2013.02.19 スライド「患者医師関係」公開用

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『患者-医師関係のつくり方』 実践編 聖路加国際病院 宮道亮輔

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Health & Medicine


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『患者-医師関係のつくり方』実践編

聖路加国際病院 宮道亮輔

せっかく頑張っているのに…

良好な患者医師関係は必要?

○○病院的

良好な患者医師関係が必要な理由• 治療する上で、治す姿勢と治してもらう姿勢が合うことが大切。

• トラブルがあっても大丈夫?

• 信頼関係があると患者満足度も上がる。

• 指示や治療に従ってくれるのでは?

• 患者の不満足もわかる。

• 友達感覚の患者さんが多い。

• アドヒアランス向上。ヒントを言ってくれる。

• 治療効果も上がるのでは?安心できる。

• 体の中まで診られるので、信頼関係のない医師の前には座りにくい。

• 看護師にしか言わないこともある。

• 必ずしも良い結果になるとは限らないので、関係が良好のほうが受け入れやすい。

スレ違い?

(゚Д゚)ハァ?

すれ違い

→対立?

病院受診したことありますか?

• 医師との関係は

–満足?不満足?

患者からみた満足の理由

• 話を聞いてくれた。

• 日常生活の改善度を示してくれた。

• 気持ちを分かってもらえるとうれしい。

• 患者さんのニーズにこたえてくれた。

• 理論的な説明をしてくれる。

• 穏やかに話ができた。

• ナチュラルコース、金額、治療手順を提示してくれた。

• 根拠ある説明。

• 技術が優れている人。

• 命を助けてくれる人。

• 笑顔。

患者からみた不満足の理由• 淡々と終わってしまった。

• 説明が少ない(原因を教えてくれなかった。)

• 声をかけてくれない。

• 患者さんが希望した処置を行ってくれなかった。

• 今後の方針についての説明が不十分。どうしていいかわからない。

• 決めつけ!

• 偉そうな態度。上から目線。

• 目上の人に不快な態度。

• 「ストレスですかね?」

• 緊張感がない。

• 不安を抱かせる医師。

• 待ち時間が長い。内訳の説明がない。

• 薄汚い恰好をしているだけで、腕が悪いと思ってしまう。

• 治療レベルに納得がいかない。

理想の患者-医師関係は?

蛇足(かも…)

知識 [認知療域]

✔ 言語情報:暗記(使用する薬剤名など)

✔ 知的技能:応用(薬剤の使い方など)

技術 [精神運動領域]

✔ 運動技能:スキル(質の高いCPRなど)

態度 [情意領域]

✔ 態度:心(チーム蘇生など)

信頼関係に影響する因子

• 患者の問題を丁寧に る

• 適切 効果的な治療を提供する

• 患者の経験を理解する

• 患者のことを気遣っていることを示す

• はっきり、キッチリとコミュニケーションする

• ハ ートナーとしての関係を築く

• 患者 、敬意を示す

Thomらによる質的研究 J Fam Pract 1999

健康日記調査

1,000

750

250

13

9

5

1NEJM.2001;344(26):2018

1,000人の成人に1ヶ月間の健康状態を聞くと…

750人が体調不良あり

250人が医療機関を受診

9人が入院

5人が専門機関に紹介

1人が大学病院に紹介

救急外来でもできること

• 救急外来(初診外来)の特徴

– 一見さん

• 関係性が構築されていない

• 最初で最後かも

– 何らかの訴えがある(はず…)

– 医療者に時間がない

受診理由を聞こう!

「病院に来ようと思った理由は何ですか?」

ドアノブコメントを聞こう!

• 他に聞いておきたいことはありますか?

• 他に言っておきたいことはありますか?

継続する外来や病棟では…

• 再診外来や病棟の特徴

– 次回以降話すことができる

• すべてのことを一度に行わなくてもよい

• お互いに宿題を作ってもよい

– 特記すべき訴えがないこともある

患者のcontextを理解しよう

Take Home Massage!

• 相手の要求を知る

–受診理由を聞く

–ドアノブコメントを聞く

• 相手のcontextを理解する

やってみよう!

上級編1-臨床倫理の4分割表医学的適応(Medical Indications) 患者の意向(Patient Preferences)

1.診断と予後2.治療目標の確認3.医学の効用とリスク4.無益性(futility)

1.患者の判断能力と対応能力2.インフォームド・コンセント(コミュニケーションと信頼関係)

3.治療の拒否4.事前の意思表示(リビングウイル)

5.代理決定(代行判断と最善利益)

QOL(Quality of Life) 周囲の状況(Contextual Features)

1.QOLの定義と評価(身体、心理、社会的側面から)

2.誰がどのような基準で決めるか(偏見の危険、何が患者にとって最善か)

3.QOLに影響を及ぼす因子4. 生命維持についての意思決定

1.家族や利害関係者2.守秘義務3.経済的側面、公共の利益4.施設の方針、診察形態、研究教育5.法律、慣習、宗教6.その他(診療情報開示、医療事故)

出典)Jonsen AR, Siegler M, Winslade WJ. Clinical Ethics--A practical Approach to Ethical Decisions in Clinical Medicine (3rd ed.). McGraw-Hill, New York, 1992

邦訳:大井玄、赤林朗監訳「臨床倫理学:臨床医学における倫理的決定のための実践的なアプローチ」新興医学出版社1997

上級編2-慢性疾患のGIPEモデル

• Guidelines and Goals– ガイドラインとゴール

• Reflect on the patient– 患者ケアスキルの評価

• Interventions– 薬剤や行動変容などの介入

• Preventive, Pain, Palliation– 予防、疼痛コントロール、緩和ケア

• Effective feedback– 効果的なフィードバック

上級編3-信念対立

それぞれが自分の信念を自覚することなく絶対視することにより起こる根源的な対立

京極真『医療関係者のための信念対立解明アプローチ: コミュニケーション・スキル入門』誠信書房.2011年