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2016年2月10日トヨタ自動車株式会社
嶋村 高士
トヨタのリサイクルへの取組み
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目 次
Ⅰ.環境チャレンジ2050
Ⅱ.取組みの歴史
Ⅲ.今後の展開
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Ⅰ.環境チャレンジ2050
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トヨタが成し遂げるべき具体的アクション(トヨタの6つのチャレンジ)
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Ⅱ.取組みの歴史
1.トヨタの自動車リサイクルへの考え方
トヨタは自動車のライフサイクルで全ての段階で対応
設計 生産
廃棄リサイクル
使用
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・FCV開発
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2.トヨタの自動車リサイクルへの取組みの歴史
01年 02年 03年 04年 05年 08年 10年70年 ~ 90年~
・05年日本自動車リサイクル法
・リサイクル率 2015年 95%
・3品目引き取り義務付け
(エアバッグ・フロン・ASR)
・資源高騰・レアメタルショック資源確保
・モータリゼーション進展・工場公害問題→環境意識の高まり
循 環 型 社 会 の 構 築モータリゼーション
トヨタ
社会動向
資源循環の高度化リサイクル設計廃車のリサイクル
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リサイクル研究所設立
豊田メタル設立
ASRリサイクル実用化
トヨタリサイクルビジョン
リサイクル委員会
70~ 90~ 98 01 03 05 08
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10 電池原料化
定置用蓄電池事業開始
補給用バッテリー販売
リサイクル設計を開発03年ラウム以降、トヨタの新型車に展開中
豊田メタル㈱(愛知県半田市)
ASRリサイクルプラント(豊田メタル内)
リサイクル研究所(豊田メタル内)
15年~
・00年EU廃車指令・リサイクル率 15年 95%・解体情報開示の義務付け
・00年循環基本法、3R法制定
・リサイクル設計促進の要請 ・FCV開発
自動車リサイクル法施行 トヨタ プリウス
HV電池リサイクル
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(1)ライフサイクルでの3R・・・開発・設計の例(1)ライフサイクルでの3R・・・開発・設計の例
【締結部】ボデーへの取付け部にV溝を設け、
引き剥がし作業を容易にする
開発段階で世界トップクラスの3R設計を実現
構造の工夫・易解体設計
【締結部】ボデーへの取付け部にV溝を設け、
引き剥がし作業を容易にする
【ビス締め廃止】天井廻りの小物部品・マップランプ等
【解体性向上マーク付きテープ】ワイヤーハーネスをチェーン等で引き剥がす際、効率よく引き剥がせるポイントを指示
【解体性向上マーク】最も効率的な解体作業ポイントを示す
・燃料タンク、ドアトリムなど
燃料抜き位置を示す矢印形状
燃料抜き位置
トヨタオリジナル
トヨタオリジナル
トヨタオリジナル
トヨタオリジナル
燃料タンク
【プルタブ式端子】銅部品の回収作業を容易にする・ワイヤーハーネス
ワイヤーハーネス 解体性向上マーク
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(1)ライフサイクルでの3R・・・リサイクル研究所の設立(1)ライフサイクルでの3R・・・リサイクル研究所の設立
工法開発・設計改善の他、情報提供・講習会など普及活動実施
世界で唯一 自動車メーカーのリサイクル専門研究所を設立(平成13年)
世界初
<主な研究>・解体しやすい車両構造・効率的な解体技術・工法・レアメタルなどの資源循環技術
解体技術等の情報開示・普及
全国バッテリー取り外し安全講習会
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(2)ライフサイクルでの3R・・・生産段階の例(2)ライフサイクルでの3R・・・生産段階の例
超硬工具等(タングステン)のリサイクル取り組み 世界初
・超硬製品屑からタングステンの100%回収・リサイクルを達成・現在、活動をトヨタグループへ展開中 (16社 展開済)
ユーザーと再生メーカーが連携し、国内還流リサイクルシステム構築
超硬工具等の詳細分別(グループ各工場)
再生を鑑みた分別方法構築
最先端の高効率リサイクル技術(住友電工グループ)
世界初
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90年代より、全国から年間約100万本を回収・リサイクル
(3)ライフサイクルでの3R・・・販売段階の例
(2)バンパー回収本数の推移
(1)廃バンパーの再利用
修理交換バンパー材のリサイクル販売店等の廃バンパー回収・再利用技術開発等により、リサイクル材を自動車部品に積極的活用
リサイクル材使用部品
0
20
40
60
80
100
'97 '00 '05 '10 年
約100万本万本/年
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ポリプロピレン
(参考)樹脂リサイクル材 使用部位
約100点の部品に樹脂リサイクル材等を採用(SAIのケース)
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SAIではエコプラスチックを室内表面積の約80%に採用(リサイクル材のみならず、再生可能樹脂の活用)
(参考)植物由来樹脂の自動車用途開発・採用(エコプラスチック)
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解体事業者(豊田メタル協力会等)
昭和45年 豊田メタル 設立 (豊通50% トヨタ48.3% 愛知1.7%)
愛知製鋼など特殊鋼 鍛造部品など
グループ会社による再資源化
アルミ等豊田通商 アルミ溶湯会社アルミ部品など
昭和45年、世界初 カーメーカーによるシュレッダープラントを設置、約40年にわたり鉄・非鉄をリサイクル
①鉄・アルミ素材のリサイクル
世界初
鉄くず
(4)ライフサイクルでの3R・・・廃棄段階の例
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世界トップシェア
排ガス触媒の貴金属を回収・リサイクル約30年にわたり、廃触媒1,600万個をリサイクル
豊通リサイクル 全国から回収・取り出し
白金製錬工場
廃車の触媒(マフラー等)解体事業者
新品触媒部品
②白金類のリサイクル
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ワイヤーハーネス
シュレッダ-湿式比重選別
磁力選鉱 形状,比重選別 色選別
樹脂
水
被覆 金属
鉄・ステンレス アルミ・真鍮・錫・ハンダ 錫メッキ銅ほかゴム
<除去する材料>
純銅風力乾燥
①高コストな精錬を通さず「精錬レス」で「純銅レベル99.96%(JIS規格)」まで
選別を自動化(低コスト化)
②W/Hメーカーと共同での自動車用への再利用技術検証(品質成立性)
③ワイヤーハーネス(W/H)銅のリサイクル
・廃車W/Hの純銅選別技術を開発し、新車用のW/H電線に再利用
【選別工程】
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④シュレッダーダストからのリサイクル④シュレッダーダストからのリサイクル
平成10年 世界初のASRマテリアルリサイクル工場を設立
世界初の「ASRマテリアルリサイクル工程」を開発・設置
平成10年 ダストリサイクル工場
世界初
アルミ部品・樹脂部品などアルミ・銅 プラスティック
樹脂くず助燃材利用
シュレッダー解体事業者
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⑤次世代車のリサイクル(ニッケル水素電池)
まず国内で ニッケル(Ni)電池が循環(3R)する仕組みを構築し事業化
2 素材リサイクル
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(参考)ニッケル to ニッケルリサイクルシステム
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世界初 使用済みハイブリッド車用バッテリーをリユース・リビルトした 定置用蓄電システムを開発・販売
太陽光パネル販売店EMS
屋上駐車場
リビルト蓄電池
車載バッテリーを再利用し、省エネ・再エネ・ピークカットシステムへ
プリウスバッテリー10個を使用
スマートカーポート世界初
(参考)バッテリーリユース(定置用蓄電池)
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使用済みハイブリッド車のモーター磁石(レアアース)のリサイクルシステムを世界で初めて構築
モーター磁石を取り出し レアアースを抽出・新品磁石として循環
⑥モーター磁石 リサイクルシステム
H25年度NEDO実証事業支援による再資源化設備導入
HVモーター取り出し全国から回収
エンジン付きHVモーター
世界初
磁石メーカー:レアアース抽出
解体事業者
新品磁石
高純度な銅資源 銅線分離
磁石クズ
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⑦次世代車のリサイクル(FCV)
【燃料電池の適正処理】 【タンクのクズ化、タンクの適正処理】
自工会実証実験 環境省 H25年度次世代自動車 に係る処理実態調査業務
・⽔素と酸素を反応させる燃料電池は、処理困難物の使⽤がないことから既存インフラでの処理が可能。
燃料電池
⇒CFRP製 70Mpa⽔素タンクをニブラにより約5分で破砕しクズ化
⇒ 燃焼し難いCFRPの適正処理の実証(加炭、エネルギー効果を確認)
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2013年10月 3R推進功労者 内閣総理大臣賞受賞
使用済み車を中心としたクルマの中長期3R活動が評価
・過去)廃車発生極少期の’70年初頭から業界に先んじた取組み
・現在)世界トップレベルの資源還流システムをグループ会社と構築
開発~生産・販売~サービス~廃車までライフサイクルで全社活動
・未来)ハイブリッドなど次世代車の新しい取組みとグローバルへの展開
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Ⅲ.今後の展開
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⽇ 本 か ら 世 界 へ 展 開
(1)資源循環の今後の方向性
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海外でのバッテリー回収システム構築の他、金属リサイクル事業の海外展開等
日本発のリサイクルモデルを世界で展開・強化
(参考)海外へのバリューチェーン展開状況(参考)海外へのバリューチェーン展開状況
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(2)2つのプロジェクトのグローバル展開
Toyota Global 100 Dismantlers Project
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Toyota Global Car to Car Recycle Project
(2)2つのプロジェクトのグローバル展開
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ご清聴ありがとうございました