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九州屈指の工務店&ハウスメーカーが 現場情報共有クラウドの普及で現場効率化を実現 働き方改革と共に年間1,000 棟供給を目指す 株式会社シアーズホームは熊本県内6か所、福岡県内5か所の総合住宅展示場に参画するなど、 グループ累計5,500棟余の供給実績を誇る九州屈指の工務店&ハウスメーカー。独自の注文住宅を 提案するシアーズホームブランドを中心に、ACTUS LABO、桧家住宅というFCブランドも合せて展開し、 二世帯住宅からガレージハウス、ナチュラル&アンティーク調まで、お客様の要望に応え多彩な注文 住宅を作っています。多数の現場が並行して進む同社にとって質の高い工程管理は重要な業務。これを 力強く支援する「現場情報共有クラウド」の活用法と効果について、取締役で福岡支店長兼営業部長 を務める佐久間今朝利氏と生産管理本部工事部工事課の告坂剛氏と岩本雄太郎氏に伺います。 User's TALK 株式会社シアーズホーム 株式会社シアーズホーム 取締役 福岡支店長/営業部 部長 佐久間今朝利 COMPANY PROFILE 株式会社 シアーズホーム 代表者/代表取締役社長 丸本文紀 所在地/熊本県熊本市 設立/19891資本金/1億円 事業内容/住宅建築事業、住宅リフォーム事業、公共工事事業、不動 産事業、環境事業ほか https://searshome.co.jp/ 〈働き方改革のヒントがここに!〉 建築事例 スタラボ 現場コミュニケーション

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Page 1: 1,000 棟供給を目指す › architectstylelab › data › 6a...九州屈指の工務店&ハウスメーカーが 現場情報共有クラウドの普及で現場効率化を実現

九州屈指の工務店&ハウスメーカーが

現場情報共有クラウドの普及で現場効率化を実現

働き方改革と共に年間1,000棟供給を目指す

株式会社シアーズホームは熊本県内6か所、福岡県内5か所の総合住宅展示場に参画するなど、

グループ累計5,500棟余の供給実績を誇る九州屈指の工務店&ハウスメーカー。独自の注文住宅を

提案するシアーズホームブランドを中心に、ACTUS LABO、桧家住宅というFCブランドも合せて展開し、

二世帯住宅からガレージハウス、ナチュラル&アンティーク調まで、お客様の要望に応え多彩な注文

住宅を作っています。多数の現場が並行して進む同社にとって質の高い工程管理は重要な業務。これを

力強く支援する「現場情報共有クラウド」の活用法と効果について、取締役で福岡支店長兼営業部長

を務める佐久間今朝利氏と生産管理本部工事部工事課の告坂剛氏と岩本雄太郎氏に伺います。

User's TALK ● 株式会社シアーズホーム

株式会社シアーズホーム 取締役 福岡支店長/営業部 部長 佐久間今朝利 氏

COMPANY PROFILE

株式会社 シアーズホーム

代表者/代表取締役社長 丸本文紀所在地/熊本県熊本市 設立/1989年1月資本金/1億円事業内容/住宅建築事業、住宅リフォーム事業、公共工事事業、不動産事業、環境事業ほか

https://searshome.co.jp/

〈働き方改革のヒントがここに!〉

建築事例 スタラボ

現場コミュニケーション

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■施工現場の作業効率化は「現場情報共有クラウド」中心に

──熊本屈指の工務店・ハウスメーカーと聞きました

佐久間氏●ありがとうございます。当社はもともと熊本市に本社がありますが、この熊本だけで今期は560棟余の住宅を供給しました。他に福岡県、佐賀県にも事業展開しており、たとえば福岡支店では230棟を供給しました。他にシアーズエステートという新築戸建住宅を扱うグループ会社も60棟ほど供給しているので、2019年度は合計290棟の完工を予定しています。そして、2020年度は、FCブランドの「桧屋住宅」だけで280棟、エステートが80棟、さらに今期5月にオープン予定の「BUERAHOUSE」という新規事業においても37棟の供給を予定しており、合計400棟を超えていく予定です。 ──今後もさらに成長を加速していくわけですね

佐久間氏●その通りです。直近の目標としては1,000棟の供給を目標としており、さらに3年以内には、トータルな売上を現状の200億円から300億円まで伸ばして行きたいと考えています。この計画を実現するための今後の取組みもいろいろ予定していますが、まずはCS

強化が最大のテーマ。特にこれまで当社で家を建てていただいた、数多くのオーナー様へのCS強化の活動に、いっそう注力していきます。 ──具体的にはどのような活動を?

佐久間氏●これまでも当社の担当営業がオーナー様のお宅を回っていましたが、通常業務のかたわら行っていたので、どうしても完全にはサポートしきれていませんでした。そこで、今後はオーナー様専任のCS担当を設けて、オーナー様であれば一軒残らず、一段と力を込めて回らせていただこうと考えています。こうしてさまざまな形でサポートを提供していき、オーナー様ひとりひとりの満足度を高めていくのが狙いです。たとえば20~25年前に家を建てていただいたお客様にも、また建替えていただいたり、新規のお客様をご紹介いただくなど、さらに力を入れていこうと考えています。 

──社内においてはどのような取組みを?

佐久間氏●やはり、一番のテーマは働き方改革です。実はこれまで、当社の公休は、ギリギリ最低ラインの105日しかありませんでした。現在はとりあえず5日増やして110日としていますが、さらに今後……具体的にはここ3年以内に120日まで増やす計画で、これは社長が必ず実現するといっています。したがって、現場としては、業務の質を落とさずに休みをきちんと取ることが課題になります。誰もが無理なくきちんと休みを取り、しかも皆が成長していける、としていくことが理想ですね。それには、やはりIT化の推進が欠かせません。現場に関わる単純作業は積極的にIT化を図っていく計画で、特に施工現場の単純作業は、現場情報共有クラウド(以下 現場クラウド)を中心とするやり方をいっそう推進していきます。  

■施工現場の課題解決のため現場クラウドを活用

──現場クラウド導入前、御社の現場で課題になっていたのは?

岩本氏●現場クラウドの導入前にわれわれが直面していた課題としては、まず工程管理に関する課題、そして、お取引先つまり協力業者さんとのコミュニケーションの難しさの問題が上げられます。まず、工程管理に関する課題ですが、当時は主にExcelで工程表を作り直して送っていたのです。つまり、工程変更が発生するたびにExcel等を利用して作り直した上で出力し、その都度ファックスで現場へ流していたわけです。もちろんメール添付を使うこともありましたが、ファックスを使う現場も多かったですね。 ──手間がかかる作業だったのですね

岩本氏●ええ、工程表の作り直しにはどうしても一件あたり2時間程度はかかってしまいます。効率が悪いのはもちろん、ファックスやメールで送るのにも手間がかかるので、どうしてもリアルタイムで更新というわけにはいきません。本社側でも現場でもこのタイムラグがたびたび問題になっていました。ところが現場クラウドが導入され、これが現場に広く普及したことで全てがクリアされたのです。特に現場監督の業務はかなり効率化されて、監督1人が見られる現場の棟数

株式会社シアーズホーム 福岡支店 生産管理本部 工事部工事課 岩本雄太郎 氏 株式会社シアーズホーム 福岡支店 生産管理本部 工事部工事課 主任 告坂剛 氏

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■声かけと個別指導で協力会社への普及を推進

――協力会社への普及は問題なく進められましたか

告坂氏●取引様への現場クラウドの普及に関しては、やはりIT全般に不慣れなお取引先様が多かったことが、一番のネックとなりましたね。実際、現場クラウドの導入を告知しただけで「ええー!」みたいな反応が多くて……「面倒くさいね」とか「手間が増えるだけ」といった現場の声もたくさん寄せられました。 ──そんな状況のなか、どうやって普及を図っていきましたか

告坂氏●当社では、以前からお取引先企業様を対象に月に1度のペースで「業者会」という会合を開いています。最初はこの会合を利用して、お取引先様ごとに現場クラウドの「説明会」を行っていきました。私と岩本が講師役を務め「こんな風に使えばこんなこともできる」

「こんなに良い機能がいっぱいあるので、ぜひ使ってください」と、その積み重ねで徐々に使ってもらえるようになりました。 ――実際に使っていただけるまでにどれくらいかかりましたか

告坂氏●協力会社さんもいろいろですから、すぐ使っていただける所もあれば、なかなか手を出してもらえない所もあるのは当然で……みんなが使うようになるには1年ほどかかりました。今では皆さんだいぶ慣れてきて日常的に使っており、総じて好評です。時には「もっとこういう機能が欲しい」と、逆に私たちの方が具体的な要望をもらってしまうことがあるほどです。 ――導入しようとお考えのご同業にメッセージをお願いします

告坂氏●やはり、協力会社への普及がカギだと思います。最初は声かけですね。「こういうシステムを、こういう形で導入するのでご協力を!」と声をかける。そして、導入したら個別指導で具体的に活用法を伝えていくのです。これを徹底して進めれば、徐々に普及が進むはずです。とにかく使ってもらい、機能の良さに気付いてもらえれば、きっとどんどん使ってもらえるようになると思いますよ。

も、導入前に比べかなり増えましたね。 ──どのようにクリアされたのでしょうか

岩本氏●そうですね、前述の通り手間のかかっていた工程表の更新が瞬時に行えるようになりました。現場クラウドの工程を変更すれば、即座に事務所内からも各現場からもそれが確認できる。つまり、いつでも誰が見ても、リアルタイムで最新の工程表を共有できるようになったのです。実際、現場クラウド導入前は、工程表作りに1件あたり2時間もかかっていたのが、30分まで短縮されました。ファックスの送付回数も導入前はどうしても1現場3~4回送っていましたが、導入後はゼロ。全く使わなくなりましたね。

──工程管理以外にもお使いの機能はありますか

岩本氏●トークや掲示板、写真管理等をよく使っていますね。もう一つの現場の課題である「お取引先様(協力会社)とのコミュニケーション」の改善で、特に有効活用できているのが、トークと掲示板です。特にトークはお取引先様ごとに工事グループを作っておけば、誰かが発信次第その工事現場に関連するお取引先様が全てその情報を共有できるので、非常に便利ですね。私たちの念願だった連絡ツールの統一化を実現し、現場に発生しがちな「言った/言わない」のトラブルを無くすことができたと思います。 ――掲示板と写真については?

岩本氏●掲示板はみんなが見られるので、現場への日常的な連絡に使っています。たとえば、現場用に月極駐車場を借りた時や近隣状況を伝達する時、あるいは作業時間に関する告知など発信する場合に使っています。これも既読/未読をチェックできるのが良いですよね、伝達漏れの心配がありませんから。また、写真管理については、従来は携帯で工事写真を撮ったらいちいち事務所へ戻ってPC

に取り込み、写真整理を行っていましたが、今は写真を撮って現場クラウドへアップすれば、それで完了。各工程ごとに写真を管理することも簡単にできるようになりました。後から見る時など、写真を工程ごとに分けてあると、とても把握しやすいんですよ。

開発元のダイテックによる協力会社向け研修の様子写真・図面管理 現場ごと、工程ごとに整理しクラウド上に保存(画像と機能説明は、ダイテック提供) 取材:2020年3月

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現場のコミュニケーションから工程管理、写真管理、図面管理までスマホでかんたん現場の情報共有!

「現場情報共有クラウド」は、スマートフォンやタブレット端末用として最適化された、全く新しいクラウド型建設現場管理サービスです。手のひらの上で簡単操作すれば、現場のコミュニケーションはもちろん、工程管理から写真管理、図面管理まで全てを一元管理。施工現場の多彩な情報を共有化し、あらゆる業務を円滑化します。

開発元:株式会社ダイテック

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現場情報共有クラウド

●ご提供頂いた個人情報は、福井コンピュータグループ各社および(株)ダイテックにおいて、各社の個人情報取り扱い基準である「プライバシーポリシー」に基づき各社で管理させて頂きます。「プライバシーポリシー」各社のホームページ(https://hd.fukuicompu.co.jp/privacy/)(https://www.daitec.co.jp/corp/privacypolicy.html)で確認できます。●個人情報は、「プライバシーポリシー」に記載されている利用目的の範囲内で、守秘義務を負う業務委託先に提供する場合を除いて、承諾なく個人情報を第三者に提供することはございません。●個人情報に関する情報開示のご請求や、修正などのご依頼がありましたら、福井コンピュータホールディングス(株)情報システム部(ナビダイヤル 0570-039-291)、または(株)ダイテック 管理部(TEL.03-6262-3221)、各社ホームページよりお問い合わせください。