サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと...

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サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>. 平成 26年 10 月2日. (目 次). 7 .入所支援特有の機能及び求められる役割 8 . 児童 発達支援管理責任者 と 障害児 相談 支援専門員の関係と役割 9. 支援提供プロセスの実際   (1)相談支援時の状況把握   (2) アセスメント①初期状態の把握   (3 )アセスメント②基本的ニーズの把握  (4)アセスメント③課題の整理   (5)個別 支援計画の作成 (6) 個別支援計画の実施 - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

サービス管理責任者等研修テキスト分野別講義

   「アセスメントと       支援提供の基本姿勢」

<児童発達支援管理責任者>

平成26年10月2日

Page 2: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

1.児童発達支援管理責任者に係る事業概要

 (1)研修目標の確認 (2)障害児通所支援及び障害児入所支援

の概要 (3)最近の動向 (4)児童発達支援管理責任者の役割 2.総論 3.支援提供の基本的姿勢

4.支援提供のポイントとその評価

5.アセスメントのポイント

6.発達障害の理解とその対応 

  

7.入所支援特有の機能及び求められる役割

8.児童発達支援管理責任者と障害児相談支援専門員の関係と役割

9.支援提供プロセスの実際  (1)相談支援時の状況把握  (2)アセスメント①初期状態の把握  (3)アセスメント②基本的ニーズの把握  (4)アセスメント③課題の整理  (5)個別支援計画の作成  (6)個別支援計画の実施  (7)中間評価と修正①個別支援計画の評価  (8)中間評価と修正②個別支援計画の修正  (9)他機関との連携  ( 10 )就学・卒業等の移行期支援    ( 11 )終了時評価

(目 次)

Page 3: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

1 児童発達支援管理責任者に係る事業概要(15分)     (1) 研修目標の確認(ガイダンス)     (2) 障害児通所支援及び障害児入所支援の概要     (3) 最近の動向     (4) 児童発達支援管理責任者の役割

2 総論 

3 支援提供の基本的姿勢

4 支援提供のポイントとその評価

5 アセスメントのポイント

6 発達障害の理解とその対応

7 入所支援特有の機能及び求められる役割

8 児童発達支援管理責任者と障害児相談支援専門員の関係と役割

9 支援提供プロセスの実際 

講義の進行

9:00

児童発達支援管理責任者に係る事業概要

  2  総  論  3  支援提供の基本的姿勢  4  支援提供のポイントとその   評価

10:109:15

第2日目午前

2 時 間 40 分

1

11:40

( 140分 )

休憩

(10

  5  アセスメントのポイント  6  発達障害の理解とその対応  7  入所支援特有の機能及び求められる   役割  8  児童発達支援管理責任者と障害児相談      支援専門員の関係と役割  9  支援提供プロセスの実際

10:20

Page 4: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>
Page 5: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

1.児童発達支援管理管責任者に係る事業概要

 障害児通所支援及び障害児入所支援の概要と

障害児福祉の動向

厚生労働省 社会援護局障害保健福祉部 障害福祉課障害児・発達障害者支援室

Page 6: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

【児童福祉法に関する知識】○  平成24年4月以降の児童分野の制度改革について認識を深め、障害種別の一元化への対応の他、

保育所等訪問支援などの地域生活支援、障害児相談支援事業との連携について認識を深める。

【アセスメント、支援等に関する知識】○  適切な発達支援を行うために必要な発達評価(成育歴を含む)について認識を深める必要がある。 また、増加する発達障害児の療育ニーズに対応できるよう発達障害のアセスメント、支援等につい て、事例を通じながら認識を深める必要がある。  → 発達の評価方法、活用等について理解を 深める。

【発達支援・家族支援・地域支援】○  療育は、子どもの発達支援だけでなく家族支援、地域(生活)支援も重要である。障害受容等保

護者の心情に寄り添ったサポート、子どもや家庭のある地域資源へ支援について認識を深める必要がある。  → 障害受容など家族の心理機制について学習するとともに、家族のエンパワメント支援について理解を深める。また、地域支援の支援も押さえる。の3視点を押さえる。

【関係機関との連携】○  児童期は、短期間でライフステージが交代し、関係機関も多岐にわたる。切れ目のない継続的な

支援を行うためには、相談支援専門員をはじめ医療・保健・教育などの多くの関係機関との連携が必要である。  → 切れ目のない継続した支援の必要について、理解を深める。また、連携のカギとなる個別支援会議(移行会議等)の開催・運営について認識を深める。また、地域の発達支援システム構築について検討する自立支援協議会への参画の重要性について認識を深める。

○  必要に応じて、児童相談所との連携が必要である。 → 被虐待児童の支援に当たって共通認識を持って児童の権利擁護を図ることの重要性について理解を深める。

児童発達支援管理責任者研修のポイント児童発達支援管理責任者研修のポイント

Page 7: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

(1)研修目標の確認(1)研修目標の確認

 児童発達支援管理責任者の役割を理解する。

  ・アセスメント(ニーズの把握)と課題の整理  ・個別支援計画の作成とプロセス管理(モニタリ

ング、 計画修正)  ・終了後を意識した取り組み(関係機関との連

携)等について演習を行いながら理解するとともに、

「模擬支援会議」等を通じて、会議運営や児童の支援に従事する職員に対する指導・助言等についても理解する。

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児童発達支援

■ 基本報酬■ 児童発達支援センター(利用定員に応じた単位を設定)   ・難聴児・重症心身障害児以外   734~ 972単位   ・難聴児   896~ 1,215単位   ・重症心身障害児   795~ 1,147単位■ 児童発達支援センター以外(利用定員に応じた単位を設定)   ・重症心身障害児以外   366~ 622単位   ・重症心身障害児   694~ 1,599単位

■ 主な加算児童発達支援管理責任者専任加算( 22~ 410単位)→  児童発達支援管理責任者を専任で配置している場合に加算。 

延長支援加算( 61~ 123単位)→  営業時間が 8 時間以上であり、営業時間の前後の時間において支援を行った場合に加算。

福祉専門職員配置等加算( 6又は 10単位)→  ①常勤の児童指導員等のうち、社会福祉士又は介護福祉士の資格保有者が 25% 以上、②児童指導員又は保育士等のうち、常勤職員が 75% 以上又は勤続 3 年以上の常勤職員が 30% 以上。

○ 対象者■ 療育の観点から集団療育及び個別療育を行う必要があると認められる未就学の障害児。

○ 主な人員配置

○ サービス内容 

■ 日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援を行う。

■ 児童発達支援センター   ・児童指導員及び保育士  4:1 以上   ・児童指導員  1人以上   ・保育士  1人以上   ・児童発達支援管理責任者  1人以上■ 児童発達支援センター以外   ・指導員又は保育士  10:2 以上   ・児童発達支援管理責任者  1人以上○ 報酬単価(平成 26 年 4 月~)

○ 事業所数   2,662 (国保連平成 26年 3 月実績) ○ 利用者数   65,980 (国保連平成 26年 3 月実績)

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医療型児童発達支援

■ 基本報酬■ 医療型児童発達支援センター   ・肢体不自由児   332単位   ・重症心身障害児   443単位■ 指定医療機関   ・肢体不自由児   332単位   ・重症心身障害児   443単位

■ 主な加算児童発達支援管理責任者専任加算( 51単位)→  医療型児童発達支援センターにおいて児童発達支援管理責任者を専任で配置している場合に加算。 

延長支援加算( 61~ 123単位)→  営業時間が 8 時間以上であり、営業時間の前後の時間において支援を行った場合に加算。

福祉専門職員配置等加算( 6又は 10単位)→  ①常勤の児童指導員等のうち、社会福祉士又は介護福祉士の資格保有者が 25% 以上、②児童指導員又は保育士等のうち、常勤職員が 75% 以上又は勤続 3 年以上の常勤職員が 30% 以上。

○ 対象者

■ 肢体不自由があり、理学療法等の機能訓練又は医学的管理下での支援が必要と認められた障害児。

○ 主な人員配置○ サービス内容

■ 日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援及び治療を行う。

■ 児童指導員   1人以上■ 保育士   1人以上■ 児童発達支援管理責任者   1人以上

○ 報酬単価(平成 26 年 4 月~)

○ 事業所数   102 (国保連平成 26年 3 月実績) ○ 利用者数   2,676 (国保連平成 26年 3 月実績)

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放課後等デイサービス

■ 基本報酬■ 授業終了後(利用定員に応じた単位を設定)   ・重症心身障害児以外   281~ 482単位   ・重症心身障害児   573~ 1,320単位■ 休業日( 利用定員に応じた単位を設定)   ・重症心身障害児以外   366~ 622単位   ・重症心身障害児   695~ 1,600単位

■ 主な加算児童発達支援管理責任者専任加算( 68~ 410単位)→  児童発達支援管理責任者を専任で配置している場合に加算。 

延長支援加算( 61~ 123単位)→  営業時間が 8 時間以上であり、営業時間の前後の時間において支援を行った場合に加算。

福祉専門職員配置等加算( 6又は 10単位)→  ①常勤の児童指導員等のうち、社会福祉士又は介護福祉士の資格保有者が 25% 以上、②児童指導員又は保育士等のうち、常勤職員が 75% 以上又は勤続 3 年以上の常勤職員が 30% 以上。

○ 対象者■ 学校教育法第 1条に規定している学校(幼稚園及び大学を除く。)に就学しており、授業の終了後又は休業日に支援が必要と認められた障害児。

○ 主な人員配置○ サービス内容

■ 授業の終了後又は学校の休業日に、児童発達支援セン ター等の施設に通わせ、生活能力向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他必要な支援を行う。

■ 指導員又は保育士   10:2 以上■ 児童発達支援管理責任者  1人以上■ 管理者

○報酬単価(平成 26 年 4 月~)

○ 事業所数   4,254 (国保連平成 26年 3 月実績) ○ 利用者数   73,985 (国保連平成 26年 3 月実績)

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保育所等訪問支援

■ 基本報酬  912単位

■ 主な加算児童発達支援管理責任者専任加算( 68単位)→  児童発達支援管理責任者を専任で配置している場合に加算。 

利用者負担上限額管理加算( 150単位)→  事業所が利用者負担額合計額の管理を行った場合に加算。

○ 対象者

■ 保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校、認定こども園その他児童が集団生活を営む施設に通う障害児であって、当該施設を訪問し、専門的な支援が必要と認められた障害児。

○ 人員配置○ サービス内容

■ 保育所等を訪問し、障害児に対して、障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援その他必要な支援を行う。

■ 訪問支援員■ 児童発達支援管理責任者  1人以上■ 管理者

○報酬単価(平成 26 年 4 月~)

○ 事業所数   245 (国保連平成 26年 3 月実績) ○ 利用者数   1,155 (国保連平成 26年 3 月実績)

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福祉型障害児入所施設

■ 基本報酬

■ 主として知的障害児を入所させる施設(利用定員に応じた単位を設定)   441~ 737単位 

■ 主として自閉症児を入所させる施設(利用定員に応じた単位を設定)   568~ 732単位

■ 主として盲児を入所させる施設(利用定員に応じた単位を設定)   417~ 1,436単位

■ 主としてろうあ児を入所させる施設(利用定員に応じた単位を設定)   416~ 1,426単位

■ 主として肢体不自由児を入所させる施設(利用定員に応じた単位を設定)   678~ 712単位

■ 主な加算児童発達支援管理責任者専任加算( 7~ 148単位)→  児童発達支援管理責任者を専任で配置している場合に加算。 

小規模グループケア加算( 240単位)→  障害児に対して、小規模なグループによるケアを行った場合に加算。

福祉専門職員配置等加算( 4又は 7単位)→  ①常勤の児童指導員等のうち、社会福祉士又は介護福祉士の資格保有者が 25% 以上、②児童指導員又は保育士等のうち、常勤職員が 75% 以上又は勤続 3 年以上の常勤職員が 30% 以上

○ 主な人員配置○ サービス内容

■ 障害児入所施設に入所する障害児に対して、保護、日常生活の指導及び知識技能の付与を行う。

■ 児童指導員及び保育士   ・主として知的障害児又は自閉症児を入所させる施設 4.3:1 以上   ・主として盲児又はろうあ児を入所させる施設        乳児又は幼児  4:1 以上      少年  5:1 以上   ・主として肢体不自由児を入所させる施設  3.5:1 以上   ・児童指導員  1人以上   ・保育士  1人以上■ 児童発達支援管理責任者  1人以上

○報酬単価(平成 26 年 4 月~)

○ 事業所数   189 (国保連平成 26年 3 月実績) ○ 利用者数   1,918 (国保連平成 26年 3 月実績)

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医療型障害児入所施設

■ 基本報酬

■ 主として自閉症児を入所させる施設   321単位 

■ 主として肢体不自由児を入所させる施設   147単位

■ 主として重症心身児を入所させる施設   875単位

■ 主な加算児童発達支援管理責任者専任加算( 24単位)→  医療型障害児入所施設において児童発達支援管理責任者を専任で配置している場合に加算。 

小規模グループケア加算( 240単位)→  障害児に対して、小規模なグループによるケアを行った場合に加算。

福祉専門職員配置等加算( 4又は 7単位)→  ①常勤の児童指導員等のうち、社会福祉士又は介護福祉士の資格保有者が 25% 以上、②児童指導員又は保育士等のうち、常勤職員が 75% 以上又は勤続 3 年以上の常勤職員が 30% 以上

○ 主な人員配置○ サービス内容

■ 障害児入所施設又は指定医療機関に入所等をする障害児にたいして、保護、日常生活指導及び知識技能の付与並びに治療を行う。

■ 児童指導員及び保育士   ・主として自閉症児を入所させる施設  6.7:1 以上   ・主として肢体不自由児を入所させる施設        乳児又は幼児  10:1 以上      少年  20:1 以上   ・児童指導員  1人以上   ・保育士  1人以上■ 児童発達支援管理責任者  1人以上

○報酬単価(平成 26 年 4 月~)

○ 事業所数   185 (国保連平成 26年 3 月実績) ○ 利用者数   2,105 (国保連平成 26年 3 月実績)

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保健センター

(早期発見・早期対応)

就労・地域における自立

保育所

幼稚園 放課後児童クラブ

小学校

放課後等デイサービス

児童発達支援障害児入所支援

障害児のライフステージに応じた支援

中学校 高校

  在宅サービス(ホームヘルプ、ショートステイなど)   

連携による支援

 個別支援計画の作成・支援会議の開催による一貫した支援    ・ 個別の支援計画を作成し、関係者の連携により支援を行う。

    ・ 特に、障害の発見時、入学、進学、卒業時等の節目において支援。

新保育所保育指針 (21.3.28)

※「保育指導要録」を小学校に送付

保育所等訪問支援

(3)最近の動向(3)最近の動向

Page 15: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

   「障害児支援の在り方に関する検討会」について(今後の主な日程) ① 平成27年度報酬改定 ② 障害者総合支援法施行後  3年を目途とした制度見直し

H26.7 月 9 日報告書とりまと

め公表7月16日

H26.1 月 

検討会の立ち上げ

H26. 4月~5月 関係団体ヒアリン

グ(構成員名簿:合計 19名)朝貝 芳美   全国肢体不自由児施設運営協議会副会長石橋  章   一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会副会長 𠮷市川 宏伸   一般社団法人日本発達障害ネットワーク理事長大塚 晃    上智大学総合人間科学部教授(*座長代理)大濱 早苗   滋賀県湖南市健康福祉部社会福祉課発達支援室長大南 英明   全国特別支援教育推進連盟理事長岡田 喜篤   公益社団法人日本重症心身障害福祉協会理事長柏女 霊峰   淑徳大学総合福祉学部教授(*座長)片桐 公彦   特定非営利活動法人全国地域生活支援ネットワーク事務局長加藤 正仁   一般社団法人全国児童発達支援協議会会長佐藤 進    埼玉県立大学名誉教授高木 正三   社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会理事田中 齋    公益財団法人日本知的障害者福祉協会田中 正博   全国手をつなぐ育成会連合会統括田畑 寿明   特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会事務局次長柘植 雅義   筑波大学人間系障害科学域教授辻井 正次   中京大学現代社会学部教授宮田 広善   一般社団法人全国児童発達支援協議会副会長渡辺 顕一郎  日本福祉大学子ども発達学部教授          (敬称略、五十音順) 

* 左記構成員に 加えて、合計21団体 からのヒアリング等を 実施して意見を聴取

Page 16: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

   今後の障害児支援の在り方について  ~「発達支援」が必要な子どもの支援はどうあるべきか~             

○  地域社会への参加・包容( )の推進と合理的配慮インクルージョン○  障害児の地域社会への参加・包容を子育て支援において推進するため 

  の後方支援としての専門的役割の発揮

            平成 26 年7月 16 日障害児支援の在り方に関する検討会

○  ライフステージに応じた切れ目の無い支援(縦の連携)○  保健、医療、福祉、保育、教育、就労支援等とも連携した地域支援体制

  の確立(横の連携)

障害児本人の最善の利益の保障 家族支援の重視

地 域 に お け る 「縦 横 連 携」 の 推 進

基本理念

児童相談所等との連携

支援に関する情報の共有化

相談支援の推進

支援者の専門性の向上等 

(報告書のポイント)

Page 17: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

   今後の障害児支援の在り方について  ~「発達支援」が必要な子どもの支援はどうあるべきか~             

○  地域社会への参加・包容( )の推進と合理的配慮インクルージョン○  障害児の地域社会への参加・包容を子育て支援において推進するため 

  の後方支援としての専門的役割の発揮

            平成 26 年7月 16 日障害児支援の在り方に関する検討会

○  ライフステージに応じた切れ目の無い支援(縦の連携)○  保健、医療、福祉、保育、教育、就労支援等とも連携した地域支援体制

  の確立(横の連携)

障害児本人の最善の利益の保障 家族支援の重視

地 域 に お け る 「縦 横 連 携」 の 推 進

基本理念

児童相談所等との連携

支援に関する情報の共有化

相談支援の推進

支援者の専門性の向上等 

(報告書のポイント)

Page 18: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

<報告書提言の主な内容(1)>

〇 児童発達支援センターを中心とした重層的な支援体制(各センターによる

  保育所等訪問支援・障害児相談支援の実施等)○  保育所等訪問支援等の充実、入所施設への有期・有目的入所の検討〇 障害児相談支援の役割の拡充、ワンストップ対応を目指した  子ども・子育て支援新制度の「利用者支援事業」との連携〇 (自立支援)協議会の活性化、支援に関する情報の共有化を目的とした

  「サポートファイル」の活用〇 障害福祉計画における障害児支援の記載義務の法定化

①  地域における「縦横連携」を進めるための体制づくり

○  ライフステージごとの支援(乳幼児期、小学校入学前、学齢期、卒業後)〇 保護者の「気づき」の段階からの支援、保育所等での丁寧なフォローによる

  専門的な支援へのつなぎ、障害児等療育支援事業等の活用〇 教育支援委員会や学校等との連携、卒業後を見据えた就労移行支援事業

  所等との連携

②  「縦横連携」によるライフステージごとの個別の支援の充実

Page 19: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

〇 福祉の専門家だけでは適切に対応できないことを念頭に置いた医療・福祉

  の連携、医療機関や入所施設の専門性を活用した研修の実施○  強度行動障害支援者養成研修の推進、重症心身障害児者の地域支援の  コーディネート機能を持つ中核機関の整備に向けた検討

③  特別に配慮された支援が必要な障害児のための医療・福祉の連携

〇 ペアレント・トレーニングの推進、精神面のケア、ケアを一時的に代行する支援、保護者の就労のための支援、家族の活動、障害児のきょうだい支援 

④ 家族支援の充実

〇 一元化を踏まえた職員配置等の検討、放課後等デイサービス等の障害児支

  援に関するガイドラインの策定○  児童養護施設等の対応を踏まえた障害児入所施設の環境改善及び措置入

  所を含めた障害児入所支援の在り方の検討  

⑤ 個々のサービスの質のさらなる確保

<報告書提言の主な内容(2)>

→  子ども・子育て支援及び障害児支援の計画的進展のための関連部門の連携

Page 20: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児支援の強化~児童福祉法改正のポイント~

■障害児施設の一元化障害種別で分かれている現行の障害児施設を、通所による支援を「障害児通所支援(児童発達支援等)」、入所による支援を「障害児入所支援(障害児入所施設)」にそれぞれ一元化

■障害児通所支援の実施主体を市町村へ移行通所サービスの実施主体は身近な市町村に変更。これにより障害者自立支援法の居宅サービスと通所サービスの一体的な提供が可能。

■放課後等デイサービス、保育所等訪問支援の創設学齢児を対象としたサービスを創設し、放課後支援を充実。また、障害があっても保育所等の利用ができるよう訪問サービスを創設。

■在園期間の延長措置の見直し18歳以上の障害児施設入所者に対し自立支援法に基づく障害福祉サービスを提供し、年齢に応じた適切な支援を提供。              

*現に入所していた者が退所させられないようにする。

○  障害のある児童が身近な地域で適切な支援が受けられるようにするとともに、併せて、年齢や障害特性に応じた専門的な支援が提供されるよう質の確保を図る。

Page 21: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

 障害児施設・事業の一元化 イメージ

   児童デイサービス

重症心身障害児(者)通園事業(補助事業)

障害児通所支援

   ・児童発達支援   ・医療型児童発達支援   ・放課後等デイサービス   ・保育所等訪問支援

 障害児入所支援

    ・福祉型障害児入所施設    ・医療型障害児入所施設

通所サー

ビス

入所サービス

   知的障害児通園施設

   難聴幼児通園施設

   肢体不自由児通園施設(医)

   知的障害児施設   第一種自閉症児施設(医)   第二種自閉症児施設

   盲児施設   ろうあ児施設

   肢体不自由児施設(医)   肢体不自由児療護施設

   重症心身障害児施設(医)

<< 障害者自立支援法 >>

<< 児童福祉法 >>

(医)とあるのは医療の提供を行っているもの

<< 児童福祉法 >>

○   障害児支援の強化を図るため、現行の障害種別ごとに分かれた施設体系について、通所・入所 の利用形態の別により一元化。

【市町村】 【市町村】

 【都道府県】

 【都道府県】

Page 22: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

児童発達支援の概要                  

1.各障害別から3障害対応・身体に障害のある児童、知的障害のある児童又は精神に障害のある児童(発達障害児を含む)    *手帳の有無は問わず、児童相談所、市町村保健センター、医師等により療育の必要性が認められた児童も対象

・障害特性へのきめ細かい配慮を行いつつ、様々な障害を受け入れ通所支援を提供

 *3障害対応を原則とするが、障害の特性に応じた支援の提供も可能       

3.小規模ニーズへの対応 

2.地域支援体制の強化

 利用定員を10人以上 (*重症心身障害児(者)通園事業からの移行の児童発達支援事業の場合は5人以上)

○  従来の各障害別に分かれていた障害児通園施設・事業については、「児童発達支援」に一元化  し、様々な障害があっても身近な地域で適切な支援が受けられるようにする。○  児童発達支援には、従来の事業形態等を踏まえて、①児童福祉施設として位置づけられる児  童発達支援センター、②その他の児童発達支援事業の2類型。

◆ 通所支援のほか、身近な地域の障害児支援の拠点  として、 ①地域にいる障害児や家族への支援、 ②地域の障害児を預かる施設に対する支援を実施す    るなどの地域支援を実施

◆ 関係機関等と連携を図りながら重層的な支援を提  供するとともに、児童発達支援事業との支援ネット ワークを形成するなど、地域支援体制を強化

◇ 専ら通所利用の障害児に対する支援を行う身    近な療育の場として位置づけ

◇ 児童発達支援センターよりも緩やかな実施基準  とし、児童発達支援事業の設置を促進

◇ 児童発達支援センターとの支援ネットワーク  より地域をカバー(児童発達支援センターから

の  支援等によ り質も向上)

(1)児童発達支援センター (2)児童発達支援事業

Page 23: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

放課後等デイサービスの概要○ 事業の概要

・ 学校通学中の障害児に対して、放課後や夏休 み等の長期休 暇中において、生活能力 向上のための訓練等を継続的に提供することにより、学校教育と相まって障害児の自 立を促進するとと もに、放課後等の居場所づくりを推進。

○ 対象児童  学校教育法に規定する学校(幼稚園、大学を除く)に就学している障害児

    (*引き続き、放課後等デイサービスを受けなければその福祉を損なうおそれが

       あると認めるときは満20歳に達するまで利用することが可能)

○ 利用定員 10人以上 ※児童デイサービスからの移行を考慮

放課後等デイサービス事業所

C中学校B小学校

◆  学校授業終了後又は休業日に おいて、生 活能力の向上のために必要な訓練、社会 との交流の促進等     ①自立した日常生活を営むために必要な訓練        ②創作的活動、作業活動     ③地域交流の機会の提供 ④余暇の提供

◆ 学校との連携・協働による支援(学校と放課後等デイサービスのサービスの一貫性)

○ 提供するサービス

◎放課後利用

◎夏 休 み等の長期休 暇利用 ・ 午前・午後クラスなど、プロ   グラムの工夫

◎学校と事業所間の送迎

D特別支援学校A特別支援学校

Page 24: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

・ 保育所、幼稚園、認定こども園・ 小学校、特別支援学校・ その他児童が集団生活を営む

施設として、地方自治体が認めたもの

  

保育所等訪問支援の概要○ 事業の概要

・ 保育所等を現在利用中の障害児、又は今後利用する予定の障害児が、保育所等に おける集団生活の適応のための専門的な支援を必要とする場合に、訪問支援を実施 することにより、保育所等の安定した利用を促進。

○ 対象児童

A保育所

A幼稚園

B幼稚園 B保育所

児童発達支援センター  事業

保育所等訪問支援集団生活への適応支援

集団生活への適応支援

集団生活への適応支援

集団生活への適応支援

○ 訪問先の範囲

◆ 障害児が集団生活を営む施設を訪問し、当該施設における障害児以外の児童との集団生活への適応のための 専門的な支援等                   ①障害児本人に対する支援(集団生活適応のための訓練等)                                  ②訪問先施設のスタッフに対する支援(支援方法等の指導

等)◆ 支援は2週に1回程度を目安。障害児の状況、時期によって頻度は変化。◆ 訪問支援員は、障害児施設で障害児に対する指導経験のある児童指導員・保育士(障害の特性に応じ専門的 な支援が必要な場合は、専門職)を想定。

○ 提供するサービス

個別給付の ため障害受 容が必要

相談支援事業や、スタッフ支援を行う障害児等療育支援事業等の役割が重要保育所や、児童が集団生活を営む施設に通う障害児

*「集団生活への適応度」から支援の必要性を判断       *発達障害児、その他の気になる児童を対象      

Page 25: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児入所支援の概要 

・ 身体に障害のある児童、知的障害のある児童又は精神に障害のある児童(発達障害児を含む)   *手帳の有無は問わず、児童相談所、医師等により療育の必要性が認められた児童も対象   *3障害対応を原則とするが、障害の特性に応じた支援の提供も可能(ただし、医療型の対象は、知的障害児、肢体不自由児、重症心身障害

児)

○  従来の各障害別に分かれていた障害児入所施設については、「障害児入所施設」として一元化 し、重複障害等への対応の強化を図るとともに、自立に向けた計画的な支援を提供。○  障害児入所施設には、従来の事業形態等を踏まえて、①福祉型障害児入所施設、②医療を併 せて提供する医療型障害児入所施設の2類型。

1.各障害別から3障害対応

2.様々な障害や重複障害等への対応

◆ 従来の障害種別の施設と同等の支援を確保するとともに、主たる対象とする障害以外の障害を受け入れた 場合に、その障害に応じた適切な支援を提供(医療型は、このほか医療を提供)

◆ 18歳以上の障害児施設入所者は、障害者施策(障害者総合支援法の障害福祉サービス)で対応することと なることを 踏まえ、自立(地域生活への移行等)を目指した支援を提供。      *重症心身障害児施設は、重症心身障害の特性を踏まえ児者一貫した支援の継続が可能

  福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設

3.18歳以上の障害児施設入所者への対応・  障害者総合支援法の障害福祉サービスにより年齢に応じた適切な支援を提供。 * 障害福祉サービスの指定を受ける。現に入所していた者が退所させられないようにするため、指定に当たっての特例措 置を講ずる。         *ただし、引き続き、入所支援を受けなければその福祉を損なうおそれがあると認めるときは、満20歳に達するまで利用   

       することが可能。

Page 26: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

  ○ 福祉型障害児入所施設について

障害児入所施設

・福祉型

 18歳(20  歳※)以上  の入所者

児童福祉法

障害者自立支援法

     障害の程度軽 重

《法律上》保護、日常生活の指導、知識技能の付与

専門機能の強化

 ・知的障害、盲ろうあ、           肢体不自由など、障  害の特性に応じて提  供

 ・重度・重複障害児、被虐待児等への対応

自立(地域生活移行)のための支援

〔例〕

知的障害児施設

盲ろうあ児施設

肢体不自由児療護施設

※保護を目的としたサービス

※昼夜分離せず  施設内完結型 サービス

※年齢の区分が 曖昧なサービス

【見直し前】

【24年4月】

児童福祉法

○ 障害者施策による対応

昼夜分離したサービス

障害者施策に繋ぐ支援

 福祉型障害児入所施設は、重度・重複化への対応や障害者施策に繋 ぐための自立支援の機能を強化するなど、支援目標を明確化し、個別支援計画を踏まえた支援の提供を目指す。

-支援目標を明確化-個別支援計画の作成

年齢

居住環境の整備

(※)支援がなければ福祉を損なうおそれがあると認められるとき

施設入所支援

生活介護等

地域生活移行

グループホーム・ケアホーム

の利用

Page 27: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児入所施設

・医療型

児童福祉法

障害者自立支援法

《法律上》保護、日常生活の指導、知識技能の付与及び治療

第1種自閉症児施設

肢体不自由児施設

重症心身障害児施設

※保護を目的とし たサービス

※昼夜分離せず 施設内完結型  サービス

※年齢の区分が 曖昧なサービス

【見直し前】

【24年4月】

児童福祉法

昼夜分離したサービス

医療型障害児入所施設においては、専門医療と福祉が併せて提供されている現行の形態を踏まえ、専門性を維持するか、又は複数の機能を併せ持つことも可。また、支援内容について、障害者施策に繋げる観点から見直 し、個別支援計画を踏まえた支援の提供を目指す。

自閉症児支援 肢体不自由児支援 重症心身障害児支援

○ 専門機能の強化   ・自閉症、肢体不自由、重症心身障害など、障害の特性に応じ

て提供、重度・重複障害児等への対応   ・専門医療の提供

施設入所支援

生活介護等

・短期訓練・強度行動障害へ の対応

・母子入園(通園)

・継続的な長期療育

・できる限り日中活動 サービス提供

※専門性を維持、又は複数の機能を有することも可

・精神科医療 ・リハビリ科医療

個別支援計画の作成

連携 医

療機関

個別支援計画の作成

〔例〕

療養介護

○ 障害者施策による対応 法

   (※)支援がなければ福祉を損なう       おそれがあると認められるとき

 18歳(20  歳※)以上  の入所者

○ 障害者施策に繋 ぐための支援

児者一貫した支援

  ○ 医療型障害児入所施設について

Page 28: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

Ⅰ ね ら い  ○発達障害の定義と発達障害への理解の促進  ○発達障害者に対する生活全般にわたる支援の促進  ○発達障害者支援を担当する部局相互の緊密な連携の確保

 Ⅱ 概  要定義:発達障害=自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、        注意欠陥多動性障害などの脳機能の障害で、通常低年齢で発現する障害

○早期の発達支援○乳幼児健診等に よる早期発見

○ 就学時健康診断における発見○ 適切な教育的支援・支援体制の 整備○放課後児童健全育成事業の利用○ 専門的発達支援

○ 発達障害者の特性に応じた 適切な就労の機会の確保○ 地域での生活支援○ 発達障害者の権利擁護

【都道府県】 発達障害者支援センター(相談支援・情報提供等)、専門的な医療機関の確保 等  

【国】専門的知識を有する人材確保(研修等)、調査研究 等 

就学前(乳幼児期) 就学中(学童期等) 就学後(青壮年期)

※平成16年12月  超党派による議員立法により成立      17年 4月  施行     22年12月 発達障害が障害者自立支援法に明確化

Page 29: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

 

巡回支援専門員整備事業

  発達障害等に関する知識を有する専門員(※)が、保育所等の子どもやその親が集まる施設・場を巡回し、施設のスタッフや親に対し、障害の早期発見・早期対応のための助言等の支援を行う。 ※  「発達障害等に関する知識を有する専門員」   ・医師、児童指導員、保育士、臨床心理技術者、作業療法士、言語聴覚士等で発達障害に関する知識を有する者   ・障害児施設等において発達障害児の支援に現に携わっている者   ・学校教育法に基づく大学において、児童福祉、社会福祉、児童学、心理学、教育学、社会学を専修する学科又は    これに相当する課程を修めて卒業した者であって、発達障害に関する知識・経験を有する者       ○専門員は、国リハで実施している発達障害に関する研修や地域の発達障害者支援センター等が実施する研     修等を受講し、適切な専門性の確保を図る。

               【予算カ所数:平成24年度:113か所→平成25年度 地域生活支援事業に統合】

【市町村】

教 育

保 健

医 療福 祉

保育所

児童館

つどいの広場1歳6ヶ月3歳児健診

幼稚園

巡回相談

Page 30: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

 各都道府県・指定都市に設置する発達障害者支援センターにおいて、発達障害児(者)またはその家族などに対して、相談支援、発達支援、就労支援及び情報提供などを行う。 

※ 67都道府県・政令指定都市で設置

発達障害者支援センター運営事業    

厚生労働省

都道府県・指定都市

発達障害者支援センター

○ 障害者総合支援法第 78 条に規定 される専門性の高い相談支援事業○ 自閉症児施設等へ附置(原則) ※相談支援等に関する知見の活用、   夜間緊急時での対応等のため

●相談支援(来所、訪問、電話等による相談)●発達支援(個別支援計画の作成・実施、夜間等の緊急時の一時保護等)

●普及啓発(パンフレット等による理解の促進)

●就労支援(就労に向けての相談等)※ 対象:発達障害児(者)のみ

●研修(関係機関、民間団体等への研修)

発達障害児(者)  ・家族

    関係施設・関係機関

(関係施設) 障害児入所施設 障害者支援施設 等

(関係機関) 保健所、医療機関、福祉事務所、 児童相談所、知的障害者更生相談所 保育所、学校、公共職業安定所 地域障害者職業センター、企業 等

補助

直接実施  又は委託(社会福祉法人等)  ※平成22年3月31日より医療法人,地方    独立行政法人も可

連携

支 援

実施

Page 31: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

発達障害者支援体制整備     乳幼児期から成人期における各ライフステージに対応する一貫した支援を行うため、関係機関等によるネットワークを構築し、支援体制を整備するとともに、ペアレント・メンターの養成等により、発達障害児(者)及びその家族に対する支援の強化を図る。 さらに、平成26年度から、家族支援及び当事者支援としてペアレント・トレーニングとソーシャル・スキル・トレーニングを新たにメニューに追加するとともに、センター等に「発達障害者地域支援マネジャー」を配置するなど、地域支援機能の強化を図る。

   

     【都道府県・指定都市】

  【市町村】

発達障害者支援センター

医療機関等◆早期発見・早期発達支援体制の構築(巡回による支援)◆個別支援ファイルの作成(アセスメントツールの導入)◆ペアレント・メンター等の活用による家族支援  等

保健

労働 その他教育

福祉医療

関係機関等のネットワークの構築

連携

●調査・評価(市町村の支援体制の状況調査・評価)

●検討委員会

(県内の状況把握や、ペアレント・メンターの養成等の支援体制の充実に向けて検討)

・ペアレント・メンターの養成        

●発達障害特有のアセスメントツール の導入促進(M-CHATやPARS等の導入を促進する 研修の実施)

・ ・ ・ の配置ペアレント メンター コーディネーター(平成23年度~)

        地域生活支援事業において実施

・ペアレント・トレーニング  (家族の対応力向上:平成 26 年度~)

・ソーシャル・スキル・トレーニング  (当事者の適応力向上:平成26年度~)

●発達障害者地域支援マネジャーの配置(平成26年度~市町村・事業所等支援、医療機関との連携及び困難ケースへの対応等の地域支援機能強化)

●家族支援等

助言・指導等助言・指導等

支援

文部科学省特別支援教育関連事業連携

連携

Page 32: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

 学校と障害児通所支援を提供する事業所や障害児入所施設、居宅サービスを提供する事業所(以下「障害児通所支援事業所等」という。)が緊密な連携を図るとともに、学校等で作成する個別の教育支援計画及び個別の指導計画(以下「個別の教育支援計画等」という。)と障害児相談支援事業所で作成する障害児支援利用計画及び障害児通所支援事業所等で作成する個別支援計画(以下「障害児支援利用計画等」という。)が、個人情報に留意しつつ連携していくことが望ましい。

児童福祉法等の改正による教育と福祉の連携の一層の推進について(概要)

◆ 趣旨(平成24年4月18日付厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課連名通知)

◆ 留意事項1 相談支援 

障害児支援利用計画等の作成を担当する相談支援事業所と個別の教育支援計画等の作成を担当する学校等が密接に連絡調整を行い、就学前の福祉サービス利用から就学への移行、学齢期に利用する福祉サービスとの連携、さらには学校卒業に当たって地域生活に向けた福祉サービス利用への移行が円滑に進むよう、保護者の了解を得つつ、特段の配慮をお願いする。

2 障害児支援の強化(1) 保育所等訪問支援の創設このサービスが効果的に行われるためには、保育所等訪問支援の訪問先施設の理解と協力が不可欠

であり、該当する障害児の状況の把握や支援方法等について、訪問先施設と保育所等訪問支援事業所、保護者との間で情報共有するとともに、十分調整した上で、必要な対応がなされるよう配慮をお願いする。

(2) 個別支援計画の作成    障害児通所支援事業所等の児童発達支援管理責任者と教員等が連携し、障害児通所支援等にお

ける個別支援計画と学校における個別の教育支援計画等との連携を保護者の了解を得つつ確保し、相乗的な効果が得られるよう、必要な配慮をお願いする。

Page 33: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

事務連絡平成 2 5 年 1 0 月 1 8 日

各               障害児支援担当課 御中厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課

障害児・発達障害者支援室障害児支援係

障害児に対する支援に係る教育機関との連携について

   平素より、障害保健福祉行政の推進に、格段の御高配を賜り厚く御礼を申し上げます。   10月4日付で各都道府県・指定都市教育委員会委員長、都道府県知事等宛てに、文部科学省  初等中等教育局長通知「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について」が  通知されております。   また、同省のホームページでは「教育支援資料~障害のある子供の就学手続と早期からの一貫  した支援の充実~」が公表されております。これらの資料は、主に障害児の就学手続等について  記載されておりますが、福祉などとの連携について、その重要性に触れられている部分も多く記載  されております。   つきましては、貴都道府県市の障害児支援担当課におかれましても、これらの内容についてご 了知いただき、教育部局と連携をしながら障害児支援の施策をさらに進めていただきますよう、よろ しくお願いいたします。   また、各都道府県におかれましては、貴管内市町村の障害児支援担当課にも周知いただきます ようご配慮願います。

  <参考:教育支援資料掲載ページ(文部科学省)>        http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1340250.htm   添付資料 (以下略)

都道府県指定都市児童相談所設置市

Page 34: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

 介護保険法令に基づく療養通所介護事業所において、主に重症心身障害児・者を通わせる児童発達支援等を実施する場合の指定基準の取扱いを明確にし、医療的ニーズの高い重症心身障害児・者の地域での受入を促進し、 QOLの向上及び介護者等のレスパイトを推進する。

主に重症心身障害児を通わせる児童発達支援の事業等を療養通所介護事業所において実施する場合の取扱い(概要)(平成24年4月3日付厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課、老健局老人保健課連名事務連絡)

療養通所介護(介護保険法)

主に重症心身障害児・者を通わせる児童発達支援等

主に重症心身障害児を通わせる児童発達支援・放課後等デイサービ

主に重症心身障害者を通わせる生活介護事業

定員 9名以下 5名以上(左記の定員のうち上記定員を設定可)

人員配置

管理者 管理者1名(看護師兼務可) 1名  (左記との兼務可 )

嘱託医 - 1名 (特に要件なし)

従業者看護師又は介護職員 (利用人数に応じて1.5:1を配置)

児童指導員又は保育士1名以上看護師1名以上機能訓練担当職員1名以上※提供時間帯を通じて配置。

生活支援員看護職員理学療法士又は作業療法士 ( 実施する場合)※上記職員の総数は障害程度区分毎に規定。

支援管理責任者

- 児童発達支援管理責任者1名 (管理者との兼務可。専任加算あり)

サービス管理責任者1名 (管理者及び左記との兼務可)

設備専用部屋  ( 6.4㎡/人)必要な設備(兼用可)

指導訓練室の他、必要な設備 (左記と兼用可)

◆ 指定基準の概要

◆ 趣旨

※主に、重症心身障害児・者を通わせる場合、児童発達支援及び放課後等デイサービス、生活介護を一体的に運営することが可能。※主に、重症心身障害児・者を通わせる場合、療養通所介護事業の人員基準に規定のない「児童指導員又は保育士」と「児童発達支援  管理責任者」又は「サービス管理責任者」の配置が必要。

Page 35: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

 

障害児支援体制整備事業(平成24年度~)

  障害児やその家族が地域で安心して暮らすことができるよう、児童発達支援センターの地域における支援機能の充実を図るほか、障害児及びその家族が気軽に利用できる場所を整備し、交流や遊びの場の提供を行うことにより、地域支援体制の整備を図る。              

目  的

(1)児童発達支援センター地域支援機能強化事業   児童発達支援センターに、地域の障害児やその家族への療育相談や他の障害児通所支援事業所への支援方法の技術的指導を行う専門職員を配置し、地域支援の強化に取り組む。   ※専門職員には、障害児やその家族への相談、施設への助言・指導を適切に行うことができる     児童指導員、保育士等を配置

(2)障害児の居場所づくり事業  

障害児通所支援事業等を利用していない地域で生活する障害児及びその家族が気軽に利用できる身近な敷居の低い場所を整備し、親同士の交流や子どもの遊び場の提供を行うとともに、子育て等に関する支援を行う。

事業概要

Page 36: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

児童発達支援センター等の機能強化等(平成25年度~)                            

                           地域における障害児等支援の基盤整備を進めるには、地域の障害児等支援の拠点を整備する必要があるため、児童発達支援センター等について、安定的な事業運営を図りつつ事業内容の改善を行うことによる機能強化等を進めるほか、障害福祉サービス事業所等による地域住民の相談等の対応及び啓発等を図る。

1 事業目的

○  都道府県等の計画的な指導の下、個々の児童発達支援センター等の特徴に応じて、多障害等対応や早期かつ専門的な対 応といった機能強化を推進するほか、地域に開かれた事業所運営を促進するため相談や助言等を実施するための体制整備、 介助や就労訓練体験を通した地域交流会の開催等を実施する。○  また、基本事業に加え、地域の障害児等支援の取組の充実を図る事業や障害が疑われる児童をサービスに繋げるための事業

を実施し、多様な地域支援を推進する。

2 事業内容

①  多障害等対応地域支援様々な障害の種別や障害の特性に対応した専門的かつ適切な

支援等を実施できるよう体制整備を図り、また、支援困難事例に対応できるようにするための人材養成等(研修、マニュアル作成、関係機関のネットワーク構築等)に取り組む。

②  早期専門対応地域支援障害の早期発見・支援に取り組むため、従事職員の専門性向上

のための研修実施や従事職員の指導を行う専門職員を配置することにより、支援技術等の向上を図るための指導体制を確保する。

③  住民相談等対応地域支援   地域に開かれた事業所運営を促進するため、相談や助言

等  を実施するための体制整備、介助や就労訓練の体験を通じ

た  地域交流会の開催、障害者が作成した商品の展示会等の開  催を通じた地域住民の啓発等を目的とした事業を実施する。 

①  地域の障害児等支援の取組の充実を図る事業(例) ・夏休み等の活動の場づくり(文化芸術活動、(文化芸術活動、     スポーツ・レクリエーション活動の実施等) ・学校入学前の障害児に対する集団適応ための指導・訓練の     実施     ・障害児の親に対する療育指導等の実施    ・乳幼児期からの早期療育や各ライフステージ毎に必要な支援     の連携した提供  等

②  障害が疑われる児童をサービスに繋げるための事業(例) ・産後の母親に対する相談等支援の実施

・親子体験通園等の実施     ・障害児通所支援の専門性を活かし、母子保健事業や保育所     等の従業者を対象とした障害児支援に関する研修の実施 

選択事業(基本事業とあわせて実施)基本事業

3 実施主体   都道府県、指定都市、中核市

Page 37: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

〈平成24年度〉・北海道療育園・下志津病院・全国重症心身障害児(者) を守る会・甲山福祉センター・久留米市介護福祉サービス 事業者協議会

〈平成25年度〉・北海道療育園・びわこ学園障害者支援セン  ター・大阪発達総合療育センター フェニックス・重症児・者福祉医療施設 鈴が峰・南愛媛療育センター

重症心身障害児者の地域生活モデル事業の概要

①  地域の現状と課題の  把握・地域の重症心身障害児者の実 情を把握                       ・利用できる地域資源の把握・地域の資源マップの作成➜  課題の明確化

②  協議の場の設定・目的に沿って有効な支援を図ることができる  構成員を選定〈当事者、行政、医療、福祉、  教育等関係機関等〉・検討内容は、実情把握、地域資源の評価、 必要な支援体制の構築、運営、評価、改善・多様な形態(障害者総合支援法に基づく協議 会の専門部会、ショートステイ連絡協議等)

③  コーディネートする者の配置・福祉と医療に知見のある者を配置(相談支援  専門員と看護師がペアを組む、相談支援専門 員に看護師を置く等)

⑥ 重症心身障害児者や家族に対する支援

・「アセスメント」「計画支援」「モニタリング」 ★ツール1・保護者の学びの場の提供〈家族介護教室等〉・重症心身障害児者のきょうだい支援〈きょうだいキャンプ〉・家族のレスパイト支援〈ショートステイ〉・重症心身障害児者のケアホーム利用・地域の既存資源の再資源化・中山間地域の支援〈ICTの活用、巡回相談〉・ライフステージに応じた支援          ★ツール2・病院からの退院支援              ★ツール3  <退院後の生活に関する病院と家族の意識の違いを埋める >・病院退院後のニーズと支援 <退院後の訪問看護等ニーズに対応 >               

④  協働体制を強化する工夫・支援の届かない地域の施設等との相互交換  研修や出前研修の実施〈実技研修が有効〉・地域の相談支援事業所の後方支援〈相談支 援専門員等に向けたセミナーの開催、調査 等〉

⑤  地域住民への啓発・重症心身障害児者の生活を知ってもらうた  めに、講演会やドキュメンタリー映画の上 映会の開催・重症心身障害児者や家族のエンパワメント  を視野に入れたイベントの開催

 支援ツールの例           (平成 24 年度報告書に掲載) ★1『重症心身障害児者のアセスメントシート』 ★2『重症心身障害児者のライフサイクル別検討シート』 ★3『NICUから地域移行に向けての支援ガイド』                       

現状等の共有

○  重症心身障害児者及びその家族が地域で安心・安全に生活できるようにするため、医療型障害児入所施設等を中核として関係する分野との協働による支援体制を構築すること等による総合的な地域生活支援の実現を目指し、モデル事業を実施。

○  平成24・25年度に採択された9団体が取り組んだ実例の報告をもとに、重症心身障害児者の地域生活を支援する体制をつくる上で特に留意すべき点をまとめると以下の通りである。

幅広い分野にわたる協働体制の構築 具体的な支援の取組:好事例集

H26.5月障害児・発達障害者支援室

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/cyousajigyou

Page 38: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

■ 背景・課題 ○ 新生児集中治療管理室(NICU)等から退院し重度の医療的ケアを要する小児等の在宅医療については    特有の課題に対応する体制整備が必要 ■ 本事業の目的・概要 ○ 小児等在宅医療を担う医療機関を拡充 (診療所、訪問看護、医療型短期入所施設など) ○ 地域における医療・福祉・教育の連携体制の構築 ○ 医療と連携した福祉サービスを提供できるコーディネータ機能の確立

【 24 年度要求額 :1804百万円 】■ 小児等在宅医療連携拠点事業                   

                                

平成26年度  151 百万円 

○  市町村自立支援協議会などでの医療と福祉との顔の見える関係○  福祉・教育・行政職員に対する研修、アウトリーチ

○  協議会の開催○  地域資源の把握○  一般住民に対する理解促進

地域における包括的かつ継続的な在宅医療を提供するための体制を構築する。① 二次医療圏や市町村等の行政・医

療・福祉関係者等による協議を定期的に開催

② 地域の医療・福祉・教育資源の把握・活用

③ 受入が可能な医療機関・訪問看護事業所数の拡大、専門機関とのネットワークを構築

④ 福祉・教育・行政関係者に対する研修会の開催やアウトリー チによる医療と福祉等の連携の促進

⑤ 個々のニーズに応じた支援を実施するコーディネータ機能の確立

⑥ 患者・家族や一般住民に対する理解促進の取り組み

特別支援学校・学校

居宅介護重度訪問介護

生活介護

日中一時支援短期入所 保育所等

児童発達支援放課後等デイサービス

医療型障害児入所施設

市町村保健センター

高次機能病院小児専門病院

小児科診療所在宅療養支援診療所

地域中核病院

相談支援事業所

訪問看護訪問看護

NICU 等から退院

訪問診療

入院の保障・技術的支援

転院・専門医療

周産期センター

地域の福祉・教育機関との連携

医療連携体制

都道府県による支援

障害児支援利用計画サービス等利用計画

※  群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・ 長野県・三重県・福岡県・長崎県の9都県で実施

連携

拠点のイメージ: 高次機能病院、在宅療養支援診療所、              医療型障害児入所施設など 

支援

○  長期入院児の退院を調整○  受け入れ医療機関の拡充

支援

コーディネータ機能の確立

Page 39: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

○  全国の児童相談所での児童虐待に関する相談対応件数は、児童虐待防止法施行前の平成11年度に比べ、   平成25年度は6.3倍に増加。    

○  全国の児童相談所での児童虐待に関する相談対応件数は、児童虐待防止法施行前の平成11年度に比べ、   平成25年度は6.3倍に増加。    

1,1011,1711,3721,6111,9612,7224,1025,3526,93211,631

17,72523,274 23,738

26,56933,408 34,47237,323

40,63942,66444,211

56,38459,919

66,701

73,765

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

(速報値)

○  児童虐待によって子どもが死亡した件数は、高い水準で推移。○  児童虐待によって子どもが死亡した件数は、高い水準で推移。

※  第1次報告から第9次報告までの「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」より

 

第1次報告 第2次報告 第3次報告 第4次報告 第5次報告 第6次報告 第7次報告 第8次報告 第9次報告( H23.4.1 ~H24.3.31 )

( H15.7.1 ~H15.12.31 )

( H16.1.1 ~H16.12.31 )

( H17.1.1 ~H17.12.31 )

( H18.1.1 ~H18.12.31 )

( H19.1.1 ~H20.3.31 )

( H20.4.1 ~H21.3.31 )

( H21.4.1 ~H22.3.31 )

( H22.4.1 ~H23.3.31 )

虐待死

心中 計虐待死

心中 計虐待死

心中 計虐待死

心中 計虐待死

心中 計虐待死

心中 計虐待死

心中 計虐待死

心中 計虐待死

心中 計

例 数 24 - 24 48 5 53 51 19 70 52 48 100 73 42 115 64 43 107 47 30 77 45 37 82 56 29 85

人 数 25 - 25 50 8 58 56 30 86 61 65 126 78 64 142 67 61 128 49 39 88 51 47 98 58 41 99

※  平成 22 年度は、東日本大震災の影響により、福島県を除いて集計した数値

児童虐待相談の対応件数及び虐待による死亡事例件数の推移

Page 40: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

児童福祉法第28条(家裁の承認を得て行う施設入所措置)及び第33条の7(家裁に対して児童相談所長が行う親権喪失等請求)の件数

事項 33条の7による親権喪失宣告等の請求

請求件数 185 3承認件数 163 (88%) 2請求件数 235 4承認件数 182 (77%) 1請求件数 230 3承認件数 173 (75%) 2請求件数 230 3承認件数 214 (93%) 2請求件数 255 16承認件数 239 (94%) 2請求件数 267 9承認件数 218 (82%) 6請求件数 294 38承認件数 244 (83%) 14

24平成 年度

23平成 年度

18平成 年度

19平成 年度

21平成 年度

28条による施設入所措置の承認申立

20平成 年度

22平成 年度

○  平成24年度の28条(家裁の承認を得て行う施設入所措置)に基づく請求件数は294件、承認件数は244件  である。○  平成24年度から、33条の7により、親権喪失に加え、親権停止、管理権喪失宣告の請求が可能となった。

※ 平成22年度は、東日本大震災の影響により、福島県を除いて集計した数値

11 年度 12 年度 13 年度 14 年度 15 年度 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度0

50

100

150

200

250

300

350

88127 134 117

140

186 176 185

235 230 230255 267

294

4887 99 87 105

147 147 163182 173

214 239 218244

請求件数

28 条による施設入所措置の承認申立請求件数及び承認件数

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児童養護施設入所児童等の状況

児童養護施設入所児童等調査結果(平成20年2月1日現在) 児童の心身の状況については、里親委託児、養護施設児、情緒障害児、自立施設児、乳児院児及び母子施設児において「障害等あり」の割合が、それぞれ 18.0%(前回 12.6%)、 23.4%(前回 20.2%)、 70.7%(前回 59.5%)、 35.4%(前回 27.3%)、 32.3%(前回 30.4%)、 16.3%(前回 12.5%)となっており、いずれも増えている。

総 数 障害等

あ り障害等あり内訳(重複回答)

身 体虚 弱

肢 体不自由

視聴覚障 害

言 語障 害

知 的障 害

て んか ん

ADHD LD 広汎性発達障害

その他の障害等

里親委託児 3,611100.0%

64918.0%

952.6%

250.7%

340.9%

270.7%

2396.6%

260.7%

551.5%

180.5%

742.0%

1504.2%

養護施設児 31,593100.0%

7,384 23.4%

7532.4%

1310.4%

2460.8%

4111.3%

2,9689.4%

3911.2%

7912.5%

3431.1%

8152.6%

2,3147.3%

情緒障害児 1,104100.0%

78170.7%

70.6%

50.5%

30.3%

40.4%

11810.7%

232.1%

13111.9%

353.2%

18616.8%

49644.9%

自立施設児 1,995100.0%

70735.4%

191.0%

60.3%

110.6%

110.6%

1869.3%

311.6%

1799.0%

633.2%

1467.3%

26313.2%

乳 児 院 児 3,299100.0%

1,06732.3%

67420.4%

1063.2%

942.8%

1013.1%

1835.5%

611.8%

70.2%

- 300.9%

2848.6%

母子施設児 6,552100.0%

1,06716.3%

2233.4%

270.4%

290.4%

641.0%

2463.8%

540.8%

861.3%

671.0%

1231.9%

3976.1%

Page 42: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

(現行) 親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。 親権を行う者は、必要な範囲内で自らその子を懲戒し、又は家庭裁判所

の許可を得て、これを懲戒場に入れることができる。 親子の面会交流等についての明文規定がない。

○  子の利益の観点の明確化等

「民法等の一部を改正する法律」の施行等について

1.親権と親権制限の制度の見直し

(改正後)                                【民法関係】 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

親権を行う者は、子の利益のために行われる子の監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。

離婚後の子の監護に関する事項として親子の面会交流等を明示。

(現行) 児童相談所長は、親権喪失についてのみ、家庭裁判所への請求権を有

する。

(改正後)                           【児童福祉法関係】

児童相談所長は、親権喪失、親権停止及び管理権喪失の審判並びにこれらの審判の取消しについて、家庭裁判所への請求権を有する。

(現行) あらかじめ期限を定めて親権を制限する制度はない。

(改正後)                                【民法関係】 家庭裁判所は、「父又は母による親権の行使が困難又は不適当であること

により子の利益を害するとき」に2年以内の期間を定めて親権停止の審判をすることができる。

(現行) 家庭裁判所は、 「父又は母が、親権を濫用し、又は著しく不行跡であ

るとき」に親権喪失の宣告をすることができる。 家庭裁判所は、「父又は母が,管理が失当であったことによってその子

の財産を危うくしたとき」に管理権喪失の宣告をすることができる。

(改正後)                               【民法関係】 家庭裁判所は、「父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するとき」に親権喪失の審判をすることができる。

家庭裁判所は、「父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」に管理権喪失の審判をすることができる。

○  親権喪失・管理権喪失原因の見直し

○  親権停止制度の創設

(現行) 子の親族及び検察官が、親権の喪失等について、家庭裁判所への請求権

を有する。

(改正後)                               【民法関係】 子の親族及び検察官のほか、子、未成年後見人及び未成年後見監督人も、

親権の喪失等について、家庭裁判所への請求権を有する。

○  親権喪失等の請求権者の見直し

 児童虐待の防止等を図り、児童の権利利益を擁護する観点から、親権の停止制度を新設し、法人又は複数の未成年後見人の選任を認める等の改正を行うとともに、関連する規定について所要の整備を行うもの。 【平成 23 年6月3日 公布(一部施行) / 平成 24 年4月1日 施行】 

改正の趣旨等

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• 発達状況、心理状態を踏まえた上で、的確にニーズを把握する。

• アセスメント全体を把握した上で、最終ゴールを想定することが重要。

• 情報が少ない場合こそ、あらゆる可能性を視野に入れることが重要。

• 障害のある子どもや家族が、まだ具体化できていないニーズを推測する。(真のニーズを把握することが重要。)

• 利用者の真のニーズを含めた個別支援計画を策定し、支援プロセスの全体を管理する。

• 個別支援計画の策定に当たっては、訓練担当職員、保育士等のチームで取り組むよう、支援会議を開催し意見調整の上、方針の統一を図る。

• 地域の社会資源を理解し関係機関と連携調整を行う。

• 以上の支援全般に渡って、児童の支援に従事する職員に対し、適宜、指導・助言を行う。

(4)児童発達支援管理責任者の役割(4)児童発達支援管理責任者の役割

Page 44: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

2. 総論

      

  うめだ・あけぼの学園一般社団法人 全国児童発達支援協議会

( CDS   JAPAN )加藤 正仁

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海図・気象図をもたない闇夜の航海

危険・不安・ストレス・迷惑・ロス

Page 46: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

子どもを取り巻く今事情-1

            地球的規模での新しい人間観

    ノーマライゼ-ション・人権・地域・主体性・共生    

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Gradation・Spectrum

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NORMALIZATION

personal ・ social ・ normal

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最近、巷で目にし、耳にする言葉として

● 生物多様性( biological   diversity )

● 他者と違っていい

● あるがままが美しい

● 自己実現

●  Identity

● 自尊感情

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Nothing   about   us   without   us!

 “ Nothing about us without us” (私たち抜きに私たちのことを決めるな) は、「障害者の権利に関する条約(仮称)( Convention on the Rights of Persons with Disabilities )」(以下「障害者権利条約」という。)策定の過程において、すべての障害者の共通の思いを示すものとして使用された。これは、障害者が一般社会から保護される無力な存在とされ、自分の人生を自らが選択し、自らが決定することが許されなかった障害者の共通の経験を背景としている。そして、一般社会による保護的支配からの脱却と普通の市民としての権利を持つ人間であることを強く訴えるものであった

Page 52: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

Nobody‘s P erfect  

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子どもを取り巻く今事情-2

         日本の社会状況     財政難・低福祉中/高負担・福祉ニ-ズの拡大

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  障害者基本法の改正(2011/8・5公布)

      →障害者総合支援法(2012.6 .27公布)

            →障害者権利条約批准(2014 .1.20 )

障がい関係重要法の制定

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子どもを取り巻く今事情-3

   何故子ども福祉の世界が変わるのか      少子化・子どもの権利・核家族・離婚

        多国籍化・共稼ぎ・児童虐待・虐待 

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子どもの育ち環境の変化社会の変化と無縁ではあり得ない

社会の歪みは弱者に向かう!

» →核家族化と孤立化» →少子化による子育て未経験親や育児不安» → 家族のストレス» →共稼ぎ家族» →離婚・シングル ペアレント» →国籍(多文化)» → 価値観の多様化» → 子育て資源の多様化» → 子育て情報の氾濫と錯綜» →代償療法の跋扈            » → 社会規範の脆弱化            

etc.

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0

1

2

3

4

5

22 ・ 30 ・ 40 ・ 50 ・ 60 2 7 ・ 17 ・24

出生数合計特殊出生率

(昭和22~24年)最高の出生数

2 696 638人

第2次ベビーブーム(昭和46~49年)

2 091 983人

平成17年最低の合計特殊出生率 1.26

万人300

200

100

0

昭和・・年 8

合計特殊出生率

第1次ベビーブーム

図1 出生数及び合計特殊出生率の年次推移

1 360 974人

昭和41年ひのえうま

平成24年推計数1 033 000 人

平成・年

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Page 60: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

0.0

0.4

0.8

1.2

1.6

2.0

2.4

2.8

0

5

10

15

20

25

30

22 ・ 30 ・ 40 ・ 50 ・ 60 2 7 ・ 17 ・24

離婚率(

人口千対)

離婚件数

離婚率

昭和・・年

平成24年推計値 1.88

万組平成24年推計数

237 000組

平成・年

平成14年最高の離婚件数

289 836組

図5離婚件数及び離婚率の年次推移

Page 61: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>
Page 62: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

50,000

35,157

39,557 41,399

45,369 48,065

10,749 10,719 11,113 11,080 10,921

障害児数うち、特別児童扶養手当支給対象児童数

保育所における障害児の受け入れ状況について

※特別児童扶養手当  1級・・・身体障害者手帳1級、2級及び3級の一部  2級・・・身体障害者手帳2級の一部、3級及び4級の一部精神障害及び知的障害は上記と同程度  (障害の認定基準は、障害基礎年金の1級・2級と同等)

(保育課調べ)(単位:

人)

一般施策における障害児の数

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4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000 児童発達支援

医療型児童発達支援

放課後等デイサービス

保育所等訪問支援

障害児通所支援計

平成 24 年度                                平成 25 年度

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月

0

200

400

600

800

1,000

1,200

 障害児支援の利用者数の推移

(人)≪障害児通所支援≫

平成 24 年度                           平成 25 年度

※保育所等訪問支援(再掲)

(人)

(通所支援計)

Page 64: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500 福祉型障害児入所支援医療型障害児入所支援障害児入所支援計

平成 24 年度                                  平成 25 年度

≪障害児入所支援≫

(人) (人)(入所支援計)

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子どもを取り巻く今事情-4

      特別支援教育の世界では       孤立からネットワ-キングへ      

              特別支援教育コーデイネーター         個別教育支援計画・個別指導計画         就学支援シート

Page 67: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

義務教育段階で特別支援教育の対象となっている児童の数

* 文部科学省作成資料

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新たな発達・教育課題

①  主体性・自己選択・自己決定

②  自己覚知

③  拒否・浪費・嘘・さぼり

④  Help   Call

⑤「形成」から「関係」へと支援サ-ビスの在り方のSift

⑥ADL→QOL→DOLへの哲学的観点の Sift etc.

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子どもを取り巻く今事情-5

 気になる子ども達の今

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(注)利用者数及び施設・事業所数は平成 25 年 8 月現在の国保連データ。※通所系サービスは国保連委託分のみ( 1.719市町村のうち、 1, 707市町村)入所計サービスは国保連委託分のみ( 69都道府県市のうち、 52都道府県市)

サービス名

居宅介護(ホームヘルプ) 自宅で、入浴、排せつ、食事の介護等を行う

行動援護 自己判断能力が制限されている人が行動するときに、危険を回避するために必要な支援、外出支援を行う

重度障害者等包括支援

短期入所(ショートステイ)

介護の必要性がとても高い人に、居宅介護等複数のサービスを包括的に行う

自宅で介護する人が病気の場合などに、短期間、夜間も含め施設で、入浴、排せつ、食事の介護等を行う

同行援護  重度の視覚障害のある人が外出する時、必要な情報提供や介護を行う

障害児が利用可能な支援の体系

 

 

障害者総合支援法

利用児童数 施設・事業所数

9,463 17,592

2,947

0

7,389

1,250

10

3,670

153 5,216

児童発達支援

医療型児童発達支援

日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練などの支援を行う。

日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、 集団生活への適応訓練などの支援及び治療を行う。

保育所等訪問支援 保育所等を訪問し、障害児に対して、障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援などを行う。

医療型障害児入所施設

施設に入所している障害児に対して、保護、日常生活の指導及び知識技能の付与を行う。

施設に入所又は指定医療機関に入院している障害児に対して、保護、日常生活の指導及び知識技能の付与並びに治療を行う。

放課後等デイサービス 授業の終了後又は休 校日に、児童発達支援センター等の施設に通わせ、生活能力向上のための必要な訓練、社会との交流促進などの支援を行う

障害児通所系

障害児入所系

児童福祉法

56,010 2,384

2,501 102

589

1,859

2,092

164

185

181

67,806 3,748

福祉型障害児入所施設

日中

  

活動系

計画相談支援

障害児相談支援

【サービス利用支援】・サービス申請に係る支給決定前にサービス等利用計画案を作成・支給決定後、事業者等と連絡調整等を行い、サービス等利用計画を作成【継続利用支援】・サービス等の利用状況等の検証(モニタリング) ・事業所等と連絡調整、必要に応じて新たな支給決定等に係る申請の勧奨

【障害児利用援助】 ・障害児通所支援の申請に係る給付決定の前に利用計画案を作成 ・給付決定後、事業者等と連絡調整等を行うとともに利用計画を作成【継続障害児支援利用援助】

相談支援系

児福法

6,614

466

1,073

3,224支援法

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児童発達支援

■ 基本報酬■ 児童発達支援センター(利用定員に応じた単位を設定)   ・難聴児・重症心身障害児以外   734~ 972単位   ・難聴児   896~ 1,215単位   ・重症心身障害児   795~ 1,147単位■ 児童発達支援センター以外(利用定員に応じた単位を設定)   ・重症心身障害児以外   366~ 622単位   ・重症心身障害児   694~ 1,599単位

■ 主な加算児童発達支援管理責任者専任加算( 22~ 410単位)→  児童発達支援管理責任者を専任で配置している場合に加算。 

延長支援加算( 61~ 123単位)→  営業時間が 8 時間以上であり、営業時間の前後の時間において支援を行った場合に加算。

福祉専門職員配置等加算( 6又は 10単位)→  ①常勤の児童指導員等のうち、社会福祉士又は介護福祉士の資格保有者が 25% 以上、②児童指導員又は保育士等のうち、常勤職員が 75% 以上又は勤続 3 年以上の常勤職員が 30% 以上。

○ 対象者

■ 療育の観点から集団療育及び個別療育を行う必要があると認められる未就学の障害児。

○ 主な人員配置○ サービス内容 

■ 日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援を行う。

■ 児童発達支援センター   ・児童指導員及び保育士  4:1 以上   ・児童指導員  1人以上   ・保育士  1人以上   ・児童発達支援管理責任者  1人以上■ 児童発達支援センター以外   ・指導員又は保育士  10:2 以上   ・児童発達支援管理責任者  1人以上

○ 報酬単価(平成 26 年 4 月~)

○ 事業所数   2,662 (国保連平成 26年 3 月実績) ○ 利用者数   65,980 (国保連平成 26年 3 月実績)

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放課後等デイサービス

■ 基本報酬■ 授業終了後(利用定員に応じた単位を設定)   ・重症心身障害児以外   281~ 482単位   ・重症心身障害児   573~ 1,320単位■ 休業日( 利用定員に応じた単位を設定)   ・重症心身障害児以外   366~ 622単位   ・重症心身障害児   695~ 1,600単位

■ 主な加算児童発達支援管理責任者専任加算( 68~ 410単位)→  児童発達支援管理責任者を専任で配置している場合に加算。 

延長支援加算( 61~ 123単位)→  営業時間が 8 時間以上であり、営業時間の前後の時間において支援を行った場合に加算。

福祉専門職員配置等加算( 6又は 10単位)→  ①常勤の児童指導員等のうち、社会福祉士又は介護福祉士の資格保有者が 25% 以上、②児童指導員又は保育士等のうち、常勤職員が 75% 以上又は勤続 3 年以上の常勤職員が 30% 以上。

○ 対象者■ 学校教育法第 1条に規定している学校(幼稚園及び大学を除く。)に就学しており、授業の終了後又は休業日に支援が必要と認められた障害児。

○ 主な人員配置○ サービス内容

■ 授業の終了後又は学校の休業日に、児童発達支援セン ター等の施設に通わせ、生活能力向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他必要な支援を行う。

■ 指導員又は保育士   10:2 以上■ 児童発達支援管理責任者  1人以上■ 管理者

○報酬単価(平成 26 年 4 月~)

○ 事業所数   4,254 (国保連平成 26年 3 月実績) ○ 利用者数   73,985 (国保連平成 26年 3 月実績)

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子どもを取り巻く今事情-6

 気になる子ども達のこれから

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        不易流行

 「不易」は変わらないこと、即ちどんなに世の中が変化し状況が変わっても絶対に変わらないもの、変えてはいけないものということで、「不変の真理」を意味する。逆に、「流行」は変わるもの、社会や状況の変化に従ってどんどん変わっていくもの、あるいは変えていかなければならないもののこと。 その「不易」を基礎として、刻々と「流行」する森羅万象を捉えることにより新たな「知」が獲得され、更にその中から「不易」が抽出される。「不易」は「流行」の中にあり「流行」が「不易」を生み出す、この「不易流行」システムによって学問や文化が発展してきた。一人ひとりの人間も「不易」と「流行」の狭間で成長していく。

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発達が気になる子の育ち支援における基本的課題とそれらの関係樹図

Page 82: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

  障害受容の二層性

 1)我が子の障害の受容   ・障害の原因   ・障害の予後   ・我が子の発達レベル   ・具体的な子育ての指針

2)障害のある我が子の受容  ・価値観の転換(強者の論理からの脱却)   

             ・父親への働きかけ

Page 83: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>
Page 84: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>
Page 85: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

   今後の障害児支援の在り方について  ~「発達支援」が必要な子どもの支援はどうあるべきか~

             

○  社会への参加・包容( )の推進と合理的配慮インクルージョン○  子育て支援における を推進するインクルージョン   「後方支援」としての専門的役割の発揮  

    障害児支援の在り方に関する検討会

○  ライフステージに応じた切れ目の無い支援(縦の連携)○  保健、医療、福祉、保育、教育、就労支援等とも連携した地域支援 

   体制の確立(横の連携)

障害児本人の最善の利益の保障 家族支援の重視

地 域 に お け る 「縦 横 連 携」 の 推 進

基本理念

児童相談所との連携等

支援に関する情報の共有化 相談支援の推進

支援者の専門性の向上等 

(報告書のポイント)

Page 86: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

               職場・地域生活

             保育所等

            学校等

  医療

医療

学校保健

母子保健

地域における「縦横連携」のイメージ

医療就労支援

障害福祉

障害児支 援後方支援

入学

卒業

成年期

障害児相談支援

本人

  

家族

)障害児相談支援 本人

 

   

家族

本人

 

   

家族

計画相談

   

支援

本人

  

家族

「気づきの段階」からの支援

関係者間の共通理解・情報共有→  途切れない支援の調整

地域保健

本人

 

  

家族

乳幼児期

学齢期

社会的養 護

社会的養 護障害児

支 援 後方支援

Page 87: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

発達支援に残されている喫緊の課題

 ●指導要領・指針の作成

 ●ネットワーキングと情報の共有/就学支援シートや療育カルテなど

 ●(自立支援)協議会での子ども部会/実効化を一般子ども施策と共に

 ●子ども・子育て会議への参画/制度的なネグレクトの危険性

 ●一般子ども施策への統合化/無償化問題・消費税財源問題

 ●職員養成とサービスの質の向上/多様な事業体・小規模事業化

 

Page 88: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

全国児童発達支援協議会

CDS   JAPANThe   Council   of   Developmental   Support  

center, JAPAN

(知的・肢体・難聴・児童デイⅠ型)

Page 89: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>
Page 90: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

    

         より確かな発達支援に向かう時

     1:個人・職種・機関として自己完結しない・させない

    2:立場や職種や経験を超えた職員間の等価性

    3:発達最近接領域説と職員養成・自己実現

    4:ティームアプローチとノミニュケ-ション

    5:出来ないことの自慢比べは時間浪費     6:子どもの声なき声が聴こえているか(意見表明権)      7:健康の自己管理も給料の内     

etc.

Page 91: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

組織の management について

•  サービスの management

•  時間の management

•   System の management

•  人事の management

•  職員養成の management

•   Risk  の management

Page 92: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

Passion  と  Mission

○Passion = intense emotion = strong feeling =受難・殉教

○Mission =伝道 =使命・天職 =派遣

Page 93: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

3.支援提供の基本姿勢

こども発達さぽーとセンター るぽろ

(施設長)

嘉ノ海 令子

Page 94: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

① 中核的機能は将来の自立に向けた発達支援②親・家族を含めたトータルな支援(子育ち支援)③集団活動と個別プログラムの効果的な組み合  わせによる支援④地域での育ちが続く支援(支援ネットワークづく

り)⑤児童期のニーズについての理解

支援提供の基本的姿勢

Page 95: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児通所支援、入所支援の中核的機能は、子どもへの発達支援とし、将来の自立に向け個々の状態や年齢に応じて必要な支援を提供する。

発達課題のある児童に対して、できるだけ早期の段階から将来を見通した継続的な発達支援を行うことを中核的機能とする。より身近な地域で必要な時期に必要な(専門的な)支援が提供できるよう質を確保する。

① 児童期支援の中核的機能は   将来の自立に向けた発達支援

Page 96: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

乳幼児期

学齢期

成人期

 

 

へ 

の 

 

発達を促す関わり自律の芽生え

基本的信頼感自尊感情の育ち

自律

自己実現自立

意思決定への参加自主性の育ち役割の自覚と責任意識の育成自己決定に基づいた成功体験自己肯定感の育成自己概念の形成社会の一員として活動

Page 97: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

子どもの適切な発達環境を整えるために、親・家族支援を大きな柱とする。

子どもの発達課題や障害特性への理解を深め、具体的な手立てと見通しをもった取組みを通して、「障害受容」を支える。子育て支援、子育ち支援、親子関係への支援、地域資源などとの連携・情報支援をトータルに行う。

②親・家族を含めたトータルな支援

Page 98: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

集団活動と個別プログラムの効果的な組み合わせにより支援を提供する。

子ども、親・家族との信頼関係をつくりながら、的確なアセスメントを行うことによって、集団活動と個別プログラムの効果的な組み合わせによる計画を作成する。アセスメントは、チームアセスメント、エンパワメント、権利擁護の視点を加えることで、効率的、効果的な計画作成につながることが期待できる。

③集団活動と個別プログラムの   効果的な組み合わせによる支援

Page 99: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

④地域での育ちが続く支援

障害児相談支援事業所等関係機関と連携し、地域での育ちが続くように支援を繋 いでいく。

ライフステージのつながりを重視し、支援の連続性・継続性を意識する。家族支援を含め個々の状況に応じた療育や発達の支援が、地域の支援システムづくりにつながることを意図して支援を提供する。サービス担当者会議への参加等、より積極的な地域連携を心がけ、発達支援の拠点として機能発揮する。

Page 100: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

地域の支援拠点としての機能

障害児入所支援 福祉型・医療型

児童発達支援センター

児童発達支援事業

放課後等デイサービス

広域カバー施設支援専門的機能

学齢期の発達支援余暇的支援、創作活動・作業活動支援

相談支援事業所

身近な療育の場市町村域カバー乳幼児期の発達支援

セーフティネット家族関係の再構築短期入所(ミドルステイ)レスパイトなど

Page 101: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

児童期のニーズの背景を充分理解し、ニーズの把握を行う。

児童期は自ら言葉での意思表示が困難な乳幼児から18歳までと、その対象の年齢幅が大きい。子ども自身が抱えるニーズ、親・家族のニーズ、生活環境や子育て環境から生ずるニーズなどが混在し、子ども自身のニーズが見えなくなったり、他のニーズと相反する状況も発生するため児童期のニーズの特殊な背景を理解した上で、情報の収集を行うようにする。

⑤児童期のニーズについての理解

Page 102: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

4.支援提供のポイントと支援の評価

こども発達さぽーとセンター るぽろ

(施設長)

嘉ノ海 令子

Page 103: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

(1)児童期支援の特殊性(2)親・家族支援~障害受容を支える視点~(3)「気になる段階」からの支援場所として(4)ライフステージを見通した発達支援( 5 )アセスメントの重要性と       児童期特有のニーズについて

支援提供のポイント

Page 104: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

「気になる」段階と呼ばれる時期への対応

「ゼロ」からのスタートを支援3

子どもの自立に向けて縦へのネットワークを意識

1支援対象が0歳から18歳までと広い年齢幅への対応

年齢によって関わる機関(スタッフ)の変動と多様性

(1)児童期支援の特殊性

Page 105: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

1 支援対象が0歳から18歳までと広い年齢幅への対応年齢によって関わる機関(スタッフ)の変動と多様性

乳幼児期 保健所(保健センター)、医療機関福祉事務所(家庭児童相談室)児童相談所保育所、幼稚園、児童館等児童発達支援事業、児童発達支援センター障害児入所施設、相談支援事業所 等

学齢期 小学校、中学校、高等学校、特別支援学校福祉事務所、児童相談所医療機関、療育機関、教育相談所、教育委員会放課後等デイサービス、放課後児童クラブ障害児入所施設、相談支援事業所 等

(学齢後期)企業や障害福祉サービス等での実習、体験地域障害者職業センター、ハローワーク障害者就業 生活支援センター、相談支援事業所 等・

Page 106: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

「気になる」段階と呼ばれる時期への対応

① 軽度の発達遅滞はあっても知的障害のレベルではない 境界域知能(ボーダーライン)児② その時点で障害の診断が明確にできない児(ハイリスク 児や発達障害児を含む)③ まだ診断・告知を受けていない児④ 客観的には障害が認められても、保護者がそのことを受  容できず申請に至らない児               

「気になる」段階の子どもとは

将来的に支援が必要かどうか確定できない時期障害の受容が充分にできない時期

育児不安を支える視点 子育て支援の立場での専門的な支援の必要性

2

Page 107: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

親の考え方や姿勢によって、子どもの環境は大きく変わる

・子どもの発達に必要な療育機関など への通所やサービスの利用をしない・子どもの障害を理解せずに、不適切 な関わりをする・前向きな子育てができないなど、親 自身が精神的に不安定な状態になる

育児不安 育児放棄 虐待

3 「ゼロ」からのスタートを支援

Page 108: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

子どもの発達や障害に関する知識・理解福祉サービスに関する情報

育児面、医療面、療育面、心理面など幅広い相談支援、情報理解のための支援

関わりの難しい子育てを一生懸命している親・家族

将来への見通しがもてず不安な気持ちを抱えている親・家族

Page 109: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

子どもの自立に向けて    縦へのネットワークを意識

子どもの成長・発達とともに

個々がもつ発達課題、支援ニーズ変化親・家族が抱える生活ニーズ変化

一機関だけでは支えきれない

•移行期支援の視点•横断的な連携•ケアマネジメントの必要性•生活の継続性と関わりの 連続性への視点

縦のネットワーク構築

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「障害告知」における支援

親の心的危機障害告知

「思い描いていた健康な赤ちゃんを失う」 対象喪失経験「なぜ自分の子どもが・・・」「何かの間違いだ」「子どもを育てる自信がない」など

事実の否認、混乱、怒り、絶望感、哀しみ、拒否不安などの心理的反応

(2)親・家族支援~障害受容を支える視点~

Page 111: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害受容とは

「わが子の障害の受容」と「障害のあるわが子の受容」

子どもの発達、成長とともに緩やかに子どもの姿を受け止めていく子どもへの発達支援の確実性、信頼性が受容過程を側面的に支える

親の不安を受け止める、理解する親の受容能力に合わせた具体的な助言

Page 112: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

「障害受容」を支えるということ

障害告知告知時期

関わるスタッフの対応

親・家族の心理的反応告知の仕方

親への心理的サポート

子どもの障害理解への支援

育児への具体的支援

子どもへの発達支援

Page 113: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

親にとって身近で敷居の低い場所である。

障害の確定診断前からフォローできる場所である。

発達支援のサービスを体験的に利用できる場所である。

常にアクセスできるように、地域に事業内容など情報発信している。

(3)「気になる」段階からの支援場所として

Page 114: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

(4)ライフステージを通して発達を支援する

① それぞれのステージにおける早期発見・早期対応

将来の自立に向けて、学童期、思春期・青年期の発達支援の重要性

子どもの状況を把握知的機能の水準認知、行動の特性学習の特性興味や関心の対象学校、教師との連携

学校での具体的な支援への対応二次障害を防ぐ 自尊感情を高める

自分のよさに気づく自己理解を深めるために支援

Page 115: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児入所支援

児童発達支援(通所支援)

放課後等デイサービス

自己肯定感・社会的行動の獲得

地域における自立

Page 116: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

子ども・親との面接

情報収集情報収集

適切な情報選択  情報量・質の検討   正確性・事実性   信頼性・偏向性   偏見・先入観

情報源・・相談者 (親・家族)、関係者、相談者      (家庭)の環境、子どもに関する記録      や資料

情報収集手段・・・面接、観察、記録・資料

【アセスメントの過程】

(5)アセスメントの重要性と      児童期特有のニーズについて

Page 117: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

情報の種類・・子どもの生活史(生育歴)         環境に関する情報

情報の量・質が適切か情報の正確性、事実性、信頼性を確認情報が偏っていないか偏見や先入観によって歪められていないか

検討

収集した情報の吟味

Page 118: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

情報の分析統合ニーズの確定 相談者の状況理解 ニーズ把握 問題(要因)の確認 課題の整理

情報の判断計画策定 目標、支援期間、 支援内容の設定 具体的な支援方法 の確認

相談者の意思や権利が尊重されているか

Page 119: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

児童期特有のニーズについて

 自ら言葉で意思表示できない乳幼児期は親・家族から発信されるニーズが前面に押し出されやすい。⇒第三者のニーズ

 親・家族のニーズは子ども自身のニーズと相反することもある。

 子どもの生活・子育て環境を整えるために、子育てに不安を抱える親支援からスタートするが、年齢が上がるにつれ子ども本人を中心にニーズを明確化していく。

Page 120: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

親・家族から発信されるニーズ

親の関心事 子どもの発達の遅れを解消する障害を治す、良くする

治療・訓練ニーズの顕在化

障害受容、育児に向う姿勢夫婦、家族関係の葛藤、対立緊張、母親の心理的葛藤など

潜在的ニーズ

Page 121: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

子どものニーズ

子どものニーズ

子どものニーズ

親・家族のニーズ

療育、訓練、教育⇒発達支援 障害受容、障害認知、育児不安 ⇒ 育児支援、親支援

Page 122: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

児童期支援のニーズの背景

• 子ども自身の特性から生ずるニーズ• 親・家族の特性から生ずるニーズ• 子どもの生活環境から生ずるニーズ• 子育て環境から生ずるニーズ                  【『新・社

会福祉学習双書編』】

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支援の評価はなぜ必要か? その1

発達評価や支援技法、個別支援計画の内容など支援の質の向上及び専門的機能の提供状況の評価と把握

親のストレスマネジメントについての対応による子育て不安の軽減や虐待予防等が図れたか、子育て支援機能の提供状況の評価と把握

支援の評価

Page 124: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

関係機関との連携状況の把握

事業所の活動による地域貢献度の把握

支援の評価はなぜ必要か? その2

保育所、学校等への療育的バックアップ機能の提供状況の把握

Page 125: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

利用者満足度調査の実施  (利用者向け、事業所向け)

第三者評価の実施  等

職員自己評価の実施

評価方法

Page 126: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

支援の評価基準視点 評価の項目 評価の方法

発達や療育の支援

家族支援

質の高い支援の提供

①利用児童の発達度や家族の支援内容へ  の満足度② 要望・苦情解決の件数③ 支援の質の第三者評価の導入

職員の質の向上

① 資格取得の促進(キャリアアップ)による有 資格者数②OJT、OFF、JTの実施件数③ 部内外研修、自主研修の実施件数(時間)

事業の推進 ①利用児童数の増減② 事業所、利用者と社会資源との関係図作成③ 他の関係機関、事業と連携した件数 (支援  会議)

Page 127: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

発達や療育支援の視点による評価・例えば、各種の発達検査による分析などを行い、児童の 発達の伸びを評価する・児童の生活ぶりに対する家族の評価を把握する・家族が行う事業者評価表(例えば、満足度評価、苦情処 理件数など)に発達支援の視点を加えたものを事業所で 作成し、そのチェック度を評価する・関係機関の事業所に対する発達支援技量の評価を確認 する

家族支援の視点による評価・家族にとって生活のしやすさという実感が生まれ見通しが もてているか把握する・家族、特に母親のストレスの予防マネジメントについて、 どのような対応が出来たか評価する・家族と社会資源の結びつきがエコマップ上どのように拡が っているか確認する

Page 128: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

江東区こども発達センター(園長)田村満子

5.アセスメントのポイント

Page 129: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

発達支援におけるアセスメント         (評価・査定)の意義

☆アセスメントに基づいた支援の実施  現状・効果・変化を客観的に捉え、共有す

• 支援に向けた対象理解のためのアプローチ• 家族を含めた多様な関係者との共通理解を図

る• 多面的に情報を収集し評価をする。• 各情報の関連性を捉える。• 全体としての包括的なアセスメントを行う。

Page 130: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

包括的アセスメントの視点  ☆ こどもの発達の全体像の把握

 ①生理・医学的側面 病歴、診断、神経・生理学的特徴、服薬状況 ②心理・学習・教育的側面 認知発達、言語コミュニケーション、社会・

情動発達、運動発達などの発達面を含む ③環境・社会・文化的側面 家族、支援者、仲間、家庭環境、通園・通学

機関、支援機関、

Page 131: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

3)

個別支援計画の作成

 

1)

初回面接時の状況把握

アセスメントのプロセスアセスメントのプロセス

  ( 2 ) ア セ ス メ ン ト 過 程

<情報の収集> <情報の整理>

①初期状態の把握

②基本的ニー

ズの把握

③課題の整理

Page 132: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

 ①初期状態の把握 ①初期状態の把握

☆発達状態や行動特性の総合的分析的把握

  

現在の様子の把握、行動観察

複数の検査・評価の実施

家庭や地域での状況把握

Page 133: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

生育歴からの把握

☆現在顕在化していることが根元に何を抱えているのかを知る

<発達歴>• 母親の妊娠中、出産時の状況• 運動発達の状況、言語発達の状況• 対人関係性の発達歴<病歴・療育歴・教育歴・社会資源活用歴>• 医学的な意味での配慮すべき内容の把握• 療育、保育、教育機関等多様な社会資源活用の状況

Page 134: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

現在の状況把握 ①観察・聴取

<行動観察や引継ぎ報告の情報収集>• 自由場面、課題的場面(療育・教育的)の観察記録

• 日誌法による記録の活用;日常的な活動の流れの中で示すエピソードを記録

• 前年度、前担当者の報告書からの情報把握<家庭状況の情報収集>• 保護者への観察項目に添った状況聞き取り<他機関状況の情報収集>• 訪問、報告書、保護者からの聴き取りによる収集

Page 135: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

現在の状況把握 ②発達検査

<言語・ 検査例>コミュニケーションLC スケール、ITPA言語学習能力診断検査<その他検査例>フロスティッグ視知覚発達検査

JPAN感覚処理・行為機能検査新版 S‐M 社会生活能力検査ADOS自閉症診断観察検査

☆検査の目的を明確にし、必要な情報の内容を確定☆実施において保護者の了解と理解を得、結果を報告

する☆個人情報管理、活用範囲を明確にする

<発達・知能検査例>新版 K式発達検査、田中ビネー知能検査 V 、

WPPSI 、 WISC Ⅳー 、K ー ABC 心理教育アセスメントバッテリーPEP ー 3 自閉・児発達障害児教育診断検査

遠城寺式乳幼児分析的発達検査

Page 136: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

家族機能・生育環境の把握

<家族の状況>• 家族構成、家族の印象(きょうだい、父母、祖父母)• 1 日、1週間の生活リズム(起床、就寝、帰宅、休日)• 家庭での不満(手伝い、生活空間、過干渉、生活費)• 理想とする家族像<園や学校、他施設等の機関での状況>• 得意な事、不得意な事• 頼りにしている人、苦手な人、仲間関係、異性関係• 機関への不満(接し方、見方、評価、カリキュラム、

時間)• 理想とする機関像

Page 137: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

 ②基本的ニーズの把握 ②基本的ニーズの把握

☆「発達支援」に即したニーズ把握 ・生活習慣の自立課題の把握 ・運動や言語発達、認知特性の把握 ・社会性・行動・情緒の発達課題の把握☆「家族支援」に即したニーズ把握 ・家庭内での困っていること ・外出時に困っていること ・将来困ると思われること☆「地域支援」に即したニーズ把握 ・園や学校、他施設で困っていること ・連携や役割分担が必要な機関の把握

Page 138: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

③ 課題の整理③ 課題の整理

☆支援項目ごとの課題の整理☆ニーズ(本人・家族・地域)の相互性の整

理発達支援の課題の把握家族支援の課題の把握地域支援の課題の把握

*全体性と特異性、誤学習と未学習の視点*得意さ・強み、苦手さ・弱さの視点*多様な機関や職種の役割分担と協働の視点

Page 139: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

6.発達障害の理解とその対応

江東区こども発達センター (園長)田村満子

Page 140: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

発達障害の理解<発達障害者支援法( H17 施行)における定義> 「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達

障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」

  ・この法律は、発達障害を出来るだけ早期に発見し、発達支援を行うことに関する国及び地方公共団体の責務を明らかにしている。

 ・学校教育における支援、就労の支援、発達障害者支援センターの指定等について定めている。

Page 141: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

Ⅰ ね ら い  ○発達障害の定義と発達障害への理解の促進  ○発達障害者に対する生活全般にわたる支援の促進  ○発達障害者支援を担当する部局相互の緊密な連携の確保

 Ⅱ 概  要定義:発達障害=自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、        注意欠陥多動性障害などの脳機能の障害で、通常低年齢で発現する障害

○早期の発達支援○乳幼児健診等に よる早期発見

○ 就学時健康診断における発見○ 適切な教育的支援・支援体制の 整備○放課後児童健全育成事業の利用○ 専門的発達支援

○ 発達障害者の特性に応じた 適切な就労の機会の確保○ 地域での生活支援○ 発達障害者の権利擁護

【都道府県】 発達障害者支援センター(相談支援・情報提供等)、専門的な医療機関の確保 等  

【国】専門的知識を有する人材確保(研修等)、調査研究 等 

就学前(乳幼児期) 就学中(学童期等) 就学後(青壮年期)

※平成16年12月  超党派による議員立法により成立      17年 4月  施行     22年12月 発達障害が障害者自立支援法に明確化

Page 142: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

 広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群等)、学習障害、注意欠陥・多動性障害等、通常低年齢で発現する脳機能の障害(発達障害者支援法第2条)

  ※ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)における F80-98 に含まれる障害   (平成17年4月1日付文部科学事務次官、厚生労働事務次官連名通知)

【 発達障害の定義 】

(参考)ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)

第5章 精神及び行動の障害 ( F00-F99 )

 F00-F69   統合失調症や気分(感情)障害など

 F70-F79   知的障害 <精神遅滞 >

 F80-F89   心理的発達の障害            (自閉症・アスペルガー症候群、       その他の広汎性発達障害、学習障害など) F90-F98   小児 < 児童 > 期及び青年期に通常発症する      行動及び情緒の障害      (注意欠陥多動性障害、トゥレット症候群など)

精神保健福祉法

発達障害者支援法

知的障害者福祉法

精神保健福祉手帳

療育手帳

精神保健福祉手帳

<法律> <手帳>

Page 143: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

「発達障害(実線)」と「発達の障害(実線+点線)」

知的障害(精神遅滞)

その他、 身体障害、 聴覚障害、 視覚障害など

広汎性発達障害

自閉症

学習障害

ADHD

その他の発達障害(トゥレット症候群など)

Page 144: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

発達障害者支援体制整備     乳幼児期から成人期における各ライフステージに対応する一貫した支援を行うため、関係機関等によるネットワークを構築し、支援体制を整備するとともに、ペアレント・メンターの養成等により、発達障害児(者)及びその家族に対する支援の強化を図る。 さらに、平成26年度から、家族支援及び当事者支援としてペアレント・トレーニングとソーシャル・スキル・トレーニングを新たにメニューに追加するとともに、センター等に「発達障害者地域支援マネジャー」を配置するなど、地域支援機能の強化を図る。

   

     【都道府県・指定都市】

  【市町村】

発達障害者支援センター

医療機関等◆早期発見・早期発達支援体制の構築(巡回による支援)◆個別支援ファイルの作成(アセスメントツールの導入)◆ペアレント・メンター等の活用による家族支援  等

保健

労働 その他教育

福祉医療

関係機関等のネットワークの構築

連携

●調査・評価(市町村の支援体制の状況調査・評価)

●検討委員会

(県内の状況把握や、ペアレント・メンターの養成等の支援体制の充実に向けて検討)

・ペアレント・メンターの養成        

●発達障害特有のアセスメントツール の導入促進(M-CHATやPARS等の導入を促進する 研修の実施)

・ ・ ・ の配置ペアレント メンター コーディネーター(平成23年度~)

        地域生活支援事業において実施

・ペアレント・トレーニング  (家族の対応力向上:平成 26 年度~)

・ソーシャル・スキル・トレーニング  (当事者の適応力向上:平成26年度~)

●発達障害者地域支援マネジャーの配置(平成26年度~市町村・事業所等支援、医療機関との連携及び困難ケースへの対応等の地域支援機能強化)

●家族支援等

助言・指導等助言・指導等

支援

文部科学省特別支援教育関連事業連携

連携

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本人自身の感じている生きづらさを軽減するための視点

Page 146: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

集中力

組織力

自尊心

自己制御

自信

学習能力

抽象的思考や論理的能力

身体と脳の特殊化

感覚およびその統合と最終産物(イメージ図:感覚統合Q&Aより)

感覚 入力の統合第1段階      第2段階        第3段

最終産物第4段階

聴覚

前庭覚

固有覚

触覚

視覚

眼球運動

姿勢

バランス

筋 トーン重力に対する安心感

身体知覚

身体の両側統合

運動企画

活動レベル

注意力

情緒的安定

話し言葉

言葉

吸う

食べる

母と子のきずな

触覚的心地よさ

目と手の協応

視知覚

目的的活動姿勢保持の弱さふらふら、多動

触覚防衛の弱さコミュニケーション

協応の弱さ運動下手集中の弱さ

制作、創造性を要する遊びが苦手

Page 147: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

感覚統合障害(イメージ図:感覚統合Q&Aより)

聴覚 視覚前庭覚 固有覚 触覚

第1段階

第2段階

第3段階

第4段階

<知っておきたい 発達背景の一つ>

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身体感覚を育てる(感覚運動的活動)支援身体感覚を育てる(感覚運動的活動)支援

体の動きをコントロールすることが苦手なお子さんに身体感覚・平衡感覚・筋 力、ボディイメージを育てる体の緊張の軽減、過敏の軽減を図り、体の適応力を育成

①遊びの中で体を動かす

②体に触られた部分の感覚(識別力)を育てる

③ 平衡感覚を育てる

④運動技能(ジャンプ、四肢の協調等)を育てる

⑤即時反応(リズムの変化、静止)を育てる

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応用行動分析学(ABA)の応用

• 行動に焦点を当て行動変容を試みる• 行動の枠組み「先行要因ー行動ー随伴要因」• 環境要因の評価• 適切な行動の獲得

• トークン・エコノミー、ソーシャルスキルトレーニング、セルフマネジメント、ペアレントトレーニング、 TEACCH プログラム

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ソーシャルスキル・トレーニング( SST )

• 社会生活や人間関係に必要なスキルの学習• 指導内容:挨拶、基本的学習態勢、遊びへの参

加、順番交替、役割遂行、他者の視点の習得、 会話のやりとり、質問の仕方、感情表現• 指導技法:教示法、モデリング法、リハーサル

法フィードバック法、般化法など• 障害特性との関わりを考慮した指導:共同注意、心の理論、統合能力、保続、不注意、衝動性

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TEACCH プログラムの応用

• 個人の特質に合わせて教育や支援を実施• 親や家族を共同治療者で大切なパートナー• 自閉症の人の自立活動や生活を尊重し共生し

あう• 生涯に渡る一貫した支援• コミュニケーションし合うことを重視• 自閉症へのジェネラリストを養成• 視覚的構造化による教育や支援を重視

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二次的な障害 ( 行動障害、ひきこもり等 )の予防として、特性を踏まえた

育児、保育、教育が重要

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「強度行動障害」に関する対象者の概要「強度行動障害」とは  自分の体を叩いたり食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど本人の健康を損ねる行動、他人を叩いたり物 を壊す、大泣きが何時間も続くなど周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援 が必要になっている状態のこと。

「支援の対象者」については  障害福祉サービスを受ける際に行う障害支援区分の調査に併せて把握する「行動関連項目」(福祉型障害児入所施設の場合は 「強度行動障害判定基準表」)を用いて判定し、一定の点数以上となる人( 24点中 10点)に対して手厚い支援 (下記の図参照)が 提供される。   強度行動障害にいたる前からの支援や行動改善が見られた後における継続的な支援が提供できるようにするため、「行動援護」 は平成 20 年、「共同生活介護、短期入所、施設入所支援の重度障害者支援加算」は平成 24 年に対象者判定の基準点を引き下げた ところであり、その結果支援対象者が拡大している。

 行動援護     7,523人

 短期入所(重度障害者支援加算)   2,120人  施設入所支援(重度障害者支援加算)   15,244人 福祉型障害児入所施設(強度行動障害者特別支援加算)   7人

   共同生活介護(重度障害者支援加算)            2,261人

行動障害関連の障害福祉サービス・障害児支援の利用者(国民保険団体連合会データ)

のべ 27,155人(平成 26 年 1 月時点)

(参考)平成 26 年度からは、重度訪問介護についても、行動援護等の基準と同様の対象者に対して支援を提供することが可能となっている。

(行動援護、共同生活介護、短期入所を重複して利用する 場合があるため、のべ人数としている)

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「ひきこもり」について

○ひきこもりとは、様々な要因の結果として、社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭 外での交遊など)を回避し、原則的には 6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態。 (他者と関わらない形での外出をしている場合も含む) ・ひきこもりには、確定診断がなされる前の精神障害が含まれている可能性がある。

  

・背景にある精神障害の診断や治療だけではなく、ひきこもりがもたらす「自立過程の挫折」に対する支援も   必要である。出典 :  H 19~ H 21年度 「思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究」 ( 厚生労働科学研究  主任研究者 齋藤 万比古 )    

    

「ひきこもり」とは

<把握の方法>   全国11地域の住民から無作為に選択した4,134名を対象に、訓練を受けた調査員の戸別訪問による直接  面接を実施。(平成14年~平成17年度に、世界精神保健日本調査と合同で実施)<調査の結果>  ・対象者のうち、20~49歳の者(1,660名)の中で、過去にひきこもりを経験したことのある者 : 1.14%  ・面接を受けた対象者全員(4,134名)の中で、現在ひきこもり状態にある子どものいる世帯   : 0.56%                                                     (全国推計では約26万世帯) 出典 :  H 18年度 「こころの健康についての疫学調査に関する研究」(厚生労働科学研究 主任研究者 川上 憲人       研究協力者 小山 明日香)       

わが国の「ひきこもり」の推計数

                    <思春期・青年期ひきこもりケースの背景にある精神障害の実態把握> ・実施方法: H19~ H21 年度に、全国 5か所の精神保健福祉センターにひきこもりの相談に訪れた 16歳~ 35歳の方(本人の来談) 184人に         精神科的診断を実施(分担研究者:近藤直司の調査による) ・結果:診断の確定は約 8 割に当たる 149人、情報不足等のための診断保留が 35人         第一群(統合失調症、気分障害等の薬物療法が中心となるもの) 49人 ( 32.9% )         第二群(広汎性発達障害や精神遅滞等の生活・就労支援が中心となるもの) 48人 ( 32.2% )         第三群(パーソナリティ障害や適応障害等の心理療法的アプローチが中心となるもの) 51人 ( 34.2% )         分類不能 1人 ( 0.7%)

Page 155: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

家族のエンパワメント

Page 156: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• 育てにくさ           ・子育ての辛さ・負担感 • 関わりにくさ          ・達成感や喜びが少ない• 理解のしにくさ         ・親としての自信の喪失• 行動の問題への心配    ・適切に関わる回数の減少• 将来への心配                ↓     

                      『子育てがつら

い』・・・                           ↓                     親子関係が不安定・・・

                     二次的問題の併発へ

発達障害のある子の保護者の負担とリスク

Page 157: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

基本的な考え方基本的な考え方

• 家族のがんばりを評価する  (ペアレントトレーニングなどを通して、成功場面を褒める )

• 家族ができることを助言する  ( 家庭で取り組みやすい、構造化、情報の伝え方の工夫等 )

• 出来るだけ正確で確かな情報を伝える (今使えるサービス、将来的に使えるサービス等)

• 家族が、仲間と出会うことを助ける  (ペアレント・メンターなど 先輩を紹介する、 )

• 関係者同士が、情報の共有や引き継ぎをきちんと行う

Page 158: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• 発達障害のある子どもに対する理解を深め、親子の間の悪循環を断ち、円滑に日常生活が送れるように具体的な対処方法を親が手に入れるためのプログラム(6~10回程度)

• 子どもの行動に注目し、好ましい行動に肯定的な注目を与え、ほめる/無視するの組み合わせで好ましくない行動を減らし、親子のコミュニケーションが促進し信頼感の回復や自尊心の形成に働く。

• 各段階ごとで行動記録の個別作業(宿題)を持ち寄りグループワークを行い気づきを話し合う。

• 終了後に自助グループとして繋 がることもある。

ペアレント・トレーニングペアレント・トレーニング

Page 159: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

家族が出来ることの助言例(場面や手順の構造化)家族が出来ることの助言例(場面や手順の構造化)

① 情報の整理、場面の枠を作り分かりやすく②環境の構造化;居場所の整理 ・大まかな生活リズム表の作成 ・物の置き場所を決める、整理する ・自分の持ち物を分かりやすくする ・手順を示す(指、表など) ・開始や終了をわかりやすく予告する

*現在 発達障害者の就労支援においても構造化の、アイデアは引き継ぐべき支援として捉えられていることから、構造化の支援はなくすべきものではなく引き継ぐべきものと考えること。

Page 160: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

家族が出来ることの助言例(情報の伝え方)家族が出来ることの助言例(情報の伝え方)

①視覚的な情報の手掛かりを用いる 絵・写真・文字を用いて、必要な場所に貼る

②新しいことを前もって言葉+視覚的に伝える

③これから行うことをはっきり分かりやすく伝える

④伝えることをひとつにしぼる

⑤注意したいことはその場で伝える

*現在 発達障害者の就労支援においても 情報の伝、 、え方のアイデアは引き継ぐべき支援として捉えられていることから、構造化の支援と同様、なくすべきものではなく引き継ぐべきものと考えること。

Page 161: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

出来るだけ正確で確かな情報を伝える例出来るだけ正確で確かな情報を伝える例

① 地域で安心した子育てを行うための支援情報・相談機関・支援機関の紹介  医療機関、療育機関、就学相談、教育相談など

② 地域生活を安心し充実して送るための支援制度情報・障害者総合支援法によるサービス・様々な手帳の交付から得られる援助措置 「愛の手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の取得による援助措置

③ 就労を支える支援制度情報区市町村の就労支援事業、ハローワーク、障害者雇用支援センター等

*情報の収集・整理、情報提供システムづくり*機関連携、担当者間連携、連絡調整、地域機関ネットワーク(*個人情報の管理)

Page 162: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

ペアレント・メンター養成事業の紹介ペアレント・メンター養成事業の紹介

・発達障害の子どもを持つ家族が、ピアサポートとして 支援の一部の役割を担う取組み・ペアレント・メンター養成講習の受講・活動内容;グループ相談、情報交換会、個別相談、 理解啓発活動・同じ発達障害児 者を育てている親として共感でき・ 寄り添うことができ、様々な子育て経験を提供でき、 将来の見通しを立てやすくなる。・専門機関等の情報を利用者の視点で伝えることが できる。

Page 163: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

関係者同士が、情報の共有や引き継ぎをきちんと行う関係者同士が、情報の共有や引き継ぎをきちんと行う

・個別支援計画の引き継ぎ  ニーズの整理、長期・短期目標、達成状況、  保護者満足度、新たな課題の整理へ

・行動・情動・認知の特性の引き継ぎ  検査結果、遅れ/特異性、強み/弱み、年齢経過による変化

・保護者と話し合ってきたことの引き継ぎ  生育歴(子の育ちの特徴、苦労してきたこと)  提供された情報(健診、医療機関受診、相談経緯)  家族(父・母、祖父母、兄弟等)の思いや不安 周囲の環境

・地域関係機関の情報の引き継ぎ  利用頻度、担当者、情報共有の方法、役割分担など

Page 164: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

7.入所支援特有の機能及び求められる役割

あさひが丘学園水流 純大

Page 165: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

  ○ 福祉型障害児入所施設について

障害児入所施設

・福祉型

 18歳(20  歳※)以上  の入所者

児童福祉法

障害者自立支援法

     障害の程度軽 重

《法律上》保護、日常生活の指導、知識技能の付与

専門機能の強化

 ・知的障害、盲ろうあ、           肢体不自由など、障  害の特性に応じて提  供

 ・重度・重複障害児、被虐待児等への対応

自立(地域生活移行)のための支援

〔例〕

知的障害児施設

盲ろうあ児施設

肢体不自由児療護施設

※保護を目的としたサービス

※昼夜分離せず  施設内完結型 サービス

※年齢の区分が  曖昧なサービス

【見直し前】

【24年4月】

児童福祉法

○ 障害者施策による対応

昼夜分離したサービス

障害者施策に繋ぐ支援

 福祉型障害児入所施設は、重度・重複化への対応や障害者施策に繋 ぐための自立支援の機能を強化するなど、支援目標を明確化し、個別支援計画を踏まえた支援の提供を目指す。

-支援目標を明確化-個別支援計画の作成

年齢

居住環境の整備

(※)支援がなければ福祉を損なうおそれがあると認められるとき

施設入所支援

生活介護等

地域生活移行

グループホーム・ケアホーム

の利用

Page 166: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

① 社会的養護機能・環境上、保護を要する児童への生活支援(生活保障)・親の死亡、疾病、障害、入院、服役、貧困、養育困難、養育放棄、虐待等により、 「家庭から離れざるを得ない子ども、家庭から離さざるを得ない子ども」を家庭に代わって育てる場である。・安心、安全な環境 →虐待による入所の場合は、面会、外出、外泊、退所等については児童相談所との緊密な連携のもと、慎重な判断が必要。・より家庭に近い生活環境を保障することが課題 →小規模グループケアの取り組み

障害児入所施設の機能

Page 167: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児入所施設への入所理由( H24全国知的障害児施設実態調査)

理由 主たる要因 従たる要因 合計 在籍者( 6042名)

比     家族の状況等

親の離婚・死別 430 168 598 9.9%

家庭の経済的理由 192 274 466 7.7%

保護者の疾病・出産等 323 149 472 15.6%

保護者の養育能力の欠如 1854 703 2557 42.3%

虐待・養育放棄 1209 170 1379 22.8%

きょうだい等家族関係 151 148 299 4.9%

地域でのトラブル 64 75 139 2.3%

住宅事情・近隣の事情 87 54 141 3.2%

その他 521 180 701 11.6%

 本人の状況等

ADL ・生活習慣の確立 1949 874 2823 61.2%

医療的ケア 134 186 320 3.1%

行動上の課題改善 1157 552 1709 28.3%

強度行動障害等 236 47 283 4.7%

養育者への暴力 137 82 219 3.6%

多胎や兄弟とも障害 134 143 277 7.0%

学校での不適応・不登校 111 115 226 5.6%

学校就学・通学 470 338 808 13.4%

その他 248 104 352 5.8%

Page 168: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

② 発達支援機能 ・児童福祉法改正により、障害種別が一元化され、他種別の障害への対応が求められることとなった。 ・また、重度・重複障害、行動障害、発達障害、被虐待児等多様な状態像の児童への専門的対応が求められている。 ・多様な障害児に対応するハード面の整備や専門性のある人材の育成、療育技術の向上が課題。

障害児入所施設の機能

Page 169: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

③自立支援機能・児童福祉法改正により、 20歳以上の入所期間延長規定が廃止されたため、制度の枠組み変更により支援の連続性が分断されないように、障害児施策から障害者施策にスムーズにつなぐ仕組みが必要。 18歳(又は 20歳)以降、利用者が地域生活、一般就労、福祉的就労、障害者支援施設の利用等を行えるよう自立支援を行う。・障害者施策とのスムーズな連携を図るために、相談支援体制の強化や行政責任の明確化、自立支援協議会の有効活用、特別支援学校との連携等の仕組みの構築が必要。・入所児童の「自立支援」を念頭に置いた個別支援計画の進捗状況の管理について、児童発達支援管理責任者の役割は極めて重要。

障害児入所施設の機能

Page 170: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

④地域支援機能・入所施設の機能を地域に展開していくことで、地域における障害児支援の拠点としての役割を果たしていく。・短期入所、日中一時支援、放課後等デイサービス、居宅介護、行動援護等の在宅サービスを実施し、在宅障害児及びその家族を支援する。・在宅支援機能を地域の障害児やその家族が有効に活用し、地域での生活を維持していくためには相談支援機能の充実が必要。

障害児入所施設の機能

Page 171: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児入所施設と児童相談所との関係(措置入所の場合)

児童相談所

児童・保護者

障害児入所施設

都道府県

相談

調査・判定・一時保護

措置・援助指針・訪問・助言・指導

入所

個別支援計画サービス提供

負担金決定

負担金支払

報告

Page 172: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児入所施設と児童相談所との関係(契約入所の場合)

児童相談所

児童・保護者

障害児入所施設

都道府県

調査・判定・入所判断

実態把握(必要に応じて調査・診断・判定等)

入所申込

個別支援計画サービス提供

支給申請

支給決定

契約

利用料請求

利用料支払

相談

相談

Page 173: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

【障害児施設給付費等の支給決定について】(平成 25 年障発 0329 第 20号)① 保護者が不在であることが認められ利用契約の締結が困難な場合② 保護者が精神疾患等の理由により制限行為能力者又はこれに準じる状態である場合③ 保護者の虐待等により、入所が必要であるにもかかわらず利用契約の締結が困難と認められる場合

【障害児施設の入所に係る契約及び措置の運用について】(平成 21 年 11 月 17 日障障発 1117 第 1号)*上記③についての具体的取り扱い(「虐待の恐れがある場合」も虐待等に含めて柔軟に対応する等)や、保護者が利用料を滞納している場合の取扱い等について定める。*民法上、対象児童の保護者以外の者(保護者でない祖父母など)と契約することはできない。

措置入所の判断基準

Page 174: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

① 個別支援計画の作成ア.措置入所、契約入所にかかわらず、入所児童の個別支援計画を作成する責任者です。イ.措置入所の場合、児童相談所が作成する「児童援助指針」と施設における独自のアセスメントを基に個別支援計画を作成しますが、契約入所は多くの場合、「児童援助指針」が作成されませんので、施設のアセスメントに基づいて個別支援計画を作成することとなります。ウ.児童発達支援管理責任者の役割は、担当児童指導員・保育士等が作成した個別支援計画の原案を担当者会議の議論を踏まえて完成させていくプロセスを管理していくことです。

障害児入所施設における児童発達支援管理責任者の役割

Page 175: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

② 個別支援計画作成のポイントア.正確な状態像の把握 ・アセスメント項目の例生育歴、健康状態、基本的生活習慣、コミュニケーショ ン、社会生活スキル、障害の状況、家族の状況、発達の状況、学習の状況、特別な行動等イ.自立支援を目標として支援計画を作成する ・児童の年齢、発達段階(幼児期・少年期・青年期等)に応じた支援目標、支援内容を設定する ・最終的には社会自立を目標として支援計画を作成していく視点が重要ウ.支援計画の実施状況の把握(モニタリング) ・少なくとも 6カ月に 1回以上のモニタリングと支援計画の見直しを行う

障害児入所施設における児童発達支援管理責任者の役割

Page 176: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

③職員への助言・指導・連携

ア.直接処遇職員への助言・指導 ・OJT(職務を通じての研修)、OFF -JT(職務を離れての研修)、SDS(自己啓発制度)等を通じて直接処遇職員(児童指導員、保育士)への助言・指導を行い、直接処遇職員の支援能力の向上を図ることにより、入所児童支援の質の向上に資すること。イ.間接処遇職員との連携 ・看護師、栄養士、事務職員、専門職員( PT ・OT ・ ST 等)との連携を図り、多様なニーズのある入所児童の支援の質の向上を図ること。

障害児入所施設における児童発達支援管理責任者の役割

Page 177: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

④関係機関等との連携・調整ア.児童相談所との連携 ・児童及び家族の情報提供、児童援助指針 ・虐待等による入所の場合は、家族との接触については緊密な連携と慎重な判断が必要イ.学校との連携 ・児童の通学校との連携は家庭に代わる施設としての重要な役割ウ.自立支援に向けた関係機関との連携 ・市町村、相談支援事業所、障害福祉サービス事業所、就労支援事業所一般企業等

障害児入所施設における児童発達支援管理責任者の役割

Page 178: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児入所支援は、重度・重複障害や被虐待児への対応を図るほか、自立(地域生活移行) のための支援を充実。重度・重複障害児や、被虐待児の増加など、各施設における実態を考慮した支援や18歳以上の者は障害者施策(障害福祉サービス)で対応することになることを踏まえ、自立(地域生活移行)を目指した支援を行うものとされた。         

○ 児童福祉法 改正後の在り方  ~支援機能の充実と、地域に開かれた施設を目指す~

障害児入所施設の機能(モデル) (公財)日本知的障害者福祉協会提案

〇障害児入所施設の機能と課題

社会的養護機能・親の死亡、疾病、障害、入院、服役、貧困、養育困難、 虐待等により、環境上保護を要する児童への生活支援(生活保障)を行う。・ 「家庭から離れざるを得ない子ども、家庭から離さざるを得ない子ども」を家庭に代わって育てる場

自立支援機能

・法改正により、 20歳以上の入所期間延長規定が廃止されたため、障害児施設は「完全通過型施設」となった。 18歳(又は20歳)以降、入所児童が地域生活、一般就労、福祉的就労、障害者支援施設の利用などを円滑に行えるように自立支援を行う。

発達支援機能

・重度・重複障害、行動障害、発達障害、被虐待児等多様な状態像の児童に対する発達支援を中心とする専門的支援機能

・短期入所、日中一時支援、放課後等デイサービス、居宅介護、行動援護等の在宅サービスを実施し、在宅障害児及びその家族を支援する。・入所施設の機能を地域に展開していくことで、地域における障害児支援の拠点としての役割を果たす。

地域支援機能

(課題)・小規模グループケアの推進・地域小規模障害児入所施設(グループホーム)の創設・家庭支援専門員の配置・ファミリーホームや里親委託についての検討

(課題)・多様な状態像を示す児童に対応するハード面の整備や専門性のある人材の育成、療育技術の向上が課題。

(課題)・障害者施策とのスムーズな連携を図るために、相談支援体制の強化や行政責任の明確化等自立支援システムの構築が必要。・入所の初期段階から市町村を関与させる仕組みを構築する

(課題)・在宅支援機能を地域の障害児やその家族が有効に活用し、地域での生活を維持していくためには相談支援機能の充実が必要

Page 179: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

柏学園 

金丸 博一

8.児童発達支援管理責任者と 障害児相談支援専門員の

関係と役割

Page 180: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

児童発達支援管理責任者による「深める」支援

相談支援時の状況把握

ア 

セ 

ス 

メ 

ン 

ト 

個別支援計画の作成

 

個別支援計画の実施

 

中間評価と修正    

終了時評価

       

支援提供プロセスの連携イメージ-本人・家族を中心において-

障害児相談支援専門員による「つながる」支援

モニタリング・評価

 

 

 

 

 

 

サー

ビス担当者

障害児支援利用計画案の作成

アセスメント

   

課題分析

 

相談支援専門員

児童発達支援管理責任者

① 障害児支援利用計画を参考にして、事業所内で個別支援会議を開き、個別支援計画を作成する。② それぞれの支援の提供状況、目標の達成状況、本人の状況について評価を共有する

本人・家族、支援者が混乱しないように障害特性の理解、適切な支援方法を共有す

A さん

個別支援会議

トータルプランの

作成

 

支給決定後の、障害児支援利用計画の作成

① 地域でサポートするためのチームを作り、ネットワークを組織する。② 本人・家族や環境、生活全体に関する様々な情報や知識、技術の共有、ニーズ、支援方針を確認して統括する支

給決定

関係者による事前の連絡会議

または、

各機関の子どもの評価・方針の確認

ここは大切!

Page 181: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児相談支援とは?• 障害児相談支援は、児童福祉法に規定する障害児通所支援の支給決定を受ける際に作成する障害児支援利用計画にかかる業務を行うが、本来は障害児通所の利用相談から始まるのではなく、発達が気になるなどの子育て相談から、保護者の障害受容に寄り添いながら、就学、進学、不登校、就労と、必要に応じ、計画にかかること以外に多大な時間をかけていくものである。

• 計画に関しては、通所支援だけでなく、障害福祉サービスの利用や、保育所・幼稚園・学校などでの支援、子育てサークルなどインフォーマルな地域資源なども組み合わせた、①子どもの成長のため、また②家族が前向きに子どもと向き合うため、さらに③地域の中にその子どもの理解者を一人でも多く増やすために、様々な工夫と配慮がなされた内容であるべきである。合わせて、地域の関係機関を結びつけていくために、参考となる情報が盛り込まれているべきである。

Page 182: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

Q&A : 児童期の相談支援体制の整備に関すること

Q: 以前から地域療育に関する連携会議を行う組織があり、早期療育、早期対応について情報交換等を行ってきましたが、制度が変わり、児童期のことがよく分かららないという相談支援専門員が中心に、自立支援協議会の子ども部会が開催されることになりました。これまでの地域療育の体制のままの方が話し合いは深められたような気がしていますが・・・?

A: これまでの連携会議にプラスして、新たなメンバーが入り、自立支援協議会で子ども部会を立ち上げていることはとてもいいことだと思います。確かにこれまでのメンバーでの会議の方が、話が通じて良かったところもあるでしょうが、子どもの時期のことに詳しい相談支援専門員が地域に育ってくると、これまで難しかった進学・卒業などのつなぎの部分で、大いに活躍してくれることになるでしょうし、早期発見・早期療育をメインとしたテーマになりがちだった連携の部分が、乳児から大人になるまでの長期的な視野のもとで行われる部会となっていくことでしょう。粘り強く、地域における子どものための相談支援体制を作っていきましょう。

Page 183: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• 図が入る

「厚労省 H25年度障害者福祉推進事業 障害児通所支援の今後の在り方に関する調査研究 報告書                  平成26年3月 一般社団法人 全国児童発達支援協議会」P227より抜粋

Page 184: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

注:国研修では企画運営についても学ぶため、講義時間が短く設定されています。  本スライドは都道府県研修用に作成した都道府県スタッフ向けのものです。都道府県  研修の資料からは外して下さい。

• 現場では児童発達支援管理責任者として、児童期における相談支援について、その本来の役割がイメージできないまま、職務に就かれている方が多いように思います。また現実としては、相談支援専門員の作成した利用計画は、事業所にとってあまり参考にならないものが少なくありません。研修では、目指すべき方向を示していくことが大切ですので、3枚目のスライドの「障害児相談支援とは?」について、しっかりと伝えてください。

• さらに、児童期の相談支援体制についてしっかりと示していただきたいと思います。できれば、貴都道府県の先進的な市町村における児童期の相談支援体制について、現状を示していくと良いかと思います。その中では自立支援協議会における「こども部会」(発達支援部会、特別支援教育部会など・・・)の活動の様子を、示していくことも大切です。

• 児童専門の相談支援専門員が地域の中で活躍しているところは少ないものです。児童発達支援管理責任者が、地域の中で重要な役割を担わないと、地域の児童期の福祉は向上しないことも研修でお伝えください。

Page 185: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

乳幼児期における障害児相談支援専門員は

• 地域の子育て支援ネットワークの一員としての役割を担う

• 地域及び圏域の療育機関に関する情報を細かく知る

• ノーマライゼーション、インクルージョンについての意識を持ち、地域のあらゆる子育てに関する資源にも目を向ける

• アセスメントに関する情報は、家族からだけではなく、可能な限り多くの所から得る

• 養育者の養育に関する価値観とその環境を細かく観察した上で、子どもの発達の支援として、ベターな選択肢をいくつか準備し、療育的な支援を中心とした利用に関する計画をたてる

• 支援利用に関する計画を立てる際、何度も各児童発達管理責任者等との連携を持ち、各事業所が納得できるようなプレゼンテーションができる力量を持つ

学齢期における障害児相談支援専門員は

• 地域の療育支援・特別支援教育ネットワークの一員としての役割を担う

• 地域及び圏域の学齢期における療育機関に関する情報を細かく知る

• ノーマライゼーション、インクルージョンについての意識を持ち、地域のあらゆる社会資源にも目を向ける

• アセスメントに関する情報を、家族からだけでなく、可能な限り多くの所から得る

• 養育者の養育に関する価値観とその環境を細かく観察した上で、子どもの発達の支援として、ベターな選択肢をいくつか準備し、支援の利用に関する計画を立てる

• サービス利用に関する計画を立てる際、何度も特別支援教育コーディネーター等との連携を持ち、各関連機関が納得できるようなプレゼンテーションができる力量を持つ

Page 186: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

乳幼児期における児童発達支援管理責任者は

• 地域の療育支援ネットワークの一員として重要な役割を担う。また、保健師との連携を常に持ち、できれば健診のフォロー体制の構築に寄与する

• 地域及び圏域の療育機関の中で、自事業所の地域での役割と立ち位置を常に意識する

• ノーマライゼーション、インクルージョンについての意識を持ち、退園の可能性とその時期をイメージする

• アセスメントに関し、自事業所のスキルを高める

• 担当の作成した支援計画について、家族への支援と子どもへの発達支援がバランスよく考えられているか等をチェックし、モニタリングの時期が適切かを判断する

• 事業所の窓口であり、送り出した後のアフターケアの責任者としての自覚を持ち、障害児相談支援専門員に必要な情報を提供していき、自らも支援会議等に出席する

学齢期における児童発達支援管理責任者は

• 地域の特別支援教育ネットワークの一員として重要な役割を担う。また、特別支援教育コーディネーターとの連携を重視し、特に進級、進学の際に関係者との連携に努める

• 地域及び圏域の療育機関と放課後支援機関等の中で、自事業所の地域での役割と立ち位置を常に意識する

• ノーマライゼーション、インクルージョンについての意識を持ち、将来の社会生活のために必要なスキルを意識する

• アセスメントに関し、自事業所のスキルを高める

• 担当の作成した支援計画について、保護者のニーズだけに対応した支援計画にならないことと、子どもへの発達支援の視点も組み込まれているかを等をチェックし、モニタリングの時期が適切かを判断する

• 事業所の窓口であり、送り出した後のアフターケアの責任者としての自覚を持ち、障害児相談支援専門員に必要な情報を提供していき、自らも支援会議等に出席する

Page 187: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

障害児相談支援専門員と児童発達支援管理責任者との関係を作っていくために実施したいこと

• 障害児相談支援専門員は、障害児支援利用計画案を立てる時、また立てた後で、関係者にその内容を伝え、事業所の意見を十分に把握した上で、正式なプランを作成していきます。

• 正式な障害児支援利用計画は児童発達支援管理責任者の手に届けていく。

• 児童発達支援管理責任者は、障害児支援利用計画の内容に納得をした上で、自事業所における個別支援計画を作成し、障害児相談支援専門員に届けていく。

本人・家族の承諾のもとで

Page 188: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

児童発達支援管理責任者は・・・

• 障害児相談支援専門員の示した障害児支援利用計画を参考にして、自事業所が展開する支援を、必要なだけ、子どもとその家族に提供することになります。

• 事業所が提供する支援内容についての具体的な個別の支援計画を担当に作成させ(あるいは自身が作成し)、家族の承 諾 を得て、適切に支援が自事業所で提供されているかをチェックし、モニタリング時などに障害児相談支援専門員に支援提供の状況を報告していく、といった流れが、主な児童発達支援管理責任者と、障害児相談支援専門員の関係と理解しておきましょう。

Page 189: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• 都道府県研修におきましては、本テーマについての講義について、まず、児童期においては、専門的な視点から様々な評価や方針を、すでに持っている機関もあることから、相談支援専門員が立てる利用計画の「案」ができる前か、できてすぐに、支給決定前における事前の関係者会議が大切となります。その点を強調して下さい。

• 児童期における障害を持つ子どもの支援システムは、ある程度形としては以前から機能している地域は多いものです。そうした地域においては、支援システムの中で、どのように相談支援専門員と児童発達管理責任者が動き、支援システムの図の中に、双方をどう描いていけばいいかをイメージして下さい。できれば、都道府県内の一つの市町村の児童の支援システムを示し、その中で、相談支援専門員の活動範囲と具体的な仕事ぶり、児童発達管理責任者AさんとBさんの動きを、それぞれ見せていけると、わかり易くなるのではないかと思います。

注:国研修では企画運営についても学ぶため、講義時間が短く設定されています。  本スライドは都道府県研修用に作成した都道府県スタッフ向けのものです。都道府   県研修の資料からは外して下さい。

Page 190: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

しかしながら、現実は・・・

• やはり、障害児相談支援専門員と児童発達支援管理責任者の関係がイメージできない。

• 児童の事業所は、障害児支援利用計画を手にすることもなく、また見ることができたとしてもあまり参考にならない内容が多い。一方では、事業所の個別支援計画を、相談支援専門員が目にすることないまま、計画の更新も行われている。

• 障害児支援利用計画の案を示した関係者の連絡会議・個別支援会議が実施されていない。

• 子どものことがあまりよくわかっていない人が相談支援専門員として活動している。あるいは、子どものことを専門とした相談支援事業所自体が地域にないか、かなり少ない状況にあり、行政からは名簿を渡されてここから利用計画を作成しているところを探してと言われるものの、なかなか見つからないままで困っている。

• 障害児支援利用計画と個別支援計画との違いがまだ分からない。

(下記のことについては全ての地域に当てはまるわけではありません。全国的に児童の分野の現場から、よく聞こえてくる声の内容です。)

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現場から聞かれる困り感をどう解決していくか?• 障害者ケアマネジメントの目的と、その手法をしっかり理解した相

談支援専門員が作成した障害児支援利用計画とはどんなものなのかを、学んでいきましょう。そうした利用計画を手にした家族は、前向きになり、今やるべきことが整理され、元気になっていきます。そうした利用計画を受け取った事業所は、その内容に安堵し、大いに参考にもしていき、これからの子どもの支援に展望が持てることになります。

• 子どもの支援利用計画がしっかりと立てられるようになるためには、都道府県単位での人材育成のシステムとその内容の充実が、一層必要になってきます。事業所における個別支援計画の内容の充実に関しても、同様です。

• 都道府県及び市町村における自立支援協議会には、子どもの支援に関する部会の設立が必要ですし、多くは障害保健福祉圏域単位で話しを進めなければ、人材不足で部会自体が成立しにくいところも少なくありません。いずれにしても、障害児支援利用計画と、事業所における個別支援計画の内容の充実を求めて、研修会・勉強会、ケース検討会、 OJT のための職員交流の実施に力を入れていくことが、当分の間重要です。

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障害児相談支援体制が整っていくまで・・・

• 児童畑で経験豊富な児童発達支援管理責任者は、当面の間、障害児相談支援専門員が地域に育ってくるために、力を分けて下さい!当面の間、できあがった個別支援計画の中身をていねいに、相談支援専門員に説明して下さい。そして、「うちの事業所ではここからをしっかり考えるので、この点についてあなたには頑張って考えてほしい。」と、相談支援専門員にやさしく情報提供して下さい。また、児童のことはわからないと言っている障害児相談支援専門員がいれば、温かいまなざしで、子どもの中で遊ぶ機会を提案して下さい。さらに、個別支援会議を自らが計画して実施し、ご家族の承諾 を得ていき、その会議に障害児相談支援専門員を呼びましょう!保護者の方とは、公的サービスの利用ペースについて、今一度サービスを使いすぎていないかも含め、ホントに子どもはそれでいいの?子どもは疲れていないかな?という問いを投げかけましょう。一方で、できれば地域の中で児童発達支援管理責任者が集まる機会を作っていきましょう。

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障害児相談支援体制が整うまでに留意したいこと• 個別支援計画と障害児支援利用計画の間には、上下関係はもちろん、どちらが先かということもないと考えていくことが、現実的な解釈となります。どちらからの提出でも、互いに温かく受け止めていくようにしたいものです。

• 相談支援体制は何のため、誰のためなのかを何度も確認していきましょう!運営的に成り立たないという声は特に相談支援事業所で大きいのですが、本人と家族はもちろんのこと、行政としても、事業所としても、この体制を進めることで利になる部分があることを、何度も確認しましょう。(ポジティブシンキングのために!)

• 子どもの朝の姿、ご飯を食べる姿、お風呂の時の姿、買い物に行っている時、床に入ってからの姿など、生活している様子を確認しながら、一日、一週間をイメージし、関係者と共有することが、児童期における「連携」ということではないでしょうか。(それを取りまとめ、イメージの元を作っていくのが、障害児相談支援専門員の大切な仕事の一つです。)ていねいに時間をかけて、その協働作業をやっていきましょう。

Page 194: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

児童発達支援管理責任者は・・・・ 子どもの発達上の課題とその家族がより前向きに生活していける

よう「深める」支援を展開していくための事業所の責任者です。(自事業所を中心に、事業所内のスタッフのスキルアップを常に考えての活動をし、子どもに応じて地域の中に出かけます。)

障害児相談支援専門員は・・・

・ 家庭と児童期における地域の関連機関(保健師・幼稚園・学校等)とを「つなげる」支援を展開していくための地域の責任者です。(担当する地域全体が活動の場です)

障害児相談支援専門員

児童発達支援   管理責任者

1.送る 2.受けとめる

3.事業所内の調整5.地域内の調整

4.返す

子どものために地域の中を駆け回る!

腰を据えて、子どもを守る!

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このシステムが機能していくためには、多くの課題があります。

• 障害を持つ児童の支援に関しては、地域にもよりますが、保健師、総合病院の小児科医、児童相談所心理判定員、児童発達支援センター園長あるいは主任保育士といったスタッフが中心となっているところは多いと思います。そうした流れの中で、これからは障害児相談専門員と児童発達支援管理責任者が、地域のキィーマンとして活躍するようになってほしいものです。そのためには、様々な仕掛けが必要です。地域の子育てネットワークに相談支援専門員は参画して自身の役割をアピールすること、児童発達支援管理責任者同士が情報交換する場を定期的に持つこと、相談支援専門員と児童発達管理責任者の児童分野に特化した現任研修、または児童期の支援に関する専門研修の実施、といったことが当面の課題としてあげられます。

• 家族と子どもと事業所だけの話し合いの中で支援が実施されている例は多く、子どもにとって本当に必要な支援なのかが検討されていないケースも多いようです。地域の関係事業所において、隣は何をする人ぞ!ということが、児童の支援の中で生じないように工夫しましょう。

重要

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9.支援提供プロセスの実際

柏学園

金丸博一

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注:国研修では企画運営についても学ぶため、講義時間が短く設定されています。    本スライドは都道府県研修用に作成した都道府県スタッフ向けのもので

す。都道府県研修の資料からは外して下さい。

• 「支援提供プロセスの実際」では、事業所のおける支援の流れを示していくことになりますが、大きな目的は、個別支援計画をベースとして一人一人の子どもの支援を展開していくことにあります。内容の充実した個別支援計画が作成されないと、支援の流れとしてはOKでも、事業所としては、まだまだ十分機能したことになりません。支援計画の中身が大切であることを当然ながら強調してお伝え下さい。

• 本講義は事例を使いながら、支援提供プロセスを示していきますが、児童発達支援管理責任者の役割と出番をしっかりと示してほしいと思います。研修自体は、個別支援計画を立てていくことに注目が行きがちですが、支援のプロセスの中で、児童発達管理責任者としての役目を具体的に示しましょう。それぞれのプロセスで、児童発達支援管理責任者の仕事はここだよね!とお伝えください。常にスタッフを育てることを意識し、事業所が地域で社会的な役割を果たすことを意識して仕事をするんだ!ということをケースを通して示せればOKだと思います。

Page 198: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

4)

個別支援計画の実施

 

3)

個別支援計画の作成

 ①到達目標の設定

    

②個別支援計画の作成

 

2)

アセスメント

②基本的ニー

ズの把握

 

③課題の整理

      

①初期状態の把握

   

1)

相談支援時の状況把握

6)

終了時評価

       

支     援     会     議

児童期の支援提供のプロセス児童期の支援提供のプロセス

5)中間評価と修正    

①支援計画の中間評価

         

②支援計画の修正    

* 

他機関との連携

 

* 

就学・卒業等の移行期支援

    

定期的に繰り返し!

障害児相談支援事業者との連携

 

障害児支援利用計画案/正式な計画

事業所における

児童期は特に互いに連携を取り合い、情報を交換しながら、同時並行して状況把握をしていくというイメージの方が現実的だと思います。

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ケースの概要と経過-1(注:本講義用のケースです。演習で取り上げるケースとは違います。)

ダウン氏症候群。3歳4カ月男児。(B園に入園して二カ月目)初歩は 2才 6カ月。

妊娠後期、地元の産科医の紹介で、総合病院に転院。出産後間もなく、診断名の告知。生後、中隔欠損が認められたが、経過観察のまま現在に至る。運動制限が必要な状態ではない。また同病院で発達検査、各種専門スタッフによる定期指導を受けることができたこともあり、3才まではその病院で、診察、療育的関わり等を受けた。地元の保健師は年に 7~ 8回ペースで訪問を続け、母親の話し相手となってきた。 3歳になって、児童発達支援センターB園を紹介され、すぐに外来療育等指導事業による個別指導を開始。3:3には、 B園に入園。通園バスを利用し、単独通園。入園を機に母親は職場復帰。保育園と併行通園することとなり、週に三日ずつ、それぞれの園を利用。

初回アセスメント(生活年齢;3歳1カ月)    使用検査:新版K式発達検査   (枠内数値は、発達指数。括弧内は発達年齢)

 *積み木の塔3個~(+)、円板回転~(+)、なぐり描き~(+)、予期的追視~(-)、

   2 個のコップ~対応難、釘抜状把握~(+)、紐付き輪を紐で下げること~(+)、  検者とのボール遊び~(+)、指差しについては、「手さし」の状態なので (-)

とした。

歴年齢 全領域 姿勢・運動 認知・適応 言語・社会3:1 39(437日) 68(761

日)39(439日) 31(347日)

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ケースの概要(3歳2か月時)と事業所の状況-2(注:本講義用のケースです。演習で取り上げるケースとは違います。)

3歳2カ月時の母親の気持ち:仕事を始めるにあたり、不安は大きい。また、歩けるようになって間がないので、ふらつきも多く、特に保育園に通う日は、けがをしないかと心配。この三年間、この子にかかりきりだったので、子どもの姉(年長児)に対してすまない気持ちも膨らんできている。一方では、諦めかけていた仕事に就くことができ、就業を応援してくれた B園の先生には感謝している。ただマイペースなところがある夫が、ますますゆったりと動き、子どもとなかなか遊んでくれないのに大きなストレスを感じている。何を尋ねても「なんとかなるさ!」と言う夫にも腹が立つ。

入園初日より、単独での通園開始。月曜と木曜と土曜日に利用。通園バスを利用し、 10: 00から 14: 30在園。縦割りクラス( 1 日定員12名)。土曜は 13 時まで。偶数週のみ開園。

保護者参加の個別指導( 60 分)を月に 2~ 3回、クラスごとに実施する母子通園日は月一日、クラスでは、設定場面は視覚的に楽しめる内容を中心に、集い・運動・リトミック・造形・クッキング・感覚系の遊びを中心に実施。午後は、子どもの体力に合わせて、遊戯室・園庭・午睡等を、当日の参加メンバーも考慮して実施。

前期・後期の二学期制。保護者のニーズをもとに、家庭訪問時に話し合い、目標の設定・修正を実施、個別支援計画を基本的には年二回作成。

家庭とのやり取りは日々行い、生活リズムについても、毎日詳細にチェックを実施。

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ケースの概要( 3歳4カ月時)-3(注:本講義用のケースです。演習で取り上げるケースとは違います。)

発語は母音中心。このところ、「あっあ~」「おお!」と、音が二つ重なることがある。要求は手を引いてくるか、手さしで示す段階。

体はやわらかく、椅子に座っていても、すぐにずれてきてしまうので、 OTにより、本児用のいすを先日作成してもらう。そのため座位は、かなり安定してきた。

歩行は、左右に揺れながら、膝をあまり曲げずに歩くようなレベル。階段は幼児用の手すりを持ち、ゆっくりと降りる。

入園してからは、疲れ気味でもあるので、昼からは午睡させている。 食事は食べこぼしが多いものの、一人で食べる意欲があるため、本児が保持しやすいスプーン・フォークを作成し、すくい易い食器を準備しただけで、あとはのんびりと本人が立ち上がるまで、一人で食べてもらうことにしている。

5 月の連休 明けくらいから、少し余裕が出てきて、朝から笑顔が見られることが増えてきた。靴箱のところから教室まで20mはあるが、一人で歩いていく。手を引こうとすると、睨みつけてくる。

クラス以外のスタッフからの声かけで、ハイタッチを楽しめるようになっている。

ペープサートや絵本は口をあけて、じっと見ている。自由遊びの時間にペープサートを持たせると、本人なりにイメージを再現しているような動作を見せる。

音楽遊びの時は、教室の隅に言って座り込み、嬉しそうにクラスの子が踊ったりする姿を見ている。

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(1)相談支援時の状況把握(1)相談支援時の状況把握

実施方法

• 保護者の主訴(心配なこと、相談・療育機関利用の意向など)を把握する。

• 主訴と質問に応じたできるだけ最新の情報の提供をする。

• これまでの経過について把握する(相談支援専門員からの情報、発達経過、利用機関、医療情報等)。

• 自事業所としての、子どもの状態像に関する見立て・所見もまとめておく。

• 保護者の状況(心理状況、家族状況など)について可能な範囲で把握する。

• 個人情報の管理については慎重に行う

• 相談支援専門員の作成した障害児支援利用計画及び基本情報

• 相談受付表• 施設案内、施設の手続き説明書• 重要事項説明書(契約時)

必要なツール

事例より ( 3歳0ヶ月)

• 主訴は、病院からの紹介、療育を受けたい。

• 母親は就労予定でもあり、不安は大きい。

• 保育園にも合わせて入所予定。• 大人しくずっと母親に寄り添って座っており、笑顔はたくさん示してくれた。

保護者の表情を注意深くくみ取り、寄り添う姿勢が大切!事業所の利用を勧める段階では

ない!

できれば、初回の面接時に子どもの笑顔を引き出していきましょう!

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(1)大切にしたい視点

• 気軽で身近なアクセス先になるように、施設の案内を地域に発信できているか。

• 相談者が初めてアクセスしたときに、分かりやいシステムと親しみやすい雰囲気をもっているか。

• 相談者の基本情報、主訴、これまでの経緯を過不足なく収集できているか。その際、特に相談支援専門員との連携はスムースか。

• 相談者の質問や要望に適切に答えられているか。

• 必要な場合には他機関紹介ができるように、地域の情報を整理しているか。

• 個人情報保護は職員に徹底できているか。

• 紹介元への必要な連絡(結果等)はできているか。

Page 204: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• 支援プロセスの流れをイメージしていくため講義です。事例をうまく話の中にはさみながらお話し下さい。

• 「実施方法」とは、支援プロセスの中でその事業所で行うおもなことです。児童発達支援管理責任者の役割を示しているものではありません。

• 「必要なツール」とは、事業所が実施する内容に関し、予め準備した方が良いと考えられるものの例です。事業所として準備しておいた方が良いものですから、担任・担当者が手配できるまで、児童発達管理責任者による指示、助言のウェートは高いと考えられます。

• 「大切にしたい視点」は、支援プロセスごとに表記していますが、基本的に事業所全体の活動として大切な視点を示しています。事業所の役割を果たしているかを振り返り、項目ごとに大切な視点をチェックし、スタッフにその評価を返していく役割としては、児童発達支援管理責任者の重要な仕事になってくるということを、お伝えください。

注:国研修では企画運営についても学ぶため、講義時間が短く設定されています。

    本スライドは都道府県研修用に作成した都道府県スタッフ向けのものです。都道府県研修の資料からは外して下さい。

Page 205: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

実施方法

• 発達検査、あるいは障害に応じた適切な評価を実施し、身体状況や心理・発達状況など状態像の客観的な把握に努める。

• 聴取により生育歴、発達歴などこれまでの状況を把握する。

• 必要な場合には、保護者の許可を得て、他機関からの情報を入手する。

• 心理検査    発達検査、知能検査

など    (フォーマル検査)• 発達評価表    (研究機関等による

もの、     施設固有のもの)

(2)アセスメント ①初期状態の把握(2)アセスメント ①初期状態の把握

必要なツール

事例より( 3歳1ヶ月)

• 音の出る玩具、もののやり取りを繰り返すこと、ボール投げ(投げたものを急いで取りに行って渡すと笑顔)に興味を示した。

• 自ら次々と遊ぶことはない。動き回ることもない。

• 慣れてからのスキンシップは抵抗なく受け入れてくれた。

保護者の心理状態によっては、フォーマルな検査を実施する時期は慎重に決めていきましょう。また、発達状況を把握する方法は、できればいくつも対応できるようにし

ておきたいものです。

Page 206: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

(2)ー① 大切にしたい視点

• 子どもの状態に応じ、適切な評価ツールを使用して実施しているか。また、大まかな評価するために準備した玩具・教材等はあるか。

• 他機関の評価、保護者からの情報を含め、評価に必要な情報収集ができているか。または、情報を収集するための人脈、ルートは形成されているか?

• 評価の結果を、保護者に分かりやすく、子どもの一人ひとりの生活の実態に合わせた具体的な説明をしているか。また、評価の結果が、事業所として支援にどのように活かしていこうとしているかを説明できているか。

当然ながら、検査の結果を伝えただけでは、保護者の不安は増大します。検査結果も含めて、発達の状態を丁寧に分析していくことで、初めて「評

価」したことになります。事業所のスタッフだけでは、そこは難しいところもありますので、外部の関係者の協力も募っていくよう努めたいもの

です。

例えば、子どもがご飯を食べる時に使用するものは、手の操作レベル、言葉の理解のレベル、姿勢の状態、子どもの意欲、保護者の思いなどを総合的に評価して、決めていくことになりま

す。

Page 207: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• (2)アセスメント ①初期状態の把握 の部分で示していることは、全ての児童発達支援センター、児童発達支援事業所、放課後等支援事業所で実際に実施できているわけではないようです。保護者のレスパイト支援を中心に事業を展開したり、保護者の就労支援をメインとして子どもの受け入れを実施したりする事業所においては、示されたことをしっかり行わなくても、事業は成立します。しかしながら、自らが言葉で要求や希望を示せないことが多い児童期において、「本人のニーズ」が不明確なまま支援を行う以上、子どもの発達段階をしっかりと把握し、発達段階に沿った関わりを考えていくことが、子どものニーズを満たしていく支援になると考えられています。そこで、児童期の場合、子どもの自尊心や主体性を育てながら発達上の課題を達成させていくことを「発達支援」とし、「子どものニーズ」については、「発達ニーズ」といった言葉に置き換えることがあります。いずれにしても、基本としては十分に研修を重ね、初期のアセスメントで発達チェックができる事業所となるよう、受講生にお伝え下さい。

注:国研修では企画運営についても学ぶため、講義時間が短く設定されています。

    本スライドは都道府県研修用に作成した都道府県スタッフ向けのものです。都道府県研修の資料からは外して下さい。

Page 208: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• 相談時の面談、初回アセスメントの情報等を整理して、子ども、母親、父親、それぞれのニーズを把握する。

• それらのニーズにずれはないか、その有無を把握する。

• 面談時の情報、発達評価結果

(2)アセスメント ②基本的ニーズの把握(2)アセスメント ②基本的ニーズの把握

実施方法 必要なツール

事例より( 3歳2ヶ月 入園の前月)

• 週に6日間、集団生活に入っていくことで、体力的に持つかどうかは心配。事業所、保育所ともに無理をさせない日課の設定をまず考えたい。

• 母親の思い~就労のこと、二人の子どものこと、夫を今ひとつ頼りなく感じることで混乱気味

• 父親の思い~母親の再就労は早すぎないか?協力はしていきたい。保育所では、友だちを作ってほしい。

            

保護者の思いをていねいに整理していきましょう。また、保護者のニーズは、昨日と今日は変わるところもあることを、十分に理解しておきましょう。「先日はこうおっしゃっていましたよね!?」という言い方は好まし

いものではありません。

できれば、ご親族の方々の状況、思いも、失礼のないようにして、聞かせていただきた

いものです。

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(2)ー② 大切にしたい視点

• 子どもの「発達ニーズ」が適切に把握できているか。

• 父親、母親、家族の思いを丁寧に聞き取り、理解し、主訴として把握できているか。

• これらを合わせて、家族支援のニーズを把握できているか。

*「発達ニーズ」とは、「子どもが暮らしの中で必要とするもの」であり、「子どもの本音」であり、「子どもが欲求しているもの」です。子どもの健全な日々の生活と成長を保障していくために、子どもが 「快感」「喜び」「満足感」「達成感」「活動欲求」「愛情のある関わり」 等を得られるよう、多くの知識と情報を持ち合わせていきましょう。

Page 210: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• この講義用のスライドの 6枚目で使っている、以下の表題の図について、

  都道府県研修の講義の際には、各プロセスを図の順に説明していくわけですが、講義用のスライドとして、各プロセスの説明に入る度にこの図を示し、「今からはここの部分を説明します」と伝えてから、説明していかれることをお勧めいたします。

・  「②基本的ニーズの把握」における事例の状況としては、子どもの状態として、体力的に大丈夫なのかという心配と、母親の気持ちとしては、入園を前に不安でいっぱいなところ、父親はどうにか支えになろうとはしているのだが、結果的には母親の気持ちに寄り添うことができていないといった状況をお伝え下さい。こんな状況の母親にどう声をかけるべきか、時間があれば、受講生に尋ねてもいいですね。

  

児童期の支援提供のプロセス児童期の支援提供のプロセス

注:国研修では企画運営についても学ぶため、講義時間が短く設定されています。

    本スライドは都道府県研修用に作成した都道府県スタッフ向けのものです。都道府県研修の資料からは外して下さい。

Page 211: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• 基本的ニーズの把握に基づき、課題を整理する。

• 支援項目ごとの内容と方法は、保護者の同意を得ながら進める。

• 併用する他の機関がある場合は、必要に応じて、他機関と役割分担と協働による支援を実施する。

• 支援項目ごとの課題の整理表

(2)アセスメント ③課題の整理(2)アセスメント ③課題の整理

実施方法 必要なツール

事例より:大まかな課題の整理

<子どもへの支援>・移動の時間を大切にし、自分の力でゆっくり目的のところへ行けることを重視。

・活発に子どもの模倣をする段階ではなく、大人が寄り添いながら、一対一の遊びを設定。

・園生活の中に休 養の時間を多めに設定。<家族への支援>・個別指導の時間にプラスして、当面は園での様子をこまめに伝えていく

・入園後に父親‐母親同堰の話し合いの機会の設定

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(2)-③ 大切にしたい視点

• 列挙された課題に優先順位を付けて整理ができているか。   *緊急度、効果、般化度、家族の方の納得状況

• 家族支援についても同様に整理できているか。

• 発達支援の課題と家族支援の課題の関係性を整理しているか。

• 現実的な実施可能性を想定して課題整理しているか。

• 他機関との連携・役割分担が確認されているか。

課題としては重要であることが確認されつつも、自事業所では取り組むことが難しいということがわかれば、直ちにそのための手立てについて、相談支援専門員を始め、他機関へヘルプコールを出して

いきましょう。

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• 経験を積み、子どもの支援に少し慣れてきたら、いきなり個別支援計画の作成から始めてもいいですし、実際の現場では、課題の整理をしっかりと行うところは少ないようです。

• ニーズとして『言葉が増えてほしい』という話があったから、支援目標に『言葉が増えるように支援します』では、子どもを大切にした支援とは考えにくいものです。言葉が遅い⇒初歩は二歳過ぎだった⇒手先の操作については 1歳過ぎのレベル⇒言葉を発する段階ではない⇒子どもなりに自分でやりたい気持ちは芽生えている⇒好きな遊びの中で(一歳前半のレベルの玩具遊び)繰り返して一人で遊べる遊びは増やしたい・・・といったような実際の姿と評価・子どもの姿から考えられること・子どもが得意とすることを確認した上で、現実的に課題となることを推測し、初めて支援目標が見えてきます。課題の整理がしっかりできないと、個別支援計画は立てられないはずです。そうした説明をしていくとよいと思います。

  

注:国研修では企画運営についても学ぶため、講義時間が短く設定されています。    本スライドは都道府県研修用に作成した都道府県スタッフ向けのもので

す。都道府県研修の資料からは外して下さい。

Page 214: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

<子どもへの支援>・全体的発達支援:運動・認知・社会・言語・子どもが力を発揮しやすい環境を再評価し検討・短時間ながらまとまった一連の行動の習得・遊びの中での活動の調整、子どもに合った生活リズムの検討<家族への支援>・子どもへの発達状況理解と関わり方の支援・父親‐母親の育児への協力関係づくり、兄弟姉妹への関わり方・母親の育児負担感の軽減<地域支援>・これまで関わってきた保健師との情報交換及び、事業所とし

てどういった支援を行っていくかの説明・保育所との連携~まずは、一回目の連携をいつ行うか?ま

た、保育所等訪問支援事業をどの時点で開始していくか

個別支援計画を立てる前に整理しておきたい項目の例(乳幼児期のケース)

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№発達ニーズ・意向等

の把握

初期状態の評価(利用者の状況・環境の状況)

支援者の気になること・推測できること

(事例の強み・可能性)解決すべき課題

発達支援

*今はとにかく、B園でも保育所でも、その生活に慣れていってほしい。

B園のクラスに体験で入った時は笑顔は少し見られ、母親に抱かれて、子どもの様子をよく見ていた。大人との一対一での遊びでは、反応はよく、対人興味は良好。

体力的にはまだ1歳後半くらいの状態。まだまだ疲れやすい状態にある。スキンシップを求め、笑顔はさらにたくさん引き出せていけると思う。自分でやろうとする自我は芽生えている

集団の流れとは別に、ゆっくりと過ごせる時間の設定は大切ではないか。その中でも本人なりにできることは、手を出しすぎないようにして、見守っていけるよう配慮すべき。

*まだしゃべることができない。焦ってはいないが、たくさんしゃべるようになってほしい

認知面、手先の操作性のレベルは一歳前半で、口腔機能だけでなく全般の 筋 力の弱さ等を考えると、まだ発語が出てくる段階ではない。

関心があることはよく注目し、繰り返して何度も遊んで楽しむことができる。何でも緊張はしやすく、慣れるまでに時間はかかるが、気を許すと積極的に人と関わろうとする姿も見られる。

言葉の発達に関しては、時期を見て両親に対し、どのような発達になるのか見通しを示していく機会を持つことは必要。表現としては、動作模倣と日常的な生活場面でのジェスチャーの獲得の段階。

*保育所では友だちを作ってほしい(おとうさん)

子どもが遊ぶ様子を見ていることはある。持っているものをとられた時は、きょとんとしていた。個別指導を行う部屋では、大人が行う手遊びやペープサートによく注目していた。

机上で一つの玩具でよく集中して遊べる子がいると、じっと見ていることがあった。活発に遊ぶ子どもに対しては、その動きを追いかけることが難しそう。

金タロくんが喜ぶ遊びは、少しでも多く具体的に両親に伝えていきたいところである。大人との遊びが、今は最も刺激があることになることも伝えたいところ。

家族支援

*母親は父親に対しもっと子どもと関わってほしいと感じている。また長女に対し、しばらく放任だった気がしている。

父親とゆっくり話す機会はないが、一度会った感じは、愛想のよい優しそうなお父さんではあった。タロくんの姉は、はきはきした口調で話しをする。明るく元気な印象。

子どものことで頭がいっぱいになっている母親を、そっと見守っている父親ではないか。母は子ども二人のことと自分の就労のことで混乱気味なので、寂しい思いをしつつ、今の状況を受けとめているかもしれない。

父親の言い分をしっかりと受け止めていく機会は作っていきたい。タロくんの姉は母親そっくりのタイプとも感じる。似ているからこそ生じる子育てに関することを、一度話しをしていき、励ましたい。

地域連携

*保育所との併行通園となる

送迎のことを考えて選んだ保育園。規模的にはやや大きめで、タロくんの入るクラスは、 2 7名で二人担任。

クラスには他に担任が気になっている子が二人いる。その子らのことも含め加配職員が一人つくことになった。

定期的に連携をとっていくことは、保育園園長としては大歓迎とのこと。その頻度と連携の仕方について、近く具体的に決めたい。

*本講義での事例における課題の整理の例

課題の整理表

                                           子どもの名前   ○川 金タロ さん

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• 支援項目の課題に基づき 到 達すべき長期目標と短期目標を定める。

• 時間(支援期間)と領域(支援内容)という2つの観点から個別支援計画を作成する。

• 到 達目標は、時間軸を通して段階を踏んで達成される。

• 保護者の意見や希望を確認しながら作成し、保護者の同意を得る。

• 個別支援計画表

(3)個別支援計画の作成(3)個別支援計画の作成

実施方法 必要なツール

事例より( 3歳 4カ月時):課題の整理をもとに

・長期目標( 1 年)~できるだけ体調を崩さずに各園に通えるよう、休 養の取り方には十分気をつけて過ごしていきましょう。

・短期目標( 3~ 6カ月) ・ 毎日午睡の時間は確保し、他の時間帯も金タ

ロくんの休 養の取り方について、その空間と過ごし方について随時考えていきましょう

 ・ 大人との一対一での遊びで、金タロくんから要求を示してくるものをいくつか見つけていきましょう

 ・ 言葉の成長について、B園の言語聴覚士と話し合う機会を作り、家庭での接し方について話し合いましょう。

 ・ ご両親と保育所の先生、B園のスタッフで、話し合う機会を 5 月と 7 月に持ちましょう。 

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(3) 大切にしたい視点• 長期目標と短期目標が適切な期間で設定されているか。   (短期:3か月前後~期間が長すぎる目標は具体性がないことが多い)

  

• 目標と課題内容は分かりやすく、具体的で、実施可能か。

• 発達支援3つ、家族支援1つ、地域連携1つといったバランスで設定してみましょう。

• 課題・目標とは、多重性、相互性があるのであり、その分析をした上で、合理的で実践的な支援を組み立てましょう。

• 育ちの特長・芽生えを活かしているか(ストレングス)。

• 分かりやすく文章化し、保護者に渡しているか。   保護者・子どもの立場に立った表現   ポジティブ表現(支援計画を読んで、保護者は前向きな気持ちになれたか?)

• 保護者の同意を得ているか。保護者の同意は選択可能な状況・条件の中で行われているか。

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• 支援スタッフはお互いに情報交換しながら支援を実施する。

• 支援のペースやスケジュールについては、保護者の同意を得て実施する。

• 設定された目標を、効率よく達成することに努める。

ケースファイル、各記録用紙、評価記録用紙、支援実施一覧表など

(4)個別支援計画の実施(4)個別支援計画の実施

実施方法必要なツール

事例より~3歳6カ月

<療育実践>• 思いの外、ほとんど欠席なく通園できている。• 毎朝、靴箱から教室まで、 20 分かけて一人で

行っている。各教室をのぞきこみながら楽しんでいる。

• 朝と帰りは、スタッフに会うたびに深々と頭を下げている。

• 療育修了後に日々の振り返りを実施<保護者関係>• 個別指導時に毎回療育状況を伝えている。• 父親はすでに二回来園。よくしゃべる!• STとの話し合いについて、 6 月に実施することになった。保育所との話し合いはすでに二回実施。

• 母親はお疲れ気味。

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(4) 大切にしたい視点

• 支援内容は計画通りに実施されているか。

• 支援の記録が残されているか。(実施した支援会議の記録も必要)

• 支援内容と方法は、目標達成に効果がありそうか。

• 支援スタッフの相互連携がとれているか。

• 保護者が意見や希望を伝えることができているか。

• 支援スタッフが外部と連携しながら、支援内容の状況の評価を受ける機会を作るなど、定期的に学ぶ機会は設けられているか。

• 安定した出席率となっているか。(長期の欠席はないか?)

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• 時期(段階)ごとに、到 達目標達成度を評価し、分析する。

  (まずは、目標が達成か未達成か判断し、未達成ならばその原因を考えましょう。もちろん、達成している場合も、何が良かったか、あるいは目標の設定が低すぎたのかどうかも振り返りましょう。)

• 保護者からのサービス評価を取り入れる。

• 保護者の要望や状況の変化については、常時情報を得るようにする。

• 中間評価記録表• 療育アンケート• 必要に応じて発達評価など

(5)中間評価と修正 ①個別支援計画の評価(5)中間評価と修正 ①個別支援計画の評価

実施方法必要なツール

事例より(入園して 5か月後の状態。)<子どもの様子>• B園の生活の流れにはほとんど沿えている。リ

ズム体操の時は、にこにこしながら見ている。• 片付け、かばんかけ、連絡帳の提出などが、で

きる日が増えている。• 声を出して笑う姿が見られだした。• 調子に乗って少しふざけることも出てきている。<両親の思い>• 両園にほとんど休 みなく通えていることに安堵している。

• 金タロくんは、実際にかなり成長しているとは思うが、母親としてはそのことを受けとめる余裕はなさそう。

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• 「実施方法」のところに、(まずは、目標が達成か未達成か判断し、未達成ならばその原因を考えましょう。もちろん、達成している場合も、何が良かったか、あるいは目標の設定が低すぎたのかどうかも振り返りましょう。)と書いていますが、このことが特に大切な作業となることを伝えましょう。わりとできていないのが、達成した原因を探ることです。うまくいかなかったことを反省をしていくことはできても、実践の中ではなかなか生かされないものです。しかし、上手くいったこと、適切な関わりであったと振り返ることは、殊に経験数の少ない職員にとっては、励みとなると思います。上手くいっている要因を上手に評価し伝えていくことは、児童発達管理責任者の役割の一つと言える部分です。事業所のよくない面に頭を悩ませ、修正してほしいことを伝えながら、職員集団の中で孤立している児童発達支援管理責任者は少なくありません。ぜひ、そうした部分も含めて、このプロセスの説明のところでお伝えください。

  

注:国研修では企画運営についても学ぶため、講義時間が短く設定されています。    本スライドは都道府県研修用に作成した都道府県スタッフ向けのもので

す。都道府県研修の資料からは外して下さい。

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(5)-① 大切にしたい視点

• 設定した期間(短期目標)ごとに中間評価を実施しているか。

• 設定した期間以外でも、常に発達ニーズや保護者ニーズの変化に気を付け、必要に応じて中間評価と修正を加えることができているか。

• 保護者の満足度、要望、苦情を知る方法を設定しているか。

当然ながら、保護者の気持ちは日々揺れていく場合もあります。要望や訴えに一貫性がなくても、振り回されることなく、温かく受けとめていき続けていくことが、特に児童発達支援管理責任者に求められることでしょう。

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• 到 達目標に達成できていない場合は、その原因を分析的に考え、新たな目標設定をしていく。

• 修正にあたっては、 担当者間で連携を取る。必要に応じて、他の視点からの助言を得る。

• 保護者に修正や変更の同意を得る。

• 個別支援計画の修正、変更記録表

(5)中間評価と修正 ②個別支援計画の修正(5)中間評価と修正 ②個別支援計画の修正

実施方法 必要なツール

事例より

<園内関係者会議での検討内容>①欠席が少なかったのは、B園、保育所とも

に、休 養時間の確保がうまくいったのではないか。

②母親の不安は、むしろ大きくなってきている。

③ 関心ごとが増え、子どもからの要求が出てきている。

各担当者の意見クラス担当;大人との関係を中心に、遊び方

が変わってきている。個別指導担当;手元をみて操作することが増えている

*児童発達管理責任者は、会議内容を保護者に伝え、今後の方針について話し合った。

  

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(5)ー② 大切にしたい視点

• 中間評価に基づき、適切な修正ができているか。

• 適切なスタッフで検討会議を開催しているか。

• 必要に応じて、修正内容の検討のための評価を実施しているか。

• 保護者の意見を聞き、同意を得ているか。

• 修正結果を文章化できているか。

  

いつ、

どんなメンバー

で、

どのようなテー

マのもと

に検討会議を行っ

たのかは、

記録として残していくことが必要です。

個別の支援目標につい

ての評価は、

決して一人で行わないようにしていきましょう。

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• 併用機関について、内容、日程、担当者等を正しく把握する。 

• 電話、報告書、訪問等、必要に応じた方法で連携を取る。

• 連携の希望の有無、その方法と内容、時期については、保護者と十分に話し合いながら実施する。

• 個人情報保護の視点と発達支援、家族支援の視点から、伝えるべき内容と伝えるべきでない内容について吟味する。

• 連携希望書• 他機関連携記録• 報告書

(6)他機関との連携(6)他機関との連携

実施方法 必要なツール

事例より<保育園との機関連携>• 保育所等訪問支援事業について、かねてから保

育所には説明してきているが、9月あたりから開始に踏み切ってはどうか。

• 母親の不安については、相互に確認していきたい。

• 引き続いて、無理に集団参加させることはなく、本児のペースに合わせた生活の流れを考えていくことでは、大いに意見が一致した。

• 保育所の担任としては、思うように金タロくんと関われないことで悩んでいた。頻繁に個別の指導が必要な子が他におり、日常的な保育で、何から優先すべきか混乱気味である。

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• 事例についての補足:母親の不安について~何故不安が解消されないのか?疲れているのなら、移動支援や家事支援は使えないのか?短期入所を利用することも考えてはどうか?といった議論に 繋 がることがあります。しかし、まずは家族の力、親戚・近所の方の協力といったことから考えていくことが基本です。このケースの場合、母親は、久しぶりの就労による疲れと、就学を迎えている本児の姉への思い、夫への様々な不満、子どもの将来についての漠然とした不安などが重なっており、不安が解消されないのも当然とも思える状況です。こうした状況は、子どもに障害があるなしにかかわらず、再び仕事に就いた母親には、普通に生じるものとも考えられ、乗り越えてほしい壁にぶつかっている状態です。子育てをしながら働いている職員を中心に、母親に寄り添い、共感しつつ、母親の話に傾聴し続けることが、何よりも大切な支援であると考えることもできます。公的サービスを勧めれば、それでよいというわけではなく、子育て支援の視点を持って、母親とその家族が自分たちの力で乗り越えていく姿を見守ることも、大切な支援の一つであることをどうぞお伝えください。

  

注:国研修では企画運営についても学ぶため、講義時間が短く設定されています。    本スライドは都道府県研修用に作成した都道府県スタッフ向けのもので

す。都道府県研修の資料からは外して下さい。

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(6) 大切にしたい視点• 必要な時に、主体的に、連携が実施されているか。   *連携の目的・・・そのための課題の整理   *連携する機関・関係者   *連携の方法   *頻度   *事業所内の役割分担とキーパーソン

• 保護者の希望、相手機関の希望を把握してるか。

• 地域ネットワークの視点で連携しているか   *ヴィジョン・アクション・フィードバック・連携ツール

• 個人情報保護の視点を持って行っているか。  (本人主体・倫理の共有)

*相談支援専門員との連携

  

役割の確認

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• 保護者への情報提供

• 保護者が悩みや考えを話し合える場の提供。

• 担当者が意見や考えを伝えるのではなく、家族で話し合い、情報を収集し、子どもにとって適切な場を選択していくプロセスを支える。

• このプロセスを通して、子どもの状態と、住んでいる地域の状況をより理解できるように支援する。

• 各市区町村の特別支援教育体制に関する情報   (就学相談、巡回相談、学習支援体制な

ど)• 学校情報   (学校公開日程、教育内容など)• 就学支援シート(サポートファイル等)

(7)就学・卒業等の移行期支援(7)就学・卒業等の移行期支援

実施方法 必要なツール(就学期の場合)

事例より

・年長児の時は、B園には週に一度通った。・年長児対象の保護者学習会には、両親が参加。・学校の教職員が保育園に様子を見に行ったときに、B園児童発達管理責任者、相談支援専門員も保育園を訪問。以後、移行支援会議が実現した。

・教育委員会には、保護者には相談に行ってもらい、子どもの報告書の提出、特に保護者の思いの変遷については、直接報告した。

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(7) 大切にしたい視点

• 移行期に関する相談支援が、実施されているか。   (移行期を迎える子ども・児童・生徒全員に対して)

• それは、保護者の主体的な行動・選択を支えているか。

• 地域の学校情報、最新の特別支援教育の体制やサービス、18歳以降の福祉サービスの実態、就労支援の状況等について把握し、整理しているか。

• 移行期に向けての企画が、タイムリーに実施できているか。

保護者にとって、次に生活の場の転換迎える時期は、ストレスフルな時期であり、結論を出せない状況を繰り返すものです。決してせかさず、助言を避けながら、何度も温かく話を受けとめる機会を作っていきたいものです。

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移行期支援のプロセス(課題解決プロセス)

• 気持ち・考えの整理・・なぜ○○学校・○○施設・○○会社に行かせたいか

• 情報の収集・・資料の集め方、見学、体験等

• 情報の整理・・子どもにとっての長所と短所

• 子ども理解の再整理と親の希望(価値観)の整理   ・・ここが一番苦しい

• 選択・・選ばなかったことの補償の方法

• 希望が満たされるための交渉、関係作り

• 振り返り

• このプロセスを支え課題解決の姿勢と方法を伝えていくことが、移行期支援

• このプロセスに両親/家族の参加を促すことが、家族支援につながる。

• この姿勢とスキルは、その後の選択場面に活かされていく。

• この姿勢とスキルは、やがて子ども自身の生き方に大いに活かされていく。

移行期支援は児

童発達支援の要

の一つ!

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移行期支援に含まれる意味

•障害理解と受容•エンパワメント•カウンセリング•家族機能の育成・回復

なぜ「移行期支援」が効果的か•全員が通過する課題•テーマと目標(学校等行き先を決めること)が明確•選択肢(学校等)が絞られている~現実的な視点に立たさ

れる•日程と期間が定められている•家族全体のことを考えられる•継続的に振り返りができる(結果検証)

支援する側としては、この四つの視点をしっかりと意識して、実践が行えているかどうかで、親の信頼度も違ってくると考えられる。

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「厚労省 H25年度障害者福祉推進事業 障害児通所支援の今後の在り方に関する調査研究 報告書                  平成26年3月 一般社団法人 全国児童発達支援協議会」P223より

Page 233: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• これまでと違って、「就学支援」としていたのを、「就学・卒業等の移行期支援」という表現に変えています。児童期が、0~18歳ということを考えると、この方が適切であり、都道府県の本研修を受講する方の多くが、学齢期を支援する事業所の方であることを考慮してのものです。但し本来は、就学を前にした5、6歳の時期はとても大切な時期であることを伝えたかったものであることは、ご留意ください。

• 「つなぐ支援」を定着させ、相談支援体制を進めていくためには、移行期における事業所の役割は大きいと言えます。移行期が多くある児童期の「つなぐ支援」が充実しないと、長い成人期の期間に、情報が不足したまま支援を展開することになります。児童期に関心を持ったこと、得意だったこと、性格的なものなのか障害なのかという見方、家族関係、社会性のスキルに関することなどについては、大人になってからの支援を考えるにあたり、かなり有益な情報となることがあります。児童期の移行期支援はまだまだ多くの課題を持っていますが、改めて情報をバトンタッチすることの重要性をお伝え下さい。

  

注:国研修では企画運営についても学ぶため、講義時間が短く設定されています。    本スライドは都道府県研修用に作成した都道府県スタッフ向けのもので

す。都道府県研修の資料からは外して下さい。

Page 234: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

• 到 達目標達成度を含めた個別支援計画全体を客観的に評価。

• 支援提供はスムーズに行われたか、また、行われなかった場合の原因は何かを評価。

• 利用者の状態の変化・満足度などの観点から評価。

• 同様のケースの個別支援計画作成に評価を活かす。

• 終了時評価表

(8)終了時評価(8)終了時評価

実施方法 必要なツール

事例より(就学前の 3月)

・元気に毎日通園・通所しているが、一度体調を崩すと、なかなか完全には治りにくい面は持っている。

・・保育園の年長の時の行事には、張り切って参加する金タロくんの姿が見られた。他の父兄からの声かけ、声援は絶大である。

・発語については、不明瞭ながら単語レベルで伝えようとする。保育所では、金タロくんの言葉を通訳できる子が3人いる。

・相談支援専門員と両親の信頼関係は良好。・就学先の校長・特別支援Co.は、金タ

ロくんが周りの子どもを和ませてくれる力をかなり評価している。特別支援学級に在籍するが、交流の機会は多く設定したいとのこと。

事業所の何に満足し、何に関して期待外れだったのかが、正直に表現できるような工夫はできているでしょ

うか?

Page 235: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

(8) 大切にしたい視点

• 到 達目標の達成度はどうか。

• 適切な支援提供ができたか。

• 利用者の満足度はどうか。

• 事例としてまとめ、今後の参考としているか。

できれば、第三者に、利用はじめから退所までの目標達成度を評価してもらう機会を作りましょう。

子ども本人にも評価してもらう方法を考えていますか?特に学童期以降は、日頃の支援から評価を受けられるように、表情の描いてある用紙などを使っていき

ましょう。

Page 236: サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義 「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者>

「終了時」って、次の移行先が決まる時のこと?

• 支援していくにあたり、「終了」ということは、なかなかイメージしにくいものです。障害の状態にもよりますが、少なくとも障害の重い・軽いにかかわらず、長期的に公的な支援を継続することが必要なケースは少なくありません。

• 「障害者ケアマネジメント」の考え方のもとで、「相談支援体制」を展開していくためには、できれば、初期のアセスメントの時に「終了時」がイメージできていることが大切です。《終了》とは、次の移行先が決まるまでのことではありません。《終了》というのは、利用始めの時の「ニーズ」「要望」「希望」を受けとめ、事業所として、大きな目標がどこまで達成したら、支援を引いていくかという視点です。役割を終えて、次にバトンタッチしていくイメージを持とうとしなければ、事業所は育ちません。個別支援計画の修正時の会議も、長期の利用になると、慣れ合いのものとなり、「引き続いて利用されますか?」だけの確認の会となってしまいます。子どもにとって、本当に必要な支援なのか?という見方が薄れては、支援の効果はなくなります。