インターネットにおける悪評 - 高野光弘編
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はじめに
• この文章は主に OSC 2009 Tokyo/Spring で発表した内容をまとめたものです
• オープンソースカンファレンス2009 Tokyo/Spring - イベント案内 | 2009-02-21 (土): ライトニングトーク&大抽選会&閉会式
お前、誰よ
• 活動の名前は takano32
• fb.com/takano32
• twitter.com/takano32
• github.com/takano32
• 本名は高野光弘
• 本名での検索結果がとんでもなくヒドイ
当時の状況 - 名義はふたつ
• 高野光弘
• 株式会社日立製作所の新卒社員
• takano32
• 日本UNIXユーザ会幹事
• Ruby committer
• Ruby をダイレクトに修正や改善をする権利が与えられた数少ない信頼の与えられたプログラマのうちのひとり
当時の状況 - takano32
• takano32
• takano32 と 高野光弘 は結びついていなかった
• 「高野光弘」と検索しても ‘takano32’ の情報は現れない
• 「高野光弘」とは無関係
• とある誰かの個人的な見解や行動をするものと位置づけて行動
• ときには「高野光弘」の代弁をするものとして機能していた
• たまには「ちょっと」毒もあった
兆候 - 有名人のブログに返事をしてみた
• takano32 はブログを書いていました
• 池田信夫(経済学者)のブログを読んで疑問に思うことがあったので、返事をする形でブログ記事を投稿しました
• 池田信夫の論は「中国の方が日本より実名性が進み、日本は実名性をはじめとしてインターネットの世界で大きく後れをとるだろう」という概要
• わたしの論は「中国は不自由なインターネットを強いられている国であり、世界水準から大規模的に物理的に遅れているので、実名性が先に流行ったとしても大した有意差にはならない」
兆候 - 「宮本」という人物との出会い
• 池田信夫 と takano32 の意見の違いをみた「宮本」と名乗る男性から takano32 に連絡がありました
• いわゆる池田信夫の「信者」と呼べそうな存在で議論にならない
• 話が噛み合わない
「宮本」は異常者だった• 議論で気にくわなかったことがあったので逆上
• 徹底的に takano32 についての情報を探す
• イヤがらせをしまくる
• 後に警察に名誉毀損なので止めるように警告されるまで止まることはないイヤがらせ
• これをほぼ丸一年は繰り返していた
「宮本」による蛮行• 個人情報などを 2ch に書き込む
• 高野光弘 と takano32 を結びつける
• 社会的な地位を貶めようとする文面の連投や投函
• 目標
• 日立製作所からの解雇
• 日本UNIXユーザ会からの除名
• Ruby のコミット権を剥奪
絶えることのない蛮行• 日立製作所から解雇されることもない
• 本人は至って正常に社会に適応していた
• 日本UNIXユーザ会から除名されることもない
• 本人は日本UNIXユーザ会でもサーバの管理などを中心に重要な役割を果たしていた
• 本人の人柄を知っている方たちは、悪評に左右されることがない
• 「宮本」は思惑通りに事が進まないため、この後も蛮行はエスカレートしていく・・・
どのようにしてこの騒動がおさまったか• 過去の Twitter に「実家は新宿から本八幡乗り換えで2時間30分」と発言しているのを発見した宮本が高野光弘の実家の住所を割り出した
• 詳細は不明だがタウンページなどが使われたと思われる
• 実家の近隣に悪評のみをしたたかにしたためた封書を切手なしのまま投函
• 両親が地元の警察に相談して宮本の電話番号から電話の契約情報をたどり、戸籍を割り出して本人に警告
• 宮本「犯罪なんですか?」
• 数々の蛮行が犯罪というレベルである自覚さえもなかった
• ひとを不幸に落とし入れることに夢中になり続けた「宮本」の終焉
• 実害がでれば名誉毀損で起訴できるレベルと警察からアドバイスがあった
• エンジニアリングに強い企業には takano32 の名前とプログラミングなどの活動が知られており、仕事も潤滑にできているので金銭的な実害はいまのところない
余談 - 無敵の人
• 宮本はいわゆる無敵の人であったと知りました
• 無敵の人とは「無職」「精神障害」などで社会的な地位がそもそも無に等しいため、何も恐れることなく蛮行に走る存在の表現
• いわば「宮本」は自身を認めてくれない社会に憤り、通り魔として誰でもよかったが刺したかったという存在のインターネット版
まとめ• インターネットの悪評もリアルの悪評と同じ
• 悪評をみる側
• 発信元が誰であるか?などを確認せずに、たくさんの悪い噂の書き込みがあるからどうやら悪いヤツです、というのは間違い
• 悪評に気をつけましょう
• さらにインターネットでは単独犯による蛮行もそこそこ効果があるため、厄介な状態を招きそうであれば避けるべきだが見極めが難しい
• 悪評はあればあったでやる気がでてくる
• 将来的には悪評の情報がどこかに吹き飛ぶくらいの業績を生きている間に達成したいと思う