再生医療による人工臓器研究の最近の進歩: scaffold … · 170...

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●人工臓器 ─ 最近の進歩 168 人工臓器41 3 号 2012 ■ 著者連絡先 佐賀大学医学部胸部・心臓血管外科 (〒 849-8501 佐賀県佐賀市鍋島 5-1-1E-mail. [email protected] 1. はじめに:scaffold free の再生医療 人工心臓や人工弁,人工血管など循環器領域における人 工臓器はめざましい進歩をとげ,循環器の治療体系,特に 外科治療においては,種々の人工臓器の関与なしには治療 ができないまでの重要性を占めるようになった。一方で, 生体弁における耐久性,機械弁における抗血栓性,小口径 人工血管の長期開存性など,それぞれの人工臓器において 以前より指摘されてきた解決すべき課題に対する break through の出現が長い間待たれている。 再生医学・再生医療の進歩は,重症心不全への応用への 期待を高めており,症例数に限界がある心臓移植や未だ完 全ではない補助人工心臓の代替治療として盛んに研究され ている。特に京都大学の山中伸弥教授が開発した iPS 細胞 1) induced pluripotent stem cellES 細胞と同等の機能を持 つ多能性幹細胞)の出現により,患者の自己の組織から iPS 細胞を樹立し目的の細胞に分化させて移植するという戦略 が現実的なものとなった。iPS 細胞は,自己の細胞である ので拒絶反応が起こらず, ES 細胞のように受精卵を使用 する必要がないので倫理的な問題も発生しない。福田は, iPS 細胞を臨床応用するためのステップを以下のように述 べている 2) 。①非侵襲的・効率的な iPS 細胞の樹立法の開 発,② iPS 細胞の大量培養法の確立,③ iPS 細胞から目的の 細胞へ分化誘導する方法の確立,④分化誘導させた細胞の 増殖法の確立,⑤増殖させた細胞から未分化幹細胞を除去 することによる分化細胞の純化・生成,そして最後のス テップが⑥分化細胞の有効な移植法の開発である。心筋細 胞に関しては①~⑤のステップは実験的にはほぼ確立され ており,⑥の分化細胞の移植法の検討が今後の課題とされ ている(図1)。 分化した細胞の移植法として,従来は細胞を注入すること が多く行われていたが,生着率が低いという問題があった。 そこで,細胞ではなく細胞の塊(心筋球 3) spheroid 4) )を用 いるアプローチ,細胞のシートを用いるアプローチ 5) 10) さらには 3 次元的な立体を構築するアプローチなどの開発 が進められている。細胞を立体に構築する場合にはその足 場となるべき,いわゆる scaffold が必要である。しかし, 基本的には異物である scaffold は炎症を引き起こし,感染 するリスクも高い。また心臓や心臓弁,血管など,循環器 の臓器は拍動による動きを伴うことが基本であり, scaffold の拍動に対する追随性も問題となる。近年, scaffold を用いずに細胞組織のみで 3 次元的な組織を構築 する試みがなされてきた。本稿ではそのいくつかを紹介し, 今後の方向性を展望したい。 2. 細胞シート 1心筋・骨格筋の細胞シート 心臓に対する再生医療は,心筋梗塞に対する心筋細胞, 幹細胞,あるいは骨格筋細胞の注入という形で始められた が,前述のように生着率が低いこと,また骨格筋細胞の注 入による自己移植に関しては,致死的な不整脈が合併する ことなどにより,広く臨床応用されるには至らなかった。 Okano らのグループが開発した温度感受性の培地で細胞 シートを作製する技術 5) は心筋細胞に応用され,ラットの 新生児心筋細胞から作られた数層の心筋細胞シートは同期 して収縮すること 6) ,また心臓の上に心筋シートを置くと, 心筋シートと自己の心臓との間で興奮伝達がなされること が示された 7) 。自己の組織から iPS を樹立し心筋細胞を誘 再生医療による人工臓器研究の最近の進歩: scaffold free の心臓・血管組織の構築 1 佐賀大学医学部胸部・心臓血管外科, 2 同 循環器内科, 3 佐賀大学大学院工学系研究科先端融合工学講座 森田 茂樹 1 ,野口 1 ,野出 孝一 2 ,中山 功一 3 Shigeki MORITA, Ryo NOGUCHI, Koichi NODE, Koichi NAKAYAMA

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Page 1: 再生医療による人工臓器研究の最近の進歩: scaffold … · 170 人工臓器41巻3号 2012年 いない。抗凝固療法が不要でしかも耐久性に優れた人工弁

●人工臓器 ─最近の進歩

168 人工臓器41巻3号 2012年

■ 著者連絡先佐賀大学医学部胸部・心臓血管外科(〒849-8501 佐賀県佐賀市鍋島5-1-1)E-mail. [email protected]

1. はじめに:scaffold freeの再生医療

人工心臓や人工弁,人工血管など循環器領域における人工臓器はめざましい進歩をとげ,循環器の治療体系,特に外科治療においては,種々の人工臓器の関与なしには治療ができないまでの重要性を占めるようになった。一方で,生体弁における耐久性,機械弁における抗血栓性,小口径人工血管の長期開存性など,それぞれの人工臓器において以前より指摘されてきた解決すべき課題に対するbreak

throughの出現が長い間待たれている。再生医学・再生医療の進歩は,重症心不全への応用への期待を高めており,症例数に限界がある心臓移植や未だ完全ではない補助人工心臓の代替治療として盛んに研究されている。特に京都大学の山中伸弥教授が開発した iPS細胞 1)

(induced pluripotent stem cell:ES細胞と同等の機能を持つ多能性幹細胞)の出現により,患者の自己の組織から iPS

細胞を樹立し目的の細胞に分化させて移植するという戦略が現実的なものとなった。iPS細胞は,自己の細胞であるので拒絶反応が起こらず,ES細胞のように受精卵を使用する必要がないので倫理的な問題も発生しない。福田は,iPS細胞を臨床応用するためのステップを以下のように述べている 2)。①非侵襲的・効率的な iPS細胞の樹立法の開発,② iPS細胞の大量培養法の確立,③ iPS細胞から目的の細胞へ分化誘導する方法の確立,④分化誘導させた細胞の増殖法の確立,⑤増殖させた細胞から未分化幹細胞を除去することによる分化細胞の純化・生成,そして最後のステップが⑥分化細胞の有効な移植法の開発である。心筋細

胞に関しては①~⑤のステップは実験的にはほぼ確立されており,⑥の分化細胞の移植法の検討が今後の課題とされている(図1)。分化した細胞の移植法として,従来は細胞を注入すること

が多く行われていたが,生着率が低いという問題があった。そこで,細胞ではなく細胞の塊(心筋球3),spheroid4))を用いるアプローチ,細胞のシートを用いるアプローチ5)~10),さらには3次元的な立体を構築するアプローチなどの開発が進められている。細胞を立体に構築する場合にはその足場となるべき,いわゆるscaf foldが必要である。しかし,基本的には異物であるscaf foldは炎症を引き起こし,感染するリスクも高い。また心臓や心臓弁,血管など,循環器の臓器は拍動による動きを伴うことが基本であり,scaf foldの拍動に対する追随性も問題となる。近年,scaf foldを用いずに細胞組織のみで3次元的な組織を構築する試みがなされてきた。本稿ではそのいくつかを紹介し,今後の方向性を展望したい。

2. 細胞シート

1) 心筋・骨格筋の細胞シート心臓に対する再生医療は,心筋梗塞に対する心筋細胞,

幹細胞,あるいは骨格筋細胞の注入という形で始められたが,前述のように生着率が低いこと,また骨格筋細胞の注入による自己移植に関しては,致死的な不整脈が合併することなどにより,広く臨床応用されるには至らなかった。

Okanoらのグループが開発した温度感受性の培地で細胞シートを作製する技術 5)は心筋細胞に応用され,ラットの新生児心筋細胞から作られた数層の心筋細胞シートは同期して収縮すること 6),また心臓の上に心筋シートを置くと,心筋シートと自己の心臓との間で興奮伝達がなされることが示された 7)。自己の組織から iPSを樹立し心筋細胞を誘

再生医療による人工臓器研究の最近の進歩:scaffold freeの心臓・血管組織の構築

*1佐賀大学医学部胸部・心臓血管外科,*2同 循環器内科,*3佐賀大学大学院工学系研究科先端融合工学講座

森田 茂樹*1,野口 亮*1,野出 孝一*2,中山 功一*3

Shigeki MORITA, Ryo NOGUCHI, Koichi NODE, Koichi NAKAYAMA

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導できれば,同様のシステムを用いることが可能であるので,その発展が期待されるが,現在の3層構造を有する心筋シートではその収縮で機械的な補助を期待するには薄すぎること,現在の技術では3層以上の心筋シートを作製することが難しいことなどが,このアプローチの課題である。大阪大学のグループは,自己の骨格筋から筋芽細胞を採

取して作製した筋芽細胞シートの移植効果を積極的に評価してきた。彼らは,心筋梗塞の実験モデルや虚血性心筋症の左室形成術の実験モデルで,骨格筋シートを虚血部位に貼付すると左室機能が有意に改善することを明らかにした 8),9)。骨格筋シートを心臓の前面に移植してもレシピエントの心臓と骨格筋シートとの間にgap junctionは形成されないので,心臓の収縮は骨格筋シートへは伝わらず,従って心臓への機械的な補助は期待できない。しかし,血管を新生させる作用やリモデリングを抑制する作用が明らかになっており,骨格筋細胞シートから種々の液性因子が放出されることによるparacrine効果がそれらの作用機序であると考えられている。

2) 細胞シートによる人工血管の構築前述の細胞シート作製技術は人工血管の領域にも応用さ

れている。L’Heureuxらは自己の皮膚と表在の静脈から採取した組織から fibrobastと内皮細胞を混在させてシート状に培養し,それを筒状にして6~9ヵ月培養し動脈用の人工血管を開発した。血液透析のためのシャントグラフトとして臨床応用し良好な成績を収めている 10)。一般に人工血管に対する再生医療・組織工学的アプロー

チとしては,① 内側を内皮細胞で被覆した人工血管② collagenを基盤とした人工血管③ 吸収性のポリマーを基盤としたscaf foldを用い,それを内皮細胞や線維芽細胞で被覆した人工血管

④ 脱細胞化した血管組織で作製した人工血管⑤ 自己組織のみでself-assemblyされた人工血管

などが想定されている 11)。臨床応用まで開発が進んだものは,前述のL’Heureuxらが⑤のアプローチでself-

assemblyした血液透析用のシャント血管と,③の吸収性ポリマーで作られた血管である。先天性心疾患の症例で下大静脈-肺動脈の間を連結するために使用された。吸収性のscaf foldを用いるアプローチは,scaf foldが吸収されたあとの長期耐久性に課題があり,いまのところ臨床応用は血圧が低い右心系への応用に限られている。細胞シートから人工血管を作るL’Heureuxらのアプローチは非常に有望だが,培養して筒状の構造物を作成するのに6~8週間という長い期間を要するところが実際的な問題である。

3. 鋳型(mold)を用いた自己細胞由来の心臓弁

臨床的に使われている心臓弁膜症に対する人工弁は,大別して機械弁と生体弁に分けられる。ともに優れた血行動態機能を有するが,機械弁は耐久性に優れる一方で,血栓塞栓症を予防するための抗凝固療法が必須であり,生体弁は抗凝固療法が不要である一方で,耐久性に問題があるなど,耐久性と抗血栓性を併せ持つような人工弁は得られて

図1 循環器系の人工臓器に対する再生医療,組織工学のアプローチ目的に応じて選択された細胞をどのような個体に注入あるいは移植するかが検討されている。Scaffold-freeの組織工学的手法を本稿で紹介する。BRP: bio-rapid prototyping.

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いない。抗凝固療法が不要でしかも耐久性に優れた人工弁の開発とういう観点より,組織工学的に作られた人工弁,いわゆる tissue-engineered heart valve(TEHV)を開発するという試みが古くから行われてきた。従来のアプローチは,①動物の組織を脱細胞化してそのまま植え込む,あるいはそれに自己の細胞を生着させる方法,②吸収性のscaf fold

に細胞を生着させて用いる方法などが研究されてきたが,いまだ臨床応用の段階まで進んだTEHVは開発されていない。

Yamanamiらは,大動脈弁を含む左室流出路からValsalva

洞までの鋳型を作り,それを動物の皮下に埋植することにより自己の組織でできた弁付導管を作ることに成功し,この弁付導管で動物の肺動脈弁置換術を行った 12)。彼らが作製した鋳型は外筒と内筒から成り,その間に1 mmの隙間ができるように設計されている。皮下に埋植している間にその隙間に結合組織が形成されることにより,弁付導管が作製される。大動物実験での成績は良好で,肺動脈弁だけでなく,高い血圧がかかる左心系へ植え込む試みもなされている。課題は臨床応用の際に患者の皮下に鋳型をあらかじめ植え込む必要があることで,このような侵襲を加ない方法を開発することが望まれる。

4. Spheroidを用いた心筋細胞による立体構造物や人工血管の構築

細胞を非接着性のウエルに置いておくと細胞同士が凝集現象を起こし球状の細胞の塊を形成することが知られてい

る。心筋細胞は単独で組織に注入するよりも,1,000個程度の球状の凝集塊を注入する方が移植された細胞の生存率が高いことが最近報告されている 3)。心筋細胞の凝集塊をHattoriらはcardosphereと呼んだが,心筋細胞を含んだ細胞一般の凝集塊はspheroidと呼ばれている。spheroid同士を接触させると融合するという性質があるので,Nakayamaらのグループはこの性質を利用してspheroidを立体的に配置して3次元的な構造物をscaf foldなしに構築した 4) 。Nakayamaらは工学的な手法である rapid

prototypingの再生医療への応用という意味で,これをbio-rapid prototypingと総称し,spheroid を3次元的に配置するために鋳型(mold)やロボットを用いた技術を積極的に導入してきた。この技術を応用して,血管などの3次元的な立体構造を心筋細胞や平滑筋細胞,内皮細胞のspheroidから構築する研究が進められている。マウスのES細胞から分化させた心筋細胞のspheroidを用いて立体的な構造物を作製すると,それぞれのspheroid

の間にgap junctionが形成されること,また融合したspheroidが同期して収縮することが明らかになった(図2)。同様の手法で平滑筋細胞のspheroidから管状の構造物を構築すると,小口径の動脈に近い物理的な特性を有する構造体を作製することも可能となった(図3)。

5. おわりに

心臓や血管系のscaf fold freeの再生医療は細胞シートを中心に大きく発展してきた。細胞シート以外にmoldを用

図2 BRPシステムを用いた心筋構造体の製作a),b)マウスES細胞由来の心筋細胞からspheroidを作り,そのspheroidをBRPシステムで構築して作製した構造体。c),d)免疫組織学的にconnexin 43を染色しgap junctionが構築されていることを確認した。e)心筋構造体の電気的活動を記録すると心電図要の活動が記録され,心筋細胞が同期して収縮していることが示された。f)電顕にてgap junctionを確認した。BRP: bio-rapid prototyping, GFP: green fluorescent protein, αMHC: α-myosin heavy chain.

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図3 BRPシステムによる血管構造体の製作a)平滑筋細胞による血管構造体:コンピュータでspheroidの3次元的な配置を指定すると,多数のmicro-needleで構成された“剣山”の指定された位置にロボットがspheroidを積み上げていく。しばらく培養するとspheroidがお互いに融合するので,“剣山”を構造体から引き抜くとscaffold-freeの立体構造体が得られる。b)外側に平滑筋細胞のspheroid,内側に血管内皮細胞を配置することも可能である。c),d)完成した構造体。BRP: bio-rapid prototyping.

いた自己組織による人工心臓弁や,spheroidを用いるアプローチなど,任意の立体構造を構築する新しい技術が開発されている。再生医療・組織工学を用いた循環器系の人工臓器研究の今後の発展が期待される。

文  献 1) Takahashi K, Tanabe K, Ohnuki M, et al: Induction of

pluripotent stem cells from adult human fibroblasts by defined factors. Cell 131: 861-72, 2007

2) 福田恵一:iPS細胞を用いた心臓病の病態解明と再生医療への応用.循環器専門医 20: 29-37, 2012

3) Hattori F, Chen H, Yamashita H, et al: Nongenetic method for purifying stem cell-derived cardiomyocytes. Nat Methods 7: 61-6, 2010

4) Noguchi R, Nakayama K, Ishihara K, et al: Fabrication of engineered pulsatile 3-dimensional scaf fold-free cardiac tissue from embryonic stem cells. J Heart Lung Transplant 30: S29-30, 2011

5) Okano T, Yamada N, Sakai H, et al: A novel recovery system for cultured cells using plasma-treated polystyrene dishes grafted with poly(N-isopropylacrylamide). J Biomed Mater Res 27: 1243-51, 1993

6) Shimizu T, Yamato M, Isoi Y, et al: Fabrication of pulsatile cardiac tissue grafts using a novel 3-dimensional cell sheet

manipulation technique and temperature-responsive cell culture surfaces. Circ Res 90: e40, 2002

7) Furuta A, Miyoshi S, Itabashi Y, et al: Pulsatile cardiac tissue grafts using a novel three-dimensional cell sheet manipulation technique functionally integrates with the host heart, in vivo. Circ Res 98: 705-12, 2006

8) Miyagawa S, Saito A, Sakaguchi T, et al : Impaired myocardium regeneration with skeletal cell sheets--a preclinical trial for tissue-engineered regeneration therapy. Transplantation 90: 364-72, 2010

9) Saito S, Miyagawa S, Sakaguchi T, et al: Myoblast sheet can prevent the impairment of cardiac diastolic function and late remodeling after left ventricular restoration in ischemic cardiomyopathy. Transplantation 93: 1108-15, 2012

10) L’Heureux N, McAllister TN, de la Fuente LM: Tissue-engineered blood vessel for adult arterial revascularization. N Engl J Med 357: 1451-3, 2007

11) Clear y MA, Geiger E, Grady C, et al: Vascular tissue engineering: the next generation. Trends Mol Med 18: 394-404, 2012

12) Yamanami M, Yahata Y, Uechi M, et al: Development of a completely autologous valved conduit with the sinus of Valsalva using in-body tissue architecture technology: a pilot study in pulmonary valve replacement in a beagle model. Circulation 122: S100-6, 2010