平成25年度在宅医療・介護連携拠点事業 取組成果報告 筑西市 平 … ·...

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平成25年度在宅医療・介護連携拠点事業 取組成果報告 筑西市 平成26年5月22日 ◎筑西市の紹介 事業の目標及び効果 取り組んだ事業(土台づくり事業)と その成果 現状と将来像 まとめ 1

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Page 1: 平成25年度在宅医療・介護連携拠点事業 取組成果報告 筑西市 平 … · 「地域包括ケア時代の在宅医療~多職種協働と地域連携~」 医療法人アスムス理事長太田秀樹先生

平成25年度在宅医療・介護連携拠点事業

取組成果報告

筑西市 平成26年5月22日

◎筑西市の紹介

Ⅰ 事業の目標及び効果

Ⅱ 取り組んだ事業(土台づくり事業)と

その成果

Ⅲ 現状と将来像

Ⅳ まとめ

1

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筑西市の紹介

人口・・・109,138人(26.4.1現在)

65歳以上の人口 27,877人

高齢化率・・・25.5%

75歳以上の人口 13,560人(12.4%)

(75歳以上の独り暮らし13%・夫婦二人世帯24%)

医療資源

面積205.35K㎡

2

医療資源

・病院 6 (1,148病床)

・医科診療所 77 (132病床)

・歯科診療所 57

(在宅療養支援病院1・在宅療養支援診療所12)

25年度在宅医療・介護連携拠点事業担当課

・企画部企画課中核病院建設推進室 職員4名

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目標及び目標達成時の効果目標を達成するための取組状況及び取組効果

H27年度末時点 H26年度末時点 H25年度末時点

①ケアマネージャーが医師との連携ができていると感じる人が増える。

10%増

①ケアマネージャーが医師との連携ができていると感じる人が増える。

5%増

①意見交換会や交流会のワークショップを通してケアマネジャーや医師が顔の見える関係づくりを図った。ケアマネジャーへのアンケート調査結果(25.10.28現

在) ケアマネジャーが医師との連携ができていると感じる人の割合

47%(34人/73人中)

Ⅰ 事業の目標及び効果

②自分の住む地域に訪問看護師と連携しながら在宅診療してくれる医師が増える。

医療機関 3か所

③住み慣れた地域で最後まで過ごすことができる。

(在宅死亡率)14.5%

②自分の住む地域に訪問看護師と連携しながら在宅診療してくれる医師が増える。

医療機関2か所

③住み慣れた地域で最後まで過ごすことができる。

(在宅死亡率)14.3%

47%(34人/73人中)

②市内12か所の在宅療養支援診療所における往診、訪問診療、看取りの支援、訪問看護師との連携状況等について調査確認した。その結果、訪問看護師と連携し、訪問診療を実施している医療機関は1か所のみであった。

③住み慣れた地域で最後まで過ごせることを選択できる環境や市民意識の改革を図るため、民生委員や市民を対象に講演会やシンポジウムを開催した。

(在宅死亡率)14.1% 3

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2013年 2014年

8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q

準備会 実行委員会委員22名

協議会委員13名

1 2 3 5

321.きっかけづくり

Ⅱ 取り組んだ事業(土台づくり事業)

(勉強会を同時開催) 2 3研

4

1

1

交流会

意見交換会

ヒアリング調査

死亡小票分析(H10~H12の3年間)

アンケート調査準備 発送・回収 分析、とりまとめ

(研修会)1 2 3研

講演会(民生委員向け7地区 ・ 市民向け4地区)

シンポジウム準備 開催 シ

講演 太田秀樹先生「地域包括ケア時代の在宅医療」

講演 熊田真樹先生「在宅療養患者の急変時対応について」

講演 宮田信之先生「看取りの支援について」

最終報告書とりまとめ

2.人づくり

3.実態調査

テキスト作成講演 木村洋輔先生「在宅医療の推進」

4.意識づくり

須坂市視察 視

勉強会

ICT視察プラタナス在宅医療部

4

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課題抽出・体制案の検討研修・意見交換会・シンポジウム等開催

コンサルタント

地域医療連携推進協議会実行委員会地域医療連携推進協議会

事務局

運 営連携推進体制の構築

各種支援(企画課中核病院建設推進室)

事業体制

体制案提示

方向性検証

5

真壁医師会2名

市薬剤師会

市歯科医師会

協和中央病院

ケアマネ協議会 介護施設

筑西保健所

自治会連合会

筑西広域消防本部

連合民生委員

筑西市民病院 市福祉部

消防本部救急担当者

アドバイザー(医師)

行政担当者6名

ケアマネージャー2名

医療社会福祉士

医師(病院2名・診療所1名)

訪問看護ステーション2名

歯科医師

病院地域医療連携担当者4名

社会福祉協議会

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1.多職種同士の顔の見える関係の構築のための「きっかけづくり」

①委員13名で構成

各種団体、職種の代表者

②会議の開催1回目 8月27日 13名出席

2回目 11月19日 13名出席

推進協議会(26.3.25 13:00〜14:00)

(1)推進協議会

3回目 3月25日 11名出席

③主な協議事項・在宅医療・介護連携推進事業の計画及び報告について

・事業の経過や抽出された課題の報告等

④成果・全体事業への助言や各事業の支援を頂くなど円滑に事業が遂行し、「顔

の見える場」により関係構築ができ、在宅医療・介護の現況・課題が抽出

できた。

6

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1.多職種同士の顔の見える関係の構築のための「きっかけづくり」

①委員22名で構成

各種団体:職場の現場従事者

②会議の開催

1回目 8月22日 21名出席(準備会)

2回目 9月 5日 20名出席

3回目 11月 7日 17名出席

4回目 1月16日 19名出席

実行委員会でのワークショップ

(2)実行委員会

4回目 1月16日 19名出席

5回目 3月19日 19名出席

③主な内容

・会議では、事業の計画や検討を行った。

・意見交換会では、実行委員がファシリテーターとなり運営した。

・シンポジウムでは、実行委員の中からケアマネジャー及び訪問看護ステーション

看護師がシンポジストとして出席した。

④成果

意見交換会では、現場従事者である実行委員が交流会とワークショップのファシ

リテーターを担当したことにより多職種間の交流を効果的に推進することができた。7

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会議名 人数 内 容

第1回

意見交換会H25.10.319:00‐21:45

勉強会

180人

在宅医療の推進

大和クリニック院長 木村洋輔先生

意見交換会退院支援~在宅導入~日常療養支援時の多職種連携上の課題抽出

交流会 90人 立食での交流会を開催

研修会交流会 70人

ランチョンセミナー「かかりつけ医の在宅医療」 DVD上映

1.多職種同士の顔の見える関係の構築のための「きっかけづくり」

(3)意見交換会の開催

8

H25.11.1412:45-16:00

意見交換会 75人 第1回意見交換会でまとめられた課題の解決策の検討

講演会 95人「地域包括ケア時代の在宅医療~多職種協働と地域連携~」

医療法人アスムス理事長 太田秀樹先生

第2回

意見交換会H25.12.1918:30-21:00

交流会 100人 会食を兼ねた交流会

勉強会 166人 「急変時の対応」 筑西市民病院総合診療医 熊田真樹先生

意見交換会 126人 急変を起こさないためのチームケアと実際の急変時における課題抽出

第3回

意見交換会H26.2.618:30-21:00

交流会 150人会食を兼ねた交流会「在宅の看取りからグリーフケアまで」 DVD上映

勉強会 198人 「看取りの支援について」 宮田医院院長 宮田信之先生

意見交換会 139人 看取りの支援の現状と課題

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第3回意見交換会参加者アンケート結果

20歳未満,

1名

20代,

18名

30代,

30名50代,

56名

60代以上,

13名

年代構成

n=148

男女構成

1 きっかけづくり

回答者の内訳

9

40代,

30名職種内訳

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第3回意見交換会参加者アンケート結果

n=148

≪肯定的意見≫

・日頃からお世話になっている方、そうでない方々と交流することができ次にお会いしたときにはもっと話し合いができるように感じました。

1 きっかけづくり

(1)関係構築はできたか?

・関係構築が出来た人と答えた人が7割。

10

にはもっと話し合いができるように感じました。・相談もしやすくなったように思います。・多職種の方と知り合いになれました。

・医療関係者、介護従事者の横のつながりはできたと思う。

・顔を見て直接話すことで、今それぞれが抱えている悩みなどを共有することができた。・多職種の意見を聞くことができた。・毎回違うメンバーと顔を合わすことができた。

・利用者を良くしてあげたいという共通した思いがある。

≪否定的意見≫・時間が少ない。・あくまで個人(各事業所)レベルのつながりなので、

筑西市としてデータをまとめ活用させていくべきなのではないかと思う。・交流時間が少なかった。

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(複数回答)

・在宅医療に関する視野が広がった人は4割、多職種とも気軽に相談できる機会が増えてきた人が3割だった。

・しかし医師との連携が増えた人はわずかであり、大きな変化がないと感じている人も1割いた。

n=148

1 きっかけづくり

(2) これまでと変わったこと、感じたことは?

第3回意見交換会参加者アンケート結果

11

≪肯定的意見≫

・在宅に対する意見も人それぞれ違うので、たくさん勉強になりました。・多職種、様々な方と触れ合うことができた。

・日頃関わりの無い職種と関わることでイメージが変わった。

≪否定的意見≫

・もう少し回数があるとより意見交換が深められると思います。・施設、デイケアでの問題点の違いがある。・在宅医療に理解のある医師ばかりではない。

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≪否定的意見≫

(複数回答)・今後実現が可能と考えている人が7割以上であった。

≪肯定的意見≫

n=148

1 きっかけづくり

(3)在宅医療・介護の連携が実現できるか?

第3回意見交換会参加者アンケート結果

≪否定的意見≫

・意見交換会に参加してくれた方(事業所)を今後も継続的につなげていく研修等が必要だと思う。

・エリアが広いので在介毎の事例検討の方がいいかも。

・各回、その場はそれなりの達成感はあるが先が見えない。・まだまだ時間はかかると思います。・行政がどのような形を構築していくのか見えない・今の医療システムでは難しいと思う。

・在宅医療に関しても医師ももっと理解を示していただけることを望みます。

≪肯定的意見≫

・宮田先生のような先生が地域にいらっしゃるから。

・日頃顔を合わせないため今後も定期的にこのような会を行っていけば可能だと思う。

・実現できると思うがしっかりとベースを作ったほうがいい。地区単位で開催が必要。

・1人1人思ったことを伝えればいくらでも連携できると実感した。・顔の見える関係つくりが出来た。・実現しなければいけないと思います。

・病院を中心にカンファレンスをしていける仕組みがあると良い。・ケースバイケースにて常に連携・学習が必要。・もっと色々な職種や事業所を知る必要があると思った。・1人1人の心の問題だと思っている。

12

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・継続することをしてほしいし、他の民間の施設にもテーマ(話すこと)を設けてほしい。

・先輩達の話を聞き、励ましていただき、来て良かったと心から思えました。

(4) 参加者の自由意見

1 きっかけづくり

第3回意見交換会参加者アンケート結果

13

・先生のお話はとても良いもので生の意見が聴けて大変勉強になりました。

・また、この様な機会を作っていただきたいと思います。

・患者さんのご家族の方から生の声が聞けたらもっと分かりあえるのではないかと思います。

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1.退院時

(1) 退院前カンファレンスの機能不全(2) 在宅医や訪問看護師に対する退院調整入院患者の医療情報提供の不足(3 )筑西市内の医療介護リソースや制度に関する情

2.日常療養時

(4) 家族の介護負担が大きい

(5) 医療従事者と介護従事者の連携不足(情報共有不足)

1.多職種同士の顔の見える関係の構築のための「きっかけづくり」

1 きっかけづくり

《成果》 筑西市の課題が明確になった

14

(3 )筑西市内の医療介護リソースや制度に関する情報提供の不足(在宅医療を行っている医療機関が見つからない)

(情報共有不足)

(6) ケアマネジャーのスキル不足

3.急変時 4.看取り時

(7) 患者・家族との事前の急変時におけるルール(決め事)の不足

(8) バッグベッドの不足

(9) 介護者の知識・経験不足

(10) 医療・介護従事者の知識・経験不足

(11) 患者・家族とのコミュニケーション不足

(12) 自宅看取りに対する市民の意識(知識)不足

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≪意見交換会と同時開催≫

1回目 10/3 180名出席

・「在宅医療の推進」 大和クリニック院長 木村洋輔先生

・外来でできることは在宅でできることを知り、すごい!と思った

・満足度は85%

2回目 12/19 166名出席

・「在宅療養患者の急変時対応について」

2.専門職に対する資質向上のための「人づくり」

(1)勉強会

・「在宅療養患者の急変時対応について」

筑西市民病院総合診療医 熊田真樹先生

・救急医療と在宅医療の違い、そして患者さん市民に対する啓蒙協力の必要性も感じました。

・今後どうしたら良いのか、どうしたいのかがわかる話を聞く事が出来て大変良かったです。

・満足度は85%

3回目 2/6 198名出席

・「看取りの支援」 宮田医院院長 宮田信之先生

・看取りの流れや実際の症例を交えての話が具体的で分かりやすいと思いました。

・筑西市の状況が理解できた。

・死に至る過程と対応について学べてよかった。

・満足度は約95%(非常に満足度が高かった)

15

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2.専門職に対する資質向上のための「人づくり」

①開催日 11月14日(木)

ランチョンセミナー 70名出席『かかりつけ医の在宅医療』DVD上映・ 満⾜度は 63%

意見交換会WS 75名出席退院支援~在宅導入~日常在宅ケアでの『課題解決策WS』・ 満⾜度は 6 6%

(2)研修会

基調講演 太田秀樹先生 95名出席地域包括ケア時代の在宅医療~多職種共同と地域連携~・ 満⾜度は 83%

②参加者の声

・研修会を通じて参加者と関係構築ができたと答えた人は88%

であり、有意義な時間を過ごしてもらえた人が多いように思われた。

・参加者の不満点としては、基調講演、WSの時間不足が多かった。

・良かった点としては、DVDの内容がわかりやすく在宅医療への理解が深まったこと、基調講演を聞き重要性を認識できたこと、多職種との交流がもて、今後のやりとりの活性化につながりそうだということが多く挙げられていた。

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①実施日 9月25日(水)

・出席者 実行委員8名、事務局6名 計14名

②視察地

午前:長野県須坂市

午後:須高医師会

③視察の状況

◎須坂市健康づくり課地域医療福祉ネットワーク

2.専門職に対する資質向上のための「人づくり」

(3)視察研修

◎須坂市健康づくり課地域医療福祉ネットワーク

推進室樽井室長から説明。

・生前の意思表明カードやエンディングノートを

市高齢福祉課で作成、100円で販売している。

・須高地域で医療・介護を受けるために地元ケーブルテレビに番組を作成・放映、その後、DVD化して関係

機関に配布した。

◎小池須高医師会長から「拠点事業と医師会の関わり」について説明を受けた。

・須高地域は、訪問看護の患者や高齢者の絶対数が増えていくため在宅医療でやっていかないとまわらな

い状況になる。

④成果

・須坂市・小布施町・高山村の行政と医師会が一体となり活動している須坂地域の説明に、参加者一同感

銘し、今後の筑西市在宅医療連携推進事業推進の方向性についての契機を感じた。

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3.地域課題を把握するための「実態調査」

(1)在宅医療に関するアンケート調査 (郵送による配布・回収)・平成25年10月28日〜11月22日

・対象者(回収率) ①医師49名(38.6%) ②訪問看護師11人(78.6%)

③ケアマネジャー73人(81.1%) ④市民 1,120人(56%)

・目 的 市民の在宅医療に係る意識やニーズを把握し、今後の在宅医療推進の施策検討等の

基礎資料とする。

・結 果 後述

(2)ヒアリング調査 (インタビュー形式による調査)・平成25年9月1日〜10月31日

・対象者 7名 ①病院医師1名・診療所医師1名 ②訪問看護師2名

③ケアマネジャー2名 ④病院MSW1名

・目 的 筑西市内の医療・介護資源および連携状況を把握する

・結 果 後述

(3)死亡小票分析から在宅看取り需要予測調査・平成25年10月31日~平成26年1月15日

・2010~2012年の3年間における死亡診断書のデータ3,409件を分析

・目 的 死亡場所の現状等を把握するとともに、それらをふまえた在宅医療患者数の将来推計を行う

ための統計データを作成し、今後の在宅医療推進に向けた基本方針を定める。

・結 果 後述

18

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医師の退院前カンファレンスや担当者会議の参加率が著しく低い。

(診療時間の都合上、参加をするのが難しい)

→情報共有ツールの作成等により、医師が参加せずとも情報共有ができる体制をつくる。

入院早期からの情報共有が重要視されているが、実施できていない。

→多職種での情報共有や連携が求められる。(退院前カンファレンスや情報共有ツールを活用する。)

多くのケアマネが医療の知識が不足していると感じている。

→医療の知識を得るための仕組みが求められる。ケースカンファレンスの実施やweb会議、情報共有システム

在宅医療に関するアンケート調査結果3 実態調査

(1) 医師・訪問看護師・ケアマネジャーへのアンケート結果

→医療の知識を得るための仕組みが求められる。ケースカンファレンスの実施やweb会議、情報共有システム

を整備する。

急変時の対応を事前にサービス担当者会議で共有されていない。

→急変時の対応について共有しておくことが求められるため、ルールを事前に取り決めておく。

緊急時に対応できる(24時間対応可能な)医療資源が不足している。

→市内に急変時対応ができる病床を確保するなどの医療資源の拡充が必要。

最期について、本人・家族と関係する医療・介護者の合意をつくる

在宅看取りができる医師が少ない。不安や負担を感じている。

→在宅看取りについて医療・介護関係者のスキルアップのための研修会を開催する。

患者や家族に対してターミナル期や看取りに関する情報を事前に教育することで、医療介護従事者の負担

を軽減が必要。

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▪ 75歳以上の家族構成は、一人暮らしが13%、夫婦二人が24%

かかりつけ医を決めている人は、7割

▪ 在宅医療に対し、ある程度以上知っている人は約5割

在宅医療希望者は約8割。しかし、その大半は実現不可能の意見 最期の場所

に自宅を希望する人は6割、次いで医療機関が3割

在宅医療に関するアンケート調査結果

3 実態調査

(2) 市民へのアンケート結果

20

に自宅を希望する人は6割、次いで医療機関が3割

▪ 受けたい介護保険の居宅サービスのトップ2は、「訪問介護」と「訪問診療」

▪ 自宅で受けたい日常のサービスでは、 「病院への送迎」に対するニーズが7割と

顕著に高い。 次に配食サービスが4割である。

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◆ 医療、介護ともに資源が不足している。

・在宅を行うクリニックが少ない。(外来患者以外に訪問診療を行うクリニックが少ない。)

・24時間対応クリニック、看取り・緩和ケアを行えるクリニックが少ない。

介護保険施設(特養など)およびショートステイといった住まい・宿泊サービスが不足

している。

・ショートステイを希望してもなかなか入れない。

ヒアリング調査結果3 実態調査

・有料老人ホーム、サ高住は多く建設(開設)されているが、家賃が高く、空室が目立って

いる。

※介護保険施設->ショートステイ/ロングステイ->有料老人ホーム(サ高住)の流れで選択

している。

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護や複合型サービスが必要。

退院前カンファレンス、サービス担当者会議の運用ルールがなく、

多職種連携の場として機能していない。

在宅医療を行う診療所が病院や市民に認知されていない。 (情報発信の窓口がない)

21

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1,231 1,319 1,405

自宅看取りは、病院看取り数を現状値で固定した場合、

現状の約2倍となる

死亡小票分析から在宅看取り需要予測調査結果

(1)筑西市の死亡者数実績値(2010~2012年)と、今後の推計値(2015年、2020年、2025年)

3 実態調査

22

病床での看取り(病院+診療所での死亡)は現状値を固定

※グラフは人口動態調査死亡小票(筑西市保健所)をもとに作成

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(2)自宅看取り数を2倍にするために必要な、各クリニック毎の拡張イメージ〜現時点での各クリニックの年間在宅看取り数(自宅死亡者への死亡診断書の発行)の推移(2010年~2012年)から〜

現時点で、年間1~2名の看取り(輪番検死を含む)を行っているクリニック群が、今後年間10名前後の在宅看取りが出来るようにしなければならない

市外クリニックへの依存度は現状値を固定

既に直近の3年間で、看取りをするクリニックが

死亡小票分析から在宅看取り需要予測調査結果

3 実態調査

23

特定の医療機関への一極集中・依存はできない(年50人が限界)と仮定

少なくとも、現時点で年間数10名弱の看取りを行っているクリニックは、15名は看取れるクリニックへ拡張する必要がある

するクリニックが増加傾向

注)2011年6月から医師会による輪番検死開始(検死件数が含まれている)

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4.市民に対する在宅医療・介護の理解を得るための

「意識づくり」(1)民生委員を対象とした講演会

テーマ:在宅医療の現状と推進

地区名 実施日 人数

関 城 11月13日 30

下館北部 12月 3日 21

下館東部 12月 4日 28

明 野 12月10日 30

《参加者の声》

・民生委員の見守りによる早期発見で医師の往診ができるようになるような環境になりた

いが、途絶えないように市が事業を行っていくということが在宅医療の推進なのか。

・在宅医療を希望しても医師をどのように見つけるのかが難しい。

・施設や病院に入るという考えが浸透している。希望すれば自宅で過ごすことができるというこ

とを、どのように浸透させるのかが問題である。24

30

下館南部 1月 7日 45

協 和 1月14日 36

下館西部 2月 7日 28

計 218

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(2)市民を対象とした講演会

テーマ:在宅医療の現状と推進

地区名 関城地区 明野地区 下館地区 協和地区

実施日 1月25日(土) 2月2日(日) 2月8日(土) 2月15日(土)

講 師荒井 康之 伊藤 賢一郎 田實 武弥 田邉 義博

生きいき診療所院 長

明野中央医院院 長

自治医科大学付属病院

緩和ケア部助教

筑西市民病院院 長

4.市民に対する在宅医療・介護の理解を得るための

「意識づくり」

《参加者の声》

・自分の親も在宅を希望しているので

参考になりました。往診してくれる医師

がいることを望みます。自分自身も

そうしたいです。

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参加者113人の年齢構成

80歳以上

70代

60代

50代

40代

39歳以下

5名

31名

48名

18名

7名

4名

院 長 院 長緩和ケア部助教

院 長

参加者 38名 31名 25名 19名

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(3)シンポジウムの開催

①開催 平成26年3月16日(日)県筑西保健所と共催

②内容

・基調講演 「在宅医療って?なぜ今,在宅医療なのか」

講師 独立行政法人 国立長寿医療研究センター

在宅連携医療部長 三浦 久幸 先生

・シンポジウムテーマ

「老いても病んでも暮らし続けることのできる地域づくり」

~在宅医療のメリットと多職種連携における役割~

4.市民に対する在宅医療・介護の理解を得るための

「意識づくり」

~在宅医療のメリットと多職種連携における役割~

〈シンポジスト〉

ケアマネジャー・訪問看護師・在宅療養支援診療所医師

③結果 出席者 188名

講師や3人のシンポジスト、フロアの参加者とともに活発な意見交換がありました。

①96歳の母と同居しているが、今日の話を聞いて、安心してこれからも親の世話を続けたい。

②自治会長をしているが、一人暮らしの認知症の支援をどうするか問題と感じている。誰も自分

の最期をどう過ごすかを考えなければならない。

Ans.在宅では認知症支援が一番苦労している状況です。

③3年前に母を見送ったが、最後は夜間に往診をしてもらえず救急車を呼んで、苦しい思いをさ

せてしまった。

Ans. まずは、訪問看護師を呼んでほしい。 26

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地域で要医療・要介護者が生活するには、いろいろ課題が横たわっています!

現状

Ⅲ 現状と将来像

○医療・介護資源の不足

○住まい・宿泊サービスが不足

2025年の姿

・7中学校区を対象にした地域単位で、必要なサービスが提供されることで、自分らしい暮らしを人生の最後まで送ることができるようになる!

多職種連携システム

地域資源MAP拠点機能

システム統合情報一元化

高齢者

筑西市医師会

筑西市役所訪問歯科訪問服薬指導

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不足〇医療と介護の連携不足○バッグベッドの不足○情報発信の窓口がない

〇在宅医療に関する市民の意識不足

など

スムーズな救急搬送・在宅復帰・レスパイト

訪問看護ステーション

訪問介護

デイサービスショートステイ

有料老人ホーム小規模多機能

グループホーム老健施設

特養ホーム

ケアマネージャー

地域包括支援センター

かかりつけ医

急性期 療養型 ホスピス

相互連携した後方支援病床 (バックベッド)

在宅療養支援診療所(夜も対応)多様な住まい

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平成26年度仕組みづくり事業において取り組む事項

四つの局面における取り組む事項10

1.退院支援

①退院前カンファレンスのルール構築

③在宅医療資源マップの作成

②退院情報共有シートおよび訪問診療依頼書等のフォーマット構築

④レスパイト入院体制の構築検討

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2.日常の療養支援

3.急変時の対応支援

4.看取りの支援

⑦ 急変時のルール構築

⑧ バッグベッドの整備

⑨ 看取りの研修会・勉強会開催

⑩ 市民へのリビングウィル普及啓発

④レスパイト入院体制の構築検討

⑤多職種連携ICTシステム導入検討

⑥早期発見・早期介入実施のための研修開催

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Ⅳ まとめ• 今まであまり行われてこなかった医療と介護の連携については、県が示す

取組例に倣い土台作りとして8月後半から毎月事業を実施してきた。その中から在宅医療と介護連携を推進する課題抽出を行い、解決に向けて多職種の方々の意見をいただき、今後の方向性が見出された。

• また、「顔の見える関係づくり」のための会議や意見交換会・勉強会等は、参加者が非常に多く関心の高さが垣間みられると共に在宅医療・介護の連携への理解につながり、その推進を果たしつつある。

• 土台作りは、在宅医療推進の序章としての目的は達成された感があるが、課題の抽出と解決策の方向性を見出すことにほとんどの期間を費やすことになったため、仕組みづくりについてはまだ支援体制の構築に至らなかった。

• 医師会との在宅医療を推進するための協議の場が作れなかったが、次年度から医師会の中の小委員会との話し合いの道が作れたため、26年度1つの課題と考えている。

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