活動紹ㅼ活動紹ㅼ - 千葉県森林インストラクター会 · 2017-11-25 · 「属」...

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本サイの記画像等の無断転載は禁じます。 (成:江洲) 活動紹 活動紹 活動紹 活動紹 千葉県森林イスクタ 活動分野 活動分野 活動分野 活動分野 森に親しむ懇談(もりこん)149 タイ タイ タイ タイ 学名四方山話 実施 実施 実施 実施日時 日時 日時 日時 平成29年11月17日(土) 18:45~20:45 実施 実施 実施 実施場所 場所 場所 場所 船橋央公民館第2集室 受講者 受講者 受講者 受講者 10名 FIC員 10名 活動の内容 活動の内容 活動の内容 活動の内容 講師は千葉県森林イスクタの樋口多聞さん。 回は「学名四方山話」と題して『日頃、図鑑に書かれていても、見なくてちっとも困らない「学 名」、実は思議で面白い界。』。そんな学名に纏わるアの数々をお話していただいた。 1. なぜ「学名」が必要なのか。 「界で通用する名」としての「学名」が必要になる。 2. 学名の基本の基本 (1)属名+種小名(+命名者)→「名法」~たった2words で界の生物を確定できる! (2)言語は全て語~語尾が様々に変化するが騙されないように注意 同じ「日本の」という意味でも、japonicus、japonicum、japonioca などに化ける 意味はその生物の特徴を表す形容詞、発見者や関係者の名前、生育地など (3)度命名されたら、原則として変更されない(最近は塩基配列による分類で変更が頻発) 例外例:前は、サク属 Prunus(P.と略)は様々な種を含む広い属だったが、最近の図鑑で はサク属 Cerasus、ウズザク属 Padus、クキ属 Laurocerrasus などに分割さ れ、Prunus はス属に限られた。 3. 学名の決め方:「国際植物命名規約」に基づく。公的な印刷物で早い者勝ちの発表など 4. いろいろな学名~「属名」と「種名」では、ているようで性格が異なる。 「属」 [日本語起源] アケ属 Akebia 、ガ属 Tsuga 、ササ属 Sasa Aukuba(アオキ属~アオキ)、Fatsia(属~「八手(シ)」)からなど [植物の部] dendron : 木 、 Liriodenndoron ~ Lirio はでキ属、 Phellodenndoron~phelloha コク→コクの木でキ属(樹皮が厚くコク質) anthos :花、spiranthes~speira は螺旋で螺旋の花→ジ属。Chionanthus~ Chion は雪、雪のような花→コ属、carpos:実、Callicarpa~callo は美しい、 美しい実→サキシキ属、などなど。 「種小名」は形容詞、または、同格の名詞~姿形、性質、名地名など crenata(円鋸歯状の)~:Fagus crenata(Fagusは食べる)、grandiflora(大きな花 の)~タイサク:Magnolia grandiflora(Magnolia はのMagnol)、odora(香り)~ ジウゲ:Daphne odora(Daphne はギシ神話の)、tectorum(屋根の の)~Iris tectorum:イ、makinoi(牧野富太郎の)~Chrysanthemumu makinoi: リュウノウギク、bosopeninsulae(房総半島の)~Circium bosopeninsulae:カズサヤマアザミ、 noli-tangere(我に触れるな)~Impatiens noli-tangere:キ(触ると弾ける)、等々 なるほどと思うことから、どうして?まで、紙面が足らないほど興味の尽きないお話でした。 参加者から質問が活発にあった 学名アで時間ぎりぎりまで白熱した

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Page 1: 活動紹ㅼ活動紹ㅼ - 千葉県森林インストラクター会 · 2017-11-25 · 「属」 [日本語起源] アケビ属Akebia 、ツガ属Tsuga 、ササ属Sasa Aukuba(アオキ属~アオキバ)、Fatsia(ヤツデ属~「八手(ハッシュ)

本サイトの記事・画像等の無断転載は禁じます。 (作成:上江洲)

活動紹介活動紹介活動紹介活動紹介 千葉県森林インストラクター会

活動分野活動分野活動分野活動分野 森に親しむ懇談会(もりこん)149

タイトルタイトルタイトルタイトル 学名四方山話

実施実施実施実施日時日時日時日時 平成29年11月17日(土) 18:45~20:45

実施実施実施実施場所場所場所場所 船橋中央公民館第2集会室

受講者受講者受講者受講者 10名 FIC会員 10名

活動の内容活動の内容活動の内容活動の内容

講師は千葉県森林インストラクター会の樋口多聞さん。

今回は「学名四方山話」と題して『日頃、図鑑に書かれていても、見なくてちっとも困らない「学

名」、実は不思議で面白い世界。』。そんな学名に纏わるトレビアの数々をお話していただいた。

1. なぜ「学名」が必要なのか。

「世界中で通用する名」としての「学名」が必要になる。 2. 学名の基本の基本ルール (1)属名+種小名(+命名者)→「二名法」~たった2words で世界中の生物を確定できる! (2)言語は全てラテン語~語尾が様々に変化するが騙されないように注意 同じ「日本の」という意味でも、japonicus、japonicum、japonioca などに化ける

意味はその生物の特徴を表す形容詞、発見者や関係者の名前、生育地など (3)一度命名されたら、原則として変更されない(最近は塩基配列による分類で変更が頻発)

例外例:以前は、サクラ属 Prunus(P.と略)は様々な種を含む広い属だったが、最近の図鑑ではサクラ属 Cerasus、ウワミズザクラ属 Padus、バクチノキ属 Laurocerrasus などに分割され、Prunus はスモモ属に限られた。 3. 学名の決め方:「国際植物命名規約」に基づく。公的な印刷物で早い者勝ちの発表など 4. いろいろな学名~「属名」と「種名」では、似ているようで性格が異なる。 「属」 [日本語起源] アケビ属 Akebia 、ツガ属 Tsuga 、ササ属 Sasa Aukuba(アオキ属~アオキバ)、Fatsia(ヤツデ属~「八手(ハッシュ)」)からなど

[ 植 物 の 部 位 ] dendron : 木 、 Liriodenndoron ~ Lirio は ユ リ で ユ リ ノ キ 属 、Phellodenndoron~phelloha コルク→コルクの木でキハダ属(樹皮が厚くコルク質)anthos :花、spiranthes~speira は螺旋で螺旋の花→ネジバナ属。Chionanthus~Chion は雪、雪のような花→ヒトツバダコ属、carpos:実、Callicarpa~callo は美しい、美しい実→ムラサキシキブ属、などなど。

「種小名」は形容詞、または、同格の名詞~姿・形、性質、人名・地名など crenata(円鋸歯状の)~ブナ:Fagus crenata(Fagus は食べる)、grandiflora(大きな花の)~タイサンボク:Magnolia grandiflora(Magnolia は仏人の Magnol)、odora(香り)~ジンチョウゲ:Daphne odora(Daphne はギリシャ神話のニンフ)、tectorum(屋根の上の)~Iris tectorum:イチハツ、makinoi(牧野富太郎の)~Chrysanthemumu makinoi:リュウノウギク、bosopeninsulae(房総半島の)~Circium bosopeninsulae:カズサヤマアザミ、 noli-tangere(我に触れるな)~Impatiens noli-tangere:キツリフネ(触ると弾ける)、等々なるほどと思うことから、どうして?まで、紙面が足らないほど興味の尽きないお話でした。

参加者から質問が活発にあった 学名トリビアで時間ぎりぎりまで白熱した