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1 「オープンデータと 地理空間情報」 青木 和人 あおき地理情報システム研究所・立命館大学 MOSS9(9回医療オープンソースソフトウェア協議会セミナー) 2014.10.11

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「オープンデータと 地理空間情報」

青木 和人 あおき地理情報システム研究所・立命館大学

MOSS9(第9回医療オープンソースソフトウェア協議会セミナー) 2014.10.11

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自己紹介 地理情報システム、オープンデータ

青木 和人(Kazuto AOKI)

あおき地理情報システム研究所 代表

京都オープンデータ実践会 代表、Code for Kyoro メンバー

立命館大学大学院 公務研究科 講師

立命館大学 歴史都市防災研究所 研究員

Osgeo(OpenSource for GEO)日本法人 運営委員

地理情報システム学会 代議員,

教育委員会 副委員長, 自治体分科会 事務局長

HP http://aokigislab.web.fc2.com/

Brog http://ujigis.blog.fc2.com/(うじじす)

Twitter ujigis(うじじす)

3 3

オープンデータとは

出典:オープンデータとは何か? — Open Data Handbook http://opendatahandbook.org/ja/what-is-open-data/index.html

・誰もがアクセスでき、利用できる

・二次利用、複製、改変、再配布ができる

・オープンソースのデータ版

相互運用性

さまざまなシステムや組織が共同で作業を進められる

さまざまなデータセットを組み合わせて混ぜて使える

さまざまなコンポーネントを組み合わせて使えるようになる

オープンデータで様々な

マッシュアップサービスの進展が

期待されている

4 4

2014年9月17日(水)NHKクローズアップ現代

出典:公共データは宝の山 - NHK クローズアップ現代http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3552_all.html#

ゴールデンタイムに

オープンデータが

取り上げられたことの意義は大きいけど。。

ビッグデータとの

区別がついていない。。

5 5

行政(地方自治体)の情報公開、オープンデータ

・個人情報保護条例

個人情報が含まれるものは

一切公開されません。

・情報公開条例

個人情報が含まれないものは

原則、すべて公開。

この2次利用可能なデジタルデータを

いかに活用できるか?

6 6

行政公開型オープンデータ 「鯖江市モデル」

出典:鯖江市 市内公園等のトイレ情報(XMLRDF) http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=11592

2012年1月30日

公開

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鯖江市 オープンデータの中身

緯度経度情報がついている

トイレ施設情報

機械判読できる

RDF、XML形式

8 8

行政公開型オープンデータ 「鯖江市モデル」

出典:トイレこんしぇる

http://fukuno.jig.jp/2012/wcconcierge

出典:トイレ情報 http://fukuno.jig.jp/2012/wcsabaeosm

緯度経度の情報を使って

地元のIT企業が

便利なアプリケーション

ソフトウェアを作ってくれて、市民が便利になる!

地元経済も活性化する!

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流山市 オープンデータトライアル eコミマップ

出典:流山市オープンデータトライアル|流山市: http://t.co/8fM1fgd

AED設置場所、避難場所等、災害用井戸などの各種データが、「クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本」ライセンスにより再利用可能なRDF/CSV/EXCEL形式で公開

浸水、洪水、揺れやすさ、地域の危険度、液状化危険度の5つのハザードマップがWMS形式の地図画像オープンデータとして公開されている

10 出典:津波ハザードマップ - 福井県坂井市 http://fukuno.jig.jp/2013/tsunamirefuge

流山市では今後1年かけて、自治体が公開するオープンデータと住民が集めた情報を共有し、住民との協力による地域防災計画を作り、成果の検討を行っていく予定

福井県坂井市 津波ハザードマップ

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地方自治体のオープンデータの取組状況

出典:福野泰介の一日一創 http://fukuno.jig.jp/805

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クリエイティブコモンズライセンス インターネット時代のための新しい著作権ルール

著作物の二次利用ルールをひと目で分かるように

4つのアイコンの組み合わせで

6種類のみの権利表示

出典:クリエイティブコモンズライセンス http://creativecommons.jp/licenses/

13 13

5 star Open Data

出典:オープンデータ流通推進コンソーシアム http://5stardata.info/

★どんなフォーマットでよいから

オープンラインセスでデータ公開 例:PDF, jpg

★ ★

コンピュータが処理可能な

フォーマットで

公開

例:xls, doc

★ ★ ★ ★

RDF(とSPARQL)でデータ公開

例:RDFa,

RDFストア

★ ★ ★ ★ ★

他へのリンクを入れたデータを公開

例: LOD Cloudへの参加

★ ★ ★

オープンに利用できるフォーマットで公開 例:csv

14 14

生データを公開してくれたら。(マッシュアップ)

出典 文部科学省放射線量等分布マップ拡大サイト(http://ramap.jaea.go.jp/map/map.html)

出典 東北関東大震災・非公式・放射性物質モニタリングポストMAP

(https://maps.google.co.jp/maps/ms)

行政が提供する見栄えはよいが

使い勝手のよくない地図(GIS)より、

生データを公開してくれたら、

こっちで勝手に地図化(地理情報サービス)しますよ!

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2013年6月14日,政府の

「世界最先端IT国家創造宣言」

オープンデータ活用推進が筆頭に

あげられている

2013年6月18日,G8首脳宣言,

「オープンデータ憲章」合意

先進国の責務としての

国、連邦、地方自治体、

国際政府機関または

より広い公的セクター

の保有データを

オープンデータとして推進

政府は、前のめり 行政のオープンデータで

新産業が創造されて、

日本経済が活性化する!

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・利用したい公共データの保有機関では、

地方自治体が最も多い (「公共データの産業利用に関する調査結果」

日本経済団体連合会)

・国に先んじて、先進的な地方自治体

モデルケースでは,

オープンデータの公開,活用が進められ

つつある(福井県鯖江市、千葉県流山市等)

位置座標付与、RDFなど高次なデータ形式への変換作業が, 新たに地方自治体内部で発生(青木 2013) やり始めたらやめられない地方自治体への負担重い

図1 「トイレこんしぇる」アプリ画面

地方自治体は、および腰

17 17

行政オープンデータ出せ出せ論!

出典:トイレこんしぇる

http://fukuno.jig.jp/2012/wcconcierge

出典:オープンデータの課題と実像──EU諸国や鯖江市の事例に注目、ライセンスも重要: ITジャーナリスト星暁雄の"情報論"ノート http://hoshi.air-

nifty.com/diary/2012/06/eu-cb4e.html

行政、オープンデータ出せ出せ論!

地方議会での質問なども。。

オープンデータ推進派 VS 行政

行き違いがあれば、とても残念。

「オープンデータでこんなに良いことがある!」という話を期待していたのですが、議論では「日本のお役所がデータを出したがらない」という話が多かったような気がします。

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オープンデータは 行政から、もらうもの?

税金で作ったもんだから、行政のシステムをオープンソースで公開しろ!なんて、誰も言ってないですよね。。

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オープンデータ活用例、地図がいつもでてくる! この地図はオープンデータ?

福井県坂井市避難施設

地域防災マップ

として印刷配布できるか

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答えは

Open

Street

Map

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地図とは、お国がつくるもの

出典:基盤地図情報とは - 国土地理院: http://www.gsi.go.jp/kiban/towa.html

電子地図における位置の基準となる地理空間情報

出典:2万5千分1地形図の読み方・使い方:地図記号一覧|国土地理院 http://www.gsi.go.jp/KIDS/map-sign-tizukigou-

h14kigou-itiran.htm

紙地図の物理的制約の中でいかに現実世界を抽象化するか?

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電子国土基本図(地図情報)

出典:電子国土基本図(地図情報) - 国土地理院: http://t.co/wqTF4py

これまでの2万5千分1地形図に替わる新たな基本図

国土地理院の測量成果(紙地図、数値地図、空中写真、電子地形図、基盤地図情報等)を利用して、新たな成果品を作成するには、

測量成果の複製・使用承認が必要

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地理院地図

出典:地理院地図 http://portal.cyberjapan.jp/site/mapuse4/index.html

APIでの利用可能

紙地図の概念を超えられていない。。

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民間が便利な地図を生業として作っている

出典:ゼンリン住宅地図 : http://www.gsi.go.jp/kiban/towa.html

有償で販売されている住宅地図

買うか

図書館で

見る

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こんな地図がインターネットで無料で閲覧できる!

Google マップ

航空写真

Google ストリートビュー

出典:Google maps: https://www.google.co.jp/maps

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Google マップは無料か?

出典:Google 使用許諾 – マップ/Google Earth に関するガイドライン: http://t.co/gWI96Q9

個人利用は無料だが、

利用履歴はGoogleに

売っているかも。。

権利帰属表示を

付ける必要あり

APIによるGoogle マップコンテンツの埋め込み

利用はOK

API利用上限

1日25,000回以上は

有料

営業での利用は

有料

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Google マップ 印刷できるか? Google サービスの特定の独自機能を利用

するのでない限り、対象コンテンツを印刷物に使用することはできません。

出典:Google 使用許諾 – マップ/Google Earth に関するガイドライン: http://t.co/gWI96Q9

地域防災マップを

紙に印刷して町内会で配ることはできない!

高齢者さんに地域防災アプリを

パソコンやスマホで、使ってくださいと言っても。。。

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市民参加型オープンデータ OpenStreetMap

出典:OpenStreetMap Japan http://openstreetmap.jp/

OpenStreetMap(OSM)は、

道路地図などの地理情報データを

誰でも利用できるよう、

フリーでオープンな地理空間情報を

作成することを目的としたプロジェクト

誰でも自由に参加して、

誰でも自由に編集でき、

誰でも自由に利用する事が出来ます。

みんな(市民)で作る 地理空間情報における オープンデータ

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まちあるきして、 地域の歴史や文化を

学びながら、 みんなでオープンデータ(「wikipedia」、「OpenStreetMap」 ) を作ってみましょう!

市民参加型オープンデータ

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インターナショナルオープンデータデイ 2014 in 京都

2月16日(日) プレイベント 島原周辺

2月22日(土) 本イベント 堀川周辺

京都まちあるきオープンデータソン2014

Vol.1 7月12日(土) Vol.2 8月30日(土) Vol.3 10月 5日(日)

会場 京都府立図書館

京都 岡崎地域2ヶ月に1回開催

地元協議会と 連携

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京都まちあるきオープンデータソン2014

まちあるき

(現地調査) 郷土史家さんにご説明

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京都まちあるきオープンデータ作成イベント

図書館司書による

レファレンス講習

グループで

オープンデータ作成

OpenStreetMap の作成講習

Wikipedia

の作成講習

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京都まちあるきオープンデータソン2014

Wikipediaにページを作成

Wikipediaにページを作成

データ作成

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京都まちあるきオープンデータソン2014

地図(オープンストリートマップ)を作成

成果発表

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wheelmap.org

福島県会津若松市

京都市 出典: wheelmap.org :http://wheelmap.org/

地図DataBaseなので、

いろんな情報を入れられるし、切り替えて表示できる。

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クライシスマッピング

出典: 古橋大地:国土地理院 OpenStreetMap 勉強会 http://www.slideshare.net/mapconcierge/20120712-openstreetmap

OSMコミュニティがインターネットを通じて、被害写真などを基に

被災地図や避難施設、給水場所などの情報を地図化して、

デジタルな形で災害協力できる。 迅速性

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伊豆大島クライシスマッピング

出典:古橋大地(2013)「伊豆大島クライシスマッヒンク報告」http://www.slideshare.net/mapconcierge/20131119-

28429219

2013 年10 月に発生した台風26 号

伊豆大島で大規模な大雨土砂災害

災害対応のためのOSM地図の作成

災害発生から約1 ヶ月間で248 件の情報がサイト上に掲載

大判の紙地図として現地で利用された

平常時のマッピング

マッピングコミュニティと現地との協力関係

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地図利用まとめ

作成主体

地図 利用API利用

紙への印刷利用

二次利用 複製 改変

国土地理院・基盤地図情報・電子国土基本図

○ ○ ○ ×

民間 googleマップ

△個人利用は無料?

△1日25,000回以上有料

×△コンテンツの埋め込み

△有料 ×

市民OpenStreet

Map○ ○ ○ ○ ○ ○

△複製・使用承認

出典:著者作成

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1.行政公開型オープンデータ

避難所施設位置情報などとのマッシュアップ、情報連携 「行政はニーズがわからない」 とよく言うが、医療機関、AED以外にどんな情報が公開されるとうれしいのか?

2.市民参加型オープンデータ

OpenStreetMap クライシスマッピングとの マッシュアップ、情報連携

医療オープンソースソフトウェアとの連携