1液ウレタン接着仕様におけるクリープ加速条件設定ktech.in.coocan.jp/a2-2.pdf2液アクリル系接着仕様における熱劣化加速条件の設定...

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対象部品と試験の目的 自動車のガラス用接着剤選定の一環。 試験名 定荷重負荷試験 使用材料 被着体・1 ガラス 被着体・2 SUS板・ 1.5t(金属用プライマー塗布) 接着剤 湿気硬化型1液ウレタン(シランカップリング剤添加) 1液ウレタン接着仕様におけるクリープ加速条件設定 1

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項 目 内 訳

対象部品と試験の目的 自動車のガラス用接着剤選定の一環。

試験名 定荷重負荷試験

使用材料

被着体・1 ガラス

被着体・2 SUS板・1.5t(金属用プライマー塗布)

接着剤 湿気硬化型1液ウレタン(シランカップリング剤添加)

1液ウレタン接着仕様におけるクリープ加速条件設定

1

Page 2: 1液ウレタン接着仕様におけるクリープ加速条件設定ktech.in.coocan.jp/a2-2.pdf2液アクリル系接着仕様における熱劣化加速条件の設定 項 目 内

劣化加速条件算出テーブル

C D E F G H

5 温度(℃) 温度頻度 ①発生割合 脱落時間(h) ②シビア比 ①×②

6 2.5 0.091358 564.343567 94786712.8 0.00011427 0.064487

7 7.5 0.120995 747.4150626 44499881 0.0002434 0.181921

8 12.5 0.113261 699.6407304 21452231.02 0.000504901 0.353249

9 17.5 0.096302 594.8855909 10604602.4 0.001021373 0.6076

10 22.5 0.104221 643.8018581 5368721.834 0.002017473 1.298853

11 27.5 0.087931 543.1757617 2780258.234 0.003895773 2.116089

12 32.5 0.065813 406.5431111 1471140.183 0.007362489 2.993169

13 37.5 0.058332 360.3300759 794558.2708 0.013631793 4.911945

14 42.5 0.058309 360.1881347 437599.6338 0.024751515 8.915202

15 47.5 0.057913 357.7429703 245533.5218 0.044113137 15.78116

16 52.5 0.047515 293.5105261 140234.4805 0.077236739 22.6698

17 57.5 0.04368 269.8201366 81462.75032 0.132959591 35.87518

18 62.5 0.032433 200.3489659 48094.3984 0.225208222 45.12023

19 67.5 0.016955 104.7357861 28837.08458 0.37560156 39.33892

20 72.5 0.00482 29.77427664 17548.41189 0.617221321 18.37732

21 77.5 0.000162 1 10831.25397 1 1

22 90 ー ー 3435.878634 3.152397136 199.6051

23 100 ー ー 1449.399731 7.472923955 ー

24 110 ー ー 639.6065924 16.93424379 ー

W=-0.21682Tlogt-2.26487T+1149.454(ラーソンミラー型)より、脱落時間はt=10^((-2.26487T-W+1149.454)/(0.21682T))

E6:=D6/$D$21

F6:=10^((-2.26487×(273+C6)-W(49)+1149.454)/(0.21682×(273+C6))

注)W=49(N):本試験における規定荷重

G6:=$G$21/G6

H6:=E6×G6

H22:=SUM(H6:H21)

※90~110℃は加速温度候補である。2

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劣化加速条件

記号 内 訳 値

A 部品最高温度(77.5℃)における温度頻度 0.000162

B ①温度発生割合×②シビア比のトータル値 199.605

C 部品保証年数(5年) 5

D 年間時間・8766(h) 8766

A×B×C×D 0.000162×199.605×5×8766 1417.287

E 加速温度におけるシビア比右表

F 加速時間

加速温度 シビア比加速時間(h)

算出値 決定値

90℃ 3.152 449.6 500

100℃ 7.473 189.7 200

110℃ 16.934 83.7 90

加速時間の決定

算出値に対し、キリの良い値で切り上げる。注)4年以上の保証年数となることから、

閏年を考慮し年間時間を8766(h)としている。

3

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2液アクリル系接着仕様における熱劣化加速条件の設定

項 目 内 容

接着剤 2液アクリル系

被着材・A ガラス(黒セラミック処理)

被着材・B PA6(GF30)

部品名 自動車のスライドドアガラス

試験内容 上記接着品の加熱劣化度を剥離荷重特性として把握し、加速条件設定に繋げる。

アレーニウス型W=3235542/T-214.007lnt-6620.1

ラーソンミラー型W=-1.3958Tlogt-22.6434T+10558.42

時間(h) 60℃ 80℃ 100℃96 2097 1585 1080

192 1960 1440 925288 1875 1355 835384 1820 1285 769480 1775 1245 712576 1730 1205 678

最大剥離荷重(N)熱劣化寿命予測式

4

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アレーニウス型による劣化加速条件の算出

A B C D E F1 温度(℃) 温度頻度 ①発生比 到達時間(h) ②シビア比 ①×②2 2.5 0.057876 23.13314 866078499 4.33211E-06 0.00013 7.5 0.098584 39.40389 325629398 1.15221E-05 0.0004544 12.5 0.105752 42.26912 126698156 2.96133E-05 0.0012525 17.5 0.087557 34.99636 50924757.7 7.36763E-05 0.0025786 22.5 0.092392 36.92918 21109759.9 0.000177735 0.0065647 27.5 0.093403 37.33306 9010825.81 0.000416382 0.0155458 32.5 0.064184 25.65439 3955013.59 0.000948655 0.0243379 37.5 0.057533 22.99595 1782579.09 0.002104785 0.04840210 42.5 0.054345 21.72157 823985.369 0.004553412 0.09890711 47.5 0.056906 22.74545 390163.506 0.009616341 0.21872812 52.5 0.058879 23.53379 189037.68 0.019847605 0.46708913 57.5 0.049572 19.81384 93620.7238 0.040076011 0.7940614 62.5 0.044466 17.77297 47346.9249 0.079243693 1.40839515 67.5 0.036257 14.4917 24429.0746 0.153585236 2.22571216 72.5 0.025291 10.10886 12848.1379 0.292022486 2.95201517 77.5 0.014499 5.795225 6882.32742 0.54515645 3.15930418 82.5 0.002502 1 3751.94519 1 119 90 0.999999 ー 1558.28777 2.40773576 12.4234420 100 ー ー 510.161597 7.354424966 ー

寿命予測式W=3235542/T-214.007lnt-6620.1t=exp((3235542/T-W-6620.1)/214.007 W=720(N)

B19:=SUM(B2:B18)

C2:=B2/$B$18

D2:=exp((3235542/(273+A2)-W(720)-6620.1)/214.007)

E2:=$D$18/D2

F2:=C2×E2

F19:=SUM(F2:F18)

5

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A B C D E F1 温度(℃)温度頻度 ①発生比 到達時間(h) ②シビア比 ①×②2 2.5 0.057876 23.1331445 2302443481 1.74799E-06 4.04366E-053 7.5 0.098584 39.4038851 805626003.3 4.99569E-06 0.000196854 12.5 0.105752 42.2691218 292450182 1.37619E-05 0.0005817015 17.5 0.087557 34.9963577 109930809 3.66108E-05 0.0012812456 22.5 0.092392 36.9291785 42713687.88 9.4224E-05 0.0034796167 27.5 0.093403 37.3330635 17126831.44 0.000234991 0.0087729458 32.5 0.064184 25.6543909 7075847.559 0.000568788 0.0145919069 37.5 0.057533 22.9959531 3007764.264 0.001338089 0.03077063210 42.5 0.054345 21.7215702 1313666.671 0.003063681 0.06654797211 47.5 0.056906 22.7454472 588777.8805 0.00683561 0.15547901712 52.5 0.058879 23.533792 270473.9419 0.014880015 0.35018317313 57.5 0.049572 19.8138406 127209.938 0.031637908 0.62686845514 62.5 0.044466 17.7729664 61190.12112 0.065772974 1.16898086115 67.5 0.036257 14.4917038 30072.95364 0.133829763 1.9394212816 72.5 0.025291 10.1088628 15086.90294 0.266764907 2.69668984617 77.5 0.014499 5.79522461 7719.180774 0.521383859 3.02153656718 82.5 0.002502 1 4024.656258 1 119 90 0.999999 ー 1567.020924 2.568348767 11.085422520 100 ー ー 472.6021794 8.515949425 ー

寿命予測式W=-1.3958Tlogt-22.6434T+10558.42t=10^((-22.6434T-W+10558.42)/(1.3958T)) W=720(N)

B19:=SUM(B2:B18)

C2:=B2/$B$18

D2:=10^((-22.6434×(273+A2)-W(720)+10558.42)/(1.3958×(273+A2))

E2:=$D$18/D2

F2:=C2×E2

F19:=SUM(F2:F18)

ラーソンミラー型による劣化加速条件の算出

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加速条件の設定

区分 内容 ラーソンミラー型 アレーニウス型

A 最高温度における温度頻度 0.002502

B ①発生比×②シビア比のトータル値 11.0854 12.4234

C 部品保証期間(=5年) 5(年)

D 年間時間=8,766h(閏年を考慮) 8766(h)

E E=A×B×C×D 1215.65(h) 1362.38(h)

シビア比 100℃におけるシビア比 8.52 7.35

E/100℃におけるシビア比 142.68(h) 185.36(h)

加速条件 100℃×150h 100℃×200h

7

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温度頻度表がない場合の加速条件設定方法・1

1)m℃n倍速法による方法

① 台上試験により10℃当たりの倍速値を

把握する(下表)。

② 倍速・nと温度区間・mを公式に代入する。

③ 使用温度・T1は経験値とし、L1を求める。

mTT

nLL12

21

L1 :使用温度での寿命(h)L2 :加速温度での寿命(h)T1 :使用温度(℃)T2 :加速温度(℃)m :倍速温度(℃)n :倍速

温度(℃) 時間(h) 倍速

50 2000 ー

60 1000 2

70 500 2

80 250 2

90 125 2

ー 平均 2

<倍速値の算出(一例)>

8

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温度頻度表がない場合の加速条件設定方法・2

mTT

nLL12

21

mTT

n

LL12

12

L1(h) T2(℃) T1(℃) n L2(h)87660 110 30 3 13.487660 110 31 3 14.987660 110 32 3 16.687660 110 33 3 18.687660 110 34 3 20.787660 110 35 3 23.187660 110 36 3 25.887660 110 37 3 28.887660 110 38 3 32.287660 110 39 3 35.987660 110 40 3 40.187660 110 41 3 44.787660 110 42 3 49.987660 110 43 3 55.787660 110 44 3 62.287660 110 45 3 69.487660 110 46 3 77.587660 110 47 3 86.587660 110 48 3 96.587660 110 49 3 107.787660 110 50 3 120.2

y = 0.4948e0.1099x

0

20

40

60

80

100

120

140

30 35 40 45 50L2

(h)

温度(℃)

保証期間:

10年の場合

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2121

11expTTR

EaLL

温度頻度表がない場合の加速条件設定方法・31)アレーニウス型による方法

① 台上試験データの整理

② 摂氏温度を1/T、時間を対数に変換

(下表)、両者のT-t線図を作成し傾き

(Ea/R)を求める。

③ 使用温度・T1は経験値とし、L1を求める。

温度(℃) 時間(h) 1/T(K) lnt

50 2000 0.003096 7.600902

60 1000 0.003003 6.907755

70 500 0.002915 6.214608

80 250 0.002833 5.521461

90 125 0.002755 4.828314

y = 8121.5x - 17.504

4.5

5

5.5

6

6.5

7

7.5

8

0.00275 0.0028 0.00285 0.0029 0.00295 0.003 0.00305 0.0031

lnt

1/T(K)

<1/T&lntの算出>

10

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温度頻度表がない場合の加速条件設定方法・4

前頁の内容を更に詳しく解説する。

前頁の式を変化させ、下式とする。

21

12

11exp

TTREa

LL

L1は、保証時間とする。

接着製品の保証期間が10年の場合

365.25(日)/年×24(h)×10(年)=87,660(h)

次にT2の温度を決定する。

T2の温度の決定方法

1)材料の使用上限温度

2)不具合モードが変化しない上限温度

3)社内規格などにより規定されている上限温度

(例:自動車の場合、熱地仕様の上限温度は90℃)

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12

温度頻度表がない場合の加速条件設定方法・5

前頁の例からL2を計算する。

基礎数値は下記内容とする。

L1:87660(h)T1:40℃T2:90℃T-t線図の傾き:8121.5

7004.114)110273(

1)40273(

15.8121exp

以上の算出結果から、加速条件を下記内容とする。

110℃×800h

A.F.(加速倍率)=114.7004

)(2519.7647004.114

876602 hL

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温度頻度表がない場合の加速条件設定方法・6

温度(℃) AF L2(h)30 270.1 324.631 247.3 354.532 226.5 387.033 207.7 422.134 190.5 460.335 174.8 501.536 160.5 546.237 147.4 594.538 135.5 646.839 124.6 703.340 114.7 764.341 105.6 830.142 97.3 901.143 89.7 977.744 82.7 1060.345 76.3 1149.346 70.4 1245.147 65.0 1348.248 60.1 1459.149 55.5 1578.350 51.4 1706.5

300

500

700

900

1100

1300

1500

1700

1900

50

100

150

200

250

300

30 35 40 45 50

L2(h

)

AF

温度(℃)

AF L2(h)

T1の決定方法(一例)

使用時の温度とAF並びに加速時間の関係