20121002 極端宇宙天気 gic 外向け2.ppt...

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日本におけるGIC極端値推定について 日本におけるGIC極端値推定について 太陽で起こる可能性があるスー パーフレアの想像図。 柴田一成 京都理学研究科附属天 文台教授ら 2012517日付各社報道 平成24年10月2日 極端宇宙天気研究会 藤田 茂(気象大学校)、 泰拓(地磁気観測所)

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日本におけるGICの極端値推定について日本におけるGICの極端値推定について

太陽で起こる可能性があるスーパーフレアの想像図。柴田一成 京都理学研究科附属天文台教授ら2012年5月17日付各社報道

平成24年10月2日 極端宇宙天気研究会

藤田 茂(気象大学校)、 源 泰拓(地磁気観測所)

GIC(地磁気誘導電流)災害と対応GIC(地磁気誘導電流)災害と対応

1989 3 13 カナダ停電災害 1989.3.13 カナダ停電災害

1989.4~12?

1989.5 NPCCで磁気嵐関連運用方策

1989.12

2003.10.30 スウェーデン(南アフリカも?)停電災害

2006~ NICTが北海道でGIC観測

2010.7 HILF報告書(米国)で1989イベントの10倍の現象を想定

2011.3.11 東日本大震災⇒現象想定の見直し

NICTのGIC観測(道東地域)NICTのGIC観測(道東地域)

•GICとDが相似•GICとDが相似

Watari et al. [2008]

最大で3 8A•最大で3.8A (48nT/5min MMB, 38nT/5min KAK)•GICとDの変動が対応•GICとDの変動が対応

Pulkkinenの解析 (変動緯度分布)Pulkkinenの解析 (変動緯度分布)

Pulkkinen et al. [2012]

•100年に一度のイベントとほぼ同程度のイベントを解析•誘導電場 磁場変動率 ΔHは50•誘導電場、磁場変動率、ΔHは50度を境に高緯度と低緯度で振幅が急変する急変する

日本ではGIC災害は想定しなくてよ

1989 Mar 2003 Oct

日本ではGIC災害は想定しなくてよい?

1989.4~6の測定1989.4 6の測定

この結果から、1989.3イベントでは

磁場変化率が大きいため、回帰式を外挿して、4月19日の6倍程度のGICがあ たと想定GICがあったと想定。

Gutenberg–Richter lawの例Gutenberg Richter lawの例

小さなイベントはとり損ないがある

Pulkkinenの予想 (極端値推定)Pulkkinenの予想 (極端値推定)

高 体 体高伝導体地殻 低伝導体地殻

Pulkkinen et al. [2012]

•1 solar cycleのデータ(IMAGE Chain,13年)から100年に一度のイ

ベントの大きさを推定。(図は想定電気伝導度分布を用いた誘導電ントの大きさを推定。(図は想定電気伝導度分布を用いた誘導電場の大きさ)•Power-lawに乗ることを指摘。外挿して100年に一度のイベントを推定定

女満別のssc,siを統計的に調査女満別のssc,siを統計的に調査

元データ:女満別のstormとsi

1957年7月から2012年6月 1957年7月から2012年6月

計1590個 (si765個、ssc825個)

GICをターゲットにするのであれば、磁気嵐そ GICをタ ゲットにするのであれば、磁気嵐そのもののレンジよりもsscやsiの立ち上がりの傾きを調べる(だらだらと数時間かけて落ち傾きを調べる(だらだらと数時間かけて落ちる400nTよりも、4分で10nTのsi/sscのほうが誘導電流には効くだろう)誘導電流には効くだろう)

女満別でのSCの統計(55年)女満別で 統計( 年)

550回

千年に一度 = 55年に0.055度

55

5.5 1000nT/分=

1989イベント

0.55

1989イベントの10倍

ある程度自信を持って結論付けるには100年

0.0550 1 2 3

結論付けるには100年超のデータがほしい。

0 1 2 3log(nT/min)

日本は世界に冠たる地下電気伝導度異常帯地下電気伝導度異常帯

連 究は誘導電場 推定 ため Pulkinenの一連の研究は誘導電場の推定のため

に、水平方向に一様な電気伝導度分布を仮定している。(信頼がおける3次元分布が存在しないので仕方がない。)

女満別の観測ではGICとD成分の変動が似ている。=1次元電気伝導度を仮定するとそうなる?(伝。 1次元電気伝導度を仮定するとそうなる?(伝聞情報)⇒A点の観測では必ずしもD成分と相似でない。でない。

観測では変電所ごとにGICの値はまちまち。

日本の地殻電気伝導度異常分布日本の地殻電気伝導度異常分布

女満別だけz成分変化が小さいさ

柿岡柿岡

•水平磁場変動(H,D)が全国でほぼ同じなのに、Z成分には地域性がある。•一様なH、D⇒一様な電離圏電流Z成分⇒地下の電気伝導度分布が鹿屋 •Z成分⇒地下の電気伝導度分布が水平方向に変化している。

鹿屋

CAが出来るメカニズムCAが出来るメカニズム

一様電流高度

電離圏

様電流

誘導された磁場大気

低電気伝導度地層

高電気伝導度地層

低電気伝導度地層

女満別・柿岡・鹿屋の地電流変化女満別 柿岡 鹿屋の地電流変化女満別だけ2成分とも大き成分とも大きい

日本におけるGICの極端値推定(結論)(結論)

防災の観点からGICを研究する際 我々科学者の責 防災の観点からGICを研究する際、我々科学者の責務は行政and/or給電業者に磁場変動と誘導電場さらにGICの客観的な極端値(100年に一度/1000年に一客観的な極端値( 年 度/ 年度)を提供することであろう。

極端値を求めるためのデータとして、地磁気観測だけでなく 太陽や恒星観測の統計は使えないか?でなく、太陽や恒星観測の統計は使えないか?

GICを研究するには変電所での実測が不可欠。日本で誘導電場やGIC研究をするには地下電気伝導 日本で誘導電場やGIC研究をするには地下電気伝導度の3次元性を考慮することは不可欠。日本の地下の3次元電気伝導分布モデルを用いた誘導電流と実次元電気伝導分布 デ を用 誘導電流 実測の電場データとの同化によって信頼できる誘導電場を出すことが重要。