2020 年 月号...大田市山村留学センター 三瓶こだま学園...

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はじめに 9 月 27 日に志学まちづくりセンターで行われた「S(すぐ!)K(経験!)I(活かせる!)交流会」に参 加してきました。池田小学校、志学小学校、北三瓶小学校の保護者や放課後子ども教室でボランティアをし ている人が集まって交流をする会で、毎年行われているそうです。私自身はまだ放課後子ども教室の活動に 参加できていませんが、現役保護者の方からいろいろな話を聞けたらいいな、と思い、初めて参加しました。 今回のテーマは「子どもお悩み相談室!? 子どもに関わる悩みをみんなで考えましょう」。元久手小学 校の校長先生だった武田祐子さんの講話を聴いた後に、島根県派遣社会教育主事の岩谷和樹さんのワーク ショップが行われました。これは 5 人 1 組になり、実際に経験した悩みについてディスカッションを行うと いうもの。私のグループからは「ゲームやスマホに集中してしまいこちらの言葉を聞いてくれない」などの 意見が並びました。中でも多く挙がったのが「ケンカなど子ども同士のトラブル対応について」。大人が入 るタイミングやかける言葉の内容、状況の把握や子どものフォローなど、どの放課後子ども教室でも試行錯 誤されているようです。「子どもそれぞれから話を聞いて、内容に応じた声掛けをする」「状況は把握しつつ、 ギリギリのところまで大人は介入しないようにする」…どの意見もセンター内で活かせそうなものばかり で、私は「そんないい方法があったのか!」と感心するばかり。いい勉強になりました。 「ケンカは相手の気持ちと自分の気持ちの相違を直感的に学ぶチャンスです」。最後に武田さんが言われ た言葉ですが、これを聞いて私は心の中がすっきりした気持ちになりました。今まで子どもたちのケンカを ハラハラしながら見守っていましたが、「これは子どもたちの社会勉強だ」と思うとまた別の見方ができる のではないか、子どもたちへの声掛けもまた変わってくるのではないかと感じています。 水落 碧衣 今回の活動カレンダー 日にち 活動内容 日にち 活動内容 9 月 19 日(土) ブドウ狩り 10 月 2 日(金) センター入り 新人戦(中 1・中 2) 9 月 20 日(日) 稲刈り 10 月 3 日(土) ~ 4 日(日) ソロキャンプ 9 月 21 日(月・祝) ~22 日(火・祝) お寺体験 10 月 8 日(木) 大田市クロスカントリー大会(中学生) 10 月 10 日(土) 脱穀 9 月 23 日(月) 農家入り 10 月 11 日(日) 三瓶何でもトライ塾 10 月 12 日(月) 農家入り 20 20 月号

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  • はじめに 9月 27日に志学まちづくりセンターで行われた「S(すぐ!)K(経験!)I(活かせる!)交流会」に参加してきました。池田小学校、志学小学校、北三瓶小学校の保護者や放課後子ども教室でボランティアをし

    ている人が集まって交流をする会で、毎年行われているそうです。私自身はまだ放課後子ども教室の活動に

    参加できていませんが、現役保護者の方からいろいろな話を聞けたらいいな、と思い、初めて参加しました。

    今回のテーマは「子どもお悩み相談室!? 子どもに関わる悩みをみんなで考えましょう」。元久手小学

    校の校長先生だった武田祐子さんの講話を聴いた後に、島根県派遣社会教育主事の岩谷和樹さんのワーク

    ショップが行われました。これは 5人 1組になり、実際に経験した悩みについてディスカッションを行うと

    いうもの。私のグループからは「ゲームやスマホに集中してしまいこちらの言葉を聞いてくれない」などの

    意見が並びました。中でも多く挙がったのが「ケンカなど子ども同士のトラブル対応について」。大人が入

    るタイミングやかける言葉の内容、状況の把握や子どものフォローなど、どの放課後子ども教室でも試行錯

    誤されているようです。「子どもそれぞれから話を聞いて、内容に応じた声掛けをする」「状況は把握しつつ、

    ギリギリのところまで大人は介入しないようにする」…どの意見もセンター内で活かせそうなものばかり

    で、私は「そんないい方法があったのか!」と感心するばかり。いい勉強になりました。

    「ケンカは相手の気持ちと自分の気持ちの相違を直感的に学ぶチャンスです」。最後に武田さんが言われ

    た言葉ですが、これを聞いて私は心の中がすっきりした気持ちになりました。今まで子どもたちのケンカを

    ハラハラしながら見守っていましたが、「これは子どもたちの社会勉強だ」と思うとまた別の見方ができる

    のではないか、子どもたちへの声掛けもまた変わってくるのではないかと感じています。

    水落 碧衣

    今回の活動カレンダー

    日にち 活動内容 日にち 活動内容

    9月 19日(土) ブドウ狩り 10月 2日(金) センター入り

    新人戦(中 1・中 2)

    9月 20日(日) 稲刈り 10月 3日(土)

    ~ 4日(日) ソロキャンプ

    9月 21日(月・祝)

    ~22日(火・祝) お寺体験

    10月 8日(木) 大田市クロスカントリー大会(中学生)

    10月 10日(土) 脱穀

    9月 23日(月) 農家入り 10月 11日(日) 三瓶何でもトライ塾

    10月 12日(月) 農家入り

    2020 年 月号

  • ブドウ狩り この日は、三瓶町志学にある桃太郎農園で、ブド

    ウの木を冬越しさせるために必要な、実っているブ

    ドウをすべて落とすという作業を体験させていた

    だきました。茂ったブドウの葉から木漏れ日が差す

    中、大人も子どももブドウを見つけては「見つけ

    た!」と大騒ぎ。ハウスの中をあちこち走り回り、

    ブドウを次々とって口に放り込んでいました。

    桃太郎農園さん、ありがとうございました!

    お寺体験温泉津にある清水大師寺でお寺体験をさせてい

    ただきました。座禅瞑想やお勤め、写経など、非日

    常の生活を体験し、その静かでゆったりと流れる時

    間の中で、自分自身を見つめなおすことができまし

    た。それ以外にも、日本の神様のカードを使ったカ

    ードリーディングをしたり、温泉津の温泉に入った

    り、みんなでお堂で寝たりと、楽しくも充実した活

    動となりました。

    稲刈り 水不足に悩まされたセンターの田んぼも、無事収

    穫の時を迎えることができました。秋晴れの空の下、

    日ごろお世話になっている受け入れ農家さんや、推

    進委員の方に指導して頂きながら作業を進めてい

    きました。

    最初はみんなで稲刈り鎌を使っての手作業をし、

    その後バインダーという機械を使った作業も体験

    しました。

    新人戦(中 1・中 2) 大田市総合体育館で中学校の新人戦が行われま

    した。全員が卓球部に所属する北三瓶の中学生は、

    今までの練習の成果を発揮すべく、団体戦と個人戦

    に出場しました。緊張のあまり、普段の実力を出し

    切れずに負けてしまい涙する子もいれば、勝ち進ん

    で石見地区大会への出場権を手にした子もいたり

    と、結果はさまざまでしたが、この経験はきっと次

    の試合や大会への糧となることでしょう。

  • 半年間のキャンプ活動で培ってきた知識、経験を

    活かして挑むソロキャンプ。この活動では、一人ひ

    とりが離れた山の中で、3食を自炊しながら24時

    間を過ごしました。

    翌日センターに戻ってきた子どもたちからは、

    「動物の声がして怖かった」「マッチ1本で過ごせ

    た」「去年よりしっかり寝られたよ」など感想は様々。

    次回は雪の中でのキャンプに挑みます。

    脱穀 学園生が体験する最後の稲作作業、脱穀を行いま

    した。脱穀の作業の歴史を体感するため、午前中は

    足踏み式脱穀機での脱穀と唐箕を使った籾の選別

    を、午後からは現代の機械であるコンバインを使っ

    て脱穀しました。機械を使うとあっという間に作業

    が終了。「え?!もう終わり?!」と道具の進化に感

    心しつつも、手作業で協力することの大切さも学び、

    今年度の稲作作業を締めくくることができました。

    北三瓶中学校の子どもたちが、三瓶山西の原で行

    われた大田市クロスカントリー大会に出場しまし

    た。小規模校だからこその全員参加。長距離を走る

    のが苦手な子がいたり、スタート前には緊張した面

    持ちの子もいましたが、本番では自分の力を出し切

    って走りぬきました。中には4位という上位に食い

    込む子もおり、それぞれに自信や達成感を得ること

    ができたのではないでしょうか。

    三瓶公民館の事業である三瓶何でもトライ塾に

    学園生も参加しました。“算数・数学おもちゃ箱”

    という副題がついている通り、内容も堅苦しいもの

    ではなく、中を除くと立体的に見える箱を作ったり、

    12面体のカレンダーを作ったり、知恵の輪を解い

    たりと、講師の方々が、数や形の面白さに気付ける

    ような体験ブースを作り、子どもたちも夢中になっ

    て楽しんでいました。

  • 大田市山村留学センター 三瓶こだま学園 「くにびき通信」2020 年 10 月号

    〒694-0002 島根県大田市山口町山口 1694

    TEL: 0854-86-0700 FAX: 0854-86-0701

    MAIL: [email protected]

    Web・Facebook でも情報発信中です!

    イノシシの惑星(3)

    「夜、居間で歌謡番組を観ていてふとカーテンの閉め忘れに気が付き閉めよう

    としたら、外の畑にイノシシがちょこんと座ってテレビを観とった」。世紀が代わった 2000(平成 12)年の

    初め、世界遺産・石見銀山のおひざ元の大森町で聞いた思い出深い話しです。警戒感が強い動物なので人の

    気配を嫌がるため、その頃はもっと田舎の我が家でも家の近くにイノシシが来ることはめったになく「笑い

    話しでしょ」と思っていたところ、あとから思えばあながち間違いではないと言えることがらがすでに進行

    していました。その一例を、夜遅く自家用車で帰宅する際に出くわすイノシシのリアクションの変遷で紹介

    します。1)ライトが当たった瞬間に一目散に逃げた~2010年ごろまで、2)ライトにさほど危機感をもつ

    そぶりも見せずのそっと逃げる~2015年ごろまで、3)ライトが当たったら一瞬振り向いて「お帰り」と言

    ったかのような間があって逃げずに餌探しを続ける~最近、といった感じです。また、大きさや数も変化し

    ているように思います。成獣のみで来ていたものが、若いのも来るようになる、ウリ坊(子ども)連れの家

    族も出現、ウリ坊兄弟だけでやって来るといったようにバリエーション豊かになっています。

    今年、センターの敷地内でも例年にないほど法面を大量かつ多数掘り崩したり、前庭ではウリ坊が悪さ

    をしている痕跡が出始めました。また、日中でも活動するウリ坊の姿をよく見るようになりまし

    た。安全対策や駆除などについて地元の方と相談しながら進めていかねばなりません。

    ちょっとやそっとで解決できないのが悩みです。

    第 18期生募集開始!オンライン説明会&面接を開催

    2021年度 大田市山村留学センター三瓶こだま

    学園 第 18期生の募集が始まりました。今回は

    コロナ対応により、現地での体験留学なしで

    オンライン面接を中心とした完全リモートで

    の募集となっています。コロナ禍の中で、で

    きることを最大限やりながら、次年度につな

    がる動きをつくっていければと対応中です。

    逆に体験留学がなくなったことで、海外在住

    の日本人の方からの問い合わせもきはじめま

    した。山村留学に興味がありそうな方に、

    ぜひ三瓶こだま学園をご紹介ください。