2014/6-2-6/6 2014/6/8-6/13 2014/6/15-6/19 …...2014/8/4-8/9 2014/8/10-8/15 2014/8/18-8/22 - 241 -...
TRANSCRIPT
- 240 -
2)赤潮プランクトンの分布情報
夏季の赤潮プランクトンのうちで代表的な有害種の分布情報の公表状況について例示する。
図 7‒18.プランクトンの分布状況(カレニア ミキモトイ)
(佐賀県、長崎県、水産総合研究センター、及び東町漁業協同組合の
調査結果による)
2014/6-2-6/6 2014/6/8-6/13 2014/6/15-6/19
2014/6/22-6/27 2014/6/29-7/5 2014/7/6-7/12
2014/7/13-7/19 2014/7/21-7/25 2014/7/27-8/1
2014/8/4-8/9 2014/8/10-8/15 2014/8/18-8/22
- 241 -
図 7‒19.プランクトンの分布状況(カレニア ミキモトイ)
(福岡県、山口県、大分県、広島県、及び愛媛県の調査結果による)
2014/5/2-5/9 2014/5/12-5/16
2014/5/26-5/30 2014/6/1-6/6
2014/5/19-5/23
2014/6/9-6/14
2014/6/15-6/21 2014/6/22-6/28
2014/7/7-7/12 2014/7/13-7/19
2014/6/29-7/5
2014/7/20-7/26
- 242 -
図 7‒20.プランクトンの分布状況(シャットネラ属)
(有明海沿岸4県、水産総合研究センター、及び東町漁業協同組合の
調査結果による)
6/29-7/4
7/6-7/11 7/13-7/19 7/21-7/25 7/27-8/2
6/8-6/13 6/15-6/20 6/22-6/27
8/25-8/29
9/1-9/4 9/9-9/13 9/16-9/19 9/22-9/26
8/3-8/8 8/10-8/15 8/18-8/22
- 243 -
図 7‒21.プランクトンの分布状況(コクロディニウム ポリクリコイデス)
(熊本県、鹿児島県、天草市、東町漁業協同組合、熊本県海水養殖漁業
協同組合、及び水産総合研究センターの調査結果による)
6/22-6/26
6/29-7/5 7/6-7/12 7/13-7/19 7/21-7/25
6/2-6/5 6/8-6/13 6/15-6/20
8/18-8/22
8/25-8/29 9/1-9/4 9/9-9/13 9/16-9/19
7/27-8/2 8/3-8/9 8/10-8/15
- 244 -
3)有明海のノリ養殖漁期の珪藻プランクトンと水質の分布情報
有明海のノリ養殖漁期の珪藻プランクトンと水質(水温、塩分、比重、プランクトン沈殿
量、溶存態無機窒素)について、有明海沿岸 4 県よりデータ提供を受け、情報を公表した。
図 7‒22.ノリ養殖漁期における珪藻類の分布の表示例
(佐賀県有明水産振興センターの調査結果による)
図 7‒23.ノリ養殖漁期における溶存態無機窒素の分布の表示例
(佐賀県有明水産振興センターの調査結果による)
- 245 -
4)ノリ養殖漁期の珪藻類と溶存態窒素(DIN)の分布情報
ノリ養殖漁期の珪藻類と溶存態窒素(DIN)の分布状況を例示する。
図 7‒24.ノリ養殖漁期における珪藻類と溶存態無機窒素の分布状況
(有明海沿岸4県の調査結果による)
珪藻類 珪藻類
DIN DIN DIN DIN
2014/10/27-10/31 11/7
2014/10/27-10/31 11/5-11/7
珪藻類 珪藻類
11/11-11/14 11/17-11/20
11/11-11/14 11/17-11/20
珪藻類
DIN
12/22
12/22
珪藻類 珪藻類 珪藻類
DIN DIN DIN
2014/12/26 12/30 2015/1/5
2014/12/26 12/30 2015/1/5
- 246 -
3.考察
平成 25 年度から実施した本事業により、赤潮及び水質情報を迅速に収集し、データベース
にデータを追加するとともに情報をホームページ上で直ちに公表するシステムである「沿岸
海域有害赤潮広域分布情報システム」を構築することができた。
平成 25 年 6 月 3 日より、8 種・属の有害赤潮プランクトン情報を収集・公表可能なシステ
ム(ver.1.0)を九州西岸海域(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県)及び瀬戸内海
西部海域(広島県、山口県内海、大分県、愛媛県)に適用し、赤潮及び水温、塩分等の水質
情報を迅速に収集し、ホームページにより情報の公表を開始した。さらに、11 月 19 日より
は、水質等 20 項目、及び 80 種・属の植物プランクトンの情報を収集し、公表するシステム
(ver.2.1)に改良した。さらに、平成 24 年度までノリ養殖期に有明海沿岸4県及び水研セン
ター西海区水産研究所により別様式(マイクロソフト社エクセル)で収集されていた「有明
海海況情報」(水温、比重、植物プランクトン沈殿量、溶存態窒素)の情報を本システムで
収集して公表することに変更した。その結果、各機関のこれらの情報を迅速に収集し、広く
一般に公表することが可能となった。これらの結果、シャットネラ属、カレニア ミキモト
イ等の有害赤潮だけでなく、ノリ色落ちの原因となる珪藻類及び栄養塩の分布を迅速に収集
し、情報を公表することが可能となった。
平成 26 年度には、赤潮調査等の観測の連携強化を目的として、観測情報の共有機能を付加
した(ver.3.0)。さらに、各県の水産試験研究機関等で取得した赤潮の分布情報の関係機関
への報告のためのドキュメント作成支援ツールを追加した(ver3.3)。
前者については赤潮種の判別や、水質、海況の状況把握に有益なツールになると考えるの
で、関係諸氏に活用いただきたい。また、後者については、水産庁の要請に基づいて FAX に
より送付する「赤潮情報」や、各県が行政機関及び漁業者等の関係機関宛てに FAX 及びホー
ムページで発信する「赤潮速報」、「海況速報」等の資料作成を支援するツールとして付加
したものである。現状では、上記のこれらの資料作成作業と、本システムへの入力作業が重
複しており、各県の赤潮調査担当者の負担となっていると推察される。インターネットを通
じて情報収集し、データベースを構築すると同時にホームページにより情報を公表する本シ
ステムは、広域の情報を迅速に収集し、公表することに優れていることから、FAX 情報等の
既存情報のうちの可能なものについては、将来には本システムに集約されることが適切と考
える。今後は、作成したドキュメントを保管する機能など、現状の FAX による情報提供体制
を支援するツールを開発することも並行してすすめたい。
「沿岸海域有害赤潮広域分布情報システム」の開発と運用により、水産庁委託事業や、各
県が実施する種々の調査研究事業で実施されている水質、赤潮調査等における観測情報で収
集可能なデータを本報システムに収集し、データベース化することが可能となった。また、
過去の赤潮や水質データも本システムに収集することも可能である。これらのことにより、
今後は、水質および赤潮分布に関するデータの集約が図られ、関係試験研究機関において赤
潮の発生機構等の解析にデータを供することが可能になると考える。このため、各種データ
の解析のためのツール開発も今後の検討課題としたい。