anca陰性のpauci-immune型半月体形成性腎炎の1 …...crescentic glomerulonephritis. nature...

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(1 大和市立病院 腎臓内科   (2 同 病理部 (3 横浜市立大学大学院 病態制御内科学 Key WordANCA 陰性,少量ステロイド,高齢者 症  例 症 例:54 歳,女性 主 訴:食欲不振,嘔気 既往歴:13 歳:急性虫垂炎 家族歴:父:心不全,母:クモ膜下出血 現病歴:2009 年より耳鳴りにて耳鼻咽喉科 通院中であった。 2010 5 月下旬より食欲低下, 嘔気,咳嗽,左眼充血を認めた。6 1 日,耳 鼻咽喉科を受診し,急性咽頭炎の診断にて内服 処方された。その後も嘔気が続くため,近医受 診した。上部内視鏡検査にて急性胃粘膜病変を 認め,内服加療を行っていた。しかし,症状改 善を認めないため,6 12 日に当科受診し,食 欲不振の精査目的に入院となった。 入院時現症:身長 153.0cm,体重 51.8kg,意 識清明,血圧 124/65mmHg,脈拍 100bpm・整 体温 36.9℃,SpO2 98%room air),眼瞼結膜: 貧血(+),眼球結膜:黄疸(-),充血(+), 咽頭発赤(+),心音:Ⅰ・Ⅱ音正常,Ⅲ・Ⅳ音・ 心雑音:聴取せず,呼吸音:異常所見なし,腹部: 平坦・軟,心窩部に圧痛(+),腸蠕動音(+), 下肢:浮腫(-) ANCA 陰性 pauci-immune 型 半月体形成性腎炎 pauci-immune 型半月体形成性腎炎の 10 30% ANCA 陰性である。 ANCA 陽性腎炎と比較して発症年齢が低く, 腎外病変が少ない。 ANCA 陽性腎炎と比較して,腎予後が悪い。 生存率は有意差は認められない。 ANCA 陽性腎炎と比較して,尿蛋白量は多 く,ネフローゼ症候群の割合も高い。 腎病理所見では,半月体形成,多核好中球の 間質浸潤などが認められた。 ANCA 陽性腎炎と比較して,正常の糸球体 が少なかった。また,間質の線維化もより重 度であった。 治療法としては,ステロイド療法,免疫抑制 療法などを行っているが,確立はされていな い。 参考文献 1. Eisenberger U, Fakhouri F et al. ANCA-negative pauci-immune renal Vasculitis: histology and outcome. Nephrol Dial Transplant 2005; 20: 1392-1399 2. Min Chen, et al. ANCA-negative pauci-immune crescentic glomerulonephritis. Nature Reviews Nephrology 2009; 5:313-318 3. Gagangeet Sandhu, et al. Diffuse alveolar Haemorrhage in ANCA-negative pauci-immune crescentic glomerulinephritis. Nephrology Dialysis Transplantation Plus 2010; 3:449-452 4. Min Chen, et al. Antineutrophil Cytoplasmic ANCA 陰性の pauci-immune 型半月体形成性腎炎の 1 例 千 葉 恭 司 1 池 本 麻 衣 1 竹 下 康 代 1 小野田   登 2 梅 村   敏 3 1 第 55 回神奈川腎炎研究会

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(1大和市立病院 腎臓内科  (2同 病理部(3横浜市立大学大学院 病態制御内科学

Key Word:ANCA陰性,少量ステロイド,高齢者

症  例症 例:54歳,女性主 訴:食欲不振,嘔気既往歴:13歳:急性虫垂炎家族歴:父:心不全,母:クモ膜下出血現病歴:2009年より耳鳴りにて耳鼻咽喉科

通院中であった。2010年5月下旬より食欲低下,嘔気,咳嗽,左眼充血を認めた。6月1日,耳鼻咽喉科を受診し,急性咽頭炎の診断にて内服処方された。その後も嘔気が続くため,近医受診した。上部内視鏡検査にて急性胃粘膜病変を認め,内服加療を行っていた。しかし,症状改善を認めないため,6月12日に当科受診し,食欲不振の精査目的に入院となった。入院時現症:身長 153.0cm,体重 51.8kg,意

識清明,血圧 124/65mmHg,脈拍 100bpm・整体温 36.9℃,SpO2 98%(room air),眼瞼結膜:貧血(+),眼球結膜:黄疸(-),充血(+),咽頭発赤(+),心音:Ⅰ・Ⅱ音正常,Ⅲ・Ⅳ音・心雑音:聴取せず,呼吸音:異常所見なし,腹部:平坦・軟,心窩部に圧痛(+),腸蠕動音(+),下肢:浮腫(-)

ANCA陰性pauci-immune型半月体形成性腎炎

◦ pauci-immune型 半 月 体 形 成 性 腎 炎 の10 ~30%がANCA陰性である。

◦ ANCA陽性腎炎と比較して発症年齢が低く,腎外病変が少ない。

◦ ANCA陽性腎炎と比較して,腎予後が悪い。◦ 生存率は有意差は認められない。◦ ANCA陽性腎炎と比較して,尿蛋白量は多

く,ネフローゼ症候群の割合も高い。◦ 腎病理所見では,半月体形成,多核好中球の

間質浸潤などが認められた。◦ ANCA陽性腎炎と比較して,正常の糸球体

が少なかった。また,間質の線維化もより重度であった。

◦ 治療法としては,ステロイド療法,免疫抑制療法などを行っているが,確立はされていない。

参考文献1. Eisenberger U, Fakhouri F et al. ANCA-negative

pauci-immune renal Vasculitis: histology and

outcome. Nephrol Dial Transplant 2005; 20:

1392-1399

2. Min Chen, et al. ANCA-negative pauci-immune

crescentic glomerulonephritis. Nature Reviews

Nephrology 2009; 5:313-318

3. Gagangeet Sandhu, et al. Diffuse alveolar

Haemorrhage in ANCA-negative pauci-immune

crescentic glomerulinephritis. Nephrology

Dialysis Transplantation Plus 2010; 3:449-452

4. Min Chen, et al. Antineutrophil Cytoplasmic

ANCA陰性のpauci-immune型半月体形成性腎炎の1例

千 葉 恭 司1  池 本 麻 衣1  竹 下 康 代1

小野田   登2  梅 村   敏3  

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第55回神奈川腎炎研究会

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A u t o a n t i b o d y - N ega t ive Pa u c i - i m m u n e

Crescentic Glomerulonephritis. American

Society of Nephrology 2007; 18:599-605

図1

<尿検査>pH 5.0

比重 1.013

蛋白 (2+)潜血 (3+)糖 (-)ケトン体 (+)RBC 30-49 /HPF

WBC 1-4 /HPF

硝子円柱 1-4 /WF

顆粒円柱 50-99 /WF

上皮円柱 5-9 /WF

蝋様円柱 1-4 /WF

BJP (-)

<腎機能検査>24hrCCr 19.2 ml/min

1日尿蛋白 298 mg/day

尿中β2MG 7750 μg/l

<血算>WBC 13500 /μ l

 NEUT 77.4 %

 LYMP 11.5 %

 MONO 9.7 %

 EO 1.2 %

 BASO 0.2 %

RBC 357×104 /μ l

Hb 10.6 g/dl

Ht 32.4 %

Plt 63.5×104 /μ l

<生化学>TP 6.6 g/dl

Alb 3.8 g/dl

BUN 34 mg/dl

Cr 2.5 mg/dl

UA 5.2 mg/dl

Na 134 mEq/l

K 3.9 mEq/l

Cl 97 mEq/l

Ca 9.3 mg/dl

P 3.7 mg/dl

T-Bil 0.4 mg/dl

AST 17 U/l

ALT 18 U/l

ALP 237 U/l

γGTP 21 U/l

LDH 245 U/l

AMY 61 U/l

CK 56 U/l

Glu 100 mg/dl

<凝固系>PT-INR 1.21

APTT 30.0 sec

<甲状腺関連>fT4 1.45 ng/dl

fT3 1.34 pg/ml

TSH 0.44 μ IU/ml

<血清>CRP 6.81 mg/dl

HbA1c 5.7 %

IgG 951 mg/dl

IgA 108 mg/dl

IgM 32 mg/dl

C3 136 mg/dl

C4 79.8 mg/dl

CH50 58 U/l

ASO 26 IU/ml

MPO-ANCA 8.3 U/ml

PR3-ANCA <1.3 U/ml

蛍光抗体法 p-ANCA (-) c-ANCA (-)RF <3 IU/ml

抗核抗体 <40 倍抗DNA抗体 <2.0 IU/ml

抗RNP抗体 <7.0 U/ml

抗SS-A抗体 <7.0 U/ml

MMP-3 158 ng/ml

抗CCP抗体 0.7 U/ml

抗GBM抗体 <10 EU

クリオグロブリン (-)免疫電気泳動 (-)RPR (-)TPHA (-)HBs抗原 (-)HCV抗体 (-)

入院時血液検査所見

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腎炎症例研究 28巻 2012年 第55回神奈川腎炎研究会

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図2

図3

図4

図5

図6

図7

腎炎症例研究 28巻 2012年

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第55回神奈川腎炎研究会

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図8

図9

図10

結 語◦ 本症例は,ANCA 陰性の pauci-immune 型半

月体形成性腎炎と考えられ,ステロイド療法が著効した一例である。

◦ 腎予後が良くないため,65 歳以下であるならば,積極的に免疫抑制療法を行った方が良いと考えられた。

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討  論 千葉 よろしくお願いいたします。

【スライド】症例は54歳女性,主訴は食欲不振と嘔気です。既往歴として,13歳のときに急性虫垂炎で手術を行っております。家族歴では父が心不全,母がクモ膜下出血です。 現病歴です。2009年より耳鳴りにて耳鼻科に通院中でした。2010年5月下旬より食欲低下,嘔気,咳嗽,左眼の充血を認めました。6月1

日耳鼻科にて,急性咽頭炎の診断にて内服処方されていました。その後も嘔気が続くため,近医にて上部内視鏡検査を行っております。その結果,急性胃粘膜病変を認め内服加療を行っていました。しかし,症状改善を認めないため,6月12日当科受診となり,食欲不振の精査目的にて入院となりました。

【スライド】入院時現症です。脈拍が1分間に100拍であり,リズムは整でした。眼瞼結膜に貧血を認め,眼球結膜に充血を認めました。また咽頭発赤も認めました。心窩部に圧痛を認めました。そのほか,身体所見上,異常所見は認めませんでした。

【スライド】入院時の尿所見では,尿蛋白は3+,尿中赤血球が1視野で30から49個,顆粒球円柱が1視野で50から99個でした。 腎機能検査ではクレアチニンクリアランスが19.2ml/min。1日尿蛋白は298mgでした。血算では白血球が13,500/μ lと上昇しており,ヘモグロビン10.6g/dlと貧血を認めました。

【スライド】生化学ではBUN34mg/dl,クレアチン2.5mg/dlと,腎機能障害を認めました。 凝固系,甲状腺ホルモンには異常は認めませんでした。

【スライド】血清では,CRP6.81と上昇を認めました。MPO-ANCAは8.3と軽度上昇していましたが,正常範囲内は9.0以下なので陰性と考えました。一方,PR3-ANCAは陰性でした。また蛍光抗体法でも,ANCAは陰性でした。そのほか,MMP-3が陽性であるほか,抗体は全て

陰性でした。【 ス ラ イ ド 】 胸 部 レ ン ト ゲ ン 写 真 で は,

CTR44%であり,肺野に異常陰影は認めませんでした。胸部CT撮影でも明らかな異常所見は認めませんでした。

【スライド】腎生検所見です。HE染色では14

個の糸球体が採取でき,そのうち1個が全球性の硬化に陥っていました。4個の糸球体で細胞性半月体形成を認め,4個の糸球体で線維細胞性の半月体を認めました。残り5個は正常な糸球体と考えられました。

【スライド】HE染色の拡大です。細胞性半月体の形成を認めます。

【スライド】PAS染色にて,尿細管間質への炎症細胞の浸潤を認めました。また尿細管の萎縮も認められました。

【スライド】Masson染色です。細胞性半月体に少量の膠原線維を認めました。

【スライド】蛍光免疫染色では,特異的な所見は認めませんでした。

【スライド】電顕所見では,基底膜に菲薄化が見られ,上皮細胞の足突起の癒合が観察されました。また,間質にはリンパ球を中心とした炎症性細胞の浸潤が見られ,炎症性細胞は尿細管上皮まで波及していました。

【スライド】近医での胃粘膜生検の組織です。好中球,リンパ球からなる炎症性細胞の浸潤を認めました。悪性所見は認めませんでした。

【スライド】入院後の経過です。赤はヘモグロビン,黄色はクレアチニン,オレンジはCRP

を示します。水色の棒グラフは尿蛋白を示します。 入院後より37℃から39℃の発熱を認めました。 第2病 日 にBUN21mg/dl, ク レ ア チ ニ ン

(Cr)3.0mg/dlと,急激な腎機能障害の進行から,RPGN(急速進行性糸球体腎炎)と診断し,第4病日に腎生検を行いました。 腎生検の結果,半月体形成性腎炎と診断し,MPO-ANCAは陰性でしたが,軽度上昇しているめ,MPO-ANCA型急速進行性腎炎症候群の

腎炎症例研究 28巻 2012年

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診療指針に準じて,第7病日からメチルプレドニゾロン1,000mgを三日間のステロイドパルス療法を行いました。その後,腎機能は徐々に改善しましたが,第18病日から,ステロイドパルスの追加療法を行いました。その後,徐々に腎機能は改善し,第48病日に退院となりました。 平成23年2月1日現在,外来にてプレドニゾロン12.5mgで,BUN15mg/dl,クレアチニン(Cr)1.3mg/dl,尿蛋白は473mg/g・Cr,尿潜血は1視野で1個以下です。今のところ,ステロイドによる副作用は認めていません。

【スライド】MPO-ANCAは入院時も陰性でしたが,ステロイド療法により,MPO-ANCAの値はさらに低下しています。

【スライド】pauci-immune型の半月体形成性腎炎 の10%か ら30%はANCA陰 性 で す。ANCA

陰性のpauci-immune型半月体形成性腎炎は,ANCA陽性腎炎と比較して,発症年齢が低く,腎外病変が少ないとされています。また,腎予後は悪く,患者の生存率では有意差は認められませんでした。ANCA陽性腎炎と比較して,尿蛋白量は多く,ネフローゼ症候群の割合も高いとの報告もあります。

【スライド】腎病理所見では,半月体形成や,多核好中球の間質浸潤が認められるとの報告もあります。ANCA陽性腎炎と比較して,正常糸球体が少なく,間質の線維化もより重度であったとの報告もあります。治療法として,ステロイド療法,免疫抑制療法などを行っています。

【スライド】結語です。本症例はANCA陰性のpauci-immune型半月体形成性腎炎と考えられ,ほかの症例よりも尿蛋白量が少なかったため,ステロイド療法が著効したと考えられました。ANCA陰性の半月体形成性腎炎では,ステロイド療法の副作用よりも,末期腎不全の合併症によって死亡するほうが多いという報告があるため,65歳以下であるならば,積極的に免疫抑制療法を行ったほうがよいと考えられました。以上です。

酒井 先生,ありがとうございました。病歴と検査所見からは普通にRPGNを考えて治療をされてきているわけですね。とても治療自体はうまくいっているような印象を受けております。 じゃあ,フロアのほうから,まず臨床的な面で質疑応答をいただきたいと思います。田中 横須賀共済病院腎臓内科の田中と申します。2点質問がございます。耳鼻科で,右の耳の好酸球性肉芽腫にて通院中だったということですが,今までの治療歴とか,特殊なお薬を使われたとか,そういった経緯があれば教えていただきたいのと。もう1点は治療に関してですが,ステロイドのパルス療法をやって,その後,内服治療に移行した後にもう一度パルス療法をされているようですが,もう一度追加するときの判断基準とか,臨床的な手応えでもう1回追加したほうがいいとか,そういった考えがございましたら教えてください。千葉 まず1点目ですけれども,耳鼻科に関しまして,この抄録では右の好酸球肉芽腫症ということがありましたけれども,耳鼻科の先生に聞いたところ,確定診断がついていなくて,生検もしていなくて,その点に関しては,この診断はまだ分からないということでした。治療に関しては特別なことはしていなく,ステロイド療法も行っていないとのことでした。 あと,パルス療法の2回目をしたことに関しまして,ステロイド1回目をやったとしても,まだクレアチニンの下がりが悪く,尿潜血もまだ認めていたために,もう一度行いました。あと,患者さんもお若いということもありまして,副作用も認められないため,もう一度念のために行いました。田中 どうもありがとうございました。酒井 ほかにいかがでしょう。安田 聖マリアンナ医大の安田です。とても分かりやすい発表をありがとうございました。似た質問となりますが,耳鳴りや,充血などが病歴でありましたが,それは治療する前によくなってしまったのか,治療をしてよくなったん

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でしょうか。 また,眼科的にぶどう膜炎や,虹彩炎のようなものは特に何もなかったのでしょうか。千葉 充血に関しまして,ステロイドパルス療法の1回目が終わった後によくなりまして,虹彩炎などは認めませんでした。 耳鳴りに関しては,まだ継続していまして,今も耳鼻科通院中です。安田 特に眼窩や,副鼻腔,鼻腔に,顔面のCTで肉芽腫性変化はなかったのでしょうか。千葉 そうですね。頭のCTは撮っていませんので,肉芽腫とかはちょっと見ていません。安田 どうもありがとうございました。酒井 ほかにいかがでしょうか。 先生,この方は,先行感染症はあまりはっきりしたものはなかったんですか。千葉 先行感染症は明らかなものはありませんでした。酒井 耳鼻科のほうでも,あまりスクリーニングは?千葉 そうですね。スクリーニングされていなかったです。山口 先生,この木村氏病は,どのぐらいの大きさなんですか。その耳の抗酸球性肉芽腫は木村氏病のことですよね。千葉 何か診断もついていないので分からないと言われてしまって。山口 大きさです。千葉 大きさとかも分からないみたいですね。山口 患者さんを診ていないの?千葉 診ましたけれども,明らかな耳の所見とかもないと言われまして,組織も取っていないと言われて。酒井 抗酸球性肉芽腫は,あまり腎臓に来ない病態ですよね。直接,先生が診られたときはなかった?千葉 僕が診たときはなかったです。酒井 ほかにフロアの方,いかがですか。木村 聖マリアンナ医科大学の木村ですけれども,胃の組織はその時点ではどういう診断だっ

たんでしょうか。千葉 急性胃粘膜病変,胃炎ということで。木村 胃炎のみですか。千葉 はい。そうです。木村 何か特徴的な病変というのはないんですか。後で病理の先生から詳しいコメントがあるとは思うんですけれども。千葉 見た目では,やっぱりびらんというか,胃炎の所見だけでありまして,入院後にももう一度胃カメラを行ったんですけれども,明らかな異常所見は認めませんでした。木村 そうですか。はい。ありがとうございます。酒井 ほかにクリニカルな点でいかがですか。 じゃあ病理のほうに移らせていただいてよろしいでしょうか。では。山口 じゃあ,山口のほうからお願いします。 胃の粘膜の標本を先ほど見せてもらいましたので,重松先生のほうから組織はご提示になると思います。

【スライド01】この症例は,ANCAなのかどうかです。ちょうど上限に近いところで,クリニカルに細かく僕も勉強してこなかったので,こんな程度でもANCAとは言えないのかどうかという問題があります。そうすると,ANCAじゃなければ一体何が半月体をつくる病因になったのかというのが,また別の問題にはなってくるように思います。

【スライド02】HEで見ますと,ほとんどの糸球体がやはりcellular,あるいはfibro-cellularで,それから間質炎,あるいは尿細管炎,あるいはperitubular capillaritisで,そういったものも比較的瀰漫性の病変です。

【スライド03】ちょっとnecrotizingな感じがこれだと分かりづらいんですが,部分的にはfibrinoid necrosisがあって,好中球のapoptosis

もあるということです。 ただ,比較的ボーマン嚢が保たれているんです。ボーマン嚢周囲には,リンパプラズマ系の浸潤がありますけども,比較的ボーマン嚢の基

腎炎症例研究 28巻 2012年

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底膜が保持されているという印象です。 それから,crescentもnecrotizingで部分的なタフトの壊死はありますけれども,全体に及んでいるというほどでもないように思います。

【スライド04】あと,尿細管への影響で,血尿で尿細管上皮の injuryがあるということだろうと思います。

【スライド05】PASで見ますと,やはりこういうようにほぼボーマン嚢が保たれて,rupture

し て い な い で す。 こ う い う よ う にcellular

でnecrotizingな 病 変 が あ り ま す け れ ど も,magnitudeがそんなに,crescentは非常に頻度は高いですが,crescenticでも,このボーマン嚢の ruptureがあるかないかというのは,すごく予後にある程度,関係してくるように思います。

【スライド06】ほかのこういうような壊死性の病変がありますけども,全周性に近いところもあるんですが,半分から3分の2ぐらいのcrescentが,もちろん多発してきているわけで,peritubular capillaritisもあります。

【スライド07】Massonで見ますと,やはり少し間質が線維化で,一部分はfibrousなcrescentに近い状態になっているのもあります。やはり主体はcellular,あるいは壊死性の変化が主体です。

【スライド08】同じようなもので,部分的な虚脱の硬化性の病変。ただ,ボーマン嚢の基底膜が一部ちょっと ruptureしていますね。ここもちょっと,血管極部かもしれないです。ただ,比較的,ボーマン嚢の基底膜が保持されているということだろうと思います。

【スライド09】部分的なnecrosisです。そんなに大きなあれではなくて,細動脈の一部に硝子化があると。normal appearanceの糸球体も混ざっています。

【スライド10】電子顕微鏡で見ますと,これが基底膜で,やや何か染み込みなのか分か り ま せ ん け ど,intramembranousあ る い はparamesangiumの と こ ろ に, ち ょ っ とdensity

のあるのが見受けられます。これはちょうど

crescentのところで,いろんな好中球が混ざってfibrinがボーマン嚢腔に漏れ出始めているところです。ですから,ちょうど始まりのところだろうと思います。上皮の増生もあります。

【スライド11】尿細管間質では,尿細管炎です。少し泡沫,みんな少し regenerativeな上皮で,一部リンパ球が混ざって,間質にマクロファージ,リンパ球,形質細胞なんかがいます。それから,IFでは特に有意なものはないです。ちょっと分からないのは,C3がちょっとボーマン嚢に出ているというぐらいですかね。何か意味があるのか,ちょっとよく分かりません。fibrinがあんまり出ていません。

【スライド12】ちょっと数が,基本的には( ★00:21:56 / 一 語 不 明,posing)necrotizing

crescentic lisionですが,私が数えますと,30個中23個がcrescentでノーマルなやつも四つぐらいある。peritubular capillaritis,tubulousがあるということで,木村氏,好酸球性肉芽腫だと,普通はminimal-change,あるいはmesangio

proliferativeな腎炎,膜性も随伴してくる。ただ,crescentというのはあまりないようです。

【スライド13】これは,先ほど千葉先生のほうからご紹介のあった,大体どういうわけだか,北京のグループがアグレッシブに今ANCA

のペーパーをたくさん書いています。それで,ANCA陽性とネガティブなやつの臨床データ,先ほども言ったとおりで,比較的年齢が若い人がANCAネガティブで,nephroticで,全身症状が少ないということです。組織学的には,そんなに大きな,ややcellularなやつがANCAネガティブ。ですから,どちらかといえば,若いけれども,予後も悪い例が多い。これはチャイニーズのペーパーなので,日本人に即当てはまるかどうかは分かりませんけども,一応,比べて,そんなに日本はANCAネガティブで,こんなにたくさんあるかどうか,ちょっと私も分かりませんけど。 以上です。重松 じゃあ,私からいいですか。

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酒井 はい。お願いします。重松 本日の第1例目と第2例目では,非常に似たようなというか,病変の進展の仕方を考えるうえで,出ている細胞がmonocyte/

macrophages系がすごく目立つ。いってみれば,monocyte-macrophages dependent腎炎というふうなものを想定できるんではないかということです。第1例目ではそれを説明するのが,なかなか難しいという点もありますけども,ちょっとスライドで何とか結論に近いようなところまでいきたいと思います。

【スライド01】この標本は,管外性の病変が72%ということで,そして,extracapillaryになる前に,intracapillaryのchangeがどうもあって,そして基底膜が破けて管外性に進展しているという印象のものであります。

【スライド02】そして糸球体病変を見ますと,こういうふうに間質病変ももちろん強いんですけれども,管外性の病変がある。

【スライド03】それから,necrotizingの病変があって,そしてそこから管外性の病変に進展しています。このextra capillaryのいわゆる半月体,あるいは管外性の病変については,一般的には半月体,なんでも半月体ということで,その内容についてはあまりディスカッションがされてこなかったという点があると思います。

【スライド04】ここは,fibrousのcrescentのところに,こういうふうなcellularのものが加わっているわけです。でも,これを見ると,単一の細胞じゃなくて,単なる係蹄の上皮が増殖しているんじゃなくて,血中由来の細胞を思わせるものもあるし,非常に腫大した細胞も入っているわけです。だから,ここら辺はやっぱりちょっと注目して見ていきたいというわけです。

【スライド05】間質の病変には集積している細胞は,リンパ球,それから,血行由来の単球ぐらいのもので,糸球体のほうに見られる腫大した細胞は,こっちのほうにあまり目立たないです。でも,糸球体のほうにはリンパ球様の細胞もあるんだけれども,そのほかに2核の

腫大した細胞,あるいは核に切れ込みのあるmonocyte,macrophages系の特徴を持った細胞も加わっているわけです。

【スライド06】尿細管炎があるんで,糸球体と同等に間質炎も進展しているということであります。

【スライド07】それで,糸球体に戻るんですけれども,こういうふうな切れ込みのあるmonocyte様の細胞が単核の細胞と一緒に混じって,管外性病変をつくっている。

【スライド08】それから,そのほかに好中球です。そういうものも,かなり管外性の病変に関与しているということがいえると思います。

【スライド09】光顕だけで細胞を区別するというのは非常に無理な点があるんですけれども,こういう外側に出た細胞で,例えば,こういうものすごく腫大した,でかい細胞というのは,普通podocyteとか,係蹄の上皮というのは,2

核になるにしても,こういう大きな細胞になることはありませんね。これは,やっぱり単球とか,macrophages系の細胞が transformationすることでよく出てくる変化であります。

【スライド10】これも,均一なcrescentではなくて,いろんな細胞が混じってできた管外性病変というところを示してあります。そして,一部にはmacrophages系のものを示唆するものがある。これは,もうmarker studyでもやらないとちょっと区別が難しいんですけども,幸いこの標本では電顕が撮ってあったので,電顕からも少し情報が出せると思います。

【スライド11】ちょっと,これも光顕でものをいうのは難しいかな。

【スライド12】これはMassonですけども,係蹄のほうにはdepositionとかがはっきりしません。目立つのは,こういうでかいpyknoticになった細胞の周りにこういう明るい大型の細胞があるというのが,この症例の特徴であります。

【スライド13】中には,こういうふうに,核分裂像が,ぱっぱっと出ているんです。ということは,係蹄の中で,こういう増殖性の変化,こ

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れは恐らくcytokinesなんかで起こされているんでしょうけども,そういう現象が半月体の中で進行しているということです。

【スライド14】それで,山口先生もお出しになりましたけれども,係蹄の壊死性 lesionがあります。ここ,ずっと基底膜がこう走っていて,実はこの辺で ruptureがあるんです。この外側に好中球が出ています。それから,この細胞はライソゾームが多いから,これはmonocyte

だと思います。この腫大して変性したのは,これはどうも上皮細胞と思います。ここに,mesangium細胞か,endothelがあります。ここで,一部外へfibrin様の物質が出て,ボーマン嚢のところにもすごい染み込みがありますね。まだ破けていませんけども。

【スライド15】液性滲出性病変が強いです。今のところをちょっと拡大しました。そうすると,基底膜はぐるっと来て,ここで切れています。ここで切れて,この間から,monocyteと思いますけれども,それで細胞が外へ出ているところがあるということです。

【スライド16】それから,もう一つmonocyteでこだわるのは,こういうところにあるライソゾームが多いというのがmonocyteの特徴ですけれども,そういう細胞がある中で,ここのところをちょっと注目してほしい。これは二つの単核細胞ですけれども,この二つが,類上皮細胞になるようなときのように細胞同士がinterdigitationという細胞相互嵌入ということをやって,肉芽腫をつくる前段階の変化と見られる細胞反応を示しています。ちょっとここのところを大きくします。

【スライド17】ちょっと横位置になりましたけども,こちらのほうのmonocyteには核が出ていないんです。これが係蹄で,変性した上皮の上にこれが乗っかっています。そして,こちらにもmonocyteがいるわけですけれども,この細胞のここのところは,綿密な細胞相互嵌入とみられ,ちょっと腫大してartifact的なものがありますけれども,この二つの細胞が類上皮細

胞様に細胞嵌入で相互に結び付けられているという所見だろうと思います。

【スライド18】ここが境です。ここの両者の間は,細胞の入り組んだ接着が見られるということです。 ということで,この症例はもし肉芽腫が出ていれば,これはANCA関連の腎炎でも,Wegenerの肉芽種症類似の液性抗体よりも,細胞性Th1が有意に推移した場合に起こってくる半月体形成性変化というふうにいえるんですけれども。この症例では,私はどちらかというと,ANCAは低値であって,それに反してこのmonocyte/macrophage系の関与が非常に目立つ管外性病変を取ったということです。pauci-

immuneの形ではANCAが主導的なものと,一方では,むしろ細胞性の免疫がかなり関与しているものがあるのだということを,この症例は示唆しているんじゃないかというふうに考えました。以上です。酒井 山口先生,重松先生,どうもありとました。それでは,両先生も含めまして,病理学的な面で,質問等,ご意見等ございましたら,よろしくお願いいたします。はい。安田先生。安田 病理の先生にお尋ねしたいのですが,非常に初歩的な質問です。抄録に半月体には線維芽細胞や増殖したボーマン嚢上皮が見られるというふうに書いてありますが,これは先生方が見ると,これがボーマン嚢上皮で,これが線維芽細胞だというのは,半月体のところを見ると,わかるのでしょうか。今,重松先生が,これはmonocyte,macrophage,と説明されたのですが,こうやって見ていくのかとわかるという方法はあるのでしょうか。重松 私自身は,これは非常に難しいと思うんです。だから,crescentというと,みんなもう係蹄上皮,あるいは中にはpodocyteが増える。そういうものだけを思い描いている傾向があります。そして,ボーマン嚢が破けたり障害を受けると,間質から線維芽細胞が入ってきて,そして線維細胞性半月体ができる。そういうふう

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に始めから思い込みが強すぎて見る傾向が,僕は今まであると思うんです。 だから,やっぱりちょっと初心に返って,本当にそうかどうかというものを,一つ一つの標本で確かめなければいけないと考えます。きょうの症例も,望むらくはいろいろ細胞のマーカーを使って,どういう細胞が出ているかということを,もう一つ組織学的に証明できればいいなと思います。安田 ありがとうございました。酒井 ほかにご質問やご意見はどうでしょうか。 先生,比較的,今回予後がよかった症例だと思うんですけれども,その予後がよかったことと,半月体の細胞成分のバラエティーというか,そういうものは何かあるんでしょうか。重松 一つはmonocyteというのは,流血から由来した細胞です。これはその場に,普通は定住しないで,死ぬなり,遊走していってしまう。そういうことで,いってみれば管内増殖性の,急性のいわゆる感染後の腎炎,あれもmonocyte

がすごく出てくるんですけども,放っておいてもすうっと消退します。そういう傾向がありますから,初期にmonocyteがいくら出ていて,激しい半月体ができていても,それがそのまま重篤度には関わらないというふうに考えていいんじゃないかと思うんです。酒井 山口先生どうぞ。山口 あとは,先ほど言いましたように,ボーマン嚢が保たれているかどうかというのがすごく大きいように思うんです。ですから,あの後,恐らく再生検すると,ボーマン嚢が保たれていれば,segmental (★00:38:41 /一語不明,scar)のかたちでタフトが生き残っている可能性があるんです。グローバルまで至らない可能性がありますので,もちろんノーマルに見える糸球体がどのぐらい残っているかという比率もすごく重要であることは間違いないと思うんですけど,われわれは一部しか見ていませんから,全部が本当に involveされているかどうかは分か

らない。1割か2割ぐらいありましたかね,この症例は。 ですから,もちろん間質炎とか何かもある程度絡むとは思いますけど,一つはやっぱりボーマン嚢が保持されているかどうかが,すごく重要だと思います。酒井 ありがとうございます。先生,どうぞ。木村 聖マリアンナ医科大学の木村です。胃のほうの粘膜も,あれは毛細血管炎ではないんでしょうか。重松 私もmalignancyか,血管炎があるんじゃないかと思って,見せていただいたんですけれども,やっぱり,metaplasiaを伴う急性胃炎です。木村 普通のよく見る胃炎だけですか。重松 はい。そうでした。これは,山口先生にも言ってもらいます。山口 通常のmetaplastic gastroenteritisで,あまり特異なものはないように思います。酒井 はい。ありがとうございます。クリニカルにいえば,比較的典型的なRPGNを呈していて,そしてpauci-immuneで予後が心配なところは,比較的うまく治療が奏功して,病理のほうでは,ボーマン嚢が保たれていて,ANCAも正常ぎりぎりの上限といったところが予後が良好なところに結び付いてきているような,まとめ的な話です。最後にトータルな面で,ご意見,ご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。 では,千葉先生,どうもありがとうございました。千葉 ありがとうございました。

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