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社会福祉法人設立・運営の手引 平成26年3月 栃木県保健福祉部高齢対策課

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社会福祉法人設立・運営の手引

平成26年3月

栃木県保健福祉部高齢対策課

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目 次

ページ

1 社会福祉法人制度の概要 1

(1) 定義

(2) 社会福祉事業

(3) 公益事業

(4) 収益事業

(5) 所轄庁

(6) 社会福祉法人に対する監督

(7) 社会福祉法人を取り巻く環境の変化と今後の課題

2 社会福祉法人の機関 11

(1) 社会福祉法人の機関

(2) 理事及び理事会

(3) 監事

(4) 評議員会

3 社会福祉法人の設立 21

(1) 設立手続の概要

(2) 定款の作成

(3) 認可申請

(4) 設立の登記

(5) 財産移転の報告

4 社会福祉法人定款準則 32

(1) 社会福祉法人定款準則

(2) 社会福祉法人に土地建物等を寄付した場合における譲渡所得税の非課税措置

(3) 社会福祉法人定款準則の解説

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5 定款変更の手続 46

(1) 定款の変更

(2) 定款変更の認可の手続

(3) 定款変更の届出

(4) 定款変更に伴う変更登記

(5) 定款変更認可申請書

(6) 添付書類作成上の留意事項

(7) 事務処理上の注意事項

6 基本財産の処分及び担保提供 55

(1) 基本財産の意味

(2) 基本財産の処分承認手続

(3) 基本財産の担保提供手続

7 現況報告書 57

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1 社会福祉法人制度の概要

(1) 定義

① 社会福祉法人とは、社会福祉事業を行うことを目的として社会福祉法(以下「法」

という。)の規定によって設立された法人をいいます。

学校法人、宗教法人等と同じく、民法による公益法人と種々の点で異なる特別法

人です。社会福祉法人は、極めて公共性の高い法人であるため、社会福祉法では、

法人の設立、運営及び監督等について、民法の公益法人制度に比べてより厳格な規

定を定めている一方で、国及び地方公共団体による助成に関する規定を設け、適正

で安定した法人運営の確保を図っています。

② 社会福祉事業とは、法2条2項(第一種社会福祉事業)及び3項(第二種社会福

祉事業)に掲げられた事業をいいます。

これら以外の事業のみを行うことを目的として社会福祉法人を設立することは認

められていません。

〔第一種社会福祉事業〕

公共性が特に高く、個人の人格の尊重に重大な関係を持つことから、原則として

地方公共団体又は社会福祉法人によって経営することとされている事業です。

(法2条2項)(抄)

三 老人福祉法(昭和38年法律第 133号)に規定する養護老人ホーム、特別養護

老人ホーム又は軽費老人ホームを経営する事業

〔第二種社会福祉事業〕

第一種社会福祉事業とは異なり、その事業が行われることが社会福祉の増進に貢

献するものであって、これに伴う弊害のおそれが比較的少ない事業です。

(法2条3項)(抄)

四 老人福祉法に規定する老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業、老人短

期入所事業、小規模多機能型居宅介護事業、認知症対応型老人共同生活援助事

業又は複合型サービス福祉事業及び同法に規定する老人デイサービスセンター

老人短期入所施設、老人福祉センター又は老人介護支援センターを経営する事

十 生計困難者に対して、無料又は低額な費用で介護保険法(平成9年法律第

123号)に規定する介護老人保健施設を利用させる事業

社会福祉法人は、以上のほか、その経営する社会福祉法人事業に支障がない限り、

公共を目的とする「公益事業」及びその収益を社会福祉事業又は公益事業の経営に

充当するための「収益事業」を行うことができます。

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(2) 社会福祉事業

社会福祉事業は、次の要件を満たしていることが必要です。

① 当該法人の事業のうち主たる地位を占めているものであること。

② 社会福祉事業の経営は、法3条(福祉サービスの基本的理念)、4条(地域福祉

の推進)及び5条(福祉サービスの提供の原則)の趣旨を尊重し、法61条の事業経

営の準則に合致するものであること。

③ 社会福祉事業は、法令に基づく施設の最低基準その他の要件を満たしているもの

であること。

④ 法人設立後直ちに行うことのできない事業を目的として法人を設立することはで

きないこと(将来的に実施したいと考えている事業をあらかじめその法人の目的と

して掲げることはできないこと)。

⑤ 社会福祉事業に必要な財源の大半を収益事業に求めるような計画の下に行われる

ものであってはならないこと。

(3) 公益事業

① 社会福祉法人が行う公益事業は、次の要件を満たしていることが必要です。

ア 公益を目的とする事業であって、社会福祉事業以外の事業であること。

イ 当該法人の行う社会福祉事業の純粋性を損なうおそれのないものであること。

ウ 当該事業を行うことにより、当該法人の行う社会福祉事業の円滑な遂行を妨げ

るおそれのないものであること。

エ 当該事業は、当該法人の行う社会福祉事業に対し従たる地位にあることが必要

であること。

オ 社会通念上は公益性が認められるものであっても、社会福祉と全く関係のない

ものを行うことは認められないこと。

カ 公益事業において収益を生じたときは、当該法人が行う社会福祉事業又は公益

事業に充てること。

② 公益事業の種類について、「社会福祉法人の認可について(社会福祉法人審査要

領)」においては、以下のような例示が挙げられています(抜粋)。

ア 社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条第4項第4号に掲げる事業(いわゆ

る事業規模要件を満たさないために社会福祉事業に含まれない事業)

イ 介護保険法(平成9年法律第123号)に規定する居宅サービス事業、地域密着

型サービス事業、介護予防サービス事業、地域密着型介護予防サービス事業、居

宅介護支援事業、介護予防支援事業、介護老人保健施設を経営する事業又は地域

支援事業を市町村から受託して実施する事業

なお、居宅介護支援事業等を、特別養護老人ホーム等社会福祉事業の用に供す

る施設の経営に付随して行う場合には、定款上、公益事業として記載しなくても

差し支えないこと。

ウ 有料老人ホームを経営する事業

③ 社会福祉法人が公益事業を行うにあたっては、当該法人の行う社会福祉事業に支

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障をきたさないことが大原則です。

所轄庁は、当該公益事業が当該法人の行う社会福祉事業に支障があると認めた場

合は、当該公益事業の停止を命ずることができます(法57条)。

(4) 収益事業

① 社会福祉法人が収益事業を行うことができるのは、その収益を社会福祉事業又は

法施行令第4条及び平成14年厚生労働省告示第283号政令で定める公益事業の経営

に充てることを目的とし、しかも収益事業を行うことがその経営する社会福祉事業

に支障を来たさない場合です(法26条1項)。

事業の種類としては、社会福祉法人の性格を考えると、駐車場の経営、公共的施

設内の売店の経営等安定した収益が見込める事業が適当です。

② 社会福祉法人が行う収益事業は、次の要件を満たしていることが必要です。

ア 法人が行う社会福祉事業又は公益事業の財源に充てるため、一定の計画の下に

収益を得ることを目的として反復継続して行われる行為であって社会通念上事業

と認められる程度のものであること。

次のような場合は、反復継続して行われる事業には該当しないので、定款に記載

する必要はないこと。

・ 当該法人が使用することを目的とする設備等を外部の者からの依頼により、

当該法人の業務に支障のない範囲内で使用させる場合、例えば、会議室を法人

が使用しない時間に外部の者に使用させる場合等

・ たまたま適当な興行の機会に恵まれて慈善興行を行う場合

イ 法人の社会的信用を傷つけるおそれがあるもの又は投機的なものは適当でない

こと。

なお、法人税法2条13号にいう収益事業の範囲に含まれない事業であっても、

法人の定款上は収益事業として扱う場合もあること。

次のような場合は、「社会的信用を傷つけるおそれ」があるので行うことはでき

ないこと。

・ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律にいう風俗営業及び性風

俗関連特殊営業

・ 高利な融資事業

・ 上記に掲げる事業に不動産を貸し付ける等の便宜を供与する事業

ウ 当該事業から生じた収益は、当該法人が行う社会福祉事業又は公益事業の経営

に充当すること。

エ 当該事業を行うことにより、当該法人の行う社会福祉事業の円滑な遂行を妨げ

るおそれのないものであること。

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次のような場合は、「社会福祉事業の円滑な遂行を妨げるおそれ」があること。

・ 社会福祉施設の付近において、騒音、ばい煙等を著しく発生させるようなお

それがある場合

・ 社会福祉事業と収益事業とが、同一設備を使用して行われる場合

オ 当該事業は、当該法人の行う社会福祉事業に対し従たる地位にあることが必要

であり、社会福祉事業を超える規模の収益事業を行うことは認められないこと。

カ 当該事業を行う上で必要な資産は、社会福祉事業及び公益事業の用に供する資

産と明確に分離できるものでなければならず、また、当該事業にかかる借入金は、

おおむね収益事業用財産の2分の1を超えない範囲内でなければならないこと。

キ 母子及び寡婦福祉法に基づく資金の貸付を受けて行う収益事業については、ウ

及びカは適用されないものであること。

③ 所轄庁は、収益事業を行う社会福祉法人につき、次に該当する事由が認められる

ときは、当該収益事業の停止を命ずることができます(法57条)。

ア 当該社会福祉法人が当該収益事業から生じた収益を当該社会福祉法人の行う社

会福祉事業及び公益事業以外の目的に使用すること。

イ 当該収益事業の継続が当該社会福祉法人の行う社会福祉事業に支障があるこ

と。

(5) 所轄庁

所轄庁は、原則として都道府県知事ですが、次のような場合は都道府県知事以外

の所轄となります。

① 主たる事務所が市の区域内にある社会福祉法人であって、その行う事業(公益及

び収益事業を含む。)が、当該市の区域を越えない場合

→ 市長

② 法人の行う事業が2以上の都道府県の区域にわたる場合

→ 厚生労働大臣(又は地方厚生局長)

「法人が行う事業が2以上の都道府県の区域にわたる場合」とは、

① 施設の所在地(各種居宅介護等事業、相談事業等の場合は、当該事業所

の所在地)が2以上の都道府県にわたる場合

② 法人本部と当該法人が経営する社会福祉施設が異なる都道府県にわたる

場合

※ 社会福祉法人が行う事業が市又は中核市の区域にとどまるかどうかにつ

いても上記に準じます。

※ 厚生労働大臣と地方厚生局長の区分は、次のとおりです。

厚生労働大臣:法人の行う事業が2以上の都道府県の区域にわたり、か

つ2以上の地方厚生局の管轄区域にわたる場合

地方厚生局長:一つの地方厚生局の管轄区域の場合

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(6) 社会福祉法人に対する監督

① 一般的監督(法56条)

ア 社会福祉法人は、民間社会福祉事業を担う中心的な主体として特別の法人格を

付与され、またそれに伴い各種税制及び財政上の援助が与えられることとなって

います。これに対応して、その社会的責任を全うさせるため、厚生労働大臣又は

都道府県知事若しくは市長は、法令、法令に基づいてする行政庁の処分及び定款

が遵守されているかどうかを確かめるため必要があると認めるときは、法人の業

務又は会計の状況に関し、報告を徴し、又は当該職員に、法人の業務及び財産の

状況を検査させることができます(1項)。

イ 所轄庁は、法人が、法令、法令に基づいてする行政庁の処分若しくは定款に違

反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、当該法人に対し、期限

を定めて、必要な措置を採るべき旨を命ずることができます(2項)。

ウ 法人がイの命令に従わないときは、所轄庁は、当該法人に対し、期間を定めて

業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は役員の解職を勧告することができま

す(3項)。

エ さらに、所轄庁は、法人が、法令、法令に基づいてする行政庁の処分若しくは

定款に違反した場合であって他の方法により監督の目的を達することができない

とき、又は正当の事由がないのに1年以上にわたってその目的とする事業を行わ

ないときは、解散を命ずることができます(4項)。

② 公益事業又は収益事業の停止(法57条)

所轄庁は、法26条1項の規定により公益事業又は収益事業を行う社会福祉法人

につき、次に該当する事由があると認めるときは、当該法人に対して、その事業の

停止を命ずることができます。

ア 当該法人が定款で定められた事業以外の事業を行うこと。

イ 当該法人が当該収益事業から生じた収益を当該法人の行う社会福祉事業及び公

益事業以外の目的に使用すること。

ウ 当該公益事業は収益事業の継続が当該法人の行う社会福祉事業に支障があるこ

と。

③ 助成及び監督(法58条)

ア 厚生労働大臣又は地方公共団体の長は、社会福祉法人に対して補助金の交付等

の財政的援助を行った場合は、その助成の目的が有効に達せられることを確保す

るため、当該法人に対して、次に掲げる権限を有します。

(ア) 事業又は会計の状況に関し報告を徴すること。

(イ) 助成の目的に照らして、法人の予算が不適当であると認める場合におい

て、その予算について必要な変更をすべき旨を勧告すること。

(ウ) 法人の役員が法令、法令に基づいてする行政庁の処分又は定款に違反し

た場合において、その役員を解職すべき旨を勧告すること。

イ 国又は地方公共団体は、社会福祉法人がアの規定による措置に従わなかったと

きは、交付した補助金の返還等を命ずることができます。

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④ 社会福祉法人に対する指導監査

ア 社会福祉法人は、極めて公共性の高い組織であり、健全な社会福祉事業の経営

と公正な法人運営を維持することによって、国民の負託に応えることが要請され

ています。

このことは、何よりも法人自らの不断の努力によるべきものですが、それと同

時に、行政機関(所轄庁)による指導監査が行われます。

イ 社会福祉法人に対する指導監査は、法56条1項を根拠として、適正な法人運営

と円滑な社会福祉事業の経営の確保を図る目的で、関係法令や通知による法人運

営、事業経営に関する指導事項について行われるとともに、運営全般について積

極的な助言、指導が行われます。

ウ 指導監査の結果、改善を要する事項が認められれば文書による改善措置指導が

行われることになります。この具体的な改善措置の指導を受けた場合は、法人は

所定の期限内に改善状況について報告しなければなりません。また、その改善状

況について確認の必要があると認められる場合は、確認指導により未改善事項の

是正が指導されます。

エ この指導監査を行う際の指針として、「社会福祉法人、社会福祉施設に対する

社会福祉業務指導監査実施方針」(県ホームページ http://www.pref.tochigi.

lg.jp/e01/welfare/shisetsu/shisetsu/kansayouko.html)が示されていますの

で、法人運営上の参考としてください。

⑤ 法人監査と施設監査

④の法人監査に対し、福祉等関係各法に基づき施設の最低基準の遵守等について

行われる指導監査を施設監査といいます。

地方分権一括法の施行に伴って、都道府県等が法56条を根拠として行う法人監査

は法定受託事務と、他方、福祉等関係各法(老人福祉法では第18条)を根拠として

行う社会福祉施設の監査は自治事務と整理されました。

法人監査は法人審査基準や法人会計基準に基づいて行われる法人運営に対する監

査、施設監査は施設基準に基づいて行われる事業経営に対する監査で、その役割は

区分されていますが、両監査は相互に連携し平行して実施されます(介護保険法に

基づく監査も同時に実施されます。)

なお、指導監査のスケジュール等については、保健福祉課検査指導班(℡028-

623-3151)が保健福祉部全体の総括をしておりますので、同班にお問い合わせくだ

さい。

(7) 社会福祉法人を取り巻く環境の変化と今後の課題

① 社会福祉法での「経営の原則」

社会福祉法では、社会福祉法人について、経営の原則が新たに加えられました。

これは、「社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的、か

つ適正に行うため、自主的にその経営基盤の強化を図るとともに、その提供する福

祉サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図らなければならない」とい

うものです。

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法に社会福祉法人が位置づけられて以降、その多くの社会福祉法人が、利用者の

権利を守り、生活を保障するためのサービスを提供してきました。しかしながら一

方で、社会福祉法人の特権を悪用した事件も起きました。また、措置制度の中では、

社会福祉事業を経営する者が積極的に質の高いサービスを提供するという気風は生

まれにくい状況でした。

社会福祉基礎構造改革での方向性を受けて、社会福祉法人の経営についての原則

や第三者サービス評価委員会などが導入されました。これからもサービス提供にお

いて中心的な役割を担う社会福祉法人は、より良いサービスの提供主体としての役

割を期待されています。

② 規制改革の流れを受けて

福祉分野における国の規制改革では、利用者主体のサービス提供を進めるための

改革が行われています。福祉サービスの提供が、措置制度から契約制度へと変更さ

れ、介護保険が導入されて以降、民間企業の参入が始まり、社会福祉法人は、文字

通り利用者に選別される立場となりました。

このような社会福祉法人を取り巻く環境の変化に適切に対応すること、すなわち、

体制を整備し、利用者に選ばれるに足るレベルへサービスの質を向上させることは、

今日の社会福祉法人にとって共通のテーマとなっています。

そのためには、組織としての意識改革、すなわち、「運営」から「経営」への発

想の転換が必要であり、実務の上では、具体的に次のような対応が求められていま

す。

まず、財務面では、措置制度から契約制度に移行したことで、社会福祉法人は自

ら上げた収入によって必要経費を賄うことが経営の大前提となります。新しい会計

基準の導入で損益の考え方が導入されたことに伴い、経営の分かる体制に移行し、

財務戦略を構築することが必要です。

次に、利用者に選ばれる施設になるためには人事の問題も避けては通れません。

賃金制度の見直し、能力が適切に評価される制度(職能資格制度等)の整備が必要

となっています。

③ 人材の育成

社会福祉法人が保有する「ヒト・モノ・カネ」という経営資源のうち、社会福祉

事業を行っていく上で最も重要なのは何よりも「ヒト」です。社会福祉法人が事業

を行う対象は人格を持った人間であり、その人間の生活の手助けをどのように行う

かがテーマです。高齢者にとっての人生の最終コーナーをいかに充実したものにで

きるか法人全体で真剣に取り組む必要があります。

このためには、職員一人ひとりの資質が何よりも重要であり、職員教育(人材育

成)は法人の事業の成否の鍵を握る大切なものですので、社会福祉法人は、職員の

教育訓練にその持てる力をそそぎ込む意欲が必要です。職員一人ひとりの資質が高

まれば自ずから施設はうまく動いていくものです。もちろん、職員のリーダーとな

る施設長や、法人の方向性を決定する役員等の高い見識が必要になることは言うま

でもありません。

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社会福祉法における社会福祉法人に対する指導監査等の概要

地 方 公 共 団 体

都 道 府 県 市 町

所 轄 庁

法定受託事務(法127条)

① 法人の定款の認可(法人設立認可)(法31条) 助成(補助、

② 定款の変更の認可(法43条) 貸付等)及び

③ 法人の解散の認可又は認定(法46条) 監督(法58条)

④ 報告の徴収又は検査(法人監査)の実施(法56条1項)

⑤ 改善措置の命令(法56条2項)

⑥ 業務の停止の命令又は役員の解職の勧告(法56条3項)

⑦ 解散の命令(法56条4項)

⑧ 公益事業又は収益事業の停止の命令(法57条)

⑨ 法人に対する助成に係る監督(法58条2項)

⑩ 法人現況報告の徴収(法59条1項)

法人でその行 法人でその行う事業が 主たる事務所が市の区

う事業が2以 1の都道府県の区域を 域内にある法人であっ

上の都道府県 越えないもの(市が所 てその行う事業が当該

の区域にわた 管するものを除く) 市の区域を越えないも

るもの の

社 会 福 祉 法 人

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社会福祉法等に基づく指導監査業務等の区分

社会福祉法人(特別養護老人ホーム) 介護保険法に基づく指導・監査・処分等

に対する指導・監査・処分

1 社会福祉法及び老人福祉法に基づく 1 介護保険法に基づく指導・監督

指導監査(特養の場合)

(1) 根拠法令 (1) 根拠法令

社会福祉法第56条第1項及び老人福 介護保険法第24条、第76条(居宅サ

祉法第18条第2項 ービス、第83条(居宅介護支援)、第

90条(指定介護老人福祉施設:特養)

及び第100条(老健)

(2) 指導監査の区分 (2) 指導及び監査の区分

① 一般指導監査:社会福祉法人につ ① 指導:介護給付等対象サービスの

いて、必要な監査を行うとともに、 質の確保及び保険給付の適正化を

社会福祉業務について指導及び助 図る目的で行う。

言を行うことにより、適切かつ円 集団指導:指導対象の介護保険施

滑な業務の運営を図る。 設を一定の場所に集めて講習等の

実地指導監査:社会福祉法人の本 方法により行う。

部・施設において、関係者からの 実地指導:指導の対象となる介護

事情聴取及び設備・帳簿書類等の 保険施設等の事業所において実地

確認により行う。 に行う。

書面指導監査:所定の資料に基づ 書面指導:指導の対象となる介護

き、指定した場所で、ヒアリング 保険施設等から書面の提出を受け

等の方法により行う。 た上で、一定の場所で面談方式に

より行う。

② 特別指導監査:事業運営及び施設 ② 監査:介護給付等対象サービスの

運営に不正又は著しい不当があっ 内容又は介護報酬の請求に、不正

たと疑うに足りる理由があるとき 又は著しい不当が疑われる場合に

に行う。 おいて、事実関係を的確に把握し、

公正かつ適切な措置を講じるため

に行う。

2 不正・著しい不当を行った施設に対し 2 不正請求等に対して講ずることができ

て行うことが可能な措置 る介護保険法上の措置

(1) 社会福祉法第56条第2項に基づく業 (1) 指定取消し・許可の取消し

務改善命令(法人運営) 居宅サービス、居宅介護支援及び介

社会福祉法人が、法令、法令に基づ 護老人福祉施設(特養)の指定取消し

いてする行政庁の処分若しくは定款に が可能(介護保険法第77条、第84条、

違反し、又はその運営が著しく適正を 第92条)

欠くと認める場合

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老健については、開設許可の取消し

が可能(介護保険法第104条)

(2) 老人福祉法第19条に基づく改善命令 (2) 業務改善命令等

等(施設運営) 老健に対しては、業務改善命令、業

次の場合に①設備若しくは運営の改 務停止命令が可能(介護保険法第103条)

善命令、②事業の停止若しくは廃止の

命令、③設置認可の取消しが可能

・特別養護老人ホームの設置者が、老

人福祉法に違反した場合

・老人福祉法に基づく命令等に違反し

た場合

・施設基準に適合しなくなった場合

(3) 経済上の措置

保険者である市町村は、不正請求額

に40/100を加算して返還を求めること

ができる(介護保険法第22条)

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2 社会福祉法人の機関

(1) 社会福祉法人の機関(法36条、37条、42条)

社会福祉法人には、機関として役員(理事及び監事)を必ず置かなければなりま

せん。また、原則として評議員会を置く必要があります。

役員についての総括的な注意事項は次のとおりです。

① 関係行政庁の職員が法人の役員となることは法61条に規定する公私分離の原則に

照らし、適当でないので、差し控えること。

したがって、市町村の福祉担当部長等が法人の役員となることは適当ではありま

せん。

② 実際に法人運営に参画できない者を、役員として名目的に選任することは適当で

ないこと。1年間を通じて一度も理事会に出席しない理事については、交替を行う

ことが望ましいこと(評議員会の評議員についても同様であること)。

③ 地方公共団体の長、副市町長等特定の公職にある者が慣例的に、理事長に就任し

たり、役員として参加したりすることは、理事会の形骸化につながることにもなる

ので適当でないこと。

また、現職の国会議員や地方議会議員は、職務繁忙のため名目的な役員となるお

それがあるため、社会福祉法人の役員とすることは望ましくないこと。

④ 理事及び監事については、法律上、その定数の3分の1までは欠員が認められて

いるが、法人の適正な運営上、1名でも欠員を生じた場合にはできる限り速やかに

補充を行うこと。

⑤ 次の事項のいずれかに該当する者は役員になることはできないこと。

ア 成年被後見人又は被保佐人

イ 生活保護法、児童福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法又は社会福祉法の規

定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくな

るまでの者

ウ イに該当する者を除くほか、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又

は執行を受けることがなくなるまでの者

エ 法56条第4項の規定による所轄庁の解散命令により解散を命ぜられた社会福祉

法人の解散当時の役員

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(2) 理事及び理事会(法36条~39条)

① 理事及び理事会

理事は、対内的には法人内部の事務を処理し 、対外的には法人を代表する、監

事と並ぶ常置必須の機関です。

理事は、法律的には、法人から服務の遂行を委任されているものと解され、その

職務を忠実に執行しなければなりません。また、法人の重要事項に関する意思決定

については、理事の合議体である理事会においてなされます。

なお、理事についても勤務実態に即して報酬を支給することが認められています。

理事の選任上の注意事項は次のとおりです。

ア 理事は、社会福祉事業について熱意と理解を有し、かつ、実際に法人運営の職

責を果たしうる者であること。

また、責任体制を明確にするため、理事の中から理事長を選出すること。

イ 専制的な法人運営が行われることのないよう、理事の定数は6人以上とするこ

と。

ウ 社会福祉法人の公共性に鑑み、専制的な運営が図られることを防止し、また、

財産保全のためにこの組織が利用されることを防ぐ意味から、各理事と親族等の

特殊の関係のある者(※1)が、以下の制限数以内であること。

【理事定数】 【親族等の人数】

6 ~ 9人 1人

10 ~ 12人 2人

13人~ 3人

エ 当該法人が行う社会福祉施設の整備分は運営と密接に関連する業務を行う者

(工事業者、備品・医疲品・衣料・食料品等納入業者等)が理事総数の3分の

1を超えてはならないこと。

オ 理事には、社会福祉事業について学識経験を有する者(※2)又は地域の福祉

関係者(※3)を加えること。

カ 施設経営の実態を法人運営に反映させるため、1人以上の施設長等が理事とし

て加わること。

キ 理事長及びそれ以外の理事は、法人の自主的な経営機能の強化及び内部牽制体

制の確立の観点から、それぞれが代表権を有しても差し支えないが、各理事と親

族等の特殊の関係にある者のみが代表権を有してはならないこと。

なお、代表権の制限を伴う場合は、組合等登記令に基づき、その内容を登記す

ること。

ク 理事の選任は、理事総数の3分の2以上の同意を得て理事長が委嘱するが、評

員会がある場合は、評議員会で行うことが適当であること。

ケ 理事の任期は2年を超えることができないが、 再任は差し支えないこと。

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また、任期が法定されていることから、定款において「役員は、その任期終了

後でも、後任者が選任されるまでは、なおその服務を行う。」という規定を設け

ることはできないこと。

なお、途中退任にした者の補欠役員として新たに任命された場合の任期は、前

任者の残任期間とすること。

(※1) 「親族等の特殊の関係のある者」とは、次の者をいう。

なお、たとえ他の肩書を有していても、本基準のいずれかに該当すれば「親

族等」であること。

ア 親族 6親等以内の血族

配偶者

3親等以内の姻族

イ 自分又は自分の親族である他の役員と次の関係にある者

(ア) 内縁関係

(イ) 使用人の関係、生計を維持されている(披扶養)関係

(ウ) 内縁関係、使用人の関係及び生計を維持されている(被扶養)関係に

ある者の親族で、これら3者と生計を一にしている関係

ウ 自分又は自分の親族である他の役員が役員を務めている他の法人の役員又

は使用人

エ 自分、自分の親族及びイの関係にある者全体で出資の半分以上を保有する

こととなる会社(同族会社)の役員又は使用人

特殊の関係のある者(図式)

(役員) (生計同一)

法人 本人 内縁の妻 親族

金銭

(生計同一)

使用人 役員 使用人等 親族

(※2)「社会福祉事業について学識経験を有する者」とは、次の者をいう。

ア 社会福祉に関する教育を行う者

イ 社会福祉に関する研究を行う者

ウ 社会福祉事業又は社会福祉関係の行政に従事した経験を有する者

エ 公認会計士、税理士、弁護士等社会福祉事業の経営を行う上で必要かつ有

益な専門知識を有する者

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(※3)「地域の福祉関係者」とは、次の者をいう(ただし、後掲(3)の監事

については、オを除く)。

ア 社会福祉協議会等社会福祉事業を行う団体の役職員

イ 民生委員・児童委員

ウ 社会福祉に関するボランティア団体、親の会等の民間社会福祉団体の代表

者等

エ 医師、看護師、保健師等保健医療関係者

オ 自治会、町内会、婦人会及び商店会等の役員その他その者の参画により施

設運営や在宅福祉事業の円滑な遂行が期待できる者

② 理事の権限

ア 法38条で、理事は、すべて社会福祉法人の業務について、社会福祉法人を代表

するが、定款をもって、その代表権を制限することができるとされています。

イ 複数施設経営法人の増加等を背景として、定款準則上も代表権をすることが可

能となっていますが、複数の理事に代表権を付与する法人にあっては、責任体制

を明確にするとともに内部規程等を十分整備し、理事の間で役割分担が不明確に

ならないように注意する必要があります。

③ 理事会

ア 社会福祉法人の業務の決定は、理事をもって組織する理事会によって行います。

理事会は、法人運営の適否を左右する最も重要な機関であることから、定款の

定めに従って適正な運営がなされ、議決事項についても実質的な審議が行われる

よう徹底を図る必要があります。

イ 社会福祉法人の業務は、定款に特段の定めがないときは、理事総数の過半数で

決します。

ウ 定款準則において、理事総数の3分の2以上の議決を要する事項として定めら

れている主な事項は次のとおりです。

(ア) 理事の選任(評議員会がある場合は評議員会で行うこと。)

(イ) 基本財産の処分

(ウ) 予算

(エ) 臨機の措置 (予算に定めのない新たな義務の負担又は権利の放棄)

(オ) 公益事業に関する事項

(カ) 収益事業に関する事項

(キ) 残余財産の帰属

(ク) 合併

(ケ) 定款変更

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④ 理事長の専決

ア 法人の業務の決定は理事会によって行いますが、日常の軽易な業務は、理事長

が専決し、これを理事会に報告することになります。

この理事長が専決できる「日常の軽易な業務」については、定款準則において、

その対象となる業務の例が列挙されていますが、その項目ごとに具体的にどの範

囲までを専決の対象とするかについては、理事会が評議員会の同意を得てあらか

じめ法人の定款細則等で定めておくことが必要です。

イ 定款細則等に規定すべき主な事項は次のとおりですが、その内容が定款準則に

準拠していることが必要であることは言うまでもありません。

(ア) 理事長が任免できる人事の範囲(人事規程)

(イ) 理事長が専決できる契約の金額及び範囲

(ウ) 理事長が専決できる基本財産以外の固定資産の取得等の範囲

(エ) 理事長が専決で処分できる不要となった固定資産等の範囲

ウ この理事長の専決事項を明定した定款細則や人事規程等そのものの改正は、理

事会の議決事項ですので、理事長が専決することはできません。

⑤ 理事及び理事会に求められる役割

理事の果たすべき役割については、法39条により業務の決定とされています。

介護保険制度や支援費支給方式等の利用制度への移行により、社会福祉法人を取

り巻く社会的環境は大きく変化してきています。しかし、国民生活の安心の拠り所

としての福祉制度の重要性に変わりはなく、またそれを中心的に担ってきている社

会福祉法人の役割の重要性についても、これまでと変わることはありません。

社会福祉法人の理事として、また理事会としては次のような点に注意しながら適

切な役割を果たしていくことが必要です。

ア 理事は、法人の「目的理念」実現のために事業の決定を行い、それを当該事業

に携わるすべての者に知らしめることがその役割として求められています 。

法人の目的理念に沿った適正な「経営管理」を行うことにより、法人事業を充

実させ、法人の社会的役割を広げていくことが理事及び理事会に課せられた役割

です。

イ 長期的な法人経営を考えた運営を図っていくことも、理事及び理事会に求めら

れる役割です。したがって、長期的な法人の目的理念の設定、人づくり(法人職

員の育成のみならず、地域の福祉人材の育成についても配慮することが必要)、

事業後継者の育成においても理事の果たす役割は大きいものがあります。

ウ 施設を運営していくに当たり、利用者のサービス向上に関しては、まず、第一

義的に施設長を中心とした職員があたることは論を待たないところですが、法人

全体のサービス提供方針を決定することは法人理事会が果たすべき重要な役割で

す。

以上のようなことは、必ずしも単年度の決算書等に現れるようなものではありませ

んが、こうしたことは必ず法人の事業の長期的な発展につながっていくものです。

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社会福祉法人は、地域住民の高い関心と参加のもとに法人運営を行うことが望まれ

ています。このような観点から理事は、自分たちの市や町の福祉問題を自分たちが中

心となって解決していくという住民意識のもとに、社会福祉法人が運営されていくよ

う、地域住民の声を十分意識した運営を図っていくことが責務として求められていま

す。

(3) 監事(法36条、37条、40条、41条)

① 監事

監事とは、法人の監査機関で、必ず2名以上置かなければなりません。

監事の権限は、法人の内部にあって、理事の業務執行及び法人の財産の状況を監

査するものであり、外部に対して法人を代表するような権限はありません。法人に

対してその職務を忠実に遂行すべき義務を負うことは、理事と同様です。

また、監事が数名ある場合にも、監査機関という性質に鑑み、各監事が独自に責

任を負った職務を行います。

監事の選任は、理事会(評議員会がある場合は評議員会)において行われますが、

監事としてふさわしい者を選任しなければなりません。

また、監事の理事会出席については、監事は理事の業務執行状況を監査する意味

からも理事会にはできる限り出席し、理事会の議論を聞いておくことが必要です。

ただし、監事の理事会における議決権については認められません。

② 監事の要件

ア 監事は以下の職務を行います。

(ア) 理事の業務執行の状況を監査すること。

(イ) 社会福祉法人の財産の状況を監査すること。

(ウ) 監査の結果、不整の点があることを発見したときはこれを評議員会(評議

員会がないときは所轄庁)に報告すること。

(エ) (ウ)の報告をするために必要があるときは理事に対して評議員会の招集

を請求すること。

(オ) 理事の業務執行の状況又は社会福祉法人の財産の状況について、理事に意

見を述べること。

(カ) 毎年定期的に監査を行い、監査報告書を作成し、理事会、評議員会及び所

轄庁に報告すること。

(キ) 監事は、必要があると認めるときは、理事会、評議員会に出席して意見を

述べること。

イ アの職務を行うことから、監事には以下の要件が必要となります。

(ア) 監事のうち一人は法44条に規定する財務諸表等を監査し得る者でなければ

ならないこと。

財産の状況等の監査を行うので、法44条に規定する財務諸表等、すなわち

事業報告書、財産目録、貸借対照表及び収支計算書を見るだけの経理に関す

る諸知識、能力を有する者を1人選任しなければなりません。

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また、監事が監査を行った場合には、監査報告書を作成し、理事会及び評

議員会に報告し、法人において保存することが必要です。

(イ) 監事のうち一人は社会福祉事業について学識経験を有する者又は地域の福

祉関係者であること。

理事の業務執行の状況を監査するので、的確な監査を行うために、監事に

は社会福祉事業についての一定の知識経験が必要となります。

(ウ) 監事は、当該法人の理事、評議員及び職員又はこれらに類する他の職務

を兼任することはできないこと。したがって、法人が会計業務を委嘱してい

る者、法人が経営する嘱託医等を監事に選任することはできません。

(エ) 監事は、他の監事及び理事と親族等の特殊の関係のある者(※1:前掲)

であってはならないこと。

(オ) 監事は、当該法人に係る社会福祉施設の整備又は運営と密接に関連する業

務を行う者(工事業者、備品・医療品・衣料・食料品等納入業者等)であっ

てはならないこと。

③ 監事の役割

社会福祉法人に寄せる国民の期待が高まる一方、社会福祉事業の経営もより一層

複雑かつ高度化しつつある今日、その適正な運営を確保する上で、監事の果たす役

割は大きいものがあります。

そのような意味からも、監事は、単に年に一度形式的に決算について監査を行う

だけの形骸化した機関であってはならず、法人の運営全般について、実態を常に把

握することは勿論、必要に応じて理事に対し適切な指摘を行うよう努めなければな

りません。

近年本県において発生した不祥事例をみると、監事による法人の内部チェックが

適切に行われていない事案が少なからず見受けられます。

監事自身が、その職務の重要性を十分認識し、適正な法人運営、事業経営の確保

に努め、法人自身による自主的な適正管理に努めていくことが、民間社会福祉事業

の社会的信用を高めていくことになるのです。

④ 適切な監査の実施に向けて

ア 社会福祉の現場をよく知ること

監査を行う法人が経営する施設のことをよく知ることが第一です。施設に行っ

て入所者や職員と話し、当該施設での生活や職場環境を現場で理解することが必

要です。

また、他の法人が経営する施設における法人運営や施設経営のあり方について

勉強するなどして、自ら関与する法人の理事の業務執行状況を監査するという姿

勢が望まれます。

イ 専門知識の吸収に努めること

社会福祉法人の監事の役割は、業務監査と会計監査の2つの側面があり、これ

はともに専門的知識を必要とするものです。

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社会福祉の事業も近年では多様化すると同時に高度化してきています。今まで

以上に住民の求める福祉ニーズに対応した事業展開を図っていくためには、監事

も最新の福祉情報を吸収していくことが求められます。

また、会計面の監査については、専門的な知識・技能が求められる分野であり、

そのため、監事のうち1名は資格要件として財務諸表等を監査し得ることとなっ

ています。しかし、社会福祉法人の会計はその公共的性格のために、一般の企業

会計とは異なる特殊な面もあります。研修等の機会には積極的に参加するなど、

その知識・技能の研鑽に努めることが必要です。

ウ 行政監査に立ち会うこと

社会福祉施設にあっては通常、2年に1回は県や中核市、市町等からの行政監

査(実地監査)を受けることになっています(実地監査を行わない年には書面監

査が行われます)。

監事としても、自分たちの監査がどのような見落としがあり、それがどのよう

な指摘事項とされるのか、また、行政監査で指摘された点をどのように改善させ

ていくのか、ということについて責任を果たしていくため、行政監査の機会に出

席することが適当です。また、それは監査の方法を学習するという効果もありま

す。

社会福祉法人の監事の役割は、これまで以上に重要視されるようになってきて

います。監事の職務遂行に当たっては多くの努力を要し、また困難を伴うことも

多いと思われますが、社会福祉法人に対する国民の信頼を裏切らないためにも、

監事機能の重要性を認識し、適正な法人運営、事業経営の確保のため、監事が十

分にその機能を発揮していく必要があります。

(4) 評議員会(法42条)

① 評議員会

評議員会とは、社会福祉法人の民主的で適正な事業運営を図るために設置される

ものです。

評議員会は、社会福祉法人の高い公共性に鑑み、その事業経営に当たり、広く関

係者の意見を聴き、いやしくも一部の経営者によって社会福祉事業の経営に適正を

欠いたり、営利の追求を行ったりすることのないようにすることがその使命であり、

理事会に対する「諮問機関」と「チェック機関」としての機能を併せ持つものです。

この評議員会に関する主な注意点は以下のとおりです。

ア 評議員会は必ず設置すること。ただし、県又は市町が福祉サービスを必要とす

る者について措置をとる社会福祉事業又は保育所を経営する事業のみを行う法人

については、設置しなくても差し支えありません。

イ 評議員会はこれを諮問機関とし、法人の業務の決定に当たり重要な事項につい

て、評議員の同意を得ること。

また、役員の選任は、評議員会で行うことが適当であること。

ウ 評議員の定数は、理事定数の2倍超とすること。

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エ 各評議員について、親族等の特殊の関係のある者(※1:前掲)に該当する他

の評議員の入数が3人を超えないこと 。

オ 当該法人の設置する社会福祉施設の整備又は運営と密接に関連する業務を行う

者(工事業者、備品・医療品・衣料・食料品等納入業者等)が、評議員総数の3

分の1を超えてはならないこと。

カ 社会福祉事業の経営は地域との連携が必要なことから、評議員には地域の代表

(自治会・町内会・婦人会・商店会等の役員、民生委員・児童委員等)を加える

こと。また、利用者の立場に立った事業経営を図る観点から、利用者の家族の代

表が加わることが望ましいこと。

キ 評議員会と理事会は必ず別々に開催すること(評議員と理事会を合同で開催す

るようなことは、評議員会を形骸化する極めて不適正な行為であり、所轄庁によ

る指導・処分の対象となります)。

② 評議員会の役割

ア 社会福祉法人では、法人運営に当たっての具体的執行権限、責任を持つのは理

事会であり、評議員会の役割としては、法人運営について理事会の相談に応じ、

意見を述べるなど「諮問機関」としての性格が強いものです。

イ 評議員会は 、理事会に対するチェック機能を有するだけではなく、当該法人

が社会的責任を適切に果たしているか、今後どのように社会的責任を果たすべき

なのかといったことを、直接的な経営に携わる理事と異なった立場の評議員が、

広い視野に立つ議論を行い、それを法人運営に反映させていくための組織です。

定款準則においては、そうした評識員会の意見を、単なる諮問に終わらせるこ

となく組織運営上反映させるために、評議員会の原則としての同意を法人の業務

に関する重要事項の決定に際しての必要条件としています。

ウ 定款準則では、重要事項の決定に際して「原則として評議員会の同意を得なけ

ればならない」として、「原則として」という言葉が挿入されていますが、これ

は、評議員会の同意を事後でも差し支えないこととするとともに、一定の場合に

おいては評議員会の同意を不要とするものです。

また、ここでいう「 一定の場合」とは、災害時等緊急に法人としての 意思決

定をする必要がある場合等、理事会として当該法人の運営上、評議員会の同意を

得ることが著しく困難であると認められる場合です。

エ 評議員会で審議すべき事項は以下のとおりです(定款準則14条)。

(ア) 予算、決算、基本財産の処分、事業計画及び事業報告

(イ) 予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄

(ウ) 定款の変更

(エ) 合併

(オ) 解散(合併又は破産による解散を除く。以下この条において同じ。)

(カ) 解散した場合における残余財産の帰属者の選定

(キ) その他、この法人の業務に関する重要事項で、理事会において必要と認め

る事項

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③ 評議員会の運営について

住民の福祉ニーズが多様化してくる中で、社会福祉法人の運営のあり方としては、

地域社会の声や福祉に関する有識者等の意見を、その法人の機関である評議員会と

して取り込み、時代や地域のニーズに対応した社会福祉事業の展開を図っていくこ

とが求められています。

そのような意味において、地域等の福祉ニーズの代弁者としての評議員会の来た

す役割が、より一層高まってくると考えられます。

したがって、法人にあっては、評議員を選任する場合、無理な人選を行ったり、

肩書き等に頼って名目的に選ぶことなく、適切な人選を心がけ、目的意識のしっか

りした評議員会を作っていくことが大切です。

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3 社会福祉法人の設立

(1) 設立手続の概要

○ 社会福祉法人を設立するためには、以下の3つのステップを踏む必要があり

ます。

ステップ1 定款作成

ステップ2 所轄庁の定款についての認可

ステップ3 設立登記

○ 設立の認可を受けたときは、遅滞なく財産目録に記載された財産の移転が終

了したことを証明する書類を添えて、 所轄庁に報告しなければなりません。

(2) 定款の作成(法31条~33条)

① 社会福祉法人に設立に当たり、最も重要なことは、設立者が法人の根本規範たる

定款を作成することです。定款には必ず次の事項を記載することを要し、そのいず

れを欠いても定款は無効です。したがってこれを必要的記載事項といいます。

1.目的 2.名称 3.社会福祉事業の種類 4.事務所の所在地 5.役員に関する事項

6.会議に関する事項 7.資産に関する事項 8.会計に関する事項 9.評議員会を

置く場合にはこれに関する事項 10.公益事業を行う場合はその種類 11. 収益

事業を行う場合にはその種類 12.解散に関する事項 13.定款の変更に関する事

項 14.公告の方法

② 定款の作成に当たっては、 設立当初の役員を具体的に定めることを要するほか、

解散に関する事項の中に残余財産の帰属者に関する規定を設ける場合には、その帰

属者は社会福祉法人その他社会福祉事業を行う者のうちから選定するようにしなけ

ればなりません。

また、社会福祉法人の設立者が上記の必要的記載事項のうち2.から14.までの事

項の全部又は一部を定めないで死亡した場合には、厚生労働大臣が利害関係人の請

求により又は職権で、これらの事項を定めなければならないとされています。

③ 以上のほか、定款には、所轄庁の認可を受けて所要の事項でも定めることができ

ます。これを任意的記載事項といいます。ただし、任意的記載事項も定款に記載さ

れた以上、必要的記載事項と効力の差がなく、その変更については、後述の定款変

更の手続によらなければなりません。

④ 社会福祉法人の定款については、社会福祉法施行規則に定める手続により、所轄

庁の認可を受けなければなりません。

所轄庁は、この認可の申請があったときは、以下の事項等を審査したうえで、当

該定款の認可を決定しなければなりません。

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ア 当該社会福祉法人の資産がその目的とする社会福祉事業を行うのに十分である

かどうか。

イ その定款の内容及び設立手続が法令の規定に違反していないかどうか。

(3) 認可申請

① 申請者(法施行規則2条1項)

社会福祉法人を設立しようとする者は、その定款について所轄庁の認可を受けな

ければなりません。この認可を受けようとする場合には、次に掲げる事項を記載し

た申請書及びび定款を所轄庁に提出しなければなりません。

申請書の具体的書式は、厚生省局長通知「社会福祉法人の認可について」別記

1の様式1に示されています。

ア 設立者又は設立代表者の氏名及び住所

イ 法人の名称及び主たる事務所の所在地

ウ 設立の趣意

エ 役員となるべき者の氏名及び各役員となるべき者について、他の役員となるべ

き者のうちに、その者と婚姻関係又は三親等以内の親族関係にある者がいるとき

は、その氏名及びその者とその続柄

② 添付書類(法施行規則2条2項)[後掲「添付書類目録」参照]

社会福祉法人の設立認可申請書には、次に掲げる書類を添付しなければなりませ

ん。なお、これらの書類のほか不動産の価格評価書その他所轄庁の求める書類の提

出が必要となります。

ア 設立当初においてその法人に帰属すべき財産の財産目録〔(基本財産、運用財

産、公益事業用財産(公益を目的とする事業を行う場合に限る。)及び収益事業

用財産(その収益を社会福祉事業の経営に充てることを目的とする事業を行う場

合に限る。)をそれぞれ区分して記載したもの〕及びその財産がその法人に確実

に帰属することを明らかにすることができる書類

イ その法人がその事業を行うためにアの財産目録に記載された以外の不動産の使

用を予定しているときは、その使用の権限がその法人に確実に帰属することを明

らかにすることができる書類

ウ 設立当初の会計年度及び次の会計年度における事業計画書及びこれに伴う収支

予算書

エ 設立者の履歴書

オ 設立代表者を定めたときは、その権限を証明する書類

カ 役員となるべき者の履歴書及び就任承諾書

③ 提出先(法施行規則2条5項)

厚生労働大臣が所轄庁である社会福祉法人(2以上の都道府県にわたって事業を

行う法人)はその主たる事務所所在地の都道府県知事に対して正本1通、副本2通

を提出しなければなりません。それ以外の社会福祉法人の場合は、所轄庁に正本1

通、副本1通を提出しなければなりません。

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(4) 設立の登記(法28条1項、35条、134条1号)

① 社会福祉法人の定款の認可を受けたときは、その認可のあった日から2週間以内

に、主たる事務所の所在地において設立の登記をしなければなりません(組合等登

記令2条)。

この設立登記をすることによって、社会福祉法人は成立することになります(成

立要件)。

② 社会福祉法人の設立登記は、次に掲げる事項が必要です(組合等登記令2条)。

ア 目的及び業務(定款に掲げる目的、事業)

イ 名称(定款準則2条の名称)

ウ 事務所(定款準則4条の事務所の所在地)

エ 代表権を有する者の氏名、住所及び資格(当該代表権を有する者が法36条の役

員としての欠格事由に該当しない旨)

オ 存続期間又は解散の事由を定めたときは、その期間又は事由(法46条1項2号

の規定に基づき解散事由を定めた場合はその内容)

カ 代表権の範囲又は制限の定めがあるときは、その定め(当該制限に関する内容)

キ 資産の総額(財産目録記載の基本財産、運用財産を現金に評価しこれを加えた

ものから負債を差し引いたもの。これは絶えず変動するものであるから毎会計年

度終了後、主たる事務所及び従たる事務所の所在地において各々2ヶ月以内に変

更登記をすること。)

この登記は、法人を代表すべき者の申請によってなし(組合等登記令25条、商業

登記法47条)、定款及び代表権を有する者の資格を証する書面並びに上記カ、キに

掲げる事項を証する書面を添付することが必要です。

なお、この登記を怠り、または不実の登記をしたときは、その法人の理事又は監

事は、20万円以下の過料に処せられることとなっています。

(5) 財産移転の報告(法25条、32条、35条、法施行規則2条4項)

① 社会福祉法人は、社会福祉事業を行うに必要な資産を備えなければならず、設立

の認可に際しては、申請にかかる社会福祉法人の資産がこの要件に該当しているか

どうかが審査されます。

② しかし、その資産は、設立と同時に、設立にかかる社会福祉法人に帰属するもの

とされているので、社会福祉法人の設立登記がなされ、その社会福祉法人が成立し

た時期に、認可の要件とされた資産が確かにその社会福祉法人に帰属したことを確

かめる必要があります。

そこで、社会福祉法人は、その設立の認可を受けたときは、遅滞なく財産目録記

載の財産の移転を受けて、その移転を終了した後1月以内にこれを証明する書類を

添えて所轄庁にその旨の報告をしなければなりません。

③ この場合の証明書類としては、次のようなものがあります。

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ア 財産目録(設立認可申請の際に添付したものと同一のもの)

イ 登記簿謄本又は登記事項証明書(不動産の寄附申込があった場合)

ウ 受渡書の写し(現金・土地などの寄附申込みがあった場合で、その寄附者から

の寄附申込書及び寄附者に対して発行したもの)

エ 残高証明書(現金などの寄附申込みがありそれを銀行等に預け入れた場合又は

信託会社に信託した場合)

オ その他財産の移転を受けたことを証明する書類

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新たに社会福祉法人を設立して特別養護老人ホームの整備を行う場合のスケジュール

開設 法人関係 施設建設関係 資金調達・会計関係 許認可関係 独立行政法人福祉医療機構25ヶ月前

以前●基本構想 (設立趣意の検討、資料収集)

●設立発起人決定 (人数、構成)

●基本構想(基本構想の検討、関連施設の視察、資料収集、設計者の選定)●建設計画概要決定(施設種別、立地、図面、資金計画)●担当者選任(建設担当、資金調達・経理担当、許認可担当、統括)

24ヶ月前

23ヶ月前

22ヶ月前

21ヶ月前 ●市町公募資料作成

20ヶ月前 ●施設視察 ●市町公募応募

19ヶ月前 ●施設整備概要書提出

18ヶ月前 ●計画詳細検討

17ヶ月前 ●地元説明会 ●実施協議資料提出(県) ●法人設立認可事前協議開始

16ヶ月前 ●開発行為事前協議書●大規模開発申請

15ヶ月前

14ヶ月前

13ヶ月前 ●発起人会 ●県法人施設審査委員会 ●法人設立認可申請書作成 ●事前相談

12ヶ月前 ●補助金内示 ●借入申込(機構)に関する意見書交付(法人→市町→法人→県→法人)

●借入申込書提出

11ヶ月前 ●法人設立認可申請 ●借入申込書受理

10ヶ月前 ●施設視察●理事会(設立・役員選任・予算・諸規程・入札)

●建築工事現場説明会●建築工事入札●工事請負契約締結●設計監理委託契約締結●実施設計承認

●金融機関口座開設●寄附受入(現金・土地)●土地所有権移転登記●財産移転手続終了報告

●法人設立認可●法人設立登記・印鑑登録

●貸付内定通知

9ヶ月前 ●建築確認申請●建築工事着工

●補助金交付申請・交付決定

8ヶ月前

7ヶ月前 ●要件調査票、支払計画書提出

6ヶ月前 ●備品検討

5ヶ月前 ●施設訪問●職員採用試験

●機構資金交付(第1回)●設計監理費支払(第1回)●建築工事費支払(第1回)

●抵当権設定登記(土地) ●貸付契約関係書類の提出(契約の締結)●資金交付請求(第1回)

4ヶ月前 ●理事会(補正予算・入札)

3ヶ月前 ●設備備品入札●備品購入契約締結

2ヶ月前 ●理事会(当初予算・職員採用)●内定職員研修●入居希望者実地調査●入居希望者へ申込書渡す

●諸官公庁竣工検査 (建築確認・消防署・保健所)●建物引き渡し●設備備品納入

●完成検査(補助金)●機構資金交付(第2回)●建築工事費支払(第2回)

●資金交付請求(第2回)

1ヶ月前 ●職員入職・研修●パンフレット作成

●火災保険・賠償保険契約締結●入居判定委員会●入居決定・待機通知●消防訓練

●建物・設備使用訓練 ●補助金実績報告●補助金交付●設計管理費最終支払●建築工事費最終支払●設備備品支払

●施設設置認可申請●介護保険事業者指定申請●診療所開設許可申請●給食施設開始届●建物表示登記

●資金交付請求(最終)

開設 ●登録免許非課税証明申請●建物保存登記●抵当権設定登記(建物)

●事業報告

1ヶ月後 ●理事会(決算・定款変更) ●定款変更(基本財産追加・法人事務所移転)

2ヶ月後 ●法人現況報告書提出

3ヶ月後

4ヶ月後

5ヶ月後

6ヶ月後

7ヶ月後 ●機構借入金償還(第1回)

8ヶ月後 ●理事会(補正予算)

9ヶ月後

10ヶ月後

11ヶ月後 ●理事会(当初予算)

12ヶ月後

13ヶ月後 ●理事会(決算)

14ヶ月後 ●法人現況報告書提出

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添 付 書 類 目 録

添 付 書 類 ○印

1 社会福祉法人○○○○設立発起人会議事録謄本

2 設立当初の財産目録

3 設立当初の財産が法人に帰属することを証する書類

(1) 贈与契約書

(2) 社会福祉法人設立代表者職務代理者就任承諾書及び委任状

(3) 贈与者の身分証明書

(4) 法人の定款等の基本約款、法人登記簿謄本及び当該贈与に係る総会等議事録

(贈与者が法人の場合)

(5) 贈与者の印鑑登録証明書及び所得証明書(贈与者が法人の場合は財務諸表)

(6) 預金残高証明書

(7) 不動産鑑定評価証明書、不動産登記簿謄本、公図、土地所在図、地積測量図及び

所有権移転登記確約書

4 法人に帰属しない不動産の使用権原を証する書類

(1) 貸与確約書

(2) 不動産登記簿謄本、公図、土地所在図及び地積測量図

5 事業計画書及び収支予算書

(1) 平成○年度(※法人設立年度)法人本部事業計画及び収支予算書

(2) 平成○年度(※施設開所年度)法人本部及び施設に係る事業計画及び収支予算書

(3) 資金収支月次試算表

6 設立代表者関係書類

(1) 設立代表者の履歴書、身分証明書及び印鑑登録証明書

(2) 社会福祉法人○○○○設立代表者就任承諾書及び委任状

7 役員就任予定者関係書類

(1) 理事予定者の履歴書、理事就任承諾書、申出書、身分証明書及び印鑑登録証明書

(2) 監事予定者の履歴書、監事就任承諾書、申出書、身分証明書及び印鑑登録証明書

8 評議員委嘱予定者関係書類

(1) 評議員委嘱予定者名簿

(2) 履歴書、評議員就任承諾書、申出書、身分証明書及び印鑑登録証明書

9 施設建設関係書類

(1) 建設計画書及び資金計画財源内訳

(2) 土地利用制限解除等に係る通知書(写)等

(3) 案内図、公図、土地所在図、地積測量図、土地利用図、建物配置図、平面図(冷

暖房及びスプリンクラー平面図を含む)、立面図、室別床面積表及び敷地の写真

(4) 補助金内定通知書(写)

(5) 独立行政法人福祉医療機構借入申込書(写)

(6) 独立行政法人福祉医療機構借入金償還計画書

(7) 償還金贈与契約書、身分証明書、印鑑登録証明書及び所得証明書

(8) 誓約書

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添 付 書 類 ○印

(9) 土地譲渡契約書、所有権移転登記確約書、不動産登記簿謄本、公図、土地所在図、

地積測量図及び売渡人印鑑登録証明書

(10) 造成費、工事費、備品設備整備費、設計監理費見積書

10 施設長関係書類

(1) 履歴書、施設長就任承諾書、身分証明書及び印鑑登録証明書

(2) 履修科目証明書

(3) 社会福祉施設長資格認定講習会課程履修誓約書(※施設長資格を有しない場合)

(4) 社会福祉施設長資格認定講習会課程履修申込受付票(写)(※上に同じ)

11 基本財産編入誓約書

12 仮事務所の使用権原を証する書類

(1) 事務所無償使用承諾書又は事務所賃貸借契約締結確約書

(2) 事務所移転誓約書(特養等施設完成後の当該施設内への)

(3) 建物登記簿謄本

(4) 承諾者の印鑑登録証明書

13 諸規程

(1) 定款施行細則

(2) 決裁規程

(3) 経理規程

(4) 運営規程、重要事項説明書

(5) 就業規則

(6) 給与規程

(7) 育児休業等に関する規則

(8) 介護休業等に関する規則

(9) 旅費規程

(10) 臨時職員雇用規程

(11) 防災規程

※1 添付書類は、各事業者の状況に応じて、適宜、追加・削除・修正してください。

2 図面、履歴書等複数の項目で必要とされている書類は、1部で結構です。最初の項目のところ

に綴じ込んでください。

3 添付書類は、「○印」欄に○を付けて、漏れがないかどうかチェックしてください。

(1) 県に対して提出する書類(印鑑証明、身分証明、謄本、残高証明書等)→原本

(2) 法人と理事等の間で交わされる書類(就任承諾書、贈与契約書等)→写し(原本証明)

※ 原本証明の例

原本と相違ないことを証明します。

平成 年 月 日

(仮称)社会福祉法人 ○○○

設立代表者 ○○○○ 実印

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社会福祉法人○○○○の設立について <チェック表>

設 立 申 請 の 内 容 〔記載例〕 審査基準等への対応状況〔チェック項目〕

1 社会福祉法人 ○○○○(○○○○) (1) 特養が完成するまでは、○○○○が所有する(1) 所在地 ○○市○○町××番地 建物に事務所を置くが、特養が完成した後は、(2) 役 員 理事長 ○○○○ 特養内を事務所とする。

理事 名(理事長含む)、監事○名(3) 評議員 13名(うち理事○名) (2) 関係行政庁の職員が役員になることは公私分

【理事】 離の原則に照らし差し控えること。á 該当なし

氏 名 職 業 等 親族等(3) 実際に法人運営に参画できない者を、役員と

①○○ ○○ ② して名目的に選任することは適当でない。á 該当なし

②○○ ○○ (福)△△会理事 ①(4) 地方公共団体の長等特定の公職にある者が慣

③○○ ○○ ○○市社会福祉協議会理事 例的に、理事長に就任したり、役員として参加することは適当でない。á 該当なし

④○○ ○○ 民生委員(5) 特殊関係人のみが代表権を有していない。

⑤○○ ○○ ○○福祉専門学校教員 á 代表権は理事長のみ

⑥○○ ○○ (6) 理事の定数は6名以上である。á 6名

【監事】 (7) 各理事と親族等の特殊の関係のある者が、関係法令・通知に定める制限数(理事6人の場合

氏 名 職 業 等 親族等 1人)の範囲内である。á 左表のとおり

①○○ ○○ 税理士 (8) 当該法人に係る社会福祉施設の整備又は運営と密接に関連する業務を行う者が理事総数の3

②○○ ○○ ○○福祉大学教授 分の1を超えていない。á 該当なし

【評議員】 (9) 理事には、社会福祉事業について学識経験を有する者又は地域の福祉関係者を加えること。

氏 名 職 業 等 親族等 á 学識経験者○○ ○○ (福)△△会理事

①~⑥同理事 上記理事に同じ ○○ ○○ 専門学校教員(社会福祉論)á 地域の福祉関係者

⑦○○ ○○ 法人会支部長(薬剤師) ○○ ○○ 市社協理事○○ ○○ 民生委員

⑧○○ ○○ 市商工会会長 (10)社会福祉施設を経営する法人にあっては、施設経営の実態を法人運営に反映させるため、1

⑨○○ ○○ 市商工会副会長 人以上の施設長等が理事として参加すること。á 施設長表予定者 理事 ○○○○

⑩○○ ○○ 弁護士 ---------------------------------------------(11)監事は、当該法人の理事、評議員及び職員又

⑪○○ ○○ ○○商店街振興会理事 ⑬ はこれらに類する他の職務を兼任していない。á 該当なし

⑫○○ ○○ (福)□□理事(12)監事のうち1名は財務諸表等を監査し得る者

⑬○○ ○○ 医師 ⑪ であり、1名は社会福祉事業について学識経験を有する者又は地域の福祉関係者である。á ○○ ○○ 税理士á ○○ ○○ ○○福祉大学教授

(13)監事は、他の役員(理事及び監事)と親族等の特殊の関係がある者でない。á 該当なし

(14)監事は、当該法人に係る社会福祉施設の整備又は運営と密接に関連する業務を行う者でない。á 該当なし

(15)評議員の定数は、理事定数の2倍を超える数である。á ○○名≧○○名

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(16)各評議員について、その親族等の特殊の関係のある者が、関係法令・通知に定める制限数(評議員13人以上の場合3人)の範囲内である。á 左表のとおり

(17)当該法人に係る社会福祉施設の整備又は運営と密接に関連する業務を行う者が評議員総数の3分の1を超えていない。á 該当なし

(18)社会福祉事業の経営は地域との連携が必要なことから、評議員には地域代表を加えること。また、利用者の立場に立った事業経営を図る観点から、利用者の代表が加わることが望ましい。á 地域の代表

○○ ○○ 自治会長á 利用者の代表

施設開所後、検討。

(4) 運営施設等 (19)当該法人の事業のうち主たる地位を社会福祉①特別養護老人ホーム:29名(地域密着型個室ユニット型) 事業が占めている。á②老人短期入所事業:10名

(20)法令に基づく施設の最低基準その他の要件を満たすものとして協議済である。á

(21)社会福祉事業に必要な財源の大半を収益事業に求めるような計画の下に行われるものではない。á

(5) 定款 (22)社会福祉法人定款準則に準拠している。á

2 施設について (23)法人は、社会福祉事業を行うために直接必要(1) 用地 な全ての物件について所有権を有していること、①○○市○○町○字××番 1,500.00㎡ 無償貸与 又は国若しくは地方公共団体から貸与若しくは

所有者 ○○市 使用許可を受けていること。② ××番 1,500.00㎡ 売買 á 所有権取得・貸与・使用許可

所有者 ○○○○計 3,000.00㎡(公募) (24)施設用地には、所有権以外の権利が設定され

3,000.00㎡(実測) ていないこと。á 該当なし(2) 建物

鉄筋コンクリート○建 耐火構造①特別養護老人ホーム 2,000.00㎡②老人短期入所(ショートステイ) 450.00㎡

計 2,450.00㎡

3 資金計画について(1) 収支見込み (単位:千円)

支 出 収 入

○建設関係経費 675,000 ○県補助金 -①施設整備費 675,000 ○市町補助金 162,000・設計監理費 25,000 ○寄附金 190,000・建築工事費 638,000 ○借入金 398,800・敷地造成・外構工事費 12,000 ((独)福祉医療機構)

②備品購入費 50,000③用地取得費 50,000

○運転資金等 75,000①法人事務費 10,060②施設当初運転資金 45,000③借入金償還資金(第1回分) 19,940

合 計 750,000 合 計 750,000

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(2) 一時金寄附(贈与契約書 あり)

建設自己資金 千円 【寄附者①】○○○○(××歳)○○法人理事長、○○会社代表取締役

基本財産基金 千円 ・寄附額 150,000千円(運転資金等)・前年の課税所得 80,000千円

用地取得費 85,000千円 ・寄附履行の確認 300,000千円(残高証明書)○○銀行(定期預金)

運転資金 75,000千円【寄附者②】㈱○○○

法人事務費 10,060千円 代表取締役 ○○○○・寄附額 40,000千円(運転資金の一部)

小 計 170,060千円 ・前年未処分利益 300,000千円・寄附履行の確認 80,000千円

借入償還金 19,940千円 (残高証明書)○○銀行(定期預金)

設立時寄附計 190,000千円

※借入償還金寄附も、法人設立時に実行される。 (25)法人設立に際して、寄附金が予定されている場合には書面による贈与契約があること。á 贈与契約書 あり

(26)法人を設立する場合にあっては、必要な資産として運用財産のうちに当該法人の12分の1以上に相当する現金、普通預金又は当座預金等を有していなければならない。指定地域密着型介護老人福祉施設入所者生活

介護(特別養護老人ホーム)等の介護保険法上の事業にも該当する社会福祉事業を主として行う法人を設立する場合にあっては、12分の2以上に相当する現金、普通預金又は当座預金等を有していることが望ましい。á 12分の2以上

(3) 借入償還金寄附

氏 名 法人との関係 年間最多寄附額 20年合計寄附額

○○○○ 理事長 19,940千円 19,940千円

合 計 19,940千円

※ 償還金寄附は、法人設立時に実行される。

(独)福祉医療機構借入金償還計画(償還期間 20年、利率は 2.0%) (単位:千円)

借入先 元 金 利 息 合 計 償還金寄附 介護報酬 居住費

福祉医療機構 398,000 68,195 466,995 19,940 199,533 247,522

(27)独立行政法人福祉医療機構からの借入金に対する償還財源、不動産の賃借料その他必要とされる経常経費について、寄附金が予定されている場合、特に個人の寄附については、年間の寄附額をその者の年間所得から控除した後の所得額が社会通念上その者の生活を維持できると認められる額を上回っていること。á 法人設立時に寄附

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4 法人の財産(設立当初) (28)社会福祉施設を経営する法人にあっては、全(1) 資産の部 190,000,000円 ての施設についてその施設の用に供する不動産①基本財産 85,000,000円 を基本財産としなければならない。

土地 85,000,000円 á 基本財産編入誓約書 あり②運用財産 105,000,000円

建設自己資金 0円運転資金 75,000,000円法人事務費 10,000,000円借入金償還財源 20,000,000円

(2) 負債の部 - 円(3) 差引正味財産 190,000,000円

5 施設運営(1) 施設長予定者 ○○ ○○ á 施設長講習会受講予定(履修誓約書あり)(2) 事業計画・収支計画 á 今後、管理運営の詳細を検討することと併せ、(3) 諸規程の整備 さらに検討し、整備を図る。

定款施行細則、決裁規程、経理規程、運営規程、重要事項説明書、就業規則、給与規程、育児介護休業等規則、旅費規程、臨時職員雇用規程及び防災規程について原案を作成。

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4 社会福祉法人定款準則

(1) 社会福祉法人定款準則

社会福祉法人は、法令の規定に従って定款により定まった目的の範囲内におい

て権利を有し義務を負うものとされ(民法34条)、社会福祉法人が定款に違反した

ときは期限を定めて、必要な措置を採るべき旨を命ぜられることがあります(法

56条2項)。このように定款は、その社会福祉法人の管理運営等に重要な役割を持

つものであり、その作成等に当たっては、十分検討することが重要です。

このような定款の重要性から、厚生労働省では定款準則を示しておりますので、

各法人においては、各社会福祉法人の実情を勘案の上、特別の事情のない限りこ

の準則に準拠して定款を作成する必要があります。

(2) 社会福祉法人に土地建物等を寄附した場合における譲渡所得税の非課税措置

現行税制では、土地建物について無償又は時価よりも著しく低い価格で取引があ

った場合は、時価で取引があったものとみなされ、譲渡者に譲渡所得税が課せられ

ます(所得税法59条1項みなし譲渡課税)。

しかし、贈与又は遺贈された財産を、そのまま社会福祉事業の用に供する場合で、

国税庁長官の承認を得たものについては非課税となります(租税特別措置法40条)。

国税庁の承認にあたっては、法人の適格性と当該寄附された財産の使用状況が審

査されますが、このうち、法人の適格性の要件については法人の公益性が認定され

ることが必要で、これについては当該法人の定款が社会福祉法人定款準則に従って

作成されていれば、この要件を満たすものとされます。

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(3) 社会福祉法人定款準則の解説

第1条(目的)

(1) 本条には、社会福祉法人の行う事業の目的を規定します。この規定は、法

3条(福祉サービスの基本理念)、4条(地域福祉の推進)、5条(福祉サー

ビスの提供の原則)に即して記述することが必要です。

法3条から6条までは、社会福祉法の基本理念を整理したものですが、その趣

旨は、個人が自らの選択に基づいてサービスを利用することができる利用者本位

の制度を整備し、自立を地域社会全体で支援する仕組みを確立していくに当たっ

て、関係者の責任を明確化したものです。

(2) 法人の行う事業は、施設の最低基準その他の要件を満たしている場合にのみ認

可されます。

将来、行おうとする事業(すなわち、社会福祉法人が設立された場合、直ちに

行うことのできない事業)を、定款に列挙することはできません。このような事

業は、将来必要な要件を具備し、着実な計画のもとに確実に事業を行い得る段階

に至った時、定款変更の認可申請をし、その法人の事業の中に当該事業を加える

ことになります。

このことは、法人の行う社会福祉事業にとどまらず、公益事業及び収益事業に

ついても同じことなので、注意が必要です。

要するに、定款に掲げる事業は、それが社会福祉事業であると否とを問わず、

その事業の裏付けとなる資産を備えることを要し、それがまた法人の事業計画書、

収支予算書等と一体となることが要求されています。

なお、新規事業を行うに際しては、施設の許認可、補助金の協議を進めると同

時に、定款変更関係の事務を進めることが必要です。

第2条(名称)

法人及び施設の名称は、個人名や屋号等の特定のものから引用することは認められ

ません。

また、既存施設の名称と混同を招くような名称についても好ましくないので、この

場合、事前に関係者等と十分協議、調整することが必要です。

第3条(経営の原則)

(1) 福祉サービスの提供において中心的な役割を果たしている社会福祉法人は、

介護保険制度等、利用者が自らサービスを選択する利用制度の導入に伴って、

そのあり方についても大きく変わっていくことが求められます。

それにはまず、利用者から選択されるために自主的に創意工夫を行って、よ

り質の高いサービスの提供方法を目指すとともに、国民の高い信頼を得るため

に、事業の効率性や透明性を確保していく積極的な姿勢が求められます。

(2) このような観点から法24条において社会福祉法人の(経営の原則)が定め

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られています。それに伴い、法人の定款においても経営の原則を明記すること

が求められたものであり、できる限り準則に即して定めることが必要です。

なお、社会福祉法人の経営において事業の効率性や透明性の確保といった目

的を達成していくため、法制度上、次のような規定の整備が行われています。

① 社会福祉法人の経営の原則(法24条)

福祉サービスの提供において中心的な役割を担うことが求められる社会福祉

法人について、その経営基盤の自主的な強化、提供するサービスの質の向上、

及び事業経営の透明性の確保が、社会福祉法人の経営の原則として規定されて

います。

② 財務諸表等(法44条)

①の経営の原則のうち社会福祉法人の事業の透明性を確保し、かつ福祉サー

ビスの利用者が社会福祉法人の提供する福祉サービスの選択に必要な判断材料

となる情報を入手できるようにするため、財務諸表等必要な書類の閲覧を可能

にする必要があります。

このため、社会福祉法人に対して事業報告書、財産目録、貸借対照表及び収

支計算書並びにこれに関する監事の意見を記載した書面を各事務所に備え置き、

当該社会福祉法人が提供するサービスの利用希望者等の利害関係者から請求が

あった場合には、請求権の濫用と認められるような例外的な場合を除き、原則

として閲覧に供しなければならないこととされています。

第4条(事務所の所在地)

(1) 主たる事務所は、法人の運営や業務の一般的総括を行うところであり、民法

の公益法人の場合と同様に主たる事務所の所在地が当該社会福祉法人の住所と

なります(法27条)。

主たる事務所は、定款に記載しなければならず、また、登記をすることを要

し、登記なくしては第三者に対抗できません。

(2) 法人の事業活動が場所的に広範囲にわたる場合、事業の遂行上、地域ごとに

支部を設け、この支部が当該地域における法人の事業活動の中心となる場合に

は、これを従たる事務所とすることができます。従たる事務所に対する法律行

為の効果は、すべての法人に帰属します。従たる事務所は、その所在地を定款

に記載するとともにこれを登記することが必要です。

なお、支部という名称を用いても、すべての行為が本部の指示を受けなけれ

ばならないものは、従たる事務所とはいえず出張所と解すべきです。

第5条(役員の定数)

(1) 第4項の「特殊の関係がある者」とは、社会福祉法人審査基準では、「租税特

別措置法施行令25条の17第6項1号に規定する親族等をいう」こととされてお

り、その内容は次のとおりです。

① 当該役員(下図の本人)と親族関係にある者。具体的には、(a)6親等内の血

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族、(b)配偶者、(c)3親等内の姻族

② 当該親族関係を有する役員等(下図の本人)とまだ婚姻の届出をしないが、

事実上婚姻関係と同様の事情にある者

③ 当該親族関係を有する役員等(下図の本人)の使用人及び使用人以外の者で

当該役員等から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者(社会

福祉法人の職員は、社会福祉法人の使用人であることから、ここでいう親族等

特殊の関係のある者には含まれません)。

④ ②又は③に掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしている者

⑤ 次に掲げる法人の法人税法2条15号(定義)に規定する役員((a)において会

社役員という)又は使用人である者

(a) 当該親族関係を有する役員等(下図の本人)が会社役員となっている他の法

(b) 当該親族関係を有する役員等(下図の本人)及び②~④までに掲げる者並び

にこれらの者と法人税法2条10号(定義)に規定する政令で定める特殊の関

係にある法人を判定の基礎にした場合に同号に規定する同族会社に該当する

他の法人

特殊の関係のある者(図式)

(役員) ② (生計同一) ④

法人 本人 内縁の妻 親族

金銭 ③ (生計同一) ④

使用人 ⑤ 役員 使用人等 親族

会社役員とは

法人の取締役、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営

に従事している者のうち政令で定めるものをいいます(法人税法2条15号)。

この場合の法人とは、株式会社等の営利法人に止まらず、学校法人やNPO法人など

当該社会福祉法人以外のすべての法人を指しますので注意が必要です。

なお、評議員は役員ではありませんから、この「会社役員」には該当しません。

同族会社とは

株主等の3人以下及びこれらの同族関係者が所有する株式の総数又は出資の金額の

合計額が、その会社の発行済株式の総数又は出資の金額の50%以上に相当する場合のそ

の会社をいいます(法人税法2条10号)

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(2) 法律上の役員は、理事、監事のみであって、例えば、評議員は、定款で評議

員を議決機関とした場合もその構成員となるにすぎません。したがって、役員

とそうでない評議員等は別記とすることが必要です。

(3) 評議員会を設ける法人にあっては、役員の選任は、評議員会で行うことが適

当です。

第6条(役員の任期)

(1) 次の役員の選任は、現役員の任期満了前に必ず終わっておく必要があります。

(2) 後任の理事を定めないままに役員の任期が満了した場合は、所轄庁の仮理事

の選任が必要となります。

仮理事の権限は、通常の理事が有する権限と何ら異なるものではありません

が、仮理事選任の目的である遅滞のため損害を生ずるおそれの原因の除去を終

えたときは、すみやかに通常の形に復し、所轄庁に辞任の届出を提出すること

が必要です。

また、仮理事により選任された理事の任期については、その委嘱の日から開

始します。

第7条(役員の選任等)

(1) 評議員を設ける場合には、本条のように理事や監事の選任も評議員会におい

て行うこととすることが適当です。

(2) 役員の選任については、法36条及び61条の規定を尊重・遵守することが必要

です。

特に、関係行政庁の職員が法人の役員となることは、法61条に規定する公私

分離の原則に照らし適当ではないので、社会福祉協議会の場合を除き差し控え

ることが必要です。

第8条(役員の報酬等)

役員の報酬の額については具体的な基準はありませんが、その報酬が当該社会福祉

法人の収支状況等から見てあまりに多額になると、実質的配当とみなされ、国民の信

頼と期待を損うおそれがあります。

社会福祉法人は、税制上の優遇を受けている等極めて公共性の高い法人であること

から、このような法人に属する役員等の報酬が社会的批判を受けるような多額なもの

であってはなりません。

なお、役員に対して旅費、日当等何らかの報酬が支払われる場合も同様です。

第9条(理事会)

(1) 理事会の議長については、法人のより民主的な運営の確保を図っていくため、

その都度選任することとされているので、理事長等特定の理事が慣習的に選任さ

れることがないよう注意が必要です。

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(2) 第5項は、単に理事会開催の定足数を定めたものであり、第6項の議決には

関係ありません。

すなわち、第6項の規定によれば、議決は、理事総数の過半数の同意を要す

るものとされており、出席理事の過半数で議決することはできないので、注意

が必要です。

(3) 議長の議決権としては、第6項に規定するように、可否同数のときの決定権

が与えられています。

よって、可否同数のときより前に理事としての議決権を与えることは、議長

が二重の投票権を有する結果となるので、議長は、可否同数のとき以前には議

決権を行使することはできないことに注意が必要です。

(4) 「理事会の決議について、特別の利害関係を有する」とは、法人と理事との

利害が相対立する関係にあるものについて議決するような場合、例えば、法人

と理事との間での契約(理事長が所有する土地を法人に贈与する場合等)又は

訴訟について議決する場合、役員としての責任の追及について議決する場合な

どをいいます。

なお、理事長等を理事会において互選するときは、理事長が決定するまでは

特別利害関係人が特定しないため、理事長に互選された当該理事も議決権を有

すると解して差し支えありません。

(5) 特定の理事の解任に関する議決については、その理事は特別利害関係人に当

たると解されます。

(6) 備考の(5)については、当然のことながら当該理事は「特別の利害関係を

有する理事」に該当するものですが、法人のより適切な運営の確保を図るため、

入念的に規定されているものです。

(7) 理事会を開いたときには、必ず議事録を作成しなければなりません。議事録

がないと、議決されたことが確認できないので第三者に対抗することが難しく

なります。

なお、法人の意思決定は、理事会の議事録により証明されるものであり、当

然その責任は理事長及び議事録署名人の理事以外の理事も有するものです。そ

のため、法人理事全員がその内容を周知しておくことが必要です。

(8) 書面による表決は、「あらかじめ通知のあった事項」に限られるものであり、

あらかじめ通知をしていない事項を議事とした場合には、書面表決はできませ

ん。また、本規定を定款に定めていない法人にあっては、理事の書面出席は認

められません。

(9) 理事の理事会における議決権を他の理事に委任することはできません。

したがって、理事会を招集せず全理事に書面による表決を行わせたり、理事

会に出席できない理事についてその議決権を理事長等に一任するとした委任状

を徴することは、著しく適正を欠く行為であり、所轄庁による指導・処分の対

象となります。

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第10条(理事長の職務の代理)

理事長個人と利益相反する行為となる事項及び双方代理となる事項については理事長

は代表権を有せず、職務を代理する理事の選任が必要です(第2項)。

理事長個人が、借入金の償還財源として贈与契約により寄附するような場合は、この

規定を設ける必要があります。

なお、この場合の職務を代理する理事の選任は、利益相反行為や双方代理となる事項

ごとにその都度定める必要があります。この場合、第1項の規定により理事長に指名さ

れた理事が選任されるのは差し支えありません。

第11条(監事による監査)

(1) 第1項の「理事の業務執行の状況及び法人の財産の状況を監査」とは、

① 理事の業務執行の状況を監査するとは、理事の業務執行の状況が適法に行わ

れ、法人の事業の遂行が適正であるかどうかを監査することです。

② 法人の財産の状況を監査するとは、法人の財産目録、貸借対照表その他法人

の財産に関する一切の書類、帳簿、現金等を調査し、その真偽、不正記載の有

無等を確かめることです。

(2) 監事の監査の結果については、監査結果報告書を作成し、理事会及び評議員

会に報告することとされ、監事による法人内部の牽制機能のより一層の充実を

図るため、これを毎年定期的に行うことを明文化するとともに、その結果を所

轄庁にも報告することとされています。

(3) 第3項の「必要があると認めるとき」とは、実地の監査を行った場合でなく

とも、理事の業務執行及び法人の財産を監督するうえにおいて、その状況が不

整化するのを事前に防止する必要又は理事への反省を求める必要が生じたとき

をいいます。

(4) 第3項の規定による理事会への出席及び意見の陳述は、監事が自らの職務権

限の1つとして行うものですから、理事会はこれを拒むことはできないもので

す。

(5) 監事は外部に対して法人を代表する権限はありません。

(6) 監事は、法人に対してその職務を忠実に遂行すべき義務を負うべきことは理

事と同様ですが、監事が数名の場合にも、監査実施機関という性質に鑑み、各

監事が独自に責任を負った職務を行うことになります。

第12条(職員)

職員については、理事長が任免することとして差し支えありませんが、社会的責任

が強く求められる施設長については、理事会の議決を経て、理事長が任免することと

されています。

第13条(評議員会)

(1) 社会福祉事業の経営は、地域との連携が必要なことから、評議員に地域の代表

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を迎え、地域住民の積極的な協力を得るよう心がけることが必要です。また、

利用者の立場に立った事業経営を図る観点から、利用者の家族の代表が加わる

ことが望ましいといえます。

また、評議員の定数は、理事の定数の倍を超える数に定めなければならない

ことに注意する必要があります(法42条2項)。また、実質的な審議が確保さ

れるよう概ね40名以内に止めることも必要です。

なお、役員の選任は、評議員会において行うことが適当です。

(2) 第6項は、単に評議員会の定足数を定めたものであり、第7項の議決には関

係ありません。

すなわち、第7項の規定によれば、議決は、評議員総数の過半数の同意を要

するものとされており、出席評議員の過半数で議決することはできないことに

注意が必要です。

(3) 議長の議決権は、第7項に規定するように、可否同数のときの決定権を与え

られています。

よって、可否同数のときより前に評議員としての議決権を与えることは、議

長が二重の投票権を有する結果を招くような事態も生ずることとなるため、議

長は、可否同数のときより以前には、議決権を行使することはできないことに

注意する必要があります。

(4) 評議員の報酬については、基本的には役員と同様の考え方です。

第14条、15条(評議員会の権限)

評議員会の権限については、ここに一括記載すれば、各条に必ずしも書くことを要し

ませんが、重要な規定については、各条ごとに入念に規定することも考えられます。

第16条(評議員会の資格等)

(1) 評議員の選任にあたっては、肩書き等に頼って名目的な評議員を選ぶことな

く、適切な人選を心がけ、目的意識のしっかりした評議員会を作っていくこと

が求められます。

(2) 社会福祉法人審査基準では、当該社会福祉法人にかかる社会福祉施設の整備、

運営と密接に関連する業務を行う者が、評議員総数の3分の1を超えることは

適当でないとされているので、このような者を委嘱する場合には、この要件を

満たす必要があります。

(3) 関係行政庁の職員が評議員となることは、法61条に規定する公私分離の原則

に照らして適当ではないので、社会福祉協議会を除いては、差し控えることが

必要です。

第18条(資産の区分)

(1) 社会福祉法人の資産は、基本財産、運用財産、公益事業用財産(公益事業を

行う場合に限る。)及び収益事業用財産(収益事業を行う場合に限る。)に区分

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されます。

社会福祉施設を経営する法人にあっては、すべての施設についてその施設の用

に供する不動産は基本財産としなければならないことされています。ただし、す

べての社会福祉施設の用に供する不動産が国又は地方公共団体から貸与又は使用

許可を受けているものである場合にあっては、1,000万円以上に相当する資産(現

金、預金、確実な有価証券又は不動産に限る。以下同じ。)を基本財産として有

していなければならないこととされています。

なお、上記以外の財産であっても、法人が重要と認める財産は基本財産とし

て差し支えありません。

(2) 基本財産は法人の存立の基礎となる財産であるから、これを処分し又は担保

に供する場合には、法人の所轄庁である都道府県知事等の承認を受けなければ

なりません。これに対し、運用財産は、基本財産、公益事業用財産及び収益事

業用財産以外の財産ですが、基本財産とは異なり、その処分等について特別の

制限はありません。

ただし、運用財産の中には社会福祉事業の存続要件となるものがあるので、

これについてはみだりに処分してはならないほか、不当に法人の利益を損なう

ような処分をしてはいけません。

(3) 基本財産である不動産の表記は、不動産登記簿の表示と同一とすることが必

要です。

また、記載にあたっては、定款のここに書くことが不体裁な場合は、定款の

別表にしても差し支えありません。

(4) 法人事務所並びに施設所在地を選挙区とする議員からの寄附は、公職選挙法

に抵触するため受けることができないので、注意する必要があります。

第19条(基本財産の処分)

(1) 基本財産は、法人存立の基礎となるものです。したがって、これを処分し、

又は担保に供しようとする場合には、「所轄庁」の承認を受けなければならない

旨を定款に明記しなければなりません。

ただし、独立行政法人福祉医療機構に対して基本財産を担保に供する場合に

は、「所轄庁」の承認は不要です。

(2) 基本財産処分承認を受けるべき事項としては、基本財産の取り壊し、売却、

交換、貸与等使用権の設定、運用財産への切り替え及び収益事業用財産への切

り替え等が該当します。

(3) 基本財産処分承認を省略してよい場合としては、

施設の建て増しを行おうとする場合で、財産処分の内容が境界となる壁の取

り壊し等にとどまり、建物の基本的形状には変更がないと認められ、仮に修復

するとしても多額の費用を要しないような場合

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(4) 基本財産に根抵当権を設定することは認められません。

根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保する抵

当権です。

社会福祉法人の基本財産を担保に供することが認められるのは、具体的な必

要性がなければなりませんが、将来にわたって発生する債務のために抵当権を

設定しなければならないという必要性は、通常認められないものです。

また、根抵当権は附従性がないため、その担保する元本がすべて特定のもの

として確定するまでは、増減変動する債権を継続して担保することになり、法

人の存立の基礎たる財産がこの間継続して不安定な状態に置かれることになり

ます。

このように基本財産に根抵当権を設定することは、必要性、妥当性の両面か

ら認められません。

第20条(資産の管理)

(1) 確実な金融機関としては、銀行、郵便官署、信用金庫、農業協同組合等が考

えられます。

(2) 確実な有価証券という場合の「確実」とは、元本保証・確定利回りであるこ

とを意味し、確実な有価証券の具体例としては、国債・地方債等が考えられ、

その価値が株式市場・為替市場等の相場変動により変化する株式等は含まれま

せん。

第21条(特別会計)

事業内容等が複雑な社会福祉法人の会計においては、経理の明確化のため社会福祉

事業の経営に供される財産の会計とその他の公益事業及び収益事業の経営に供される

財産の会計を区分する取扱いとしています。

第22条(予算)

(1) 社会福祉法人の予算は、毎会計年度における当該法人の財務指針として、当

該法人の事業計画の大綱を確立し、事業の円滑な運営を図る目的をもって収支

の合理的規制を行うものです。

したがって、理事長は次の点に留意して予算を編成する必要があります。

① 収入、支出予算規模

法人において一定期間の収入、支出の区分をはっきりさせて、収入はその全

額を収入予算に計上し、支出もまたその全額を支出予算に計上することが法人

予算編成の原則です。

収入予算の規模は、会計単位別の当該期中の予定収入総額と前期繰越金(見

込額)との合計額を限度額にしなければなりません。支出予算の規模は、収

入合計額を限度に収支の均衡を失しないように定めなければなりません。

② 各予算科目の経費の見積

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予算は、収入支出の予算科目に従って全額を予定的に計算して系統的組織的

に編成することが要求されます。

経費の見積は、当該法人の目的を達成するために行われる経営活動にかかる

事業計画の内容を計数的に表示することが基本になります。

手順としては、まず当該予算年度における社会福祉法人の運営方針の大綱及

び組織単位の事業計画を策定し、予算の編成方針を明確にします。予算編成方

針が決まれば、その方針に則って必要な資料を集め予算の見積作業を行います。

収入・支出の見積作業は、予算科目別に集められた資料に基づく員数・単価を

基礎として積算します。

(2) 社会福祉法人の予算は、理事総数の3分の2以上の同意を得て成立します。

定款準則22条の趣旨は、会計年度前に法人予算を成立させ、業務執行に支

障を生じさせないこととすることにあるので、会計年度開始前までに同意を得

ておく必要があります。

第23条(決算)

(1) 会計責任者は、毎会計年度末日において決算整理を行い、総勘定元帳及び各

種補助簿を締め切り、決算財務諸表を作成して、これを理事長に提出します。

決算にあたり会計責任者が作成しなければならない決算財務諸表は次のとお

りです。

① 資金収支計算書及びこれに附属する資金収支内訳表

② 事業活動収支計算書及びこれに附属する事業活動収支内訳表

③ 貸借対照表

④ 財産目録

⑤ 附属明細書

(2) 理事長は、会計責任者が提出した決算原案を承認した段階で監事に提出し、

監査を実施させます。

決算理事会においては、監事は理事会が決算を承認する前に、実施した監査

の結果について意見を述べます。

(3) 法人の業務及び財務等に関する情報については、法人の適切な運営に資する

ため、法人の広報等を活用することなどにより自主的に開示することが必要で

す。

開示の相手先については、社会福祉法人は極めて公益性の高い法人であるこ

とから、相手先を限定することなく、広く開示を行うことが必要です。

第24条(会計年度)

社会福祉法人の会計年度については、法44条1項に規定されているものであり、各

々の法人の都合で変更することはできません。

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第25条(会計処理の基準)

社会福祉法人は「社会福祉法人会計基準の制定について」(平成23年7月27日付老発

0727第1号厚生労働省老健局長ほか2局長通知)に基づき、会計処理を行います。

第26条(臨機の措置)

当初予算で定めているもの以外に、新たな予算措置が必要な場合、または法人が持

っている権利を放棄しようとする際には、理事長等の専決で処理することなく、理事

総数の3分の2以上の同意を得た後でなければなりません。

また、この規定中の「新たな義務の負担」というものの中には、当然、金銭の借入

なども含まれています。

第27条(種別)

(1) 実施する事業内容については、具体的に記述することが必要です。

(2) 2項は、法39条にいう別段の定めであり、公益事業に関する事項については、

理事総数の3分2以上の同意を得なければなりません。

第28条(収益が出た場合の処分)

公益事業から生じた収益については、社会福祉事業のみならず、公益事業にも充て

ることができます。

第29条(解散)

法46条1項1号及び3号から6号までの解散事由とは、

① 理事の3分の2以上の同意及び定款でさらに評議員会の議決を要すると定めら

れている場合には、その議決(1号)

② 目的たる事業の成功の不能(3号)

③ 合併(4号)

④ 破産(5号)

① 所轄庁の解散命令(6号)

が、あげられます。

第30条(残余財産の帰属)

社会福祉法人の残余財産については、法47条において、合併及び破産の場合を除

き、定款の定めるところによりその帰属すべき者に帰属するほか、これにより処分さ

れない財産は国庫に帰属すると定められています。

また、法31条3項において、残余財産の帰属すべき者を定める場合には、その者は、

社会福祉法人その他社会福祉事業を行う者のうちから選定されなければなりません。

この定款準則に背き、残余財産の帰属者を社会福祉法人その他社会福祉事業を行う

者以外の者から選定することは、法に違反することになり認められません。

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第31条(合併)

合併は、ほかの法人を吸収する吸収合併と、2以上の法人が合併して新たな法人を

新設する新設合併があります。

第32条(定款の変更)

(1) 社会福祉法人の定款変更については、法43条により所轄庁の認可(届出事項

を除く。)を受けなければその効力を生じません。また、定款変更に際しての法

人内部の手続としては、理事総数の3分の2の同意が必要です。

(2) 厚生労働省令で定める届出事項として、次のものがあげられます。

① 事務所の所在地

② 資産に関する事項のうち、基本財産の増加に関するもの

③ 公告の方法

第33条(公告の方法)

(1) この法人の公告は、社会福祉法人の公共性に鑑み、できるだけその趣旨に則

った方法で公告しなければなりません。

(2) 新聞については、具体的な新聞名まで記載しなくても差し支えありません。

第34条(施行細則)

法人は、定款の定めに従い運営されることとなりますが、定款はいわば憲法に当た

るものであり定款ですべてを定めることは不可能です。そこで法人運営上、重要な事

項については、施行についての細則を別途定めることになります。

また、定款は所轄庁の認可を受けなければその効力を発生しませんが、施行細則に

関しては、法人の自主性に任されており、理事会において改廃することができます(理

事長が専決することはできません。)。

施行細則に関する具体例をいくつか上げれば、理事会運営規則、監査規則、事務処

理規則、就業規則等があります。

なお、法人が自主的に定めることのできる施行細則とはいえ、法律や定款の規定に

従い定めなければならないことはいうまでもありません。

附 則

(1) 設立当初の役員とは、設立者が決定した役員であって、定款の選任手続に基

づいて選任された役員ではありません。したがって、法人の成立後は定款の規

定により正規の役員を選任する必要があり、定款準則では法人の成立後遅滞な

く選任することとされています。

医療法人等他の法人制度においては、設立当初の役員の任期を2年や1年の

ように明定しているものもありますが、社会福祉法人にあっては、その公共性

を確保するため、より早い時期に行うこととして遅滞なく選任することと定め

たものです。

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このことから、設立当初の役員の任期は、正規の役員が任命されるまでの期

間に限られます。

(2) 設立登記をして法人格を取得した後、正規の役員を選任するまでの手続の流

れは、次のとおりです。

設立登記

速やかに、定款に記載した設立当初の理事により第1回の理事会を開催

→ 評議員を選任(評議員の任期はこの日から2年間)

評議員会を開催 → 役員を選任(役員の任期はこの日から2年間)

第2回理事会を開催 → 理事長を決める

理事長の(就任・再)登記

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5 定款変更の手続

(1) 定款の変更(法43条)

社会福祉法人の定款を変更するには、その法人の定款に定める手続を経なけれ

ばなりません。定款準則では、「この定款を変更しようとするときは、理事総数の

3分の2以上の同意を得て、~」と規定され、その法人運営の根拠となる定款の

変更に一定の条件を課しています。

そして、社会福祉法人の設立に際して、その定款につき、所轄庁の認可を要す

るものとしているのと同様に定款の変更についても所轄庁の認可を要するものと

しており、認可を受けない定款の変更は、その効力を生じません。

なお、厚生労働省令で定める事項(後掲(3))の変更については、届出だけで

足ります。

(2) 定款変更の認可の手続(法施行規則3条)

社会福祉法人が定款変更(届出事項を除く。)をしようとする場合には、社会福

祉法人定款変更認可申請書に次に掲げる書類を添付して、所轄庁に認可の申請を

しなければなりません。

① 定款に定める手続を経たことを証明する書類

② 変更後の定款

③ 当該法人が新たに事業を経営する場合に係るものであるときは、以上のほか、

次に掲げる書類

ア 当該事業の用に供する財産及びその価格を記載した書類並びにその権利の所

属を明らかにすることができる書類

イ 当該事業を行うためアの書類に記載された不動産以外の不動産の使用を予定

しているときは、その使用の権原の所属を明らかにすることができる書類

ウ 当該事業について、その開始の日の属する会計年度及び次の会計年度におけ

る事業計画書及びこれに伴う収支予算書

④ 当該法人が従来経営していた事業を廃止する場合に係るものであるときは、③

ア~ウのほか、廃止する事業の用に供している財産の処分方法を記載した書類

(3) 定款変更の届出(法43条3項、法施行規則4条)

社会福祉法人が定款を変更する場合には、所轄庁の認可を要することは上記のと

おりですが、次に掲げる場合には届出で足ります。

① 事務所の所在地の変更(法31条1項4号)

② 資産に関する事項の変更(法31条1項7号)で基本財産の増加に係る場合

③ 公告の方法の変更(法31条1項14号)

この届出は、定款の変更認可申請書に準じた定款変更届出書に定款に定める手続

を経たことを証明する書類及び変更後の定款を付して、所轄庁に届け出ることが必

要です。

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(4) 定款変更に伴う変更登記(法28条)

社会福祉法人を設立し、所轄庁の認可を得た場合には、その設立の登記をします

が、その設立登記の登記事項が定款変更に伴って変更された場合には、所定の期間

中に変更の登記をしなければなりません。

① 従たる事務所の新設の登記

社会福祉法人が成立後に従たる事務所を設けたときは、

ア 主たる事務所の所在地においては、2週間以内に従たる事務所を設けたことを

登記し、

イ その従たる事務所の所在地においては、3週間以内に設立登記と同一の事項を

登記し、

ウ 他の従たる事務所の所在地においては、3週間以内にその従たる事務所を設け

たことを登記しなければなりません。

なお、既にある主たる事務所又は従たる事務所の所在地を管轄する登記所の管轄

区域内において新たに従たる事務所を設けたときは、その従たる事務所を設けたこ

とを登記すれば足ります。

② 事務所の移転の登記

社会福祉法人が主たる事務所を移転したときは、

ア 2週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、

イ 新所在地においては、設立登記と同一の事項を登記し、

従たる事務所を移転したときは、

ウ 旧所在地においては、3週間以内に移転の登記をし、

エ 新所在地においては、4週間以内に設立登記と同一の事項を登記しなければな

りません。

なお、同一の登記所の管轄区域内において主たる事務所又は従たる事務所を移転

したときは、その移転の登記をすれば足ります。

③ 変更の登記

社会福祉法人が、設立登記の登記事項に変更が生じたときは、主たる事務所の所

在地においては2週間以内に、従たる事務所の所在地においては3週間以内に、変

更の登記をしなければなりません。

なお、資産の総額の変更の登記は、毎事業年度末日現在により、その事業年度終

了後、2月以内にすれば足ります。

(5) 定款変更認可申請書

社会福祉法人が定款変更の認可を受けようとするときは、定款変更認可申請書と

必要な添付書類を主たる事務所の所在地の所轄庁に提出しなければなりません(施

行規則3条1項)。

この際、都道府県市が所轄する社会福祉法人は、直接所轄庁へ申請し、厚生労働

大臣及び地方厚生局長が所轄する社会福祉法人は、主たる事務所の所在する都道府

県知事を経由して申請を行います。

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なお、この認可申請書には、副本1通(法30条2項の法人にあっては副本2通)

を添付することが必要です。

定款変更認可申請書の具体的書式は、厚生省局長通知「社会福祉法人の認可につ

いて」別記1の様式2に示されています。

(6) 添付書類作成上の留意事項(法施行規則3条)

① 全般的共通事項

ア 定款に定める手続を経たことを証明する書類

例えば、理事会及び評議員会議事録の謄本(抄本)

イ 変更後の定款

② 新たな事業の開始に係る定款変更

ア 当該事業の用に供する財産及びその価格を記載した書類並びにその権利の所

属を明らかにすることができる書類

ここでいう財産が不動産である場合には「その権利の所属を明らかにするこ

とができる書類」とは、当該不動産に係る登記簿謄本です。また、ここで「価

格を記載した書類」には、不動産評価書を添付する必要はありません。

イ 当該事業を行うため財産目録に記載された以外の不動産の使用を予定してい

るときは、その使用の権原の所属を明らかにすることができる書類

(ア) 当該不動産に係る賃貸借契約書

(イ) 当該不動産を契約の相手が所有していることを証明する書類(不動産

の登記簿謄本)

(ウ) 賃借権の登記

ウ 当該事業について、その開始の日の属する会計年度及び次の会計年度におけ

る事業計画書及びこれに伴う収支予算書

なお、事業計画については、職員の状況を含めたできるだけ詳細な事業計画

を掲げることが必要です。

エ 当該事業のために新たに建物を建築する必要のある場合には、その財源(借

入金で行う場合には償還財源)を証する書面

(ア) 資金計画、計画図面、建設関係収支予算書(設備備品関係を含む。)

(イ) 都道府県、市町村等の補助金の交付決定(内示)通知の写し

(ウ) 独立行政法人福祉医療機構からの借入の場合には、貸付内定通知及び

償還計画

オ 当該事業が受託事業の場合(上記ウのほかに)

(ア) 委託者との委託契約書

(イ) 受託事業の概要

なお、公の施設の受託経営の場合は、以上のほか、当該施設の設置及び管

理委託に関する事項を定めた条例も添付することが必要です。

③ 事業の廃止に係る定款変更

廃止する事業の用に供してる財産の処分方法、及び社会福祉事業の廃止届等(写)

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を添付することが必要です。

なお、この場合は、財産目録、不動産等の権利の所属についての証明書、不動

産の価格評価書、事業計画、収支予算書は不要です。

(7) 事務処理上の留意事項

以上のほか、定款変更の事務処理に当たっては、次の事項に注意して下さい。

① 手戻りを防ぐため、定款の変更を理事会に付議する間に、変更(案)について、

あらかじめ、所轄庁と協議して下さい。(なお、これは、定款変更についての技術

的助言のための協議であり、理事会の内容を事前に所轄庁あて報告することを義

務づけたものではありません。)

② 定款変更の審査に当たっては、変更申請にかかる項目以外の項目についても、

現行の定款準則に適合しているか否かや記載誤りの有無等について、併せて審査

を行います。

③ 新たな事業を開始する場合は、当該事業を開始する前に定款変更を終了させて

ください。

④ 社会福祉事業にかかる事業目的の追加についての定款の変更をした際に、土地

の購入や新たな施設整備を行った場合には、新たに購入した土地や新設した施設

についての登記を経た後に、当該資産について基本財産への編入を行い、基本財

産の増加にかかる定款変更の届出を忘れずに行って下さい。その際、土地又は建

物の登記簿謄本を必ず添付してください。

なお、基本財産となる建物の面積は、登記簿上の面積で記載しますので注意が

必要です。

⑤ 基本財産の処分を行う場合は、基本財産処分承認申請を所轄庁に提出し、所轄

庁の承認があったのち、当該財産を処分した時点においてすみやかに定款変更の

手続を実施することが必要となります(6基本財産の処分及び担保提供(2)基

本財産の処分承認手続参照)。

⑥ 前掲(3)①~③の事項の変更のみの場合は「定款変更届出」のみで足ります

が、これら以外の事項についても変更がある場合は「定款変更認可申請」になり

ます。

⑦ 大臣所管の法人については、変更認可に不測の日数を要することもあるため、

変更認可申請が必要な場合は、速やかに申請できるよう事務処理を進める必要が

あります。

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定 款 変 更 認 可 手 続 き の 流 れ ( 所 轄 庁 が 県 の 場 合 )

[申請者→県] ① 定款変更認可申請書(案)及び定款(変更前・後)の

内容について高齢対策課と事前協議

(来課やFAX等による協議)

[申請者←県] ② 申請書(案)の内容に修正事項がある場合は技術的助言

を行う。

③ 事前協議終了

[申請者] ④ 定款変更について評議員会及び理事会にそれぞれ付議

(評議員会では評議員会総数の過半数、理事会では理事総

数の2/3以上の同意を得て議決)

[申請者→県] ⑤ 定款変更認可申請書及び添付書類を所轄庁あて提出

[県] ⑥ 高齢対策課において、申請内容を審査

[県] ⑦ 定款変更認可

[申請者←県] ⑧ 認可通知書を申請者あて送達

※ 上記は、栃木県知事が所轄庁の場合であるので、ひとつの市内でのみ事業を行い、

所轄庁が市長となる法人の手続きについては、管轄する市の担当課に御確認ください。

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社会福祉法人定款変更認可申請書の記載について

1 社会福祉法人定款変更認可申請書の作り方

(1) まず、現在認可を受けている定款(最新のもの)はどれか確定してください。

(2) 現在の定款のコピーをとります。

(3) コピーを、社会福祉法人定款準則を参照して、赤の鉛筆で訂正していきます。

(4) 赤で訂正された条を抜き出し、社会福祉法人定款変更認可申請書の「定款変更

の内容」を記載します。(当該条文の一部のみを抜き出して作成するのではなく、

条文全体を記載してください。)

2 社会福祉法人定款変更認可申請書の書き方

(1) 原則として条文の一部のみに変更がある場合も、条文単位で、全体を「定款変

更の内容」として記載します。

(2) (1)の例外として、

① 見出しのみが変更になる場合

→ 「見出し」と「第○条」という部分のみを「定款変更の内容」として記

載します。

② 新しい条が追加になるため条の繰り下げが行われるだけの場合

→ ①と同じ

③ 条が削除になるため条の繰り上げが行われるだけの場合

→ ①と同じ

〔例1〕 第7条について、見出しのみを「理事の選任」から「理事の選任等」に

変更する場合

内 容

変更前の条文 変更後の条文

(理事の選任) (理事の選任等)

第7条 第7条

※ 第7条の中身は変更がないので、中身は一切記入する必要はありません。

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〔例2〕 新たに第11条を追加する場合

内 容

変更前の条文 変更後の条文

(監事による監査)

第11条 監事は、理事の業務執行の

状況及び法人の財産の状況を監査し

なければならない。

2 監事は、毎年定期的に監査報告書

を作成し、評議員会、理事会及び栃

木県知事に報告するものとする

3 監事は、前項に定めるほか、必要

があると認めるときは、評議員会及

び理事会に出席して意見を延べるも

のとする。

(職員) (職員)

第11条 第12条

(評議員会) (評議員会)

第12条 第13条

※ 第11条の追加により、以後の条は1条ずつ繰り下げられますので、第14条以降

も同様に記載することになります。

※ 繰り下げられた条文の中身についても変更がある場合は、その条文については、

原則に戻って、(1)の例のように記載してください、それ以外の条文については、

この例と同じように「見出し」と「第○条」という部分のみを記載します。

(3) 理由は次の例のように記載してください。

① 社会福祉法人定款準則の改正による場合

→ 社会福祉法人定款準則の改正による。

② 新事業の開始の場合

→ 老人居宅介護等事業の開始による。

③ 基本財産の追加による場合

→ 特別養護老人ホーム○○○及び老人デイサービスセンター△△△の建

物の基本財産への編入による。

④ 土地(基本財産)処分による場合

→ 土地の一部を処分したことによる。

(この場合、事前に所轄庁の処分承認が必要ですので、あらかじめ、所

轄庁あて御相談ください。)

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(4) その他

① 章名(例えば「第1章 総則」)は、変更がある場合のみ記載してください。

② 「、」「。」についても、社会福祉法人定款準則をよく見て、正しく記載して

ください。

③ 定款の附則は変更されることがありませんので、役員が変更になっても、定

款附則の役員氏名を変更しないでください。

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設置経営

受託経営

新築 増改築 削除

1 ○ ○ ○ ○ ○ ○

2 ○ ○ ○ ○ ○ ○

3 ○ - - - - -

4 ○ ○ ○ ○ ○ ○

5 ○ ○ ○ ○ ○ ○

6 ○ ○ - - - -

7 ○ ○ - - - -

8 - ○ - - - -

9 - ○ - - - -

10 - ○ - - - -

11  予算書(施設建設に係るもの) △ - - △ △ -

 補助金等の決定書(写) △ - - △ △ -

 借入金決定書(写)又は受理決定書(写)等 △ - - △ △ -

 借入金償還計画 △ - - △ △ -

 法人本部会計等決算書 △ - - △ △ -

 工事関係契約書、見積書、領収書(写) △ - - △ △ -

 不動産売買契約書(写) △ - - △ △ -

 不動産登記簿謄本 △ - - ◎ ◎ ◎

 建築確認書(写) △ - - ◎ ◎ -

 図面(位置図・案内図・配置図・平面図・立面図) △ △ - ◎ ◎ -

12 △ △ - - - -

13 - - - - - ○

14 - - - - - ○

15 - - - - ○ ○

定款変更認可申請書類一覧

 事業の廃止届(写)又は認可書(写)等

 基本財産処分承認書(写)

                                  変更事項

 区   分

 施設長就任承諾書、履歴書及び施設長の資格を証する書類

 関係条例(写)

備 考

△については、既に所轄庁あて施設整備の補助協議書等を提出している場合は、重ねて提出しなくても差し支えありません。

◎については、最新のものを提出してください。

 廃止事業に係る財産の処分方法

 申請書

 理事会及び評議員会議事録(写)〔原本証明付〕

 財産目録

 変更後の定款

 現行の定款

 事業計画書

 収支予算書(追加事業に係るもの)

 受託事業の概要説明書

 受託契約書(写)

事業目的の 追加

役員定数の

変更

基本財産の変更

施設建設関係書類

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6 基本財産の処分及び担保提供

(1) 基本財産の意味(法25条)

社会福祉法人にとって資産は、法人の設立要件になっています。法25条は、「社

会福祉法人は、社会福祉事業を行うに必要な資産を備えなければならない」と規

定し、法人資産と事業との均衡を法人の要件としています。

そこで、法人の持つ財産のうち、基本財産については、その他の財産(運用財

産、公益事業用財産及び収益事業用財産)と会計上区分して扱うとともに、定款

にその所在地及び面積を明記させることとしています。

これは、基本財産は法人存立の基盤となるものであるので、基本財産の散逸を

防止するため、厳重な管理が要請されることから、定款において当該財産の処分

を禁止する規定を設けることとされており、また、目的遂行上必要やむを得ない

場合に限り「所轄庁」の承認を得て、これを処分することとされています。

なお、この基本財産の処分に対する制限は、財産の経済的価値を減少させるこ

とになるあらゆる行為に対するものであり、売却処分することはもとより、抵当

権その他担保物件をこれに設定する場合についても同様に取り扱われます。

※ 新たに取得しようとする財産に既に他者の抵当権等が設定されている場合

は、社会福祉法人の名義に変更する以前にこれを解除しなければなりません。

(2) 基本財産の処分承認手続

基本財産は、定款記載事項であるため、その処分は定款の変更を伴います。

基本財産処分の意思決定は理事会において、理事総数の3分の2以上の議決を

経る等定款所定の手続を踏んだ後、当該処分についての承認申請を所轄庁あて提

出しなければなりません。この際、副本1通を添付してください(法30条2項の

法人にあっては副本2通)。

そして、所轄庁の承認があった後、当該財産を処分した時点において、すみや

かに定款変更の手続きをとることが必要です。

なお、基本財産を会計上一旦、その処分が法人の裁量に任されている運用財産

に移替えてから処分するような場合も、当該移替え行為自体が基本財産の処分に

該当するものであるので、処分承認の申請が必要となります。

※ 都道府県及び市が所轄する社会福祉法人は、直接所轄庁へ申請し、厚生労働

大臣及び地方厚生局長が所轄する社会福祉法人は、主たる事務所の所在する都

道府県知事を経由して申請を行います。

※ 基本財産の処分についても、定款変更同様、当該処分について理事会にかけ

る前に、あらかじめ所轄庁と協議してください。

① 基本財産処分承認申請書様式

基本財産処分承認申請書の様式は、厚生省局長通知「社会福祉法人の認可に

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ついて」別記1様式6に示されています。

② 添付書類

ア 共通に必要とされる書類

(ア) 定款に定める手続を経たことを証する書類

(例)理事会及び評議員会議事録の謄本(又は抄本)

(イ) 財産目録

(ウ) 処分物件が不動産の場合は、その価格評価書

イ 新たな施設建設に処分した資金を充当する場合

(ア) 当該施設に係る建設計画

(イ) 当該建設に係る資金計画

(3) 基本財産の担保提供手続

基本財産の担保提供は、基本財産の処分と異なり、定款の変更を伴うものではあ

りませんが、基本財産の経済的価値を減少させるものであるため、処分の場合と同

様の理事会の議決を得、かつ、所轄庁の承認を得ることが必要です。

所轄庁は、承認に当たって、当該担保提供の理由がやむを得ないものであるかど

うか、当該担保提供先が不当に利子をとるなど不適当なものでないかどうか、借入

金の償還計画が堅実なものかどうか等を審査します。

なお、借入金は、本来事業(社会福祉事業)に充てられるべきものであって、公

益事業や収益事業に必要な資金を獲得するために基本財産を担保に供することはで

きません。

備 考

1 別記第1様式6

2 原本証明付

3 処分前のもの

4

5

6 市町村、銀行発行の評価書等

7売買(交換)仮契約書(写)又は買取確約書(写)等

8

9

10平面図・配置図(処分物件を色分けすること)

- ○

- -

- ○

○ ○

○ -

 施設建設(改築)計画書

 建物の取 り壊し

現金(基金)の取り壊し

○ ○

○ ○

○ ○

- -

区         分 不動産の 売却等

基本財産処分承認申請書類一覧

 図 面

 申請書

 理事会及び評議員会議事録(写)

 財産目録

 不動産登記簿謄本

 残高証明書

 不動産の価格評価書

 売買価格等を証する書類

 売却金等の使途計画書

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7 現況報告書(法59条)

社会福祉法人は、毎会計年度終了後3ヶ月以内に、次に掲げる事項についての現況報告

書を所轄庁に提出しなければなりません。

① 当該会計年度の初日における役員の氏名及び職業並びに代表権を有する者の住所及

び年齢

② 前会計年度における事業の概要

③ 前会計年度末における主要な財産の所有状況

また、この報告書には、次に掲げる書類を添付する必要があります。

① 前会計年度末における貸借対照表

② 前会計年度の収支計算書

③ 外部監査を活用している法人については、その報告書

申請書の様式は、厚労省局長通知「社会福祉法人の認可について」別記1の様式5に示

されています。

栃木県以外に主たる事務所を有する法人についても、栃木県内に施設を有する場

合は、同様に提出してください。