jac website...qr+ @abcr# ^ ! bcr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

10
1 2014 年5 月28 日 公益社団法人 日本山岳会 自然保護委員会 TEL:03-3261-443 年間購読料 1,000 申込:047-463-8721 [email protected] 郵便振替00180-4-710688 加入者名:川口章子 第110号 〈目 次〉 P.1 マレー半島から ヒマラヤの東―雲南へ 大澤 雅彦 P.5 お知らせ P.6 ベランダ菜園の エコロジー 西田 P.8 自然保護との出会い 武藤 篤生 P.10 活動記録 ここ5年ほど、毎年雲南に行くようにな って、山の周囲の自然の面白さを実感して いる。もともと私の山に対する関心は、そ の高みというよりは、そこに辿り着くまで の自然にあった。多くの人が関心を持って いる高山植物も素晴らしいが、そこに至る 途中の植物の垂直分布や人々の生活の変 化が私にとっては最も興味深い。そもそも 雲南に行きはじめたのは、大学を定年退職 したあと得られた自由な時間を使って、こ れまで短期的にしか調査に入ったことが なかったいろいろな土地に少なくとも一 年間を通して住み着いて、自然の移り変わ りを実感したかったのだ。 マレー半島熱帯低地多雨林 そのためにまず、一番手ごわそうな熱帯 低地多雨林地帯を見にマレーシアのクア ラルンプールにあるマラヤ大学に縁あっ て赴任した。季節のない熱帯のいつになっ ても同じで「何かを待ち望む」という変化 を求める時間感覚を持てない生活は別の 意味で私にとってはつらいものだったが、 調査という点では熱帯低地多雨林がやり やすいのは意外だった。熱帯低地林の中に あるマラヤ大学の野外実習施設では、すぐ 脇を小川が流れているというのに夜にな っても蚊がいない。屋外のベランダで夜中 まで話し込んでいた時も恐れていた蚊の 襲撃を受けなかったのは驚きだった。クア ラルンプール市内の 18 階にあった私の家 では、夜になると蚊取り線香を使わないと 寝ることもできなかったのに。付近のコン ドミニアムでデング熱が発生すると噴霧 式殺虫剤の車を引いて植え込みやどぶ板 の下など蚊が居そうなところを噴霧して 回っていた。都市部と自然性の高い森林の 中のこの違いはいまだになぜなのか理解 できていない。以前、指導学生がオランウ ータンの調査をやりたいというので、ボル ネオ、サバ州の低地多雨林の保護区に入っ たことがあった。伐採・管理用のトレイル が縦横に入っていて、板根を持つフタバガ キ科の巨木林もトレイル・マップさえ持っ ていけば極めて歩きやすい。歩道のあちこ ちにオランウータンが食べ散らかした野 生ドリアンの実が散乱し、それに混じって マレー半島からヒマラヤの東‐雲南へ

Upload: others

Post on 15-Oct-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: JAC Website...qr+ @ABCr# ^ ! BCr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

1

2014年5月28日

公益社団法人

日本山岳会

自然保護委員会

TEL03-3261-443

年間購読料 1000 円

申込047-463-8721

syuakiponyocnnejp

郵便振替00180-4-710688

加入者名川口章子

第110号

〈目 次〉

P1 マレー半島から

ヒマラヤの東―雲南へ

大澤 雅彦

P5 お知らせ

P6 ベランダ菜園の

エコロジー

西田 進

P8 自然保護との出会い

武藤 篤生

P10 活動記録

ここ5年ほど毎年雲南に行くようにな

って山の周囲の自然の面白さを実感して

いるもともと私の山に対する関心はそ

の高みというよりはそこに辿り着くまで

の自然にあった多くの人が関心を持って

いる高山植物も素晴らしいがそこに至る

途中の植物の垂直分布や人々の生活の変

化が私にとっては最も興味深いそもそも

雲南に行きはじめたのは大学を定年退職

したあと得られた自由な時間を使ってこ

れまで短期的にしか調査に入ったことが

なかったいろいろな土地に少なくとも一

年間を通して住み着いて自然の移り変わ

りを実感したかったのだ

マレー半島熱帯低地多雨林

そのためにまず一番手ごわそうな熱帯

低地多雨林地帯を見にマレーシアのクア

ラルンプールにあるマラヤ大学に縁あっ

て赴任した季節のない熱帯のいつになっ

ても同じで「何かを待ち望む」という変化

を求める時間感覚を持てない生活は別の

意味で私にとってはつらいものだったが

調査という点では熱帯低地多雨林がやり

やすいのは意外だった熱帯低地林の中に

あるマラヤ大学の野外実習施設ではすぐ

脇を小川が流れているというのに夜にな

っても蚊がいない屋外のベランダで夜中

まで話し込んでいた時も恐れていた蚊の

襲撃を受けなかったのは驚きだったクア

ラルンプール市内の

18階にあった私の家

では夜になると蚊取り線香を使わないと

寝ることもできなかったのに付近のコン

ドミニアムでデング熱が発生すると噴霧

式殺虫剤の車を引いて植え込みやどぶ板

の下など蚊が居そうなところを噴霧して

回っていた都市部と自然性の高い森林の

中のこの違いはいまだになぜなのか理解

できていない以前指導学生がオランウ

ータンの調査をやりたいというのでボル

ネオサバ州の低地多雨林の保護区に入っ

たことがあった伐採管理用のトレイル

が縦横に入っていて板根を持つフタバガ

キ科の巨木林もトレイルマップさえ持っ

ていけば極めて歩きやすい歩道のあちこ

ちにオランウータンが食べ散らかした野

生ドリアンの実が散乱しそれに混じって

マレー半島からヒマラヤの東‐雲南へ

大 澤 雅 彦

2

フタバガキ林の一斉開花 (2010 年 7 月) マレー半島ティティワンサ山脈ゴンバック標高 600m 付近

ピグミーエレファントの糞が落ちていて

彼らにも歩きやすいのだろう

熱帯多雨林から日本につながる森林を

訪ねるという私の計画は日本の森林の成

り立ちを知るにはその起源地である熱帯

から雲南ヒマラヤの森林をじっくり見る

のが近道だというのが見通しだった

東南アジア熱帯は日本の多くの南方

系森林樹種の起源地で実際に熱帯高

山まで見るとその類縁の近さがよく

わかるこれまで常識的に考えられて

いた熱帯高山の垂直分布帯は緯度的

な水平分布帯の縮図だというモデル

に疑問を感じて若い頃最初にスマ

トラ島の赤道直下にある最高峰ケリ

ンチ山(3800m)の調査を計画し

た森林限界を構成していた森林は日

本の亜熱帯暖温帯多雨林に生育する

ヤマモモに近縁の常緑広葉樹ジャワ

ヤマモモが優占していた森林限界上

部の高山帯は活火山の裸地に近い斜

面なので筋状に走る深いガリーには

日本では伊豆半島以南の亜熱帯でし

かみられないユノミネシダが生えて

いた高山草原を構成していたのは沖縄の

低地で普通にみられるクロガヤに近縁の

カヤツリグサ科の種やシラタマノキ属の

常緑低木だったケリンチ山は活火山なの

でそれも関係があるのかもしれないと思

って東南アジア最高峰ボルネオ島の花崗

岩のキナバル山(4100m)でも調べた

森林限界はジャワヤマモモもあったが沖

縄や小笠原が北限になっているツバキ科

の常緑広葉樹ヒメツバキ(イジュ)が優占

種であるこの植生をみると上述したよう

な熱帯高山の垂直分布帯と緯度的な水平

分布帯が相同だという古典的なモデルが

成り立たないのは明らかであるそれが新

しい湿潤アジアの山地垂直分布帯モデル

を提案したきっかけだった(

Oh

saw

a

1990)

マレー半島脊梁のティティワンサ山脈

は標高は2000m程度だがヒマラヤと

同じようにゴンドワナ大陸の断片が衝突

して隆起したものでキャメロンハイラン

ドフレーザーズヒルなどでは山麓のフタ

バガキ科樹種が優占する低地多雨林から

山地林への移行を直接見ることができる

素晴らしい森林である本当はもう少し調

査したかったがマラヤ大学は2年で退職

し次の目的地雲南にやってきた

中国南西部の遺存固有種

他方で雲南ヒマラヤも日本の温帯性樹

種の由来を考える上で見過ごすことは出

来ない雲南は日本の植生を構成する主要

3

な種群がその何倍もの多様性をもって集

中している地域である例えばブナ科シイ

属は日本では2種だが雲南省には少なく

とも

39種が分布している特に日本の照

葉樹林で優占するブナ科の常緑広葉樹の

シイ類カシ類やクスノキ科は熱帯と同等

かむしろ雲南の方が多様性が高いまた

多くの第三紀遺存固有種の種多様性が高

くその一部は日本にも分布する

イチョウメタセコイヤといった世

界的にも貴重な遺存種はこの地域に

しか分布しない第一級の遺存固有種

と言えるこれらの樹木が自生する

この地域は高い種多様性がどのよう

に生まれまた地質時代以来の気候

変化を生き残ってきたのか調査解析

する上で極めて重要な地域である

雲南省の中央部をほぼ南北に走る

哀牢山脈は火祭りで有名なイ族とい

う少数民族の地域で訪れたときは

その火祭りが始まる前日だった山

中にある彼らの神を祀る巨大な岩室

の社では村人たちが集まって炊き

出しをして華やかな宴会を始めて

いた渡り鳥の中継地としても有名

な哀牢山脈南部の金山Y口という峠道(2

375m)はこうした渡り鳥のモニタリン

グポイントになっていて「鳥類監測環

志点」の大きな看板が掲げてあった近く

の照葉樹林の中には茶葉古道が通ってお

り一部は観光地化していたが付近の森

はシイ属マテバシイ属などが優占しタ

ブノキ属ユズリハヒマラヤのシャクナ

ゲとも近縁の多くの種ネジキをはじめ

ヒマラヤツガやイチイなどが混生してい

てヒマラヤの森林にそっくりでもちろん

日本の照葉樹林ともよく似た森林だった

二次林を構成するウンナンマツは三葉で

ブータンマツによく似ている日本では現

生の三葉マツは分布しないが瀬戸で化石

が見つかっているオオミツバマツもこの

仲間だ哀牢山脈はベンガル湾からのモン

スーンの湿潤な風が直接当たる位置にあ

り(

Jia

ng 1

980)ヒマラヤと同じ気候的

位置にあるゴンドワナ大陸から分離した

インド亜大陸がローレシアの陸塊に衝突

して隆起したがその方向はヒマラヤの東

のツァンポゴルジで大屈曲し哀牢山脈は

雲南省西部の横断山脈と同じほぼ南北方

向に向いているが植物的にヒマラヤ要素

の延長に当たることはすぐ理解できた同

時に東アジアの植物も多くみられ探し求

めていたヒマラヤと日本のフロラの接点

に当たるのではないかと思うと身震いし

一通り森林を見て回って森林管理署の

出先の小屋に戻るとすでに食事の支度を

してくれてあり良い天気で哀牢山脈から

哀牢山脈の帽禿山手前のワラビ草原はケシ栽培の跡地 栄養素を吸収しつくしてしまい遷移が進まない

4

小屋の前でハコベスープの昼食をごちそうに

東南方向に開けたベトナムのハロン湾へ

と流れる紅河の谷を見はらすことができ

た小屋の庭先にテーブルが並べられ小

さなスツールに腰かけて食事を頂いた美

味しいスープの具は野草のハコベだった

四川省貴州省でも多くの遺存固有種が

生育するのは標高1000

~2000m程

度の低山帯の石灰岩の山が多くケスタ地

形になっている隣接する重

慶市時には

湖南省のほうまで

足を延ばして周

辺の

山々に調査に入る中

国から日本にかけた

地域は世界でも

稀な第三紀遺存種の

宝庫

で上述したイチョウメタセコイヤ以外

にもシナユリノキハンカチノキスイセ

イジュタイワンス

ギ(中

国名

禿杉)をは

じめとする遺存固有種の生育地がありそ

こはまた人々の生活の

場でもあるイチョ

ウ自生地では民家の

裏の風水林として

持されているところも多く林下に

必ずと

言ってよいほど石

垣で囲った沖縄の

亀甲

墓を

単純化したような土

饅頭があった遺

存種の森は風水林として先

祖の

霊が

宿る

聖地としても護られてきた(

Tan

g

et

al2

012)

造山

運動が活発なヒマラヤや雲南省の

山々とそこから取り残された平地(

丘陵)

のクラトン部分とがそれ

ぞれにユニーク

な特性を発

揮している遺存種の

宝庫は石

灰岩地帯が多く古くからの

安定陸塊であ

る地域の種多様性は固有種が高めている

造山帯では新しい生育立地ができるので

新規固有種が多い造山帯の周囲の

安定陸

塊には地質時代から生き残った遺存固有

種が種多様性を高めている雲南へと

続く

東部ヒマラヤはこれら

両方の種群が

共存

することによって特に多様性が高く世界

的な保護

団体の

WW

Fは東部ヒマラヤエ

コリージョンとして

認定し(

2001)コン

サーベーションインターナショナル(

I)はこれまで世界

25か所の

ホットス

ポットに最近

9か

所の新しい

ホットスポ

ットを

加えたが北部

パキスタンから北部

ミャンマー中

国南西部まで

含むヒマラヤ

全域2

900

を世界で最も新しく高い

山岳として指定した(

2005)

哀牢山脈から

昆明に戻ってシ

ェアハウ

スしている

ヨーロッ

パの若

者たちに哀牢

山脈はどうだった

尋ねられハコベは

日本ではただの

雑草(野草)だが初めて

食べたスープがとても美味しかったと話

すと聞いていたドイツ人のルードウィッ

ヒがタブレットで調べながら「日本では

から

春にはハコベを野

菜として食べると

かいてある

Nan

ak

usa

-no-s

ek

ku 」

と言われて突然思い出した「ウ」

(おおさわまさ

ひこ

雲南大学生

態学地

植物学

研究

所教

授日本山

岳会

員)

5

お知らせ

「2014 年度(平成 26 年度)の自然保護全国集会のご案内」

~今年は広島で 11 月に開催いたします~

1日程 平成 26 年 11 月 22 日(土)〜24 日(月)

2場所 広島市(広島工業大学 広島キャンパス他)

3予定

11 月 22 日 支部報告および討議

基調講演「里山資本主義で」で地域を元気に(仮題)

講師 NHK広島放送局 チーフプロデューサー 井上恭介氏

11 月 23 日 山岳平和祭世界自然保護集会参加

11 月 24 日 フィールドスタディ(オプション)弥山ハイク

本年度はアジア山岳連盟(UAAA)創立 20 周年総会と併せて開催します

詳細は7 月「木の目草の芽」「山」に掲載します

日本山岳会自然保護委員会 委員長 近藤 雅幸

広島支部長 兼森 志郎

実行委員長 渡邉 嘉也

【購読料のお願い】

紙を

購読

され

てい

る方

今年

度(

四月

三月

)の

年間

購読

料と

して

1千

円を

「郵

便

振替

用紙

」ま

たは

「郵

券」

でお

送り

頂き

たく

お願いいたします

(郵便振替用紙を同封いたします)

【カンパのお願い】

読者

以外

の方

(理

支部

支部

事務

自然

保護

協力

委員

部自

然保

護委

贈呈

者等

)で

送料

等の

カン

パに

ご協

力頂

ける

方は「

郵便振替」または「郵券」でお送り頂

きたくお願いいたします

送り先

郵便振替

00180‐4‐710688

加入者名 川口章子

住所

274‐0063

船橋市習志野台4‐43‐1‐102

川口章子

6

右手前二十一個のペットボトル温水器

左奥ゴーヤとキウリの「緑のカーテン」

ベランダ菜園のエコロジー

西田 進

自然環境と人間活動

いわゆる「地球温暖化」は気候学では気

候変動としてとらえられるIPCC(気候

変動に関する政府間パネル)の第五次報告書

(2014年)には「

人間による影響が二十世

紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原

因であった可能性が極めて高い(可能性

95以上)」

と断言されているこれが「地

球温暖化人為原因説」といわれる多数派の意

見であるが地球科学や生態学分野の研究者

でこれに反論を唱える少数派があることにも

留意する必要がある

家庭でできる地球温暖化防止活動

IPCCによると地球温暖化の主な原因

は化石燃料の燃焼による二酸化炭素の放出

にあるしたがって家庭でできる地球温暖化

防止は「省エネ」に尽きることになる

我家ではマイカーの廃止省エネ家電製

品への買い替えエアコン温度の適切な設定

などを進めそれなりの成果を得てきたさら

にもうひとつ「

ベランダの活用」を「

遊び

心」で行ってみた今回はその一部を紹介さ

せて頂く

最初に「家庭の事情」を説明しておく我

家は賃貸マンションでベランダは南西向き

であるとはいえ総

面積は僅かに8

91(約

27坪)しかないそのうちコンクリート

フェンスの日陰になる部分洗濯物干し場

通路を除くと菜園に使える面積は2

59

(約0

78坪)で正に坪庭以下であるこ

の面積で何ができるか困難な課題ほどチャ

レンジする楽しみがある

(一)太陽電池(ソーラパネル)はダメ

家庭でできる自然エネルギーの代表とされ

る太陽電池は南向きの三十平方米以上の屋

根があれば十年で元が取れるというそれは

電力会社の全量買い取り制度(太陽電池で発

電した電力は電力料金のほぼ二倍の価格で買

い取ってくれるという制度)があるからであ

るしたがってその分だけ一般家庭が支払

う電力料金が高くなっている二酸化炭素の

削減に貢献するとはいえ一般家庭に迷惑を

かけて儲けようとは思わないし坪庭には設

置できない

(二)太陽熱利用

昔から行われてきた太陽熱利用であるが

坪庭に設ける場合は設備に金をかけたので

は元が取れないそこで設備に金をかけず

にできる方法を考えたそれは2の空ペッ

トボトルの外面を黒い水性ペイントで塗り

中に水を入れてベランダの空いたところに並

べて太陽熱を集めるだけのものである夏の

晴天の日には二十一個のペットボトルで毎

56程度の湯が

42できるこれでは熱

すぎるので

30の水道水で二倍に薄め

43の湯

84にし毎晩の入浴に利してい

太陽熱利用の経済効果を評価してみよう

ガス使用量(立方米)を検針伝票から調べ

比較したその結果夏(8月と9月)の使

用量は前年同月と比べて

14(五百円)節

約できたことが分った

7

野菜は一平方米当り2の二酸化炭素を固定

しかし二十一本ものペットボトルをベラン

ダから浴室に運ぶのは容易ではない私は高

齢者に典型的な脊柱管狭窄による腰痛のリハ

ビリ運動として実施したが相当の決意が必

要であった

(三)ゴーヤの「緑のカーテン」

緑のカーテンによる冷房効果を活用してい

る人は多い我家のベランダではコンクリー

トフェンスの日陰のために菜園に使えない部

分があるこのスペースにゴーヤのプランタ

ーを置いているゴーヤが成長すると日当り

の良い空間に出るから都合がよい四本のゴ

ーヤと四本のキウリで間口一六五の窓を塞

ぐことにより真夏の日中でもほとんどエア

コンを使う必要がない

緑のカーテンはエアコンの電力消費量の節

約になる電力使用量(

kW

h)を検針伝票か

ら調べた結果夏(8月と9月)の電力使用

量は前

年同月と比べて

21(四五〇〇円)

節約できたことが分ったその上毎日ゴー

ヤとキウリが収穫できるのは楽しみである

(四)ベランダ菜園

ベランダのエコロジーの最たるものはベラ

ンダ菜園ではないかと思う植える野菜の種

類は成長が早くかつ可食部分の多いもの

家族の評判のいいものを選ぶ

冬~春(一月~四月) 春菊かき菜

春~夏(五月~九月) トマトキウリ

秋~冬(一〇月~一二月) 小松菜

効率的に増収するコツは年三回プランター

の土を天日干しし有機肥料をたっぶり与え

ること種蒔と苗作りは室内に置いた別のポ

ットを使用し屋外のプランターの使用効率

を極限に高めることである収穫は一度に行

わず成長したものから順に採る太陽エネ

ルギーを最大に利用し光合成を効率よく行

なわせるには屋外のプランターは常に土が見

えず緑に覆われている状態に保つことである

もちろん折角の家庭菜園であるから化学肥

料や農薬は一切使用しない

一例として小松菜の収量を示そう

プランター外寸法(合計) 0

52

プランターでの栽培期間

45日

全収穫量 4108

次に収穫物の一部を台所で加熱処理してバ

イオマスを計量した例を示す

生重量

65

乾燥重量 99(生重量の

15)

炭素重量 45(乾燥重量の

45)

生重量から乾燥重量への低減は水分の蒸発で

ある乾燥重量から炭素重量への低減は炭

水化物から炭素への変換である炭水化物が

仮に

C6 H

12 O

6 であると仮定するとこの低減

率は理論的に

40であるから実測とほぼ一

致している

生育期間

45日間における単位面積当たり

の収穫量(生重量)は78

kgm

2炭素重

量は0

54kgm

2であるから光合成による

二酸化炭素固定量は20

kgm

2となるこ

れは東京電力が49

kW

hを発電する時に

発生した二酸化炭素を相殺することになり

植物の威力に驚かされる

最後に0

78坪の菜園で夫婦二人の根菜

を除く葉物野菜が年間を通じてほぼ自給で

きたことを報告しておこう

(自然保護協力委員山の自然学研究会会員)

8

自然保護との出会い

自然保護委員

武藤 篤生

私の

郷里

は福

島県

のほ

とん

どを

が占

める

山岳

県で

ある

生地

は安

達郡

岩代

市町

村合

併に

より

今は

二本

松市

に属

する

安達

太良

山の

阿武

隈山

地の

ど真

ん中

の山

村で

ある

学校

まで

そこ

です

ごし

の後

は郡

山に

移り

校ま

で過

ごし

二本

松に

は多

くの

親戚

が郡

山に

は両

親が

住ん

でい

私の

過ご

した

地域

から

は常

に安

達太

良山

が見

私の

通っ

た小

学校

学校

校の

校歌

には

いず

れも

安達

太良

山が

歌わ

れて

いる

時の

岩代

町は

葉た

ばこ

と養

炭焼

きが

盛ん

で広

い葉

たば

こ畑

畑と

雑木

林を

もつ

里山

であ

った

が平

成の

世に

なる

たば

蚕糸

の需

要は

減少

し桑

畑の

多く

の耕

作が

放棄

され

林も

かな

り荒

れて

しま

った

山の

機能

は低

下し

てし

まっ

たが

物の

多様

性に

富ん

だ自

然の

豊か

な山

林を

地域

であ

った

時は

福島

空港

の建

設候

補地

に挙

げら

れた

こと

もあ

るが

が深

くア

クセ

スが

良く

ない

とい

う理

由で

その

後も

豊か

な山

林は

維持

され

10数年

ぶり

に二

本松

の親

戚を

訪問

する

山の

尾根

沿い

の樹

林が

広く

伐採

され

送電

線と

巨大

な鉄

塔が

設置

され

てい

家の

中か

ら斜

め上

方を

眺め

ると

巨大

な鉄

塔は

かな

り威

圧感

があ

電力

会社

から

お金

が支

払わ

れる

こと

もあ

地域

では

特に

大き

な反

対も

なく

分な

環境

アセ

スメ

ント

も行

われ

るこ

とな

く計

画か

ら非

常に

短い

期間

で建

設さ

れた

そう

工事

のた

めに

作っ

た太

い作

業道

採さ

れた

山林

風の

際に

送電

線が

発す

る音

など

植物

に対

する

影響

は少

なか

らず

ある

もの

と想

像さ

れる

然に

恵ま

れた

地域

の住

民の

然に

対す

る重

要性

の意

識は

案外

低い

もの

であ

も福

島に

すん

でい

た頃

に自

然を

意識

した

こと

はな

保護

にも

全く

関心

がな

かっ

ニュ

ース

等で

環境

破壊

や環

境保

護が

報じ

られ

ても

自分

たち

に関

係が

ある

もの

とは

あま

り認

識す

るこ

とも

なか

った

京に

出て

きた

とき

にま

ず感

じた

のは

活圏

から

山が

ほと

んど

見え

ない

こと

福島

では

四方

が山

に囲

まれ

てい

たの

でこ

の違

和感

は大

きか

った

のと

はじ

めて

郷里

の自

然の

すば

らし

さと

価値

を認

識し

私のみ

でな

く自

然の

い地

域に

住ん

でい

た多

くの

方は

まれ

たと

きか

らあ

たり

まえ

に存在

した

自然

価値

を認

識し

てい

ない場

合が

多い

と思

日本

の各

地で

自然

破壊

の問題

が生

くの人

や団体

が保

護活

動を

行っ

てい

るも

のの

域の

住民

が活

動に参加

して

いな

いケ

ース

も多

い近隣

の住

民が

自然

より

も地

域経済

を優

先す

る場

合も

多い

よう

なケ

ース

では近隣

の住

民に身近

な自

然の

価値

を認

識し

ても

らう

こと

こそ

が自

然保

護の第

一歩

のよ

うに思

える

は休

日に奥

多摩

にハイキ

ング

や登

に出

かけ

るよ

うに

なっ

ては

じめ

て自

然に

興味

を持

った

じ山

やコ

ース

でも

時期

が違

えば異

なる

植物

や動

物に

出会

える

自然

に対

する知

識が登

山の楽

しみ

を数倍

も大

きく

して

くれ

一緒

に出

かけ

る友

人も

植物

や動

物に興味

をも

って

くれ

のよ

うな仲

間も徐々

に増

えて

きた

のメカ

ニズム

が少

しず

つわ

かっ

てく

ると

自然

保護

の活

動に

関わ

りた

いと思

うよ

にな

り日

本自

然保

護協

会(

NA

CS

-J)の

9

自然観察指導員

や日

本山

岳協

会の

自然

護指導員

の講習

会に参加

した

れら

講習

会に

出て

もっ

とも

強く

感じ

たこ

とは

啓蒙

活動

を非

常に

重視

して

いる

こと

多く

の人

に自

然に

対し

て興味

を持

って

ただ

くお手伝

いを

する

こと

れが

自然

を理解

した

いと思

うき

っかけ

とな

がて身近

の生

活の

中で

自然

保護

に関

わっ

てい

ただけ

るよ

うに

なる

も観察

のガイド

など

を通

して

多く

の人

に自

然に

興味

を持

って

もら

うお手伝

いを

して

いる

自然

の楽

しみ

を共有

でき

る仲

間が増

える

こと

が喜び

であ

年5月

に都立神

代植

物公園

に植

物多

様性

センタ

ーが

設置

され

も発足以来

ボラ

ンティ

アスタッフ

とし

てそ

の活

動に

参加

して

いる

ンタ

ーの目的

は行政

学術

機関

域保

護団体

の協働

のも

とに

東京

の植

物多

様性

保全

の中

心的

な役割

果た

すこ

とで

ある

都内

の絶滅危惧

植物

を調査

や保

護は

もちろ

ん重

要な仕

事で

るが

くの人

に植

物の魅

力や

生物

多様

性保

全の

重要

性に

つい

て知

って

もら

うこ

とも

重要

な役目

の一

つで

ある

最近

小田原

の竹

林森

林の整備

取り組

んで

いる

業従

事者

業従

者の

高年齢化

にと

もな

放置

され

る森

林や竹

林がふ

えて

いる

に竹

の増殖

は旺

盛で

放っ

てお

くと竹

林が拡

大し急

面で

は山崩

れが起

こや

すく

なり

密集

た竹

林は

日光

が入

らず

植物

の多

様性

が失

われ

る昨

年か

ら竹

林の

間伐

に取

り組み

今年

の春

はスミレ

等の草

木も

たく

さん

られ

るよ

うに

なっ

てき

たタケノコ掘

等のイベ

ント

の開催

を通

して

林整備

のボラ

ンティ

アも徐々

に増

えて

きた

後は森

林の整備

にも積極的

に取

り組

んで

いき

たい

然保

護は

一部

の専門

家の

活動

だけ

では実現

でき

ない

くの人

にそ

の重

性を知

って

もら

い参加

して

もら

うこ

とが

必要

であ

その

ため

には

ずは

多く

の人

に自

然に

対す

る興味

を持

って

もら

こと

が第

一歩

であ

る興味

を持

った

ら次

は自

然を知

るこ

生物

多様

性の

重要

を理解

して

もら

い身近

な生

活の

中で

きる

活動

から参加

して

いた

だく

に共

感さ

れる

方に

は保

全活

動や

保護

活動

に参

加し

てい

ただ

この

よう

に段階的

に自

然保

護に

関わ

って

いた

だく

こと

が必

要だ

と思

私は

動植

物や

環境

の専門

家で

ない

ので

に第

一段階

での

自然

に興味

を持

って

いた

だく

こと

然の

すば

らし

さを共有

でき

る仲

間作

りの

お手伝

いが

きれ

ばと考

えて

いる

小田原の竹林の整備作業

10

〈編集後記〉大澤さんは『世界自然環境

大百科』の監訳や屋久島での調査研究など

に携わってこられた山岳会員です著書か

らも広い視野と豊かな感性で自然を捉え

ていらした足跡をうかがい知ることがで

きます西田さんはご自身のホームページ

でやはり海外で目にした自然の数々を紹

介されていますし身近な自然をこよなく

愛する武藤さんは経営学が専門で科学委員

も務めています日本山岳会の人材の奥深

さを今回もつくづく感じました各地

から開山の便りが届き自然保護活動も活

発になる季節です支部委員の皆様の活躍

も紹介して行きたいと思っています

( 元川

)

自然保護委員会の活動記録

〈三月度〉

①日

山岳

団体

自然

環境

連絡

2月

28日

出席者富澤下野

( 綾)

bull 各団体の報告

bull 「写真が語る山の自然今昔」について

bull

11月に広島で行われるアジア山岳自然

保護会議について協議会でプログラム

作成

bull トレランについて 環境省のガイドライ

ンに協議会の考え方が反映される

bull 次期幹事団体は日本山岳会

②自然保護委員会

26日(水)

bull トレランに対する自然保護委員会の見解

を作成することになった

bull 自然保護全国集会について

11

22

日(

土)

全国

集会

(実行委員長渡邉嘉也氏)

11月

23日(日)アジア山岳自然保護

会議でプレゼンテーションを行う

bull 新コピー機の使い方

について

③「木の目草の芽」109号発行

〈四月度〉

④山

岳団

体自

然環

境連

絡会

28日

出席者近藤富澤武藤

bull アジア山岳自然保護会議の詳細について

労山から提案

bull トレランについて日本山岳会労山山

のエコーなどの考え方と対応

⑤自然保護委員会

24日(木)

bull

11月

22日に広島で開催される自然保護

会議について広島支部自然保護委員長

前垣氏と打ち合わせ

bull トレランについての自然保護委員会公式

見解を審議し案を決定理事会へ

bull リニア新幹線に関しての問題点が提起さ

れる

2014年度の購読料カンパを

ありがとうございます

4月1日~5月

15日 敬称略

鍛治哲郎(黒部市)カンパ小野寺正英(奥

州市

)太

田義一

(加賀市

)カ

ンパ含む

田中多賀子(東京都江戸川区)権藤司(安

曇野市)上田景子(栃木市)カンパ含む

渡辺陽子(安曇野市)

近藤緑(東京都杉並

区)カンパ 合計1万66円

なお支部長支部自然保護委員には無料配

布を原則としていますのでお受けした購読

料はカンパ扱いとさせて頂きました

Page 2: JAC Website...qr+ @ABCr# ^ ! BCr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

2

フタバガキ林の一斉開花 (2010 年 7 月) マレー半島ティティワンサ山脈ゴンバック標高 600m 付近

ピグミーエレファントの糞が落ちていて

彼らにも歩きやすいのだろう

熱帯多雨林から日本につながる森林を

訪ねるという私の計画は日本の森林の成

り立ちを知るにはその起源地である熱帯

から雲南ヒマラヤの森林をじっくり見る

のが近道だというのが見通しだった

東南アジア熱帯は日本の多くの南方

系森林樹種の起源地で実際に熱帯高

山まで見るとその類縁の近さがよく

わかるこれまで常識的に考えられて

いた熱帯高山の垂直分布帯は緯度的

な水平分布帯の縮図だというモデル

に疑問を感じて若い頃最初にスマ

トラ島の赤道直下にある最高峰ケリ

ンチ山(3800m)の調査を計画し

た森林限界を構成していた森林は日

本の亜熱帯暖温帯多雨林に生育する

ヤマモモに近縁の常緑広葉樹ジャワ

ヤマモモが優占していた森林限界上

部の高山帯は活火山の裸地に近い斜

面なので筋状に走る深いガリーには

日本では伊豆半島以南の亜熱帯でし

かみられないユノミネシダが生えて

いた高山草原を構成していたのは沖縄の

低地で普通にみられるクロガヤに近縁の

カヤツリグサ科の種やシラタマノキ属の

常緑低木だったケリンチ山は活火山なの

でそれも関係があるのかもしれないと思

って東南アジア最高峰ボルネオ島の花崗

岩のキナバル山(4100m)でも調べた

森林限界はジャワヤマモモもあったが沖

縄や小笠原が北限になっているツバキ科

の常緑広葉樹ヒメツバキ(イジュ)が優占

種であるこの植生をみると上述したよう

な熱帯高山の垂直分布帯と緯度的な水平

分布帯が相同だという古典的なモデルが

成り立たないのは明らかであるそれが新

しい湿潤アジアの山地垂直分布帯モデル

を提案したきっかけだった(

Oh

saw

a

1990)

マレー半島脊梁のティティワンサ山脈

は標高は2000m程度だがヒマラヤと

同じようにゴンドワナ大陸の断片が衝突

して隆起したものでキャメロンハイラン

ドフレーザーズヒルなどでは山麓のフタ

バガキ科樹種が優占する低地多雨林から

山地林への移行を直接見ることができる

素晴らしい森林である本当はもう少し調

査したかったがマラヤ大学は2年で退職

し次の目的地雲南にやってきた

中国南西部の遺存固有種

他方で雲南ヒマラヤも日本の温帯性樹

種の由来を考える上で見過ごすことは出

来ない雲南は日本の植生を構成する主要

3

な種群がその何倍もの多様性をもって集

中している地域である例えばブナ科シイ

属は日本では2種だが雲南省には少なく

とも

39種が分布している特に日本の照

葉樹林で優占するブナ科の常緑広葉樹の

シイ類カシ類やクスノキ科は熱帯と同等

かむしろ雲南の方が多様性が高いまた

多くの第三紀遺存固有種の種多様性が高

くその一部は日本にも分布する

イチョウメタセコイヤといった世

界的にも貴重な遺存種はこの地域に

しか分布しない第一級の遺存固有種

と言えるこれらの樹木が自生する

この地域は高い種多様性がどのよう

に生まれまた地質時代以来の気候

変化を生き残ってきたのか調査解析

する上で極めて重要な地域である

雲南省の中央部をほぼ南北に走る

哀牢山脈は火祭りで有名なイ族とい

う少数民族の地域で訪れたときは

その火祭りが始まる前日だった山

中にある彼らの神を祀る巨大な岩室

の社では村人たちが集まって炊き

出しをして華やかな宴会を始めて

いた渡り鳥の中継地としても有名

な哀牢山脈南部の金山Y口という峠道(2

375m)はこうした渡り鳥のモニタリン

グポイントになっていて「鳥類監測環

志点」の大きな看板が掲げてあった近く

の照葉樹林の中には茶葉古道が通ってお

り一部は観光地化していたが付近の森

はシイ属マテバシイ属などが優占しタ

ブノキ属ユズリハヒマラヤのシャクナ

ゲとも近縁の多くの種ネジキをはじめ

ヒマラヤツガやイチイなどが混生してい

てヒマラヤの森林にそっくりでもちろん

日本の照葉樹林ともよく似た森林だった

二次林を構成するウンナンマツは三葉で

ブータンマツによく似ている日本では現

生の三葉マツは分布しないが瀬戸で化石

が見つかっているオオミツバマツもこの

仲間だ哀牢山脈はベンガル湾からのモン

スーンの湿潤な風が直接当たる位置にあ

り(

Jia

ng 1

980)ヒマラヤと同じ気候的

位置にあるゴンドワナ大陸から分離した

インド亜大陸がローレシアの陸塊に衝突

して隆起したがその方向はヒマラヤの東

のツァンポゴルジで大屈曲し哀牢山脈は

雲南省西部の横断山脈と同じほぼ南北方

向に向いているが植物的にヒマラヤ要素

の延長に当たることはすぐ理解できた同

時に東アジアの植物も多くみられ探し求

めていたヒマラヤと日本のフロラの接点

に当たるのではないかと思うと身震いし

一通り森林を見て回って森林管理署の

出先の小屋に戻るとすでに食事の支度を

してくれてあり良い天気で哀牢山脈から

哀牢山脈の帽禿山手前のワラビ草原はケシ栽培の跡地 栄養素を吸収しつくしてしまい遷移が進まない

4

小屋の前でハコベスープの昼食をごちそうに

東南方向に開けたベトナムのハロン湾へ

と流れる紅河の谷を見はらすことができ

た小屋の庭先にテーブルが並べられ小

さなスツールに腰かけて食事を頂いた美

味しいスープの具は野草のハコベだった

四川省貴州省でも多くの遺存固有種が

生育するのは標高1000

~2000m程

度の低山帯の石灰岩の山が多くケスタ地

形になっている隣接する重

慶市時には

湖南省のほうまで

足を延ばして周

辺の

山々に調査に入る中

国から日本にかけた

地域は世界でも

稀な第三紀遺存種の

宝庫

で上述したイチョウメタセコイヤ以外

にもシナユリノキハンカチノキスイセ

イジュタイワンス

ギ(中

国名

禿杉)をは

じめとする遺存固有種の生育地がありそ

こはまた人々の生活の

場でもあるイチョ

ウ自生地では民家の

裏の風水林として

持されているところも多く林下に

必ずと

言ってよいほど石

垣で囲った沖縄の

亀甲

墓を

単純化したような土

饅頭があった遺

存種の森は風水林として先

祖の

霊が

宿る

聖地としても護られてきた(

Tan

g

et

al2

012)

造山

運動が活発なヒマラヤや雲南省の

山々とそこから取り残された平地(

丘陵)

のクラトン部分とがそれ

ぞれにユニーク

な特性を発

揮している遺存種の

宝庫は石

灰岩地帯が多く古くからの

安定陸塊であ

る地域の種多様性は固有種が高めている

造山帯では新しい生育立地ができるので

新規固有種が多い造山帯の周囲の

安定陸

塊には地質時代から生き残った遺存固有

種が種多様性を高めている雲南へと

続く

東部ヒマラヤはこれら

両方の種群が

共存

することによって特に多様性が高く世界

的な保護

団体の

WW

Fは東部ヒマラヤエ

コリージョンとして

認定し(

2001)コン

サーベーションインターナショナル(

I)はこれまで世界

25か所の

ホットス

ポットに最近

9か

所の新しい

ホットスポ

ットを

加えたが北部

パキスタンから北部

ミャンマー中

国南西部まで

含むヒマラヤ

全域2

900

を世界で最も新しく高い

山岳として指定した(

2005)

哀牢山脈から

昆明に戻ってシ

ェアハウ

スしている

ヨーロッ

パの若

者たちに哀牢

山脈はどうだった

尋ねられハコベは

日本ではただの

雑草(野草)だが初めて

食べたスープがとても美味しかったと話

すと聞いていたドイツ人のルードウィッ

ヒがタブレットで調べながら「日本では

から

春にはハコベを野

菜として食べると

かいてある

Nan

ak

usa

-no-s

ek

ku 」

と言われて突然思い出した「ウ」

(おおさわまさ

ひこ

雲南大学生

態学地

植物学

研究

所教

授日本山

岳会

員)

5

お知らせ

「2014 年度(平成 26 年度)の自然保護全国集会のご案内」

~今年は広島で 11 月に開催いたします~

1日程 平成 26 年 11 月 22 日(土)〜24 日(月)

2場所 広島市(広島工業大学 広島キャンパス他)

3予定

11 月 22 日 支部報告および討議

基調講演「里山資本主義で」で地域を元気に(仮題)

講師 NHK広島放送局 チーフプロデューサー 井上恭介氏

11 月 23 日 山岳平和祭世界自然保護集会参加

11 月 24 日 フィールドスタディ(オプション)弥山ハイク

本年度はアジア山岳連盟(UAAA)創立 20 周年総会と併せて開催します

詳細は7 月「木の目草の芽」「山」に掲載します

日本山岳会自然保護委員会 委員長 近藤 雅幸

広島支部長 兼森 志郎

実行委員長 渡邉 嘉也

【購読料のお願い】

紙を

購読

され

てい

る方

今年

度(

四月

三月

)の

年間

購読

料と

して

1千

円を

「郵

便

振替

用紙

」ま

たは

「郵

券」

でお

送り

頂き

たく

お願いいたします

(郵便振替用紙を同封いたします)

【カンパのお願い】

読者

以外

の方

(理

支部

支部

事務

自然

保護

協力

委員

部自

然保

護委

贈呈

者等

)で

送料

等の

カン

パに

ご協

力頂

ける

方は「

郵便振替」または「郵券」でお送り頂

きたくお願いいたします

送り先

郵便振替

00180‐4‐710688

加入者名 川口章子

住所

274‐0063

船橋市習志野台4‐43‐1‐102

川口章子

6

右手前二十一個のペットボトル温水器

左奥ゴーヤとキウリの「緑のカーテン」

ベランダ菜園のエコロジー

西田 進

自然環境と人間活動

いわゆる「地球温暖化」は気候学では気

候変動としてとらえられるIPCC(気候

変動に関する政府間パネル)の第五次報告書

(2014年)には「

人間による影響が二十世

紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原

因であった可能性が極めて高い(可能性

95以上)」

と断言されているこれが「地

球温暖化人為原因説」といわれる多数派の意

見であるが地球科学や生態学分野の研究者

でこれに反論を唱える少数派があることにも

留意する必要がある

家庭でできる地球温暖化防止活動

IPCCによると地球温暖化の主な原因

は化石燃料の燃焼による二酸化炭素の放出

にあるしたがって家庭でできる地球温暖化

防止は「省エネ」に尽きることになる

我家ではマイカーの廃止省エネ家電製

品への買い替えエアコン温度の適切な設定

などを進めそれなりの成果を得てきたさら

にもうひとつ「

ベランダの活用」を「

遊び

心」で行ってみた今回はその一部を紹介さ

せて頂く

最初に「家庭の事情」を説明しておく我

家は賃貸マンションでベランダは南西向き

であるとはいえ総

面積は僅かに8

91(約

27坪)しかないそのうちコンクリート

フェンスの日陰になる部分洗濯物干し場

通路を除くと菜園に使える面積は2

59

(約0

78坪)で正に坪庭以下であるこ

の面積で何ができるか困難な課題ほどチャ

レンジする楽しみがある

(一)太陽電池(ソーラパネル)はダメ

家庭でできる自然エネルギーの代表とされ

る太陽電池は南向きの三十平方米以上の屋

根があれば十年で元が取れるというそれは

電力会社の全量買い取り制度(太陽電池で発

電した電力は電力料金のほぼ二倍の価格で買

い取ってくれるという制度)があるからであ

るしたがってその分だけ一般家庭が支払

う電力料金が高くなっている二酸化炭素の

削減に貢献するとはいえ一般家庭に迷惑を

かけて儲けようとは思わないし坪庭には設

置できない

(二)太陽熱利用

昔から行われてきた太陽熱利用であるが

坪庭に設ける場合は設備に金をかけたので

は元が取れないそこで設備に金をかけず

にできる方法を考えたそれは2の空ペッ

トボトルの外面を黒い水性ペイントで塗り

中に水を入れてベランダの空いたところに並

べて太陽熱を集めるだけのものである夏の

晴天の日には二十一個のペットボトルで毎

56程度の湯が

42できるこれでは熱

すぎるので

30の水道水で二倍に薄め

43の湯

84にし毎晩の入浴に利してい

太陽熱利用の経済効果を評価してみよう

ガス使用量(立方米)を検針伝票から調べ

比較したその結果夏(8月と9月)の使

用量は前年同月と比べて

14(五百円)節

約できたことが分った

7

野菜は一平方米当り2の二酸化炭素を固定

しかし二十一本ものペットボトルをベラン

ダから浴室に運ぶのは容易ではない私は高

齢者に典型的な脊柱管狭窄による腰痛のリハ

ビリ運動として実施したが相当の決意が必

要であった

(三)ゴーヤの「緑のカーテン」

緑のカーテンによる冷房効果を活用してい

る人は多い我家のベランダではコンクリー

トフェンスの日陰のために菜園に使えない部

分があるこのスペースにゴーヤのプランタ

ーを置いているゴーヤが成長すると日当り

の良い空間に出るから都合がよい四本のゴ

ーヤと四本のキウリで間口一六五の窓を塞

ぐことにより真夏の日中でもほとんどエア

コンを使う必要がない

緑のカーテンはエアコンの電力消費量の節

約になる電力使用量(

kW

h)を検針伝票か

ら調べた結果夏(8月と9月)の電力使用

量は前

年同月と比べて

21(四五〇〇円)

節約できたことが分ったその上毎日ゴー

ヤとキウリが収穫できるのは楽しみである

(四)ベランダ菜園

ベランダのエコロジーの最たるものはベラ

ンダ菜園ではないかと思う植える野菜の種

類は成長が早くかつ可食部分の多いもの

家族の評判のいいものを選ぶ

冬~春(一月~四月) 春菊かき菜

春~夏(五月~九月) トマトキウリ

秋~冬(一〇月~一二月) 小松菜

効率的に増収するコツは年三回プランター

の土を天日干しし有機肥料をたっぶり与え

ること種蒔と苗作りは室内に置いた別のポ

ットを使用し屋外のプランターの使用効率

を極限に高めることである収穫は一度に行

わず成長したものから順に採る太陽エネ

ルギーを最大に利用し光合成を効率よく行

なわせるには屋外のプランターは常に土が見

えず緑に覆われている状態に保つことである

もちろん折角の家庭菜園であるから化学肥

料や農薬は一切使用しない

一例として小松菜の収量を示そう

プランター外寸法(合計) 0

52

プランターでの栽培期間

45日

全収穫量 4108

次に収穫物の一部を台所で加熱処理してバ

イオマスを計量した例を示す

生重量

65

乾燥重量 99(生重量の

15)

炭素重量 45(乾燥重量の

45)

生重量から乾燥重量への低減は水分の蒸発で

ある乾燥重量から炭素重量への低減は炭

水化物から炭素への変換である炭水化物が

仮に

C6 H

12 O

6 であると仮定するとこの低減

率は理論的に

40であるから実測とほぼ一

致している

生育期間

45日間における単位面積当たり

の収穫量(生重量)は78

kgm

2炭素重

量は0

54kgm

2であるから光合成による

二酸化炭素固定量は20

kgm

2となるこ

れは東京電力が49

kW

hを発電する時に

発生した二酸化炭素を相殺することになり

植物の威力に驚かされる

最後に0

78坪の菜園で夫婦二人の根菜

を除く葉物野菜が年間を通じてほぼ自給で

きたことを報告しておこう

(自然保護協力委員山の自然学研究会会員)

8

自然保護との出会い

自然保護委員

武藤 篤生

私の

郷里

は福

島県

のほ

とん

どを

が占

める

山岳

県で

ある

生地

は安

達郡

岩代

市町

村合

併に

より

今は

二本

松市

に属

する

安達

太良

山の

阿武

隈山

地の

ど真

ん中

の山

村で

ある

学校

まで

そこ

です

ごし

の後

は郡

山に

移り

校ま

で過

ごし

二本

松に

は多

くの

親戚

が郡

山に

は両

親が

住ん

でい

私の

過ご

した

地域

から

は常

に安

達太

良山

が見

私の

通っ

た小

学校

学校

校の

校歌

には

いず

れも

安達

太良

山が

歌わ

れて

いる

時の

岩代

町は

葉た

ばこ

と養

炭焼

きが

盛ん

で広

い葉

たば

こ畑

畑と

雑木

林を

もつ

里山

であ

った

が平

成の

世に

なる

たば

蚕糸

の需

要は

減少

し桑

畑の

多く

の耕

作が

放棄

され

林も

かな

り荒

れて

しま

った

山の

機能

は低

下し

てし

まっ

たが

物の

多様

性に

富ん

だ自

然の

豊か

な山

林を

地域

であ

った

時は

福島

空港

の建

設候

補地

に挙

げら

れた

こと

もあ

るが

が深

くア

クセ

スが

良く

ない

とい

う理

由で

その

後も

豊か

な山

林は

維持

され

10数年

ぶり

に二

本松

の親

戚を

訪問

する

山の

尾根

沿い

の樹

林が

広く

伐採

され

送電

線と

巨大

な鉄

塔が

設置

され

てい

家の

中か

ら斜

め上

方を

眺め

ると

巨大

な鉄

塔は

かな

り威

圧感

があ

電力

会社

から

お金

が支

払わ

れる

こと

もあ

地域

では

特に

大き

な反

対も

なく

分な

環境

アセ

スメ

ント

も行

われ

るこ

とな

く計

画か

ら非

常に

短い

期間

で建

設さ

れた

そう

工事

のた

めに

作っ

た太

い作

業道

採さ

れた

山林

風の

際に

送電

線が

発す

る音

など

植物

に対

する

影響

は少

なか

らず

ある

もの

と想

像さ

れる

然に

恵ま

れた

地域

の住

民の

然に

対す

る重

要性

の意

識は

案外

低い

もの

であ

も福

島に

すん

でい

た頃

に自

然を

意識

した

こと

はな

保護

にも

全く

関心

がな

かっ

ニュ

ース

等で

環境

破壊

や環

境保

護が

報じ

られ

ても

自分

たち

に関

係が

ある

もの

とは

あま

り認

識す

るこ

とも

なか

った

京に

出て

きた

とき

にま

ず感

じた

のは

活圏

から

山が

ほと

んど

見え

ない

こと

福島

では

四方

が山

に囲

まれ

てい

たの

でこ

の違

和感

は大

きか

った

のと

はじ

めて

郷里

の自

然の

すば

らし

さと

価値

を認

識し

私のみ

でな

く自

然の

い地

域に

住ん

でい

た多

くの

方は

まれ

たと

きか

らあ

たり

まえ

に存在

した

自然

価値

を認

識し

てい

ない場

合が

多い

と思

日本

の各

地で

自然

破壊

の問題

が生

くの人

や団体

が保

護活

動を

行っ

てい

るも

のの

域の

住民

が活

動に参加

して

いな

いケ

ース

も多

い近隣

の住

民が

自然

より

も地

域経済

を優

先す

る場

合も

多い

よう

なケ

ース

では近隣

の住

民に身近

な自

然の

価値

を認

識し

ても

らう

こと

こそ

が自

然保

護の第

一歩

のよ

うに思

える

は休

日に奥

多摩

にハイキ

ング

や登

に出

かけ

るよ

うに

なっ

ては

じめ

て自

然に

興味

を持

った

じ山

やコ

ース

でも

時期

が違

えば異

なる

植物

や動

物に

出会

える

自然

に対

する知

識が登

山の楽

しみ

を数倍

も大

きく

して

くれ

一緒

に出

かけ

る友

人も

植物

や動

物に興味

をも

って

くれ

のよ

うな仲

間も徐々

に増

えて

きた

のメカ

ニズム

が少

しず

つわ

かっ

てく

ると

自然

保護

の活

動に

関わ

りた

いと思

うよ

にな

り日

本自

然保

護協

会(

NA

CS

-J)の

9

自然観察指導員

や日

本山

岳協

会の

自然

護指導員

の講習

会に参加

した

れら

講習

会に

出て

もっ

とも

強く

感じ

たこ

とは

啓蒙

活動

を非

常に

重視

して

いる

こと

多く

の人

に自

然に

対し

て興味

を持

って

ただ

くお手伝

いを

する

こと

れが

自然

を理解

した

いと思

うき

っかけ

とな

がて身近

の生

活の

中で

自然

保護

に関

わっ

てい

ただけ

るよ

うに

なる

も観察

のガイド

など

を通

して

多く

の人

に自

然に

興味

を持

って

もら

うお手伝

いを

して

いる

自然

の楽

しみ

を共有

でき

る仲

間が増

える

こと

が喜び

であ

年5月

に都立神

代植

物公園

に植

物多

様性

センタ

ーが

設置

され

も発足以来

ボラ

ンティ

アスタッフ

とし

てそ

の活

動に

参加

して

いる

ンタ

ーの目的

は行政

学術

機関

域保

護団体

の協働

のも

とに

東京

の植

物多

様性

保全

の中

心的

な役割

果た

すこ

とで

ある

都内

の絶滅危惧

植物

を調査

や保

護は

もちろ

ん重

要な仕

事で

るが

くの人

に植

物の魅

力や

生物

多様

性保

全の

重要

性に

つい

て知

って

もら

うこ

とも

重要

な役目

の一

つで

ある

最近

小田原

の竹

林森

林の整備

取り組

んで

いる

業従

事者

業従

者の

高年齢化

にと

もな

放置

され

る森

林や竹

林がふ

えて

いる

に竹

の増殖

は旺

盛で

放っ

てお

くと竹

林が拡

大し急

面で

は山崩

れが起

こや

すく

なり

密集

た竹

林は

日光

が入

らず

植物

の多

様性

が失

われ

る昨

年か

ら竹

林の

間伐

に取

り組み

今年

の春

はスミレ

等の草

木も

たく

さん

られ

るよ

うに

なっ

てき

たタケノコ掘

等のイベ

ント

の開催

を通

して

林整備

のボラ

ンティ

アも徐々

に増

えて

きた

後は森

林の整備

にも積極的

に取

り組

んで

いき

たい

然保

護は

一部

の専門

家の

活動

だけ

では実現

でき

ない

くの人

にそ

の重

性を知

って

もら

い参加

して

もら

うこ

とが

必要

であ

その

ため

には

ずは

多く

の人

に自

然に

対す

る興味

を持

って

もら

こと

が第

一歩

であ

る興味

を持

った

ら次

は自

然を知

るこ

生物

多様

性の

重要

を理解

して

もら

い身近

な生

活の

中で

きる

活動

から参加

して

いた

だく

に共

感さ

れる

方に

は保

全活

動や

保護

活動

に参

加し

てい

ただ

この

よう

に段階的

に自

然保

護に

関わ

って

いた

だく

こと

が必

要だ

と思

私は

動植

物や

環境

の専門

家で

ない

ので

に第

一段階

での

自然

に興味

を持

って

いた

だく

こと

然の

すば

らし

さを共有

でき

る仲

間作

りの

お手伝

いが

きれ

ばと考

えて

いる

小田原の竹林の整備作業

10

〈編集後記〉大澤さんは『世界自然環境

大百科』の監訳や屋久島での調査研究など

に携わってこられた山岳会員です著書か

らも広い視野と豊かな感性で自然を捉え

ていらした足跡をうかがい知ることがで

きます西田さんはご自身のホームページ

でやはり海外で目にした自然の数々を紹

介されていますし身近な自然をこよなく

愛する武藤さんは経営学が専門で科学委員

も務めています日本山岳会の人材の奥深

さを今回もつくづく感じました各地

から開山の便りが届き自然保護活動も活

発になる季節です支部委員の皆様の活躍

も紹介して行きたいと思っています

( 元川

)

自然保護委員会の活動記録

〈三月度〉

①日

山岳

団体

自然

環境

連絡

2月

28日

出席者富澤下野

( 綾)

bull 各団体の報告

bull 「写真が語る山の自然今昔」について

bull

11月に広島で行われるアジア山岳自然

保護会議について協議会でプログラム

作成

bull トレランについて 環境省のガイドライ

ンに協議会の考え方が反映される

bull 次期幹事団体は日本山岳会

②自然保護委員会

26日(水)

bull トレランに対する自然保護委員会の見解

を作成することになった

bull 自然保護全国集会について

11

22

日(

土)

全国

集会

(実行委員長渡邉嘉也氏)

11月

23日(日)アジア山岳自然保護

会議でプレゼンテーションを行う

bull 新コピー機の使い方

について

③「木の目草の芽」109号発行

〈四月度〉

④山

岳団

体自

然環

境連

絡会

28日

出席者近藤富澤武藤

bull アジア山岳自然保護会議の詳細について

労山から提案

bull トレランについて日本山岳会労山山

のエコーなどの考え方と対応

⑤自然保護委員会

24日(木)

bull

11月

22日に広島で開催される自然保護

会議について広島支部自然保護委員長

前垣氏と打ち合わせ

bull トレランについての自然保護委員会公式

見解を審議し案を決定理事会へ

bull リニア新幹線に関しての問題点が提起さ

れる

2014年度の購読料カンパを

ありがとうございます

4月1日~5月

15日 敬称略

鍛治哲郎(黒部市)カンパ小野寺正英(奥

州市

)太

田義一

(加賀市

)カ

ンパ含む

田中多賀子(東京都江戸川区)権藤司(安

曇野市)上田景子(栃木市)カンパ含む

渡辺陽子(安曇野市)

近藤緑(東京都杉並

区)カンパ 合計1万66円

なお支部長支部自然保護委員には無料配

布を原則としていますのでお受けした購読

料はカンパ扱いとさせて頂きました

Page 3: JAC Website...qr+ @ABCr# ^ ! BCr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

3

な種群がその何倍もの多様性をもって集

中している地域である例えばブナ科シイ

属は日本では2種だが雲南省には少なく

とも

39種が分布している特に日本の照

葉樹林で優占するブナ科の常緑広葉樹の

シイ類カシ類やクスノキ科は熱帯と同等

かむしろ雲南の方が多様性が高いまた

多くの第三紀遺存固有種の種多様性が高

くその一部は日本にも分布する

イチョウメタセコイヤといった世

界的にも貴重な遺存種はこの地域に

しか分布しない第一級の遺存固有種

と言えるこれらの樹木が自生する

この地域は高い種多様性がどのよう

に生まれまた地質時代以来の気候

変化を生き残ってきたのか調査解析

する上で極めて重要な地域である

雲南省の中央部をほぼ南北に走る

哀牢山脈は火祭りで有名なイ族とい

う少数民族の地域で訪れたときは

その火祭りが始まる前日だった山

中にある彼らの神を祀る巨大な岩室

の社では村人たちが集まって炊き

出しをして華やかな宴会を始めて

いた渡り鳥の中継地としても有名

な哀牢山脈南部の金山Y口という峠道(2

375m)はこうした渡り鳥のモニタリン

グポイントになっていて「鳥類監測環

志点」の大きな看板が掲げてあった近く

の照葉樹林の中には茶葉古道が通ってお

り一部は観光地化していたが付近の森

はシイ属マテバシイ属などが優占しタ

ブノキ属ユズリハヒマラヤのシャクナ

ゲとも近縁の多くの種ネジキをはじめ

ヒマラヤツガやイチイなどが混生してい

てヒマラヤの森林にそっくりでもちろん

日本の照葉樹林ともよく似た森林だった

二次林を構成するウンナンマツは三葉で

ブータンマツによく似ている日本では現

生の三葉マツは分布しないが瀬戸で化石

が見つかっているオオミツバマツもこの

仲間だ哀牢山脈はベンガル湾からのモン

スーンの湿潤な風が直接当たる位置にあ

り(

Jia

ng 1

980)ヒマラヤと同じ気候的

位置にあるゴンドワナ大陸から分離した

インド亜大陸がローレシアの陸塊に衝突

して隆起したがその方向はヒマラヤの東

のツァンポゴルジで大屈曲し哀牢山脈は

雲南省西部の横断山脈と同じほぼ南北方

向に向いているが植物的にヒマラヤ要素

の延長に当たることはすぐ理解できた同

時に東アジアの植物も多くみられ探し求

めていたヒマラヤと日本のフロラの接点

に当たるのではないかと思うと身震いし

一通り森林を見て回って森林管理署の

出先の小屋に戻るとすでに食事の支度を

してくれてあり良い天気で哀牢山脈から

哀牢山脈の帽禿山手前のワラビ草原はケシ栽培の跡地 栄養素を吸収しつくしてしまい遷移が進まない

4

小屋の前でハコベスープの昼食をごちそうに

東南方向に開けたベトナムのハロン湾へ

と流れる紅河の谷を見はらすことができ

た小屋の庭先にテーブルが並べられ小

さなスツールに腰かけて食事を頂いた美

味しいスープの具は野草のハコベだった

四川省貴州省でも多くの遺存固有種が

生育するのは標高1000

~2000m程

度の低山帯の石灰岩の山が多くケスタ地

形になっている隣接する重

慶市時には

湖南省のほうまで

足を延ばして周

辺の

山々に調査に入る中

国から日本にかけた

地域は世界でも

稀な第三紀遺存種の

宝庫

で上述したイチョウメタセコイヤ以外

にもシナユリノキハンカチノキスイセ

イジュタイワンス

ギ(中

国名

禿杉)をは

じめとする遺存固有種の生育地がありそ

こはまた人々の生活の

場でもあるイチョ

ウ自生地では民家の

裏の風水林として

持されているところも多く林下に

必ずと

言ってよいほど石

垣で囲った沖縄の

亀甲

墓を

単純化したような土

饅頭があった遺

存種の森は風水林として先

祖の

霊が

宿る

聖地としても護られてきた(

Tan

g

et

al2

012)

造山

運動が活発なヒマラヤや雲南省の

山々とそこから取り残された平地(

丘陵)

のクラトン部分とがそれ

ぞれにユニーク

な特性を発

揮している遺存種の

宝庫は石

灰岩地帯が多く古くからの

安定陸塊であ

る地域の種多様性は固有種が高めている

造山帯では新しい生育立地ができるので

新規固有種が多い造山帯の周囲の

安定陸

塊には地質時代から生き残った遺存固有

種が種多様性を高めている雲南へと

続く

東部ヒマラヤはこれら

両方の種群が

共存

することによって特に多様性が高く世界

的な保護

団体の

WW

Fは東部ヒマラヤエ

コリージョンとして

認定し(

2001)コン

サーベーションインターナショナル(

I)はこれまで世界

25か所の

ホットス

ポットに最近

9か

所の新しい

ホットスポ

ットを

加えたが北部

パキスタンから北部

ミャンマー中

国南西部まで

含むヒマラヤ

全域2

900

を世界で最も新しく高い

山岳として指定した(

2005)

哀牢山脈から

昆明に戻ってシ

ェアハウ

スしている

ヨーロッ

パの若

者たちに哀牢

山脈はどうだった

尋ねられハコベは

日本ではただの

雑草(野草)だが初めて

食べたスープがとても美味しかったと話

すと聞いていたドイツ人のルードウィッ

ヒがタブレットで調べながら「日本では

から

春にはハコベを野

菜として食べると

かいてある

Nan

ak

usa

-no-s

ek

ku 」

と言われて突然思い出した「ウ」

(おおさわまさ

ひこ

雲南大学生

態学地

植物学

研究

所教

授日本山

岳会

員)

5

お知らせ

「2014 年度(平成 26 年度)の自然保護全国集会のご案内」

~今年は広島で 11 月に開催いたします~

1日程 平成 26 年 11 月 22 日(土)〜24 日(月)

2場所 広島市(広島工業大学 広島キャンパス他)

3予定

11 月 22 日 支部報告および討議

基調講演「里山資本主義で」で地域を元気に(仮題)

講師 NHK広島放送局 チーフプロデューサー 井上恭介氏

11 月 23 日 山岳平和祭世界自然保護集会参加

11 月 24 日 フィールドスタディ(オプション)弥山ハイク

本年度はアジア山岳連盟(UAAA)創立 20 周年総会と併せて開催します

詳細は7 月「木の目草の芽」「山」に掲載します

日本山岳会自然保護委員会 委員長 近藤 雅幸

広島支部長 兼森 志郎

実行委員長 渡邉 嘉也

【購読料のお願い】

紙を

購読

され

てい

る方

今年

度(

四月

三月

)の

年間

購読

料と

して

1千

円を

「郵

便

振替

用紙

」ま

たは

「郵

券」

でお

送り

頂き

たく

お願いいたします

(郵便振替用紙を同封いたします)

【カンパのお願い】

読者

以外

の方

(理

支部

支部

事務

自然

保護

協力

委員

部自

然保

護委

贈呈

者等

)で

送料

等の

カン

パに

ご協

力頂

ける

方は「

郵便振替」または「郵券」でお送り頂

きたくお願いいたします

送り先

郵便振替

00180‐4‐710688

加入者名 川口章子

住所

274‐0063

船橋市習志野台4‐43‐1‐102

川口章子

6

右手前二十一個のペットボトル温水器

左奥ゴーヤとキウリの「緑のカーテン」

ベランダ菜園のエコロジー

西田 進

自然環境と人間活動

いわゆる「地球温暖化」は気候学では気

候変動としてとらえられるIPCC(気候

変動に関する政府間パネル)の第五次報告書

(2014年)には「

人間による影響が二十世

紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原

因であった可能性が極めて高い(可能性

95以上)」

と断言されているこれが「地

球温暖化人為原因説」といわれる多数派の意

見であるが地球科学や生態学分野の研究者

でこれに反論を唱える少数派があることにも

留意する必要がある

家庭でできる地球温暖化防止活動

IPCCによると地球温暖化の主な原因

は化石燃料の燃焼による二酸化炭素の放出

にあるしたがって家庭でできる地球温暖化

防止は「省エネ」に尽きることになる

我家ではマイカーの廃止省エネ家電製

品への買い替えエアコン温度の適切な設定

などを進めそれなりの成果を得てきたさら

にもうひとつ「

ベランダの活用」を「

遊び

心」で行ってみた今回はその一部を紹介さ

せて頂く

最初に「家庭の事情」を説明しておく我

家は賃貸マンションでベランダは南西向き

であるとはいえ総

面積は僅かに8

91(約

27坪)しかないそのうちコンクリート

フェンスの日陰になる部分洗濯物干し場

通路を除くと菜園に使える面積は2

59

(約0

78坪)で正に坪庭以下であるこ

の面積で何ができるか困難な課題ほどチャ

レンジする楽しみがある

(一)太陽電池(ソーラパネル)はダメ

家庭でできる自然エネルギーの代表とされ

る太陽電池は南向きの三十平方米以上の屋

根があれば十年で元が取れるというそれは

電力会社の全量買い取り制度(太陽電池で発

電した電力は電力料金のほぼ二倍の価格で買

い取ってくれるという制度)があるからであ

るしたがってその分だけ一般家庭が支払

う電力料金が高くなっている二酸化炭素の

削減に貢献するとはいえ一般家庭に迷惑を

かけて儲けようとは思わないし坪庭には設

置できない

(二)太陽熱利用

昔から行われてきた太陽熱利用であるが

坪庭に設ける場合は設備に金をかけたので

は元が取れないそこで設備に金をかけず

にできる方法を考えたそれは2の空ペッ

トボトルの外面を黒い水性ペイントで塗り

中に水を入れてベランダの空いたところに並

べて太陽熱を集めるだけのものである夏の

晴天の日には二十一個のペットボトルで毎

56程度の湯が

42できるこれでは熱

すぎるので

30の水道水で二倍に薄め

43の湯

84にし毎晩の入浴に利してい

太陽熱利用の経済効果を評価してみよう

ガス使用量(立方米)を検針伝票から調べ

比較したその結果夏(8月と9月)の使

用量は前年同月と比べて

14(五百円)節

約できたことが分った

7

野菜は一平方米当り2の二酸化炭素を固定

しかし二十一本ものペットボトルをベラン

ダから浴室に運ぶのは容易ではない私は高

齢者に典型的な脊柱管狭窄による腰痛のリハ

ビリ運動として実施したが相当の決意が必

要であった

(三)ゴーヤの「緑のカーテン」

緑のカーテンによる冷房効果を活用してい

る人は多い我家のベランダではコンクリー

トフェンスの日陰のために菜園に使えない部

分があるこのスペースにゴーヤのプランタ

ーを置いているゴーヤが成長すると日当り

の良い空間に出るから都合がよい四本のゴ

ーヤと四本のキウリで間口一六五の窓を塞

ぐことにより真夏の日中でもほとんどエア

コンを使う必要がない

緑のカーテンはエアコンの電力消費量の節

約になる電力使用量(

kW

h)を検針伝票か

ら調べた結果夏(8月と9月)の電力使用

量は前

年同月と比べて

21(四五〇〇円)

節約できたことが分ったその上毎日ゴー

ヤとキウリが収穫できるのは楽しみである

(四)ベランダ菜園

ベランダのエコロジーの最たるものはベラ

ンダ菜園ではないかと思う植える野菜の種

類は成長が早くかつ可食部分の多いもの

家族の評判のいいものを選ぶ

冬~春(一月~四月) 春菊かき菜

春~夏(五月~九月) トマトキウリ

秋~冬(一〇月~一二月) 小松菜

効率的に増収するコツは年三回プランター

の土を天日干しし有機肥料をたっぶり与え

ること種蒔と苗作りは室内に置いた別のポ

ットを使用し屋外のプランターの使用効率

を極限に高めることである収穫は一度に行

わず成長したものから順に採る太陽エネ

ルギーを最大に利用し光合成を効率よく行

なわせるには屋外のプランターは常に土が見

えず緑に覆われている状態に保つことである

もちろん折角の家庭菜園であるから化学肥

料や農薬は一切使用しない

一例として小松菜の収量を示そう

プランター外寸法(合計) 0

52

プランターでの栽培期間

45日

全収穫量 4108

次に収穫物の一部を台所で加熱処理してバ

イオマスを計量した例を示す

生重量

65

乾燥重量 99(生重量の

15)

炭素重量 45(乾燥重量の

45)

生重量から乾燥重量への低減は水分の蒸発で

ある乾燥重量から炭素重量への低減は炭

水化物から炭素への変換である炭水化物が

仮に

C6 H

12 O

6 であると仮定するとこの低減

率は理論的に

40であるから実測とほぼ一

致している

生育期間

45日間における単位面積当たり

の収穫量(生重量)は78

kgm

2炭素重

量は0

54kgm

2であるから光合成による

二酸化炭素固定量は20

kgm

2となるこ

れは東京電力が49

kW

hを発電する時に

発生した二酸化炭素を相殺することになり

植物の威力に驚かされる

最後に0

78坪の菜園で夫婦二人の根菜

を除く葉物野菜が年間を通じてほぼ自給で

きたことを報告しておこう

(自然保護協力委員山の自然学研究会会員)

8

自然保護との出会い

自然保護委員

武藤 篤生

私の

郷里

は福

島県

のほ

とん

どを

が占

める

山岳

県で

ある

生地

は安

達郡

岩代

市町

村合

併に

より

今は

二本

松市

に属

する

安達

太良

山の

阿武

隈山

地の

ど真

ん中

の山

村で

ある

学校

まで

そこ

です

ごし

の後

は郡

山に

移り

校ま

で過

ごし

二本

松に

は多

くの

親戚

が郡

山に

は両

親が

住ん

でい

私の

過ご

した

地域

から

は常

に安

達太

良山

が見

私の

通っ

た小

学校

学校

校の

校歌

には

いず

れも

安達

太良

山が

歌わ

れて

いる

時の

岩代

町は

葉た

ばこ

と養

炭焼

きが

盛ん

で広

い葉

たば

こ畑

畑と

雑木

林を

もつ

里山

であ

った

が平

成の

世に

なる

たば

蚕糸

の需

要は

減少

し桑

畑の

多く

の耕

作が

放棄

され

林も

かな

り荒

れて

しま

った

山の

機能

は低

下し

てし

まっ

たが

物の

多様

性に

富ん

だ自

然の

豊か

な山

林を

地域

であ

った

時は

福島

空港

の建

設候

補地

に挙

げら

れた

こと

もあ

るが

が深

くア

クセ

スが

良く

ない

とい

う理

由で

その

後も

豊か

な山

林は

維持

され

10数年

ぶり

に二

本松

の親

戚を

訪問

する

山の

尾根

沿い

の樹

林が

広く

伐採

され

送電

線と

巨大

な鉄

塔が

設置

され

てい

家の

中か

ら斜

め上

方を

眺め

ると

巨大

な鉄

塔は

かな

り威

圧感

があ

電力

会社

から

お金

が支

払わ

れる

こと

もあ

地域

では

特に

大き

な反

対も

なく

分な

環境

アセ

スメ

ント

も行

われ

るこ

とな

く計

画か

ら非

常に

短い

期間

で建

設さ

れた

そう

工事

のた

めに

作っ

た太

い作

業道

採さ

れた

山林

風の

際に

送電

線が

発す

る音

など

植物

に対

する

影響

は少

なか

らず

ある

もの

と想

像さ

れる

然に

恵ま

れた

地域

の住

民の

然に

対す

る重

要性

の意

識は

案外

低い

もの

であ

も福

島に

すん

でい

た頃

に自

然を

意識

した

こと

はな

保護

にも

全く

関心

がな

かっ

ニュ

ース

等で

環境

破壊

や環

境保

護が

報じ

られ

ても

自分

たち

に関

係が

ある

もの

とは

あま

り認

識す

るこ

とも

なか

った

京に

出て

きた

とき

にま

ず感

じた

のは

活圏

から

山が

ほと

んど

見え

ない

こと

福島

では

四方

が山

に囲

まれ

てい

たの

でこ

の違

和感

は大

きか

った

のと

はじ

めて

郷里

の自

然の

すば

らし

さと

価値

を認

識し

私のみ

でな

く自

然の

い地

域に

住ん

でい

た多

くの

方は

まれ

たと

きか

らあ

たり

まえ

に存在

した

自然

価値

を認

識し

てい

ない場

合が

多い

と思

日本

の各

地で

自然

破壊

の問題

が生

くの人

や団体

が保

護活

動を

行っ

てい

るも

のの

域の

住民

が活

動に参加

して

いな

いケ

ース

も多

い近隣

の住

民が

自然

より

も地

域経済

を優

先す

る場

合も

多い

よう

なケ

ース

では近隣

の住

民に身近

な自

然の

価値

を認

識し

ても

らう

こと

こそ

が自

然保

護の第

一歩

のよ

うに思

える

は休

日に奥

多摩

にハイキ

ング

や登

に出

かけ

るよ

うに

なっ

ては

じめ

て自

然に

興味

を持

った

じ山

やコ

ース

でも

時期

が違

えば異

なる

植物

や動

物に

出会

える

自然

に対

する知

識が登

山の楽

しみ

を数倍

も大

きく

して

くれ

一緒

に出

かけ

る友

人も

植物

や動

物に興味

をも

って

くれ

のよ

うな仲

間も徐々

に増

えて

きた

のメカ

ニズム

が少

しず

つわ

かっ

てく

ると

自然

保護

の活

動に

関わ

りた

いと思

うよ

にな

り日

本自

然保

護協

会(

NA

CS

-J)の

9

自然観察指導員

や日

本山

岳協

会の

自然

護指導員

の講習

会に参加

した

れら

講習

会に

出て

もっ

とも

強く

感じ

たこ

とは

啓蒙

活動

を非

常に

重視

して

いる

こと

多く

の人

に自

然に

対し

て興味

を持

って

ただ

くお手伝

いを

する

こと

れが

自然

を理解

した

いと思

うき

っかけ

とな

がて身近

の生

活の

中で

自然

保護

に関

わっ

てい

ただけ

るよ

うに

なる

も観察

のガイド

など

を通

して

多く

の人

に自

然に

興味

を持

って

もら

うお手伝

いを

して

いる

自然

の楽

しみ

を共有

でき

る仲

間が増

える

こと

が喜び

であ

年5月

に都立神

代植

物公園

に植

物多

様性

センタ

ーが

設置

され

も発足以来

ボラ

ンティ

アスタッフ

とし

てそ

の活

動に

参加

して

いる

ンタ

ーの目的

は行政

学術

機関

域保

護団体

の協働

のも

とに

東京

の植

物多

様性

保全

の中

心的

な役割

果た

すこ

とで

ある

都内

の絶滅危惧

植物

を調査

や保

護は

もちろ

ん重

要な仕

事で

るが

くの人

に植

物の魅

力や

生物

多様

性保

全の

重要

性に

つい

て知

って

もら

うこ

とも

重要

な役目

の一

つで

ある

最近

小田原

の竹

林森

林の整備

取り組

んで

いる

業従

事者

業従

者の

高年齢化

にと

もな

放置

され

る森

林や竹

林がふ

えて

いる

に竹

の増殖

は旺

盛で

放っ

てお

くと竹

林が拡

大し急

面で

は山崩

れが起

こや

すく

なり

密集

た竹

林は

日光

が入

らず

植物

の多

様性

が失

われ

る昨

年か

ら竹

林の

間伐

に取

り組み

今年

の春

はスミレ

等の草

木も

たく

さん

られ

るよ

うに

なっ

てき

たタケノコ掘

等のイベ

ント

の開催

を通

して

林整備

のボラ

ンティ

アも徐々

に増

えて

きた

後は森

林の整備

にも積極的

に取

り組

んで

いき

たい

然保

護は

一部

の専門

家の

活動

だけ

では実現

でき

ない

くの人

にそ

の重

性を知

って

もら

い参加

して

もら

うこ

とが

必要

であ

その

ため

には

ずは

多く

の人

に自

然に

対す

る興味

を持

って

もら

こと

が第

一歩

であ

る興味

を持

った

ら次

は自

然を知

るこ

生物

多様

性の

重要

を理解

して

もら

い身近

な生

活の

中で

きる

活動

から参加

して

いた

だく

に共

感さ

れる

方に

は保

全活

動や

保護

活動

に参

加し

てい

ただ

この

よう

に段階的

に自

然保

護に

関わ

って

いた

だく

こと

が必

要だ

と思

私は

動植

物や

環境

の専門

家で

ない

ので

に第

一段階

での

自然

に興味

を持

って

いた

だく

こと

然の

すば

らし

さを共有

でき

る仲

間作

りの

お手伝

いが

きれ

ばと考

えて

いる

小田原の竹林の整備作業

10

〈編集後記〉大澤さんは『世界自然環境

大百科』の監訳や屋久島での調査研究など

に携わってこられた山岳会員です著書か

らも広い視野と豊かな感性で自然を捉え

ていらした足跡をうかがい知ることがで

きます西田さんはご自身のホームページ

でやはり海外で目にした自然の数々を紹

介されていますし身近な自然をこよなく

愛する武藤さんは経営学が専門で科学委員

も務めています日本山岳会の人材の奥深

さを今回もつくづく感じました各地

から開山の便りが届き自然保護活動も活

発になる季節です支部委員の皆様の活躍

も紹介して行きたいと思っています

( 元川

)

自然保護委員会の活動記録

〈三月度〉

①日

山岳

団体

自然

環境

連絡

2月

28日

出席者富澤下野

( 綾)

bull 各団体の報告

bull 「写真が語る山の自然今昔」について

bull

11月に広島で行われるアジア山岳自然

保護会議について協議会でプログラム

作成

bull トレランについて 環境省のガイドライ

ンに協議会の考え方が反映される

bull 次期幹事団体は日本山岳会

②自然保護委員会

26日(水)

bull トレランに対する自然保護委員会の見解

を作成することになった

bull 自然保護全国集会について

11

22

日(

土)

全国

集会

(実行委員長渡邉嘉也氏)

11月

23日(日)アジア山岳自然保護

会議でプレゼンテーションを行う

bull 新コピー機の使い方

について

③「木の目草の芽」109号発行

〈四月度〉

④山

岳団

体自

然環

境連

絡会

28日

出席者近藤富澤武藤

bull アジア山岳自然保護会議の詳細について

労山から提案

bull トレランについて日本山岳会労山山

のエコーなどの考え方と対応

⑤自然保護委員会

24日(木)

bull

11月

22日に広島で開催される自然保護

会議について広島支部自然保護委員長

前垣氏と打ち合わせ

bull トレランについての自然保護委員会公式

見解を審議し案を決定理事会へ

bull リニア新幹線に関しての問題点が提起さ

れる

2014年度の購読料カンパを

ありがとうございます

4月1日~5月

15日 敬称略

鍛治哲郎(黒部市)カンパ小野寺正英(奥

州市

)太

田義一

(加賀市

)カ

ンパ含む

田中多賀子(東京都江戸川区)権藤司(安

曇野市)上田景子(栃木市)カンパ含む

渡辺陽子(安曇野市)

近藤緑(東京都杉並

区)カンパ 合計1万66円

なお支部長支部自然保護委員には無料配

布を原則としていますのでお受けした購読

料はカンパ扱いとさせて頂きました

Page 4: JAC Website...qr+ @ABCr# ^ ! BCr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

4

小屋の前でハコベスープの昼食をごちそうに

東南方向に開けたベトナムのハロン湾へ

と流れる紅河の谷を見はらすことができ

た小屋の庭先にテーブルが並べられ小

さなスツールに腰かけて食事を頂いた美

味しいスープの具は野草のハコベだった

四川省貴州省でも多くの遺存固有種が

生育するのは標高1000

~2000m程

度の低山帯の石灰岩の山が多くケスタ地

形になっている隣接する重

慶市時には

湖南省のほうまで

足を延ばして周

辺の

山々に調査に入る中

国から日本にかけた

地域は世界でも

稀な第三紀遺存種の

宝庫

で上述したイチョウメタセコイヤ以外

にもシナユリノキハンカチノキスイセ

イジュタイワンス

ギ(中

国名

禿杉)をは

じめとする遺存固有種の生育地がありそ

こはまた人々の生活の

場でもあるイチョ

ウ自生地では民家の

裏の風水林として

持されているところも多く林下に

必ずと

言ってよいほど石

垣で囲った沖縄の

亀甲

墓を

単純化したような土

饅頭があった遺

存種の森は風水林として先

祖の

霊が

宿る

聖地としても護られてきた(

Tan

g

et

al2

012)

造山

運動が活発なヒマラヤや雲南省の

山々とそこから取り残された平地(

丘陵)

のクラトン部分とがそれ

ぞれにユニーク

な特性を発

揮している遺存種の

宝庫は石

灰岩地帯が多く古くからの

安定陸塊であ

る地域の種多様性は固有種が高めている

造山帯では新しい生育立地ができるので

新規固有種が多い造山帯の周囲の

安定陸

塊には地質時代から生き残った遺存固有

種が種多様性を高めている雲南へと

続く

東部ヒマラヤはこれら

両方の種群が

共存

することによって特に多様性が高く世界

的な保護

団体の

WW

Fは東部ヒマラヤエ

コリージョンとして

認定し(

2001)コン

サーベーションインターナショナル(

I)はこれまで世界

25か所の

ホットス

ポットに最近

9か

所の新しい

ホットスポ

ットを

加えたが北部

パキスタンから北部

ミャンマー中

国南西部まで

含むヒマラヤ

全域2

900

を世界で最も新しく高い

山岳として指定した(

2005)

哀牢山脈から

昆明に戻ってシ

ェアハウ

スしている

ヨーロッ

パの若

者たちに哀牢

山脈はどうだった

尋ねられハコベは

日本ではただの

雑草(野草)だが初めて

食べたスープがとても美味しかったと話

すと聞いていたドイツ人のルードウィッ

ヒがタブレットで調べながら「日本では

から

春にはハコベを野

菜として食べると

かいてある

Nan

ak

usa

-no-s

ek

ku 」

と言われて突然思い出した「ウ」

(おおさわまさ

ひこ

雲南大学生

態学地

植物学

研究

所教

授日本山

岳会

員)

5

お知らせ

「2014 年度(平成 26 年度)の自然保護全国集会のご案内」

~今年は広島で 11 月に開催いたします~

1日程 平成 26 年 11 月 22 日(土)〜24 日(月)

2場所 広島市(広島工業大学 広島キャンパス他)

3予定

11 月 22 日 支部報告および討議

基調講演「里山資本主義で」で地域を元気に(仮題)

講師 NHK広島放送局 チーフプロデューサー 井上恭介氏

11 月 23 日 山岳平和祭世界自然保護集会参加

11 月 24 日 フィールドスタディ(オプション)弥山ハイク

本年度はアジア山岳連盟(UAAA)創立 20 周年総会と併せて開催します

詳細は7 月「木の目草の芽」「山」に掲載します

日本山岳会自然保護委員会 委員長 近藤 雅幸

広島支部長 兼森 志郎

実行委員長 渡邉 嘉也

【購読料のお願い】

紙を

購読

され

てい

る方

今年

度(

四月

三月

)の

年間

購読

料と

して

1千

円を

「郵

便

振替

用紙

」ま

たは

「郵

券」

でお

送り

頂き

たく

お願いいたします

(郵便振替用紙を同封いたします)

【カンパのお願い】

読者

以外

の方

(理

支部

支部

事務

自然

保護

協力

委員

部自

然保

護委

贈呈

者等

)で

送料

等の

カン

パに

ご協

力頂

ける

方は「

郵便振替」または「郵券」でお送り頂

きたくお願いいたします

送り先

郵便振替

00180‐4‐710688

加入者名 川口章子

住所

274‐0063

船橋市習志野台4‐43‐1‐102

川口章子

6

右手前二十一個のペットボトル温水器

左奥ゴーヤとキウリの「緑のカーテン」

ベランダ菜園のエコロジー

西田 進

自然環境と人間活動

いわゆる「地球温暖化」は気候学では気

候変動としてとらえられるIPCC(気候

変動に関する政府間パネル)の第五次報告書

(2014年)には「

人間による影響が二十世

紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原

因であった可能性が極めて高い(可能性

95以上)」

と断言されているこれが「地

球温暖化人為原因説」といわれる多数派の意

見であるが地球科学や生態学分野の研究者

でこれに反論を唱える少数派があることにも

留意する必要がある

家庭でできる地球温暖化防止活動

IPCCによると地球温暖化の主な原因

は化石燃料の燃焼による二酸化炭素の放出

にあるしたがって家庭でできる地球温暖化

防止は「省エネ」に尽きることになる

我家ではマイカーの廃止省エネ家電製

品への買い替えエアコン温度の適切な設定

などを進めそれなりの成果を得てきたさら

にもうひとつ「

ベランダの活用」を「

遊び

心」で行ってみた今回はその一部を紹介さ

せて頂く

最初に「家庭の事情」を説明しておく我

家は賃貸マンションでベランダは南西向き

であるとはいえ総

面積は僅かに8

91(約

27坪)しかないそのうちコンクリート

フェンスの日陰になる部分洗濯物干し場

通路を除くと菜園に使える面積は2

59

(約0

78坪)で正に坪庭以下であるこ

の面積で何ができるか困難な課題ほどチャ

レンジする楽しみがある

(一)太陽電池(ソーラパネル)はダメ

家庭でできる自然エネルギーの代表とされ

る太陽電池は南向きの三十平方米以上の屋

根があれば十年で元が取れるというそれは

電力会社の全量買い取り制度(太陽電池で発

電した電力は電力料金のほぼ二倍の価格で買

い取ってくれるという制度)があるからであ

るしたがってその分だけ一般家庭が支払

う電力料金が高くなっている二酸化炭素の

削減に貢献するとはいえ一般家庭に迷惑を

かけて儲けようとは思わないし坪庭には設

置できない

(二)太陽熱利用

昔から行われてきた太陽熱利用であるが

坪庭に設ける場合は設備に金をかけたので

は元が取れないそこで設備に金をかけず

にできる方法を考えたそれは2の空ペッ

トボトルの外面を黒い水性ペイントで塗り

中に水を入れてベランダの空いたところに並

べて太陽熱を集めるだけのものである夏の

晴天の日には二十一個のペットボトルで毎

56程度の湯が

42できるこれでは熱

すぎるので

30の水道水で二倍に薄め

43の湯

84にし毎晩の入浴に利してい

太陽熱利用の経済効果を評価してみよう

ガス使用量(立方米)を検針伝票から調べ

比較したその結果夏(8月と9月)の使

用量は前年同月と比べて

14(五百円)節

約できたことが分った

7

野菜は一平方米当り2の二酸化炭素を固定

しかし二十一本ものペットボトルをベラン

ダから浴室に運ぶのは容易ではない私は高

齢者に典型的な脊柱管狭窄による腰痛のリハ

ビリ運動として実施したが相当の決意が必

要であった

(三)ゴーヤの「緑のカーテン」

緑のカーテンによる冷房効果を活用してい

る人は多い我家のベランダではコンクリー

トフェンスの日陰のために菜園に使えない部

分があるこのスペースにゴーヤのプランタ

ーを置いているゴーヤが成長すると日当り

の良い空間に出るから都合がよい四本のゴ

ーヤと四本のキウリで間口一六五の窓を塞

ぐことにより真夏の日中でもほとんどエア

コンを使う必要がない

緑のカーテンはエアコンの電力消費量の節

約になる電力使用量(

kW

h)を検針伝票か

ら調べた結果夏(8月と9月)の電力使用

量は前

年同月と比べて

21(四五〇〇円)

節約できたことが分ったその上毎日ゴー

ヤとキウリが収穫できるのは楽しみである

(四)ベランダ菜園

ベランダのエコロジーの最たるものはベラ

ンダ菜園ではないかと思う植える野菜の種

類は成長が早くかつ可食部分の多いもの

家族の評判のいいものを選ぶ

冬~春(一月~四月) 春菊かき菜

春~夏(五月~九月) トマトキウリ

秋~冬(一〇月~一二月) 小松菜

効率的に増収するコツは年三回プランター

の土を天日干しし有機肥料をたっぶり与え

ること種蒔と苗作りは室内に置いた別のポ

ットを使用し屋外のプランターの使用効率

を極限に高めることである収穫は一度に行

わず成長したものから順に採る太陽エネ

ルギーを最大に利用し光合成を効率よく行

なわせるには屋外のプランターは常に土が見

えず緑に覆われている状態に保つことである

もちろん折角の家庭菜園であるから化学肥

料や農薬は一切使用しない

一例として小松菜の収量を示そう

プランター外寸法(合計) 0

52

プランターでの栽培期間

45日

全収穫量 4108

次に収穫物の一部を台所で加熱処理してバ

イオマスを計量した例を示す

生重量

65

乾燥重量 99(生重量の

15)

炭素重量 45(乾燥重量の

45)

生重量から乾燥重量への低減は水分の蒸発で

ある乾燥重量から炭素重量への低減は炭

水化物から炭素への変換である炭水化物が

仮に

C6 H

12 O

6 であると仮定するとこの低減

率は理論的に

40であるから実測とほぼ一

致している

生育期間

45日間における単位面積当たり

の収穫量(生重量)は78

kgm

2炭素重

量は0

54kgm

2であるから光合成による

二酸化炭素固定量は20

kgm

2となるこ

れは東京電力が49

kW

hを発電する時に

発生した二酸化炭素を相殺することになり

植物の威力に驚かされる

最後に0

78坪の菜園で夫婦二人の根菜

を除く葉物野菜が年間を通じてほぼ自給で

きたことを報告しておこう

(自然保護協力委員山の自然学研究会会員)

8

自然保護との出会い

自然保護委員

武藤 篤生

私の

郷里

は福

島県

のほ

とん

どを

が占

める

山岳

県で

ある

生地

は安

達郡

岩代

市町

村合

併に

より

今は

二本

松市

に属

する

安達

太良

山の

阿武

隈山

地の

ど真

ん中

の山

村で

ある

学校

まで

そこ

です

ごし

の後

は郡

山に

移り

校ま

で過

ごし

二本

松に

は多

くの

親戚

が郡

山に

は両

親が

住ん

でい

私の

過ご

した

地域

から

は常

に安

達太

良山

が見

私の

通っ

た小

学校

学校

校の

校歌

には

いず

れも

安達

太良

山が

歌わ

れて

いる

時の

岩代

町は

葉た

ばこ

と養

炭焼

きが

盛ん

で広

い葉

たば

こ畑

畑と

雑木

林を

もつ

里山

であ

った

が平

成の

世に

なる

たば

蚕糸

の需

要は

減少

し桑

畑の

多く

の耕

作が

放棄

され

林も

かな

り荒

れて

しま

った

山の

機能

は低

下し

てし

まっ

たが

物の

多様

性に

富ん

だ自

然の

豊か

な山

林を

地域

であ

った

時は

福島

空港

の建

設候

補地

に挙

げら

れた

こと

もあ

るが

が深

くア

クセ

スが

良く

ない

とい

う理

由で

その

後も

豊か

な山

林は

維持

され

10数年

ぶり

に二

本松

の親

戚を

訪問

する

山の

尾根

沿い

の樹

林が

広く

伐採

され

送電

線と

巨大

な鉄

塔が

設置

され

てい

家の

中か

ら斜

め上

方を

眺め

ると

巨大

な鉄

塔は

かな

り威

圧感

があ

電力

会社

から

お金

が支

払わ

れる

こと

もあ

地域

では

特に

大き

な反

対も

なく

分な

環境

アセ

スメ

ント

も行

われ

るこ

とな

く計

画か

ら非

常に

短い

期間

で建

設さ

れた

そう

工事

のた

めに

作っ

た太

い作

業道

採さ

れた

山林

風の

際に

送電

線が

発す

る音

など

植物

に対

する

影響

は少

なか

らず

ある

もの

と想

像さ

れる

然に

恵ま

れた

地域

の住

民の

然に

対す

る重

要性

の意

識は

案外

低い

もの

であ

も福

島に

すん

でい

た頃

に自

然を

意識

した

こと

はな

保護

にも

全く

関心

がな

かっ

ニュ

ース

等で

環境

破壊

や環

境保

護が

報じ

られ

ても

自分

たち

に関

係が

ある

もの

とは

あま

り認

識す

るこ

とも

なか

った

京に

出て

きた

とき

にま

ず感

じた

のは

活圏

から

山が

ほと

んど

見え

ない

こと

福島

では

四方

が山

に囲

まれ

てい

たの

でこ

の違

和感

は大

きか

った

のと

はじ

めて

郷里

の自

然の

すば

らし

さと

価値

を認

識し

私のみ

でな

く自

然の

い地

域に

住ん

でい

た多

くの

方は

まれ

たと

きか

らあ

たり

まえ

に存在

した

自然

価値

を認

識し

てい

ない場

合が

多い

と思

日本

の各

地で

自然

破壊

の問題

が生

くの人

や団体

が保

護活

動を

行っ

てい

るも

のの

域の

住民

が活

動に参加

して

いな

いケ

ース

も多

い近隣

の住

民が

自然

より

も地

域経済

を優

先す

る場

合も

多い

よう

なケ

ース

では近隣

の住

民に身近

な自

然の

価値

を認

識し

ても

らう

こと

こそ

が自

然保

護の第

一歩

のよ

うに思

える

は休

日に奥

多摩

にハイキ

ング

や登

に出

かけ

るよ

うに

なっ

ては

じめ

て自

然に

興味

を持

った

じ山

やコ

ース

でも

時期

が違

えば異

なる

植物

や動

物に

出会

える

自然

に対

する知

識が登

山の楽

しみ

を数倍

も大

きく

して

くれ

一緒

に出

かけ

る友

人も

植物

や動

物に興味

をも

って

くれ

のよ

うな仲

間も徐々

に増

えて

きた

のメカ

ニズム

が少

しず

つわ

かっ

てく

ると

自然

保護

の活

動に

関わ

りた

いと思

うよ

にな

り日

本自

然保

護協

会(

NA

CS

-J)の

9

自然観察指導員

や日

本山

岳協

会の

自然

護指導員

の講習

会に参加

した

れら

講習

会に

出て

もっ

とも

強く

感じ

たこ

とは

啓蒙

活動

を非

常に

重視

して

いる

こと

多く

の人

に自

然に

対し

て興味

を持

って

ただ

くお手伝

いを

する

こと

れが

自然

を理解

した

いと思

うき

っかけ

とな

がて身近

の生

活の

中で

自然

保護

に関

わっ

てい

ただけ

るよ

うに

なる

も観察

のガイド

など

を通

して

多く

の人

に自

然に

興味

を持

って

もら

うお手伝

いを

して

いる

自然

の楽

しみ

を共有

でき

る仲

間が増

える

こと

が喜び

であ

年5月

に都立神

代植

物公園

に植

物多

様性

センタ

ーが

設置

され

も発足以来

ボラ

ンティ

アスタッフ

とし

てそ

の活

動に

参加

して

いる

ンタ

ーの目的

は行政

学術

機関

域保

護団体

の協働

のも

とに

東京

の植

物多

様性

保全

の中

心的

な役割

果た

すこ

とで

ある

都内

の絶滅危惧

植物

を調査

や保

護は

もちろ

ん重

要な仕

事で

るが

くの人

に植

物の魅

力や

生物

多様

性保

全の

重要

性に

つい

て知

って

もら

うこ

とも

重要

な役目

の一

つで

ある

最近

小田原

の竹

林森

林の整備

取り組

んで

いる

業従

事者

業従

者の

高年齢化

にと

もな

放置

され

る森

林や竹

林がふ

えて

いる

に竹

の増殖

は旺

盛で

放っ

てお

くと竹

林が拡

大し急

面で

は山崩

れが起

こや

すく

なり

密集

た竹

林は

日光

が入

らず

植物

の多

様性

が失

われ

る昨

年か

ら竹

林の

間伐

に取

り組み

今年

の春

はスミレ

等の草

木も

たく

さん

られ

るよ

うに

なっ

てき

たタケノコ掘

等のイベ

ント

の開催

を通

して

林整備

のボラ

ンティ

アも徐々

に増

えて

きた

後は森

林の整備

にも積極的

に取

り組

んで

いき

たい

然保

護は

一部

の専門

家の

活動

だけ

では実現

でき

ない

くの人

にそ

の重

性を知

って

もら

い参加

して

もら

うこ

とが

必要

であ

その

ため

には

ずは

多く

の人

に自

然に

対す

る興味

を持

って

もら

こと

が第

一歩

であ

る興味

を持

った

ら次

は自

然を知

るこ

生物

多様

性の

重要

を理解

して

もら

い身近

な生

活の

中で

きる

活動

から参加

して

いた

だく

に共

感さ

れる

方に

は保

全活

動や

保護

活動

に参

加し

てい

ただ

この

よう

に段階的

に自

然保

護に

関わ

って

いた

だく

こと

が必

要だ

と思

私は

動植

物や

環境

の専門

家で

ない

ので

に第

一段階

での

自然

に興味

を持

って

いた

だく

こと

然の

すば

らし

さを共有

でき

る仲

間作

りの

お手伝

いが

きれ

ばと考

えて

いる

小田原の竹林の整備作業

10

〈編集後記〉大澤さんは『世界自然環境

大百科』の監訳や屋久島での調査研究など

に携わってこられた山岳会員です著書か

らも広い視野と豊かな感性で自然を捉え

ていらした足跡をうかがい知ることがで

きます西田さんはご自身のホームページ

でやはり海外で目にした自然の数々を紹

介されていますし身近な自然をこよなく

愛する武藤さんは経営学が専門で科学委員

も務めています日本山岳会の人材の奥深

さを今回もつくづく感じました各地

から開山の便りが届き自然保護活動も活

発になる季節です支部委員の皆様の活躍

も紹介して行きたいと思っています

( 元川

)

自然保護委員会の活動記録

〈三月度〉

①日

山岳

団体

自然

環境

連絡

2月

28日

出席者富澤下野

( 綾)

bull 各団体の報告

bull 「写真が語る山の自然今昔」について

bull

11月に広島で行われるアジア山岳自然

保護会議について協議会でプログラム

作成

bull トレランについて 環境省のガイドライ

ンに協議会の考え方が反映される

bull 次期幹事団体は日本山岳会

②自然保護委員会

26日(水)

bull トレランに対する自然保護委員会の見解

を作成することになった

bull 自然保護全国集会について

11

22

日(

土)

全国

集会

(実行委員長渡邉嘉也氏)

11月

23日(日)アジア山岳自然保護

会議でプレゼンテーションを行う

bull 新コピー機の使い方

について

③「木の目草の芽」109号発行

〈四月度〉

④山

岳団

体自

然環

境連

絡会

28日

出席者近藤富澤武藤

bull アジア山岳自然保護会議の詳細について

労山から提案

bull トレランについて日本山岳会労山山

のエコーなどの考え方と対応

⑤自然保護委員会

24日(木)

bull

11月

22日に広島で開催される自然保護

会議について広島支部自然保護委員長

前垣氏と打ち合わせ

bull トレランについての自然保護委員会公式

見解を審議し案を決定理事会へ

bull リニア新幹線に関しての問題点が提起さ

れる

2014年度の購読料カンパを

ありがとうございます

4月1日~5月

15日 敬称略

鍛治哲郎(黒部市)カンパ小野寺正英(奥

州市

)太

田義一

(加賀市

)カ

ンパ含む

田中多賀子(東京都江戸川区)権藤司(安

曇野市)上田景子(栃木市)カンパ含む

渡辺陽子(安曇野市)

近藤緑(東京都杉並

区)カンパ 合計1万66円

なお支部長支部自然保護委員には無料配

布を原則としていますのでお受けした購読

料はカンパ扱いとさせて頂きました

Page 5: JAC Website...qr+ @ABCr# ^ ! BCr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

5

お知らせ

「2014 年度(平成 26 年度)の自然保護全国集会のご案内」

~今年は広島で 11 月に開催いたします~

1日程 平成 26 年 11 月 22 日(土)〜24 日(月)

2場所 広島市(広島工業大学 広島キャンパス他)

3予定

11 月 22 日 支部報告および討議

基調講演「里山資本主義で」で地域を元気に(仮題)

講師 NHK広島放送局 チーフプロデューサー 井上恭介氏

11 月 23 日 山岳平和祭世界自然保護集会参加

11 月 24 日 フィールドスタディ(オプション)弥山ハイク

本年度はアジア山岳連盟(UAAA)創立 20 周年総会と併せて開催します

詳細は7 月「木の目草の芽」「山」に掲載します

日本山岳会自然保護委員会 委員長 近藤 雅幸

広島支部長 兼森 志郎

実行委員長 渡邉 嘉也

【購読料のお願い】

紙を

購読

され

てい

る方

今年

度(

四月

三月

)の

年間

購読

料と

して

1千

円を

「郵

便

振替

用紙

」ま

たは

「郵

券」

でお

送り

頂き

たく

お願いいたします

(郵便振替用紙を同封いたします)

【カンパのお願い】

読者

以外

の方

(理

支部

支部

事務

自然

保護

協力

委員

部自

然保

護委

贈呈

者等

)で

送料

等の

カン

パに

ご協

力頂

ける

方は「

郵便振替」または「郵券」でお送り頂

きたくお願いいたします

送り先

郵便振替

00180‐4‐710688

加入者名 川口章子

住所

274‐0063

船橋市習志野台4‐43‐1‐102

川口章子

6

右手前二十一個のペットボトル温水器

左奥ゴーヤとキウリの「緑のカーテン」

ベランダ菜園のエコロジー

西田 進

自然環境と人間活動

いわゆる「地球温暖化」は気候学では気

候変動としてとらえられるIPCC(気候

変動に関する政府間パネル)の第五次報告書

(2014年)には「

人間による影響が二十世

紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原

因であった可能性が極めて高い(可能性

95以上)」

と断言されているこれが「地

球温暖化人為原因説」といわれる多数派の意

見であるが地球科学や生態学分野の研究者

でこれに反論を唱える少数派があることにも

留意する必要がある

家庭でできる地球温暖化防止活動

IPCCによると地球温暖化の主な原因

は化石燃料の燃焼による二酸化炭素の放出

にあるしたがって家庭でできる地球温暖化

防止は「省エネ」に尽きることになる

我家ではマイカーの廃止省エネ家電製

品への買い替えエアコン温度の適切な設定

などを進めそれなりの成果を得てきたさら

にもうひとつ「

ベランダの活用」を「

遊び

心」で行ってみた今回はその一部を紹介さ

せて頂く

最初に「家庭の事情」を説明しておく我

家は賃貸マンションでベランダは南西向き

であるとはいえ総

面積は僅かに8

91(約

27坪)しかないそのうちコンクリート

フェンスの日陰になる部分洗濯物干し場

通路を除くと菜園に使える面積は2

59

(約0

78坪)で正に坪庭以下であるこ

の面積で何ができるか困難な課題ほどチャ

レンジする楽しみがある

(一)太陽電池(ソーラパネル)はダメ

家庭でできる自然エネルギーの代表とされ

る太陽電池は南向きの三十平方米以上の屋

根があれば十年で元が取れるというそれは

電力会社の全量買い取り制度(太陽電池で発

電した電力は電力料金のほぼ二倍の価格で買

い取ってくれるという制度)があるからであ

るしたがってその分だけ一般家庭が支払

う電力料金が高くなっている二酸化炭素の

削減に貢献するとはいえ一般家庭に迷惑を

かけて儲けようとは思わないし坪庭には設

置できない

(二)太陽熱利用

昔から行われてきた太陽熱利用であるが

坪庭に設ける場合は設備に金をかけたので

は元が取れないそこで設備に金をかけず

にできる方法を考えたそれは2の空ペッ

トボトルの外面を黒い水性ペイントで塗り

中に水を入れてベランダの空いたところに並

べて太陽熱を集めるだけのものである夏の

晴天の日には二十一個のペットボトルで毎

56程度の湯が

42できるこれでは熱

すぎるので

30の水道水で二倍に薄め

43の湯

84にし毎晩の入浴に利してい

太陽熱利用の経済効果を評価してみよう

ガス使用量(立方米)を検針伝票から調べ

比較したその結果夏(8月と9月)の使

用量は前年同月と比べて

14(五百円)節

約できたことが分った

7

野菜は一平方米当り2の二酸化炭素を固定

しかし二十一本ものペットボトルをベラン

ダから浴室に運ぶのは容易ではない私は高

齢者に典型的な脊柱管狭窄による腰痛のリハ

ビリ運動として実施したが相当の決意が必

要であった

(三)ゴーヤの「緑のカーテン」

緑のカーテンによる冷房効果を活用してい

る人は多い我家のベランダではコンクリー

トフェンスの日陰のために菜園に使えない部

分があるこのスペースにゴーヤのプランタ

ーを置いているゴーヤが成長すると日当り

の良い空間に出るから都合がよい四本のゴ

ーヤと四本のキウリで間口一六五の窓を塞

ぐことにより真夏の日中でもほとんどエア

コンを使う必要がない

緑のカーテンはエアコンの電力消費量の節

約になる電力使用量(

kW

h)を検針伝票か

ら調べた結果夏(8月と9月)の電力使用

量は前

年同月と比べて

21(四五〇〇円)

節約できたことが分ったその上毎日ゴー

ヤとキウリが収穫できるのは楽しみである

(四)ベランダ菜園

ベランダのエコロジーの最たるものはベラ

ンダ菜園ではないかと思う植える野菜の種

類は成長が早くかつ可食部分の多いもの

家族の評判のいいものを選ぶ

冬~春(一月~四月) 春菊かき菜

春~夏(五月~九月) トマトキウリ

秋~冬(一〇月~一二月) 小松菜

効率的に増収するコツは年三回プランター

の土を天日干しし有機肥料をたっぶり与え

ること種蒔と苗作りは室内に置いた別のポ

ットを使用し屋外のプランターの使用効率

を極限に高めることである収穫は一度に行

わず成長したものから順に採る太陽エネ

ルギーを最大に利用し光合成を効率よく行

なわせるには屋外のプランターは常に土が見

えず緑に覆われている状態に保つことである

もちろん折角の家庭菜園であるから化学肥

料や農薬は一切使用しない

一例として小松菜の収量を示そう

プランター外寸法(合計) 0

52

プランターでの栽培期間

45日

全収穫量 4108

次に収穫物の一部を台所で加熱処理してバ

イオマスを計量した例を示す

生重量

65

乾燥重量 99(生重量の

15)

炭素重量 45(乾燥重量の

45)

生重量から乾燥重量への低減は水分の蒸発で

ある乾燥重量から炭素重量への低減は炭

水化物から炭素への変換である炭水化物が

仮に

C6 H

12 O

6 であると仮定するとこの低減

率は理論的に

40であるから実測とほぼ一

致している

生育期間

45日間における単位面積当たり

の収穫量(生重量)は78

kgm

2炭素重

量は0

54kgm

2であるから光合成による

二酸化炭素固定量は20

kgm

2となるこ

れは東京電力が49

kW

hを発電する時に

発生した二酸化炭素を相殺することになり

植物の威力に驚かされる

最後に0

78坪の菜園で夫婦二人の根菜

を除く葉物野菜が年間を通じてほぼ自給で

きたことを報告しておこう

(自然保護協力委員山の自然学研究会会員)

8

自然保護との出会い

自然保護委員

武藤 篤生

私の

郷里

は福

島県

のほ

とん

どを

が占

める

山岳

県で

ある

生地

は安

達郡

岩代

市町

村合

併に

より

今は

二本

松市

に属

する

安達

太良

山の

阿武

隈山

地の

ど真

ん中

の山

村で

ある

学校

まで

そこ

です

ごし

の後

は郡

山に

移り

校ま

で過

ごし

二本

松に

は多

くの

親戚

が郡

山に

は両

親が

住ん

でい

私の

過ご

した

地域

から

は常

に安

達太

良山

が見

私の

通っ

た小

学校

学校

校の

校歌

には

いず

れも

安達

太良

山が

歌わ

れて

いる

時の

岩代

町は

葉た

ばこ

と養

炭焼

きが

盛ん

で広

い葉

たば

こ畑

畑と

雑木

林を

もつ

里山

であ

った

が平

成の

世に

なる

たば

蚕糸

の需

要は

減少

し桑

畑の

多く

の耕

作が

放棄

され

林も

かな

り荒

れて

しま

った

山の

機能

は低

下し

てし

まっ

たが

物の

多様

性に

富ん

だ自

然の

豊か

な山

林を

地域

であ

った

時は

福島

空港

の建

設候

補地

に挙

げら

れた

こと

もあ

るが

が深

くア

クセ

スが

良く

ない

とい

う理

由で

その

後も

豊か

な山

林は

維持

され

10数年

ぶり

に二

本松

の親

戚を

訪問

する

山の

尾根

沿い

の樹

林が

広く

伐採

され

送電

線と

巨大

な鉄

塔が

設置

され

てい

家の

中か

ら斜

め上

方を

眺め

ると

巨大

な鉄

塔は

かな

り威

圧感

があ

電力

会社

から

お金

が支

払わ

れる

こと

もあ

地域

では

特に

大き

な反

対も

なく

分な

環境

アセ

スメ

ント

も行

われ

るこ

とな

く計

画か

ら非

常に

短い

期間

で建

設さ

れた

そう

工事

のた

めに

作っ

た太

い作

業道

採さ

れた

山林

風の

際に

送電

線が

発す

る音

など

植物

に対

する

影響

は少

なか

らず

ある

もの

と想

像さ

れる

然に

恵ま

れた

地域

の住

民の

然に

対す

る重

要性

の意

識は

案外

低い

もの

であ

も福

島に

すん

でい

た頃

に自

然を

意識

した

こと

はな

保護

にも

全く

関心

がな

かっ

ニュ

ース

等で

環境

破壊

や環

境保

護が

報じ

られ

ても

自分

たち

に関

係が

ある

もの

とは

あま

り認

識す

るこ

とも

なか

った

京に

出て

きた

とき

にま

ず感

じた

のは

活圏

から

山が

ほと

んど

見え

ない

こと

福島

では

四方

が山

に囲

まれ

てい

たの

でこ

の違

和感

は大

きか

った

のと

はじ

めて

郷里

の自

然の

すば

らし

さと

価値

を認

識し

私のみ

でな

く自

然の

い地

域に

住ん

でい

た多

くの

方は

まれ

たと

きか

らあ

たり

まえ

に存在

した

自然

価値

を認

識し

てい

ない場

合が

多い

と思

日本

の各

地で

自然

破壊

の問題

が生

くの人

や団体

が保

護活

動を

行っ

てい

るも

のの

域の

住民

が活

動に参加

して

いな

いケ

ース

も多

い近隣

の住

民が

自然

より

も地

域経済

を優

先す

る場

合も

多い

よう

なケ

ース

では近隣

の住

民に身近

な自

然の

価値

を認

識し

ても

らう

こと

こそ

が自

然保

護の第

一歩

のよ

うに思

える

は休

日に奥

多摩

にハイキ

ング

や登

に出

かけ

るよ

うに

なっ

ては

じめ

て自

然に

興味

を持

った

じ山

やコ

ース

でも

時期

が違

えば異

なる

植物

や動

物に

出会

える

自然

に対

する知

識が登

山の楽

しみ

を数倍

も大

きく

して

くれ

一緒

に出

かけ

る友

人も

植物

や動

物に興味

をも

って

くれ

のよ

うな仲

間も徐々

に増

えて

きた

のメカ

ニズム

が少

しず

つわ

かっ

てく

ると

自然

保護

の活

動に

関わ

りた

いと思

うよ

にな

り日

本自

然保

護協

会(

NA

CS

-J)の

9

自然観察指導員

や日

本山

岳協

会の

自然

護指導員

の講習

会に参加

した

れら

講習

会に

出て

もっ

とも

強く

感じ

たこ

とは

啓蒙

活動

を非

常に

重視

して

いる

こと

多く

の人

に自

然に

対し

て興味

を持

って

ただ

くお手伝

いを

する

こと

れが

自然

を理解

した

いと思

うき

っかけ

とな

がて身近

の生

活の

中で

自然

保護

に関

わっ

てい

ただけ

るよ

うに

なる

も観察

のガイド

など

を通

して

多く

の人

に自

然に

興味

を持

って

もら

うお手伝

いを

して

いる

自然

の楽

しみ

を共有

でき

る仲

間が増

える

こと

が喜び

であ

年5月

に都立神

代植

物公園

に植

物多

様性

センタ

ーが

設置

され

も発足以来

ボラ

ンティ

アスタッフ

とし

てそ

の活

動に

参加

して

いる

ンタ

ーの目的

は行政

学術

機関

域保

護団体

の協働

のも

とに

東京

の植

物多

様性

保全

の中

心的

な役割

果た

すこ

とで

ある

都内

の絶滅危惧

植物

を調査

や保

護は

もちろ

ん重

要な仕

事で

るが

くの人

に植

物の魅

力や

生物

多様

性保

全の

重要

性に

つい

て知

って

もら

うこ

とも

重要

な役目

の一

つで

ある

最近

小田原

の竹

林森

林の整備

取り組

んで

いる

業従

事者

業従

者の

高年齢化

にと

もな

放置

され

る森

林や竹

林がふ

えて

いる

に竹

の増殖

は旺

盛で

放っ

てお

くと竹

林が拡

大し急

面で

は山崩

れが起

こや

すく

なり

密集

た竹

林は

日光

が入

らず

植物

の多

様性

が失

われ

る昨

年か

ら竹

林の

間伐

に取

り組み

今年

の春

はスミレ

等の草

木も

たく

さん

られ

るよ

うに

なっ

てき

たタケノコ掘

等のイベ

ント

の開催

を通

して

林整備

のボラ

ンティ

アも徐々

に増

えて

きた

後は森

林の整備

にも積極的

に取

り組

んで

いき

たい

然保

護は

一部

の専門

家の

活動

だけ

では実現

でき

ない

くの人

にそ

の重

性を知

って

もら

い参加

して

もら

うこ

とが

必要

であ

その

ため

には

ずは

多く

の人

に自

然に

対す

る興味

を持

って

もら

こと

が第

一歩

であ

る興味

を持

った

ら次

は自

然を知

るこ

生物

多様

性の

重要

を理解

して

もら

い身近

な生

活の

中で

きる

活動

から参加

して

いた

だく

に共

感さ

れる

方に

は保

全活

動や

保護

活動

に参

加し

てい

ただ

この

よう

に段階的

に自

然保

護に

関わ

って

いた

だく

こと

が必

要だ

と思

私は

動植

物や

環境

の専門

家で

ない

ので

に第

一段階

での

自然

に興味

を持

って

いた

だく

こと

然の

すば

らし

さを共有

でき

る仲

間作

りの

お手伝

いが

きれ

ばと考

えて

いる

小田原の竹林の整備作業

10

〈編集後記〉大澤さんは『世界自然環境

大百科』の監訳や屋久島での調査研究など

に携わってこられた山岳会員です著書か

らも広い視野と豊かな感性で自然を捉え

ていらした足跡をうかがい知ることがで

きます西田さんはご自身のホームページ

でやはり海外で目にした自然の数々を紹

介されていますし身近な自然をこよなく

愛する武藤さんは経営学が専門で科学委員

も務めています日本山岳会の人材の奥深

さを今回もつくづく感じました各地

から開山の便りが届き自然保護活動も活

発になる季節です支部委員の皆様の活躍

も紹介して行きたいと思っています

( 元川

)

自然保護委員会の活動記録

〈三月度〉

①日

山岳

団体

自然

環境

連絡

2月

28日

出席者富澤下野

( 綾)

bull 各団体の報告

bull 「写真が語る山の自然今昔」について

bull

11月に広島で行われるアジア山岳自然

保護会議について協議会でプログラム

作成

bull トレランについて 環境省のガイドライ

ンに協議会の考え方が反映される

bull 次期幹事団体は日本山岳会

②自然保護委員会

26日(水)

bull トレランに対する自然保護委員会の見解

を作成することになった

bull 自然保護全国集会について

11

22

日(

土)

全国

集会

(実行委員長渡邉嘉也氏)

11月

23日(日)アジア山岳自然保護

会議でプレゼンテーションを行う

bull 新コピー機の使い方

について

③「木の目草の芽」109号発行

〈四月度〉

④山

岳団

体自

然環

境連

絡会

28日

出席者近藤富澤武藤

bull アジア山岳自然保護会議の詳細について

労山から提案

bull トレランについて日本山岳会労山山

のエコーなどの考え方と対応

⑤自然保護委員会

24日(木)

bull

11月

22日に広島で開催される自然保護

会議について広島支部自然保護委員長

前垣氏と打ち合わせ

bull トレランについての自然保護委員会公式

見解を審議し案を決定理事会へ

bull リニア新幹線に関しての問題点が提起さ

れる

2014年度の購読料カンパを

ありがとうございます

4月1日~5月

15日 敬称略

鍛治哲郎(黒部市)カンパ小野寺正英(奥

州市

)太

田義一

(加賀市

)カ

ンパ含む

田中多賀子(東京都江戸川区)権藤司(安

曇野市)上田景子(栃木市)カンパ含む

渡辺陽子(安曇野市)

近藤緑(東京都杉並

区)カンパ 合計1万66円

なお支部長支部自然保護委員には無料配

布を原則としていますのでお受けした購読

料はカンパ扱いとさせて頂きました

Page 6: JAC Website...qr+ @ABCr# ^ ! BCr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

6

右手前二十一個のペットボトル温水器

左奥ゴーヤとキウリの「緑のカーテン」

ベランダ菜園のエコロジー

西田 進

自然環境と人間活動

いわゆる「地球温暖化」は気候学では気

候変動としてとらえられるIPCC(気候

変動に関する政府間パネル)の第五次報告書

(2014年)には「

人間による影響が二十世

紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原

因であった可能性が極めて高い(可能性

95以上)」

と断言されているこれが「地

球温暖化人為原因説」といわれる多数派の意

見であるが地球科学や生態学分野の研究者

でこれに反論を唱える少数派があることにも

留意する必要がある

家庭でできる地球温暖化防止活動

IPCCによると地球温暖化の主な原因

は化石燃料の燃焼による二酸化炭素の放出

にあるしたがって家庭でできる地球温暖化

防止は「省エネ」に尽きることになる

我家ではマイカーの廃止省エネ家電製

品への買い替えエアコン温度の適切な設定

などを進めそれなりの成果を得てきたさら

にもうひとつ「

ベランダの活用」を「

遊び

心」で行ってみた今回はその一部を紹介さ

せて頂く

最初に「家庭の事情」を説明しておく我

家は賃貸マンションでベランダは南西向き

であるとはいえ総

面積は僅かに8

91(約

27坪)しかないそのうちコンクリート

フェンスの日陰になる部分洗濯物干し場

通路を除くと菜園に使える面積は2

59

(約0

78坪)で正に坪庭以下であるこ

の面積で何ができるか困難な課題ほどチャ

レンジする楽しみがある

(一)太陽電池(ソーラパネル)はダメ

家庭でできる自然エネルギーの代表とされ

る太陽電池は南向きの三十平方米以上の屋

根があれば十年で元が取れるというそれは

電力会社の全量買い取り制度(太陽電池で発

電した電力は電力料金のほぼ二倍の価格で買

い取ってくれるという制度)があるからであ

るしたがってその分だけ一般家庭が支払

う電力料金が高くなっている二酸化炭素の

削減に貢献するとはいえ一般家庭に迷惑を

かけて儲けようとは思わないし坪庭には設

置できない

(二)太陽熱利用

昔から行われてきた太陽熱利用であるが

坪庭に設ける場合は設備に金をかけたので

は元が取れないそこで設備に金をかけず

にできる方法を考えたそれは2の空ペッ

トボトルの外面を黒い水性ペイントで塗り

中に水を入れてベランダの空いたところに並

べて太陽熱を集めるだけのものである夏の

晴天の日には二十一個のペットボトルで毎

56程度の湯が

42できるこれでは熱

すぎるので

30の水道水で二倍に薄め

43の湯

84にし毎晩の入浴に利してい

太陽熱利用の経済効果を評価してみよう

ガス使用量(立方米)を検針伝票から調べ

比較したその結果夏(8月と9月)の使

用量は前年同月と比べて

14(五百円)節

約できたことが分った

7

野菜は一平方米当り2の二酸化炭素を固定

しかし二十一本ものペットボトルをベラン

ダから浴室に運ぶのは容易ではない私は高

齢者に典型的な脊柱管狭窄による腰痛のリハ

ビリ運動として実施したが相当の決意が必

要であった

(三)ゴーヤの「緑のカーテン」

緑のカーテンによる冷房効果を活用してい

る人は多い我家のベランダではコンクリー

トフェンスの日陰のために菜園に使えない部

分があるこのスペースにゴーヤのプランタ

ーを置いているゴーヤが成長すると日当り

の良い空間に出るから都合がよい四本のゴ

ーヤと四本のキウリで間口一六五の窓を塞

ぐことにより真夏の日中でもほとんどエア

コンを使う必要がない

緑のカーテンはエアコンの電力消費量の節

約になる電力使用量(

kW

h)を検針伝票か

ら調べた結果夏(8月と9月)の電力使用

量は前

年同月と比べて

21(四五〇〇円)

節約できたことが分ったその上毎日ゴー

ヤとキウリが収穫できるのは楽しみである

(四)ベランダ菜園

ベランダのエコロジーの最たるものはベラ

ンダ菜園ではないかと思う植える野菜の種

類は成長が早くかつ可食部分の多いもの

家族の評判のいいものを選ぶ

冬~春(一月~四月) 春菊かき菜

春~夏(五月~九月) トマトキウリ

秋~冬(一〇月~一二月) 小松菜

効率的に増収するコツは年三回プランター

の土を天日干しし有機肥料をたっぶり与え

ること種蒔と苗作りは室内に置いた別のポ

ットを使用し屋外のプランターの使用効率

を極限に高めることである収穫は一度に行

わず成長したものから順に採る太陽エネ

ルギーを最大に利用し光合成を効率よく行

なわせるには屋外のプランターは常に土が見

えず緑に覆われている状態に保つことである

もちろん折角の家庭菜園であるから化学肥

料や農薬は一切使用しない

一例として小松菜の収量を示そう

プランター外寸法(合計) 0

52

プランターでの栽培期間

45日

全収穫量 4108

次に収穫物の一部を台所で加熱処理してバ

イオマスを計量した例を示す

生重量

65

乾燥重量 99(生重量の

15)

炭素重量 45(乾燥重量の

45)

生重量から乾燥重量への低減は水分の蒸発で

ある乾燥重量から炭素重量への低減は炭

水化物から炭素への変換である炭水化物が

仮に

C6 H

12 O

6 であると仮定するとこの低減

率は理論的に

40であるから実測とほぼ一

致している

生育期間

45日間における単位面積当たり

の収穫量(生重量)は78

kgm

2炭素重

量は0

54kgm

2であるから光合成による

二酸化炭素固定量は20

kgm

2となるこ

れは東京電力が49

kW

hを発電する時に

発生した二酸化炭素を相殺することになり

植物の威力に驚かされる

最後に0

78坪の菜園で夫婦二人の根菜

を除く葉物野菜が年間を通じてほぼ自給で

きたことを報告しておこう

(自然保護協力委員山の自然学研究会会員)

8

自然保護との出会い

自然保護委員

武藤 篤生

私の

郷里

は福

島県

のほ

とん

どを

が占

める

山岳

県で

ある

生地

は安

達郡

岩代

市町

村合

併に

より

今は

二本

松市

に属

する

安達

太良

山の

阿武

隈山

地の

ど真

ん中

の山

村で

ある

学校

まで

そこ

です

ごし

の後

は郡

山に

移り

校ま

で過

ごし

二本

松に

は多

くの

親戚

が郡

山に

は両

親が

住ん

でい

私の

過ご

した

地域

から

は常

に安

達太

良山

が見

私の

通っ

た小

学校

学校

校の

校歌

には

いず

れも

安達

太良

山が

歌わ

れて

いる

時の

岩代

町は

葉た

ばこ

と養

炭焼

きが

盛ん

で広

い葉

たば

こ畑

畑と

雑木

林を

もつ

里山

であ

った

が平

成の

世に

なる

たば

蚕糸

の需

要は

減少

し桑

畑の

多く

の耕

作が

放棄

され

林も

かな

り荒

れて

しま

った

山の

機能

は低

下し

てし

まっ

たが

物の

多様

性に

富ん

だ自

然の

豊か

な山

林を

地域

であ

った

時は

福島

空港

の建

設候

補地

に挙

げら

れた

こと

もあ

るが

が深

くア

クセ

スが

良く

ない

とい

う理

由で

その

後も

豊か

な山

林は

維持

され

10数年

ぶり

に二

本松

の親

戚を

訪問

する

山の

尾根

沿い

の樹

林が

広く

伐採

され

送電

線と

巨大

な鉄

塔が

設置

され

てい

家の

中か

ら斜

め上

方を

眺め

ると

巨大

な鉄

塔は

かな

り威

圧感

があ

電力

会社

から

お金

が支

払わ

れる

こと

もあ

地域

では

特に

大き

な反

対も

なく

分な

環境

アセ

スメ

ント

も行

われ

るこ

とな

く計

画か

ら非

常に

短い

期間

で建

設さ

れた

そう

工事

のた

めに

作っ

た太

い作

業道

採さ

れた

山林

風の

際に

送電

線が

発す

る音

など

植物

に対

する

影響

は少

なか

らず

ある

もの

と想

像さ

れる

然に

恵ま

れた

地域

の住

民の

然に

対す

る重

要性

の意

識は

案外

低い

もの

であ

も福

島に

すん

でい

た頃

に自

然を

意識

した

こと

はな

保護

にも

全く

関心

がな

かっ

ニュ

ース

等で

環境

破壊

や環

境保

護が

報じ

られ

ても

自分

たち

に関

係が

ある

もの

とは

あま

り認

識す

るこ

とも

なか

った

京に

出て

きた

とき

にま

ず感

じた

のは

活圏

から

山が

ほと

んど

見え

ない

こと

福島

では

四方

が山

に囲

まれ

てい

たの

でこ

の違

和感

は大

きか

った

のと

はじ

めて

郷里

の自

然の

すば

らし

さと

価値

を認

識し

私のみ

でな

く自

然の

い地

域に

住ん

でい

た多

くの

方は

まれ

たと

きか

らあ

たり

まえ

に存在

した

自然

価値

を認

識し

てい

ない場

合が

多い

と思

日本

の各

地で

自然

破壊

の問題

が生

くの人

や団体

が保

護活

動を

行っ

てい

るも

のの

域の

住民

が活

動に参加

して

いな

いケ

ース

も多

い近隣

の住

民が

自然

より

も地

域経済

を優

先す

る場

合も

多い

よう

なケ

ース

では近隣

の住

民に身近

な自

然の

価値

を認

識し

ても

らう

こと

こそ

が自

然保

護の第

一歩

のよ

うに思

える

は休

日に奥

多摩

にハイキ

ング

や登

に出

かけ

るよ

うに

なっ

ては

じめ

て自

然に

興味

を持

った

じ山

やコ

ース

でも

時期

が違

えば異

なる

植物

や動

物に

出会

える

自然

に対

する知

識が登

山の楽

しみ

を数倍

も大

きく

して

くれ

一緒

に出

かけ

る友

人も

植物

や動

物に興味

をも

って

くれ

のよ

うな仲

間も徐々

に増

えて

きた

のメカ

ニズム

が少

しず

つわ

かっ

てく

ると

自然

保護

の活

動に

関わ

りた

いと思

うよ

にな

り日

本自

然保

護協

会(

NA

CS

-J)の

9

自然観察指導員

や日

本山

岳協

会の

自然

護指導員

の講習

会に参加

した

れら

講習

会に

出て

もっ

とも

強く

感じ

たこ

とは

啓蒙

活動

を非

常に

重視

して

いる

こと

多く

の人

に自

然に

対し

て興味

を持

って

ただ

くお手伝

いを

する

こと

れが

自然

を理解

した

いと思

うき

っかけ

とな

がて身近

の生

活の

中で

自然

保護

に関

わっ

てい

ただけ

るよ

うに

なる

も観察

のガイド

など

を通

して

多く

の人

に自

然に

興味

を持

って

もら

うお手伝

いを

して

いる

自然

の楽

しみ

を共有

でき

る仲

間が増

える

こと

が喜び

であ

年5月

に都立神

代植

物公園

に植

物多

様性

センタ

ーが

設置

され

も発足以来

ボラ

ンティ

アスタッフ

とし

てそ

の活

動に

参加

して

いる

ンタ

ーの目的

は行政

学術

機関

域保

護団体

の協働

のも

とに

東京

の植

物多

様性

保全

の中

心的

な役割

果た

すこ

とで

ある

都内

の絶滅危惧

植物

を調査

や保

護は

もちろ

ん重

要な仕

事で

るが

くの人

に植

物の魅

力や

生物

多様

性保

全の

重要

性に

つい

て知

って

もら

うこ

とも

重要

な役目

の一

つで

ある

最近

小田原

の竹

林森

林の整備

取り組

んで

いる

業従

事者

業従

者の

高年齢化

にと

もな

放置

され

る森

林や竹

林がふ

えて

いる

に竹

の増殖

は旺

盛で

放っ

てお

くと竹

林が拡

大し急

面で

は山崩

れが起

こや

すく

なり

密集

た竹

林は

日光

が入

らず

植物

の多

様性

が失

われ

る昨

年か

ら竹

林の

間伐

に取

り組み

今年

の春

はスミレ

等の草

木も

たく

さん

られ

るよ

うに

なっ

てき

たタケノコ掘

等のイベ

ント

の開催

を通

して

林整備

のボラ

ンティ

アも徐々

に増

えて

きた

後は森

林の整備

にも積極的

に取

り組

んで

いき

たい

然保

護は

一部

の専門

家の

活動

だけ

では実現

でき

ない

くの人

にそ

の重

性を知

って

もら

い参加

して

もら

うこ

とが

必要

であ

その

ため

には

ずは

多く

の人

に自

然に

対す

る興味

を持

って

もら

こと

が第

一歩

であ

る興味

を持

った

ら次

は自

然を知

るこ

生物

多様

性の

重要

を理解

して

もら

い身近

な生

活の

中で

きる

活動

から参加

して

いた

だく

に共

感さ

れる

方に

は保

全活

動や

保護

活動

に参

加し

てい

ただ

この

よう

に段階的

に自

然保

護に

関わ

って

いた

だく

こと

が必

要だ

と思

私は

動植

物や

環境

の専門

家で

ない

ので

に第

一段階

での

自然

に興味

を持

って

いた

だく

こと

然の

すば

らし

さを共有

でき

る仲

間作

りの

お手伝

いが

きれ

ばと考

えて

いる

小田原の竹林の整備作業

10

〈編集後記〉大澤さんは『世界自然環境

大百科』の監訳や屋久島での調査研究など

に携わってこられた山岳会員です著書か

らも広い視野と豊かな感性で自然を捉え

ていらした足跡をうかがい知ることがで

きます西田さんはご自身のホームページ

でやはり海外で目にした自然の数々を紹

介されていますし身近な自然をこよなく

愛する武藤さんは経営学が専門で科学委員

も務めています日本山岳会の人材の奥深

さを今回もつくづく感じました各地

から開山の便りが届き自然保護活動も活

発になる季節です支部委員の皆様の活躍

も紹介して行きたいと思っています

( 元川

)

自然保護委員会の活動記録

〈三月度〉

①日

山岳

団体

自然

環境

連絡

2月

28日

出席者富澤下野

( 綾)

bull 各団体の報告

bull 「写真が語る山の自然今昔」について

bull

11月に広島で行われるアジア山岳自然

保護会議について協議会でプログラム

作成

bull トレランについて 環境省のガイドライ

ンに協議会の考え方が反映される

bull 次期幹事団体は日本山岳会

②自然保護委員会

26日(水)

bull トレランに対する自然保護委員会の見解

を作成することになった

bull 自然保護全国集会について

11

22

日(

土)

全国

集会

(実行委員長渡邉嘉也氏)

11月

23日(日)アジア山岳自然保護

会議でプレゼンテーションを行う

bull 新コピー機の使い方

について

③「木の目草の芽」109号発行

〈四月度〉

④山

岳団

体自

然環

境連

絡会

28日

出席者近藤富澤武藤

bull アジア山岳自然保護会議の詳細について

労山から提案

bull トレランについて日本山岳会労山山

のエコーなどの考え方と対応

⑤自然保護委員会

24日(木)

bull

11月

22日に広島で開催される自然保護

会議について広島支部自然保護委員長

前垣氏と打ち合わせ

bull トレランについての自然保護委員会公式

見解を審議し案を決定理事会へ

bull リニア新幹線に関しての問題点が提起さ

れる

2014年度の購読料カンパを

ありがとうございます

4月1日~5月

15日 敬称略

鍛治哲郎(黒部市)カンパ小野寺正英(奥

州市

)太

田義一

(加賀市

)カ

ンパ含む

田中多賀子(東京都江戸川区)権藤司(安

曇野市)上田景子(栃木市)カンパ含む

渡辺陽子(安曇野市)

近藤緑(東京都杉並

区)カンパ 合計1万66円

なお支部長支部自然保護委員には無料配

布を原則としていますのでお受けした購読

料はカンパ扱いとさせて頂きました

Page 7: JAC Website...qr+ @ABCr# ^ ! BCr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

7

野菜は一平方米当り2の二酸化炭素を固定

しかし二十一本ものペットボトルをベラン

ダから浴室に運ぶのは容易ではない私は高

齢者に典型的な脊柱管狭窄による腰痛のリハ

ビリ運動として実施したが相当の決意が必

要であった

(三)ゴーヤの「緑のカーテン」

緑のカーテンによる冷房効果を活用してい

る人は多い我家のベランダではコンクリー

トフェンスの日陰のために菜園に使えない部

分があるこのスペースにゴーヤのプランタ

ーを置いているゴーヤが成長すると日当り

の良い空間に出るから都合がよい四本のゴ

ーヤと四本のキウリで間口一六五の窓を塞

ぐことにより真夏の日中でもほとんどエア

コンを使う必要がない

緑のカーテンはエアコンの電力消費量の節

約になる電力使用量(

kW

h)を検針伝票か

ら調べた結果夏(8月と9月)の電力使用

量は前

年同月と比べて

21(四五〇〇円)

節約できたことが分ったその上毎日ゴー

ヤとキウリが収穫できるのは楽しみである

(四)ベランダ菜園

ベランダのエコロジーの最たるものはベラ

ンダ菜園ではないかと思う植える野菜の種

類は成長が早くかつ可食部分の多いもの

家族の評判のいいものを選ぶ

冬~春(一月~四月) 春菊かき菜

春~夏(五月~九月) トマトキウリ

秋~冬(一〇月~一二月) 小松菜

効率的に増収するコツは年三回プランター

の土を天日干しし有機肥料をたっぶり与え

ること種蒔と苗作りは室内に置いた別のポ

ットを使用し屋外のプランターの使用効率

を極限に高めることである収穫は一度に行

わず成長したものから順に採る太陽エネ

ルギーを最大に利用し光合成を効率よく行

なわせるには屋外のプランターは常に土が見

えず緑に覆われている状態に保つことである

もちろん折角の家庭菜園であるから化学肥

料や農薬は一切使用しない

一例として小松菜の収量を示そう

プランター外寸法(合計) 0

52

プランターでの栽培期間

45日

全収穫量 4108

次に収穫物の一部を台所で加熱処理してバ

イオマスを計量した例を示す

生重量

65

乾燥重量 99(生重量の

15)

炭素重量 45(乾燥重量の

45)

生重量から乾燥重量への低減は水分の蒸発で

ある乾燥重量から炭素重量への低減は炭

水化物から炭素への変換である炭水化物が

仮に

C6 H

12 O

6 であると仮定するとこの低減

率は理論的に

40であるから実測とほぼ一

致している

生育期間

45日間における単位面積当たり

の収穫量(生重量)は78

kgm

2炭素重

量は0

54kgm

2であるから光合成による

二酸化炭素固定量は20

kgm

2となるこ

れは東京電力が49

kW

hを発電する時に

発生した二酸化炭素を相殺することになり

植物の威力に驚かされる

最後に0

78坪の菜園で夫婦二人の根菜

を除く葉物野菜が年間を通じてほぼ自給で

きたことを報告しておこう

(自然保護協力委員山の自然学研究会会員)

8

自然保護との出会い

自然保護委員

武藤 篤生

私の

郷里

は福

島県

のほ

とん

どを

が占

める

山岳

県で

ある

生地

は安

達郡

岩代

市町

村合

併に

より

今は

二本

松市

に属

する

安達

太良

山の

阿武

隈山

地の

ど真

ん中

の山

村で

ある

学校

まで

そこ

です

ごし

の後

は郡

山に

移り

校ま

で過

ごし

二本

松に

は多

くの

親戚

が郡

山に

は両

親が

住ん

でい

私の

過ご

した

地域

から

は常

に安

達太

良山

が見

私の

通っ

た小

学校

学校

校の

校歌

には

いず

れも

安達

太良

山が

歌わ

れて

いる

時の

岩代

町は

葉た

ばこ

と養

炭焼

きが

盛ん

で広

い葉

たば

こ畑

畑と

雑木

林を

もつ

里山

であ

った

が平

成の

世に

なる

たば

蚕糸

の需

要は

減少

し桑

畑の

多く

の耕

作が

放棄

され

林も

かな

り荒

れて

しま

った

山の

機能

は低

下し

てし

まっ

たが

物の

多様

性に

富ん

だ自

然の

豊か

な山

林を

地域

であ

った

時は

福島

空港

の建

設候

補地

に挙

げら

れた

こと

もあ

るが

が深

くア

クセ

スが

良く

ない

とい

う理

由で

その

後も

豊か

な山

林は

維持

され

10数年

ぶり

に二

本松

の親

戚を

訪問

する

山の

尾根

沿い

の樹

林が

広く

伐採

され

送電

線と

巨大

な鉄

塔が

設置

され

てい

家の

中か

ら斜

め上

方を

眺め

ると

巨大

な鉄

塔は

かな

り威

圧感

があ

電力

会社

から

お金

が支

払わ

れる

こと

もあ

地域

では

特に

大き

な反

対も

なく

分な

環境

アセ

スメ

ント

も行

われ

るこ

とな

く計

画か

ら非

常に

短い

期間

で建

設さ

れた

そう

工事

のた

めに

作っ

た太

い作

業道

採さ

れた

山林

風の

際に

送電

線が

発す

る音

など

植物

に対

する

影響

は少

なか

らず

ある

もの

と想

像さ

れる

然に

恵ま

れた

地域

の住

民の

然に

対す

る重

要性

の意

識は

案外

低い

もの

であ

も福

島に

すん

でい

た頃

に自

然を

意識

した

こと

はな

保護

にも

全く

関心

がな

かっ

ニュ

ース

等で

環境

破壊

や環

境保

護が

報じ

られ

ても

自分

たち

に関

係が

ある

もの

とは

あま

り認

識す

るこ

とも

なか

った

京に

出て

きた

とき

にま

ず感

じた

のは

活圏

から

山が

ほと

んど

見え

ない

こと

福島

では

四方

が山

に囲

まれ

てい

たの

でこ

の違

和感

は大

きか

った

のと

はじ

めて

郷里

の自

然の

すば

らし

さと

価値

を認

識し

私のみ

でな

く自

然の

い地

域に

住ん

でい

た多

くの

方は

まれ

たと

きか

らあ

たり

まえ

に存在

した

自然

価値

を認

識し

てい

ない場

合が

多い

と思

日本

の各

地で

自然

破壊

の問題

が生

くの人

や団体

が保

護活

動を

行っ

てい

るも

のの

域の

住民

が活

動に参加

して

いな

いケ

ース

も多

い近隣

の住

民が

自然

より

も地

域経済

を優

先す

る場

合も

多い

よう

なケ

ース

では近隣

の住

民に身近

な自

然の

価値

を認

識し

ても

らう

こと

こそ

が自

然保

護の第

一歩

のよ

うに思

える

は休

日に奥

多摩

にハイキ

ング

や登

に出

かけ

るよ

うに

なっ

ては

じめ

て自

然に

興味

を持

った

じ山

やコ

ース

でも

時期

が違

えば異

なる

植物

や動

物に

出会

える

自然

に対

する知

識が登

山の楽

しみ

を数倍

も大

きく

して

くれ

一緒

に出

かけ

る友

人も

植物

や動

物に興味

をも

って

くれ

のよ

うな仲

間も徐々

に増

えて

きた

のメカ

ニズム

が少

しず

つわ

かっ

てく

ると

自然

保護

の活

動に

関わ

りた

いと思

うよ

にな

り日

本自

然保

護協

会(

NA

CS

-J)の

9

自然観察指導員

や日

本山

岳協

会の

自然

護指導員

の講習

会に参加

した

れら

講習

会に

出て

もっ

とも

強く

感じ

たこ

とは

啓蒙

活動

を非

常に

重視

して

いる

こと

多く

の人

に自

然に

対し

て興味

を持

って

ただ

くお手伝

いを

する

こと

れが

自然

を理解

した

いと思

うき

っかけ

とな

がて身近

の生

活の

中で

自然

保護

に関

わっ

てい

ただけ

るよ

うに

なる

も観察

のガイド

など

を通

して

多く

の人

に自

然に

興味

を持

って

もら

うお手伝

いを

して

いる

自然

の楽

しみ

を共有

でき

る仲

間が増

える

こと

が喜び

であ

年5月

に都立神

代植

物公園

に植

物多

様性

センタ

ーが

設置

され

も発足以来

ボラ

ンティ

アスタッフ

とし

てそ

の活

動に

参加

して

いる

ンタ

ーの目的

は行政

学術

機関

域保

護団体

の協働

のも

とに

東京

の植

物多

様性

保全

の中

心的

な役割

果た

すこ

とで

ある

都内

の絶滅危惧

植物

を調査

や保

護は

もちろ

ん重

要な仕

事で

るが

くの人

に植

物の魅

力や

生物

多様

性保

全の

重要

性に

つい

て知

って

もら

うこ

とも

重要

な役目

の一

つで

ある

最近

小田原

の竹

林森

林の整備

取り組

んで

いる

業従

事者

業従

者の

高年齢化

にと

もな

放置

され

る森

林や竹

林がふ

えて

いる

に竹

の増殖

は旺

盛で

放っ

てお

くと竹

林が拡

大し急

面で

は山崩

れが起

こや

すく

なり

密集

た竹

林は

日光

が入

らず

植物

の多

様性

が失

われ

る昨

年か

ら竹

林の

間伐

に取

り組み

今年

の春

はスミレ

等の草

木も

たく

さん

られ

るよ

うに

なっ

てき

たタケノコ掘

等のイベ

ント

の開催

を通

して

林整備

のボラ

ンティ

アも徐々

に増

えて

きた

後は森

林の整備

にも積極的

に取

り組

んで

いき

たい

然保

護は

一部

の専門

家の

活動

だけ

では実現

でき

ない

くの人

にそ

の重

性を知

って

もら

い参加

して

もら

うこ

とが

必要

であ

その

ため

には

ずは

多く

の人

に自

然に

対す

る興味

を持

って

もら

こと

が第

一歩

であ

る興味

を持

った

ら次

は自

然を知

るこ

生物

多様

性の

重要

を理解

して

もら

い身近

な生

活の

中で

きる

活動

から参加

して

いた

だく

に共

感さ

れる

方に

は保

全活

動や

保護

活動

に参

加し

てい

ただ

この

よう

に段階的

に自

然保

護に

関わ

って

いた

だく

こと

が必

要だ

と思

私は

動植

物や

環境

の専門

家で

ない

ので

に第

一段階

での

自然

に興味

を持

って

いた

だく

こと

然の

すば

らし

さを共有

でき

る仲

間作

りの

お手伝

いが

きれ

ばと考

えて

いる

小田原の竹林の整備作業

10

〈編集後記〉大澤さんは『世界自然環境

大百科』の監訳や屋久島での調査研究など

に携わってこられた山岳会員です著書か

らも広い視野と豊かな感性で自然を捉え

ていらした足跡をうかがい知ることがで

きます西田さんはご自身のホームページ

でやはり海外で目にした自然の数々を紹

介されていますし身近な自然をこよなく

愛する武藤さんは経営学が専門で科学委員

も務めています日本山岳会の人材の奥深

さを今回もつくづく感じました各地

から開山の便りが届き自然保護活動も活

発になる季節です支部委員の皆様の活躍

も紹介して行きたいと思っています

( 元川

)

自然保護委員会の活動記録

〈三月度〉

①日

山岳

団体

自然

環境

連絡

2月

28日

出席者富澤下野

( 綾)

bull 各団体の報告

bull 「写真が語る山の自然今昔」について

bull

11月に広島で行われるアジア山岳自然

保護会議について協議会でプログラム

作成

bull トレランについて 環境省のガイドライ

ンに協議会の考え方が反映される

bull 次期幹事団体は日本山岳会

②自然保護委員会

26日(水)

bull トレランに対する自然保護委員会の見解

を作成することになった

bull 自然保護全国集会について

11

22

日(

土)

全国

集会

(実行委員長渡邉嘉也氏)

11月

23日(日)アジア山岳自然保護

会議でプレゼンテーションを行う

bull 新コピー機の使い方

について

③「木の目草の芽」109号発行

〈四月度〉

④山

岳団

体自

然環

境連

絡会

28日

出席者近藤富澤武藤

bull アジア山岳自然保護会議の詳細について

労山から提案

bull トレランについて日本山岳会労山山

のエコーなどの考え方と対応

⑤自然保護委員会

24日(木)

bull

11月

22日に広島で開催される自然保護

会議について広島支部自然保護委員長

前垣氏と打ち合わせ

bull トレランについての自然保護委員会公式

見解を審議し案を決定理事会へ

bull リニア新幹線に関しての問題点が提起さ

れる

2014年度の購読料カンパを

ありがとうございます

4月1日~5月

15日 敬称略

鍛治哲郎(黒部市)カンパ小野寺正英(奥

州市

)太

田義一

(加賀市

)カ

ンパ含む

田中多賀子(東京都江戸川区)権藤司(安

曇野市)上田景子(栃木市)カンパ含む

渡辺陽子(安曇野市)

近藤緑(東京都杉並

区)カンパ 合計1万66円

なお支部長支部自然保護委員には無料配

布を原則としていますのでお受けした購読

料はカンパ扱いとさせて頂きました

Page 8: JAC Website...qr+ @ABCr# ^ ! BCr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

8

自然保護との出会い

自然保護委員

武藤 篤生

私の

郷里

は福

島県

のほ

とん

どを

が占

める

山岳

県で

ある

生地

は安

達郡

岩代

市町

村合

併に

より

今は

二本

松市

に属

する

安達

太良

山の

阿武

隈山

地の

ど真

ん中

の山

村で

ある

学校

まで

そこ

です

ごし

の後

は郡

山に

移り

校ま

で過

ごし

二本

松に

は多

くの

親戚

が郡

山に

は両

親が

住ん

でい

私の

過ご

した

地域

から

は常

に安

達太

良山

が見

私の

通っ

た小

学校

学校

校の

校歌

には

いず

れも

安達

太良

山が

歌わ

れて

いる

時の

岩代

町は

葉た

ばこ

と養

炭焼

きが

盛ん

で広

い葉

たば

こ畑

畑と

雑木

林を

もつ

里山

であ

った

が平

成の

世に

なる

たば

蚕糸

の需

要は

減少

し桑

畑の

多く

の耕

作が

放棄

され

林も

かな

り荒

れて

しま

った

山の

機能

は低

下し

てし

まっ

たが

物の

多様

性に

富ん

だ自

然の

豊か

な山

林を

地域

であ

った

時は

福島

空港

の建

設候

補地

に挙

げら

れた

こと

もあ

るが

が深

くア

クセ

スが

良く

ない

とい

う理

由で

その

後も

豊か

な山

林は

維持

され

10数年

ぶり

に二

本松

の親

戚を

訪問

する

山の

尾根

沿い

の樹

林が

広く

伐採

され

送電

線と

巨大

な鉄

塔が

設置

され

てい

家の

中か

ら斜

め上

方を

眺め

ると

巨大

な鉄

塔は

かな

り威

圧感

があ

電力

会社

から

お金

が支

払わ

れる

こと

もあ

地域

では

特に

大き

な反

対も

なく

分な

環境

アセ

スメ

ント

も行

われ

るこ

とな

く計

画か

ら非

常に

短い

期間

で建

設さ

れた

そう

工事

のた

めに

作っ

た太

い作

業道

採さ

れた

山林

風の

際に

送電

線が

発す

る音

など

植物

に対

する

影響

は少

なか

らず

ある

もの

と想

像さ

れる

然に

恵ま

れた

地域

の住

民の

然に

対す

る重

要性

の意

識は

案外

低い

もの

であ

も福

島に

すん

でい

た頃

に自

然を

意識

した

こと

はな

保護

にも

全く

関心

がな

かっ

ニュ

ース

等で

環境

破壊

や環

境保

護が

報じ

られ

ても

自分

たち

に関

係が

ある

もの

とは

あま

り認

識す

るこ

とも

なか

った

京に

出て

きた

とき

にま

ず感

じた

のは

活圏

から

山が

ほと

んど

見え

ない

こと

福島

では

四方

が山

に囲

まれ

てい

たの

でこ

の違

和感

は大

きか

った

のと

はじ

めて

郷里

の自

然の

すば

らし

さと

価値

を認

識し

私のみ

でな

く自

然の

い地

域に

住ん

でい

た多

くの

方は

まれ

たと

きか

らあ

たり

まえ

に存在

した

自然

価値

を認

識し

てい

ない場

合が

多い

と思

日本

の各

地で

自然

破壊

の問題

が生

くの人

や団体

が保

護活

動を

行っ

てい

るも

のの

域の

住民

が活

動に参加

して

いな

いケ

ース

も多

い近隣

の住

民が

自然

より

も地

域経済

を優

先す

る場

合も

多い

よう

なケ

ース

では近隣

の住

民に身近

な自

然の

価値

を認

識し

ても

らう

こと

こそ

が自

然保

護の第

一歩

のよ

うに思

える

は休

日に奥

多摩

にハイキ

ング

や登

に出

かけ

るよ

うに

なっ

ては

じめ

て自

然に

興味

を持

った

じ山

やコ

ース

でも

時期

が違

えば異

なる

植物

や動

物に

出会

える

自然

に対

する知

識が登

山の楽

しみ

を数倍

も大

きく

して

くれ

一緒

に出

かけ

る友

人も

植物

や動

物に興味

をも

って

くれ

のよ

うな仲

間も徐々

に増

えて

きた

のメカ

ニズム

が少

しず

つわ

かっ

てく

ると

自然

保護

の活

動に

関わ

りた

いと思

うよ

にな

り日

本自

然保

護協

会(

NA

CS

-J)の

9

自然観察指導員

や日

本山

岳協

会の

自然

護指導員

の講習

会に参加

した

れら

講習

会に

出て

もっ

とも

強く

感じ

たこ

とは

啓蒙

活動

を非

常に

重視

して

いる

こと

多く

の人

に自

然に

対し

て興味

を持

って

ただ

くお手伝

いを

する

こと

れが

自然

を理解

した

いと思

うき

っかけ

とな

がて身近

の生

活の

中で

自然

保護

に関

わっ

てい

ただけ

るよ

うに

なる

も観察

のガイド

など

を通

して

多く

の人

に自

然に

興味

を持

って

もら

うお手伝

いを

して

いる

自然

の楽

しみ

を共有

でき

る仲

間が増

える

こと

が喜び

であ

年5月

に都立神

代植

物公園

に植

物多

様性

センタ

ーが

設置

され

も発足以来

ボラ

ンティ

アスタッフ

とし

てそ

の活

動に

参加

して

いる

ンタ

ーの目的

は行政

学術

機関

域保

護団体

の協働

のも

とに

東京

の植

物多

様性

保全

の中

心的

な役割

果た

すこ

とで

ある

都内

の絶滅危惧

植物

を調査

や保

護は

もちろ

ん重

要な仕

事で

るが

くの人

に植

物の魅

力や

生物

多様

性保

全の

重要

性に

つい

て知

って

もら

うこ

とも

重要

な役目

の一

つで

ある

最近

小田原

の竹

林森

林の整備

取り組

んで

いる

業従

事者

業従

者の

高年齢化

にと

もな

放置

され

る森

林や竹

林がふ

えて

いる

に竹

の増殖

は旺

盛で

放っ

てお

くと竹

林が拡

大し急

面で

は山崩

れが起

こや

すく

なり

密集

た竹

林は

日光

が入

らず

植物

の多

様性

が失

われ

る昨

年か

ら竹

林の

間伐

に取

り組み

今年

の春

はスミレ

等の草

木も

たく

さん

られ

るよ

うに

なっ

てき

たタケノコ掘

等のイベ

ント

の開催

を通

して

林整備

のボラ

ンティ

アも徐々

に増

えて

きた

後は森

林の整備

にも積極的

に取

り組

んで

いき

たい

然保

護は

一部

の専門

家の

活動

だけ

では実現

でき

ない

くの人

にそ

の重

性を知

って

もら

い参加

して

もら

うこ

とが

必要

であ

その

ため

には

ずは

多く

の人

に自

然に

対す

る興味

を持

って

もら

こと

が第

一歩

であ

る興味

を持

った

ら次

は自

然を知

るこ

生物

多様

性の

重要

を理解

して

もら

い身近

な生

活の

中で

きる

活動

から参加

して

いた

だく

に共

感さ

れる

方に

は保

全活

動や

保護

活動

に参

加し

てい

ただ

この

よう

に段階的

に自

然保

護に

関わ

って

いた

だく

こと

が必

要だ

と思

私は

動植

物や

環境

の専門

家で

ない

ので

に第

一段階

での

自然

に興味

を持

って

いた

だく

こと

然の

すば

らし

さを共有

でき

る仲

間作

りの

お手伝

いが

きれ

ばと考

えて

いる

小田原の竹林の整備作業

10

〈編集後記〉大澤さんは『世界自然環境

大百科』の監訳や屋久島での調査研究など

に携わってこられた山岳会員です著書か

らも広い視野と豊かな感性で自然を捉え

ていらした足跡をうかがい知ることがで

きます西田さんはご自身のホームページ

でやはり海外で目にした自然の数々を紹

介されていますし身近な自然をこよなく

愛する武藤さんは経営学が専門で科学委員

も務めています日本山岳会の人材の奥深

さを今回もつくづく感じました各地

から開山の便りが届き自然保護活動も活

発になる季節です支部委員の皆様の活躍

も紹介して行きたいと思っています

( 元川

)

自然保護委員会の活動記録

〈三月度〉

①日

山岳

団体

自然

環境

連絡

2月

28日

出席者富澤下野

( 綾)

bull 各団体の報告

bull 「写真が語る山の自然今昔」について

bull

11月に広島で行われるアジア山岳自然

保護会議について協議会でプログラム

作成

bull トレランについて 環境省のガイドライ

ンに協議会の考え方が反映される

bull 次期幹事団体は日本山岳会

②自然保護委員会

26日(水)

bull トレランに対する自然保護委員会の見解

を作成することになった

bull 自然保護全国集会について

11

22

日(

土)

全国

集会

(実行委員長渡邉嘉也氏)

11月

23日(日)アジア山岳自然保護

会議でプレゼンテーションを行う

bull 新コピー機の使い方

について

③「木の目草の芽」109号発行

〈四月度〉

④山

岳団

体自

然環

境連

絡会

28日

出席者近藤富澤武藤

bull アジア山岳自然保護会議の詳細について

労山から提案

bull トレランについて日本山岳会労山山

のエコーなどの考え方と対応

⑤自然保護委員会

24日(木)

bull

11月

22日に広島で開催される自然保護

会議について広島支部自然保護委員長

前垣氏と打ち合わせ

bull トレランについての自然保護委員会公式

見解を審議し案を決定理事会へ

bull リニア新幹線に関しての問題点が提起さ

れる

2014年度の購読料カンパを

ありがとうございます

4月1日~5月

15日 敬称略

鍛治哲郎(黒部市)カンパ小野寺正英(奥

州市

)太

田義一

(加賀市

)カ

ンパ含む

田中多賀子(東京都江戸川区)権藤司(安

曇野市)上田景子(栃木市)カンパ含む

渡辺陽子(安曇野市)

近藤緑(東京都杉並

区)カンパ 合計1万66円

なお支部長支部自然保護委員には無料配

布を原則としていますのでお受けした購読

料はカンパ扱いとさせて頂きました

Page 9: JAC Website...qr+ @ABCr# ^ ! BCr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

9

自然観察指導員

や日

本山

岳協

会の

自然

護指導員

の講習

会に参加

した

れら

講習

会に

出て

もっ

とも

強く

感じ

たこ

とは

啓蒙

活動

を非

常に

重視

して

いる

こと

多く

の人

に自

然に

対し

て興味

を持

って

ただ

くお手伝

いを

する

こと

れが

自然

を理解

した

いと思

うき

っかけ

とな

がて身近

の生

活の

中で

自然

保護

に関

わっ

てい

ただけ

るよ

うに

なる

も観察

のガイド

など

を通

して

多く

の人

に自

然に

興味

を持

って

もら

うお手伝

いを

して

いる

自然

の楽

しみ

を共有

でき

る仲

間が増

える

こと

が喜び

であ

年5月

に都立神

代植

物公園

に植

物多

様性

センタ

ーが

設置

され

も発足以来

ボラ

ンティ

アスタッフ

とし

てそ

の活

動に

参加

して

いる

ンタ

ーの目的

は行政

学術

機関

域保

護団体

の協働

のも

とに

東京

の植

物多

様性

保全

の中

心的

な役割

果た

すこ

とで

ある

都内

の絶滅危惧

植物

を調査

や保

護は

もちろ

ん重

要な仕

事で

るが

くの人

に植

物の魅

力や

生物

多様

性保

全の

重要

性に

つい

て知

って

もら

うこ

とも

重要

な役目

の一

つで

ある

最近

小田原

の竹

林森

林の整備

取り組

んで

いる

業従

事者

業従

者の

高年齢化

にと

もな

放置

され

る森

林や竹

林がふ

えて

いる

に竹

の増殖

は旺

盛で

放っ

てお

くと竹

林が拡

大し急

面で

は山崩

れが起

こや

すく

なり

密集

た竹

林は

日光

が入

らず

植物

の多

様性

が失

われ

る昨

年か

ら竹

林の

間伐

に取

り組み

今年

の春

はスミレ

等の草

木も

たく

さん

られ

るよ

うに

なっ

てき

たタケノコ掘

等のイベ

ント

の開催

を通

して

林整備

のボラ

ンティ

アも徐々

に増

えて

きた

後は森

林の整備

にも積極的

に取

り組

んで

いき

たい

然保

護は

一部

の専門

家の

活動

だけ

では実現

でき

ない

くの人

にそ

の重

性を知

って

もら

い参加

して

もら

うこ

とが

必要

であ

その

ため

には

ずは

多く

の人

に自

然に

対す

る興味

を持

って

もら

こと

が第

一歩

であ

る興味

を持

った

ら次

は自

然を知

るこ

生物

多様

性の

重要

を理解

して

もら

い身近

な生

活の

中で

きる

活動

から参加

して

いた

だく

に共

感さ

れる

方に

は保

全活

動や

保護

活動

に参

加し

てい

ただ

この

よう

に段階的

に自

然保

護に

関わ

って

いた

だく

こと

が必

要だ

と思

私は

動植

物や

環境

の専門

家で

ない

ので

に第

一段階

での

自然

に興味

を持

って

いた

だく

こと

然の

すば

らし

さを共有

でき

る仲

間作

りの

お手伝

いが

きれ

ばと考

えて

いる

小田原の竹林の整備作業

10

〈編集後記〉大澤さんは『世界自然環境

大百科』の監訳や屋久島での調査研究など

に携わってこられた山岳会員です著書か

らも広い視野と豊かな感性で自然を捉え

ていらした足跡をうかがい知ることがで

きます西田さんはご自身のホームページ

でやはり海外で目にした自然の数々を紹

介されていますし身近な自然をこよなく

愛する武藤さんは経営学が専門で科学委員

も務めています日本山岳会の人材の奥深

さを今回もつくづく感じました各地

から開山の便りが届き自然保護活動も活

発になる季節です支部委員の皆様の活躍

も紹介して行きたいと思っています

( 元川

)

自然保護委員会の活動記録

〈三月度〉

①日

山岳

団体

自然

環境

連絡

2月

28日

出席者富澤下野

( 綾)

bull 各団体の報告

bull 「写真が語る山の自然今昔」について

bull

11月に広島で行われるアジア山岳自然

保護会議について協議会でプログラム

作成

bull トレランについて 環境省のガイドライ

ンに協議会の考え方が反映される

bull 次期幹事団体は日本山岳会

②自然保護委員会

26日(水)

bull トレランに対する自然保護委員会の見解

を作成することになった

bull 自然保護全国集会について

11

22

日(

土)

全国

集会

(実行委員長渡邉嘉也氏)

11月

23日(日)アジア山岳自然保護

会議でプレゼンテーションを行う

bull 新コピー機の使い方

について

③「木の目草の芽」109号発行

〈四月度〉

④山

岳団

体自

然環

境連

絡会

28日

出席者近藤富澤武藤

bull アジア山岳自然保護会議の詳細について

労山から提案

bull トレランについて日本山岳会労山山

のエコーなどの考え方と対応

⑤自然保護委員会

24日(木)

bull

11月

22日に広島で開催される自然保護

会議について広島支部自然保護委員長

前垣氏と打ち合わせ

bull トレランについての自然保護委員会公式

見解を審議し案を決定理事会へ

bull リニア新幹線に関しての問題点が提起さ

れる

2014年度の購読料カンパを

ありがとうございます

4月1日~5月

15日 敬称略

鍛治哲郎(黒部市)カンパ小野寺正英(奥

州市

)太

田義一

(加賀市

)カ

ンパ含む

田中多賀子(東京都江戸川区)権藤司(安

曇野市)上田景子(栃木市)カンパ含む

渡辺陽子(安曇野市)

近藤緑(東京都杉並

区)カンパ 合計1万66円

なお支部長支部自然保護委員には無料配

布を原則としていますのでお受けした購読

料はカンパ扱いとさせて頂きました

Page 10: JAC Website...qr+ @ABCr# ^ ! BCr6 f l# gh ^ $ ¼~6- 3 ) i

10

〈編集後記〉大澤さんは『世界自然環境

大百科』の監訳や屋久島での調査研究など

に携わってこられた山岳会員です著書か

らも広い視野と豊かな感性で自然を捉え

ていらした足跡をうかがい知ることがで

きます西田さんはご自身のホームページ

でやはり海外で目にした自然の数々を紹

介されていますし身近な自然をこよなく

愛する武藤さんは経営学が専門で科学委員

も務めています日本山岳会の人材の奥深

さを今回もつくづく感じました各地

から開山の便りが届き自然保護活動も活

発になる季節です支部委員の皆様の活躍

も紹介して行きたいと思っています

( 元川

)

自然保護委員会の活動記録

〈三月度〉

①日

山岳

団体

自然

環境

連絡

2月

28日

出席者富澤下野

( 綾)

bull 各団体の報告

bull 「写真が語る山の自然今昔」について

bull

11月に広島で行われるアジア山岳自然

保護会議について協議会でプログラム

作成

bull トレランについて 環境省のガイドライ

ンに協議会の考え方が反映される

bull 次期幹事団体は日本山岳会

②自然保護委員会

26日(水)

bull トレランに対する自然保護委員会の見解

を作成することになった

bull 自然保護全国集会について

11

22

日(

土)

全国

集会

(実行委員長渡邉嘉也氏)

11月

23日(日)アジア山岳自然保護

会議でプレゼンテーションを行う

bull 新コピー機の使い方

について

③「木の目草の芽」109号発行

〈四月度〉

④山

岳団

体自

然環

境連

絡会

28日

出席者近藤富澤武藤

bull アジア山岳自然保護会議の詳細について

労山から提案

bull トレランについて日本山岳会労山山

のエコーなどの考え方と対応

⑤自然保護委員会

24日(木)

bull

11月

22日に広島で開催される自然保護

会議について広島支部自然保護委員長

前垣氏と打ち合わせ

bull トレランについての自然保護委員会公式

見解を審議し案を決定理事会へ

bull リニア新幹線に関しての問題点が提起さ

れる

2014年度の購読料カンパを

ありがとうございます

4月1日~5月

15日 敬称略

鍛治哲郎(黒部市)カンパ小野寺正英(奥

州市

)太

田義一

(加賀市

)カ

ンパ含む

田中多賀子(東京都江戸川区)権藤司(安

曇野市)上田景子(栃木市)カンパ含む

渡辺陽子(安曇野市)

近藤緑(東京都杉並

区)カンパ 合計1万66円

なお支部長支部自然保護委員には無料配

布を原則としていますのでお受けした購読

料はカンパ扱いとさせて頂きました