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日本語学術文献の電子的流通の促進-現状と課題ー
土屋俊 大学評価・学位授与機構
2012年図書館総合展
2012年11月21日横浜パシフィコ h&p://svrrd2.niad.ac.jp/faculty/tu9ya/
目的
• まずは現状を理解し、共通認識とする • そのうえで、その改善方策を考える • ただし、解答は用意されていないので、会場参
加者とともに考えることにしたい ⇒ したがって、逆質疑応答・その場訂正方式で行なう
• 「日本語」とした理由 • まず、ふたつの前提 – 国際的、国内的に学術情報の電子的流通は自明の
ものとなっている – 国内においても、学術情報の電子的流通は「よい」こ
とである
日本語学術文献とは? • 雑誌と図書の両方について考える。これらを一括して考えるべきか、分割
して対応すべきかも問題のひとつ。以下の分類も不完全かもしれない。 • 雑誌=定期刊行物
– 学会刊行学術雑誌 – 出版社(含大学出版会)刊行学術雑誌
• 学会に依拠するもの • 出版社独自の企画によるもの
– 大学、研究所(含地方自治体)刊行「紀要」 • 図書
– 学会刊行図書 – 出版社(含大学出版会)刊行図書
• 学会に依拠するもの • 出版社独自の企画によるもの
– 大学、研究所、美術館・博物館(含地方自治体)刊行報告書、研究プロジェクト(含科研費)報告書
– 教科書? – 学位論文
チェックポイント
• 刊行主体の分類はこれよいか • 刊行経費負担者=コスト回収方式の分類はこれよいか • 雑誌か図書かという区別でよいのか • 図書のなかで、「学者が書いた一般書(新書等)」は学術文献か • 雑誌に関する刊行頻度
– 「年報」「年鑑」は定期刊行物? (出版社の視点、図書館の視点、読者の視点)
• グレイ文献はすべて「納本」されているのか • 頒布方法
– 商業出版物は、一般出版物のそれに依存する – それ以外のものは?
• 「交換」は機能しているのか • 「教科書」はどのように定義すればよいのか • 「専門書」とは何か
規模感(1)
• CiNii収録論文: 約15M論文(2011年8月現在) – 学協会刊行: 約3.3M – 研究紀要: 約1M – 引用文献索引データベース(本文保証なし): 20.5M – 雑誌記事索引データベース(本文保証なし): 10.4M – 機関リポジトリ: 0.6M – J-‐STAGE: 0.4M – JJAP/APE: 0.06M
規模感(2)
• 図書売上 – 800十億円
• 大学図書館の購入 – 71十億円 – ただし、半分近くが雑誌(電子ジャーナル20十億円+洋雑誌12十億円)
– 大学図書館の日本語学術雑誌購読は「会員」としてが多い(金額わずか)
• 教科書の売上 – 50十億円
「電子的流通」?
• サーバに置いて、インターネット経由で利用者がアクセスする – アクセス認証のある、なし – DRM – フォーマット(PDF, HTML, EPUB, などなど) – 識別子(iden9fier) – 「正本」性 – メタデータ、とくに、「奥付」的情報(著者、発行者、発
行年月日等) • オープンか、囲い込みか
流通インフラ
• インターネットだから不要である? • カタログ情報は不要? – 記事単位、タイトル単位 – 識別子による所在の解決
• 利用端末(Kindle, iPad etc)による囲い込み • サーバプラットフォームの問題 • 頒布とコスト回収のミスマッチ
再利用のルール
• 学術文献は再利用によって価値が増す • 著作権の権利行使は再利用を阻止しがち • ルールは必要だろう(fair useはないし) – 法律? – ガイドライン? – 暗黙の了解? – 契約?
結論の候補
• 過去のことはまず忘れ、これからを考える – 遡及電子化は論文については、ほっておいてもすぐおわる。
図書については、本を保存することがまず重要。 – 「論文集」はなんとかしないといけないが。
• 学術文献流通の「自立」を考える – プラットフォームを共有できれば、既存の流通ルートは不要
• コスト回収モデルをみんなで考える – 学術論文 – 専門書 – 教科書・教材(学習資源)
• これからについては、「再利用」を中心に考える