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平成 22 年度 医学部第3学年

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平成 22 年度 医学部第3学年

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病理病態総論Ⅰ (Patho-morphology Ⅰ)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:諸星 利男(第一病理学)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

人体に発症する基本的病的反応を理解する。 退行性病変(変性・萎縮・壊死・アポトーシス)の原因・発症機序・病態病理を理解する。 代謝性疾患の原因・発症機序・病態病理を理解する。 奇形の病態病理を理解する。 炎症の原因・発症機序・病態病理を理解する。 炎症の経時的変化・治癒過程を理解する。 アレルギー疾患・自己免疫性疾患・免疫不全について理解する。

◆評価方法

定期試験、授業中の態度、レポートなどにより評価する。基本的に、評価基準は以下の通りとする。 定期試験(MCQ および記述試験):60%以上、ミニテスト・レポート:30%未満、授業態度・学習意欲:30%未満

◆授業概要

生体にみられる疾患は、様々な原因により発症し極めて多様であるが、一般に6つの概念、すなわち退行性病変、進行

性病変、奇形、循環障害、炎症および腫瘍の概念に分けられる。病理病態総論Ⅰでは、退行性病変、奇形、炎症について

病理形態学立場から学び、これらの病変について理解を深める。 講義は主にパワーポイントを利用、板書はできるだけ少なくする。説明文は必要最小限とし、要点はできるだけ表や図

表にまとめ、簡素化したものとする。逆に各種疾患の実際的な肉眼像や顕微鏡像はできるだけ豊富に指示する。また講義

内容をプリントアウトしたものをハンドアウトとして用意するので、復習のための資料とされたい。

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病理病態総論Ⅱ (Patho-morphology Ⅱ)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:太田 秀一(第二病理学)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

病理病態総論では、病理学の総論を中心に理解する。病理病態総論Ⅱでは、特に病理学の剖検を含む方法論、病因論、

遺伝子異常と疾患、循環障害、腫瘍について、その病態を理解し、またその応用として、病理組織検査(外科病理学、臨

床細胞学)を学習する。

◆評価方法

定期試験(記述試験、MCQ)で総括的評価を行う。また随時形成的評価を行う。

◆授業概要

病理病態総論Ⅱでは病理学総論の内因・外因、遺伝子異常と疾患、循環障害、細胞増殖、腫瘍総論、病理診断学などに

ついて講義を行う。これらはモデル・コア・カリキュラムに記載されている項目です。これらの行動目標に従い講義を進

める。

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感 染 症 (Infectious Diseases)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:二木 芳人(臨床感染症学)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

感染症の成立、微生物の侵入に対する宿主の生体防御機構に関して理解を深める。また、感染症の診断と治療に関する

原則論、臓器別・原因微生物別の感染症に関する、宿主側因子、病態、合併症、診断・治療、予防法などについて学習す

る。

◆評価方法

定期試験、出席状況、受講態度、小テストなどにより総合的に評価する。

定期試験 75% 出席状況 10% 受講態度 10% 小テスト 5%

◆授業概要

ユニット全体を通じて講義形式をとる。講義資料(配布プリント)、またはパワーポイントなどを用いて病原微生物、免

疫防御機構、病理、感染症の診断や治療、あるいは抗感染症薬などの総論、および領域別感染症の各論について講義を行

う。講義単位によっては、講義の終わりに当日の重要項目に関する小テストを実施する場合がある。

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腫 瘍 学 (Clinical Oncology)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:佐藤 温 内科学(腫瘍内科学部門)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

悪性腫瘍の疫学・病態・診断の基本的知識、及び悪性腫瘍治療としての薬物療法、放射線治療、外科療法、緩和医療の

総論を学び、がん診療を理解する。がん患者の抱える苦痛を理解しようとする姿勢をもちながら、がん診療の実践にあた

って前提となる医療倫理、インフォームドコンセント、チーム医療の重要性を学び、がん医療の実臨床現場に応用できる

基礎力をつける。

◆評価方法 講義時間内に既習事項について適宜,小テストによる形成的評価を行う。定期試験で統括的評価を行う。

◆授業概要 がん患者の診療を適切に行うために、日本臨床腫瘍学会の卒前教育カリキュラム(http://jsmo.umin.jp/pdf/cal_kyouiku.pdf)

に準拠し、臨床腫瘍学を体系的かつ横断的に、双方向性講義を行う。

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症 候 学 演 習 Practice of Symptomatology (PBL tutorial)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:高木 康(医学教育推進室)

授業形式等:演習 必修

◆一般目標(GIO)

臨床実習で適切な診察・診療ができるようになるために、頻繁に遭遇する症候について、その病態生理・原因疾患を理

解する。

◆評価方法

・PBL チュートリアルでの態度・討議(30%)、レポート(30%)。TJE(40%)。

・TJE は提示症例から症候などに関する問題点を抽出して、それを解決する能力を評価する。

◆授業概要 ・3症候・症例を5班に分けてチュートリアルを行う。全 15 症候・症例を履修する。

・提示の症候・症例から問題点を抽出し、各自が自学自習する。

・自学自習した内容について、グループ内でプレゼンテーションする。

・チューターの適切な指導のもとで討議し、問題点の解決を行う。

・TJE(Triple Jump Examinatione)は提示症候についての問題抽出・解決能力を試験する。

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環 境 衛 生 (Environmental Health)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:中館 俊夫(衛生学)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

人間の健康・疾病像に係わる物理的,化学的,生物学的,および社会的環境要因を知り,健康を保護し,疾病を予防し,

快適な環境を保持するための方策と制度を理解する。

◆評価方法 前期末の定期試験によって総括評価を行う。なお,講義の中で随時小テストを行って形成的評価を行うことがある。

◆授業概要

人間の健康・疾病と環境要因との関わりを知る。健康で快適な環境を保持するための方策と制度を理解する。

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臨 床 疫 学 (Clinical Epidemiology)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:小風 暁(公衆衛生学)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

将来医師として EBM (Evidence-Based Medicine) の見地から臨床医学における諸問題を解決できるようになるために、

その基礎となる疫学の考え方、疫学で用いる各指標および疫学的手法を理解する。

◆評価方法 定期試験(100%)により評価する。

◆授業概要

臨床疫学は、個々の患者に対する臨床判断に役立てることを目的とし、疫学的手法を用いて、患者集団で生起する事象

を科学的に解析・評価する学問領域である。したがって、その基礎となる疫学の基本的な考え方とその手法を理解するこ

とが本ユニットの目標となる。

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生理学実習(Ⅰ) (Physiology Laboratory)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:久光 正(第一生理学)

授業形式等:実習 必修

◆一般目標(GIO)

臨床医学の実践的習得に向けて、生体の持つ様々な仕組みについて、科学的・ 論理的に分析し、 その結果を評価・発表する能力を育成する。

◆評価方法

出席、実習態度、レポート、実技試験を総合して、総括的評価を行なう。特に、実習態度・実技試験を重視する。

◆実習概要 神経・筋・感覚について学習した内容の一部を実験を通して再確認する。

また、実験計画のたて方、実験結果を整理して発表する方法についても学ぶ。

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生理学実習(Ⅱ) (Physiology Laboratory)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:本間 生夫(第二生理学)

授業形式等:実習 必修

◆一般目標(GIO)

呼吸、循環生理等、植物性機能を理解するために、生体の生理現象を測定、記録する基本的操作を習得する。

◆評価方法

出席、態度、レポートにより総括的評価を行う。 ◆実習概要 植物性機能全般の実習

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微生物学実習 (Microbiology Laboratory)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:田中 和生(微生物学)

授業形式等:実習 必修

◆一般目標(GIO)

本実習では、病原微生物を取り扱う際に重要な手技である、滅菌法と無菌操作法を学ぶ。また、実際に細菌やウイルス

を用いて、微生物学的・免疫学的診断法(培養、同定、抗生物質感受性試験、血清学的診断等)を習得し、2学年で学ん

だ微生物学、免疫学の知識の定着を図る。

◆評価方法 出席、レポート、筆記試験を統合して総括的評価を行なう。原則として欠席は認めない。

◆実習概要 最初に病原微生物を取り扱う際に重要な無菌操作法、滅菌法を学ぶ。その後、実際に細菌、ウイルス、真菌を用いて培

養、染色、同定法、抗生物質感受性試験、感染価の測定、免疫学的診断法等に関する実習を行う。

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地域医療実習 (Practice of Community Medicine)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:高木 康(医学教育推進室)

授業形式等:実習 必修

◆一般目標(GIO)

将来、医師として地域医療・保健を実践する基本姿勢を身につけるために、診療所と在宅医療について必要な知識と態

度を習得する。

◆評価方法

レポート、評価票、実習中の態度等で評価する。 ◆実習概要 ・詳細は別途配布する「実習の手引」参照。

・診療所で指導医師の指導にしたがい、地域医療の実際を観察し、地域医療での医師の役割、内容などを身をもって体

験する。

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衛 生 学 実 習 (Hygiene Laboratory)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:中館 俊夫(衛生学)

授業形式等:実習 必修

◆一般目標(GIO)

人間の健康・疾病像に関わる生体因子と環境要因のいくつかを測定し、相互関係を考察し、評価方法を体得する。あわ

せて健康リスク評価とマネジメントの手法を経験するとともに、繁用される衛生・健康指標の意味と算出法、偏りへの対

処と標準化の技法を習得する。 ◆評価方法

出席、レポート、筆記試験を総合して総括的評価を行う。 ◆実習概要 健康に関わる生体因子と環境要因を測定し、評価法を習得する。

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医 学 英 語 A (Medical English A)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:本間 生夫(第二生理学)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

多くの英文を通読することにより、医学英語に慣れ親しむ。

◆評価方法

出欠状況、授業態度、口頭試問又は筆記試験により総合的に評価する。

◆授業概要

分野の異なる医学英文を3編通読する。各英文通読の最終日には確認のテストを行う。

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保健・医療・福祉と介護 (Health and Medical Care)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:小風 暁(公衆衛生学)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

将来医師として、医療および保健指導をつかさどり、公衆衛生の向上および増進に寄与できるようになるために、保健、

医療、福祉や介護の現状と動向およびそれらの制度を理解し、生活習慣や環境要因の変化による個人の健康と社会生活へ

の影響、さらに予防医学について学ぶ。 ◆評価方法

定期試験(100%)により評価する。

◆授業概要 本ユニット名は「保健・医療・福祉と介護」であるが、一般的には「公衆衛生学」と称される学問領域を網羅している。

公衆衛生学は、すべての人々の健康に関する諸問題を扱う学問分野である。本ユニットでは、集団全体の健康状況に着目

し、健康水準の向上や疾病予防を目的とした法律や制度、社会環境整備などについて幅広く学習する。

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法 科 学 (Forensic Science)

対 象 学 年:医学部3学年 前期

責 任 者 名:佐藤 啓造(法医学)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

法的、倫理的にみた医師の役割、義務を知る。医療事故と医療過誤を理解し、医事紛争の防止法を知る。血液型の法科

学的意義と個人識別の方法を理解する。 ◆評価方法

定期試験(全体の 80%)を行う。また、随時、小テストやレポート提出(全体の 20%)を行い、定期試験の成績に加

算する。

◆授業概要

1. レジュメを配布し、項目に添って講義をする。

2. 事例を提示し、各自に答えさせた後、解説をする。

3. 医療事故については実際の剖検例を供覧する。

4. 安楽死、尊厳死、宗教的輸血拒否、性同一性障害、人工妊娠中絶などの事例について宿題レポートを課す。レポー

トの返却時に解説する。レポートは採点をして合計点を定期試験に加算する。

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法 医 学 (Forensic Medicine)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:佐藤 啓造(法医学)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

一般の臨床医に要求される法医学的事項(死の判定、異状死体届出、各種診断書の交付、死体検案、法廷での証言など)

を習得するほか、脳死と植物状態の違い、安楽死と尊厳死の違い、突然死と事故死の違いを理解する。

◆評価方法

定期試験(全体の 80%)を行う。また、随時、小テストやレポート提出(全体の 20%)を行い、定期試験の成績に加

算する。

◆授業概要 1. レジュメを配布し、項目に添って講義をする。

2. 事例を提示し、各自に答えさせた後、解説をする。

3. 各項目とも実際の剖検例をスライドで供覧する。

4. 国試の過去問などをミニテストとして抜打ちで行う。ミニテストは採点をして合計点を定期試験の点数に加算する。

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外科学総論 (General remarks to Surgery)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:門倉 光隆 外科学(胸部心臓血管外科学部門)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

物理的化学的刺激に対する生体防御反応の病態について理解を深め、さらに外科的対象疾患と治療方法選択の基礎、ならびに外科治療と周術期管理の基本を習得する。 ◆評価方法

講義毎に3~4題、合計 50~55 題程度の MCQ 方式の予定。 ◆授業概要 *創傷学1(多発外傷と初期治療) 多発外傷はそれぞれの外傷の総和ではなく、外傷死の危険性は相乗的に高まる。そのため、初療ではバイタルサインの安定化を優先し、preventable trauma death を避ける必要がある。JATEC を紹介しながら標準的外傷初期診療手順を習得する。 *創傷学2(頭部外傷の病態) 頭部外傷を理解するのに必要な臨床解剖・病態生理・各論を解説する。特に頭蓋内圧亢進症状・脳浮腫・脳ヘルニアについて理解を深める。また、小児・高齢者の頭部外傷について学ぶ。 *創傷学3(創傷の発生機序と治癒ほか) 創傷の原因、発症・治癒の過程、組織の再生・肉芽組織の関与について、病理形態学的観点から学ぶ。 *創傷学4(物理的創傷・熱傷の病理) 創傷が生じると炎症期を経て収縮・修復・再生が起こり、創傷治癒には一次治癒と二次治癒の過程がある。一次治癒は切離した組織が付着した状態か否かで治癒過程に相違があり、臨床的には瘢痕がきれいに治癒するか否かということである。創傷学総論から実際の事例を用いて物理的創傷および熱傷の病理を学ぶ。 *外科の歴史(医学史における外科学) 外科治療の歴史を学び、その発展に寄与した因子について解説する。また、近年外科治療において主流となってきている内視鏡外科治療の進歩について学ぶ。 *無菌法(滅菌と消毒) 外科総論に重要な無菌法について学ぶ。無菌法が今日に至った歴史を基礎に、医療器具、術者の手指、術野における無菌法の実際を理解するとともに、日常の感染予防に関する医療者の意識について学ぶ。 *形成外科学概論 形成外科は外科の黎明期から発達してきた、創傷治癒を追求する治療学の一つである。その歴史を学び、外科学発達の過程を理解する。また、現代における形成外科治療の実際と特殊な外科手技、他分野の外科とのチーム医療、将来への展望などを学ぶ。 *輸血 輸血は、出血による循環血液量減少の補充、貧血よる酸素運搬能低下の回復、血小板や凝固因子の減少による出血の防止のために行われる。輸血製剤の種類とそれぞれの投与目的を理解する。輸血検査では、供血者と受血者について ABO式血液型と Rh 式血液型の判定、次いで、交差適合試験が施行される。それぞれの実施法と判定について学ぶ。 *炎症と外科的感染症,術後合併症 炎症の機序や治療、代表的な外科感染症の病態とその治療法、さらに代表的とされる術後合併症の病態とその管理法について学ぶ。 *侵襲と生体反応 手術を受けることによって身体は如何なる反応を示すのか?ストレスホルモン、サイトカインの変動を知る。それらの変化による水分電解質代謝、糖・脂質・蛋白代謝への影響を知る。これらの代謝変動に則った術後管理法を学ぶ。 *ショック ショックの定義、分類、症状、診断、治療などについて理解する。特に分類は、循環障害の発生要因とそれらを起こす原因を同列に扱う旧分類から、最近では循環動態を中心としたより治療に直結した機能的な新分類が用いられ、これらについて学ぶ。 *再建外科 左室形成術などの再建手術、ならびに心臓・肺移植の現状を紹介する。また、人工心臓および各種補助循環システムについて海外の臨床実施状況などを踏まえて、基本的な知見を紹介する。 *外科腫瘍学概論 外科一般における腫瘍(良性・悪性)の紹介を行い、それに対する手術、化学療法、放射線療法など集学的治療と治療効果の判定を解説する。また臨床症例の画像を見ることで、治療効果や手術の醍醐味にふれ、今後学ぶ腫瘍学各論の入門編となる。 *外科手術の実際,総括 手術室で行われる外科手術ビデオの供覧とともに外科手術術式の変遷について学び、外科学総論のまとめと総括を行う。

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循 環 器 (Circulatory Diseases)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:嶽山 陽一(藤が丘リハビリテーション病院 循環器内科)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

循環器系の構造と機能を理解し、主な循環器疾患の病態生理、原因、症候、診断と治療を学ぶ。 ◆評価方法

期末試験において、MCQ 形式の試験問題により、総括的評価を行う。また、随時、ミニテストによる形成的評価を行う

ことがある。

◆授業概要

各授業については原則的に事前にプリントを配布し、それに従って授業を進める。

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呼 吸 器

(Respiratory Diseases)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:足立 満 内科学(呼吸器・アレルギー内科学部門)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

呼吸器領域における解剖学、生理学、病理学を修得した上で、基本的病態、診断法、治療法を系統的に理解する。 ◆評価方法

従来と同様、原則としてマークシート形式(国試形式)にて行う。

◆授業概要 呼吸器疾患のの理解のため、呼吸器の構造、呼吸生理、病理、主要疾患、検査について学習する。その後、代表的な疾

患である喘息、アレルギー性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患、特発性間質性肺炎、全身性疾患に伴う肺疾患、肺癌などの肺腫

瘍、胸膜疾患、縦隔疾患、循環障害、呼吸不全などについて学習する。授業では、それぞれの疾患について、病態生理、

診断方法、診療ガイドラインに基づいた薬物治療、代表的な治療薬の作用機序や副作用、外科治療について講義を行う。

なお、本授業内容は、医学教育モデルコアカリキュラムに準拠している。

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消 化 管 (Digestive Diseases)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:村上 雅彦 外科学(消化器・一般外科学部門)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

消化管疾患の病理、病態生理、診断、治療を理解する。 ◆評価方法

定期試験(MCQ 方式)にて評価。随時口頭試問も行う。

◆授業概要 ・各授業は、スライド内容についての資料を配布する。診断・治療については、ビデオ等の動画を多く使用し、視覚的教

育を行う。

総論:

消化管疾患の特徴から臨床所見の概要を説明し、診断への糸口を講義する。OSCE 腹部所見の診察についても説明する。

消化管内視鏡診断:

上部消化管内視鏡―消化管疾患における診断は、内視鏡診断が最終診断となることが多く、検査の実際から診断学まで講

義を行う。良性疾患の内視鏡治療についても言及する。

下部消化管内視鏡―上部と同様であるが、腫瘍性疾患に対する内視鏡治療(EMR,ESD)等についても講義。

食道疾患:

良性、腫瘍性疾患に分け、個々の疾患の特徴につき、臨床所見、画像所見、治療と体系的な授業を行う。 胃疾患: 良性―胃炎・胃十二指腸潰瘍・急性胃十二指腸病変について説明。 腫瘍性病変―診断について説明。治療については、内科的・外科的治療に分け、ビデオ等において実際の治療を学ぶ。外

科的治療については、典型的術後障害まで講義を行う。 小腸・大腸疾患: 小腸・大腸の良性疾患、炎症性腸疾患、結腸・直腸腫瘍をテーマとして診断・治療までの講義を行う。 肛門外科・ヘルニア 肛門疾患の診断・治療(外科治療を中心に)について講義を行う。ソケイヘルニアは消化管疾患ではないが、消化管との

関係も濃く、診断・外科治療について講義を行う。 胆道疾患 主に外科的胆道疾患(胆石症、胆嚢癌、胆道癌等)について、診断・外科治療を中心に講義を行う。 急性腹症 腹部消化管症状を伴う急性腹症につき、診断・鑑別・治療まで、実践に即した講義を行う。 鏡視下手術 消化管外科における最先端・低侵襲治療としての胸腔鏡・腹腔鏡下手術について、基礎から手術の実際まで、ビデオ中心

による講義を行う。 病理 消化管疾患の病理診断につき、上部・下部消化管につき正常、炎症性、腫瘍性に分け、講義を行う。 まとめ 現状から将来像まで、消化器外科における展望について講義を行う。各講義において不明点があれば、追加解説を行う。

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腎 ・ 泌 尿 器 (Nephrology and Urology)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:小川 良雄(泌尿器科学)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

腎は体全体の病態から影響を受け、また腎疾患による体全体への homeostasis に与える影響が非常に大きいことを理解

するために、腎の構造・生理を学習し、体全体から腎を俯瞰し腎から体全体を大局的に把握することを修得する。泌尿

器科学は尿路系、男性生殖器系、内分泌系の広範囲な領域を網羅する外科であることを理解するために、泌尿器科領域

の解剖学的特徴・生理・病理を学習し、病態に応じた診断治療法を修得する。

◆評価方法

定期試験にて国家試験出題基準に基づいた MCQ 形式の試験を行い、総括的評価とする。随時、形成的評価を行うこと

がある。

◆授業概要 スライド(パワーポイント)、ハンドアウトを中心とした講義を行う。講義中に臨床で使用する医療機材の実物を提示

する。

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肝 ・ 胆 ・ 膵 (Hepato-biliary-pancreatic Diseases)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:井廻 道夫 内科学(消化器内科学部門)

授業形式等:講義 必修

◆一般目標(GIO)

肝・胆・膵の正常構造を理解し、主要疾患の病因、病態、病理、症候、検査所見、診断、治療を学ぶ。 ◆評価方法

試験で総括的評価を行う。(定期試験 100%により評価する) ◆授業概要 肝臓・胆道・膵臓について正常構造・機能について解説する。肝・胆・膵の代表的疾患について、病因・病態・病理・

症候・検査所見・診断方法・鑑別診断・治療法について解説する。本授業内容は、医学教育モデル・コアカリキュラムに

準拠しており、「C.人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療」のうち「7.消化器系」と「D.全身におよぶ生

理的変化、病態、診断、治療」、「E.診療の基本」、「F.医学・医療と社会」の肝・胆・膵に関連する学習内容を統合して

いる。

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臨床医学演習(チュートリアル)1 PBL tutorial(Clinical Medicine 1)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:高木 康(医学教育推進室)

授業形式等:演習 必修

◆一般目標(GIO)

臨床実習で適切な診察・診療ができるように問題解決能力を高めるために、提示症例についての病態生理、原因、症候、

診断と治療を理解する。

◆評価方法 ・チュートリアル中の態度(30%)、レポート(30%)、MSE(40%)。

・MSE は paper patient での医療面接、検査、診断、治療、病態生理についての筆記試験。

◆授業概要 ・ 提示症例の問題点を列記し、各自がこれらの問題点について自学自習する。

・ 学生が自学自習した内容をグループ内でプレゼンテーションする。

・ チューターの適切な指導のもとにグループで討議して問題点を解決する。

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チーム医療とコミュニケーション 4学部合同PBLチュートリアル

(The communication in a interdisciplinary team)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:高宮 有介(医学教育推進室)

授業形式等:演習 必修

◆一般目標(GIO)

将来、医療チームの一員として患者の情報を共有し、積極的に協力しながら各自の専門性を発揮することの必要性を理

解するために、各学部の学生の討議により代表的な症例を解析し、患者に適した安全な医療を提示する能力を習得する。 ◆評価方法

小グループ討議の参加態度と積極性(60%)、自学自習のレポートと説明(20%)・発表の内容と態度(10%)により評

価する。

◆授業概要

4 学部合同の PBL チュートリアルで、提示された代表的な症例について 2回の討議(コアタイム)を行い、病状や心理

社会的状況を解析して適切な治療やケアなどを提案する。各グループの討議内容と提案についてスライドを用いて発表す

る。

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統 合 医 学 (Integrated Medicine)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:久光 正(第一生理学)

授業形式等:演習 必修

◆一般目標(GIO)

世界には近代西洋医学のほかに漢方医学はじめさまざまな医学・医療があり、広く用いられている。近年、これらの医

学・医療の特長をいかして患者の治療にあたる統合医学が注目されている。医師として患者や社会の統合医学・医療に対

するニーズに適切に対応するため、統合医学の特徴、利点、注意点などを理解する。 ◆評価方法

授業参加態度、小テスト、レポート等を総合的に評価する。

◆授業概要 漢方医学を中心として、食養生・食育・サプリメントなどの西洋医学に含まれない医学・医療の基本について、講義

を通して学習する。

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医療面接・医師と患者 (Medical Interview)

対 象 学 年:医学部3学年 後期

責 任 者 名:高木 康(医学教育推進室)

授業形式等:演習 必修

◆一般目標(GIO)

臨床実習で適切な医療面接を行うために、医療面接に必要な要素を理解し、良好な患者-医師関係を構築するためのコ

ミュニケーションスキルを習得する。

◆評価方法

授業中の態度、演習時の態度等で評価する。

◆授業概要 ・患者-医師関係、インフォームドコンセント、コミュニケーション技法、患者の心理、医療面接の進め方などを講義

を行う。 ・学生によるロールプレーを行う。 ・模擬患者(SP)によるロールプレーを行う。