2016.10.14 psvtに対する修正バルサルバ手技

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Health & Medicine


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Valsalva法とは定義:十分な吸気後に声門を閉じ、そこに向け    て強制呼気 (怒責 )を行うこと技法:排便時に息むように、深く息を吸いそのまま我慢をする (少なくとも 10秒間 )

出典:マクギーの身体診断学

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Valsalva法とは息こらえで胸腔内圧を上げて、静脈還流量を減らす一回拍出量が低下して血圧は一過性に下がり頻脈になる

息こらえを開放すると、一気に静脈血が心臓に戻ってきて、 1回拍出量が増大して、頚動脈洞圧が上昇、迷走神経が刺激される一時的に房室ブロックがおこり徐脈に

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Introduction

• Valsalva手技は上室性頻拍( PSVT)の治療として安全であり、国際的に第一選択に推奨されている• しかし洞調律復帰率は稀で 5-20%程度と言われており、一時的に心静止をおこし、患者にとっては不快感を伴うアデノシン使用を余儀なくされている。

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Introduction

• 修正バルサルバ法は、一般的なバルサルバ手技後に足を挙上することで、より静脈還流量が増え、迷走神経を刺激すると考えた• PSVTの患者に修正バルサルバ法を施行し、バルサルバ手技と比較し洞調律復帰率が改善するか検証した

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Methods

• 2013年 1月 1日から 2015年 4月 30日まで英国南西部の 10の救急外来 (そのうち2つは大学付属病院、8つは地方の総合病院 )でランダム化比較試験が行われた• PSVTが疑われる患者に対して 12誘導心電図を用いてスクリーニングした

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Methods

<適格基準>・ PSVT疑いの 18歳以上・心電図で sinus、 QRS<0.12s

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Methods

<除外基準>・収縮期血圧 <90mmHg・緊急カーディオバージョンの必要性を示唆する患者・ Af、 AFL・アデノシン投与の必要性がある AFL・バルサルバ手技の禁忌がある (AS、直近の心筋梗塞、緑内障、網膜症 )・仰向けになったり足を挙上できない患者・妊娠後期 (第 28~40週 )の患者・以前この試験に参加した患者

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Randomisation and masking

• ランダムに修正 Valsalva手技群 (intervention群 )と通常の Valsalva手技群 (control群 )に1: 1に割り付けた

• ランダム化は中央で独立して行われ、割り付けは数字が割り付けられ、不透明で隠された封筒法で行われた• 割り付けには患者と治療医は盲験化できなかった• 全ての解析は盲験化された

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Procedures

• どちらの群も Valsalva手技はアネロイド血圧計を用いて 40mmHgの圧で 15秒の息こらえとした• Control群は 45度のセミファーラー位で息こらえをし、その後 45秒同じ姿勢のままでいてもらう

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Procedures

• Intervention群は 45度のセミファーラー位で息こらえを 15秒した後すぐに 45秒間足を挙上し、その後セミファーラー位に戻る• 洞調律に戻らなかった場合は、もう一度割り当てられた群のバルサルバ手技を行う• 1分後に洞調律に戻った場合、また二回目の手技でも戻らなかった場合でも 12誘導心電図で記録された

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Procedures

• 治療医やリサーチナースが割り当てられた手技が行われているか、最高血圧、息こらえの時間、洞調律復帰、有害事象について記録した• その後のマネジメントとして、患者に

10mlシリンジを用いたバルサルバ手技についての説明書や不整脈協会のウェブサイトのアドレスを提供

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Outcomes

Primary outcome:手技一分後の洞調律復帰率• 施行医が評価し、それを後に割り付けを知らない別の循環器医が心電図によって評価• 結果が循環器医と不一致であれば、割り付けを知らない別の電気生理学者が評価

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Outcomes

Secondary outcome:アデノシンの使用              PSVTに対する治療             入院の必要性             救急外来の滞在時間             有害事象

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Statistical analysis

• 過去の試験結果を元にしたデータより、両側検定 (p=0.05)で 90%の検出力を得る試験を行うにはそれぞれのグループが 186人ずつ、 10の施設で 22か月が必要であると見積もった• ITT解析• 現場で PSVT対象者と判断した患者の心電図を後で解析した際、適格基準を満たさないと判断された患者を除いた、 per-protocol解析も施行

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Results

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Results

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Per-protocol解析:洞調律復帰率が control群 15%(28/153) intervention群 47%(81/173)

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Discussion

• 簡便でコストがかからない体位変換を追加した修正バルサルバ手技は、一般的なバルサルバ手技が洞調律復帰率 17%である一方で 40%以上も改善を認めた• これはアデノシン投与や他の治療の必要性をさらに減らすことができる

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Discussion

• 今までの観察研究に比べて今回の試験では、高確率で洞調律復帰を認めた• しかし control群の洞調律復帰率は今までの試験と似たような成績であった• 一方 intervention群は他の研究に比べて洞調律復帰率がかなり高かった

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Discussion

• 過去の試験では、バルサルバ手技で静脈還流量を増加させるために、仰向けやトレンデンベルグ位でバルサルバ手技を施行したものがあった• しかしセミファーラー位から仰向けになり足を挙上した方が、静脈還流量をさらに増加させるため利点が多いのではないかと考えられる

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Discussion

• 今回の試験では、現場で PSVT対象者と判断した患者の心電図を後で解析した際、予想以上に不適当な PSVT患者 (主に AFL)を採用してしまったことがわかった• もし現場で厳密に識別できていたら、 per-

protocol解析であったようにさらに修正バルサルバ手技の洞調律復帰率の結果が高かったかもしれない

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Discussion

• 10mlシリンジを使って息こらえをすることでだいたい 40mmHgの圧がかかることが今回の試験でわかった• 今回の修正バルサルバ手技はどんな場所でも特別な機器が無くても行える• 大きな有害事象は今のところ認められず、比較的安全な手技であるため、 PSVTの患者に遭遇したらまず第一選択の治療として修正バルサルバ手技を行うべきである

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Conclusion

PSVT患者では、 Valsalva手技後に下肢挙上と仰臥位を組み合わせた体位変換を追加した修正 Valsalva手技を行う事をルーチンの第一選択として推奨すべきである