ペースメーカー基礎編 - 日本赤十字社 松山赤十字病院 sensing aai 両方 sensing...
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ペースメーカー基礎編
心臓血管外科 山木悠太
2013/9/5 モーニングレクチャー
本日の講義内容
①ペースメーカーの基礎
②ペーシングモードについて
③ペースメーカーの手術
本日の講義内容
①ペースメーカーの基礎
②ペーシングモードについて
③ペースメーカーの手術
心臓の役割
☆血液を送り出すポンプの役割
☆刺激伝導系
ペースメーカーが必要な不整脈
☆洞不全症候群
☆房室ブロック
☆徐脈性心房細動
☆その他
洞不全症候群(SSS) Rubenstein分類
Ⅰ.洞性徐脈
Ⅱ.洞停止または洞房ブロック
Ⅲ.徐脈頻脈症候群
房室ブロック(AV block)
・第1度房室ブロック
・第2度房室ブロック
Wenckebach型
Mobitz Ⅱ型
・高度房室ブロック
・第3度房室ブロック
永久ペースメーカーの適応
SSSの永久ペースメーカー適応 ClassⅠ
失神,痙攣,眼前暗黒感,めまい,息切れ,易疲労感等の症状あるいは心不全があり,それが洞結節機能低下に基づく徐脈,洞房ブロック,洞停止あるいは運動時の心拍応答不全によることが確認された場合.それが長期間の必要不可欠な薬剤投与による場合を含む
ClassⅡa
1.上記の症状があり,徐脈や心室停止を認めるが,両者の関連が明確でない場合
2.徐脈頻脈症候群で,頻脈に対して必要不可欠な薬剤により徐脈を来たす場合
ClassⅡb
症状のない洞房ブロックや洞停止
AVBの永久ペースメーカー適応
ClassⅠ:
1.徐脈による明らかな臨床症状を有する第2度,高度または第
3度房室ブロック
2.高度または第3 度房室ブロックで以下のいずれかを伴う場合
(1)投与不可欠な薬剤によるもの
(2)改善の予測が不可能な術後房室ブロック
(3)房室接合部のカテーテルアブレーション後
(4)進行性の神経筋疾患に伴う房室ブロック
(5)覚醒時に著明な徐脈や長時間の心室停止を示すもの
AVBの永久ペースメーカー適応 ClassⅡa 1.症状のない持続性の第3度房室ブロック
2.症状のない第2度または高度房室ブロックで,以下のいず
れかを伴う場合
(1)ブロック部位がHis束内またはHis束下のもの
(2)徐脈による進行性の心拡大を伴うもの
(3)運動または硫酸アトロピン負荷で伝導が不変もしくは
悪化するもの
3.徐脈によると思われる症状があり,他に原因のない第1度房
室ブロックで,ブロック部位がHis束内またはHis束下のもの
ClassⅡb
至適房室間隔設定により血行動態の改善が期待できる心不全を
伴う第1度房室ブロック
ペースメーカー本体 & リード
缶 can
ペースメーカー本体 & リード
Dual chamber Single chamber
どうやって刺激を送る?
Unipolar (単極) pacing と Bipolar (双極) pacing
本日の講義内容
①ペースメーカーの基礎
②ペーシングモードについて
③ペースメーカーの手術
ペースメーカーの患者さんが来た
まずはペースメーカー手帳を確認しましょう!!
【記載情報】 ・植え込み日 ・原疾患 ・機能 ・電極種類 ・閾値,波高値,抵抗値etc.
ペーシングモード
NBGコード(国際ペースメーカーコード)
1文字目=刺激電極の位置(A:心房 V:心室 D:両方) 2文字目=感知電極の位置(A:心房 V:心室 D:両方) 3文字目=自己心拍を感知した際の応答 (T:同期型 I:抑制型 D:両方) ※心拍応答機能(rate response)を加える場合は4文字目にRを追加する.
ペーシングモード
V pacing A pacing 両方 pacing
V sensing VVI DVI
A sensing AAI
両方 sensing VDD DDD DDI
sensingなし VOO AOO DOO
徐脈性心房細動
徐脈性心房細動→VVI
原疾患:心房細動(徐脈性) PMモード:VVI 60
Vp Vs Vp Vp Vs
洞不全症候群
洞停止(SSS typeⅡ)
徐脈頻脈症候群(SSS typeⅢ)
洞不全症候群→AAI or DDD
原疾患:洞不全症候群 PMモード:AAI 60
Ap Vs Ap Vs Ap Vs Ap Vs
完全房室ブロック
完全房室ブロック→DDD
原疾患:完全房室ブロック PMモード:DDD 60/120 (AVD 120msec)
原疾患:完全房室ブロック PMモード:DDD 60/120 (AVD 120msec)
完全房室ブロック→DDD
本日の講義内容
①ペースメーカーの基礎
②ペーシングモードについて
③ペースメーカーの手術
ペースメーカー植え込み手技
マーキング→消毒
局所麻酔→試験穿刺
ペースメーカー植え込み手技
本穿刺 ガイドワイヤー挿入
ペースメーカー植え込み手技
皮切部位の局麻 皮膚切開
ペースメーカー植え込み手技
大胸筋筋膜下にポケット作成 リード挿入
ペースメーカー植え込み手技
透視でリード位置確認 パラメータ確認
ペースメーカー植え込み手技
リードの閾値をチェック Twitchingの有無確認
ペースメーカー植え込み手技
リードの固定
ペースメーカー本体と接続
ペースメーカー植え込み手技
ポケット内に留置,固定
皮下,皮膚を縫合(埋没)
手術に伴う合併症
●出血・血腫
●大血管損傷
●気胸
●心臓穿孔
●感染
●リード線の移動・脱落
●その他(造影剤使用,手術中の不整脈,
術後の心不全など)
条件付きでMRI撮影が可能
ペースメーカー植え込み術後
●術後5日目に皮膚切開創の確認.
●ペースメーカーの作動の確認.
→問題なければ約1週間程度で退院可能.
ご清聴ありがとうございました☆