post-agb 星の脈動モデル -ac her の変光再現

2009 12 12 12年月日ー月14日

連星系・変光星・低温度星研究会 1

post-AGB 星の脈動モデル -AC Her の変光再現

相川　利樹（東北学院大学）

連星系・変光星・低温度星研究会 22009 12 12 12年月日ー月14日

post-AGB 星の脈動


post-AGB 星のＨＲ図の位置

IR excess 等から post-AGB 星と

思われている恒星のＨＲ図。分光観測の解析から有効温度 (Te ）、表面重力 (log

g) が推定されている。Schmidt, M.R. (2001) による


post-AGB 星の変光星領域

post-AGB星の変光星としての領域を既存の文献から調べた。分類●脈動と思われる変光を示す (RV Tauなど）▲小振幅の変光（ peak-to-peak < 0.5)○変光ありと記載がない

AC Her: log Te=3.77, log g=1.1R Sct: log Te=3.65, log g=0.0


脈動不安定帯の構造（０．６）

○ 脈動安定● 基本モード、第一倍振動モードが脈動不安定▲ 高次モードが脈動不安的


脈動不安定帯の構造（０．８）

○ 脈動安定● 基本モード、第一倍振動モードが脈動不安定▲ 高次モードが脈動不安的


AC Her の変光データ

Z. Kollath et al., A&A, 329, 147-154(1998)


AC Her のフーリエスペクトラム


AC Her のＢＫ射影


R SctのＢＫ射影


輻射流体力学コード星の外層を球対称として一次元の輻射流体のダイナミックスを調べる。

運動方程式、エネルギー保存、連続の式を差分方程式の形にする。外層の底の光度は時間によらず一定と仮定。

輻射場の最も単純な近似　　　　拡散近似　輻射場の非等方性を恒星外層の場所の関数として扱う　　　 variable Eddington factor法を使う。


球対称大気の輻射輸送2

1

1

1 (1 )( ) ( , )a s a s

I I II S P d

c t r r

2 2 3

4

1 (3 1)

(4 ) 4

(4 )

Rr

r

rP

r

K fL K

M r r f

L cT K

M f

LTE 、定常輻射場として、これから角度方向のモーメントをとって、流体力学になじむ形にする。そして、最終的には以下の二本の方程式に整理される。

（１）

ここで、 fは” Eddington factor”で、モーメントを打ち切ることで出てきたものである。

: Rosseland mean opacity

: Planck mean opacityR

P

また、輻射場を grey とみなすためにmean opacity を導入する


AC Her の脈動モデル I 線形解析

分光観測から推定される値(Diridhar S. et al(1998))log Te=3.77(5900K)log g =1.1仮定M=0.8 太陽質量X=0.7, z=0.002


AC Her の脈動モデル I 非線形振動


AC Her の脈動モデル I スペクトル


AC Her の変光パワースペクトルを見ると最低周波数の成分は

f=0.0132/day(75.43 日）である。これを動径脈動モードの高倍振動成分で出すの

は難しい。動径脈動モードの基本モードや第一倍振動がこの低周波数成分に寄与している。

準定常に見られる浅い極小と深い極小の交互出現は super harmonics によるのか、 sub harmonics か。


AC Her の脈動モデル II 線形解析

候補log Te=3.71(5129K)log g =0.155仮定M=0.8太陽質量X=0.7, z=0.002

P0=100日P1=51日P2=47日


AC Her の脈動モデル II 非線形振動


AC Her の脈動モデル II スペクトル


AC Her の脈動モデル II ＢＫ射影図


AC Her の脈動モデル III 非線形振動

log Te=3.71(5129K)log g =0.2

仮定M=0.8 太陽質量X=0.7, z=0.002

P0=96 日P1=41 日P2=51 日


AC Her の脈動モデル III 　ＢＫ射影図


AC Her の脈動モデル IV 線形解析

候補log Te=3.71(5129K)log g =0.22仮定M=0.6太陽質量X=0.7, z=0.002

P0=92日P1=42日P2=40日


AC Her の脈動モデル IV 非線形振動


AC Her の脈動モデル IV スペクトル


AC Her の脈動モデル IV ＢＫ射影図


結論1. ＡＣ　Ｈｅｒの変光を動径脈動によるものであるという立場で変光再現

を試みた。　分光観測から得られる大気のパラメタ（ Te=5900K, log g=1.1) では高倍

振動モードのみが脈動不安定。　非線形モデルは小振幅（０．１等程度）で１０日未満の周期を持つ規則的な変光を示す。

２．高倍振動不安定ベイの周辺を探索をした。その結果モデルパラメータ（ M=0.8 倍太陽、 log Te=3.71, log g=0.155) の非線形モデルがＡＣ　Ｈｅｒの特徴である浅い極小と深い極小の交互出現を周期倍化現象として示すことがわかった。割りと幅広いパラメータ領域のモデルでこの現象は確認できた。しかし、周期は AC Her の約２倍である。

３．質量 =0.6 倍太陽モデルでも大気パラメタの値は少し異なるが同じような現象を示すモデルの存在を確認でした。

４．分光観測から得られた AC Ｈｅ r の大気パラメタのフェーズによる変化（ e.g. Dawson(1979)) と決定精度の考察。

post-agb 星の脈動モデル -ac her の変光再現

Documents