教育から見る人間開発　　　教育から見る人間開発　　　　　～アエタ族の　　～アエタ族の AKAYAKAYを事を事

例に～例に～

総合政策学部総合政策学部 33 年年佐藤香子佐藤香子

目次目次

はじめにはじめに 教育の位置付け教育の位置付け アエタ族の識字教育の歴史アエタ族の識字教育の歴史 ＡＫＡＹの識字教育プログラムの検証ＡＫＡＹの識字教育プログラムの検証 効果的な識字教育プログラムの提案効果的な識字教育プログラムの提案 おわりにおわりに 参考文献参考文献

はじめにはじめに 春学期に取り上げた生計自立援助の行き詰春学期に取り上げた生計自立援助の行き詰まり　　　　　　　　　　　　　　　　　まり　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　

基本的な読み書きが出来なければ、自立は基本的な読み書きが出来なければ、自立は難しいことを実感。　　　　　　　　　　難しいことを実感。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　教育が発展のための最重要事項　　　教育が発展のための最重要事項

教育の位置付け教育の位置付け 教育改革の歴史　　教育改革の歴史　　　　→世界人権宣言　　→世界人権宣言　　　　　子供の権　　　　　子供の権利条約利条約

　　

５つの重要な要素　５つの重要な要素　　＊生きるための勉　＊生きるための勉強＊手段、質と柔軟強＊手段、質と柔軟性　＊性別による格性　＊性別による格差の解消と女性への差の解消と女性への教育＊重要なパート教育＊重要なパートナーと　しての政府ナーと　しての政府　　　　　＊幼い子　　　　　＊幼い子供の保護供の保護

学校に通っている子供たち

学校に通っている子供たち学校に通っていない子供たち

0 50 100

パーセント

1

地域名

初等教育を受ける子供の割合

先進国

東アジア・太平洋CIS・バルト海の国々ラテンアメリカ・カリブ諸島中東・北アフリカ南アジア

サブサハラ

0 50 100

パーセント

1

地域名

5小学校 年まで通えている割合

先進国

東アジア・太平洋

ラテンアメリカ・カリブ諸島中東・北アフリカ

南アジア

サブサハラ

個々の状況に合わせ個々の状況に合わせて指導方法を変えらて指導方法を変えられる柔軟性れる柔軟性

女性が質の高い教育女性が質の高い教育を受ける基本的な権を受ける基本的な権利利

新しい政府の役割新しい政府の役割 新しい研究結果　　新しい研究結果　　　→脳の発展段階　→脳の発展段階

EducationEducation 　　 forfor 　　AllAll 　 　 　 　 　 　 　　 　 　 　 　 　 　↓　　　　　↓　　　　　

特に貧しい国の人々特に貧しい国の人々を対象とした、世界を対象とした、世界的な教育の質の向上的な教育の質の向上が不可欠が不可欠

““EducationEducation 　　 forfor 　　 All”All”　　目指して目指して

識字教育を受けていない　　　　　　　識字教育を受けていない　　　　　　　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

あらゆる権利を受けることが出来ていなあらゆる権利を受けることが出来ていないい

途上国ー債務の返済を優先　　　　　　途上国ー債務の返済を優先　　　　　　　　　　　　　　教育への投資後回し　　　　　　　　教育への投資後回し

0 1 2

billion

1

地域名

教育への年間の追加予算ラテンアメリカ・カリブ諸島東アジア・太平洋中東・北アフリカ

南アジア

サブ＝サハラ

20/2020/20 　　InitiativeInitiative 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　 　　 　 援助する国と途上国、両方の政府に各援助する国と途上国、両方の政府に各国の政府開発援助（国の政府開発援助（ ODAODA））と国家予算のと国家予算の 220%0% を、教育を含めた人間のソフト面の開発を、教育を含めた人間のソフト面の開発に充てること。に充てること。

世界銀行も教育への投資の重要性を述べる。世界銀行も教育への投資の重要性を述べる。

識字率の割合

illiterateliterate

アエタ族の識字教育の歴史アエタ族の識字教育の歴史

19701970 年代末　宣教が始まる年代末　宣教が始まる はじめ、「読み書きを教える代わりに、はじめ、「読み書きを教える代わりに、人々を改宗しよう」人々を改宗しよう」

その後、アエタの文化を尊重しながら、その後、アエタの文化を尊重しながら、識字教育を進める。識字教育を進める。

しかし、アエタ族の人々は、教育の必しかし、アエタ族の人々は、教育の必要性をなかなか理解しなかった。要性をなかなか理解しなかった。

パウロ・フレイレパウロ・フレイレ

識字教育を通して、社会を批判的に認識識字教育を通して、社会を批判的に認識する能力も身につけることする能力も身につけること

抑圧の原因を批判的に見つめ、それを乗抑圧の原因を批判的に見つめ、それを乗り越えて自由になろうという意識を重視。り越えて自由になろうという意識を重視。

自覚化　（自覚化　（ conscientizationconscientization）） 「「モジュール」という教授法モジュール」という教授法 人々が自信を持って行動するようになる。人々が自信を持って行動するようになる。

ＡＫＡＹの識字教育プログラＡＫＡＹの識字教育プログラムの検証ムの検証

ＡＫＡＹ　　　　　　　　　　　　　　　ＡＫＡＹ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（フロリダブランカ・アエ　　　　　　　（フロリダブランカ・アエタ先住民連合）タ先住民連合）

ＣＬＡＡ　（中部ルソン・アエタ協会）ＣＬＡＡ　（中部ルソン・アエタ協会） ＰＲＯＤＥＶ　（フィリピンのＮＧＯ）ＰＲＯＤＥＶ　（フィリピンのＮＧＯ） ピナット　（ピナツボ復興むさしのネッピナット　（ピナツボ復興むさしのネット）ト）

これまでのプログラムの問題点これまでのプログラムの問題点

運営方法がアエタ族の文化と経済活動に運営方法がアエタ族の文化と経済活動に適したものではなかった。　　　　　　適したものではなかった。　　　　　　　　　　＊教室と時間を設定することは　　　　＊教室と時間を設定することは無理　　　　＊深刻な貧困状態により、無理　　　　＊深刻な貧困状態により、森やフィールド　　へ行くことを優先森やフィールド　　へ行くことを優先

欠席した生徒のために同じ内容を繰り返欠席した生徒のために同じ内容を繰り返し説明され、毎回出席している生徒にはし説明され、毎回出席している生徒には不満が生じる。不満が生じる。

今後の改善点今後の改善点

生産活動に沿ったプログラムを設定す生産活動に沿ったプログラムを設定する必要がある。る必要がある。

識字教室実施の場所と時間は固定しない。識字教室実施の場所と時間は固定しない。柔軟なプログラムを組むことの重要性。柔軟なプログラムを組むことの重要性。

先生へのサポートを強化先生へのサポートを強化 やる気のある生徒のためのレベル別クやる気のある生徒のためのレベル別クラス作りラス作り

効果的な識字教育プログラム効果的な識字教育プログラムの提案の提案

識字教室の実施　　＊識字教室の実施　　＊十分なトレーニング　十分なトレーニング　　を受けた指導者　＊　を受けた指導者　＊二人一組　　　　　　二人一組　　　　　　＊＊ 66 ヶ月を一学期ヶ月を一学期

地域での指導者の育成地域での指導者の育成 カリキュラム開発カリキュラム開発 教材の作成と開発教材の作成と開発

プログラム実施方法　プログラム実施方法　＊プロの指導者の育　＊プロの指導者の育　　成を最優先　　　　　成を最優先　　　　＊識字教室の円滑な　＊識字教室の円滑な　運営を目指す運営を目指す

プログラム運営　　　プログラム運営　　　　＊現地に常駐してい　＊現地に常駐してい　るＡＫＡＹとＣＬＡ　るＡＫＡＹとＣＬＡＡが　責任を持つＡが　責任を持つ

おわりにおわりに

文字の読み書きが出来ない　　　　　　　文字の読み書きが出来ない　　　　　　　　　　→社会参加が難しい　　　　　　　　　　→社会参加が難しい　　　　　　　　　　　　　　　　　

識字は、人を活かすために存在する識字は、人を活かすために存在する 「ヒューマン・リテラシー」としての識字「ヒューマン・リテラシー」としての識字

人間が発展していく上で、教育は最も素晴人間が発展していく上で、教育は最も素晴らしい無形の財産らしい無形の財産

開発援助における教育という分野　　　　　　　開発援助における教育という分野　　　　　　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　

忍耐力と継続性　　　　　　　　　　　　　　　忍耐力と継続性　　　　　　　　　　　　　　　　　

内に秘めた可能性と自信が何より大切内に秘めた可能性と自信が何より大切 見えないものに着目することこそが、真の開発援見えないものに着目することこそが、真の開発援助と言えるのではないか助と言えるのではないか

識字教育を国際協力や社会・人間開発の原点に識字教育を国際協力や社会・人間開発の原点にしっかりと位置付けることしっかりと位置付けること

参考文献参考文献 ＵＮＩＣＥＦ、世界子供白書　　　　　　　　　ＵＮＩＣＥＦ、世界子供白書　　　　　　　　　　　 http://www.unicef.org/sowc99/　　1999http://www.unicef.org/sowc99/　　1999

UNDPUNDP、、人間開発報告人間開発報告 http://http://www.undp.org/hdro/www.undp.org/hdro/ 　 　　 　 19991999

清水展　『出来事の民族誌』　清水展　『出来事の民族誌』　 19901990 越田清和訳・ラカス編　　　　　　　　　　　　越田清和訳・ラカス編　　　　　　　　　　　　　　　『ピナトゥボ山と先住民族アエタ』　　　　『ピナトゥボ山と先住民族アエタ』　 19919933

ピナット　『ピナットニュース』　ピナット　『ピナットニュース』　 3636～～ 4343号　号　19991999　　他、多数　　他、多数