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準天頂衛星測位システムを用いたテーマパークにおける 案内ロボットシステムの開発 Development of Tour-Guide Robot System at Theme Park using Quasi-Zenith Satellite System ○学 松本耕平 (九大) 今井将人(九大) 山田弘幸(九大) 河村晃宏(九大) 川内康裕((株)リビングロボット) 中村珠幾((株)リビングロボット) 倉爪 亮(九大) Kohei MATSUMOTO, Kyushu University, [email protected] Masato IMAI, Kyushu University Hiroyuki YAMADA, Kyushu University Akihiro KAWAMURA, Kyushu University Yasuhiro KAWAUCHI, Living Robot Inc. Tamaki NAKAMURA, Living Robot Inc. Ryo KURAZUME, Kyushu University Over the past decades, 3D jobs (dangerous, dirty, demanding) are expected to be replaced by autonomous robots. At a theme park, surveillance, cleaning, and guiding tasks can be regarded as 3D jobs. This paper aims to develop an autonomous tour guide robot system at a large theme park. One of the characteristics of the tour guide robot we developed is the use of QZSS (quasi-zenith satellite system) and CLAS (centimeter level augmentation service), which realizes the centimeter-level position- ing for autonomous service robots. We also implemented autonomous tour-guide system including path planning, collision avoidance, and voice explanation. Experimental results at the theme park showed that QZSS has sufficient localization accuracy for the tour-guide task, and the tour-guide experiment was successfully carried out. Key Words: Tour-Guide Robot, Quasi-Zenith Satellite System, Centimeter Level Augmentation Ser- vice, Service Robot 1 緒言 近年,少子高齢化や地方の過疎化などの社会問題に対して, IoTロボット,人工知能,ビッグデータ等の新たな技術を導入して, 解決を図る取り組みに注目が集まっている.特に,ロボティクス 分野においては,自律ロボットによる運搬,警備,介護などの 3K タスクの代替が期待されている.我々もこれまでに,屋外テーマ パーク環境において自律ロボットにより人間の作業を代替する サービスの実現を目指し,テーマパークと共同で研究を行ってき [1][2].テーマパークは広大な敷地に様々なアトラクションを 有しており,清掃業務,警備業務,移動支援業務,案内業務など の様々な 3K タスクが存在している. 本研究では,特に屋外テーマパーク環境における案内業務の代 替を目指し自律ロボットシステムの開発を行った.特にロボット の位置同定に関しては 2018 11 月より運用されている QZSS (準天頂衛星測位システム)の CLAS(センチメータ級測位補強 サービス) を利用した.また,開発したシステムを用いて屋外テー マパーク環境において衝突回避実験,案内業務実験を行ったので, その結果を報告する. 2 案内ロボットシステム 本研究では,図 1 に示すロボットを開発した.次節より開発し たロボットシステムのシステム構成について説明する. 2.1 ハードウェア構成 2.1.1 Loomo 本システムではロボットプラットフォームとして,2 輪型移動 ロボット Loomo (Segway Inc.) を利用した.Loomo HD カメ ラ,デプスカメラ,超音波センサ,赤外線距離センサ,タッチセ ンサ,エンコーダ,IMU などのセンサや音声スピーカ,Android 端末を搭載している.また,専用の SDK も提供されており,搭 載されたセンサ群を用いて様々なアプリケーションを開発するこ とが可能である.また,立ち乗り型ロボットとして搭乗できるだ けでなく,外部と通信し,遠隔で操作することも可能である. Fig.1 開発した案内ロボットの外観 Fig.2 Loomo 1P1-R10 No. 19-2 Proceedings of the 2019 JSME Conference on Robotics and Mechatronics, Hiroshima, Japan, June 5-8, 2019 1P1-R10(1)

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準天頂衛星測位システムを用いたテーマパークにおける案内ロボットシステムの開発

Development of Tour-Guide Robot System at Theme Park using Quasi-Zenith Satellite System

○学 松本耕平 (九大) 学 今井将人(九大) 正 山田弘幸(九大)正 河村晃宏(九大) 川内康裕((株)リビングロボット) 中村珠幾((株)リビングロボット)正 倉爪 亮(九大)

Kohei MATSUMOTO, Kyushu University, [email protected]

Masato IMAI, Kyushu University

Hiroyuki YAMADA, Kyushu University

Akihiro KAWAMURA, Kyushu University

Yasuhiro KAWAUCHI, Living Robot Inc.

Tamaki NAKAMURA, Living Robot Inc.

Ryo KURAZUME, Kyushu University

Over the past decades, 3D jobs (dangerous, dirty, demanding) are expected to be replaced byautonomous robots. At a theme park, surveillance, cleaning, and guiding tasks can be regarded as 3Djobs. This paper aims to develop an autonomous tour guide robot system at a large theme park. Oneof the characteristics of the tour guide robot we developed is the use of QZSS (quasi-zenith satellitesystem) and CLAS (centimeter level augmentation service), which realizes the centimeter-level position-ing for autonomous service robots. We also implemented autonomous tour-guide system including pathplanning, collision avoidance, and voice explanation. Experimental results at the theme park showedthat QZSS has sufficient localization accuracy for the tour-guide task, and the tour-guide experimentwas successfully carried out.

Key Words: Tour-Guide Robot, Quasi-Zenith Satellite System, Centimeter Level Augmentation Ser-vice, Service Robot

1 緒言近年,少子高齢化や地方の過疎化などの社会問題に対して,IoT,

ロボット,人工知能,ビッグデータ等の新たな技術を導入して,解決を図る取り組みに注目が集まっている.特に,ロボティクス分野においては,自律ロボットによる運搬,警備,介護などの 3Kタスクの代替が期待されている.我々もこれまでに,屋外テーマパーク環境において自律ロボットにより人間の作業を代替するサービスの実現を目指し,テーマパークと共同で研究を行ってきた [1][2].テーマパークは広大な敷地に様々なアトラクションを有しており,清掃業務,警備業務,移動支援業務,案内業務などの様々な 3Kタスクが存在している.本研究では,特に屋外テーマパーク環境における案内業務の代

替を目指し自律ロボットシステムの開発を行った.特にロボットの位置同定に関しては 2018 年 11 月より運用されている QZSS(準天頂衛星測位システム)の CLAS(センチメータ級測位補強サービス)を利用した.また,開発したシステムを用いて屋外テーマパーク環境において衝突回避実験,案内業務実験を行ったので,その結果を報告する.

2 案内ロボットシステム本研究では,図 1に示すロボットを開発した.次節より開発し

たロボットシステムのシステム構成について説明する.

2.1 ハードウェア構成2.1.1 Loomo本システムではロボットプラットフォームとして,2輪型移動

ロボット Loomo (Segway Inc.)を利用した.Loomoは HDカメラ,デプスカメラ,超音波センサ,赤外線距離センサ,タッチセンサ,エンコーダ,IMUなどのセンサや音声スピーカ,Android端末を搭載している.また,専用の SDKも提供されており,搭載されたセンサ群を用いて様々なアプリケーションを開発することが可能である.また,立ち乗り型ロボットとして搭乗できるだけでなく,外部と通信し,遠隔で操作することも可能である.

Fig.1 開発した案内ロボットの外観

Fig.2 Loomo

1P1-R10

No. 19-2 Proceedings of the 2019 JSME Conference on Robotics and Mechatronics, Hiroshima, Japan, June 5-8, 2019

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2.1.2 全周レーザ距離センサ本システムで使用した全周レーザ距離センサは LDS-01

(ROBOTIS Inc.) (図 3) であり,ロボットの周囲 360 度の障害物を検知するために用いる.計測可能範囲は 0.12m ∼ 3.5mである.

Fig.3 LDS-01 [3]

2.1.3 準天頂衛星測位システムQZSS(Quasi-Zenith Satellite System) は 2018 年 11 月よ

り運用されている,準天頂軌道の衛星を用いた GNSS (GlobalNavigation Satellite System) である.準天頂軌道衛星を用いることで受信機側から観測できる衛星数が増加し,さらに準天頂軌道の衛星は日本付近に長くとどまるため,安定した衛星測位を行うことができる.準天頂軌道を図 4に示す.

Fig.4 準天頂軌道 [4]

また,QZSSは日本国内に密に設置されている電子基準点での観測データを用いて誤差補正信号を生成し,それを衛星を通じてユーザ端末に送信することで,通常の GNSS測位に含まれる誤差を補正することができる.この補正手法は CLAS (CentimeterLevel Augmentation Service)[5]と呼ばれ,日本周辺で準天頂軌道衛星が観測できる環境であればセンチメータ級の測位を実現できる.

2.2 ソフトウェア構成本章では自律移動案内ロボットシステムのソフトウェア構成

について説明する.ソフトウェアは大きく分けて自律移動ソフトウェアと案内アプリケーションがあり,このうち自律移動ソフトウェアは,自己位置推定,経路生成,障害物検知から構成される.ソフトウェアの構成を図 5に示す.

Fig.5 ソフトウェアの構成

2.2.1 自律移動ソフトウェア• Localization・・・前述の QZSSからの計測値とホイールエンコーダで取得した速度情報を拡張カルマンフィルタで統合し位置情報を得る.

• 衝突回避・・・LDS-01の計測データを用いて,一定範囲以内に歩行者を検出した場合にロボットを停止させる.

• 経路生成・・・ダイクストラ法を用いて目的地までの最短経路(グローバルパス)を作成し,グローバルパスに沿って,Dynamic Window Approach [6] で最適な経路(ローカルパス)を生成する.

2.2.2 案内アプリケーション

案内アプリケーションは,図 6に示すように,ユーザからのリクエストに応じて,自律移動ソフトウェアに目標位置情報を送り,移動中のステータスを受信する.このステータスには,ロボットが目標位置に到着したかどうか,障害物を検出しているかどうかの情報などが含まれており,ステータスに応じて,音声によるアトラクションの解説などを行う.

Fig.6 案内アプリケーション

3 実験

本研究では QZSS の性能評価実験,衝突回避実験,自動案内実験の 3つの実験を行った.なお,結果の表示に用いている地図画像は Google Maps Platform [7]を用いて作成したプログラムにて取得している.

3.1 QZSSの性能評価実験

3.1.1 RTK-GPS

代表的なセンチメートル級測位システムである RTK-GPS [8]を用い、QZSSとの測位性能を比較した。RTK-GPSは基地局と移動局の 2 つのモジュールを用いて二重位相差を観測することで,高精度な測位を実現する.本実験で使用した RTK-GPSはMJ-2010-GL1(Magellan Systems Japan Inc.)である.

3.1.2 精度評価実験

まず,GNSS アンテナを一点に固定し,連続して測位を行って RTK-GPSと QZSSを用いた場合の測位結果のばらつきを調べた.結果を図 7,図 8 に示す.これより,RTK-GPS では約±4cm,QZSSでは約±6cmの範囲にほぼ測位結果が集まっていることがわかる.これは QZSSの CLASでは,RTK-GPSと異なり精密単独測位 (Precise Point Positioning, PPP) が利用されるが,この方式はモデルベースであり,電離層の状態変化による誤差がリアルタイムでは補正できないためであると考えられる.

3.1.3 測位安定性の評価実験

次に、通常では衛星が遮蔽されやすい高い建築物の近くを移動し,QZSS と RTK-GPS の測位結果を比較した.ただし RTK-GPSの基地局は,遮蔽物のないオープンスカイの環境に設置した.測位結果を図 9,図 10に示す.この実験より,QZSSは高層建築物に近いルートでも比較的安

定して測位できているが,RTK-GPS は測位結果が不安定になりやすいことが確認された.同様のルートを 10回移動した際のQZSSと RTK-GPSの Fix率,Float率,Unstable率を表 1に示す.ここで,Fix解は高信頼度な測位結果,Float解は低信頼度な測位結果,Unstableは不安定な測位結果である.この結果より,QZSSの方がより Fix率が高く、安定した測位

が可能であることがわかる.これは準天頂軌道の衛星は,日本上空の天頂方向に長く滞在するため,QZSSでは受信機側から真上方向に安定して衛星を観測できるためであると考えられる.

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Fig.7 RTK-GPSによる測位のばらつき

Fig.8 QZSSによる測位のばらつき

Fig.9 RTK-GPSの結果

Fig.10 QZSSの結果

3.1.4 屋外テーマパーク環境におけるQZSSの計測実験まず,QZSSが屋外テーマパーク内の実験環境において,正確

に位置同定を行えるかを確認した.実験はハウステンボス(佐世保市)において行い、図 11に示すような道幅約 3.5mの歩道環

Table 1 測位結果の内訳 [%]

QZSS RTK-GPS

Fixed 92.2 34.0

Float 7.3 50.4

Unstable 0.5 15.5

境で行った.実験では人間がアンテナを保持したまま歩道の淵に沿って移動し,QZSSのデータが正確に歩道の形状をトレースできるか確認した.実験結果を図 12に示す. これより,QZSSの

Fig.11 QZSSの計測確認実験の環境

Fig.12 実験結果計測結果が正確に歩道の淵をトレースできていることがわかる.赤で囲まれた部分は来園者を避けるために進行方向を変えたため,歩道の淵から外れている.

3.2 衝突回避実験衝突回避実験では,ロボットの前方に歩行者を検出した際に,

停止と音声による呼びかけが正常に動作するかを確認した.結果を図 13に示す.図 13: 1⃝では.ロボットの進行方向から歩行者が迫ってくる場合であり,図 13: 2⃝は歩行者の手前で停止し,音声によって道を開けるように促している.図 13: 3⃝では,歩行者が音声に従って道を開けている.図 13: 4⃝では,歩行者が避けた後に再び案内を開始している.

Fig.13 衝突回避実験

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3.3 自動案内実験開発したシステムを用いて,ハウステンボスの 1 区間で実際

に案内タスクを実行できるかを確認した.本実験における実験環境と案内作業を図 14に示す.ロボットはポイント 1⃝∼ 5⃝を自律

Fig.14 実験環境と案内作業の流れ

移動し,各ポイントで音声による解説を行う.総移動距離は片道130m程度であり,ポイント 5⃝到達後は自動でスタート地点まで戻る.本実験の結果を図 15に示す.図 15: 1⃝では案内開始位置から移動を開始している.図 15: 2⃝

ではロボットは 1つ目の目標地点であるチーズ店に到着し,チーズ店に関して説明を行っている.図 15: 3⃝は 2つめの目標位置である風車前に到着し,風車やオランダの歴史に関して解説を行っている.図 15: 4⃝では,3 つ目の目標地点である,花畑に到着し,花の種類等について解説を行っている.図 15: 5⃝では,案内終了地点に到着し,案内終了のアナウンスを行っている.図 15:6⃝は,案内終了後,スタート地点に戻っている様子である.案内実験は合計 7 回行い,そのうち 6 回は計画通りに案内作

業を自動で行うことができた.失敗した原因は,建物や木が周囲に存在する区間において QZSS の計測が時折,不安定になったためであり,今後はレーザレンジファインダなどの他の外界センサとの併用を検討する予定である.以上の結果より開発したシステムが屋外テーマパーク環境内で案内タスクを実行できることを確認した.

4 まとめ本研究では,屋外テーマパーク環境における自律案内ロボット

システムの開発を行った.本システムでは位置同定手法として準天頂衛星測位システム(QZSS)を用いており,実験により測位性能を RTK-GPSと比較した.また,ハウステンボスにおいて衝突回避実験と案内実験を行い,QZSSがロボットの位置同定にほぼ十分な測位性能を有し,開発したシステムが屋外テーマパーク環境における案内作業を実行可能であることを確認した.

参考文献[1] Hiroyuki Yamada, Tomoki Hiramatsu, Masato Imai, Akihiro

Kawamura, and Ryo Kurazume. Sensor terminal “Portable”for intelligent navigation of personal mobility robots in informa-tionally structured environment. In IEEE/SICE InternationalSymposium on System Integrations (SII), 2019.

[2] 松本耕平, 今井将人, 山田弘幸, 河村晃宏, 倉爪亮. テーマパークにおける自律案内ロボットの開発. 第 19回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 SI2018, pp. 2051–2054, 2018.12.13-15.

[3] TurtleBot3. view-source:http://emanual.robotis.com/docs/en/platform/turtlebot3/appendix_lds_01/, February 2019.

[4] Quasi-Zenith Satellite Orbit (QZO) | Technical Informa-tion | QZSS (Quasi-Zenith Satellite System) - Cabinet Of-fice (Japan). http://qzss.go.jp/en/technical/technology/orbit.html, February 2019.

[5] Cabinet Office (Japan). Quasi-Zenith Satellite System InterfaceSpecification Centimeter Level Augmentation Service CabinetOffice. Technical report, 2018.

[6] Fox Dieter, Burgard Wolfram, and Thrun Sebastian. The dy-namic window approach to collision avoidance. IEEE RoboticsAutomation Magazine, Vol. 4, No. 1, pp. 23–33, 1997.

[7] 位置情報 API|Google Maps Platform|Google Cloud. https://cloud.google.com/maps-platform/?hl=ja.

[8] Hiromune Namie. The Principle and the Practice of the RTK-GPS. In The Civil GPS Service Interface Committee (CGSIC),2001.

初期位置から移動開始

チーズ店に到着し説明

風車前に到着し説明

花畑に到着し説明

案内終了地点に到着し,終了アナウンス

案内終了後,スタート地点に戻る

Fig.15 自動案内実験

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