排泄問題ワークショップ2014 災害対策グループ

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障害者の災害対策ワークショップ 2014216国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部 厚生労働科学研究費補助金 障害者対策総合研究事業 福祉機器の利活用と開発を促進するための社会技術基盤の創成

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Page 1: 排泄問題ワークショップ2014 災害対策グループ

障害者の災害対策ワークショップ

2014年2月16日

国立障害者リハビリテーションセンター研究所福祉機器開発部

厚生労働科学研究費補助金 障害者対策総合研究事業

福祉機器の利活用と開発を促進するための社会技術基盤の創成

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排泄問題ワークショップと災害時の対策

2011fy

2012fy

2013fy

排泄を支援するための技術開発を目指し,参加型の開発ワークショップとしてスタート

開発グループに加え,排泄という観点から社会の様々な問題を議論する井戸端会議を開催

「トイレ情報」・「災害対策」・「交流/体験」の3グループ (アクションプラン) が活動を開始

国リハでは、2011年より障害者の排泄に関する課題決策を提案する「排泄問題ワークショップ」を実施しており、2013年に「障害者の災害対策」を含む活動グループ(アクションプラン)を立ち上げた。

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2012fy井戸端会議

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2013fy災害対策gr

災害時の一般的な課題

災害時のトイレ問題

被災地の避難事例紹介

ADLの確認

行政の防災マニュアル

取組み事例

災害時シミュレーション

災害時の備え必要なモノ

自助・公助の取組み

インプット

アウトプット被災地から学ぶ備え

ワ ー ク シ ョ ッ プ

災害時シミュレーション

シンポジウム

シンポジウムに向けて3つの視点5つの質問

2013-10-10 2013-11-24 2013-12-19 2014-1-12 2014-2-16

参加者へのエンパワメントを取り入れたプロセス

・災害時を想定し、障害者に必要な災害対策について考えるための自主的グループ活動

・被災地の情報提供や災害対策の事例紹介など参加者への知識などのインプット)を行いながら、災害時に必要となる自助・共助・公助の備え(アウトプット)についてまとめた。・被災地の経験から学ぶシンポジウムを開催

障害者の災害対策 実施概要

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災害時の障害者の課題学習

参加者へのエンパワメントの一環として、災害時のトイレの課題に関するレクチャーを実施。

インプット

参加者へのエンパワメント

〈避難所の課題〉・プライバシーの確保・バリアフリーでない・トイレが使えない・支援者の確保陸前高田市の例

【レクチャーの内容】

・災害時のトイレの実態調査結果

・災害時の一般的な避難経路の確認

・東日本大震災の現地の状況、被災経験談の紹介・障害のある参加者のADL(日常

生活動作)や排泄状態の確認を通したニーズ把握

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(NHK福祉ネットワーク取材 2011年11月)

人口 死者

市全体 40,738 336

障害者 2,268 47

肢体不自由者 953人 21

大船渡市

陸前高田市

仙台市

盛岡市

Mさん 男性 45歳家族 :母、妻、娘障害 :脊椎損傷補助具 :手動車いす利用居住地 :船渡市勤務先 :自宅(被災当時)ヘルパー:なし

ヒアリング対象者プロフィール

障害者の被災経験事例の紹介インプット

車いす利用者の被災実態と課題について知るため、東日本大震災の被災地、大船渡市でのヒアリング調査をもとにした学習会を実施した。

津波で被災した自宅周辺

大船渡市の概要

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被災経験者Mさんの避難経緯と課題

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福祉避難所(岩手県立福祉の里センター)

特別養護老人ホームデイサービスセンター児童養護施設ふれあいホール(定員400人)宿泊室(洋室4室・和室6室・定員52人)大広間( 大定員80人)車いすトイレ・風呂完備 など

施設概要

NPO法人 けせん・まちの保健室(看護師・保健師のNPO)による支援

避難者約70名 障害者15名ほどを支援(2011年5月ごろ)

福祉避難所時の支援

福祉の里ホームページより掲載

Mさんが避難した福祉避難所の概要

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災害時のシミュレーションの実施アウトプット

車いす利用者が被災した場合を想定したシミュレーションを実施。

発災から、自宅や避難所、仮設住宅と、時間をおって変わっていく環境に応じた課題や対策を抽出した。

シミュレーションのベースとなる避難経路

シミュレーションの実施

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災害時のシミュレーション結果(Tさん)

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災害時のシミュレーション結果(Sさん)

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災害時のシミュレーション結果(Nさん)

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災害時のシミュレーション結果(Iさん)

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災害時シミュレーションのまとめシミュレーションの結果、発災後のライフラインの寸断、移動手段や介助者の

確保、避難所のバリアやトイレの問題などが抽出された。

車いす利用者5名のまとめ

アウトプット

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1 トイレができる環境(ハード、ソフト)

2 医療・衛生用品(カテーテル・おむつ・人口肛門など)

3 褥瘡対策・ベッドの確保

4 水・食料(尿路感染対策、低血糖症対策等を含む)

5 ヘルパー・看護師・その他の支援者の確保

6 電気・充電機器の確保(携帯、電動車いす)

7 寒さ・暑さ対策(体温調節が困難なため)

8 連絡方法の確保(知人・家族・支援者)

9 薬

10 帰宅手段・避難経路の確保

11 自動車(車いすで移動可能)

12 避難助のバリアフリー

13 手動車いす(電動が使えない時用)

14 要支援者の支援して欲しい事柄リスト

15 笛(助けを呼ぶ)

16 簡易シャワー・風呂

17 お薬手帳

18 バリアフリーマップ・トイレマップ

19 支援者の支援可能な事柄リスト

20 要支援者のリスト・マップ

21 風呂の確保

22 エレベータの必要ない動線

23 避難路の確保(家の中)

24 着替え

25 避難先・方法の把握

26 救援物資の事前取り決め

27 情報機器

28 知的障害者の個室

29 ガソリン

30 簡易スロープ

31 リフト・補助具

32 ヘッドライト

車いす利用者が被災した場合に必要となるモノのリストを抽出した。その結果、避難所などでのトイレ環境、医療品、褥瘡対策、ヘルパーなどの手助け、感染症対策につながる飲料水の確保、電気の確保などがあげられた。

災害時に必要なものリストづくりアウトプット

参加者11名(車いす利用者5名)

災害時に必要なものリスト

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災害時の備えとして、事前に取り組むべき事項について、自助、共助、公助に整理してまとめた。「東京都震災復興マニュアル」及び、東京都の各自治会等で取り組まれている事例に加え、ワークショップでの提案を加えている。

災害時の備え(自助・共助・公助の取組み)アウトプット

ワークショップでの意見

「京都震災復興マニュアル及び各自治会等で取組まれている事例

災害時の備え((自助・共助・公助の取組み)

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アウトプット シンポジウムのテーマ確認シンポジウムの開催に向けて、テーマや質問について議論した

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アウトプット シンポジウムのテーマ確認

災害対策を考えるための 3つの視点と7つの質問

個人の障害に対応した備え

コミュニティ (人間関係) の構築

機器とテクノロジーで乗り切る

①移動の課題・避難時の移動の問題や日常生活の問題はどう対処したのか?

②トイレの問題・避難先などでのトイレの問題はどうしたのか?

③ヘルパーの問題・支援者、ヘルパーはどのように確保したのか?

④コミュニティについて・被災した時に助けられたコミュニティ(地縁・障害者支援)は何か?

⑤モノ・物資・備えについて・あって良かったもの、無くて困ったものは何か?・支援物資は行き渡ったか?

⑥情報の問題・フェイスブック、ツイッター、公共Wi‐Fiなどの有効性はどうだったか?

⑦共助・公助について・行政への要望はあるか?・ボランティアセンターは機能したか?

3つの視点 7つの質問

障害者の災害対策を考えるため、3つの視点から検討することとした

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障害者の災害対策シンポジウム~被災地から学ぶこれからの備え~

2014年2月16日

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地災地の障害者・支援者の発表

福島、岩手の障害者および支援者から、被災障害者の避難、避難所、個人情報開示などについての課題について紹介していただいた。

災害時の障害者の課題、コミュニティによる支援のあり方、備えるべき機器などについて、答えながら、これからの災害対策についてのディスカッションを行った。

パネルディスカッション

ゲスト講演とパネルディスカッションの実施

アウトプット 障害者の災害対策シンポジウム

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会場とパネリストのQ&Aの様子

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災害時の備えにつながる展示

展示品 出品者

災害用トイレ処理剤 株式会社エクセルシア

バイオトイレカー NPO法人 やさしくなろうよ

けん引式車いす補助装置 株式会社JINRIKI簡易エアマット,防寒シート,熱中症対策グッズ

株式会社オシザワ

住宅での家具転倒防止対策 有限会社地域住環境研究所

災害時用携帯トイレ ワーク・ワークス株式会社

着脱しやすいUDジャケット 国際ユニヴァーサルデザイン協議会 衣のUD プロジェクト

「障害者の災害対策ワークショップ」であげられた障害者に必要な備えに関する意見を参考に、募集した機器やアイディアを展示

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災害時の備えにつながる展示