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07 「やさしいコミュニティ」 人に 、地球にやさしく、災害に強く、 安全で安心して暮らせる、 潤いと活気に満ちたコミュニティ 地域社会とともに 02 開発コンセプト 業 平 橋 押 上 開 発プロジェクト 現在 、東武タワースカイツリー㈱とともに業平橋・押上地 区において、 「東京スカイツリー R 」を核とした新しい街づくり 「 Rising East project」を進めています。地域のランドマーク となる東京スカイツリーおよび足元に広がる複合商業施設 が建設されることで地域社会ならびに東武沿線が大きく活性 化されるものと期待されています。 本開発プロジェクトでは 、以下のコンセプトで下町文化の 歴史を受け継ぎつつ 、東京スカイツリーを中心とした新しい 都市文化創造発信拠点の形成をめざすこととしました。 街 区 開 発プロジェクト 東京スカイツリーの足元には 、業平橋駅と押上駅をつなぐ 東西長さ約 400m 、広さ約 3.7ha におよぶ「タワーのある街」 が生まれます。商業、エンターテインメント、文化、オフィス施設、 そして 、防災機能などを備えることで 、周辺エリアと連携した にぎわいのある街づくりや、地域冷暖房・緑化・雨水利用等 環境にもやさしい街づくりに努めます。 全体スケジュール 2011年12月 2012 年  春 竣工(予定) 開業(予定) 「アトリエコミュニティ」 日本 、下町のものづくりの DNA を承継し 、 人々の交流が、新たな都市文化を創造する コミュニティ 「開かれたコミュニティ」 先端技術 、メディアが集積し 、 新しい日本 、新しい東京を 、世界へと発信する タワーを核としたコミュニティ

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Page 1: 2010 TOBU ReportCorporate Social Responsibility2010 TOBU Corporate Social Responsibility Report 02 地域社会とともに 「東京スカイツリーRエリア」の最新CO 2削減術

07

「やさしいコミュニティ」人に 、地球にやさしく、災害に強く、安全で安心して暮らせる、潤いと活気に満ちたコミュニティ

2010 TOBU Corporate Social Responsibility Report地域社会とともに02

開発コンセプト

業平橋押上開発プロジェクト現在 、東武タワースカイツリー㈱とともに業平橋・押上地

区において、「東京スカイツリーR」を核とした新しい街づくり

「 Rising East project 」を進めています。地域のランドマーク

となる東京スカイツリーおよび足元に広がる複合商業施設

が建設されることで地域社会ならびに東武沿線が大きく活性

化されるものと期待されています。

本開発プロジェクトでは 、以下のコンセプトで下町文化の

歴史を受け継ぎつつ 、東京スカイツリーを中心とした新しい

都市文化創造発信拠点の形成をめざすこととしました。

街区開発プロジェクト

東京スカイツリーの足元には 、業平橋駅と押上駅をつなぐ

東西長さ約 400m 、広さ約 3.7haにおよぶ「タワーのある街」

が生まれます。商業、エンターテインメント、文化、オフィス施設、

そして、防災機能などを備えることで 、周辺エリアと連携した

にぎわいのある街づくりや 、地域冷暖房・緑化・雨水利用等

環境にもやさしい街づくりに努めます。

全体スケジュール2011 年 12月

2012 年  春

竣工(予定)

開業(予定)

「アトリエコミュニティ」日本 、下町のものづくりの DNA を承継し、人々の交流が 、新たな都市文化を創造するコミュニティ

「開かれたコミュニティ」先端技術 、メディアが集積し、新しい日本 、新しい東京を、世界へと発信するタワーを核としたコミュニティ

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社会とのかかわり

2010 TOBU Corporate Social Responsibility Report地域社会とともに02東京スカイツリーR

 東京スカイツリーは、2008年7月に着工して以来、順調に進捗し、2010年10月

には497mに達しました。また、この間2009年2月にはカラーデザインを、そして

同年10月16日にはライティングデザインと最高高さを634mに決定しました。

[ロゴマーク]

新しいタワーから生まれていくさまざまな「モノ」や「コト」、そこに集う人々のワクワクした気持ちをカラフルなドットで表現。いずれも日本の伝統色を用いており、タワーの立つ下町ならではの歴史、文化的な意味が込められています。タワーのシルエットと組み合わされることで、空へと伸びる「木」に、葉が繁り、花が咲き、豊かに果実が実る様子がデザインされています。

地域とともに活力のある街づくりに貢献

浅草や錦糸町、両国などの広域集客拠点に隣接し、交通利便性に恵まれた立

地ポテンシャルを活かし、世界一の観光タワーを中核とした大規模複合開発に

より、地域とともに東東京エリアの新たな交流、観光、産業拠点を形成し、地域

社会の活性化を牽引するとともに、国際観光都市東京の実現に貢献します。

時空を超えたランドスケープの創造

江戸期の景観を代表する隅田川を背景に、日本の伝統的な美意識のもと最新

技術を駆使して造形した意匠により、足元の北十間川から連なる水の系が織り

成す情景や下町の粋な雰囲気と融合し、他の地区にはない、時空を超えたラン

ドスケープを創造します。

防災面での安全と安心の提供

万全の耐震、耐風、耐火性能を備えることにより、平常時はもとより災害時こ

そ電波塔の有する情報インフラとしての社会的意義を発揮するとともに、地震・

火災・水害等の災害に十分耐え得る街づくりを進めることで、地域の防災性能

の向上に貢献し、地域に安全と安心を提供します。

基本コンセプト

工事スケジュール(予定)

634m500m

400m

2009年6月6日 2009年11月10日 2010年夏 2011年春頃 2011年12月頃竣工

300m

200m

100m

0m

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2010 TOBU Corporate Social Responsibility Report

地域社会とともに02

過去と未来をつなぎ、みんなの心に届く光でありたい

東京スカイツリーRのライティングデザインは、江戸で育ま

れてきた心意気の「粋いき

」と、美意識の「雅みやび

」という2つのオペ

レーションが1日ごとに交互に現れる新しいスタイルのライ

ティングで、今日に続く明日、明日の先に続く未来を表現しま

した。随所に江戸の原風景を継承するデザインを取り入れる

ことでタワーの立つ下町の歴史文化を表します。

照らしている部分と陰になる部分が一体となって美しく感

じられるライティングに取り組むとともに、最先端の照明技

術を駆使し、環境重視の時代を迎えた21世紀にふさわしい、

省エネルギーと美しさが両立するデザインとしました。

心意気の「粋いき

心意気を示す「粋」の姿では、

隅田川の水をモチーフとした

淡いブルーの光でタワーを

貫く心柱を照らし出します。

大地から力強く立ち上がり、

隠さないで中を見せるイメー

ジからは、気きっ ぷ

風の良さや潔さ

を感じることができます。

美意識の「雅みやび

美意識を示す「雅」の姿では、

鉄骨の細かな構造体を衣に

見立て、優雅で気品あるイ

メージを表現します。江戸紫

をテーマカラーとし、金箔の

ようなきらめきのある光を

バランスよくちりばめます。

時を刻む光

展望台の上部に並ぶ流星のようなきらめき。一定の速さで

周り続けるこの光は、過去と未来を結ぶ時を刻む光を表現し

ています。

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010

社会とのかかわり

ターボ冷凍機 +ヒートポンプ + 蓄熱システムをメインとする地域冷暖房システム

2010 TOBU Corporate Social Responsibility Report

地域社会とともに02

地域冷暖房の1年間のCO2排出量

約半分に削減!※

(※計画値)

CO2 CO2CO2 CO2

CO2 CO2CO2 CO2

CO2CO2世界最高水準の低炭素化をめざす

【試算条件】・2009 年 2 月事業許可需要想定建物への供給時・個別方式(従来の個別分散的な熱源システム)との比較・2010 年 9 月 計画値

自立式電波塔として世界一の高さを誇る「東京スカイツ

リーR」、その足元では商業・文化・教育などさまざまな機

能を備える「タワーのある街づくり」が進められています。

この エリアを空 調 するた め の 地 域 冷 暖 房システムで は 、

ターボ冷凍機やヒーティングタワーヒートポンプ、地中熱用

の水熱源ヒートポンプなど、世界最高水準の高効率・省エネ

機を用い 、CO2 排出量の半減をめざしており、環境面において

も我が国を代表する街づくりが進んでいます。

東武鉄道㈱ 100% 子会社の㈱東武エネルギーマネジメン

トは 、「東京スカイツリー地区」における熱供給事業化に当

たり、経済産業大臣より、熱供給事業法に基づく事業許可を

取得しました。

国内最高水準の省エネ性能・省CO2化を実現

地域冷暖房システム

東京スカイツリー周辺の建物の冷房や暖房を担っている

のは、CO2 の排出量を約半分に削減するターボ冷凍機、ヒート

ポンプと大容量水蓄熱槽を組み合わせた最新の技術です。

東京スカイツリー

地域冷暖房地下の熱供給施設

冷房用には冷たい水を送っています。

暖房用には温かい水を送っています。

大容量水蓄熱槽

商業施設商業施設

商業施設

高層建築

暖房冷房 暖房冷房 暖房冷房 暖房冷房

ターボ冷凍機ヒートポンプ

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2010 TOBU Corporate Social Responsibility Report

地域社会とともに02

大容量水蓄熱槽の採用

25mプール17杯分の貯水量※

生活用水 23 万人分消防利用

蓄熱システムは 、夜間電力を利用して冷房時は冷水 、暖房

時には温水を蓄熱槽に蓄え、この蓄えた熱エネルギーを

昼間に使う経済的なシステムです。夜間に熱エネルギーを

蓄えるため 、受変電設備や熱源機器の容量が小さくて済み 、

熱源機器の定格運転で効率向上が図れます。さらに火災は

もとより地震等大規模災害時に蓄熱槽水を消防用水 、生活

用水として提供する計画です。

高効率ターボ冷凍機・ヒートポンプの採用

= 再生可能エネルギーを利用して空調する、

  環境にやさしいシステム。

自然界に存在する 大気の熱

= 再生可能エネルギー も利用。国内の地域冷暖房として初めて 地 中 熱

※ 25mプール(標準水量 約 400t )換算で約 17 杯分

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社会とのかかわり

2010 TOBU Corporate Social Responsibility Report

地域社会とともに02「東京スカイツリー Rエリア」の最新CO2削減術

太陽光発電自然のエネルギーである太陽光を利用して発電しています。

屋上緑化の水まきや、太陽光パネルを冷やすときおよびトイレの洗浄水に雨水を利用しています。

雨水の多目的利用

屋上を緑化することで、CO2を削減することができます。屋上緑化

LEDなどの環境にやさしい照明を使うことで、美しさと省CO2を両立しています。

美しく省CO2なライトアップ

地域冷暖房以外の4つの省CO2ポイント

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013

2010 TOBU Corporate Social Responsibility Report

地域社会とともに02東武伊勢崎線全通100周年記念イベントを開催

当社は本年7月13日に東武伊勢崎線の全通100周年を迎えました。これを記念して、

さまざまなイベントを開催しました。

100 周年を迎えた当日は 、伊勢崎線足利市駅にて、足利市観光協会の会員がデザイ

ンをした記念ヘッドマークの贈呈式が伊勢崎線特急「りょうもう」28 号の到着に合わ

せて催されました。このヘッドマークは、同月15日から8月31日までの期間、すべての

伊勢崎線特急「りょうもう」号に掲出をして運転しました。あわせて東武伊勢崎線全駅

で東武伊勢崎線全通 100 周年を記念するポスターの掲出をしたほか 、浅草 、東武動物

公園 、館林 、足利市 、太田の各駅において「伊勢崎線 100 周年のあゆみ」と題したパ

ネル展示や「東武伊勢崎線全通 100 周年記念乗車券」の発売をすることで 、東武伊勢

崎線全通 100 周年を大々的に盛り上げました。

おかげさまで100周年。これからも皆様とともに

ヘッドマーク披露

「伊勢崎線 100 周年のあゆみ」パネル展示

子ども駅長体験

当社と東武トラベル㈱では 、昨年に引き続き、夏休みを利用したお子様の体験プロ

グラムとして7 月26、29日と、8 月2、5、9、12日の計 6日間にわたり、鬼怒川温泉駅にて

「駅長体験」を実施しました。

この体験プログラムは「鬼怒川・川治温泉ブランド戦略委員会」が地元ホテル・旅館・

観光施設・観光協会・各旅行会社と協力し、一昨年より企画している体験型商品の

中で実施しているものです。

当社では 、東武トラベル㈱の旅行プランで同地区内のホテルにご宿泊いただいた

お客様の中から先着で 1日8 名までのお子様に 、鬼怒川温泉駅で制服を着用していた

だき、特急スペーシアのホーム案内業務や改札業務などの駅長体験イベントを実施し

ました。

お子様に夏休みの思い出として、普段ではできない仕事を体験していただき、夏休み

の自由研究などにも活用していただきました。

1日駅長体験

1日駅長体験

夏休みお子様向けのお仕事体験を実施

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014

社会とのかかわり

2010 TOBU Corporate Social Responsibility Report

地域社会とともに02「それぞれの日光 ときめきの旅」キャンペーンの実施

当社では、JR東日本および日光市と共同で、日光市へのお客様誘致を図っています。

本年は 4月から輪王寺大猷院で家光公ご尊像が御開帳されることもあり、「歴史を感じ、

自然に触れる」をテーマにした標記キャンペーンを実施して、これまで以上に日光市

へのお客様誘致に努めました。

キャンペーン内容として 、日光市の観光名所・イベント情報・店舗での特典等を

掲載した外国人向けクーポンブックの配布や 、日光エリアでのハイキングを開催しま

した。また 、4 月3日と5 月8日には 、東武博物館館長の花上嘉成氏を講師に「東武日

光軌道のあゆみ」と題して、1968 年に廃線となった日光軌道について学び 、跡地を実

際に巡りました。これは 、日光の魅力を知り尽くした地元の専門家や知識人を講師に

招き、日光の歴史や食・自然等をテーマとしたセミナーを、日光地区において無料で

開催するもので 、多くのお客様にお越しいただきました。

7 月には 、東武日光 、鬼怒川温泉の両駅において、川俣地区で夏まで保存していた

10トントラック2 台分の雪を使って、夏の日光雪祭りを開催し、お子様をはじめとして

多くのお客様に喜んでいただきました。

当社では 、これからも多くのお客様に日光市へお越しいただけるよう、地域一体と

なって、さまざまな施策を実施していきます。

東武博物館館長による日光学講座

夏の日光雪祭り

〜歴史を感じ、自然に触れる〜

「小江戸川越」誘客キャンペーンを開催

「世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり」と謳われ 、“小江戸”と銘打つ

全国の観光地の代表格である「小江戸川越」は、池袋から急行で約 30 分という好立地

にあります。今も江戸城下町の風情を色濃く残す蔵造りの町並みや、大正浪漫夢通りに

ある古き良きレトロモダンな洋風建築物など、懐かしさとノスタルジー漂う魅力に

あふれ 、「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。

東武東上線は 、東京メトロ有楽町線・副都心線との相互直通運転を行っており、

新宿・渋谷、東急線沿線のお客様にも身近な路線であることから、渋谷をはじめとした

都心部や横浜等の東急線沿線などで、川越市等と協力して「川越誘客キャンペーン」を

実施し、東上線の観光スポットである「川越」の魅力を紹介しています。

また、毎年10月の「川越まつり(国指定重要無形民俗文化財)」開催時には、電車内の

ポスターすべてを川越の “まつり”・“名物”の写真で飾り、ヘッドマークを掲出した

「マルチトレイン」の運行や 、「お子さま川越 1日駅長イベント」の開催 、「川越まつり

写真コンクール」への後援等を実施しており、お客様からたいへん好評を得ています。

さらに、毎年、JR 東日本や西武鉄道と合同で「小江戸川越七福神めぐりハイキング」

を実施しているほか、2008 年からは東急電鉄と合同で、「川越まつり誘客キャンペーン」

や「ウォーキングイベント」を実施しています。江戸の風情が漂う川越の町並みをぐる

りと一周するコースで 、日本三大羅漢の一つ 、五百羅漢で有名な「喜多院」や 、昔懐か

しい駄菓子屋が連なる「菓子屋横丁」、蔵造りの町並みの一角にある「時の鐘」などの

人気の観光スポットを散策していただいています。

川越まつり マルチトレイン

時の鐘

粋な町 “小江戸川越”ぶらり旅を楽しんでみませんか !!