木の花ファミリー通信 vol.60 - 2012年8月

木の花ファミリー通信 Vol.60 2012 年 8 月号[4] 6 1 使30 80 30 2 8 60 © 2 94 83 使IT 【材料】 ゴーヤ中 1 個 A. すり下ろしにんにく半かけ分、しょうが少々、 ブラックペッパー適量、しょうゆ大さじ 2 B. 片栗粉 1/2 カップ、小麦粉 1/2 カップ、卵 1 個 【作り方】 1. ゴーヤは縦半分に切り、種を取り、1cm幅に切る。 2. ゴーヤを A と混ぜあわせて、しばらく置く。 3. 2をBと混ぜあわせ、中火強の油で二度揚げする。 今月の木の花菜食レシピ 調理:はるちゃん IT 化をリードしてきたいさおちゃん(左)と新たなリーダーのりゅうしろう

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木の花ファミリー通信 Vol.60 - 2012年8月

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Page 1: 木の花ファミリー通信 Vol.60 - 2012年8月

木の花ファミリー通信 Vol.60 2012 年 8 月号[4]

 

こんにちは、オフィスチームのい

さおです。ファミリーの暮らしのさ

まざまな現場をレポートする「たよ

り」シリーズ、今月は、結成された

ばかりの「ITチーム」からご報告

します。

「IT」は、一般的には「コンピュー

ターやインターネットなどを活用し、

業務や生活に役立てるための技術」

を指すことが多いようです。ITは

今やファミリーの生活に欠かせませ

んが、僕がメンバーになった6年前、

ファミリーにはノートパソコンが1

台あったきりでした。

 

それ以前のファミリーには、「イン

ターネットは使わない」という考え

もあったそうです。けれども、柔軟

に変化していくことを大切にしてい

るファミリーですから、「世の中に情

報を発信していく時期が来た」と見

るや、一気に方針転換。ちょうどそ

の頃、ITに強い若手のメンバーが

加わったこともあって、本格的なI

Tの活用が始まったのでした。

 

そして時は流れ、当時30数名だっ

たメンバーは80名を超え、30台のパ

ソコンが日常的に活用されています。

対外的な情報発信にも、生活にも、

ITはフル活用されています。

 

そのファミリーで、先頃、さらに

ITの活用を深めていくためのプロ

ジェクト・チーム、「ITチーム」が

スタートしました。チーム・リーダー

に就任したのは、ファミリーからIT

企業に通勤してエンジニアの仕事を

しているりゅうしろうです。最初に

着手したのは、「スマートフォン」と

呼ばれる携帯端末の活用。アップル

社の「アイフォン」を畑や田んぼ、

キッチンなど、いくつかの現場に導

入しました。日常の連絡はもちろん、

作業の現場を撮影して共有したり、

インターネットで発信したりする計

画です。

 

ホームページも全面的なリニュー

アル作業に入っており、ファミリー

のIT活用は次の流れに入ってきま

した。新たなチームで、よりファミ

リーらしいITの活用に取り組んで

いきたいと思っています。

(文/いさお)

木の花ファミリー通信

2012年8月号・第60号

編集・制作/木の花ファミリー

©2012

木の花ファミリー

★木の花ファミリーとは

94年創立、富士山の麓で有機農業による

自給自足を生活の基盤に83人が血縁を超

えた家族として生活を営む共同体です。

 

このニューズレターはクリエイティ

ブ・コモンズにもとづき、原著作者の

クレジットを表示し、改変せず、非営

利目的で使用する限りにおいて、自由

に複製、頒布、展示することができます。

ITだより

【材料】ゴーヤ中 1 個A. すり下ろしにんにく半かけ分、しょうが少々、 ブラックペッパー適量、しょうゆ大さじ 2B. 片栗粉 1/2 カップ、小麦粉 1/2 カップ、卵 1 個

【作り方】1. ゴーヤは縦半分に切り、種を取り、1cm 幅に切る。2. ゴーヤを A と混ぜあわせて、しばらく置く。3. 2をBと混ぜあわせ、中火強の油で二度揚げする。

今月の木の花菜食レシピ

調理:はるちゃん

IT 化をリードしてきたいさおちゃん(左)と新たなリーダーのりゅうしろう

Page 2: 木の花ファミリー通信 Vol.60 - 2012年8月

[3]木の花ファミリー通信 Vol.60 2012 年 8 月号

入れていくんだよ」。

 

翔太くんは、自分の心が頭痛を生

み出していることに気付き始めてい

ました。「良くならない状況に家族全

員がイライラして、両親が些細な事で

言い争うのが嫌で、とにかく波風立て

ないように人の顔色ばかり伺ってた。

正直な気持ちを言えずに溜め込んで

いたことが頭痛を引き起こしたんだ

と思う」。ご両親は定期的に木の花を

訪れていたのですが、翔太くんの成長

と足並みをそろえるように、家族の関

係にも変化が生まれていきます。「関

係を見直すいいきっかけをもらった」

です。「ここで宇宙の話を聞いて、半

分は理解しても、なかなかね、未知

な世界。でも、父がじいちゃんにつ

いて話してたことを思い出すよ」。

 

先月、1年間の仮メンバー期間を

終えて正式にメンバーとなり、みん

なの前で「終身までよろしくお願い

します!」と挨拶して大拍手で迎え

られたあさちゃん。今は後悔のない

日々を送ることを心がけているとい

います。「今死んでも、悔いはないね。

自分なりにやりきったもの。欲を言

えばきりがないけど、年取ると欲も

なくなっからね。ただ毎日元気に目

覚めて、今日与えられたものを淡々

とやればいい。毎日を大切に生きる。

その積み重ねだよ」。あさちゃん、こ

れからもよろしくお願いします!

(文/ともこ)

考えてたの。木の花は菜食で、自分は

肉や魚は食べないからちょうどいい

か、って最初は軽い気持ちだった」。

 

実際に来てみての第一印象は「坊

さんと尼さんの集団かと思った」。「若

い人たちが『人のために生きる』っ

て言って働いてて、すごいなーって。

今でも頭が下がるよ」。実は当時、あ

さちゃんはすでに地元の老人ホーム

への入居申込みを済ませていたので

すが、ファミリーに2ヶ月滞在した

後、正式に移住することを決意しま

した。「老人ばっかりの中で、ただ、

ご飯作ってもらって、食べて、老いて

いくよりも、若い人たちと一緒に神

経使ったら若返るんでねえかって」。

 

今は毎日、福島弁で冗談を飛ばし

ながら、チャキチャキと若者以上に

働き回っているあさちゃん。子ども

の世話や家事をこなす一方で、

ファミリー内で開催される英会

話教室に入ったり、毎晩の大人

ミーティングでも真剣に話に聞

き入る勉強熱心な一面も。そん

なあさちゃんの実家は、実は明

治天皇に謁え

見けん

したこともあると

いう占星術師の家系なのだそう

卒業を迎えた翔太くん(中央)。ご両親(その左のお二人)とともに

というご両親の同席する面談では、回

を重ねるごとに明るい笑い声が響く

ようになりました。

 

滞在3週間が経過した7月25日、自

分の中に「頭痛を言い訳にしたいとい

う甘えがあった」ことに気付いた翔

太くんは、みんなの前で「自分を変え

て、頭痛を治します」と力強く宣言。

その翌日、いさどんからケア滞在の

「卒業」を言い渡されたのでした。

 

8年間という長い苦しみの時を乗

り越えた人だからこそ持てるやさし

さを身に付け、みんなから「男前に

なったね!」と言われる翔太くん。

彼の存在は、私たちに、これからの

医療のあり方を問いかけてくれてい

るのかもしれません。 (文/ともこ)

あさちゃんの巻

 

1年前にメンバーになったあさちゃ

んは、福島県出身の71歳。ファミリー

に来たきっかけは、かねてよりファミ

リーと交流のあった妹さんからの紹介

でした。「旦那が死んで身の振り方を

あすか(1 歳)を抱っこするあさちゃん

メンバー紹介

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木の花ファミリー通信 Vol.60 2012 年 8 月号[2]

い変化なら、喜んで受け入れますが、

その『自分そのもの』が変わることに

は臆病です。ましてや木の花さんの

ようにエゴを人から指摘されて改善

を迫られるような変化には怯お

えます。

でも怯える自分を変えたいと思うの

も事実です。

 

変化し続けることが『持続可能』に

なるならば、私には持続可能な社会

を創るために変わらないといけない

心がたくさんあります。それこそが、

有り難いことだと分かりました。変

化し続けることを実施して示してい

る木の花さんは、貴重な良い見本です。

私は「自然から学ぶ」「自然に寄り添

う」そんな世界に憧れながら、自分

の不自然さに目を背け、変われない

でいました。今の私には、木の花さん

でいう「命の繋がり」も「一体」も、「自

然の仕組み」も、全く理解出来ません。

でも本を読んで、分かった気になる

のだけはやめようと思いました。そ

んなところから、自分を変えていこ

うと思ったのです。

† 

† 

 

これからもこの本のメッセージが

人々の心に伝わっていくことを願い、

その土台としてこの暮らしを淡々と

続けていきたいと思っています。

(文/なかのん)

無理をしてきたことに気付いた瞬間

でした。まずは「自分にプレッシャー

をかけずリラックスして過ごす」と

いうテーマを与えられ、翔太くんの

頭痛克服への道が始まりました。

 

当初は「本当に治るのだろうか」

と不安を抱えていた翔太くんですが、

滞在4日目から変化が表れ始めます。

農作業や毎晩の大人ミーティングに

参加するようになり、その中で少しず

つ、自分の想いを語るようになりまし

た。そして、定期的に行われるいさど

んとの面談でのアドバイスを素直に

受け入れ、ファミリーたちと会話を

重ねるうちに、徐々に自分の姿を客

観的に捉えられるようになっていっ

たのです。先のことを考えすぎて不安

になっていた自分を知り、「失敗を恐

れずにとりあえずやってみよう」と気

持ちを切り替えたことで笑顔も増え、

頭痛を意識することも減っていきま

した。滞在14日目には、それまで飲

み続けていた薬もやめることを決意。

大きく変化していく翔太くんに、いさ

どんはこう言いました。「既に病気の

状態は脱している。これからは、病気

を生み出した自分の心の癖にメスを

しょうたくんの

ケア滞在記

 

ファミリーでは、心の病などを抱

えた方の滞在を受け入れ、回復への

お手伝いをする「自然療法プログラ

ム」に取り組んでいます。その中から、

愛知医科大学のお医者様のご紹介で

7月初旬からケア滞在をスタートした

翔太くんのレポートをお届けします。

 

翔太くんは、24歳。16歳の時に原

因不明の頭痛を発症、以来8年間病

院を渡り歩き、抗鬱剤などの投与も

受けてきましたが治ることはなく、

自宅療養を続けた末に、本人曰く「他

に手立てがなく消去法でここしかな

いと思い」、ファミリーへたどり着い

たのでした。

 

滞在初日、ケアのメインサポーター

であるいさどんから「あなたが緊張し

ているのは『いい格好しい』を続け

てきたからだよ」と言われ、それま

での緊張が一気に解けた翔太くんは

思わず涙。それは、24年間、親の期

待に沿いながら自分でも知らずに

みんなのくらし

「かふぇ・土ど

・暮らしへ  〜こんな生き方あったんだ   自然につながる・わかちあう」

東京・渋谷のカフェ・ド・クリエにて開催!

10月7日、「つながる暮らし」の実践者が集い、木の花ファミリーの音楽とおにぎりを味わいながらゲストと自由に語り合う“1 日カフェ”が開催されます。皆さま、ぜひお越しください!

*日時:2012 年10月7日(日)17:30〜20:30*会場:カフェ・ド・クリエ渋谷桜丘スクエア 東京都渋谷区桜丘町 31-15 電 話:03-5458-3301*参加予定:吉岡龍一/ NPO 法人クレイ

ジーワークス/コレクティブハウスかんかん森/木の花ファミリー(敬称略)

*参加費:2500円(1ドリンク・おにぎり込)*ご予約:メールまたはお電話にて、木の花

ファミリーへご連絡ください。 メール:[email protected] 電 話:0544-66-0250(担当 : 池谷)

【  お 知 ら せ 掲 示 板 】

Page 4: 木の花ファミリー通信 Vol.60 - 2012年8月

「血縁を超える自給自足の

大家族」にご感想をいただ

きました 

 

今年の2月に出版された『血縁を

超える自給自足の大家族』。皆さんは、

もうお手に取られましたか?

この半

年の間に多くの人にお読みいただき、

さまざまなご感想も寄せられていま

す。今回は、その一部をご紹介した

いと思います。

 

いただいたご感想から伝わってく

るのは、ファミリーの暮らしが多く

の人に広がることを願う気持ちです。

「これからの持続可能な社会とか、そ

ういうのにすごく関心がある人では

なくて、ごくごく普通な一般の人に

読んでもらえたらいい」(みっちゃん)

「サイレント・マジョリティ(物言わ

ぬ多数派)に訴える本であって欲しい」

(くにじい)

 

その背後には、現代社会に対する

問題意識があります。

「お金と欲などが暴走している今の

異常な世界の中では、繊細で正常で、

ちょっと力を失いかけた方は不調に

ならざるをえないでしょう」

(佐藤宗順さん)

「今の経済システムは明らかに無理

があり、いずれ崩壊するものと思わ

れます」

(長島龍人さん)

 

そんな中で、多くの方がファミリー

に希望の光を見出しているのです。

「木の花ファミリーに私は大地の徳

を感じます。すべてを受け入れ育み

癒す徳」

(佐藤宗順さん)

「人はもちろん、宇宙・地球に、自

然に、すべてのものへの感謝と思い

やりが、ファミリーには溢あ

れていま

すよね!!」

(ラピスラズリさん)

 

そして、それは自

分自身の行動を変化

させる気持ちへとつ

ながっていきます。

それを端的に表現し

てくださっている砂い

子ご

澤さわ

伸也さんのご感

想を紹介します。

† 

† 

 

印象に残ったの

は、いさどんの『持

続可能な社会を創り

こちら富士山麓では、満点の星空に涼しい風が頬に心地良い今日この頃。川遊び、木の花夏祭り、そして富士登山と、大人も子どもも夏のイベントを満喫したファミリーですが、やっぱり一番の喜びは、こうして大家族でともに暮らす日常の中にあると思っています。(ようこ)

[1]木の花ファミリー通信 Vol.60 2012 年 8 月号

出す心とは』です。

 

中でも『持続可能とは、変わらない

状態が続くことではなく、むしろす

べてのものが常に変化し続けること

です』という部分には感銘を受けま

した。私は持続可能な社会を創ろう

と思い静岡で自然栽培の畑を始めた

のですが、持続可能という部分では

間違いだらけだと気づきました。そ

れは、私には持続不可能な心があって、

その持続不可能な心と向き合わずに

逃げて、形だけの持続可能な社会を

創ろうとしていたからです。結局『持

続不可能な心から逃げること』が持

続しそうなことに苦しくなりました。

 

心の伴わない持続可

能は間違いだと気づい

たのですが、肝心の持

続可能な心が何なのか

が分からずにいました。

それがこの本を読んで、

私に足りないのは『変

化』だと思いました。

 

そして変わり続けな

いといけないのは、『自

分』だとも思いました。

 

私は自分に都合の良

出版記念コンサートにて(東京・カフェスロー)

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