次世代に つながる 商店街の つくり方 - kawasaki · 解決へのアイデア 3...

8
次世代 つながる 商店街 つくり

Upload: others

Post on 07-Jul-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 次世代に つながる 商店街の つくり方 - Kawasaki · 解決へのアイデア 3 若手が活動に参加してくれない… 世代間のギャップを受け入れよう

次世代につながる

商店街のつくり方

Page 2: 次世代に つながる 商店街の つくり方 - Kawasaki · 解決へのアイデア 3 若手が活動に参加してくれない… 世代間のギャップを受け入れよう

解決へのアイデア

2

商店街に加入してくれない

未加入のお店と積極的に交流を!

課題1

一度断られてそれっきり…なんてことはありませんか?知らない人ばかりの団体に入るのは勇気がいるものです。日頃からお話をして、顔の見える関係をつくるところから始めてみましょう。

なぜ商店街が必要か、どうして加入してもらえないのかを聞いてみたり考えてみたりして、少しだけでも行動にうつしてみましょう。

情報交換も大きなメリット商店街には周辺の景況、防犯・防災など地域のこと、セミナーや補助金の案内など、多くの情報が集まります。会長の持っている何気ない情報がお店によっては大きなメリットにつながることも勧誘の時に伝えてみましょう。

勧誘の前にお客さんになろう( 新丸子西口本通り新栄会 )

商店街に新しくOPENしたお店は会員みんなで応援します。それが伝われば自然と仲間になってくれるはず。新しくできたお店がどんなサービスをしているかを知ることは、自分達にもプラスになります。

勧誘資料を用意!活動を伝えよう(さぎ沼商店会)

事例事例

街路灯や防犯カメラ、街のイベントなどを商店街が担っていることは意外と知られていません。日々の活動や会費がどう使われているかなど、しっかりとお伝えして不安を取り除くことが大切だと感じています。

会費分のメリットがあるのかなー どんな活動

してるかわからないよね

商店街に入るのは常識じゃないのか…

開店おめでと~

Page 3: 次世代に つながる 商店街の つくり方 - Kawasaki · 解決へのアイデア 3 若手が活動に参加してくれない… 世代間のギャップを受け入れよう

解決へのアイデア

3

若手が活動に参加してくれない…

世代間のギャップを受け入れよう

課題2

例えば、若手にとって当たり前のスマホや SNS。皆さんの商店街役員では何割の方が使いこなしているでしょう?長年商売をしてきたからできること、若手が得意なこと、お互いの違いを受け入れ、長所を尊重しあえる組織をつくりましょう。

事例事例

「俺たちの時代は~だったのに最近は…」といったお話は、きっといつの時代もあるもの。時代の変化や環境の違いを思いやり、歩み寄ってみては。

若手同士の交流から世代交代を同世代だからこそわかりあえる想いや悩みがあるのも事実。時には若手だけの会合を設けてみてはいかがしょう。盛り上がっているようなら、若手に役員を任せてみるというのも一案です。

会議に出られない人にも情報を!( 日光通商店街 )

商店街のお店は業種も営業時間もバラバラで、参加したくても会議に出られない会員もいます。そこで、会議の結果を回覧と LINE® で情報共有し、出席できない会員さんからも意見を求めるようにしています。

若者が自由に動ける環境を(モトスミ・ブレーメン通り商店街)

若者が参加しない理由には「活動が楽しくない」「提案しても反対される」などもあるでしょう。ブレーメンの青年部ではご当地ヒーローの結成やfacebook®、YouTube® 配信などが行われています。若者達に任せ、楽しみながらできる活動が必要だと思います。

ずっとこのやりかたできたんだ!

昔の話ばかりされてもな…

ベテラン

Page 4: 次世代に つながる 商店街の つくり方 - Kawasaki · 解決へのアイデア 3 若手が活動に参加してくれない… 世代間のギャップを受け入れよう

解決へのアイデア

事例

4

商店街活動の目玉といえばイベント!という商店街もあるのではないでしょうか。イベントは予算や手間がかかるもの。どうせなら、実りある企画にしたいですね。

イベントの目的をハッキリと皆さんがされているイベントの目的はなんでしょう? “通る人を増やす”“売上を増やす” “お店を増やす” など、人それぞれの考えがあるはず。イベントを通して、どんな商店街をつくりたいかを会員みんなで話し合いましょう。

お客様の声を聴いてみよう

まず、お店を知ってもらうこと( ふらっと 1000BEROin 武蔵新城 )

武蔵新城で商店街の垣根を越え、約50店が参加する飲み歩きイベントを実施しています。各お店が期間内に提供する1,000 円のメニューをお客様に巡ってもらう企画です。飲み歩きイベントと言いながら、物販店や美容院、不動産業なども参加し、街全体の盛り上がりになりつつあります。それぞれのお店に集まるお客様同士がつながっていけば、そのまちでの暮らしはもっと楽しいものになるでしょう。そのためにも、まずはお店を知ってもらうことが重要だと思っています。

お客様に楽しんでもらうイベントをつくるには、お客様の声を聴くのが一番。アンケートを取ったり、企画会議に招いたりしてみると、新しい発見があるかもしれません。お客様と一緒にイベントを作ることができれば、より地域密着な商店街になりますね。

イベントをやっても売上につながらない課題3

アンケート

イベントあるとき

イベントないとき

アンケート

Page 5: 次世代に つながる 商店街の つくり方 - Kawasaki · 解決へのアイデア 3 若手が活動に参加してくれない… 世代間のギャップを受け入れよう

解決へのアイデア

事例

事例

事例

5

イベントをやりたい人に任せてみようママサークルや市民団体など、地域には「自分達でイベントを開催したい」という人もいます。そういう方達に、商店街をイベント会場として使ってもらうことができれば、お互いにメリットとなる関係を築けるかもしれません。

共同で事務局を設置 ( 武蔵小杉商店街 )

6つの商店街が共同で事務局員2名を雇っています。準備作業からイベント当日までスタッフとして尽力してくれるので、会員の負担は軽くなります。また、日頃から商店街のことを熱心に考えてくれるので、イベントの時以外も頼りになる存在です。

店内でできるイベントを ( 大師本通り商店会 )

各店舗に「サンタさんの忘れ物」を置き、お客様に探してもらうイベントを開催しました。店主との会話でヒントを得てもらうのでお客様と顔見知りになれました。店内でのイベントなので準備も簡単で、いつもの商売をしながら自分達も楽しく運営できました。

小さなイベントをたくさん(かしまだ駅前通商店街)大きなイベントは悪天候になるだけで全てが無駄になってしまいます。1つ1つのイベントの準備や予算の負担を減らし、数を多く開催することで、お客様に「いつも楽しそうな商店街」という印象を持ってもらうようにしています。

イベントをやりたくても、人手がない課題4

多くの商店街会員はお店を切り盛りしています。イベント当日は、スタッフでもありお店の経営者でもあるので大忙し。猫の手も借りたい、とはこのことです。

商店会事務局

大きなイベント

猫の手

テント張り

警備

チラシ配り

売上

人手確保

サンタさんの忘れ物ないですか~?

商店会事務局

募集この街を

盛り

上げたい人

手間

負担

予算小さなイベント

Page 6: 次世代に つながる 商店街の つくり方 - Kawasaki · 解決へのアイデア 3 若手が活動に参加してくれない… 世代間のギャップを受け入れよう

解決へのアイデア

6

「お店の魅力=街の魅力」と言っても過言ではありません。ですが、業種の偏りやチェーン店の極端な増加に悩む商店街もあれば、住宅や空き店舗の増加に悩む商店街もあり、いずれも個性あるお店が減っているようです。

お店の中に小さなお店を例えば、期間限定でも「家具店の中に食器作家のお店」といったことができれば、家具店も食器作家もお互いのお客様に知ってもらうキッカケが作れるかもしれません。自分の商売を引退しなくても、大家業はできるんです。

土地や建物オーナーとの連携を(モトスミ・ブレーメン通り商店街)

オーナーだからこそ住んでいる人に街の魅力を伝えたい (株式会社南荘石井事務所 )

「オーナーである自分が愛着を持って暮らしてきた街だから、お貸しする方にもここで暮らす魅力を感じてもらいたい」。そんな思いから、今は武蔵新城を大好きな仲間達とともに、まちづくりをしています。facebook グループ「ふらっと武蔵新城」を立ち上げ、今では3000人を超える方に参加いただいているほか、自身のマンションの1階を改修し、地域交流の場をつくりました。また、チーズ専門店や菓子工房といった個性的なお店も誘致し、武蔵新城でしかできない暮らしを味わってもらえるようになりつつあります。

事例

事例

商店街がいくら個性的なお店を増やしたいと思っても、お店を貸すのはオーナーの方です。そのため、オーナーの方に魅力ある店舗の誘致をお願いしたり、オーナー会員として加盟いただいたり、景観のルールを一緒に作ったりと、日頃からの関係づくりを大切にしています。

個性あるお店が減っている課題5

どの街も同じような店ばかり…

金太郎飴みたいだね

交流スペース “PASAR BASE”

Page 7: 次世代に つながる 商店街の つくり方 - Kawasaki · 解決へのアイデア 3 若手が活動に参加してくれない… 世代間のギャップを受け入れよう

解決へのアイデア

7

繁盛店のマネをしてみよう人気のあるお店には、必ず人気になる理由があります。手の込んだ料理や、素晴らしい接客、そこでしか体験できないサービスなど、実際に繁盛店に行って、その理由を探ってみてはいかがでしょう。自分のお店の個性を再発見する機会にもなるかもしれません。

お客様を第一に考えて(川崎市商店街連合会)

事例

事例

ハラール対応など皆が一緒に食事を楽しめる場を ( マドラスミールス 原さん )

新丸子で南インド料理店を営んでいます。食材は全てイスラム教の戒律に沿ったハラールフードを使い、ベジタリアン向けのメニューも用意しています。川崎には多くの外国籍の方が暮らしていますし、日本人でもイスラム教徒(ムスリム)の方やベジタリアンの方もおられます。ですが、ハラールフードを扱うお店はまだ少なく、ムスリムの方は気軽に外食を楽しめないのが現状です。ムスリムの方もベジタリアンの方も、誰もが一緒に食事を楽しんでもらえるような店づくりを大切にしています。

それぞれのお店も日々レベルアップを!課題6

お店の繁盛があってこそ、商店街の賑わいはあるものです。商売の環境は猛スピードで変わっていきます。新しいことにチャレンジして、レベルアップをはかってみませんか。

Level up!

電子マネーなど、現金以外での支払いが普及していますが、個人商店の多くはまだ対応ができていません。お客様にとって便利な商店街であり続けるため、初期費用や固定費がかからず、特別な手数料率でクレジットや電子マネーを導入できるよう、支援をしています。

Page 8: 次世代に つながる 商店街の つくり方 - Kawasaki · 解決へのアイデア 3 若手が活動に参加してくれない… 世代間のギャップを受け入れよう

解決へのアイデア

8

課題解決の力になってくれる組織はいろいろあります。一歩を踏み出そうという時に、相談してみてはいかがでしょうか?

会長1人だけ、役員の人達だけで悩んでいるケースもあります。商店会の他の会員に声をかけ、時には外部の人に相談してみてはいかがでしょう。

相談先はいろいろ

困った時に相談できる人がいない課題7

この冊子は平成29年11月に開催した商店街向けワークショップで、商店街の方々から挙げられた「課題」と「アイデア」をもとにまとめたものです。

発行:川崎市経済労働局商業振興課(平成 30 年3月)

川崎市経済労働局産業振興部商業振興課 TEL 044-200-2328 Mail [email protected]  一般社団法人 川崎市商店街連合会 TEL 044-548-4107 Mail [email protected]

神奈川県産業労働局中小企業部商業流通課商業まちづくりグループ TEL 045-210-5612  全国商店街支援センター TEL 03-6228-3061

次世代につながる

商店街のつくり方

作成:石塚計画デザイン事務所