就活生のための会社分析入門 20160102
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就活生のための会社分析入門Version.1.0
2016年1月2日現在
(株)藤村総合研究所
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 1
仕事の見つけ方「好き」「得意」「必要」「稼げる」の4つが備わる仕事が、「生きがい」になるとも言われます。
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 2出所: Hustle & Grind
好き
稼げる
得意 必要とされている
生きがい
仕事の見つけ方しかし、そんな会社、どうやって見つければ良いんでしょうか?
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 3出所: Hustle & Grind、就職四季報
好き
稼げる
得意 必要とされている
生きがい
例えばこんな情報(就職四季報に掲載されている情報)も、どう見れば良いんでしょう?
企業理念エントリー情報採用プロセス試験情報採用実績配属先離職率有給消化平均年収昇給率
給与、ボーナス休暇残業・・・
仕事の見つけ方たくさんの情報に溺れないように、その読み方をしっかりと学んでおきましょう!
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 4出所: 就職四季報
例えばこんな情報(就職四季報に掲載されている情報)
も、見ておきたいですよね?
企業理念エントリー情報採用プロセス試験情報採用実績配属先離職率有給消化平均年収昇給率
給与、ボーナス休暇残業・・・
正しく読んで、悔いのない会社選択を!
仕事の見つけ方その会社の仕事が「好き」「得意」な仕事か調べるにあたっては、3つの要因を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 5出所: Hustle & Grind、藤村総合研究所
好き
稼げる
得意 必要とされている
生きがい
要因 内容(例)
仕事の内容 • 業界/業種• 職種• 配属先
職場の雰囲気・環境
• 平均年齢/平均勤続年数• 有給消化平均日数/消化率• 平均残業時間• 最高賃金/賃金格差
勤務条件 • 勤務地• 勤務体系• 年俸制/裁量時間制
仕事の内容仕事の内容を調べるにあたっては、3つの内容を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 6出所: 藤村総合研究所
要因 内容 解説
仕事の内容 • 業界/業種 • 業界や業種によって、仕事の内容は大きく変わります
• 例えば、広告代理店に入って、工場でロボットを作ることは、多分できません
• ただし、いまは変化の速い時代です。広告代理店がロボットを作る会社を自ら作ったり、出資してグループに抱えることは十分に考えられます。そのような場合はロボットを作ることもできるかもしれません
• 職種 • 好きな業界/業種の会社に就職できたとしても、好きな仕事ができるかどうかはわかりません
• 会社には様々な仕事があります。例えば営業、総務、人事、経理といった部署は多くの会社にありますが、製造/生産はメーカーでなければ存在しません
• 配属先 • 好きな仕事ができるかは、配属次第です
• 好きな仕事ができる部署に配属される場合もあれば、そうでない場合もあります
• 近年の配属先実績を調べておいた方が良いでしょう• また、今後その会社がどういう方向に進もうとしているかも重要です
職場の雰囲気・環境職場の雰囲気・環境を調べるにあたっては、4つの内容を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 7出所: 藤村総合研究所
要因 内容 解説
職場の雰囲気・環境
• 平均年齢/平均勤続年数
• 若い会社ほど、活気があり新しいことに挑戦しやすいかもしれません
• 一方熟年者の多い会社ほど、仕事のやり方が洗練されており、確立された地位を有しているかもしれません
• 勤続年数が低めの会社ほど転職者が多く、変化への対応力・柔軟性が必要とされるかもしれません
• 有給消化平均日数/消化率
• 有給日数はあくまで権利として与えられるものであって、それが実際に消化されているかは別の話です
• 実際に消化された日数、消化率を見るようにしましょう
• 平均残業時間 • 平均残業時間が長い会社は、ブラックと思われるかもしれませんが、業績が好調という可能性もありますので、一概には言えません
• あなた自身が長い残業時間を受け入れられるかどうかを考えた方が良いでしょう
• 最高賃金/賃金格差
• 賃金格差が大きい会社は、成果主義志向が強いかもしれません。成果を出せば報われるとも言えます
• 一方賃金格差が小さい会社は、平等志向が強いかもしれません。1人1人の個人の活躍よりは会社としての成功にフォーカスしていると言えるかもしれません
勤務条件勤務条件を調べるにあたっては、3つの内容を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 8出所: 藤村総合研究所
要因 内容 解説
勤務条件 • 勤務地 • 勤務地に関しても、配属先と同様に決定されます• したがって、自身の希望通りに決まるとは限りません
• ただし、最近は勤務地を限定できる「限定正社員」等の制度も出てきましたので、各社がどのような制度を持っているか、しっかり調べましょう
• 勤務体系 • 勤務体系も様々なタイプがあります• 例えば基本的には週5日勤務が多いかもしれませんが、土日出勤があったり、逆に週4日勤務の場合もあったりするかもしれません
• いずれにせよ、個々の会社によって異なるので、きちんと調べておくことが必要です
• 年俸制/裁量労働制
• 年俸制の場合は、年間いくらという報酬が決められて、それを12で割って毎月支給するのが一般的な理解です
• 裁量労働制の場合、
仕事の見つけ方その会社が社会から「必要とされている」か調べるにあたっては、4つの要因を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 9出所: Hustle & Grind、藤村総合研究所
要因 内容(例)
会社規模 • 売上• 営業利益• 経常利益• 従業員数
成長性 • 売上伸び率• 営業利益伸び率• 経常利益伸び率
収益性 • 対売上営業利益率• 対売上経常利益率
(社会的要請) • 営利事業としては必ずしも成立しないけれども、社会から必要と認識されているかどうか(例:社会福祉施設)
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会社規模会社規模を調べるにあたっては、4つの内容を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 10出所: 藤村総合研究所
要因 内容 解説
会社規模 • 売上 • 売上は、もっとも基本的な会社の規模を測る指標です
• 売上が大きいということは、それだけその会社の商品・サービスを必要としている人がいるとも言えます
• 売上は、その会社の体力=すなわち、いざというときにどれくらいの行動を起こせるのかを測る指標となります
• 例えば、売上が1,000万円の会社にとって1億円の投資は非常に大きな額ですが、売上1,000億円の会社にとっては微々たる額です
• 最終的な給与支払い能力にも関わってきます
• 営業利益 • いわゆる「本業の利益」であり、営業利益額が高いほどその会社の事業はうまく行っている=必要とされていると言えます
• 経常利益 • 日本では営業利益に加えて経常利益と呼ばれる指標も使われます
• 日本の会社は銀行からの借入で資金を賄っているケースが多く、常に「金利」を支払っています
• この「金利」まで「経常」的得失に含めて「利益」を測るものです
• 従業員数 • 何人を雇えているかは、その会社の給与支払い能力を間接的に示す指標となりえます
• また、それだけ社会から必要とされているとも言えます
成長性成長性を調べるにあたっては、3つの内容を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 11出所: 藤村総合研究所
要因 内容 解説
成長性 • 売上伸び率 • 売上が伸びている会社は、現在必要とされており、今後も必要とされていく可能性が高いと言えます
• 営業利益伸び率
• 売上と同等以上に営業利益も伸びている会社は、社会から必要とされている度合いが高く、値段を下げることなく売上を伸ばしている可能性があり、有望です
• 経常利益伸び率
• 同上
収益性収益性を調べるにあたっては、2つの内容を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 12出所: 藤村総合研究所
要因 内容 解説
収益性 • 対売上営業利益率
• 「対売上高営業利益率」=「営業利益」÷「売上高」が高い会社ほど、効率的に利益を稼いでいます
• そういう会社は社会から必要とされており、比較的利益の出やすい高価格を維持できているとも言えます
• 対売上経常利益率
• 同上
仕事の見つけ方その会社の仕事で自分が「稼げる」か調べるにあたっては、3つの要因を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 13出所: Hustle & Grind、藤村総合研究所
要因 内容(例)
採用 • 採用実績数• 従業員数• 従業員の意味(雇用契約)
収入 • 平均年収• 初任給• 昇給率(賃金カーブ)• 生涯収入• ベアと定期昇給• 年収非公開(持ち株会社の影響)
退職 • 離職率• 早期退職
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生きがい
採用採用について調べるにあたっては、3つの内容を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 14出所: 藤村総合研究所
要因 内容 解説
採用 • 採用実績数 • 就職四季報などに採用実績数が記載されています
• 出身大学別の採用実績も見られる場合もありますが、あくまで目安と考え、自分の大学の名前がなくてもがっかりしないようにしましょう
• 採用数は、従業員数に比べると格段に少なく、また、毎年の景気や個々の会社の経営戦略に大きく左右されます
• 昨年度実績だけではなく、過去何年かのトレンドを見ましょう• また、親会社と子会社では、通常別々の採用プロセスとなります
• 従業員数 • 上述のように、従業員数が多いということは、採用が多いということを意味しませんので、注意しましょう
• また、従業員数はその会社のみ含まれている場合も多いようです
• すなわち、子会社他グループ会社の従業員数は含まないことが多いので、注意が必要です
• 従業員の意味 • 従業員とは通常「雇用契約」を結んでいる人を指します
• 派遣社員、アルバイト、取締役は従業員に含みませんが、執行役員は含みます
収入収入について調べるにあたっては、6つの内容を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 15出所: 藤村総合研究所
要因 内容 解説
収入 • 平均年収 • 平均年収は実際に受け取る額ではありません• 額面と手取りの差について理解しておきましょう• 年齢、性別、業種、職種、会社規模、役職によって大きく異なります
• 初任給 • 業種で横並びということもあります
• ほとんどの会社で、大卒・高卒など学歴別、総合職・一般職などに分けて金額を設定しています
• ただし、住宅手当等の手当は含まないことが多いです
• 昇給率(賃金カーブ)
• 年々の昇給は、業種、規模、会社による差が大きいところです
• 入社直後もしくは定年退職間際に一気に上昇するケースもあれば、一定のペースで上昇していくケースもあるのでチェックしましょう
• 生涯収入 • 初任給、昇給率などで計算することができます• ただし、賃金体系は会社の状況によって変わりうることに注意です
• ベアと定期昇給
• 定期昇給とは文字通り1年に1回給与が上がっていくことです
• これに対しベアとはベースアップの略語であり、勤続年数とともに上昇する定期昇給ではなく、そもそもの基本給額がアップすることです
• 年収非公開 • 平均年収は公開していないケースもありますが、必ずしも低年収というわけではなく、高いから公開したくないというケースもあります
退職退職について調べるにあたっては、2つの内容を分析しましょう
2016/1/2 All rights reserved by Shinya Fujimura 16出所: 藤村総合研究所
要因 内容 解説
退職 • 離職率 • 入社3年後までに離職した人の割合をチェックしましょう。3割が1つの目安となります
• 離職率は業種・業界によっても大きな差があります• 通常、離職率に定年退職者や転籍は含みません
• 早期退職 • 近年は「早期退職」という制度で離職する人も増えています
• 早期退職とは、退職金を上積みし、定年退職よりも早く自主的に退職する人を募る制度のことです
• この制度が導入された当初は、一時的な人員削減措置として採用されることがほとんどでしたが、最近では恒常的に行う会社も見られるようになりました
最後に
今回は第1回発表ということで、一部のみ公開しています。
今後、引き続き詳細を発表していく予定です。
このプレゼンテーションの知的財産権は、
すべて株式会社藤村総合研究所に帰属します。
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