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施設紹介
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施設紹介
福岡県済生会福岡総合病院
九州循環器撮影研究会
福岡総合病院 放射線部技師長 堀田 敦
済生会福岡総合病院は,福岡市の中心部天神に位置し福岡
地区第三次救命救急センター 地域がん診療連携拠点病院 地
域医療支援病院 厚生労働省指定臨床研修病院 福岡県災害拠
点病院等の診療指定を擁し,地上 14 階地下 4 階の外観は曲
面もありオフィスビルのような病院です(Fig 1).周りには
福岡市役所,中央警察署,目の前には天神中央公園とアクロ
ス福岡,同じ並びには大丸,その筋向いには三越などのデパ
ート群,西鉄福岡天神駅やバスセンターがすぐ傍で,九州の
空の玄関口福岡空港までは 15 分の便利さで天候に左右され
ず東京国際空港まで快適に行くことが可能です.
病院は,26 の診療科を標榜しベッド数 380 床に対し職員数 749 名となっています.(平成 22 年 7
月 1 日現在).平成 21 年度の平均在院日数は 12.5 日,病床稼働率は 86.3%,病床利用率 93.2%であ
り効率的な医療が行われている.1 階は総合受付,救急初療室と薬剤受付,2 階 3 階は外来診察室や
リハビリ,内視鏡室と透析室,4 階は検査フロアーで 5 階は手術室,6 階 7 階はECU,8 階から 13
階までが一般病室となっており 10 階にSCUを有している.14 階には講義室や会議室などがあり,
ビルの間に博多湾や背振山をはじめとする郊外の山々が一望できます.また屋上には,離島医療や洋
上救急の要となるヘリポートが設置されており,救急専用のエレベーターで院内と結ばれています.
各病室の窓からは夜になると西日本一の歓楽街中州や天神のネオンが眼下にひろがり「病気を治して,
はよ来んしゃい」と在院日数を下げる最高の環境が整っています.
放射線部は 4 階のフロアーに総合検査受付を設け,放射線科医師 5 名,放射線技師 19 名,看護師
5 名,助手 3 名の構成で日々の業務にあたっています.業務は胸腹部,骨撮影,乳房撮影などの一般
撮影系,各臓器の透視造影撮影,CT,MRI,RI,全身 DSA,心カテ,放射線治療などに分かれてい
ます.昨年度の業務実績は一般撮影 35,262 件,ポータブル撮影 11,799 件,透視造影 4,758 件,アン
ギオ 434 件,心カテ 1,124 件,CT 16,841 件,MRI 7,847 件,RI 1,460 件となっております.放射
線関連機器は一般撮影装置 2 台,透視装置 1 台,多目的透視装置 2 台,血管撮影装置 1 台,心カテ装
置 1 台,乳房撮影装置 1 台,ポータブル撮影装置 4 台,骨塩
量撮影装置 1 台,CT 撮影装置 64 列 2 台,MRI 撮像装置 1.5
T2 台が稼動しており,地下 2 階には放射線治療装置ライナ
ック 1 台と RI 検査装置 1 台があります.その他にザイオの
ネットワーク型ワークステーションが 5 台,アゼのワークス
テーションが 1 台,Fuji のヴィンセント 1 台が各種モダリテ
ィの用途に合わせ接続されている.来年ようやく電子カルテ
の導入となるが現状で RIS の運用は東芝のラッピドアイ,
PACS はシナプスで運用している(Fig 2 ).
また当院のモットーは「地域社会の皆様や先生方に信頼され真の満足をしていただける病院作り」
であり,その理念に沿って他の施設からの放射線検査の依頼も受け付けています.MRI や CT,RI
が主となっております.依頼は一般診療所が多いようですが,大学病院や同規模の他施設からもあり
Fig 2 案内表示
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全国循環器撮影研究会誌 Vol.23 2011
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ます.当院は救命救急センターを要する急性期型病院でもあり,
昨年度の救急車での来院台数は 3,321 件で 1 日に 10 台以上も日
常茶飯事です.またヘリポートも備えておりヘリコプター搬送が
28 件/年とあらゆる疾患の急患が搬送されて来ます.ヘリ搬送は
主に壱岐・対馬などの離島や山岳部発生の傷病者搬送に利用され
ています.このように救急では,心肺停止で一刻を争う状態での
搬入も希ではなく,我々放射線技師にとって救急時の迅速な行動
とあらゆる疾患に対応した検査を素早く行う心構えは極めて重要
と考えています(Fig 3).
このような環境のなかで血管造影室は心臓カテーテル室 1,全
身血管撮影室 1,多目的透視装置 1 の 3 室で運用しています.全
身撮影装置は平成 21 年 6 月に 12 年間酷使した東芝社製の
DFP-2000A を大口径の FPD 2 方向撮影を有するフィリップス社
製の Allura FD20/20 に更新した.透視,撮影画像が格段によく
なり,CT ライクイメージや 3DRA 等最新のソフトを駆使し最新
の検査治療に貢献している.また心臓カテーテル検査にも共用可
能で,部屋が空いている時は 2 台使用可能となり,効率よく救急
や治療に使用し,冠動脈形成術の件数増加に寄与している(Fig 4).
IVR で当院の特徴としては,外傷などの出血に対する緊急血管
造影・止血造影が多く施行されている.最近の特徴としては血管
外科の EVAR の件数が増加しており,同じよう
に放射線科が施行する末梢血管の血管形成術も
増加している.これは血管造影室で施行する症
例以外に手術室で行う,いわゆるハイブリッド
治療の増加が一因と思われる.因みに手術室で
の DSA 使用機器は,平成 19 年設置の I.I.入力
面径が 33cm のシーメンス社製 ARCADIS
Avantic である(Fig 5 IVR 内訳).
心カテ室の装置は平成 22 年 5 月に同じく 13
年 間 酷 使 し た フ ィ リ ッ プ ス 社 製 の
IntegrisH3000 を東芝社製 Infinix celeve-i に更新した.冠動脈
形成術の件数は年々増加しており,13 年間使用した I.I.では前述
した FPD の透視や撮影画像を知ると循環器科の不満も強くなり,
安全で快適に治療を行えるよう更新の運びとなった(Fig 6).
平成 21 年度の件数は予想どおり 64 列 CT による冠動脈 CTA
が増加し診断カテーテルの検査数が減少した.冠動脈形成術は,
冠動脈CTAや全身撮影用の装置が循環器領域に対応可能になり2
部屋で救急にも柔軟に対応ができるようになった為か件数が飛躍
的に増加した(Fig 7 心臓カテーテル検査数の年次推移と PTCA
数の年次推移).
また FPD に更新された要因なのかライブ等が頻繁に行われるようになり,先日も立地と PCI の症
例数により,CTO 治療技術の国内でのより広範な臨床復旧を目的とし,治療を志す若手医師を対象
とした「CTO Hands-on Workshop in Fukuoka」が行われた.更に来年は心臓外科の開設も控えて
おり,新しい手技で複雑な治療が行われる事が予想され,まだ楽しみは続きそうである(Fig 8 ).
近年,CT も多列化の進歩はめざましく当院では,今後増加するであろう 3DCTA 検査や救急に対
応すべく平成 20 年に 64 列の MDCT を 2 台体制にしました.件数は心冠動脈 CTA が平成 20 年度
Fig 3 ヘリポート
Fig 4 全身撮影装置
Fig 6 心カテ装置
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年肝腫瘍化学塞栓療法 121 92 96 114 101末梢血管PTA/stent 21 17 20 24 53出血の塞栓術 19 21 20 23 42EVAR* 42脳神経領域IVR 31 10 2 4 3Reservoir留置 2 2 2 1 0脾動脈部分塞栓術 1 3 0 0 0異物除去、フィルター留置等 0 1 1 5 3その他 0 0 0 5 0
*:腹部大動脈瘤に対するstent graft内挿術
Fig. 5 IVRの内訳
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579 例から平成 21 年度 900 例へと増加しており,今後さらに増加することが予想される頚動脈・頭
蓋内動脈の CTA も 636 例であり,下肢動脈の CTA が 120 例,胸腹部大動脈・腸骨動脈の CTA は年々
減少し 52 例である.血管の描出では第二の血管造影室と言っても過言ではないと思います.ただ CTA
の増加は技師の画像処理の負担が大きいのが課題であり,今後,マンパワーやハードの更なる充実を
図り増加する CTA に最先端の画像を目指し対応したい(Fig 9).
当院ではここ 2~3 年の間に多くのモダリティが更新されました.特に血管造影撮影系は,更新さ
れたばかりの最新の装置であるが,我々には未知の装置である.未知の装置がゆえに新しい装置には
これから臨床にかける夢があります.これから十数年?は使用し続けるわけであり,情報を九州循環
器撮影研究会で共有し各病院の先輩方よりご助言を頂くことで最適に使用する勉強をさせていただ
いております.装置のポテンシャル
を最大限に引き出し当院が掲げてい
る「良質で安全な医療の提供」「救急
医療の充実」「高度専門医療の推進」
「地域医療連携の推進」を目指しチ
ーム医療に貢献できるよう今後も九
州循環器撮影研究会による最新の情
報や更なる御協力をお願いし施設紹
介とさせて頂きます(Fig 10).
Fig 7 左:心臓カテーテル検査数の年次推移
右:PTCA数の年次推移
Fig 8ライブの様子 Fig 9 CT 装置
Fig 10放射線部のスタッフ