ファシリテーション講座 hlab2012

20
ファシリテーション講座 for H-LAB 2012サマースクール 2012.6.10 吉沢 康弘

Upload: yasuhiro-yoshizawa

Post on 14-Jul-2015

1.094 views

Category:

Documents


1 download

TRANSCRIPT

Page 1: ファシリテーション講座 Hlab2012

ファシリテーション講座 �for H-LAB 2012サマースクール �

2012.6.10�吉沢 康弘�

Page 2: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

本資料の位置付け�

n 本資料は、2012年8月に予定されている、「H-LAB2012サマースクール」のTeachingFellow向けに、吉沢康弘が実施したファシリテーション講座にて使用した資料となる�

n 本資料を、様々な場面でのファシリテーションの参考になるように、一般公開する�

<H-LAB 2012サマースクール>�

全国の高校生80名を東京に迎え、ハーバード大生と日本人大学生約60名が8泊9日の合宿形式でサマースクールを実施する。本サマースクールはハーバード大学の学部教育の理念でもある「リベラル・アーツ」を主幹としている。 �

<セミナー>�

「リベラル・アーツ」の理念を最も体現するのがセミナーである。ハーバード大生が自身の専門をゼミ形式で教える。1回の授業は90分で、各セミナーは90分×3コマ、計4.5時間のセッションから構成される。高校生は、サマースクール期間中に4つのセミナーを受講する。 �

各セミナーは、ハーバード大生1名、日本人大学生スタッフ(Teaching Fellow)1名、高校生約4名で構成され、全て英語で行われる。内容は多岐にわたり、今年は「発明とイノベーション」、「幸福の心理学」、「アニメから見る国際政治」など計24セ

ミナーを開講する。 �

<Teaching Fellow>�

Teaching Fellow(TF)は、セミナー内で高校生の学びをサポートする日本人大学生スタッフである。 �

参加高校生の多くは英語力に不安がある上、双方向型の授業や議論に慣れていない。TFは高校生の理解を助け、活発な議論を促す役割を担う。 �

2�

Page 3: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

本日の目的�

n 参加した高校生が、議論を楽しみ、ワクワクし、 �将来への大きな可能性を感じられるような体験ができる�

n ティーチングフェロー(以下、TF)が、こうした体験の助けとなるようなファシリテーションの基本コンセプトを知り、自分自身で実行・改善するときの観点を得ている�

n 具体的に、TFが本番に向けたスタート・アクションを、 �立ち止まらずに開始できるようになっている�

3�

Page 4: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

本日の流れ�

1.  【情報提供】ファシリテーションの基本コンセプト紹介�

2.  【情報提供】具体的なファシリテーションのプロセス紹介 �–  目的の設定・明文化・指標化 –  「関係の質」を向上させる –  「思考の質」を向上させる

3.  【質疑応答】上記を踏まえて、僕とみなさんで�不明点・不安点を払拭する質疑応答 �

4.  【情報提供】ありがちな失敗例 �

4�

Page 5: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

各人の役割�

n  TFのみなさん�–  実際にファシリテーションを行う際のイメージを高める –  疑問点・不安点を積極的に質問する

n 実行委員のみなさん�–  TFのみなさんが活動しやすくするために必要なサポートを探求する

n 吉沢 �–  ファシリテーションに関するコンセプト・および実践的テクニックを情報提供する

–  TFのみなさんの感じる疑問・不明点の相談に乗る

5�

Page 6: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

6�

【情報提供】ファシリテーションの基本コンセプト �

【情報提供】具体的なプロセス �

【質疑応答】不安点・不明点の解消�

【情報提供】ありがちな失敗例�

Page 7: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

ファシリテーションで苦労することとは?�

n  メンバー同士で会話をしてくれない�n もっとできるはずなのに、積極的に発言してくれない�n 自分ばかり、空回りする�n 同じ方向にパワーが集中できない�

7�

Page 8: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

8�

お勧めするファシリテーションのイメージ �

ありがちなイメージ ��

n ファシリテーターは・・・ ��・参加者を引っ張る�

�・答を知っている�

�・必要不可欠な存在 �

お勧めするイメージ �

n  ファシリテーターは・・・��・参加者に圧力釜を提供する�

�・目的と進め方を知っている�

�・NiceToHaveな存在 �

Page 9: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

ファシリテーションによって目指す世界観�

9�

$$$�

①しっかり守られ、認められる�

①�

②互いに、オープンに話をするようになる�

②� ②�

③視野が拡がり、思い込みが減り、よく考える�

③� ③�

④より的確で、納得している行動をとる�

④�

⑤より高い成果が上がる�

⑤�

⑥高い成果により、さらに認められる�

⑥�

Page 10: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

10�

「成功の循環」フレームワーク �

思考の質�Quality of thought

行動の質�Quality of action

結果の質�Quality of results

関係の質�Quality of relationships

出典 マサチューセッツ工科大学 ダニエル・キム  “A Model for Organizational Success”�

あと100万 �

売ってこい!�

もっと�

足で稼げ! �

ちゃんと �

考えろ! �

Page 11: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

11�

【情報提供】ファシリテーションの基本コンセプト �

【情報提供】具体的なプロセス �

【質疑応答】不安点・不明点の解消�

【情報提供】ありがちな失敗例�

Page 12: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

12�

「関係の質」を上げ、「思考の質」を上げる方法とは?�

思考の質�Quality of thought

行動の質�Quality of action

結果の質�Quality of results

関係の質�Quality of relationships

出典 マサチューセッツ工科大学 ダニエル・キム  “A Model for Organizational Success”�

Page 13: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

「関係の質」が高い状態とは?�

n 不安や心配ごとがなく、その場に集中できている�

n 何をすればいいか、どう振る舞えばいいか、分かっている�

n 気楽に話しかけたり、考えを口にしたりできる雰囲気がある��

13�

Page 14: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

「関係の質」を上げるための方法�

n 何をすればいいか、どう振る舞えばいいか、分かっている�→「目的」「プロセス」「役割」を冒頭で明確にする�

n 不安や心配ごとがなく、その場に集中できている�→事前にシミュレーションしておく/その場で聞く�

n 気楽に話しかけたり、考えを口にしたりできる雰囲気がある�→ウォーミングアップを入れる�

14�

Page 15: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

「思考の質」が高い状態とは?�

n それぞれの意見やアイデアが、場に表明されている�

n 互いに何をどう考えてるのかを、深堀りしあっている�

n 議論の内容が、同じ目的に向かっている�

15�

Page 16: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

「思考の質」を上げるための方法�

n それぞれの意見やアイデアが、場に表明されている�→不明瞭な発言や質問の言い直しをする�

n 互いに何をどう考えてるのかを、深堀りしあっている�→「仮説の4段階」で確認を入れる�

n 議論の内容が、同じ目的に向かっている�→目的をリマインドする投げかけ・質問をする�

16�

Page 17: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

17�

【情報提供】ファシリテーションの基本コンセプト �

【情報提供】具体的なプロセス �

【質疑応答】不安点・不明点の解消�

【情報提供】ありがちな失敗例�

Page 18: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

18�

Page 19: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

19�

【情報提供】ファシリテーションの基本コンセプト �

【情報提供】具体的なプロセス �

【質疑応答】不安点・不明点の解消�

【情報提供】ありがちな失敗例�

Page 20: ファシリテーション講座 Hlab2012

Company Logo

ありがちな失敗例�

1.  ファシリテータ自身の話が長く、分かりづらい�2.  議論の内容をリードしようとして、周りが白ける�3.  賑やかさをバロメータにしていて、賑やかに仕向けようとする�4.  良し悪しの価値判断を行う �5.  「なんだか議論が停滞してるけれど」「今のはいい発言だよね」 �などの客観的評価を発言する�

6.  順番を決めて発言させる�7.  発言が少ない人に発言を促す �8.  ゲストをコントロールできない�9.  密かにトイレが気になって仕方ない人がいる�10. 予告なしに終了時間がずれる�11. 高校などでの「ありがちな」型を思い出させてしまう �

20�