平成 27...
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平成 27 年度新潟薬科大学薬学部卒業研究Ⅱ
プレフィルド型インスリン注入器の識別に関する患者の
意識と服薬指導時の留意点
The Patient's Consideration Concerning Recognition of The Prefilled Insulin Injector and Attention Provide Information
臨床薬学研究室 6 年
10P019 河村 瞳
(指導教員:朝倉 俊成)
要 旨
糖尿病治療では、作用時間などが異なる多種類のプレフィルド型インスリン製剤が用いら
れている。特に、複数を併用している場合、使用者がインスリン製剤の種類や投与量を間違
えずに自己注射することは、重症低血糖などの危険を回避するために医療安全上、重要なこ
とである。各製剤を区別するためにインスリン注入器には識別色が採用されているが、イン
スリンアナログ製剤では製薬会社ごとに統一されていない。また、患者によって注射時の確
認方法が異なることが予想される。そこで、自己注射施行患者を対象にインスリン注入器の
識別に関する意識についての実態を調査し、薬剤師が服薬指導時に配慮すべき留意点につい
て考察した。 2014年 8~10月に調剤薬局ミッテル開成店(福島県郡山市)で面談による聞き取り調査を
行った。対象はせいの内科クリニック(福島県郡山市)を受診し、プレフィルド型インスリ
ン製剤を使用中の患者で、本調査に同意した 39名(58.3±16.9歳:mean±SD)とした。調査ははじめに、使用中のインスリンの商品名とラベルの色を質問し、次に注入器を見て回答
してもらった。被験者で多いアピドラ(Apd)、ランタス(Lan)、ノボラピッド(N-Rap)を使用中の患者に注目して検討した。統計解析はχ2 検定とフィッシャーの直接確率を用いた。
本調査は、新潟薬科大学倫理委員会にて承認を得ている。 インスリンの種類を区別するために識別色が決められていることを知っていたのは、
38.5%となった。種類の確認方法は識別色が用いられているラベルの色よりも注入器本体の色で最も多く選ばれた。ラベルの色の認識度は Apd群(12.5%)と Lan群(18.5%)で正解率が低いが、N-Rap群(75.0%)では高く、認識度が高かった。N群(N-Rapと同社製剤の併用)で「ラベルの色を覚えることが大切である」と思う人が多く(80.0%)、N-Rap群でも多い傾向となった(91.7%)。また、ラベルの色について、「良い印象」であり、「覚えやすい」と思うのは N-Rap 群で多かった。S 群(Apd と Lan の併用)で「注入器本体の色を覚えることが大切である」と有意に多く(100%)、Apd 群(95.8%)と Lan 群(77.8%)でも多い傾向となった。識別方法に関して、S 群で注入器本体の色、N 群でラベルの色を重要とし、サノフィは注入器本体の色、ノボ ノルディスク ファーマはラベルの色を重視した製品の販売と情報提供を行っていることが反映していると考えられる。 製薬会社は自社のインスリンの組み合わせで識別するような工夫と宣伝を行っている。ま
た、患者がインスリンの識別について認識が低く、医療従事者側から識別色の説明がないこ
とが予想される。患者へ識別色があることや識別色を覚える重要さを服薬指導で伝え、識別
色に関して患者と医療従事者が共通の認識を持つべきである。2 種類以上の併用で製薬会社が異なる場合、インスリンの種類によって識別方法を考える必要があり、患者の識別意識が
高まるような注意喚起が必要である。識別色の認識、患者が使用する組み合わせや種類によ
って注入器に配色された色に対して患者の意識が異なる。確実な注射のため、識別色の活用
や服薬指導時の周知と適切な指導が必要である。
キーワード
1.インスリン製剤 2.識別 3.識別色
4.ラベル 5.注入器 6.医療安全
7.服薬指導 8.糖尿病
目 次
Ⅰ.緒言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
Ⅱ.対象と方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
Ⅲ.結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
Ⅳ.考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
Ⅴ.結語 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
謝 辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
引用文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
1
論 文
Ⅰ.緒言 糖尿病治療において良好な血糖コントロールに加え、合併症の発症や進展を予防するた
めに、インスリンの自己注射製剤がある。インスリン製剤にはヒトインスリン製剤やイン
スリンアナログ製剤があり、作用発現時間や作用持続時間が異なる多種類の製剤が販売さ
れている。強化インスリン療法では、追加分泌に対応するインスリン製剤(追加インスリ
ン)と基礎分泌に対応するインスリン製剤(基礎インスリン)を組み合わせて、複数のイ
ンスリン製剤を 1日に頻回、注射することになる。したがって、患者の手元にある複数の製剤を誤って取り違えて使用してしまうミスに留意しなければならない。処方されたイン
スリンの種類が間違って患者へ渡ってしまった場合や注射時の確認を怠った場合に、持続
型インスリンを注射するはずが超速効型インスリンを打ってしまうことがあると、重篤な
低血糖の危険性が高まる。以上のことから、患者はインスリン製剤の自己注射をする上で、
打ち間違えのないように毎回十分に確認する必要がある。 これまで、製薬会社は事故防止策として、商品名の命名法の統一化に加え、インスリン
の種類を区別するために注入器本体の色や識別色、識別記号、タクタイルコード(注入ボ
タンの凹凸)の表示など、識別するために様々な工夫を施している。しかし、その識別す
るためのデザイン(識別色)は製薬会社によって統一されていない。過去に国際糖尿病連
合(IDF)は、その混乱を避ける目的でヒトインスリン製剤の種類別にカラーコードを世界的に統一したが、インスリンアナログ製剤は各社ごとに識別色が異なった現状のままで
ある。各社によってインスリンの種類を確認する識別方法は異なり、患者が注射時に確認
する方法も異なることが予想される。 そこで、本研究において注射ミスを防止し、ハイリスク薬であるインスリン製剤を適正
に使用する上で患者が持っている識別意識についての実態を調査し、薬剤師が服薬指導時
に配慮すべき留意点について考察した。 Ⅱ.対象と方法 対象は本調査に同意し、せいの内科クリニック(福島県郡山市)に受診しているプレフ
ィルド型インスリン製剤を使用中の患者は 39名(男性 17名、女性 22名)で、平均年齢58.3±16.9歳(mean±SD:年代別に 10歳未満 1名、20歳代 1名、30歳代 2名、40歳代 7名、50歳代 8名、60歳代 8名、70歳代 10名、80歳代 2名)である。インスリン製剤は 1~3 種類を使用し、アピドラ®注ソロスター®(サノフィ株式会社:以下、Apd)24名、ランタス®注ソロスター®(サノフィ株式会社:以下、Lan)27 名、ノボラピッド®注
フレックスペン®11 名,ノボラピッド®注フレックスタッチ®1 名(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社:以下、N-Rap)、ノボラピッド®30ミックス注フレックスペン®(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社:以下、30mix)3名、ノボラピッド®50ミックス注フレッ
2
クスペン®(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社:以下、50mix)4 名、レベミル®注フ
レックスペン®(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社:以下、Lev)4 名、トレシーバ®
注フレックスタッチ®(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社)1 名、ヒューマログ®注ミ
リオペン®(日本イーライリリー株式会社)1名、ヒューマログ®ミックス 50注ミリオペン®(日本イーライリリー株式会社)1名である(表 1)。 方法は 2014年 8月~10月に調剤薬局ミッテル開成店(福島県郡山市)で面談による聞
き取り調査を行った。調査ははじめに、被験者に何も見せずに現在使用しているインスリ
ンの商品名とラベルの色を質問し、次に、注入器を見ながらアンケートに回答してもらっ
た(図 1)。なお、統計解析は、χ2検定とフィッシャーの直接確率を用いた。なお、倫理
的配慮は、本試験は新潟薬科大学薬学部倫理委員会にて承認を得ている。
表 1.プレフィルド型インスリン製剤一覧表 (日本糖尿病学会,インスリン製剤一覧表より改変)
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図 1.インスリン注入器の各部位別名称 Ⅲ.結果
Apd と Lan を併用している被験者が多いため、この組み合わせに注目し、Apd と Lanの 2製剤の組み合わせのみを使用している群(n=18:以下、S群)vsN-Rapと 30mix(n=3), N-Rapと 50mix(n=1),N-Rapと Lev(n=1)の組み合わせで使用している群(n=5:以下、N群)の識別に関する解析を行った。さらに、各製剤別で比較するため、Apd、Lan、N-Rapについて、Apdを使用している群(n=24:以下、Apd群)vs N-Rapを使用している群(n=12:以下、N-Rap群)、Lanを使用している群(n=27:以下、Lan群)vsN-Rap群、Apd群 vsLan群に分けて検討した(図 2)。
図 2.比較群 1.識別に関する現状 患者本人が使用しているインスリン以外にも多くの種類があることを「知っていた」の
は 25/38名(65.8%)、「知らなかった」のは 13/38名(34.2%)と、3分の 1以上の患者は自分が使用しているインスリンの存在について意識していないと考えられた(図 3)。
4
図 3.患者が使用しているインスリン以外にも多くの種類があることの認識度(n=38) 普段、これから注射する前に種類が正しいことを「いつも確認している」のは 32/39名
(82.1%)、「確認していない」7/39 名(17.9%)となった。組み合わせ群別では、「いつも確認している」のは S群で 15名(83.3%)、N群で 5名(100%)となった(図 4)。
[総合(n=39)] [S群(n=18)] 図 4.普段、これから注射する前に種類が正しいことを確認する頻度 確認時、何を見て確認しているか(図 4でいつも、または、ときどき確認していると回
答した者を対象に当てはまるもの全てに回答)について、「注入器本体の色」25名、「商品名」7名、「ラベルの色」7名、「注入器の形」4名、「その他」2名となった。S群で「注入器本体の色」15名、「商品名」2名、N群で「ラベルの色」5名、「商品名」2名、「注入器本体の色」2名、「注入器の形」1名となった(図 5)。
[総合(n=32)]
25
13 知っていた
知らなかった
32
0 7 いつも確認している
ときどき確認している
確認していない 15
0 3
いつも確認している
ときどき確認している
確認していない
7 7
25
4 2 0 5 10 15 20 25 30
商品名
色
注入器本体
色
注入器
形
他
商品名
ラベルの色
注入器本体の色
注入器の形
その他
5
[S群(n=15)] [N群(n=5)]
図 5.確認時、何を確認しているか(複数回答) 注射時、いつ確認するか(図 4で確認していると回答した者を対象とし、当てはまるも
のを全て回答)について、「取り出した時」27 名、「針をつける前」15 名、「注射の直前」14名、「単位設定」13名、「空打ち」12名、「注入時」10名、「しまう時」10名、「針を取り外した時」8名、「針を抜いてから」7名となった(図 6)。インスリン自己注射手技の 9項目のうち、インスリンを手に取り、保管場所から取り出した時に確認することが最も多かった。
図 6.注射時、いつ確認するか(複数回答,n=32) 2.S群と N群の比較 (1)覚えることの大切さ 商品名を覚えることが「大切である」と思うのは、S群 13名(72.2%)、N群 3名(60.0%)
となった(p=0.5993,図 7)。
2 0
15
0 0
4
8
12
16
商品名
色
注入器本体
色
注入器
形
商品名
ラベルの色
注入器本体の色
注入器の形
2
5
2 1 0 1 2 3 4 5 6
商品名 色
注入器本体
色 注入器
形
商品名
ラベルの色
注入器本体の色
注入器の形
27
15 12 13 14 10 7 8 10 0 5 10 15 20 25 30
取
出
時
針
前
空打
単位設定
注射
直前
注入時
針
抜
針
取
外
時
時
取り出した時
針をつける前
空打ち
単位設定
注射の直前
注入時
針を抜いてから
針を取り外した時
しまう時
6
図 7.商品名を覚える大切さ 図 8.ラベルの色を覚える大切さ ラベルの色を覚えることが「大切である」と思うのは、S群6名(33.3%)、N群4名(80.0%)
となった(p=0.1269,図 8)。 注入器本体の色を覚えることが「大切である」と思うのは、S群 18名(100%)、N群 2
名(40.0%)となり、S群で有意に「大切である」となった(p<0.01、p=0.0056,図 9)。
図 9.注入器本体の色を覚える大切さ(**:p<0.01) (2)注射時に確認できる必要性 注射時(手を握った状態で)商品名が確認できることは「必要ではない」と思うのは、
S群 13名(76.5%)、N群 4名(80.0%)となった(p=1,図 10)。
図 10.注射時(手を握った状態で) 図 11.注射時(手を握った状態で) 商品名を確認できる必要性 ラベルの色を確認できる必要性
(**:p<0.01) 注射時(手を握った状態で)ラベルの色が確認できることは「必要ではない」と思うの
は、S 群 16 名(88.9%)、N 群 1 名(20.0%)となり、S 群で有意に「必要ではない」と
7
なった(p<0.01、p=0.0078,図 11)。 注射時(手を握った状態で)注入器本体の色が確認できることは「必要ではない」と思
うのは、S群 4名(22.2%)、N群 1名(20.0%)となった(p=1,図 12)。
図 12.注射時(手を握った状態で)注入器本体の色が確認できる必要性 (3)色のデザインに求められるもの ラベルの色のデザインに最も求められるものは、S群で識別性が高いこと13名(72.2%)、
使用者が気に入ったデザイン 1名(5.56%)、人から見られてもよいデザイン 3名(16.7%)、その他 1名(5.6%)、N群で識別性が高いこと 2名(40.0%)、使用者が気に入ったデザイン 0 名、人から見られてもよいデザイン 2 名(40.0%)、その他 1 名(20.0%)となった(p=0.4203,図 13)。 注入器本体の色のデザインに最も求められるものは、S 群で識別性が高いこと 12 名
(66.7%)、使用者が気に入ったデザイン 1名(5.6%)、人から見られてもよいデザイン 2名(11.1%)、その他 3名(16.7%)、N群で識別性が高いこと 2名(40.0%)、使用者が気に入ったデザイン 0名、人から見られてもよいデザイン 1名(20.0%)、その他 2名(40.0%)となった(p=0.5824,図 14)。
図 13.ラベルの色のデザインに 図 14.注入器本体のデザインに 最も求められるもの 最も求められるもの (4)色の目立ち方 ラベルの色の目立ち方では、S群で非常に目立つ方がよい 6名(33.3%)、少し目立つ方がよ
い 8名(44.4%)、目立たない方がよい 3名(16.7%)、全く目立たない方がよい 0名、その他1名(5.6%)、N群で非常に目立つ方がよい 3名(60.0%)、少し目立つ方がよい 1名(20.0%)、目立たない方がよい・全く目立たない方がよい 0名、その他 1名(20.0%)となった(p=0.1977,
8
図 15)。 注入器本体の色の目立ち方では、S群で非常に目立つ方がよい 6名(33.3%)、少し目立つ方
がよい 6名(33.3%)、目立たない方がよい 4名(22.2%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 2名(11.1%)、N群で非常に目立つ方がよい 0名、少し目立つ方がよい 1名(20.0%)、目立たない方がよい 2名(40.0%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 2名(40.0%)となった(p=0.2360,図 16)。
図 15.ラベルの色の目立ち方 図 16.注入器本体の色の目立ち方 3.各製剤群間の比較 3-1.Apd群と N-Rap群の比較 (1)認識度 商品名の不正解は Apd 群 7 名(29.2%)、N-Rap 群 4 名(33.3%)となった(p=1,図
17)。 ラベルの色の不正解は Apd 群 21 名(87.5%)、N-Rap 群 3 名(25.0%)となり、Apd
群で有意に「不正解」が多いとなった(p<0.01、p=0.0004,図 18)。 (2)色の印象 ラベルの色の印象で「良い」と思うのは、Apd群 10名(41.7%)、N-Rap群 9名(75.0%)
となった(p=0.1895,図 19)。 キャップ付注入器本体の色の印象について、「非常に良い」と思うのは Apd群 6名(25.0%)、
N-Rap群 1名(8.3%)、「良い」と思うのは Apd群 16名(66.7%)、N-Rap群 8名(66.7%)、「悪い」と思うのは Apd群 2名(8.3%)、N-Rap 群 1名(8.3%)、「その他」が N-Rap 群で2名(16.7%)となった(p=0.1616,図 20)。 キャップ無注入器本体の色の印象について、「非常に良い」と思うのは Apd群 4名(16.7%)、
N-Rap群 1名(8.3%)、「良い」と思うのは Apd群 14名(58.3%)、N-Rap群 10名(83.3%)、「悪い」と思うのは Apd群 6名(25.0%)、N-Rap群 1名(8.3%)となった(p=0.3178,図21)。 (3)覚えやすさ 商品名を「覚えやすい」と思うは、Apd群 13名(54.2%)、N-Rap群 5名(41.7%)と
なった(p=0.7247,図 22)。
9
ラベルの色を「覚えやすい」と思うは、Apd群 7名(29.2%)、N-Rap群 11名(91.7%)となり、N-Rap群で有意に「覚えやすい」となった(p<0.01、p=0.0004,図 23)。 キャップ付注入器本体の色を「覚えやすい」と思うは、Apd 群 24 名(100%)、N-Rap
群 11名(91.7%)となった(p=0.3333,図 24)。 キャップ無注入器本体の色を「覚えやすい」と思うは、Apd群 22名(91.7%)、N-Rap
群 10名(83.3%)となった(p=0.5877,図 25)。 (4)覚えることの大切さ 商品名を覚えることが「大切である」と思うのは、Apd群 18名(75.0%)、N-Rap群 8
名(66.7%)となった(p=0.7004,図 26)。 ラベルの色を覚えることが「大切である」と思うのは、Apd 群 9 名(37.5%)、N-Rap
群 11名(91.7%)となり、N-Rap群で有意に「大切である」となった(p<0.01、p=0.002,図 27)。 注入器本体の色を覚えることが「大切である」と思うのは、Apd群 23名(95.8%)、N-Rap
群 9名(75.0%)となった(p=0.098,図 28)。 (5)注射時に確認できる必要性 注射時(手を握った状態で)商品名が確認できることは「必要ではない」と思うのは、
Apd群 17名(73.9%)、N-Rap群 8名(66.7%)となった(p=0.7062,図 29)。 注射時(手を握った状態で)ラベルの色が確認できることは「必要ではない」と思うの
は、Apd群 20名(83.3%)、N-Rap群 5名(41.7%)となり、Apd群で有意に「必要ではない」となった(p<0.05、p=0.0199,図 30)。 注射時(手を握った状態で)注入器本体の色が確認できることは「必要ではない」と思
うのは、Apd群 5名(20.8%)、N-Rap群 2名(16.7%)となった(p=1,図 31)。 (6)色のデザインに求められるもの ラベルの色のデザインに最も求められるものは、Apd群で識別性が高いこと 16名(66.7%)、
使用者が気に入ったデザイン 3 名(12.5%)、人から見られてもよいデザイン 3 名(12.5%)、その他 2 名(8.3%)、N-Rap 群で識別性が高いこと 6 名(50.0%)、使用者が気に入ったデザイン 1名(8.3%)、人から見られてもよいデザイン 2名(16.7%)、その他 3名(25.0%)となった(p=0.2599,図 32)。 注入器本体の色のデザインに最も求められるものは、Apd 群で識別性が高いこと 15 名
(62.5%)、使用者が気に入ったデザイン 3 名(12.5%)、人から見られてもよいデザイン 2 名(8.3%)、その他 4名(16.7%)、N-Rap 群で識別性が高いこと 4名(33.3%)、使用者が気に入ったデザイン 1名(8.3%)、人から見られてもよいデザイン3名(25.0%)、その他 4名(33.3%)となった(p=0.5342,図 33)。 (7)色の目立ち方 ラベルの色の目立ち方では、Apd 群で非常に目立つ方がよい 9 名(37.5%)、少し目立つ方
がよい 10名(41.7%)、目立たない方がよい 4名(16.7%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 1 名(4.2%)、N-Rap 群で非常に目立つ方がよい 7 名(58.3%)、少し目立つ方がよい 2名(16.7%)、目立たない方がよい 2名(16.7%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 1名
10
(8.3%)となった(p=0.4697,図 34)。 注入器本体の色の目立ち方では、Apd 群で非常に目立つ方がよい 8 名(33.3%)、少し目立
つ方がよい 9名(37.5%)、目立たない方がよい 5名(20.8%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 2名(8.3%)、N-Rap群で非常に目立つ方がよい 2名(16.7%)、少し目立つ方がよい 5名(41.7%)、目立たない方がよい 3名(25.0%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 2名(16.7%)となった(p=0.706,図 35)。 3-2.Lan群と N-Rap群の比較 (1)認識度 商品名の不正解は Lan群 10名(37.0%)、N-Rap群 4名(33.3%)となった(p=1,図
17)。 ラベルの色の不正解は Lan 群 22 名(81.5%)、N-Rap 群 3 名(25.0%)となり、Lan
群で有意に「不正解」が多いとなった(p<0.01、p=0.0013,図 18)。 (2)色の印象 ラベル色の印象で「良い」と思うのは、Lan群 13名(48.2%)、N-Rap群 9名(75.0%)
となった(p=0.2103,図 19) キャップ付注入器本体の色の印象について、「非常に良い」と思うのは Lan群 4名(14.8%)、
N-Rap群 1名(8.3%)、「良い」と思うのは Lan群 20名(74.1%)、N-Rap群 8名(66.7%)、「悪い」と思うのは Lan群 3名(11.1%)、N-Rap群 1名(8.3%)、「その他」が N-Rap群で2名(16.7%)となった(p=0.1794,図 20)。 キャップ無注入器本体の色の印象について、「非常に良い」と思うのは Lan群 3名(11.1%)、
N-Rap群 1名(8.3%)、「良い」と思うのは Lan群 21名(77.8%)、N-Rap群 10名(83.3%)、「悪い」と思うのは Lan群 3名(11.1%)、N-Rap群 1名(8.3%)となった(p=0.9244,図21)。 (3)覚えやすさ 商品名を「覚えやすい」と思うは、Lan群 19名(70.4%)、N-Rap群 5名(41.7%)と
なった(p=0.2657,図 22)。 ラベルの色を「覚えやすい」と思うは、Lan群 16名(59.3%)、N-Rap群 11名(91.7%)
となった(p=0.1209,図 23)。 キャップ付注入器本体の色を「覚えやすい」と思うは、Lan群 25名(92.6%)、N-Rap
群 11名(91.7%)となった(p=1,図 24)。 キャップ無注入器本体の色を「覚えやすい」と思うは、Lan群 22名(81.5%)、N-Rap
群 10名(83.3%)となった(p=1,図 25)。 (4)覚えることの大切さ 商品名を覚えることが「大切である」と思うのは、Lan群 20名(74.1%)、N-Rap群 8
名(66.7%)となった(p=0.7086,図 26)。 ラベルの色を覚えることが「大切である」と思うのは、Lan群 13名(48.2%)、N-Rap
群 11名(91.7%)となり、N-Rap群で有意に「大切である」となった(p<0.01、p=0.0131,
11
図 27)。 注入器本体の色を覚えることが「大切である」と思うのは、Lan群 21名(77.8%)、N-Rap
群 9名(75.0%)となった(p=1,図 28)。 (5)注射時に確認できる必要性 注射時(手を握った状態で)商品名が確認できることは「必要ではない」と思うのは、
Lan群 18名(69.2%)、N-Rap群 8名(66.7%)となった(p=1,図 29)。 注射時(手を握った状態で)ラベルの色が確認できることは「必要ではない」と思うの
は、Lan群 22名(81.5%)、N-Rap群 5名(41.7%)となり、Lan群で有意に必要ではないとなった(p<0.05、p=0.0232,図 30)。 注射時(手を握った状態で)注入器本体の色が確認できることは「必要ではない」と思
うのは、Lan群 1名(3.7%)、N-Rap群 2名(16.7%)となった(p=0.1956,図 31)。 (6)色のデザインに求められるもの ラベルの色のデザインに最も求められるものは、Lan群で識別性が高いこと 17名(63.0%)、
使用者が気に入ったデザイン 3 名(11.1%)、人から見られてもよいデザイン 3 名(11.1%)、その他 4名(14.8%)、Nov群で識別性が高いこと 6名(50.0%)、使用者が気に入ったデザイン 1名(8.3%)、人から見られてもよいデザイン 2名(16.7%)、その他 3名(25.0%)となった(p=0.8062,図 32)。 注入器本体の色のデザインに最も求められるものは、Lan 群で識別性が高いこと 15 名
(55.6%)、使用者が気に入ったデザイン 3 名(11.1%)、人から見られてもよいデザイン 3 名(11.1%)、その他 6名(22.2%)、N-Rap群で識別性が高いこと 4名(33.3%)、使用者が気に入ったデザイン 1名(8.3%)、人から見られてもよいデザイン3名(25.0%)、その他 4名(33.3%)となった(p=0.5037,図 33)。 (7)色の目立ち方 ラベルの色の目立ち方では、Lan群で非常に目立つ方がよい 10名(37.0%)、少し目立つ方
がよい 11名(40.7%)、目立たない方がよい 5名(18.5%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 1 名(3.7%)、N-Rap 群で非常に目立つ方がよい 7 名(58.3%)、少し目立つ方がよい 2名(16.7%)、目立たない方がよい 2名(16.7%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 1名(8.3%)となった(p=0.445,図 34)。 注入器本体の色の目立ち方では、Lan 群で非常に目立つ方がよい 8 名(29.6%)、少し目立
つ方がよい 11 名(40.7%)、目立たない方がよい 6 名(22.2%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 2 名(7.4%)、N-Rap 群で非常に目立つ方がよい 2 名(16.7%)、少し目立つ方がよい 5名(41.7%)、目立たない方がよい 3名(25.0%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 2名(16.7%)となった(p=0.7366,図 35)。 3-3.Apd群と Lan群の比較 (1)認識度 商品名の不正解は Apd群 7名(29.2%)、Lan群 10名(37.0%)となった(p=0.5518,
図 17)。
12
ラベルの色の不正解は Apd群 21名(87.5%)、Lan群 22名(81.5%)なった(p=0.5553,図 18)。 (2)色の印象 ラベルの色の印象で「良い」と思うのは、Apd群 10名(41.7%)、Lan群 13名 48.2%)
となった(p=0.8978,図 19)。 キャップ付注入器本体の色の印象について、「非常に良い」と思うのは Apd群 6名(25.0%)、
Lan群 4名(14.8%)、「良い」と思うのは Apd群 16名(66.7%)、Lan群 20名(74.1%)、「悪い」と思うのは Apd群 2名(8.3%)、Lan群 3名(11.1%)となった(p=0.6469,図 20)。 キャップ無注入器本体の色の印象について、「非常に良い」と思うのは Apd群 4名(16.7%)、
Lan群 3名(11.1%)、「良い」と思うのは Apd群 14名(58.3%)、Lan群 21名(77.8%)、「悪い」と思うのは Apd群 6名(25.0%)、Lan群 3名(11.1%)となった(p=0.305,図 21)。 (3)覚えやすさ 商品名を「覚えやすい」と思うは、Apd 群 13 名(54.2%)、Lan 群 19 名(70.4%)と
なった(p=0.2322,図 22)。 ラベルの色を「覚えにくい」と思うは、Apd群 17名(70.8%)、Lan群 10名(37.0%)
となり、Apd群で有意に「覚えにくい」となった(p<0.05、p=0.0269,図 23)。 キャップ付注入器本体の色を「覚えやすい」と思うは、Apd群 24名(100%)、Lan群
25名(92.6%)となった(p=0.4918,図 24)。 キャップ無注入器本体の色を「覚えやすい」と思うは、Apd群 22名(91.7%)、Lan群
22名(81.5%)となった(p=0.4247,図 25)。 (4)覚えることの大切さ 商品名を覚えることが「大切である」と思うのは、Apd 群 18 名(75.0%)、Lan 群 20
名(74.1%)となった(p=0.9396,図 26)。 ラベルの色を覚えることが「大切である」と思うのは、Apd 群 9 名(37.5%)、Lan 群
13名(48.2%)となった(p=0.4435,図 27)。 注入器本体の色を覚えることが「大切である」と思うのは、Apd群 23名(95.8%)、Lan
群 21名(77.8%)となった(p=0.1034,図 28)。 (5)注射時に確認できる必要性 注射時(手を握った状態で)商品名が確認できることは「必要ではない」と思うのは、
Apd群 17名(73.9%)、Lan群 18名(69.2%)となった(p=0.7173,図 29)。 注射時(手を握った状態で)ラベルの色が確認できることは「必要ではない」と思うの
は、Apd群 20名(83.3%)、Lan群 22名(81.5%)となった(p=0.8625,図 30)。 注射時(手を握った状態で)注入器本体の色が確認できることは「必要ではない」と思
うのは、Apd群 5名(20.8%)、Lan群 1名(3.7%)となった(p=0.0876,図 31)。 (6)色のデザインに求められるもの ラベルの色のデザインに最も求められるものは、Apd群で識別性が高いこと 16名(66.7%)、
使用者が気に入ったデザイン 3 名(12.5%)、人から見られてもよいデザイン 3 名(12.5%)、その他 2名(8.3%)、Lan群で識別性が高いこと 17名(63.0%)、使用者が気に入ったデザイ
13
ン 3名(11.1%)、人から見られてもよいデザイン 3名(11.1%)、その他 4名(14.8%)(p=0.914,図 32)。 注入器本体の色のデザインに最も求められるものは、Apd 群で識別性が高いこと 15 名
(62.5%)、使用者が気に入ったデザイン 3 名(12.5%)、人から見られてもよいデザイン 2 名(8.3%)、その他 4名(16.7%)、Lan群で識別性が高いこと 15名(55.6%)、使用者が気に入ったデザイン 3名(11.1%)、人から見られてもよいデザイン 3名(11.1%)、その他 6名(22.2%)(p=0.935,図 33)。 (7)色の目立ち方 ラベルの色の目立ち方では、Apd 群で非常に目立つ方がよい 9 名(37.5%)、少し目立つ方
がよい 10名(41.7%)、目立たない方がよい 4名(16.7%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 1 名(4.2%)、Lan 群で非常に目立つ方がよい 10 名(37.0%)、少し目立つ方がよい 11名(40.7%)、目立たない方がよい 5名(18.5%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 1名(3.7%)(p=0.9983,図 34)。 注入器本体の色の目立ち方では、Apd 群で非常に目立つ方がよい 8 名(33.3%)、少し目立
つ方がよい 9名(37.5%)、目立たない方がよい 5名(20.8%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 2名(8.3%)、Lan 群で非常に目立つ方がよい 8名(29.6%)、少し目立つ方がよい 11名(40.7%)、目立たない方がよい 6名(22.2%)、全く目立たない方がよい 0名、その他 2名(7.4%)(p=0.990,図 35)。
図 17.商品名の正解率 図 18.ラベルの色の正解率(**:p<0.01)
図 19.ラベルの色の印象 図 20.キャップ付注入器本体の色の印象
14
図 21.キャップ無注入器本体の色の印象 図 22.商品名の覚えやすさ
図 23.ラベルの色の覚えやすさ 図 24.キャップ付注入器本体の色の (**:p<0.01,*:p<0.05) 覚えやすさ
図 25.キャップ無注入器本体の色の 図 26.商品名を覚える大切さ 覚えやすさ
図 27.ラベルの色を覚える大切さ 図 28.注入器本体の色を覚える大切さ (**:p<0.01)
15
図 29.注射時(手を握った状態で) 図 30.注射時(手を握った状態で) 商品名を確認できる必要性 ラベルの色を確認できる必要性
(*:p<0.05)
図 31.注射時(手を握った状態で) 図 32.ラベルの色のデザインに 注入器本体の色を確認できる必要性 最も求められるもの
図 33.注入器本体の色のデザインに 図 34.ラベルの色の目立ち方 最も求められるもの
図 35.注入器本体の色の目立ち方
16
4.識別色について (1)インスリンを区別するために識別色が決められていることを「知っていた」のは 15/39名(38.5%)で、「知らなかった」のは 24/39名(61.5%)となった(図 36)。
図 36.インスリンを区別するために識別色が決められていることの認識度(n=39) (2)色のデザインに求められるもの ラベルの色のデザインに最も求められるものは、識別性が高いこと 23/39名(59.0%)、使用
者が気に入ったデザイン 5/39名(12.8%)、人から見られてもよいデザイン 4/39名(10.3%)、その他 7/39名(17.9%)となった(図 37)。 注入器本体のデザインに最も求められるのは、識別性が高いこと 20/39名(51.3%)、人から
見られてもよいデザイン 6/39 名(15.4%)、使用者が気に入ったデザイン 4/39 名(10.3%)、その他 9/39名(23.1%)となった(図 38)。
図 37.ラベルのデザインに 図 38.注入器本体のデザインに 最も求められるもの(n=39) 最も求められるもの(n=39)
(3)色の目立ち方 ラベルの色の目立ち方では、非常に目立つ方がよい 15/39名(38.5%)、少し目立つ方がよい
15/39名(38.5%)、目立たない方がよい 7/39名(17.9%)、全く目立たない方がよい 0/39名、その他 2/39名(5.1%)となった(図 39)。 注入器本体の色の目立ち方では、非常に目立つ方がよい 9/39 名(23.1%)、少し目立つ方が
よい 17/39名(43.6%)、目立たない方がよい 9/39名(23.1%)、全く目立たない方がよい 0/39名、その他 4/39名(10.3%)となった(図 40)。
15
24
知っていた
知らなかった
6 4
20
9
人から見られてもよいデザイン 使用者が気に入ったデザイン 識別性が高いこと
その他
4 5
23
7
人から見られてもよいデザイン
使用者が気に入ったデザイン
識別性が高いこと
その他
17
図 39.ラベルの色の目立ち方(n=39) 図 40.注入器本体の色の目立ち方(n=39) 4.識別色と注射 これまでに、インスリンの種類を間違えて使用した経験について、「ない」28/34 名
(82.4%)、「時々ある」6/34 名(17.6%)となった。間違えた経験をした時間帯は「朝食前」1名、「夕食前」2名、「(1日 1回の注射剤を打つ)寝る前」3名であった。なお、間違えた後の体調変化については、「なし」5名、「ある」1名であった(図 41)。
図 41.これまでに、インスリンの種類を間違えて使用した経験(n=34) 冷蔵庫内へ保管するとき、種類別に分けて置いているかどうかにについては、2 種類以
上のインスリン製剤を使用している者を対象とした群では、「分けていない」17/34 名(50.0%)、「分けている」16/34名(47.1%)、「冷蔵庫に保管していない」が 1/34名(2.9%)となった(図 42)。 外食などで、人前で注射を行う時の抵抗感について、「抵抗ある」35/39名(89.7%)、「抵
抗なし」4/39名(10.3%)となった(図 43)。
図 42.冷蔵庫へ保管するとき、 図 43.外食など、人前でインスリン注射を
種類別に分けて入れている(n=34) 行う抵抗感(n=39)
15
15
7
2 非常に目立つ方がよい
少し目立つ方がよい
目立たない方がよい
全く目立たない方がよい
その他
9
17
9
4 非常に目立つ方がよい
少し目立つ方がよい
目立たない方がよい
全く目立たない方がよい
その他
6
28
結構ある
ときどきある
ない
16 17
1 分けている
分けていない
その他 35
4 抵抗ある
抵抗ない
18
Ⅳ.考察 (1)インスリン製剤の確認と識別の工夫 現状において、インスリン製剤の識別方法は患者ごとに異なり、区別するために識別色
が決められていることを半数以上の患者に知られていなかった。各社、インスリンの種類
を間違えて打たないように、取り扱い説明書等で正しい種類を確認する旨が記載されてい
る。まず、注射前に製剤の名前(商品名)を覚えることを挙げている。自己注射製剤の販
売名は「ブランド名」+「製剤組成の情報(R、N等)」+「剤型」+「容器の情報」に従って記載することが決められ、類似した名前で販売されている 1,2)。また、商品名は正確に
覚えられない、海外などで商品名が異なる場合は確認できない 3)、商品名は覚えにくいこ
とや類似して識別しにくいことで安全面において問題を感じるという報告もある 4)。さら
に、高齢者でカタカナの商品名を覚えることを難しいと感じる患者もいるため、インスリ
ン製剤の識別は色で判断している場合が多い 3,4)。商品名は識別に有用であるが、文字に比
べて色は覚えやすいので間違えるリスクを減らすために色を用いて識別する方法も有用
である。 サノフィは注入器本体の色 5)と注入ボタンの色、日本イーライリリーは注入ボタンの色、
ノボ ノルディスク ファーマはインスリンカートリッジホルダーの色、注入ボタンの色、タクタイルコード、ラベルの色で識別をするように情報提供している。特に、ノボ ノルディスク ファーマは識別色を考えた構造設計であることを強調している。ノボ ノルディスク ファーマでは、添付文書に識別として注入ボタンの色(識別色,N-Rap:オレンジ)と視力障害のある患者が指先で確認できるように注入ボタンへ刻まれているタクタイル
コード 6)(N-Rap:2 本線の刻み)が記載され、識別方法が提示されている。また、取り扱い説明書にも記載され、インタビューフォームにも識別色として注入ボタンの色を挙げ
ている。サノフィでは、添付文書とインタビューフォームには識別に関する記載はなく、
取り扱い説明書でインスリン製剤を確認する項目に注入器本体の色(Apd:青色)と注入ボタンの色(Apd:紺色)が記載されていた。注入ボタンに配色されている色はノボ ノルディスク ファーマで識別色としてラベルの色にも採用されているが、サノフィのラベルは注入ボタンと同じ色が一部に加わったデザインとなっている。ラベルの色はサノフィを
除いて全ての製剤で注入ボタンの色と一致している。注入ボタンとラベルの色の他に、イ
ンスリンカートリッジホルダーにおいて、サノフィでは透明となっており、ノボ ノルディスク ファーマの N-Rap、Lev、トレシーバでは注入ボタンと同じ色が採用されている。また、ヒトインスリン製剤とインスリンアナログ製剤の区別にノボ ノルディスク ファーマは、ラベルの識別色の面積と識別色のカラー帯数を変え 7)、日本イーライリリーは注入
器本体の色を変えている。 注射時にインスリン注入器本体を握るので、ラベルが隠れてしまうが、注入ボタンやイ
ンスリンカートリッジホルダーは見ることができる。注入ボタンとインスリンカートリッ
ジホルダーの色は握ったままの状態で識別色を確認することに役立っている 8)(図 44)。
19
図 44.注射時に注入器を握った状態(ノボ ノルディスク ファーマ,「フレックスタッ
チ®の正しい使い方を指導するために」より引用) 注射手技で常にインスリンの種類が正しいと確認できることが理想的だが、注入時以降
の手技で確認しない患者は多い。注射時に種類を確認するのは注入器を「取り出した時」
に最も多く、次いで注入時の直前までの手技で多い。注入時も識別色を強調するためにイ
ンスリンカートリッジホルダーへ識別色を配色することは、その過程で患者が注目して目
に入りやすいようになる 8,9)。 インスリンの組み合わせによって種類を間違える危険性が高まることがある。作用持続
時間が異なるインスリン製剤で、ヒューマログ®注とヒューマログ®ミックス 50 注は類似した暖色系の識別色であり、ノボリン®R 注とヒューマログ®ミックス 25 注は黄色で同じ色である 3)。これらのような識別色が類似していると間違えやすくなる。併用するインス
リン注入器の種類の組み合わせに配慮することはリスクマネジメントにおいて有用であ
る。 インスリンを 2種類以上使用している患者では、間違えて注射しないように意識が高く、
本調査で種類を間違えて使用した例は少ない。ヒヤリ・ハットの事例もあったが、間違え
ても体調変化があったのは 1件だけとわかった。重症低血糖などを避けるためにインスリンの種類の確認は不可欠である。間違えないように注射時の一連の動作の中で確認する習
慣が身に付くことが望ましい。未使用のインスリン製剤を保管する時に、冷蔵庫で種類別
に分けているのは 2種類以上を使用している患者で 47.1%となり、約半数の患者が分けていなかった。注射時だけではなく、使用する前も間違えないように冷蔵庫内の保管状況に
気を配るべきである。冷蔵庫保管時は、外箱に入れたまま交付され、保管する患者が多い。
この包装に記載されている専門的で多くの文字情報を理解することより、識別色を採用し
たデザインが識別に役立つ 10,11)。 食事前に注射を打つ際の周りの目が気になり、注射行為に抵抗を持つ人が多い(89.7%)。
そのため、車中やトイレで注射をするなど、人目につかないように配慮している患者が多
い。その点から、インスリン製剤の識別に関して色を活用することは有用であるが、注入
器本体に占める色の割合や色調を患者が好む生活環境に合わせた工夫も必要である 8,9)。
注入器の色のイメージ、薬剤の効力や使用する時間帯などによって色ごとのイメージが異
20
なり 12)、イメージと関連して識別色を覚えることができれば、より簡易になる。患者が
抱く色のイメージを考慮した配慮もアドヒアランスに関わってくると考えられる。 (2)本研究より
2 種類以上のインスリン製剤を併用している患者で取り間違えるリスクが高く、作用が異なるインスリンを間違えて投与してしまった場合、重症低血糖に至る危険性があるため、
インスリン注射に関するセーフティマネジメントにおいて注射ミスを防止しなければな
らない。インスリン療法を行う上でインスリン注射は自己注射で使用される場合が多く、
使用者である患者自身が正しい種類の製剤であることを確認する必要がある。 サノフィの Apd と Lan は注入器本体の色で識別しやすいように Apd はスカイブルー、
Lan はグレー を配色しているため、同じ会社で注入器本体の色が異なっている。それに比べて、ノボ ノルディスク ファーマのインスリン注入器はラベルの色で識別しやすいようにインスリンアナログ製剤の注入器本体の色は紺色で統一され、ラベルの色が目立つよ
うになっている。また、各社によって製剤中の配色が異なり、識別方法について推奨して
いる手段が異なる。注入器本体の色が統一されていれば、2 種類以上のインスリンを使用している場合、種類で異なるラベルの色などの識別色に注目して識別するようになるが、
他社のインスリン製剤を併用している場合やサノフィのように注入器本体の色が異なる
場合に、識別方法は色が占める面積が広く、目に入りやすい注入器本体の色に頼ることが
予想される。本来、ヒトインスリン製剤で識別するためにラベル等に設けられている識別
色のように、インスリンアナログ製剤でも識別することにラベルの色を識別色として活用
し、識別方法は扱う人やインスリン製剤の種類を問わず、統一されることが望ましい。そ
こで、インスリン注入器の取り違いを防止するための識別性に関して、患者がどのくらい
意識を持っているのか調査した。 1)識別色の認識度について インスリン注入器の種類を区別するために識別色が決められていることを知っていた
のは 15/39 名(38.5%)と少なかった。患者にインスリン製剤で識別色が配色されている意義が広く知られていないことがわかる。朝倉らが糖尿病患者を対象に識別色の有用性を
調査した結果、識別色が決定されていることを知っていたのは 80.0%、区別するために識別色を利用しているのは 72.5%であり 3)、識別色の認識と利用に関して、朝倉らの調査と
は異なる結果で、医療機関で患者指導にバラつきや患者意識が異なる可能性がある。また、
ラベルのあり方やその有用性において、医療従事者と患者で評価の観点が異なる報告もあ
る 13)。 患者が現在使用しているインスリン製剤の商品名とラベルの色を質問すると商品名の
正解率に差はなかったが、ラベルの色の正解率は Apd 群と Lan 群で正解率が低かった。ラベルの色を正確に答えられたのは Apd群 3名(12.5%)、Lan群 5名(18.5%)のみで、Apd と Lan は同様にラベルの認識度が低い結果となった。商品名の文字は覚えにくく、ラベルの認識が薄いため、確認時に見ていない人もいる可能性がある。一方、N-Rap群で
21
ラベルの色を正確に答えられたのは 9 名(75.0%)となり、種類の違いで患者の認識度が異なってくることが考えられる。 2)患者による確認方法について インスリン製剤の種類を確認することについて、インスリン製剤の種類が正しいことを
いつも確認しているのは 32名(82.1%)であり、2種類を併用している場合でも確認を怠る人もいた。患者本人が使用しているインスリン以外にもたくさんの種類があることを知
っていたのは 25名(65.8%)で意外に低く、他の種類を知らないことも確認する意識の低下につながっていると考えられる。種類を確認する方法は、注入器本体の色、商品名、ラ
ベルの色、注入器の形の順で多く選ばれた。そして、注入器本体の色 34/39名(87.2%)、商品名 26/39 名(66.7%)、ラベルの色 21/39 名(53.8%)の順で覚えることを大切に思っている人が多く、大切に思う理由としては、「間違えないようにするため」という意見が最も
多かった。間違えないように確認する意識は高いが、実際の確認時に、S 群ではラベルの色は見ておらず、ほとんど注入器本体の色に頼っている。N群では、注入器本体の色だけではなく、ラベルの色で確認していることがわかった。製薬会社が推奨とする識別の傾向
となり、製薬会社別の組み合わせで違いがあった。 3)色の印象について 注入器本体の色の印象はラベルの色よりも良い印象であるが、N-Rap群においてラベル
の色も良いと回答する患者は多かった。ラベルの色の印象は良い傾向である一方、ラベル
の色の印象についての質問で Apd 群 7 名(29.2%)、Lan 群 7 名(25.9%)、N-Rap 群 2名(16.7%)が「良い」、「悪い」と二択で選べず、「意識していない」、「特に印象はない」という意見もあり、識別意識が低い患者もいることがわかった。 注入器本体の色の印象は、キャップ付とキャップ無のどちらも良い印象と思われている。キ
ャップ無で「印象が悪い」と思う人が Apd群で少し増加し、「覚えにくい」と思う人が Apd群と Lan群で少し増加したのは、キャップを外すと注入器本体の約半分のインスリンカートリッジ部分(カートリッジホルダー)が透明になることも理由の一つだと考えられる。 4)ラベルの色について
N 群では「ラベルの色を覚えることが大切である」と思っている人が多く、 N-Rap 群でも「大切である」と思っている人が多い傾向となった。N-Rap群でラベルの色の正解率が高く、「良い印象」、「覚えやすい」と思うことについて多い傾向となった。Apd 群と比較して N-Rap群の方が有意に「ラベルの色が覚えやすい」となった。Lan群と N-Rap群の検定では有意差は出なかったが、N-Rap群の方が覚えやすい傾向となった。Lan群と比較して Apd 群で有意に「ラベルの色が覚えにくい」となったが、「ラベルの色の正解率」、「ラベルの色を覚える大切さ」ではApd群と Lan群に差は見られなかった。患者はノボ ノルディスク ファーマのインスリン注入器で意識的にラベル色に注目して見ていると思われる。 5)注入器本体の色について
S 群では「注入器本体の色を覚えることが大切である」と思っている人が有意に多く、
22
Apd群と Lan群でも「大切である」と思っている人が多い傾向だった。「良い印象」、「覚えやすい」と思うことについて、Apd 群、Lan 群、N-Rap 群で多い傾向となった。これらの注入器は好印象だが、特に、患者はサノフィのインスリン注入器で大切に思い、意識
的に注入器本体の色に注目して見ていると思われる。 6)注射時に(手を握った状態で)確認できる必要性について 商品名と注入器本体の色は S 群と N 群で差は見られなかったが、ラベルの色では種類によって必要性に違いがあった。S 群は注入器本体の色を覚えることが大切で、注射時にラベルの色が確認できることは必要ではないと思っている人が多かった。Apd 群と Lan群のどちらも注射時にラベルの色が確認できることは必要ではないと思っている人が明
らかに多く、注入器本体の色は必要であると思っている人が多かった。 Apd と Lan は、注射時にラベルの色が隠れて見えなくなっても注入器本体の色で確認
できるため、識別に関してラベルの色の必要性が低いとわかった。N群では、ラベルの色と注入器本体の色は必要であるという傾向だった。 ノボ ノルディスク ファーマの製品では、注射器を握ると識別するためのラベルが隠れ
てしまう。注入器本体の色が統一されているため、同社のインスリン製剤を併用している
場合に、注射時における種類の確認ができない。しかし、本調査の対象となった N-Rap、Levはインスリンカートリッジの色は識別色となっており、握った状態でも目立ち、色が確認しやすくなっている。 7)色のデザインと目立ち方について インスリン製剤の種類を確認するために、特に S群でラベルの色を用いる重要度は低い
が、色のデザインについてラベルと注入器本体は識別性が高い方がよいという傾向だった。
Apd群と Lan群でも同様な結果だった。 色の目立ち方について、S 群はラベルと注入器本体で同程度に目立つ方がよいと思う傾向だった。N群はラベルの色に関して、非常に目立つ方がよいと思う傾向であったが、注入器本体の色に関しては非常に目立つ方がよいと思う人は 0名となり、目立たない方がよいという傾向となった。N-Rap群では、注入器本体の色に関して非常に目立つ方がよいと思う人が減少し、少し目立つ方がよいと思う人が増加した。ノボ ノルディスク ファーマの注入器に識別性を求めているが、目立つことはそれほど求めていないようである。 8)製薬会社別の識別方法について
S 群で注入器本体の色を重要とし、N 群でラベルの色を重要としていることがわかり、
識別性を高めるためにサノフィは注入器本体の色、ノボ ノルディスク ファーマはラベルの色を重視した製品を販売し、情報提供を行っていることが反映されている。 特に、Apdと Lanでその傾向が強い背景には、Apdと Lanを発売しているサノフィが
Apd使用患者を対象に調査した社内データより、患者が識別するために最も重要としているのは注入器本体の色だったという簡単な報告を公表し、ノボ ノルディスク ファーマがラベルの色で識別性を高めていることに対して、Apd と Lan の識別性を高めるために注入器本体の色を重視した情報提供を行っていることが考えられる 5,14)。N-Rap群でラベル
23
の色の重要度が高くなったのは、注入器本体の色よりも識別色に注目しやすい製品となっ
ていることが挙げられる。 9)想定される臨床上の問題点と服薬指導時の留意点
Apd と Lan の組み合わせで使用する場合に、この併用での識別性は高いが、Apd ではなく、他社の N-Rapと Lanの併用となる場合も臨床現場ではありうる。本調査でも他社のインスリン製剤を併用している被験者は多かった。このような場合に、同社のインスリ
ン製剤の組み合わせでの識別だけではなく、他社との組み合わせを考えた識別も考慮すべ
きである。サノフィの Apd と Lan を併用した被験者はインスリンの種類を確認するときに注入器本体の色を重要とし、ノボ ノルディスク ファーマのインスリン製剤を併用した被験者は注入器本体の色よりラベルの色に注目して識別しているとわかった。製薬会社は
自社のインスリン製剤の組み合わせで識別ができるような工夫と宣伝を行っていること
から、インスリン製剤の種類によって識別方法が異なると、今まで同社のインスリン製剤
の併用から他社のインスリン製剤へ変更となった場合に、識別方法も異なる組み合わせと
なり、各社でインスリン製剤の工夫が異なることや医療従事者からの指導内容、患者が思
う注入器の印象、種類の組み合わせで患者ごとに識別方法も変わってくることが考えられ
る。使用するインスリンの種類によって、ラベルの色だけではなく、注入器本体の色で識
別することも考慮する必要がある。種類を間違えずに注射を行うには、より一層、患者の
識別意識が高まるような注意喚起が必要である。 患者がインスリン製剤を識別することに意識が低いのは、インスリン製剤の識別性を高
めるために識別色が決められ、識別色の製剤的な工夫がなされていると知らないこと、患
者指導時に医療従事者側から識別色について説明がないことが予想される。患者へ識別色
があることや識別色を覚える重要さを服薬指導で伝え、識別色に関して患者と医療従事者
が共通の認識を持つべきである。 インスリンアナログ製剤の識別方法が統一されていない現在の状況では、まず、医療従
事者による意識づけが有効的である。注射時だけではなく、処方されたインスリン製剤が
自分の使用しているインスリンの種類と間違いがないかを確認するためにも常に確認す
る意識が必要である。インスリンの導入時や種類の変更時は識別の確認方法を医療従事者
が患者と共に確認し、指導していくことが意識向上に繋がる。
Ⅴ.結語 本調査では、インスリン注入器の識別に関する意識調査を行い、患者が把握している識
別色の認識、患者が使用する種類や組み合わせ、インスリン注入器に配色されている場所
で意識が異なることがわかった。そして、識別方法の違いも見られた。製薬会社では識別
で重要視する点が異なり、患者では個々によって識別方法が異なっていたため、製薬会社
と患者が注目する点が相違する場合や処方変更時には間違える危険が高まることが予想
される。ハイリスク薬であるインスリンを扱うときには危険を回避するために、識別色の
活用や服薬指導時の周知と医療安全に関して患者の意識が高まるように適切な指導が必
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要である。患者は普段から自分が使用しているインスリンに関心を持ち、識別に意識を向
けて安全な治療を継続することができるように、薬剤師として、識別方法の再確認とひと
りひとりにあった指導を心掛けていくべきである。
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謝 辞
本論文を作成するにあたり、丁寧かつ熱心なご指導をしていただきました新潟薬科大学
薬学部薬学科臨床薬学研究室教授 朝倉俊成先生、病態生理学研究室教授 青木定夫先生、
そしてご指導をしていただきました臨床薬学研究室教授 坂爪重明先生、同助教 齊藤幹
央先生、阿部学先生、同助手 宮下しずか先生に深く感謝いたします。
また、アンケート調査に御協力賜りました調剤薬局ミッテル開成店 菅原秀樹先生、せ
いの内科クリニック 清野弘明先生に深く感謝いたします。
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引 用 文 献
1)厚生労働省:インスリン製剤販売名命名の取扱いについて, 薬食審査発第 0331001号・薬食安発第 0331001号・(平成 20年 3月 31日), 2008. 2)厚生労働省:「医療用配合剤の販売名命名の取扱い」及び「インスリン製剤販売名命名の取扱い」の一部改正について, 薬食審査発 0710第 6号・薬食安発 0710第 4号・(平成26年 7月 10日), 2014. 3)朝倉俊成, 清野明弘, 安江尚子ほか:インスリン・プレフィルド製剤の識別色の有用性に関する調査, 日病薬誌, 41, 1441-1444(2005). 4)水野美華, 瀬戸奈津子, 和田幹子ほか:インスリン製剤の製剤名および識別カラーに関するインスリンエラー対策のための実態調査, 糖尿病看護認定看護師を対象として, 日本糖尿病教育・看護学会誌, 19, 25-32(2015). 5)アピドラ®注ソロスター®ボディーカラー識別性の高いスカイブルーに変更~患者さん
の声を反映~, サノフィ株式会社, 2013年 11月 20日. 6)朝倉俊成:インスリン自己注射を安全かつ有効に行うために インスリン製剤の種類と単位を間違えないようにするために, プラクティス, 21, 244‐247(2004). 7)フレックスペン®パッケージおよびラベル変更のお知らせ, ノボ ノルディスク ファーマ株式会社, 2014年 6月. 8)朝倉俊成, 影山美穂, 山田徹ほか:インスリン注入器本体に表示されている識別色の有用性に関する検討, Prog Med, 29, 2109-2113(2009). 9)朝倉俊成, 清野弘明, 名取和幸, 江森敏夫:プレフィルド型インスリン注入器の識別性に関するカラーデザインの評価, くすりと糖尿病, 3, 63-73(2014). 10)朝倉俊成, 影山美穂, 長井一彦ほか:プレフィルド型インスリン注入器の外箱包装に表示されている識別色の有用性に関する検討, Prog Med, 29, 2103-2108(2009). 11)朝倉俊成, 佐藤彦衛, 安江尚子ほか:インスリン製剤包装表示についての患者の理解度, プラクティス, 16, 209‐213(1999). 12)朝倉俊成, 名取和幸, 江森敏夫:注入器の識別色とイメージとの対応に関する調査研究~第1報~, くすりと糖尿病, 3, 128-138(2014). 13)朝倉俊成, 清野明弘, 影山美穂ほか:プレフィルド型インスリン注入器フレックスペン®の改良型カラーコードラベルの有用性, Prog Med, 28, 1593-1598(2008). 14)sanofi-aventis Deutschland GmbH:Development of the SoloSTAR® insulin pen device: design verification and validation, Expert Opin Drug Deliv, 6, 103‐112(2009).