avenged sevenfold vs asking alexandria...

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結成14年を迎えたAVENGED SEVENFOLDが3年振りのニュー・アルバムをリリース 結成14年を迎えたAVENGED SEVENFOLDが3年振りのニュー・アルバムをリリース AVENGED SEVENFOLD 『Hail To The King』 [WARNER MUSIC JAPAN] 2013.8.28 ON SALE!! 【初回限定スペシャル・パッケージ盤】 WPCR-15107 \2,580(税込) 【通常パッケージ盤】 WPCR-15294 \2,580(税込) 3作目で新たなフェーズへと突入した ASKING ALEXANDRIAが築いた最新型メタルコア・サウンド!! 激ロックWEBサイト:gekirock.com @gekirock ASKING ALEXANDRIA:8.9 (fri)~8.23 (fri) AVENGED SEVENFOLD:8.23 (fri)~9.6 (fri) 激ロックTwitterアカウントをフォローした上で該当のつぶやきをRTするだけ! 詳細は激ロックWEBサイト&激ロックTwitterアカウントをチェック!! 【応募期間】 【応募方法】 AVENGED SEVENFOLD & ASKING ALEXANDRIAのTシャツをプレゼント! 『Hail To The King』 『Hail To The King』 From Death To Destiny From Death To Destiny ASKING ALEXANDRIA 『From Death To Destiny』 [TRIPLE VISION] NOW ON SALE!! TRVE-0088 \1,890(税込) ■日本盤のみボーナス・トラック2曲追加収録 「Dead」 「Someone, Somewhere (Ben Bruce Acoustic)」 UK出身ながら、前作『Reckless & Relentless』が全米ビルボード・チャートで9位を 記録したASKING ALEXANDRIA。メタルコア/スクリーモ・シーンのトップ・バンド のひとつとなった彼らの、約2年振りのニュー・アルバム『From Death To Destiny』 が完成した。ASKING ALEXANDRIAと言えばメタルコアにユーロ・トランスを中心と したシンセ・サウンドの要素を盛り込んだ、ダンス・ミュージック×メタルコア・ブームを 巻き起こしたバンドの1つであることは間違いない。だが今作においてそのシンセ・サウ ンドは、ほぼ姿を消し、バンドはこの新たなフェーズへと突入したのだ。 ASKING ALEXANDRIAは2008年にイギリスで結成。活動開始から間もなく拠点を アメリカに移し、大手マネージメント会社と契約。2009年にSUMERIAN RECORDS からリリースした1stアルバム『Stand Up And Scream』でデビューを果たす。彼ら が慣れ親しんでいたテクノやトランスなどのエレクトロ・ミュージックとハード・ロック、 メタルの要素を融合したサウンドで瞬く間にメタルコア・シーンのトップ・バンドのひとつ となった。2010年にはセカンド・アルバム制作の合間を縫って突如『Life Gone Wild EP』をリリース。本作にはSKID ROWのカヴァーを2曲、新曲1曲に加え、リミックス/ デモ3曲を加えた全6曲収録したものであった。2011年2月にはSCREAM OUT FEST 2011で待望の初来日。キッズの予想をはるかに上回る圧巻のライヴ・パフォーマンスで 会場を沸かせた。4月に2ndアルバム『Reckless & Relentless』をリリース。この シーンでもはや知らないものはいないだろうJoey Sturgisをプロデューサーに迎えた 同作は、チャートの好成績だけでなく、Warped Tourではメイン・ステージに抜擢され るなどの成功を収める。そしてバンドはツアーを重ね、更なる成長を遂げていった。 約2年振りのニュー・アルバム『From Death To Destiny』も前作に続きJoeyをプロ デューサーとして迎え、ミックスにはDavid Bendeth、マスタリングにTed Jensenが 起用されている。ではサウンドは2作目がパワー・アップしたものなのか?というと、冒頭 でも申し上げた通りそうではない。彼らの代名詞とも言えるエレクトロ・サウンドは影を 潜めているのだ。確かにメタルとエレクトロの要素を融合させるサウンドが近年主流と も言えるが、彼らはそのブームから逸脱。今作はよりメロディや歌心、楽器が奏でる音色 ひとつひとつが持つ濃度に重点が置かれている。特に感銘を受けたのは“歌心”だ。 前作に収録されている「Someone, Somewhere」ではその美しくも繊細なメロディに 心を奪われたリスナーも多かったのではないだろうか。日本盤のボーナス・トラックには Ben Bruce(Gt/Vo)による同曲のアコースティック・ヴァージョンが収録されているが、 その清らかさは非常に感動的だ。 今作の幕開けとなる「Don't Pray For Me」はストリングスとコーラス・ワークが憂い のあるメロディを引き立てる。では彼らのサウンドは丸くなってしまったのかと言うと そうではない。あくまでも曲の奥行や情感が豊かになったということだ。「Killing You」 はスピード感ある楽曲で、襲いかかるシャウトと悲痛で切ないサビはドラマティックで ありながらも狂気を感じさせる。攻めの曲とも言える「The Death Of Me」はアグレッ シヴなシャウトが炸裂しているが、以前のようなメタルコア的なモダンなスクリームでは なく、80~90年代のオーセンティックなメタル・シンガーに通じるスタイルへと変化 している。シンセが主役としてではなく、サウンドを支えるひとつの要素として反映され たことにより、彼らの繊細な表情が浮き彫りになった。そしてもうひとつ特徴的なのは ギター・リフなどにアクセントとして80年代のHR/HMのニュアンスが取り込まれて いることだ。非常に二肉感的で生々しい演奏は、バンドにその血がしっかり通っている ことを如実に表していると言えるだろう。力強く突き進む痛快な「Breaking Down The Walls」はライヴでオーディエンスがシンガロングする様子が鮮明に想像できる。80年代 風HRバラード「Moving On」は、これまでのロックの歴史を踏襲するようなサウンド スケープだ。懐かしくも新しい――まさしく成熟という言葉が相応しい『From Death To Destiny』は、ASKING ALEXANDRIAの大きな飛躍をまざまざと見せつける。 沖 さやこ ヘヴィネス度 ★★★★ メロディアス度 ★★★☆ エモーショナル度 ★★★★☆ テクニカル度 ★★★ ピュアメタル度 ★★★☆ スクリーム度 ★★★☆ ヘヴィネス度 ★★★ メロディアス度 ★★★★☆ エモーショナル度 ★★★★ テクニカル度 ★★★★ ピュアメタル度 ★★★★★ スクリーム度 1999年に結成のAVENGED SEVENFOLDと2008年結成のASKING ALEXANDRIA。世代は異なるが2バンドともメタル・シーンのトップ・バンド であることには代わりはない。そんな2バンドのそれぞれの最新作の音楽性をあえて分かりやすく★グラフで表してみた。 1点 0.5点 ※5点満点 “世界一危険なロック・バンド”や、BULLET FOR MY VALENTINEやTRIVIUMと 共に“新世代メタル・ヒーロー”などと形容される、アメリカはカルフォルニアが誇る ヘヴィ・メタル・バンド、AVENGED SEVENFOLD(以下A7X)。彼らが6枚目のスタ ジオ・アルバム『Hail To The King』をこの夏リリースする。The Revの若すぎる死と いう悲痛を乗り越え制作された前作『Nightmare』は、Billboardアルバム・チャート で第1位を記録。「Nightmare」「So Far Away」「Welcome To The Family」と いったヒット曲を生み出した。そんな名作から約3年。ドラマーにArin Ilejayを招いて 制作された全10曲は、新たなバンドの結束を感じさせる躍動感のあるアンサンブルが 特徴的だ。 バンドは2010年7月に『Nightmare』をリリースし、同年から2011年にかけて休む間 もなくワールド・ツアーを敢行。アルバムにはMike Portnoyがサポート・ドラマーとして 参加していたが、Mikeはバンドを離れ、2011年からはArinが帯同する。『Nightmare』 が10ヶ国以上でダイアモンドやプラチナム、ゴールド・ディスクに輝いたのもあり、公 演は世界各国で軒並みソールド・アウト。A7Xは各国のフェスティバルにヘッドライン・ アクトとして出演、100万人を超えるオーディエンスの前でパフォーマンスを披露して きた。米軍からの支持も熱く、クウェートやイラクなど中近東にある米軍基地にて、 海外にて活動を続ける米軍のためのUSO TOURと名付けれらたツアーも行っている。 2012年9月、大人気ゲーム『Call of Duty Black Ops 2』の音源として突如新曲 「Carry On」を発表。11月には、同作にキャラクターとして登場し、アーティストが ゲーム・キャラクターとして登場するのは彼らが初という記念すべき出来事となった。 なお「Carry On」は2013年1月、Billboardのモニター・チャートにて1位を記録して いる。 バンドは「Carry On」を発表したのと同時期に、今作に向けて楽曲制作をスタートさせ、 2013年4月にレコーディングに入った。そして完成したのがこの『Hail To The King』 なのだが……なんとこの「Carry On」は収録されていない。すなわちこの10曲は正真 正銘最新型のA7Xと言って良い。まず冒頭を飾るのはTrack.1「Shepherd Of Fire」。 非常にオープンな楽曲で、互いに自由でありながらも呼応するZacky Vengeanceと Synyster Gatesの2本のギターの交錯は高揚せずにいられない。リード曲のTrack.2 「Hail To The King」、Track.3「Doing Time」と加速し、Track.4にはヘヴィで シリアスな「This Means War」を投下する。ArinのドラミングはA7Xのサウンドの 基盤をしっかりと打ち付ける力強さだ。そして一際華やかな異彩を放つのが崇高な合唱 から入るTrack.5「Requiem」。オーケストラ風のアレンジが施された同曲は、ジャンル という概念を吹き飛ばし、よりディープな世界を拡げる。憂いのあるギター・アルペジオ のイントロも印象的なTrack.6「Crimson Day」では繊細なメロディと M.Shadows のしゃがれた歌声に魅了され、正統派メタル・ナンバー「Heretic」「Coming Home」 からクライマックスとも言うべきTrack.9「Planets」へ。タイトル通り宇宙的なスケー ルを感じさせる展開は非常に興味深く、特に後半のホーンをフィーチャーしたサウンド スケープは圧巻だ。そして美しいピアノとストリングスのTrack.10「Acid Rain」で幕を 閉じる。明確なコンセプトがあるかどうかは定かではないが、非常に物語性が強く、1曲 1曲が濃厚なアルバムだ。スピード感のある攻撃的な「Carry On」の方向性とは異なる 趣だが、6作目ならではの深みを十分に感じさせてくれる。結成から14年、更に精力的 な活動を続けるA7X。ここ日本で『Hail To The King』の世界を体感出来る日が来る ことを願って止まない。 沖 さやこ SPECIAL PRESENT!! AVENGED SEVENFOLD vs ASKING ALEXANDRIA

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結成14年を迎えたAVENGED SEVENFOLDが3年振りのニュー・アルバムをリリース結成14年を迎えたAVENGED SEVENFOLDが3年振りのニュー・アルバムをリリース

AVENGED SEVENFOLD『Hail To The King』

[WARNER MUSIC JAPAN]

2013.8.28 ON SALE!!

【初回限定スペシャル・パッケージ盤】

WPCR-15107 \2,580(税込)

【通常パッケージ盤】

WPCR-15294 \2,580(税込)

3作目で新たなフェーズへと突入したASKING ALEXANDRIAが築いた最新型メタルコア・サウンド!!

激ロックWEBサイト:gekirock.com@gekirock

ASKING ALEXANDRIA : 8.9 (fri)~8.23 (fri)AVENGED SEVENFOLD : 8.23 (fri)~9.6 (fri)激ロックTwitterアカウントをフォローした上で該当のつぶやきをRTするだけ!

詳細は激ロックWEBサイト&激ロックTwitterアカウントをチェック!!

【応募期間】

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AVENGED SEVENFOLD &ASKING ALEXANDRIAのTシャツをプレゼント!

『Hail To The King』『Hail To The King』 From Death To DestinyFrom Death To Destiny

ASKING ALEXANDRIA『From Death To Destiny』

[TRIPLE VISION]

NOW ON SALE!!

TRVE-0088 \1,890(税込)

■日本盤のみボーナス・トラック2曲追加収録

「Dead」

「Someone, Somewhere (Ben Bruce Acoustic)」

UK出身ながら、前作『Reckless & Relentless』が全米ビルボード・チャートで9位を

記録したASKING ALEXANDRIA。メタルコア/スクリーモ・シーンのトップ・バンド

のひとつとなった彼らの、約2年振りのニュー・アルバム『From Death To Destiny』

が完成した。ASKING ALEXANDRIAと言えばメタルコアにユーロ・トランスを中心と

したシンセ・サウンドの要素を盛り込んだ、ダンス・ミュージック×メタルコア・ブームを

巻き起こしたバンドの1つであることは間違いない。だが今作においてそのシンセ・サウ

ンドは、ほぼ姿を消し、バンドはこの新たなフェーズへと突入したのだ。

ASKING ALEXANDRIAは2008年にイギリスで結成。活動開始から間もなく拠点を

アメリカに移し、大手マネージメント会社と契約。2009年にSUMERIAN RECORDS

からリリースした1stアルバム『Stand Up And Scream』でデビューを果たす。彼ら

が慣れ親しんでいたテクノやトランスなどのエレクトロ・ミュージックとハード・ロック、

メタルの要素を融合したサウンドで瞬く間にメタルコア・シーンのトップ・バンドのひとつ

となった。2010年にはセカンド・アルバム制作の合間を縫って突如『Life Gone Wild

EP』をリリース。本作にはSKID ROWのカヴァーを2曲、新曲1曲に加え、リミックス/

デモ3曲を加えた全6曲収録したものであった。2011年2月にはSCREAM OUT FEST

2011で待望の初来日。キッズの予想をはるかに上回る圧巻のライヴ・パフォーマンスで

会場を沸かせた。4月に2ndアルバム『Reckless & Relentless』をリリース。この

シーンでもはや知らないものはいないだろうJoey Sturgisをプロデューサーに迎えた

同作は、チャートの好成績だけでなく、Warped Tourではメイン・ステージに抜擢され

るなどの成功を収める。そしてバンドはツアーを重ね、更なる成長を遂げていった。

約2年振りのニュー・アルバム『From Death To Destiny』も前作に続きJoeyをプロ

デューサーとして迎え、ミックスにはDavid Bendeth、マスタリングにTed Jensenが

起用されている。ではサウンドは2作目がパワー・アップしたものなのか?というと、冒頭

でも申し上げた通りそうではない。彼らの代名詞とも言えるエレクトロ・サウンドは影を

潜めているのだ。確かにメタルとエレクトロの要素を融合させるサウンドが近年主流と

も言えるが、彼らはそのブームから逸脱。今作はよりメロディや歌心、楽器が奏でる音色

ひとつひとつが持つ濃度に重点が置かれている。特に感銘を受けたのは“歌心”だ。

前作に収録されている「Someone, Somewhere」ではその美しくも繊細なメロディに

心を奪われたリスナーも多かったのではないだろうか。日本盤のボーナス・トラックには

Ben Bruce(Gt/Vo)による同曲のアコースティック・ヴァージョンが収録されているが、

その清らかさは非常に感動的だ。

今作の幕開けとなる「Don't Pray For Me」はストリングスとコーラス・ワークが憂い

のあるメロディを引き立てる。では彼らのサウンドは丸くなってしまったのかと言うと

そうではない。あくまでも曲の奥行や情感が豊かになったということだ。「Killing You」

はスピード感ある楽曲で、襲いかかるシャウトと悲痛で切ないサビはドラマティックで

ありながらも狂気を感じさせる。攻めの曲とも言える「The Death Of Me」はアグレッ

シヴなシャウトが炸裂しているが、以前のようなメタルコア的なモダンなスクリームでは

なく、80~90年代のオーセンティックなメタル・シンガーに通じるスタイルへと変化

している。シンセが主役としてではなく、サウンドを支えるひとつの要素として反映され

たことにより、彼らの繊細な表情が浮き彫りになった。そしてもうひとつ特徴的なのは

ギター・リフなどにアクセントとして80年代のHR/HMのニュアンスが取り込まれて

いることだ。非常に二肉感的で生々しい演奏は、バンドにその血がしっかり通っている

ことを如実に表していると言えるだろう。力強く突き進む痛快な「Breaking Down The

Walls」はライヴでオーディエンスがシンガロングする様子が鮮明に想像できる。80年代

風HRバラード「Moving On」は、これまでのロックの歴史を踏襲するようなサウンド

スケープだ。懐かしくも新しい――まさしく成熟という言葉が相応しい『From Death

To Destiny』は、ASKING ALEXANDRIAの大きな飛躍をまざまざと見せつける。

沖 さやこ

ヘヴィネス度   ★★★★

メロディアス度  ★★★☆

エモーショナル度 ★★★★☆

テクニカル度   ★★★

ピュアメタル度  ★★★☆

スクリーム度   ★★★☆

ヘヴィネス度   ★★★

メロディアス度  ★★★★☆

エモーショナル度 ★★★★

テクニカル度   ★★★★

ピュアメタル度  ★★★★★

スクリーム度   ★

1999年に結成のAVENGED SEVENFOLDと2008年結成のASKING ALEXANDRIA。世代は異なるが2バンドともメタル・シーンのトップ・バンド

であることには代わりはない。そんな2バンドのそれぞれの最新作の音楽性をあえて分かりやすく★グラフで表してみた。  ★1点 ☆0.5点 ※5点満点

“世界一危険なロック・バンド”や、BULLET FOR MY VALENTINEやTRIVIUMと

共に“新世代メタル・ヒーロー”などと形容される、アメリカはカルフォルニアが誇る

ヘヴィ・メタル・バンド、AVENGED SEVENFOLD(以下A7X)。彼らが6枚目のスタ

ジオ・アルバム『Hail To The King』をこの夏リリースする。The Revの若すぎる死と

いう悲痛を乗り越え制作された前作『Nightmare』は、Billboardアルバム・チャート

で第1位を記録。「Nightmare」「So Far Away」「Welcome To The Family」と

いったヒット曲を生み出した。そんな名作から約3年。ドラマーにArin Ilejayを招いて

制作された全10曲は、新たなバンドの結束を感じさせる躍動感のあるアンサンブルが

特徴的だ。

バンドは2010年7月に『Nightmare』をリリースし、同年から2011年にかけて休む間

もなくワールド・ツアーを敢行。アルバムにはMike Portnoyがサポート・ドラマーとして

参加していたが、Mikeはバンドを離れ、2011年からはArinが帯同する。『Nightmare』

が10ヶ国以上でダイアモンドやプラチナム、ゴールド・ディスクに輝いたのもあり、公

演は世界各国で軒並みソールド・アウト。A7Xは各国のフェスティバルにヘッドライン・

アクトとして出演、100万人を超えるオーディエンスの前でパフォーマンスを披露して

きた。米軍からの支持も熱く、クウェートやイラクなど中近東にある米軍基地にて、

海外にて活動を続ける米軍のためのUSO TOURと名付けれらたツアーも行っている。

2012年9月、大人気ゲーム『Call of Duty Black Ops 2』の音源として突如新曲

「Carry On」を発表。11月には、同作にキャラクターとして登場し、アーティストが

ゲーム・キャラクターとして登場するのは彼らが初という記念すべき出来事となった。

なお「Carry On」は2013年1月、Billboardのモニター・チャートにて1位を記録して

いる。

バンドは「Carry On」を発表したのと同時期に、今作に向けて楽曲制作をスタートさせ、

2013年4月にレコーディングに入った。そして完成したのがこの『Hail To The King』

なのだが……なんとこの「Carry On」は収録されていない。すなわちこの10曲は正真

正銘最新型のA7Xと言って良い。まず冒頭を飾るのはTrack.1「Shepherd Of Fire」。

非常にオープンな楽曲で、互いに自由でありながらも呼応するZacky Vengeanceと

Synyster Gatesの2本のギターの交錯は高揚せずにいられない。リード曲のTrack.2

「Hail To The King」、Track.3「Doing Time」と加速し、Track.4にはヘヴィで

シリアスな「This Means War」を投下する。ArinのドラミングはA7Xのサウンドの

基盤をしっかりと打ち付ける力強さだ。そして一際華やかな異彩を放つのが崇高な合唱

から入るTrack.5「Requiem」。オーケストラ風のアレンジが施された同曲は、ジャンル

という概念を吹き飛ばし、よりディープな世界を拡げる。憂いのあるギター・アルペジオ

のイントロも印象的なTrack.6「Crimson Day」では繊細なメロディと M.Shadows

のしゃがれた歌声に魅了され、正統派メタル・ナンバー「Heretic」「Coming Home」

からクライマックスとも言うべきTrack.9「Planets」へ。タイトル通り宇宙的なスケー

ルを感じさせる展開は非常に興味深く、特に後半のホーンをフィーチャーしたサウンド

スケープは圧巻だ。そして美しいピアノとストリングスのTrack.10「Acid Rain」で幕を

閉じる。明確なコンセプトがあるかどうかは定かではないが、非常に物語性が強く、1曲

1曲が濃厚なアルバムだ。スピード感のある攻撃的な「Carry On」の方向性とは異なる

趣だが、6作目ならではの深みを十分に感じさせてくれる。結成から14年、更に精力的

な活動を続けるA7X。ここ日本で『Hail To The King』の世界を体感出来る日が来る

ことを願って止まない。 沖 さやこ

SPECIAL PRESENT!!AVENGED SEVENFOLD vs ASKING ALEXANDRIA