2013 scpdf01 05usamiwtr/attvlab/2013_scpdf01_05.pdftvの生き残り戦略 〜視聴率 とは何か...
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ソーシャルコミュニケーション入門 レジュメサマリー01_05
01.生活を取り囲むメディア 東京工科大学 メディア学部 宇佐美 亘
2013.4.9
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■ ソーシャルとはなんだろうか
◇マスメディア(かつてのメディアの 王様)はインターネットへ進出
◇視聴者(消費者)はメディアに進出
http://www.nhk.or.jp/ facebook
TVと「個人」が対等に発言する =個人が「影響力」を持つ
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■ 質問です(出席・点数とは関係なし)提出は終了しました ・「メディア」ということばからどんなイメージを 持ちますか ・「答案用紙」に、科目名・担当教員・実施月日・ 学籍番号・氏名 を記入 ・今後の講義内容に、活用します
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◇ 末期がん患者が、ファッション ショーに出演するという「奇跡」 DVD「カーネーション 145回」
■ TVとソーシャルの関わり・例
「あさイチ」 ・直前の「朝ドラ」受けがたびたび。 週3回に限ることにしてるが・・・
・twitterには「カーネーション」の話題が、膨大な数に・・・
http://www.nhk.or.jp/drama/pastprog/asadora85.html
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/
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■ 「カーネーション」反響
今ごろはちょうど中村優子のWikipediaが死ぬほど閲覧され、その狂気のプロフェッショナリズムで驚愕を与えている頃合いであろう #カーネーション
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■ 講義予定 01.生活を取り囲むメディア
02.メディアを見る私の中で起こること 03.これまでのメディア=マスメディア 04.これからのメディア=ソーシャルメディア 05.質問_あなたのメディア体験とは
06.デジタルのインパクト 07.ソーシャルのモデルを求めて 08.変わってしまった作り手たち 09.このメディアのビジネスモデルとは
10. TVはソーシャルになるだろうか 11.みんながスクリーンに集まる 12.メディアの将来像_デジタル化以後 13.メディアの将来像_新しいつながりを求めて 14.パーソナルでパブリックで
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■「個人」と「メディア」の関係とは
「ゲリラ雷雨防衛隊」 ウェザーニュース http://weathernews.com/jp/c/press/2009/090713.html 会員(関心を共有)>発信>収集・分析>配信>蓄積 DVD「朝ズバ!」 TBS 2010年8月20日
・「気象情報を、有料で届ける」という意味とは違う ・メディアの働きに、デジタル化が変化を与えている ・個人の活動が、広く影響を与えている
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■自己紹介兼、TVの進化体験談
<経験的「メディアの影響力問題」>
●NHK入局1976年 新潟放送局:県域だが関東にも放送 ローカルラジオはBSNに負け
○1981年 学校放送番組部:小学校理科社会 おかあさんといっしょ
●1986年 札幌放送局:ミニ東京としての札幌市 ☆北海道に関心があるのはそこに住む人だけか?
○1990年 ハイビジョン番組、教育マルチメディア開発 ☆TVは放送すれば終わりか、見た人に変化が?
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○1998年 福祉番組、趣味実用番組 ☆番組に対応する関心領域が存在するのでは?
●2000年 山口放送局:地域ニーズとは何か、光回線中継 ☆デジタルメディアと視聴者の能動的な参加
○2004年 データ放送、インターネット ☆マスメディアとインターネットのはざまで
○2008年 NHKエンタープライズ:デジタル開発 ☆放送とインターネットが連携したマーケットは 可能か?
TVはインターネットに浸食されてしまうのか それとも、メディアの形態が変わるのか
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■メディア受容形態の変化
○ TVよりインターネット > メディア影響力の拡散(広告がとどかない)
○ PCよりもモバイル > 情報格差の拡大(不均質化)
○ 新聞よりもフリーペーパー > 信頼性の拡散(マスメディアの正統性崩壊)
視聴者(消費者)行動の不確実性
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■メディアを創る現場の変化
○ 立花隆さんのシニシズム (知の巨人、東大客員教授) > 新聞を読む人は激減、ニュースを作り出す 現場が消滅の危機
○ 夏野剛さんのいらだち (i-モードを作った) > インターネットの基礎知識がない、慣行を 超えたマーケット創出ができない
○ 上路健介さんの楽観 (岩手放送から博報堂へ) > 地域で知恵を出し、がんばっている人たちは 確実にいる
作り手側の特権的地位の変質
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■まず身の回りからメディアを探す
○ YMEの実験(番組内容はすでに変更) > TVKならではのインディーズ系番組 「ニコニコ動画」先行ゆえに監査に1週間
○ エスニック「趣都」 in Shibuya > 1軒のショップから増えてゆく インターネットの関心空間がリアル化
○ Amazon CDデータマッシュアップ(東京、ロンドン、NY) > インターネットだからこそ個人のアイデアだけで マイクロアイデアが、マイクロマネーを生む
バーチャルとリアルが相変化
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{参考図書}
吉見俊哉『メディア文化論』有斐閣
☆東大情報学環の教科書、メディア史とメディア論の歴史 インターネットメディアについてはやや時代が変化
梅田望夫『ウェブ進化論』ちくま新書
☆インターネット楽観論として一世を風靡 著者は最近、日本のインターネット企業には期待できないと
森川嘉一郎『趣都の誕生』幻冬舎文庫
☆「趣味」が都市空間そのものを作り出す現象としてのアキバ 建築からみたオタク論として出色
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ソーシャルコミュニケーション入門
02.メディアを見る私の中で起こること
東京工科大学 メディア学部 宇佐美 亘
2013.4.16
16 ■ 質問への回答から ・「メディア」ということばからどんなイメージを 持ちますか ・「デバイス(携帯・TV・ラジオ・本・雑誌等)」「情報」「コンテンツ」「手段」「媒体」「マスメディア」 ・「TVや新聞が信用できなくなった(韓流ブーム)」 「感動や真実を伝える」 ☆ 講義終わりに答案用紙<科目・日付・番号氏名・感想あれば>を提出してください
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■ メディアを見てもらう側の努力
◇ NHKの“3スクリーンズ戦略” http://features.career.jp.msn.com/japan/twitter/003.htm
◇ フジテレビ、YouTubeで本格的に配信 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1204/17/news116.html
◇ 無料で聴けるネットでAM/FMラジオ! radiko(ラジコ)
http://features.career.jp.msn.com/japan/twitter/003.htm
◇ iPhone アプリ NHKWORLD TV live http://app.iwire.jp/apps/350732480/NHK%20WORLD%20TV%20Live/
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■ NHKの”3-Screens”戦略
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視聴者と循環する「放送とネット」 『放送通信連携』2007年
■ NHKの”3-Screens”戦略 〜視聴者との“循環”
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「NHKクリエイティブ・ライブラリー」 2009年〜 http://www.nhk.or.jp/creative/
DVD「着信御礼!ケータイ大喜利」NHK
21 ■ メディア過程モデル <メディア供給側の視点> A・多メディア展開=ピラミッド型 <メディアが増えると出会いが増える> 例:TV番組 →PC配信 →ケータイ配信
B・3-Screens展開=循環型 <メディアに応えるとメディアに出られる> 例:双方向番組 →視聴者と循環構造
C・メディアとTwitterの連携=リゾーム(根茎)型 <話題に参加すると交流が増える> 例:メディアの話題 → Twitter口コミ
▽従来型メディアの中で関係は終わらなくなった (新聞を読むからTwitterで探すへ)
○つまり、メディアとは消費者(視聴者)のからだの 中を通り過ぎる風のようなもの
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A:多メディア展開=ピラミッド型
B:3-Screens展開=循環型
C:メディアとTwitterの連携=リゾーム(根茎)型
TVから「お題」 視聴者から投稿
TV番組
PC モバイル
『黄樹』 : 草間彌生
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ソーシャルコミュニケーション入門
03.これまでのメディア=マスメディア東京工科大学 メディア学部 宇佐美 亘
2013.4.23
24 ■ 前回の感想から ・Twitterで、「今は○時〜■■という番組があります!」と流れてくると見てみようかなという気になる ・パソコンでラジオが聴けることも初耳。オンデマンドには大変興味がある ・ハッシュタグをつけることにより、現在進行形で見知らぬ人と共有、交流することができる ☆ 講義終わりに答案用紙<科目・担当:宇佐美亘・ 日付・番号氏名・感想あれば>を提出してください
25 ■ メディアの供給側・需要側の変化
■メディア受容形態の変化
視聴者(消費者)行動の不確実性 <広告が届かない・・・> ■メディアを創る現場の変化
作り手側の特権的地位の変質 <メディア人育成危機・・・>
ソーシャルは、「影響力の危機」 解決に結びつくのか
26 ■ TVの生き残り戦略 〜視聴者との“循環” DVD 2013.4.22 NHK総合TV 23:30〜
NHKのニュースポータルサイト「NHK NEWS WEB」と連動し、同サイトでアクセス数の多い(=関心の高い)話題にスポットを当てる。 放送中に寄せられる視聴者のツイートを曜日ごとに代わる5人のネットナビゲーター(インターネット上の動向に詳しい人物)が、専門家を交えて論議している。
+番組の調査によってわかったことNHK NEWS WEB <24年度卒論から>
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n 視聴者からの投稿の傾向
ツイート内容はニュースに対する感想が多い。報道番組ということで幅広いニュースを取り扱っているためニュースに関連した内容についての広がりが多い。
n テーマ「桑田真澄さんが語る“スポーツと体罰”」
寄せられたツイート例
・スポ根は時代遅れになったのだろうか
・当時はどんな体罰があったのですか
・プロ野球の現場でも体罰や先輩からのしごきはあるのでしょうか?
・(体罰を受けてなくても活躍しているという説明の後) 大リーグ選手の例はわかりやすい。
28 ■ TVの生き残り戦略 〜“Twitter利用”の可能性と限界
B・3-Screens展開=循環型 <メディアに応えるとメディアに出られる> 例:双方向番組 →視聴者と循環構造
C・メディアとTwitterの連携=リゾーム(根茎)型 <話題に参加すると交流が増える> 例:メディアの話題 → Twitter口コミ
「NHK NEWS WEB」 番組がテーマを提出し、それに応じた「ツイート」が展開する。その多くは、「メガネ変えましたね」的発散型とテーマ連動型。つまり、番組の手の内から外れない世界に留まっている可能性。 画面上の「ツイート」は、番組側の選択による。
29 ■ TVの生き残り戦略 〜影響力とは何か
■視聴者(消費者)行動の不確実性
視聴率ではない別の評価軸 <広告が届かない・・・> ■作り手側の特権的地位の変質
プロフェッショナルではない別の作り手 <メディア人育成危機・・・>
ソーシャルは、「影響力の危機」 に別の形態を開発する
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災害情報
紅白歌合戦
着信御礼!ケータイ大喜
利
リトル・チャロ
視聴率順に番組を並べる
視聴者クラスターの大小による 番組ロングテール
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クリス・アンダーソン 『ロングテール』 より <インターネットにより発見されたマーケティング理論>
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■ TVの生き残り戦略 〜視聴率とは何か
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ソーシャルコミュニケーション入門
04.これからのメディア=ソーシャルメディア東京工科大学 メディア学部 宇佐美 亘
2013.5.7
32 05.質問_あなたのメディア体験とは
Q1:あなたの記憶に残る「コンテンツ」 >好きなTV番組、感動した映画、 よく利用するインターネットサイト(SNS) など >その理由
Q2:メディアに関するあなたの疑問 >「視聴率って、本当に調べているの」 >「TV局はネットと仲が悪いの」 など
33 ■ 「ソーシャルなメディア」の現在 例:「ニコニコ動画」ニコニコ超会議2 2013年4月27〜28日 幕張メッセ 入場者10万人超
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■ 「ソーシャルなメディア」の現在 例:ニコニコ超会議 2012年(第1回)
DVD フジテレビ2012.5.5 5:00~ 「新週刊フジテレビ批評」 出演:ニワンゴ・杉本社長
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■ 「ソーシャルなメディア」の現在 例:「ニコニコ動画」ニコニコ超会議2
◇ 「ニコニコ超会議」が示すもの ・リアルのイベント ・関心のある領域を共有する人たちが集まる ・さまざまな領域が、ひとつの場所に
◇ インターネットが集める「関心」の形態 ・「関心のある領域」に「スター」が生まれる ・共有する人たちが、「市場」を作る ・「関心」を共有する人々の集団が「可視化」する
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■ 「私」の関心の行方
・インターネットのマーケティングが発見
・Amazonのビジネスモデル →ロングテールこそ、収益源
クリス・アンダーソン 『ロングテール』 より
37 ■ 消費者(視聴者)の中で反応するものは ○「関心(領域)」の在り方
・インターネットとともに登場した「ロングテール」という考え方 >Amazon:少数の人しか買わない本でも品ぞろえが可能 →いままで見えなかった「マーケット」消費者の 集合体が見えてきた =可視化
・「ニコニコ超会議」に集まった人たち >もともと少数の人たちの関心・趣味でも品ぞろえが可能 →いままで見えなかった「マーケット」消費者の 集合体が見えてきた =可視化
・TVの視聴率を例にすると >「紅白歌合戦」から、教育TVの番組までのロングテール をなす >でも、視聴率2%「着信御礼!ケータイ大喜利」に、 100万件の投稿
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災害情報
紅白歌合戦
着信御礼!ケータイ大喜
利
リトル・チャロ
視聴率順に番組を並べる
視聴者クラスターの大小による 番組ロングテール
........
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クリス・アンダーソン 『ロングテール』 より
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■ 高視聴率番組にもテールの番組にも、 視聴者は存在する
・ヘッドからテールまでの番組の並び方 >紅白はえらいか ・誰でも知っている番組、誰かが知っている番組 >視聴者層=クラスター
災害情報
紅白歌合戦
着信御礼!ケータイ大喜
利
リトル・チャロ
視聴率順に番組を並べる
........
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■ 視聴者の存在を確かめる
・「生活ほっとモーニング」のクイズ ・「着信御礼!ケータイ大喜利」の投稿 →インターネットを通じて見えてくる 視聴者クラスターの量と質
「生活ほっとモーニング」 4/24 視聴率6.2%
クイズ参加数 9018 (PC、携帯)
「着信御礼!ケータイ大喜利」 11/26 視聴率1.5%
投稿総数 36万4010 (携帯)
2006年
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■TV視聴率の順位とネットによる アクセス数は別の評価
■リニアな評価軸から番組「生態系」へ (番組の空間的棲み分けと、生成過程の分析可能性)
視聴率
番組ロイヤル ティ指数(仮称)
=Likeボタン
<方法論> PCサイト・携帯 サイトに全番組
アンケートを掲 載しデータ収集
マーケットサイズ測定から マーチャンダイジングへ
(例:料理番組のメルマガ提供数)
2006.12
<参考>行動ターゲティング分析による新たな番組評価軸創出
Web アクセス数
「生活ほっとモーニング」 4/24 視聴率6.2%
クイズ参加数 9018 (PC、携帯)
「着信御礼!ケータイ大喜利」 11/26 視聴率1.5%
投稿総数 36万4010 (携帯)
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◇ 視聴者(消費者)行動の不確実性
視聴率ではない別の評価軸 <「関心領域」への熱> ◇ 作り手側の特権的地位の変質
プロフェッショナルではない別の作り手 <「ニコ動」生まれるスター>
ソーシャルは、「影響力」 の市場性を可視化する
■TVの生き残り戦略 〜影響力とは何か
43 { 参考図書 } クリス・アンダーソン 『ロングテール』(アップデート版)
ハヤカワ新書、2009年 *インターネット世界の経済ルールを発見した画期的な書。後の、『FREE』よりオリジナリティがある。 マーク・ブキャナン 『歴史は「べき乗則」で動く』
ハヤカワ文庫、2009年 *科学ジャーナリストによる、「複雑系」からみた世界。自然界から人間社会まで。何らかの「法則」があるはずという思い込みをくつがえす。
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ソーシャルコミュニケーション入門
05.質問_あなたのメディア体験とは 東京工科大学 メディア学部 宇佐美 亘
2013.5.14
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05.質問_あなたのメディア体験とは
*回答、ありがとうございました。 回答数:117
Q1:あなたの記憶に残る「コンテンツ」
◇ TV番組
・バラエティ番組 >アメトーーク!、リンカーン、トリビアの泉、めちゃいけ、 水曜どうでしょう、ピカルの定理、サラリーマンNEO ほか多数 ・ドラマ >相棒、トリック、ガリレオ、韓流ドラマ ほか ・教 養 >映像の世紀、題名のない音楽会 ・ニュースほか >ZIP、BSスポーツ、朝のニュース ・アニメ
○ 映画、漫画、ゲーム、ラジオ
●書籍、雑誌はなし
46 05.質問_あなたのメディア体験とは Q1:あなたの記憶に残る「コンテンツ」
◇ Twitter=35
・簡単に手早く伝える ・同じ趣味の人を見つける ・リアルタイムの情報 ・良いニュースも、悪いニュースも ・情報がつきないが、善し悪しは自分で判断しなければならない
◇ LINE=11
・
◇ ニコニコ動画=10 ・生放送を利用、一般人だけでなくプロ級のゲームの映像も
◇ Mixi、YouTube、Facebook、Skype、Amazon、2ch ほか
・確証がなくても、大まかに何となく知る(2ch)
47 05.質問_あなたのメディア体験とは Q2:メディアに関するあなたの疑問
◇ 視聴率について ・調べる方法 ・録画は調べないのか ・視聴率のせいで番組が終わるのか
◇ TVは本当のことを伝えているか ・ニュースの信憑性、真偽を確かめる方法 ・ねつ造ややらせはどのぐらいある ・インタビューを編集するのはよくない ・ネットが普及しているのになぜねつ造するのか ・フジテレビは韓流反対デモを流さない
◇ 最近スカイツリーから放送してるが
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05.質問_あなたのメディア体験とは Q2:メディアに関するあなたの疑問
・ラジオは再生するか ・放送業界で働くためには ・ブログの広告収入 ・ローカル番組はなぜ地方でしか見られないのか ・NHKの受信料とは ・TV局間で映像が共有できないのか ・関心領域の熱の調べ方 ・民放とNHKは仲がいいのか ・通りかかった人の顔が映ったら ・全番組に字幕を