20091116 ctr#8 公開版
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TOCとシステム思考を比較してみる(アルファ版 FOR CTR#8)
2009/11/16 やまかず/ymkz303
おことわり
TOC、システム思考共に、理解不足の点が多々あると思います。なので、α版です。
間違いがあれば、ご指摘大歓迎です。
イントロダクション~わたしとTOCとシステム思考
はじめに1
わたしとTOCとの出会い
あれは、たぶん2005年のおわり頃。
某Happy Hacking KeybordとかScanSnapとか作っている某P社(石川県)で、F社製のアプリ(ミドルウェア)を作っていたときのことです。
隣のプロジェクトで、変わったことをしていることを発見しました。
※このあたりに、朝会とかニコカレとかの画像が入っていました。
見た目にとてもインパクトのあるこれらの手法。
プロジェクトの進め方に対して、漠然とした不安を抱いていた私は、これは何かある!と思い、実施されていた方とコンタクトを取って、詳細を聞きました。
はじめは、目に見えるこれらのことばかりに着目していました。
自プロで真似したりもしていました。これはこれですごく成果はありました。それまでのプロジェクトと比べて、明らかに風通しは良くなりました。
実施者の方との交流(まぁ、一方的に聞いていただけですが)を続
けていくにつれて、試みはこれだけではないということに気付きました。
それが、CCPMでした。
それから、「ザ・ゴール」や岸良さんの本を読んだり、自分なりに勉強したりしました。
その頃は、腑には落ちるが、なんだかもやっとしているような状態でした。
そうこうしているうちに、2006年末に、かの岸良さんが、HHKBとか(以下略)某P社まで来て、講演するとのこと。二つ返事で参加。
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すさまじい衝撃を受け、以降TOCへの興味は増すばかり。
このあたりに貼ってあった資料は、下記URLを参照ください。
http://www.toc-ccpm.net/jirei/index.html#system
しかし、残念ながら実践が足りてません。それは、今後の課題。
で、本題ではないのでこのお話は置いておいて…
はじめに2
わたしとシステム思考との出会い
2009年(今年だ!)
papandaさんのtwitterだったか
ブログだったか忘れましたが、「センゲの会」というコミュニティが目にとまりました。
曰く、「学習する組織」だと。この文章に惹かれました。
で、そこでビールゲームなる催しをやると。
はじめは、本当にビールを飲みまくる会だと思っていました。
ところが、ゲーム後の感想であった「TOCに似てる」にピキーンときました。
そんなおり、ビールゲームのリベンジをやるということで、参加。ビールゲームとTOCのシミュレー
ションゲームは、確かに似ていました。
違う点は、ビールゲームは物流全体、TOCのゲームは工場内を対象にしていること。※無論、TOCがシステム全体を対象にしないわけではないですが。
というわけで、システム思考についてはまだまだ素人同然です。
ということをふまえて、本題。
●おはなしのながれ
いろいろな切り口で比較してみる
基本理念を整理してみる
問題解決方法について整理してみる
まとめ
TOCとシステム思考をいろいろな切り口で比較してみる
●提唱者
TOC:エリヤフ・ゴールドラット(イスラエル出身、物理学者)
システム思考:ピーター・センゲ(経営学者)
●導入する目的
TOC:「儲け続ける」こと
システム思考:「学習する組織」になること
このあたり、あまり自信がない…ほんとかいな…
●適用対象
TOC:組織活動、企業活動、個人活動
システム思考:
「システム」として捉えられるすべて
●トピック
TOC:基本理念の応用(DBR、CCPM、思考プロセス、スループット会計…)
システム思考:…すいません、システム思考、システムダイナミクス、SSM(Soft System Methodology)の関係性が整理できてません。
基本理念を整理してみる
●基本理念:TOC
1.組織には達成すべきゴールがある2.組織は、ごく少数の事により制約されている3.部分の合計は全体と一致しない
●基本理念:システム思考
問題としている対象の全体を「システム」として捉える。
起きている問題は、すべてにおいてつながりがある。
つながりのあるシステムとして全体を捉えない限り、問題は解決しない。
TOCは経営手法であり、システム思考は思考方法(ツール)なので、
直接比較することはできなさそうです。
比較するとしたら、TOCは思考プロセスということになりますね。
ということで。
問題解決方法について整理してみる
問題解決のツール:
TOC:思考プロセス(雲、CRT、FRT、PRT、TrT…)
システム思考:時系列変化パターングラフ因果ループ図
ループ図およびリッチピクチャの例は、かけださんが描かれた下記をご参照ください。
http://www.slideshare.net/kkd/ssm-2349465
共通しているキーワード:
人を信じること≒人はもともと善良であるそうなる/考える前提≒(誤った)思い込みレバレッジ・ポイント≒制約変えたい変数≒UDE
ゆでガエルの話が、どちらの文脈からも出てきていることは興味深い。
異なる点1:
共通理念はほぼ同じだと思う。
解決へのアプローチや解決後に目指す姿が違う。
偏見かも:
システム思考はマイナスをゼロにするところに重点を置く。TOCは、ゼロをプラスにすることに重点を置く。マイナスもプラスにする方法を考える。
解決へのアプローチ:TOC思考プロセス
1.好ましくない現象(UDE)を洗い出す。2.UDEを因果関係でつなぎ、根本となる問題を見つける。3.根本となる問題が解決したら、すべてのUDEが好転する(DEになる)ことを確認する。4.解決後の姿になるまでの中間目標を考察
し、それぞれの中間目標までに考えられる障害についての対策を考える。5.解決策を実行する手順を作成し、実施する。
解決へのアプローチ:システム思考
1.変えたいと思っている「変数」を洗い出す。2.変数のつながりを考えて、現状のループ図を作成する。3.現状のループ図をもとに、目標となる状況のループ図を作成する。4.ループ図から、解決法を考える(レバレッジ・ポイントを探すとか)。
異なる点2:
TOCは、根本問題をどのように解
決するかの実施段階まで面倒を見る。変化に抵抗する心理まで考慮する。
システム思考は、そこまでは踏み込んでいない。根本問題を見つけ、どういう解決法を取るかを考える助けとなるツール。
まとまってないまとめ
共通する点は:
ある物事が関係する全体をシステムとして捉え、関係するすべては因果関係で結ばれて、ある一点(または少数の点)に注力することにより問題解決を図る
という考え方。
人を善良だととらえるとか、人に責任を押しつけないとか、
異なる点は:
TOC思考プロセスは、起きている問題を、中核となる対立を解消することで解決する。そして、そのプロセスも明確化されている。
システム思考は、起きている問題の連鎖を、なんからのアクションで断ち切る、または好転させることで解決する。
似ているようだけど、微妙に違う。違うようだけど同じかも。もう少し考察が必要そうです。
つまるところ、「全体最適」
…なんだ、ほぼ同じじゃないか!
ということで。
ということで1:
思考プロセスは、(経験が浅いうちは)とても「重い」プロセス(CRTまでで断念した経験あり)。
それに比べて、因果ループ図はわりとカジュアルに描ける。
というわけで2:
根本問題の洗い出しに因果ループ図を活用し、実施段階に思考プロセスを使うというやり方はできないか?
両方のいいとこ取りができればいいな。
というわけで3:
ただし、図を描くまでのアプローチが違うので、そのままの形での融合は難しい。
下手なことやると、見当外れのことを根本原因としてしまう恐れあり。
つぎにやりたいこと:
同じ問題を、TOC思考プロセスとシス
テム思考の両方のツールで図を描いてみる。
描くまでのプロセスも含めて比較すると、どのような違いがあるかがわかりやすくなるかも。
理解も深まるだろうし。
To be continued???