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1 ルティング会社 http:// www.haiheinfo.com 海和金融資本情報 2 2014 NO: 5 中国の資産管理業の動向【特集】――――■ 中誠信託などの事例を踏まえた信託商品の「剛性兌付」 「剛性兌付」という暗黙のルール形成の経緯 信託商品の販売及び銀行の法的責任 ファイナンスリース・信託の主な運用手法 中国金融ビジネス動向―――■ 自動車ファイナンスリース債権の証券化 地方政府融資プラットフォームの証券化の再開始末 中国政策・法令―――■ 最高人民法院による「ファイナンスリース契約紛争案件の審理における法律適 用問題に関する解釈」 海和コンサルティング会社 http:// www.haiheinfo.com

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1

ルティング会社

http:// www.haiheinfo.com

海和金融資本情報月

2 2014NO: 5■ 中国の資産管理業の動向【特集】――――■

中誠信託などの事例を踏まえた信託商品の「剛性兌付」

「剛性兌付」という暗黙のルール形成の経緯

信託商品の販売及び銀行の法的責任

ファイナンスリース・信託の主な運用手法

■ 中国金融ビジネス動向―――■

自動車ファイナンスリース債権の証券化

地方政府融資プラットフォームの証券化の再開始末

■ 中国政策・法令―――■

最高人民法院による「ファイナンスリース契約紛争案件の審理における法律適

用問題に関する解釈」

海和コンサルティング会社

http:// www.haiheinfo.com

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2

k 剛性兌付信託業

違 約

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

中誠信託は、30 億元鉱産信託のデフオルト危機を脱し、元本部分だけを償還

中誠信託の「誠至金開 1号集合信託」という鉱産信託商品は、2011 年 2 月 11 日

成立し、工商銀行の山西省支店が信託商品の全額販売を代理し、700 名投資家から 30.3

億元の資金を募集した。募集した資金を運用して、山西振富能源集団(振富能源)に

対して持分投資を行い、予想収益率が 9.5%~11%とする。信託商品の最低投資額は

300 万元で、2014 年 1 月 31 日まで償還期間が満了する。2012 年第 2 四半期から、振

富能源が民間融資によって 3つの訴訟に巻き込まれ、加えて石炭採掘権の行政許可証

を長期的に解決できないため、会社の経営状態が悪化してキャッシュフローが不足す

る。「誠至金開 1号」が 30 億元(約 510 億円)のデフォルト(債務不履行)寸前の状

態に陥っていた。

2014 年 1 月 31 日の償還日までに、振富能源傘下の石炭に係る訴訟紛争及び採掘

権許可証の問題が解決された。現地政府部門の介入によって、中誠信託は 3つの戦略

投資家とともに「誠至金開 1号」の償還に関する合意に達した。最終的に、中誠信託

は「誠至金開 1号」の元本部分を償還し、3 年目の利息部分を支払わないことを承諾

した。(2014 年 2 月 10 日付「普華財経」より)

吉林信託の「松花江 77 号」という鉱産信託のデフォルト危機が再燃

一度あることは二度がある。中誠信託の「誠至金開 1号」のデフォルト危機を脱

した後、吉林信託の「松花江 77 号・山西福裕能源項目収益権集合資金信託計画」(松

花江 77 号)という鉱産信託商品が、再びデフォルト危機に陥って市場を慌てさせた。

「松花江 77 号」の信託規模は 9.727 億元、6期に分けて償還し、信託資金を運用して、

山西聯盛能源(集団)有限公司(山西聯盛)の石炭プロジェクトに投資する。その後、

主なニュース

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オ 融資先の山西聯盛が 300 億元の負債を抱えているため、当該信託商品の前 5期は予定

通りに償還されなかった。また、2013 年 11 月に山西聯盛及び傘下の企業 12 社が人民

法院に破産・更生手続きを申請した。2014 年 3 月 11 日は第 6期の償還日であり、「松

花江 77 号」の償還計画が不明確な状態にある。「松花江 77 号」のデフォルト状態を解

決できるかは、受託管理者の建設銀行と吉林信託の信用に関わる重大な事件である。

(2014 年 2 月 12 日付「財経網」より)

華潤信託の 2つの信託商品が「剛性兌付」の暗黙のルールを打破

華潤信託の「華潤・穏益 6号固定収益投資集合資金信託計画」(穏益 6号)と「華

潤・穏益 7号固定収益投資集合資金信託計画」(穏益 7号)は、期限通りに清算を行っ

た。そのうち、「穏益 6 号」の劣後受益権は投資元本を大きく割り込み、投資家に

37.87%の元本損失をもたらし、「穏益 7号」は投資家に 26.7%の元本損失をもたらし

た。現時点で「穏益 6号」と、「穏益 7号」の劣後受益権の投資家は信託商品の損失に

ついて華潤信託と交渉中、深セン市銀行監督管理局は、投資家らの苦情を受理し、華

潤信託案件に対して調査を行っている。一部の市場関係者は、華潤信託の「穏益 6号」・

「穏益 7号」には元本保証及び利回り保証のいずれもなく、元本割れが生じる損失を補

償することなく、実際に信託業界の「剛性兌付」という暗黙のルールを打破したと認

めた。(2014 年 2 月 27 日付「財経網」より)

中国の太陽光パネル大手、「剛性兌付」を打破し、債券市場の進歩へ

3 月 5 日、中国の太陽光パネル大手の上海超日太陽能科技株式有限公司(上海超

日)は、2011 年社債第 2期(超日債)の利払いが期限通りに履行できないという公告を

発布した。中国の公募債券市場では初のデフォルト案件が発生すると見込まれる。

5日の公告によると、2014 年 3 月 7 日は利子の第 2回償還日であるが、支払うべ

き利子 8990 万元(約 15 億円)のうち、400 万元しか支払えない。「超日債」は、上海

超日が 2011 年 3 月 7 日に発行した社債という。発行規模は 10 億元で、額面利率は

8.98%とする。「超日債」のデフォルト案件は、債券市場及び監督管理部門からの強い

注目を集めていた。(2014 年 3 月 10 日付「投資時報」より)

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

主なニュース

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2014 年の年末年始、中誠信託案件の影響を受けて、信託商品の「剛性兌付」は市場のホッ

トな話題となっている。「剛性兌付」とは、信託会社は、投資者に投資元本と利回りを保証し、

償還期間が満了する際、信託理財商品の投資元本と利回りを絶対支払い、デフォルトを絶対回

避するという暗黙のルールという。

今年に入り、信託商品のデフォルト危機を相次いで引き起こし、既に信託市場から債券市

場に波及してきた。資産運用商品(理財商品)の投資リスクに絶えず晒されており、投資家の

心理予想を突破した。信託市場であろうと、債券市場であろうと、デフォルト案件が発生した。

2014 年は「剛性兌付」を打破する一年となると言われる。

まず、強く注目されるのは中誠信託案件であることは間違いない。2014 年 1 月 31 日まで

に、中誠信託の「誠至金開 1号」の 30 億元の鉱業信託商品がデフォルトリスクに直面し、市場

関係者が、中誠信託案件は、初めて「剛性兌付」という暗黙のルールを打破する案件となると

予想するものの、最終的に、現地政府の介入によって、信託会社が戦略投資家を導入し、投資

家に元本部分を償還する形でデフォルトを回避することになる。今回の中誠信託案件では、投

資家がブラックスワンであったのだろうかと感じました。

一度あることは二度がある。中誠信託の「誠至金開 1号」のデフォルト危機を脱した後、

吉林信託の「松花江 77 号・山西福裕能源項目収益権集合資金信託計画」(松花江 77 号)という

鉱産信託商品は、再びデフォルト危機に陥って市場を慌てさせた。2月 21 日付「証券日報」の

報道によると、吉林信託の融資先の山西聯盛が 300 億元の負債を抱えているため、当該信託商

品の前 5期は予定通りに償還されなかった。「松花江 77 号」の信託規模は 9.727 億元で、6 期

に分けて償還し、3月 11 日は当該信託商品の最後の償還日である。山西建設銀行と吉林信託は、

「松花江 77 号」に関する具体的な償還計画について、明確に返答しなかった。「松花江 77 号」

は依然として「剛性兌付」の危機に陥っている。

加えて、華潤信託の「穏益 6号」と「穏益 7号」は、償還期限が到来するとき清算を行っ

た。そのうち、「穏益 6号」は投資元本を大きく割り込み、投資家に 37.87%の元本損失をもた

らし、「穏益 7号」は投資家に 26.7%の元本損失をもたらした。現時点で「穏益 6号」と「穏

益 7号」の劣後受益権の投資家は信託商品の損失について華潤信託と交渉中、そして、深セン

市銀行監督管理局は、投資家らの苦情を受理し、華潤信託案件に対してさらに調査を進めてい

る。一部の市場関係者は、華潤信託の「穏益 6号」・「穏益 7号」には元本保証及び利回り保証

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

中誠信託などの事例を踏まえた信託商品の「剛性兌付」

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のいずれもなく、元本割れが生じる損失を補償することなく、信託業界の「剛性兌付」という

暗黙のルールを打破したと認めた。

信託市場のみならず、公募債券市場でも初のデフォルト案件が発生した。3月 5 日、中国

の太陽光パネル大手の上海超日太陽能科技株式有限公司(上海超日)は、2011 年社債第 2期の

利払いが期限通りに履行できないと発表した。5日の公告によると、3月 4日まで、7日に支払

うべき利子 8990 万元のうち、400 万元しか支払えないという。上海超日社債案件は、債券市場

及び監督管理部門からの強い注目を集めている。

信託商品や債券のデフォルト案件が徐々に増加する傾向にある。徹底的に「剛性兌付」を

打破するのは時間の問題であると言われる。「「剛性兌付」の本質は、政府が非市場化の手段を

通じて、本来的に投資家が自ら負担する投資リスクに対して責任を負う。こうした慣行は、投

資家のリスク意識を弱め、金融資本市場の発展規律に合致しない市場を育成している。政府に

よる暗黙の保証及び救済は、短期金融市場の安定に有利になるが、中国経済と金融の根本的な

安定及び発展に不利になる。政府の救済は、金融生態の全体に優勝劣敗メカニズムが欠如する

だけでなく、「悪貨は良貨を駆除する」(グレシャム法則)という現象を生じさせ、不当な資産

配置につながり、中国経済の全体発展の速度を緩めさせるのも必然であろう。「剛性兌付」を打

破すべきか、如何に打破するかは、当面の政府が解決しなければならない問題となっている。

「剛性兌付」は、信託資産規模の暴発的増加を一定程度促進し、受益者の利益最大化を確保

する。しかし、「剛性兌付」は明らかに関連法律規定に違反した。2009 年の改正後の「信託会

社集合資金信託計画管理弁法」において、信託会社は、信託商品を推奨するとき如何なる方式

で投資元本及び利回りの保証を承諾してはならないと規定されていた。さらに、「剛性兌付」の

法的責任及び効力について、法律上明文の規定がない。即ち、元本保証型理財商品を除き、信

託会社は受託者として、委託者(投資家)に投資元本及び利回りを絶対支払わなくても、法律

上の違約責任を負わないものとする。しかし、信託市場では、信託会社が相変わらず「剛性兌

付」を履行している。

「剛性兌付」という暗黙のルールはなぜ生じるのか。2005 年頃から金信信託、慶泰信託、イ

スラム信託案件の影響を受けて、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は、2004 年 12 月 7 日

に「集合資金信託業務の更なる規範化に係る問題に関する通知」(2004 年 91 号文)を公布した。

「剛性兌付」という暗黙のルール形成の経緯

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

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「2004 年 91 号文」において、二回連続で集合資金信託計画の投資元本を割り込み、損失が生

じる場合、信託会社が責任を負うべきである。そして、関係銀監局は集合資金信託業務資格を

2年間停止するという書面処分通知を下達し、かつ厳格な整理措置を実施すると規定されてい

た。その時期の中国信託業は、第五回の整理を経て、信託業務許可証が極めて珍しくなる。信

託会社が集合資金信託業務資格の取消を回避するように、固有資金又は株主資金をもって投資

元本及び利回りの支払を肩代わりする対策がある。「剛性兌付」という暗黙のルールがその時か

ら信託会社間で生じるだろうと思われる。

2007 年、「信託賠償準備金」制度を導入していた。「信託会社管理弁法」第 50 条の規定に

より、信託会社は年度ごとに税引後利益の 5%を積み立て、信託賠償準備金とする。但し、賠

償準備金の累計総額は登録資本金の 20%に達する場合、積み立てなくても良い。「金融企業会

計制度」第 163 条の規定により、信託業務を取り扱うとき、受益者又は信託会社に損失を与え

た場合、又は信託会社が信託目的に違反し、管理職責を背き、信託事務を不当に管理すること

により、信託資産価値を損なわせる場合、信託賠償準備金で賠償する。その時期に信託賠償準

備金の管理指標(資本金の 20%とする)が比較的低い。一旦、重大なデフォルト問題が生じる場

合、一つの信託商品規模が信託会社の賠償準備金残額を超える。従って、中国銀監会は 2011

年 1 月 20 日に「銀信理財合作業務の更なる規範化に関する通知」を公布した。通知の要求によ

ると、信託会社の信託賠償準備金は、銀信合作による不良信託貸付残額 150%、又は銀信合作

による信託貸付残額 2.5%を下回る場合、上記の指標に達するまで信託会社が配当してはなら

ない。上述の規定から見ると、信託賠償準備金制度の形成は、「剛性兌付」のために一定程度の

償還保障を提供すると言える。

2010 年、不動産信託商品の償還期間が集中して到来し、不動産政策調整によりデベロッパ

ーの資金回収の期限が延長されるため、市場では不動産信託商品が期限通りに予想収益を償還

できるかどうか懸念していた。こうした状態に対して、監督管理層は、投資家の懸念を和らげ、

金融秩序と社会安定を維持し、「剛性兌付」を確保するために、以下の要求を提出した。一つに

は、集合資金信託計画と銀信理財商品を「剛性兌付」の対象とする。銀信理財商品以外の単一

信託計画に対する要求が少ない。二つには、信託計画の償還日又は償還日前に償還しなければ

ならず、「剛性兌付」の信託商品には融資類信託商品を含み、証券投資商品を除外する。ここま

で「剛性兌付」という暗黙のルールが正式に生じた。

信託会社は、「剛性兌付」の要求を満足するために、信託会社の業務モデルを転換せざるを

得ない。信託会社は、融資プラットフォームに変身し、徐々に銀行と類似する貸付業務を取り

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

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扱うことになる。信託会社は、信託貸付業務を通じて信託報酬と業績報酬を超過する収入を確

保できる。融資先企業ができるだけ早く融資資金を受けるために、信託会社により高い融資費

用を支払う。融資先企業が支払う費用には信託収益(投資家の収益)、信託報酬及び業績報酬、

受託費用などを含み、信託会社が投資家の固定収益を支払った後、残りの部分は信託会社の「超

過収入」となる。信託会社はより多くの「超過収入」を取得するために、高利回りの融資先企

業のプロジェクトに対してデュデリージェンスやリスクコントロールなどを油断している。同

時に、「剛性兌付」の存在により、高利回り信託商品が投資家から高い人気を集めて、投資家が

信託商品の償還期間と予想収益率だけを重視し、信託商品のリスクをぜんぜん考えいないとい

う状況下で、信託会社は投資家の選好に応じるために、信託プロジェクトの質を重視せず、高

利回りのプロジェクトを選択することになる。これはグレシャム法則である。信託会社の貸付

業務は「剛性兌付」の直接結果と言える。信託会社は、できるだけ早く融資プラットフォーム

という経営方式を転換し、信託会社の財産管理機能を復帰させるべきである。

信託商品のデフォルト危機が発生した際に、信託会社の信用、投資家に投資元本と利回り

を絶対支払うことを確保するために、信託会社は通常、以下の方法をもって「剛性兌付」を処

理する。

1、固有資産で信託財産を買い取る。単一信託商品に問題が生じた場合、信託会社は固有資

産で信託財産を買い取り、かつ関連取引を銀行業監督管理局に報告する。但し、信託会社は固

有資産で集合信託計画の信託財産を買い取ってはならない。「信託会社集合資金信託計画管理弁

法」第 27 条の(四)の規定により、信託会社の固有財産と信託財産との間で取引をしてはならな

い。大多数の信託会社はエッジボールを打ち、信託計画財産を関連会社又はその他の会社に譲

渡してから固有資産で信託財産を譲り受ける。

2、関連会社又はその他の会社(例えば、資産管理会社)が信託財産を買収する。2012 年 8

月、中国銀監会は、四大資産管理会社に「金融資産管理会社による信託会社不良資産の買収業

務に関する手引」(意見募集稿)を下達し、「業務手引」において、資産管理会社が 6つの信託

会社の不良信託資産を買収できると規定されていた。但し、2014 年 3 月まで「業務手引」を正

式に公布しなかった。実務上で、資産管理会社による不良信託資産の買収が禁止されていない

ため、多くの信託会社がこのような方式を採用していた。

剛性兌付の処理方式

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

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3、新たな信託商品の発行によって償還期間終了の信託商品を償還する。実務上、関連会社

又はその他の会社が信託資産を買収し、信託会社が新しい信託商品を発行し、償還期間終了の

信託商品を償還する。

4、第三者投資機構が融資先企業へ貸付する。融資先企業が新しい貸付金によって信託貸付

を償還する。銀行からの融資が難しいですが、私募ファンドなどの投資機構から融資するのが

可能になる。

5、信託受益権を譲渡する。受益者の同意を得たうえで、関連会社又はその他の会社に信託

受益権を譲渡する。こうした処理方法は緊急対応措置であり、信託受益権の取引メカニズムを

構築すれば、受益者が自由に信託受益権の売買を行うことになる。中誠信託はこうした方法を

もって「誠至金開 1号」の「剛性兌付」を処理した。

中誠信託の「「誠至金開 1号」案件では、中国工商銀行の董事長が、メディアの取材に応じ

るとき、中誠信託の投資家に補償を提供せず、かつ如何なる絶対償還責任を負わないと述べた。

こうした話しに対して、多くの投資家が理解しにくいと感じていた。この案件から見れば、信

託商品の推奨・販売過程において、銀行がどのような役割及び法的責任を担うべきかという問

題について深く考えしなければならない。

2013 年度における中国の信託資産総規模は約 11 万億元に上り、前年度の 7.47 万億元と

比べて 46%増となった。信託資産規模が急速に膨張している原因としては、「剛性兌付」の存

在のみならず、信託商品販売チャネルの拡大に直接関係があると思われる。大手信託会社は、

信託商品の販売部門を設置して自己の直売チャネルを構築していた。しかし、大部分の中小型

信託会社が自己の販売チャネルを持っていない。それで、信託商品の推奨・販売を商業銀行と

第三者理財機構に委託するしかない。商業銀行は、投資家に多元的な資産配置計画を提供でき、

顧客の資金を銀行内に閉鎖的に流動させるだけでなく、銀行の収益向上につながるため、銀行

が信託会社と緊密な業務提携(銀信合作)関係を築いていた。信託会社にとって銀行合作のも

う一つのメリットは、投資家に「商業銀行が推奨する信託商品に対して暗黙の元本保証を提供

する」という錯覚を生じさせやすいである。投資家の方は銀行の方に絶大なる信頼を寄せて信

託商品に投資するという現状になる。

信託商品の販売及び銀行の法的責任

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

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信託商品の販売過程において銀行が一体どんな役割を担うべきか。「信託会社集合信託計

画管理弁法」の規定において、信託会社が信託計画の適格投資家への推奨業務を商業銀行に委

託できるものの、商業銀行が信託計画の投資リスクを負担しないと規定されていた。2008 年の

「銀行と信託会社との業務提携に関する手引」において、信託会社が信託計画の推奨を銀行に

委託するとき、信託会社が銀行に対して完備な信託書類を提供しかつ銀行推奨人員のために信

託商品の推奨研修を提供する。銀行が信託書類の約定に従って、適格投資家に信託商品を推奨

し、誇張した宣伝をしてはならず、かつ信託計画の投資リスクの自己負担について十分に提示

しなければならないと規定されていた。上記の規定から見れば、信託商品の販売過程において、

銀行の役割は信託商品の推奨であり、信託商品の販売代理ではないと見られる。

2011 年の「中国銀監会による信託商品販売の規範化に係る問題に関する通知」(意見募集

稿)第 23 条の規定により、信託会社と投資者が面対面で関連信託書類(信託契約、アンケート

調査などを含む)を締結しなければならない。第 25 条の規定により、推奨代理機構は信託会社

に対して全面的且つ真実的な顧客情報を提供し、かつ提供する顧客情報が信託会社の適格投資

家に係る選別基準を満足できる。第 29 の規定により、信託会社が厳格な適格投資家選別制度を

構築し、かつアンケート調査の内容を規定する。上記の規定を見ると、商業銀行の信託商品販

売過程における責任と義務が更に明らかになった。商業銀行が独立的に販売過程を完成できず、

信託会社が投資家に対して投資能力評価、リスク提示、情報開示(アンケート調査、契約解釈

など)などの職責を履行しなければならない。実際的には、信託会社が投資家の投資能力及び

リスク負担能力を評価するとき、形式的審査をするだけである。銀行は信託商品の推奨義務さ

え履行すれば、投資家の投資リスクに対して如何なる賠償責任を負わないものとする。

信託商品の販売過程における商業銀行の法的位置づけに基づく責任については、上記の法

律規定に基づき、商業銀行が媒介者として、信託会社と投資家との間で信託商品販売契約が締

結されるよう代理又は尽力する活動に従事するものと認定すべきである。民法上で「媒介者」

の役割は、委託の目的に適合するような情報を収集し、委託者に提供する義務を負うこと、及

び媒介者が報酬の支払いを請求するために、媒介活動を通じて第三者との間で法律行為を成立

させることである。よって、信託会社と銀行の法律関係は媒介行為の法律関係であり、委託代

理行為の法律関係ではないと考えられる。もし、委託代理行為と認める場合、民法上の代理制

度の規定により、代理人としての商業銀行は、信託会社からの授権により自己意思表示で投資

家と信託商品販売契約を締結すべきであり、信託会社に全面的且つ真実的な顧客情報を提供す

る必要はないはずだと思われる。

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

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こうした観点から見れば、中誠信託の「「誠至金開 1号」案件では、中国工商銀行の董事

長が「中誠信託の投資家に補償を提供せず、かつ如何なる絶対償還責任を負わないと」と表明

することには問題ないだろうと思われる。もちろん、前提としては工商銀行の行為は民法上の

「表見代理行為」を構成できない。

信託会社がフィナンスリース業務に従事する先天的な優位性を持っている。資金面から見

ると、ファイナンスリース会社(以下、「リース会社」という)は資本金以外に銀行貸付及び投

資者の委託資金に過度に依存するが、信託会社は柔軟な資金調達手段を通じて信託資金を募集

し、フィナンスリース業務の展開のために資金の保障を提供できる。フィナンスリース業務は

信託会社の取り扱う業務の一つである。信託会社がリース業務に用いられる主な手法は、以下

の通りである。

一、信託会社による「集合資金信託計画」の設定

信託会社は、投資家に「集合資金信託計画」の発行によって信託資金を募集する。ユーザ

ーのサプライヤーとリース物件に対する選択に従い、信託資金を運用してリース物件を購入し、

ユーザーにリースし、かつユーザーからリース料を受け取る。この取引スキームにおいて、信

託会社は信託財産の受託管理者であると同時に、賃貸者でもある。信託会社が信託収益から投

資家に投資元本と利子を支払う。(図表 1 をご参照ください)

図表 1: リース物件の引渡し

リース物件代金の支払 リース料の受取

信託資金の募集 集合資金信託計画の発行

赤い矢印は資金の流れを示す

ファイナンスリース・信託の主な運用手法

サプライヤー

投資家

信託会社

ユーザー

投資元本と利子の支払

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

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二、信託会社と銀行との業務提携

信託会社が商業銀行と業務提携を行い、商業銀行が理財商品の発売によって資金を募集す

る。募集した資金を信託会社の「リース単一資金信託計画」の設定に使用する。信託会社が信

託資金を運用してリース物件を購入し、ユーザーにリースしかつユーザーからリース料を受け

取る。商業銀行に単一資金信託計画の元本と利子を支払う。(図表 2 をご参照ください)

図表 2: 理財商品の発売 理財商品収益の支払

資金の募集

単一資金信託計画の発行 信託元本と利子の支払

リース物件 リース料の受取

代金の支払

赤い矢印は資金の流れを示す

三、信託会社とリース会社との業務提携

(一)リース集合資金信託計画

信託会社がリース会社と業務提携を行い、信託会社が「リース集合資金信託計画」の発行

によって資金を募集する。信託会社はリース会社のプロジェクトと専門管理経験を利用し、募

集した資金をリース会社に貸付する。リース会社がリース物件を購入し、ユーザーにリースし

かつユーザーからリース料を受け取る。投資家に安定な信託収益をもたらした。(図表 3 をご参

照ください)

図表 3: リース集合計画の発行 信託元本と利子の支払

資金の募集

信託貸付 信託貸付元本と利子の支払

リース物件 リース料の受取

代金の支払

赤い矢印は資金の流れを示す

投資家

リース会社

信託会社

ユーザー

投資家

信託会社サプライヤー

商業銀行

ユーザー

投資家

サプライヤー

投資家

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

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(二)リース資産収益権譲受集合信託計画

リース会社は、資産の流動性を高めるために、一つ又は複数のリースプロジェクトからの

リース料収入によって形成されたリース資産収益権を譲渡する。信託会社が「リース資産収益

権譲受集合信託計画」の発行によって資金を募集する。募集した資金をもってリース資産収益

権を譲り受ける。信託計画の期限が満了するとき、リース会社がリース資産収益権をプレミア

ムで買い戻すという形で信託収益を取得する。

四、信託会社と銀行、リース会社との業務提携

(一) リース単一資金信託計画

銀行がリース会社を指定する。信託会社が商業銀行と業務提携を行い、商業銀行が理財商

品の発売によって資金を募集する。募集した資金を信託会社の「リース単一資金信託計画」の

設定に使用する。信託会社が募集した資金をリース会社に貸付する。リース会社がリース物件

を購入し、ユーザーにリースしかつユーザーからリース料を受け取る。投資家に安定な信託収

益を取得する。(図表 4 をご参照ください)

図表 4: 理財商品の発売 理財商品収益の支払

資金の募集

単一資金信託計画の発行 信託元本と利子の支払

信託貸付 信託貸付元本と利子の支払

リース物件 リース料の受取

代金の支払

赤い矢印は資金の流れを示す

(二)リース資産収益権譲受集合信託計画

リース会社は、資産の流動性を高めるために、一つ又は複数のリースプロジェクトからの

投資家

信託会社

商業銀行 投資家

リース会社 ユーザーサプライヤー

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

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リース料収入によって形成されたリース資産収益権を譲渡する。商業銀行がリース資産収益権

理財商品の発売によって資金を募集する。募集した資金を信託会社の「リース資産収益権単一

資金信託計画」の設定に使用する。信託会社は、信託資金をもって当該リース資産収益権を譲

り受け、信託計画の期限が満了するとき、リース会社がリース資産収益権をプレミアムで買戻

するという形で信託収益を取得する。(図表 5 をご参照ください)

図表 5:

理財商品の発売 理財商品収益の支払

資金の募集

信託元本と利子の支払

譲渡代金

リース料の受取 リース料の受取

赤い矢印は資金の流れを示す

五、リース料債権の証券化

リース会社の発展に伴い、リース料債権が安定的かつ予測可能なキャシュフローを生み出

す場合、リース料債権証券化の条件を具備する。当面、銀行貸出債権証券化の試行を拡大する

と伴い、信託会社はリース料債権証券化業務を模索している。

リースプロジェクトのリスク防止について、まず、ユーザーに対して詳細なデューディリ

ジェンスを行う。次に、ユーザーが期限通りにリース料を支払うこと、及び期限通りに投資元

本と利子の支払を確保するために、信託会社が一定の保障措置を設定する。第三に、定期又は

不定期にユーザーに対して現場検査を行い、かつ定量的リスク管理を実施する。第四に、リー

ス市場変化を全面的に把握したうえで、プロジェクトの中期・後期のリスク管理を強化する。

投資家

信託会社

商業銀行 投資家

リース会社 ユーザー

リース資産収益権単一

資金信託計画の発行

ユーザー

リース資産収益権の買戻

■ 中国資産管理業の動向【特集】―――――■

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■ 中国金融ビジネス動向―――――■

銀証合作業務の提携銀行の資産規模、300 億元から 500 億元に引上げ

2 月 12 日、中国証券業協会は、「証券会社の資産管理業務の更なる規範化に係

る事項に関する補充通知」を公布し、2月 17 日より施行される。「補充通知」にお

いて、銀証合作業務(銀行と証券会社との業務提携)の禁止条件、提携銀行の選定

基準、証券会社の招聘する第三者機構の資質、トランシェ分けの集合計画の商品設

計などについて、監督管理を強化すると強調した。提携銀行の選定基準について、

直近 1年末の資産規模が 300 億元から 500 億元に引上げられ、トランシェ分けの集

合計画の商品設計について、権益類商品の初回レバレッジ比率が 5倍を超えず、そ

の他の商品の初回レバレッジ比率が 10 倍を超えない。証券会社の資産管理業務につ

いて、証券会社が非標準的債権資産に投資するとき、デューディリジェンスを行わ

なければならい。また、証券会社が集合計画を通じてチャネル業務をしてはならな

い。(2014 年 2 月 14 日付「証券時報」より)

民間の大口融資、3 月 1 日から強制的届出制を実施へ

中国初の金融の地方性法規となった「温州市民間融資管理条例」は 3月 1 日よ

り施行される。民間の大口融資について、初めて強制的届出制を実施することを明

らかにした。「管理条例」によると、一回の融資額が 300 万元以上、累計融資残高

が 1000 万元以上、もしくは 30 人を超える特定対象から融資する場合、借入人が契

約締結日から 15 日以内に契約書の副本を地方の金融管理部門又は授権された民間

融資公共サービス機構に届出を行う。(2014 年 2 月 14 日付「証券時報」より)

中国銀監会、信託商品登記システムの構築を推進へ

中国銀行業監督管理委員会は、信託商品登記システムの構築について信託会社

にアンケート調査を行い、信託商品登記システムの構築に関する提案を求めている。

当該システムの構築は、信託商品の譲渡にとって重要な意義を持つ。このシステム

の構築により、信託商品の権利確認と取引の機能を実現し、信託商品の流動性を高

めることになる(2014 年 2 月 12 日付「証券時報」より)

主なニュース

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国家為替管理局、国内機構の配当金送金の管理を簡素化

国家為替管理局は、国内機構の配当金送金の管理を簡素化しました。銀行は、国

内機構による 5万ドルに相当する金額以下の配当金送金について、原則として取引

エビデンスを審査せず、5万ドルに相当する金額以上の配当金送金について、原則

としてその財務監査報告書及び出資検査報告書を審査しない。また、企業が本年度

で処理する配当可能額は、直近の財務監査報告書に記載されている外国株主に帰属

する「配当金」と「未分配利益」の合計金額を超えてはならないという制限を取り

消した。(2014 年 2 月 日「国家為替管理局ウェブサイト」より)

国務院、登録資本金登記制度改革方案を公布、5 つの改革措置を打出し

2 月 18 日付「新華社」の報道によると、国務院は「登録資本金登記制度改革方

案の印刷・公布に関する通知」を公布した。全国範囲で登録資本金登記制度改革を

実施する方針を明らかにした。「改革方案」において、五つの方面から改革措置を

打ち出した。第一に、登録資本引受登記制を実施すること。第二に、登録資本登記

条件を緩和すること。第三に、企業の年次検査制度を年度報告公示制度に変更する

こと。第四に、市場主体の住所登記手続きを簡素化すること。第五に、電子営業許

可証及び商業登記管理の電子化を推進するということである。

上海自由貿易試験区で、第三者決済機構 5 社のクロスボーダー人民元決

済業務の取扱を開始へ

2 月 18 日、中国人民銀行(中央銀行)の上海本部は、銀行及び第三者決済機構

に対して「上海市の決済機構によるクロスボーダー人民決済業務の展開に関する実

施意見」を下達した。「実施意見」の施行後、上海銀聯電子支払服務有限公司、快

銭支払清算信息有限公司、通聯支払網絡服務株式有限公司、東方電子支払有限公司、

上海盛付通電子商務有限公司の第三者決済機構 5社が、提携銀行との業務提携契約

を締結し、クロスボーダー人民元決済業務の取扱を開始すると伝えた。(2014 年 2

月 20 日付「証券時報」より)

■ 中国金融ビジネス動向―――――■

主なニュース

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■ 中国金融ビジネス動向―――――■

上海自由貿易試験区、輸入ファクタリングとオフショアファクタリングを開放

2 月 24 日、「中国(上海)自由貿易試験区商業ファクタリング業務管理暫定弁

法」が公布された。従前の上海市浦東新区における「商業ファクタリング企業の設

立に関する試行弁法」及び「商業ファクタリング試行期間の監督管理に関する暫定

弁法」と比べて、今回の暫定弁法において、輸入ファクタリング業務とオフショア・

ファクタリング業務を全面開放すると規定された。(2014 年 2 月 21 日付「上海自

由貿易試験区ウェブサイト」より)

保険資金による権益類資産への投資比率、25%から 30%に引き上げ

中国保険監督管理委員会は 19 日、「保険資金の運用比率に対する監督管理の

強化及び改善に関する通知」を発表した。通知において、各種類の保険資産の投資

総量及び集中度の監督管理比率の上限ついて明確に規定された。その中に、保険資

金による権益類資産への投資比率が、前の 25%から 30%に引き上げられた。権益

類資産には上場・未上場株式、株式型投資信託、混合型投資信託、私募ファンドな

どが含まれる。保険会社の投資カテゴリについて、流動性資産、固定収益類資産、

権益類資産、不動産類資産及びその他の金融資産など五つの資産に分けられ、保険

資金の投資比率の上限について、権益類資産で 30%、不動産類資産で 30%、その

他の金融資産で 25%、海外投資残高で 15%とし、流動性資産と固定収益類資産の

投資比率に関しては、上限を設定していない。(2014 年 2 月 19 日付「証券日報」

より)

深セン市小口融資会社の融資上限、純資産の 50%から 200%に引き上げ

深セン市の金融管理部門は最近、小口融資会社の融資ルートと融資総額の上限

について、業務通達を公布した。短期借入の融資総額の上限が、純資産の 30%を超

えず、資産証券化、追加融資、銀行貸付などの融資総額の上限が、純資産の 200%

引き上げられた。深セン市の小口貸出債権の証券化業務は、前海金融資産取引所、

前海株式取引センタなどの地方財産権取引所を通じて業務を展開すると見込まれ

る。(2014 年 2 月 21 日付「証券時報」より)

主なニュース

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■ 中国金融ビジネス動向―――――■

深セン市の小口融資会社、小口貸出債権の収益権計画を発売

深セン聯合財産権取引所、前海金融資産取引所及び広東太平洋資産管理会社は、

小口貸出債権の収益権計画という証券化商品を共同発行した。今回の証券化商品の取

引方式については、小口融資会社が、中小型企業に貸し付けた小口債権を小口に分割

し、深セン聯合財産権取引所を通じて投資家に譲渡し、投資家がその取引所市場で小

口貸出債権の受益権の取引と譲渡を行うことができる。投資期間満了後、小口融資会

社が原資産の債権をプレミアムで買い戻すという形である。今年 2月から小口融資会

社の融資比率が前の 50%から 200%に引上げられた。小口融資会社の資産証券化業務

試行を加速する動きがあると見られる。(2014 年 2 月 28 日付「証券時報網」より)

上海自由貿易試験区、300 万ドル以下の小口外貨預金金利の上限を撤廃へ

2 月 26 日、中国人民銀行の上海本部は、上海自由貿易試験区で 3月 1 日から 300

万ドル以下の小口外貨預金金利の上限を撤廃すると発表した。区内居住者に対して小

口外貨預金金利の上限を開放すると、上海地域の金融機構が、区内居住者に対して小

口外貨の預貸金金利を自主的に決定することができる。区内居住者には、区内に設立

された企業法人、その他の経済組織、外国法人の駐在事務所及び区内で 1年以上就業

又は営業している個人を含む。上海自由貿易試験区では、区外の地域に先行して外貨

預金金利の自由化を実現した(2014 年 2 月 27 日付「証券時報網」より)

証券会社の流動性カバー率と純安定資金調達率 100%を確保へ

2 月 25 日、中国証券業協会は、「証券会社の全面的リスク管理規範」、「証券会

社流動性リスク管理手引」を公布した。二つの業務規範によると、証券会社の流動性

カバー率と純安定資金調達率は、今年 12 月 31 日までに 80%に達し、15 年 6 月 30 日

までに 100%に達する。また、証券会社は、チーフ・リスク・オフィサー(CRO)」を

設置し、証券会社のリスク管理体制を整備する。証券会社はリスク許容度とリスク限

度額などのリスク指標体系、値洗制度などを構築しなければならない。(2014 年 2 月

26 日付「証券時報網」より)

主なニュース

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前海ファイナンスリース業の発展を促進するために、1月 16 日、深セン市金融弁公庁など

の関係部門は、「前海湾保税港区におけるファイナンスリース業務展開の推進に関する試行意

見」(試行意見)を公布した。試行意見において、市場進入、税関政策、クロスボーダー融資政

策の3つの方面から8条の試行意見を提出した。具体的内容は以下の通りである。

市場参入

(一)金融リース会社、外商投資ファイナンスリース会社、内資のファイナンスリース会社

が、前海湾保税港区で特別目的事業体(SPV)を設立し、かつファイナンスリース業務(融

資性リースと経営性リースを含む)を展開することを許可する。一般会社の設立手続きに従い、

市場監督管理局で登記手続きを行い、最低資本金の制限を設けていない。

税関政策

(一)登録住所が前海湾保税港区の赤い線範囲内にある、ファイナンスリース会社又は特別

目的事業体(SPV)は、前海湾保税港区内の企業であると認定し、保税港区政策を享受できる。

(三)前海湾保税港区に登記されているファイナンスリース会社又は特別目的事業体(SPV)

が、航空輸送量 25 トン以上の客貨兼用輸送機を輸入し、かつ国内航空会社にリースする場合、

ファイナンスリース会社と国内航空会社が、税関に承諾保証書を共同で提出する形で担保を提

供することを許可する。

(四)前海湾保税港区内に登記されているファイナンスリース会社又は特別目的事業体

(SPV)が、関連主管部門の認可を経て、国外から輸入しかつ国内航空会社にリースする航空輸

送量 25 トン以上の客貨兼用輸送機に対して、レッシ―は、国内航空会社による税関への届出、

リース会社による届出の方式を採って、国家関連規定における優遇税率を享受できる。

(五)前海湾保税港区内に登記されているファイナンスリース会社又は特別目的事業体

(SPV)が、国外から航空機、船舶又は大型設備を購入するとき、保税監督管理を実施し、かつ

入国届出手続を行ったうえで、国内の区外企業にリースするとき、国内ユーザーがリース方式

により輸入関税及び増値税を分割して納付することを許可する。ファイナンスリース会社と国

内航空会社が税関に承諾保証書を共同で提出する形で税金の担保を提供することを許可する。

前海ファイナンスリース業に関する新たな政策

■ 中国金融ビジネス動向―――――■

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(六)深セン宝安国際空港で臨時の滑走路と専用ターミナルを用意し、リース方式で輸入し

た航空機のための入国手続及び駐機に使用する。

クロスボーダー融資政策

(七)前海に登記されているファイナンスリース会社又は特別目的事業体(SPV)が、完備な

航空機、船舶又は大型設備の購入に係る取引書類を提供でき、かつ業務内容の真実性を証明で

きる前提下で、国家関係部門に債権、株式等の方式によるクロスボーダー外貨資金の調達を申

請することを支持・協力する。

(八)前海に登記されているファイナンスリース会社又は特別目的事業体(SPV)が、香港で

人民元業務を取り扱う金融機関からクロスボーダー人民元資金を調達することを支持する。

2013 年 12 月 5 日、新疆広匯租賃服務有限公司(以下、「広匯リース」)は、「匯元1期専項

資産管理スキーム」(以下、「匯元1期」)の発行に成功した。2013 年、中国証監会の承認を得

た 4本目の資産証券化商品であり、国内初の自動車リース会社が発行した資産証券化商品でも

ある。「匯元1期」の発行成功は、国内最大手の自動車リース会社である匯通信誠租賃有限公司

(広匯リースの持分 100%を保有する)は、自動車リース会社が資産証券化を活用して資金を

調達することに成功した先例となった。自動車リース業の融資にとって画期的な意義を持って

いた。

「匯元1期」は 2013 年 6 月 24 日に中国証監会より受理され、10 月 18 日に承認を得て、12

月 5 日に発行し、12 月 20 日上海証券取引所に上場した。「匯元 1期」の発行成功は、広匯リ

ースが株主の資金と銀行貸付に過度に依存する融資状況を変え、広匯リースのために融資ルー

トを開拓するのみならず、自動車リース会社に直接融資ルールを開拓した。資産証券化試行の

深化のみならず、リース会社による資産の期間構造調整及び流動性リスクの軽減に有利する。

今回のリース料債権証券化の仕組みについては、広匯リースが顧客からの 27000 件のリー

ス料債権を裏付け資産として、その資産から生じるキャッシュフローで償還する。「匯元 1期」

の元本総規模は 11.1354 億元、優先トランシェ A(信用格付け A A A)の元本総額は 10 億元、

匯元 A1、A2、A3、A4 という 4つの品種に分けられ、劣後トランシェの元本総額は 1.1354 億元

中国最大手の自動車リース会社の資産証券化

■ 中国金融ビジネス動向―――――■

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で、広匯リースが全額引き受けた。10 億元の優先トランシェ A資産担保証券は、上海証券取引

所の固定収益証券総合電子プラットフォームを通じて譲渡を行う。

「匯元 1期」のオリジネーターである新疆広匯租賃服務有限公司は 2011 年 2 月に、上海浦

東で設立され、現時点で国内最大手の自動車リース会社であり、業務地域は 29 省市、100 余り

の都市をカバーしている。会社業務は自動車販売 4S 店を主とし、個人消費者及び企業に対して

自動車のファイナスリース及びメンテナンスリース・サービスを提供している。2種の自動車

長期リース・サービスを同時に提供できる国内初のリース会社であり、規模が最大、商品種類

が最多、自動車ブランドが業界最多、ワンストップ式の自動車リースと購買のサービスを提供

するリース会社でもある。(2013 年 12 月 20 日付「上海証券報」より)

2012―2013 年度における償還期間満了の地方政府融資プラットフォーム債務が非常に厖

大であるため、地方政府の財政に大きな償還圧力をもたらした。2011 年下半期から、地方政府

融資プラットフォーム会社は、相次いで銀行間私募債(PPN)の発行を通じて融資圧力を緩める

ことになる。銀行間私募債(PPN)という融資手段以外に、政信合作(政府と信託会社との業務

提携)が依然として、地方政府融資プラットフォームの有力な融資手段となっている。2012 年

上半期から信託会社 36 社が、インフラ整備のための集合信託計画 214 件を発行し、募集資金の

合計額は約 503 億元に達した。政信合作は、地方政府がその時の債務問題を解決できる方策と

言える。地方政府融資プラットフォーム債務の根本的な解決策としては、資産証券化の道を選

ぶべきであろう。

一、資産証券化の再開に当たり、地方政府融資プラットフォームにスポットを当てる

資産証券化は、20 世紀 70 年代後半から米国で発達した金融イノベーションの一つである。

資産証券化は、低コストの融資手段として利用されるだけでなく、多様化の投資手段としても

利用されている。米国では、資産証券化は最初の大変な勢いで発展してから金融危機に至るま

での現実を演繹し、資産証券化にはリスクと危機があるよう警告していた。

中国の資産証券化は、2005 年の銀行貸出債権の証券化から正式に始まり、2008 年サブプラ

イムローン危機で銀行貸出債権証券化が停滞している状態に陥った。その時期の原資産を見る

地方政府融資プラットフォームの証券化の再開始末

■ 中国金融ビジネス動向―――――■

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と、ほとんどは大手企業の貸出債権と抵当権付住宅担ローンである。2012 年 2 月から、新たな

資産証券化の再開にあたっては、地方政府融資プラットフォーム貸出債権の証券化にスポット

を当てることになる。いくつかの商業銀行は、地方政府融資プラットフォーム貸出債権の証券

化試行業務を手がけていた。一部の専門家は、「2011 年末で地方政府債務 10.7 万億を抱えて

いる中国にとって、地方政府融資プラットフォーム貸出債権の証券化を試行するのは積極的な

対策である。 長い目で見れば、地方政府融資プラットフォームの債務を政府予算に組み入れな

ければならない。同時にリスク許容の範囲で資産証券化などの措置によって地方政府の債務問

題を解決することができる」と述べた。

地方政府融資プラットフォームの証券化について、政府部門及び関連高級管理職は、明確

な奨励態度を表していた。2009 年 9 月、中央銀行副頭取の劉士余氏は、「大量の地方政府融資

プラットフォームは地方政府の債務償還能力に脅しになり、この問題を解決するには、銀行間

債券市場を利用し、債務の増量は地方債を考慮すべき、既存債務は資産証券化によって解決す

る」と表明した。劉士余氏の見解を見ると、商業銀行は、融資プラットフォーム貸出債権の証

券化によって債券市場に参入し、巨大な既存債務の負担を解決する。2012 年 1 月に、開催され

た大手銀行の監督管理工作会議において、中国銀監会の周慕氷副主席は、「今年、健全な内部

統制を築いた銀行が、質の良いプラットフォーム貸出債権を選択し、リスクがコントロールで

きる前提下で、資産証券化を展開することを支持する」と表明した。

二、資産証券化の再開と銀行の選択

中央銀行副頭取の劉士余氏は、再び資産証券化の再開の重要性を言及した。劉士余氏の話

しによると、資産証券化の推進は、債券市場と株式市場の健康発展に関わり、銀行の中核資本

圧力を緩和することに有利し、金融システム全体の安定を保障できる。もし、資産証券化とい

うルートがなければ、大量の銀行貸付は相変わらず預金の貸付金への転換に依存し、最終的に

は過剰流動性が生じやすいため、金融システムの全体に非常に不利な影響を与える。銀行貸出

債権の証券化を通じて銀行の資本充足率の圧力を緩和させ、銀行貸付から直接融資へ転化し、

直接融資と間接融資の比例を適当に調整することができる。

澳新銀行の中国区チーフ・エコノミストの劉利剛氏は、「今回の資産証券化を再提言する

主因としては、銀行が資本金補充の圧力により逼迫された問題であり、もし、証券化ができれ

ば、預貸率などからの影響が少なくなる。資産証券化は、銀行システムにとっていくつかのメ

■ 中国金融ビジネス動向―――――■

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リットがある。資本金不足の問題を解決できる一方で、銀行の流動性リスク管理に有利になる。

銀行の最大の問題点は、期間のミスマッチの問題であり、例えば、預金の短期化と貸付の長期

化という期間のミスマッチが存在しており、資産証券化を通じて期間のミスマッチに起因する

流動性リスクの管理に有利する。」と述べた。同時に、劉利剛氏は「大規模な資産証券化を行

う場合、金融監督管理が追いかけない背景に、銀行は利益の考慮によって一定の資産バブルを

生じさせるかもしれない。その過程において、不良資産の譲渡に伴うモラルリスクが生じた。」

と強調した。

資産証券化を行う時に注意するところは、原資産の所有者(オリジネーター)は資産を SPV

(特別目的会社)に譲渡しなければならず、譲渡後、オリジネーターが該資産に関する法律上

の義務を負わないため、一定程度のモラルリスクが存在する。不良資産は証券化の方式を通じ

て拡散することも、銀行貸出債権証券化、特に地方政府融資プラットフォーム貸出債権の証券

化の最大の心配事である。往々して良好なキャッシュ・フローを生み出す資産を譲渡しない。

その懸念点について、興業銀行チーフ・エコノミクスの魯政委氏は、「金融危機後、各国

は一定手段によってこの問題を解決する。主な解決策の一つとしては最低限の信用リスク留保

という方法である。米国の資産証券化に係る規定により、証券化の発起機構は、第三者に資産

担保証券を発売するとき、最低 5%の信用リスクを留保しなければならない。金利や為替レー

トの変動によるリスク以外に、当該信用リスク留保に係る譲渡、抵当又はリスクヘッジをして

はならず、商品存続期内の利益一致を確保する。こうした制度設定は、銀行が不良資産を投出

しするなどのモラルリスクを抑えることができる」と指摘した。魯政委氏は、「証券化は銀行

資本充足率の引上げ及び銀行預貸率の改善に有利になったとしても、銀行にとって最も重要な

ものではなく、最も重要なのは、証券化は銀行資産と負債間の期間ミスマッチの調整に役立つ

重要な手段であり、これ以外により効果的方法はない」と改めて強調した。

資産証券化の信用リスクの留保という問題については、2013 年 12 月 31 日、中国人民銀行

と中国銀行業監督管理委員会は、銀行貸出債権証券化の発起機関(オリジネーター)の信用リ

スクの留保に関する「第 21 号公告」を共同で発布した。第 21 号公告によると、銀行貸出債権

証券化のオリジネーターが原資産の信用リスクを留保する比率が 5%を下回ってはならない。具

体的に以下の要求に従って原資産の信用リスクを留保する。①オリジネーターが自ら発行した

証券化商品を保有する比率が、当該証券化商品の総発行規模の 5%を下回ってはならない。②

劣後トランシェの証券化商品を保有する比率が、当該劣後トランシェの証券化商品の発行規模

■ 中国金融ビジネス動向―――――■

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の 5%を下回ってはならない。③劣後トランシェ以外の証券化商品を保有する場合は、各トラ

ンシェの資産担保証券をそれぞれ保有しなければならず、かつ各トランシェの証券化商品の発

行規模に占める同じ割合で保有しなければならない。④保有期間が各トランシェの証券化商品

の存続期間を下回らない。オリジネーターが、上記の要求に従い、実際状況に応じて信用リス

ク留保の具体的方式を自主的に取り決める。

2012 年の資産証券化試行が再開するに当たって、試行範囲の拡大には地方政府融資プラッ

トフォームが含まれる。銀行が地方政府融資プラットフォーム貸出債権を裏付け資産として証

券化商品を発行するか、という問題について、劉利剛氏が異なる意見を示した。劉利剛氏は、

「地方政府融資プラットフォーム貸出債権の証券化は、根本的な問題を解決するに至らないも

のであるため、選択の必要性がない」と指摘した。その理由としては、地方政府貸付の目的は

地方インフラ整備、交通などの公共施設の整備などの長期的投資であり、銀行融資は短期的な

ものであるため、期間のミスマッチという問題が必ず発生する。銀行が地方政府に追加融資す

れば、それから、証券化手段によって債券を発行することが遠回りすることになる。地方政府

が債券市場で債券を直接発行するのは、地方政府融資プラットフォームの問題を解決する最も

直接的な方法であると劉利剛氏が強調した。また、中国社会科学院の金融研究所の構造研究室

の袁増霆研究員は、原資産が証券化されるかどうか、原資産の収益率も考慮しなければならな

い。地方政府融資プラットフォーム貸出債権の利息は低いため、証券化された後その収益区間

があんまり大きくないと指摘した。

三、資産証券化の再開と地方政府融資プラットフォームの選択

地方政府融資プラットフォームが資産証券化を融資手段として選択するのは、資産負債率

の制限を受けていないためである。都市投資債券の発行又は銀行融資は資産負債率に一定要求

を提出した。大多数の地方政府融資プラットフォーム企業の資産負債率が 50%以上を超える状

態にある。また、中国銀監会は 2013 年 4 月に「2013 年地方政府融資プラットフォームリスク

の監督管理強化に関する指導意見」(「10 号文」という)を公布した。10 号文において、銀行

による地方政府融資プラットフォームへの貸付に対して、6 つの前提条件を設定すると規定さ

れた。プラットフォーム貸付を引締める政策下で、融資プラットフォームによる債券の発行に

ついて、資産負債率の要件以外に、厳格な参入基準を設定した。例えば、国家発展改革委員会

■ 中国金融ビジネス動向―――――■

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が、都市投資債券の発行体に関する審査認可に係る規定を公布し、取引商協会が債券発行には

地方政府融資プラットフォームを含まないと発表した。こうした状況下で、地方政府融資プラ

ットフォームが資産証券化という創新型融資方式を選択しかないと言える。

地方政府融資プラットフォーム証券化の実践から見ると、2014 年 1 月 29 日付「東方朝刊」

によると、2014 年 1 月から 2件の地方政府融資プラットフォーム証券化が承認された。地方政

府融資プラットフォーム証券化が 9か月ぶりに再開された。一時停止の主因は、全国の政府性

債務状況がまだ不明確である。再開の主因としては、国家審計署は 2013 年 7 月から政府性債務

に対して会計監査を完成し、12 月に全国の政府性債務の監査結果を発表した。監査結果により、

全国の各級政府が償還すべき債務は 206988.65 億元である。近年来の地方政府性債務の借入主

体や融資方式の変化に対して、今回で監査政府が一定の救済責任を負うべき債務の中に、地方

政府が国有独資又は持株企業、自己で収支を負担する事業単位などの新たな債務主体、及び BT、

ファイナンスリース、立替施行など新たな債務方式を用いて公益性プロジェクトのために融資

し、かつ非財政資金で償還すべき債務は 19730.13 億元である。監査結果はその前の外界からの

予想より低く、政府性債務リスクが全体としてコントロールできる。

融資プラットフォーム証券化の一時停止前、2013 年 4 月 22 日に中国証監会の認可を得た

地方政府融資プラットフォーム証券化は、国泰君安の上海隧道株式 B0T(建設・運営・譲渡)

プロジェクトである。2014 年 1 月以来、中国証監会の承認を得た地方政府融資プラットフォー

ム証券化は、海通証券の浦発集団 BT 買戻プロジェクトと広発証券の吉林城建 BT(建設・譲渡)

プロジェクトであり、浦発集団と吉林城建は地方政府の融資プラットフォーム会社である。 中

国証監会のウェブサイトに掲載された新たな情報によると、1月 20 日まで、東海証券の如皋港

区 BT 買戻プロジェクト、広源証券の車両通行料収益権、東呉証券の瀋陽万贏新城 BT、渤海証

券の大都市熱電公司の電気購買・販売契約に係る債権など、35 件の地方政府融資プラットフォ

ーム証券化プロジェクトは、審査待ちになる。

2014 年 3 月 16 日、中共中央・国務院は「国家新型都市化企画(2014-2020 年)」を公布し

た。重大な任務の一つとしては、都市基盤整備への布石と都市形態の改善を行い、都市の持続

発展能力を向上させ、都市と農村の一体化を推進することである。勿論、郷鎮のインフラ整備、

交通、医療などの公共施設の建設に要する大量資金は相変わらず地方政府融資プラットフォー

ムを通じて調達する。大規模の銀行融資だけに依存することが維持できない。大規模の都市化

建設に臨み、銀行と地方政府が融資プラットフォームの債務を如何に対応するかが当面の課題

となった。(本稿では 2012 年 2 月 21 日付「中国経済時報」より引用する)

■ 中国金融ビジネス動向―――――■

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2014 年 2 月 24 日、最高人民法院は、「ファイナンスリース契約紛争案件の審理における

法律適用問題に関する解釈」を公布し、3月1から施行される。司法解釈は 26 条から成ってい

る。ファイナンスリースの経営実践及び裁判実務において、ファイナンスリース(以下、「リ

ース」と略称する)法律関係の構成、リース物件の範囲、リース契約と売買契約の関係、契約

解除の法的結果、リース物件の公示などを巡る紛争が多く発生していた。新たな司法解釈は、

紛争に係る法的問題について具体的に定めていた。

一、リース契約の認定及び効力

(一)名義上のリース契約に関する認定

実務上で、契約の名称はリース契約であるものの、実際にリース物件の占有・使用が存在

せず、当事者の権利義務から見ると、資金の貸し借りのみを反映し、又はリース物件が存在し

ているものの、約定されているリース料はリース物件の購入価値及びリース会社のコストと利

益を反映せず、資金が占用される利息コストを反映している。これらの契約の性質について、

「司法解釈」第 1条に明確に定めていた。人民法院は、契約法の関連規定に基づき、目的物の

性質、価値、リース料の構成及び契約上の権利と義務を併せて考慮したうえで、リース法律関

係の構成について判断を行う。契約の名称はリース契約であるものの、実質的にリース法律関

係を構成しない契約に関して、人民法院は、実質的法律関係の構成に基づき処理する。司法解

釈は、リース契約の特徴を考慮したうえで、資金の貸し借り関係だけが存在するリース契約に

対して認めない。

(二)リースバック契約に関する認定

実践中、セール・アンド・リースバック取引が多く利用される。契約の性質に関して、抵

当貸付契約であるか、リース契約であるかについて、異なる認識が存在している。「司法解釈」

第 2条の規定により、ユーザーは、所有する物件をリース会社に売却し、リース契約によって

リース会社から借り入れる場合、人民法院は「ユーザーとサプライヤーは同じである」という

理由だけで、リース法律関係を構成しないと認定すべきではない。ユーザーとサプライヤーは

同じであったとしても、リース契約の認定に影響しない。司法解釈は、リースバック契約の性

最高人民法院によるファイナンスリース契約紛争の審理に関する司法解釈

■ 中国政策・法令―――――■

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質に対して法律上の認可を与えた。但し、リース会社とユーザーがリースバック契約を締結す

るものの、ユーザーが実際にリース物件を占有・使用せず、又はリース物件の価値を低く評価

し、リース契約を名目に資金の貸し借りを行う。このようなリース契約に対して、人民法院は、

貸付契約関係に従って認定する。

(三)行政許可を必要とするリース契約に関する認定

実践中、政府主管部門が特定リース物件の経営許可に対して資質の制限を設けている。た

とえは、医療器械設備は国民の生命と財産の安全に関わるため、主管部門が医療器械設備の経

営許可に制限を加えた。リース契約におけるリース会社が、経営許可を取得する必要があるか、

又は行政許可を取得せずに締結されるリース契約が有効であるか、という問題について、「司

法解釈」第 3条に明確に定めていた。法律、行政法規の規定により、ユーザーが、リース物件

の経営・使用について、事前に行政許可を取得すべきである場合、人民法院は、リース会社が

行政許可を取得しなかったことを理由に、リース契約が無効であるものと認定すべきではない。

「司法解釈」第 3条の規定から見れば、リース取引において、リース会社が特定リース物件の

経営許可を取得するかどうかを問わず、ユーザーが、特定リース物件の経営許可を取得する場

合、リース契約が有効であるものと認定すべきである。それはリース取引の本質に合致すると

言える。リース会社は、資金を調達し、リース物件を購買し、ユーザーにリースするという役

割を果たし、実際にリース物件の経営に従事しないため、リース会社が特定リース物件に係る

経営許可を取得する必要がないと考えられる。

(四)契約無効の法的結果

リース契約が無効であると認定する場合、当事者が契約無効時のリース物件の帰属に関す

る約定がある場合、その約定に従う。約定しないか、又は約定が明確ではないか、かつ協議に

より合意できなかった場合、リース物件はリース会社に返還すべきである。但し、ユーザーの

事由により契約の無効が生じた場合、リース会社がリース物件の返還を要求せず、又はリース

物件を使用しているため、リース会社に返還すればリース物件の価値・効用を著しく低下させ

る場合、人民法院は、リース物件の所有権がユーザーに帰属し、かつ契約履行及びリース料支

払の状況に応じてユーザーにリース物件を減価補償させるという判断を下す。

■ 中国政策・法令―――――■

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二、リース契約と売買契約の関連関係

リース基本的な法律関係の当事者が、リース提供者(リース会社)と利用者(ユーザー)

である。それと同時に、供給者(サプライヤー)が存在している。典型的なリース契約は、リ

ース提供者と利用者の基本的な関係以外、供給者を含む三当事者関係である。即ち、リース提

供者と利用者のリース契約、及びリース提供者と供給者のリース物件売買契約を含む。しかし、

現行の中国契約法では、リース契約を二当事者の法律関係として規範化され、リース物件売買

契約に起因した紛争及び損失賠償について、リース契約関係を通じて解決できるかという問題

について明確に定めなかった。リース取引において、売買契約はリース契約のために締結する

ものであり、リース契約は売買契約締結の前提条件である。従って、売買契約とリース契約の

効力、履行及び解除は、勿論、もう一つの契約に影響を与える。売買契約とリース契約の効力

関係及び解除の関係について、契約法に明確な法的根拠がないことにより、司法実務上の困惑

となっている。今回の「司法解釈」は、売買契約とリース契約の関連関係について、三つの方

面から具体的規定を定めた。

(一)双方の契約解除権の設定

売買契約によってリース契約の目的が実現できなかった場合、リース契約を解除すること

ができる。「司法解釈」第 11 条の規定により、次に掲げる各号のいずれかに該当する場合、リ

ース会社又はユーザーが、リース契約の解除を請求することができる。

1. リース会社とサプライヤーが締結した売買契約が解除され、無効と認定され、又は取

り消され、かつ双方が改めて売買契約を締結しないこと。

2. リース物件は、双方の原因によらずに意外に毀損、滅失、かつ修理又は代替品の提供

ができないこと。

3. サプライヤーの原因によりリース契約の目的が実現できないこと。

上記規定を見ると、売買契約が解除され、無効と認定され又は取り消され、かつ双方が改

めて売買契約を締結しない場合、又はサプライヤーの原因によりリース契約の目的が実現でき

ない場合、リース会社とユーザーのいずれかがリース契約を解除することできる。

(二)契約解除後、ユーザーに対する損失賠償の請求

■ 中国政策・法令―――――■

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「司法解釈」第 16 条の規定により、売買契約が解除され、無効と認定され、又は取り消しさ

れる原因により、リース契約が解除される場合、リース会社がリース契約の約定に基づき、又

はリース契約に約定がないか、又は約定が不明確である場合、ユーザーの選択に応じてサプラ

イヤー及びリース物件を確定することを理由に、ユーザーに対してかかる損失賠償を主張する

場合、人民法院は支持すべきである。リース会社の損失は、売買契約が解除され、無効と認定

され、又は取り消しされる際に、損失賠償をもらう場合、ユーザーに対する相応の賠償責任を

免除すべきである。

三、リース物件の公示制度

リース取引において、ユーザーが、リース物件を譲渡し、又は抵当権を設定するなどの状

況がよく発生した。現行の法律上で、一部のリース物件登記問題について明確に規定していな

いため、リース会社の所有権に一定リスクをもたらした。リース期間中、ユーザーが、資金繰

りのために、リース物件の譲渡又は抵当権の設定によって追加融資する。こうしたリスクが客

観的に存在している。法律上で、航空機、船舶、工場の建築物などのリース物件について、法

定登記機関で公示方式によって所有権登記を行うことができるため、ユーザーが上記のリース

物件の譲渡などの所有権処分行為を行う際、リース物件の所有権の帰属に影響しない。しかし、

機械設備及びその他の動産などのリース物件について、所有権登記機関を規定していなため、

リース物件の占有は、その所有権の公示方式となる。ユーザーがリース物件を譲渡するとき、

譲受人が善意取得制度に基づいてリース物件の所有権を取得できる。第三者の善意取得制度に

より、リース会社がリース物件の所有権を喪失した。こうしたリスクに対して、実践中、リー

ス会社が様々な措置を採ってリース物件の所有権を保護する。例えば、リース物件の目立つ位

置に印を付け、所有権の帰属を示す。抵当登記機関があるリース物件に対して、リース会社が

通常、ユーザーに対してリース会社のためにリース物件の抵当権を設定し、かつ登記機関に抵

当権登記を行うという権利を付し、リース物件の譲渡、抵当権の設定などのリスクを回避する

ためである。但し、こうした措置は、善意の第三者に対抗する法的効力が生じるかについて、

法律上で不明確な状態になっている。

今回の「司法解釈」第 9条において、リース会社の物権保護について明確に規定されてい

た。リース会社又はリース物件の実際使用者は、リース会社の同意を経ずにリース物件の物権

の移転又は他物権の設定を行うについて、第三者は、物権法第 106 条の規定における善意取得

■ 中国政策・法令―――――■

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制度に基づき、リース物件の所有権又は他物権を取得する場合、リース会社が第三者の物権が

成立しないと主張する場合、人民法院は支持しない。但し、次に掲げる各号のいずれかに該当

する場合は善意取得制度を適用しない。

1. リース会社がリース物件の目立つ位置に印を付け、第三者は、ユーザーと取引するとき、

当該物品はリース物件であることを知り、又は知るべきである。

2. リース会社は、ユーザーに対して、リース会社のためにリース物件の抵当権を設定し、

かつ法より登記機関に抵当権登記を行うという権利を付する。

3. 第三者は、ユーザーと取引するとき、法律、行政法規、業種又は地区主管部門の規定に

従って関連機構でリース取引を調査しなかった。

4. リース会社は、第三者が取引の目的物はリース物件であることを知り、又は知るべきで

あることに対して証拠をもって証明できる。

司法解釈は、実務上でリース会社が採用している合法的な物権保護措置に対して、法律

上の認可を与えた。第三者によるリース物件の所有権又は他物権の取得に対して制限を加えた。

四、リース会社によるリース料請求及びリース契約解除

ユーザーが期限通りにリース料を支払わない状況がよく発生する。通常の場合、リース

会社が、ユーザーに未払リース料の全部を支払うことを請求すると同時に、リース契約の解除

を請求する。この両請求が同時に提出できるかについて、異なる分岐が生じた。司法解釈の第

21 条の規定により、未払リース料の全部を支払うという請求とリース契約の解除という請求が

同時に主張できない。契約法の関連規定により、二つの請求権競合が生じた場合、二つの請求

権の選択を認めず、一つの請求権しか選択できない。また、リース会社が未払リース料の全部

支払という請求が実現できなかった場合は、司法解釈第 21 条の規定により、リース会社が改め

て、人民法院にリース契約の解除とリース物件の回収という訴訟請求を提出できる。人民法院

は受理すべきである。司法解釈の第 22 条の規定により、リース会社がリース契約の解除とリー

ス物件の回収を請求すると同時に、賠償損失を請求する場合、その損失賠償範囲について、ユ

ーザーの未払リース料の全部及びほかの費用と回収したリース物件価値の差額である。リース

期間終了後、リース物件の所有権はにリース会社に帰属すると約定する場合、損失賠償範囲に

はリース期間終了後のリース物件の未償却残額を含む。こうした規定はリース会社の二重受取

とユーザーの二重賠償を回避できる。

■ 中国政策・法令―――――■

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■ 国務院による行政法規の一部の廃止及び改正に関する決定【国令第 648 号】

公布日:2014 年 2 月 28 日 施行日:2014 年 3 月 1日

原文リンク:http://www.gov.cn/zhengce/content/2014-02/28/content_8687.htm

商業銀行流動性リスク管理弁法(試行)【銀監会令[2014]第 2 号】

公布日:2014 年 2 月 19 日 施行日:2014 年 3 月 1日

原文リンク:

http://www.cbrc.gov.cn/chinese/home/docView/806AB6E2D2C74CCE9E4E9B9C2BE8637E.html

商業銀行サービス価格管理弁法【銀監会・国家発展改革委令[2014]第 1 号】

公布日:2014 年 2 月 14 日 施行日:2014 年 8 月 1日

原文リンク:

http://www.cbrc.gov.cn/chinese/home/docView/91423AC53942468DBAD86E7CEB85DBB2.html

公募証券投資信託リスク準備金監督管理暫定弁法【第 94 号令】

公布日:2013 年 9 月 24 日 施行日:2014 年 1 月 1日

原文リンク:http://www.csrc.gov.cn/pub/zjhpublic/G00306201/201309/t20130927_235506.htm

公募証券投資基金による国債先物取引への参入に関する手引【証監会公告[2013]37 号】

公布日:2013 年 9 月 3 日 施行日:2013 年 9 月 3日

原文リンク:http://www.csrc.gov.cn/pub/zjhpublic/G00306201/201309/t20130904_233568.htm

証券会社による株価指数先物、国債先物取引への参入に関する手引【証監会公告[2013]34 号】

公布日:2013 年 8 月 21 日 施行日:2013 年 8 月 21 日

■ 中国政策・法令――――――■

中国銀行業監督管理委員(銀監会)

中国証券業監督管理委員会(証監会)

中国国務院

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原文リンク:http://www.csrc.gov.cn/pub/zjhpublic/G00306201/201308/t20130823_232980.htm

基金管理会社固有資金運用管理暫定規定【証監会公告[2013]33 号】

公布日:2013 年 8 月 2 日 施行日:2013 年 8 月 2日

原文リンク:http://www.csrc.gov.cn/pub/zjhpublic/G00306201/201308/t20130809_232400.htm

金融先物投資家適切性制度の構築に関する規定【証監会公告[2013]32 号】

公布日:2013 年 8 月 2 日 施行日:2013 年 8 月 2日

原文リンク:http://www.csrc.gov.cn/pub/zjhpublic/G00306201/201308/t20130809_232398.htm

保険会社董事、監事及び高級管理人員の就任資格管理規定【保監会令[2014]第 1 号】

公布日:2014 年 2 月 11 日 施行日:2014 年 2 月 11 日

原文リンク:http://www.circ.gov.cn/web/site0/tab5224/info3903964.htm

保険会社名誉リスク管理手引【保監発[2014]15 号】

公布日:2014 年 3 月 04 日 施行日:2014 年 2 月 19 日

原文リンク:http://www.circ.gov.cn/web/site0/tab5225/info3905522.htm

■ 「保険資金運用管理暫定弁法」の改正に関する決定(意見募集稿)

公布日:2014 年 1 月 13 日

原文リンク:http://www.circ.gov.cn/web/site0/tab5208/info3901037.htm

■ 保険摘発処理管理弁法(意見募集稿)

公布日:2014 年 2 月 14 日

原文リンク:http://www.circ.gov.cn/web/site0/tab5208/info3904340.htm

■ 「保険会社持分管理弁法」の改正に関する決定(意見募集稿)

公布日:2014 年 2 月 27 日

中国保険監督管理委員会(保監会)

■ 中国政策・法令――――――■

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32

原文リンク:http://www.circ.gov.cn/web/site0/tab5208/info3905253.htm

■ 保険資金運用比率に対する監督管理の強化及び改善に関する通知

公布日:2014 年 2 月 19 日

原文リンク:http://www.circ.gov.cn/web/site0/tab5207/info3904712.htm

■ 資本項目外貨管理政策の更なる改善及び調整に関する通知【匯発[2014]2 号】

公布日:2014 年 1 月 24 日 施行日:2014 年 2 月 10 日

原文リンク:http://www.gov.cn/gzdt/2014-01/24/content_2575184.htm

■ 「上海証券取引所の信用取引実施細則」の第 49 条及び第 50 条の改正に関する通知【上証発

[2014]9 号】

公布日:2014 年 2 月 21 日 施行日:2014 年 2 月 21 日

原文リンク:

http://www.sse.com.cn/lawandrules/sserules/trading/universal/c/c_20140221_3770298.shtml

■ 上場会社株主総会インターネット投票実施細則(2014 年改訂版)【深証上[2014]93 号】

公布日:2014 年 2 月 14 日 施行日:2014 年 2 月 14 日

原文リンク:http://www.szse.cn/main/files/2014/02/14/677965860257.pdf

中国為替管理局

上海証券取引所

深セン証券取引所

■ 中国政策・法令――――――■

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王 晴 Wang Qing

研究員・コンサルタント

海和コンサルティング(香港)有限会社

専門は中国金融資本市場

E-mail:[email protected]

http://haiheinfo.com/index.asp

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