20161008map当日 配布版
TRANSCRIPT
先人に学ぼう!- 系統的な文献検索と批判的吟味 -
2016/10/8
兵庫県立尼崎総合医療センターHospital Care Research Unit
片岡裕貴、辻本啓、辻本康
2
今日やること
3
この WS 全体の行動目標
・系統的検索と発見的検索の違いを説明できる・統制語について説明できる・ PubMed advanced のための、系統的な検索式を作成できる・見つけた先行研究を自分の研究に活かすための交絡に関する批判的吟味ができる
4
本日の目標
・ PubMed advanced のための、系統的な検索式を作成できる・見つけた先行研究を自分の研究に活かすための交絡に関する批判的吟味ができる
5
タイムテーブル
アイスブレイク 10分Pのブロック作成 30分フィードバック 15分Eのブロック作成と結合 20分フィードバック 15分休み時間 10分追加レクチャー 30分事前課題で出していただいた論文の中から 1つを選んで、批判的吟味
40分発表とフィードバック 15分まとめ 5分
6
復習
Q. PubMed で検索しているのは抄録のみである
7
まちがい!
・タイトル・著者情報・雑誌名・狭義の抄録・統制語
研究の種類
・ PMID など
8
復習
統制語とは?
9
復習
統制語の検索方法
10
復習
〇 MeSH Advanced Search Builder を使用し、 hemodialysis[tiab] と入力したが、"Unknown field was ignored: [tiab]" と表示された。→MeSH 検索には” hemodialysis” のみで
11
復習
XX[tiab]MEDLINE に収録された抄録のタイトルとアブストラクトからXX という文字列が含まれたものを検索
12
復習
XX[MeSH]MEDLINE に収録された抄録のMeSH タグからXX という MeSH および、その下位概念が含まれたものを検索
13
復習
〇 [Mesh] と [mh] は同じものとして考えてよいのか?→OK
14
復習 いずれも大文字!
A AND B
A OR B
A NOT B
15
復習
Q. PubMed に収載されている文献には全て MeSH がついている ?
16
復習
PubMed に収載されている∋ MeSH がついている
出版社が MEDLINE に自動で投げて、NLB の人たちが MeSH をつけるのに半年程度の遅れがあります。
→ 新しい文献を検索するのには、 MeSH のみだと不適 キーワード検索を併用する理由
17
復習
2 語以上を検索するとき
“ “ でくくる
“lung cancer”
18
復習
適当なキーワードがみつからないとき
・該当する原著抄録に含まれるキーワードを 考える・ MeSH に含まれる Entry Terms
19
復習
適当なキーワードがみつからないとき
→P だけ、 I だけが共通するような先行系統的レビューの検索式を真似るコクランレビューは良いお手本(詳細は後半で)
20
それでは、みなさんもやってみましょう
・グループで一つの PECO に・ワークシートに基づき、 グループ PECO に対する検索式を作成・ P を検索するブロック統制語 [mh] OR フリーワード [tiab]
14:45 まで
フィードバック
14:55 まで
21
22
より良い検索式のために: Pearl growing
既知の文献が検索式にひっかかるか確認
# 1 既にある検索式AND#2 XXX[PMID]これで検索結果が 1 となれば OKならなければ、式の網羅性を上げるブラッシュアップ
23
より良い検索式のために:文字通りに先人に学ぶ
24
25
やってみましょう
• E を検索するブロック 統制語 [mh] OR フリーワード [tiab]
• 最後に P AND E
15:15 まで
フィードバック
15:30 まで
26
27
15 : 40 まで休み時間
28
結果が多いよ!
系統的検索のもっともよい方法
29
諏訪 , 2013
全部読む
30
検索のポイント(数字はエキスパートオピニオンです)
検索結果をどこまで広げるか、どこまで狭めるか、については自分達がレビューできる数から決める。
• 実際の臨床ですぐ使う: 100 以下
• 医師が研究のために調べる: 1000 くらい
• 系統的レビューとして: 2- 3000 あるいはそれ以上 10000 くらいまで?
31
結果を減らすフィルター
clinical prediction guides のフィルターsensitive/broad 網羅性 96%/ 適合率79%
32
(incidence[MeSH:noexp] OR mortality[MeSH Terms] OR follow up studies[MeSH:noexp] OR prognos*[Text Word] OR predict*[Text Word] OR course*[Text Word])を P+E に加えて AND で追加
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK3827/#pubmedhelp.Clinical_Queries_Filters
たくさんあります
33
Category 網羅性 適合率
Diagnosis 98% 74%
Etiology 93% 63%
Prognosis 90% 80%
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK3827/#pubmedhelp.Clinical_Queries_Filters
34
便利なアプリもあります
PubMed の検索結果から
Send to をクリック→ File→Fromat XMLでダウンロード
35
37
Title は適当に
Select file からアップロード
38
選ぶとき
・研究の型・ P・ Eを事前に決めてから迷った時には残す※ここでもアウトカムの有無は問わない!→ フルテキストを読んで最終的に選ぶ
39
見つかった!
40
41
そもそも疫学研究の目的は?
42
RQ を明らかにすること!
43
最終的に得られる結果は?
44
存在・発生・効果の指標をいかに精度高く推定できるか!
45
比較の質を落とす 4悪党
交絡選択バイアス情報バイアス偶然誤差
46
今日は交絡だけやってみましょう
47
48
今回使う論文のP 経カテーテル大動脈弁治療( Transcatheter Aortic Valve Implantation; TAVI )を受ける患者E 局所麻酔C 全身麻酔O 術後の不穏
49
みなさんで理想の概念モデルを作ってみましょう
50
要因 アウトカムE O
交絡
中間因子
予後因子要因に関わる因子
16:20 まで
論文で使われた概念モデルを作ってみましょう
51
要因 アウトカムE O
交絡
中間因子
予後因子要因に関わる因子
16:35 までヒント:交絡は methodの…+ Tableの…
フィードバック
16:45 まで
52
研究で使われた概念モデル
53
要因 アウトカムE O
交絡surgery type,
cognitive impairment,
coronaryartery disease,
peripheral vascular disease, history ofstroke or transient
ischemic attack (TIA), hypertension,
and cardiac arrhythmia
中間因子
予後因子要因に関わる因子
交絡が上手く調整できてない!?
→ 自分たちの研究で測定して調整したら、もっといい研究!
54
もしくは
新しい論文であれば
55
56
参考文献
57
本日の目標
・ PubMed advanced のための、系統的な検索式を作成できる・見つけた先行研究を自分の研究に活かすための交絡に関する批判的吟味ができる
58
系統的検索+文献選択+批判的吟味=?
59
系統的レビュー
60
=誰でもできる臨床研究
61
詳しくは
63
おまけ その1
Mendeley の使い方
特徴:無料 文献管理ができる citation style を自分で調整可能
Mendeley のダウンロード
使い方はたくさん動画があります。
67
日本語 https://www.youtube.com/channel/UCyftgRDCOa09RYl63QBFPdg
英語https://www.youtube.com/user/MendeleyResearch
Mendeley と MS word を使った引用文献リスト作り方
68
https://www.youtube.com/watch?v=zkrVbBSrK_w
69
おまけ その2
FAQどのくらい過去の文献まで目を通す必要があるのか?自分の調べたいリサーチクエッションに合致した研究が「存在する可能性のある」過去までです。領域やクエッションの種類によって変わりえます。
70
おまけ その3
先行研究の批判的吟味についてもっと知りたい
研究デザインごとにバイアスリスク評価ツールが提唱されています。観察研究: ROBANS-I 、 QUIPS診断精度研究: QUADAS-2ランダム化比較試験: Cochrane ROBツール
71
おまけ その4
定期的自動検索
・検索結果→ RSS 作成→ RSS リーダーで読むまたは・ PubMed のアカウント作成→ Create alert → eメールで読む
72
おまけ その5
診断精度は?
http://www.slideshare.net/srws/3-66366580