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-7 に示した。

本剤群では,Day 15 の空腹時血糖値はベースラインと比較して低下したが,後観察時にはベー

スラインとほぼ同程度の値まで上昇した。Day 15 のベースラインからの変化量は,50 mg 群と

100 mg 群で同程度であった。プラセボ群では,ベースラインから後観察時まで空腹時血糖値に変

化はみられなかった。

表 2.7.6.20-7 空腹時血糖値の平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

空腹時血糖値(mg/dL)

Day 1(ベースライン) 177.5 (33.80) 172.9 (25.47) 165.3 (35.09)

Day 15 177.8 (44.39) 141.3 (15.85) 129.6 (10.03)

後観察 175.0 (44.06)a 164.3 (19.75) 159.7 (40.37)

平均値(標準偏差)

a:N=9

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.3.2.1

Day 15 の空腹時血糖値のベースラインからの変化量をベースライン値を共変量とした共分散分

析モデルを用いて解析した(表 2.7.6.20-8)。

空腹時血糖値は,本剤両群ともにプラセボ群との差の 95%信頼区間の上限は 0 h•mg/dLを下回っ

た。

516

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.20-8 ASP1941 各群とプラセボ群の Day 15 の空腹時血糖値(mg/dL)のベースライ

ンからの変化量の差[ベースライン値を共変量とした共分散分析による調整済

み平均値](PDAS)

投与群 調整済み平均値

の差

標準誤差 95%信頼区間

下限 上限

空腹時血糖値(mg/dL)

50 mg 群 − プラセボ群 −33.7 10.00 −54.32 −13.05

100 mg 群 − プラセボ群 −40.9 10.12 −61.78 −20.02

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.3.2.3.1

(3) インスリン(日内変動,インスリン AUC24h,インスリン AUC3h)

Day −1 及び Day 14 のインスリンの経時推移(日内変動)を図 2.7.6.20-2 に示した。

本剤群では,ほとんどの評価時点で Day 14 のインスリンの平均値が Day −1(ベースライン)と

比較して低かった。一方,プラセボ群では Day 14 のインスリンは Day −1 と同程度の値で推移し

た。

517

Page 144: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.20-2 インスリンの経時推移(日内変動)(PDAS)(その 1)

プラセボ群

50 mg 群

時間

インスリン

h

時間

インスリン

h

518

Page 145: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.20-2 インスリンの経時推移(日内変動)(PDAS)(その 2)

100 mg 群

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Figure 12.3.3.3

インスリンの AUC の平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-9 に示した。

すべての投与群で,Day 14 のインスリン AUC3hはベースラインと比較してほとんど変化がみら

れなかった。

本剤群では Day 14 のインスリン AUC24hはベースラインと比較して低下したが,プラセボ群で

はほとんど変化がみられなかった。

表 2.7.6.20-9 インスリンの AUC の平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=9 N=8 N=7

インスリン AUC3h

(h•μU/mL)Day −1(ベースライン) 90.205 (49.0958) 50.167 (19.8967) 69.943 (40.9502)

Day 14 75.206 (43.2503) 46.457 (19.4039) 54.765 (33.6640)d

インスリン AUC24h

(h•μU/mL)Day −1(ベースライン) 472.931 (241.1557)a 348.767 (150.8418) 401.963 (185.5042)

Day 14 480.157 (319.2831)b 253.374 (108.3744)c 322.313 (151.4043)d

平均値(標準偏差)

a:N=8,b:N=6,c:N=7,d:N=6

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.3.3.1.2

時間

インスリン

h

519

Page 146: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

(4) 空腹時インスリン

空腹時インスリンの平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-10 に示した。

本剤群では,Day 15 の空腹時インスリンはベースラインと比較して低下した。一方,プラセボ

群では,ベースラインからほとんど変化しなかった。

表 2.7.6.20-10 空腹時インスリンの平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

空腹時インスリン(μU/mL)

Day 1(ベースライン) 7.23 (4.074) 5.48 (2.229) 7.27 (3.826)

Day 15 7.84 (4.378) a 4.17 (1.954) 4.89 (2.762)

平均値(標準偏差)

a:N=9

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.3.4.1

Day 15 の空腹時インスリンのベースラインからの変化量をベースライン値を共変量とした共分

散分析モデルを用いて解析した(表 2.7.6.20-11)。

空腹時インスリンは,本剤両群ともにプラセボ群との差の 95%信頼区間の上限は 0 μU/mL を下

回った。

表 2.7.6.20-11 ASP1941 各群とプラセボ群の Day 15 の空腹時インスリン(μU/mL)のベース

ラインからの変化量の差[ベースライン値を共変量とした共分散分析による調

整済み平均値](PDAS)

投与群 調整済み平均値

の差

標準誤差 95%信頼区間

下限 上限

空腹時インスリン(μU/mL)

50 mg 群 − プラセボ群 −2.26 0.776 −3.864 −0.653

100 mg 群 − プラセボ群 −2.93 0.758 −4.497 −1.362

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.3.4.3

(5) 尿中グルコース排泄量,尿中グルコース排泄速度及び排尿量

尿中グルコース排泄量,尿中グルコース排泄速度及び排尿量の平均値(標準偏差)を表

2.7.6.20-12 に示した。

本剤群では,Day 14 の累積尿中グルコース排泄量(投与後 0~24 時間)はベースラインと比較

して顕著に増加した。変化量に,50 mg 群と 100 mg 群で明らかな差はみられなかった。一方,プ

ラセボ群では,Day 14 の累積尿中グルコース排泄量(投与後 0~24 時間)はベースラインからほ

とんど変化しなかった。

本剤群では,尿中グルコース排泄速度は Day 14 のすべての評価時点でベースラインと比較して

顕著に増加した。一方,プラセボ群では,尿中グルコース排泄速度は Day −1 と Day 14 で同程度

であった。

累積排尿量(投与後 0~24 時間)は,プラセボ群ではベースラインからほとんど変化しなかっ

たが,本剤群ではわずかに増加した。

520

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.20-12 尿中グルコース排泄量,尿中グルコース排泄速度及び排尿量の平均値(標準偏

差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

累積尿中グル

コース排泄量(mg)

Day −1(ベースライン)

0~24 h 26977.3 (35157.28) 29102.1 (33154.66) 23536.3 (29372.16)

Day 14 0~24 h 32260.2 (48834.99) 109716.9 (39876.59) 113197.0 (26067.86)

尿中グルコー

ス排泄速度(mg/h)

Day −1(ベースライン)

0~4 h 2257.07 (1823.711) 2705.84 (2998.998) 1954.21 (1666.694)

4~10 h 1193.33 (1672.081) 1639.71 (2173.432) 1153.82 (1948.420)

10~24 h 756.71 (1338.371) 585.06 (674.838) 619.64 (918.816)

Day 14 0~4 h 2241.76 (2494.323) 7078.79 (2676.031) 7307.35 (1570.702)

4~10 h 1770.05 (3048.804) 5916.92 (2517.225) 5944.68 (1726.709)

10~24 h 893.48 (1477.785) 3244.91 (1151.378) 3415.56 (968.720)

累積排尿量(mL)

Day −1(ベースライン)

0~24 h 2177.0 (817.65) 2034.4 (800.99) 2557.2 (1422.54)

Day 14 0~24 h 2116.0 (780.56) 2258.9 (1047.50) 2760.6 (1087.46)

平均値(標準偏差)

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.3.5.1.1 及び Table 12.3.5.2.1

(6) 尿中グルコース濃度

尿中グルコース濃度の平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-13 に示した。

本剤群では,尿中グルコース濃度は Day 14 のすべての評価時点でベースラインと比較して顕著

に上昇したが,プラセボ群では,ベースラインからほとんど変化しなかった。

表 2.7.6.20-13 尿中グルコース濃度の平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

尿中グルコース濃度(mg/dL)

Day −1

(ベース

ライン)

投与前 1164.3 (2280.30) 262.9 (357.41) 762.4 (1170.67)

4 h 2978.0 (2885.35) 2971.8 (2791.19) 2437.0 (2087.98)10 h 1123.2 (2539.84) 648.6 (888.88) 509.8 (887.07)24 h 982.4 (2775.39)a 188.1 (379.63) 298.4 (747.92)

Day 14 投与前 1499.2 (2808.64) 5080.0 (1543.66) 5998.9 (1485.20)

4 h 2736.7 (2969.44) 6292.2 (1423.63) 5385.6 (2278.31)10 h 1619.2 (3406.55) 4630.0 (2813.89) 4227.8 (2633.97)24 h 1033.9 (2764.84) 4607.8 (1875.79) 5058.9 (1862.98)

尿中グルコース濃度

/クレアチニン比(mg/g Cr)

Day −1

(ベース

ライン)

投与前 14529.498 (35787.0125) 2267.571 (2691.4660) 4487.199 (7156.8264)

4 h 64083.225 (96770.6348) 50247.134 (43727.7567) 34294.226 (36372.3009)10 h 22979.420 (61072.0271) 14487.766 (17655.0295) 10278.789 (22676.5467)24 h 7868.466 (22606.3772) a 1456.790 (2460.7556) 2179.055 (5227.2971)

Day 14 投与前 17558.017 (37109.5288) 60123.118 (21861.1787) 63757.158 (20641.4755)

4 h 71603.440 (118836.6604) 162655.183 (33512.4047) 118910.692 (45255.1564)10 h 38181.181 (89508.6478) 97099.278 (47798.5125) 81108.406 (30252.5487)24 h 14448.229 (43397.2240) 46433.134 (19279.2607) 51496.089 (15974.6392)

平均値(標準偏差)

a:N=9

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.3.6.1

521

Page 148: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

(7) 体重

体重の平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-14 に示した。

本剤群では,Day 14 及び Day 15 の体重はベースラインと比較してわずかに減少したが,後観察

時にはベースラインとほぼ同程度の値まで増加した。Day 15 の変化量は,50 mg 群と 100 mg 群で

同程度であった。プラセボ群では,試験期間を通じて体重はほとんど変化しなかった。

表 2.7.6.20-14 体重の平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

体重(kg)

Day −1 66.21 (8.261) 67.47 (13.120) 74.12 (14.304)

Day 1(ベースライン) 65.82 (7.946) 67.44 (12.959) 74.23 (14.176)

Day 14 65.98 (8.191) 66.31 (13.176) 73.24 (13.803)Day 15 65.62 (8.073) 65.93 (12.915) 73.04 (14.127)

後観察 65.44 (8.378) a 67.88 (14.173) 74.28 (14.019)

平均値(標準偏差)

a:N=9

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.3.7.1

2.7.6.20.6 その他の評価項目

(1) グリコアルブミン

グリコアルブミンの平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-15 に示した。

本剤群では,Day 15 のグリコアルブミンはベースラインと比較して低下したが,プラセボ群で

は,ベースラインからほとんど変化しなかった。

表 2.7.6.20-15 グリコアルブミンの平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

グリコアルブミン(%)

Day 1(ベースライン) 23.81 (4.837) 24.86 (4.471) 22.59 (6.001)

Day 15 24.27 (5.992) 22.22 (3.285) 20.84 (5.076)

平均値(標準偏差)

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.5.1.1

(2) クレアチニンクリアランス(CLcr)

CLcr の平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-16 に示した。

本剤群では,Day 15のCLcrは数値的にはベースラインと比較して低下したが,プラセボ群では,

CLcr はベースラインからほとんど変化しなかった。本剤が CLcr に及ぼす影響について明確な結論

は見出せなかった。

522

Page 149: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.20-16 クレアチニンクリアランスの平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

クレアチニンクリアランス(mL/min)

Day 1(ベースライン) 109.267 (24.8244) 140.724 (45.3350) 130.722 (44.1727)

Day 15 107.283 (29.5377) 125.419 (43.2036) 118.933 (36.3846)

クレアチニンクリアランス

(体表面積による補正値)(mL/min/1.73 m2)

Day 1(ベースライン) 112.767 (29.7210) 137.553 (33.4971) 122.092 (31.6221)

Day 15 110.216 (31.9665) 121.865 (31.7218) 110.998 (24.5696)

平均値(標準偏差)

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.5.2.1

(3) インタクトプロインスリン/インスリン比

インタクトプロインスリン/インスリン比の平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-17 に示した。

Day 15 のインタクトプロインスリン/インスリン比のベースラインからの変化量の平均値は,

プラセボ群 0.01,50 mg 群−0.05,100 mg 群−0.03 であった。

表 2.7.6.20-17 インタクトプロインスリン/インスリン比の平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

インタクトプロインスリン

/インスリン比

Day 1(ベースライン) 0.25 (0.145) 0.28 (0.149) 0.33 (0.263)

Day 15 0.27 (0.129)a 0.23 (0.100) 0.30 (0.188)

平均値(標準偏差)

a:N=9

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.5.3.1

(4) 飲水量

飲水量の平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-18 に示した。

Day 14 の飲水量のベースラインからの変化量の平均値は,プラセボ群 43.0 mL,50 mg 群

156.7 mL,100 mg 群 81.1 mL であった。

表 2.7.6.20-18 累積飲水量の平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9

飲水量(mL)

Day −1(ベースライン): 0~24 h 2038.0 (738.12) 1790.0 (846.91) 2362.2 (1310.38)

Day 14: 0~24 h 2081.0 (633.24) 1946.7 (1069.86) 2443.3 (1153.72)

平均値(標準偏差)

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.5.4.2.1

(5) eGFR

eGFR の平均値(標準偏差)を表 2.7.6.20-19 に示した。

523

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2.7.6個々の試験のまとめ

本剤群では,Day 15 の eGFR は数値的にはベースラインと比較して低下したが,本剤が eGFR

に及ぼす影響について明確な結論は見出せなかった。

表 2.7.6.20-19 eGFR の平均値(標準偏差)(PDAS)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=9 N=9eGFRa

(mL/min/1.73 m2)Day 1(ベースライン) 81.55 (16.584) 96.68 (20.158) 82.25 (17.461)

Day 15 85.29 (17.302) 89.42 (17.395) 77.33 (15.106)

平均値(標準偏差)

a:日本人の GFR 推算式:

eGFR(mL/min/1.73 m2)= 194 × 血清クレアチニン− 1 094 × 年齢−0 287

(女性の場合:194 ×血清クレアチニン− 1 094 × 年齢−0 287 × 0.739)

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.5.5.1

2.7.6.20.7 安全性

2.7.6.20.7.1 有害事象

本試験で認められた有害事象の要約を表 2.7.6.20-20 に示した。

有害事象は,50 mg 群で 5 例(50.0%),100 mg 群で 3 例(30.0%)に認められた。プラセボ群

では有害事象は認められなかった。

表 2.7.6.20-20 有害事象の要約(SAF)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=10 N=10

有害事象発現例数(発現率) 0 5 (50.0%) 3 (30.0%)

有害事象発現件数 0 7 3

副作用発現例数(発現率) 0 4 (40.0%) 2 (20.0%)

副作用発現件数 0 5 2

重篤な有害事象発現例数(発現率) 0 0 0

重篤な副作用発現例数(発現率) 0 0 0

低血糖関連の有害事象発現例数(発現率) 0 0 0

低血糖関連の副作用発現例数(発現率) 0 0 0

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.4.1.1, Table 12.4.1.2.1 及び Table 12.4.1.2.2

本試験で認められた有害事象の内訳を表 2.7.6.20-21 及び表 2.7.6.20-22 に示した。

本剤群では,8 例に 10 件有害事象が認められた。内訳は,50 mg 群が 5 例に 7 件,100 mg 群が

3 例に 3 件であった。プラセボ群では有害事象は認められなかった。有害事象の程度は,50 mg 群

の 1 例で認められた心筋梗塞(中等度)を除き,いずれも軽度と判定された。

524

Page 151: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.20-21 有害事象の内訳(SAF)

MedDRA/J version 10.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=10 N=10

すべての有害事象 0 5 (50.0%) 3 (30.0%)

心臓障害 0 1 (10.0%) 0

心筋梗塞 0 1 (10.0%) 0

感染症および寄生虫症 0 1 (10.0%) 0

鼻咽頭炎 0 1 (10.0%) 0

臨床検査 0 1 (10.0%) 1 (10.0%)

血中ケトン体増加 0 1 (10.0%) 1 (10.0%)

筋骨格系および結合組織障害 0 1 (10.0%) 0

関節炎 0 1 (10.0%) 0

神経系障害 0 1 (10.0%) 0

頭痛 0 1 (10.0%) 0

皮膚および皮下組織障害 0 2 (20.0%) 2 (20.0%)

発疹 0 1 (10.0%) 1 (10.0%)

皮膚潰瘍 0 0 1 (10.0%)

中毒性皮疹 0 1 (10.0%) 0

発現例数(発現率)

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.4.1.1 及び Table 12.4.1.3.1

表 2.7.6.20-22 有害事象の内訳(件数)(SAF)

MedDRA/J version 10.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

すべての有害事象 0 7 3

心臓障害 0 1 0

心筋梗塞 0 1 0

感染症および寄生虫症 0 1 0

鼻咽頭炎 0 1 0

臨床検査 0 1 1

血中ケトン体増加 0 1 1

筋骨格系および結合組織障害 0 1 0

関節炎 0 1 0

神経系障害 0 1 0

頭痛 0 1 0

皮膚および皮下組織障害 0 2 2

発疹 0 1 1

皮膚潰瘍 0 0 1

中毒性皮疹 0 1 0

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.4.1.2.1 及び Table 12.4.1.4.1

本試験で認められた副作用の内訳を表 2.7.6.20-23 及び表 2.7.6.20-24 に示した。

副作用は,本剤群で 7 件認められた。認められた副作用の内訳は,50 mg 群の心筋梗塞,血中

ケトン体増加,関節炎,発疹,中毒性皮疹各 1 件,100 mg 群の血中ケトン体増加,発疹各 1 件で

あった。

525

Page 152: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.20-23 副作用の内訳(SAF)

MedDRA/J version 10.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=10 N=10

すべての副作用 0 4 (40.0%) 2 (20.0%)

心臓障害 0 1 (10.0%) 0

心筋梗塞 0 1 (10.0%) 0

臨床検査 0 1 (10.0%) 1 (10.0%)

血中ケトン体増加 0 1 (10.0%) 1 (10.0%)

筋骨格系および結合組織障害 0 1 (10.0%) 0

関節炎 0 1 (10.0%) 0

皮膚および皮下組織障害 0 2 (20.0%) 1 (10.0%)

発疹 0 1 (10.0%) 1 (10.0%)

中毒性皮疹 0 1 (10.0%) 0

発現例数(発現率)

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.4.1.1 及び Table 12.4.1.3.2

表 2.7.6.20-24 副作用の内訳(件数)(SAF)

MedDRA/J version 10.1器官別大分類

基本語

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

すべての副作用 0 5 2

心臓障害 0 1 0

心筋梗塞 0 1 0

臨床検査 0 1 1

血中ケトン体増加 0 1 1

筋骨格系および結合組織障害 0 1 0

関節炎 0 1 0

皮膚および皮下組織障害 0 2 1

発疹 0 1 1

中毒性皮疹 0 1 0

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.4.1.2.2 及び Table 12.4.1.4.2

2.7.6.20.7.2 死亡,その他の有害事象

本試験では,死亡は認められなかった。

治験薬投与中に重篤な有害事象は認められなかったが,50 mg 群の 1 例で認められた心筋梗塞

が試験完了後に重篤な有害事象の基準に該当した。本事象は治験薬との関連性を「関連あるかも

しれない」と判定された。

試験完了後に重篤な有害事象の基準に該当した有害事象の叙述を別添に示した。

2.7.6.20.7.3 中止に至った有害事象

本試験で認められた中止に至った有害事象の一覧を表 2.7.6.20-25 に示した。

526

Page 153: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

中止に至った有害事象は,50 mg 群の 1 例に 1 件(中毒性皮疹),100 mg 群の 1 例に 1 件(発疹)

認められた。いずれの事象も治験薬との関連性が否定されなかった。また,いずれの事象も程度

は軽度であり,回復が確認された。

表 2.7.6.20-25 中止に至った有害事象の一覧(SAF)

被験者番号

投与群

性別

年齢

中止に至った有害事象

(MedDRA 基本語)

発現日

終了日

転帰 程度 重篤度 治験薬との

関連性S00126

50 mg 群女性

48 歳

中毒性皮疹 Day 12Day 20

回復 軽度 非重篤 多分(おそら

く)関連ありS00209

100 mg 群男性

49 歳

発疹 Day 2Day 21a

軽快 軽度 非重篤 多分(おそら

く)関連あり

MedDRA/J version 10.1

a:後観察期間に回復が確認された。

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Listing 13.2.7.3,Section 9.1.2.4

2.7.6.20.7.4 注目すべき有害事象

本試験では,本剤の注目すべき有害事象である尿路感染症関連の有害事象,性器感染症関連の

有害事象及び低血糖関連の有害事象は認められなかった。

2.7.6.20.7.5 臨床検査値

本剤投与開始後に総ケトン体,アセト酢酸及び 3-ヒドロキシ酪酸の平均値の上昇が認められた

が,後観察期終了時までにベースライン値と同程度まで低下した。これらのパラメータの経時推

移を表 2.7.6.20-26 に示した。

その他のパラメータに顕著な変化は認められなかった。

表 2.7.6.20-26 総ケトン体,アセト酢酸及び 3-ヒドロキシ酪酸の経時変化(SAF)

プラセボ ASP194150 mg 100 mg

N=10 N=10 N=10

総ケトン体(μmol/L)

Day 1 110.92(140.696) 78.16(52.898) 98.81(75.087)Day 15 125.26(170.368) 268.77(174.564)a 365.11(264.306)a

最終時点 125.26(170.368) 268.77(174.564)a 347.60(255.269)

後観察 80.79(68.425)a 51.16(26.533) 44.71(16.537)

アセト酢酸(μmol/L)

Day 1 34.83(39.923) 25.63(15.139) 31.64(22.601)Day 15 38.87(46.316) 74.30(47.017)a 100.33(72.683)a

最終時点 38.87(46.316) 74.30(47.017)a 97.00(69.332)

後観察 24.57(17.967)a 16.82(7.633) 15.62(5.557)

3-ヒドロキシ酪酸(μmol/L)

Day 1 76.17(100.866) 52.54(38.407) 67.17(53.089)Day 15 86.39(124.083) 194.47(129.200)a 264.78(192.526)a

最終時点 86.39(124.083) 194.47(129.200)a 250.60(186.971)

後観察 56.22(50.640)a 34.63(18.863) 29.22(11.644)

平均値(標準偏差)

a:N=9

527

Page 154: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

基準値:総ケトン体(26.0~122.0 μmol/L),アセト酢酸(13.0~69.0 μmol/L),3-ヒドロキシ酪酸(~76.0 μmol/L)

Source:CL-0070 総括報告書(5.3.4.2-1)Table 12.4.2.1.2-3 及び Listing 13.2.8.2

2.7.6.20.7.6 バイタルサイン

試験期間中,いずれの投与群でも血圧及び脈拍数にベースラインからの顕著な変化は認められ

なかった。

2.7.6.20.7.7 心電図

心筋梗塞(重篤な有害事象)に伴う臨床的に重要な心電図異常が 50 mg 群の 1 例で認められた。

2.7.6.20.8 結論

● 本剤 50 mg 群に対して 100 mg 群では,未変化体の Cmaxの平均値は 1.7 倍,AUC24hの平均値

は 1.9 倍に上昇した。tmax,t1/2 及び CL/F は 50 mg 群と 100 mg 群で同程度であった。未変化体

の尿中排泄率は,50 mg,100 mg 群ともに小さかった。

● 本剤群では,いずれの評価時点でも Day 14(投与開始後 2 週間)の血糖値は,Day −1(ベー

スライン)と比較して低かった。血糖値 AUC3h,血糖値 AUC24h及び空腹時血糖値は,本剤両

群ともにプラセボ群との差の 95%信頼区間の上限は 0 h•mg/dL を下回った。本剤は,2 型糖尿

病患者の随時血糖だけではなく空腹時血糖値も低下させ,1 日を通じて血糖をコントロール

することが示唆された。

● 本剤群では,ほとんどの評価時点でDay 14 のインスリンの平均値がDay −1 と比較して低かっ

た。インスリン AUC3hはすべての群でベースラインから変化しなかったが,インスリン

AUC24hは本剤群でベースラインと比較して低下した。空腹時インスリンは,本剤両群ともに

プラセボ群との差の 95%信頼区間の上限は 0 h•mg/dL を下回った。

● 累積尿中グルコース排泄量は,本剤群ではベースラインと比較して顕著に増加したが,プラ

セボ群ではほとんど変化せず,2 型糖尿病患者での本剤の尿中グルコース排泄作用が示唆さ

れた。

● 血糖値,インスリン及び累積尿中グルコース排泄量は,50 mg 群と 100 mg 群で明らかな差は

みられなかった。

● 累積排尿量は,本剤群でベースラインと比較してわずかに増加した。

● 体重は,本剤群でベースラインと比較して Day 14 及び Day 15 にわずかに減少したが,後観

察時にはベースラインとほぼ同程度の値まで増加した。

● 有害事象は,50 mg 群で 5 例(50.0%),100 mg 群で 3 例(30.0%)に認められた。プラセボ

群では有害事象は認められなかった。50 mg 群の 1 例で認められた心筋梗塞(中等度)を除

き,有害事象の程度はいずれも軽度と判定された。治験薬投与中に重篤な有害事象は認めら

れなかったが,50 mg 群の 1 例で認められた有害事象(心筋梗塞)が,試験完了後に重篤な

528

Page 155: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

有害事象の基準に該当した。尿路感染症関連の有害事象,性器感染症関連の有害事象及び低

血糖関連の有害事象は認められなかった。

● 本剤投与開始後に総ケトン体,アセト酢酸及び 3-ヒドロキシ酪酸の平均値の上昇が認められ

たが,血糖は良好にコントロールされており,グルコース排泄に伴う脂肪酸代謝が亢進した

可能性が考えられた。インスリン枯渇状態によるものではなく,安全性に問題はないと考え

られた。その他のパラメータに顕著な変化は認められなかった。

● いずれの投与群でも血圧及び脈拍数にベースラインからの顕著な変化は認められなかった。

529

Page 156: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.21 第 II 相用量設定試験[CL-0103](添付資料 5.3.5.1-1)

2.7.6.21.1 試験方法の概略

治験課題名:ASP1941 第 II 相試験-2 型糖尿病患者を対象としたプラセボ対照二重盲検並行群

間比較用量反応性試験-

治験実施医療機関:日本 39 施設

公表文献:なし

治験期間:

治験開始日:2008 年 3 月

治験終了日:2009 年 3 月

開発のフェーズ:第 II 相

目的:

2 型糖尿病患者を対象に,ASP1941(以下,本剤)4 用量(12.5,25,50 又は 100 mg)又はプラセ

ボを 1 日 1 回 12 週間投与したときの,有効性及び安全性について用量反応性を検討した。また,

薬物動態についても合わせて検討した。

治験デザイン・治験方法:

本試験は,2 型糖尿病患者を対象としたプラセボ対照,多施設共同,二重盲検並行群間比較,用

量反応性試験として実施した。

被験者は 4 週間のスクリーニング期と,単盲検下,2 週間のプラセボ run-in 期を経て,本剤(12.5,

25,50 又は 100 mg)の 4 群又はプラセボ群のいずれかに割り付けられた。その後,二重盲検下で

治験薬を 12 週間服用した(治療期)。治験薬服用終了後,1 週間以上,6 週間以内の後観察期を設

けた。

なお,本試験では,HbA1c 値の表記として Japan Diabetes Society(JDS)値を用いた。

目標被験者数:310 例(各群 62 例)

【設定根拠】

主要な解析で用いる,治療期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化量は,既存の

糖尿病薬の試験結果から,臨床的に意味のある効果を 0.8%から 1.0%と想定し,下表のように仮

定した。また,標準偏差は,日本における 2 型糖尿病薬の試験結果を参考に,各群共通で 1.5%と

仮定した。

各投与群の治療期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化量(仮定)

a:各パターンにおいて,プラセボ群との差が−0.8%以下となる本剤最低用量群での変化量

以上の条件のもとで,プラセボ群との差が−0.8%以下となる本剤の最低用量群(ターゲット群)

までプラセボ群に対する優越性が認められることを目的としたシミュレーションを実施した。シ

ミュレーション回数を 10000 回とし,プラセボ群とターゲット群の治療期最終時点における

HbA1c 値のベースラインからの変化量が等しいという帰無仮説に対する棄却回数を算出した。そ

の結果,上記のどのパターンに対しても検出力を 80%確保するためには,1 群あたり 62 例が必要

となった。以上のことから,解析被験者数として 1 群あたり 62 例に設定した。

530

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2.7.6個々の試験のまとめ

診断及び選択・除外基準:

以下の選択基準のすべてを満たし,かつ除外基準のいずれにも該当しない場合,本試験の対象

とした。

1.選択基準

<同意取得時の確認事項>

(1) 同意取得時の年齢が 20 歳以上 75 歳未満の外来患者で,性別不問

<Visit 1 の確認事項>

(2) Visit 1 又はそれより前に,文書による同意が得られている患者

(3) Visit 1 の時点で,2 型糖尿病と診断されてから 12 週(84 日)以上経過している患者

(4) 食事・運動療法のみで治療されている患者,若しくは単剤又は低用量の 2 剤(それぞれ薬剤

の投与量は最大承認用量の 50%以下)の経口血糖降下薬を服用している患者で,治験期間(ス

クリーニング期から治療期まで,合わせて 18 週間)に当該薬剤の服用を安全に中止すること

が可能であると治験担当医師によって判断され,かつこれに同意した患者

(5) Visit 1 の空腹時血中 C-ペプチドの値が 0.6 ng/mL を超える患者(治験担当医師は,Visit 1 の

時点で,被験者が Visit 2 の選択基準を満たし,除外基準には抵触しないことが可能と見込ま

れることを確認した。)

<Visit 2 の確認事項>

(6) Visit 2 の HbA1c 値が 7.0%以上 10.0%以下,かつ Visit 1 と Visit 2 の HbA1c 値の変化量が±1.0%

以内の患者

(7) Visit 2 の BMI が 20.0 kg/m2 以上 45.0 kg/m2 以下の患者

2.除外基準

<Visit 1 の確認事項>

(1) 病期の進んだ糖尿病性合併症†(細小血管障害として腎症,網膜症,神経障害,及び大血管障

害)を有する患者

(2) 1 型糖尿病の患者

(3) Visit 1 から遡って 12 週(84 日)以内にインスリンの投与を受けた患者

(4) 腎血管閉塞性疾患,腎摘出,腎移植等,医学的に重要な腎疾患の既往を有する患者

(5) 神経因性膀胱や前立腺肥大症等により,明らかな排尿障害を合併している患者

(6) 尿路感染症を繰り返し発現している患者,及び Visit 1 に尿路感染症を有する患者

(7) 副腎皮質ステロイド製剤,免疫抑制剤等を継続的に使用(内服,注射,吸入)する必要のあ

る慢性疾患を有する患者

(8) Visit 1 から遡って 24 週(168 日)以内に,不安定狭心症,心筋梗塞,血管形成術,重篤な心

疾患(NYHA Class II-IV)の既往がある患者,又は本剤の投与や安全性の評価に影響を与える

と治験担当医師が判断するような心疾患を合併している患者

(9) 不安定な精神医学的疾患を有する患者

(10) 妊娠を希望している女性,治験期間中に適切な避妊方法を施行できない閉経前の女性,妊娠

している女性,又は授乳中の女性

(11) 重症感染症,手術前後,重篤な外傷のある患者

(12) 薬物中毒,又はアルコール依存症の患者

(13) 悪性腫瘍を合併している患者

(14) 過去に本剤やその類薬(SGLT 阻害作用を有する治験薬)に対してアレルギー反応を示した

患者

(15) 過去に本剤の投与(観察期プラセボを除く)を受けた患者

(16) 文書同意取得日から遡って 12 週(84 日)以内に,他の医療用医薬品・医療機器の治験又は

製造販売後臨床試験に参加した経験のある患者,又は現在参加している患者

(17) 本試験で規定した来院や服薬ルール等,被験者が遵守すべき事項をひとつでも遵守できない

531

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2.7.6個々の試験のまとめ

患者,又はこれに同意しない患者(治験担当医師は,Visit 1 の時点で,被験者が Visit 2 の選

択基準を満たし,除外基準には抵触しないことが可能と見込まれることを確認した。)

<Visit 2 の確認事項>

(18) Visit 2 の血清クレアチニン値が基準値上限を超える患者

(19) Visit 2 の尿検査で尿蛋白が陽性を示す患者,又は尿中のアルブミン/クレアチニン比が

300 mg/g クレアチニンを超える患者

(20) Visit 2 の AST 値及び ALT 値が基準値上限の 3 倍を超える患者

(21) Visit 1 から Visit 2 までに尿路感染症を発現した患者,又は Visit 2 に尿路感染症を有する患者

(22) 血圧のコントロールが不良の患者(Visit 2 の 5 分間安静後の坐位の収縮期血圧が 170 mmHg

を超える,又は拡張期血圧が 95 mmHg を超える患者)

(23) Visit 2 に重篤な消化管障害を合併している患者,又は重篤な消化管障害の手術歴を有する患

(24) ケトーシス(Visit 2 に尿検査でケトン体が 1+以上),糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者

(25) Visit 2 の妊娠検査(尿)で陽性を示した閉経前の女性

(26) その他,治験担当医師により,本試験に組み入れるのが不適当と判断された患者

†:本試験では,「病期の進んだ糖尿病性合併症を有する患者」を以下のように定義した。

(1) 糖尿病性神経障害:糖尿病性多発神経障害の簡易診断基準にて糖尿病性多発神経障害と診断された患者のう

ち,明らかな自覚症状(強度のしびれ・異常感覚,疼痛等の症状,又は投薬や神経ブロック等対症療法を必要

とする症状)がある患者,又は糖尿病性自律神経障害(起立性低血圧や胃不全麻痺)を有する患者

(2) 糖尿病性網膜症:増殖性網膜症,又は治療が必要か治験期間中に治療を予定している黄斑浮腫を合併している

患者

(3) 糖尿病性腎症:血清クレアチニンが 2.0 mg/dL 以上,又は尿中アルブミン/クレアチニン比が 500 mg/g クレア

チニン以上の患者(ただし,本試験では,血清クレアチニンについては基準値上限を超える患者(除外基準の

18),尿中アルブミン/クレアチニン比については 300 mg/g クレアチニンを超える患者(除外基準の 19)は

除外される)

(4) 糖尿病性大血管障害:Visit 1 から遡って 24 週(168 日)以内に,不安定狭心症,心筋梗塞,血管形成術の既往

を有する患者

治験薬,投与量及び投与方法:

1.治験薬及びロット番号

(1) 評価期間前観察期間(プラセボ run-in 期)用薬剤

観察期用 ASP1941 錠 12.5 mg プラセボ:ASP1941 を含有しないフィルムコート錠

観察期用 ASP1941 錠 50 mg プラセボ:ASP1941 を含有しないフィルムコート錠

ロット番号(共通):07058C,07058E,08054B,08054D

(2) 被験薬

ASP1941 錠 12.5 mg:ASP1941 として 12.5 mg を含有するフィルムコート錠

ASP1941 錠 50 mg:ASP1941 として 50 mg を含有するフィルムコート錠

ロット番号(共通):1941-CL-0103

(3) 対照薬

ASP1941 錠 12.5 mg プラセボ:ASP1941 を含有しないフィルムコート錠

ASP1941 錠 50 mg プラセボ:ASP1941 を含有しないフィルムコート錠

ロット番号(共通):1941-CL-0103

2.投与量及び投与方法

(1) 評価期間前観察期間(プラセボ run-in 期)

プラセボを 1 日 1 回朝食前に 2 週間経口投与した。

(2) 治療期

本剤(12.5,25,50 又は 100 mg)又はプラセボのいずれかを,1 日 1 回朝食前に 12 週間経口

532

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2.7.6個々の試験のまとめ

投与した。

【設定根拠】

(1) 投与量の設定根拠

日本人健康成人男性を対象とした第 I 相試験[CL-0101]において,7 日間反復投与にて安全性が

確認され,また尿中グルコース排泄作用が最大に達したと考えられる 100 mg を最高用量として設

定した。100 mg から公比 2 で減じて投与量を設定し,50,25 及び 12.5 mg とした。最低投与量は,

健康成人男性で明確な尿中グルコース排泄作用が確認された 10 mg に近い用量として 12.5 mg と

した。本剤では 2 型糖尿病患者に対する投与経験がないため,健康成人男性で尿中へのグルコー

ス排泄が最大となる用量(100 mg)から,尿中へのグルコース排泄が確認できる下限の用量

(12.5 mg)までをカバーした。

(2) 投与方法の設定根拠

第 I 相試験[CL-0101]で,日本人健康成人男性に本剤を 7 日間反復投与したときの血漿中未変化

体濃度の持続性と尿中グルコース排泄作用を考慮したところ,1 日 1 回経口投与が妥当であると

考えられたため設定した。本剤は朝食時の食後血糖値の上昇も抑制できる可能性があるため,本

試験では服用タイミングを朝食前として設定した。

(3) 投与期間の設定根拠

主要評価項目である HbA1c 値を評価するために必要な投与期間として 12 週を設定した。2 型糖

尿病薬の前投与の影響を少なくするため,スクリーニング期とプラセボ run-in 期を合わせて 6 週

間設定した。また,投与開始初期のプラセボ効果を軽減するために,2 週間のプラセボ run-in 期

を設定した。

評価期間:

評価期間前観察期間:6 週間(スクリーニング期:4 週間,プラセボ run-in 期:2 週間)

治験薬投与期間(治療期):12 週間

投与後観察期間(後観察期):1~6 週間

併用治療(薬剤及び療法):

(1) 併用禁止薬

Visit 1 の来院から Visit 7 の来院終了まで,経口血糖降下薬及びインスリンの投与を禁止した。な

お,Visit 7 の来院終了後は経口血糖降下薬及びインスリンの投与を可能とした。

(2) 条件付併用可能薬

Visit 1 の来院から Visit 7 の来院終了まで,リウマチ,喘息等の慢性疾患のための副腎皮質ステロ

イド製剤及び免疫抑制剤の継続的投与(内服,注射,吸入)を禁止した。ただし,塗布等の局所

使用の場合や,一時的な場合は使用を認めた。

(3) 併用禁止療法

Visit 1 の来院から Visit 7 の来院終了まで,食事療法の内容変更及び糖尿病の治療を目的とした入

院療法を禁止した。

533

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2.7.6個々の試験のまとめ

評価項目,評価スケジュール及び評価基準:

1.評価スケジュール観察期

治療期 後観察期スクリー

ニング期

プラセボ

run-in 期

Visit 1 2 3a 4 5 6 7/中止時 8

来院日(週) −6 −2 0 2 4 8 12/中止時Visit 7 又は

中止時 + 1

来院日 b(日目) −42 −14 1 15 29 57 85/中止時Visit 7 又は

中止時 + 7

来院時期の許容範囲(日目) −49~−35 −21~−7 1 8~22 23~36 50~64 78~99c

Visit 7 又は

中止時

+7~+42

同意取得 Xd

患者背景調査 X X

選択除外基準確認 X X

登録・割り付け Xe

身長・体重・バイタルサイン f X X X X X X X X

身体所見 X X X X X X X X

12 誘導心電図 X X X X X X

妊娠検査(閉経前の女性のみ) X X

観察期用治験薬の処方 X

治療期用治験薬の処方 X X X X

服薬状況確認 X X X X X

併用薬調査 X X X X X X

有害事象調査 g X X X X X X X

血液学的検査

血液生化学検査

尿検査(細菌を除く)g

X X X X X X X X

尿検査(細菌)g X X

HbA1c 測定 X X X X X X X

空腹時血糖値測定 X X X X X X X X

空腹時血中 C-ペプチド測定 X

空腹時インスリン測定

レプチン測定

アディポネクチン測定

X X X X X

血漿中未変化体濃度測定 X X X X X

a:Visit 3 の値をベースラインとした。

b:治療期用治験薬初回処方日(Visit 3)を 1 日目とし,その前日を−1 日目とした。被験者は来院日には朝食を摂らず,又治験

薬を服用しないで午前中に来院した。

c:Visit 7 の来院時期の許容範囲のみを示した。

d:同意取得は Visit 1 の検査前に実施した。

e:登録・治験薬の割り付けは Visit 2~Visit 3 間に実施した。

f:身長は Visit 1 のみ測定した。

g:尿路感染症が疑われる場合は,規定外の来院であっても,可能な限り尿検査(沈渣と細菌)を実施した。

2.有効性

主要評価項目

・HbA1c 値

副次評価項目

・空腹時血糖値,空腹時インスリン,レプチン,アディポネクチン,体重,HOMA-R,HOMA-β

534

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2.7.6個々の試験のまとめ

3.薬物動態

・血漿中未変化体濃度

4.安全性

有害事象,バイタルサイン,臨床検査値,12 誘導心電図,eGFR

治験薬を服用した後(プラセボ run-in 期以降)に発現した有害事象を調査対象とした。なお,尿

糖の陽性は本剤の作用メカニズムによる変化と考えられるため,有害事象とはしないこととした。

有害事象と治験薬との関連性は以下の基準により判定し,「関連あるかもしれない」又は「多分(お

そらく)関連あり」のいずれかに該当したものを,「治験薬との関連性が否定できない有害事象(副

作用)」と定義した。

治験薬との関連性 関連性判定基準

否定できる 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的関係から因果関係がありそうにないと思われ

る場合や,他の薬剤や合併症・基礎疾患等により説明ができる場合

関連あるかもしれ

ない

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係があるが,以下の項目のいず

れかに該当する場合

・要因として合併症・基礎疾患や他の薬剤による説明もできる場合

・投与中止に関する情報が不明確な場合

多分(おそらく)関

連あり

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係がある場合や,以下の項目に

該当する場合

・再投与により再発又は投与中止により消失又は軽快をしめす場合

・合併症・基礎疾患や他の薬剤では説明ができない,又はそれらによる可能性が考えに

くい場合

有害事象の程度は,平成 4 年 6 月 29 日薬安第 80 号添付「医薬品等の副作用の重篤度分類基準に

ついて」のグレードを参考に判定した。この基準に規定されていない項目については,以下に従っ

て判定した。

・軽度:日常の活動に支障がないもの

・中等度:日常の活動に支障があるもの

・重度:日常の活動が不可能になるもの

統計解析:

1.解析対象集団

(1) Full analysis set(FAS)

治療期中に治療期用治験薬を 1 回以上服用し,治療期用治験薬投与後に有効性に関する評価項目

が 1 項目でも測定されている被験者を FAS とした。

(2) Per protocol set(PPS)

FAS に含まれる被験者のうち,以下の基準を満たす被験者を PPS とした。ただし,2)~6)の基準

を満たさない場合でも,効果不十分にて中止した被験者については,PPS に含めることとした。

1) 選択基準に合致し,除外基準に抵触しない被験者

2) 治療期用治験薬の投与期間が 56 日以上の被験者

3) 治療期用治験薬の服薬率が 80%以上の被験者

4) 併用禁止薬が使用されなかった被験者

5) 条件付併用可能薬が使用されなかった被験者,又は条件の範囲内で使用された被験者

6) その他,重大な治験実施計画書違反がなかった被験者

(3) 薬物動態解析対象集団[Pharmacokinetics analysis set(PKAS)]

治療期用治験薬を 1 回以上服用し,1 時点以上の血漿中未変化体濃度測定値を有し,かつ来院日

の採血日時と直近の服薬日時が記録された被験者を薬物動態解析の対象とした。

535

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2.7.6個々の試験のまとめ

(4) 安全性解析対象集団[Safety analysis set(SAF)]

治療期用治験薬を 1 回以上服用している被験者を安全性解析対象集団とした。

2.被験者背景及びその他の基準値

FAS,PPS,PKAS 及び SAF の解析を行った。

被験者背景項目,スクリーニング期間及びプラセボ run-in 期間の HbA1c 値及び空腹時血糖値につ

いて,投与群別に度数集計あるいは要約統計量を算出した。

3.有効性

主要評価項目(HbA1c 値):

(1) 主要な解析

治療期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化量について,ベースラインを共変量

とした共分散分析を用いて,閉手順に基づき高用量群から順にプラセボとの対比較を行った(有

意水準両側 0.05)。

(2) 副次的な解析

1) PPS についても,主要な解析と同様の解析を行った。

2) HbA1c 値の実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び治療期最終時点

の要約統計量を投与群ごとに算出した。

3) 各評価時点及び治療期最終時点において,HbA1c 値が 7.0%未満,6.5%未満の被験者の例数,

割合を投与群ごとに算出した。

副次評価項目:

(1) 空腹時血糖値

主要評価項目と同様の解析を行った(ただし,副次的な解析の 3)を除く)。

(2) 空腹時インスリン,レプチン,アディポネクチン,体重,HOMA-R,HOMA-β

各項目の実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び治療期最終時点の要約

統計量を投与群ごとに算出した。

4.薬物動態

PKAS について,血漿中未変化体濃度測定値を用いて,母集団薬物動態パラメータの推定並びに

要約統計量の集計を行った。

5.安全性

(1) 有害事象

治療期用治験薬の服用開始後に発現した有害事象を解析の対象とし,以下の解析を行った。

・有害事象の有無及び副作用の有無について,例数及び割合を投与群ごとに算出した。

・有害事象の各事象について,器官別大分類(SOC)別,基本語(PT)別,程度別に,例数及び

割合を投与群ごとに算出した。

(2) 臨床検査値

・計量値項目について,各測定時点の実測値の要約統計量を投与群ごとに算出した。

・計数値項目について,治療期開始時(ベースライン)と各測定時点のクロス表を投与群ごとに

作成した。

(3) バイタルサイン

・各測定時点の実測値の要約統計量を投与群ごとに算出した。

報告書の日付: 年 月 日

536

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2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.21.2 被験者の内訳及び解析対象集団

2.7.6.21.2.1 被験者の内訳

本試験の被験者の内訳を図 2.7.6.21-1 に示した。

本試験では,試験参加の同意が得られた 719 例のうち,144 例がプラセボ run-in 期前に,214 例

がプラセボ run-in 期に中止となり,361 例が本剤群又はプラセボ群のいずれかに割り付けられた。

このうち,治療期用治験薬投与完了例はプラセボ群 59 例,12.5 mg 群 67 例,25 mg 群 70 例,50 mg

群 67 例,100 mg 群 68 例の合計 331 例であった。治療期用治験薬投与開始後の中止の主な理由及

び被験者数は,有害事象 8 例(プラセボ群 2 例,25 mg 群 1 例,50 mg 群 2 例,100 mg 群 3 例),

対象疾患の悪化 8 例(プラセボ群 4 例,12.5 mg 群 3 例,25 mg 群 1 例)及び同意の撤回 8 例(12.5 mg

群 3 例,25 mg 群 2 例,50 mg 群 3 例)であった。

537

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2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.21-1 被験者の内訳

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)図 6-1

2.7.6.21.2.2 解析対象集団

解析対象集団の内訳を表 2.7.6.21-1 に示した。

本試験の FAS は,プラセボ群 69 例,12.5 mg 群 73 例,25 mg 群 74 例,50 mg 群 72 例,100 mg

群 72 例であった。FAS 除外例は 12.5 mg 群の 1 例のみであり,投与後の有効性データが存在しな

538

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2.7.6個々の試験のまとめ

いため除外とした。PPS 除外例はプラセボ群 4 例,12.5 mg 群 5 例,25 mg 群 3 例,50 mg 群 5 例,

100 mg 群 3 例であり,主な PPS 除外理由は投与期間不足であった。

表 2.7.6.21-1 解析対象集団の内訳

項目 投与群 プラセボ群ASP1941

12.5 mg 群 25 mg 群 50 mg 群 100 mg 群FAS 採用 69(100.0%) 73(98.6%) 74(100.0%) 72(100.0%) 72(100.0%)

除外 0 1(1.4%) 0 0 0

合計 69 74 74 72 72

PPS 採用 65(94.2%) 69(93.2%) 71(95.9%) 67(93.1%) 69(95.8%)

除外 4(5.8%) 5(6.8%) 3(4.1%) 5(6.9%) 3(4.2%)

合計 69 74 74 72 72

SAF 採用 69(100.0%) 74(100.0%) 74(100.0%) 72(100.0%) 72(100.0%)

除外 0 0 0 0 0

合計 69 74 74 72 72

PKAS 採用 69(100.0%) 74(100.0%) 74(100.0%) 72(100.0%) 72(100.0%)

除外 0 0 0 0 0

合計 69 74 74 72 72

例数(割合)

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.1-3

2.7.6.21.3 人口統計学的及び他の基準値の特性

本試験の人口統計学的特性を表 2.7.6.21-2 に,HbA1c 値及び空腹時血糖値のベースライン値を

表 2.7.6.21-3 に示した。

群間で背景因子に大きな差はなかった。また,ベースラインの HbA1c 値及び空腹時血糖値はい

ずれの群もほぼ同様であった。

539

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-2 人口統計学的特性:FAS

項目 プラセボ群ASP1941

12.5 mg 群 25 mg 群 50 mg 群 100 mg 群

性別 n(%) 男性 49(71.0%) 43(58.9%) 49(66.2%) 43(59.7%) 49(68.1%)

女性 20(29.0%) 30(41.1%) 25(33.8%) 29(40.3%) 23(31.9%)

年齢[同意取得時]

(歳)

N 69 73 74 72 72

平均値 55.2 55.3 57.0 55.9 56.0

標準偏差 9.74 10.15 10.44 11.39 10.40

範囲 32–72 30–73 31–74 30–74 26–72

身長[同意取得時]

(cm)

N 69 73 74 72 72

平均値 163.80 162.44 162.60 162.11 162.51

標準偏差 9.014 9.806 9.766 8.529 9.788

範囲 144.0–181.0 139.4–181.7 144.1–189.0 144.6–183.3 138.2–183.7

体重[同意取得時]

(kg)

N 69 73 74 72 72

平均値 67.43 67.72 69.55 67.97 68.66

標準偏差 10.737 12.886 14.650 11.955 12.430

範囲 46.8–98.4 46.2–111.1 48.8–128.0 49.8–105.4 44.8–100.4

BMI[同意取得時]

(kg/m2)

N 69 73 74 72 72

平均値 25.12 25.56 26.17 25.78 25.93

標準偏差 3.378 3.505 4.022 3.463 3.793

範囲 19.9–36.4 19.8–33.7 19.3–38.2 19.7–35.4 19.1–40.6

罹病期間[同意取得時]

(カ月)

N 69 73 73 72 72

平均値 75.7 75.8 76.9 79.7 93.6

標準偏差 66.54 62.24 59.72 81.31 87.85

範囲 5–308 4–281 6–334 4–460 4–464

飲酒習慣 a n(%) なし 31(44.9%) 26(35.6%) 26(35.1%) 36(50.0%) 38(52.8%)

LEVEL1 26(37.7%) 32(43.8%) 35(47.3%) 25(34.7%) 27(37.5%)LEVEL2 12(17.4%) 15(20.5%) 13(17.6%) 11(15.3%) 7(9.7%)LEVEL3 0 0 0 0 0

糖尿病に対する前治療

薬の有無 n(%)

なし 39(56.5%) 32(43.8%) 40(54.1%) 43(59.7%) 34(47.2%)

あり 30(43.5%) 41(56.2%) 34(45.9%) 29(40.3%) 38(52.8%)

eGFR[治療期開始時

(ベースライン)]b

(mL/min/1.73 m2)

N 69 74 74 72 72

平均値 96.26 91.39 94.13 93.44 89.53

標準偏差 19.906 17.448 19.375 20.349 18.105

a:飲酒量は以下の 3 レベルに分類した。

LEVEL1:ビール中ビン 1 本未満/清酒 1 合未満/ウイスキー・ブランデー60mL 未満/焼酎(35 度)90mL 未満

/ワイン 240mL 未満

LEVEL2:ビール中ビン 1 本以上 3 本未満/清酒 1 合以上 3 合未満/ウイスキー・ブランデー60mL 以上 180mL 未

満/焼酎(35 度)90mL 以上 270mL 未満/ワイン 240mL 以上 720mL 未満

LEVEL3:ビール中ビン 3 本以上/清酒:3 合以上/ウイスキー・ブランデー180mL 以上/焼酎(35 度)270mL 以

上/ワイン 720mL 以上

b:eGFR[治療期開始時(ベースライン)]の解析対象集団のみ SAF

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.1-11,表 12.1-15,表 12.4-42,治験総括報告書補遺 表 S1

540

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-3 HbA1c 値及び空腹時血糖値のベースライン値:FAS

項目 プラセボ群ASP1941

12.5 mg 群 25 mg 群 50 mg 群 100 mg 群

HbA1c 値

(%)

N 69 73 74 72 72

平均値 7.96 7.98 7.92 7.93 7.85

標準偏差 0.779 0.887 0.831 0.795 0.758

範囲 6.7–10.0 6.8–10.9 6.9–9.9 6.9–9.9 6.6–10.7

空腹時血糖値

(mg/dL)

N 69 73 74 72 72

平均値 186.4 185.4 178.0 173.4 177.5

標準偏差 39.46 39.96 38.76 34.91 32.14

範囲 117–284 110–305 128–309 111–267 120–263

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.1-19

2.7.6.21.4 治験薬の曝露

投与群別の治療期服薬率及び投与期間を表 2.7.6.21-4 に示した。

治療期用治験薬の服薬率(平均値)はいずれの群でも 97%以上であり,投与期間(平均値)は

76.6~80.4 日であった。治療期用治験薬の服薬率及び投与期間に大きな群間差はなかった。

表 2.7.6.21-4 治験薬の服薬状況:FAS

項目 投与群 例数 平均値 標準偏差 最小値 最大値

治療期服薬率

(%)

プラセボ 69 98.89 2.256 87.4 100.0

ASP1941 12.5 mg 73 98.16 2.572 90.8 100.0ASP1941 25 mg 74 97.77 4.345 73.3 100.0ASP1941 50 mg 72 98.68 2.437 86.7 100.0ASP1941 100 mg 72 98.92 2.838 80.0 100.0

治療期投与期間

(日)

プラセボ 69 76.6 17.55 4 92

ASP1941 12.5 mg 73 79.0 15.71 8 96ASP1941 25 mg 74 80.4 15.56 14 96ASP1941 50 mg 72 78.3 16.62 14 92ASP1941 100 mg 72 80.2 14.78 13 98

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.1-29

2.7.6.21.5 有効性

FAS の結果を以下に示した。

2.7.6.21.5.1 主要評価項目

(1) 治療期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化量

治療期最終時点における HbA1c 値のベースライン(治療期開始時)からの変化量を図 2.7.6.21-2

及び表 2.7.6.21-5 に示した。また,治療期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化

量の本剤各群とプラセボ群との差の調整済み平均値を表 2.7.6.21-6 及び表 2.7.6.21-7 に示した。

治療期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化量(平均値)は,プラセボ群で

0.48%,12.5 mg 群で−0.12%,25 mg 群で−0.47%,50 mg 群で−0.79%,100 mg 群で−0.79%であり,

用量依存的な HbA1c 値の低下が認められ,50 mg 群と 100 mg 群では同程度の低下であった。

541

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2.7.6個々の試験のまとめ

ベースラインの HbA1c 値を共変量とした共分散分析を用いた結果,治療期最終時点における

HbA1c 値のベースラインからの変化量の各本剤群とプラセボ群との差の調整済み平均値は,

12.5 mg 群で−0.60%,25 mg 群で−0.95%,50 mg 群で−1.27%,100 mg 群で−1.29%であった。閉手

順に基づき高用量群から順にプラセボ群との対比較を行った結果,本剤はいずれの群でもプラセ

ボ群に対して有意な HbA1c 値の低下が認められた(いずれの群も P<0.001:有意水準両側 0.05)。

更に,ベースラインの HbA1c 値と糖尿病に対する前治療薬の有無を共変量とした共分散分析を用

いた解析でも,本剤はいずれの群でもプラセボ群に対して有意なHbA1c値の低下が認められた(い

ずれの群も P<0.001:有意水準両側 0.05)。

図 2.7.6.21-2 治療期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化量(平均値±標準

偏差):FAS

n=69 n=73 n=74 n=71 n=72

用量

最終

時点

のベ

ース

ライ

ンか

らの

変化

-2.0

-1.0

0.0

1.0

2.0

プラセボ群 ASP1941 12.5mg群 ASP1941 25mg群 ASP1941 50mg群 ASP1941 100mg群

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)図 12.2-2

表 2.7.6.21-5 治療期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化量(%):FAS

投与群 例数 平均値 標準偏差 最小値 最大値 中央値第 1 四

分位点

第 3 四

分位点

プラセボ 69 0.48 0.975 -1.4 3.4 0.40 -0.20 0.90

ASP1941 12.5 mg 73 -0.12 0.758 -2.1 2.6 -0.10 -0.60 0.20ASP1941 25 mg 74 -0.47 0.693 -1.8 1.7 -0.50 -0.90 -0.10ASP1941 50 mg 71 -0.79 0.567 -2.5 0.2 -0.70 -1.20 -0.30

ASP1941 100 mg 72 -0.79 0.713 -2.9 0.6 -0.65 -1.25 -0.30

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.2-5

542

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-6 本剤各群とプラセボ群の治療期最終時点における HbA1c 値のベースラインか

らの変化量の差[ベースラインの HbA1c 値を共変量とした共分散分析による調

整済み平均値(%)]:FAS

投与群調整済み

平均値標準誤差

95%信頼区間P 値

下限 上限

ASP1941 100 mg−プラセボ -1.29 0.124 -1.534 -1.048 P<0.001

ASP1941 50 mg−プラセボ -1.27 0.124 -1.517 -1.030 P<0.001

ASP1941 25 mg−プラセボ -0.95 0.123 -1.192 -0.709 P<0.001

ASP1941 12.5 mg−プラセボ -0.60 0.123 -0.837 -0.353 P<0.001

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.2-1

表 2.7.6.21-7 本剤各群とプラセボ群の治療期最終時点における HbA1c 値のベースラインか

らの変化量の差[ベースラインの HbA1c 値及び糖尿病に対する前治療薬の有無

を共変量とした共分散分析による調整済み平均値(%)]:FAS

投与群調整済み

平均値標準誤差

95%信頼区間P 値

下限 上限

ASP1941 100 mg−プラセボ -1.34 0.116 -1.571 -1.115 P<0.001

ASP1941 50 mg−プラセボ -1.26 0.116 -1.489 -1.032 P<0.001

ASP1941 25 mg−プラセボ -0.96 0.115 -1.190 -0.739 P<0.001

ASP1941 12.5 mg−プラセボ -0.66 0.116 -0.888 -0.433 P<0.001

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)治験総括報告書補遺 表 S4

(2) HbA1c 値の推移

HbA1c 値の推移を図 2.7.6.21-3 及び表 2.7.6.21-8 に示した。

ベースライン(治療期開始時)の HbA1c 値(平均値)は 7.85%~7.98%であった。治療期用治

験薬投与開始後の HbA1c 値(平均値)は,プラセボ群では治療期を通して上昇したが,本剤群の

いずれの群でも治療期間を通して低下が認められた。また,治療期最終時点の HbA1c 値(平均値)

は,プラセボ群で 8.44%,12.5 mg 群で 7.86%,25 mg 群で 7.46%,50 mg 群で 7.15%,100 mg 群で

7.05%であった。

543

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2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.21-3 HbA1c 値の推移(平均値±標準偏差):FAS

プラセボ群 ASP1941 12.5mg群 ASP1941 25mg群 ASP1941 50mg群 ASP1941 100mg群

プラセボ群 69 68 62 59 69

ASP1941 12.5mg群 73 71 68 66 73

ASP1941 25mg群 74 72 70 70 74

ASP1941 50mg群 72 68 67 66 71

ASP1941 100mg群 72 69 69 68 72

HbA1c値

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

10.0

11.0

開始時 4週時 8週時 12週時 最終時点

注)各投与群の時期ごとの被験者数は横軸の各評価時期の下に示した。

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)図 12.2-3

544

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-8 HbA1c 値(%)の推移:FAS

投与群 時点 例数 平均値 標準偏差 最小値 最大値 中央値第 1 四分位

第 3 四分位

プラセボ 治療期開始時 69 7.96 0.779 6.7 10.0 7.70 7.40 8.40

治療期 4 週時 68 8.17 1.083 6.4 11.7 7.80 7.35 9.05

治療期 8 週時 62 8.21 1.219 5.9 11.7 7.95 7.20 9.00

治療期 12 週時 59 8.21 1.169 6.1 10.9 8.00 7.30 9.00

治療期最終時点 69 8.44 1.341 6.1 12.0 8.20 7.40 9.40

後観察時 69 8.35 1.283 5.9 12.6 8.00 7.50 9.10

ASP1941 12.5 mg

治療期開始時 73 7.98 0.887 6.8 10.9 7.70 7.30 8.40

治療期 4 週時 71 7.93 1.037 6.5 10.8 7.60 7.10 8.60

治療期 8 週時 68 7.82 1.131 6.4 11.8 7.60 7.00 8.40

治療期 12 週時 66 7.70 0.906 6.2 10.7 7.50 7.10 8.20

治療期最終時点 73 7.86 1.104 6.2 11.7 7.60 7.20 8.20

後観察時 72 7.85 1.093 6.3 12.3 7.60 7.25 8.30

ASP1941 25 mg

治療期開始時 74 7.92 0.831 6.9 9.9 7.80 7.30 8.50

治療期 4 週時 72 7.65 0.853 6.6 10.7 7.45 7.00 8.10

治療期 8 週時 70 7.41 0.763 6.4 9.6 7.20 6.80 7.80

治療期 12 週時 70 7.38 0.748 6.2 9.3 7.30 6.80 7.80

治療期最終時点 74 7.46 0.815 6.2 9.9 7.30 6.80 7.90

後観察時 73 7.53 0.842 6.2 10.0 7.40 6.90 7.80

ASP194150 mg

治療期開始時 72 7.93 0.795 6.9 9.9 7.75 7.30 8.40

治療期 4 週時 68 7.53 0.779 6.2 9.7 7.35 7.00 7.85

治療期 8 週時 67 7.17 0.705 5.9 9.5 7.00 6.70 7.60

治療期 12 週時 66 7.09 0.697 5.7 9.5 7.00 6.60 7.50

治療期最終時点 71a 7.15 0.759 5.7 9.7 7.00 6.70 7.70

後観察時 72a 7.28 0.780 5.7 9.8 7.05 6.80 7.80

ASP1941100 mg

治療期開始時 72 7.85 0.758 6.6 10.7 7.60 7.30 8.25

治療期 4 週時 69 7.45 0.726 6.2 9.9 7.30 6.90 7.90

治療期 8 週時 69 7.17 0.716 6.1 9.1 7.00 6.70 7.60

治療期 12 週時 68 7.00 0.676 6.0 9.3 6.90 6.55 7.40

治療期最終時点 72 7.05 0.726 6.0 9.3 6.90 6.60 7.45

後観察時 71 7.05 0.657 6.0 9.1 6.90 6.60 7.40

a:症例番号 S01449 では,治療期最終時点に該当する HbA1c 値のデータがなかったため,後観察時の例数が治療

期最終時点の例数より多くなった。

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.2-4

(3) HbA1c 値が 7.0%未満に達した被験者

ベースライン(治療期開始時)から後観察時までの各評価時点で,HbA1c 値が 7.0%未満の被験

者数及びその割合を表 2.7.6.21-9 に示した。

ベースラインに HbA1c 値が 7.0%未満であった被験者の割合は 1.4%~4.1%であった。治療期最

終時点では,プラセボ群で 7.2%,12.5 mg 群で 19.2%,25 mg 群で 32.4%,50 mg 群で 46.5%,100 mg

群で 54.2%の被験者の HbA1c 値が 7.0%未満であった。

545

Page 172: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-9 HbA1c 値が 7.0%未満に達した被験者数とその割合:FAS

投与群 時点 7.0%未満 7.0%以上

プラセボ 治療期開始時 2(2.9%) 67(97.1%)

治療期 4 週時 3(4.4%) 65(95.6%)

治療期 8 週時 8(12.9%) 54(87.1%)

治療期 12 週時 5(8.5%) 54(91.5%)

治療期最終時点 5(7.2%) 64(92.8%)

後観察時 6(8.7%) 63(91.3%)

ASP1941 12.5 mg 治療期開始時 3(4.1%) 70(95.9%)

治療期 4 週時 7(9.9%) 64(90.1%)

治療期 8 週時 16(23.5%) 52(76.5%)

治療期 12 週時 14(21.2%) 52(78.8%)

治療期最終時点 14(19.2%) 59(80.8%)

後観察時 11(15.3%) 61(84.7%)

ASP1941 25 mg 治療期開始時 1(1.4%) 73(98.6%)

治療期 4 週時 15(20.8%) 57(79.2%)

治療期 8 週時 20(28.6%) 50(71.4%)

治療期 12 週時 24(34.3%) 46(65.7%)

治療期最終時点 24(32.4%) 50(67.6%)

後観察時 19(26.0%) 54(74.0%)

ASP1941 50 mg 治療期開始時 1(1.4%) 71(98.6%)

治療期 4 週時 16(23.5%) 52(76.5%)

治療期 8 週時 32(47.8%) 35(52.2%)

治療期 12 週時 32(48.5%) 34(51.5%)

治療期最終時点 33(46.5%) 38(53.5%)

後観察時 31(43.1%) 41(56.9%)

ASP1941 100 mg 治療期開始時 2(2.8%) 70(97.2%)

治療期 4 週時 19(27.5%) 50(72.5%)

治療期 8 週時 31(44.9%) 38(55.1%)

治療期 12 週時 38(55.9%) 30(44.1%)

治療期最終時点 39(54.2%) 33(45.8%)

後観察時 42(59.2%) 29(40.8%)

例数(割合)

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.2-6

(4) HbA1c 値が 6.5%未満に達した被験者

ベースライン(治療期開始時)から後観察時までの各評価時点で,HbA1c 値が 6.5%未満の被験

者数及びその割合を表 2.7.6.21-10 に示した。

ベースラインでは,すべての被験者で HbA1c 値が 6.5%以上であった。治療期最終時点で HbA1c

値が 6.5%未満であった被験者の割合は,プラセボ群で 1.4%,12.5 mg 群で 1.4%,25 mg 群で 6.8%,

50 mg 群で 14.1%,100 mg 群で 19.4%であった。

546

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-10 HbA1c 値が 6.5%未満に達した被験者数とその割合:FAS

投与群 時点 6.5%未満 6.5%以上

プラセボ 治療期開始時 0 69(100.0%)

治療期 4 週時 1(1.5%) 67(98.5%)

治療期 8 週時 1(1.6%) 61(98.4%)

治療期 12 週時 1(1.7%) 58(98.3%)

治療期最終時点 1(1.4%) 68(98.6%)

後観察時 1(1.4%) 68(98.6%)

ASP1941 12.5 mg 治療期開始時 0 73(100.0%)

治療期 4 週時 0 71(100.0%)

治療期 8 週時 1(1.5%) 67(98.5%)

治療期 12 週時 1(1.5%) 65(98.5%)

治療期最終時点 1(1.4%) 72(98.6%)

後観察時 4(5.6%) 68(94.4%)

ASP1941 25 mg 治療期開始時 0 74(100.0%)

治療期 4 週時 0 72(100.0%)

治療期 8 週時 1(1.4%) 69(98.6%)

治療期 12 週時 5(7.1%) 65(92.9%)

治療期最終時点 5(6.8%) 69(93.2%)

後観察時 4(5.5%) 69(94.5%)

ASP1941 50 mg 治療期開始時 0 72(100.0%)

治療期 4 週時 3(4.4%) 65(95.6%)

治療期 8 週時 7(10.4%) 60(89.6%)

治療期 12 週時 10(15.2%) 56(84.8%)

治療期最終時点 10(14.1%) 61(85.9%)

後観察時 3(4.2%) 69(95.8%)

ASP1941 100 mg 治療期開始時 0 72(100.0%)

治療期 4 週時 1(1.4%) 68(98.6%)

治療期 8 週時 9(13.0%) 60(87.0%)

治療期 12 週時 14(20.6%) 54(79.4%)

治療期最終時点 14(19.4%) 58(80.6%)

後観察時 10(14.1%) 61(85.9%)

例数(割合)

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.2-7

2.7.6.21.5.2 副次評価項目

(1) 空腹時血糖値

1) 治療期最終時点における空腹時血糖値のベースラインからの変化量

治療期最終時点における空腹時血糖値のベースライン(治療期開始時)からの変化量を図

2.7.6.21-4 及び表 2.7.6.21-11 に示した。また,治療期最終時点における空腹時血糖値のベースライ

ンからの変化量の本剤各群とプラセボ群との差の調整済み平均値を表 2.7.6.21-12 に示した。

治療期最終時点における空腹時血糖値のベースラインからの変化量(平均値)は,プラセボ群

で 9.8 mg/dL,12.5 mg 群で−17.9 mg/dL,25 mg 群で−23.0 mg/dL,50 mg 群で−31.4 mg/dL,100 mg

群で−45.9 mg/dL であり,用量依存的な空腹時血糖値の低下が認められた。また,ベースラインを

共変量とした共分散分析を用いた結果,各本剤群とプラセボ群の治療期最終時点における空腹時

血糖値のベースラインからの変化量の差は12.5 mg群で−27.6 mg/dL,25 mg群で−35.7 mg/dL,50 mg

547

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2.7.6個々の試験のまとめ

群で−46.0 mg/dL,100 mg 群で−58.9 mg/dL であり,本剤はいずれの群でもプラセボ群に対して,

有意な空腹時血糖値の低下が認められた(いずれの群も P<0.001:有意水準両側 0.05)。

図 2.7.6.21-4 治療期最終時点における空腹時血糖値のベースラインからの変化量(平均値±

標準偏差):FAS

mg/dL

最終

時点

のベ

ース

ライ

ンか

らの

変化

-100

-80

-60

-40

-20

0

20

40

60

80

100

プラセボ群 ASP1941 12.5mg群 ASP1941 25mg群 ASP1941 50mg群 ASP1941 100mg群

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)図 12.2-22

表 2.7.6.21-11 治療期最終時点における空腹時血糖値のベースラインからの変化量(mg/dL):FAS

投与群 例数 平均値 標準偏差 最小値 最大値 中央値第 1 四

分位点

第 3 四

分位点

プラセボ 68 9.8 26.17 -61 89 7.5 -7.0 23.5

ASP1941 12.5 mg 73 -17.9 29.60 -90 99 -17.0 -36.0 0.0ASP1941 25 mg 74 -23.0 33.17 -120 83 -24.0 -34.0 -3.0ASP1941 50 mg 72 -31.4 28.67 -97 22 -24.0 -50.5 -8.5

ASP1941 100 mg 72 -45.9 29.68 -130 -1 -38.0 -64.0 -23.0

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.2-39

表 2.7.6.21-12 本剤各群とプラセボ群の治療期最終時点における空腹時血糖値のベースライン

からの変化量の差[ベースライン値を共変量とした共分散分析による調整済み

平均値(mg/dL)]:FAS

投与群調整済み

平均値標準誤差

95%信頼区間P 値

下限 上限

ASP1941 100 mg−プラセボ -58.9 4.31 -67.37 -50.43 P<0.001

ASP1941 50 mg−プラセボ -46.0 4.32 -54.54 -37.55 P<0.001

ASP1941 25 mg−プラセボ -35.7 4.28 -44.10 -27.28 P<0.001

ASP1941 12.5 mg−プラセボ -27.6 4.28 -36.00 -19.16 P<0.001

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.2-32

n=68 n=73 n=74 n=72 n=72

用量

n=68 n=73 n=74 n=72 n=72

用量

548

Page 175: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2) 空腹時血糖値の推移

空腹時血糖値の推移を図 2.7.6.21-5 及び表 2.7.6.21-13 に示した。

ベースライン(治療期開始時)の空腹時血糖値(平均値)は 173.4~186.4 mg/dL であった。治

療期用治験薬投与開始後の空腹時血糖値(平均値)は本剤群のいずれの群でも治療期 2 週時点で

低下が認められ,治療期 2 週時以降,ほぼ一定に推移した。また,治療期最終時点の空腹時血糖

値(平均値)は,プラセボ群で 194.9 mg/dL,12.5 mg 群で 167.5 mg/dL,25 mg 群で 155.1 mg/dL,

50 mg 群で 142.0 mg/dL,100 mg 群で 131.5 mg/dL であった。

図 2.7.6.21-5 空腹時血糖値の推移(平均値±標準偏差):FAS

プラセボ群 ASP1941 12.5mg群 ASP1941 25mg群 ASP1941 50mg群 ASP1941 100mg群

プラセボ群 69 68 68 62 59 68

ASP1941 12.5mg群 73 73 71 68 66 73

ASP1941 25mg群 74 74 71 70 70 74

ASP1941 50mg群 72 72 68 67 66 72

ASP1941 100mg群 72 72 69 69 68 72

mg/dL

空腹

時血糖

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

開始時 2週時 4週時 8週時 12週時 最終時点

注)各投与群の時期ごとの被験者数は横軸の各評価時期の下に示した。

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)図 12.2-23

549

Page 176: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-13 空腹時血糖値(mg/dL)の推移:FAS

投与群 時点 例数 平均値 標準偏差 最小値 最大値 中央値第 1 四

分位点

第 3 四

分位点

プラセボ 治療期開始時 69 186.4 39.46 117 284 177.0 158.0 210.0

治療期 2 週時 68 184.3 39.93 120 293 176.5 154.0 211.0

治療期 4 週時 68 189.8 43.26 123 305 183.0 152.0 219.5

治療期 8 週時 62 190.3 42.91 99 299 185.0 156.0 226.0

治療期 12 週時 59 189.7 36.66 132 285 180.0 165.0 218.0

治療期最終時点 68a 194.9 42.20 126 312 181.0 166.0 222.5

後観察時 69a 179.8 48.93 107 311 168.0 152.0 205.0

ASP1941 12.5 mg 治療期開始時 73 185.4 39.96 110 305 173.0 157.0 213.0

治療期 2 週時 73 172.8 37.23 118 292 165.0 149.0 192.0

治療期 4 週時 71 166.6 34.65 108 282 161.0 140.0 186.0

治療期 8 週時 68 168.1 32.79 121 273 163.0 143.5 189.0

治療期 12 週時 66 163.0 30.69 103 257 156.5 142.0 181.0

治療期最終時点 73 167.5 36.42 103 292 158.0 144.0 188.0

後観察時 72 164.3 34.25 102 247 161.0 136.0 187.0

ASP1941 25 mg 治療期開始時 74 178.0 38.76 128 309 169.5 149.0 199.0

治療期 2 週時 74 159.8 34.22 105 310 154.5 141.0 176.0

治療期 4 週時 71 151.4 28.03 106 270 151.0 131.0 165.0

治療期 8 週時 70 155.3 29.88 105 269 153.5 136.0 168.0

治療期 12 週時 70 151.7 31.94 107 280 144.0 131.0 165.0

治療期最終時点 74 155.1 37.58 107 310 144.5 131.0 167.0

後観察時 73 158.6 35.21 80 258 154.0 135.0 174.0

ASP1941 50 mg 治療期開始時 72 173.4 34.91 111 267 170.0 144.5 193.5

治療期 2 週時 72 142.6 24.34 68 204 141.0 127.5 160.0

治療期 4 週時 68 144.1 29.10 99 264 138.0 128.0 155.0

治療期 8 週時 67 137.9 19.60 86 195 136.0 126.0 151.0

治療期 12 週時 66 140.1 24.05 101 233 140.0 121.0 155.0

治療期最終時点 72 142.0 27.47 101 264 141.0 122.5 155.0

後観察時 72 160.0 33.13 107 282 152.0 135.0 175.5

ASP1941 100 mg 治療期開始時 72 177.5 32.14 120 263 171.0 155.0 198.5

治療期 2 週時 72 141.4 18.80 106 191 138.5 127.5 155.0

治療期 4 週時 69 136.5 20.33 107 212 134.0 121.0 147.0

治療期 8 週時 69 135.6 19.60 104 192 130.0 121.0 151.0

治療期 12 週時 68 130.6 17.55 85 172 130.5 120.0 142.5

治療期最終時点 72 131.5 17.77 85 172 131.0 120.0 143.0

後観察時 71 152.3 28.31 106 256 148.0 134.0 163.0

a:症例番号 S01105 では,治療期最終時点に該当する空腹時血糖値のデータがなかったため,後観察時の例数が

治療期最終時点の例数より多くなった。

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.2-38

(2) 空腹時インスリン

ベースライン(治療期開始時)の空腹時インスリン(平均値)は 6.01~7.03 μU/mL であった。

治療期最終時点の空腹時インスリン(平均値)は,プラセボ群で 6.31 μU/mL,12.5 mg 群で

5.93 μU/mL,25 mg 群で 5.32 μU/mL,50 mg 群で 6.08 μU/mL,100 mg 群で 5.11 μU/mL であった。

また,治療期最終時点におけるベースラインからの変化量(平均値)は,プラセボ群で−0.27 μU/mL,

12.5 mg 群で−0.37 μU/mL,25 mg 群で−0.69 μU/mL,50 mg 群で−0.85 μU/mL,100 mg 群で

−1.92 μU/mL であった。

550

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2.7.6個々の試験のまとめ

(3) レプチン

ベースライン(治療期開始時)のレプチン(平均値)は 4.51~5.37 ng/mL であった。治療期最

終時点におけるベースラインからの変化量(平均値)は,プラセボ群で 0.13 ng/mL,12.5 mg 群で

は−0.46 ng/mL,25 mg 群では 0.39 ng/mL,50 mg 群で−0.47 ng/mL,100 mg 群で−1.10 ng/mL であっ

た。

(4) アディポネクチン

ベースライン(治療期開始時)のアディポネクチン(平均値)は 4.888~5.698 μg/mL であった。

治療期最終時点におけるベースラインからの変化量(平均値)は,プラセボ群で 0.276 μg/mL,

12.5 mg 群で 0.388 μg/mL,25 mg 群で 0.727 μg/mL,50 mg 群で 0.414 μg/mL,100 mg 群で 0.566 μg/mL

であった。

(5) 体重

ベースライン(治療期開始時)の体重(平均値)は 66.60~69.03 kg であった。治療期用治験薬

投与開始後の体重(平均値)はプラセボ群ではほとんど変動しなかったが,本剤群ではいずれの

群でも治療期を通して減少した。また,治療期最終時点におけるベースラインからの変化量(平

均値)は,プラセボ群で−0.35 kg,12.5 mg 群で−1.44 kg,25 mg 群で−1.72 kg,50 mg 群で−1.81 kg,

100 mg 群で−2.11 kg であった。

(6) HOMA-R

ベースライン(治療期開始時)の HOMA-R(平均値)は 2.618~3.095 であった。治療期最終時

点におけるベースラインからの変化量(平均値)は,プラセボ群で−0.020,12.5 mg 群で−0.446,

25 mg 群で−0.593,50 mg 群で−0.807,100 mg 群で−1.454 であった。

(7) HOMA-β

ベースライン(治療期開始時)の HOMA-β(平均値)は 20.292~25.711 であった。治療期最終

時点におけるベースラインからの変化量(平均値)は,プラセボ群で−1.637,12.5 mg 群で 2.562,

25 mg 群で 2.791,50 mg 群で 5.198,100 mg 群で 4.620 であった。

2.7.6.21.6 薬物動態

評価時期ごとの投与群別の血漿中未変化体濃度の要約統計量を表 2.7.6.21-14 に示した。

治療期 2 週,4 週,8 週及び 12 週時,若しくは治療期最終時点における血漿中未変化体濃度の

中央値は,12.5mg 群で 12.93~14.13 ng/mL,25mg 群で 25.20~26.12 ng/mL,50mg 群で 50.35~

53.77 ng/mL,100mg 群で 105.01~115.20 ng/mL と用量依存的な上昇が認められた。また,評価時

期間で大きな変化は認められなかった。

551

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-14 ASP1941 の血漿中未変化体濃度(ng/mL)の要約統計量:PKAS

項目用量(mg)

時点 例数 平均値標準

偏差最小値 最大値 中央値

幾何

平均値例数 a

変動

係数(%)

血漿中未変

化体濃度(ng/mL)

12.5 治療期 2 週時 70 17.58 18.19 3.44 134.88 14.04 14.05 70 103.5

治療期 4 週時 69 19.86 26.82 3.67 143.53 14.13 14.19 69 135.1

治療期 8 週時 68 15.46 11.98 3.65 85.49 12.93 12.91 68 77.5

治療期 12 週時 66 15.09 15.74 2.96 130.59 13.02 12.18 66 104.4

治療期最終時点 71 15.49 15.73 2.96 130.59 13.19 12.40 71 101.5

25 治療期 2 週時 72 30.88 33.80 5.30 286.51 26.12 24.73 72 109.4

治療期 4 週時 69 27.23 13.94 6.98 82.32 25.88 23.82 69 51.2

治療期 8 週時 69 25.76 11.43 7.76 60.10 25.91 23.18 69 44.4

治療期 12 週時 69 29.46 34.89 3.09 299.20 25.45 23.23 69 118.4

治療期最終時点 72 29.07 34.23 3.09 299.20 25.20 23.02 72 117.8

50 治療期 2 週時 70 90.80 139.87 18.26 827.61 52.80 59.57 70 154.0

治療期 4 週時 67 84.21 132.16 4.08 719.02 50.35 54.38 67 156.9

治療期 8 週時 67 82.03 93.45 12.81 474.32 53.77 59.61 67 113.9

治療期 12 週時 67 104.47 188.48 12.32 1043.32 52.38 61.05 67 180.4

治療期最終時点 71 101.45 183.64 2.78 1043.32 52.38 58.43 71 181.0

100 治療期 2 週時 70 121.42 54.28 33.08 299.87 111.73 109.54 70 44.7

治療期 4 週時 69 128.22 69.20 25.82 497.80 115.20 114.02 69 54.0

治療期 8 週時 68 121.33 96.83 2.93 698.90 105.01 97.38 68 79.8

治療期 12 週時 68 141.17 158.86 9.69 1292.04 112.64 111.72 68 112.5

治療期最終時点 70 138.69 157.29 9.69 1292.04 112.01 109.00 70 113.4

a:幾何平均値の算出に用いた例数(0 を除く)

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.3-1

2.7.6.21.7 安全性

2.7.6.21.7.1 有害事象

本試験で認められた有害事象の要約を表 2.7.6.21-15 に示した。

本試験では,プラセボ群で 47 例(68.1%),12.5 mg 群で 47 例(63.5%),25 mg 群で 47 例(63.5%),

50 mg 群で 52 例(72.2%),100 mg 群で 41 例(56.9%)に有害事象が認められた。このうち,プ

ラセボ群の 13 例(18.8%),12.5 mg 群の 12 例(16.2%),25 mg 群の 19 例(25.7%),50 mg 群の

19 例(26.4%),100 mg 群の 18 例(25.0%)では治験薬との関連性が否定されなかった。25 mg 群,

50 mg 群及び 100mg 群では,プラセボ群及び 12.5 mg 群と比較して副作用の発現率が若干高かっ

たが,有害事象及び副作用の発現率に用量依存性は認められなかった(それぞれ P=0.451 及び

P=0.147,Cochran-Armitage の傾向性検定)。

治験中止に至った有害事象は,プラセボ群で 7 例(10.1%),12.5 mg 群で 3 例(4.1%),25 mg

群で 1 例(1.4%),50 mg 群で 2 例(2.8%),100 mg 群で 3 例(4.2%)に認められた。このうち,

プラセボ群の 2 例(2.9%),25 mg 群の 1 例(1.4%),50 mg 群の 2 例(2.8%),100 mg 群の 2 例(2.8%)

では治験薬との関連性が否定されなかった。

重篤な有害事象は,プラセボ群で 3 例(4.3%),12.5 mg 群で 1 例(1.4%)に認められ,プラセ

ボ群の 1 例を除き治験薬との関連性は否定された。なお,本試験では死亡例はなかった。

552

Page 179: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-15 有害事象の要約:SAF

項目 プラセボ群

(N=69)

ASP1941

12.5 mg 群

(N=74)

25 mg 群

(N=74)

50 mg 群

(N=72)

100 mg 群

(N=72)

有害事象 47(68.1%) 47(63.5%) 47(63.5%) 52(72.2%) 41(56.9%)

副作用 13(18.8%) 12(16.2%) 19(25.7%) 19(26.4%) 18(25.0%)

投与中止に至った有害事象 7(10.1%) 3(4.1%) 1(1.4%) 2(2.8%) 3(4.2%)

投与中止に至った副作用 2(2.9%) 0 1(1.4%) 2(2.8%) 2(2.8%)

重篤な有害事象 3(4.3%) 1(1.4%) 0 0 0

重篤な副作用 1(1.4%) 0 0 0 0

発現例数(発現率)

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.4-1,表 12.4-3,表 12.4-4,表 12.4-18,表 12.4-20,表 12.4-21

本試験で認められた有害事象の内訳を表 2.7.6.21-16 に示した。

本試験で,いずれかの投与群で 5%以上に認められた有害事象は,便秘,口渇,鼻咽頭炎,尿中

β2 ミクログロブリン増加,β-N アセチル D グルコサミニダーゼ増加,糖尿病(糖尿病の悪化),

背部痛,頻尿であった。このうち,最も発現率が高かったのは鼻咽頭炎であったが,その発現率

はプラセボ群と本剤群で同程度であった。また,プラセボ群と比較していずれかの本剤群で発現

率が高い傾向がみられた有害事象は,尿中 β2 ミクログロブリン増加,β-N アセチル D グルコサミ

ニダーゼ増加及び頻尿であった。これら 3 事象のうち,尿中 β2 ミクログロブリン増加及び β-N ア

セチル D グルコサミニダーゼ増加の発現率は 12.5 mg 群で最も高かった。一方,頻尿の発現率は

50 mg 群で最も高かった。なお,便秘,口渇,糖尿病(糖尿病の悪化)及び背部痛はプラセボ群

で発現率が最も高かった。

553

Page 180: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-16 有害事象の内訳:SAF

MedDRA/J version 10.1器官別大分類

基本語

プラセボ群

(N=69)

ASP1941

12.5mg 群

(N=74)

25mg 群

(N=74)

50mg 群

(N=72)

100mg 群

(N=72)

心臓障害 2(2.9%) 1(1.4%) 0 2(2.8%) 2(2.8%)

急性心筋梗塞 1(1.4%) 0 0 0 0

上室性不整脈 0 0 0 0 1(1.4%)

心房細動 0 0 0 1(1.4%) 0

徐脈 0 1(1.4%) 0 0 0

冠動脈狭窄 1(1.4%) 0 0 0 0

心室性期外収縮 0 0 0 1(1.4%) 1(1.4%)

耳および迷路障害 1(1.4%) 1(1.4%) 0 0 0

メニエール病 0 1(1.4%) 0 0 0

突発難聴 1(1.4%) 0 0 0 0

内分泌障害 0 0 0 1(1.4%) 0

甲状腺嚢腫 0 0 0 1(1.4%) 0

眼障害 3(4.3%) 4(5.4%) 0 1(1.4%) 3(4.2%)

眼瞼炎 0 1(1.4%) 0 0 1(1.4%)

白内障 0 1(1.4%) 0 0 0

霰粒腫 0 0 0 0 1(1.4%)

結膜出血 0 1(1.4%) 0 0 0

結膜炎 1(1.4%) 0 0 0 1(1.4%)

眼痛 0 1(1.4%) 0 0 0

麦粒腫 1(1.4%) 0 0 0 0

眼充血 0 0 0 1(1.4%) 0

眼の異物感 1(1.4%) 0 0 0 0

胃腸障害 9(13.0%) 6(8.1%) 13(17.6%) 11(15.3%) 12(16.7%)

腹部膨満 0 0 0 0 1(1.4%)

腹痛 0 0 1(1.4%) 1(1.4%) 0

下腹部痛 0 0 0 0 1(1.4%)

上腹部痛 0 0 1(1.4%) 0 1(1.4%)

口唇炎 0 0 1(1.4%) 0 0

潰瘍性大腸炎 0 0 0 0 1(1.4%)

結腸ポリープ 1(1.4%) 0 1(1.4%) 0 1(1.4%)

便秘 4(5.8%) 1(1.4%) 3(4.1%) 3(4.2%) 1(1.4%)

齲歯 0 1(1.4%) 1(1.4%) 1(1.4%) 1(1.4%)

下痢 2(2.9%) 3(4.1%) 3(4.1%) 3(4.2%) 2(2.8%)

腸炎 0 0 1(1.4%) 0 0

硬便 0 0 0 0 1(1.4%)

鼓腸 0 0 0 1(1.4%) 0

胃炎 0 1(1.4%) 1(1.4%) 0 0

胃腸障害 0 0 1(1.4%) 0 0

歯肉炎 0 0 0 1(1.4%) 1(1.4%)

痔核 0 0 0 0 1(1.4%)

口唇腫脹 0 0 0 0 1(1.4%)

歯周炎 1(1.4%) 0 0 0 1(1.4%)

逆流性食道炎 0 0 1(1.4%) 0 0

胃不快感 1(1.4%) 0 0 1(1.4%) 1(1.4%)

口内炎 0 0 1(1.4%) 0 0

歯の脱落 1(1.4%) 1(1.4%) 0 0 0

全身障害および投与局所様態 5(7.2%) 3(4.1%) 7(9.5%) 4(5.6%) 4(5.6%)

無力症 0 0 1(1.4%) 0 0

異常感 0 0 1(1.4%) 0 0

554

Page 181: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA/J version 10.1

器官別大分類

基本語

プラセボ群

(N=69)

ASP1941

12.5mg 群

(N=74)

25mg 群

(N=74)

50mg 群

(N=72)

100mg 群

(N=72)

空腹 0 0 0 1(1.4%) 1(1.4%)

倦怠感 1(1.4%) 0 2(2.7%) 1(1.4%) 1(1.4%)

口渇 4(5.8%) 3(4.1%) 3(4.1%) 2(2.8%) 3(4.2%)

肝胆道系障害 0 1(1.4%) 0 0 0

肝障害 0 1(1.4%) 0 0 0

免疫系障害 1(1.4%) 0 0 0 0

食物アレルギー 1(1.4%) 0 0 0 0

感染症および寄生虫症 21(30.4%) 12(16.2%) 16(21.6%) 24(33.3%) 14(19.4%)

膀胱炎 1(1.4%) 0 0 3(4.2%) 1(1.4%)

毛包炎 1(1.4%) 0 0 1(1.4%) 0

胃腸炎 1(1.4%) 0 2(2.7%) 0 1(1.4%)

帯状疱疹 0 0 0 1(1.4%) 0

麦粒腫 0 0 0 0 1(1.4%)

インフルエンザ 0 1(1.4%) 0 0 0

鼻咽頭炎 17(24.6%) 9(12.2%) 14(18.9%) 18(25.0%) 11(15.3%)

爪囲炎 0 0 1(1.4%) 0 0

咽頭炎 0 2(2.7%) 0 2(2.8%) 0

肺炎 0 0 1(1.4%) 0 0

足部白癬 1(1.4%) 0 0 0 0

腟カンジダ症 0 1(1.4%) 0 1(1.4%) 0

扁桃周囲炎 0 0 0 0 1(1.4%)

ウイルス性腸炎 0 0 1(1.4%) 0 0

細菌性腟炎 0 0 0 1(1.4%) 0

口腔ヘルペス 0 0 1(1.4%) 0 0

手白癬 0 0 0 1(1.4%) 0

傷害、中毒および処置合併症 1(1.4%) 2(2.7%) 3(4.1%) 4(5.6%) 4(5.6%)

節足動物刺傷 1(1.4%) 0 0 0 1(1.4%)

背部損傷 0 0 0 1(1.4%) 0

足骨折 0 0 1(1.4%) 0 0

手骨折 0 0 0 1(1.4%) 0

擦過傷 0 1(1.4%) 0 0 0

筋挫傷 0 0 0 1(1.4%) 0

挫傷 0 1(1.4%) 1(1.4%) 1(1.4%) 3(4.2%)

創傷 0 0 0 1(1.4%) 0

頚部損傷 0 0 1(1.4%) 1(1.4%) 0

歯牙破折 0 0 0 1(1.4%) 0

臨床検査 9(13.0%) 14(18.9%) 14(18.9%) 14(19.4%) 12(16.7%)

尿中 β2 ミクログロブリン増加 1(1.4%) 6(8.1%) 5(6.8%) 3(4.2%) 1(1.4%)

β-N アセチル D グルコサミニ

ダーゼ増加

0 4(5.4%) 2(2.7%) 0 0

血中クレアチンホスホキナー

ゼ増加

1(1.4%) 1(1.4%) 0 0 0

血中クレアチニン増加 0 0 2(2.7%) 0 0

血中乳酸脱水素酵素増加 0 0 1(1.4%) 0 0

血中カリウム増加 0 0 0 0 2(2.8%)

血圧上昇 0 0 0 0 2(2.8%)

血中トリグリセリド増加 1(1.4%) 1(1.4%) 2(2.7%) 1(1.4%) 2(2.8%)

血中尿素増加 0 0 0 0 1(1.4%)

血中尿酸増加 1(1.4%) 0 1(1.4%) 1(1.4%) 2(2.8%)

尿中結晶陽性 1(1.4%) 1(1.4%) 0 1(1.4%) 0

好酸球数増加 0 0 0 0 1(1.4%)

555

Page 182: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA/J version 10.1

器官別大分類

基本語

プラセボ群

(N=69)

ASP1941

12.5mg 群

(N=74)

25mg 群

(N=74)

50mg 群

(N=72)

100mg 群

(N=72)

遊離脂肪酸増加 1(1.4%) 0 0 0 0

γ-グルタミルトランスフェ

ラーゼ増加

1(1.4%) 0 0 0 0

尿中血陽性 0 0 0 2(2.8%) 0

心拍数増加 0 0 0 1(1.4%) 0

体重減少 0 1(1.4%) 0 0 0

尿中白血球陽性 0 1(1.4%) 0 0 0

尿沈渣陽性 0 1(1.4%) 0 0 0

血中リン増加 0 0 1(1.4%) 0 0

尿中蛋白陽性 1(1.4%) 0 2(2.7%) 0 0

尿中アルブミン/クレアチニ

ン比増加

2(2.9%) 2(2.7%) 3(4.1%) 2(2.8%) 3(4.2%)

尿中ケトン体陽性 0 0 3(4.1%) 1(1.4%) 3(4.2%)

血中アルカリホスファターゼ

増加

0 0 1(1.4%) 0 0

尿中細菌検出 2(2.9%) 0 0 3(4.2%) 0

潜血陽性 0 1(1.4%) 0 0 0

尿中 α1 ミクログロブリン増加 1(1.4%) 3(4.1%) 3(4.1%) 0 0

代謝および栄養障害 7(10.1%) 6(8.1%) 2(2.7%) 1(1.4%) 1(1.4%)

食欲不振 0 1(1.4%) 0 0 0

脱水 0 1(1.4%) 0 0 0

糖尿病 a 6(8.7%) 4(5.4%) 1(1.4%) 0 0

低血糖症 1(1.4%) 0 1(1.4%) 1(1.4%) 1(1.4%)

筋骨格系および結合組織障害 8(11.6%) 11(14.9%) 5(6.8%) 3(4.2%) 3(4.2%)

関節痛 0 0 2(2.7%) 1(1.4%) 0

関節炎 1(1.4%) 0 0 0 0

背部痛 4(5.8%) 3(4.1%) 2(2.7%) 1(1.4%) 1(1.4%)

側腹部痛 0 1(1.4%) 0 0 0

筋痙縮 1(1.4%) 0 0 0 0

筋骨格痛 0 1(1.4%) 0 0 0

筋痛 0 0 0 1(1.4%) 1(1.4%)

結節性変形性関節炎 0 0 1(1.4%) 0 0

骨関節炎 1(1.4%) 1(1.4%) 0 0 0

関節周囲炎 1(1.4%) 2(2.7%) 0 0 1(1.4%)

腱鞘炎 0 1(1.4%) 0 0 0

椎間板突出 0 1(1.4%) 0 0 0

筋骨格硬直 0 1(1.4%) 0 0 0

良性、悪性および詳細不明の新生

物(嚢胞およびポリープを含む)

1(1.4%) 0 0 0 0

皮膚良性新生物 1(1.4%) 0 0 0 0

神経系障害 3(4.3%) 2(2.7%) 3(4.1%) 4(5.6%) 3(4.2%)

浮動性めまい 0 0 2(2.7%) 0 1(1.4%)

体位性めまい 0 0 0 1(1.4%) 0

頭痛 2(2.9%) 2(2.7%) 1(1.4%) 2(2.8%) 0

感覚鈍麻 0 0 1(1.4%) 1(1.4%) 2(2.8%)

振戦 1(1.4%) 0 0 0 0

精神障害 2(2.9%) 1(1.4%) 1(1.4%) 0 0

不眠症 2(2.9%) 0 1(1.4%) 0 0

不安障害 0 1(1.4%) 0 0 0

腎および尿路障害 2(2.9%) 2(2.7%) 6(8.1%) 7(9.7%) 6(8.3%)

血尿 0 0 1(1.4%) 0 0

556

Page 183: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA/J version 10.1

器官別大分類

基本語

プラセボ群

(N=69)

ASP1941

12.5mg 群

(N=74)

25mg 群

(N=74)

50mg 群

(N=72)

100mg 群

(N=72)

夜間頻尿 0 0 0 0 1(1.4%)

頻尿 2(2.9%) 2(2.7%) 4(5.4%) 6(8.3%) 4(5.6%)

多尿 0 1(1.4%) 1(1.4%) 0 1(1.4%)

腎嚢胞 0 0 0 1(1.4%) 0

生殖系および乳房障害 0 1(1.4%) 1(1.4%) 4(5.6%) 2(2.8%)

月経困難症 0 0 1(1.4%) 2(2.8%) 0

陰部そう痒症 0 1(1.4%) 0 1(1.4%) 1(1.4%)

性器出血 0 0 0 0 1(1.4%)

前立腺石灰化 0 0 0 1(1.4%) 0

呼吸器、胸郭および縦隔障害 4(5.8%) 6(8.1%) 5(6.8%) 3(4.2%) 4(5.6%)

喘息 0 1(1.4%) 0 1(1.4%) 0

咳嗽 0 0 1(1.4%) 0 0

咽喉頭疼痛 1(1.4%) 0 1(1.4%) 0 1(1.4%)

アレルギー性鼻炎 0 1(1.4%) 0 0 0

鼻漏 1(1.4%) 2(2.7%) 0 1(1.4%) 0

上気道の炎症 2(2.9%) 3(4.1%) 3(4.1%) 1(1.4%) 3(4.2%)

皮膚および皮下組織障害 4(5.8%) 4(5.4%) 3(4.1%) 7(9.7%) 3(4.2%)

接触性皮膚炎 0 0 0 1(1.4%) 0

薬疹 0 0 0 1(1.4%) 0

湿疹 1(1.4%) 1(1.4%) 0 1(1.4%) 1(1.4%)

紅斑 0 0 1(1.4%) 0 0

皮下出血 1(1.4%) 0 0 0 0

紅色汗疹 1(1.4%) 1(1.4%) 0 2(2.8%) 0

そう痒症 0 1(1.4%) 1(1.4%) 0 0

発疹 0 1(1.4%) 0 1(1.4%) 1(1.4%)

脂漏性皮膚炎 0 0 0 1(1.4%) 0

皮膚異常臭 1(1.4%) 0 0 0 0

蕁麻疹 0 0 0 0 1(1.4%)

乾皮症 0 0 1(1.4%) 0 0

血管障害 0 0 1(1.4%) 0 1(1.4%)

末梢血管障害 0 0 1(1.4%) 0 0

ほてり 0 0 0 0 1(1.4%)

a:糖尿病の悪化として報告された。

発現例数(発現率)

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.4-12

本試験で認められた副作用の内訳を表 2.7.6.21-17 に示した。

本剤群のいずれかで 2%以上に認められた副作用は,便秘,口渇,膀胱炎,尿中 β2 ミクログロ

ブリン増加,β-N アセチル D グルコサミニダーゼ増加,尿中蛋白陽性,尿中アルブミン/クレア

チニン比増加,尿中ケトン体陽性,尿中 α1 ミクログロブリン増加,浮動性めまい,頻尿であった。

このうち,プラセボ群と比較していずれかの本剤群で発現率が高い傾向がみられた副作用は,尿

中 β2 ミクログロブリン増加,β-N アセチル D グルコサミニダーゼ増加,尿中ケトン体陽性,尿中

α1 ミクログロブリン増加,浮動性めまいであった。これら 5 事象のうち,尿中 β2 ミクログロブ

リン増加,β-N アセチルDグルコサミニダーゼ増加及び尿中 α1ミクログロブリン増加の発現率は,

557

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2.7.6個々の試験のまとめ

他の本剤群と比較して 12.5 mg 群及び 25 mg 群で高かった。一方,尿中ケトン体陽性は 25 mg 群

で 2 例,100 mg 群で 1 例に,浮動性めまいは 25 mg 群で 2 例に認められたのみであった。

558

Page 185: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-17 副作用の内訳:SAF

MedDRA/J version 10.1器官別大分類

基本語

プラセボ群

(N=69)

ASP1941

12.5mg 群

(N=74)

25mg 群

(N=74)

50mg 群

(N=72)

100mg 群

(N=72)

心臓障害 1(1.4%) 0 0 2(2.8%) 0

急性心筋梗塞 1(1.4%) 0 0 0 0

心房細動 0 0 0 1(1.4%) 0

心室性期外収縮 0 0 0 1(1.4%) 0

胃腸障害 2(2.9%) 1(1.4%) 4(5.4%) 5(6.9%) 6(8.3%)

口唇炎 0 0 1(1.4%) 0 0

潰瘍性大腸炎 0 0 0 0 1(1.4%)

結腸ポリープ 0 0 0 0 1(1.4%)

便秘 2(2.9%) 1(1.4%) 2(2.7%) 2(2.8%) 1(1.4%)

下痢 0 0 1(1.4%) 1(1.4%) 1(1.4%)

硬便 0 0 0 0 1(1.4%)

鼓腸 0 0 0 1(1.4%) 0

歯肉炎 0 0 0 1(1.4%) 0

痔核 0 0 0 0 1(1.4%)

口唇腫脹 0 0 0 0 1(1.4%)

全身障害および投与局所様態 1(1.4%) 1(1.4%) 4(5.4%) 3(4.2%) 3(4.2%)

無力症 0 0 1(1.4%) 0 0

異常感 0 0 1(1.4%) 0 0

空腹 0 0 0 1(1.4%) 1(1.4%)

倦怠感 0 0 1(1.4%) 1(1.4%) 0

口渇 1(1.4%) 1(1.4%) 1(1.4%) 1(1.4%) 2(2.8%)

感染症および寄生虫症 1(1.4%) 0 0 2(2.8%) 1(1.4%)

膀胱炎 1(1.4%) 0 0 2(2.8%) 0

鼻咽頭炎 0 0 0 0 1(1.4%)

腟カンジダ症 0 0 0 1(1.4%) 0

細菌性腟炎 0 0 0 1(1.4%) 0

臨床検査 4(5.8%) 9(12.2%) 11(14.9%) 7(9.7%) 5(6.9%)

尿中 β2 ミクログロブリン増加 1(1.4%) 6(8.1%) 5(6.8%) 3(4.2%) 1(1.4%)

β-N アセチル D グルコサミニダーゼ増加 0 2(2.7%) 2(2.7%) 0 0

血中クレアチニン増加 0 0 1(1.4%) 0 0

血中カリウム増加 0 0 0 0 1(1.4%)

血中尿酸増加 1(1.4%) 0 1(1.4%) 1(1.4%) 1(1.4%)

好酸球数増加 0 0 0 0 1(1.4%)

尿中血陽性 0 0 0 1(1.4%) 0

体重減少 0 1(1.4%) 0 0 0

血中リン増加 0 0 1(1.4%) 0 0

尿中蛋白陽性 1(1.4%) 0 2(2.7%) 0 0

尿中アルブミン/クレアチニン比増加 1(1.4%) 1(1.4%) 2(2.7%) 1(1.4%) 0

尿中ケトン体陽性 0 0 2(2.7%) 0 1(1.4%)

尿中細菌検出 1(1.4%) 0 0 1(1.4%) 0

尿中 α1 ミクログロブリン増加 1(1.4%) 3(4.1%) 3(4.1%) 0 0

代謝および栄養障害 1(1.4%) 1(1.4%) 1(1.4%) 0 1(1.4%)

食欲不振 0 1(1.4%) 0 0 0

糖尿病 1(1.4%) 0 1(1.4%) 0 0

低血糖症 0 0 0 0 1(1.4%)

神経系障害 1(1.4%) 0 2(2.7%) 0 1(1.4%)

浮動性めまい 0 0 2(2.7%) 0 0

頭痛 1(1.4%) 0 0 0 0

感覚鈍麻 0 0 0 0 1(1.4%)

559

Page 186: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA/J version 10.1

器官別大分類

基本語

プラセボ群

(N=69)

ASP1941

12.5mg 群

(N=74)

25mg 群

(N=74)

50mg 群

(N=72)

100mg 群

(N=72)

腎および尿路障害 2(2.9%) 0 3(4.1%) 3(4.2%) 4(5.6%)

血尿 0 0 1(1.4%) 0 0

頻尿 2(2.9%) 0 2(2.7%) 3(4.2%) 3(4.2%)

多尿 0 0 0 0 1(1.4%)

生殖系および乳房障害 0 0 0 1(1.4%) 1(1.4%)

陰部そう痒症 0 0 0 0 1(1.4%)

前立腺石灰化 0 0 0 1(1.4%) 0

皮膚および皮下組織障害 2(2.9%) 2(2.7%) 0 2(2.8%) 1(1.4%)

湿疹 1(1.4%) 1(1.4%) 0 1(1.4%) 0

そう痒症 0 1(1.4%) 0 0 0

発疹 0 0 0 1(1.4%) 1(1.4%)

皮膚異常臭 1(1.4%) 0 0 0 0

血管障害 0 0 0 0 1(1.4%)

ほてり 0 0 0 0 1(1.4%)

発現例数(発現率)

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.4-29

2.7.6.21.7.2 死亡,その他の重篤な有害事象

本試験では,死亡は認められなかった。

重篤な有害事象の一覧を表 2.7.6.21-18 に示した。

重篤な有害事象は,プラセボ群で冠動脈狭窄,突発難聴及び急性心筋梗塞(各 1 例),12.5 mg

群で白内障(1 例)が認められた。そのうちプラセボ群の急性心筋梗塞(1 例)を除き,いずれも

治験薬との関連性は否定された。プラセボ群の急性心筋梗塞については,2 型糖尿病の他に高血

圧症,高脂血症等を合併し,多血症傾向及び喫煙歴がある被験者であったが,治療期用治験薬投

与後 1 カ月経過してからの発現であり,治験開始前の心電図では異常が認められなかったことか

ら,治験薬との関連性は完全には否定できないと判断された。

重篤な有害事象の叙述を別添に示した。

表 2.7.6.21-18 重篤な有害事象の一覧:SAF

投与群症例

番号人種 a 性別/

年齢MedDRA 基本語 b 発現/

終了日 c

程度/

重篤度

治験薬

の処置転帰

治験薬との

関連性

プラセボ

S01210 - 男/59 冠動脈狭窄 40/41中等度/

重篤変更なし 回復 否定できる

S01726 - 男/59 突発難聴 25/34軽度/

重篤中止 回復 否定できる

S02108 - 男/58 急性心筋梗塞 35/-重度/

重篤中止 軽快

関連あるかも

しれない

12.5 mg S00505 - 男/63 白内障 29/94中等度/

重篤変更なし 回復 否定できる

a:人種に関するデータは収集していない。

b:MedDRA/J Version 10.1

c:治療期用治験薬の初回処方日を 1 日目,その前日を−1 日目とした。

Source:CL-0103(5.3.5.1-1)付録 13.2.7.4

560

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2.7.6個々の試験のまとめ

試験期間終了後の重篤な有害事象として,プラセボ群に結腸ポリープ(1 例)が認められた。

本事象は,後観察期終了時点で非重篤と判定されていたが,その後,被験者が大腸ポリープ切除

術のために入院したことから,重篤な有害事象と判定された。なお,治験担当医師及び治験依頼

者ともに,本事象と治験薬との関連性を「否定できる」と判断した。

2.7.6.21.7.3 中止に至った有害事象

治験中止に至った有害事象の一覧を表 2.7.6.21-19 に示した。

治験中止に至った有害事象は,プラセボ群で 7 例(10.1%),12.5 mg 群で 3 例(4.1%),25 mg

群で 1 例(1.4%),50 mg 群で 2 例(2.8%),100 mg 群で 3 例(4.2%)に認められた。治験中止に

至った有害事象のうち,最も発現例数が多かったのは糖尿病(糖尿病の悪化)で,プラセボ群で

5 例,12.5 mg 群で 3 例,25 mg 群で 1 例であった。その他では,プラセボ群で突発難聴,口渇及

び急性心筋梗塞(各 1 例),12.5 mg 群で口渇,多尿及び頻尿(各 1 例),25 mg 群で尿中ケトン体

陽性(1 例),50 mg 群で湿疹及び心室性期外収縮(各 1 例),100 mg 群で発疹,口唇腫脹,感覚

鈍麻及び頻尿(各 1 例)がみられた。

これらのうち,プラセボ群の急性心筋梗塞及び糖尿病(糖尿病の悪化)(各 1 例),25 mg 群の

糖尿病(糖尿病の悪化)及び尿中ケトン体陽性(各 1 例),50 mg 群の湿疹及び心室性期外収縮(各

1 例),100 mg 群の発疹,口唇腫脹及び頻尿(各 1 例)は治験薬との関連性が否定されなかった。

561

Page 188: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-19 中止に至った有害事象の一覧:SAF

投与群 症例番号 人種 a 性別/

年齢MedDRA 基本語 b 発現/

終了日 c 程度/重篤度 転帰治験薬との

関連性

プラセボ S01314 - 男/57 糖尿病 d 31/- 軽度/非重篤 未回復 否定できる

S01329 - 男/40 糖尿病 d 15/- 軽度/非重篤 未回復 否定できる

S01726 - 男/59 突発難聴 25/34 軽度/重篤 回復 否定できる

S01812 - 男/45 糖尿病 d 29/40 軽度/非重篤 回復 否定できる

口渇 29/40 軽度/非重篤 回復 否定できる

S02108 - 男/58 急性心筋梗塞 35/- 重度/重篤 軽快 関連あるかもしれない

S02212 - 男/58 糖尿病 d 29/- 軽度/非重篤 未回復 関連あるかもしれない

S02922 - 男/65 糖尿病 d 57/- 軽度/非重篤 未回復 否定できる12.5 mg S01320 - 男/60 糖尿病 d 24/83 軽度/非重篤 回復 否定できる

S01822 - 男/42 糖尿病 d 2/11 軽度/非重篤 回復 否定できる

口渇 2/11 軽度/非重篤 回復 否定できる

多尿 2/11 軽度/非重篤 回復 否定できる

頻尿 2/11 軽度/非重篤 回復 否定できる

S03301 - 男/67 糖尿病 d 56/- 中等度/非重篤 未回復 否定できる25 mg S01214 - 男/39 糖尿病 d 15/- 軽度/非重篤 未回復 関連あるかもしれない

尿中ケトン体陽性 15/29 軽度/非重篤 回復 関連あるかもしれない50 mg S02213 - 男/58 湿疹 2/- 軽度/非重篤 未回復 多分(おそらく)関連あり

S02404 - 女/69 心室性期外収縮 15/- 軽度/非重篤 未回復 関連あるかもしれない100 mg S00804 - 女/61 発疹 11/17 中等度/非重篤 回復 多分(おそらく)関連あり

口唇腫脹 12/17 軽度/非重篤 回復 多分(おそらく)関連あり

S03006 - 男/65 感覚鈍麻 15/- 軽度/非重篤 未回復 否定できる

S03017 - 男/54 頻尿 15/22 軽度/非重篤 回復 関連あるかもしれない

a:人種に関するデータは収集していない。

b:MedDRA/J Version 10.1

c:治療期用治験薬の初回処方日を 1 日目,その前日を−1 日目とした。

d:糖尿病の悪化として報告された。

Source:CL-0103(5.3.5.1-1)付録 13.2.7.6

2.7.6.21.7.4 注目すべき有害事象

(1) 低血糖関連の有害事象

本試験で認められた低血糖関連の有害事象の要約を表 2.7.6.21-20 に示した。

低血糖関連の有害事象はプラセボ群で 2 例(2.9%),25 mg 群で 1 例(1.4%),50 mg 群で 1 例

(1.4%),100 mg 群で 1 例(1.4%)に認められた。このうち,100 mg 群の 1 例(低血糖症)以外

はすべて後観察期に他の血糖降下薬を投与した際に発現しており,本剤との関連性は否定された。

また,治験薬との関連性が否定されなかった 100 mg 群の低血糖症は,冷汗及び脱力感を伴ってい

たが,軽度な事象であり,ジュースの摂取により速やかに回復した。

表 2.7.6.21-20 低血糖関連の有害事象の要約:SAF

項目プラセボ群

(N=69)

ASP1941

12.5 mg 群

(N=74)

25 mg 群

(N=74)

50 mg 群

(N=72)

100 mg 群

(N=72)

低血糖関連の有害事象 2(2.9%) 0 1(1.4%) 1(1.4%) 1(1.4%)

低血糖関連の副作用 0 0 0 0 1(1.4%)

発現例数(発現率)

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.4-7,表 12.4-24

562

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2.7.6個々の試験のまとめ

(2) 尿路感染症関連の有害事象

本試験で認められた尿路感染症関連の有害事象の要約を表 2.7.6.21-21 に示した。

尿路感染症関連の有害事象は,プラセボ群で 1 例(1.4%),50 mg 群 3 例(4.2%),100 mg 群で

1 例(1.4%)に認められ,すべて膀胱炎であった。いずれも軽度であり,治験継続下で薬剤治療

により回復した。このうち,プラセボ群の 1 例(1.4%),50 mg 群の 2 例(2.8%)では治験薬との

関連性が否定されなかった。

表 2.7.6.21-21 尿路感染症関連の有害事象の要約:SAF

項目プラセボ群

(N=69)

ASP1941

12.5 mg 群

(N=74)

25 mg 群

(N=74)

50 mg 群

(N=72)

100 mg 群

(N=72)

尿路感染症関連の有害事象 1(1.4%) 0 0 3(4.2%) 1(1.4%)

尿路感染症関連の副作用 1(1.4%) 0 0 2(2.8%) 0

発現例数(発現率)

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.4-8,表 12.4-25

2.7.6.21.7.5 臨床検査値

変動が認められた臨床検査値及び関連する臨床検査値の推移を表 2.7.6.21-22 に示した。

本剤群では,赤血球数,ヘモグロビン,ヘマトクリット,BUN,血清 Mg,血清 P,尿中 Ca,

尿中Mg,尿中β2ミクログロブリン,尿中 α1ミクログロブリン及び尿浸透圧で上昇傾向がみられ,

尿酸及び尿 pH では低下傾向がみられた。しかしながら,いずれも軽微な変動であり,投与終了

後は投与前値に回復する傾向を示した。また,12.5 mg 群のみ,治療期 4 週時まで尿中 β-N アセチ

ル D グルコサミニダーゼの軽微な上昇が認められたが,治療期 8 週時以降は投与前値に回復する

傾向を示した。

なお,本試験で「副作用の重篤度分類基準」で臨床検査値がグレード 3 に該当した項目は血中

カリウム(高値)のみであり,12.5 mg 群で 1 例(1.4%),50 mg 群で 2 例(2.8%),100 mg 群で 1

例(1.4%)が該当した。これらのうち,100 mg 群の 1 例が有害事象(軽度)と判定されたが,治

験薬との関連性は否定された。

563

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.21-22 変動が認められた臨床検査値及び関連する臨床検査値の推移(平均値±標準偏

差):SAF

項目 時点 プラセボ群ASP1941

12.5 mg 群 25 mg 群 50 mg 群 100 mg 群

赤血球数(104/μL)

治療期開始時 469.5±45.10 460.1±43.66 459.7±41.09 465.0±36.50 466.7±41.35

治療期最終時点 468.5±44.48 474.9±37.39 476.2±43.56 485.2±39.60 485.4±41.26

変化量 -1.0±26.14 15.6±20.11 16.5±21.67 20.2±21.49 18.6±20.61

ヘモグロビン(g/dL)

治療期開始時 14.74±1.513 14.37±1.609 14.48±1.294 14.54±1.284 14.73±1.258

治療期最終時点 14.73±1.369 14.80±1.518 15.00±1.293 15.14±1.389 15.25±1.321

変化量 -0.02±0.855 0.46±0.602 0.52±0.683 0.60±0.662 0.52±0.623

ヘマトクリット(%)

治療期開始時 42.77±4.309 41.91±4.554 42.18±3.660 42.44±3.599 42.71±3.569

治療期最終時点 42.69±3.767 43.30±4.126 43.67±3.724 44.42±3.899 44.72±3.765

変化量 -0.08±2.610 1.47±1.946 1.49±2.094 1.98±2.094 1.98±1.897

総タンパク(g/dL)

治療期開始時 7.29±0.337 7.23±0.372 7.29±0.409 7.23±0.372 7.32±0.382

治療期最終時点 7.25±0.441 7.26±0.387 7.30±0.455 7.29±0.388 7.37±0.425

変化量 -0.04±0.397 0.03±0.322 0.02±0.330 0.05±0.339 0.05±0.328

アルブミン(g/dL)

治療期開始時 4.41±0.255 4.39±0.237 4.43±0.270 4.33±0.224 4.42±0.248

治療期最終時点 4.37±0.323 4.42±0.237 4.44±0.295 4.40±0.237 4.46±0.271

変化量 -0.04±0.226 0.04±0.211 0.01±0.190 0.07±0.208 0.04±0.212

BUN(mg/dL)

治療期開始時 13.6±3.53 13.4±3.43 13.9±3.53 13.0±3.32 14.0±4.05

治療期最終時点 13.3±3.15 14.8±3.01 14.9±3.23 15.2±3.64 15.8±4.23

変化量 -0.3±3.52 1.3±2.83 1.0±3.25 2.2±3.27 1.8±3.47

クレアチニン(mg/dL)

治療期開始時 0.642±0.1412 0.651±0.1505 0.641±0.1432 0.641±0.1465 0.674±0.1348

治療期最終時点 0.623±0.1332 0.637±0.1499 0.632±0.1392 0.641±0.1535 0.685±0.1382

変化量 -0.019±0.0653 -0.015±0.0561 -0.009±0.0523 0.001±0.0537 0.011±0.0594

尿酸(mg/dL)

治療期開始時 4.75±1.346 4.70±1.315 4.99±1.487 4.65±1.388 4.83±1.068

治療期最終時点 4.71±1.466 4.66±1.370 4.60±1.280 4.36±1.258 4.70±1.091

変化量 -0.04±0.639 -0.05±0.632 -0.39±0.729 -0.30±0.871 -0.13±0.755

血清 Na(mEq/L)

治療期開始時 138.7±2.12 138.9±2.00 139.0±1.98 138.8±2.37 139.0±1.90

治療期最終時点 138.5±1.89 138.8±2.33 139.0±1.98 139.1±2.32 139.5±1.72

変化量 -0.2±1.95 -0.1±1.95 -0.1±1.83 0.3±2.04 0.5±1.79

尿中 Na(mEq/gCre)

治療期開始時 144.7±86.45 153.8±95.28 147.6±92.45 134.0±69.38 142.8±81.53

治療期最終時点 157.0±92.44 145.8±93.84 156.3±103.09 150.6±77.95 155.5±97.57

変化量 12.3±95.87 -8.9±101.70 8.7±87.43 16.6±82.41 12.6±86.94

血清 K(mEq/L)

治療期開始時 4.21±0.296 4.18±0.308 4.22±0.249 4.18±0.288 4.24±0.336

治療期最終時点 4.18±0.311 4.19±0.337 4.19±0.317 4.18±0.227 4.24±0.380

変化量 -0.03±0.283 0.01±0.284 -0.03±0.293 0.01±0.254 0.00±0.362

尿中 K(mEq/gCre)

治療期開始時 60.90±29.180 63.16±31.151 62.69±29.001 58.79±22.276 59.47±23.895

治療期最終時点 60.09±24.106 64.96±31.385 65.84±34.729 68.00±26.856 65.10±28.087

変化量 -0.81±25.546 2.05±27.595 3.15±25.074 9.20±24.235 5.62±26.036

血清 Cl(mEq/L)

治療期開始時 100.8±2.06 100.4±2.42 100.5±2.39 100.7±2.44 100.8±1.94

治療期最終時点 100.7±2.01 100.9±2.59 101.0±2.05 101.4±2.07 101.9±2.07

変化量 -0.1±2.11 0.5±2.17 0.5±1.78 0.6±2.23 1.1±1.81

血清 Ca(mg/dL)

治療期開始時 9.59±0.354 9.54±0.281 9.56±0.381 9.47±0.314 9.54±0.278

治療期最終時点 9.43±0.391 9.43±0.275 9.46±0.354 9.41±0.345 9.49±0.336

変化量 -0.16±0.348 -0.12±0.272 -0.10±0.306 -0.07±0.278 -0.05±0.307

尿中 Ca(mg/gCre)

治療期開始時 114.52±73.344 91.91±53.707 94.55±72.118 87.53±57.220 104.71±69.344

治療期最終時点 114.50±69.122 116.93±81.208 111.90±75.896 110.52±64.742 122.21±72.921

変化量 -0.02±60.424 24.62±66.871 17.35±60.346 22.99±55.207 17.50±66.010

血清 Mg(mg/dL)

治療期開始時 2.13±0.148 2.11±0.154 2.11±0.152 2.11±0.170 2.14±0.159

治療期最終時点 2.10±0.144 2.15±0.143 2.19±0.139 2.20±0.157 2.26±0.163

変化量 -0.03±0.135 0.04±0.125 0.08±0.130 0.09±0.131 0.12±0.128

尿中 Mg(mg/gCre)

治療期開始時 56.22±27.732 49.87±23.957 53.68±29.445 48.84±22.807 53.90±25.740

治療期最終時点 57.65±26.084 63.49±29.566 68.54±36.161 61.77±28.461 65.76±38.789

変化量 1.42±27.411 13.45±24.016 14.86±27.867 12.93±20.666 11.87±30.425

564

Page 191: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

項目 時点 プラセボ群ASP1941

12.5 mg 群 25 mg 群 50 mg 群 100 mg 群

血清 P(mg/dL)

治療期開始時 3.31±0.472 3.25±0.409 3.33±0.474 3.38±0.465 3.25±0.361

治療期最終時点 3.28±0.405 3.30±0.410 3.43±0.395 3.51±0.398 3.43±0.453

変化量 -0.03±0.368 0.05±0.321 0.10±0.387 0.13±0.392 0.18±0.411

β-N アセチル D

グルコサミニ

ダーゼ(U/g Cre)

治療期開始時 9.70±6.393 10.88±5.609 9.11±4.882 10.13±6.257 11.14±9.245

治療期最終時点 9.61±5.501 11.82±8.191 10.41±7.276 10.33±4.996 10.04±4.842

変化量 -0.09±4.863 0.93±5.546 1.30±6.123 0.20±4.778 -1.11±7.152

β2-ミクログロ

ブリン(μg/g Cre)

治療期開始時 189.6±185.90 241.0±298.39 184.8±259.21 177.7±136.91 225.6±265.13

治療期最終時点 223.0±251.99 321.7±515.59 302.9±585.71 259.2±346.07 353.2±731.98

変化量 33.5±208.00 80.9±524.50 118.1±451.81 81.5±309.26 127.6±546.84

α1-ミクログロ

ブリン(mg/g Cre)

治療期開始時 7.47±4.790 8.47±4.742 7.22±4.762 7.30±4.433 7.90±4.963

治療期最終時点 8.01±4.956 9.62±5.799 8.74±6.753 9.01±5.056 9.52±6.744

変化量 0.54±3.781 1.27±4.681 1.52±4.724 1.71±3.951 1.62±4.629

尿浸透圧(mOsm/L)

治療期開始時 608.4±276.77 584.5±272.27 697.3±263.54 631.4±254.13 600.2±248.62

治療期最終時点 604.8±276.95 706.1±245.48 748.5±255.53 777.7±226.57 764.8±232.69

変化量 -3.6±303.08 122.5±268.97 51.3±250.21 146.4±241.81 164.6±273.07

尿 pH

治療期開始時 6.09±0.682 6.13±0.603 6.11±0.685 6.15±0.548 6.10±0.633

治療期最終時点 6.14±0.712 5.89±0.591 5.77±0.556 5.83±0.563 5.72±0.580

変化量 0.04±0.668 -0.23±0.672 -0.34±0.579 -0.32±0.552 -0.39±0.646

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.4-34,表 12.4-35

2.7.6.21.7.6 バイタルサイン

収縮期血圧及び拡張期血圧の推移を表 2.7.6.21-23 に示した。

収縮期血圧の変化量(平均値)をベースライン(治療期開始時)と治療期最終時点で比較した

結果,プラセボ群で−0.5 mmHg であったのに対し,本剤群では−0.9~−3.6 mmHg と,より収縮期

血圧が低下する傾向が認められた。拡張期血圧及び脈拍数に大きな変動は認められなかった。

表 2.7.6.21-23 収縮期血圧及び拡張期血圧(mmHg)の推移(平均値±標準偏差):SAF

投与群 時点 収縮期血圧 拡張期血圧

プラセボ

治療期開始時 126.5±12.74 77.8±10.55

治療期最終時点 126.0±12.01 76.3±10.49

変化量 -0.5±13.62 -1.5±9.64

ASP1941 12.5mg

治療期開始時 128.5±13.55 77.2±9.10

治療期最終時点 125.5±14.59 77.1±10.78

変化量 -3.3±11.01 -0.3±7.46

ASP1941 25mg

治療期開始時 127.7±13.56 77.1±9.95

治療期最終時点 126.7±14.88 76.4±10.77

変化量 -0.9±13.70 -0.7±9.55

ASP1941 50mg

治療期開始時 127.5±14.29 77.9±11.08

治療期最終時点 124.2±17.38 75.5±11.35

変化量 -3.3±14.63 -2.5±9.39

ASP1941 100mg

治療期開始時 126.1±12.71 76.5±9.15

治療期最終時点 122.5±13.82 75.6±8.99

変化量 -3.6±10.92 -0.9±9.60

Source:CL-0103 総括報告書(5.3.5.1-1)表 12.4-39,表 12.4-40

565

Page 192: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.21.7.7 心電図

12 誘導心電図では,治療期用治験薬投与開始後に臨床的に重要な異常が認められた被験者は,

プラセボ群で 2 例(症例番号 S01210,S02108),50 mg 群で 2 例(症例番号 S00613,S02404)で

あった。そのうちプラセボ群の 1 例[心筋虚血(S01210)]は合併症に起因する心電図異常であり,

治験薬投与開始前から認められていた。その他のプラセボ群の 1 例[急性心筋梗塞(S02108)]及

び 50 mg 群の 2 例[心房細動(S00613),心室性期外収縮(S02404)]は有害事象と判定され,治

験薬との関連性は否定されなかった。

2.7.6.21.8 結論

● 主要評価項目である HbA1c 値は用量依存的に低下し,本剤群ではいずれもプラセボ群に対し

て有意な HbA1c 値の低下が認められた。また,HbA1c 値の低下量は 50 mg 群でプラトーに達

し,100 mg 群で HbA1c 値の更なる低下は認められなかった。50 mg 群と 100 mg 群では,プ

ラセボ群との HbA1c 値の低下量の差が,既存の血糖降下薬と比較して臨床的に意味のある程

度と考えられる 1%を超えた。これらの結果から,日本人の 2 型糖尿病患者では本剤 50 mg/

日及び 100 mg/日が有用な用量であることが示唆された。

● 空腹時血糖値も用量依存的に低下し,本剤群ではいずれもプラセボ群に対して有意な空腹時

血糖値の低下が認められた。HbA1c 値の変化量は 50 mg 群と 100 mg 群で同程度であったの

に対し,空腹時血糖値の変化量は 100 mg 群が 50 mg 群を上回った。更に,100 mg 群では,

治療期最終時点での HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満を達成した被験者の割合が最も高

かった。

● 本試験では,空腹時血糖値の低下に加え,空腹時インスリン及び体重の低下,アディポネク

チンの上昇が認められた。体重は治療期に減少し,後観察期には増加したが,ベースライン

値までは到達しなかった。このことから,本試験で認められた体重減少には,体液及び体脂

肪に対する効果のいずれもが関わっている可能性が示唆された。

● 有害事象及び副作用の発現率に,用量依存性は認められなかった。また,本試験で認められ

た臨床検査値の変動はいずれも軽微であり,すべての本剤群で投与終了後は投与前値に回復

する傾向が認められた。本試験で認められた低血糖関連の有害事象は 100 mg群の 1例であり,

軽度な事象であった。これらの結果から,より長期間の投与について引き続き検討する必要

があると考えられるものの,日本人の 2 型糖尿病患者に本剤を 100 mg/日まで 12 週間投与し

た際の安全性に臨床上大きな問題がないことが確認された。

● 以上の結果より,日本人の 2 型糖尿病患者では,本剤は 1 日 1 回 50 mg が臨床的に有効かつ

安全な用量として考えられた。更に,50 mg/日を投与して十分な有効性が得られない日本人

では,100 mg/日投与で更なるベネフィットが得られる可能性が考えられた。

566

Page 193: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.22 第III相単独療法試験[CL-0105](添付資料 5.3.5.1-2)

2.7.6.22.1 試験方法の概略

治験課題名:

ASP1941第 III相試験 -2 型糖尿病患者を対象としたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験-

治験実施医療機関:日本 22 施設

公表文献:なし

治験期間:

治験開始日:2010 年 1 月(最初の同意日) 治験終了日:2010 年 11 月(最終の評価日)

開発のフェーズ:第 III 相

目的: 2 型糖尿病患者を対象に,ASP1941(以下,本剤)50 mg 又はプラセボを 1 日 1 回 16 週間投与し

たときの,ヘモグロビン A1c(以下,HbA1c)値の変化量に基づく本剤の有効性(プラセボに対

する優越性),安全性及び薬物動態について検討する。

治験デザイン・治験方法:

プラセボ対照,多施設共同,二重盲検並行群間比較試験として実施した。4 週間のスクリーニン

グ期と,単盲検下,2 週間のプラセボ run-in 期の後に,被験者を本剤 50 mg 又はプラセボ群のい

ずれかに,スクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投与の有無により層別に割り当てた。

その後 16 週間二重盲検下で治験薬を投与した(治療期)。治験薬服用終了後,4 週間の後観察期

を設けた。 なお,本試験では,HbA1c 値を Japan Diabetes Society(JDS)値で表記した。 目標被験者数:

120 例(各群 60 例) 【設定根拠】

第 II 相用量設定試験[CL-0103]で,主要評価項目である治療期最終時点の HbA1c 値のベースラ

インからの変化量(%)の平均値(標準偏差)は,本剤 50 mg 群で−0.79(0.567),プラセボ群で

0.48(0.975)であった。プラセボ群の HbA1c 値はベースラインより悪化したが,本試験の被験者

数の設定では,プラセボ群のベースラインからの変化量を 0.0,本剤 50 mg 群とプラセボ群の差を

−0.79 と想定した。共通の標準偏差を 1.0,有意水準を両側 5%,検出力を 90%とすると,プラセ

ボに対する優越性を検証するために必要な被験者数は,1 群あたり 34 例となった。低血糖症状発

現のリスクを含めた本剤の安全性を評価するため,目標被験者数を 1 群あたり 60 例とした。 診断及び選択・除外基準:

以下の選択基準のすべてを満たし,かつ除外基準のいずれにも該当しない 2 型糖尿病患者を対象

とした。 1. 選択基準

<同意取得時> (1) 同意取得時の年齢が 20 歳以上の外来患者(性別不問) <Visit 1> (2) Visit 1 又はそれより前に,文書による同意が得られている患者 (3) Visit 1 の時点で,2 型糖尿病と診断されてから 12 週(84 日)以上経過している患者 (4) 食事・運動療法のみで治療されている患者,若しくは単剤又は低用量の 2 剤(それぞれ薬剤

の投与量は最大承認用量の 50%以下)の血糖降下薬を服用している患者で,治験期間(スク

リーニング期から治療期まで,合わせて 22 週間)に当該薬剤の服用を安全に中止することが

可能であると治験担当医師によって判断され,かつこれに同意した患者 (治験担当医師は,Visit 1 の時点で,被験者が Visit 2 の選択基準も満たすことが可能と見込まれ

567

Page 194: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

るか確認することとした。) <Visit 2> (5) Visit 2のHbA1C値が 7.0%以上 10.0%以下,かつVisit 1からVisit 2のHbA1C値の変化量が±1.0%

以内の患者 (6) Visit 2 の体格指数(以下,BMI)が 20.0 kg/m2 以上 45.0 kg/m2 以下の患者 2. 除外基準

<Visit 1> (1) 1 型糖尿病の患者 (2) 増殖性網膜症を有する患者 (3) Visit 1 から遡って 12 週(84 日)以内にインスリンの投与を受けた患者 (4) 腎血管閉塞性疾患,腎摘出,腎移植等,医学的に重要な腎疾患の既往歴を有する患者 (5) 神経因性膀胱や前立腺肥大症等により,明らかな排尿障害を合併している患者 (6) Visit 1 に自覚症状を有する尿路感染症,性器感染症を有する患者 (7) 副腎皮質ステロイド製剤,免疫抑制剤,ループ利尿薬等を継続的に使用(内服,注射,吸入)

する必要のある慢性疾患を有する患者 (8) Visit 1 から遡って 12 週(84 日)以内に,脳血管発作,不安定狭心症,心筋梗塞,血管形成

術,重篤な心疾患(NYHA Class III-IV)の既往歴がある患者,又は本薬の投与や安全性の評

価に影響を与えると治験担当医師が判断するような心・脳血管疾患を合併している患者 (9) 不安定な精神医学的疾患を有する患者 (10) 試験期間中に適切な避妊方法を施行できない男性又は閉経前の女性。妊娠を希望している女

性,妊娠している女性,又は授乳中の女性 (11) 重症感染症,手術前後,重篤な外傷のある患者 (12) 薬物中毒,又はアルコール依存症の患者 (13) 悪性腫瘍を合併している患者 (14) 過去に本剤やその類薬(Na+/グルコース共輸送担体阻害作用を有する治験薬)に対してアレ

ルギー反応を示した患者 (15) 過去に本剤の投与(観察期プラセボを除く)を受けた患者 (16) 文書同意取得日から遡って 12 週(84 日)以内に,他の医療用医薬品・医療機器の治験又は

製造販売後臨床試験に参加した経験のある患者,又は現在参加している患者 (17) 本試験で規定した来院や服薬ルール等,被験者が遵守すべき事項をひとつでも遵守できない

患者,又はこれに同意しない患者 (治験担当医師は,Visit 1 の時点で,被験者が Visit 2 の除外基準に抵触しないことが可能と見込

まれるか確認することとした。) <Visit 2> (18) Visit 2 の血清クレアチニン値が基準値上限を超える患者 (19) Visit 2 の尿中のアルブミン/クレアチニン比が 300 mg/g クレアチニンを超える患者 (20) Visit 2 の AST 値及び ALT 値が基準値上限の 3 倍を超える患者 (21) Visit 1 から Visit 2 までに尿路感染症,性器感染症を発現した患者,又は Visit 2 に自覚症状を

有する尿路感染症,性器感染症を有する患者 (22) 血圧のコントロールが不良の患者(Visit 2 の 5 分間安静後の坐位の収縮期血圧が 170 mmHg

を超える,又は拡張期血圧が 95 mmHg を超える患者) (23) Visit 2 に重篤な消化管障害を合併している患者,又は重篤な消化管障害の手術歴を有する患

者 (24) 糖尿病性ケトアシドーシスの患者 (25) Visit 2 の妊娠検査(尿)で陽性を示した閉経前の女性 (26) その他,治験担当医師により,本試験に組入れるのが不適当と判断された患者

568

Page 195: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

治験薬,投与量及び投与方法:

1. 治験薬(製剤ロット番号) (1) 被験薬 ASP1941 錠 50 mg:ASP1941 L-プロリンを 64.3 mg(ASP1941 として 50 mg)含有するフィルムコー

ト錠(09171A) (2) 対照薬 ASP1941 錠 50 mg プラセボ:ASP1941 錠 50 mg と外観上識別不可能な錠剤(09140A) (3) 観察期用治験薬 観察期用 ASP1941 錠 50 mg プラセボ:ASP1941 錠 50 mg と外観上識別不能な錠剤(09140A) 2. 投与量及び投与方法 4 週間のスクリーニング期後,プラセボ run-in 期に観察期用治験薬(プラセボ)を 1 日 1 回朝食

前に 2 週間経口投与した(単盲検)。その後,ASP1941 錠 50 mg 又は ASP1941 錠 50 mg プラセボ

を 1 錠,1 日 1 回朝食前に 16 週間経口投与した(二重盲検)。 【設定根拠】

第 I 相試験[CL-0101]で,日本人健康成人男性に本剤を 7 日間反復投与したときの尿中グルコー

ス排泄作用には,本剤 50 mg 群と 100 mg 群で大きな差は認められなかった。また,第 II 相用量

設定試験[CL-0103]で,日本人 2 型糖尿病患者に本剤を 100 mg まで 12 週間投与したときの安

全性に大きな問題はなく,主要評価項目である HbA1c 値の変化量は 50 mg 群と 100 mg 群で同程

度(プラセボとの変化量の差:約−1.2%)であり,本剤は 50 mg/日以上で臨床的に意義のある血

糖降下作用を示すと考えた。これらの結果に基づき,臨床推奨用量になると考えられた 50 mg/日を本試験の投与量とした。 日本人健康成人男性に対して 7 日間反復投与したときの本剤の血漿中未変化体濃度及び尿中グ

ルコース排泄作用の持続性を考慮した結果,1 日 1 回投与が妥当であると考えられた。また,日

本人健康成人男性を対象とした第 I 相試験[CL-0101]で食事の影響を検討したところ,空腹時と

食後で血漿中未変化体濃度に大きな差がなかったことから,朝食前,朝食後のいずれでも投与が

可能であると考えられたが,被験者ごとの投与時期を統一するために朝食前投与とした。 主要評価項目である HbA1c 値の評価に十分な投与期間として,治療期を 16 週とした。また,2型糖尿病薬の前投与の影響を少なくするため,観察期を 6 週とした。このうち,プラセボ run-in期は,投与開始初期のプラセボ効果を軽減するために,2 週とした。 評価期間:

● 観察期:4 週(スクリーニング期)及び 2 週(プラセボ run-in 期)の計 6 週 ● 治療期:16 週 ● 後観察期:4 週

併用治療(薬剤及び療法):

1. 併用禁止薬 Visit 1 の来院から Visit 7(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,血糖降下薬及び

インスリンの投与を禁止した。Visit 7(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了後は,血

糖降下薬及びインスリンの投与を可能とした。 2. 条件付併用可能薬 (1) Visit 1 の来院から Visit 7(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,リウマチ,喘

息等の慢性疾患のための副腎皮質ステロイド製剤,免疫抑制剤及びループ利尿薬の継続的投与

(内服,注射,吸入)を禁止した。ただし,塗布等の局所使用の場合や,一時的な場合は使用

を認めた。 (2) Visit 1 の来院から Visit 7(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,血糖に直接影

響を与えると考えられるブドウ糖及びグルカゴン等の継続的投与(点滴,注射)を禁止した。

569

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2.7.6 個々の試験のまとめ

ただし,一時的な場合は使用を認めた。 3. 併用禁止療法 Visit 1 の来院までに実施されていた食事療法は,Visit 7(若しくは中止時)の有効性評価項目の検

査終了まで,内容の変更を禁止した。また,Visit 1 の来院から Visit 7(若しくは中止時)の有効

性評価項目の検査終了まで,糖尿病の治療を目的とした入院療法を禁止した。

評価項目,評価スケジュール及び評価基準:

1. 評価スケジュール

観察期

治療期 後観察期 スクリー ニング期

プラセボ run-in 期

Visit 1 2 3a 4 5 6 7/中止時 8

来院日(週) −6 −2 0 4 8 12 16/中止時 Visit 7 又は中止時 +4

来院日 b(Day) −42 −14 1 29 57 85 113/中止時 Visit 7 又は中止時 +28

来院時期の許容範囲(Day) −49~−35 −21~−7 1 22~36 50~64 78~92 106~127c Visit 7 又は中止時 +14~+42

同意取得 Xd 選択除外基準確認 X X 登録・割り付け Xe 身長・体重・ウエスト周囲

径・バイタルサイン f X X X X X X X X

身体所見 X X X X X X X X 12 誘導心電図 X X X X X 妊娠検査(閉経前女性のみ) X X 観察期用治験薬の処方 X 治療期用治験薬の処方 X X X X 服薬状況確認 X X X X X 前治療薬・併用薬調査 X X X X X X X 有害事象調査 g X X X X X X X 血液学的検査 血液生化学検査 尿検査(細菌を除く)g

X X X X X X X X

尿検査(細菌)g X X X 骨代謝関連検査 1 h X X X X X 骨代謝関連検査 2 i X X HbA1c 測定 X X X X X X X X 空腹時血糖値測定 X X X X X X X X 空腹時インスリン,空腹時 インタクトプロインスリン,

レプチン,アディポネクチン

の測定

X X X X X

血漿中未変化体濃度測定 X X X X a: Visit 3 の値をベースラインとした。 b: 治療期用治験薬初回処方日(Visit 3)を Day 1 とし,その前日を Day −1 とした。被験者は来院日には朝食を摂らず,又治験

薬を服用しないで午前中に来院することとした。 c: Visit 7 の来院時期の許容範囲のみを示した。 d: 同意取得は Visit 1 の検査前に実施した。 e: 登録・治験薬の割り付けは Visit 2~Visit 3 間に実施した。 f: 身長は Visit 1 のみ測定した。ウエスト周囲径は Visit3 及び Visit7(あるいは中止時)のみ測定した。 g: 尿路感染症,性器感染症が疑われる場合は,規定外の来院であっても,可能な限り尿検査(沈渣と細菌)を実施した。 h: 血清 I 型コラーゲン架橋 C–テロペプチド(CTx),血清骨型アルカリホスファターゼ(BAP),尿中 I 型コラーゲン架橋

N–テロペプチド(NTx),酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b) i: 25-ヒドロキシビタミン D(25-OH ビタミン D),インタクト副甲状腺ホルモン(Intact-PTH)

570

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2. 有効性 主要評価項目:HbA1c 値 副次評価項目: ● 空腹時血糖値 ● 空腹時インスリン,空腹時インタクトプロインスリン/インスリン比,レプチン,アディポ

ネクチン,体重,ウエスト周囲径 3. 薬物動態 薬物動態を評価するため,血漿中未変化体濃度を測定した。 4.安全性 安全性の評価項目は,以下のとおりであった。 ● 有害事象 ● 臨床検査 ● バイタルサイン(坐位血圧,坐位脈拍数) ● 心電図

治療期用治験薬初回投与後に生じた有害事象を,治療期有害事象(以下,有害事象)として定義

した。治験担当医師は,有害事象と治験薬との関連性を以下の基準により判定した。「関連あるか

もしれない」又は「多分(おそらく)関連あり」のいずれかに該当したものを,「治験薬との関連

性が否定できない有害事象」(以下,副作用)と定義した。

治験薬との関連性 関連性判定基準

否定できる 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的関係から因果関係がありそうにないと思わ

れる場合や,他の薬剤や合併症・基礎疾患等により説明ができる場合

関連あるかもしれない

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係があるが,以下の項目の

いずれかに該当する場合 ・要因として合併症・基礎疾患や他の薬剤による説明もできる場合 ・投与中止に関する情報が不明確な場合

多分(おそらく)関連あり

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係がある場合や,以下の項

目に該当する場合 ・再投与により再発又は投与中止により消失又は軽快をしめす場合 ・合併症・基礎疾患や他の薬剤では説明ができない,又はそれらによる可能性が考

えにくい場合 治験担当医師は,有害事象の程度を平成 4 年 6 月 29 日薬安第 80 号添付「医薬品等の副作用の重

篤度分類基準について」のグレードを参考に判定した。この基準に規定されていない項目につい

ては,以下に従って判定した。 ● 軽 度:日常の活動に支障がないもの ● 中等度:日常の活動に支障があるもの ● 重 度:日常の活動が不可能になるもの

571

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2.7.6 個々の試験のまとめ

統計解析:

1. 解析対象集団

(1) 最大の解析対象集団(以下,FAS): 治療期中に治療期用治験薬を 1 回以上服用し,治療期用治験薬投与後に有効性に関する評価項目

が 1 項目でも測定されている症例による集団を FAS とした。 (2) 治験実施計画書に適合した対象集団(以下,PPS): FAS に含まれる症例のうち,以下の基準を満たす症例による集団を PPS とした。 ● 選択基準に合致し,除外基準に抵触しない症例 ● 治療期用治験薬の投与期間が 56 日以上の症例(ただし,効果不十分及び対象疾患の悪化にて

中止した症例については,PPS に含めることとした。) ● 治療期用治験薬の服薬率が 80%以上の症例 ● 併用禁止薬が使用されなかった症例 ● 条件付併用可能薬が使用されなかった症例,又は条件の範囲内で使用された症例 ● その他,重大な治験実施計画書違反がなかった症例 (3) 安全性解析対象集団(以下,SAF): 治療期用治験薬を 1 回以上服用している症例による集団を安全性解析対象集団とした。 (4) 薬物動態解析対象集団(以下,PKAS): 治療期用治験薬のうち被験薬を服薬し,1 時点以上の血漿中未変化体濃度測定値を有し,かつ来

院日の採血日時と直近の服薬日時が記載された症例を薬物動態解析の対象とした。 2. 被験者背景及びその他の基準値

データの尺度・性質に応じて,2 標本 t 検定又は Fisher の直接確率検定を用いて,投与群間の不均

衡を検討した(有意水準の目安:両側 0.05)。投与群間に不均衡が認められ,臨床的に主要評価項

目に影響があると考えられた場合には,その項目による調整をした解析を実施し,主要評価項目

の主要な解析に及ぼす影響を検討することとした。 3. 有効性 有効性の主要評価項目の解析では,FAS を対象とした。治療期最終時点における HbA1c 値のベー

スラインからの変化量について,HbA1c 値のベースライン及びスクリーニング期開始前 8 週以内

の血糖降下薬投与の有無を共変量とした共分散分析を用いて,本剤 50 mg 群(以下,50 mg 群)

とプラセボ群を比較した(有意水準:両側 0.05)。 4. 薬物動態 評価時点別に血漿中未変化体濃度の要約統計量を算出した。 5. 安全性 有害事象の解析には,MedDRA Version 12.1 の器官別大分類(SOC)と基本語(PT)を用いた。Fisherの直接確率検定の有意水準は,両側 0.05 とした。 報告書の日付: 年 月 日

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.22.2 被験者の内訳及び解析対象集団

治療期用治験薬の投与を受けた 129 例(プラセボ群 67 例,50 mg 群 62 例)のうち,116 例(プ

ラセボ群 58 例,50 mg 群 58 例)が試験を完了し,13 例(プラセボ群 9 例,50 mg 群 4 例)が試

験を中止した(図 2.7.6.22-1)。プラセボ群での治療期の主な中止理由としては,糖尿病の悪化

(6 例)が最も多かった(表 2.7.6.22-1)。50 mg 群での治療期の主な中止理由は,有害事象(2 例),

糖尿病の悪化(1 例)及びその他(1 例)であった。

治療期用治験薬を処方された 130 例のうち,治療期用治験薬の投与を受けなかった 1 例をすべ

ての解析対象集団から除外し,残る 129 例(プラセボ群 67 例,50 mg 群 62 例)を FAS,SAF 及

び PKAS として採用した(表 2.7.6.22-2)。FAS のうち,5 例(プラセボ群 3 例,50 mg 群 2 例)を

PPS から除外し,124 例(プラセボ群 64 例,50 mg 群 60 例)を PPS として採用した。最も多かっ

た PPS 除外理由は,投与期間不足であった。

図 2.7.6.22-1 被験者の内訳 同意取得 N=208

観察期用治験薬の投与 N=184 プラセボ run-in 期前の中止 N=24 無作為化 N=131 無作為化前の中止 N=53 治療期用治験薬の処方 N=130 治療期用治験薬処方前の中止 N=1

プラセボ群 N=68 ASP1941 50 mg 群 N=62

治療期用治験薬の投与 N=129 治療期用治験薬投与前の中止 N=1

プラセボ群 N=67 プラセボ群 N=1 ASP1941 50 mg 群 N=62

完了 N=116 治療期用治験薬投与後の中止 N=13

プラセボ群 N=58 プラセボ群 N=9 ASP1941 50 mg 群 N=58 ASP1941 50 mg 群 N=4

Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.1.1.1,12.1.1.3,12.1.1.4,12.1.1.6,12.1.1.7

573

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.22-1 主な中止理由 プラセボ ASP1941 50 mg 合計

プラセボ run-in 期前の中止 ‐ ‐ 24 選択基準を満たさなかった又は除外基準に抵触した ‐ ‐ 14 (58.3%) 同意の撤回 ‐ ‐ 7 (29.2%) その他 ‐ ‐ 3 (12.5%) プラセボ run-in 期の中止

a ‐ ‐ 54 選択基準を満たさなかった又は除外基準に抵触した ‐ ‐ 53 (98.1%) その他 ‐ ‐ 1 (1.9%) 治療期の中止

b 有害事象 1 (10.0%) 2 (50.0%) 3 (21.4%) 効果不十分 1 (10.0%) 0 1 (7.1%) 原疾患の悪化 6 (60.0%) 1 (25.0%) 7 (50.0%) 同意の撤回 1 (10.0%) 0 1 (7.1%) 観察継続不能 1 (10.0%) 0 1 (7.1%) その他 0 1 (25.0%) 1 (7.1%)

例数(割合) a:無作為化前の中止例(N=53)と治療期用治験薬処方前の中止例(N=1)を含む。 b:治療期用治験薬投与前の中止例(N=1)と治療期用治験薬投与後の中止例(N=13)を含む。 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.1.1.2,12.1.1.5,12.1.1.9

表 2.7.6.22-2 解析対象集団

プラセボ ASP1941 50 mg 合計

FAS 採用 67 (98.5%) 62 (100.0%) 129 (99.2%) 除外 1 (1.5%) 0 1 (0.8%)

PPS 採用 64 (94.1%) 60 (96.8%) 124 (95.4%) 除外 4 (5.9%) 2 (3.2%) 6 (4.6%)

SAF 採用 67 (98.5%) 62 (100.0%) 129 (99.2%) 除外 1 (1.5%) 0 1 (0.8%)

PKAS 採用 67 (98.5%) 62 (100.0%) 129 (99.2%) 除外 1 (1.5%) 0 1 (0.8%)

例数(割合) Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.1.1.8

2.7.6.22.3 人口統計学的及び他の基準値の特性

FAS の人口統計学的及び他の基準値の特性には,身長を除き,統計的に有意な投与群間の不均

衡は認められなかった(表 2.7.6.22-3)。プラセボ群の身長は,50 mg 群に比べ統計的に有意に高かっ

た(P=0.005,t 検定)。プラセボ群,50 mg 群ともに,男性の割合は約 70%,平均年齢は約 60 歳,

BMI の平均値は約 25 kg/m2,糖尿病の罹病期間の中央値は約 60 カ月であった。HbA1c 値(平均値)

は,プラセボ群で 7.85%,50 mg 群で 8.00%であった。

なお,本試験では,スクリーニング期開始前 8 週以内に血糖降下薬の注射剤の投与を受けた被

験者はいなかった。

574

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.22-3 人口統計学的及び他の基準値の特性:FAS

プラセボ ASP1941 50 mg P 値 N=67 N=62

年齢(歳) [同意取得時]

平均値(標準偏差) 58.3 (10.45) 60.6 (9.42) 0.192b

最小値,最大値 31, 78 38, 79 65 歳未満 45 (67.2%) 38 (61.3%) 0.582a 65 歳以上 22 (32.8%) 24 (38.7%)

性別 男性 48 (71.6%) 42 (67.7%) 0.703a

女性 19 (28.4%) 20 (32.3%) 身長(cm) [スクリーニング期]

平均値(標準偏差) 164.76 (8.651) 160.62 (7.590) 0.005b

最小値,最大値 147.5, 188.4 143.7, 176.2 体重(kg) [スクリーニング期]

平均値(標準偏差) 69.64 (12.556) 65.52 (10.966) 0.050b 最小値,最大値 47.5, 107.0 46.4, 93.3

BMI(kg/m2) [スクリーニング期]

平均値(標準偏差) 25.60 (3.885) 25.29 (3.118) 0.620b

最小値,最大値 20.2, 38.0 20.1, 33.5 25 kg/m2 未満 37 (55.2%) 31 (50.0%)

0.599a 25 kg/m2 以上 30 (44.8%) 31 (50.0%)

罹病期間 c(カ月) [スクリーニング期]

平均値(標準偏差) 70.8 (61.06) 90.4 (82.55) 0.126b 中央値 60.0 62.0

最小値,最大値 3, 280 4, 423 60 カ月未満 33 (49.3%) 28 (45.9%)

0.726a 60 カ月以上 34 (50.7%) 33 (54.1%)

合併症 なし 2 (3.0%) 1 (1.6%) 1.000a あり 65 (97.0%) 61 (98.4%)

喫煙歴 喫煙歴なし 26 (38.8%) 27 (43.5%)

0.772a 過去に喫煙習慣あり 20 (29.9%) 15 (24.2%) 喫煙者 21 (31.3%) 20 (32.3%)

飲酒習慣 飲酒習慣なし 20 (29.9%) 20 (32.3%)

0.522a 過去に飲酒習慣あり 4 (6.0%) 7 (11.3%) 飲酒習慣あり 43 (64.2%) 35 (56.5%)

飲酒量 d

飲酒なし 24 (35.8%) 27 (43.5%)

0.496a レベル 1 30 (44.8%) 21 (33.9%) レベル 2 13 (19.4%) 14 (22.6%) レベル 3 0 (0.0%) 0 (0.0%)

スクリーニング期開始前 8 週

以内の血糖降下薬投与 なし 28 (41.8%) 28 (45.2%) 0.725a あり 39 (58.2%) 34 (54.8%)

併用薬 なし 3 (4.5%) 5 (8.1%)

- あり 64 (95.5%) 57 (91.9%)

eGFR[治療期開始時 (ベースライン)]e (mL/min/1.73 m2)

平均値(標準偏差) 86.11 (17.064) 87.80 (20.613) -

最小値,最大値 58.8, 141.9 56.8, 152.4 HbA1c(%) [治療期開始時]

平均値(標準偏差) 7.85 (0.678) 8.00 (0.849) 0.280b

最小値,最大値 6.9, 9.8 6.7, 10.3 空腹時血糖値(mg/dL) [治療期開始時]

平均値(標準偏差) 174.1 (39.05) 175.9 (42.64) 0.806b 最小値,最大値 105, 342 96, 275

例数(割合) a:Fisher の直接確率検定,b:t 検定,c:プラセボ群 N=67,ASP1941 50 mg 群 N=61 d:飲酒量は以下の 3 レベルに分類した。 レベル 1:ビール中ビン 1 本未満,清酒 1 合未満,ウイスキー・ブランデー60 mL 未満,焼酎(35 度)90 mL 未満,

又はワイン 240 mL 未満 レベル 2:ビール中ビン 1 本以上 3 本未満,清酒 1 合以上 3 合未満,ウイスキー・ブランデー60 mL 以上 180 mL未満,焼酎(35 度)90 mL 以上 270 mL 未満,又はワイン 240 mL 以上 720 mL 未満

575

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2.7.6 個々の試験のまとめ

レベル 3:ビール中ビン 3 本以上,清酒 3 合以上,ウイスキー・ブランデー180 mL 以上,焼酎(35 度)270 mL 以

上,又はワイン 720 mL 以上 e:eGFR[治療期開始時(ベースライン)]の解析対象集団のみ SAF(プラセボ群 N=67,ASP1941 50 mg 群 N=62)Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.1.2.1.1,12.1.2.2.1,12.1.2.3.1,12.1.3.2.1,12.4.5.1

2.7.6.22.4 治験薬の曝露

治療期用治験薬の平均服薬期間,平均服薬率は,いずれもプラセボ群と 50 mg 群で同程度であっ

た(表 2.7.6.22-4)。FAS での治療期用治験薬の平均服薬期間は,プラセボ群で 103.9 日,50 mg 群

で 108.2 日であった。治療期用治験薬の平均服薬率は,各群で 97%以上であった。

表 2.7.6.22-4 治療期用治験薬の服薬状況:FAS

プラセボ ASP1941 50 mg N=67 N=62

服薬期間(日) 平均値(標準偏差) 103.9 (22.35) 108.2 (19.64) 最小値,最大値 19, 129 3, 125

服薬率(%) 平均値(標準偏差) 97.99 (5.843) 98.46 (2.506) 最小値,最大値 53.6, 100.0 84.0, 100.0

Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.2.1.1

2.7.6.22.5 有効性

2.7.6.22.5.1 主要評価項目:HbA1c値

2.7.6.22.5.1.1 治療期最終時点のHbA1c値のベースラインからの変化量

治療期最終時点における HbA1c 値の治療期開始時(以下,ベースライン)からの平均変化量は

プラセボ群で 0.52%,50 mg 群で−0.76%であった(表 2.7.6.22-5)。ベースラインの HbA1c 値とス

クリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投与の有無を共変量とした共分散分析の結果,ベー

スラインからの変化量の調整済み平均値のプラセボ群に対する差は,−1.23%であった。また,プ

ラセボ群と 50 mg 群の間に統計的に有意な差が認められたことから(P<0.001),本剤 50 mg のプ

ラセボに対する優越性が示された。

なお,統計的に有意な投与群間の不均衡が認められた身長を共変量として追加した共分散分析

の結果は,上記と同様であった。

576

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.22-5 治療期最終時点の HbA1c 値(%)のベースラインからの変化量:FAS

プラセボ N=67

ASP1941 50 mg N=62

ベースラインの平均値(標準偏差) 7.85 (0.678) 8.00 (0.849) 治療期最終時点の平均値(標準偏差) 8.38 (1.231) 7.24 (0.839) 治療期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 0.52 (0.980) −0.76 (0.694) 共分散分析モデル a 調整済み平均値のプラセボとの差[95%信頼区間] ‐ −1.23 [−1.515, −0.938] P 値 ‐ <0.001

a:ベースラインの HbA1c 値とスクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投与の有無を共変量とした共分散分

析 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.3.1.1,12.3.1.2.5,12.3.1.2.6

2.7.6.22.5.1.2 治療期最終時点のHbA1c値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合

治療期最終時点の HbA1c 値が 7.0%未満であった割合は,プラセボ群(4.5%)に比べ 50 mg 群

(43.5%)で高かった(表 2.7.6.22-6)。治療期最終時点の HbA1c 値が 6.5%未満であった割合は,

プラセボ群(1.5%)に比べ 50 mg 群(12.9%)で高かった。

表 2.7.6.22-6 HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合:FAS プラセボ ASP1941 50 mg

7.0%未満 ベースライン 2/67 (3.0%) 2/62 (3.2%) 治療期最終時点 3/67 (4.5%) 27/62 (43.5%) 6.5%未満 ベースライン 0/67 (0.0%) 0/62 (0.0%) 治療期最終時点 1/67 (1.5%) 8/62 (12.9%)

HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった例数/解析対象例数(割合) Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.3.1.2.9,12.3.1.2.10

2.7.6.22.5.2 副次評価項目:空腹時血糖値

治療期最終時点における空腹時血糖値のベースラインからの平均変化量は,プラセボ群で

6.3 mg/dL,50 mg 群で−40.2 mg/dL であった(表 2.7.6.22-7)。ベースラインの空腹時血糖値とスク

リーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投与の有無を共変量とした共分散分析の結果,ベース

ラインからの変化量の調整済み平均値のプラセボ群に対する差は,−45.8 mg/dL であった。また,

プラセボ群と 50 mg 群の間に統計的に有意な差が認められた(P<0.001)。

577

Page 204: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.22-7 治療期最終時点の空腹時血糖値(mg/dL)のベースラインからの変化量:FAS

プラセボ N=67

ASP1941 50 mg N=62

ベースラインの平均値(標準偏差) 174.1 (39.05) 175.9 (42.64) 治療期最終時点の平均値(標準偏差) 180.4 (45.83) 135.7 (25.11) 治療期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 6.3 (30.05) −40.2 (33.34) 共分散分析モデル a 調整済み平均値のプラセボとの差[95%信頼区間] ‐ −45.8 [−55.50, −36.10] P 値 ‐ <0.001

a:ベースラインの空腹時血糖値とスクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投与の有無を共変量とした共分

散分析 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.3.2.1.1.1,12.3.2.1.3,12.3.2.1.4

2.7.6.22.5.3 その他の副次評価項目

その他の副次評価項目の各ベースライン値とスクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投

与の有無を共変量とした共分散分析の結果,治療期最終時点におけるベースラインからの変化量

の調整済み平均値のプラセボ群に対する差は,空腹時インスリン(−1.20 μU/mL,P=0.096;表

2.7.6.22-8),空腹時インタクトプロインスリン/インスリン比(0.001,P=0.973;表 2.7.6.22-9)及

びレプチン値(0.05 ng/mL,P=0.888;表 2.7.6.22-10)のいずれについても,統計的に有意でなかっ

た。一方,治療期最終時点におけるベースラインからの変化量の調整済み平均値のプラセボ群に

対する差は,アディポネクチン(0.51 μg/mL,P=0.001;表 2.7.6.22-11),体重(−1.47 kg,P<0.001;

表 2.7.6.22-12)及びウエスト周囲径(−1.35 cm,P=0.028;表 2.7.6.22-13)のいずれについても,

統計的に有意であった。

表 2.7.6.22-8 治療期最終時点の空腹時インスリン(μU/mL)のベースラインからの変化量:FAS

プラセボ N=67

ASP1941 50 mg N=62

ベースラインの平均値(標準偏差) 7.05 (5.056) 8.14 (5.996) 治療期最終時点の平均値(標準偏差) 7.04 (5.047) 6.68 (6.420) 治療期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.01 (4.172) −1.46 (4.328) 共分散分析モデル a 調整済み平均値のプラセボとの差[95%信頼区間] ‐ −1.20 [−2.608, 0.214] P 値 ‐ 0.096

a:ベースラインの空腹時インスリンとスクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投与の有無を共変量とした

共分散分析 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.3.2.2.1,12.3.2.2.2,12.3.2.2.3

578

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.22-9 治療期最終時点の空腹時インタクトプロインスリン/インスリン比のベースラ

インからの変化量:FAS

プラセボ N=67

ASP1941 50 mg N=62

ベースラインの平均値(標準偏差) 0.284 (0.1865) 0.240 (0.1727) 治療期最終時点の平均値(標準偏差) 0.261 (0.1863) 0.221 (0.2335) 治療期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.023 (0.1395) −0.018 (0.1200) 共分散分析モデル a 調整済み平均値のプラセボとの差[95%信頼区間] ‐ 0.001 [−0.0451, 0.0467] P 値 ‐ 0.973

a:ベースラインのインタクトプロインスリン/インスリン比とスクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投

与の有無を共変量とした共分散分析 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.3.2.3.1,12.3.2.3.2,12.3.2.3.3

表 2.7.6.22-10 治療期最終時点のレプチン(ng/mL)のベースラインからの変化量:FAS

プラセボ N=67

ASP1941 50 mg N=62

ベースラインの平均値(標準偏差) 6.25 (3.606) 5.75 (3.381) 治療期最終時点の平均値(標準偏差) 6.03 (3.756) 5.62 (3.831) 治療期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.22 (2.097) −0.13 (2.099) 共分散分析モデル a 調整済み平均値のプラセボとの差[95%信頼区間] ‐ 0.05 [−0.679, 0.783] P 値 ‐ 0.888

a:ベースラインのレプチンとスクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投与の有無を共変量とした共分散分

析 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.3.2.4.1,12.3.2.4.2,12.3.2.4.3

表 2.7.6.22-11 治療期最終時点のアディポネクチン(μg/mL)のベースラインからの変化量:FAS

プラセボ N=67

ASP1941 50 mg N=62

ベースラインの平均値(標準偏差) 6.33 (2.645) 6.25 (2.960) 治療期最終時点の平均値(標準偏差) 6.12 (2.449) 6.56 (2.907) 治療期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.21 (0.861) 0.30 (0.954) 共分散分析モデル a 調整済み平均値のプラセボとの差[95%信頼区間] ‐ 0.51 [0.208, 0.812] P 値 ‐ 0.001

a:ベースラインのアディポネクチンとスクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投与の有無を共変量とした

共分散分析 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.3.2.5.1,12.3.2.5.2,12.3.2.5.3

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.22-12 治療期最終時点の体重(kg)のベースラインからの変化量:FAS

プラセボ N=67

ASP1941 50 mg N=62

ベースラインの平均値(標準偏差) 69.09 (12.587) 65.10 (10.923) 治療期最終時点の平均値(標準偏差) 68.06 (12.117) 62.79 (10.696) 治療期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −1.03 (1.961) −2.31 (1.743) 共分散分析モデル a 調整済み平均値のプラセボとの差[95%信頼区間] ‐ −1.47 [−2.098, −0.846] P 値 ‐ <0.001

a:ベースラインの体重とスクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投与の有無を共変量とした共分散分析 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.3.2.6.1,12.3.2.6.2,12.3.2.6.3

表 2.7.6.22-13 治療期最終時点のウエスト周囲径(cm)のベースラインからの変化量:FAS

プラセボ N=65

ASP1941 50 mg N=60

ベースラインの平均値(標準偏差) 89.10 (9.322)b 86.90 (7.132)c 治療期最終時点の平均値(標準偏差) 88.78 (9.425) 85.33 (7.655) 治療期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.41 (3.746) −1.61 (2.977) 共分散分析モデル a 調整済み平均値のプラセボとの差[95%信頼区間] ‐ −1.35 [−2.559, −0.149] P 値 ‐ 0.028

a:ベースラインのウエスト周囲径とスクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬投与の有無を共変量とした共

分散分析 b:N=67,c:N=62 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.3.2.7.1,12.3.2.7.2,12.3.2.7.3

2.7.6.22.6 薬物動態

50 mg 群における血漿中未変化体濃度の変動係数は 71.92%~123.04%であり,被験者間のばらつ

きが大きかったものの,その中央値は治療期 4 週時から 16 週時まで 51.72~57.63 ng/mL の範囲で

あった(表 2.7.6.22-14)。

表 2.7.6.22-14 50 mg 群における血漿中 ASP1941 未変化体濃度の要約統計量(ng/mL):PKAS N 平均値 標準偏差 最小値 最大値 中央値 幾何平均値 Na 変動係数(%)

治療期 4 週時 61 59.67 42.915 0.00 281.22 51.72 51.95 59 71.92 治療期 8 週時 58 68.08 63.624 0.00 390.42 54.12 53.43 57 93.46 治療期 12 週時 58 68.33 69.841 0.00 523.86 57.63 54.61 57 102.21 治療期 16 週時 58 74.63 91.827 0.00 656.11 55.50 58.88 57 123.04

a:幾何平均値の例数 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Attachment 1 の Table 1

580

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.22.7 安全性

2.7.6.22.7.1 有害事象

有害事象の発現率には,プラセボ群(59.7%,40/67 例)と 50 mg 群(53.2%,33/62 例)の間で

明らかな違いはなかった(表 2.7.6.22-15)。また,投与群間で統計的に有意な差は認められなかっ

た(P=0.482,Fisher の直接確率検定)。副作用の発現率は,プラセボ群(9.0%,6/67 例)に比べ

50 mg 群(16.1%,10/62 例)で高かったが,投与群間で統計的に有意な差は認められなかった

(P=0.287,Fisher の直接確率検定)。

50 mg 群で 5%以上に認められた有害事象は,鼻咽頭炎であった(表 2.7.6.22-16)。鼻咽頭炎の発

現率は,プラセボ群(13.4%)と 50 mg 群(11.3%)で同程度であった。プラセボ群と比較し,50 mg

群で明らかに発現率が高い有害事象はなかった。

50 mg 群で 2 例以上にみられた副作用は,便秘の 1 事象であり,便秘以外はいずれも各 1 例に

みられた(表 2.7.6.22-17)。

有害事象の程度は,プラセボ群でみられた硬膜下血腫が治験担当医師により重度と判定された

以外,すべて軽度又は中等度であった。

表 2.7.6.22-15 有害事象の要約:SAF

プラセボ ASP1941 50 mg P 値 a N=67 N=62 有害事象 40 (59.7%) 33 (53.2%) 0.482 副作用 6 (9.0%) 10 (16.1%) 0.287 重篤な有害事象 1 (1.5%) 0 - 重篤な副作用 0 0 - 投与中止に至った有害事象 6 (9.0%) 2 (3.2%) - 投与中止に至った副作用 0 2 (3.2%) - 発現例数(発現率) a:Fisher の直接確率検定 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.4.1.1,12.4.1.3

581

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.22-16 器官別大分類,基本語別のすべての有害事象:SAF MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

プラセボ ASP1941 50 mg

N=67 N=62 全事象 40 (59.7%) 33 (53.2%) 血液およびリンパ系障害 0 1 (1.6%) 鉄欠乏性貧血 0 1 (1.6%) 心臓障害 1 (1.5%) 1 (1.6%) 動悸 0 1 (1.6%) 上室性頻脈 0 1 (1.6%) 発作性頻脈 1 (1.5%) 0 眼障害 6 (9.0%) 1 (1.6%) 眼瞼炎 1 (1.5%) 0 白内障 1 (1.5%) 1 (1.6%) 結膜炎 2 (3.0%) 0 アレルギー性結膜炎 1 (1.5%) 0 眼痛 1 (1.5%) 0 眼そう痒症 1 (1.5%) 0 胃腸障害 10 (14.9%) 12 (19.4%) 腹部不快感 2 (3.0%) 1 (1.6%) 腹痛 0 1 (1.6%) 上腹部痛 1 (1.5%) 0 結腸ポリープ 0 2 (3.2%) 便秘 1 (1.5%) 3 (4.8%) 齲歯 1 (1.5%) 1 (1.6%) 下痢 2 (3.0%) 1 (1.6%) 胃潰瘍 0 1 (1.6%) 歯肉腫脹 0 1 (1.6%) 過敏性腸症候群 1 (1.5%) 0 歯周病 1 (1.5%) 0 歯周炎 0 1 (1.6%) 歯の脱落 1 (1.5%) 0 歯痛 1 (1.5%) 1 (1.6%) 全身障害および投与局所様態 2 (3.0%) 4 (6.5%) 疲労 1 (1.5%) 0 冷感 0 1 (1.6%) 倦怠感 0 1 (1.6%) 末梢性浮腫 1 (1.5%) 0 口渇 0 2 (3.2%) 肝胆道系障害 1 (1.5%) 0 脂肪肝 1 (1.5%) 0 感染症および寄生虫症 12 (17.9%) 12 (19.4%) 急性副鼻腔炎 1 (1.5%) 0 気管支炎 0 1 (1.6%) 蜂巣炎 1 (1.5%) 0 膀胱炎 1 (1.5%) 0 毛包炎 0 1 (1.6%) 胃腸炎 1 (1.5%) 0 麦粒腫 0 1 (1.6%) 鼻咽頭炎 9 (13.4%) 7 (11.3%) 爪囲炎 0 1 (1.6%) 足部白癬 2 (3.0%) 3 (4.8%)

582

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2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

プラセボ ASP1941 50 mg

N=67 N=62

白癬感染 0 1 (1.6%) 感染性亀頭包皮炎 0 1 (1.6%) 傷害、中毒および処置合併症 2 (3.0%) 3 (4.8%) 節足動物刺傷 0 2 (3.2%) 硬膜下血腫 1 (1.5%) 0 擦過傷 1 (1.5%) 1 (1.6%) 臨床検査 3 (4.5%) 2 (3.2%) 尿中 β2 ミクログロブリン増加 1 (1.5%) 1 (1.6%) 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1 (1.5%) 0 体重減少 0 1 (1.6%) 尿中アルブミン/クレアチニン比増加 1 (1.5%) 0 代謝および栄養障害 7 (10.4%) 1 (1.6%) 糖尿病 a 6 (9.0%) 0 痛風 1 (1.5%) 0 低血糖症 0 1 (1.6%) 筋骨格系および結合組織障害 10 (14.9%) 3 (4.8%) 関節痛 1 (1.5%) 0 背部痛 4 (6.0%) 1 (1.6%) 筋痙縮 1 (1.5%) 0 筋肉痛 2 (3.0%) 0 肋間筋肉痛 1 (1.5%) 0 骨関節炎 1 (1.5%) 0 四肢痛 0 1 (1.6%) 関節周囲炎 1 (1.5%) 1 (1.6%) 良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリー

プを含む) 1 (1.5%) 0

脂漏性角化症 1 (1.5%) 0 神経系障害 6 (9.0%) 0 意識変容状態 1 (1.5%) 0 脳底動脈狭窄 1 (1.5%) 0 糖尿病性ニューロパチー 1 (1.5%) 0 頭痛 4 (6.0%) 0 精神障害 2 (3.0%) 1 (1.6%) 不眠症 2 (3.0%) 1 (1.6%) 腎および尿路障害 2 (3.0%) 2 (3.2%) 頻尿 2 (3.0%) 1 (1.6%) 多尿 0 1 (1.6%) 生殖系および乳房障害 2 (3.0%) 2 (3.2%) 月経困難症 1 (1.5%) 0 陰部そう痒症 0 2 (3.2%) 外陰腟そう痒症 1 (1.5%) 0 性器出血 0 1 (1.6%) 呼吸器、胸郭および縦隔障害 2 (3.0%) 1 (1.6%) 喘息 1 (1.5%) 0 咽喉刺激感 1 (1.5%) 0 口腔咽頭痛 0 1 (1.6%) 皮膚および皮下組織障害 4 (6.0%) 6 (9.7%) 皮膚炎 1 (1.5%) 0 アレルギー性皮膚炎 0 1 (1.6%)

583

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2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

プラセボ ASP1941 50 mg

N=67 N=62

湿疹 1 (1.5%) 3 (4.8%) 紅斑 1 (1.5%) 0 紅色汗疹 0 1 (1.6%) そう痒症 2 (3.0%) 0 発疹 1 (1.5%) 1 (1.6%) 血管障害 2 (3.0%) 0 高血圧 1 (1.5%) 0 閉塞性動脈硬化症 1 (1.5%) 0

発現例数(発現率) a:糖尿病の悪化として報告された。 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.4.1.1,12.4.1.5.1

表 2.7.6.22-17 器官別大分類,基本語別のすべての副作用:SAF

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

プラセボ ASP1941 50 mg

N=67 N=62 全事象 6 (9.0%) 10 (16.1%) 心臓障害 1 (1.5%) 0 発作性頻脈 1 (1.5%) 0 胃腸障害 0 3 (4.8%) 便秘 0 2 (3.2%) 下痢 0 1 (1.6%) 全身障害および投与局所様態 0 1 (1.6%) 口渇 0 1 (1.6%) 肝胆道系障害 1 (1.5%) 0 脂肪肝 1 (1.5%) 0 感染症および寄生虫症 1 (1.5%) 0 膀胱炎 1 (1.5%) 0 臨床検査 3 (4.5%) 2 (3.2%) 尿中 β2 ミクログロブリン増加 1 (1.5%) 1 (1.6%) 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1 (1.5%) 0 体重減少 0 1 (1.6%) 尿中アルブミン/クレアチニン比増加 1 (1.5%) 0 腎および尿路障害 0 2 (3.2%) 頻尿 0 1 (1.6%) 多尿 0 1 (1.6%) 生殖系および乳房障害 0 1 (1.6%) 陰部そう痒症 0 1 (1.6%) 皮膚および皮下組織障害 0 2 (3.2%) 湿疹 0 1 (1.6%) 発疹 0 1 (1.6%)

発現例数(発現率) Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.4.1.1,12.4.1.5.2

584

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.22.7.2 死亡,その他の重篤な有害事象

本試験で,死亡例は報告されなかった(表 2.7.6.22-18)。重篤な有害事象は,プラセボ群の 1 例

(1.5%;硬膜下血腫)にみられたが,50 mg 群ではみられなかった。

重篤な有害事象の叙述を CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)の別添 2 に示す。

表 2.7.6.22-18 重篤な有害事象の一覧 症例 番号

性別 年齢 MedDRA 基本語 a 程度 発現日 b

終了日 b 投与期間 b 転帰 治験薬との 関連性 処置

プラセボ群

S10805 男性 66 硬膜下血腫 重度 Day 43

Day 123 Day 1~ Day 42 回復 否定できる 薬剤治療,その他(血

腫ドレナージ)

a:MedDRA Version 12.1 b:治療期用治験薬の初回処方日を Day 1 と定義した。 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Appendix 13.2.5.1,13.2.7.7

2.7.6.22.7.3 投与中止に至った有害事象

投与中止に至った有害事象は,プラセボ群の 6 例(9.0%)及び 50 mg 群の 2 例(3.2%)にみら

れた(表 2.7.6.22-19)。50 mg 群で投与中止に至った有害事象の内訳は,湿疹及び発疹であった。

この 2 事象と治験薬との関連性は,いずれも否定されなかった。

585

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.22-19 投与中止に至った治療期有害事象一覧 症例 番号

性別 年齢 MedDRA 基本語 a 程度 発現日 b

終了日 b 投与期間 b 転帰 治験薬との 関連性 処置

プラセボ群

S10104 男性 61 糖尿病 軽度 Day 55

- Day 2~ Day 54 未回復 否定できる 薬剤治療

S10404 男性 60 糖尿病 軽度 Day 57

- Day 1~ Day 56 軽快 否定できる 薬剤治療

S10805 男性 66 硬膜下血腫 c 重度 Day 43

Day 123 Day 1~ Day 42 回復 否定できる 薬剤治療,その他

(血腫ドレナージ)

S11507 男性 65 糖尿病 軽度 Day 29

Day 120 Day 1~ Day 84 回復 否定できる 薬剤治療

S11802 女性 68

糖尿病 軽度 Day 20 - Day 1~

Day 49

軽快 否定できる 薬剤治療

糖尿病性ニューロ

パチー 軽度 Day 20 - 軽快 否定できる なし

S12302 男性 55 糖尿病 軽度 Day 22

- Day 2~ Day 81 未回復 否定できる 薬剤治療

ASP1941 50 mg 群

S10602 男性 72 湿疹 中等

度 Day 6 Day 78

Day 1~ Day 30 回復 関連あるかも

しれない 薬剤治療

S12101 男性 44 発疹 軽度 Day 2

Day 8 Day 1~ Day 3 回復 多分(おそら

く)関連あり 薬剤治療

a:MedDRA Version 12.1 b:治療期用治験薬の初回処方日を Day 1 と定義した。 c:重篤な有害事象 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Appendix 13.2.5.1,13.2.7.9

2.7.6.22.7.4 注目すべき有害事象

低血糖関連の有害事象は,50 mg 群の 1 例(1.6%;低血糖症)にみられた(表 2.7.6.22-20,表

2.7.6.22-21)。尿路感染症関連の有害事象は,プラセボ群の 1 例(1.5%;膀胱炎)にみられたが,

50 mg 群では報告されなかった(表 2.7.6.22-20,表 2.7.6.22-22)。性器感染症関連の有害事象は,

50 mg 群の 2 例(3.2%;陰部そう痒症及び感染性亀頭包皮炎)に報告された(表 2.7.6.22-20,表

2.7.6.22-23)。低血糖関連,尿路感染症関連,性器感染症関連の有害事象は,いずれも軽度であり,

投与中止を要するものはなかった。

表 2.7.6.22-20 注目すべき有害事象の要約:SAF

プラセボ群 ASP1941 50 mg 群 N=67 N=62

低血糖関連の有害事象 0 1 (1.6%) 低血糖関連の副作用 0 0 尿路感染症関連の有害事象 1 (1.5%) 0 尿路感染症関連の副作用 1 (1.5%) 0 性器感染症関連の有害事象 0 2 (3.2%) 性器感染症関連の副作用 0 1 (1.6%)

発現例数(発現率) Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.4.1.4

586

Page 213: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.22-21 低血糖関連の有害事象の一覧

症例 番号

性別 年齢 MedDRA 基本語 a 程度 発現日 b

終了日 b 投与期間 b 転帰 治験薬との 関連性 処置

ASP1941 50 mg 群

S10807 男性 54 低血糖症 軽度 Day 20

Day 20 Day 2~ Day 105 回復 関連なし その他(ジュース,

飴の摂取)

a:MedDRA Version 12.1 b:治療期用治験薬の初回処方日を Day 1 と定義した。 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Appendix 13.2.5.1,13.2.7.4

表 2.7.6.22-22 尿路感染症関連の有害事象の一覧

症例 番号

性別 年齢 MedDRA 基本語 a 程度 発現日 b

終了日 b 投与期間 b 転帰 治験薬との 関連性 処置

プラセボ群

S12302 男性 55 膀胱炎 軽度 Day 36

Day 63 Day 2~ Day 81 回復 関連あるかも

しれない 薬剤治療

a:MedDRA Version 12.1 b:治療期用治験薬の初回処方日を Day 1 と定義した。 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Appendix 13.2.5.1,13.2.7.3,13.2.7.5

表 2.7.6.22-23 性器感染症関連の有害事象の一覧

症例 番号

性別 年齢 MedDRA 基本語 a 程度 発現日 b

終了日 b 投与期間 b 転帰 治験薬との 関連性 処置

ASP1941 50 mg 群

S10401 女性 45

陰部そう痒症 軽度 Day 25 Day 37 Day 1~

Day 117

回復 関連あるかも

しれない なし

陰部そう痒症 軽度 Day 112 Day 125 回復 関連あるかも

しれない なし

S11007 男性 51 感染性亀頭包皮炎 軽度 Day 55

Day 126 Day 1~ Day 116 回復 否定できる 薬剤治療

a:MedDRA Version 12.1 b:治療期用治験薬の初回処方日を Day 1 と定義した。 Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Appendix 13.2.5.1,13.2.7.3,13.2.7.6

2.7.6.22.7.5 臨床検査値

ほとんどの検査項目では,ベースラインからの変化量はプラセボ群と 50 mg 群で同様に推移し

た。プラセボ群に比べ 50 mg 群において,BUN,血清 Mg,血清 P,尿浸透圧,尿中 Mg 及び尿中

P 等の臨床検査値の軽度な増加,並びに尿 pH 等の臨床検査値の軽度な減少がみられたが,基準範

囲又はベースライン値に比べ,わずかな変化であった(表 2.7.6.22-24)。また,後観察時にベース

ライン値に回復する傾向にあったことから,臨床的に大きな問題はないと考えられた。

587

Page 214: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.22-24 臨床検査値の要約:SAF パラメータ[基準範囲] プラセボ ASP1941 50 mg

BUN(mg/dL) [8-23]

ベースライン 14.4 (3.13) 14.3 (3.28) 治療期最終時点 14.3 (3.52) 16.0 (3.38) 変化量 −0.1 (2.64) 1.7 (3.48)

血清 Mg(mg/dL) [1.9-2.5]

ベースライン 2.15 (0.158) 2.15 (0.171) 治療期最終時点 2.15 (0.134) 2.22 (0.150) 変化量 0.00 (0.132) 0.08 (0.143)

血清 P(mg/dL) [2.5-4.5]

ベースライン 3.23 (0.466) 3.30 (0.387) 治療期最終時点 3.26 (0.517) 3.49 (0.428) 変化量 0.04 (0.346) 0.19 (0.316)

尿浸透圧(mOsm/L) [50-1300]

ベースライン 642.1 (217.08) 617.2 (251.79) 治療期最終時点 692.7 (246.23) 776.9 (244.36) 変化量 51.2 (273.10) 159.8 (272.23)

尿 pH [5.0-8.0]

ベースライン 6.20 (0.656) 6.15 (0.591) 治療期最終時点 6.13 (0.517) 5.79 (0.484) 変化量 −0.08 (0.730) −0.36 (0.660)

尿中 Mg/クレアチニン比(mg/g Cr) ベースライン 57.42 (35.911) 56.72 (31.510) 治療期最終時点 56.18 (31.393) 64.78 (33.746) 変化量 −1.74 (26.246) 8.06 (29.356)

尿中 P/クレアチニン比(mg/g Cr) ベースライン 513.18 (178.518) 556.53 (167.692) 治療期最終時点 490.23 (170.697) 700.48 (206.191) 変化量 −30.02 (196.270) 143.95 (212.250)

平均値(標準偏差),Cr =クレアチニン Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.4.2.1.2.2,12.4.2.1.2.3,12.4.2.1.3.1,12.4.2.1.3.3,12.4.2.2.2.2,12.4.2.2.2.3,12.4.2.2.3.1,12.4.2.2.3.3

2.7.6.22.7.6 バイタルサイン

治療期最終時点における収縮期血圧のベースラインからの平均減少量は,プラセボ群

(0.1 mmHg)に比べ 50 mg 群(3.2 mmHg)で大きかった(表 2.7.6.22-25)。治療期最終時点にお

ける拡張期血圧及び脈拍数のベースラインからの平均変化量には,プラセボ群と 50 mg 群との間

で明らかな差は認められなかった。

表 2.7.6.22-25 バイタルサインの要約:SAF パラメータ プラセボ ASP1941 50 mg

収縮期血圧 (mmHg)

ベースライン 128.2 (12.31) 132.0 (12.88) 治療期最終時点 128.1 (12.71) 128.7 (14.35) 変化量 −0.1 (10.87) −3.2 (12.31)

拡張期血圧 (mmHg)

ベースライン 77.1 (9.10) 78.8 (10.34) 治療期最終時点 75.7 (9.78) 76.4 (9.45) 変化量 −1.4 (7.88) −2.5 (8.97)

脈拍数 (bpm)

ベースライン 72.6 (11.42) 71.2 (8.84) 治療期最終時点 71.5 (12.81) 71.0 (9.34) 変化量 −1.1 (9.14) −0.3 (7.36)

平均値(標準偏差) Source:CL-0105 総括報告書(5.3.5.1-2)Table 12.4.3.1,12.4.3.2

588

Page 215: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.22.7.7 心電図

臨床的に重要な心電図異常は,プラセボ群,50 mg 群ともに治療期用治験薬初回投与後にみら

れなかった。

2.7.6.22.8 結論

本試験の結果から,以下の結論が得られた。

● 2 型糖尿病患者を対象に,本剤 50 mg を単独療法で 1 日 1 回 16 週間投与した結果,本剤は

HbA1c 値を減少させるのに有効であること(本剤のプラセボに対する優越性)が示された。

● 本剤 50 mg を単独療法で 1 日 1 回 16 週間投与したとき,臨床的に問題となる安全性の懸念は

示されなかった。

589

Page 216: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.23 メトホルミン併用試験[CL-0106](添付資料 5.3.5.1-3)

2.7.6.23.1 試験方法の概略

治験課題名:ASP1941 第 III 相試験 -2 型糖尿病患者を対象としたメトホルミン併用二重盲検並

行群間比較試験-

治験実施医療機関:日本 34 施設

公表文献:なし

治験期間:

治験開始日:2010 年 5 月 治験終了日:2011 年 11 月

開発のフェーズ:第 III 相

目的: メトホルミン単独療法にて血糖管理不十分な 2 型糖尿病患者を対象として,以下の項目を検討す

る。 <主要な目的> ・ASP1941(以下,本剤)50 mg 又はプラセボをメトホルミンと 1 日 1 回,24 週間,併用投与し

た際の HbA1c 値の変化量に基づく本剤の有効性(プラセボに対する優越性)及び,安全性の検

討 <副次的な目的> ・本剤をメトホルミンと 1 日 1 回,長期併用投与(52 週間)した際の安全性の検討 ・本剤 50 mg をメトホルミンと 1 日 1 回,長期併用投与(52 週間)した際の,効果の持続性の検

討 ・本剤 50 mg をメトホルミンと 1 日 1 回,併用投与した際の,血糖管理不十分な患者に対する本

剤 100 mg への増量効果の検討 治験デザイン・治験方法:

【治療 I 期(二重盲検期;24 週間)】 プラセボ対照,多施設共同,二重盲検,並行群間比較試験として実施した。メトホルミン以外の

血糖降下薬を併用している被験者には,文書による同意取得後,6 週間以上の washout 期を設定し

た。被験者は,4 週間のスクリーニング期と,単盲検下 2 週間のプラセボ run-in 期を経て,本剤

50 mg 群又はプラセボ群に 2:1 の割合で割り付けた。その後,二重盲検下で 50 mg 又はプラセボを

1 日 1 回 1 錠,24 週間,メトホルミンと併用投与した。メトホルミンの用量は Visit 1 前 6 週以降

一定とした。また,Visit 1 以降 Visit 17 の有効性評価の検査終了までは,用法も一定とした。 【治療 II 期(非盲検期;28 週間)】 多施設共同,非盲検試験として実施した。治療 I 期の Visit 10(24W)時に以下の継続基準を満た

し,かつ被験者の安全性に問題ないと治験担当医師が判断する場合,治療 II 期開始時より本剤 1日 1 回 1 錠(50 mg)を,28 週間,メトホルミンと併用投与した。なお,継続基準,かつ以下の

増量基準を満たし,被験者も増量を希望する場合は,治療 II 期開始時より本剤 1 日 1 回 2 錠

(100 mg)への増量を可能とした。増量後,安全性に問題があると判断された場合は 1 日 1 回 1錠(50 mg)へ減量を可とするが,減量後に用量を変更することは不可とした。 Visit 10 時に継続基準を満たさないか,又は継続に際して被験者の安全性に問題があると治験担当

医師が判断した場合は,治験薬の投与を終了し,後観察期へ移行することとした。 《 継続基準 》 ・Visit 9(20W)時の HbA1c 値が 8.0%未満,かつ Visit 3(0W)時の HbA1c 値より低下 ・Visit 10(24W)までに被験者より治験継続の意思確認が文書により得られている

《 増量基準 》 ・Visit 9(20W)時の HbA1c 値が 7.0%以上

590

Page 217: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

【後観察期】 治験薬投与終了後,4 週間の後観察期を設けた。 なお,本試験では HbA1c 値の表記として Japan Diabetes Society(JDS)値を用いた。 目標被験者数:

150 例(治療 I 期として本剤 50 mg 群 100 例,プラセボ群 50 例) 【設定根拠】

第 II 相用量設定試験[CL-0103]において,主要評価項目である治療期最終時点における HbA1c値のベースラインからの変化量(%)の平均値(標準偏差)は本剤 50 mg 群で−0.79%(± 0.567),プラセボ群で 0.48%(± 0.975)であった。プラセボ群で HbA1c 値がベースラインよりも悪化して

いたが,本試験の被験者数の設定においてはプラセボ群のベースラインからの変化量を 0.0%,本

剤 50 mg 群とプラセボ群の差を−0.79%と想定した。共通の標準偏差を 1.0,有意水準両側 5%,検

出力 90%とすると,プラセボに対する優越性を検証するために必要な被験者数は 1 群あたり 34例であった。本剤と他の経口血糖降下薬を併用した際の低血糖症状発現のリスクを含めた安全性

を評価するため,本剤群の症例数を 100 例とした。また,プラセボ群の症例数を 50 例とした。 診断及び選択・除外基準:

以下の選択基準のすべてを満たし,かつ除外基準のいずれにも該当しない 2 型糖尿病患者を

対象とした。

1.選択基準

<同意取得時> (1) 同意取得時の年齢が 20 歳以上の外来患者

<Visit 1(スクリーニング時)に確認する事項> (2) 文書による同意が得られている(メトホルミン以外の血糖降下薬を washout する場合には,

washout 前に文書による同意が得られている) (3) Visit 1 の時点で,2 型糖尿病と診断されてから 12 週(84 日)以上経過している患者 (4) Visit 1 の時点で,6 週(42 日)以上,メトホルミンを単独で一定の用量(承認用量)で使用

している患者

<Visit 2(プラセボ run-in 期)~Visit 3 までに確認する事項> (5) Visit 2 の HbA1c 値が 7.0%以上 9.5%以下,かつ Visit 1 と Visit 2 の HbA1c 値の変化量が±1.0%

以内の患者 (6) Visit 2 の BMI が 20.0 kg/m2 以上 45.0 kg/m2 以下の患者 2.除外基準

<Visit 1(スクリーニング時)> (1) 1 型糖尿病の患者 (2) 増殖性網膜症を有する患者 (3) Visit 1 から遡って 12 週(84 日)以内にインスリンの投与を受けた患者 (4) 腎血管閉塞性疾患,腎摘出,腎移植等,医学的に重要な腎疾患の既往歴を有する患者 (5) 神経因性膀胱や前立腺肥大症などにより,明らかな排尿障害を合併している患者 (6) Visit 1 に自覚症状を有する尿路感染症,性器感染症を有する患者 (7) 副腎皮質ステロイド製剤,免疫抑制剤,ループ利尿薬などを継続的に使用(内服,注射,吸

入)する必要のある慢性疾患を有する患者 (8) Visit 1 から遡って 12 週(84 日)以内に,脳血管発作,不安定狭心症,心筋梗塞,血管形成

術,重篤な心疾患(NYHA Class III–IV)の既往歴がある患者,又は本剤の投与や安全性の評

価に影響を与えると治験担当医師が判断するような心・脳血管疾患を合併している患者 (9) 不安定な精神医学的疾患を有する患者

591

Page 218: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

(10) 妊娠中,授乳中又は妊娠している可能性のある女性患者 (11) 治験期間中に適切な避妊方法を施行できない患者 (12) 重症感染症,手術前後,重篤な外傷のある患者 (13) 薬物中毒,又はアルコール依存症の患者 (14) 悪性腫瘍を合併している患者 (15) 過去に本剤やその類薬(SGLT 阻害作用を有する治験薬)に対してアレルギー反応を示した

患者 (16) 過去に本剤の投与(観察期プラセボを除く)を受けた患者 (17) 文書同意取得日から遡って 12 週(84 日)以内に,他の医療用医薬品・医療機器の治験又は

製造販売後臨床試験に参加した経験のある患者,又は現在参加している患者 (18) 本試験で規定した来院や服薬ルールなど,被験者が遵守すべき事項をひとつでも遵守できな

い患者,又はこれに同意しない患者

<Visit 2(プラセボ run-in 期)~Visit 3 まで> (19) Visit 2 の血清クレアチニン値が基準値上限を超える患者 (20) Visit 2 の推算糸球体濾過量(eGFR)が 60 mL/min/1.73 m2 未満の患者 (21) Visit 2 の尿中のアルブミン/クレアチニン比が 300 mg/g クレアチニンを超える患者 (22) Visit 2 の AST 値及び ALT 値が基準値上限の 2 倍を超える患者 (23) Visit 1 から Visit 2 までに自覚症状を有する尿路感染症,性器感染症を発現した患者 (24) 血圧のコントロールが不良の患者(Visit 2 の 5 分間安静後の坐位の収縮期血圧が 170 mmHg

を超える,又は拡張期血圧が 95 mmHg を超える患者) (25) Visit 2 に重篤な消化管障害を合併している患者,又は重篤な消化管障害の手術歴を有する患

者 (26) 糖尿病性ケトアシドーシスの患者 (27) Visit 2 で妊娠が確認された閉経前の女性 (28) その他,治験担当医師により,本試験に組み入れるのが不適当と判断された患者 治験薬,投与量及び投与方法:

1.治験薬及びロット番号

(1) 評価期間前観察期間(プラセボ run-in 期)用薬剤

観察期用 ASP1941 錠 50 mg プラセボ:ASP1941 錠 50 mg と外観上識別不能な錠剤 製剤ロット番号:09140A

(2) 被験薬

ASP1941 錠 50 mg:ASP1941 として 50 mg を含有するフィルムコート錠 製剤ロット番号:09174A(治療 I 期),09175A 及び 09177A(治療 II 期)

(3) 対照薬

ASP1941 錠 50 mg プラセボ:ASP1941 錠 50 mg と外観上識別不能な錠剤 製剤ロット番号:09143A

2.投与量及び投与方法

(1) 評価期間前観察期間(プラセボ run-in 期) 観察期用 ASP1941 錠 50 mg プラセボを 1 日 1 回 1 錠,朝食前に 2 週間経口投与した。

(2) 治療 I 期 ASP1941 錠 50 mg 又はプラセボのいずれかを 1 日 1 回 1 錠,朝食前に 24 週間経口投与した。

(3) 治療 II 期 ASP1941 錠 50 mg を 1 日 1 回 1 錠(又は 2 錠),朝食前に 28 週間経口投与した。

592

Page 219: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

3.治験薬の増量及び減量 継続基準及び増量基準(治験デザイン・治験方法 参照)を満たし,かつ被験者の安全性に問題

ないと治験担当医師が判断し,被験者も増量を希望する場合,治療 II 期開始時(Visit 10)にのみ

1 日 1 回 2 錠(100 mg)への増量を可能とした。増量した場合,原則として治療 II 期終了時まで

増量後の用量(100 mg)を維持して治験を継続した。ただし,増量後,安全性に問題があると判

断された場合は 1 日 1 回 50 mg へ減量を可としたが,減量後に用量を変更することは不可とした。 【設定根拠】

(1) 投与量の設定根拠 第 I 相試験[CL-0101]で,日本人健康成人男性に本剤を 7 日間反復投与したときの尿中グルコー

ス排泄作用には 50 mg 群と 100 mg 群で大きな差は認められなかった。また,第 II 相用量設定試

験[CL-0103]で,日本人 2 型糖尿病患者に本剤を 100 mg まで 12 週間投与したときの安全性に

大きな問題はなく,主要評価項目である HbA1c 値の変化量は 50 mg 群と 100 mg 群で同程度であ

り,プラセボとの変化量の差はおよそ−1.2%であり,50 mg/日以上で臨床的に意義のある血糖低下

作用を示すと考えた。よって,50 mg/日が臨床推奨用量になると考えられた。更に,50 mg/日と

100 mg/日の副次評価項目で比較した際に,空腹時血糖値の低下量及び HbA1c 値の目標達成率

(6.5%未満の達成率及び 7.0%未満の達成率)において 100 mg 群が 50 mg 群を上回ったことから,

50 mg/日を投与しても効果不十分な患者では,100 mg/日への増量は有用であると考えられた。以

上のことから,臨床用量と考えられる 50 mg/日及び 100 mg/日を本試験の投与量として設定した。 欧州にて実施した薬物相互作用試験(メトホルミン)[CL-0056]で,メトホルミン単独療法にて

血糖管理不十分な 2 型糖尿病患者を対象として,本剤 300 mg/日とメトホルミン(1700~3000 mg/日)を 2 週間,併用投与した結果,安全性と忍容性には問題がみられなかった。このことから,

治療 I 期にてプラセボを服用していた患者が,治療 II 期で 100 mg/日へ切り替えられることに問題

はないと考えた。 (2) 投与方法の設定根拠 日本人健康成人男性を対象とした第 I 相試験[CL-0101]において、日本人健康成人男性に対して

7 日間反復投与したときの本剤の血漿中未変化体濃度及び尿中グルコース排泄作用の持続性を考

慮したところ,1 日 1 回経口投与が妥当であると考えられたため設定した。また,食事の影響を

検討したところ,空腹時と食後で血漿中未変化体濃度に大きな差がみられなかったことから,朝

食前,朝食後のいずれでも投与が可能であると考えられたが,被験者ごとの投与時期を統一する

ために朝食前投与とした。

評価期間:

評価期間前観察期間:6 週間(スクリーニング期:4 週間,プラセボ run-in 期:2 週間)

治験薬投与期間:治療 I 期:24 週間,治療 II 期:28 週間

投与後観察期間(後観察期):4 週間

併用治療(薬剤及び療法):

(1) 併用禁止薬 Visit 1 から Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,メトホルミン以外のす

べての血糖降下薬の投与を禁止した。なお,Visit 1 から Visit 17 までのメトホルミンの用法・用量

は一定としたが,Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了後はすべての血糖降下

薬の投与,メトホルミンの用法・用量の変更を可能とした。 (2) 条件付き併用可能薬 Visit 1 の来院から Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,リウマチ,喘息

などの慢性疾患のための副腎皮質ステロイド製剤,免疫抑制剤及びループ利尿薬の継続的投与(内

服,注射,吸入)を禁止した。ただし,塗布などの局所使用の場合や,一時的な場合は使用を認

593

Page 220: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

めた。また,Visit 1 の来院から Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,血

糖に直接影響を与えると考えられるブドウ糖及びグルカゴン等の継続的投与(点滴,注射)を禁

止した。ただし,一時的な場合は使用を認めた。 (3) 併用禁止療法 Visit 1 の来院までに実施されていた食事療法は,Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の

検査終了まで内容の変更を禁止した。また,Visit 1 の来院から Visit 17(若しくは中止時)の有効

性評価項目の検査終了まで糖尿病の治療を目的とした入院療法を禁止した。

594

Page 221: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

評価項目,評価スケジュール及び評価基準:

1.評価スケジュール (1) 治療 I 期

観察期

治療Ⅰ期 スクリー

ニング期 プラセボ run-in 期

Visit 1 2 3 a 4 5 6 7 8 9 10 来院日(週) −6 −2 0 2 4 8 12 16 20 24

来院日b(日目) −42 −14 1 15 29 57 85 113 141 169

来院時期の許容範囲 (日目)

−49~−35 −21~−7 1 8~22 23~36 50~64 78~92 106~120

134~148

156~183

同意取得 X c X g 治験継続意思確認 X g 患者背景調査 X X 選択除外基準確認 X X 登録・割り付け X d 身長

e・体重・バイタル

サイン X X X X X X X X X X

ウエスト周囲径 X X 身体所見 X X X X X X X X X X 12 誘導心電図 X X X X X 妊娠検査(閉経前の女性

のみ) X X

観察期用治験薬の処方 X 治療期用治験薬の処方 X X X X X X X X i 服薬状況確認 X X X X X X X X 前治療薬・併用薬調査 X X X X X X X X X X 有害事象調査

h X X X X X X X X X 血液学的検査 血液生化学検査 尿検査(細菌を除く)

f X X X X X X X X X X

尿検査(細菌)f X X X X

骨代謝関連検査 1 血清 CTx 血清 BAP(骨型 ALP) 尿中 NTx,TRACP-5b

X X X X

骨代謝関連検査 2 25-OH ビタミン D, Intact-PTH

X X

HbA1c 値測定 X X X X X X X X X 空腹時血糖値測定 X X X X X X X X X X 空腹時インスリン測定・ レプチン測定・ アディポネクチン測定

X X X X X X X

a:Visit 3 の値をベースラインとした。 b:治療期用治験薬初回処方日(Visit 3)を 1 日目とし,その前日を−1 日目とした。被験者は来院日には朝食を摂らず,又治

験薬およびメトホルミンを服用しないで午前中に来院することとした。 c:同意取得は Visit 1 の検査前に実施した。(又は washout 開始前に実施した。) d:登録・治験薬の割り付けは Visit 2~Visit 3 間に実施した。 e:身長は Visit 1 のみ測定した。 f:尿路感染症が疑われる場合は,規定外の来院であっても,可能な限り尿検査(沈渣と細菌)を実施することとした。 g:治験継続の意思確認は文書により Visit 10 までに実施した。 h:有害事象調査は治験薬服薬後から実施した。 i:継続基準を満たさない場合は,治療 II 期用治験薬は処方せず後観察期へ移行することとした。

595

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2.7.6 個々の試験のまとめ

(2) 治療 II 期

治療 II 期 後観察期

Visit 11 12 13 14 15 16 17/ 中止

時 18

来院日(週) 28 32 36 40 44 48 52/ 中止

時 Visit 17 又は 中止時

j + 4

来院日b(日目) 197 225 253 281 309 337

365 /中止

時 Visit 17 又は 中止時

j + 28

来院時期の許容範囲 (日目) 184~211 212~239 240~267 268~295 296~323 324~351 352~386

Visit 17 又は 中止時

j + 14~+ 42

同意取得 治験継続意思確認 患者背景調査 選択除外基準確認 登録・割り付け 身長

e・体重・バイタルサ

イン X X X X X X X X

ウエスト周囲径 X 身体所見 X X X X X X X X 12 誘導心電図 X X X X 妊娠検査(閉経前の女性の

み) X X

観察期用治験薬の処方 治療期用治験薬の処方 X X X X X X 服薬状況確認 X X X X X X X 前治療薬・併用薬調査 X X X X X X X X 有害事象調査

h X X X X X X X X 血液学的検査 血液生化学検査 尿検査(細菌を除く)

f X X X X X X X X

尿検査(細菌)f X X

骨代謝関連検査 1 血清 CTx 血清 BAP(骨型 ALP) 尿中 NTx,TRACP-5b

X X X X

骨代謝関連検査 2 25-OH ビタミン D, Intact-PTH

X

HbA1c 値測定 X X X X X X X X 空腹時血糖値測定 X X X X X X X X 空腹時インスリン測定・ レプチン測定・ アディポネクチン測定

X X

b~i:治療 I 期の注釈参照 j:中止時:Visit 10 にて治療 II 期へ継続しない場合は,Visit 10 を中止時と読み替えることとした。

596

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.有効性

主要評価項目: HbA1c 値

副次評価項目: 空腹時血糖値,空腹時インスリン,レプチン,アディポネクチン,体重,ウエスト周囲径

3.安全性

有害事象,バイタルサイン,臨床検査値,12 誘導心電図,eGFR 有害事象については,治験薬を服用した後(プラセボ run-in 期以降)に発現した事象を調査対象

とした。なお,尿糖の陽性は本剤の作用メカニズムによる変化と考えられるため,有害事象とは

しなかった。治験薬との関連性は以下の基準により判定し,「関連あるかもしれない」又は「多分

(おそらく)関連あり」のいずれかに該当したものを,「治験薬との関連性が否定できない有害事

象(副作用)」と定義した。

有害事象の程度は,平成 4 年 6 月 29 日薬安第 80 号添付「医薬品等の副作用の重篤度分類基準に

ついて」のグレードを参考に判定した。この基準に規定されていない項目については,以下に従っ

て判定した。 ・軽 度:日常の活動に支障がないもの ・中等度:日常の活動に支障があるもの ・重 度:日常の活動が不可能になるもの

治験薬との関連性 関連性判定基準 否定できる 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的関係から因果関係がありそうにないと思われる

場合や,他の薬剤や合併症・基礎疾患等により説明ができる場合 関連あるかもしれ

ない 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係があるが,以下の項目のいず

れかに該当する場合 ・要因として合併症・基礎疾患や他の薬剤による説明もできる場合 ・投与中止に関する情報が不明確な場合

多分(おそらく)

関連あり 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係がある場合や,以下の項目に

該当する場合 ・再投与により再発又は投与中止により消失又は軽快をしめす場合 ・合併症・基礎疾患や他の薬剤では説明ができない,又はそれらによる可能性が考えに

くい場合

統計解析:

1.解析対象集団:

【治療 I 期】 下記の FAS 及び PPS を有効性解析対象集団とした。主たる解析対象集団を FAS とし,PPS を副次

解析対象集団とした。 (1) Full analysis set(FAS) 治療 I 期用治験薬を 1 回以上服用し,治療 I 期用治験薬投与後に有効性に関する評価項目が 1 項

目でも測定されている被験者を FAS とした。 (2) Per protocol set(PPS) FAS に含まれる症例のうち,以下の基準を満たす被験者を PPS とした。 ・選択基準に合致し,除外基準に抵触しない被験者 ・治療 I 期用治験薬及びメトホルミンの投与期間が 56 日以上の被験者(ただし,効果不十分及び

対象疾患の悪化にて中止した被験者については,PPS に含めることとした。) ・治療 I 期用治験薬及びメトホルミンの服薬率が 80%以上の被験者 ・治療 I 期(Visit 10)観察終了までに併用禁止薬が使用されなかった被験者

597

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2.7.6 個々の試験のまとめ

・治療 I 期(Visit 10)観察終了までに条件付併用可能薬が使用されなかった被験者,又は条件の

範囲内で使用された被験者 ・その他,治療 I 期(Visit 10)観察終了までに重大な治験実施計画書違反がなかった被験者 (3) 安全性解析対象集団[Safety analysis set(SAF)] 治療 I 期用治験薬を 1 回以上服用した被験者を SAF とした。

【治療 II 期】 下記の FAS を有効性解析対象集団と定義した。 (1) Full analysis set(FAS) 本剤を 1 回以上服用し,本剤投与後に有効性に関する評価項目が 1 項目でも測定されている被験

者を FAS とした。 (2) 安全性解析対象集団[Safety analysis set(SAF)] 本剤を 1 回以上服用している被験者を SAF とした。 2.被験者背景及びその他の基準値:

【治療 I 期】 FAS,PPS,SAF について解析を行った。被験者背景項目,スクリーニング期間及びプラセボ run-in期間の HbA1c 値について,投与群別に度数集計あるいは要約統計量を算出した。

【治療 II 期】 FAS,SAF について解析を行った。被験者背景項目,スクリーニング期間及びプラセボ run-in 期

間の HbA1c 値について,投与群別に度数集計あるいは要約統計量を算出した。

3.有効性:

【治療 I 期】 治療 I 期の解析では,治療期開始時をベースラインとした。 主要評価項目(HbA1c 値): (1) 主要な解析 ・治療 I 期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化量について,HbA1c 値のベース

ラインを共変量とした共分散分析により本剤 50 mg とプラセボを比較した(有意水準両側

0.05)。 (2) 副次的な解析 ・PPS についても主要な解析と同様の解析を行った。 ・HbA1c 値の実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び治療 I 期最終時点

の要約統計量を投与群別に算出した。 ・各評価時点及び治療 I 期最終時点において,HbA1c 値が 6.5%及び 7.0%未満になった被験者の

例数,割合を投与群別に算出した。 副次評価項目: ・治療 I 期最終時点におけるベースラインからの変化量について,ベースラインを共変量とした

共分散分析を用いて本剤 50 mg とプラセボを比較した(有意水準両側 0.05)。 ・実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び治療 I 期最終時点の要約統計

量を投与群別に算出した。

【治療 II 期】 治療 II 期の解析では,本剤 50 mg 群のベースラインは治療期開始時,プラセボ群のベースライン

は治療期 24 週時とし,ベースライン以降を解析対象とした。 主要評価項目(HbA1c 値): ・実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び本剤投与最終時点の要約統計

598

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2.7.6 個々の試験のまとめ

量を投与群別に算出した。 ・各評価時点及び本剤投与最終時点において,HbA1c 値が 6.5%及び 7.0%未満になった被験者の

例数,割合を投与群別に算出した。 副次評価項目: ・実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び本剤投与最終時点の要約統計

量を投与群別に算出した。 4.安全性:

治療 I 期の解析では,治療期開始時をベースラインとした。また,治療 II 期の解析では,本剤 50 mg群のベースラインは治療期開始時,プラセボ群のベースラインは治療期 24 週時とし,ベースライ

ン以降を解析対象とした。 (1) 有害事象 治療 I 期の解析では,治療 I 期用治験薬投与後に発現した有害事象について以下の解析を行った。

また,治療 II 期の解析では,本剤投与後に発現した有害事象について以下の解析を行った。 ・有害事象の有無及び治験薬との関連性が否定できない有害事象の有無について,例数及び割合

を投与群別に算出した。 ・有害事象の各事象について,器官別大分類別(MedDRA:SOC コード),基本語別(MedDRA:

PT コード),程度別に例数及び割合を投与群別に算出した。 (2) 臨床検査値 ・計量値項目について,各測定時点の実測値の要約統計量を投与群別に算出した。 ・計数値について,ベースライン×各測定時点のクロス表を投与群別に算出した。 (3) バイタルサイン ・各測定時点の実測値の要約統計量を投与群別に算出した。 (4) 12 誘導心電図 ・ベースラインと各時期のクロス表を投与群別に作成した。 報告書の日付: 年 月 日

2.7.6.23.2 被験者の内訳及び解析対象集団

2.7.6.23.2.1 被験者の内訳

治療 I 期用治験薬を投与された 168 例(プラセボ群 56 例,50 mg 群 112 例)のうち,152 例(プ

ラセボ群 42 例,50 mg 群 110 例)が治療 I 期を完了し,16 例(プラセボ群 14 例,50 mg 群 2 例)

が試験を中止した(図 2.7.6.23-1)。プラセボ群で最も多かった治療 I 期の主な中止理由は,糖尿病

の悪化(7 例)であった。50 mg 群での主な中止理由は,糖尿病の悪化と有害事象(各 1 例)であっ

た(表 2.7.6.23-1)。

治療 I 期を完了した 152 例のうち,106 例(プラセボ群 10 例,50 mg 群 96 例)が治療 II 期に移

行し,46例が治療 II期に移行しなかった。治療 II期に移行しなかった理由で最も多かったものは,

2 群ともに,HbA1c 値の継続基準を満たさなかったためであった(表 2.7.6.23-2)。治療 I 期でプラ

セボの投与を受けた 10 例のうち,1 例が本剤 50 mg の投与を受け(プラセボ/50 mg 群),9 例が本

剤 100 mg の投与を受けた(プラセボ/100 mg 群)。治療 I 期で本剤 50 mg の投与を受けた 96 例の

うち,53 例が 50 mg の投与を継続し(50/50 mg 群),43 例が 100 mg に増量した(50/100 mg 群)。

最終的に,100 例が治療 II 期を完了し,6 例(50/50 mg 群 3 例,50/100 mg 群 3 例)が試験を中止

599

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2.7.6 個々の試験のまとめ

した。治療 II期の主な中止理由は,50/50 mg群では有害事象(2例)及び効果不十分(1例),50/100 mg

群では効果不十分(1 例)及びその他(2 例)であった(表 2.7.6.23-3)。

図 2.7.6.23-1 被験者の内訳

同意取得 N=288

観察期用治療薬の投与 N=233 プラセボ run-in 期前の中止 N=55 無作為化 N=169 無作為化前の中止 N=64 治療 I 期用治験薬の投与 N=168 治療 I 期用治験薬処方前の中止 N=1

プラセボ N=56 ASP1941 50 mg N=112

治療 I 期完了 N=152 治療 I 期用治験薬投与開始後の中止 N=16

プラセボ N=42 プラセボ N=14 ASP1941 50 mg N=110 ASP1941 50 mg N=2

治療 II 期に移行 N=106 治療 II 期に移行せず N=46

プラセボ N=10 プラセボ N=32 ASP1941 50 mg N=96 ASP1941 50 mg N=14

治療 II 期用治験薬の投与 N=106

プラセボ/ASP1941 50 mg プラセボ/ASP1941 100 mg

N=1 N=9a

ASP1941 50/50 mg ASP1941 50/100 mg

N=53 N=43b

治療 II 期完了 N=100 治療 II 期用治験薬投与開始後の中止 N=6

プラセボ/ASP1941 50 mg プラセボ/ASP1941 100 mg

N=1 N=9a プラセボ/ASP1941 50 mg

プラセボ/ASP1941 100 mg N=0 N=0

ASP1941 50/50 mg ASP1941 50/100 mg

N=50 N=40b ASP1941 50/50 mg

ASP1941 50/100 mg N=3 N=3

a:100 mg を投与した後,50 mg に減量した 1 例を含む。 b:100 mg に増量した後,50 mg に減量した 1 例を含む。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.1A.1.1,12.1A.1.2,12.1A.1.3,12.1A.1.4,12.1A.1.6,12.1A.1.7,12.1B.1.1,12.1B.1.2.1,12.1B.1.2.2,12.1B.1.2.3

600

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-1 治療 I 期の主な中止理由 プラセボ

N=14 ASP1941 50 mg

N=2 合計 N=16

糖尿病の悪化 7 (50.0%) 1 (50.0%) 8 (50.0%) 同意の撤回 4 (28.6%) 0 4 (25.0%) 有害事象 1 (7.1%) 1 (50.0%) 2 (12.5%) 効果不十分 2 (14.3%) 0 2 (12.5%)

例数(割合) Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.1A.1.9

表 2.7.6.23-2 治療 II 期に移行しなかった理由

プラセボ N=32

ASP1941 50 mg N=14

合計 N=46

HbA1c 値の継続基準を満たさなかった 32 (100%) 12 (85.7%) 44 (95.7%) 投与継続に同意しなかった 0 1 (7.1%) 1 (2.2%) 同意の撤回 0 1 (7.1%) 1 (2.2%)

例数(割合) Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.1A.1.12

表 2.7.6.23-3 治療 II 期の主な中止理由

治療 I 期/治療 II 期 合計

プラセボ/50 mg プラセボ/100 mg 50/50 mg 50/100 mg N=0 N=0 N=3 N=3 N=6

有害事象 0 0 2 (66.7%) 0 2 (33.3%) 効果不十分 0 0 1 (33.3%) 1 (33.3%) 2 (33.3%) その他 0 0 0 2 (66.7%) 2 (33.3%)

例数(割合) Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.1B.1.3.2

2.7.6.23.2.2 解析対象集団

1. 24 週投与

治療 I 期用治験薬を処方された全 168 例(プラセボ群 56 例,50 mg 群 112 例)を FAS 及び SAF

として採用した(表 2.7.6.23-4)。FAS のうち,165 例(プラセボ群 53 例,50 mg 群 112 例)を PPS

として採用した。最も多かった PPS 除外理由は,投与期間不足であった。

表 2.7.6.23-4 解析対象集団(24 週) プラセボ ASP1941 50 mg 合計

治療 I 期用治験薬の処方 56 112 168 SAF(24 週) 56 (100%) 112 (100%) 168 (100%) FAS(24 週) 56 (100%) 112 (100%) 168 (100%) PPS(24 週) 53 (94.6%) 112 (100%) 165 (98.2%) 例数(割合) Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.1A.1.8

601

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2. 52 週投与

増量例を含む全体的な評価のため,治療 I 期と治療 II 期にそれぞれプラセボと本剤(50 mg 又

は 100 mg)を投与された 10 例(プラセボ無作為化群),治療 I 期に本剤(50 mg)を投与された

112 例(50 mg 無作為化群)の全 122 例を FAS 及び SAF として採用した(表 2.7.6.23-5)。このう

ち,治療 II 期に本剤の投与を受けた全 106 例(プラセボ/50 mg 群 1 例,プラセボ/100 mg 群 9 例,

50/50 mg 群 53 例,50/100 mg 群 43 例)を用量別の評価に用いた。

なお,プラセボ無作為化群,プラセボ/50 mg 群,プラセボ/100 mg 群のデータは参考扱いとし,

特に断らない限り,次項以降に提示しない。

表 2.7.6.23-5 解析対象集団(52 週)

無作為化 合計

プラセボ ASP1941 50 mg ASP1941 投与 10 112 122 SAF(52 週) 10 (100%) 112 (100%) 122 (100%) FAS(52 週) 10 (100%) 112 (100%) 122 (100%)

治療 I 期/治療 II 期

合計 プラセボ/50 mg

プラセボ/100 mg

50/50 mg 50/100 mg

ASP1941 投与(治療 II 期) 1 9a 53 43b 106 SAF(52 週) 1 (100%) 9 (100%)a 53 (100%) 43 (100%)b 106 (100%) FAS(52 週) 1 (100%) 9 (100%)a 53 (100%) 43 (100%)b 106 (100%) 例数(割合) a:100 mg を投与した後,50 mg に減量した 1 例を含む。 b:100 mg に増量した後,50 mg に減量した 1 例を含む。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.1B.1.5.1,12.1B.1.5.2

2.7.6.23.3 人口統計学的及び他の基準値の特性

FAS(24 週)での男性の割合はプラセボ群,50 mg 群ともに約 59%であった(表 2.7.6.23-6)。

平均年齢はプラセボ群で約 58 歳,50 mg 群で約 56 歳であった。糖尿病の罹病期間の中央値はプ

ラセボ群で 84.5 カ月(約 7 年),50 mg 群で 73.5 カ月(約 6 年)であった。

FAS(24 週)での人口統計学的及び他の基準値の特性には,ほとんどの項目で統計的に有意な

投与群間の不均衡は認められなかった。空腹時血糖値は,50 mg 群(161.6 mg/dL)よりもプラセ

ボ群(174.5 mg/dL)で統計的に有意に高かった(P=0.006,t 検定)。スクリーニング期開始前 12

週以内にメトホルミン以外の血糖降下薬を投与された被験者の割合は,50 mg 群(34.8%)よりも

プラセボ群(51.8%)で統計的に有意に高かった(P=0.045,Fisher の直接確率検定)。

2 群とも,98%以上の被験者が,スクリーニング時に 500 又は 750 mg/日のメトホルミンの投与

を受けていた。

SAF(24 週)での人口統計学的及び他の基準値の特性は,FAS(24 週)と同一であった。

602

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-6 人口統計学的及び他の基準値の特性:FAS(24 週)

プラセボ N=56

ASP1941 50 mg N=112 P 値

性別 男性 33 (58.9%) 66 (58.9%)

1.000a 女性 23 (41.1%) 46 (41.1%)

年齢(歳) [同意取得時]

平均値(標準偏差) 57.7 (9.24) 56.2 (10.67) 0.379b 最小値,最大値 33, 76 29, 77 65 歳未満 42 (75.0%) 86 (76.8%)

0.848a 65 歳以上 14 (25.0%) 26 (23.2%)

身長(cm) [スクリーニング期]

平均値(標準偏差) 162.56 (8.185) 162.37 (8.560) 0.892b

最小値,最大値 144.2, 176.3 143.0, 179.8 体重(kg) [スクリーニング期]

平均値(標準偏差) 67.58 (11.217) 68.70 (14.003) 0.604b 最小値,最大値 44.4, 96.6 44.2, 113.0

BMI(kg/m2) [スクリーニング期]

平均値(標準偏差) 25.47 (3.092) 25.96 (4.410) 0.462b

最小値,最大値 20.1, 31.8 19.0, 42.4 25 kg/m2 未満 27 (48.2%) 59 (52.7%)

0.626a 25 kg/m2 以上 29 (51.8%) 53 (47.3%)

罹病期間(カ月) [スクリーニング期]

平均値(標準偏差) 96.6 (61.93) 89.9 (68.10) 0.536b 中央値 84.5 73.5

最小値,最大値 3, 294 4, 368 60 カ月未満 15 (26.8%) 42 (37.5%) 0.226a 60 カ月以上 41 (73.2%) 70 (62.5%)

合併症 なし 0 3 (2.7%)

0.552a あり 56 (100%) 109 (97.3%)

喫煙歴 喫煙歴なし 25 (44.6%) 55 (49.1%)

0.252a 過去に喫煙習慣あり 19 (33.9%) 25 (22.3%) 喫煙者 12 (21.4%) 32 (28.6%)

飲酒習慣 飲酒習慣なし 21 (37.5%) 46 (41.1%)

0.548a 過去に飲酒習慣あり 1 (1.8%) 6 (5.4%) 飲酒習慣あり 34 (60.7%) 60 (53.6%)

飲酒量 c

飲酒なし 22 (39.3%) 52 (46.4%)

0.684a レベル 1 26 (46.4%) 47 (42.0%) レベル 2 8 (14.3%) 13 (11.6%) レベル 3 0 0

HbA1c 値(%,JDS) [治療期開始時]

平均値(標準偏差) 7.98 (0.738) 7.85 (0.714) 0.268b 最小値,最大値 6.9, 9.8 6.8, 10.1

空腹時血糖値(mg/dL) [治療期開始時]

平均値(標準偏差) 174.5 (24.84) 161.6 (29.93) 0.006b

最小値,最大値 125, 225 102, 259 スクリーニング期開始前 12週以

内のメトホルミン以外の血糖降

下薬投与

なし 27 (48.2%) 73 (65.2%) 0.045a

あり 29 (51.8%) 39 (34.8%)

eGFR(mL/min/1.73 m2) [ベースライン]

平均値(標準偏差) 90.44 (17.454) 89.39 (18.662) -

最小値,最大値 57.2, 131.9 59.7,152.1

カテゴリーデータは,例数(割合)を示す。 a:Fisher の直接確率検定,b:t 検定 c:飲酒量は以下の 3 レベルに分類した。 レベル 1:ビール中ビン 1 本未満,清酒 1 合未満,ウイスキー・ブランデー60 mL 未満,焼酎(35 度)90 mL 未満,

又はワイン 240 mL 未満 レベル 2:ビール中ビン 1 本以上 3 本未満,清酒 1 合以上 3 合未満,ウイスキー・ブランデー60 mL 以上 180 mL未満,焼酎(35 度)90 mL 以上 270 mL 未満,又はワイン 240 mL 以上 720 mL 未満 レベル 3:ビール中ビン 3 本以上,清酒 3 合以上,ウイスキー・ブランデー180 mL 以上,焼酎(35 度)270 mL 以

上,又はワイン 720 mL 以上 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.1A.2.1.1,12.1A.2.2.1,12.1A.2.3.1,12.6A.5.1

603

Page 230: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.23.4 治験薬の曝露

FAS(24 週)において,治療 I 期用治験薬の服薬期間の平均値は,50 mg 群に比べプラセボ群で

短かったが,その中央値は 2 群で同様であった(表 2.7.6.23-7)。平均服薬率は,2 群とも 99%以上

であった。メトホルミンの服薬状況は,治療 I 期用治験薬と同様であった。

表 2.7.6.23-7 治療 I 期用治験薬の服薬状況:FAS(24 週) プラセボ

N=56 ASP1941 50 mg

N=112

服薬期間(日) 平均値(標準偏差) 147.3 (41.79) 168.3 (7.12) 中央値 167.0 168.0 最小値,最大値 15, 176 122, 182

服薬率(%) 平均値(標準偏差) 99.00 (1.723) 99.16 (1.680) 最小値,最大値 90.9, 100.0 91.7, 100.0

Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.2A.1.1

FAS(52 週)において,本剤の服薬期間の中央値は,50 mg 無作為化群,50/50 mg 群及び 50/100 mg

群で 364 日であった(表 2.7.6.23-8)。平均服薬率は,いずれの群でも 99%超であった。メトホル

ミンの服薬状況は,本剤と同様であった。

表 2.7.6.23-8 ASP1941 の服薬状況:FAS(52 週)

50 mg 無作為化 N=112

治療 I 期/治療 II 期 50/50 mg

N=53 50/100 mg

N=43

服薬期間(日) 平均値(標準偏差) 333.6 (72.14) 365.4 (16.73) 356.8 (27.85) 中央値 364.0 364.0 364.0 最小値,最大値 122, 385 273, 385 240, 378

服薬率(%) 平均値(標準偏差) 99.21 (1.499) 99.22 (1.152) 99.26 (1.645) 最小値,最大値 91.1, 100.0 95.3, 100.0 91.1, 100.0

Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.2B.1.1.1,12.2B.1.1.2

2.7.6.23.5 有効性

2.7.6.23.5.1 主要評価項目:HbA1c値(24 週投与)

2.7.6.23.5.1.1 治療I期最終時点のHbA1c値のベースラインからの変化量

治療 I 期最終時点における HbA1c 値の治療 I 期開始時(ベースライン)からの平均変化量は,

プラセボ群で 0.38%,50 mg 群で−0.87%であった(表 2.7.6.23-9)。ベースラインからの変化量の調

整済み平均値のプラセボ群に対する差は,−1.29%であった。その差が統計的に有意であったこと

から(P<0.001,共分散分析),本剤 50 mg のプラセボに対する優越性が示された。

604

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-9 治療 I 期最終時点の HbA1c 値(%)のベースラインからの変化量:FAS(24 週)

プラセボ N=56

ASP1941 50 mg N=112

ベースラインの平均値(標準偏差) 7.98 (0.738) 7.85 (0.714) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 8.36 (0.902) 6.98 (0.707) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 0.38 (0.703) −0.87 (0.655) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - −1.29 (−1.497, −1.092)

P 値 - < 0.001 a:ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3A.1.1,12.3A.1.2.3,12.3A.1.2.4

2.7.6.23.5.1.2 治療I期最終時点のHbA1c値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合

治療 I 期最終時点の HbA1c 値が 7.0%未満であった割合は,プラセボ群(1.8%)に比べ 50 mg

群(49.1%)で高かった(表 2.7.6.23-10)。治療 I 期最終時点の HbA1c 値が 6.5%未満であった割合

も,プラセボ群(0%)に比べ 50 mg 群(19.6%)で高かった。

表 2.7.6.23-10 HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合:FAS(24 週) プラセボ ASP1941 50 mg

7.0%未満 ベースライン 1/56 (1.8%) 9/112 (8.0%) 治療 I 期最終時点 1/56 (1.8%) 55/112 (49.1%)

6.5%未満 ベースライン 0/56 (0.0%) 0/112 (0.0%) 治療 I 期最終時点 0/56 (0.0%) 22/112 (19.6%) HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった例数/解析対象例数(割合) Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3A.1.2.5,12.3A.1.2.6

2.7.6.23.5.2 副次評価項目(24 週投与)

2.7.6.23.5.2.1 空腹時血糖値

治療 I 期最終時点における空腹時血糖値のベースラインからの平均変化量は,プラセボ群で

10.7 mg/dL,50 mg 群で−22.2 mg/dL であった(表 2.7.6.23-11)。ベースラインからの変化量の調整

済み平均値のプラセボ群に対する差は,−39.4 mg/dL であった。その差は統計的に有意であった

(P<0.001,共分散分析)。

605

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-11 治療 I 期最終時点の空腹時血糖値(mg/dL)のベースラインからの変化量:FAS(24 週)

プラセボ N=56

ASP1941 50 mg N=112

ベースラインの平均値(標準偏差) 174.5 (24.84) 161.6 (29.93) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 185.2 (32.42) 139.5 (23.36) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 10.7 (27.46) −22.2 (26.72) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - −39.4 (−46.96, −31.85)

P 値 - < 0.001 a:ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3A.2.1.1.1,12.3A.2.1.3,12.3A.2.1.4

2.7.6.23.5.2.2 その他の副次評価項目

共分散分析の結果,治療 I 期最終時点におけるベースラインからの変化量の調整済み平均値の

プラセボ群に対する差は,空腹時インスリン(−0.67 μU/mL,P=0.076;表 2.7.6.23-12)及びレプ

チン値(−0.37 ng/mL,P=0.220;表 2.7.6.23-13)のいずれについても,統計的に有意でなかった。

一方,治療 I 期最終時点におけるベースラインからの変化量の調整済み平均値のプラセボ群に対

する差は,アディポネクチン(0.77 μg/mL,P=0.002;表 2.7.6.23-14),体重(−1.69 kg,P<0.001;

表 2.7.6.23-15)及びウエスト周囲径(−1.83 cm,P=0.001;表 2.7.6.23-16)のいずれについても,

統計的に有意であった。

表 2.7.6.23-12 治療 I 期最終時点の空腹時インスリン(μU/mL)のベースラインからの変化量:

FAS(24 週)

プラセボ N=56

ASP1941 50 mg N=112

ベースラインの平均値(標準偏差) 6.71 (3.826) 7.91 (5.392) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 6.10 (3.268) 6.13 (3.862) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.61 (2.478) −1.78 (3.301) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - −0.67 (−1.412, 0.071)

P 値 - 0.076 a:ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3A.2.2.1,12.3A.2.2.2,12.3A.2.2.3

606

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-13 治療 I 期最終時点のレプチン(ng/mL)のベースラインからの変化量:FAS(24週)

プラセボ N=56

ASP1941 50 mg N=112

ベースラインの平均値(標準偏差) 7.22 (4.285) 7.15 (4.723) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 6.83 (4.439) 6.40 (4.070) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.39 (1.822) −0.74 (2.074) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - −0.37 (−0.961, 0.222)

P 値 - 0.220 a:ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3A.2.3.1,12.3A.2.3.2,12.3A.2.3.3

表 2.7.6.23-14 治療 I 期最終時点のアディポネクチン(μg/mL)のベースラインからの変化量:

FAS(24 週)

プラセボ N=56

ASP1941 50 mg N=112

ベースラインの平均値(標準偏差) 6.54 (3.075) 5.95 (2.981) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 7.28 (3.909) 7.42 (3.443) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 0.75 (1.971) 1.47 (1.224) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - 0.77 (0.287, 1.255)

P 値 - 0.002 a:ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3A.2.4.1,12.3A.2.4.2,12.3A.2.4.3

表 2.7.6.23-15 治療 I 期最終時点の体重(kg)のベースラインからの変化量:FAS(24 週)

プラセボ N=56

ASP1941 50 mg N=112

ベースラインの平均値(標準偏差) 67.51 (11.365) 68.52 (13.864) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 66.88 (11.469) 66.20 (13.836) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.63 (1.679) −2.33 (1.798) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - −1.69 (−2.256, −1.117)

P 値 - < 0.001 a:ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3A.2.5.1,12.3A.2.5.2,12.3A.2.5.3

607

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-16 治療 I 期最終時点のウエスト周囲径(cm)のベースラインからの変化量:FAS(24週)

プラセボ N=56

ASP1941 50 mg N=112

ベースラインの平均値(標準偏差) 88.95 (7.176) 90.70 (10.736) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 88.48 (7.833) 88.20 (10.609)b 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.48 (2.723) −2.39 (3.720)b 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - −1.83 (−2.927, −0.725)

P 値 - 0.001

a:ベースライン値を共変量とした共分散分析 b:N=111 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3A.2.6.1,12.3A.2.6.2,12.3A.2.6.3

2.7.6.23.5.3 長期投与時の有効性(52 週投与)

本剤 50 mgとメトホルミンの併用投与による HbA1c値(図 2.7.6.23-2),空腹時血糖値(図 2.7.6.23-3),

アディポネクチン,体重及びウエスト周囲径の改善効果は,52 週時まで維持された。

図 2.7.6.23-2 HbA1c 値の推移(50/50 mg 群及び 50/100 mg 群):FAS(52 週)

X 軸の各評価時点の下の数値は症例数を示す。 E1:治療 I 期最終時点;EA:ASP1941 投与最終時点;FU:後観察時 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Figure 12.3B.1.1.3

608

Page 235: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.23-3 空腹時血糖値の推移(50/50 mg 群及び 50/100 mg 群):FAS(52 週)

X 軸の各評価時点の下の数値は症例数を示す。 E1:治療 I 期最終時点;EA:ASP1941 投与最終時点;FU:後観察時 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Figure 12.3B.2.1.3

本剤 50 mg とメトホルミンの併用投与で血糖管理不十分な被験者に対して,24 週時に本剤を 100 mg

に増量した結果,HbA1c 値及び空腹時血糖値が更に改善した。すなわち,50/100 mg 群では,本剤投

与最終時点での HbA1c 値の治療 I 期最終時点からの平均変化量は−0.22%であった(表 2.7.6.23-17)。

また,HbA1c 値が 7.0%未満であった割合は,治療 I 期最終時点の 11.6%から本剤投与最終時点の

46.5%に増加し,HbA1c 値が 6.5%未満であった割合は,治療 I 期最終時点の 0%から本剤投与最終

時点の 4.7%に増加した(表 2.7.6.23-18)。加えて,本剤投与最終時点における空腹時血糖値の治療

I 期最終時点からの平均変化量は−14.1 mg/dL であった(表 2.7.6.23-19)。

609

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-17 治療 I 期最終時点からの HbA1c 値変化量(%)の推移:FAS(52 週)

治療 I 期/治療 II 期

50/50 mg 50/100 mg N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

治療期 28 週時 53 0.05 (0.213) 43 −0.08 (0.221) 治療期 32 週時 52 0.10 (0.293) 43 −0.07 (0.346) 治療期 36 週時 53 0.13 (0.365) 43 −0.04 (0.346) 治療期 40 週時 53 0.10 (0.350) 41 −0.12 (0.339) 治療期 44 週時 52 0.09 (0.420) 40 −0.19 (0.268) 治療期 48 週時 51 0.01 (0.347) 40 −0.26 (0.262) 治療期 52 週時 50 −0.01 (0.373) 40 −0.29 (0.303) ASP1941 投与最終時点 53 0.01 (0.413) 43 −0.22 (0.427) 後観察時 53 0.10 (0.422) 43 −0.10 (0.479)

Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3B.1.3

表 2.7.6.23-18 HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合:FAS(52 週)

50 mg 無作為化 治療 I 期/治療 II 期 50/50 mg 50/100 mg

7.0%未満 ベースライン 9/112 (8.0%) 6/53 (11.3%) 0/43 治療 I 期最終時点 55/112 (49.1%) 48/53 (90.6%) 5/43 (11.6%) ASP1941 投与最終時点 67/112 (59.8%) 45/53 (84.9%) 20/43 (46.5%) 後観察時 60/112 (53.6%) 41/53 (77.4%) 18/43 (41.9%)

6.5%未満 ベースライン 0/112 0/53 0/43 治療 I 期最終時点 22/112 (19.6%) 22/53 (41.5%) 0/43 ASP1941 投与最終時点 22/112 (19.6%) 20/53 (37.7%) 2/43 (4.7%) 後観察時 20/112 (17.9%) 18/53 (34.0%) 2/43 (4.7%)

HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった例数/解析対象例数(割合) Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3B.1.4.1,12.3B.1.4.2,12.3B.1.5.1,12.3B.1.5.2

表 2.7.6.23-19 治療 I 期最終時点からの空腹時血糖値変化量(mg/dL)の推移:FAS(52 週)

治療 I 期/治療 II 期

50/50 mg 50/100 mg N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

治療期 28 週時 53 1.8 (16.06) 43 −5.8 (16.49) 治療期 32 週時 52 −0.3 (15.10) 43 −5.1 (14.98) 治療期 36 週時 53 −0.3 (19.90) 43 −7.5 (16.31) 治療期 40 週時 53 −2.1 (16.88) 41 −9.7 (14.06) 治療期 44 週時 52 0.8 (24.11) 40 −11.5 (17.02) 治療期 48 週時 51 −5.9 (19.84) 40 −11.5 (14.69) 治療期 52 週時 50 −5.2 (22.32) 40 −15.4 (17.33) ASP1941 投与最終時点 53 −5.2 (21.95) 43 −14.1 (18.25) 後観察時 53 5.9 (21.61) 43 3.0 (25.06)

Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.3B.2.3

610

Page 237: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.23.6 安全性

2.7.6.23.6.1 有害事象

2.7.6.23.6.1.1 24 週投与

有害事象の発現率は,プラセボ群で 80.4%(45/56 例),50 mg 群で 71.4%(80/112 例)であった

(表 2.7.6.23-20)。投与群間で統計的に有意な差は認められなかった(P=0.262,Fisher の直接確率

検定)。副作用の発現率は,プラセボ群(21.4%,12/56 例)に比べ 50 mg 群(29.5%,33/112 例)

で高かったが,投与群間で統計的に有意な差は認められなかった(P=0.356,Fisher の直接確率検

定)。ほとんどの有害事象は軽度であった。

50 mg 群で 5%以上に認められた有害事象は,鼻咽頭炎,背部痛,頻尿であった(表 2.7.6.23-21)。

このうち,プラセボ群と比べて 2 倍以上の発現率が認められたのは,頻尿の 1 事象であった(プ

ラセボ群 1.8%,1/56 例;50 mg 群 5.4%,6/112 例)。

表 2.7.6.23-20 有害事象の要約:SAF(24 週)

プラセボ ASP1941 50 mg P 値 a N=56 N=112 有害事象 45 (80.4%) 80 (71.4%) 0.262 副作用 12 (21.4%) 33 (29.5%) 0.356 有害事象の件数 104 205 - 副作用の件数 13 55 - 重篤な有害事象 2 (3.6%) 2 (1.8%) - 重篤な副作用 0 0 - 投与中止に至った有害事象 8 (14.3%) 2 (1.8%) - 投与中止に至った副作用 1 (1.8%) 1 (0.9%) - 程度別の有害事象 b 軽度 38 (67.9%) 76 (67.9%) - 中等度 7 (12.5%) 4 (3.6%) - 重度 0 0 - 発現例数(発現率) a:Fisher の直接確率検定 b:同一患者に有害事象が 2 件以上発現した場合,最も重い程度として集計した。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.6A.1.1, 12.6A.1.2, 12.6A.1.3, 12.6A.1.9.1

611

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-21 器官別大分類,基本語別のすべての有害事象と副作用:SAF(24 週)

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 プラセボ

N=56

ASP1941 50 mg N=112

プラセボ

N=56

ASP1941 50 mg N=112

全事象 45 (80.4%) 80 (71.4%) 12 (21.4%) 33 (29.5%) 耳および迷路障害 1 (1.8%) 1 (0.9%) 0 0 耳鳴 1 (1.8%) 1 (0.9%) 0 0

眼障害 2 (3.6%) 6 (5.4%) 0 2 (1.8%) 白内障 1 (1.8%) 0 0 0 結膜炎 1 (1.8%) 0 0 0 糖尿病性網膜症 0 2 (1.8%) 0 1 (0.9%) 眼乾燥 1 (1.8%) 1 (0.9%) 0 0 眼痛 0 1 (0.9%) 0 0 飛蚊症 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 網膜変性 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 強膜炎 0 1 (0.9%) 0 0

胃腸障害 9 (16.1%) 29 (25.9%) 1 (1.8%) 7 (6.3%) 腹部不快感 0 2 (1.8%) 0 1 (0.9%) 腹痛 2 (3.6%) 0 0 0 下腹部痛 0 1 (0.9%) 0 0 上腹部痛 0 2 (1.8%) 0 1 (0.9%) 口唇炎 0 2 (1.8%) 0 0 結腸ポリープ 0 1 (0.9%) 0 0 便秘 1 (1.8%) 5 (4.5%) 1 (1.8%) 2 (1.8%) 齲歯 1 (1.8%) 2 (1.8%) 0 0 下痢 1 (1.8%) 2 (1.8%) 0 0 消化不良 0 4 (3.6%) 0 1 (0.9%) 小腸炎 1 (1.8%) 0 0 0 胃潰瘍 0 1 (0.9%) 0 0 胃炎 1 (1.8%) 2 (1.8%) 0 0 歯肉腫脹 0 1 (0.9%) 0 0 歯肉炎 0 1 (0.9%) 0 0 悪心 0 3 (2.7%) 0 1 (0.9%) 歯冠周囲炎 0 2 (1.8%) 0 0 歯周病 2 (3.6%) 3 (2.7%) 0 0 逆流性食道炎 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 口内炎 0 1 (0.9%) 0 0 歯痛 0 1 (0.9%) 0 0 嘔吐 0 3 (2.7%) 0 1 (0.9%) 痔出血 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%)

全身障害および投与局所様態 1 (1.8%) 7 (6.3%) 0 4 (3.6%) 胸部不快感 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 疲労 1 (1.8%) 0 0 0 異常感 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 倦怠感 0 2 (1.8%) 0 1 (0.9%) 発熱 0 1 (0.9%) 0 0 口渇 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 腋窩痛 0 1 (0.9%) 0 0

肝胆道系障害 2 (3.6%) 1 (0.9%) 1 (1.8%) 1 (0.9%) 肝機能異常 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 脂肪肝 2 (3.6%) 0 1 (1.8%) 0 胆嚢ポリープ 0 1 (0.9%) 0 0

612

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2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 プラセボ

N=56

ASP1941 50 mg N=112

プラセボ

N=56

ASP1941 50 mg N=112

免疫系障害 1 (1.8%) 1 (0.9%) 0 0 季節性アレルギー 1 (1.8%) 1 (0.9%) 0 0

感染症および寄生虫症 26 (46.4%) 43 (38.4%) 1 (1.8%) 7 (6.3%) アデノウイルス結膜炎 0 1 (0.9%) 0 0 体部白癬 0 1 (0.9%) 0 0 気管支炎 0 5 (4.5%) 0 0 膀胱炎 2 (3.6%) 2 (1.8%) 1 (1.8%) 1 (0.9%) 胃腸炎 2 (3.6%) 1 (0.9%) 0 0 帯状疱疹 1 (1.8%) 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) インフルエンザ 2 (3.6%) 0 0 0 鼻咽頭炎 20 (35.7%) 29 (25.9%) 0 1 (0.9%) 臍炎 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 爪真菌症 0 1 (0.9%) 0 0 爪囲炎 0 2 (1.8%) 0 0 咽頭炎 2 (3.6%) 1 (0.9%) 0 0 鼻炎 0 2 (1.8%) 0 0 足部白癬 1 (1.8%) 0 0 0 扁桃炎 1 (1.8%) 0 0 0 上気道感染 1 (1.8%) 0 0 0 外陰部腟カンジダ症 0 2 (1.8%) 0 2 (1.8%) 肛門膿瘍 1 (1.8%) 0 0 0 白癬感染 0 1 (0.9%) 0 0 真菌性性器感染 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%)

傷害、中毒および処置合併症 5 (8.9%) 5 (4.5%) 0 0 節足動物刺傷 1 (1.8%) 0 0 0 手骨折 1 (1.8%) 0 0 0 関節捻挫 0 1 (0.9%) 0 0 爪裂離 0 1 (0.9%) 0 0 肋骨骨折 0 1 (0.9%) 0 0 筋挫傷 1 (1.8%) 1 (0.9%) 0 0 挫傷 2 (3.6%) 0 0 0 歯牙破折 0 1 (0.9%) 0 0

臨床検査 7 (12.5%) 9 (8.0%) 3 (5.4%) 4 (3.6%) アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加 1 (1.8%) 1 (0.9%) 0 0 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 1 (1.8%) 0 0 0 β2 ミクログロブリン増加 1 (1.8%) 0 0 0 尿中 β2 ミクログロブリン増加 0 1 (0.9%) 0 0 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 3 (5.4%) 1 (0.9%) 0 0 血中乳酸脱水素酵素増加 0 1 (0.9%) 0 0 γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 0 1 (0.9%) 0 0 ヘマトクリット減少 0 1 (0.9%) 0 0 尿中血陽性 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) ヘモグロビン減少 0 1 (0.9%) 0 0 肝機能検査異常 0 2 (1.8%) 0 0 赤血球数減少 0 1 (0.9%) 0 0 体重減少 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 血小板数増加 0 1 (0.9%) 0 0 尿中アルブミン/クレアチニン比増加 1 (1.8%) 1 (0.9%) 1 (1.8%) 1 (0.9%) 尿中ケトン体陽性 1 (1.8%) 0 1 (1.8%) 0

613

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2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 プラセボ

N=56

ASP1941 50 mg N=112

プラセボ

N=56

ASP1941 50 mg N=112

血中アルカリホスファターゼ増加 1 (1.8%) 1 (0.9%) 1 (1.8%) 0 尿量増加 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%)

代謝および栄養障害 8 (14.3%) 2 (1.8%) 1 (1.8%) 0 糖尿病 a 8 (14.3%) 1 (0.9%) 1 (1.8%) 0 食欲減退 0 1 (0.9%) 0 0

筋骨格系および結合組織障害 5 (8.9%) 12 (10.7%) 0 2 (1.8%) 関節痛 0 1 (0.9%) 0 0 背部痛 2 (3.6%) 6 (5.4%) 0 0 頚部脊柱管狭窄症 0 1 (0.9%) 0 0 側腹部痛 0 1 (0.9%) 0 0 筋痙縮 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 筋骨格痛 0 1 (0.9%) 0 0 筋肉痛 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 骨関節炎 1 (1.8%) 0 0 0 四肢痛 0 1 (0.9%) 0 0 関節周囲炎 2 (3.6%) 0 0 0

神経系障害 3 (5.4%) 8 (7.1%) 0 2 (1.8%) 手根管症候群 0 1 (0.9%) 0 0 浮動性めまい 1 (1.8%) 3 (2.7%) 0 0 頭痛 1 (1.8%) 4 (3.6%) 0 1 (0.9%) 感覚鈍麻 1 (1.8%) 0 0 0 片頭痛 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%)

腎および尿路障害 2 (3.6%) 7 (6.3%) 2 (3.6%) 7 (6.3%) 排尿困難 1 (1.8%) 0 1 (1.8%) 0 緊張性膀胱 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 頻尿 1 (1.8%) 6 (5.4%) 1 (1.8%) 6 (5.4%) 多尿 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%)

生殖系および乳房障害 0 2 (1.8%) 0 2 (1.8%) 陰部そう痒症 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) びらん性亀頭炎 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%)

呼吸器、胸郭および縦隔障害 5 (8.9%) 8 (7.1%) 1 (1.8%) 3 (2.7%) 喘息 0 1 (0.9%) 0 0 咳嗽 1 (1.8%) 2 (1.8%) 0 0 アレルギー性鼻炎 1 (1.8%) 0 0 0 鼻漏 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 上気道の炎症 3 (5.4%) 4 (3.6%) 0 2 (1.8%) 口腔咽頭水疱形成 1 (1.8%) 0 1 (1.8%) 0 口腔咽頭不快感 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%)

皮膚および皮下組織障害 1 (1.8%) 11 (9.8%) 0 4 (3.6%) 薬疹 0 2 (1.8%) 0 0 皮膚乾燥 0 1 (0.9%) 0 0 湿疹 1 (1.8%) 3 (2.7%) 0 1 (0.9%) 皮脂欠乏性湿疹 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 紅色汗疹 0 1 (0.9%) 0 0 過角化 0 1 (0.9%) 0 0 そう痒症 0 1 (0.9%) 0 0 発疹 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%) 蕁麻疹 0 1 (0.9%) 0 1 (0.9%)

614

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2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 プラセボ

N=56

ASP1941 50 mg N=112

プラセボ

N=56

ASP1941 50 mg N=112

血管障害 4 (7.1%) 2 (1.8%) 2 (3.6%) 1 (0.9%) 動脈硬化症 0 1 (0.9%) 0 0 高血圧 3 (5.4%) 1 (0.9%) 1 (1.8%) 1 (0.9%) 末梢血管障害 1 (1.8%) 0 1 (1.8%) 0

発現例数(発現率) a:糖尿病の悪化として報告された。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.6A.1.5

2.7.6.23.6.1.2 52 週投与

50 mg 無作為化群の有害事象の発現率は 86.6%(97/112 例)であった(表 2.7.6.23-22)。ほとん

どの有害事象は軽度であった。

50 mg 無作為化群で 5%以上に認められた有害事象は,鼻咽頭炎(34.8%,39/112 例),便秘,背

部痛,頭痛(各 7.1%,8/112 例),頻尿(6.3%,7/112 例),気管支炎,体重減少,上気道の炎症(各

5.4%,6/112 例)の 8 事象であった(表 2.7.6.23-23)。

なお,プラセボ/50 mg 群及びプラセボ/100 mg 群の有害事象発現率は,それぞれ 100%(1/1 例)

及び 88.9%(8/9 例)であった。いずれの有害事象も軽度であった。

表 2.7.6.23-22 有害事象の要約:SAF(52 週)

50 mg 無作為化 治療 I 期/治療 II 期 50/50 mg 50/100 mg

N=112 N=53 N=43 有害事象 97 (86.6%) 49 (92.5%) 38 (88.4%) 副作用 48 (42.9%) 26 (49.1%) 18 (41.9%) 有害事象の件数 412 207 179 副作用の件数 93 54 34 重篤な有害事象 5 (4.5%) 2 (3.8%) 2 (4.7%) 重篤な副作用 0 0 0 投与中止に至った有害事象 4 (3.6%) 2 (3.8%) 0 投与中止に至った副作用 2 (1.8%) 1 (1.9%) 0 程度別の有害事象 a 軽度 87 (77.7%) 43 (81.1%) 34 (79.1%) 中等度 9 (8.0%) 5 (9.4%) 4 (9.3%) 重度 1 (0.9%) 1 (1.9%) 0 発現例数(発現率) a:同一患者に有害事象が 2 件以上発現した場合,最も重い程度として集計した。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.6B.1.1.1,12.6B.1.1.2,12.6B.1.2.1,12.6B.1.2.2,12.6B.1.8.1.1,12.6B.1.8.1.2

615

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-23 50 mg 無作為化群における器官別大分類,基本語別のすべての有害事象と副作

用:SAF(52 週) MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 ASP1941 50 mg 無作為化

N=112 ASP1941 50 mg 無作為化

N=112 全事象 97 (86.6%) 48 (42.9%) 血液およびリンパ系障害 2 (1.8%) 2 (1.8%) 貧血 1 (0.9%) 1 (0.9%) 鉄欠乏性貧血 1 (0.9%) 1 (0.9%) 耳および迷路障害 3 (2.7%) 0 メニエール病 1 (0.9%) 0 耳鳴 2 (1.8%) 0 内分泌障害 1 (0.9%) 0 甲状腺嚢腫 1 (0.9%) 0 眼障害 16 (14.3%) 3 (2.7%) 眼精疲労 2 (1.8%) 0 白内障 2 (1.8%) 0 結膜出血 1 (0.9%) 0 結膜炎 2 (1.8%) 0 糖尿病性網膜症 4 (3.6%) 2 (1.8%) 眼乾燥 1 (0.9%) 0 眼痛 1 (0.9%) 0 緑内障 2 (1.8%) 0 黄斑症 1 (0.9%) 0 飛蚊症 1 (0.9%) 0 網膜動脈閉塞 1 (0.9%) 0 網膜変性 1 (0.9%) 1 (0.9%) 網膜静脈閉塞 1 (0.9%) 1 (0.9%) 強膜炎 1 (0.9%) 0 胃腸障害 40 (35.7%) 10 (8.9%) 腹部不快感 3 (2.7%) 0 腹部膨満 1 (0.9%) 1 (0.9%) 腹痛 1 (0.9%) 0 下腹部痛 1 (0.9%) 0 上腹部痛 3 (2.7%) 1 (0.9%) 口唇炎 3 (2.7%) 1 (0.9%) 結腸ポリープ 2 (1.8%) 0 便秘 8 (7.1%) 4 (3.6%) 齲歯 4 (3.6%) 0 下痢 3 (2.7%) 0 腸憩室 1 (0.9%) 0 消化不良 5 (4.5%) 1 (0.9%) 腸炎 1 (0.9%) 1 (0.9%) 鼓腸 1 (0.9%) 0 胃潰瘍 2 (1.8%) 0 胃炎 3 (2.7%) 0 萎縮性胃炎 1 (0.9%) 0 歯肉腫脹 1 (0.9%) 0 歯肉炎 2 (1.8%) 0 痔核 2 (1.8%) 0 悪心 4 (3.6%) 1 (0.9%) 膵嚢胞 1 (0.9%) 0 歯冠周囲炎 2 (1.8%) 0

616

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2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 ASP1941 50 mg 無作為化

N=112 ASP1941 50 mg 無作為化

N=112 歯周病 4 (3.6%) 0 歯周炎 2 (1.8%) 0 逆流性食道炎 2 (1.8%) 1 (0.9%) 流涎過多 1 (0.9%) 1 (0.9%) 口内炎 1 (0.9%) 0 歯痛 1 (0.9%) 0 嘔吐 4 (3.6%) 1 (0.9%) 痔出血 1 (0.9%) 1 (0.9%) 全身障害および投与局所様態 10 (8.9%) 6 (5.4%) 胸部不快感 1 (0.9%) 1 (0.9%) 疲労 1 (0.9%) 0 異常感 1 (0.9%) 1 (0.9%) 空腹 1 (0.9%) 1 (0.9%) 倦怠感 2 (1.8%) 1 (0.9%) 発熱 1 (0.9%) 0 口渇 3 (2.7%) 2 (1.8%) 腋窩痛 1 (0.9%) 0 肝胆道系障害 4 (3.6%) 3 (2.7%) 胆石症 1 (0.9%) 0 肝機能異常 3 (2.7%) 3 (2.7%) 胆嚢ポリープ 1 (0.9%) 0 免疫系障害 4 (3.6%) 0 季節性アレルギー 4 (3.6%) 0 感染症および寄生虫症 60 (53.6%) 9 (8.0%) アデノウイルス結膜炎 1 (0.9%) 0 体部白癬 1 (0.9%) 0 気管支炎 6 (5.4%) 0 膀胱炎 3 (2.7%) 1 (0.9%) 毛包炎 2 (1.8%) 0 胃腸炎 3 (2.7%) 0 帯状疱疹 1 (0.9%) 1 (0.9%) 麦粒腫 1 (0.9%) 0 インフルエンザ 1 (0.9%) 0 鼻咽頭炎 39 (34.8%) 1 (0.9%) 臍炎 1 (0.9%) 1 (0.9%) 爪真菌症 3 (2.7%) 0 外耳炎 1 (0.9%) 0 爪囲炎 2 (1.8%) 0 咽頭炎 5 (4.5%) 0 鼻炎 2 (1.8%) 0 副鼻腔炎 1 (0.9%) 1 (0.9%) 足部白癬 2 (1.8%) 0 扁桃炎 1 (0.9%) 1 (0.9%) 上気道感染 1 (0.9%) 0 尿路感染 1 (0.9%) 0 外陰部腟カンジダ症 3 (2.7%) 3 (2.7%) 歯肉膿瘍 2 (1.8%) 0 白癬感染 1 (0.9%) 0 真菌性性器感染 1 (0.9%) 1 (0.9%)

617

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2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 ASP1941 50 mg 無作為化

N=112 ASP1941 50 mg 無作為化

N=112 傷害、中毒および処置合併症 15 (13.4%) 0 節足動物刺傷 1 (0.9%) 0 足骨折 1 (0.9%) 0 手骨折 1 (0.9%) 0 損傷 1 (0.9%) 0 関節捻挫 1 (0.9%) 0 爪裂離 1 (0.9%) 0 肋骨骨折 1 (0.9%) 0 硬膜下血腫 1 (0.9%) 0 筋挫傷 2 (1.8%) 0 挫傷 3 (2.7%) 0 創傷 1 (0.9%) 0 骨格損傷 1 (0.9%) 0 歯牙破折 1 (0.9%) 0 熱中症 1 (0.9%) 0 臨床検査 17 (15.2%) 10 (8.9%) アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加 1 (0.9%) 0 尿中 β2 ミクログロブリン増加 2 (1.8%) 1 (0.9%) 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 2 (1.8%) 0 血中乳酸脱水素酵素増加 1 (0.9%) 0 血中カリウム増加 1 (0.9%) 0 血圧上昇 1 (0.9%) 0 心電図 T 波逆転 1 (0.9%) 1 (0.9%) γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 1 (0.9%) 0 ヘマトクリット減少 1 (0.9%) 0 尿中血陽性 1 (0.9%) 1 (0.9%) ヘモグロビン減少 1 (0.9%) 0 肝機能検査異常 2 (1.8%) 0 赤血球数減少 1 (0.9%) 0 体重減少 6 (5.4%) 6 (5.4%) 血小板数増加 1 (0.9%) 0 尿中アルブミン/クレアチニン比増加 1 (0.9%) 1 (0.9%) 血中アルカリホスファターゼ増加 1 (0.9%) 0 尿量増加 1 (0.9%) 1 (0.9%) 代謝および栄養障害 2 (1.8%) 0 糖尿病 a 1 (0.9%) 0 食欲減退 1 (0.9%) 0 筋骨格系および結合組織障害 23 (20.5%) 2 (1.8%) 関節痛 2 (1.8%) 0 背部痛 8 (7.1%) 0 滑液包炎 1 (0.9%) 0 頚部脊柱管狭窄症 1 (0.9%) 0 側腹部痛 1 (0.9%) 0 筋痙縮 2 (1.8%) 1 (0.9%) 筋骨格痛 1 (0.9%) 0 筋肉痛 1 (0.9%) 1 (0.9%) 骨関節炎 1 (0.9%) 0 骨粗鬆症 2 (1.8%) 0 四肢痛 1 (0.9%) 0 関節周囲炎 2 (1.8%) 0

618

Page 245: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 ASP1941 50 mg 無作為化

N=112 ASP1941 50 mg 無作為化

N=112 関節リウマチ 1 (0.9%) 0 変形性脊椎炎 2 (1.8%) 0 顎関節症候群 1 (0.9%) 0 椎間板突出 1 (0.9%) 0 筋骨格硬直 1 (0.9%) 0 良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞および

ポリープを含む) 1 (0.9%) 0

肝の悪性新生物 1 (0.9%) 0 神経系障害 16 (14.3%) 3 (2.7%) 手根管症候群 1 (0.9%) 0 浮動性めまい 4 (3.6%) 0 体位性めまい 1 (0.9%) 0 頭痛 8 (7.1%) 2 (1.8%) 感覚鈍麻 1 (0.9%) 0 片頭痛 1 (0.9%) 1 (0.9%) 失神寸前の状態 1 (0.9%) 0 頚動脈硬化症 1 (0.9%) 0 精神障害 4 (3.6%) 0 不眠症 4 (3.6%) 0 腎および尿路障害 12 (10.7%) 10 (8.9%) 尿管結石 1 (0.9%) 1 (0.9%) 緊張性膀胱 1 (0.9%) 1 (0.9%) 腎結石症 1 (0.9%) 1 (0.9%) 頻尿 7 (6.3%) 7 (6.3%) 多尿 2 (1.8%) 2 (1.8%) 腎嚢胞 2 (1.8%) 0 尿道狭窄 1 (0.9%) 0 生殖系および乳房障害 5 (4.5%) 4 (3.6%) 良性前立腺肥大症 1 (0.9%) 0 陰部そう痒症 3 (2.7%) 3 (2.7%) びらん性亀頭炎 1 (0.9%) 1 (0.9%) 呼吸器、胸郭および縦隔障害 12 (10.7%) 3 (2.7%) 喘息 1 (0.9%) 0 咳嗽 2 (1.8%) 0 アレルギー性鼻炎 1 (0.9%) 0 鼻漏 1 (0.9%) 0 上気道の炎症 6 (5.4%) 3 (2.7%) 口腔咽頭不快感 1 (0.9%) 0 口腔咽頭痛 1 (0.9%) 0 皮膚および皮下組織障害 16 (14.3%) 4 (3.6%) 薬疹 2 (1.8%) 0 皮膚乾燥 1 (0.9%) 0 湿疹 4 (3.6%) 2 (1.8%) 皮脂欠乏性湿疹 2 (1.8%) 1 (0.9%) 紅色汗疹 1 (0.9%) 0 過角化 2 (1.8%) 0 そう痒症 2 (1.8%) 0 乾癬 1 (0.9%) 0 発疹 1 (0.9%) 1 (0.9%) 蕁麻疹 1 (0.9%) 1 (0.9%) 蝶形皮疹 1 (0.9%) 0

619

Page 246: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 ASP1941 50 mg 無作為化

N=112 ASP1941 50 mg 無作為化

N=112 社会環境 1 (0.9%) 0 タンニング 1 (0.9%) 0 血管障害 4 (3.6%) 1 (0.9%) 動脈硬化症 1 (0.9%) 0 高血圧 1 (0.9%) 1 (0.9%) 不安定血圧 1 (0.9%) 0 ほてり 1 (0.9%) 0

発現例数(発現率) a:糖尿病の悪化として報告された。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.6B.1.4.1

2.7.6.23.6.1.3 死亡,その他の重篤な有害事象

試験期間中に,死亡例は報告されなかった(表 2.7.6.23-24)。

24 週投与における重篤な有害事象の発現率は,プラセボ群で 3.6%(2/56 例),50 mg 群で 1.8%

(2/112 例)であった。50 mg 群でみられた重篤な有害事象は,糖尿病(糖尿病の悪化)及び手根

管症候群であった(各 1 例)。これらと治験薬との関連性は,治験担当医師により否定された。

治療 II 期移行後,重篤な有害事象は,プラセボ/100 mg 群の 1 例(白内障),50/50 mg 群の 1 例

(硬膜下血腫及び肝の悪性新生物),50/100 mg 群の 2 例(関節リウマチ及び胃腸炎,各 1 例)に

みられた。

重篤な有害事象の叙述を CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)の別添 1 に示す。

表 2.7.6.23-24 重篤な有害事象の一覧 症例 番号

性別/ 年齢

MedDRA(v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の

処置 プラセボ/- S31201 女性/66 白内障 28 29 (I)/- 中等度 未回復 否定できる 該当なし S31404 男性/45 肛門膿瘍 171 170 (I)/- 中等度 軽快 否定できる 中止 プラセボ/ASP1941 100 mg S31302 男性/66 白内障 364 (169) 352 (II)/- 軽度 未回復 否定できる 変更なし ASP1941 50 mg/- S33008 男性/43 糖尿病 122 123 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 ASP1941 50/50 mg S32201 男性/50 手根管症候群 364 24 (I)/- 中等度 軽快 否定できる 変更なし

S32305 男性/69 硬膜下血腫 364 349 (II)/- 中等度 軽快 否定できる 中止

肝の悪性新生物 400 (II)/- 重度 未回復 否定できる 該当なし ASP1941 50/100 mg S31703 女性/69 関節リウマチ 364 (169) 344 (II)/- 中等度 未回復 否定できる 変更なし S32209 男性/54 胃腸炎 371 (176) 201 (II)/206 中等度 回復 否定できる 変更なし

I:治療 II 期移行前,II:治療 II 期移行後 a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Appendix 13.2.7A.4,13.2.5B.1,13.2.7B.2.1,13.2.7B.4

620

Page 247: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.23.6.1.4 投与中止に至った有害事象

24 週投与における投与中止に至った有害事象の発現率は,50 mg 群(1.8%,2/112 例)に比べプ

ラセボ群(14.3%,8/56 例)で高かった。プラセボ群で投与中止に至った 8 例のうち 7 例が,糖尿

病(糖尿病の悪化)による中止であった(表 2.7.6.23-25)。50 mg 群で投与中止に至った 2 例は,

陰部そう痒症及び糖尿病による中止であった(各 1 例)。

治療 II 期移行後,投与中止に至った有害事象は,50/50 mg 群の 2 例(硬膜下血腫及び体重減少,

各 1 例)にみられた。

表 2.7.6.23-25 投与中止に至った有害事象の一覧 症例 番号

性別/ 年齢

MedDRA(v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の

処置 プラセボ/- S30901 男性/55 糖尿病 62 29 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 S30910 男性/60 糖尿病 60 57 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 S31101 男性/44 糖尿病 63 54 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 S31404 男性/45 肛門膿瘍 171 170 (I)/- 中等度 軽快 否定できる 中止 S32304 女性/50 糖尿病 113 86 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 S32506 女性/52 糖尿病 140 120 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 S32711 男性/70 糖尿病 66 59 (I)/85 軽度 回復 否定できる 中止

S32806 女性/73 糖尿病 56 29 (I)/- 軽度 未回復 関連あるか

もしれない 中止

ASP1941 50 mg/-

S30904 女性/55 陰部そう痒症 146 20 (I)/150 軽度 回復 関連あるか

もしれない 中止

S33008 男性/43 糖尿病 122 123 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 ASP1941 50/50 mg S32305 男性/69 硬膜下血腫 364 349 (II)/- 中等度 軽快 否定できる 中止

S30913 男性/64 体重減少 273 217 (II)/- 軽度 未回復 関連あるか

もしれない 中止

I:治療 II 期移行前,II:治療 II 期移行後 a : 治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Appendix 13.2.7A.6,13.2.5B.1,13.2.7B.6

2.7.6.23.6.1.5 注目すべき有害事象

本試験で,低血糖関連の有害事象はみられなかった(表 2.7.6.23-26,表 2.7.6.23-27)。

24 週投与における尿路感染症関連の有害事象の発現率は,プラセボ群で 3.6%(2/56 例),50 mg

群で 1.8%(2/112 例)であった。いずれも軽度であり,投与中止に至らなかった(表 2.7.6.23-28)。

性器感染症関連の有害事象は,プラセボ群でみられなかったが,50 mg 群の 4.5%(5/112 例)でみ

られた。いずれも軽度であり,1 例では陰部そう痒症のため投与中止に至ったが,最終投与から 4

日後に回復した(表 2.7.6.23-29)。多尿又は頻尿関連の有害事象の発現率は,プラセボ群(1.8%,

1/56 例)に比べ 50 mg 群(5.4%,6/112 例)で高かった。50 mg 群でみられた多尿又は頻尿関連の

有害事象は,いずれも軽度であり,投与中止に至らなかった(表 2.7.6.23-30)。

621

Page 248: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

治療 II 期移行後,尿路感染症関連の有害事象は,50/50 mg 群の 2 例(尿路感染及び膀胱炎,各

1 例)にみられた。性器感染症関連の有害事象は,プラセボ/100 mg 群の 2 例(外陰部腟カンジダ

症及びカンジダ性亀頭炎,各 1 例),50/50 mg 群の 2 例(陰部そう痒症及び外陰部腟カンジダ症,

各 1 例),50/100 mg 群の 1 例(陰部そう痒症)にみられた。多尿又は頻尿関連の有害事象は,プ

ラセボ/100 mg 群の 1 例(頻尿),50/50 mg 群の 1 例(多尿),50/100 mg 群の 1 例(頻尿)にみら

れた。これらの注目すべき有害事象は,いずれも軽度であり,投与中止に至らなかった。

表 2.7.6.23-26 注目すべき有害事象の要約:SAF(24 週)

プラセボ群 ASP1941 50 mg 群 N=56 N=112

低血糖関連の有害事象 0 0 低血糖関連の副作用 0 0 尿路感染症関連の有害事象 尿路感染症関連の副作用

2 (3.6%) 1 (1.8%)

2 (1.8%) 1 (0.9%)

性器感染症関連の有害事象 性器感染症関連の副作用

0 0

5 (4.5%) 5 (4.5%)

多尿又は頻尿関連の有害事象 多尿又は頻尿関連の副作用

1 (1.8%) 1 (1.8%)

6 (5.4%) 6 (5.4%)

発現例数(発現率) Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.6A.1.4

表 2.7.6.23-27 注目すべき有害事象の要約:SAF(52 週)

50 mg 無作為化 治療 I 期/治療 II 期 50/50 mg 50/100 mg

N=112 N=53 N=43 低血糖関連の有害事象 0 0 0 低血糖関連の副作用 0 0 0 尿路感染症関連の有害事象 4 (3.6%) 3 (5.7%) 1 (2.3%) 尿路感染症関連の副作用 1 (0.9%) 0 1 (2.3%) 性器感染症関連の有害事象 8 (7.1%) 4 (7.5%) 3 (7.0%) 性器感染症関連の副作用 8 (7.1%) 4 (7.5%) 3 (7.0%) 多尿又は頻尿関連の有害事象 8 (7.1%) 4 (7.5%) 4 (9.3%) 多尿又は頻尿関連の副作用 8 (7.1%) 4 (7.5%) 4 (9.3%) 発現例数(発現率) Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.6B.1.3.1,12.6B.1.3.2

622

Page 249: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-28 尿路感染症関連の有害事象の一覧 症例 番号

性別/ 年齢

MedDRA(v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の

処置 プラセボ/- S32406 女性/49 膀胱炎 176 47 (I)/61 軽度 回復 否定できる 変更なし プラセボ/ASP1941 100 mg

S31512 女性/65 膀胱炎 361 (166) 36 (I)/44 軽度 回復 関連あるか

もしれない 変更なし

ASP1941 50/50 mg S31407 男性/67 尿路感染 370 232 (II)/236 軽度 回復 否定できる 変更なし S30705 女性/64 膀胱炎 364 13 (I)/28 軽度 回復 否定できる 変更なし S33307 女性/43 膀胱炎 368 382 (II)/392 軽度 回復 否定できる 該当なし ASP1941 50/100 mg

S31513 女性/55 膀胱炎 363 (168) 31 (I)/34 軽度 回復 関連あるか

もしれない 変更なし

I:治療 II 期移行前,II:治療 II 期移行後 a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Appendix 13.2.5A.1,13.2.7A.3.1,13.2.7A.3.3,13.2.7B.2.1,13.2.7B.3.1,13.2.7B.3.3

表 2.7.6.23-29 性器感染症関連の有害事象の一覧

症例 番号

性別/ 年齢

MedDRA(v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の

処置 プラセボ/ASP1941 100 mg

S32208 女性/58 外陰部腟カンジダ症 364 (170) 190(II)/393 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

S32505 男性/54 カンジダ性亀頭炎 364 (169) 246 (II)/293 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

ASP1941 50 mg/-

S30904 女性/55 陰部そう痒症 146 20 (I)/150 軽度 回復 関連あるかも

しれない 中止

ASP1941 50/50 mg

S30204 女性/61 外陰部腟カンジダ症 383 135 (I)/- 軽度 未回復 関連あるかも

しれない 変更なし

S30806 女性/62 陰部そう痒症 378 310 (II)/393 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

S32206 女性/55 外陰部腟カンジダ症 382 181 (II)/383 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

S33307 女性/43 外陰部腟カンジダ症 368 15 (I)/80 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

ASP1941 50/100 mg

S31503 男性/37 びらん性亀頭炎 374 (159) 18 (I)/382 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

S31513 女性/55 陰部そう痒症 363 (168) 255 (II)/311 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

S32106 男性/39 真菌性性器感染 364 (169) 75 (I)/136 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

I:治療 II 期移行前,II:治療 II 期移行後 a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Appendix 13.2.5A.1,13.2.7A.3.1,13.2.7A.3.4,13.2.5B.1,13.2.7B.3.1,13.2.7B.3.4

623

Page 250: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-30 多尿又は頻尿関連の有害事象の一覧 症例 番号

性別/ 年齢

MedDRA(v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の

処置 プラセボ/-

S32708 女性/56 頻尿 163 5 (I)/89 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

プラセボ/ASP1941 100 mg

S31512 女性/65 頻尿 361 (166) 208 (II)/362 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

ASP1941 50/50 mg

S30205 男性/67 頻尿 364 51 (I)/- 軽度 軽快 関連あるかも

しれない 変更なし

S30806 女性/62 多尿 378 373 (II)/- 軽度 未回復 多分(おそら

く)関連あり 変更なし

S31405 女性/48 頻尿 364 22 (I)/391 軽度 回復 多分(おそら

く)関連あり 変更なし

S32002 女性/67 頻尿 363 30(I)/141 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

ASP1941 50/100 mg

S31514 男性/29 頻尿 363 (168) 28 (I)/336 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

S32209 男性/54 頻尿 371 (176) 177 (II)/378 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

S32604 男性/52 頻尿

280 (164) 1 (I)/225 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

尿量増加 1 (I)/225 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

S32702 女性/71 頻尿

371 (165) 1 (I)/291 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

多尿 1 (I)/291 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

I:治療 II 期移行前,II:治療 II 期移行後 a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Appendix 13.2.7A.3.1,13.2.5B.1,13.2.7B.3.5;補遺 Appendix 13.2.7B.3.5

2.7.6.23.6.1.6 有害事象の発現時期(52 週投与)

50 mg 無作為化群における有害事象の発現率,重篤な有害事象の発現率,投与中止に至った有

害事象の発現率,5%以上に認められた有害事象の発現率を発現時期別に検討した結果,いずれに

ついても,投与期間の経過に伴う明らかな増加はみられなかった(表 2.7.6.23-31)。

50/100 mg 群における有害事象の発現率,重篤な有害事象の発現率,投与中止に至った有害事象

の発現率,5%以上に認められた有害事象の発現率を増量前後で検討した結果,いずれについても,

100 mg への増量による明らかな影響はみられなかった(表 2.7.6.23-32)。

624

Page 251: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.23-31 50 mg 無作為化群における有害事象の発現時期:SAF(52 週)

Day 合計 1-90 91-180a 181-270 271-360 361-

N=112 N=112 N=110 N=95 N=91 N=112 全事象 57 (50.9%) 56 (50.0%) 58 (52.7%) 37 (38.9%) 20 (22.0%) 97 (86.6%) 重篤な有害事象 1 (0.9%) 1 (0.9%) 1 (0.9%) 2 (2.1%) 1 (1.1%) 5 (4.5%) 投与中止に至った有害事象 1 (0.9%) 1 (0.9%) 1 (0.9%) 1 (1.1%) 0 4 (3.6%) 5%以上にみられた有害事象(MedDRA Version 12.1,基本語) 便秘 4 (3.6%) 4 (3.6%) 1 (0.9%) 0 0 8 (7.1%) 気管支炎 4 (3.6%) 2 (1.8%) 0 1 (1.1%) 0 6 (5.4%) 鼻咽頭炎 14 (12.5%) 19 (17.0%) 9 (8.2%) 7 (7.4%) 4 (4.4%) 39 (34.8%) 体重減少 1 (0.9%) 0 4 (3.6%) 1 (1.1%) 0 6 (5.4%) 背部痛 1 (0.9%) 5 (4.5%) 1 (0.9%) 1 (1.1%) 1 (1.1%) 8 (7.1%) 頭痛 1 (0.9%) 4 (3.6%) 2 (1.8%) 3 (3.2%) 0 8 (7.1%) 頻尿 6 (5.4%) 1 (0.9%) 0 0 0 7 (6.3%) 上気道の炎症 2 (1.8%) 3 (2.7%) 3 (2.7%) 1 (1.1%) 0 6 (5.4%)

発現例数(発現率) a:24 週時(来院基準日:Day 169)に,治療 I 期から治療 II 期に移行した。 Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.6B.1.10.1.1

表 2.7.6.23-32 50/100 mg 群における有害事象の発現時期(増量前後別):SAF(52 週)

増量前 増量後 N=43 N=43

全事象 32 (74.4%) 32 (74.4%) 重篤な有害事象 0 2 (4.7%) 投与中止に至った有害事象 0 0 5%以上にみられた有害事象(MedDRA Version 12.1,基本語) 気管支炎 3 (7.0%) 1 (2.3%) 鼻咽頭炎 12 (27.9%) 11 (25.6%) 咽頭炎 1 (2.3%) 3 (7.0%) 浮動性めまい 3 (7.0%) 0 不眠症 0 3 (7.0%) 頻尿 3 (7.0%) 1 (2.3%)

発現例数(発現率) Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.6B.1.11.1

2.7.6.23.6.2 臨床検査値

24 週投与では,プラセボ群と 50 mg 群との間で,臨床的に問題となる臨床検査値(平均値)の

推移の違いはみられなかった。52 週投与では,臨床的に問題となる臨床検査値(平均値)のベー

スラインからの変化はみられなかった。

2.7.6.23.6.3 バイタルサイン

2.7.6.23.6.3.1 24 週投与

治療 I 期最終時点における収縮期血圧のベースラインからの平均変化量は,プラセボ群で

2.4 mmHg,50 mg 群で−1.2 mmHg であった(表 2.7.6.23-33)。治療 I 期最終時点における拡張期血

625

Page 252: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

圧及び脈拍数のベースラインからの平均変化量には,プラセボ群と 50 mg 群との間で明らかな違

いがなかった。

表 2.7.6.23-33 バイタルサインの要約:SAF(24 週)

プラセボ ASP1941 50 mg N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

収縮期血圧 (mmHg)

ベースライン 56 125.8 (16.11) 112 126.3 (13.56) 治療 I 期最終時点 56 128.2 (12.89) 112 125.1 (13.65) 変化量 56 2.4 (13.70) 112 −1.2 (11.70)

拡張期血圧 (mmHg)

ベースライン 56 75.4 (8.35) 112 75.7 (10.13) 治療 I 期最終時点 56 76.2 (9.61) 112 74.7 (10.82) 変化量 56 0.8 (8.25) 112 −1.0 (9.08)

脈拍数 (bpm)

ベースライン 56 70.7 (8.59) 112 73.8 (11.51) 治療 I 期最終時点 56 71.6 (9.90) 112 73.7 (10.24) 変化量 56 0.9 (7.72) 112 −0.1 (10.00)

Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.6A.3.1,12.6A.3.2

2.7.6.23.6.3.2 52 週投与

50 mg 無作為化群の収縮期血圧の平均値は,ベースラインの 126.3 mmHg から本剤投与最終時点

には 121.5 mmHg へ減少した(表 2.7.6.23-34)。拡張期血圧及び脈拍数の平均値には,ベースライ

ン,治療 I 期最終時点及び本剤投与最終時点の間で明らかな違いがなかった。

表 2.7.6.23-34 バイタルサインの要約:SAF(52 週)

50 mg 無作為化 治療 I 期/治療 II 期 50/50 mg 50/100 mg

N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

収縮期 血圧 (mmHg)

ベースライン 112 126.3 (13.56) 53 126.3 (14.21) 43 127.0 (12.53) 治療 I 期最終時点 112 125.1 (13.65) 53 126.1 (14.62) 43 125.0 (13.12) ASP1941 投与最終時点 112 121.5 (12.34) 53 122.1 (14.09) 43 120.6 (10.23) 後観察時 112 127.4 (13.76) 53 128.3 (14.73) 43 125.0 (11.67)

拡張期 血圧 (mmHg)

ベースライン 112 75.7 (10.13) 53 75.9 (10.32) 43 75.9 (9.70) 治療 I 期最終時点 112 74.7 (10.82) 53 75.5 (11.27) 43 73.6 (10.23) ASP1941 投与最終時点 112 73.2 (9.30) 53 73.4 (9.40) 43 72.5 (8.54) 後観察時 112 75.6 (9.64) 53 75.7 (9.49) 43 75.1 (9.11)

脈拍数 (bpm)

ベースライン 112 73.8 (11.51) 53 72.8 (12.09) 43 74.1 (11.04) 治療 I 期最終時点 112 73.7 (10.24) 53 71.1 (8.51) 43 74.7 (9.63) ASP1941 投与最終時点 112 74.1 (9.99) 53 72.4 (9.41) 43 74.2 (8.15) 後観察時 112 73.9 (10.11) 53 72.2 (10.10) 43 74.8 (10.42)

Source:CL-0106 総括報告書(5.3.5.1-3)Table 12.6B.3.1.1,12.6B.3.1.2

2.7.6.23.6.4 心電図

24 週投与では,臨床的に重要な心電図異常は,プラセボ群,50 mg 群ともに治療 I 期用治験薬

の投与開始後にみられなかった。52 週投与では,臨床的に重要な心電図異常は,1 例 1 時点を除

き,50 mg 無作為化群でみられなかった。

626

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.23.6.5 eGFR

24 週投与では,プラセボ群と 50 mg 群との間で,臨床的に問題となる eGFR(平均値)の推移

の違いはみられなかった。52 週投与では,臨床的に問題となる eGFR(平均値)のベースライン

からの変化はみられなかった。

2.7.6.23.7 結論

本試験の結果から,以下の結論が得られた。

● メトホルミン単独療法で血糖管理不十分な 2 型糖尿病患者を対象に,本剤 50 mg をメトホル

ミンと 1 日 1 回,24 週間,併用投与した結果,本剤は HbA1c 値を減少させるのに有効である

こと(本剤のプラセボに対する優越性)が示された。

● 本剤 50 mg をメトホルミンと 1 日 1 回,24 週間,併用投与したときの安全性に問題はなかっ

た。

● 本剤 50 mg をメトホルミンと 1 日 1 回,併用投与したときの有効性は,52 週時まで維持され

た。

● 本剤 50 mg をメトホルミンと 1 日 1 回,併用投与したときに血糖管理不十分であった被験者

で,24 週時に本剤を 100 mg に増量した結果,HbA1c 値及び空腹時血糖値の更なる改善がみ

られた。

● 本剤をメトホルミンと 1 日 1 回,52 週間,併用投与したときの安全性は,24 週時に 50 mg か

ら 100 mg に増量した場合も含めて,特に問題なかった。本試験で,安全性の大きな懸念は示

されなかった。

627

Page 254: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.24 ピオグリタゾン併用試験[CL-0107](添付資料 5.3.5.1-4)

2.7.6.24.1 試験方法の概略

治験課題名:ASP1941 第 III 相試験 -2 型糖尿病患者を対象としたピオグリタゾン併用二重盲検

並行群間比較試験-

治験実施医療機関:日本 37 施設

公表文献:なし

治験期間:

治験開始日:2010 年 9 月

治験終了日:2012 年 4 月

開発のフェーズ:第 III 相

目的:

ピオグリタゾン単独療法にて血糖管理不十分な 2 型糖尿病患者を対象として,以下の項目を検討

する。 <主要な目的> ・ASP1941(以下,本剤)50 mg 又はプラセボを 1 日 1 回,24 週間,ピオグリタゾンと併用投与

した際の HbA1c 値の変化量に基づく本剤の有効性(プラセボに対する優越性)及び安全性の検

討 <副次的な目的> ・本剤を 1 日 1 回,ピオグリタゾンと長期併用投与(52 週間)した際の安全性の検討 ・本剤 50 mg を 1 日 1 回,ピオグリタゾンと長期併用投与(52 週間)した際の効果の持続性の検

討 ・本剤 50 mg を 1 日 1 回,ピオグリタゾンと併用投与した際の,血糖管理不十分な患者に対する

本剤 100 mg への増量効果の検討

治験デザイン・治験方法:

【治療 I 期(二重盲検期;24 週間)】 プラセボ対照,多施設共同,二重盲検,並行群間比較試験として実施した。Visit 1 前,4 週間以

上のピオグリタゾン単独療法にて血糖管理不十分な 2 型糖尿病患者を対象とし,ピオグリタゾン

以外の血糖降下薬を併用している被験者には,文書による同意取得後,Visit 1 前,4 週間の washout期を設定した。被験者は,4 週間のスクリーニング期と,単盲検下 2 週間のプラセボ run-in 期を

経て,本剤 50 mg 群又はプラセボ群に 2:1 の割合で割り付けられた。その後,二重盲検下で本剤

50 mg 又はプラセボを 1 日 1 回 1 錠,24 週間,ピオグリタゾンと併用投与した。ピオグリタゾン

単独投与(Visit 1 前,4 週間以上)以降,Visit 17 の有効性評価の検査終了まで,ピオグリタゾン

は承認された用法(朝食前又は朝食後)・用量(15,30,45 mg)で使用し,変更しないこととし

た。 【治療 II 期(非盲検期;28 週間)】 多施設共同,非盲検試験として実施した。治療 I 期の Visit 10(24W)時に以下の継続基準を満た

し,かつ被験者の安全性に問題ないと治験担当医師が判断した場合,治療 II 期開始時より本剤 1日 1 回 1 錠(50 mg),28 週間,ピオグリタゾンと併用投与した。なお,継続基準,かつ以下の増

量基準を満たし,被験者も増量を希望した場合は,治療 II 期開始時より本剤 1 日 1 回 2 錠(100 mg)への増量を可能とした。増量後,安全性に問題があると判断された場合は 1 日 1 回 1 錠(50 mg)へ減量を可としたが,減量後に用量を変更することは不可とした。 Visit 10 時に継続基準を満たさないか,又は継続に際して被験者の安全性に問題があると治験担当

医師が判断した場合は,治験薬の投与を終了し,後観察期間へ移行することとした。 《 継続基準 》

・Visit 9(20W)時の HbA1c 値が 8.0%未満かつ Visit 3(0W)時の HbA1c 値より低下

628

Page 255: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

・Visit 10(24W)までに被験者より治験継続の意思確認が文書により得られている 《 増量基準 》

・Visit 9(20W)時の HbA1c 値が 7.0%以上

【後観察期】 治験薬投与終了後,4 週間の後観察期を設けた。 なお,本試験では HbA1c 値の表記として Japan Diabetes Society(JDS)値を用いた。

目標被験者数:

150 例(治療 I 期として本剤 50 mg 群 100 例,プラセボ群 50 例)

【設定根拠】

第 II 相用量設定試験[CL-0103]において,主要評価項目である治療期最終時点での HbA1c 値の

ベースラインからの変化量(%)の平均値(標準偏差)は本剤 50 mg 群で−0.79%(±0.567),プラ

セボ群で 0.48%(±0.975)であった。プラセボ群で HbA1c 値がベースラインよりも悪化していた

が,本試験の被験者数の設定においてはプラセボ群のベースラインからの変化量を 0.0%,本剤

50 mg 群とプラセボ群の差を−0.79%と想定した。共通の標準偏差を 1.0,有意水準両側 5%,検出

力 90%とすると,プラセボに対する優越性を検証するために必要な被験者数は 1 群あたり 34 例で

あった。本剤とピオグリタゾンを併用した際の低血糖症状発現のリスクを含めた安全性を評価す

るため,本剤群の症例数を 100 例とした。また,プラセボ群の症例数を 50 例とした。 診断及び選択・除外基準:

以下の選択基準のすべてを満たし,かつ除外基準のいずれにも該当しない 2 型糖尿病患者を対象

とした。 1.選択基準

<同意取得時に確認する事項> (1) 同意取得時の年齢が 20 歳以上の外来患者 (2) 文書による同意が得られている患者(ピオグリタゾン以外の血糖降下薬を washout する場合

は Visit WO-1 の検査前に,washout を行わない場合は Visit 1 の検査前に文書による同意が得

られている患者)

<Visit WO-1(washout 開始時)~Visit WO-2(washout 2 週後)までに確認する事項(ピオグリタ

ゾン以外の血糖降下薬を washout する場合)> (3) Visit WO-1 の HbA1c 値が 8.5%以下の患者

<Visit 1(スクリーニング時)に確認する事項> (4) Visit 1 の時点で,2 型糖尿病と診断されてから 12 週(84 日)以上経過している患者 (5) Visit 1 の時点で 4 週(28 日)以上,承認された一定の用法(朝食前又は朝食後)・用量(15,

30,45 mg)で,ピオグリタゾンを単独使用している患者

<Visit 2(プラセボ run-in 期)~Visit 3 までに確認する事項> (6) Visit 2 の HbA1c 値が 7.0%以上 9.5%以下,かつ Visit 1 と Visit 2 の HbA1c 値の変化量が±1.0%

以内の患者 (7) Visit 2 の BMI が 20.0 kg/m2 以上 45.0 kg/m2 以下の患者 2.除外基準

<Visit WO-1(washout 開始時)~Visit WO-2(washout 2 週後)までに確認する事項(ピオグリタ

ゾン以外の血糖降下薬を washout する場合)> 治験担当医師は,被験者が Visit 1(スクリーニング時)及び Visit 2(プラセボ run-in 期)の除外

629

Page 256: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

基準に抵触しないことが可能と見込まれるか確認することとした。 <Visit 1(スクリーニング時)に確認する事項> (1) 1 型糖尿病の患者 (2) 増殖性網膜症を有する患者 (3) Visit 1 から遡って 12 週(84 日)以内にインスリンの投与を受けた患者 (4) 腎血管閉塞性疾患,腎摘出,腎移植等,臨床的に重要な腎疾患の既往歴を有する患者 (5) 神経因性膀胱や前立腺肥大症などにより,明らかな排尿障害を合併している患者 (6) Visit 1 に自覚症状を有する尿路感染症,性器感染症を有する患者 (7) 副腎皮質ステロイド製剤,免疫抑制剤,ループ利尿薬などを継続的に使用(内服,注射,吸

入)する必要のある慢性疾患を有する患者 (8) Visit 1 から遡って 12 週(84 日)以内に,脳血管発作,不安定狭心症,心筋梗塞,血管形成

術,重篤な心疾患(NYHA Class III–IV)の既往歴がある患者,又は本剤の投与や安全性の評

価に影響を与えると治験担当医師が判断するような心・脳血管疾患を合併している患者 (9) 心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者,又は Visit 1 の NT-proBNP 値が 2000 pg/mL を

超える患者 (10) 不安定な精神医学的疾患を有する患者 (11) 妊娠中,授乳中又は妊娠している可能性のある女性患者 (12) 治験期間中に適切な避妊方法を施行できない患者 (13) 重症感染症,手術前後,重篤な外傷のある患者 (14) 薬物中毒,又はアルコール依存症の患者 (15) 悪性腫瘍の病歴を有する患者(ただし,悪性腫瘍の既往を有していても,同意取得前 5 年以

内に悪性腫瘍に対する治療を行わず,その再発を認めない患者は,組み入れ可能とした) (16) 過去に本剤やその類薬(SGLT 阻害作用を有する治験薬)に対してアレルギー反応を示した

患者 (17) 過去に本剤の投与(観察期プラセボを除く)を受けた患者 (18) 文書同意取得日から遡って 12 週(84 日)以内に,他の医療用医薬品・医療機器の治験又は

製造販売後臨床試験に参加した経験のある患者,又は現在参加している患者 (19) 本治験で規定した来院や服薬ルールなど,被験者が遵守すべき事項をひとつでも遵守できな

い患者,又はこれに同意しない患者

<Visit 2(プラセボ run-in 期)~Visit 3 までに確認する事項> (20) Visit 2 の血清クレアチニン値が基準値上限を超える患者 (21) Visit 2 の尿中のアルブミン/クレアチニン比が 300 mg/g クレアチニンを超える患者 (22) Visit 2 の AST 値又は ALT 値が基準値上限の 2 倍を超える患者 (23) Visit 1 から Visit 2 までに自覚症状を有する尿路感染症,性器感染症を発現した患者 (24) 血圧のコントロールが不良の患者(Visit 2 の 5 分間安静後の坐位の収縮期血圧が 170 mmHg

を超える,又は拡張期血圧が 95 mmHg を超える患者) (25) Visit 2 に重篤な消化管障害を合併している患者,又は重篤な消化管障害の手術歴を有する患

者 (26) 糖尿病性ケトアシドーシスの患者 (27) Visit 2 で妊娠が確認された閉経前の女性 (28) その他,治験担当医師により,本治験に組み入れるのが不適当と判断された患者 治験薬,投与量及び投与方法:

1.治験薬及びロット番号

(1) 評価期間前観察期間(プラセボ run-in 期)用薬剤 観察期用 ASP1941 錠 50 mg プラセボ:ASP1941 錠 50 mg と外観上識別不能な錠剤 ロット番号:09140E

630

Page 257: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

(2) 被験薬 ASP1941 錠 50 mg:ASP1941 として 50 mg 含有するフィルムコート錠 ロット番号:1941-CL-0107(治療 I 期),09173C,09174C,10037B,及び 10038B(治療 II 期)

(3) 対照薬 ASP1941 錠 50 mg プラセボ:ASP1941 錠 50 mg と外観上識別不能な錠剤 ロット番号:1941-CL-0107

2.投与量及び投与方法

(1) 評価期間前観察期間(プラセボ run-in 期) 観察期間用 ASP1941 錠 50 mg プラセボを 1 錠,1 日 1 回朝食前に 2 週間経口投与した。

(2) 治療 I 期 ASP1941 錠 50 mg 又はプラセボのいずれかを 1 錠,1 日 1 回朝食前に 24 週間経口投与した。

(3) 治療 II 期 ASP1941 錠 50 mg を 1 錠(又は 2 錠),1 日 1 回朝食前に 28 週間経口投与した。

3.治験薬の増量及び減量 (1) 治療 I 期

Visit 10(24W)来院日に規定されたすべての検査が終了するまで増量は行わないこととした。 (2) 治療 II 期 継続基準及び増量基準(治験デザイン・治験方法 参照)を満たし,かつ被験者の安全性に問

題ないと治験担当医師が判断し,被験者も増量を希望した場合,治療 II 期開始時(Visit 10)に

のみ 1 日 1 回 2 錠(100 mg)への増量を可能とした。増量した場合,原則として治療 II 期終了

時まで増量後の用量(100 mg)を維持して治験を継続した。ただし,増量後,安全性に問題が

あると判断された場合は 1 日 1 回 50 mg への減量を可としたが,減量後に用量を変更すること

は不可とした。 【設定根拠】

(1) 投与量の設定根拠 第 I 相試験[CL-0101]で,日本人健康成人男性に本剤を 7 日間反復投与したときの尿中グルコー

ス排泄作用には本剤 50 mg 群と 100 mg 群で大きな差は認められなかった。また,第 II 相用量設

定試験[CL-0103]で,日本人 2 型糖尿病患者に本剤を 100 mg まで 12 週間投与したときの安全

性に大きな問題はなく,主要評価項目である HbA1c 値の変化量は本剤 50 mg 群と 100 mg 群で同

程度であり,プラセボとの変化量の差はおよそ−1.2%であり,50 mg/日以上で臨床的に意義のある

血糖低下作用を示すと考えた。よって,50 mg/日が臨床推奨用量になると考えられた。更に,50 mg/日と 100 mg/日の副次評価項目で比較した際に,空腹時血糖値の低下量及び HbA1c 値の目標達成

率(6.5%未満の達成率及び 7.0%未満の達成率)において,本剤 100 mg 群が 50 mg 群を上回った

ことから,50 mg/日を投与しても効果不十分な患者では,100 mg/日への増量は有用であると考え

られた。また,米国にて実施した薬物相互作用試験(ピオグリタゾン)[CL-0060]で,健康成人

を対象として,本剤 150 mg/日とピオグリタゾン 30 mg/日を併用投与した結果,薬物動態及び薬力

学的な相互作用はなく,安全性に問題はみられなかった。以上の結果から,本剤の臨床用量と考

えられる 50 mg/日及び 100 mg/日を本治験の投与量として設定した。 なお,本試験において治療 I 期にてプラセボを服用していた患者が,治療 II 期開始時に 50 mg/日若しくは 100 mg/日へ切り替えられる際の安全性については,第 II 相用量設定試験[CL-0103]に

おいて,本剤 100 mg 群の安全性が確認されていること,及び薬物相互作用試験(ピオグリタゾン)

[CL-0060]において ASP1941 とピオグリタゾン併用時の薬物動態的な相互作用がないことが確

認されていることから,特に問題はないと考えた。

631

Page 258: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

(2) 投与方法の設定根拠 日本人健康成人男性を対象とした第 I 相試験[CL-0101]において,日本人健康成人男性に対して

7 日間反復投与したときの本剤の血漿中未変化体濃度及び尿中グルコース排泄作用の持続性を考

慮したところ,1 日 1 回経口投与が妥当であると考えられたため設定した。また,食事の影響を

検討したところ,空腹時と食後で血漿中未変化体濃度に大きな差がみられなかったことから,朝

食前,又は朝食後のいずれでも投与が可能であると考えられた。本試験では,被験者ごとの投与

時期を統一するために朝食前投与とした。 (3) 投与期間の設定根拠 主要評価項目である HbA1c 値を評価するために十分な投与期間として 24 週間を設定した。全体

の投与期間としては,「致命的でない疾患に対し長期間の投与が想定される新医薬品の治験段階に

おいて安全性を評価するために必要な症例数と投与期間について(平成 7 年 5 月 24 日付薬審第

592 号)」に基づき,52 週間として設定した。HbA1c 値が安定していることを確認するため,ス

クリーニング期とプラセボ run-in 期を合わせて 6 週間設定した。また,投与開始初期のプラセボ

効果を軽減するために,2 週間のプラセボ run-in 期を設定した。更に,投与終了後の安全性を確

認するため,後観察期を 4 週間設定した。なお,ピオグリタゾン以外の血糖降下薬を併用してい

た場合,それらの血糖降下薬の前投与の影響を少なくするため,スクリーニング期以前に washout期を 4 週間設定した。 評価期間:

評価期間前観察期間:6 週間(スクリーニング期:4 週間,プラセボ run-in 期:2 週間)

治験薬投与期間:治療 I 期:24 週間,治療 II 期:28 週間

投与後観察期間(後観察期):4 週間

併用治療(薬剤及び療法):

(1) 併用禁止 Visit 1 から Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,ピオグリタゾン以外の

すべての血糖降下薬の投与を禁止した。また,ピオグリタゾン単独投与(Visit 1 前,4 週間以上)

以降,Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価の検査終了まで,ピオグリタゾンの用法・用量の

変更を禁止した。なお,Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了後はすべての血

糖降下薬の投与,ピオグリタゾンの用法・用量の変更を可能とした。 (2) 条件付併用可能薬 Visit 1 の来院から Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,リウマチ,喘息

などの慢性疾患のための副腎皮質ステロイド製剤,免疫抑制剤及びループ利尿薬の継続的投与(内

服,注射,吸入)を禁止した。ただし,塗布などの局所使用の場合や,一時的な場合は使用を認

めた。また,Visit 1 の来院から Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,血

糖に直接影響を与えると考えられるブドウ糖及びグルカゴン等の継続的投与(点滴,注射)を禁

止した。ただし,一時的な場合は使用を認めた。 (3) 併用禁止療法 Visit 1 の来院までに実施されていた食事療法は,Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の

検査終了まで内容の変更を禁止した。また,Visit 1 の来院から Visit 17(若しくは中止時)の有効

性評価項目の検査終了まで糖尿病の治療を目的とした入院療法を禁止した。

632

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2.7.6 個々の試験のまとめ

評価項目,評価スケジュール及び評価基準:

1.評価スケジュール: (1) 治療 I 期

washout 期 a

観察期

治療Ⅰ期 スク

リーニ

ング期

プラセ

ボ run-in期

Visit WO-1 WO-2 1 2 3 b 4 5 6 7 8 9 10 来院日(週) −10 −8 −6 −2 0 2 4 8 12 16 20 24 来院日 c(日目) −70 −56 −42 −14 1 15 29 57 85 113 141 169 来院時期の許容範囲(日目) − − −49–−35 −21–−7 1 8–22 23–36 50–64 78–92 106–120 134–148 156–183 来院日 d(日目) 1 15 29 − − − − − − − − −

来院時期の許容範囲(日目) 1 12– 22 29-39 − − − − − − − − −

同意取得 X e X e X f 治験継続意思確認 X f 患者背景調査 X X X X 選択除外基準確認 X X X 登録・割り付け Xg 身長 h・体重・バイタルサイン X X X X X X X X X X X X ウエスト周囲径 X X 身体所見 X X X X X X X X X X X X 12 誘導心電図 X X X X X X 妊娠検査(閉経前の女性のみ) X X 観察期用治験薬の処方 X 治療期用治験薬の処方 X X X X X X X X i 服薬状況確認 X X X X X X X X 前治療薬・併用薬調査 X X X X X X X X X X X X 有害事象調査 j X X X X X X X X X 血液学的検査 血液生化学検査 尿検査(下記を除く)k

X X X X X X X X X X X

尿検査(細菌)k X X X X 尿検査(メタネフリン,ノル

メタネフリン)

NT-proBNP X X X X X X 骨代謝関連検査 1 血清 CTx 血清 BAP(骨型 ALP) 尿中 NTx, TRACP-5b

X X X X

骨代謝関連検査 2 25-OH ビタミン D Intact-PTH

X X

HbA1c 値測定(JDS 値) X X X X X X X X X X X 空腹時血糖値測定 X X X X X X X X X X X X 空腹時インスリン測定・レプ

チン測定・アディポネクチン

測定 X X X X X X X

a:ピオグリタゾン以外の血糖降下薬を併用している被験者は,文書による同意取得後 washout 期を設けた。 b:Visit 3 の値をベースラインとした。 c:治療期用治験薬初回処方日(Visit 3)を 1 日目とし,その前日を−1 日目とした。被験者は来院日には朝食を摂らず,また治

験薬及びピオグリタゾンを服用しないで午前中に来院することとした。 d:washout 期の来院日の基準日及び許容範囲は,washout 開始日(Visit WO-1)を 1 日目とし,その翌日を 2 日目とした。被験

者は来院日には朝食を摂らず,また血糖降下薬を服用しないで午前中に来院することとした。 e:同意取得は washout を行う場合は Visit WO-1 の検査前に,washout を行わない場合は Visit 1 の検査前に実施することとした。 f:治験継続の意思確認は文書により Visit 10 までに実施することとした。 g:登録・治験薬の割り付けは Visit 2 - Visit 3 間に実施することとした。 h:身長は Visit 1 のみ測定することとした。

633

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2.7.6 個々の試験のまとめ

i:継続基準を満たさない場合は,治療 II 期用治験薬は処方せず後観察期へ移行することとした。 j:有害事象調査は治験薬服薬後から実施することとした。 k:尿路感染症が疑われる場合は,規定外の来院であっても,可能な限り尿検査(沈渣と細菌)を実施することとした。

(2) 治療 II 期

治療 II 期 後観察期

Visit 11 12 13 14 15 16 17/ 中止

時 18

来院日(週) 28 32 36 40 44 48 52/ 中止

時 Visit 17 又は 中止時 l+ 4

来院日 c(日目) 197 225 253 281 309 337 365 /中止

時 Visit 17 又は 中止時 l+ 28

来院時期の許容範囲(日目) 184–211 212–239 240–267 268–295 296–323 324–351 352–386 Visit 17 又は 中止時 l

+ 14–+ 42 同意取得 治験継続意思確認 患者背景調査 選択除外基準確認 登録・割り付け 身長 h・体重・バイタルサイ

ン X X X X X X X X

ウエスト周囲径 X m 身体所見 X X X X X X X X 12 誘導心電図 X X X X 妊娠検査(閉経前の女性の

み) X m X

観察期用治験薬の処方 治療期用治験薬の処方 X X X X X X 服薬状況確認 X X X X X X X 前治療薬・併用薬調査 X X X X X X X X 有害事象調査 j X X X X X X X X 血液学的検査 血液生化学検査 尿検査(下記を除く)k

X X X X X X X X

尿検査(細菌)k X X m 尿検査(メタネフリン,ノ

ルメタネフリン) X X

NT-proBNP X X X X 骨代謝関連検査 1 血清 CTx 血清 BAP(骨型 ALP) 尿中 NTx, TRACP-5b

X X X m X

骨代謝関連検査 2 25-OH ビタミン D Intact-PTH

X m

HbA1c 値測定(JDS 値) X X X X X X X X 空腹時血糖値測定 X X X X X X X X 空腹時インスリン測定・ レプチン測定・ アディポネクチン測定

X X m

c,h,j,k:治療 I 期の注釈参照 l:中止時:Visit 10 にて治療 II 期へ継続しない場合は,Visit 10 を中止時と読み替えることとした。 m:プラセボ run-in 期間に中止する場合は実施不要。

634

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.有効性:

主要評価項目:

HbA1c 値 副次評価項目:

空腹時血糖値,空腹時インスリン,レプチン,アディポネクチン,体重,ウエスト周囲径 3.安全性:

有害事象,臨床検査値,バイタルサイン,12 誘導心電図,eGFR 有害事象については,治験薬を服用した後(プラセボ run-in 期以降)に発現した事象を調査対象 とした。なお,尿糖の陽性は本剤の作用メカニズムによる変化と考えられるため,有害事象とは

しなかった。治験薬との関連性は以下の基準により判定し,「関連あるかもしれない」又は「多分

(おそらく)関連あり」のいずれかに該当したものを,「治験薬との関連性が否定できない有害事

象」と定義した。 治験薬との関連性 関連性判定基準 否定できる 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的関係から因果関係がありそうにないと思われる場

合や,他の薬剤や合併症・基礎疾患等により説明ができる場合 関連あるかもしれ

ない 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係があるが,以下の項目のいずれ

かに該当する場合 ・要因として合併症・基礎疾患や他の薬剤による説明もできる場合 ・投与中止に関する情報が不明確な場合

多分(おそらく) 関連あり

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係がある場合や,以下の項目に該

当する場合 ・再投与により再発又は投与中止により消失又は軽快を示す場合 ・合併症・基礎疾患や他の薬剤では説明ができない,又はそれらによる可能性が考えにく

い場合 有害事象の程度は,平成 4 年 6 月 29 日薬安第 80 号添付「医薬品等の副作用の重篤度分類基準に

ついて」のグレードを参考に判定した。この基準に規定されていない項目については,以下に従っ

て判定した。 ・軽 度:日常の活動に支障がないもの ・中等度:日常の活動に支障があるもの ・重 度:日常の活動が不可能になるもの

統計解析:

1.解析対象集団:

【治療 I 期】 下記の FAS 及び PPS を有効性解析対象集団とした。主たる解析対象集団を FAS とし,PPS を副次 解析対象集団とした。 (1) Full analysis set(FAS) 治療 I 期用治験薬を 1 回以上服用し,治療 I 期用治験薬投与後に有効性に関する評価項目が 1 項 目でも測定されている被験者を FAS とした。 (2) Per protocol set(PPS) FAS に含まれる症例のうち,以下の基準を満たす被験者を PPS とした。 ・選択基準に合致し,除外基準に抵触しない被験者 ・治療 I 期用治験薬及びピオグリタゾンの投与期間が 56 日以上の被験者(ただし,効果不十分及

び対象疾患の悪化にて中止した被験者については,PPS に含めることとした) ・治療 I 期用治験薬及びピオグリタゾンの服薬率が 80%以上の被験者 ・治療 I 期(Visit 10)観察終了までに併用禁止薬が使用されなかった被験者 ・治療 I 期(Visit 10)観察終了までに条件付併用可能薬が使用されなかった被験者,又は条件の

635

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2.7.6 個々の試験のまとめ

範囲内で使用された被験者 ・その他,治療 I 期(Visit 10)観察終了までに重大な治験実施計画書違反がなかった被験者 (3) Safety analysis set(SAF) 治療 I 期用治験薬を 1 回以上服用した被験者を SAF とした。 【治療 II 期】 下記の FAS を有効性解析対象集団と定義した。 (1) Full analysis set(FAS) 本剤を 1 回以上服用し,本剤投与後に有効性に関する評価項目が 1 項目でも測定されている被験

者を FAS とした。 (2) Safety analysis set(SAF) 本剤を 1 回以上服用している被験者を SAF とした。 2.被験者背景及びその他の基準値:

【治療 I 期】 FAS,PPS,SAF について解析を行った。被験者背景項目,スクリーニング期間及びプラセボ run-in期間の HbA1c 値について,投与群別に度数集計あるいは要約統計量を算出した。 【治療 II 期】 FAS,SAF について解析を行った。被験者背景項目,スクリーニング期間及びプラセボ run-in 期

間の HbA1c 値について,投与群別に度数集計あるいは要約統計量を算出した。 3.有効性:

【治療 I 期】 治療 I 期の解析では,治療期開始時をベースラインとした。 主要評価項目(HbA1c 値): (1) 主要な解析 ・治療 I 期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化量について,HbA1c 値のベース

ラインを共変量とした共分散分析により本剤 50 mg とプラセボを比較した(有意水準両側

0.05)。 (2) 副次的な解析 ・PPS についても主要な解析と同様の解析を行った。 ・HbA1c 値の実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び治療 I 期最終時点

の要約統計量を投与群別に算出した。 ・各評価時点及び治療 I 期最終時点において,HbA1c 値が 6.5%及び 7.0%未満になった被験者の

例数,割合を投与群別に算出した。 副次評価項目: ・治療 I 期最終時点におけるベースラインからの変化量について,ベースラインを共変量とした

共分散分析を用いて本剤 50 mg とプラセボを比較した(有意水準両側 0.05)。 ・実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び治療 I 期最終時点の要約統計

量を投与群別に算出した。 【治療 II 期】 治療 II 期の解析では,本剤 50 mg 群のベースラインは治療期開始時,プラセボ群のベースライン

は治療期 24 週時とし,ベースライン以降を解析対象とした。 主要評価項目(HbA1c 値):

636

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2.7.6 個々の試験のまとめ

・実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び本剤投与最終時点の要約統計

量を投与群別に算出した。 ・各評価時点及び本剤投与最終時点において,HbA1c 値が 6.5%及び 7.0%未満になった被験者の

例数,割合を投与群別に算出した。 副次評価項目: ・実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び本剤投与最終時点の要約統計

量を投与群別に算出した。 4.安全性:

治療 I 期の解析では,治療期開始時をベースラインとした。また,治療 II 期の解析では,本剤 50 mg群のベースラインは治療期開始時,プラセボ群のベースラインは治療期 24 週時とし,ベースライ

ン以降を解析対象とした。 (1) 有害事象 治療 I 期の解析では,治療 I 期用治験薬投与後に発現した有害事象について以下の解析を行った。

また,治療 II 期の解析では,本剤投与後に発現した有害事象について以下の解析を行った。 ・有害事象の有無及び治験薬との関連性が否定できない有害事象の有無について,例数及び割合

を投与群別に算出した。 ・有害事象の各事象について,器官別大分類別(MedDRA:SOC コード),基本語別(MedDRA:

PT コード),程度別に例数及び割合を投与群別に算出した。 (2) 臨床検査値 ・計量値項目について,各測定時点の実測値の要約統計量を投与群別に算出した。 ・計数値について,ベースライン×各測定時点のクロス表を投与群別に算出した。 (3) バイタルサイン ・各測定時点の実測値の要約統計量を投与群別に算出した。 (4) 12 誘導心電図 ・ベースラインと各評価時点のクロス表を投与群別に作成した。

報告書の日付: 年 月 日

2.7.6.24.2 被験者の内訳及び解析対象集団

2.7.6.24.2.1 被験者の内訳

治療 I 期用治験薬を処方された 152 例(プラセボ群 54 例,50 mg 群 98 例)のうち,133 例(プ

ラセボ群 44 例,50 mg 群 89 例)の被験者が治療 I 期を完了し,治療 I 期用治験薬投与の有無が不

明の 1 例を含む 19 例(プラセボ群 10 例,50 mg 群 9 例)が,治療 I 期中に試験を中止した(図

2.7.6.24-1)。プラセボ群で最も多かった治療 I 期の中止理由は,糖尿病の悪化(6 例)であった(表

2.7.6.24-1)。50 mg 群の主な中止理由は,有害事象及び同意の撤回(各 3 例)であった。

治療 I 期を完了した 133 例の被験者のうち,84 例(プラセボ群 15 例,50 mg 群 69 例)が治療

II 期へ移行し,49 例が治療 II 期に移行しなかった。治療 II 期に移行しなかった理由で最も多かっ

たものは,両群ともに HbA1c 値の継続基準を満たさなかったためであった(表 2.7.6.24-2)。

治療 I期にプラセボの投与を受けた15例のうち,5例が本剤50 mgの投与を受け(プラセボ/50 mg

群),10 例が本剤 100 mg の投与を受けた(プラセボ/100 mg 群)。治療 I 期に本剤 50 mg の投与を

受けた 69 例のうち,36 例が 50 mg の投与を継続し(50/50 mg 群),33 例が 100 mg に増量した

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2.7.6 個々の試験のまとめ

(50/100 mg 群)。最終的に,81 例が治療 II 期を完了し,3 例(50/50 mg 群 1 例,50/100 mg 群 2

例)が治療 II 期中に試験を中止した。治療 II 期の主な中止理由は,50/50 mg 群では有害事象(1

例),50/100 mg 群では同意の撤回(2 例)であった(表 2.7.6.24-3)。

50/100 mg 群の 1 例が本剤 100 mg 投与後,本剤の用量を 50 mg に減量した。減量の理由は,有

害事象(口腔内不快感)であった。

図 2.7.6.24-1 被験者の内訳 同意取得 N=245 観察期用治療薬の投与 N=212 プラセボ run-in 期前の中止 N=33 無作為化 N=152 無作為化前の中止 N=60 治療 I 期用治験薬の処方 N=152 プラセボ N=54 ASP1941 50 mg N=98a 治療 I 期完了 N=133 治療 I 期用治験薬投与開始後の中止 N=19 プラセボ N=44 プラセボ N=10 ASP1941 50 mg N=89 ASP1941 50 mg N=9

治療 II 期に移行 N=84

治療 II 期に移行せず N=49

プラセボ N=15 プラセボ N=29 ASP1941 50 mg N=69 ASP1941 50 mg N=20

治療 II 期用治験薬の投与 N=84 プラセボ/ASP1941 50 mg プラセボ/ASP1941 100 mg

N=5 N=10

ASP1941 50/50 mg ASP1941 50/100 mg

N=36 N=33

治療 II 期完了 N=81 治療 II 期用治験薬投与開始後の中止 N=3 プラセボ/ASP1941 50 mg プラセボ/ASP1941 100 mg

N=5 N=10 プラセボ/ASP1941 50 mg

プラセボ/ASP1941 100 mg N=0 N=0

ASP1941 50/50 mg ASP1941 50/100 mg

N=35 N=31b ASP1941 50/50 mg

ASP1941 50/100 mg N=1 N=2

a:治験薬の投与の有無が不明である 1 例を含む。 b:100 mg を投与した後,50 mg に減量した 1 例を含む。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.1A.1.1,12.1A.1.2,12.1A.1.3,12.1A.1.4,12.1A.1.6,12.1A.1.7,12.1A.1.11,12.1A.1.12,12.1B.1.1,12.1B.1.2.1,12.1B.1.2.2,12.1B.1.2.3

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-1 治療 I 期の主な中止理由 プラセボ

N=10 ASP1941 50 mg

N=9a 合計

N=19a 糖尿病の悪化 6 (60.0%) 1 (11.1%) 7 (36.8%) 有害事象 1 (10.0%) 3 (33.3%) 4 (21.1%) 同意の撤回 1 (10.0%) 3 (33.3%) 4 (21.1%) 効果不十分 2 (20.0%) 0 2 (10.5%) 観察継続不能 0 1 (11.1%) 1 (5.3%) 治験実施計画書からの逸脱 0 1 (11.1%) 1 (5.3%)

例数(割合) a:50 mg 群に無作為化されたが,治験薬投与の有無が不明である 1 例(S70408)を含む。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.1A.1.9

表 2.7.6.24-2 治療 II 期に移行しなかった理由

プラセボ N=29

ASP1941 50 mg N=20

合計 N=49

HbA1c 値の継続基準を満たさなかった 28 (96.6%) 19 (95.0%) 47 (95.9%) 投与継続に同意しなかった 1 (3.4%) 1 (5.0%) 2 (4.1%)

例数(割合) Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.1A.1.12

表 2.7.6.24-3 治療 II 期の主な中止理由

治療 I 期/治療 II 期 合計 N=3 プラセボ/50 mg

N=0 プラセボ/100 mg

N=0 50/50 mg

N=1 50/100 mg

N=2 有害事象 0 0 1 (100.0%) 0 1 (33.3%) 同意の撤回 0 0 0 2 (100.0%) 2 (66.7%)

例数(割合) Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.1B.1.2.2,12.1B.1.3.2

2.7.6.24.2.2 解析対象集団

1. 24 週投与(治療 I 期)

治療 I 期用治験薬を処方された 152 例のうち,治験薬の投与の有無が不明である 50 mg 群の 1

例を除く,治療 I 期用治験薬を 1 回以上服用した 151 例(プラセボ群 54 例,50 mg 群 97 例)を

FAS 及び SAF として採用した(表 2.7.6.24-4)。FAS のうち,147 例(プラセボ群 53 例,50 mg 群

94 例)を PPS として採用した。最も多かった PPS 除外理由は,投与期間不足(プラセボ群 1 例,

50 mg 群 2 例)であった。

639

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-4 解析対象集団(24 週) プラセボ ASP1941 50 mg 合計 治療 I 期用治験薬の処方 54 98 152 FAS(24 週) 54 (100.0%) 97 (99.0%) 151 (99.3%) PPS(24 週) 53 (98.1%) 94 (95.9%) 147 (96.7%) SAF(24 週) 54 (100.0%) 97 (99.0%) 151 (99.3%)

例数(割合) Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.1A.1.8

2. 52 週投与(治療 II 期)

本試験で本剤とピオグリタゾンの併用投与を受けた全 112 例(治療 I 期プラセボ群のうち治療

II期へ移行した15例,及び治療 I期50 mg群97例)をFAS及びSAFとして採用した(表2.7.6.24-5)。

治療 II 期で本剤を投与された全 84 例の内訳は,プラセボ/50 mg 群 5 例,プラセボ/100 mg 群 10

例,50/50 mg 群 36 例,50/100 mg 群 33 例であった。

なお,特に断らない限り次ページ以降には,本剤 50 mg 無作為化群,50/50 mg 群及び 50/100 mg

群のデータを記載する。

表 2.7.6.24-5 解析対象集団(52 週)

投与群(治療 I 期) 合計

プラセボ ASP1941 50 mg ASP1941 投与 15 97 112 FAS(52 週) 15 (100.0%) 97 (100.0%) 112 (100.0%) SAF(52 週) 15 (100.0%) 97 (100.0%) 112 (100.0%)

治療 I 期/治療 II 期

合計 プラセボ /50 mg

プラセボ /100 mg 50/50 mg 50/100 mg

ASP1941 投与(治療 II 期) 5 10 36 33a 84 FAS(52 週) 5 (100.0%) 10 (100.0%) 36 (100.0%) 33 (100.0%) 84 (100.0%) SAF(52 週) 5 (100.0%) 10 (100.0%) 36 (100.0%) 33 (100.0%) 84 (100.0%) 例数(割合) a:100 mg を投与した後,50 mg に減量した 1 例を含む。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.1B.1.5.1,12.1B.1.5.2

2.7.6.24.3 人口統計学的及び他の基準値の特性

FAS(24 週)での男性の割合は,プラセボ群で約 69%,50 mg 群で約 77%であった(表 2.7.6.24-6)。

平均年齢は,両投与群ともに約 56 歳であった。糖尿病の罹病期間の中央値は,プラセボ群で 82.0

カ月(6.8 年),50 mg 群で 67.0 カ月(5.6 年)であった。

FAS(24 週)での人口統計学的及び他の基準値の特性には,統計的に有意な投与群間の不均衡

は認められなかった。スクリーニング時の HbA1c 値の平均値に,投与群間で統計的に有意な不均

衡がみられたので(P=0.028,t 検定),スクリーニング時の HbA1c 値で調整した追加解析を行っ

た。

640

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2.7.6 個々の試験のまとめ

PPS での人口統計学的及び他の基準値の特性は FAS と同様であり,SAF での人口統計学的及び

他の基準値の特性は FAS と同様であった。

表 2.7.6.24-6 人口統計学的及び他の基準値の特性:FAS(24 週)

プラセボ N=54

ASP1941 50 mg N=97 P 値

性別 男性 37 (68.5%) 75 (77.3%)

0.250a 女性 17 (31.5%) 22 (22.7%)

年齢(歳) [同意取得時]

平均値(標準偏差) 56.1 (11.91) 56.2 (10.22) 0.934b

最小値,最大値 31, 82 33, 78 65 歳未満 40 (74.1%) 72 (74.2%)

1.000a 65 歳以上 14 (25.9%) 25 (25.8%)

身長(cm) [スクリーニング時]

平均値(標準偏差) 163.25 (9.273) 163.91 (8.472) 0.660b 最小値,最大値 138.8, 184.5 141.0, 184.2

体重(kg) [スクリーニング時]

平均値(標準偏差) 72.80 (15.832) 73.01 (13.174) 0.931b

最小値,最大値 45.0, 121.6 52.1, 139.0

BMI(kg/m2) [スクリーニング時]

平均値(標準偏差) 27.13 (4.312) 27.11 (3.851) 0.983b

最小値,最大値 20.5, 40.6 20.1, 42.9 25 kg/m2 未満 17 (31.5%) 30 (30.9%)

1.000a 25 kg/m2 以上 37 (68.5%) 67 (69.1%)

罹病期間(カ月) [スクリーニング時]

平均値(標準偏差) 92.5 (63.87) 76.0 (56.57) 0.105b 中央値 82.0 67.0

最小値,最大値 4, 251 3, 253 60 カ月未満 20 (37.0%) 43 (44.3%)

0.396a 60 カ月以上 34 (63.0%) 54 (55.7%)

合併症 なし 3 (5.6%) 4 (4.1%) 0.701a

あり 51 (94.4%) 93 (95.9%)

喫煙歴 喫煙歴なし 22 (40.7%) 34 (35.1%)

0.302a 過去に喫煙習慣あり 17 (31.5%) 24 (24.7%) 喫煙者 15 (27.8%) 39 (40.2%)

飲酒習慣 飲酒習慣なし 15 (27.8%) 30 (30.9%)

0.863 a 過去に飲酒習慣あり 5 (9.3%) 7 (7.2%) 飲酒習慣あり 34 (63.0%) 60 (61.9%)

飲酒量 c

飲酒なし 20 (37.0%) 37 (38.1%)

0.195 a レベル 1 28 (51.9%) 39 (40.2%) レベル 2 6 (11.1%) 21 (21.6%) レベル 3 0 (0.0%) 0 (0.0%)

HbA1c 値(%,JDS) [治療期開始時]

平均値(標準偏差) 7.99 (0.638) 7.84 (0.666) 0.196b

最小値,最大値 7.1, 10.0 6.6, 10.0 空腹時血糖値(mg/dL) [治療期開始時]

平均値(標準偏差) 170.0 (29.18) 172.9 (36.80) 0.617b

最小値,最大値 122, 263 105, 303

washout 実施 なし 43 (79.6%) 71 (73.2%)

0.434a あり 11 (20.4%) 26 (26.8%)

カテゴリーデータは,例数(割合)を示す。 a:Fisher の直接確率検定,b:t 検定,c:飲酒量(1 日量)は以下の 3 レベルに分類した。 レベル 1:ビール中ビン 1 本未満,清酒 1 合(180.39 mL)未満,ウイスキー・ブランデー60 mL 未満,焼酎(35度)90 mL 未満,又はワイン 240 mL 未満 レベル 2:ビール中ビン 1 本以上 3 本未満,清酒 1 合以上 3 合未満(180.39 mL 以上 541.17 mL 未満),ウイスキー・

ブランデー60 mL 以上 180 mL 未満,焼酎(35 度)90 mL 以上 270 mL 未満,又はワイン 240 mL 以上 720 mL 未満 レベル 3:ビール中ビン 3 本以上,清酒 3 合以上(541.17 mL 以上),ウイスキー・ブランデー180 mL 以上,焼酎

(35 度)270 mL 以上,又はワイン 720 mL 以上 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.1A.2.1.1,12.1A.2.2.1,12.1A.2.3.1

641

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.24.4 治験薬の曝露

FAS(24 週)では,治療 I 期用治験薬の服薬期間の平均値は,50 mg 群と比較してプラセボ群で

短かったが,中央値は両群で同様であった(表 2.7.6.24-7)。平均服薬率は,いずれの投与群でも

98%以上であった。ピオグリタゾンの服薬状況は,治療 I 期用治験薬と同様であった。

表 2.7.6.24-7 治療 I 期用治験薬の服薬状況:FAS(24 週) プラセボ

N=54 ASP1941 50 mg

N=97

服薬期間(日) 平均値(標準偏差) 151.6 (38.96) 161.3 (28.68) 中央値 168.0 168.0 最小値,最大値 14, 181 1, 182

服薬率(%) 平均値(標準偏差) 98.88 (1.761) 98.84 (2.734) 最小値,最大値 91.4, 100.0 81.0, 100.0

Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.2A.1.1

FAS(52 週)では,本剤の服薬期間の中央値は,50 mg 無作為化群,50/50 mg 群及び 50/100 mg

群のいずれも 364.0 日であった(表 2.7.6.24-8)。平均服薬率は,すべての群で 98%以上であった。

ピオグリタゾンの服薬状況は,本剤と同様であった。

表 2.7.6.24-8 ASP1941 の服薬状況:FAS(52 週)

50 mg 無作為化 N=97

治療 I 期/治療 II 期 50/50 mg

N=36 50/100 mg

N=33

服薬期間(日) 平均値(標準偏差) 298.7 (105.28) 365.6 (17.07) 358.5 (29.22) 中央値 364.0 364.0 364.0 最小値,最大値 1, 388 279, 388 231, 378

服薬率(%) 平均値(標準偏差) 98.94 (2.668) 98.93 (3.170) 99.06 (1.942) 最小値,最大値 81.0, 100.0 81.0, 100.0 90.6, 100.0

Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.2B.1.1.1,12.2B.1.1.2

2.7.6.24.5 有効性

2.7.6.24.5.1 主要評価項目:HbA1c値(24 週投与)

2.7.6.24.5.1.1 治療I期最終時点のHbA1c値のベースラインからの変化量

治療 I 期最終時点での HbA1c 値の治療 I 期開始時(ベースライン)からの平均変化量は,プラ

セボ群で 0.21%,50 mg 群で−0.64%であった(表 2.7.6.24-9)。ベースラインからの変化量の調整済

み平均値のプラセボ群に対する差は,−0.87%であった。その差が統計的に有意であったことから

(P<0.001,共分散分析),本剤 50 mg のプラセボに対する優越性が示された。

642

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2.7.6 個々の試験のまとめ

スクリーニング時の HbA1c 値の平均値に,投与群間で統計的に有意な不均衡がみられたので

(P=0.028),スクリーニング時の HbA1c 値で調整した追加解析を行った。結果は主解析と同様で

あった(P<0.001,共分散分析)。

表 2.7.6.24-9 治療 I 期最終時点の HbA1c 値(%)のベースラインからの変化量:FAS(24 週)

プラセボ N=54

ASP1941 50 mg N=97

ベースラインの平均値(標準偏差) 7.99 (0.638) 7.84 (0.666) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 8.20 (1.051) 7.21 (0.750) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 0.21 (0.799) –0.64 (0.602) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボ群との差(95%信頼区間) - –0.87 (–1.100, –0.646)

P 値 - < 0.001 a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3A.1.1,12.3A.1.2.3,12.3A.1.2.4

2.7.6.24.5.1.2 治療I期最終時点のHbA1c値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合

治療 I 期最終時点の HbA1c 値が 7.0%未満であった被験者の割合は,プラセボ群(9.3%)に比べ

50 mg 群(39.2%)で高かった(表 2.7.6.24-10)。治療 I 期最終時点の HbA1c 値が 6.5%未満であっ

た被験者の割合も,プラセボ群(0%)に比べ 50 mg 群(8.2%)で高かった。

表 2.7.6.24-10 HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合:FAS(24 週) プラセボ ASP1941 50 mg

7.0%未満 ベースライン 0/54 4/97 (4.1%) 治療 I 期最終時点 5/54 (9.3%) 38/97 (39.2%)

6.5%未満 ベースライン 0/54 0/97 治療 I 期最終時点 0/54 8/97 (8.2%)

HbA1c 値が 7.0%未満(JDS)又は 6.5%未満(JDS)であった例数/解析対象例数(割合) Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3A.1.2.5,12.3A.1.2.6

2.7.6.24.5.2 副次評価項目(24 週投与)

2.7.6.24.5.2.1 空腹時血糖値

治療 I 期最終時点での空腹時血糖値のベースラインからの平均変化量は,プラセボ群で

6.1 mg/dL,50 mg 群で−36.4 mg/dL であった(表 2.7.6.24-11)。ベースラインからの変化量の調整

済み平均値のプラセボ群に対する差は,−41.0 mg/dL で,その差は統計的に有意であった(P<0.001,

共分散分析)。

643

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-11 治療 I 期最終時点の空腹時血糖値(mg/dL)のベースラインからの変化量:FAS (24 週)

プラセボ N=54

ASP1941 50 mg N=97

ベースラインの平均値(標準偏差) 170.0 (29.18) 172.9 (36.80) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 176.1 (43.22) 136.5 (24.99) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 6.1 (30.99) –36.4 (33.35) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - –41.0 (–50.34, –31.66)

P 値 - < 0.001 a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3A.2.1.1.1,12.3A.2.1.3,12.3A.2.1.4

2.7.6.24.5.2.2 その他の副次評価項目

共分散分析の結果,治療 I 期最終時点でのベースラインからの変化量の調整済み平均値のプラ

セボ群に対する差は,空腹時インスリン(−1.49 μU/mL,P<0.001;表 2.7.6.24-12),レプチン

(−1.59 ng/mL,P<0.001;表 2.7.6.24-13),体重(−2.79 kg,P<0.001;表 2.7.6.24-15),及びウエス

ト周囲径(−2.00 cm,P=0.004;表 2.7.6.24-16)のいずれも統計的に有意であった。一方,治療 I

期最終時点でのアディポネクチンのベースラインからの変化量の調整済み平均値のプラセボ群に

対する差は,0.64 μg/mL であり,その差は統計的に有意でなかった(P=0.280;表 2.7.6.24-14)。

表 2.7.6.24-12 治療 I 期最終時点の空腹時インスリン(μU/mL)のベースラインからの変化量:

FAS(24 週)

プラセボ N=54

ASP1941 50 mg N=97

ベースラインの平均値(標準偏差) 6.58 (3.781) 7.10 (5.071) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 6.49 (3.321) 5.23 (2.827) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) –0.08 (2.619) –1.87 (3.778) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - –1.49 (–2.236, –0.749)

P 値 - < 0.001 a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3A.2.2.1,12.3A.2.2.2,12.3A.2.2.3

644

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-13 治療 I 期最終時点のレプチン(ng/mL)のベースラインからの変化量:FAS(24 週)

プラセボ N=54

ASP1941 50 mg N=97

ベースラインの平均値(標準偏差) 7.56 (4.657) 7.56 (5.083) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 8.28 (5.652) 6.70 (4.725) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 0.72 (2.865) –0.86 (1.656) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - –1.59 (–2.307, –0.867)

P 値 - < 0.001 a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3A.2.3.1,12.3A.2.3.2,12.3A.2.3.3

表 2.7.6.24-14 治療 I 期最終時点のアディポネクチン(μg/mL)のベースラインからの変化量:

FAS(24 週)

プラセボ N=54

ASP1941 50 mg N=97

ベースラインの平均値(標準偏差) 13.28 (7.128) 14.45 (9.285) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 13.01 (7.363) 14.69 (8.922) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) –0.27 (4.330) 0.25 (3.070) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - 0.64 (–0.525, 1.802)

P 値 - 0.280 a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3A.2.4.1,12.3A.2.4.2,12.3A.2.4.3

表 2.7.6.24-15 治療 I 期最終時点の体重(kg)のベースラインからの変化量:FAS(24 週)

プラセボ N=54

ASP1941 50 mg N=97

ベースラインの平均値(標準偏差) 72.99 (15.690) 73.17 (13.413) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 73.49 (15.665) 70.88 (13.370) 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 0.51 (2.186) –2.29 (2.050) 共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - –2.79 (–3.499, –2.091)

P 値 - < 0.001 a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3A.2.5.1,12.3A.2.5.2,12.3A.2.5.3

645

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-16 治療 I 期最終時点のウエスト周囲径(cm)のベースラインからの変化量:FAS (24 週)

プラセボ N=54

ASP1941 50 mg N=97

ベースラインの平均値(標準偏差) 92.65 (11.665) 91.97 (10.610) 治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 92.79 (11.480) 90.10 (10.982)a 治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 0.14 (3.789) −1.82 (4.137)a 共分散分析モデル b

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) - −2.00 (−3.341, −0.655)

P 値 - 0.004 a:N=94 b:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3A.2.6.1,12.3A.2.6.2,12.3A.2.6.3

2.7.6.24.5.3 長期投与時の有効性(52 週投与)

本剤 50 mg とピオグリタゾンを併用投与したとき,HbA1c 値(図 2.7.6.24-2),空腹時血糖値(図

2.7.6.24-3),体重及びウエスト周囲径の改善効果は,52 週時まで維持された。

図 2.7.6.24-2 HbA1c 値の推移(50/50 mg 群及び 50/100 mg 群):FAS(52 週)

X 軸の各評価時点の下の数値は症例数を示す。 E1:治療 I 期最終時点,EA:ASP1941 投与最終時点,FU:後観察時 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Figure 12.3B.1.1.3

646

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2.7.6 個々の試験のまとめ

図 2.7.6.24-3 空腹時血糖値の推移(50/50 mg 群及び 50/100 mg 群):FAS(52 週)

X 軸の各評価時点の下の数値は症例数を示す。 E1:治療 I 期最終時点,EA:ASP1941 投与最終時点,FU:後観察時 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Figure 12.3B.2.1.3

治療 I 期最終時点(24 週時)に本剤 50 mg とピオグリタゾンの併用投与で血糖管理不十分な被

験者に対して,24 週時に本剤を 100 mg に増量した結果,HbA1c 値,空腹時血糖値,体重及びウ

エスト周囲径が更に改善した。すなわち,50/100 mg 群では,本剤投与最終時点の HbA1c 値の治

療 I 期最終時点からの平均変化量は–0.23%であった(表 2.7.6.24-17)。また,HbA1c 値が 7.0%未

満であった被験者の割合は,治療 I 期最終時点の 15.2%から本剤投与最終時点では 42.4%に,HbA1c

値が 6.5%未満であった被験者の割合は,治療 I 期最終時点の 0%から本剤投与最終時点では 9.1%

に増加した(表 2.7.6.24-18)。加えて,本剤投与最終時点での空腹時血糖値の治療 I 期最終時点か

らの平均変化量は–3.9 mg/dL であった(表 2.7.6.24-19)。

647

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2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-17 治療 I 期最終時点からの HbA1c 値変化量(%)の推移:FAS(52 週)

治療 I 期/治療 II 期

50/50 mg 50/100 mg N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

治療期 28 週時 36 –0.08 (0.156) 33 –0.12 (0.188) 治療期 32 週時 36 –0.07 (0.218) 32 –0.22 (0.303) 治療期 36 週時 36 –0.09 (0.260) 32 –0.29 (0.226) 治療期 40 週時 36 –0.10 (0.232) 31 –0.36 (0.274) 治療期 44 週時 35 –0.09 (0.229) 31 –0.35 (0.387) 治療期 48 週時 35 –0.06 (0.321) 31 –0.28 (0.502) 治療期 52 週時 34 –0.07 (0.330) 31 –0.24 (0.519) ASP1941 投与最終時点 36 –0.06 (0.346) 33 –0.23 (0.507) 後観察時 36 0.13 (0.405) 33 –0.12 (0.597) Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3B.1.3

表 2.7.6.24-18 HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合:FAS(52 週)

50 mg 無作為化 治療 I 期/治療 II 期

50/50 mg 50/100 mg 7.0%未満 治療期開始時(ベースライン) 4/97 (4.1%) 3/36 (8.3%) 0/33 治療 I 期最終時点 38/97 (39.2%) 31/36 (86.1%) 5/33 (15.2%) ASP1941 投与最終時点 46/97 (47.4%) 30/36 (83.3%) 14/33 (42.4%) 後観察時 38/95 (40.0%) 24/36 (66.7%) 9/33 (27.3%)

6.5%未満 治療期開始時(ベースライン) 0/97 0/36 0/33 治療 I 期最終時点 8/97 (8.2%) 8/36 (22.2%) 0/33 ASP1941 投与最終時点 15/97 (15.5%) 12/36 (33.3%) 3/33 (9.1%) 後観察時 12/95 (12.6%) 8/36 (22.2%) 4/33 (12.1%)

HbA1c 値が 7.0%未満(JDS)又は 6.5%未満(JDS)であった例数/解析対象例数(割合) Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3B.1.4.1,12.3B.1.4.2,12.3B.1.5.1,12.3B.1.5.2

表 2.7.6.24-19 治療 I 期最終時点からの空腹時血糖値変化量(mg/dL)の推移:FAS(52 週)

治療 I 期/治療 II 期

50/50 mg 50/100 mg N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

治療期 28 週時 36 1.9 (15.46) 33 –8.9 (15.17) 治療期 32 週時 36 –0.4 (13.24) 32 –9.1 (19.61) 治療期 36 週時 36 2.8 (15.53) 32 –12.0 (16.82) 治療期 40 週時 36 3.4 (14.68) 31 –9.0 (19.63) 治療期 44 週時 35 4.8 (15.83) 31 –3.4 (17.48) 治療期 48 週時 35 8.5 (12.77) 31 –6.9 (22.09) 治療期 52 週時 34 6.4 (15.23) 31 –3.1 (25.07) ASP1941 投与最終時点 36 6.3 (14.79) 33 –3.9 (24.52) 後観察時 36 17.2 (18.21) 33 1.9 (23.90) Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.3B.2.3

648

Page 275: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.24.6 安全性

2.7.6.24.6.1 有害事象

2.7.6.24.6.1.1 24 週投与

有害事象の発現率は,プラセボ群(68.5%,37/54 例)及び 50 mg 群(72.2%,70/97 例)の投与

群間で統計的に有意な差は認められなかった(P=0.710,Fisher の直接確率検定)。副作用の発現率

は,プラセボ群(9.3%,5/54 例)に比べて 50 mg 群(25.8%,25/97 例)で統計的に有意に高かっ

た(P=0.018,Fisher の直接確率検定)。ほとんどの有害事象の程度は軽度であった(表 2.7.6.24-20)。

50 mg 群で発現率が 5%以上の有害事象は,鼻咽頭炎,頻尿及び口渇であった(表 2.7.6.24-21)。

これらの事象のうち,鼻咽頭炎の発現率は,プラセボ群(18.5%,10/54 例)と比較して 50 mg 群

(25.8%,25/97 例)で約 1.4 倍高かった。プラセボ群では口渇及び頻尿を発現した被験者はいな

かった。

表 2.7.6.24-20 有害事象の要約:SAF(24 週)

プラセボ ASP1941 50 mg P 値 a N=54 N=97

有害事象 37 (68.5%) 70 (72.2%) 0.710 副作用 5 (9.3%) 25 (25.8%) 0.018 有害事象の件数 78 143 - 副作用の件数 7 42 - 重篤な有害事象 2 (3.7%) 1 (1.0%) - 重篤な副作用 0 0 - 投与中止に至った有害事象 6 (11.1%) 2 (2.1%) - 投与中止に至った副作用 0 1 (1.0%) - 程度別の有害事象 b 軽度 33 (61.1%) 65 (67.0%) - 中等度 4 (7.4%) 4 (4.1%) - 重度 0 1 (1.0%) -

発現例数(発現率)(事象の件数は除く) a:Fisher の直接確率検定 b:同一の被験者が複数の有害事象を発現した場合,最も重い程度の事象を解析対象とした。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.6A.1.1,12.6A.1.2,12.6A.1.3,12.6A.1.9.1

649

Page 276: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-21 器官別大分類,基本語別のすべての有害事象と副作用:SAF(24 週)

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 プラセボ

N=54

ASP1941 50 mg N=97

プラセボ

N=54

ASP1941 50 mg N=97

全事象 37 (68.5%) 70 (72.2%) 5 (9.3%) 25 (25.8%) 心臓障害 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 第二度房室ブロック 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

耳および迷路障害 1 (1.9%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 耳鳴 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 回転性めまい 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 頭位性回転性めまい 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

眼障害 1 (1.9%) 5 (5.2%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 眼精疲労 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) アレルギー性結膜炎 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 糖尿病性網膜症 0 (0.0%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 飛蚊症 1 (1.9%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 視神経乳頭出血 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 網膜滲出物 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

胃腸障害 8 (14.8%) 19 (19.6%) 1 (1.9%) 4 (4.1%) 腹部不快感 0 (0.0%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 腹痛 0 (0.0%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 便秘 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 齲歯 3 (5.6%) 3 (3.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 下痢 4 (7.4%) 1 (1.0%) 1 (1.9%) 0 (0.0%) 十二指腸潰瘍 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 消化不良 0 (0.0%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 硬便 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 胃ポリープ 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 胃潰瘍 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 胃炎 0 (0.0%) 3 (3.1%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 裂孔ヘルニア 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 悪心 1 (1.9%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 歯周炎 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 直腸ポリープ 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 逆流性食道炎 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 嘔吐 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 消化管運動障害 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

全身障害および投与局所様態 2 (3.7%) 7 (7.2%) 0 (0.0%) 7 (7.2%) 空腹 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 末梢性浮腫 1 (1.9%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 2 (2.1%) 発熱 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 口渇 0 (0.0%) 5 (5.2%) 0 (0.0%) 5 (5.2%)

肝胆道系障害 2 (3.7%) 0 (0.0%) 1 (1.9%) 0 (0.0%) 肝機能異常 1 (1.9%) 0 (0.0%) 1 (1.9%) 0 (0.0%) 脂肪肝 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

感染症および寄生虫症 15 (27.8%) 33 (34.0%) 1 (1.9%) 3 (3.1%) 気管支炎 2 (3.7%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 蜂巣炎 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 膀胱炎 1 (1.9%) 2 (2.1%) 1 (1.9%) 1 (1.0%) 胃腸炎 1 (1.9%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 麦粒腫 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) インフルエンザ 1 (1.9%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

650

Page 277: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 プラセボ

N=54

ASP1941 50 mg N=97

プラセボ

N=54

ASP1941 50 mg N=97

鼻咽頭炎 10 (18.5%) 25 (25.8%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 中耳炎 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 足部白癬 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 尿路感染 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 外陰部腟カンジダ症 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 歯肉膿瘍 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 感染性小腸結腸炎 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

傷害、中毒および処置合併症 4 (7.4%) 8 (8.2%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 節足動物刺傷 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 鎖骨骨折 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 上腕骨骨折 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 関節捻挫 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 挫傷 3 (5.6%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 創傷 0 (0.0%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 皮膚裂傷 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

臨床検査 4 (7.4%) 1 (1.0%) 2 (3.7%) 1 (1.0%) アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 血中クレアチニン増加 1 (1.9%) 0 (0.0%) 1 (1.9%) 0 (0.0%) 血圧低下 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 血圧上昇 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 白血球数減少 1 (1.9%) 0 (0.0%) 1 (1.9%) 0 (0.0%)

代謝および栄養障害 8 (14.8%) 4 (4.1%) 1 (1.9%) 2 (2.1%) 糖尿病 a 8 (14.8%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 痛風 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 低血糖症 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 脂質異常症 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 高脂血症 1 (1.9%) 0 (0.0%) 1 (1.9%) 0 (0.0%)

筋骨格系および結合組織障害 5 (9.3%) 9 (9.3%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 関節痛 2 (3.7%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 関節炎 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 背部痛 0 (0.0%) 3 (3.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 筋骨格痛 1 (1.9%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 筋肉痛 1 (1.9%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 四肢痛 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 変形性脊椎炎 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 椎間板突出 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 筋骨格硬直 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポ

リープを含む)

1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

ボーエン病 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 神経系障害 4 (7.4%) 4 (4.1%) 1 (1.9%) 1 (1.0%) 糖尿病性ニューロパチー 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 浮動性めまい 1 (1.9%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 頭痛 1 (1.9%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 傾眠 1 (1.9%) 0 (0.0%) 1 (1.9%) 0 (0.0%) 緊張性頭痛 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 三叉神経痛 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

精神障害 3 (5.6%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 不眠症 1 (1.9%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) ストレス 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

651

Page 278: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 プラセボ

N=54

ASP1941 50 mg N=97

プラセボ

N=54

ASP1941 50 mg N=97

不安障害 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 腎および尿路障害 1 (1.9%) 14 (14.4%) 0 (0.0%) 12 (12.4%) 尿管結石 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 排尿困難 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 頻尿 0 (0.0%) 12 (12.4%) 0 (0.0%) 11 (11.3%) 多尿 0 (0.0%) 3 (3.1%) 0 (0.0%) 3 (3.1%)

生殖系および乳房障害 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 陰部そう痒症 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%)

呼吸器、胸郭および縦隔障害 4 (7.4%) 5 (5.2%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 喘息 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) アレルギー性鼻炎 0 (0.0%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 上気道の炎症 2 (3.7%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 口腔咽頭痛 2 (3.7%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

皮膚および皮下組織障害 2 (3.7%) 10 (10.3%) 0 (0.0%) 4 (4.1%) 日光性角化症 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 脱毛症 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 接触性皮膚炎 0 (0.0%) 2 (2.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 湿疹 0 (0.0%) 4 (4.1%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 紅色汗疹 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 発疹 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 蕁麻疹 1 (1.9%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 全身性そう痒症 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%)

外科および内科処置 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 白内障手術 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

血管障害 1 (1.9%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 高血圧 1 (1.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 起立性低血圧 0 (0.0%) 1 (1.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)

発現例数(発現率) a:糖尿病の悪化として報告された。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.6A.1.5

2.7.6.24.6.1.2 52 週投与

50 mg 無作為化群の有害事象の発現率は,81.4%(79/97 例)であった。ほとんどの有害事象の

程度は軽度であった(表 2.7.6.24-22)。

50 mg 無作為化群で発現率が 5%以上の有害事象は,鼻咽頭炎(35.1%,34/97 例),頻尿(12.4%,

12/97 例),関節痛,湿疹(各 6.2%,6/97 例),背部痛及び口渇(各 5.2%,5/97 例)の 6 事象であっ

た(表 2.7.6.24-23)。

なお,プラセボ/50 mg 群及びプラセボ/100 mg 群の有害事象の発現率は,それぞれ 60.0%(3/5

例)及び 80.0%(8/10 例)であり,そのほとんどが軽度であった。

652

Page 279: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-22 有害事象の要約:SAF(52 週)

50 mg 無作為化 治療 I 期/治療 II 期 50/50 mg 50/100 mg

N=97 N=36 N=33 有害事象 79 (81.4%) 32 (88.9%) 28 (84.8%) 副作用 30 (30.9%) 10 (27.8%) 14 (42.4%) 有害事象の件数 255 125 94 副作用の件数 56 20 25 重篤な有害事象 3 (3.1%) 2 (5.6%) 0 重篤な副作用 1 (1.0%) 1 (2.8%) 0 投与中止に至った有害事象 3 (3.1%) 1 (2.8%) 0 投与中止に至った副作用 2 (2.1%) 1 (2.8%) 0 程度別の有害事象 a 軽度 71 (73.2%) 29 (80.6%) 27 (81.8%) 中等度 5 (5.2%) 1 (2.8%) 1 (3.0%) 重度 3 (3.1%) 2 (5.6%) 0

発現例数(発現率)(事象の件数は除く) a:同一の被験者が複数の有害事象を発現した場合,最も重い程度の事象を解析対象とした。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.6B.1.1.1,12.6B.1.1.2,12.6B.1.2.1,12.6B.1.2.2,12.6B.1.8.1.1,12.6B.1.8.1.2

653

Page 280: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-23 器官別大分類,基本語別のすべての有害事象と副作用:SAF(52 週) MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 50 mg 無作為化

N=97 50 mg 無作為化

N=97 全事象 79 (81.4%) 30 (30.9%) 心臓障害 2 (2.1%) 0 (0.0%) 第二度房室ブロック 1 (1.0%) 0 (0.0%) 洞性頻脈 1 (1.0%) 0 (0.0%)

耳および迷路障害 2 (2.1%) 0 (0.0%) 回転性めまい 1 (1.0%) 0 (0.0%) 頭位性回転性めまい 1 (1.0%) 0 (0.0%)

眼障害 9 (9.3%) 3 (3.1%) 眼精疲労 1 (1.0%) 0 (0.0%) 結膜出血 0 (0.0%) 0 (0.0%) アレルギー性結膜炎 2 (2.1%) 1 (1.0%) 糖尿病性網膜症 3 (3.1%) 1 (1.0%) 眼乾燥 1 (1.0%) 0 (0.0%) 眼瞼浮腫 1 (1.0%) 1 (1.0%) 飛蚊症 1 (1.0%) 0 (0.0%)

胃腸障害 25 (25.8%) 5 (5.2%) 腹部不快感 2 (2.1%) 0 (0.0%) 腹痛 2 (2.1%) 0 (0.0%) 結腸ポリープ 1 (1.0%) 0 (0.0%) 便秘 2 (2.1%) 1 (1.0%) 齲歯 4 (4.1%) 0 (0.0%) 下痢 3 (3.1%) 1 (1.0%) 十二指腸潰瘍 2 (2.1%) 1 (1.0%) 消化不良 2 (2.1%) 0 (0.0%) 腸炎 1 (1.0%) 0 (0.0%) 硬便 1 (1.0%) 0 (0.0%) 胃ポリープ 1 (1.0%) 0 (0.0%) 胃潰瘍 1 (1.0%) 1 (1.0%) 胃炎 4 (4.1%) 1 (1.0%) 胃食道逆流性疾患 1 (1.0%) 0 (0.0%) 痔核 1 (1.0%) 0 (0.0%) 裂孔ヘルニア 1 (1.0%) 0 (0.0%) 過敏性腸症候群 1 (1.0%) 0 (0.0%) 悪心 1 (1.0%) 0 (0.0%) 口腔内不快感 1 (1.0%) 1 (1.0%) 歯周炎 1 (1.0%) 0 (0.0%) 直腸ポリープ 1 (1.0%) 0 (0.0%) 逆流性食道炎 2 (2.1%) 0 (0.0%) 嘔吐 1 (1.0%) 0 (0.0%) 消化管運動障害 1 (1.0%) 0 (0.0%)

全身障害および投与局所様態 8 (8.2%) 7 (7.2%) 空腹 1 (1.0%) 1 (1.0%) 末梢性浮腫 3 (3.1%) 2 (2.1%) 口渇 5 (5.2%) 5 (5.2%)

肝胆道系障害 1 (1.0%) 0 (0.0%) 脂肪肝 1 (1.0%) 0 (0.0%)

感染症および寄生虫症 44 (45.4%) 5 (5.2%) 細菌尿 1 (1.0%) 1 (1.0%) 蜂巣炎 1 (1.0%) 0 (0.0%)

654

Page 281: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 50 mg 無作為化

N=97 50 mg 無作為化

N=97 膀胱炎 3 (3.1%) 2 (2.1%) 胃腸炎 2 (2.1%) 0 (0.0%) インフルエンザ 3 (3.1%) 0 (0.0%) 鼻咽頭炎 34 (35.1%) 0 (0.0%) 咽頭炎 1 (1.0%) 0 (0.0%) 腎盂腎炎 1 (1.0%) 1 (1.0%) 尿路感染 1 (1.0%) 1 (1.0%) 外陰部腟カンジダ症 2 (2.1%) 2 (2.1%) 歯肉膿瘍 1 (1.0%) 0 (0.0%) ヘリコバクター感染 1 (1.0%) 0 (0.0%) 感染性小腸結腸炎 1 (1.0%) 0 (0.0%) ウイルス性腸炎 1 (1.0%) 0 (0.0%) 口腔ヘルペス 0 (0.0%) 0 (0.0%) 手白癬 1 (1.0%) 0 (0.0%)

傷害、中毒および処置合併症 13 (13.4%) 0 (0.0%) 節足動物刺傷 2 (2.1%) 0 (0.0%) 鎖骨骨折 1 (1.0%) 0 (0.0%) 関節脱臼 0 (0.0%) 0 (0.0%) 関節捻挫 2 (2.1%) 0 (0.0%) 多発骨折 1 (1.0%) 0 (0.0%) 擦過傷 1 (1.0%) 0 (0.0%) 筋挫傷 1 (1.0%) 0 (0.0%) 挫傷 4 (4.1%) 0 (0.0%) 創傷 2 (2.1%) 0 (0.0%) 皮膚裂傷 1 (1.0%) 0 (0.0%) 歯の完全脱臼 0 (0.0%) 0 (0.0%)

臨床検査 6 (6.2%) 4 (4.1%) 尿中 β2 ミクログロブリン増加 1 (1.0%) 0 (0.0%) 血圧低下 1 (1.0%) 1 (1.0%) 血中トリグリセリド増加 1 (1.0%) 0 (0.0%) ヘマトクリット増加 1 (1.0%) 1 (1.0%) ヘモグロビン増加 1 (1.0%) 1 (1.0%) 赤血球数増加 1 (1.0%) 1 (1.0%) 体重減少 1 (1.0%) 1 (1.0%) 尿中ケトン体陽性 1 (1.0%) 1 (1.0%)

代謝および栄養障害 4 (4.1%) 2 (2.1%) 糖尿病 a 1 (1.0%) 0 (0.0%) 痛風 1 (1.0%) 1 (1.0%) 低血糖症 1 (1.0%) 1 (1.0%) 脂質異常症 1 (1.0%) 0 (0.0%)

筋骨格系および結合組織障害 19 (19.6%) 1 (1.0%) 関節痛 6 (6.2%) 0 (0.0%) 背部痛 5 (5.2%) 0 (0.0%) 筋膜炎 1 (1.0%) 0 (0.0%) 筋痙縮 1 (1.0%) 0 (0.0%) 筋骨格痛 2 (2.1%) 0 (0.0%) 筋肉痛 1 (1.0%) 1 (1.0%) 骨粗鬆症 1 (1.0%) 0 (0.0%) 四肢痛 2 (2.1%) 0 (0.0%) 関節周囲炎 2 (2.1%) 0 (0.0%)

655

Page 282: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1 器官別大分類(SOC) 基本語(PT)

有害事象 副作用 50 mg 無作為化

N=97 50 mg 無作為化

N=97 肩回旋筋腱板症候群 0 (0.0%) 0 (0.0%) 脊柱管狭窄症 1 (1.0%) 0 (0.0%) 変形性脊椎炎 1 (1.0%) 0 (0.0%) 椎間板突出 1 (1.0%) 0 (0.0%) 筋骨格硬直 1 (1.0%) 0 (0.0%)

良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞および

ポリープを含む)

1 (1.0%) 0 (0.0%)

子宮平滑筋腫 1 (1.0%) 0 (0.0%) 神経系障害 10 (10.3%) 1 (1.0%) 頚腕症候群 1 (1.0%) 0 (0.0%) 糖尿病性ニューロパチー 2 (2.1%) 0 (0.0%) 浮動性めまい 2 (2.1%) 1 (1.0%) 頭痛 2 (2.1%) 0 (0.0%) 知覚過敏 1 (1.0%) 0 (0.0%) 感覚鈍麻 2 (2.1%) 0 (0.0%) 坐骨神経痛 1 (1.0%) 0 (0.0%) 三叉神経痛 1 (1.0%) 0 (0.0%)

精神障害 2 (2.1%) 0 (0.0%) うつ病 1 (1.0%) 0 (0.0%) 不眠症 1 (1.0%) 0 (0.0%)

腎および尿路障害 14 (14.4%) 12 (12.4%) 尿管結石 0 (0.0%) 0 (0.0%) 排尿困難 1 (1.0%) 0 (0.0%) 頻尿 12 (12.4%) 11 (11.3%) 多尿 3 (3.1%) 3 (3.1%)

生殖系および乳房障害 3 (3.1%) 2 (2.1%) 陰部そう痒症 3 (3.1%) 2 (2.1%)

呼吸器、胸郭および縦隔障害 7 (7.2%) 0 (0.0%) 喘息 1 (1.0%) 0 (0.0%) アレルギー性鼻炎 4 (4.1%) 0 (0.0%) 上気道の炎症 2 (2.1%) 0 (0.0%) アレルギー性気管支炎 0 (0.0%) 0 (0.0%) 口腔咽頭痛 1 (1.0%) 0 (0.0%)

皮膚および皮下組織障害 14 (14.4%) 4 (4.1%) 脱毛症 1 (1.0%) 1 (1.0%) アレルギー性皮膚炎 1 (1.0%) 0 (0.0%) 接触性皮膚炎 2 (2.1%) 0 (0.0%) 湿疹 6 (6.2%) 2 (2.1%) 皮下出血 1 (1.0%) 0 (0.0%) 過角化 1 (1.0%) 0 (0.0%) 発疹 1 (1.0%) 0 (0.0%) 蕁麻疹 1 (1.0%) 1 (1.0%) 全身性そう痒症 1 (1.0%) 1 (1.0%)

血管障害 4 (4.1%) 0 (0.0%) 動脈硬化症 2 (2.1%) 0 (0.0%) 起立性低血圧 2 (2.1%) 0 (0.0%)

発現例数(発現率) a:糖尿病の悪化として報告された。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.6B.1.4.1

656

Page 283: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.24.6.1.3 死亡,その他の重篤な有害事象

本試験では 1 件の偶発的死亡が報告された。治療 I 期に本剤 50 mg 群に無作為化された被験者

(S70408,56 歳,女性)が,治験薬処方後,津波による被害で死亡した。本被験者は,プラセボ

run-in 期を完了し,治療 I 期用治験薬を処方されていたが,本被験者の治験薬の投与の有無は不明

であった。死亡は自然災害によるものであるため,治験担当医師により,本事象と治験薬との関

連性は否定された。本被験者の治験薬の投与の有無が不明であったため,本被験者は SAF として

採用しなかった。

24 週投与時の重篤な有害事象の発現率は,プラセボ群で 3.7%(2/54 例),50 mg 群で 1.0%(1/97

例)であった。プラセボ群でみられた重篤な有害事象は,日光性角化症及びボーエン病(1 例),

並びに白内障手術(1 例),50 mg 群では鎖骨骨折(1 例)であった(表 2.7.6.24-24)。これらの重

篤な有害事象の治験薬との関連性は,治験担当医師により否定された。

治療 II 期移行後,重篤な有害事象は,プラセボ/100 mg 群で 1 例(挫傷及び肩回旋筋腱板症候

群),50/50 mg 群で 2 例(多発骨折及び腎盂腎炎,各 1 例)でみられた。腎盂腎炎と治験薬との関

連性は,多分(おそらく)関連ありと判定され,その他は治験薬との関連性は否定された。

重篤な有害事象の叙述を CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)の別添 1 に示す。

表 2.7.6.24-24 重篤な有害事象の一覧 症例 番号

性別 /年齢

MedDRA (v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の 処置

プラセボ/-

S72802 男性/82 日光性角化症 112

54 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 ボーエン病 54 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止

S73204 女性/68 白内障手術 163 85 (I)/112 軽度 回復 否定できる 変更なし プラセボ/ASP1941 100 mg

S70101 女性/63 挫傷 364 (169) 309 (II)/- 中等度 軽快 否定できる 変更なし

肩回旋筋腱板症候群 309 (II)/- 中等度 未回復 否定できる 変更なし ASP1941 50 mg/- S73504 男性/62 鎖骨骨折 112 115 (I’)/- 重度 軽快 否定できる 該当なし ASP1941 50/50 mg S70801 男性/50 多発骨折 362 200 (II)/358 重度 回復 否定できる 変更なし

S71401 女性/69 腎盂腎炎 279 278 (II)/299 重度 回復 多分(おそらく) 関連あり 中止

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,I’:治療 II 期に移行しなかった患者の 24 週又は中止後,II:治療 II 期の

初回投与後 a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Appendix 13.2.7A.4,13.2.7B.4

2.7.6.24.6.1.4 投与中止に至った有害事象

24 週投与時での投与中止に至った有害事象の発現率は,プラセボ群(11.1%,6/54 例)で 50 mg

群(2.1%,2/97 例)に比べて高かった。プラセボ群の投与中止に至った有害事象は,6 例中 5 例

が糖尿病(医師記載用語:糖尿病の悪化)で,1 例は,日光性角化症及びボーエン病であった(表

657

Page 284: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.24-25)。50 mg群の投与中止に至った有害事象は,2例中1例は全身性そう痒症及び尿路感染,

残る 1 例は糖尿病であった。50 mg 群及びプラセボ群のこれらの有害事象のうち,糖尿病,日光

性角化症及びボーエン病は,治験薬との関連性が否定された。全身性そう痒症及び尿路感染は治

験薬と関連あるかもしれないと判定された。

治療 II 期移行後,投与中止に至った有害事象は,50/50 mg の 1 例(腎盂腎炎)にみられた。

表 2.7.6.24-25 投与中止に至った有害事象の一覧 症例 番号

性別 /年齢

MedDRA (v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の

処置 プラセボ/- S71301 男性/69 糖尿病 36 29 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 S71503 男性/53 糖尿病 116 64 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 S72404 男性/53 糖尿病 111 85 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 S72602 男性/62 糖尿病 78 56 (I)/108 軽度 回復 否定できる 中止

S72802 男性/82 日光性角化症 112

54 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止 ボーエン病 54 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止

S72912 男性/43 糖尿病 113 86 (I)/- 中等度 未回復 否定できる 中止 ASP1941 50 mg/-

S70210 女性/62 全身性そう痒症

46 40 (I)/46 軽度 回復 関連あるかも

しれない 中止

尿路感染 35 (I)/68 軽度 回復 関連あるかも しれない 中止

S70702 男性/47 糖尿病 119 106 (I)/- 中等度 未回復 否定できる 中止 ASP1941 50/50 mg

S71401 女性/69 腎盂腎炎 279 278 (II)/299 重度 回復 多分(おそらく) 関連あり 中止

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,II:治療 II 期の初回投与後 a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Appendix 13.2.7A.6,13.2.7B.6

2.7.6.24.6.1.5 注目すべき有害事象

低血糖,尿路感染症,性器感染症,並びに多尿及び頻尿関連の有害事象を注目すべき有害事象

として取り扱った(表 2.7.6.24-26,表 2.7.6.24-27)。

24 週投与時では,尿路感染症関連の有害事象を除き,注目すべき有害事象はプラセボ群ではみ

られなかった。24 週投与時の低血糖関連の有害事象の発現率は,50 mg 群で 1.0%(1/97 例)であっ

た。低血糖症状は,中等度と判定されたが,投与中止に至らなかった(表 2.7.6.24-28)。尿路感染

症関連の有害事象の発現率は,プラセボ群で 1.9%(1/54 例),50 mg 群で 3.1%(3/97 例)であっ

た。いずれも軽度であったものの,1 例が投与を中止した(表 2.7.6.24-29)。性器感染症関連の有

害事象の発現率は,50 mg 群で 2.1%(2/97 例)であり,いずれも軽度で,投与中止に至らなかっ

た。(表 2.7.6.24-30)。多尿及び頻尿関連の有害事象の発現率は,50 mg 群で 13.4%(13/97 例)で

あり,いずれも軽度で,投与中止に至らなかった(表 2.7.6.24-31)。

治療 II 期移行後では,低血糖関連の有害事象は発現しなかった。尿路感染症関連の有害事象は

50/50 mg 群の 1 例にみられた。性器感染症関連の有害事象は,プラセボ/100 mg 群の 1 例,50/50 mg

658

Page 285: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

群の 1 例,及び 50/100 mg 群の 1 例の計 3 例にみられた。多尿及び頻尿関連の有害事象は,プラ

セボ/100 mg群の1例にみられた。これらの注目すべき有害事象のうち腎盂腎炎(尿路感染症関連,

50/50 mg 群)は,重度と判定され,投与中止となった。その他の注目すべき有害事象は,いずれ

も軽度で,投与中止に至らなかった。

表 2.7.6.24-26 注目すべき有害事象の要約:SAF(24 週)

プラセボ ASP1941 50 mg N=54 N=97

低血糖関連の有害事象 0 1 (1.0%) 低血糖関連の副作用 0 1 (1.0%) 尿路感染症関連の有害事象 1 (1.9%) 3 (3.1%) 尿路感染症関連の副作用 1 (1.9%) 2 (2.1%) 性器感染症関連の有害事象 0 2 (2.1%) 性器感染症関連の副作用 0 2 (2.1%) 多尿及び頻尿関連の有害事象 0 13 (13.4%) 多尿及び頻尿関連の副作用 0 12 (12.4%) 発現例数(発現率) Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.6A.1.4

表 2.7.6.24-27 注目すべき有害事象の要約:SAF(52 週)

50 mg 無作為化 治療 I 期/治療 II 期 50/50 mg 50/100 mg

N=97 N=36 N=33 低血糖関連の有害事象 1 (1.0%) 0 0 低血糖関連の副作用 1 (1.0%) 0 0 尿路感染症関連の有害事象 4 (4.1%) 1 (2.8%) 0 尿路感染症関連の副作用 3 (3.1%) 1 (2.8%) 0 性器感染症関連の有害事象 4 (4.1%) 1 (2.8%) 3 (9.1%) 性器感染症関連の副作用 4 (4.1%) 1 (2.8%) 3 (9.1%) 多尿及び頻尿関連の有害事象 13 (13.4%) 7 (19.4%) 4 (12.1%) 多尿及び頻尿関連の副作用 12 (12.4%) 7 (19.4%) 3 (9.1%) 発現例数(発現率) Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.6B.1.3.1,12.6B.1.3.2

表 2.7.6.24-28 低血糖関連の有害事象の一覧

症例 番号

性別 /年齢

MedDRA (v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の 処置

ASP1941 50 mg/-

S71304 女性/65 低血糖症 168 26 (I)/26 中等度 回復 関連あるかも しれない 変更なし

I:初回投与から 24 週又は中止時の間 a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Appendix 13.2.7A.3.2

659

Page 286: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-29 尿路感染症関連の有害事象の一覧 症例 番号

性別 /年齢

MedDRA (v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の 処置

プラセボ/ASP1941 100 mg

S71206 女性/63 膀胱炎 364 (169) 141 (I)/225 軽度 回復 関連あるかも

しれない 変更なし

ASP1941 50 mg/-

S70210 女性/62 尿路感染 46 35 (I)/68 軽度 回復 関連あるかも

しれない 中止

S70603 女性/50 膀胱炎 168 192 (I’)/208 軽度 回復 否定できる 該当なし

S71902 女性/58 膀胱炎 164 3 (I)/20 軽度 回復 多分(おそらく)

関連あり 変更なし

ASP1941 50/50 mg

S71401 女性/69

細菌尿

279

218 (II)/- 軽度 未回復 多分(おそらく)

関連あり 変更なし

膀胱炎 271 (II)/- 軽度 未回復 多分(おそらく)

関連あり 変更なし

腎盂腎炎 278 (II)/299 重度 回復 多分(おそらく)

関連あり 中止

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,I’:治療 II 期に移行しなかった患者の 24 週又は中止後,II:治療 II 期の

初回投与後 a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Appendix 13.2.7A.3.1,13.2.7A.3.3,13.2.5B.1,13.2.7B.2.1,13.2.7B.3.1,13.2.7B.3.3

表 2.7.6.24-30 性器感染症関連の有害事象の一覧

症例 番号

性別 /年齢

MedDRA (v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の 処置

プラセボ/ASP1941 100 mg

S71602 女性/67 外陰部腟カンジダ症 362 (167)

168 (II)/301 軽度 回復 否定できる 変更なし 外陰部腟カンジダ症 337 (II)/376 軽度 回復 否定できる 変更なし

ASP1941 50/50 mg

S71102 女性/69 陰部そう痒症 368 257 (II)/294 軽度 回復 多分(おそらく) 関連あり 変更なし

ASP1941 50/100 mg

S71903 女性/57 陰部そう痒症 372 (156) 19 (I)/71 軽度 回復 多分(おそらく) 関連あり 変更なし

S72010 女性/64 外陰部腟カンジダ症 357 (169) 287 (II)/294 軽度 回復 関連あるかも しれない 変更なし

S72603 女性/49 外陰部腟カンジダ症 266 (178) 136 (I)/149 軽度 回復 関連あるかも しれない 変更なし

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,II:治療 II 期の初回投与後 a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Appendix 13.2.7A.3.1,13.2.7A.3.4,13.2.5B.1,13.2.7B.3.1,13.2.7B.3.4

660

Page 287: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-31 多尿及び頻尿関連の有害事象の一覧 症例 番号

性別 /年齢

MedDRA (v. 12.1) 基本語

最終投与日 (増量日)a

発現日(時期) /終了日 a 程度 転帰 治験薬との

関連性 治験薬の 処置

プラセボ/ASP1941 100 mg

S71701 男性/61 頻尿 364 (169) 172 (II)/375 軽度 回復 多分(おそらく) 関連あり 変更なし

ASP1941 50 mg/- S71402 男性/46 頻尿 176 2 (I)/- 軽度 軽快 関連あるかも

しれない 変更なし

S73201 男性/48 多尿

168 7 (I)/176 軽度 回復 多分(おそらく)

関連あり 変更なし

頻尿 43 (I)/176 軽度 回復 多分(おそらく) 関連あり 変更なし

ASP1941 50/50 mg

S70308 男性/67 頻尿 364 1 (I)/390 軽度 回復 関連あるかも しれない 変更なし

S70801 男性/50 頻尿 362 2 (I)/364 軽度 回復 関連あるかも しれない 変更なし

S71401 女性/69 頻尿 279 8 (I)/- 軽度 未回復 関連あるかも しれない 変更なし

S73203 男性/58 頻尿 364 2 (I)/368 軽度 回復 多分(おそらく) 関連あり 変更なし

S73208 男性/41 多尿 378 4 (I)/383 軽度 回復 多分(おそらく) 関連あり 変更なし

S73402 男性/60 頻尿 364 4 (I)/- 軽度 未回復 多分(おそらく) 関連あり 変更なし

S73405 男性/69 頻尿 364 3 (I)/29 軽度 回復 多分(おそらく) 関連あり 変更なし

ASP1941 50/100 mg

S70705 男性/49 頻尿 378 (182) 1 (I)/381 軽度 回復 関連あるかも しれない 変更なし

S70903 男性/65 頻尿 362 (183) 22 (I)/25 軽度 回復 否定できる 変更なし

S72403 男性/55 頻尿 363 (169) 5 (I)/372 軽度 回復 関連あるかも しれない 変更なし

S73206 女性/58 頻尿

378 (176) 4 (I)/382 軽度 回復 多分(おそらく)

関連あり 変更なし

多尿 20 (I)/382 軽度 回復 多分(おそらく) 関連あり 変更なし

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,II:治療 II 期の初回投与後 a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Appendix 13.2.7A.3.1,13.2.5B.1,13.2.7B.3.5

2.7.6.24.6.1.6 有害事象の発現時期(52 週投与)

50 mg 無作為化群の有害事象の発現率,重篤な有害事象の発現率,投与中止に至った有害事象

の発現率,5%以上に認められた有害事象の発現率を発現時期別に検討した結果,いずれも投与期

間の経過に伴う明らかな増加は認められなかった(表 2.7.6.24-32)。

50/100 mg 群の有害事象の発現率,重篤な有害事象の発現率,投与中止に至った有害事象の発現

率,5%以上に認められた有害事象の発現率を増量前後で検討した結果,いずれも 100 mg への増

量に伴う明らかな影響は認められなかった(表 2.7.6.24-33)。

661

Page 288: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.24-32 50 mg 無作為化群の有害事象の発現時期:SAF(52 週)

Day

合計 1-90 91-180a 181-270 271-360 361- (N=97) (N=93) (N=89) (N=68) (N=66) (N=97)

全事象 54 (55.7%) 38 (40.9%) 36 (40.4%) 29 (42.6%) 12 (18.2%) 79 (81.4%) 重篤な有害事象 0 1 (1.1%) 1 (1.1%) 1 (1.5%) 0 3 (3.1%) 投与中止に至った有害事象 1 (1.0%) 1 (1.1%) 0 1 (1.5%) 0 3 (3.1%) 5%以上にみられた有害事象(MedDRA Version 12.1,基本語) 口渇 5 (5.2%) 0 0 0 0 5 (5.2%) 鼻咽頭炎 20 (20.6%) 7 (7.5%) 7 (7.9%) 13 (19.1%) 3 (4.5%) 34 (35.1%) 関節痛 0 1 (1.1%) 5 (5.6%) 0 0 6 (6.2%) 背部痛 1 (1.0%) 2 (2.2%) 2 (2.2%) 0 0 5 (5.2%) 頻尿 12 (12.4%) 0 0 0 0 12 (12.4%) 湿疹 2 (2.1%) 2 (2.2%) 1 (1.1%) 2 (2.9%) 0 6 (6.2%)

発現例数(発現率) a:24 週時(来院基準日:Day 169)に,治療 I 期から治療 II 期に移行した。 Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.6B.1.10.1.1

表 2.7.6.24-33 50/100 mg 群の有害事象の発現時期(増量前後別):SAF(52 週)

増量前 増量後 N=33 N=33

全事象 24 (72.7%) 22 (66.7%) 重篤な有害事象 0 0 投与中止に至った有害事象 0 0 5%以上にみられた有害事象(MedDRA Version 12.1,基本語) 鼻咽頭炎 11 (33.3%) 8 (24.2%) 頻尿 4 (12.1%) 0 湿疹 1 (3.0%) 2 (6.1%) 動脈硬化症 0 2 (6.1%)

発現例数(発現率) Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.6B.1.11.1

2.7.6.24.6.2 臨床検査値

24 週投与では,プラセボ群と 50 mg 群との間で,臨床的に問題となる臨床検査値(平均値)の

推移の違いはみられなかった。52 週投与では,臨床的に問題となる臨床検査値(平均値)のベー

スラインからの変化はみられなかった。

2.7.6.24.6.3 バイタルサイン

2.7.6.24.6.3.1 24 週投与

治療 I 期最終時点での収縮期血圧のベースラインからの平均変化量は,プラセボ群で−2.5 mmHg,

50 mg 群で−5.9 mmHg であった(表 2.7.6.24-34)。治療 I 期最終時点での拡張期血圧のベースライ

662

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2.7.6 個々の試験のまとめ

ンからの平均変化量は,プラセボ群で 1.7 mmHg,50 mg 群で−4.1 mmHg であった。脈拍数のベー

スラインからの平均変化量には,プラセボ群と 50 mg 群との間で明らかな違いはみられなかった。

表 2.7.6.24-34 バイタルサインの要約:SAF(24 週)

プラセボ ASP1941 50 mg N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

収縮期血圧 (mmHg)

治療期開始時(ベースライン) 54 130.0 (12.61) 97 130.6 (13.57) 治療 I 期最終時点 54 127.5 (14.59) 97 124.7 (12.94) 変化量 54 –2.5 (14.46) 97 –5.9 (13.79)

拡張期血圧 (mmHg)

治療期開始時(ベースライン) 54 76.6 (8.94) 97 78.6 (8.40) 治療 I 期最終時点 54 78.3 (9.95) 97 74.5 (9.99) 変化量 54 1.7 (10.73) 97 –4.1 (8.41)

脈拍数 (bpm)

治療期開始時(ベースライン) 54 72.5 (11.65) 97 73.8 (10.18) 治療 I 期最終時点 54 74.1 (12.25) 97 72.1 (9.24) 変化量 54 1.6 (8.39) 97 –1.8 (9.01)

Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.6A.3.1,12.6A.3.2

2.7.6.24.6.3.2 52 週投与

50 mg 無作為化群では,収縮期血圧の平均値はベースラインの 130.6 mmHg から本剤投与最終時

点の 124.9 mmHg へ低下した。拡張期血圧の平均値はベースラインの 78.6 mmHg から本剤投与最

終時点の 75.1 mmHg へ低下した(表 2.7.6.24-35)。脈拍数の平均値には,ベースライン,治療 I 期

最終時点及び本剤投与最終時点との間で明確な違いはみられなかった。

表 2.7.6.24-35 バイタルサインの要約:SAF(52 週)

50 mg 無作為化 治療 I 期/治療 II 期 50/50 mg 50/100 mg

N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

収縮期 血圧 (mmHg)

治療期開始時(ベースライン) 97 130.6 (13.57) 36 130.6 (10.80) 33 130.8 (14.89) 治療 I 期最終時点 97 124.7 (12.94) 36 128.2 (11.15) 33 120.8 (10.34) ASP1941 投与最終時点 97 124.9 (12.76) 36 127.0 (9.96) 33 122.5 (11.76) 後観察時 95 128.7 (11.83) 36 129.9 (9.27) 33 127.2 (12.34)

拡張期 血圧 (mmHg)

治療期開始時(ベースライン) 97 78.6 (8.40) 36 80.7 (5.74) 33 78.3 (9.84) 治療 I 期最終時点 97 74.5 (9.99) 36 76.1 (8.29) 33 73.4 (9.17) ASP1941 投与最終時点 97 75.1 (10.39) 36 77.8 (8.27) 33 73.4 (10.03) 後観察時 95 77.2 (9.17) 36 78.7 (8.28) 33 75.9 (9.18)

脈拍数 (bpm)

治療期開始時(ベースライン) 97 73.8 (10.18) 36 73.1 (11.32) 33 73.7 (9.19) 治療 I 期最終時点 97 72.1 (9.24) 36 71.1 (10.65) 33 73.4 (8.75) ASP1941 投与最終時点 97 72.5 (10.86) 36 73.9 (14.10) 33 71.7 (8.98) 後観察時 95 72.5 (9.90) 36 71.8 (12.25) 33 74.5 (8.38)

Source:CL-0107 総括報告書(5.3.5.1-4)Table 12.6B.3.1.1,12.6B.3.1.2

2.7.6.24.6.4 心電図

24 週投与では,臨床的に重要な心電図異常は,プラセボ群及び 50 mg 群ともに治療 I 期用治験

薬投与開始後にみられなかった。52 週投与では,臨床的に重要な心電図異常は,1 例(50/50 mg

663

Page 290: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6 個々の試験のまとめ

群)でみられた。本被験者では,治療期 44 週時に臨床的に重要な心電図異常(洞性頻脈)が認め

られ,本試験期間中継続した。洞性頻脈の程度は軽度で,同様の事象が 2 年前にもみられていた

ため,治験薬との関連性は否定された。

2.7.6.24.6.5 eGFR

24 週投与では,プラセボ群と 50 mg 群との間で,臨床的に問題となる eGFR(平均値)の推移

の違いはみられなかった。52 週投与では,50 mg 無作為化群では,臨床的に問題となる eGFR(平

均値)のベースラインからの変化はみられなかった。

2.7.6.24.7 結論

本試験の結果から,以下の結論が得られた。

● ピオグリタゾン単独療法で血糖管理不十分な 2 型糖尿病患者を対象に,本剤 50 mg をピオグ

リタゾンと 1 日 1 回,24 週間,併用投与した結果,本剤は HbA1c 値を減少させるのに有効で

あること(本剤のプラセボに対する優越性)が示された。

● 本剤 50 mg をピオグリタゾンと 1 日 1 回,24 週間,併用投与したときの安全性に問題はなく,

忍容性は良好であった。

● 本剤 50 mg をピオグリタゾンと 1 日 1 回,併用投与したときの有効性は,52 週時まで維持さ

れた。

● 本剤 50 mg をピオグリタゾンと 1 日 1 回,併用投与したときに血糖管理不十分であった被験

者で,24 週時に本剤を 100 mg に増量した結果,HbA1c 値及び空腹時血糖値の更なる改善が

みられた。

● 本剤をピオグリタゾンと 1 日 1 回,52 週間,併用投与したときの安全性は,24 週時に 50 mg

から 100 mg に増量した場合も含めて特に問題はなく,忍容性は良好であった。本試験で,大

きな安全性の懸念は示されなかった。

664

Page 291: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.25 スルホニルウレア剤併用試験[CL-0109](添付資料 5.3.5.1-5)

2.7.6.25.1 試験方法の概略

治験課題名:ASP1941 第 III 相試験 -2 型糖尿病患者を対象としたスルホニルウレア剤併用二重

盲検並行群間比較試験-

治験実施医療機関:日本 35 施設

公表文献:なし

治験期間:

治験開始日:2010 年 9 月

治験終了日:2012 年 4 月

開発のフェーズ:第 III 相

目的:

スルホニルウレア剤(以下,SU 剤)単独療法にて血糖管理不十分な 2 型糖尿病患者を対象として,

以下の項目を検討する。

<主要な目的>

・ASP1941(以下,本剤)50 mg 又はプラセボを 1 日 1 回,24 週間,SU 剤と併用投与した際の

HbA1c 値の変化量に基づく本剤の有効性(プラセボに対する優越性)及び安全性の検討

<副次的な目的>

・本剤を 1 日 1 回,SU 剤と長期併用投与(52 週間)した際の安全性の検討

・本剤 50 mg を 1 日 1 回,SU 剤と長期併用投与(52 週間)した際の効果の持続性の検討

・本剤 50 mg を 1 日 1 回,SU 剤と併用投与した際の,血糖管理不十分な患者に対する本剤

100 mg への増量効果の検討

治験デザイン・治験方法:

【治療 I 期(二重盲検期;24 週間)】

プラセボ対照,多施設共同,二重盲検,並行群間比較として実施した。Visit 1 前,4 週間以上の

SU 剤(グリベンクラミド,グリクラジド,グリメピリドのいずれか 1 剤)単独療法にて血糖管理

不十分な 2 型糖尿病患者を対象とし,SU 剤以外の血糖降下薬を併用している被験者には,文書に

よる同意取得後,Visit 1 前,4 週間の washout 期を設定した。被験者は,4 週間のスクリーニング

期と,単盲検下 2 週間のプラセボ run-in 期を経て,本剤 50 mg 群又はプラセボ群に 2:1 の割合で

割り付けられた。その後,二重盲検下で本剤 50 mg 又はプラセボを 1 日 1 回 1 錠,24 週間,SU

剤と併用投与した。Visit 1 前 4 週以降 Visit 17 の有効性評価の検査終了まで,SU 剤の種類は変更

せず,承認された一定の用法(朝又は朝夕,食前又は食後)・用量とすることとした。

【治療 II 期(非盲検期;28 週間)】

多施設共同,非盲検として実施した。治療 I 期の Visit 10(24W)時に以下の継続基準を満たし,

かつ被験者の安全性に問題ないと治験担当医師が判断した場合,治療 II 期開始時より本剤 1 日 1

回 1 錠(50 mg)を,28 週間,SU 剤と併用投与した。なお,継続基準,かつ以下の増量基準を満

たし,被験者も増量を希望した場合は,治療 II 期開始時より本剤 1 日 1 回 2 錠(100 mg)への増

量を可能とした。増量後,安全性に問題があると判断された場合は 1 日 1 回 1 錠(50 mg)へ減量

を可としたが,減量後に用量を変更することは不可とした。

Visit 10 時に継続基準を満たさないか,又は継続に際して被験者の安全性に問題があると治験担当

医師が判断した場合は,治験薬の投与を終了し,後観察期へ移行することとした。

《 継続基準 》

・Visit 9(20W)時の HbA1c 値が 8.0%未満,かつ Visit 3(0W)時の HbA1c 値より低下

・Visit 10(24W)までに被験者より治験継続の意思確認が文書により得られている

《 増量基準 》

・Visit 9(20W)時の HbA1c 値が 7.0%以上

665

Page 292: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

【後観察期】

治験薬投与終了後,4 週間の後観察期を設ける。

なお,本試験では HbA1c 値の表記として Japan Diabetes Society(JDS)値を用いた。

目標被験者数:

225 例(治療 I 期として本剤 50 mg 群 150 例,プラセボ群 75 例)

【設定根拠】

第 II 相用量設定試験[CL-0103]において,主要評価項目である治療期最終時点における HbA1c

値のベースラインからの変化量(%)の平均値(標準偏差)は本剤 50 mg 群で−0.79%(±0.567),

プラセボ群で 0.48%(±0.975)であった。プラセボ群で HbA1c 値がベースラインよりも悪化して

いたが,本試験の被験者数の設定においてはプラセボ群のベースラインからの変化量を 0.0%,本

剤 50 mg 群とプラセボ群の差を−0.79%と想定した。共通の標準偏差を 1.0,有意水準両側 5%,検

出力 90%とすると,プラセボに対する優越性を検証するために必要な被験者数は 1 群あたり 34

例であった。一方,安全性評価については「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライ

ン(平成 22 年 7 月 9 日付薬食審査発 0709 第 1 号)」で「低血糖のリスクが他の血糖降下薬より高

いと考えられる薬剤(SU 薬等)との併用については,1 年間投与した 100 例のデータを収集する

ことが望ましい」と示されていることから,中止症例を考慮して本剤 50 mg 群の症例数を 150 例

とした。また,プラセボ群の症例数を 75 例とした。

診断及び選択・除外基準:

以下の選択基準のすべてを満たし,かつ除外基準のいずれにも該当しない 2型糖尿病患者を対象

とした。

1.選択基準

<同意取得時に確認する事項>

(1) 同意取得時の年齢が 20 歳以上の外来患者

(2) 文書による同意が得られている患者(SU 剤以外の血糖降下薬を washout する場合は Visit

WO-1 の検査前に,washout を行わない場合は Visit 1 の検査前に文書による同意が得られてい

る患者)

(3) 同意取得時点で,2 型糖尿病と診断されてから 12 週(84 日)以上経過している患者

<Visit WO-1(washout 開始時)~Visit WO-2(washout 2 週後)までに確認する事項(SU 剤以外

の血糖降下薬を washout する場合)>

(4) Visit WO-1 の HbA1c 値が 8.5%以下の患者

<Visit 1(スクリーニング時)に確認する事項>

(5) Visit 1 の時点で,4 週(28 日)以上,グリベンクラミド(1.25 mg/日以上),グリクラジド

(40 mg/日以上),グリメピリド(1 mg/日以上)のいずれか 1 剤を単独で承認された一定の用

法(朝又は朝夕,食前又は食後)・用量で使用している患者

<Visit 2(プラセボ run-in 期)~ Visit 3 までに確認する事項>

(6) Visit 2 の HbA1c 値が 7.0%以上 9.5%以下,かつ Visit 1 と Visit 2 の HbA1c 値の変化量が±1.0%

以内の患者

(7) Visit 2 の BMI が 20.0 kg/m2 以上 45.0 kg/m2 以下の患者

(8) Visit 2 の空腹時血糖値が 126 mg/dL 以上の患者

2.除外基準

<Visit WO-1(washout 開始時)及び Visit 1(スクリーニング時)に確認する事項>

(1) 1 型糖尿病の患者

(2) 増殖性網膜症を有する患者

(3) Visit 1 から遡って 12 週(84 日)以内にインスリンの投与を受けた患者

(4) 腎血管閉塞性疾患,腎摘出,腎移植等,医学的に重要な腎疾患の既往歴を有する患者

666

Page 293: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

(5) 神経因性膀胱や前立腺肥大症等により,明らかな排尿障害を合併している患者

(6) 自覚症状を有する尿路感染症,性器感染症を有する患者

(7) 副腎皮質ステロイド製剤,免疫抑制剤,ループ利尿薬等を継続的に使用(内服,注射,吸入)

する必要のある慢性疾患を有する患者

(8) Visit 1 から遡って 12 週(84 日)以内に,脳血管発作,不安定狭心症,心筋梗塞,血管形成

術,重篤な心疾患(NYHA Class III–IV)の既往歴がある患者,又は本剤の投与や安全性の評

価に影響を与えると治験担当医師が判断するような心・脳血管疾患を合併している患者

(9) 不安定な精神医学的疾患を有する患者

(10) 妊娠中,授乳中又は妊娠している可能性のある女性患者

(11) 治験期間中に適切な避妊方法を施行できない患者

(12) 重症感染症,手術前後,重篤な外傷のある患者

(13) 薬物中毒,又はアルコール依存症の患者

(14) 悪性腫瘍の病歴を有する患者(ただし,悪性腫瘍の既往を有していても,同意取得前 5 年以

内に悪性腫瘍に対する治療を行わず,その再発を認めない患者は,組み入れ可能とする)

(15) 過去に本剤やその類薬(SGLT 阻害作用を有する治験薬)に対してアレルギー反応を示した

患者

(16) 過去に本剤の投与(観察期プラセボを除く)を受けた患者

(17) 文書同意取得日から遡って 12 週(84 日)以内に,他の医療用医薬品・医療機器の治験又は

製造販売後臨床試験に参加した経験のある患者,又は現在参加している患者

(18) 本試験で規定した来院や服薬ルール等,被験者が遵守すべき事項をひとつでも遵守できない

患者,又はこれに同意しない患者

<Visit 2(プラセボ run-in 期)~Visit 3 までに確認する事項>

(19) Visit 2 の血清クレアチニン値が基準値上限を超える患者

(20) Visit 2 の尿中のアルブミン/クレアチニン比が 300 mg/g クレアチニンを超える患者

(21) Visit 2 の AST 値又は ALT 値が基準値上限の 2 倍を超える患者

(22) Visit 1 から Visit 2 までに自覚症状を有する尿路感染症,性器感染症を発症した患者

(23) 血圧のコントロールが不良の患者(Visit 2 の 5 分間安静後の坐位の収縮期血圧が 170 mmHg

を超える,又は拡張期血圧が 95 mmHg を超える患者)

(24) Visit 2 に重篤な消化管障害を合併している患者,又は重篤な消化管障害の手術歴を有する患

(25) 糖尿病性ケトアシドーシスの患者

(26) Visit 2 で妊娠が確認された閉経前の女性

(27) その他,治験担当医師により,本試験に組み入れるのが不適当と判断された患者

治験薬,投与量及び投与方法:

1.治験薬及びロット番号

(1) 評価期間前観察期間(プラセボ run-in 期)用薬剤

観察期用 ASP1941 錠 50 mg プラセボ:ASP1941 錠 50 mg と外観上識別不能な錠剤

ロット番号:09141D

(2) 被験薬

ASP1941 錠 50 mg:ASP1941 として 50 mg を含有するフィルムコート錠

ロット番号:1941-CL-0109(治療 I 期),10059C,10148B,10149B,10150B(治療 II 期)

(3) 対照薬

ASP1941 錠 50 mg プラセボ:ASP1941 錠 50 mg と外観上識別不能な錠剤

ロット番号:1941-CL-0109

2.投与量及び投与方法

667

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2.7.6個々の試験のまとめ

(1) 評価期間前観察期間(プラセボ run-in 期)

観察期用 ASP1941 錠 50 mg プラセボを 1 錠,1 日 1 回朝食前に 2 週間経口投与した。

(2) 治療 I 期

ASP1941 錠 50 mg 又はプラセボのいずれか 1 錠を,1 日 1 回朝食前に 24 週間経口投与した。

(3) 治療 II 期

ASP1941 錠 50 mg を 1 錠(又は 2 錠),1 日 1 回朝食前に 28 週間経口投与した。

3.治験薬の増量及び減量

(1) 治療 I 期

Visit 10(24W)来院日に規定されたすべての検査が終了するまで増量は行わなかった。

(2) 治療 II 期

継続基準及び増量基準(治験デザイン・治験方法 参照)を満たし,かつ被験者の安全性に問

題ないと治験担当医師が判断し,被験者も増量を希望した場合,治療 II 期開始時(Visit 10)

にのみ 1 日 1 回 2 錠(100 mg)への増量を可能とした。増量した場合,原則として治療 II 期終

了時まで増量後の用量(100 mg)を維持して治験を継続した。ただし,増量後,安全性に問題

があると判断された場合は 1 日 1 回 1 錠(50 mg)へ減量を可としたが,減量後に用量を変更

することは不可とすることとした。

【設定根拠】

(1) 投与量の設定根拠

第 I 相試験[CL-0101]で,日本人健康成人男性に本剤を 7 日間反復投与したときの尿中グルコー

ス排泄作用には本剤 50 mg 群と 100 mg 群で大きな差は認められなかった。また,第 II 相用量設

定試験[CL-0103]で,日本人 2 型糖尿病患者に本剤を 100 mg まで 12 週間投与したときの安全

性に大きな問題はなく,主要評価項目である HbA1c 値のベースラインからの変化量は本剤 50 mg

群と 100 mg 群で同程度であり,プラセボとの変化量の差はおよそ−1.2%であり,50 mg/日以上で

臨床的に意義のある血糖低下作用を示すと考えた。よって,50 mg/日が臨床推奨用量になると考

えられた。更に,50 mg/日と 100 mg/日の副次評価項目で比較した際に,空腹時血糖値の低下量及

び HbA1c 値の目標達成率(6.5%未満の達成率及び 7.0%未満の達成率)において本剤 100 mg 群が

50 mg 群を上回ったことから,50 mg/日を投与しても効果不十分な患者では,100 mg/日への増量

は有用であると考えられた。以上のことから,臨床用量と考えられる 50 mg/日及び 100 mg/日を本

試験の用量として設定した。

なお,本試験において治療 I 期にてプラセボを服用していた患者が,治療 II 期で 50 mg/日若しく

は 100 mg/日へ切り替えられる際の安全性については,第 II 相用量設定試験[CL-0103]において

本剤 100 mg 群の安全性が確認されていること,及び薬物相互作用試験(グリメピリド)[CL-0059]

において本剤とグリメピリド併用時の薬物動態的な相互作用がないことが確認されていることか

ら,特に問題はないと考えた。

(2) 投与方法の設定根拠

日本人健康成人男性を対象とした第 I 相試験[CL-0101]において,7 日間反復投与したときの本

剤の血漿中未変化体濃度及び尿中グルコース排泄作用の持続性を考慮したところ,1 日 1 回経口

投与が妥当であると考えられたため設定した。また,食事の影響を検討したところ,空腹時と食

後で血漿中未変化体濃度に大きな差がみられなかったことから,朝食前,朝食後のいずれでも投

与が可能であると考えられたが,被験者ごとの投与時期を統一するために朝食前投与とした。

(3) 投与期間の設定根拠

主要評価項目である HbA1c 値を評価するために十分な投与期間として 24 週間を設定した。全体

の投与期間としては,「致命的でない疾患に対し長期間の投与が想定される新医薬品の治験段階に

668

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2.7.6個々の試験のまとめ

おいて安全性を評価するために必要な症例数と投与期間(薬審第 592 号,平成 7 年 5 月 24 日付)」

に基づき,52 週間を設定した。また,HbA1c 値が安定していることを確認するためにスクリーニ

ング期を 4 週間と設定した。プラセボ run-in 期は,投与開始初期のプラセボ効果を軽減するため

に 2 週間を設定した。また,後観察期は投与終了後の安全性を確認するために 4 週間を設定した。

なお,SU 剤以外の血糖降下薬を併用していた場合,それらの血糖降下薬の前投与の影響を少なく

するため,スクリーニング期以前に washout 期を 4 週間設定することとした。

評価期間:

評価期間前観察期間:6 週間(スクリーニング期:4 週間,プラセボ run-in 期:2 週間)

治験薬投与期間:治療 I 期:24 週間,治療 II 期:28 週間

投与後観察期間(後観察期):4 週間

併用治療(薬剤及び療法):

(1) 併用禁止薬

Visit 1 から Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,SU 剤(グリベンクラ

ミド,グリクラジド,グリメピリドのいずれか 1 剤)以外のすべての血糖降下薬の投与を禁止し

た。併用する SU 剤の用法・用量は承認されている用法(朝又は朝夕,食前又は食後)・用量の範

囲とし,Visit 1 前 4 週以降 Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価の検査終了まで,SU 剤の種

類及び用法・用量の変更を禁止とした。なお,Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検

査終了後はすべての血糖降下薬の投与,SU 剤の種類及び用法・用量の変更を可能とすることとし

た。

(2) 条件付併用可能薬

Visit 1 の来院から Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,リウマチ,喘息

等の慢性疾患のための副腎皮質ステロイド製剤,免疫抑制剤及びループ利尿薬の継続的投与(内

服,注射,吸入)を禁止した。ただし,塗布等の局所使用の場合や,一時的な場合は使用を認め

た。また,Visit 1 の来院から Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の検査終了まで,血糖

に直接影響を与えると考えられるブドウ糖及びグルカゴン等の継続的投与(点滴,注射)を禁止

した。ただし,一時的な場合は使用を認めることとした。

(3) 併用禁止療法

Visit 1 の来院までに実施されていた食事療法は,Visit 17(若しくは中止時)の有効性評価項目の

検査終了まで内容の変更を禁止した。また,Visit 1 の来院から Visit 17(若しくは中止時)の有効

性評価項目の検査終了まで糖尿病の治療を目的とした入院療法を禁止した。

669

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2.7.6個々の試験のまとめ

評価項目,評価スケジュール及び評価基準:

1. 評価スケジュール

(1) 治療 I 期

washout 期a

観察期

治療 I 期スクリー

ニング期

プラセボ

run-in 期

Visit WO-1 WO-2 1 2 3b

4 5 6 7 8 9 10

来院日(週) −10 −8 −6 −2 0 2 4 8 12 16 20 24

来院日c(日目) −70 −56 −42 −14 1 15 29 57 85 113 141 169

来院時期の許容範囲

(日目)− − −49~−35 −21~−7 1 8~22

23~

36

50~

64

78~

92

106~

120

134~

148

156~

183

来院日d(日目) 1 15 29 − − − − − − − − −

来院時期の許容範囲

(日目)1

12~

2229~39 − − − − − − − − −

同意取得 Xe

Xe

Xf

治験継続意思確認 Xf

患者背景調査 X X X X

選択除外基準確認 X X X

登録・割り付け Xg

身長h・体重・バイタル

サインX X X X X X X X X X X X

ウエスト周囲径 X X

身体所見 X X X X X X X X X X X X

12 誘導心電図 X X X X X X

妊娠検査(閉経前の女

性のみ)X X

観察期用治験薬の処方 X

治療期用治験薬の処方 X X X X X X X Xi

服薬状況確認 X X X X X X X X

前治療薬・併用薬調査 X X X X X X X X X X X X

有害事象調査j

X X X X X X X X X

血液学的検査

血液生化学検査

尿検査(細菌を除く)k

X X X X X X X X X X X

尿検査(細菌)k

X X X X

尿検査(メタネフリン,

ノルメタネフリン)

骨代謝関連検査 1

血清 CTx

血清 BAP(骨型 ALP)

尿中 NTx,TRACP-5b

X X X X

骨代謝関連検査 2

25-OH ビタミン D

Intact-PTH

X X

HbA1c 値測定(JDS 値) X X X X X X X X X X X

空腹時血糖値測定 X X X X X X X X X X X X

空腹時インスリン測

定・レプチン測定・

アディポネクチン測定

X X X X X X X

a:SU 剤以外の血糖降下薬を併用している被験者は,文書による同意取得後 washout 期を設けた。

b:Visit 3 の値をベースラインとした。

c:治療期用治験薬初回処方日(Visit 3)を 1 日目とし,その前日を−1 日目とした。被験者は来院日には朝食を摂らず,また治

験薬及び SU 剤を服用しないで午前中に来院することとした。

d:washout 期の来院日の基準日及び許容範囲は,washout 開始日(Visit WO-1)を 1 日目とし,その翌日を 2 日目とした。被験

670

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2.7.6個々の試験のまとめ

者は来院日には朝食を摂らず,また血糖降下薬を服用しないで午前中に来院することとした。

e:同意取得は washout を行う場合は Visit WO-1 の検査前に,washout を行わない場合は Visit 1 の検査前に実施した。

f:治験継続の意思確認は文書により Visit 10 までに実施した。

g:登録・治験薬の割り付けは Visit 2~Visit 3 間に実施した。

h:身長は Visit 1 のみ測定した。

i:継続基準を満たさない場合は,治療 II 期用治験薬は処方せず後観察期へ移行することとした。

j:有害事象調査は治験薬服薬後から実施した。

k:尿路感染症が疑われる場合は,規定外の来院であっても,可能な限り尿検査(沈渣と細菌)を実施することとした。

(2) 治療 II 期

治療 II 期 後観察期

Visit 11 12 13 14 15 1617/ 中止

時18

来院日(週) 28 32 36 40 44 4852/ 中止

Visit 17 又は

中止時 l + 4

来院日c(日目) 197 225 253 281 309 337

365 /中止

Visit 17 又は

中止時 l + 28

来院時期の許容範囲

(日目)184~211 212~239 240~267 268~295 296~323 324~351 352~386

Visit 17 又は

中止時 l

+ 14–+ 42

同意取得

治験継続意思確認

患者背景調査

選択除外基準確認

登録・割り付け

身長h・体重・バイタルサ

インX X X X X X X X

ウエスト周囲径 Xm

身体所見 X X X X X X X X

12 誘導心電図 X X X X

妊娠検査(閉経前の女性の

み)X

mX

観察期用治験薬の処方

治療期用治験薬の処方 X X X X X X

服薬状況確認 X X X X X X X

前治療薬・併用薬調査 X X X X X X X X

有害事象調査j

X X X X X X X X

血液学的検査

血液生化学検査

尿検査(細菌を除く)k

X X X X X X X X

尿検査(細菌)k

X Xm

尿検査(メタネフリン,ノ

ルメタネフリン)X X

骨代謝関連検査 1

血清 CTx

血清 BAP(骨型 ALP)

尿中 NTx,TRACP-5b

X X Xm

X

骨代謝関連検査 2

25-OH ビタミン D

Intact-PTH

Xm

HbA1c 値測定(JDS 値) X X X X X X X X

空腹時血糖値測定 X X X X X X X X

空腹時インスリン測定・

レプチン測定・

アディポネクチン測定

X Xm

c~k:治療 I 期の注釈参照

671

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2.7.6個々の試験のまとめ

l:中止時:Visit 10 にて治療 II 期へ継続しない場合は,Visit 10 を中止時と読み替えることとした。

m:プラセボ run-in 期間に中止する場合は実施不要。

2. 有効性

主要評価項目

HbA1c 値

副次評価項目

空腹時血糖値,空腹時インスリン,レプチン,アディポネクチン,体重,ウエスト周囲径

3.安全性

有害事象,バイタルサイン,臨床検査値,12 誘導心電図,eGFR

有害事象については,治験薬を服用した後(プラセボ run-in 期以降)に発現した事象を調査対象

とした。なお,尿糖の陽性は本剤の作用メカニズムによる変化と考えられるため,有害事象とは

しなかった。治験薬との関連性は以下の基準により判定し,「関連あるかもしれない」又は「多分

(おそらく)関連あり」のいずれかに該当したものを,「治験薬との関連性が否定できない有害事

象(副作用)」と定義した。

治験薬との関連性 関連性判定基準

否定できる 有害事象発現と薬剤投与との間に時間的関係から因果関係がありそうにない

と思われる場合や,他の薬剤や合併症・基礎疾患等により説明ができる場合

関連あるかもしれ

ない

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係があるが,以下の項

目のいずれかに該当する場合

・要因として合併症・基礎疾患や他の薬剤による説明もできる場合

・投与中止に関する情報が不明確な場合

多分(おそらく)

関連あり

有害事象発現と薬剤投与との間に時間的に妥当な相関関係がある場合や,以下

の項目に該当する場合

・再投与により再発又は投与中止により消失又は軽快を示す場合

・合併症・基礎疾患や他の薬剤では説明ができない,又はそれらによる可能性

が考えにくい場合

有害事象の程度は,平成 4 年 6 月 29 日薬安第 80 号添付「医薬品等の副作用の重篤度分類基準に

ついて」のグレードを参考に判定した。この基準に規定されていない項目については,以下に従っ

て判定した。

・軽 度:日常の活動に支障がないもの

・中等度:日常の活動に支障があるもの

・重 度:日常の活動が不可能になるもの

672

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2.7.6個々の試験のまとめ

統計解析:

1.解析対象集団:

【治療 I 期】

下記の FAS 及び PPS を有効性解析対象集団とした。主たる解析対象集団を FAS とし,PPS を副次

解析対象集団とした。

(1) Full analysis set(FAS)

治療 I 期用治験薬を 1 回以上服用し,治療 I 期用治験薬投与後に有効性に関する評価項目が 1 項

目でも測定されている被験者を FAS とした。

(2) Per protocol set(PPS)

FAS に含まれる症例のうち,以下の基準を満たす被験者を PPS とした。

・選択基準に合致し,除外基準に抵触しない被験者

・治療 I 期用治験薬及び SU 剤の投与期間が 56 日以上の被験者(ただし,効果不十分及び対象疾

患の悪化にて中止した被験者については,PPS に含めることとした。)

・治療 I 期用治験薬及び SU 剤の服薬率が 80%以上の被験者

・治療 I 期(Visit 10)観察終了までに併用禁止薬が使用されなかった被験者

・治療 I 期(Visit 10)観察終了までに条件付併用可能薬が使用されなかった被験者,又は条件の

範囲内で使用された被験者

・その他,治療 I 期(Visit 10)観察終了までに重大な治験実施計画書違反がなかった被験者

(3) 安全性解析対象集団[Safety analysis set(SAF)]

治療 I 期用治験薬を 1 回以上服用した被験者を SAF とした。

【治療 II 期】

下記の FAS を有効性解析対象集団と定義した。

(1) Full analysis set(FAS)

本剤を 1 回以上服用し,本剤投与後に有効性に関する評価項目が 1 項目でも測定されている被験

者を FAS とした。

(2) 安全性解析対象集団[Safety analysis set(SAF)]

本剤を 1 回以上服用した被験者を SAF とした。

2.被験者背景及びその他の基準値:

【治療 I 期】

FAS,PPS,SAF について解析を行った。被験者背景項目,スクリーニング期間及びプラセボ run-in

期間の HbA1c 値について,投与群別に度数集計あるいは要約統計量を算出した。

【治療 II 期】

FAS,SAF について解析を行った。被験者背景項目,スクリーニング期間及びプラセボ run-in 期

間の HbA1c 値について,投与群別に度数集計あるいは要約統計量を算出した。

3.有効性:

【治療 I 期】

治療 I 期の解析では,治療期開始時をベースラインとした。

主要評価項目(HbA1c 値):

(1) 主要な解析

・治療 I 期最終時点における HbA1c 値のベースラインからの変化量について,HbA1c 値のベース

ラインを共変量とした共分散分析により本剤 50 mg とプラセボを比較した(有意水準両側

0.05)。

(2) 副次的な解析

・PPS についても主要な解析と同様の解析を行った。

・HbA1c 値の実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び治療 I 期最終時点

673

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2.7.6個々の試験のまとめ

の要約統計量を投与群別に算出した。

・各評価時点及び治療 I 期最終時点において,HbA1c 値が 6.5%及び 7.0%未満になった被験者の

例数,割合を投与群別に算出した。

副次評価項目:

・治療 I 期最終時点におけるベースラインからの変化量について,ベースラインを共変量とした

共分散分析を用いて本剤 50 mg とプラセボを比較した(有意水準両側 0.05)。

・実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び治療 I 期最終時点の要約統計

量を投与群別に算出した。

【治療 II 期】

治療 II 期の解析では,本剤 50 mg 群のベースラインは治療期開始時,プラセボ群のベースライン

は治療期 24 週時とし,ベースライン以降を解析対象とした。

主要評価項目(HbA1c 値):

・実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び本剤投与最終時点の要約統計

量を投与群別に算出した。

・各評価時点及び本剤投与最終時点において,HbA1c 値が 6.5%及び 7.0%未満になった被験者の

例数,割合を投与群別に算出した。

副次評価項目:

・実測値及びベースラインからの変化量について,各評価時点及び本剤投与最終時点の要約統計

量を投与群別に算出した。

4.安全性:

治療 I 期の解析では,治療期開始時をベースラインとした。また,治療 II 期の解析では,本剤 50 mg

群のベースラインは治療期開始時,プラセボ群のベースラインは治療期 24 週時とし,ベースライ

ン以降を解析対象とした。

(1) 有害事象

治療 I 期の解析では,治療 I 期用治験薬投与後に発現した有害事象について以下の解析を行った。

また,治療 II 期の解析では,本剤投与後に発現した有害事象について以下の解析を行った。

・有害事象及び副作用の有無について,例数及び割合を投与群別に算出した。

・有害事象の各事象について,器官別大分類別(MedDRA:SOC コード),基本語別(MedDRA:

PT コード),程度別に例数及び割合を投与群別に算出した。

(2) 臨床検査値

・計量値項目について,各測定時点の実測値の要約統計量を投与群別に算出した。

・計数値について,ベースライン×各測定時点のクロス表を投与群別に算出した。

(3) バイタルサイン

・各測定時点の実測値の要約統計量を投与群別に算出した。

(4) 12 誘導心電図

・ベースラインと各時期のクロス表を投与群別に作成した。

報告書の日付: 年 月 日

674

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2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.25.2 被験者の内訳及び解析対象集団

2.7.6.25.2.1 被験者の内訳

治療 I 期用治験薬を処方された 243 例(プラセボ群 77 例,50 mg 群 166 例)のうち,212 例(プ

ラセボ群 57 例,50 mg 群 155 例)が治療 I 期を完了し,治療 I 期用治験薬投与の有無が不明の 1

例を含む 31 例(プラセボ群 20 例,50 mg 群 11 例)が試験を中止した(図 2.7.6.25-1)。治療 I 期

の主な中止理由は,プラセボ群では糖尿病の悪化(8 例),50 mg 群では有害事象(6 例)であっ

た(表 2.7.6.25-1)。

治療 I 期を完了した 212 例のうち,141 例(プラセボ群 13 例,50 mg 群 128 例)が治療 II 期へ

移行し,71 例が治療 II 期に移行しなかった。治療 II 期へ移行しなかった理由で最も多かったもの

は,両投与群ともに,HbA1c 値の継続基準を満たさなかったためであった(表 2.7.6.25-2)。

治療 I期でプラセボの投与を受けた13例のうち,6例が本剤50 mgの投与を受け(プラセボ/50 mg

群),7 例が本剤 100 mg の投与を受けた(プラセボ/100 mg 群)。治療 I 期で本剤 50 mg の投与を受

けた 128 例のうち,57 例が 50 mg の投与を継続し(50/50 mg 群),71 例が 100 mg に増量した

(50/100 mg 群)。

最終的に,131 例が治療 II 期を完了し,10 例(50/50 mg 群 3 例,50/100 mg 群 7 例)が試験を

中止した。治療 II 期の主な中止理由は,両投与群ともに,有害事象(50/50 mg 群 2 例,50/100 mg

群 5 例)であった(表 2.7.6.25-3)。

プラセボ/100 mg 群の 2 例と 50/100 mg 群の 1 例が,本剤 100 mg 投与の後,本剤 50 mg に減量

した。減量の理由は,プラセボ/100 mg 群の 2 例はそれぞれ,有害事象の倦怠感と全身紅斑及び患

者の意思(体重減少及び自己測定した血糖値に対する不安)であった。50/100 mg 群の 1 例の減量

の理由は,有害事象の低血糖症であった。

675

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2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.25-1 被験者の内訳

同意取得 N=386

観察期用治験薬の投与 N=330 プラセボ run-in 期前の中止 N=56

無作為化 N=245 無作為化前の中止 N=85

治療 I 期用治験薬の処方 N=243 治療 I 期用治験薬処方前の中止 N=2

プラセボ N=77ASP1941 50 mg N=166

治療 I 期完了 N=212 治療 I 期用治験薬処方後の中止 N=31

プラセボ N=57 プラセボ N=20a

ASP1941 50 mg N=155 ASP1941 50 mg N=11

治療 II 期に移行 N=141 治療 II 期に移行せず N=71

プラセボ N=13 プラセボ N=44ASP1941 50 mg N=128 ASP1941 50 mg N=27

治療 II 期用治験薬の投与 N=141

プラセボ/ASP1941 50 mg

プラセボ/ASP1941 100 mgN=6N=7b

ASP1941 50/50 mgASP1941 50/100 mg

N=57N=71c

治療 II 期完了 N=131 治療 II 期用治験薬投与開始後の中止 N=10

プラセボ/ASP1941 50 mg

プラセボ/ASP1941 100 mgN=6N=7b

プラセボ/ASP1941 50 mg

プラセボ/ASP1941 100 mgN=0N=0

ASP1941 50/50 mgASP1941 50/100 mg

N=54N=64c

ASP1941 50/50 mgASP1941 50/100 mg

N=3N=7

a:治療 I 期用治験薬の投与の有無が不明である 1 例を含む。

b:100 mg を投与した後,50 mg に減量した 2 例を含む。

c:100 mg に増量した後,50 mg に減量した 1 例を含む。

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.1A.1.1, 12.1A.1.3,12.1A.1.4,12.1A.1.6,12.1A.1.7,12.1A.1.11,

12.1B.1.1,12.1B.1.2.1,12.1B.1.2.2,12.1B.1.2.3

676

Page 303: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-1 治療 I 期の主な中止理由

プラセボN=20

ASP1941 50 mgN=11

合計N=31

有害事象 4 (20.0%) 6 (54.5%) 10 (32.3%)

糖尿病の悪化 8 (40.0%) 1 (9.1%) 9 (29.0%)

効果不十分 5 (25.0%) 0 5 (16.1%)

同意の撤回 2 (10.0%) 2 (18.2%) 4 (12.9%)

その他 1 (5.0%) 1 (9.1%) 2 (6.5%)

観察継続不能 0 1 (9.1%) 1 (3.2%)

例数(割合)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.1A.1.9

表 2.7.6.25-2 治療 II 期へ移行しなかった理由

プラセボN=44

ASP1941 50 mgN=27

合計N=71

HbA1c 値の継続基準を満たさなかった 43 (97.7%) 23 (85.2%) 66 (93.0%)

有害事象 0 2 (7.4%) 2 (2.8%)

同意の撤回 0 1 (3.7%) 1 (1.4%)

治験実施計画書からの逸脱 0 1 (3.7%) 1 (1.4%)

投与継続に同意しなかった 1 (2.3%) 0 1 (1.4%)

例数(割合)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.1A.1.12

表 2.7.6.25-3 治療 II 期の主な中止理由

治療 I 期/治療 II 期合計N=10

プラセボ/50 mg

N=0

プラセボ/100 mg

N=0

50/50 mgN=3

50/100 mgN=7

有害事象 0 0 2 (66.7%) 5 (71.4%) 7 (70.0%)

効果不十分 0 0 0 1 (14.3%) 1 (10.0%)

同意の撤回 0 0 0 1 (14.3%) 1 (10.0%)

その他 0 0 1 (33.3%) 0 1 (10.0%)

例数(割合)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.1B.1.3.2

2.7.6.25.2.2 解析対象集団

1. 24 週投与(治療 I 期)

治療 I 期用治験薬を処方された 243 例のうち,治験薬の投与の有無が不明であったプラセボ群

の 1 例を除く,242 例(プラセボ群 76 例,50 mg 群 166 例)を SAF として採用した(表 2.7.6.25-4)。

本被験者は,FAS 及び PPS からも除外された。240 例(プラセボ群 75 例,50 mg 群 165 例)を FAS

として,234 例(プラセボ群 73 例,50 mg 群 161 例)を PPS として採用した。FAS で除外された

2 例は,有効性のデータがなかったためであった。また,最も多かった PPS 除外理由は,投与期

間不足であった。

677

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-4 解析対象集団(24 週)

プラセボ ASP1941 50 mg 合計

治療 I 期用治験薬の処方 77 166 243

FAS(24 週) 75 (97.4%) 165 (99.4%) 240 (99.8%)

PPS(24 週) 73 (94.8%) 161 (97.0%) 234 (96.3%)

SAF(24 週) 76 (98.7%) 166 (100.0%) 242 (99.6%)

例数(割合)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.1A.1.8

2. 52 週投与(治療 II 期)

本試験で本剤を投与された 179 例(治療 I 期にプラセボ,治療 II 期に本剤を投与された 13 例と

治療 I 期に本剤 50 mg を投与された 166 例)を SAF として採用した。投与後,有効性の評価項目

が測定されなかった 1 例を除く 178 例(プラセボ群 13 例,50 mg 群 165 例)を FAS として採用し

た(表 2.7.6.25-5)。

このうち,治療 II 期で本剤を投与された 141 例(プラセボ/50 mg 群 6 例,プラセボ/100 mg 群 7

例,50/50 mg 群 57 例,50/100 mg 群 71 例)を用量別の評価に用いた。なお,52 週の評価は本剤

50 mg 群,50/50 mg 群,50/100 mg 群で主に行った。特に断らない限り,次項以降はこれらのデー

タのみ提示した。

表 2.7.6.25-5 解析対象集団(52 週)

投与群(治療 I 期)合計

プラセボ ASP1941 50 mg

ASP1941 投与 13 166 179

FAS(52 週) 13 (100.0%) 165 (99.4%) 178 (99.4%)

SAF(52 週) 13 (100.0%) 166 (100.0%) 179 (100.0%)

治療 I 期/治療 II 期合計プラセボ

/50 mgプラセボ/100 mg

50/50 mg 50/100 mg

ASP1941 投与(治療 II 期) 6 7a 57 71b 141

FAS(52 週) 6 (100.0%) 7 (100.0%) a 57 (100.0%) 71 (100.0%) b 141 (100.0%)

SAF(52 週) 6 (100.0%) 7 (100.0%) a 57 (100.0%) 71 (100.0%) b 141 (100.0%)

例数(割合)

a:100 mg を投与した後,50 mg に減量した 2 例を含む。

b:100 mg に増量した後,50 mg に減量した 1 例を含む。

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.1B.1.5.1,12.1B.1.5.2

2.7.6.25.3 人口統計学的及び他の基準値の特性

FAS(24 週)での男性の割合はプラセボ群 62.7%,50 mg 群 67.3%であり,平均年齢は約 60 歳

であった(表 2.7.6.25-6)。糖尿病の罹病期間の中央値はプラセボ群で 117.5 カ月(約 10 年),50 mg

群で 106.0 カ月(約 9 年)であった。

体重の平均値は,プラセボ群(63.96 kg)と比較して,50 mg 群(68.81 kg)で統計的に有意に

高かった(P=0.004,t 検定)。BMI の平均値では,50 mg 群(25.81 kg/m2)は,プラセボ群(24.18 kg/m2)

678

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2.7.6個々の試験のまとめ

の被験者よりも統計的に有意に高かった(P<0.001,t 検定)。その他の人口統計学的及び基準値の

特性は投与群間でほぼ同様であった。

SAF 及び PPS(24 週)での人口統計学的及び他の基準値の特性は,FAS(24 週)と同様であっ

た。

表 2.7.6.25-6 人口統計学的及び他の基準値の特性:FAS(24 週)

プラセボN=75

ASP1941 50 mgN=165

P 値

性別男性 47 (62.7%) 111 (67.3%)

0.557a

女性 28 (37.3%) 54 (32.7%)

年齢(歳)

[同意取得時]

平均値(標準偏差) 59.8 (8.58) 59.6 (10.02)0.903b

最小値,最大値 42, 77 37, 82

65 歳未満 50 (66.7%) 106 (64.2%)0.771a

65 歳以上 25 (33.3%) 59 (35.8%)

身長(cm)

[スクリーニング時]

平均値(標準偏差) 162.27 (8.936) 163.04 (9.917)0.564b

最小値,最大値 142.2, 179.1 140.5, 187.0

体重(kg)

[スクリーニング時]

平均値(標準偏差) 63.96 (11.398) 68.81 (12.435)0.004b

最小値,最大値 44.6, 106.1 44.9, 108.9

BMI(kg/m2)

[スクリーニング時]

平均値(標準偏差) 24.18 (2.969) 25.81 (3.604)<0.001b

最小値,最大値 19.1, 33.6 19.7, 37.1

25 kg/m2 未満 48 (64.0%) 73 (44.2%)0.005a

25 kg/m2 以上 27 (36.0%) 92 (55.8%)

罹病期間(カ月)c

[スクリーニング時]

平均値(標準偏差) 129.0 (74.92) 123.8 (84.99)

0.656b中央値 117.5 106.0

最小値,最大値 6, 325 4, 467

60 カ月未満 13 (17.6%) 43 (26.4%)0.186a

60 カ月以上 61 (82.4%) 120 (73.6%)

合併症なし 2 (2.7%) 0

0.097a

あり 73 (97.3%) 165 (100.0%)

喫煙歴

喫煙歴なし 29 (38.7%) 65 (39.4%)

1.000a過去に喫煙習慣あり 26 (34.7%) 56 (33.9%)

喫煙者 20 (26.7%) 44 (26.7%)

飲酒習慣

飲酒習慣なし 22 (29.3%) 52 (31.5%)

0.952a過去に飲酒習慣あり 6 (8.0%) 14 (8.5%)

飲酒習慣あり 47 (62.7%) 99 (60.0%)

飲酒量 d

飲酒なし 28 (37.3%) 66 (40.0%)

0.922aレベル 1 38 (50.7%) 80 (48.5%)

レベル 2 9 (12.0%) 19 (11.5%)

レベル 3 0 0

HbA1c(%,JDS)

[治療期開始時]

平均値(標準偏差) 7.94 (0.727) 7.98 (0.641)0.717b

最小値,最大値 6.5, 9.7 6.6, 9.5

空腹時血糖値(mg/dL)

[治療期開始時]

平均値(標準偏差) 176.0 (35.54) 179.7 (32.27)0.428b

最小値,最大値 102, 264 116, 280

washout 実施なし 60 (80.0%) 127 (77.0%)

0.737a

あり 15 (20.0%) 38 (23.0%)

SU 剤

[スクリーニング時]

グリベンクラミド 10 (13.3%) 13 (7.9%)

0.337aグリクラジド 6 (8.0%) 19 (11.5%)

グリメピリド 59 (78.7%) 133 (80.6%)

カテゴリーデータは,例数(割合)を示す。

a:Fisher の直接確率検定,b:t 検定,c:プラセボ N=74,ASP1941 50 mg N=163

679

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2.7.6個々の試験のまとめ

d:飲酒量は以下の 3 レベルに分類した。

レベル 1:ビール中ビン 1 本未満,清酒 1 合(180.39 mL)未満,ウイスキー・ブランデー60 mL 未満,焼酎(35 度)90 mL 未

満,又はワイン 240 mL 未満

レベル 2:ビール中ビン 1 本以上 3 本未満,清酒 1 合以上 3 合未満(180.39 mL 以上 541.17 mL 未満),ウイスキー・ブランデー

60 mL 以上 180 mL 未満,焼酎(35 度)90 mL 以上 270 mL 未満,又はワイン 240 mL 以上 720 mL 未満

レベル 3:ビール中ビン 3 本以上,清酒 3 合以上(541.17 mL 以上),ウイスキー・ブランデー180 mL 以上,焼酎(35 度)270 mL

以上,又はワイン 720 mL 以上

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.1A.2.1.1,12.1A.2.2.1,12.1A.2.3.1

2.7.6.25.4 治験薬の曝露

FAS(24 週)において,治療 I 期用治験薬の服薬期間の平均値は 50 mg 群に比べプラセボ群で

短かったが,その中央値は両群で同様であった(表 2.7.6.25-7)。平均服薬率は,両群とも 98%超

であった。SU 剤の服薬状況は,治療 I 期用治験薬と同様であった。

表 2.7.6.25-7 治療 I 期用治験薬の服薬状況:FAS(24 週)

プラセボN=75

ASP1941 50 mgN=165

服薬期間(日)

平均値(標準偏差) 149.4 (38.84) 163.4 (22.23)

中央値 166.0 168.0

最小値,最大値 28, 181 14, 182

服薬率(%)平均値(標準偏差) 99.23 (1.352) 98.70 (2.428)

最小値,最大値 93.2, 100.0 86.8, 100.0

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.2A.1.1

FAS(52 週)において,本剤の服薬期間の中央値は ASP1941 50 mg 群,50/50 mg 群及び 50/100 mg

群で 364.0 日であった(表 2.7.6.25-8)。平均服薬率はいずれの群でも 98%超であった。SU 剤の服

薬状況は,本剤と同様であった。

表 2.7.6.25-8 ASP1941 の服薬状況:FAS(52 週)

ASP1941 50 mg

N=165

治療 I 期/治療 II 期50/50 mg

N=5750/100 mg

N=71

服薬期間(日)

平均値(標準偏差) 312.1 (95.84) 363.4 (26.36) 357.0 (38.29)

中央値 364.0 364.0 364.0

最小値,最大値 14, 385 211, 385 171, 385

服薬率(%)平均値(標準偏差) 98.87 (2.083) 98.73 (2.229) 99.13 (1.518)

最小値,最大値 86.8, 100.0 88.7, 100.0 91.9, 100.0

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.2B.1.1.1,12.2B.1.1.2

680

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2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.25.5 有効性

2.7.6.25.5.1 主要評価項目:HbA1c 値(24 週投与)

2.7.6.25.5.1.1 治療 I 期最終時点の HbA1c 値のベースラインからの変化量

治療 I 期最終時点における HbA1c 値の治療 I 期開始時(ベースライン)からの平均変化量は,

プラセボ群で 0.32%,50 mg 群で−0.83%であった(表 2.7.6.25-9)。ベースラインからの変化量の調

整済み平均値のプラセボ群に対する差は−1.14%で,統計的に有意であった(P<0.001,共分散分析)。

患者背景のスクリーニング時の体重に,投与群間で統計的に有意な不均衡がみられたので

(P=0.004),スクリーニング時の体重で調整した解析を行った。結果は主解析と同様であった

(P<0.001,共分散分析)。

表 2.7.6.25-9 治療 I 期最終時点の HbA1c 値(%)のベースラインからの変化量:FAS(24 週)

プラセボN=75

ASP1941 50 mgN=165

ベースラインの平均値(標準偏差) 7.94 (0.727) 7.98 (0.641)

治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 8.26 (1.106) 7.14 (0.671)

治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) 0.32 (0.954) –0.83 (0.715)

共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボ群との差(95%信頼区間) -–1.14

(–1.340, –0.932)

P 値 - < 0.001

a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3A.1.2.3,12.3A.1.2.4,12.3A.1.1

2.7.6.25.5.1.2 治療 I 期最終時点の HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合

治療 I 期最終時点の HbA1c 値が 7.0%未満であった割合は,プラセボ群(12.0%)に比べ 50 mg

群(43.0%)で高かった(表 2.7.6.25-10)。治療 I 期最終時点の HbA1c 値が 6.5%未満であった割合

も,プラセボ群(5.3%)に比べ 50 mg 群(13.3%)で高かった。

表 2.7.6.25-10 HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合:FAS(24 週)

プラセボ ASP1941 50 mg

7.0%未満

治療期開始時(ベースライン) 3/75 (4.0%) 4/165 (2.4%)

治療 I 期最終時点 9/75 (12.0%) 71/165 (43.0%)

6.5%未満

治療期開始時(ベースライン) 0/75 0/165

治療 I 期最終時点 4/75 (5.3%) 22/165 (13.3%)

HbA1c 値が 7.0%未満(JDS)又は 6.5%未満(JDS)であった例数/解析対象例数(割合)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3A.1.2.5,12.3A.1.2.6

681

Page 308: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.25.5.2 副次評価項目(24 週投与)

2.7.6.25.5.2.1 空腹時血糖値

治療 I 期最終時点における空腹時血糖値のベースラインからの平均変化量は,プラセボ群で

−1.0 mg/dL,50 mg 群で−41.4 mg/dL であった(表 2.7.6.25-11)。ベースラインからの変化量の調整

済み平均値のプラセボ群に対する差は,−38.0 mg/dL であった。その差は統計的に有意であった

(P<0.001,共分散分析)。

表 2.7.6.25-11 治療 I 期最終時点の空腹時血糖値(mg/dL)のベースラインからの変化量:FAS

(24 週)

プラセボN=75

ASP1941 50 mgN=165

ベースラインの平均値(標準偏差) 176.0 (35.54) 179.7 (32.27)

治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 175.1 (39.23) 138.4 (22.76)

治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −1.0 (40.20) −41.4 (30.80)

共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) -−38.0

(−45.27, −30.75)

P 値 - < 0.001

a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3A.2.1.1.1,12.3A.2.1.3,12.3A.2.1.4

2.7.6.25.5.2.2 その他の副次評価項目

共分散分析の結果,治療 I 期最終時点におけるベースラインからの変化量の調整済み平均値の

プラセボ群に対する差は,空腹時インスリン(−0.70 μU/mL,P=0.139;表 2.7.6.25-12),レプチン

(−0.33 ng/mL,P=0.214;表 2.7.6.25-13)及びウエスト周囲径(−0.62 cm,P=0.165;表 2.7.6.25-16)

のいずれについても,統計的に有意でなかった。一方,治療 I 期最終時点におけるベースライン

からの変化量の調整済み平均値のプラセボ群に対する差は,アディポネクチン(0.44 μg/mL,

P=0.010;表 2.7.6.25-14)及び体重(−1.32 kg,P<0.001;表 2.7.6.25-15)のいずれについても,統

計的に有意であった。

682

Page 309: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-12 治療 I 期最終時点の空腹時インスリン(μU/mL)のベースラインからの変化量:

FAS(24 週)

プラセボN=75

ASP1941 50 mgN=165

ベースラインの平均値(標準偏差) 6.65 (3.753) 8.00 (4.784)

治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 6.30 (5.064) 6.66 (4.774)

治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.35 (2.760) −1.35 (3.791)

共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) -−0.70

(−1.639, 0.230)

P 値 - 0.139

a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3A.2.2.1,12.3A.2.2.2,12.3A.2.2.3

表 2.7.6.25-13 治療 I 期最終時点のレプチン(ng/mL)のベースラインからの変化量:FAS(24

週)

プラセボN=75

ASP1941 50 mgN=165

ベースラインの平均値(標準偏差) 5.99 (3.728) 7.43 (4.930)

治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 5.76 (3.719) 6.63 (4.448)

治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.23 (1.609) −0.80 (2.167)

共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) -−0.33

(−0.840, 0.189)

P 値 - 0.214

a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3A.2.3.1,12.3A.2.3.2,12.3A.2.3.3

表 2.7.6.25-14 治療 I 期最終時点のアディポネクチン(μg/mL)のベースラインからの変化量:

FAS(24 週)

プラセボN=75

ASP1941 50 mgN=165

ベースラインの平均値(標準偏差) 7.60 (4.157) 7.15 (3.987)

治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 7.58 (3.822) 7.62 (3.830)

治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.02 (1.294) 0.47 (1.290)

共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) -0.44

(0.107, 0.781)

P 値 - 0.010

a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3A.2.4.1,12.3A.2.4.2,12.3A.2.4.3

683

Page 310: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-15 治療 I 期最終時点の体重(kg)のベースラインからの変化量:FAS(24 週)

プラセボN=75

ASP1941 50 mgN=165

ベースラインの平均値(標準偏差) 63.90 (11.386) 68.77 (12.394)

治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 63.02 (11.729) 66.45 (12.031)

治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.88 (1.785) −2.33 (2.154)

共分散分析モデル a

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) -−1.32

(−1.884, −0.754)

P 値 - < 0.001

a:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3A.2.5.1,12.3A.2.5.2,12.3A.2.5.3

表 2.7.6.25-16 治療 I 期最終時点のウエスト周囲径(cm)のベースラインからの変化量:FAS

(24 週)

プラセボN=75

ASP1941 50 mgN=165

ベースラインの平均値(標準偏差) 86.39 (8.583) 89.47 (9.367)

治療 I 期最終時点の平均値(標準偏差) 85.41 (9.295)a 87.98 (9.309)b

治療 I 期最終時点のベースラインからの平均変化量(標準偏差) −0.87 (3.377)a −1.61 (2.968)b

共分散分析モデル c

調整済み平均値のプラセボとの差(95%信頼区間) -−0.62

(−1.489, 0.256)

P 値 - 0.165

a:N=72,b:N=163

c:投与群を固定効果,ベースライン値を共変量とした共分散分析

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3A.2.6.1,12.3A.2.6.2,12.3A.2.6.3

2.7.6.25.5.3 長期投与時の有効性(52 週投与)

本剤 50 mg と SU 剤併用投与による HbA1c 値(図 2.7.6.25-2),空腹時血糖値(図 2.7.6.25-3),

体重の改善効果は,52 週時まで維持された。

684

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2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.25-2 HbA1c 値の推移(50/50 mg 群及び 50/100 mg 群):FAS(52 週)

X 軸の各評価時点の下の数値は症例数を示す。

E1:治療 I 期最終時点,EA:ASP1941 投与最終時点,FU:後観察時

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Figure 12.3B.1.1.3

685

Page 312: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

図 2.7.6.25-3 空腹時血糖値の推移(50/50 mg 群及び 50/100 mg 群):FAS(52 週)

X 軸の各評価時点の下の数値は症例数を示す。

E1:治療 I 期最終時点,EA:ASP1941 投与最終時点,FU:後観察時

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Figure 12.3B.2.1.3

本剤 50 mg と SU 剤の併用投与で血糖管理不十分な被験者に対して,24 週時に本剤を 100 mg

に増量した結果,HbA1c 値は改善され,空腹時血糖値は維持された。すなわち,50/100 mg 群では

本剤投与最終時点での HbA1c 値の治療 I 期最終時点からの平均変化量は−0.16%であった(表

2.7.6.25-17)。また,50/100 mg 群では HbA1c 値が 7.0%未満であった割合は,治療 I 期最終時点の

16.9%から本剤投与最終時点の 39.4%に増加し,HbA1c 値が 6.5%未満であった割合は,治療 I 期

最終時点の 0%から本剤投与最終時点の 7.0%に増加した(表 2.7.6.25-18)。空腹時血糖値では,増

量後に治療 I 期最終時点からの減少がみられたものの,本剤投与最終時点では差はみられなかっ

た。(表 2.7.6.25-19)。

686

Page 313: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-17 治療 I 期最終時点からの HbA1c 値変化量(%)の推移:FAS(52 週)

治療 I 期/治療 II 期50/50 mg 50/100 mg

N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

治療期 28 週時 57 −0.06 (0.206) 70 −0.17 (0.207)

治療期 32 週時 57 −0.04 (0.266) 69 −0.23 (0.314)

治療期 36 週時 56 −0.03 (0.332) 68 −0.25 (0.366)

治療期 40 週時 56 0.02 (0.366) 67 −0.24 (0.401)

治療期 44 週時 54 0.05 (0.431) 67 −0.24 (0.436)

治療期 48 週時 54 0.11 (0.413) 65 −0.24 (0.420)

治療期 52 週時 54 0.19 (0.421) 64 −0.17 (0.477)

ASP1941 投与最終時点 57 0.19 (0.433) 71 −0.16 (0.483)

後観察時 57 0.49 (0.545) 71 0.16 (0.540)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3B.1.3

表 2.7.6.25-18 HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった割合:FAS(52 週)

ASP1941 50 mg治療 I 期/治療 II 期

50/50 mg 50/100 mg

7.0%未満

治療期開始時(ベースライン) 4/165 (2.4%) 2/57 (3.5%) 0/71

治療 I 期最終時点 71/165 (43.0%) 51/57 (89.5%) 12/71 (16.9%)

ASP1941 投与最終時点 73/165 (44.2%) 37/57 (64.9%) 28/71 (39.4%)

後観察時 41/162 (25.3%) 24/57 (42.1%) 12/71 (16.9%)

6.5%未満

治療期開始時(ベースライン) 0/165 0/57 0/71

治療 I 期最終時点 22/165 (13.3%) 19/57 (33.3%) 0/71

ASP1941 投与最終時点 24/165 (14.5%) 16/57 (28.1%) 5/71 (7.0%)

後観察時 8/162 (4.9%) 6/57 (10.5%) 2/71 (2.8%)

HbA1c 値が 7.0%未満又は 6.5%未満であった例数/解析対象例数(割合)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3B.1.4.1,12.3B.1.4.2,12.3B.1.5.1,12.3B.1.5.2

表 2.7.6.25-19 治療 I 期最終時点からの空腹時血糖値変化量(mg/dL)の推移:FAS(52 週)

治療 I 期/治療 II 期50/50 mg 50/100 mg

N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

治療期 28 週時 57 −0.8 (16.23) 70 −8.6 (19.41)

治療期 32 週時 57 1.2 (17.84) 69 −7.6 (18.85)

治療期 36 週時 56 3.6 (20.71) 68 −6.7 (20.51)

治療期 40 週時 56 5.6 (17.60) 67 −5.7 (16.76)

治療期 44 週時 54 6.9 (24.29) 67 −7.0 (17.18)

治療期 48 週時 54 6.6 (20.03) 65 -4.1 (22.20)

治療期 52 週時 54 10.9 (21.55) 64 0.8 (19.49)

ASP1941 投与最終時点 57 10.6 (21.48) 71 0.0 (20.38)

後観察時 57 33.6 (34.40) 71 32.6 (36.13)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.3B.2.3

687

Page 314: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.25.6 安全性

2.7.6.25.6.1 有害事象

2.7.6.25.6.1.1 24 週投与

有害事象の発現率は,プラセボ群で 61.8%(47/76 例),50 mg 群で 75.9%(126/166 例)であっ

た(表 2.7.6.25-20)。副作用の発現率は,プラセボ群で 23.7%(18/76 例),50 mg 群で 23.5%(39/166

例)であった。有害事象の発現率は,プラセボ群に比べ 50 mg で有意に高かったが(P=0.032,Fisher

の直接確率検定),副作用の発現率は,投与群間で統計的に有意な差は認められなかった(P=1.000,

Fisher の直接確率検定)。ほとんどの有害事象は軽度であった。重度の有害事象は治療 I 期のプラ

セボ群の 1 例に認められた。

50 mg 群で 5%以上に認められた有害事象は,鼻咽頭炎,頻尿,口渇及び便秘であった(表

2.7.6.25-21)。このうち,プラセボ群と比べて 2 倍以上の発現率が認められたのは,頻尿(プラセ

ボ群 1.3%,1/76 例;50 mg 群 8.4%,14/166 例),口渇(プラセボ群 1.3%,1/76 例;50 mg 群 7.2%,

12/166 例)及び便秘(プラセボ群 1.3%,1/76 例;50 mg 群 5.4%,9/166 例)の 3 事象であった。

表 2.7.6.25-20 有害事象の要約:SAF(24 週)

プラセボN=76

ASP1941 50 mgN=166

P 値 a

有害事象 47 (61.8%) 126 (75.9%) 0.032

副作用 18 (23.7%) 39 (23.5%) 1.000

有害事象の件数 128 299 -

副作用の件数 26 66 -

重篤な有害事象 3 (3.9%) 5 (3.0%) -

重篤な副作用 1 (1.3%) 0 -

投与中止に至った有害事象 11 (14.5%) 9 (5.4%) -

投与中止に至った副作用 3 (3.9%) 2 (1.2%) -

程度別の有害事象 b

軽度 45 (59.2%) 118 (71.1%) -

中等度 1 (1.3%) 8 (4.8%) -

重度 1 (1.3%) 0 -

発現例数(発現率)

a:Fisher の直接確率検定

b:同一の被験者が複数の有害事象を発現した場合,最も重い程度の事象を解析対象とした。

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.6A.1.1,12.6A.1.2,12.6A.1.3,12.6A.1.9.1

688

Page 315: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-21 器官別大分類,基本語別のすべての有害事象と副作用:SAF(24 週)

MedDRA Version 12.1器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

プラセボ

N=76

ASP194150 mgN=166

プラセボ

N=76

ASP194150 mgN=166

全事象 47 (61.8%) 126 (75.9%) 18 (23.7%) 39 (23.5%)

血液およびリンパ系障害 1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

貧血 1 (1.3%) 0 0 0

鉄欠乏性貧血 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

心臓障害 1 (1.3%) 1 (0.6%) 1 (1.3%) 0

右脚ブロック 1 (1.3%) 0 1 (1.3%) 0

動悸 0 1 (0.6%) 0 0

耳および迷路障害 1 (1.3%) 3 (1.8%) 0 2 (1.2%)

メニエール病 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

耳鳴 0 1 (0.6%) 0 0

回転性めまい 1 (1.3%) 0 0 0

頭位性回転性めまい 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

眼障害 3 (3.9%) 11 (6.6%) 0 2 (1.2%)

眼瞼炎 0 1 (0.6%) 0 0

結膜出血 1 (1.3%) 0 0 0

結膜炎 1 (1.3%) 2 (1.2%) 0 0

糖尿病性網膜症 1 (1.3%) 3 (1.8%) 0 1 (0.6%)

眼脂 0 1 (0.6%) 0 0

緑内障 0 1 (0.6%) 0 0

網膜出血 0 1 (0.6%) 0 0

網膜裂孔 0 1 (0.6%) 0 0

増殖性網膜症 0 1 (0.6%) 0 0

強膜出血 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

胃腸障害 11 (14.5%) 42 (25.3%) 2 (2.6%) 7 (4.2%)

腹部不快感 1 (1.3%) 2 (1.2%) 0 0

上腹部痛 3 (3.9%) 5 (3.0%) 0 1 (0.6%)

口唇炎 0 2 (1.2%) 0 0

便秘 1 (1.3%) 9 (5.4%) 1 (1.3%) 4 (2.4%)

齲歯 0 5 (3.0%) 0 0

下痢 2 (2.6%) 7 (4.2%) 0 1 (0.6%)

腸憩室 1 (1.3%) 0 0 0

硬便 0 1 (0.6%) 0 0

胃ポリープ 1 (1.3%) 0 0 0

胃炎 2 (2.6%) 3 (1.8%) 0 0

歯肉腫脹 0 1 (0.6%) 0 0

歯肉炎 1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 0

舌炎 0 1 (0.6%) 0 0

痔核 1 (1.3%) 0 1 (1.3%) 0

悪心 1 (1.3%) 0 0 0

689

Page 316: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1

器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

プラセボ

N=76

ASP194150 mgN=166

プラセボ

N=76

ASP194150 mgN=166

口腔内痛 0 1 (0.6%) 0 0

歯周病 0 1 (0.6%) 0 0

歯周炎 1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 0

口内炎 0 7 (4.2%) 0 1 (0.6%)

歯の脱落 0 1 (0.6%) 0 0

歯痛 1 (1.3%) 2 (1.2%) 0 0

口の感覚鈍麻 0 1 (0.6%) 0 0

胃腸毛細血管拡張症 1 (1.3%) 0 1 (1.3%) 0

全身障害および投与局所様態 6 (7.9%) 13 (7.8%) 3 (3.9%) 10 (6.0%)

胸部不快感 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

空腹 1 (1.3%) 1 (0.6%) 1 (1.3%) 1 (0.6%)

倦怠感 3 (3.9%) 1 (0.6%) 1 (1.3%) 0

末梢性浮腫 2 (2.6%) 1 (0.6%) 0 0

口渇 1 (1.3%) 12 (7.2%) 1 (1.3%) 10 (6.0%)

肝胆道系障害 1 (1.3%) 3 (1.8%) 1 (1.3%) 0

アルコール性肝疾患 0 2 (1.2%) 0 0

肝機能異常 1 (1.3%) 1 (0.6%) 1 (1.3%) 0

免疫系障害 0 1 (0.6%) 0 0

季節性アレルギー 0 1 (0.6%) 0 0

感染症および寄生虫症 24 (31.6%) 61 (36.7%) 3 (3.9%) 2 (1.2%)

気管支炎 1 (1.3%) 3 (1.8%) 0 0

子宮頚管炎 1 (1.3%) 0 0 0

膀胱炎 3 (3.9%) 1 (0.6%) 3 (3.9%) 1 (0.6%)

胃腸炎 1 (1.3%) 4 (2.4%) 0 0

B 型肝炎 1 (1.3%) 0 0 0

帯状疱疹 1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 0

麦粒腫 0 2 (1.2%) 0 0

インフルエンザ 0 4 (2.4%) 0 0

鼻咽頭炎 18 (23.7%) 45 (27.1%) 0 0

爪真菌症 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

骨髄炎 0 1 (0.6%) 0 0

咽頭炎 1 (1.3%) 3 (1.8%) 0 0

鼻炎 1 (1.3%) 0 0 0

皮下組織膿瘍 0 1 (0.6%) 0 0

足部白癬 0 1 (0.6%) 0 0

上気道感染 1 (1.3%) 2 (1.2%) 0 0

感染性腸炎 0 1 (0.6%) 0 0

ウイルス性腸炎 1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 0

細菌性腟炎 0 1 (0.6%) 0 0

口腔ヘルペス 1 (1.3%) 0 0 0

690

Page 317: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1

器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

プラセボ

N=76

ASP194150 mgN=166

プラセボ

N=76

ASP194150 mgN=166

傷害、中毒および処置合併症 6 (7.9%) 6 (3.6%) 0 0

節足動物刺傷 2 (2.6%) 0 0 0

顔面骨骨折 1 (1.3%) 0 0 0

異物による損傷 0 1 (0.6%) 0 0

関節捻挫 1 (1.3%) 0 0 0

擦過傷 1 (1.3%) 0 0 0

筋挫傷 0 1 (0.6%) 0 0

挫傷 2 (2.6%) 1 (0.6%) 0 0

熱傷 1 (1.3%) 0 0 0

眼外傷 1 (1.3%) 0 0 0

骨格損傷 0 1 (0.6%) 0 0

歯牙破折 1 (1.3%) 2 (1.2%) 0 0

臨床検査 2 (2.6%) 16 (9.6%) 1 (1.3%) 7 (4.2%)

尿中 β2 ミクログロブリン増加 0 3 (1.8%) 0 3 (1.8%)

β-Nアセチル Dグルコサミニダーゼ

増加0 1 (0.6%) 0 0

血中クレアチンホスホキナーゼ増

加0 1 (0.6%) 0 0

血中クレアチニン増加 0 2 (1.2%) 0 2 (1.2%)

血中カリウム増加 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

血圧上昇 0 1 (0.6%) 0 0

血中尿酸増加 0 1 (0.6%) 0 0

尿中血陽性 0 1 (0.6%) 0 0

血小板数減少 1 (1.3%) 1 (0.6%) 1 (1.3%) 1 (0.6%)

体重減少 1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 0

白血球数減少 0 1 (0.6%) 0 0

心電図 2 相性 T 波 0 1 (0.6%) 0 0

尿中アルブミン/クレアチニン比

異常0 1 (0.6%) 0 0

便潜血陽性 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

尿中 α1 ミクログロブリン増加 0 1 (0.6%) 0 0

代謝および栄養障害 15 (19.7%) 6 (3.6%) 3 (3.9%) 1 (0.6%)

糖尿病 a15 (19.7%) 1 (0.6%) 3 (3.9%) 0

痛風 0 1 (0.6%) 0 0

低血糖症 0 1 (0.6%) 0 0

無自覚性低血糖 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

脂質異常症 0 1 (0.6%) 0 0

高脂血症 0 1 (0.6%) 0 0

筋骨格系および結合組織障害 8 (10.5%) 23 (13.9%) 2 (2.6%) 1 (0.6%)

関節痛 1 (1.3%) 2 (1.2%) 0 0

背部痛 0 3 (1.8%) 0 0

691

Page 318: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1

器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

プラセボ

N=76

ASP194150 mgN=166

プラセボ

N=76

ASP194150 mgN=166

ピロリン酸カルシウム結晶性軟骨

石灰化症1 (1.3%) 0 1 (1.3%) 0

側腹部痛 1 (1.3%) 0 0 0

関節拘縮 0 1 (0.6%) 0 0

筋痙縮 1 (1.3%) 2 (1.2%) 1 (1.3%) 1 (0.6%)

筋骨格痛 0 1 (0.6%) 0 0

筋肉痛 0 2 (1.2%) 0 0

頚部痛 1 (1.3%) 0 0 0

骨関節炎 0 1 (0.6%) 0 0

四肢痛 1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 0

関節周囲炎 1 (1.3%) 0 0 0

肩回旋筋腱板症候群 0 1 (0.6%) 0 0

脊柱管狭窄症 0 1 (0.6%) 0 0

変形性脊椎炎 0 2 (1.2%) 0 0

顎関節症候群 1 (1.3%) 0 0 0

腱鞘炎 0 1 (0.6%) 0 0

弾発指 0 2 (1.2%) 0 0

筋肉疲労 0 1 (0.6%) 0 0

椎間板突出 0 3 (1.8%) 0 0

筋骨格硬直 3 (3.9%) 0 0 0

良性、悪性および詳細不明の新生物

(嚢胞およびポリープを含む)1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 0

脂肪腫 1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 0

神経系障害 4 (5.3%) 13 (7.8%) 1 (1.3%) 1 (0.6%)

健忘 0 1 (0.6%) 0 0

頚動脈狭窄 0 1 (0.6%) 0 0

頚腕症候群 0 3 (1.8%) 0 0

浮動性めまい 0 2 (1.2%) 0 0

頭痛 1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

感覚鈍麻 0 2 (1.2%) 0 0

神経痛 0 1 (0.6%) 0 0

失神寸前の状態 0 1 (0.6%) 0 0

坐骨神経痛 1 (1.3%) 0 0 0

緊張性頭痛 0 1 (0.6%) 0 0

肋間神経痛 1 (1.3%) 0 0 0

頚髄神経根炎 1 (1.3%) 0 0 0

パーキンソン病 0 1 (0.6%) 0 0

視床梗塞 1 (1.3%) 0 1 (1.3%) 0

精神障害 2 (2.6%) 2 (1.2%) 0 0

不眠症 2 (2.6%) 0 0 0

躁病 0 1 (0.6%) 0 0

692

Page 319: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1

器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

プラセボ

N=76

ASP194150 mgN=166

プラセボ

N=76

ASP194150 mgN=166

感情的苦悩 0 1 (0.6%) 0 0

腎および尿路障害 3 (3.9%) 19 (11.4%) 3 (3.9%) 17 (10.2%)

尿管結石 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

排尿困難 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

血尿 1 (1.3%) 0 1 (1.3%) 0

腎結石症 0 1 (0.6%) 0 0

夜間頻尿 0 1 (0.6%) 0 0

頻尿 1 (1.3%) 14 (8.4%) 1 (1.3%) 14 (8.4%)

多尿 1 (1.3%) 5 (3.0%) 1 (1.3%) 5 (3.0%)

腎嚢胞 0 1 (0.6%) 0 0

生殖系および乳房障害 2 (2.6%) 4 (2.4%) 2 (2.6%) 2 (1.2%)

亀頭包皮炎 1 (1.3%) 0 1 (1.3%) 0

閉経期症状 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

前立腺炎 0 1 (0.6%) 0 1 (0.6%)

陰部そう痒症 1 (1.3%) 0 1 (1.3%) 0

性器不快感 0 1 (0.6%) 0 0

外陰腟痛 0 1 (0.6%) 0 0

呼吸器、胸郭および縦隔障害 2 (2.6%) 6 (3.6%) 0 0

アレルギー性鼻炎 0 1 (0.6%) 0 0

上気道の炎症 2 (2.6%) 3 (1.8%) 0 0

口腔咽頭痛 0 2 (1.2%) 0 0

皮膚および皮下組織障害 4 (5.3%) 11 (6.6%) 0 1 (0.6%)

皮膚乾燥 0 1 (0.6%) 0 0

湿疹 1 (1.3%) 3 (1.8%) 0 1 (0.6%)

皮下出血 1 (1.3%) 0 0 0

過角化 1 (1.3%) 1 (0.6%) 0 0

そう痒症 2 (2.6%) 1 (0.6%) 0 0

発疹 0 1 (0.6%) 0 0

丘疹 0 1 (0.6%) 0 0

脂漏性皮膚炎 0 1 (0.6%) 0 0

蕁麻疹 0 1 (0.6%) 0 0

乾皮症 0 1 (0.6%) 0 0

逆むけ 0 1 (0.6%) 0 0

血管障害 2 (2.6%) 2 (1.2%) 1 (1.3%) 1 (0.6%)

潮紅 0 1 (0.6%) 0 0

高血圧 1 (1.3%) 1 (0.6%) 1 (1.3%) 1 (0.6%)

血行不全 1 (1.3%) 0 0 0

発現例数(発現率)

a:糖尿病の悪化として報告された。

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.6A.1.5

693

Page 320: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.25.6.1.2 52 週投与

本剤 50 mg 群では,有害事象及び副作用の発現率はそれぞれ 86.7%(144/166 例)及び 31.3%

(52/166 例)であった(表 2.7.6.25-22)。ほとんどの有害事象は軽度であった。

本剤 50 mg 群で 5%以上に認められた有害事象は,鼻咽頭炎(38.6%,64/166 例),頻尿(9.0%,

15/166 例),便秘(8.4%,14/166 例)及び口渇(7.2%,12/166 例)の 4 事象であった(表 2.7.6.25-23)。

なお,プラセボ/50 mg 群及びプラセボ/100 mg 群の有害事象の発現率は,それぞれ 83.3%(5/6

例)及び 71.4%(5/7 例)であった。ほとんどの有害事象は軽度であった。

表 2.7.6.25-22 有害事象の要約:SAF(52 週)

ASP1941 50 mg

N=166

治療 I 期/治療 II 期

50/50 mgN=57

50/100 mgN=71

有害事象 144 (86.7%) 50 (87.7%) 61 (85.9%)

副作用 52 (31.3%) 16 (28.1%) 24 (33.8%)

有害事象の件数 515 174 250

副作用の件数 99 27 48

重篤な有害事象 12 (7.2%) 2 (3.5%) 5 (7.0%)

重篤な副作用 0 0 0

投与中止に至った有害事象 16 (9.6%) 2 (3.5%) 5 (7.0%)

投与中止に至った副作用 3 (1.8%) 0 1 (1.4%)

程度別の有害事象 a

軽度 126 (75.9%) 45 (78.9%) 53 (74.6%)

中等度 17 (10.2%) 5 (8.8%) 7 (9.9%)

重度 1 (0.6%) 0 1 (1.4%)

発現例数(発現率)(事象の件数は除く)

a:同一の被験者が複数の有害事象を発現した場合,最も重い程度の事象を解析対象とした。

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.6B.1.1.1,12.6B.1.1.2,12.6B.1.2.1,12.6B.1.2.2,12.6B.1.8.1.1,12.6B.1.8.1.2

694

Page 321: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-23 器官別大分類,基本語別のすべての有害事象と副作用:SAF(52 週)

MedDRA Version 12.1器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

ASP1941 50 mgN=166

ASP1941 50 mgN=166

全事象 144 (86.7%) 52 (31.3%)

血液およびリンパ系障害 3 (1.8%) 2 (1.2%)

特発性血小板減少性紫斑病 1 (0.6%) 0

鉄欠乏性貧血 2 (1.2%) 2 (1.2%)

心臓障害 3 (1.8%) 0

狭心症 1 (0.6%) 0

動悸 1 (0.6%) 0

頻脈 1 (0.6%) 0

耳および迷路障害 5 (3.0%) 2 (1.2%)

耳管閉塞 1 (0.6%) 0

メニエール病 1 (0.6%) 1 (0.6%)

耳鳴 1 (0.6%) 0

回転性めまい 1 (0.6%) 0

頭位性回転性めまい 1 (0.6%) 1 (0.6%)

眼障害 20 (12.0%) 5 (3.0%)

眼瞼炎 1 (0.6%) 0

白内障 1 (0.6%) 0

結膜炎 3 (1.8%) 0

アレルギー性結膜炎 1 (0.6%) 0

糖尿病性網膜症 6 (3.6%) 2 (1.2%)

眼脂 1 (0.6%) 0

緑内障 1 (0.6%) 0

角膜炎 1 (0.6%) 0

飛蚊症 1 (0.6%) 1 (0.6%)

高眼圧症 1 (0.6%) 1 (0.6%)

網膜出血 1 (0.6%) 0

網膜裂孔 1 (0.6%) 0

増殖性網膜症 1 (0.6%) 0

強膜出血 1 (0.6%) 1 (0.6%)

胃腸障害 55 (33.1%) 12 (7.2%)

腹部不快感 3 (1.8%) 0

腹痛 1 (0.6%) 0

上腹部痛 7 (4.2%) 1 (0.6%)

口唇炎 2 (1.2%) 0

結腸ポリープ 2 (1.2%) 0

便秘 14 (8.4%) 6 (3.6%)

齲歯 7 (4.2%) 1 (0.6%)

下痢 8 (4.8%) 1 (0.6%)

口内乾燥 1 (0.6%) 0

腸炎 1 (0.6%) 0

硬便 1 (0.6%) 0

胃潰瘍 1 (0.6%) 0

695

Page 322: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1

器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

ASP1941 50 mgN=166

ASP1941 50 mgN=166

胃炎 5 (3.0%) 1 (0.6%)

歯肉腫脹 1 (0.6%) 0

歯肉炎 3 (1.8%) 0

舌炎 1 (0.6%) 0

腰ヘルニア 1 (0.6%) 0

マロリー・ワイス症候群 1 (0.6%) 0

口腔内痛 1 (0.6%) 0

慢性膵炎 1 (0.6%) 0

歯周病 1 (0.6%) 0

歯周炎 4 (2.4%) 0

口内炎 8 (4.8%) 1 (0.6%)

歯の脱落 1 (0.6%) 0

歯痛 3 (1.8%) 1 (0.6%)

口の感覚鈍麻 1 (0.6%) 0

全身障害および投与局所様態 17 (10.2%) 12 (7.2%)

胸部不快感 1 (0.6%) 1 (0.6%)

胸痛 1 (0.6%) 0

疲労 0 0

異常感 1 (0.6%) 1 (0.6%)

空腹 2 (1.2%) 2 (1.2%)

倦怠感 2 (1.2%) 0

末梢性浮腫 1 (0.6%) 0

口渇 12 (7.2%) 10 (6.0%)

肝胆道系障害 5 (3.0%) 0

アルコール性肝疾患 2 (1.2%) 0

肝機能異常 1 (0.6%) 0

脂肪肝 3 (1.8%) 0

胆嚢ポリープ 1 (0.6%) 0

免疫系障害 1 (0.6%) 0

季節性アレルギー 1 (0.6%) 0

感染症および寄生虫症 88 (53.0%) 5 (3.0%)

急性副鼻腔炎 1 (0.6%) 0

気管支炎 5 (3.0%) 0

膀胱炎 4 (2.4%) 4 (2.4%)

胃腸炎 8 (4.8%) 0

手足口病 1 (0.6%) 0

ヘルペスウイルス感染 1 (0.6%) 0

帯状疱疹 4 (2.4%) 0

麦粒腫 5 (3.0%) 0

インフルエンザ 5 (3.0%) 0

鼻咽頭炎 64 (38.6%) 0

爪真菌症 1 (0.6%) 0

骨髄炎 1 (0.6%) 0

咽頭炎 5 (3.0%) 0

696

Page 323: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1

器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

ASP1941 50 mgN=166

ASP1941 50 mgN=166

肺炎 1 (0.6%) 0

副鼻腔炎 1 (0.6%) 0

皮下組織膿瘍 1 (0.6%) 0

足部白癬 2 (1.2%) 0

上気道感染 2 (1.2%) 0

尿道炎 0 0

外陰部腟カンジダ症 1 (0.6%) 1 (0.6%)

感染性腸炎 1 (0.6%) 0

ウイルス性腸炎 1 (0.6%) 0

細菌性腟炎 1 (0.6%) 0

傷害、中毒および処置合併症 15 (9.0%) 0

造影剤反応 0 0

異物による損傷 1 (0.6%) 0

関節捻挫 2 (1.2%) 0

引っかき傷 1 (0.6%) 0

擦過傷 1 (0.6%) 0

筋挫傷 1 (0.6%) 0

挫傷 3 (1.8%) 0

熱傷 1 (0.6%) 0

半月板障害 1 (0.6%) 0

骨格損傷 1 (0.6%) 0

歯牙破折 3 (1.8%) 0

靱帯断裂 1 (0.6%) 0

臨床検査 24 (14.5%) 12 (7.2%)

アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加 1 (0.6%) 0

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ

増加1 (0.6%) 0

尿中 β2 ミクログロブリン増加 5 (3.0%) 4 (2.4%)

β-N アセチル D グルコサミニダーゼ増加 1 (0.6%) 0

血中クレアチンホスホキナーゼ増加 3 (1.8%) 0

血中クレアチニン増加 2 (1.2%) 2 (1.2%)

血中カリウム増加 1 (0.6%) 1 (0.6%)

血圧上昇 1 (0.6%) 0

血中尿酸増加 1 (0.6%) 0

尿中血陽性 2 (1.2%) 1 (0.6%)

体重減少 4 (2.4%) 4 (2.4%)

白血球数減少 1 (0.6%) 0

心電図 2 相性 T 波 1 (0.6%) 0

尿中アルブミン/クレアチニン比異常 1 (0.6%) 0

便潜血陽性 1 (0.6%) 1 (0.6%)

尿中 α1 ミクログロブリン増加 1 (0.6%) 0

代謝および栄養障害 8 (4.8%) 3 (1.8%)

糖尿病 a 1 (0.6%) 0

痛風 1 (0.6%) 0

697

Page 324: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1

器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

ASP1941 50 mgN=166

ASP1941 50 mgN=166

低血糖症 3 (1.8%) 2 (1.2%)

無自覚性低血糖 1 (0.6%) 1 (0.6%)

脂質異常症 1 (0.6%) 0

高脂血症 1 (0.6%) 0

筋骨格系および結合組織障害 32 (19.3%) 2 (1.2%)

関節痛 3 (1.8%) 0

背部痛 6 (3.6%) 0

骨痛 1 (0.6%) 1 (0.6%)

関節拘縮 1 (0.6%) 0

筋痙縮 2 (1.2%) 1 (0.6%)

筋骨格痛 2 (1.2%) 0

筋肉痛 5 (3.0%) 0

骨関節炎 1 (0.6%) 0

四肢痛 2 (1.2%) 0

関節周囲炎 0 0

肩回旋筋腱板症候群 1 (0.6%) 0

脊柱管狭窄症 1 (0.6%) 0

変形性脊椎炎 2 (1.2%) 0

腱鞘炎 1 (0.6%) 0

弾発指 3 (1.8%) 0

筋肉疲労 1 (0.6%) 0

椎間板突出 3 (1.8%) 0

良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およ

びポリープを含む)2 (1.2%) 0

脂肪腫 1 (0.6%) 0

前立腺癌 1 (0.6%) 0

神経系障害 20 (12.0%) 2 (1.2%)

健忘 1 (0.6%) 0

頚動脈狭窄 1 (0.6%) 0

頚髄症 1 (0.6%) 0

頚腕症候群 4 (2.4%) 0

浮動性めまい 4 (2.4%) 1 (0.6%)

頭痛 1 (0.6%) 1 (0.6%)

感覚鈍麻 3 (1.8%) 0

片頭痛 1 (0.6%) 0

神経痛 1 (0.6%) 0

末梢性ニューロパチー 1 (0.6%) 0

失神寸前の状態 1 (0.6%) 0

坐骨神経痛 0 0

緊張性頭痛 1 (0.6%) 0

ラクナ梗塞 1 (0.6%) 0

パーキンソン病 1 (0.6%) 0

精神障害 5 (3.0%) 1 (0.6%)

不眠症 3 (1.8%) 1 (0.6%)

698

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2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1

器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

ASP1941 50 mgN=166

ASP1941 50 mgN=166

感情的苦悩 1 (0.6%) 0

精神障害 1 (0.6%) 0

腎および尿路障害 21 (12.7%) 18 (10.8%)

尿管結石 1 (0.6%) 1 (0.6%)

排尿困難 1 (0.6%) 1 (0.6%)

腎結石症 1 (0.6%) 0

夜間頻尿 1 (0.6%) 0

頻尿 15 (9.0%) 15 (9.0%)

多尿 5 (3.0%) 5 (3.0%)

腎嚢胞 2 (1.2%) 0

生殖系および乳房障害 9 (5.4%) 3 (1.8%)

亀頭包皮炎 1 (0.6%) 0

良性前立腺肥大症 1 (0.6%) 0

子宮内膜症 1 (0.6%) 0

女性化乳房 1 (0.6%) 1 (0.6%)

閉経期症状 1 (0.6%) 1 (0.6%)

前立腺炎 1 (0.6%) 1 (0.6%)

陰部そう痒症 1 (0.6%) 0

性器不快感 1 (0.6%) 0

外陰腟痛 1 (0.6%) 0

呼吸器、胸郭および縦隔障害 13 (7.8%) 0

アレルギー性鼻炎 2 (1.2%) 0

上気道の炎症 7 (4.2%) 0

口腔咽頭痛 5 (3.0%) 0

皮膚および皮下組織障害 19 (11.4%) 1 (0.6%)

皮膚嚢腫 1 (0.6%) 0

アレルギー性皮膚炎 1 (0.6%) 0

接触性皮膚炎 0 0

薬疹 1 (0.6%) 0

皮膚乾燥 1 (0.6%) 0

湿疹 8 (4.8%) 1 (0.6%)

過角化 1 (0.6%) 0

そう痒症 1 (0.6%) 0

発疹 1 (0.6%) 0

紅斑性皮疹 1 (0.6%) 0

丘疹 1 (0.6%) 0

脂漏性皮膚炎 1 (0.6%) 0

うっ滞性皮膚炎 0 0

蕁麻疹 2 (1.2%) 0

乾皮症 1 (0.6%) 0

全身紅斑 0 0

逆むけ 1 (0.6%) 0

血管障害 2 (1.2%) 1 (0.6%)

潮紅 1 (0.6%) 0

699

Page 326: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

MedDRA Version 12.1

器官別大分類(SOC)

基本語(PT)

有害事象 副作用

ASP1941 50 mgN=166

ASP1941 50 mgN=166

高血圧 1 (0.6%) 1 (0.6%)

静脈瘤 0 0

発現例数(発現率)

a:糖尿病の悪化として報告された。

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.6B.1.4.1

2.7.6.25.6.1.3 死亡,その他の重篤な有害事象

本試験では,自然災害により 1 例が死亡した。

本被験者(S90416,50 歳,男性)は,治療 I 期用治験薬(プラセボ)を処方されていたが,治

験薬の投与は特定されず,地震のため溺死した(Day 5)。治験担当医師及び治験依頼者は,自然

災害による死亡であるため,有害事象の溺死と治験薬との関連性は否定できると判断した。本被

験者は,治験薬の投与の有無が不明であるため,SAF として採用されなかった。

24 週投与における重篤な有害事象の発現率は,プラセボ群で 3.9%(3/76 例)50 mg 群で 3.0%

(5/166 例)であった(表 2.7.6.25-20,表 2.7.6.25-24)。50 mg 群でみられた重篤な有害事象は,脊

柱管狭窄症,増殖性網膜症,椎間板突出,パーキンソン病(各 1 例),骨髄炎,皮下組織膿瘍及び

過角化(1 例)であった。ただし,治療 I 期中に 50/100 mg 群の 1 例に発現した非重篤な血小板数

減少は,治療 II 期中に重篤な特発性血小板減少性紫斑病と診断された。プラセボ群にみられた視

床梗塞は,治験薬と関連あるかもしれないと判定されたが,本事象以外のすべての重篤な有害事

象と治験薬との関連性は,いずれも治験担当医師により否定された。

治療 II 期移行後,重篤な有害事象の発現率は,50/50 mg 群で 3.5%(2/57 例),50/100 mg 群で

7.0%(5/71 例)であった。50/50 mg 群でみられた重篤な有害事象は,狭心症及び前立腺癌(各 1

例),50/100 mg 群では,特発性血小板減少性紫斑病,ラクナ梗塞及び結腸ポリープ(各 1 例),腸

炎及びマロリー・ワイス症候群(1 例),半月板障害及び靱帯断裂(1 例)であった。これらと治

験薬との関連性は,治験担当医師により否定された。

重篤な有害事象の叙述を CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)の別添 1 に示す。

700

Page 327: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-24 重篤な有害事象の一覧

症例

番号

性別/

年齢

MedDRA(v. 12.1)

基本語

最終投与日

(増量日)a

発現日(時

期)/終了日 a 程度 転帰治験薬との関

連性

治験

薬 b

プラセボ/-

S92112 男性/65 胃ポリープ 151 112 (I)/161 軽度 回復 否定できる 中止

S92305 女性/66 視床梗塞 147 145 (I)/159 重度 回復関連あるかも

しれない中止

S93506 男性/69 糖尿病 109 110 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止ASP1941 50 mg/-

S90214 男性/73 脊柱管狭窄症 14 2 (I)/40 中等度 回復 否定できる 中止

S90911 男性/51

過角化

168

29 (I)/- 中等度 未回復 否定できる 中止

骨髄炎 170 (I)/- 中等度 未回復 否定できる該当

なし

皮下組織膿瘍 170 (I)/- 中等度 未回復 否定できる該当

なし

S92015 男性/73 増殖性網膜症 163 105 (I)/- 軽度 軽快 否定できる 中止

S93302 男性/69 椎間板突出 107 109 (I)/- 中等度 軽快 否定できる該当

なし

S93507 男性/62 パーキンソン病 49 50 (I)/79 中等度 回復 否定できる 中止ASP1941 50/50 mg

S92212 男性/69 狭心症 291 284 (II)/- 中等度 未回復 否定できる 中止

S92707 男性/68 前立腺癌 364 350 (II)/- 軽度 未回復 否定できる変更

なしASP1941 50/100 mg

S90404 女性/64特発性血小板減少性

紫斑病 c 201 (169) 169 (I)/- 重度 軽快 否定できる 中止

S90906 女性/68

腸炎

325 (179)

325 (II)/333 中等度 回復 否定できる 中止

マロリー・ワイス症

候群325 (II)/333 中等度 回復 否定できる 中止

S92010 男性/60 ラクナ梗塞 325 (169) 324 (II)/372 中等度 回復 否定できる 中止

S92102 女性/67 結腸ポリープ 371 (183) 267 (II)/323 軽度 回復 否定できる変更

なし

S92501 女性/55

半月板障害

364 (169)

207 (II)/249 軽度 回復 否定できる変更

なし

靱帯断裂 207 (II)/249 軽度 回復 否定できる変更

なし

24 週投与及び 52 週投与の有害事象のデータの解析を示す。

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,II:治療 II 期の初回投与後

a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。

b:治験薬の処置

c:治療 I 期に血小板数減少と診断された(程度:軽度,重篤度:非重篤,治験薬との関連性:関連あるかもしれ

ない)が,治療 II 期に精査後,特発性血小板減少性紫斑病と診断された。

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Appendix 13.2.7A.4,13.2.7B.4

2.7.6.25.6.1.4 投与中止に至った有害事象

24 週投与における投与中止に至った有害事象の発現率は,50 mg 群(5.4%,9/166 例)に比べプ

ラセボ群(14.5%,11/76 例)で高かった。プラセボ群では,投与中止に至った 11 例のうち 8 例が,

糖尿病(糖尿病の悪化)による中止であった(表 2.7.6.25-25)。50 mg 群で投与中止に至った 9 例

701

Page 328: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

は,脊柱管狭窄症,過角化,健忘.増殖性網膜症,糖尿病,メニエール病,低血糖症及びパーキ

ンソン病(各 1 例),口渇,胸部不快感,多尿及び頻尿(1 例)による中止であった。

治療 II 期移行後,投与中止に至った有害事象の発現率は,50/50 mg 群で 3.5%(2/57 例),50/100 mg

群で 7.0%(5/71 例)であった。50/50 mg 群でみられた投与中止に至った有害事象は,狭心症及び

アルコール性肝疾患(各 1 例),50/100 mg 群では,特発性血小板減少性紫斑病,鉄欠乏性貧血,

ラクナ梗塞及び良性前立腺肥大症(各 1 例),腸炎及びマロリー・ワイス症候群(1 例)であった。

702

Page 329: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-25 投与中止に至った有害事象の一覧

症例

番号

性別/

年齢

MedDRA(v. 12.1)

基本語

最終投与日

(増量日)a

発現日(時

期)/終了日 a 程度 転帰治験薬との関

連性

治験

薬 b

プラセボ/-

S90107 女性/62 糖尿病 84 85 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止

S90401 女性/57 糖尿病 147 120 (I)/186 軽度 回復 否定できる 中止

S90414 女性/66

腹部不快感

28

1 (I)/57 軽度 回復 否定できる 中止

陰部そう痒症 4 (I)/57 軽度 回復関連あるかも

しれない中止

S90907 女性/62 糖尿病 74 35 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止

S92008 女性/61 糖尿病 126 85 (I)/- 軽度 未回復関連あるかも

しれない中止

S92112 男性/65 胃ポリープ 151 112 (I)/161 軽度 回復 否定できる 中止

S92305 女性/66 視床梗塞 147 145 (I)/159 重度 回復関連あるかも

しれない中止

S92604 男性/49 糖尿病 56 61 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止

S93306 男性/61 糖尿病 147 141 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止

S93317 男性/43 糖尿病 133 85 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止

S93506 男性/69 糖尿病 109 110 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止ASP1941 50 mg/-

S90214 男性/73 脊柱管狭窄症 14 2 (I)/40 中等度 回復 否定できる 中止

S90911 男性/51 過角化 168 29 (I)/- 中等度 未回復 否定できる 中止

S91005 男性/64

口渇

8

4 (I)/- 軽度 未回復多分(おそら

く)関連あり中止

胸部不快感 4 (I)/- 軽度 未回復関連あるかも

しれない中止

多尿 4 (I)/- 軽度 未回復多分(おそら

く)関連あり中止

頻尿 4 (I)/- 軽度 未回復多分(おそら

く)関連あり中止

S91501 女性/74 健忘 112 85 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止

S92015 男性/73 増殖性網膜症 163 105 (I)/- 軽度 軽快 否定できる 中止

S92702 女性/72 糖尿病 86 59 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 中止

S93102 女性/38 メニエール病 114 20 (I)/- 中等度 未回復関連あるかも

しれない中止

S93302 男性/69 低血糖症 107 100 (I)/100 軽度 回復 否定できる 中止

S93507 男性/62 パーキンソン病 49 50 (I)/79 中等度 回復 否定できる 中止ASP1941 50/50 mg

S92212 男性/69 狭心症 291 284 (II)/- 中等度 未回復 否定できる 中止

S93406 男性 61/ アルコール性肝疾患 211 113 (I)/- 中等度 軽快 否定できる 中止ASP1941 50/100 mg

S90404 女性/64特発性血小板減少性

紫斑病 c 201 (169) 169 (I)/- 重度 軽快 否定できる 中止

S90906 女性/68

腸炎

325 (179)

325 (II)/333 中等度 回復 否定できる 中止

マロリー・ワイス症

候群325 (II)/333 中等度 回復 否定できる 中止

S91811 女性/43 鉄欠乏性貧血 211 (170) 58 (I)/- 中等度 未回復関連あるかも

しれない中止

S92010 男性/60 ラクナ梗塞 325 (169) 324 (II)/372 中等度 回復 否定できる 中止

S92605 男性/72 良性前立腺肥大症 259 (176) 188 (II)/- 軽度 未回復 否定できる 中止

24 週投与及び 52 週投与の有害事象のデータの解析を示す。

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,II:治療 II 期の初回投与後

703

Page 330: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。

b:治験薬の処置

c:治療 I 期に血小板数減少と診断された(程度:軽度,重篤度:非重篤,治験薬との関連性:関連あるかもしれ

ない)が,治療 II 期に精査後,特発性血小板減少性紫斑病と診断された。

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Appendix 13.2.7A.6,13.2.5B.1,13.2.7B.6

2.7.6.25.6.1.5 注目すべき有害事象

本試験でみられた低血糖,尿路感染症,性器感染症,多尿又は頻尿関連の有害事象を注目すべ

き有害事象として示した(表 2.7.6.25-26,表 2.7.6.25-27)。

24 週投与における低血糖関連の有害事象の発現率は,プラセボ群で 1.3%(1/76 例),50 mg 群

で 1.2%(2/166 例)であった。無自覚性低血糖(中等度)の 1 事象を除いて,いずれも軽度であっ

た。50 mg 群の 1 例が低血糖症のため治験薬の投与を中止した(表 2.7.6.25-28)。尿路感染症関連

の有害事象の発現率は,プラセボ群で 3.9%(3/76 例),50 mg 群で 1.2%(2/166 例)であった。い

ずれも軽度であり,投与中止に至らなかった(表 2.7.6.25-29)。性器感染症関連の有害事象の発現

率は,プラセボ群で 3.9%(3/76 例),50 mg 群で 0.6%(1/166 例)であった。,プラセボ群の 1 例

では陰部そう痒症のため治験薬の投与を中止したが,それらを含めいずれも軽度であった(表

2.7.6.25-30)。多尿又は頻尿関連の有害事象の発現率は,プラセボ群で 2.6%(2/76 例),50 mg 群

で 9.6%(16/166 例)であった。50 mg 群の 1 例では多尿及び頻尿のため治験薬の投与を中止した

が,それらを含めいずれも軽度であった(表 2.7.6.25-31)。

治療 II 期移行後,低血糖関連の有害事象は,50/50 mg 群の 3 例(空腹,低血糖症及び倦怠感,

各 1 例),50/100 mg 群の 2 例(7 件の異常感,低血糖症,各 1 例)にみられた。50/100 mg 群で低

血糖症がみられた 1 例は減量した。すべての事象は軽度であり,投与中止に至らなかった。尿路

感染症関連の有害事象は,50/50 mg 群で 2 例(膀胱炎,2 例),50/100 mg 群で 1 例(膀胱炎)に

みられた。いずれも軽度であり,投与中止に至らなかった。性器感染症関連の有害事象は,

50/100 mg 群の 2 例(2 件の外陰部腟カンジダ症及び亀頭包皮炎,各 1 例)にみられた。いずれも

軽度であり,投与中止に至らなかった。多尿又は頻尿関連の有害事象は.50/100 mg 群の 1 例(頻

尿)にみられた。本事象は軽度であり,投与中止に至らなかった。

表 2.7.6.25-26 注目すべき有害事象の要約:SAF(24 週)

プラセボ ASP1941 50 mg

N=76 N=166

低血糖関連の有害事象 1 (1.3%) 2 (1.2%)

低血糖関連の副作用 1 (1.3%) 1 (0.6%)

尿路感染症関連の有害事象 3 (3.9%) 2 (1.2%)

尿路感染症関連の副作用 3 (3.9%) 2 (1.2%)

性器感染症関連の有害事象 3 (3.9%) 1 (0.6%)

性器感染症関連の副作用 2 (2.6%) 0

多尿又は頻尿関連の有害事象 2 (2.6%) 16 (9.6%)

多尿又は頻尿関連の副作用 2 (2.6%) 15 (9.0%)

発現例数(発現率)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.6A.1.4

704

Page 331: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-27 注目すべき有害事象の要約:SAF(52 週)

ASP1941 50 mg治療 I 期/治療 II 期

50/50 mg 50/100 mg N=166 N=57 N=71

低血糖関連の有害事象 7 (4.2%) 3 (5.3%) 2 (2.8%)

低血糖関連の副作用 5 (3.0%) 2 (3.5%) 2 (2.8%)

尿路感染症関連の有害事象 5 (3.0%) 2 (3.5%) 2 (2.8%)

尿路感染症関連の副作用 5 (3.0%) 2 (3.5%) 2 (2.8%)

性器感染症関連の有害事象 3 (1.8%) 0 3 (4.2%)

性器感染症関連の副作用 1 (0.6%) 0 1 (1.4%)

多尿又は頻尿関連の有害事象 17 (10.2%) 7 (12.3%) 4 (5.6%)

多尿又は頻尿関連の副作用 16 (9.6%) 7 (12.3%) 4 (5.6%)

発現例数(発現率)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.6B.1.3.1,12.6B.1.3.2

705

Page 332: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-28 低血糖関連の有害事象の一覧

症例

番号

性別/

年齢

1 日当たり SU

剤総投与量

(スクリーニ

ング時)

MedDRA(v. 12.1)

基本語

最終投

与日(増

量日)a

発現日(時期)

/終了日 a 程度 転帰治験薬との

関連性治験薬 b

プラセボ/-

S92112 男性/65

グリベンクラ

ミド

3.75 mg/日

空腹

151

12 (I)/12 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

空腹 36 (I)/36 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

ASP1941 50 mg/-

S93102 女性/38グリメピリド

2 mg/日

無自覚性低血糖114

59 (I)/88 中等度 回復関連あるかも

しれない変更なし

無自覚性低血糖 149 (I)/207 軽度 回復 否定できる 該当なし

S93302 男性/69グリメピリド

3 mg/日低血糖症 107 100 (I)/100 軽度 回復 否定できる 中止

ASP1941 50/50 mg

S90103 男性/50グリメピリド

1 mg/日空腹 378 196 (II)/217 軽度 回復

多分(おそら

く)関連あり変更なし

S92510 女性/55グリクラジド

40 mg/日低血糖症 364 246 (II)/246 軽度 回復

関連あるかも

しれない変更なし

S92611 男性/57グリクラジド

80 mg/日倦怠感 385 217 (II)/217 軽度 回復 否定できる 変更なし

ASP1941 50/100 mg

S90408 女性/68グリメピリド

1 mg/日低血糖症 364 (176) 196 (II)/312 軽度 回復

多分(おそら

く)関連あり減量

S91102 男性/51グリメピリド

4 mg/日

異常感

378 (169)

175 (II)/175 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

異常感 177 (II)/177 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

異常感 191 (II)/191 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

異常感 212 (II)/212 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

異常感 231 (II)/231 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

異常感 247 (II)/247 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

異常感 262 (II)/262 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

24 週投与及び 52 週投与の有害事象のデータの解析を示す。

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,II:治療 II 期の初回投与後

a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。

b:治験薬の処置

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Appendix 13.2.7A.3.2,13.2.7B.3.2

706

Page 333: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-29 尿路感染症関連の有害事象の一覧

症例

番号

性別/

年齢

MedDRA(v. 12.1)

基本語

最終投与日

(増量日)a

発現日(時期)

/終了日 a 程度 転帰治験薬との

関連性治験薬 b

プラセボ/-

S90401 女性/57 膀胱炎 147 75 (I)/148 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

S91701 女性/67 膀胱炎 171 47 (I)/88 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

S92309 女性/53 膀胱炎 121 78 (I)/100 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

プラセボ/ASP1941 50 mg

S93401 男性/47 尿道炎 197 (169) 188 (II)/191 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

ASP1941 50 mg

S92403 男性/63 前立腺炎 161 23 (I)/27 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

ASP1941 50/50 mg

S92205 女性/74 膀胱炎 356 179 (II)/184 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

S92303 男性/72 膀胱炎 364 363 (II)/- 軽度 未回復関連あるかも

しれない変更なし

ASP1941 50/100 mg

S91801 男性/44 膀胱炎 364 (170) 86 (I)/120 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

S92501 女性/55 膀胱炎 364 (169) 188 (II)/337 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,II:治療 II 期の初回投与後

a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。

b:治験薬の処置

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Appendix 13.2.7A.3.1,13.2.7A.3.3,13.2.7B.3.1,13.2.7B.3.3

707

Page 334: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-30 性器感染症関連の有害事象の一覧

症例

番号

性別/

年齢

MedDRA(v. 12.1)

基本語

最終投与日

(増量日)a

発現日(時期)

/終了日 a 程度 転帰治験薬との

関連性治験薬 b

プラセボ/-

S90414 女性/66 陰部そう痒症 28 4 (I)/57 軽度 回復関連あるかも

しれない中止

S91115 女性/57 子宮頚管炎 165 27 (I)/56 軽度 回復 否定できる 変更なし

S92109 男性/42 亀頭包皮炎 156 120 (I)/165 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

ASP1941 50/100 mg

S91304 女性/54

外陰部腟カンジダ症

365 (170)

173 (II)/247 軽度 回復関連あるかも

しれない変更なし

外陰部腟カンジダ症 355 (II)/- 軽度 未回復関連あるかも

しれない変更なし

S91306 女性/63 細菌性腟炎 364 (169) 11 (I)/37 軽度 回復 否定できる 変更なし

S91804 男性/54 亀頭包皮炎 362 (169) 206 (II)/- 軽度 軽快 否定できる 変更なし

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,II:治療 II 期の初回投与後

a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。

b:治験薬の処置

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Appendix 13.2.7A.3.1,13.2.7A.3.4,13.2.7B.3.1,13.2.7B.3.4

708

Page 335: 2.7.6.16 薬物相互作用試験(ミチグリニド)[CL …2.7.6.16.1 試験方法の概略 治験課題名:ASP1941薬物動態試験 -ASP1941とミチグリニドカルシウム水和物を併用したと

2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-31 多尿又は頻尿関連の有害事象の一覧

症例

番号

性別/

年齢

MedDRA(v. 12.1)

基本語

最終投与

日(増量

日)a

発現日(時

期)/終了

日 a

程度 転帰治験薬との

関連性治験薬 b

プラセボ/-

S90215 女性/62 頻尿 174 87 (I)/211 軽度 回復 関連あるかもしれない 変更なし

S91001 男性/60 多尿 168 1 (I)/- 軽度 未回復多分(おそらく)関連

あり変更なし

ASP1941 50 mg/-

S91005 男性/64

多尿

8

4 (I)/- 軽度 未回復多分(おそらく)関連

あり中止

頻尿 4 (I)/- 軽度 未回復多分(おそらく)関連

あり中止

S91504 女性/65 多尿 168 3 (I)/176 軽度 回復多分(おそらく)関連

あり変更なし

S91507 男性/69 頻尿 112 2 (I)/81 軽度 回復多分(おそらく)関連

あり変更なし

S91512 男性/52

多尿

168

8 (I)/178 軽度 回復多分(おそらく)関連

あり変更なし

頻尿 8 (I)/70 軽度 回復多分(おそらく)関連

あり変更なし

S92015 男性/73 夜間頻尿 163 131 (I)/- 軽度 未回復 否定できる 変更なし

S92403 男性/63 頻尿 161 2 (I)/173 軽度 回復 関連あるかもしれない 変更なしASP1941 50/50 mgS90204 男性/63 頻尿 363 151 (I)/399 軽度 回復 関連あるかもしれない 変更なし

S91006 男性/56 頻尿 371 9 (I)/85 軽度 回復多分(おそらく)関連

あり変更なし

S91604 男性/54 頻尿 371 59 (I)/306 軽度 回復多分(おそらく)関連

あり変更なし

S91805 男性/50 頻尿 363 28 (I)/279 軽度 回復 関連あるかもしれない 変更なし

S92304 男性/66多尿

3648 (I)/315 軽度 回復 関連あるかもしれない 変更なし

頻尿 8 (I)/315 軽度 回復 関連あるかもしれない 変更なし

S92411 男性/62 頻尿 371 22 (I)/384 軽度 回復 関連あるかもしれない 変更なし

S92707 男性/68

多尿

364

3 (I)/369 軽度 回復多分(おそらく)関連

あり変更なし

頻尿 22 (I)/369 軽度 回復多分(おそらく)関連

あり変更なし

ASP1941 50/100 mg

S90211 男性/61 頻尿 365 (169) 155 (I)/388 軽度 回復 関連あるかもしれない 変更なし

S91304 女性/54 頻尿 365 (170) 2 (I)/376 軽度 回復 関連あるかもしれない 変更なし

S91503 男性/42 頻尿 364 (174) 74 (I)/- 軽度 軽快多分(おそらく)関連

あり変更なし

S92201 女性/67 頻尿 375 (166) 308 (II)/329 軽度 回復 関連あるかもしれない 変更なし

I:初回投与から 24 週又は中止時の間,II:治療 II 期の初回投与後

a:治療 I 期用治験薬の初回処方日を Day 1 とした。

b:治験薬の処置

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Appendix 13.2.7A.3.1,13.2.7B.3.1

709

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2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.25.6.1.6 有害事象の発現時期(52 週投与)

本剤 50 mg 群における有害事象の発現率,重篤な有害事象の発現率,投与中止に至った有害事

象の発現率,5%以上にみられた有害事象の発現率を発現時期別に検討した結果,いずれについて

も投与期間の経過に伴う明らかな増加はみられなかった(表 2.7.6.25-32)。

50/100 mg 群における有害事象の発現率,投与中止に至った有害事象の発現率,5%以上にみら

れた有害事象の発現率を増量前後で検討した結果,いずれについても,100 mg への増量による明

らかな影響はみられなかった。重篤な有害事象は増量前は 1 例にみられたが,増量後は 4 例にみ

られた。有害事象の口渇は増量前にのみ認められ,増量後には認められなかった(表 2.7.6.25-33)。

表 2.7.6.25-32 ASP1941 50 mg 群の有害事象の発現時期:SAF(52 週)

Day 合計

N=1661-90

N=16691-180a

N=163181-270N=155

271-360N=124

361-N=121

全事象 103 (62.0%) 68 (41.7%) 56 (36.1%) 56 (45.2%) 19 (15.7%) 144 (86.7%)

重篤な有害事象 3 (1.8%) 4 (2.5%) 2 (1.3%) 4 (3.2%) 0 12 (7.2%)

投与中止に至った有害事象 8 (4.8%) 4 (2.5%) 1 (0.6%) 3 (2.4%) 0 16 (9.6%)

5%以上にみられた有害事象(MedDRA Version 12.1,基本語)

鼻咽頭炎 33 (19.9%) 17 (10.4%) 15 (9.7%) 21 (16.9%) 5 (4.1%) 64 (38.6%)

頻尿 12 (7.2%) 2 (1.2%) 0 1 (0.8%) 0 15 (9.0%)

便秘 8 (4.8%) 2 (1.2%) 3 (1.9%) 3 (2.4%) 0 14 (8.4%)

口渇 10 (6.0%) 3 (1.8%) 0 0 0 12 (7.2%)

発現例数(発現率)

a:24 週時(来院基準日:Day 169)に,治療 I 期から治療 II 期に移行した

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.6B.1.10.1.1

表 2.7.6.25-33 50/100 mg の有害事象の発現時期(増量前後別):SAF(52 週)

増量前N=71

増量後N = 71

全事象 53 (74.6%) 51 (71.8%)

重篤な有害事象 1 (1.4%) 4 (5.6%)

投与中止に至った有害事象 2 (2.8%) 3 (4.2%)

5%以上にみられた有害事象(MedDRA Version 12.1,基本語)

鼻咽頭炎 19 (26.8%) 17 (23.9%)

便秘 5 (7.0%) 3 (4.2%)

口渇 4 (5.6%) 0

齲歯 4 (5.6%) 2 (2.8%)

下痢 4 (5.6%) 1 (1.4%)

発現例数(発現率)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.6B.1.11.1

2.7.6.25.6.2 臨床検査値

24 週投与では,プラセボ群と 50 mg 群との間で,臨床的に問題となる臨床検査値(平均値)の

推移の違いはみられなかった。52 週投与では,臨床的に問題となる臨床検査値(平均値)のベー

スラインからの変化はみられなかった。

710

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2.7.6個々の試験のまとめ

2.7.6.25.6.3 バイタルサイン

2.7.6.25.6.3.1 24 週投与

治療 I 期最終時点における収縮期血圧のベースラインからの平均変化量は,プラセボ群で

−1.3 mmHg,50 mg 群で−5.5 mmHg であった(表 2.7.6.25-34)。治療 I 期最終時点における拡張期

血圧のベースラインからの平均変化量は,プラセボ群で−0.5 mmHg,50 mg 群で−2.9 mmHg であっ

た。治療 I 期最終時点における脈拍数のベースラインからの平均変化量には,プラセボ群と 50 mg

群との間で明らかな違いはみられなかった。

表 2.7.6.25-34 バイタルサインの要約:SAF(24 週)

プラセボ ASP1941 50 mg

N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

収縮期血圧

(mmHg)

治療期開始時(ベースライン) 76 129.2 (14.12) 166 130.3 (14.04)

治療 I 期最終時点 75 128.2 (13.87) 165 124.7 (12.84)

変化量 75 −1.3 (13.23) 165 −5.5 (13.21)

拡張期血圧

(mmHg)

治療期開始時(ベースライン) 76 75.4 (11.26) 166 77.2 (10.06)

治療 I 期最終時点 75 75.0 (9.85) 165 74.3 (9.77)

変化量 75 −0.5 (8.61) 165 −2.9 (8.30)

脈拍数

(bpm)

治療期開始時(ベースライン) 76 73.2 (11.18) 166 73.4 (9.28)

治療 I 期最終時点 75 73.4 (12.26) 165 73.8 (9.80)

変化量 75 0.3 (8.57) 165 0.5 (8.23)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.6A.3.1,12.6A.3.2

2.7.6.25.6.3.2 52 週投与

本剤 50 mg 群では,収縮期血圧の平均値はベースラインの 130.3 mmHg から本剤投与最終時点

の 126.4 mmHg に低下した。拡張期血圧の平均値はベースラインの 77.2 mmHg から本剤投与最終

時点の 75.0 mmHg に低下した。脈拍数の平均値には,ベースライン,治療 I 期最終時点及び本剤

投与最終時点の間で明らかな違いはみられなかった(表 2.7.6.25-35)。

711

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2.7.6個々の試験のまとめ

表 2.7.6.25-35 バイタルサインの要約:SAF(52 週)

ASP1941 50 mg治療 I 期/治療 II 期

50/50 mg 50/100 mg

N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差) N 平均値(標準偏差)

収縮期

血圧(mmHg)

治療期開始時(ベースライン) 166 130.3 (14.04) 57 130.3 (15.50) 71 129.4 (12.57)

治療 I 期最終時点 165 124.7 (12.84) 57 123.9 (12.73) 71 125.7 (12.39)

ASP1941 投与最終時点 165 126.4 (12.43) 57 127.4 (13.03) 71 126.9 (10.99)

後観察時 161 128.2 (14.14) 57 128.5 (14.95) 70 129.0 (12.59)

拡張期

血圧(mmHg)

治療期開始時(ベースライン) 166 77.2 (10.06) 57 78.3 (10.43) 71 76.9 (10.05)

治療 I 期最終時点 165 74.3 (9.77) 57 75.9 (8.97) 71 73.8 (10.52)

ASP1941 投与最終時点 165 75.0 (9.86) 57 77.2 (9.56) 71 74.4 (10.16)

後観察時 161 75.9 (10.34) 57 78.4 (9.64) 70 75.6 (10.87)

脈拍数(bpm)

治療期開始時(ベースライン) 166 73.4 (9.28) 57 74.1 (8.36) 71 72.9 (8.58)

治療 I 期最終時点 165 73.8 (9.80) 57 74.5 (8.66) 71 73.3 (8.62)

ASP1941 投与最終時点 165 73.1 (10.31) 57 74.0 (8.95) 71 72.1 (9.65)

後観察時 161 73.0 (8.84) 57 74.4 (9.42) 70 72.3 (8.02)

Source:CL-0109 総括報告書(5.3.5.1-5)Table 12.6B.3.1.1,12.6B.3.1.2

2.7.6.25.6.4 心電図

24 週投与では,治療 I 期用治験薬の投与開始後にみられた臨床的に重要な心電図異常は,50 mg

群でみられた心電図 2 相性 T 波のみであった。52 週投与では,3 例(心電図 2 相性 T 波,狭心症

及び頻脈)で,臨床的に重要な心電図異常がみられた。

2.7.6.25.6.5 eGFR

24 週投与では,プラセボ群と 50 mg 群との間で,臨床的に問題となる eGFR(平均値)の推移

の違いはみられなかった。52 週投与では,臨床的に問題となる eGFR(平均値)のベースライン

からの変化はみられなかった。

2.7.6.25.7 結論

SU 剤単独療法で血糖管理不十分な 2 型糖尿病患者を対象に,本剤 50 mg を SU 剤と 1 日 1

回,24 週間,併用投与した結果,本剤は HbA1c 値を減少させるのに有効であること(本剤

のプラセボに対する優越性)が示された。

本剤 50 mg を SU 剤と 1 日 1 回,24 週間,併用投与したときの安全性に問題はなく,忍容

性は良好であった。

本剤 50 mg を SU 剤と 1 日 1 回,併用投与したときの有効性は,52 週時まで維持された。

本剤 50 mg を SU 剤と 1 日 1 回,併用投与したときに血糖管理不十分であった被験者で,

24 週時に本剤を 100 mg に増量した結果,HbA1c 値の更なる改善がみられた。

本剤を SU 剤と 1 日 1 回,52 週間,併用投与したとき,24 週時に 50 mg から 100 mg に増

量した場合も含めて,安全性に特に問題はなく,忍容性は良好であった。本試験で,大き

な安全性の懸念は示されなかった。

712