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水道配水用ポリエチレン管 PWA 003 : 2003 平成15年3月 改正 配水用ポリエチレン管協会 PWA 配水用ポリエチレン管協会規格

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Page 1: 配水用ポリエチレン管協会規格 9.14 9.15 9.9 注(1)直管の呼び径75 ,100,150は,JWWA K 144に規定した「水道配水用ポリエチレン管」とする。注(2)受口部の性能・外観・色・形状・寸法・材料・製造方法については,PWA

水道配水用ポリエチレン管PWA 003 : 2003

平成15年3月 改正

配水用ポリエチレン管協会

P W A配水用ポリエチレン管協会規格

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規格制定 平成14年 2月改  正 平成15年 3月

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配水用ポリエチレン管協会規格

水道配水用ポリエチレン管

Higher performance polyethylene(HPPE)pipes for water supply

PWA

003:2003

1. 適用範囲 この規格は,使用圧力0.75MPa{7.6kgf/cm2}以下の水道用に使用する「水道配水用ポリエチレン管」(以下,管という。)について規定する。

備考 1. この規格の対応国際規格を,次に示す。ISO 4427 polyethylene(PE)pipes for water supply-Specifications

2. この規格の中で{ }を付けて示してある数値及び単位は,従来単位によるものであって,参考として示したものである。

3. この規格の管の使用温度及び取扱い上の注意事項については解説で示す。

2. 引用規格 次に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改訂版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS B 7502 マイクロメータJIS B 7507 ノギスJIS B 7512 鋼製巻尺JIS K 0050 化学分析方法通則JIS K 0557 化学分析用の水JIS K 6900 プラスチック-用語JIS K 6922-2 プラスチック-ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料-第二部:試験片の

調整及び諸性質の測定方法JIS K 7161 プラスチック-引張特性の試験方法JIS K 7350-1 プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-第一部:通則JIS K 7350-2 プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-第二部:キセノンアーク光源JIS K 7350-3 プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-第三部:紫外線蛍光ランプJIS K 7350-4 プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-第四部:オープンフレームカー

ボンアークランプJIS K 8005 容量分析用標準物質JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウムJIS S 3200-1 水道用器具-耐圧性能試験方法JIS Z 8401 数値の丸め方JIS Z 8703 試験場所の標準状態ISO TR 9080 Plastics piping and ducting systems - Determination of long-term hydrostatic

strength of thermoplastics materials in pipe form by extrapolationISO TR 10837 Determination of the thermal stability of Polyethylene(PE)for use in gas Pipes and

fittings

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ISO 12162 Thermoplastics materials for pipes and fittings for pressure applications-Classification and designation - Overall service(design)coefficient

ISO 13954 Plastics pipes and fittings-Peel decohesion test for polyethylene(PE)electrofusionassemblies of nominal outside diameter greater than or equal to 90㎜

ISO 13955 Plastics pipes and fittings,Crushing decohesion test for polyethylene(PE)electrofusionassemblies

ISO 18553 Method for the assessment of pigment or carbon black dispersion in polyolefinpipes, fittings and compounds

JWWA K 144 水道配水用ポリエチレン管JWWA K 145 水道配水用ポリエチレン管継手JWWA Z 108 水道用資機材-浸出試験方法JWWA Z 110 水道用資機材-浸出液の分析方法PWA 001 配水用ポリエチレン管協会規格-水道配水用ポリエチレン管PWA 002 配水用ポリエチレン管協会規格-水道配水用ポリエチレン管継手PWA 004 配水用ポリエチレン管協会規格-水道配水用ポリエチレン管継手

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6900 によるほか,次による。3. 1 寸法上の定義

3. 1. 1 呼び径 管の口径を特定する呼称。3. 1. 2 平均外径 任意の断面における相互に等間隔な2方向の外径測定値の平均値。3. 1. 3 外径厚さ比(standard dimension ratio)SDR:外径の基準寸法Dと厚さの基準寸法 tとの商。

SDR=D/t3. 2 材料の定義

3. 2. 1 未使用材料(virgin material) 粒状又は粉状であって,未使用でかつ再生材料を添加していない材料。3. 2. 2 再生材料(own reprocessable material) 清浄で不良品とした未使用の管,継手及びこれらの製造工程において発生した端材から作られたもので,同一製造業者において再び使用される材料。3. 3 材料関係の定義

3. 3. 1 下方信頼性限界(lower confidence limit) LCL:20 ℃水中において50年後に予測される長期静水圧強度の97.5 %下方信頼性限界値であり,メガパスカル単位量で表される材料の特性。3. 3. 2 最小要求強度(minimum required strength) MRS:ISO 12162に規定するMRSから選ばれる値。3. 4 使用条件に関する定義

3. 4. 1 使用圧力 通常の使用状態における水の圧力であって,“最高使用圧力”(静水圧)。3. 4. 2 常温 JIS Z 8703 に規定する標準状態の温度を20 ℃とし,その許容差をJIS Z 8703 の 3. 1(標準状態の温度の許容差)の温度15級(±15 ℃)とした温度状態で,20 ℃±15 ℃。3. 5 その他の定義

3. 5. 1 形式検査 管の品質が設計で示された全ての性能に適合するかどうかを確認するための検査。3. 5. 2 受渡検査 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造に係わる管の受け渡しに際して必要と認められる特性が適合するかどうかを判定するための検査。

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注(3) 浸出性の試験温度は,常温とする。注(4) 管の耐候性については,同一の材料の最小厚さの管の試験で代表することができる。注(5) 融着部相溶性については,代表口径の管の試験で代替することができる。

4. 種類 管の種類は,構造及び形状による分類があり,表 1 のとおりとする。

表 1 管の形状による分類

5. 性能 管の性能は,9. 4~9. 15 によって試験を行い,表 2 の規定に適合しなければならない。

表 2 性能

6. 外観及び形状

6. 1 外観 管の外観は,内外面が滑らかで,きず,縦筋,割れ,ねじれその他使用上有害な欠点があってはならない。また,管の色は,濃い青とする。6. 2 形状 管の形状は,断面が実用的に正円でなければならない。

性能項目

引張降伏強さ

引張伸び

耐圧性

破壊水圧強さ

熱安定性

加熱伸縮性

濁度

色度

過マンガン酸カリウム消費量

残留塩素の減量

臭気

浸出性(3)

耐候性(4)

外観

引張破断伸び

熱安定性

内圧クリープ性

耐塩素水性

耐環境応力き裂性

低速き裂進展性

融着部相溶性(5)

性能 適  用 試験箇条

20.0 MPa{204 kgf/cm2}以上

350 % 以上

割れ,破損その他の欠点がないこと。

4.0MPa{40.8kgf/cm2}以上

酸化誘導時間20 分以上

±3 %以内

0.2 度以下であること。

0.5 度以下であること。

1.0 mg/l 以下であること。

0.7 mg/l 以下であること。

異常でないこと。

異常でないこと。

割れ,破損その他の欠点がないこと。

水泡発生がないこと。

き裂発生がないこと。

き裂発生がないこと。

350 %以上

酸化誘導時間10 分以上

割れ,破損その他の欠点がないこと。

割れ,破損その他の欠点がないこと。

9.4

9.5

9.6

9.7

9.8

9.10

9.11

9.12

9.13

9.14

9.15

9.9

注(1) 直管の呼び径75,100,150は,JWWA K 144に規定した「水道配水用ポリエチレン管」とする。注(2) 受口部の性能・外観・色・形状・寸法・材料・製造方法については,PWA 004 による。

形状

直管(1)

EF受口付直管(2)

記号

T–PE

E–PE

呼び径

50,200

50,75,100,150,200

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呼び径

50

200

63.0

250.0

5.8

22.75000

1.5

5.0

50.7

201.9

1.074

16.688

+0.9 0 +3.5 0

+0.4 0 +1.5 0

単位 mm

外径(D) 厚さ(t) 長さ(L)(7) 参考(8)

平均外径 の許容差(6)

基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 (%) 基準寸法

直管部1m当たりの 質量(kg)

最大外径 -最小外径

楕円度

内径

+2 0

呼び径

50

75

100

150

200

63.0

90.0

125.0

180.0

250.0

5.8

8.2

11.4

16.4

22.7

5000

1.5

1.8

2.5

3.6

5.0

50.7

72.6

100.8

145.3

201.9

1.074

2.174

4.196

8.671

16.688

+0.9 0 +1.3 0 +1.8 0 +2.5 0 +3.5 0

+0.4 0 +0.6 0 +0.8 0 +1.1 0 +1.5 0

単位 mm

外径(D) 厚さ(t) 長さ(L)(7) 参考(8)

平均外径 の許容差(6)

基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 (%) 基準寸法

直管部1m当たりの 質量(kg)

最大外径 -最小外径

楕円度

内径

+2 0

7. 寸法及びその許容差 直管,EF受口付直管の寸法及びその許容差は,表 3,4 による。7. 1 直管の寸法及びその許容差

表 3 直管の寸法及びその許容差

7. 2 EF受口付直管の寸法及びその許容差

表 4 EF受口付直管の寸法及びその許容差

注(6) 平均外径の許容差とは,任意の断面における相互に等間隔な2方向の外径測定値の平均値(平均外径)と基準寸法との差をいう。

注(7) 長さは,受渡当事者間の協議によって,変更することができる。注(8) 参考に示した内径及び1m当たりの質量は,管の寸法を中心寸法とし,管に使用する材料の密度を0.960 g/㎝3

として計算したものである。

図 2 EF受口付直管

tL

D

図 1 直管

L

t

D

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8. 材料及び製造方法

8. 1 材料 管の材料は,エチレン重合体を主体とし,ISOTR 9080に規定する外挿方法及び ISO 12162に規定する分類表でPE100に分類される高密度ポリエチレンであり,附属書 1(規定)による。PE100とは,ISO TR 9080の方法1を用い,20 ℃で50年外挿下方信頼性限界(LCL)を用いたとき

の最小要求強度(MRS)が10.0 MPa規定に適合したポリエチレンとする。50年外挿下方信頼性限界は,内圧クリープ試験をもって求めることとする。内圧クリープ試験は,温度は3水準で行い,各温度ごとに表 5に示す破壊までの時間になるように設定した圧力水準及びデータ数で行うものとする。なお,再生材料は,附属書 1(規定)に規定する材料と同じ場合使用してもよい。

表 5 内圧クリープ試験のデータ数

8. 2 製造方法 管の製造方法は直管及び受口部を加熱融着して行う。直管の製造方法は,8. 1 に規定する材料を用いて,押出成形によって行い,受口の製造方法は,ポリエチレン部分は8. 1 に規定する材料を用いて,射出成形によって行う。

9. 試験方法

9. 1 試験片 試験片の作製方法及び状態調節は,次による。a)供試管は,品質が同一とみなすことができる管のロットから合理的な方法によってそれぞれ採取する。b)管の試験に用いる試験片の作製方法並びに状態調節は,表 6による。

10時間以上100時間未満

100時間以上1000時間未満

1000時間以上

      うち7000時間以上

      うち9000時間以上

8

8

9

うち4

うち1

破壊までの時間 必要なデータ数

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表 6 試験片

試験項目

形 状 作製方法

個数 (9) 温度

℃ 時間 h

引張試験

試験片

状態調節

耐圧試験

破壊水圧試験

熱安定性試験

加熱伸縮試験

浸出試験

内圧クリープ試験

塩素水試験

環境応力き裂試験

耐候性試験

図3

管状

板状

管状

図4

図3

表4

5 23±2

1 常温

5

1

3

3

10

3

1

23±2

80±1 20±1

23±2

23±2

2以上

1以上

2以上

1以上

1以上

1以上

供試管から,図4に示す形状に 切り取る。

供試管から図3に示す形状に 切り取る。

融着部相溶試験 管状 3 80±1 1以上 接合部を含む長さ1000mm以上 を切り取る。

供試管から,長さ1000mm以上 切り取る。

供試管から,長さ200mm±20mm を切り取る。

供試管から管外径の3倍以上の 長さの試験片を切り取る。

供試管は500mmの長さに 切り取る。

供試管の内面から15mg±0.5mg の試験片を切り取る。

供試管から短冊状試験片を 切り取る。

暴露試験後,供試管から図3に示す形状に切り取る。 暴露試験後,表6の熱安定性試験と同型の試験片を切り取る。

低速き裂進展試験 図5 3 80±1 1以上

供試管から管外径の3倍以上の長さの試験片を切り取り図5に示すノッチを試験片のほぼ中央に4方向等間隔に入れる。

注(9) 個数は形式検査の場合にのみ適用し,受渡検査の場合は,当事者間の協定による。

9. 2 外観及び形状 管の外観及び形状は,目視によって調べる。9. 3 寸法 管の寸法は JIS B 7502に規定するマイクロメータ,JIS B 7507 に規定するノギス,JIS B7512 に規定する鋼製巻尺またはこれらと同等以上の精度を有するものを用いて,23℃±2℃で2時間以上状態調節後測定するか,または23℃換算する。平均外径は管端から1D以上離れた箇所で測定する。9. 4 引張試験 管の引張試験は,供試管から図 3に示す形状・寸法の試験片を管の内側から打ち抜き又は機械加工によって作り,23℃±2℃で2時間以上状態調節後,JIS K 7161 に準じて行う。この場合試験速度は,毎分25 mm±2.5 mmで行う。なお,厚さは5 mm<h≦12 mmとなるまで加工してもよい。

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L 0

h

b2

b1

L

l 1

l 2

l 3

標線 r

図 3 引張試験片の形状・寸法

試験片の形

≧150

60.0±0.5

≧60

115.0±0.5

20.0±0.5

10.0±0.5

>5

50.0±0.5

115 +5    0

全長

幅の狭い平行部分の長さ

半径

幅の広い平行部分の長さ

端部の幅

狭い平行部分の幅

厚さ

標線間距離

つかみ具間の初めの間隔

:

:

:

:

:

:

:

:

:

l 3

l 1

r�

l 2

b 2

b 1

h�

L 0

L

寸法

単位 mm

9. 5 耐圧試験 管の耐圧試験は,9. 1 に示す試験片を作製し,JIS S 3200-1 に準拠し,2.5 MPa{25.5 kgf/cm2}の圧力を加えて,そのまま2分間保持する。9. 6 破壊水圧試験 管の破壊水圧試験は,9. 1 に示す試験片を作製し,管が破裂するまで一定速度で加圧し,最大圧力を測定する。9. 7 熱安定性試験 管の熱安定性試験は,9. 1 に示す試験片を作製し,附属書 2(規定)による。この場合,示差熱分析装置又は示差走査熱量計を用いて,ちっ素雰囲気下で200 ℃±0.5 ℃に加熱し,安定後,酸素雰囲気下に置き換え,酸化誘導時間を測定する。9. 8 加熱伸縮試験 管の加熱伸縮試験は,供試管から長さ200 mm±20 mmの試験片を切り取り, 表面の中央部に100 mmの間隔で二つの標線を記入して,23 ℃±2 ℃で2時間以上常態調節後に標線間の長さを測定し,110 ℃±2 ℃のポリエチレングリコール内に30分間以上浸せきする。その後,試験片を取り出し,23 ℃±2 ℃の空気中で2時間以上自然冷却させて標線間の長さを測定し,次の式によって長さ変化率を算出する。

ここに,l:長さ変化率(%)l0:試験前の標線間距離(mm)l1:試験後の標線間距離(mm)

l= ×100l0l1 - l0

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C

A D

B

試験時間 h

100

165

1000

試験温度(12) ℃

管の円周応力 MPa{kgf/cm2}

試験圧力(11) MPa{kgf/cm2}

12.4{126.5}

5.5{ 56.1}

5.0{ 51.0}

2.48{25.3}

1.10{11.2}

1.00{10.2}

20

80

80

試験時間 h

165

233

332

476

688

1000

管の円周応力 MPa{kgf/cm2}

試験圧力(11) MPa{kgf/cm2}

5.5 {56.0}

5.4 {55.0}

5.3 {54.0}

5.2 {53.0}

5.1 {52.0}

5.0 {51.0}

1.10{11.2}

1.08{11.0}

1.06{10.8}

1.04{10.6}

1.02{10.4}

1.00{10.2}

表 8 80℃における内圧クリープ試験の再試験条件

注(10) 気体を使用する場合は爆発のおそれがあるため防護装置には十分配慮すること。注(11) 試験圧力は,規定圧力に対して,-1 %から+規定せずの範囲に保つ。注(12) 試験温度は,規定温度に対して,平均で±1℃以内,最大で±2℃以内の範囲に保つ。

9. 11 塩素水試験 管の塩素水試験は,9. 1 に示す試験片を作製し,附属書 4(規定)による。9. 12 環境応力き裂試験 管の環境応力き裂試験は,JIS K 6922-2の附属書(規定)(ポリエチレン試験方法)による。この場合,供試管から切り出した円弧状のもの,板状のもの又は供試管を切り開いて加熱プレスした板状のものから 図 4 に示す形状・寸法に切り取り,その外面側にノッチを入れたものを試験片とし,温度50℃±1℃のノニル・フェニル・ポリオキシエチレン・エタノール10 mass%水溶液中に240時間浸せきする。

9. 9 浸出試験 管の浸出試験は,9. 1 に示す試験片を作製し,附属書 3(規定)による。9. 10 内圧クリープ試験 管の内圧クリープ試験は,9. 1 に示す試験片を作製し,水,空気又はちっ素その他の不活性ガス(10)を満たした後,試験温度で1時間以上状態調節を行う。その後,表 7 に示す圧力を加えそのままの温度及び圧力で所定時間保持する。なお,80 ℃における試験圧力1.10 MPa{11.2 kgf/cm2}の試験の供試管が165時間以内に延性破壊した

場合,その試験を無効とし,表 8 より選択した低い試験圧力条件において再試験することができる。

表 7 内圧クリープ試験の試験時間,試験圧力及び試験温度

図 4 環境応力き裂試験片の形状及び寸法

A�

B

C

D

試験片の長さ

試験片の幅

試験片の厚さ

ノッチの深さ

ノッチの長さ

38.0±2.5

13.0±0.8

2.0+0.2 00.30+0.1 0

19.1±0.1

単位 mm

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9. 13 耐候性試験 管の耐候性試験は,附属書 5(規定)によって暴露し,次の試験を行う。a)外観 外観は目視によって調べる。b)引張試験 引張試験は,9. 4 によって行い,引張伸びを求める。c)熱安定性試験 熱安定性試験は,9. 7 による。この場合,試験片は供試管の外面から切り取る。9. 14 低速き裂進展試験 管の低速き裂進展試験は,9. 1 に示す試験片を作製し,水,空気又はちっ素その他の不活性ガスを満たした後,80℃で1時間以上状態調節を行う。その後,0.92 MPa{9.39kgf/cm2}の圧力を加え,そのままの温度及び圧力で165時間保持する。この場合,試験温度及び試験圧力の範囲は,表 7の注(11)及び注(12)による。

図 5 低速き裂進展試験片の形状・寸法

9. 15 融着部相溶試験 管の融着部相溶試験は,管を異なる材料の管又は管継手と融着する場合,9. 1 に示す試験片を作製し,9. 10 に規定する80℃における試験圧力1.10 MPa{11.2 kgf/cm2}の試験を行う。

60°

h

ノッチ部寸法 D±1mm D

呼び径 h

最小

4.5

6.4

8.9

12.8

17.7

4.8

6.7

9.3

13.4

18.6

最大

単位 mm

50

75

100

150

200

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10. 検査

10. 1 形式検査 管の形式検査は,呼び径別に 6. ~ 8. 及び 12. の規定に適合していることを確認したうえで,9. 4 ~ 9. 15 の試験を行い,5. の規定に適合していることを確認する。なお,製造者は,試験結果を記録し,注文者の要求がある場合は提出しなければならない。形式検査の試験項目は次による。

a)外観及び形状b)寸法c)引張試験d)耐圧試験e)破壊水圧試験f)熱安定性試験g)加熱伸縮試験h)浸出試験i)内圧クリープ試験j)塩素水試験k)環境応力き裂試験l)耐候性試験m)低速き裂進展試験n)融着部相溶試験10. 2 受渡検査 受渡検査の試験項目は,当事者間の協定による。

11. 試験結果の数値の表し方 試験の結果は,規定の数値より1けた下の位まで求め JIS Z 8401 によって丸める。

12. 表示 管の外側には,容易に消えない方法で,最大間隔1 m以内に次の事項を表示しなければならない。a)“ ”の記号b)呼び径c)製造年月又はその略号d)製造業者名又はその略号e)材料分類(PE100)f)厚さシリーズ(S5及び/又はSDR11)

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附属書 1(規定) 水道配水用ポリエチレン管の材料

1. 適用範囲 この附属書は,水道配水用ポリエチレン管(以下,管という。)の材料について規定する。

2. 添加剤 材料には,管の製造及び性能を満足するために必要な酸化防止剤,耐候剤及び顔料などの添加剤が含まれる。添加剤の品質は,均一で水に侵されないで,かつ,水質に悪影響を及ぼすものであってはならない。

3. 材料分類 管の製造業者は,ISO TR 9080に規定する外挿方法及び ISO 12162に規定する分類表でPE100に分類される材料を使用していることを実証しなければならない。なお,管の製造業者に代わって,材料の供給業者が実証してもよい。

4. 密度及びメルトマスフローレート(以下,MFRという。) 管の製造業者は,材料の密度及びMFRの基準値を提示しなければならない。ただし,材料の密度は,0.942 g/cm3以上とする。

5. 顔料分散性 材料の顔料分散性は,6. によって試験を行い,附属書 1 表 1 のグレード3以下でなければならない。

6. 顔料分散試験方法 材料の顔料分散試験は,ISO 18553 に準拠し,以下のように行う。6. 1 原理 試料を管,供試板(1)又は材料から採取し,顕微鏡用スライドの間で圧縮する圧縮法か,もしくはミクロトーム法によって試験片を作製する。作製された試験片を顕微鏡で調べ,粒子及び凝集塊の大きさを測定,記録する。その後,附属書 1 表 1 と比較してグレードを決定する。

注(1)供試板は,顔料を多量に含んだ材料(以下,マスターバッチという。)と顔料を含まない材料(以下,ベースレジンという。)を一定の配合割合で混練したものから作製する。ただし,配合割合は,管の製造時にマスターバッチとベースレジンとを混合する比率とする。

6. 2 試験装置

6. 2. 1 圧縮法

a)150 ℃から200 ℃の制御された温度で操作できるホットプレートb)顕微鏡用スライドc)圧力保持するためのプレスd)直交移動及び光学的影響を避けるのに十分な照明で必要な倍率に拡大できる顕微鏡e)粒子及び凝集塊の大きさを測定するための顕微鏡6. 2. 2 ミクロトーム法

a)必要な厚さのスライスを作製することができるミクロトームb)直交移動及び光学的影響を避けるのに十分な照明で必要な倍率に拡大できる顕微鏡c)粒子及び凝集塊の大きさを測定するための顕微鏡6. 3 試験手順

6. 3. 1 試験片の作製

a)圧縮法 分析する試料の異なる部分から1.25 mg±0.25 mgの試験片を切り取り,洗浄した顕微鏡用スライド上のほぼ中央に置く。その後,別のきれいなスライドをかぶせる。スライドを 150 ℃から 200 ℃の温度に制御したホットプレート上に置き,プレスなどで圧縮し,

均一な厚さのフィルム状の試験片を作製する。十分冷却した後,スライドを取り除く。

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b)ミクロトーム法 製品の様々な部分から試料を切り取り,厚さ 125 μm±25 μm,幅3 mmのフィルム状の試験片を作製する。

6. 3. 2 顕微鏡による判定 顕微鏡を使用して,100倍以上の倍率で透過光によって, 試験片を順次調べる。試験片は,光の強さを変化させ,可能ならば透過光及び反射光によって,その凝集塊が確かに顔料であることを確認する。5 μm未満の凝集塊を無視して,各凝集塊の最大寸法を測定,記録する。その後,附属書 1 表 1 と比較してグレードを決定する。なお,凝集塊の数は,試験片質量0.25 mg当たりの個数とする。

6. 4 試験結果の表し方 各試験片のグレードの平均値を算出し,小数点以下一桁まで結果を表す。

附属書 1 表 1 凝集塊に対するグレード(試料0.25 mg当たり)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

4.5

5

5.5

6

6.5

7

寸法 (μm) グレード

5 ↓ 10

11 ↓ 20

21 ↓ 30

31 ↓ 40

41 ↓ 50

51 ↓ 60

61 ↓ 70

71 ↓ 80

81 ↓ 90

91 ↓ 100

101 ↓ 110

111 ↓ 120

121 ↓ 130

131 ↓ 140

141 ↓ 150

0

1

≦3

≦6

≦12

>12

0

1

≦3

≦6

≦12

>12

0

1

≦3

≦6

≦12

>12

0

1

≦3

≦6

≦12

>12

0

1

≦3

≦6

≦12

>12

0

1

≦3

≦6

≦12

>12

0

1

≦3

≦6

≦12

>12

0

1

≦3

≦6

≦12

>12

0

1

≦3

≦6

≦12

>12

0

1

≦3

≦6

≦12

>12

0

1

≦3

≦6

≦12

0

1

≦3

≦6

0

1

≦3

0

1 0

参考 7 μmは,100倍下では 0.7 mmに相当する。同様に60μmは,100倍下では6 mmに相当する。

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附属書 2(規定) 水道配水用ポリエチレン管の熱安定性試験方法

1. 適用範囲 この附属書は,水道配水用ポリエチレン管(以下,管という。)の材料について規定する。備考 ISO TR 10837:1991が,この附属書で規定する熱安定性試験方法と同等である。

2. 原理 熱安定性試験の原理は,酸素雰囲気中で200℃に試験片が保持されている状態で,試験片中に含まれている酸化防止剤が酸化を抑制し続ける時間を測定する。酸化の進行は,熱分析装置内の試験片と基準物質との間の温度差又はエネルギーフロー差を測定し,これを時間に対して記録することによりモニターする。熱安定性は,この記録から導出する。

3. 装置及び基準物質

3. 1 a)~f)の性能を備えた示差熱分析装置(DTA)又は示差走査熱量計(DSC)a)試験片と基準物質との間の温度差又はエネルギーフロー差を時間に対して記録する。b)試験中±0.5 ℃以内に試験温度を維持する。c)毎分50 cm3±5 cm3の酸素流に試験片を暴露する。d)150 ℃から250 ℃の間で毎分1 ℃以下の速度で試験片温度を変化させる。e)室温から試験温度まで,毎分20 ℃±1 ℃の速度で試験片温度を変化させる。f)0.1 ℃の分解能で試験片温度を連続的に記録する。3. 2 分析用天秤 分析用天秤は,0.1 mgの精度で15 mg±0.5 mgの試験片を計量できる。3. 3 酸素及びちっ素供給設備 酸素及びちっ素供給設備は,スイッチ走査後1 分以内に雰囲気が完全に切り換えられるように,DTA又はDSCセルの十分近くでガスの供給元を切り換えることができる。洗浄は,どちらのガス供給においても必要ない。3. 4 ガス流量測定装置 ガス流量測定装置は,ロータメーターが適しているが,それらの校正は正確な置換装置に対して行われる。3. 5 高純度金属基準物質 インジウム:融点156.6 ℃±0.5 ℃

錫  :融点231.9 ℃±0.5 ℃

4. 試験片の作製 試験片の作製は,次による。a)供試管から2 cmから3 cmの幅のリングを切断する。b)リングから2 cmの短冊片を切り取る。c)短冊片から熱分析装置の試料皿の内径よりほんの少し小さい直径で,厚さが管の厚さと同じであ

る円筒状試料を切り取る。d)メスなどを使って,管の厚さと同じ厚さの円筒状試料から15 mg±0.5mgの質量になるように,適

当な厚さの試験片を切り取る。e)試験片は注意して取り扱い,直射日光に暴露しない。

5. 試験手順

5. 1 校正 インジウム又は錫の融点より10 ℃低い温度で,試験片及び基準物質設置部分に流れる酸素を毎分50 cm3±5 cm3に設定する。基準物質には,空のアルミニウム皿を使用し,2 mgのインジウム又は錫を入れて密封したアルミニウム皿を溶融による吸熱が記録されるまで毎分1℃以下の速度で加熱する。インジウム及び錫両方の融点をこの方法で測定する。金属の融点は,ベースラインの延長線と吸熱ラインの初期の傾きに対する接線との交点によって示される。(附属書 2図 1参照)

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△T

温度 T

融点

附属書 2 図 2 ポリエチレンの典型的酸化熱安定性曲線

附属書 2 図 1 典型的校正曲線

△T

時間

酸化誘導時間

ちっ素 酸素

5. 2 酸化誘導時間の測定 DTA又はDSCセルのちっ素流を毎分50 cm3±5 cm3に設定する。酸素に切り替えてもガス流は,毎分50 cm3±5 cm3の速度のままで,再度ちっ素流に戻しても毎分50 cm3±5cm3の速度であることを確認する。アルミニウム皿に15 mg±0.5 mgの円筒状ポリエチレン試験片を封入し,これと空のアルミニウム基準皿を熱分析装置にセットする。200 ℃±0.5 ℃で等温走査するように装置を設定した後,毎分20 ℃の速度で上昇し,温度を安定させる。DTA曲線(DSC曲線)の記録を開始する。(温度差対時間又はエネルギーフロー差対時間のプロ

ット)ちっ素流下で安定な状態となったら(多くの場合約5 分後)酸素流に切り換え,DTA曲線(DSC曲線)にこの点を記録する。セル内は雰囲気切り換え後1 分以内に完全に酸素雰囲気にならなければならない。酸化による発熱が起こり,最高点に達するまでDTA曲線(DSC曲線)を記録し続ける。

6. 試験結果の判定 試験片の熱安定性は,酸素導入から,ベースラインの延長線と最大傾斜点で発熱曲線に対し引かれた接線との交点までの時間であり,分で表される。(附属書 2 図 2 参照)供試体の熱安定性は,測定値の算術平均で表す。

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附属書 3(規定) 水道配水用ポリエチレン管の浸出試験方法

1. 適用範囲 この附属書は,水道配水用ポリエチレン管(以下,管という。)の浸出試験方法について規定する。

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この附属書に引用されることによって,この附属書の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JWWA Z 108 水道用資機材-浸出試験方法

JWWA Z 110 水道用資機材-浸出液の分析方法

3. 定義 この附属書 3で用いる主な用語の定義は,JWWA Z 108 の 3.(定義)による。

4. 共通的な条件 化学分析に関する共通的な事項は,JWWA Z 108の 5.(共通的な条件)による。

5. 浸出用液の調整方法 浸出溶液の調整方法は,JWWA Z 108の 6.(浸出用液の調整方法)による。

6. 浸出試験における浸出液の調整 浸出試験における浸出液の調整は,JWWA Z 108の 7.. 1. 1(管)による。6. 1 供試品 供試品は,JWWA Z 108 の 7.. 1. 1(管)による。なお,供試管の長さは,0.5mとする。

6. 2 洗浄 洗浄は,JWWA Z 108 の 7.. 1. 1(管)のa)洗浄による。6. 3 コンディショニング コンディショニングは,JWWA Z 108の 7.. 1. 1(管)のb)コンディショニングによる。6. 4 浸出 浸出は,JWWA Z 108 の 7.. 1. 1(管)のc)浸出による。

7. 分析 検水の分析は,JWWA Z 108 の 8. 分析による。なお,各項目の分析方法は,次による。

a)味 味は,JWWA Z 110 の附属書 17(規定)(味の分析方法)による。b)臭気 臭気は,JWWA Z 110 の附属書 18(規定)(臭気の分析方法)による。c)色度 色度は,JWWA Z 110 の附属書 19(規定)(色度の分析方法)による。d)濁度 濁度は,JWWA Z 110 の附属書 20(規定)(濁度の分析方法)による。e)過マンガン酸カリウム消費量 過マンガン酸カリウム消費量は,JWWA Z 110 の附属書 16(規定)(過マンガン酸カリウム消費量の分析方法)による。

f)残留塩素の減量 残留塩素の測定は,JWWA Z 110 の附属書 4(規定)(残留塩素と残留塩素の減量の測定方法)による。

8. 分析値の補正 分析値の補正が必要な場合は,JWWA Z 108 の 9.(分析値の補正)による。

9. 評価(判定) 評価(判定)は,本体表 2 に適合していることを確認する。

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附属書 4(規定) 水道配水用ポリエチレン管の塩素水試験方法

1. 適用範囲 この附属書は,水道配水用ポリエチレン管(以下,管という。)の塩素水試験方法について規定する。

2. 定義 この試験に用いる用語の定義は,次のとおりとする。供試水 塩素水試験に供するために調製した水。

3. 試薬及び水 この試験に用いる試薬及び水は,次による。a)試薬は,特に規定してあるもののほかは,JIS K 0050 の 7.1(試薬の品位)のものを使用する。b)水は,JIS K 0557 に規定する化学分析用の水を用いる。この場合,電気伝導率は,2 μS/cm以下 

のものとする。

4. 器具 器具は,次のものを用いる。a)塩素水試験容器 塩素水試験容器は,ねじ付きふた付きのガラス製とし,容量約1 000 mlのものを用いる。形状の一例を,附属書 4図 1に示す。

b)ガラス棒 塩素水試験容器内に試験片が浮き上がらないようにL字形に曲げた直径約6 mmのガラス棒。

c)ガラスビ-ズ 塩素水試験容器の上部に空間を残さないように用いる直径約5 mmのガラスビ-ズ。d)フイルム 塩素水の蒸散を防止するために用いる厚さ約50 μmの四ふっ化エチレンフイルム。

備考 器具は,あらかじめ洗浄乾燥を行う。

附属書 4 図 1 塩素水試験容器の一例

73ねじ付きふた

パッキン

16

口もとねじ付き 70

60

容器 3~4

105100

180

単位 mm

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5. 供試水の調製 あらかじめ10 ℃以下に冷却した0.3 %塩素水に,同様に冷却した水を加えて,有効塩素濃度1 000 ml当たり2 000 mg±100 mgとし,これに,二酸化炭素又は水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液などを少しずつ注入し,pHメ-タにて確認しながらpH値を6.5 ±0.5 に調製する。供試水の有効塩素濃度は希釈後,次の方法によって速やかに確認しなければならない。5. 1 試薬 試薬は,次のものを用いる。a)よう化カリウム 粉末状のもの。b)でんぷん溶液 でんぷん(じゃがいもでんぷん)1 gを水100 mlとよく混和し,これを加熱した水

200 ml中に絶えずかき混ぜながら徐々に加え,液が半透明になるまで煮沸した後,溶液を静置し,その上澄液を用いる。必要以上に長く加熱すると溶液の鋭敏度が減少する。この溶液は,使用の都度調製する。

c)0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8637のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3・5H2O)26 g及び JIS K 8005 の容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム(Na2CO3)0.2gを量り採り,二酸化炭素を含まない水約1 000 mlに溶かした後,JIS K 8051 の3-メチル-1- ブタノ-ル(イソアミルアルコ-ル)[(CH3)2CHCH2CH2OH]10 mlを加えて全量を1 000 mlとする。よく振り混ぜた後,栓をして2日間静置後、ファクタ-を求める。この溶液のファクタ-を求めるには,0.017 mol/lよう素酸カリウム溶液 25mlを共栓三角フラス

コ300 mlに正確に量り採り,よう化カリウム(KI)2 g及び硫酸(1+5)5mlを加え,直ちに栓をして静かに振り混ぜ,暗所に 5分間静置した後,水 100mlを加え,遊離したよう素を上記0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液を用いて滴定する。褐色が淡黄色に変わったら,でんぷん溶液数滴を加え,生じた色の青が消えるまで滴定を続ける。ここに,要した0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液の量を求め,0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶

液のファクタ-は,次の式によって算出する。

ここに, f :0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクタ-a :滴定に要した0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液の量(ml)

d)0.017 mol/lよう素酸カリウム溶液 あらかじめ 120 ℃~140 ℃に1.5時間~2時間加熱し,シリカゲルデシケ-タ-中で放冷した JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウム(KIO3)3.567 gを全量メスフラスコ1 000 mlに量り採り,二酸化炭素を含まない水に溶かして全量を1 000mlとする。

5. 2 試験操作 有効塩素濃度1 000 ml当たり約2 000 mgの供試水20 mlを三角フラスコ300 mlに量り採り,よう化カリウム1 g,硫酸(1+4)5 ml及びでんぷん溶液5 mlを加え,ここに生じた色の青が消えるまで,0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で手早く滴定し,ここに要した 0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液の量を求め,供試水の有効塩素濃度は,次の式によって算出する。

ここに,c:供試水の有効塩素濃度(mg/l)a:滴定に要した0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液の量(ml)f:0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクタ-b:供試水の量(20 ml)

f = a25

c= ×3.55a・f ×b1 000

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6. 供試水量比率 試験片の表面積は,JIS B 7507 に規定するノギスを用いて寸法を測定し,次の式によって算出する。

S=2π(d-t)(L+t)ここに,S:表面積(cm2)

d:外径(cm)t:厚さ(cm)L:長さ(cm)

容器の中に入れる各試験片の表面積の和と容器に注入する供試水の比率が1 cm2当たり1.2 mlとなるように水量を決定する。

7. 試験方法 4. a)に規定する容器に試験片を入れた後,5. に規定する供試水を注入し,試験片が浮き上がらないように,4. b)に規定するガラス棒で押さえる。更に容器の上部に空間を残さないように,4. c)のガラスビ-ズで調整し,附属書 4 図 2 のとおり塩素水の蒸散を防止するため,4.d)のフイルムを容器の口にかぶせ,その上から,ねじ付きふたで密封する。この場合,一つの容器には同一供試管から作製した試験片だけとする。次に,60 ℃±1 ℃の恒温水槽の中に容器を浸せきする。 24時間ごとに容器を取り出し,塩素濃度が低下した供試水を新しく調製した 5. の供試水と,速やかに取り替える。168時間後に試験片を取り出し,管状試験片については直ちに試験片を半割りにする。

8. 判定方法 7. の方法によって試験した試験片の内面状態につき,試験終了後,直ちに試験片の両端部の長さ5 mmを除いた部分を 0.1 mm目盛付きの10倍ル-ペで観察し,水泡発生の有無を判定する。

附属書 4 図 2 塩素水試験容器の密封方法の一例

ねじ付きふた

パッキン

四ふっ化エチレンフィルム (厚さ50μm)

ガラス棒 (直径約6mm)

ガラスビーズ (直径約5mm)

試験片

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附属書 5(規定) 水道配水用ポリエチレン管の暴露試験方法

1. 適用範囲 この附属書は,水道配水用ポリエチレン管(以下,管という。)の暴露試験方法について規定する。

2. 種類 暴露試験方法の種類は,附属書 5表 1に示す2方法のいずれかとする。

附属書 5表 1 暴露試験方法の種類

種類

A法

B法

屋外暴露試験方法

プラスチック-実験室光源による暴露試験方法

暴露試験方法

3. 共通的な条件

3. 1 試験片 試験片は,本体図 2 に示す引張試験片の形状・寸法とする。3. 2 試験手順 試験片を,少なくとも3.5 GJ/m2以上照射する。

4. A法(屋外暴露試験方法) A法の暴露の方位及び場所は,次による。試験棚及び試験片固定具は,試験結果に影響を及ぼさないような不活性材料を用いる。木,耐食性アルミニウム合金,ステンレス鋼又はセラミックスが適している。黄銅,鋼又は銅は試験片の付近に用いてはならない。試験場所は,受けた日光の照射量及び周囲の温度を記録する装置が装備されていなければならない。試験片の暴露表面が,南に向かって水平面に45 と゚なるように,試験片の支持ができなければならな

い。通常,暴露場所は,樹木又は建物から十分に離れた広々とした場所でなければならない。なお,暴露試験には,周囲に日光の照射に影響を与える邪魔物があってはならない。

5. B法(実験室光源による暴露試験方法) B法は,JIS K 7350-1 によって行い,JIS K 7350-2,JISK 7350-3 又は JIS K 7350-4 に規定するいずれかの実験室光源によって暴露する。

関連規格:次に揚げる規格は,この規格に関連する規格で参考までに以下に記載する。これらの関連規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS K 0115 吸光光度分析方法通則JIS K 0116 発光分光分析方法通則JIS K 0121 原子吸光分析通則JIS K 6762 水道用ポリエチレン管JIS K 7162 プラスチック-引張特性の試験方法-第二部:型成形,押出成形及び注型プラス

チックの試験条件JIS K 7210 熱可塑性プラスチックの流れ試験方法JIS K 8001 試薬試験方法通則JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムJIS K 8180 塩酸JIS K 8247 過マンガン酸カリウムJIS K 8312 クロム酸カリウムJIS K 8517 二クロム酸カリウム

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JIS K 8541 硝酸JIS K 8575 水酸化カルシウムJIS K 8576 水酸化ナトリウムJIS K 8669 o-トリジン二塩酸塩JIS K 8776 2-ヒドロキシ-1-(2’-ヒドロキシ-4’-スルホ-1’-ナフチルアゾ)-3-ナフトエ酸JIS K 8785 二りん酸ナトリウム+水和物JIS K 8951 硫酸JIS K 8962 硫酸カリウムJIS K 8987 硫酸ナトリウム(無水)JIS K 9007 りん酸二水素カリウムJIS P 3801 ろ紙(化学分析用)JIS R 3503 化学分析用ガラス器具JIS R 3505 ガラス製化学用体積計JIS Z 8203 国際単位系(SI)及びその使い方JIS Z 8402 分析・試験の許容差通則ISO 161-1 Thermoplastics pipes for the conveyance of fluids-Nominal outside diameters

and nominal pressures Part1:Metric seriesISO 1133 Plastics-Determination of the melt mass-flow rate(MFR)and the melt volume-

flow rate(MVR)of thermoplasticsISO 1167 Thermoplastics pipes for the conveyance of fluids-Resistance to internal pressure-

Test methodISO 2505-1 Thermoplastics pipes-Longitudinal reversion-Part1:Determination methodsISO 2505-2 Thermoplastics pipes-Longitudinal reversion-Part2:Determination parametersISO 4065 Thermoplastics pipes-Universal wall thickness tableISO 11922-1 Thermoplastics pipes for the conveyance of fluids-Dimensions and tolerances-

Part1:Metric seriesISO 13761 Plastics pipes and fittings-Pressure reduction factors for polyethylene pipeline

systems for use at temperatures above 20℃ISO 13479 Polyolefin pipes for the conveyance of fluids-Determination of resistance to crack

propagation-Test method for slow crack growth on notched pipes (notch test )ISO 6259-1 Thermoplastics pipes-Determination of tensile properties-Part1:General test

methodISO 6259-3 Thermoplastics pipes-Determination of tensile properties-Part3:Polyolefin

pipesISO 8085-3 Polyethylene fittings for use with polyethylene pipes for the supply of gaseous

fuels - Metric series - Specifications-Part3:Electrofusion fittings

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配水用ポリエチレン管協会規格PWA 003:2003

水道配水用ポリエチレン管 解説

この解説は,本体及び附属書に規定・記載した事柄,並びにこれらに関連した事柄を説明するもので,規格の一部ではない。

1. 規格制定の趣旨及び経緯 水道用ポリエチレン管は,昭和33年1月に日本水道協会規格として制定後,昭和34年7月に日本工業規格(JIS)に移行し,現在まで呼び径13~50について主要な給水管材料として使用されてきた。今日,高普及時代を迎えたが我が国の水道は,従来にも増して,給水の安全性・安定性,またライフラインとしての水道施設の耐震性強化が強く求められるようになった。このような状況の中で,水道事業者のニーズに応えるためにポリエチレン管の特長である柔軟性,耐食

性,施工性等の性能を活かし,高強度・高密度の水道配水用ポリエチレン管材料を,更に管継手としては施工性を考慮し,EF(エレクトロフュージョン)接合及び突き合わせ(バット)接合などを開発した。そして,平成8年9月に配水用ポリエチレン管協会と水道用ポリエチレンパイプシステム研究会の両

工業会から規格制定を求める要望書が日本水道協会に提出され,水道配水用ポリエチレン管・継手に関する調査及び規格制定専門委員会が設置され審議が重ねられた。その結果,平成9年9月16日に呼び径75~150についてJWWA K 144(水道配水用ポリエチレン管)

及び JWWA K 145(水道配水用ポリエチレン管継手)が日本水道協会規格として制定された。

その後,多くの水道事業者から,PWA 001と同様な受口付直管のニーズがあり,呼び径75~150のEF受口付直管について本規格を新規制定し,さらに,呼び径50,200についても配水管としてのニーズがあるため,追加して規定した。

2. 参考規格 この規格制定に当たっては,規格本体に示す引用規格及び関連規格のほか,次の規格を参考にした。

JWWA K 127 水道用ゴム輪形硬質塩化ビニル管JWWA K 128 水道用ゴム輪形硬質塩化ビニル管継手JWWA K 129 水道用ゴム輪形耐衝撃性硬質塩化ビニル管JWWA K 130 水道用ゴム輪形耐衝撃性硬質塩化ビニル管継手JIS K 6742 水道用硬質塩化ビニル管JIS K 6743 水道用硬質塩化ビニル管継手BS 3412 General purpose polyethylene materials for moulding and extrusionWIS No.4-24-01 Specification mechanical fittings and joints including flanges for polyethylene

pipes for the conveyance of cold potable water for the size range 90 to1000 inclusivemade of metal or plastics or a combination of both

WIS No.4-32-13 Specification for blue higher performance polyethylene,HPPE/PE100,pressurepipes,nominal size 90 to 1000,for underground or protected use for the conveyanceof water intended for human consumption.

WIS No.4-32-14 Specification for PE80 and PE100 electrofusion fittings for nominal sizes up to andincluding 630

WIS No.4-32-15 Specification for PE80 and PE100 spigot fittings and drawn bends for nominalsizes up to and including 1000

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3.規格各項の内容

3. 1 規格の名称 現在,水道給水用途で主に使用されている呼び径13~50の日本工業規格 JIS K 6762(水道用ポリエチレン管)と区別し,水道事業体のための規格であることを明確にするために,水道配水用ポリエチレン管とした。なお,英文の規格の名称は,規定されている材料が英文名で容易に判断できるように,対応国際規

格の名称の前にHigher performanceを付け加えることにした。3. 2 適用範囲(本体の1.) 適用範囲は,水道配水用プラスチック管として既に多くの実績があるJWWA K 127(水道用ゴム輪形硬質塩化ビニル管)及び JWWA K 129(水道用ゴム輪形耐衝撃性硬質塩化ビニル管)にあわせ,“使用圧力0.75MPa{7.6kgf/cm2}以下の水道に使用する。”とした。なお,従来単位は,参考として併記した。3. 3 引用規格(本体の2.) 引用規格は,材料の分類及び試験方法で,JIS規格に規定されていないものについては,ISO規格をそのまま引用した。3. 4 定義(本体の3.) この規格に用いる主な用語の定義は,JIS K 6900(プラスチック-用語)によったが,“呼び径”,“平均外径”,“外径厚さ比”,“未使用材料”,“再生材料”,“下方信頼性限界”,“最小要求強度”,“使用圧力”,“常温”,“形式検査”,“受渡検査”を本項で別途定義した。3. 5 種類(本体の4.) 管の種類は,“直管”と,管の端部にあらかじめ差込み型エレクトロフュージョン継手が接合された“EF受口付直管”とする。3. 6 性能(本体の5.) 性能は,対応国際規格の性能に,日本の地域事情を考慮し,過去に発生した事故を繰り返さないために耐塩素水性,耐環境力き裂性及び低速き裂進展性を追加規定した。更にポリエチレン管の特性を考慮し,軸方向及び周方向の強度について短期評価する必要があることから引張降伏強さ,引張伸び,耐圧性及び破壊水圧強さを追加規定した。なお,浸出性については,対応国際規格に地域的安全規則としての追加要求が認められている。

3. 7 外観及び形状(本体の6.) 色は,浸出性,耐塩素水性及び耐候性の性能を満足し,かつ,水道をイメージできる濃い青とした。3. 8 寸法及びその許容差(本体の7.) 外径及び厚さの寸法許容差に関しては既に採用実績のある,水道配水用ポリエチレン管(JWWA K 144)と同等の規定を採用した。また,管厚設計に関しては,設計内圧(最高許容圧力)1.0MPaに対して20℃,50年後の安全率2を確

保し,材料としてPE100を使用することを前提にSDR11(S5)を採用した。3. 9 材料(本体の8.) 材料は,対応国際規格に準拠し,再生材料の規定を設けると共に,附属書 1(規定)に材料の性能を規定した。3. 10 試験方法(本体の9.)3. 10. 1 引張試験(本体の9. 4) 引張試験方法は,JIS K 7161(ISO 527-1)に準拠し,引張速度及び試験片の形状・寸法は,ISO 6259-1及びISO 6259-3に準拠した。ただし,呼び径150の試験片の厚さは,管から試験片を打ち抜いて作製すると,試験片の狭い平行部分の幅が内側と外側で極端に異なり,性能に影響を及ぼす恐れがあるため,管の厚さhを5mm<h≦12mmの厚さになるまで切削加工しても良いこととした。3. 10. 2 耐圧試験(本体の9. 5) 耐圧試験は,対応国際規格には規定されていないが,管の強度について短期評価するために,JIS K 6762 にあわせて追加した。試験圧力は,内圧クリープ試験における20℃,100時間の試験圧力(2.48MPa)に近い値とした。3. 10. 3 破壊水圧試験(本体の9. 6) 一般的にポリエチレン管の破壊水圧試験では,内圧が最大圧力に達した後,管がクリープするのに伴って内圧が低下し,その後に破壊する。この規格では,この最大圧力を求めることとした。

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100

円周応力(MPa)

試験時間(時間) 50年後

10

110 100 1000 10000 100000 1000000

直線 A

直線 B再試験条件

解説図 1 内圧クリープ試験の試験条件及び再試験条件

3. 10. 4 熱安定性試験(本体の9. 7) ポリエチレン管の融着は,200℃を越える温度で行われるため,融着時の熱酸化劣化に対する管材料の性能を確認しておく必要があり,対応国際規格に準拠して規定した。熱安定試験方法は,ISO TR 10837 に準拠した。実際の融着に要する時間及び条件から判断して,

酸素雰囲気中で測定する酸化誘導時間20分は,十分な性能である。3. 10. 5 加熱伸縮試験(本体の9. 8) 成形加工時に管に発生する残留ひずみを調べる試験であり,試験方法は,ISO 2505-1 及び ISO 2505-2 に準拠した。3. 10. 6 浸出試験(本体の9. 9) 水道用器具の浸出試験方法として,JWWA Z 108,110 が制定されたのを受け,分析方法などを引用した。3. 10. 7 内圧クリープ試験(本体の9. 10) 内圧クリープ試験は,管の長期寿命を評価する大変有効な試験方法であり,試験方法は ISO 1167 に準拠し,試験条件は対応国際規格に準拠して解説表 1 のように規定した。

解説表 1 内圧クリープ試験の試験条件

試験条件1

20

100

12.4 {126.5}

試験温度

試験時間

管の円周応力 σ

時間

MPa{kg/cm2}

試験条件2

80

165

5.50 {56.1}

試験条件3

80

1000

5.00 {51.0}

備考 試験圧力は,管の寸法を基準寸法として,次のNadayの式より算出するものとした。

P = =D-t

2 tSDR-12

ここで,D:管の基準外径t:管の基準厚さ

これらの点をグラフ化すると解説図 1 のようになる。

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解説図1 において,直線A:試験条件1の点を通り,PE100の性能を満足する直線直線B:直線Aと平行な直線で,試験条件3の点を通る直線である。

直線Aと直線Bを満足する場合,管はPE100の性能を有していると推定できる。試験条件2は直線Bよりも厳しい条件を設定しているため,延性破壊した場合はその試験を無効とし,再試験できることとした。なお,再試験条件は,試験条件2よりも緩やかな条件ではあるが,直線Bよりは厳しい条件であり,再

試験条件のうちいずれかを満足すれば,管はPE100の性能を有していると推定できる条件を設定した。3. 10. 8 塩素水試験(本体の9. 11) 塩素水試験は,対応国際規格には規定されていないが,日本の水道水中に含まれる遊離残留塩素が比較的高濃度であることを鑑み,追加規定した。試験方法及び試験条件は,JIS K 6762に規定されている二層管にあわせた。3. 10. 9 環境応力き裂試験(本体の9. 12) 環境応力き裂試験は,対応国際規格には規定されていないが,過去に給水用で使用されたポリエチレン管でき裂漏水事故が多発したため,JIS K 6762 にあわせて追加規定した。ただし,ポリエチレン樹脂の高性能化を考慮し,かつ,性能判定を容易にするために240時間でき裂発生がないこととした。3. 10. 10 耐候性試験(本体の9. 13) 管の保管・運搬中に受ける太陽光による紫外線劣化に対する性能を調べるための試験であり,試験方法は,対応国際規格に準拠した。また,ISO 4892-1,ISO 4892-2,ISO 4892-3,及び ISO 4892-4 と整合化している JIS K 7350-1(プラ

スチック-実験室光源による暴露試験方法-第一部:通則),JIS K 7350-2(プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-第二部:キセノンアーク光源),JIS K 7350-3(プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-第三部:紫外線蛍光ランプ),JIS K 7350-4(プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-第四部:オープンフレームカーボンアークランプ)を実験室光源による暴露試験方法(以下,B法という。)として追加規定した。B法の追加規定に従い,これらの暴露試験方法では管を暴露することができないため,試験片によ

る暴露とし,対応国際規格に規定されている暴露後の試験項目から熱間内圧クリープ試験を削除した。3. 10. 11 低速き裂進展試験(本体の9. 14) ポリエチレン材料は比較的柔らかい材料であるため,運搬中や施工時,施工後に何らかの原因によって表面に傷が付く場合がある。このような傷の付いた管を使用した際の長期強度を評価する方法として,本項目を追加規定した。試験方法は,ISO 13479に準拠した。3. 10. 12 融着部相溶試験(本体の9. 15) この試験は,管を異なる製造条件(重合方法及び添加剤処方)によって作られたポリエチレン材料を用いて成形した管又は継手と融着した場合,融着部における異種材料の適合性を評価するための試験であり,試験方法は,対応国際規格に準拠した。3. 11 検査(本体の10.) 形式試験は,製品試作時及び材料並びに製品の製造工程に大幅な変更があった場合に,その製品の品質が要求特性をすべて満足するかどうかを判定するための検査として定め,この規格のすべての試験項目について検査することとしている。受渡検査は当事者間の協定によるものとした。3. 12 試験結果の数値の表し方(本体の11.) 他の関連するJISに従い規定している。3. 13 表示(本体の12.) 表示は,対応国際規格を考慮し,最大間隔1m以内に表示することとした。

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使用温度

圧力低減係数

最高許容圧力 

使用圧力   

MPa{kgf/cm2}

MPa{kgf/cm2}

40

0.74

0.74 {7.5}

0.49 {5.0}

35

0.80

0.80 {8.2}

0.55 {5.6}

30

0.87

0.87 {8.9}

0.62 {6.3}

25

0.93

0.93 {9.5}

0.68 {6.9}

20

1.00

1.00 {10.2}

0.75 { 7.6}

4. 取り扱い上の注意事項 次の記述を内容とする使用上の注意事項を,パンフレットなどに記入することが望ましい。4. 1 保管及び輸送上の注意

a)管は傷が付きやすいので,放り投げたり,引きずったりするようなことは避ける。b)管は,直射日光(紫外線)が当たると,管の材質が劣化するので,防護カバーなどで直射日光を避

けて保管する。c)管は,可燃性であるので,火気又は熱源に近づけてはならない。4. 2 配管上の注意

a)配管に当たっては,内外面の状態をよく確かめ,取り扱い時に発生した使用上有害な欠点があった場合は,その部分を切断除去する。

b)管の埋設は,サンドクッションとし,石,まくら木,胴木等の固形物が直接管にふれないように埋め戻す。

c)多量に灯油,ガソリンなどの有機溶剤を扱う場所などでの管の布設は,水質に悪影響を及ぼす場合があるので,土の汚染度の確認,非汚染度による埋め戻し,及び影響を受けにくい経路の検討などを行う。

d)管の布設方法は原則的に埋設とし,やむを得ず埋設しない場合は,管材質の劣化を防止するとともに,外部打撃が直接加わらないように,保護カバーを付けるなどの対策をとること。

4. 3 維持・管理上の注意 管は,0 ℃~40 ℃の温度範囲で使用する。ただし,管の耐圧性は温度依存性があるので,管を20 ℃~40 ℃の温度範囲で使用する場合は,使用圧力を低減する。参考 使用温度別の圧力低減係数を解説表 2 に示す。

解説表 2 使用温度別の圧力低減係数

備考 1. 最高許容圧力は,使用圧力に水撃圧0.25MPa{2.6kgf/cm2}を加えた圧力とする。

2. 圧力低減係数の導出は,対応国際規格に準拠した。

4. 4 その他の注意

a)地域住民の迷惑になるため,廃材を現場焼却してはならない。b)配管材料の残材や廃材の処分は,法律及び地方自治体の条例に従うこと。

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事 務 局 :

2003. 5. 3HU TX/SI

PWA配水用ポリエチレン管協会規格 水道配水用ポリエチレン管 PWA 003:2003

不許転載

配水用ポリエチレン管協会

資料コード PEE03-03

平成14年 3月 初  版 平成15年 5月 改訂1版