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2017年度版

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2011年の東日本大震災以降、日本は

 ①エネルギー自給率の低下

 ②電力コストの上昇

 ③CO₂排出量の増加

などの課題に直面しています。

これらの課題を克服していくために、まずは

国民一人一人が、我が国の現状を知り、理解し、

エネルギーについて考えることが重要です。

この度、総合エネルギー統計の2016年度確報値が出たことを踏まえ、本パンフレットの最新の数値を更新いたしました。また合わせて、一部データについて1990年度まで遡って改訂いたしました。詳細は以下をご参照ください。(2018年5月)http://www.enecho.meti.go.jp/statistics/total_energy/review.html

304.3%

702.6%

174.4%

92.2%

65.8%

55.9%

38.8%

28.3%

7.4%

4.0%ルクセンブルグ35位

日本34位

スペイン27位

18.9%韓国32位

ドイツ22位

フランス15位

イギリス13位

アメリカ7位

カナダ3位

オーストラリア2位

ノルウェー1位

エネルギー自給率の低下

もともと、日本は石油や天然ガスなどの資源に乏しい国です。2015年の日本のエネルギー自給率は7.4%であり、他のOECD諸国と比較しても低い水準となっています。

日本は、国内の資源でどのくらいエネルギーを自給できていますか?Q1

A1

主要国の一次エネルギー自給率比較(2015年)

1 日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

■ 石炭 ■ 原油 ■ 天然ガス ■ 原子力 ■ 水力 ■ 再エネ等(地熱、風力、太陽光など)

エネルギー自給率:生活や経済活動に必要な一次エネルギーのうち、自国内で確保できる比率です。出典:IEA 「Energy Balance of OECD Countries 2017」を基に作成。※表内の順位はOECD35カ国中の順位(IEA公表値に基づく)です。日本は総合エネルギー統計を基に作成。

エネルギー自給率が低いことは、資源を他国に依存しなくてはならず、資源確保の際に国際情勢の影響を受けやすくなり、安定したエネルギー供給に懸念が生じます。

2010年自給率

20.2%

2016年自給率

8.3%

2011年自給率

11.5% 2012年自給率

6.7%2014年自給率

6.4%

2015年自給率

7.4%2013年自給率

6.5%

2日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

1973年度第一次石油ショック時一次エネルギー国内供給

2016年度(最新)

一次エネルギー国内供給

2010年度(震災直前)一次エネルギー国内供給

石炭16.9%

石油 75.5%

石炭22.7%

石油 40.3%

LNG 1.6%

LNG18.2%

原子力 0.6%

原子力11.2%

水力4.4% 水力

3.3%再エネ等 1.0%

再エネ等4.3%

石炭25.4%

石油 39.7%

LNG23.8%

原子力0.8%

水力3.3%

再エネ等7.0%

94%

化石燃料依存度※一次エネルギー供給ベース

1973年度

81%

化石燃料依存度※一次エネルギー供給ベース

89%

化石燃料依存度※一次エネルギー供給ベース

2010年度

2016年度

出典:エネルギー白書 2017【第 213-1-9】天然ガスの国産、輸入別の供給量経済産業省「エネルギー生産・需給統計年報」、「電力調査統計月報」、財務省「日本貿易月表」、経済産業省「ガス事業統計月報」を基に作成

出典:総合エネルギー統計※当資料で扱うパーセンテージ表示については、四捨五入の関係上、合計が100%にならない場合があります。

LNG(液化天然ガス)は、温室効果ガスの排出が最も少ないクリーンな化石燃料として、近年その役割を拡大しています。東日本大震災後の原子力発電所の稼働停止の際も、LNG火力発電の焚き増しを行うことで、安定した電力供給に貢献しました。安定的なLNG供給の実現が、今後ますます求められます。

LNGの輸入増加

(年)

LNG輸入量(百万トン)

天然ガスは、油田の随伴ガスや単独のガス田から生産され、メタンを主成分としています。常温・常圧では気体であるため、気体のままパイプラインにより輸送するか、マイナス162℃まで冷却して液体にし、液化天然ガス(LNG、Liquefied Natural Gas)としてタンカーで輸送するか、いずれかの方法がとられています。天然ガスは、化石燃料の中では相対的にクリーンであるために利用が増えています。

LNG(液化天然ガス)とは?

我が国の一次エネルギー国内供給構成の推移

海外から輸入される石油・石炭・天然ガス(LNG)などの化石燃料に大きく依存しています。震災前、化石燃料の海外依存度は81%(一次エネルギー供給ベース)でしたが、原子力発電所の稼働停止に伴う火力発電所の焚き増しによって依存度はさらに高まり、足下の2016年度は89%となっています。

日本はどのような資源に依存していますか?Q2

A2

エネルギー自給率の低下

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20150

20

40

60

80

LNG輸入量増加

3 日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

サウジアラビア35.7%

アラブ首長国連邦24.5%

ロシア6.1%

カタール9.2%

クウェート6.8%

イラン6.7%

インドネシア1.6%イラク2.3%

メキシコ2.7%

オマーン1.2%その他3.1%

オーストラリア26.9%

資源の安定確保のため、主な原油調達先である中東産油国との関係強化を進めると同時に、調達先の多角化、更なる権益獲得に向けた取組、LNG調達における競争活性化を進めています。

マレーシア18.6%

カタール14.5%

インドネシア8.0%

アラブ首長国連邦6.0%

ナイジェリア2.3%

ブルネイ5.1%

パプアニューギニア5.0%

オマーン3.0% その他1.8%

ロシア8.8%

オーストラリア75.5%

インドネシア10.8%

その他0.1%

ロシア10.0%

カナダ1.8%

米国0.7%

中国1.1%

アラブ首長国連邦カタール

オーストラリア

インドネシアマレーシア

サウジアラビア

ロシア

米国

カナダ

メキシコ

イラン

ナイジェリア 中東から アジアから 北南米から

2016年 日本の化石燃料輸入先

原油はサウジアラビアやアラブ首長国連邦等の中東などに約86%依存しています。また、天然ガスや石炭についても、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。

日本はどのような国から資源を輸入していますか?Q3

A3

資源確保

2016年日本の原油総輸入量

約12.3億バレル

2016年日本の

LNG(天然ガス)総輸入量

約8,334万トン

2016年日本の石炭総輸入量

1億987万トン

出典:貿易統計

12

14

16

18

20

22

24

26

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016(年度)

家庭向け

20.4 21.3

22.3

24.3

25.5

13.7 14.6

15.7

17.5

18.9

(円 /kWh)

国際原油価格WTI(ドル/バレル)

24.2

17.7

22.4

15.6

約25%上昇

約10%上昇

約14%上昇

約38%上昇

産業向け

4日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

電力コストはどのように変化していますか?Q4

震災以降、電気料金は、値上げが相次ぎましたが、その後の原油価格の下落等により2014年度以降は低下傾向にあります。

A4

電力コストの上昇

原油価格は国際情勢に大きく左右され、これまでも乱高下を繰り返してきました。国際エネルギー機関(IEA)の新政策シナリオなどによると、将来の原油価格は、長期的には上昇する見通しです。電気料金やエネルギーコストにも影響を与えてくることになります。

2020年:83ドル/バレル2030年:94ドル/バレル2040年:111ドル/バレル

IEA見通し(新政策シナリオ)

過去の原油価格下落局面と足下の状況

90年代末:アジア通貨危機による経済停滞から石油需要減が懸念される中、OPECが増産決定。将来の供給過剰感から下落。その後、OPEC加盟・非加盟産油国が減産対応。

2010年代:「アラブの春」以降、中東・北アフリカ地域の地政学的リスク等により原油価格は100ドル前後で推移。その後、需要の伸び悩み、米国シェールオイルの堅調な生産等による供給過剰から、下落。

2000年代:中国などの新興国における石油需要急拡大に加え、金融緩和による投機資金流入で上昇。史上最高値記録後、リーマン・ショックで投機資金が引き揚げ、下落。

アジア通貨危機

リーマン・ショックアラブの春

シェール革命

OPEC加盟・非加盟産油国による協調減産合意サウジ減産停止

電気料金の推移

出典:電力需要実績確報(電気事業連合会)、各電力会社決算資料等を基に作成。

出典:NYMEX 公表の数値を基に作成、IEA World Energy Outlook 2016

2014年度の電気料金は震災前の2010年に比べ、家庭向けでは約25%、産業向けでは約38%上昇しました。2014年度以降は低下傾向にあるものの、直近でも震災前に比べ家庭向けで約10%、産業向けでは約14%高い水準です。

湾岸戦争時最高値

1984年1月

1990年1月

2000年1月

2010年1月

2017年1月

0

20

40

60

80

100

120

140

160

米国同時多発テロ

史上最高値145.29 ドル

80年代半ば:非OPEC産油国(メキシコ、英国等)の増産に対し、サウジアラビアがシェア維持を図ったことにより供給過剰が発生。

5 日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

573453

662

175

519

628

176

507

620

179

682

168

2015年度 2016年度

86.3%エネルギー起源CO₂排出量

エネルギー起源CO₂以外の温室効果ガス排出量

1,410(百万 t-CO₂)

2013年度1,323(百万 t-CO₂)

2015年度 1,307(百万 t-CO₂)

2016年度

1,3032010年度

出典:総合エネルギー統計、環境行動計画(電気事業連合会)、日本の温室効果ガス排出量の算定結果(環境省)を基に作成。2013年度2010年度

電力分

電力分以外

+5,400万トン

東日本大震災以降、日本の温室効果ガス排出量は増加し、2013年度には過去最高となる14億トンもの温室効果ガスを排出しました。2014年度以降は減少に転じていますが、2016年度でも13億700万トンもの温室効果ガスを排出しています。今後、各国の目標と遜色ない水準で削減に向けた努力をしないといけません。

日本は温室効果ガスをどれくらい排出していますか?Q5

A5

CO₂排出量の増加

http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/pariskyotei.html

今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~2015年12月、すべての国が参加する公平かつ実効性のある新たな国際的な枠組みであるパリ協定が採択されました。パリ協定においては、工業化前と比して世界の平均気温の上昇を2℃を十分に下回る水準に抑制し、1.5℃以内に抑えるよう努力することが決まりました。

他国のエネルギー事情

再エネ拡大に伴い、電力料金が上昇し、国民負担も拡大しています。また原子力比率の低減も進んでいますが、石炭火力発電の維持、火力発電の焚き増し等により、CO₂削減ペースは鈍化しています。

ドイツ:再エネの拡大が進んでいますが、CO₂削減ペースは鈍化しています。

イギリス:再エネと原子力の拡大を進めています。再エネを拡大し、原子力の新設も合わせて推進しています。なお、再エネ賦課金等の影響で電気料金も高騰傾向にあります。

米国:天然ガス利用の拡大等により、結果としてCO₂排出量が減少しています。再エネの拡大や原子力の活用に加えて、シェール革命の結果、発電部門を含めて天然ガスの利用が拡大し、結果として、CO₂削減が進んでいます。

中国・インド:経済成長に伴い、今後もエネルギー需要が見込まれています。

出典:IEA「CO₂ EMISSIONS FROM FUEL COMBUSTION」2017

現状は石炭火力発電が主要な電源(2015年は世界の消費量の約60%)となっていますが、将来は再エネ、原子力を拡大する方針です。また、石炭火力発電については、中国は抑制していく方針ですが、インドは効率化しながら活用する方針です。なお、2015年現在、中国は世界全体の28%のCO₂を排出しており、続いて米国、インドとなっています。

写真:内閣広報室提供

震災以降、原発代替のための火力発電の焚き増し等により、電力分野の排出量は5,400万トン増加しました。これは日本全体の温室効果ガス排出量の約4%分の増加に当たります。

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6日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

南鳥島

沖ノ鳥島与那国島

沖縄

小笠原諸島

隠岐諸島

水素ジェット航空機

ポータブル燃料電池

燃料電池鉄道車両燃料電池バス

水素発電・業務用燃料電池

家庭用燃料電池(エネファーム)

燃料電池自動車(FCV)

2009年市販開始 2014年市販開始

将来多様な用途

現在エネルギー利用本格化

表層型メタンハイドレートの調査海域

砂層型メタンハイドレートの主な調査海域

メタンハイドレートの調査実績

石油・天然ガスの調査実績

(海底の表面やその近傍に存在)

(海底面下数百メートルの地層中に砂と混じり合って存在)

※図中の調査位置はおおよその位置を示すもので、調査エリアを示すものではありません。※図中の調査位置はおおよその位置を示すもので、調査エリアを示すものではありません。

今後、水素エネルギーは多様な用途に使われることが期待され、石油などを代替する未来のエネルギーとして中心的役割を担うことが期待されています。

今後、水素エネルギーは普及しますか?Q7

A7

日本国内でも、石油や天然ガスのような在来型資源の調査・開発に加えて、メタンハイドレートなどの非在来型資源の調査・研究開発も進めています。

国内資源の調査や開発は進んでいますか?Q6

A6

未来のエネルギー

資源量把握のための調査を行うとともに、商業的なプロジェクト開始に向けて、メタンハイドレート回収の技術開発を進めています。

水素は、利用段階でCO₂を排出しないこと、燃料電池の活用により高いエネルギー効率が実現出来ること、多様なエネルギー源から製造可能なことなど、環境負荷低減、省エネ、エネルギーセキュリティなどに大きく貢献することが期待されています。

メタンハイドレートメタンガスと水が低温・高圧の状態で結合した氷状の物質。「燃える氷」といわれている。

7 日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

2015年度1973年度

エネルギー消費全体1.2倍

産業部門0.8倍

運輸部門1.7倍

家庭部門

1.9倍

業務部門

2.4倍

1973

低炭素社会実行計画の推進

次世代自動車の普及、燃費改善

建築物の省エネ化

住宅の省エネ化

BEMSによる見える化・エネルギーマネジメント

HEMSによる見える化・エネルギーマネジメント

交通流対策・自動運転の実現

工場のエネルギーマネジメントの徹底

各部門の省エネへの取組

(経過年)60

80

100

5 10 15 20

1990-2010

1970-1990

35%改善

2012-2030

オイルショック時と比較すると、実質GDPが2.6倍に増加する中で、エネルギー消費の増加は1.2倍に留まっており、これは省エネが進んできた結果です。ただし、業務部門や家庭部門のエネルギー消費量は増加しており、省エネ取組を進めていくことが必要です。

我が国の最終エネルギー消費量の変化率(部門別比較)

限りある資源を有効活用するためです。また、省エネによりCO₂排出も抑制され、地球温暖化問題の解決にもつながります。引き続き、省エネ取組は不可欠です。

なぜ省エネルギー(省エネ)が必要なのですか?Q8

A8

日本はエネルギー消費効率が良く、省エネ取組が進んだ国です。他方、近年、消費効率の改善は停滞しており、更に省エネを進めることが必要です。

日本の省エネの取組はどこまで進んでいますか?

A9

HEMS:Home Energy Management SystemBEMS:Building Energy Management System

エネルギー消費効率:最終エネルギー消費量/実質GDP

Q9

徹底した省エネルギー

エネルギー消費効率の改善1970年から1990年の間、日本は大幅なエネルギー消費効率改善を行いました。2030年に向けて、石油危機後並の35%のエネルギー消費効率改善の実現を目指しています。

8日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

フランス再エネ比率(2015年)16.3%

イタリア再エネ比率(2015年)39.8%

ドイツ再エネ比率(2015年)30.6%

100%

80%

60%

40%

20%

0%スペイン再エネ比率(2015年)35.3%

イギリス再エネ比率(2015年)25.9%

アメリカ再エネ比率(2015年)13.6%

発電電力量に占める再生可能エネルギー比率の比較

原子力14.3

天然ガス9.8

カナダ再エネ比率(2015年)63.8%

石油その他1.0

石炭44.3

水力 3.0

再エネ27.7

原子力20.6

天然ガス18.9

石油その他6.2

石炭19.0

水力 10.1

再エネ25.2

原子力20.9

天然ガス29.7

石油その他0.6

石炭22.8

水力 1.9

再エネ24.0

原子力77.6

水力 9.7

再エネ 6.7

天然ガス39.4

石油その他4.8

石炭16.1

水力 16.2

再エネ23.6

原子力19.3

天然ガス31.9

石油その他0.9

石炭34.2

水力 5.8

再エネ 7.8

原子力15.1

天然ガス10.0

石油その他1.2

石炭9.8

水力56.7

再エネ 7.1

原子力 1.7

天然ガス42.2

石油その他9.3

石炭32.3

水力 7.6

再エネ 6.9

天然ガス3.5石油その他0.4石炭 2.2

日本再エネ比率(2016年)14.5%

再エネは発電時にCO₂を排出しない、エネルギー自給率の向上に貢献するなど、日本にとって重要なエネルギー源です。

なぜ、再生可能エネルギー(再エネ)の導入を進める必要があるのですか?

A10

再生可能エネルギーの導入

我が国の発電電力量に占める再エネ比率は2016年時点で、14.5%(水力を除くと6.9%)です。主要国と比べると再エネ比率は低く、更なる導入拡大が求められます。

日本では、再エネの導入は進んでいますか?

Q10

Q11

A11

出典:【日本以外】2015年値データ、IEA Energy Balance of OECD Countries (2017 edition)、【日本】総合エネルギー統計2016年度確報値※再エネ=水力を除く。

9 日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

2015 201620142013201220092003

賦課金単価0.22円/kWh

(標準家庭月額)57円/月

賦課金単価0.75円/kWh

(標準家庭月額)195円/月

賦課金単価2.25円/kWh

(標準家庭月額)585円/月

賦課金単価2.64円/kWh

(標準家庭月額)686円/月

2012年度 2014年度 2016年度 2017年度

風力発電(発電量変動)

ベースロード電源(水力、原子力、地熱、石炭火力など)

火力発電(LNG・石油等)

朝 昼 夜

火力発電で出力調整

焚き増し焚き増し

抑制

抑制

電力需要

発電出力太陽光

(年度)

(万kW)

1000

2000

3000

4000

5000

6000

年平均伸び率

5%

年平均伸び率

9%

年平均伸び率

26%

賦課金

賦課金約2.1兆円

約1.8兆円

買取費用

買取費用約2.7兆円

約2.3兆円

約6,500億円

約1,300億円約2,500億円

約9,000億円

固定価格買取制度(FIT):再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が固定価格で一定期間買い取る制度です。電力会社が買い取る費用は、電気の利用者から賦課金という形で回収されています。

再エネは季節や天候によって発電量が大幅に変動し、不安定なものが多く、安定供給のためには火力発電などの出力調整が可能な電源をバックアップとして準備する必要があります。また、蓄電池などエネルギーを蓄積する手段の確保や、再エネの大量導入に対応した電力ネットワークの在り方などにも課題が残っています。

固定価格買取制度(FIT)を導入し、再エネの拡大を図っています。また、洋上風力や太陽光発電などの技術開発を行うなど、コスト効率的な導入を目指しています。

A12

再エネだけでエネルギーを賄うことはできないのですか?Q13

再エネの導入拡大に向けて、どのような取組をしていますか?Q12

A13

再生可能エネルギーの導入

出典:JPEA出荷統計、NEDOの風力発電設備実績統計、包蔵水力調査、地熱発電の現状と動向、RPS制度・固定価格買取制度認定実績等により資源エネルギー庁作成

■太陽光 ■風力 ■中小水力 ■地熱 ■バイオマス 

再生可能エネルギー等による設備容量の推移(大規模水力は除く)

2012年の固定価格買取制度(FIT)の導入により、再エネの設備容量は急速に伸びています。一方、買取費用は2.7兆円に達し、標準家庭で賦課金負担は686円/月にのぼっています。再エネの最大限導入と国民負担の抑制の両立を図るため、入札制度などコスト効率的な導入を促す仕組みを盛り込んだ改正FIT法を施行しました。

電気を安定して使うには、常に発電量(供給)と消費量(需要)を同じにする必要があります。そのため、再エネの出力の上下に対応出来る火力発電等で、発電量と消費量のバランスをとる必要があります。

固定価格買取制度導入後の賦課金の推移

ふ か きん

10日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

凍土壁

海側遮水壁

建屋への地下水流入を抑制します。

サブドレン建屋への地下水流入や、建屋より海側への地下水流出を抑制します。

汚染された地下水の海洋流出を防ぎます。

地下水バイパス建屋への地下水流入を抑制します。

原子炉建屋

地下水

<周辺自治体の線量の変化>2011年(事故直後) 2016年(事故後5年) 2017年(事故後6年)

約70mSv/年約25mSv/年約16mSv/年約7mSv/年

約13mSv/年約0.5mSv/年約1.1mSv/年約1.6mSv/年

浪江町(立野)富岡町(小浜)楢葉町(上繁岡)田村市(春日神社近傍)

※一定の前提で推計。

廃炉・汚染水対策は世界にも前例のない困難な作業ですが、1~3号機の使用済燃料及び燃料デブリ取り出しや、汚染水対策に関して、2017年9月末に改訂された中長期ロードマップに基づき、安全かつ着実に取組を進めています。

福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策は進んでいますか?Q14

A14

福島第一原子力発電所の廃炉

中長期ロードマップ(2017年9月改訂)の工程 廃炉対策

海側遮水壁の完成などにより、周辺海域の放射性物質濃度が一層低減するなど、着実に進展してきています。2016年3月より凍結を開始した凍土壁は、同年10月に海側の凍結が完了し、山側についても着実に凍結が進んでいます。

汚染水対策

安定化に向けた取組

冷温停止達成・冷温停止状態・放出の大幅抑制

第1期 第2期 第3期

廃止措置終了までの期間(30~40年後)

2011年12月

2013年11月

2021年12月

2014年12月(4号機燃料取り出し終了) 30~40年後

燃料デブリ取り出しが開始されるまでの期間(10年以内)

使用済燃料プール内の燃料取り出し開始までの期間(2年以内)

使用済燃料プールからの燃料取り出しについて、4号機では2014年の12月に完了しました。現在、1~3号機について、瓦礫の撤去や除染など、燃料取り出しに向けた準備を着実に進めており、2018年度中頃には3号機での燃料取り出し開始を予定しています。また、燃料デブリの取り出しに向けては炉内状況の把握が進展しており、2017年9月には燃料デブリの取り出し方針を決定しました。ひきつづき、格納容器内部の調査や燃料デブリ取り出し工法の開発など、世界の叡智を結集して、研究開発を進めていきます。

<福島第一原子力発電所周辺の海域の放射性物質濃度の変化>2011年3月(事故直後)約1万Bq/L

検出できないほど低い(0.7Bq/L未満)

2017年3月(事故後6年)

1万分の1以下

物理減衰 +ウェザリング効果 +除染

2017年4月までに、大熊町・双葉町を除く全ての居住制限区域・避難指示解除準備区域の避難指示を解除

● 福島イノベーション・コースト構想● 事業、なりわいの再建● 農林水産物等の風評被害の払拭 等

11 日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

福島第一原子力発電所

福島第二原子力発電所

JAEA廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟(富岡町)

20km

福島の復興にむけて

2017年春までに、大熊町・双葉町を除く全ての居住制限区域・避難指示解除準備区域が解除されました。帰還困難区域についても、復興拠点の整備に向けて取り組んでいます。また、除染やインフラ・生活関連サービスの整備を加速させ、新たな技術・産業の創出や産業集積の促進を通じた、福島の地域再生に向けた取組を進めています。

福島の復興は進んでいますか?Q15

A15

福島新エネ社会構想福島を未来の新エネ社会の先駆けの地とし、世界へ発信

福島イノベーション・コースト構想浜通り地域等の産業を回復するため、新たな産業基盤の構築を目指すもの

大熊分析・研究センター(大熊町)

再エネ由来大規模水素製造実証拠点(浪江町)

福島ロボット・テストフィールド(南相馬市、浪江町)

浮体式洋上風力発電(双葉郡沖)

再生可能エネルギーの導入拡大● 阿武隈、双葉エリアの風力発電等のための送電線増強 等

スマートコミュニティの創出● 新地町、相馬市、浪江町、楢葉町、葛尾村を始め、福島に  おけるスマートコミュニティの構築を支援 等

水素社会実現のモデル構築● 再エネを活用した大規模水素製造実証 (世界最大となる1万kW級の実証)● 次世代の水素輸送・貯蔵技術の実証 (2020年東京オリンピック・パラリンピック期間中の活用) 等

帰還困難区域居住制限区域避難指示解除準備区域旧避難指示区域

楢葉遠隔技術開発センター(楢葉町)

国内外の大学や研究機関、企業等が集結し、廃炉研究などを実施。

原子炉格納容器の調査・補修ロボットの開発・実証試験やバーチャル・リアリティシステムを利用した作業者訓練等を実施。

世界初となる複数基(2MW、5MW、7MWの3基)による浮体式洋上風力発電システムの本格的な実証研究を実施。

ロボットの開発・実証のためのロボットテストフィールド、国際産学官共同利用施設を整備。

世界最大級となる1万kw級の水電解装置を用いて、再生可能エネルギーから大規模に水素を製造する実証事業を実施

燃料デブリ・放射性廃棄物などの処理・処分方法に関する技術開発などを実施。

福島県の食品の安全・安心対策

● 農林水産物は、出荷前に徹底したモニタリング検査を実施し、結果を公表。 ● 震災直後に比べ、近年は基準値(100Bq/kg)を超えるものは大幅に減少。● 基準値を超えたものは出荷を制限しており、市場に流通しているものは安全。● 出荷制限の解除は、厳格な基準のもとに実施。

出典:復興庁「風評被害の払拭に向けて~原子力災害からの復興と福島の安全・再生の歩み~」(2017年10月)をもとに作成。

種別玄米(2016年産)野菜・果実畜産物

栽培山菜・きのこ海産魚介類

野生山菜・きのこ河川・湖沼の魚類

検査数  約1,024万点3,793件4,384件1,049件8,766件783件621件

基準値超過数0件0件0件0件0件2件4件

超過数割合0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%0.26%0.64%

基準値

超過なし

基準値超過品目は、その産地ごとに出荷制限

▶ 安全に出荷▶ 引き続き解除  に向け調査

農林水産物のモニタリング検査等の状況 (2016年4月1日~2017年3月31日)※「玄米」のみ、2016年8月24日~2017年3月31日

12日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

福島県東京電力㈱福島第二原子力発電所

青森県電源開発㈱大間原子力発電所

北海道北海道電力㈱泊発電所

青森県東北電力㈱東通原子力発電所

宮城県東北電力㈱女川原子力発電所福島県東京電力㈱福島第一原子力発電所

東京電力㈱東通原子力発電所

新潟県東京電力㈱柏崎刈羽原子力発電所石川県北陸電力㈱志賀原子力発電所

日本原子力発電㈱敦賀発電所

関西電力㈱美浜発電所

関西電力㈱大飯発電所

関西電力㈱高浜発電所

静岡県中部電力㈱浜岡原子力発電所

茨城県日本原子力発電㈱東海・東海第二発電所

愛媛県四国電力㈱伊方発電所

島根県中国電力㈱島根原子力発電所

佐賀県九州電力㈱玄海原子力発電所

鹿児島県九州電力㈱川内原子力発電所

福井県

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● 稼働中の炉.............................5基● 原子炉設置変更  許可がなされた炉.................7基● 新規制基準への  適合性審査中の炉.............14基● 適合性審査未申請の炉.....19基● 廃炉を決定した炉..............15基数字は炉番号です。 

最終処分(地層処分)

原子力発電所

再処理

ガラス固化体

地上施設

再処理工場

燃料として再利用

使用済燃料

※廃液をガラス固化

地下施設

300m

放射性物質はガラスの網目構造の中に閉じ込められる

ウラン・プルトニウムを分離・抽出

厚さ20cmの金属製容器、厚さ70cmの緩衝材(粘土)でバリア

資源の乏しい我が国において、①安定供給の確保、②電力コストの引下げ、③CO₂排出の抑制の3点を実現するためには、原子力発電は欠かすことのできない電源です。再稼働に当たっては、安全性を最優先に、新規制基準に適合することが必要です。

原子力発電は必要ですか?Q16

A16

再処理を行い燃料として再利用するとともに、後に残る廃液は、ガラス原料と溶かし合わせたガラス固化体とし、地下深部に埋設することで隔離する方法で処分します(地層処分)

原子力発電所の運転により生じる放射性廃棄物はどのように処分されますか?Q17

A17

原子力発電所について

(2017年12月1日時点)

http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/rw/kagakutekitokuseimap/maps/kagakutekitokuseimap.pdf

科学的特性マップ地層処分の仕組みや日本の地質環境等について理解を深め頂くために、地域の科学的特性を全国地図の形で示すこととし、2017年7月に「科学的特性マップ」として公表しました。

こちらのQRコードでマップがご覧頂けます。

13 日本のエネルギー2017 http://www.enecho.meti.go.jp/

意図的な航空機衝突への対応

放射性物質の拡散抑制対策

格納容器破損防止対策炉心損傷防止対策(複数の機器の故障を想定)

内部溢水に対する考慮(新設)自然現象に対する考慮(火山・竜巻・森林火災を新設)

火災に対する考慮

電源の信頼性

その他の設備の性能

耐震・耐津波性能

自然現象に対する考慮

火災に対する考慮

電源の信頼性

その他の設備の性能

耐震・耐津波性能

テロ対策(新設)

シビアアクシデント対策(新設)

強化または新設

強化

従来の規制基準

新規制基準(平成25年7月)

新規制基準を踏まえた対策実施例

新規制基準への対応

緊急時海水取水設備

防水構造扉

建屋内浸水防止

格納容器

安全弁

主蒸気逃がし安全弁作動用の機器の配備

重大事故環境に対する計器監視機能の強化

可搬型窒素ガス発生装置(フィルタベント設備の水素対策)

放水砲

←海

高台に設置

高台に設置

緊急時対策組織 復旧訓練

交流電源車・直流電源車

ガスタービン充電器

緊急時淡水貯槽

可搬型注水ポンプ

フィルタベント設備

空冷式熱交換器

取水槽溢水対策

地盤強化

地盤強化

除熱

放射性物質の拡散抑制

炉心を冷やし続ける

電源を絶やさない

津波から発電所を守る

防波壁

放射性物質の拡散抑制

原子力発電所の再稼働に当たっては、原子力規制委員会によって、新規制基準に適合することが求められ、事故防止のための対策強化、万一の際の備えの強化を行っています。

原子力発電所の安全性は確保されていますか?Q18

A18

出典:原子力規制委員会資料

シビアアクシデントを防止するための基準(いわゆる設計基準)

原子力発電所について

写真提供:中部電力株式会社

安全性

自給率

電力需要 電源構成

電力9,666億kWh

電力9,808億kWh

2030年度 2030年度

(総発電電力量)10,650億kWh程度

再エネ22~24%程度

原子力22~20%程度

LNG27%程度

石炭26%程度石油3%程度

2013年度(実績)

震災前(約20%)を更に上回る概ね25%程度(現在8.3%)

現状よりも引き下げる

欧米に遜色ない温室効果ガス削減目標を実現(2030年度に2013年度比▲26%)

安全性が大前提

(2013年度 9.7兆円 ⇒ 2030年度 9.5兆円)

Safety

Energy Security

Economic Efficiency

Environment

電力コスト

温室効果ガス排出量

地熱 1.0~1.1%程度バイオマス 3.7~4.6%程度風力 1.7%程度太陽光 7.0%程度

水力 8.8~9.2%程度

経済成長1.7%/年

徹底した省エネ1,961億kWh程度(対策前比▲17%)

お問い合わせ先

発行:2017年12月日本のエネルギー  2017年度版※このパンフレットは資源の有効利用のため、古紙配合率80%の再生紙・VEGETABLE OIL INKを使用しています。制作 株式会社 ピーツーカンパニー 〒141-0021 東京都品川区上大崎2-2-1 TEL. 03-3473-7873 FAX. 03-3473-7870

エネルギーの基本方針に基づき、3E+Sを達成するべく施策を講じたときに実現される、将来(2030年度)の電源構成のあるべき姿を下図のとおりお示ししています。

将来の電源構成はどうなりますか?Q20

A20

安全性(Safety)を大前提とし、自給率(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)の向上、環境適合(Environment)を同時達成するべく、取組を進めています。(3E+S)エネルギー源ごとの強みが最大限に発揮され、弱みが補完されるよう、多層的なエネルギー供給構造を実現することが不可欠です。

エネルギー政策の基本方針はどうなっていますか?Q19

A19

基本方針

経済産業省資源エネルギー庁長官官房総務課調査広報室

電話 03-3501-1511(代表)http://www.enecho.meti.go.jp/〒100-8931 東京都千代田区霞が関 1-3-1

本パンフレットの電子版(pdf)は、下記URLからご覧頂けます。http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/ http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/

徹底した省エネ、再エネの最大限導入、火力発電の効率化等を推進しつつ、原発依存度を可能な限り低減させるという方向です。

3E+S

エネルギーについてさらにくわしく知りたい方はこちら「スペシャルコンテンツ」エネルギーに関するさまざまな話題を提供しています。